JP2014125154A - 要求量導出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】要求量導出装置にて導出するSF目標値について、操舵に対する追従性を向上させること。
【解決手段】エンジンECUは、基本要求駆動力を算出する基本要求トルク算出部と、車速を算出する車輪速算出部と、操舵角δを算出する操舵角算出部と、目標旋回半径ρを算出する目標旋回半径算出部と、SF目標値を算出するSF目標算出部38と、SF目標値に追従するように基本要求トルクを補正する制振補正制御部とを備えている。SF目標算出部38は、SF目標値の基準値となる目標基準値Δを周知の手法で算出する目標基準値算出部52と、旋回指標の予め規定された単位時間当たりの変化率を表す指標微分値を導出する指標微分値算出部54と、指標微分値を目標基準値Δに加算してSF目標値として出力する加算部60とを有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両制御に用いる基本要求量を導出する要求量導出装置に関する。
従来、自車両の内燃機関にて発生する駆動トルクを調整することで、旋回運動している自動車の挙動を制御する車両安定化制御システムが知られている(特許文献1参照)。
この特許文献1に記載された車両安定化制御システムは、自車両の走行状況に基づいて導出されるスタビリティファクタの目標値(以下、「SF目標値」と称す)に従って、アクセル操作によって要求される基本要求トルク(即ち、基本要求量)を補正した補正後要求トルクを導出する。そして、車両安定化制御システムでは、補正後要求トルクが駆動輪に伝達されるように内燃機関やトランスミッションなどのパワートレイン機構を制御する。
特許文献1において、補正後要求トルクは、各種センサで検知した状態量に基づいて導出した実際のスタビリティファクタとSF目標値との差を基本要求トルクから減算することで導出される。また、SF目標値(=LfKcf−LrKcr)は、下記(1)式によって導出される。
ただし、(1)式におけるKcfs,Kcrsは、それぞれ、道路勾配および加減速による荷重移動分のみを考慮した静的な前輪のコーナリングパワーと後輪のコーナリングパワー[N/rad]とであり、Lは、自車両のホイールベース[m]である。また、(1)式におけるMは、自車両の車両質量[kg]であり、Vは、自車両の車速[m/s]であり、ρは、目標旋回半径[m]であり、δは、操舵角[rad]である。
特許第4161923号
ところで、車両安定化制御システムにおいては、規定速度以上で走行している車両において操舵が開始された場合、車両がスムーズに旋回するように、自車両における荷重は前輪(操舵輪)を大きくし後輪を小さくすることが要求されている。このため、操舵が開始された直後には、駆動輪に制動トルクが加わるように前輪(操舵輪)に対する荷重を大きくするSF目標値が導出されることが好ましい。
しかしながら、特許文献1に記載された技術で導出されるSF目標値は、図5(A)に示すように、操舵が開始された直後には、駆動輪に駆動トルクが加わるように前輪(操舵輪)に対する荷重を小さくする値となり、その後、駆動輪に制動トルクが加わるように前輪(操舵輪)に対する荷重を大きくする値が導出される。このため、特許文献1に記載された技術で導出されるSF目標値は、操舵操作に対して本来要求されるべき値よりも遅れが生じる。
つまり、従来の技術にて導出されるスタビリティファクタの目標値は、操舵に対する追従性が悪いという課題が生じる。
そこで、本発明は、スタビリティファクタの目標値について、操舵に対する追従性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明は、基本要求量を導出する要求量導出装置に関する。
本発明の要求量導出装置は、基本要求取得手段と、荷重取得手段と、目標値導出手段と、補正制御手段とを備えている。
そして、本発明における基本要求取得手段は、車両が有する駆動輪に対して要求される駆動力を表す物理量(即ち、基本要求量)を取得する。荷重取得手段は、車両の前輪に加わる荷重である前輪荷重、および後輪に加わる荷重である後輪荷重を取得する。
さらに、目標半径取得手段は、車両が旋回運動する場合の理想的な旋回半径を表す目標旋回半径を取得する。目標値導出手段は、少なくとも、荷重取得手段にて取得した前輪荷重、後輪荷重、および目標半径取得手段にて取得した目標旋回半径に基づいて、自車両のスタビリティファクタの目標値を導出する。補正制御手段は、その導出されたスタビリティファクタの目標値に追従するように、基本要求取得手段で取得した基本要求量を補正する。
本発明における目標値導出手段は、基準導出手段と、指標取得手段と、変化率導出手段と、加算手段とを備える。
基準導出手段は、前輪荷重、後輪荷重、および目標旋回半径に基づいて、スタビリティファクタの目標値の基準値である目標基準値を導出する。指標取得手段は、自車両の操舵に伴う旋回運動の状態量を表す旋回指標を取得する。変化率導出手段は、指標取得手段で取得した旋回指標の予め規定された単位時間当たりの変化率を表す指標微分値を導出する。加算手段は、変化率導出手段で導出された指標微分値を、基準導出手段で導出された目標基準値に加算した結果を、スタビリティファクタの目標値とする。
本発明の要求量導出装置によれば、当該要求量導出装置にて導出されるスタビリティファクタの目標値に指標微分値が加算されているため、操舵の変化に対して当該目標値を早期に適切な値へと近づけることができる。
具体的には、本発明の要求量導出装置によれば、図5(B)に示すように、駆動輪に制動力を加えるように前輪(操舵輪)に対する荷重が大きくなるスタビリティファクタの目標値を、操舵が開始されてから早期に求めることができる。
換言すれば、本発明の要求量導出装置によれば、スタビリティファクタの目標値(ひいては、基本要求量)について、操舵に対する追従性を向上させることができる。
この結果、本発明の要求量導出装置にてスタビリティファクタの目標値に追従するように補正された基本要求量に従って車両の挙動を制御すれば、その車両の挙動を、操舵が開始された後、早期に、自車両の乗員にとって違和感が少ないものとすることができる。
本発明における変化率導出手段は、旋回指標の単位時間当たりの変化率に、規定されたゲインである規定ゲインを乗じた結果を指標微分値としてもよい。
このような要求量導出装置によれば、規定ゲインによって変化率を増幅させるため、操舵に対する応答性をより向上させることができる。
ところで、車速が大きい場合に操舵に対する応答性が高いと、車両が過敏に動きすぎるため、乗員が違和感を覚える。
そこで、本発明の要求量導出装置においては、車速が大きいほど小さな値となるように規定ゲインを規定してもよい。
このような要求量導出装置によれば、車速が大きいほど、スタビリティファクタの目標値の操舵に対する追従性を低くすることができ、車両が過敏に動きすぎることを防止できる。この結果、本発明の要求量導出装置によれば、自車両の乗員にとって違和感の少ない車両挙動を実現できる。
さらに、一般的な車両では、車速が低速である場合、単位時間当たりの操舵の操作量は大きなものとなるため、操舵に伴う旋回指標の微分値である指標微分値は、ハンチングする可能性がある。このようにハンチングした指標微分値が大幅に増幅されると、異常な制御となる。
そこで、規定ゲインは、自車両の車速が低速上限値未満である場合には、規定ゲインの上限値として規定された固定値としてもよい。
このような規定ゲインとすることで、スタビリティファクタの目標値が操舵に対して過敏に応答することを低減できる。
全体構成を示す説明図である。 本発明の主要部であるエンジンECUの機能ブロック図である。 SF目標算出部の機能ブロック図である。 規定ゲインの一例を説明するグラフである。 (A)従来技術の課題を説明する図面であり、(B)本願発明の効果を説明する図面である。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
〈車両制御システム〉
図1に示す車両制御システム1は、車両に備えられたエンジン80にて発生するトルクを調整することで、前後輪加重の移動に基づくスタビリティファクタの変動を低減させ、旋回運動の際の車両挙動や車両特性を安定させるシステムである。
これを実現するために、車両制御システム1は、アクセルストロークセンサ3と、車輪速センサ4と、操舵角センサ5と、吸入空気量センサ6と、エンジン回転センサ7と、ナビゲーションシステム8と、エンジンECU20とを備えている。
アクセルストロークセンサ3は、アクセルペダル82の操作量に応じた検出信号を出力する周知のセンサである。
車輪速センサ4は、車輪の回転速度に応じた検出信号を出力する周知のセンサである。本実施形態においては、左右の前輪14A,14B、および左右の後輪15A,15Bの回転速度を検出するように、前輪14A,14B、および後輪15A,15Bに、車輪速センサ4A〜4Dが設けられている。
操舵角センサ5は、自車両の操舵角に応じた検出信号を出力する周知のセンサである。本実施形態における操舵角センサ5は、ステアリングホイール84の回動量を検出することにより、操舵角に応じた検出信号を出力する。
吸入空気量センサ6は、エンジン80内に流入する吸入空気量に応じた検出信号を出力する周知のセンサである。エンジン回転センサ7は、エンジン80の回転速度に応じた検出信号を出力する周知のセンサである。
ナビゲーションシステム8は、自車両の現在位置および進行方向の方位に基づいて、外部からの入力に従って設定された目的地までの経路案内を行う周知の装置である。本実施形態のナビゲーションシステム8は、位置検出器と、ヨーレートセンサ9と、操作スイッチ群と、表示装置と、音声出力部と、補助記憶装置と、ナビゲーション電子制御装置(以下、「ナビECU」と称す)10とを備えている。
位置検出器は、自車両の現在位置を検出するものであり、GPS受信機や、ジャイロセンサ、地磁気センサを少なくとも備えている。ヨーレートセンサ9は、自車両に加わるヨーレートγを検出する周知のセンサである。さらに、表示装置は、情報を表示する周知の装置(例えば、液晶ディスプレイ)であり、音声出力部は、音声を出力する周知の装置(例えば、スピーカシステム)である。操作スイッチ群は、乗員からの各種指示を受け付ける周知の機構である。
また、補助記憶装置は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置(例えば、ハードディスクドライブや、フラッシュメモリ等)として構成されている。この補助記憶装置には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、道路データ、地形データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が予め記憶されている。地図データは、周知のデータであり、少なくとも道路の勾配や曲率などの道路情報を含むものである。
ナビECU10は、ROM、RAM、およびCPUを少なくとも備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。本実施形態のナビECU10は、補助記憶装置に記憶されている道路情報、およびヨーレートセンサ9にて検出したヨーレートγを、エンジンECU20へと出力する。
〈エンジンECU〉
次に、本発明の主要部を構成するエンジンECU20は、ROM、RAM、およびCPUを少なくとも備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、エンジン80の吸入空気量や燃料噴射量を制御する周知の電子制御装置である。
エンジンECU20は、ROMに格納された処理プログラムを実行することにより、エンジン80にて発生するトルクを調整し、前輪に加わる前輪荷重と後輪に加わる後輪荷重の移動に基づくスタビリティファクタの変動を安定させることで、車体の姿勢を安定させるスタビリティコントロールを実現する。
このスタビリティコントロールを実現するために、エンジンECU20は、図2に示すように、基本要求トルク算出部22と、推定車軸トルク算出部24と、車輪速算出部26と、道路勾配算出部28と、操舵角算出部30と、走行抵抗外乱推定部32と、前後輪静的荷重算出部34と、目標旋回半径算出部36と、SF目標算出部38と、制振補正制御部40とを備えている。なお、これらの各部22,24,26,28,30,32,34,36,38,40は、処理プログラムを実行することで実現される。
基本要求トルク算出部22は、アクセルストロークセンサ3から出力される検出信号に基づいてアクセルペダル82の操作量(以下、「アクセル操作量」と称す)を算出すると共に、そのアクセル操作量に応じた基本要求駆動力を算出する。この基本要求トルク算出部22にて算出する基本要求駆動力とは、自車両の駆動輪15A,15Bに対して要求される駆動力を表す物理量(即ち、基本要求量)であり、自車両の運転者が要求する車軸トルクである。ここでいう車軸トルクとは、自動車の加減速を実現するトルクであり、エンジン80から駆動輪15A,15Bに伝達されるトルクである。
なお、アクセル操作量の算出方法、および基本要求駆動力(車軸トルク)の算出方法は、周知であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
推定車軸トルク算出部24は、吸入空気量センサ6およびエンジン回転センサ7からの検出信号に基づく周知の手法により、現時点での車軸トルクである推定車軸トルクを算出する。
車輪速算出部26は、車輪速センサ4A,4B,4C,4Dそれぞれからの検出信号に基づいて、各車輪14A,14B,15A,15Bの車輪速を算出する。各車輪速の算出手法は、周知であるため、ここでの詳しい説明は省略する。さらに、車輪速算出部26では、車輪14Aの車輪速と車輪14Bの車輪速との平均を前輪車輪速として算出し、車輪14Aの車輪速と車輪14Bの車輪速と車輪15Aの車輪速と車輪15Bの車輪速との平均を車速V[m/s]として導出する。
道路勾配算出部28は、ナビECU10からの道路情報に含まれている勾配を、自車両が現時点で走行している道路の道路勾配として抽出する。
操舵角算出部30は、操舵角センサ5からの検出信号に基づく周知の手法により、操舵角δを算出する。
走行抵抗外乱推定部32は、車輪速算出部26にて算出した前輪車輪速に基づいて、車輪速度に応じて前輪14A,14Bが受けた走行抵抗を表す走行抵抗外乱を推定する。具体的に、走行抵抗外乱推定部32では、車輪速の微分値に対して車両質量M[kg]を乗じることで導出した並進方向の力[N/m]に、転動輪の半径を乗じることで導出した転動輪に働くモーメント[N]を走行抵抗外乱として推定する。
すなわち、走行抵抗外乱推定部32にて推定される走行抵抗外乱は、運転者の操舵によって発生したコーナリングドラッグや路面の凹凸などに起因した車輪速の変化に基づいて推定され、走行抵抗の発生要因に関わらず、転動輪が受けた走行抵抗を表すものとなる。
前後輪静的荷重算出部34は、前輪が路面に押しつけられる荷重を表す前輪静荷重Wf_s、および後輪が路面に押しつけられる荷重を表す後輪静荷重Wr_sを算出する。前後輪静的荷重算出部34による前輪静荷重Wf_s、および後輪静荷重Wr_sの算出方法としては、例えば、特許第4161923号公報に記載された、推定車軸トルク算出部24にて算出された推定車軸トルク、および道路勾配算出部28にて算出された道路勾配に基づく周知の手法を用いればよい。
目標旋回半径算出部36は、車輪速算出部26で算出された車速Vと、ナビECU10からのヨーレートγに基づいて、自車両の旋回運動において目標とする旋回半径を表す目標旋回半径ρを算出する。目標旋回半径ρの算出方法としては、車速Vをヨーレート(ヨー角)γで除する(ρ=V/γ)ことが考えられる。
SF目標算出部38は、スタビリティファクタの目標値(以下、「SF目標値」と称す)Dを算出するものであり、図3に示すように、目標基準値算出部52と、指標微分値算出部54と、加算部60とを有している。ここでいうSF目標値Dとは、スタビリティファクタを決定する指標であり、車両のステアリング特性が、アンダーステアであるかニュートラルステアであるかオーバーステアであるかを表す指標である。
目標基準値算出部52は、下記(2)式に従って、SF目標値Dの基準値となる目標基準値Δを算出する。目標基準値Δは、具体的には、車輪速算出部26からの車速Vと、目標旋回半径算出部36からの目標旋回半径ρと、前後輪静的荷重算出部34からの前輪静荷重Wf_s、および後輪静荷重Wr_sそれぞれに基づいて導出したKcfs、およびKcrsを、下記(2)式に代入することで算出される。
ただし、Kcfsは、前輪静荷重Wf_sに基づく静的な前輪のコーナリングパワー[N/rad]であり、Kcrsは、後輪静荷重Wr_sに基づく静的な後輪のコーナリングパワー[N/rad]である。前輪静荷重Wf_s、および後輪静荷重Wr_sに基づくKcfs、およびKcrsの導出方法は、周知であるためここでの詳しい説明は省略する。
なお、(2)式におけるLは、自車両のホイールベース[m]であり、Mは、自車両の車両質量[kg]である。
指標微分値算出部54は、微分算出部56と、乗算算出部58とを備え、自車両の操舵に伴う旋回運動の状態量(以下、「旋回指標」と称す)の予め規定された単位時間当たりの変化率を表す指標微分値を導出する。
微分算出部56は、旋回指標としての操舵角δの絶対値を、予め規定された単位時間で除することで、単位時間当たりの旋回指標の変化率d/dtδを算出する。乗算算出部58は、微分算出部56からの単位時間当たりの旋回指標の変化率d/dtδに規定ゲインKGを乗算した結果を指標微分値として導出する。
なお、旋回指標は、操舵角δの絶対値に限るものではなく、例えば、ヨーレートを用いてもよい。
規定ゲインKGは、車速Vに応じて規定されるゲインである。この規定ゲインKGは、図4に示すように、車速Vが「0[km/h]」から、ステアリング特性を無視できる上限の速度である車速Vminまでの間は、当該規定ゲインKGの上限値KGmaxに固定されるように規定されている。車速Vminから、法定速度によって決定される車両の限界速度Vlimまでの間での規定ゲインKGは、車速Vが大きいほど小さな値となるように規定されている。この車速Vminから限界速度Vlimまでの間における規定ゲインKGは、図4に示すように直線状に変化させても良いし、階段状に変化させても良い。
さらに、車速Vが限界速度Vlim以上である場合には、規定ゲインKGは、「0」に固定されるように規定されている。
なお、車速Vminから実用的な車速Vの上限値Vavmaxまでの間での規定ゲインKGは、固定値KGgenであっても良い。この場合の固定値は、KGmaxから0より大きい値までの範囲内の代表値であれば、どのような値であっても良い。代表値の一例としては、平均値が考えられる。
加算部60は、目標基準値算出部52にて算出された目標基準値Δに、指標微分値算出部54にて算出された指標微分値を加算し、その加算した結果をSF目標値Dとして出力する。
図2に示す制振補正制御部40は、SF目標算出部38にて算出されたSF目標値Dに追従するように、基本要求トルク算出部22にて算出された基本要求トルクを補正する。
本実施形態における制振補正制御部40は、加算算出部42と、積分系算出部44と、加算算出部46と、補正トルク算出部48と、補正後要求トルク算出部50とを備えている。
加算算出部42は、予め規定されたピッチング振動モデルVMにおける出力方程式から求めた出力YをSF目標値Dから減算する。
ここでいうピッチング振動モデルVMとは、車両の加減速および旋回運動によって、車両重心を中心に車両の左右方向の軸周りに発生する振動を模擬したモデルである。
なお、本実施形態におけるピッチング振動モデルVMでは、車体を、水平方向と平行な任意の基準平面からなる平板であると仮定すると共に、その平板に、バネダンパとして模擬可能なサスペンションに支持されたタイヤ、バネダンパとして模擬可能なマウントに支持されたエンジン80やトランスミッションを備えているものと仮定する。
このように仮定した場合、車体のピッチ中心の運動方程式は、下記(3)式にて表される。
ただし、(3)式におけるKf,Krは、それぞれ、前輪14および後輪15を支持するサスペンションのバネ定数であり、Cf,Crは、それぞれ、前輪14および後輪15を支持するサスペンションの減衰係数であり、mは、エンジン80およびトランスミッションの質量である。Keは、マウントのバネ定数であり、Ceは、マウントの減衰係数である。rは、タイヤ半径であり、Lfは、車両重心と前輪軸との間の距離であり、Lrは、車両重心と後輪軸との間の距離である。Leは、車両重心とエンジンおよびトランスミッションの重心との間の距離であり、hcは、車体基準線(基準平面の高さ)と車両重心との間の距離である。Ipは、車体のピッチング慣性モーメントであり、gは、重力加速度である。
符号xは、車体の垂直方向変位[m]であり、xeは、エンジンおよびトランスミッションの垂直方向変位[m]であり、θpは、仮想ピッチング中心周りのピッチ角である。
また、車体上下運動の運動方程式と、エンジン80およびトランスミッションの上下運動の運動方程式とは、それぞれ、下記(4)式、および下記(5)式によって表される。
これらの運動方程式を変形して、状態空間表現とすると、下記(6)式にて表される。ただし、(6)式では、ΔTrを符号uとし、上記(3)式から(5)式に従って導出したx''に含まれる[x,x',xe,xe',θp,θp']の係数を、a1〜a6としている。さらに、(6)式では、上記(3)式から(5)式に従って導出したxe''に含まれる[x,x',xe,xe',θp,θp']の係数を、b1〜b6とし、上記(3)式から(5)式に従って導出したθp''に含まれる[x,x',xe,xe',θp,θp',ΔTr]の係数を、c1〜c6,p1としている。
一方、ステアリング特性の変動を表す出力方程式は、下記(7)式によって表される。
ただし、(7)式におけるq1はq1=−Cw(KfLf−KrLr)であり、q2はq2=Cw(CfLf−CrLr)であり,q3はq3=−Cw(KfLf2−KrLr2)であり,q4はq4=−Cw(CfLf2−CrLr2)である。
なお、これらの運動方程式と出力方程式とは、下記(8)式により簡易的に表される。
したがって、出力Yは、状態量x[x,x',xe,xe',θp,θp']をピッチング振動モデルVMに代入することで導出される。
ピッチング振動モデルVMにおける出力方程式の出力Yは、運転者がアクセル操作やステアリングを操作した結果として発生するスタビリティファクタ(以下、「実スタビリティファクタ」と称す)である。したがって、加算算出部42の出力は、実スタビリティファクタを考慮した制御目標値としてのSF目標値Dとなる。
積分系算出部44は、加算算出部42からの出力を積分する。具体的には、積分系算出部44は、加算算出部42での減算結果に対して1/sおよびKiを乗算する。ただし、ここでいう「1/s」は、1/(d/dt)であり、Kiは、予め規定された比例定数である。
加算算出部46は、各状態量x[x,x',xe,xe',θp,θp']に規定のフィードバックゲインKsを乗算した結果を、積分系算出部44の出力から減算すると共に、積分系算出部44の出力に走行抵抗外乱推定部32からの走行抵抗外乱を加算する。
補正トルク算出部48は、加算算出部46の出力を、推定車軸トルク算出部24からの推定車軸トルクから減算し、その減算結果に、ディファレンシャル比1/Rdを乗じた結果を補正トルクとして出力する。ここでいうディファレンシャル比1/Rdとは、自車両の終減速装置における減速比である。
補正後要求トルク算出部50は、補正トルク算出部48からの補正トルクを、基本要求トルク算出部22からの基本要求トルクから減算した結果を補正後要求トルクとして算出する。
ここでいう補正後要求トルクとは、SF目標算出部38にて算出されたSF目標値Dに追従するように補正された基本要求トルクであり、駆動輪15A,15Bにて発生することが要求される車軸トルクである。
エンジンECU20は、その算出された補正後要求トルクが実現されるように、エンジン80の吸入空気量や燃料噴射量などを制御する。そして、エンジン80にて出力された駆動力は、トランスミッション機構や終減速機構を介して駆動軸に伝達され、補正後要求トルクにて駆動輪15A,15Bが駆動される。
つまり、エンジンECU20は、補正後要求トルクを基本要求量として算出する要求量導出装置として機能すると共に、エンジン80を制御する制御装置として機能する。
[実施形態の効果]
以上説明したように、エンジンECU20にて導出されるSF目標値Dには、旋回指標としての操舵角δの絶対値を微分した指標微分値が加算されているため、操舵の変化に対して当該SF目標値Dを早期に適切な値へと近づけることができる。
具体的には、エンジンECU20によれば、従来の技術に比べて、駆動輪に制動力を加えるように前輪(操舵輪)に対する荷重が大きくなるスタビリティファクタの目標値を、操舵が開始されてから早期に求めることができる(図5(B)参照)。
換言すれば、エンジンECU20によれば、SF目標値D(ひいては、基本要求量)について、操舵に対する追従性を向上させることができる。
そして、エンジンECU20によれば、このようなSF目標値Dに追従する補正後要求トルクに従って車両の挙動を制御するため、その車両の挙動を、操舵が開始された後、早期に、自車両の乗員にとって違和感が少ないものとすることができる。
特に、エンジンECU20では、車速Vが小さいほど、規定ゲインKGが大きな値となるようにしている。
したがって、エンジンECU20によれば、車速Vが小さいほど、SF目標値Dの操舵に対する追従性を高いものとすることができる。
ところで、車速Vが大きい場合に、操舵に対するSF目標値Dの応答性が高いと、車両が過敏に動きすぎるため、乗員が違和感を覚える。
しかしながら、エンジンECU20においては、車速Vが大きいほど小さな値となるように規定ゲインを規定しているため、車速Vが大きいほどSF目標値の操舵に対する追従性を低くすることができ、車両が過敏に動きすぎることを防止できる。
さらに、一般的な車両では、車速が低速である場合、単位時間当たりの操舵の操作量は大きなものとなる。このため、指標微分値は、ハンチングする可能性がある。このようにハンチングした指標微分値が大幅に増幅されると、異常な制御が実行されることとなる。
しかしながら、エンジンECU20では、車速Vmin未満である場合の規定ゲインKGを、規定ゲインKGの上限値KGmaxに固定している。このため、エンジンECU20によれば、SF目標値Dが操舵に対して過敏に応答することを低減できる。
これらの結果、エンジンECU20によれば、車両が旋回運動する場合に、操舵に対するSF目標値Dの追従性を向上させることができ、乗員が望む車両の挙動により近づけることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、ピッチング振動モデルVMとして、車体を平板と仮定することに加えて、車両がマウントに支持されたエンジン80やトランスミッションを備えているものと仮定していたが、ピッチング振動モデルVMにおいて、エンジン80やトランスミッションは想定されていなくとも良い。
すなわち、上記実施形態におけるピッチング振動モデルVMから、xe,xe'を除いた4行4列の行列によって表される状態方程式および出力方程式をピッチング振動モデルVMとしてもよい。ただし、この場合の状態量xは、[x,x',θp,θp']とする必要がある。
また、上記実施形態では、目標旋回半径算出部36による目標旋回半径ρの算出方法を、車速Vをヨーレート(ヨー角)γで除する(ρ=V/γ)こととしていたが、目標旋回半径の算出方法は、これに限るものではない。例えば、特許第4161923に記載されたオプティカルフローを導出する方法であっても良いし、ナビECU10からの道路情報に含まれている、自車両が走行中の道路の曲率に基づいて導出しても良い。
上記実施形態では、車両の駆動方式をFR(フロントエンジンリアドライブ)として説明したが、本発明が適用された装置によって制御される車両の駆動方式は、FRに限るものではなく、MR(ミッドシップエンジンリアドライブ)であっても良いし、RR(リアエンジンリアドライブ)であっても良いし、FF(フロントエンジンフロントドライブ)であっても良いし、4WD(四輪駆動)であっても良い。
なお、上記実施形態の構成の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略した態様も本発明の実施形態である。また、上記実施形態と変形例とを適宜組み合わせて構成される態様も本発明の実施形態である。また、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される発明の本質を逸脱しない限度において考え得るあらゆる態様も本発明の実施形態である。
上記実施形態の説明で用いる符号を特許請求の範囲にも適宜使用しているが、各請求項に係る発明の理解を容易にする目的で使用しており、各請求項に係る発明の技術的範囲を限定する意図ではない。
1…車両制御システム 3…アクセルストロークセンサ 4…車輪速センサ 5…操舵角センサ 6…吸入空気量センサ 7…エンジン回転センサ 8…ナビゲーションシステム 9…ヨーレートセンサ 10…ナビECU 20…エンジンECU 22…基本要求トルク算出部 24…推定車軸トルク算出部 26…車輪速算出部 28…道路勾配算出部 30…操舵角算出部 32…走行抵抗外乱推定部 34…前後輪静的荷重算出部 36…目標旋回半径算出部 38…目標算出部 40…制振補正制御部 42…加算算出部 44…積分系算出部 46…加算算出部 48…補正トルク算出部 50…補正後要求トルク算出部 52…目標基準値算出部 54…指標微分値算出部 56…微分算出部 58…乗算算出部 60…加算部 80…エンジン

Claims (7)

  1. 車両が有する駆動輪に対して要求される駆動力を表す物理量である基本要求量を取得する基本要求取得手段(22)と、
    前記車両の前輪に加わる荷重である前輪荷重、および後輪に加わる荷重である後輪荷重を取得する荷重取得手段(34)と、
    前記車両が旋回運動する場合の理想的な旋回半径を表す目標旋回半径を取得する目標半径取得手段(36)と、
    少なくとも、前記荷重取得手段にて取得した前輪荷重、後輪荷重、および前記目標半径取得手段にて取得した目標旋回半径に基づいて、自車両のスタビリティファクタの目標値を導出する目標値導出手段(30,38,52,50)と、
    前記目標値導出手段にて導出された前記スタビリティファクタの目標値に追従するように、前記基本要求取得手段で取得した基本要求量を補正する補正制御手段(40)と
    を備え、
    前記目標値導出手段は、
    前記前輪荷重、前記後輪荷重、および前記目標旋回半径に基づいて、前記スタビリティファクタの目標値の基準値である目標基準値を導出する基準導出手段(52)と、
    自車両の操舵に伴う旋回運動の状態量を表す旋回指標を取得する指標取得手段(30)と、
    前記指標取得手段で取得した旋回指標の予め規定された単位時間当たりの変化率を表す指標微分値を導出する変化率導出手段(54)と、
    前記変化率導出手段で導出された指標微分値を、前記基準導出手段で導出された前記目標基準値に加算した結果を、前記スタビリティファクタの目標値とする加算手段(60)と
    を備えることを特徴とする要求量導出装置(20)。
  2. 前記変化率導出手段は、
    前記旋回指標の単位時間当たりの変化率に、規定されたゲインである規定ゲインを乗じた結果を、前記指標微分値とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の要求量導出装置。
  3. 自車両の車速を取得する車速取得手段(26)を備え、
    前記規定ゲインは、
    前記車速取得手段で取得した自車両の車速が大きいほど、小さな値となるように規定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の要求量導出装置。
  4. 前記規定ゲインは、
    前記車速取得手段で取得した自車両の車速が、ステアリング特性を無視できる低速の上限値として規定された低速上限値未満である場合、上限値に固定されるように規定されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の要求量導出装置。
  5. 前記指標取得手段は、
    操舵角を前記旋回指標として取得する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の要求量導出装置。
  6. 前記指標取得手段は、
    前記自車両に加わるヨーレートを前記旋回指標として取得する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の要求量導出装置。
  7. 前記基準導出手段は、
    前記前輪荷重に基づく静的な前輪のコーナリングパワーをKcfsとし、前記後輪荷重に基づく静的な後輪のコーナリングパワーをKcrsとし、前記自車両のホイールベースをLとし、前記自車両の車両質量をMとし、前記自車両の車速をVとし、前記目標旋回半径をρとし、操舵角をδとして、次(9)式に従って、前記目標基準値Δを導出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の要求量導出装置。
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