次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示された場合と、小当り図柄が停止表示されたことに基づき入球可能となる可変入球口に入球した遊技球が所定の特定領域を通過した場合とに、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な大当り遊技を実行可能な1種2種混合タイプのパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられており、この他、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67等も設けられている。演出ボタン63は遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。また、遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。
また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)、及び第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(特別図柄当否判定の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例1では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、後述する大当り遊技の実行に際して作動する第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置31は第1大入賞口30と開閉部材32を備えており、開閉部材32の開動作により第1大入賞口30を開放し、開閉部材32の閉動作により第1大入賞口30を閉鎖するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1可変入球口31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、後述する小当り遊技の実行に際して作動する第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置36は第2大入賞口35と開閉部材(羽根部材)37を備えており、開閉部材37の開作動により第2大入賞口35を開放し、開閉部材37の閉動作により第2大入賞口35を閉鎖するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2可変入球口36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の大当り遊技を開始させるものとなっている。つまり特定領域39は、大当り遊技開始口となっている。また、第2大入賞装置36には、遊技球が特定領域39を通過し得る状態(開状態)と通過し得ない状態(閉状態)とを創出するための図示しない可動片(特定領域への遊技球の通過可能性を変化させる部材)が設けられている。この可動片は、第2大入賞装置36の非作動時、すなわち開閉部材37が第2大入賞口35を閉鎖しているときには特定領域39を閉状態としており、第2大入賞装置36の作動開始、すなわち第2大入賞口35を開閉する開閉部材37の開動作の開始に基づいて、特定領域39を開状態とすべく動作を開始する。つまり、可動片は開閉部材37の開動作に伴って動作を開始する。また、可動片は所定の動作パターンで動作するものとなっており、所定の動作時間が経過することに基づいて、特定領域39を閉状態とする状態に戻る。
これにより、開放した第2大入賞口35に遊技球が入球し、当該入球した遊技球が特定領域39の位置に到達するタイミングと、可動片が特定領域39を開放しているタイミングとが合致すると、その遊技球は特定領域39を通過(V通過)して大当り遊技が開始されることとなり、それらタイミングが合致しなければ、遊技球は特定領域39を通過することなくそのまま機外に排出され、大当り遊技が開始されることはない。また、所定の動作パターンとして、閉状態と開状態とに複数回変化したり、複数回ある開状態又は閉状態の時間が異なったりする動作パターンを設定してもよい。そして、所定の動作パターンを開始後のどのタイミングで開閉部材を開動作させるかによって、特定領域への遊技球の通過可能性を変化させてもよい。遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入球口27が設けられている。
このように各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちといい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口、第2始動口、第1大入賞口、第2大入賞口、及び一般入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、変動時間短縮機能(時短機能)が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
ここで、ラウンド表示器45は、4R用、6R用、15R用、5R用、16R用の5個のLEDで構成されている。そして、大当り図柄として、特図1大当り図柄A又は特図2大当り図柄Aが停止表示すると、4R用ランプが点灯表示され、「4R▲6R△15R△5R△16R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、大当り図柄として、特図1大当り図柄Bが停止表示すると、6R用ランプが点灯表示され、大当り図柄として、特図2大当り図柄Bが停止表示すると、15R用ランプが点灯表示される。これらのランプは、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、点灯表示される。また、小当り経由で特定領域通過に基づいて大当りとなった場合には、特定領域通過後に実行される大当り遊技のラウンド数に、小当り遊技の開放遊技を1加算した数のラウンド数を示すランプを点灯する。具体的に、小当り図柄として、特図1小当り図柄A又は特図2小当り図柄Aが停止表示され、小当り遊技によって開放した第2大入賞口内の特定領域を遊技球が通過した場合には、4ラウンドに小当り分の1ラウンドを加算した5R用ランプが点灯表示される。具体的には、「4R△6R△15R△5R▲16R△」の様な表示態様となる。また、小当り図柄として、特図2小当り図柄Bが停止表示され、小当り遊技によって開放した第2大入賞口内の特定領域を遊技球が通過した場合には、15ラウンドに小当り分の1ラウンドを加算した16R用ランプが点灯表示される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選、小当り抽選等)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類(当り種別)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)が行われる。
具体的に、図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、各LEDの点灯と消灯との組み合わせにより複数の表示態様(最大256通り)を表示可能となっている。同様に、第2特別図柄表示器41bも「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、各LEDの点灯と消灯との組み合わせにより複数の表示態様(最大256通り)を表示可能となっている。そして、第1特別図柄表示器41aでは第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄(第1特別図柄)を表示し、第2特別図柄表示器41bでは第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄(第2特別図柄)を表示する。尚、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本実施例1では、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合の大当りの種別として「特図1大当りA〜D」の4種類を設け(図6(A),(B)を参照)、小当りとなった場合の小当りの種別として「特図1小当りA,B」の2種類を設けており(図6(C),(D)を参照)、これらの大当り又は小当りを第1特別図柄表示器41aの表示態様によって識別可能に表示するものとなっている。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合、その種別が「特図1大当りA」又は「特図1大当りC」であれば「ijn」の3個のLEDを点灯して残りを消灯し、「特図1大当りB」又は「特図1大当りD」であれば「jnkl」の4個のLEDを点灯して残りを消灯し、この他の特図1大当りについてもそれぞれ表示態様が定められている。また、第1特別図柄当否判定の結果が小当りとった場合であって、その種別が「特図1小当りA」又は「特図1小当りB」の場合には「mnop」の4個のLEDを点灯して残りを消灯する。また、第1特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯して残りを消灯する。尚、「特図1大当りA」と「特図1大当りC」とは、大当り遊技後の時短機能及び開放延長機能の作動状態が異なるだけで、停止図柄や大入賞口の開放パターン等は同じとされている。すなわち、「特図1大当り図柄A」が停止表示したときの遊技状態が、通常状態か時短状態かによって、大当り遊技後の時短機能及び開放延長機能の作動状態を異ならせているのである(図6参照)。また、本実施例では、「特図1小当りA」又は「特図1小当りB」は、停止図柄、大入賞口の開放パターン、V通過後の大当り遊技の態様、大当り遊技終了後の時短機能及び開放延長機能の作動状態等、全て同じとされている。
また、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合の大当りの種別として「特図2大当りA〜D」の4種類を設け(図6(A),(B)を参照)、小当りとなった場合の小当りの種別として「特図2小当りA〜D」の4種類を設けており(図6(C),(D)を参照)、これらの大当り又は小当りを、前述の第1特別図柄表示器41aと同様に、第2特別図柄表示器41bの表示態様(各LEDの点灯と消灯との組み合わせ)によって識別可能に表示するものとなっている。尚、各当り(大当り及び小当り)に対応する特別図柄表示部41の表示態様は、複数の当り種別(時短機能や開放延長機能の作動状態のみが異なる態様も含む)に対して一の表示態様としたり、一の当りに対して一の表示態様としたり、一の当りに対して複数の表示態様としたりすることが可能で、外れについても同様に一又は複数の表示態様とすることが可能である。そして、表示態様を複数とした場合には、例えば乱数抽選等により表示態様を選択し、該選択した表示態様に基づいて特別図柄表示部41の表示制御を行うものとすればよい。
本実施例1では、停止表示された特別図柄(停止図柄)の表示態様が大当り(第1特定態様)または小当り(第2特定態様)である場合、その大当りや小当りの種別によって、遊技者に付与する利益の内容が異なるものとなっている。この点についての詳細は後述する。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は、第1特図保留記憶部が「4」、第2特図保留記憶部が「1」となっている。これら第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。尚、各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留の数(上限値)は、遊技機設計の段階で遊技性や仕様等を考慮して任意に設定可能で、第1特図保留記憶部と第2特図保留記憶部とで上限値を同じとしたり、第1特図保留記憶部の上限値を第2特図保留記憶部の上限値よりも多くしたり、第2特図保留記憶部の上限値を第1特図保留記憶部の上限値よりも多くしたりすることが可能である。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が3の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4」(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「w□x●」というように「w」のLEDを消灯し「x」のLEDを赤色で点灯させる表示態様としている。尚、第2特図保留記憶部の記憶数の上限は「1」とされているので、第2特図保留の数は「0」又は「1」のみとされる。普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は4個となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数2〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、及び一般入球口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。一般入球口センサ27aは、各一般入球口27内にそれぞれ設けられて一般入球口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、及び第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。尚、遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPUは、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部又は全部が視認できない状態になることがあり得るため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続されたモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動して可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからサブ制御基板90に対して信号が出力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。本実施例1では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」(第1特定識別情報)が停止表示される。また「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」(第2特定識別情報)が停止表示される。また「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」と言い、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」と言う。
本実施例1の当りには複数の種別がある。図6(A)〜(D)に示すように、第1特別図柄(特図1)の当り種別として「特図1大当りA〜D」及び「特図1小当りA,B」があり、第2特別図柄(特図2)の当り種別として「特図2大当りA〜D」及び「特図2小当りA〜D」があり、各当りの種別に応じた停止図柄(大当り図柄、小当り図柄)が設けられている。特図1大当り及び特図2大当りでは第1大入賞口30が開放し、特図1小当り及び特図2小当りでは第2大入賞口35が開放する。
「特図1大当りA〜D」のうち「特図1大当りA、B」は大当り発生時の遊技状態が「通常状態(非時短状態)」の場合に発生し得る大当りであり(図6(A)を参照)、「特図1大当りC、D」は大当り発生時の遊技状態が「時短状態」の場合に発生し得る大当りである(図6(B)を参照)。ここで、大当りの発生により行われる大当り遊技は、第1大入賞口30が開放する複数回のラウンド(R)によって構成される。尚、時短状態とは後述するように特別図柄および普通図柄に対する変動時間短縮機能(時短機能)が作動する状態を意味する。また、本実施例1では、時短機能が作動する場合、第2始動口21が開放する際の開放時間や開放回数を通常よりも延長・増加させる開放延長機能も併せて作動することとしている。本実施例1のパチンコ機1の遊技状態について詳細は後述する。
「特図1大当りA,C」はラウンド数が「4」で、1ラウンド〜4ラウンドの各ラウンドでの第1大入賞口30の開放回数および開放時間が「1回」「25秒」の大当りであり、各ラウンドで第1大入賞口30に遊技球が容易に入球可能となっている。また、「特図1大当りA」は、大当り遊技終了後の遊技状態を時短状態とする大当り、すなわち変動時間短縮機能(時短機能)を作動させる大当りでもあり、「特図1大当りC」は、大当り遊技終了後の遊技状態を通常状態(非時短状態)とする大当り、すなわち変動時間短縮機能(時短機能)を作動させない大当りでもある。尚、以下では、大当り遊技終了後の遊技状態を時短状態とする大当り(変動時間短縮機能の作動開始契機となる大当り)のことを「時短大当り」ともいい、大当り遊技終了後の遊技状態を通常状態(非時短状態)とする大当り(変動時間短縮機能の作動開始契機とならない大当り)のことを「非時短大当り」ともいう。
「特図1大当りB,D」はラウンド数が「6」、1ラウンド〜6ラウンドの各ラウンドでの第1大入賞口30の開放回数および開放時間が「1回」「25秒」の大当りである。「特図1大当りB、D」のうち「特図1大当りB」は「非時短大当り」でもあり(6R非時短大当り)、「特図1大当りD」は「時短大当り」でもある(6R時短大当り)。
「特図1小当りA,B」は、いずれも第2大入賞口35の開放回数および開放時間が「1回」「1.6秒」の小当りで、「特図1小当りA」は小当り発生時の遊技状態が「通常状態(非時短状態)」の場合、「特図1小当りB」は小当り発生時の遊技状態が「時短状態」の場合に、それぞれ発生し得る。尚、小当り(小当り遊技)においては、大入賞口の開放回数をラウンド数ではなく単に開放回数という。そして、「特図1小当りA,B」は、いずれも第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過(以下「V通過」ともいう)することで、V通過した後に、前述の「特図1大当りC」と同様の大当り、すなわちラウンド数が「4」、1ラウンド〜4ラウンドの各ラウンドでの第1大入賞口30の開放回数および開放時間が「1回」「25秒」、大当り遊技終了後の遊技状態を非時短状態とする「4R非時短大当り」を発生させる小当りである。
「特図2大当りA〜D」のうち「特図2大当りA、B」は大当り発生時の遊技状態が「通常状態(非時短状態)」の場合に発生し得る大当りであり、「特図2大当りC、D」は大当り発生時の遊技状態が「時短状態」の場合に発生し得る大当りである。「特図2大当りA、C」はラウンド数が「4」で、1ラウンド〜4ラウンドの各ラウンドでの第1大入賞口30の開放回数および開放時間が「1回」「25秒」の大当りであり、各ラウンドで第1大入賞口30に遊技球が容易に入球可能となっている。「特図2大当りA,C」のうち「特図2大当りA」は「時短大当り」でもあり(4R時短大当り)、「特図2大当りC」は「非時短大当り」でもある(4R非時短大当り)。また、「特図2大当りB,D」はラウンド数が「15」、1ラウンド〜15ラウンドの各ラウンドでの第1大入賞口30の開放回数および開放時間が「1回」「25秒」の大当りであり、各ラウンドで第1大入賞口30に遊技球が容易に入球可能となっている。「特図2大当りB、D」はいずれも「時短大当り」でもある(15R時短大当り)。
「特図2小当りA〜D」は、いずれも第2大入賞口35の開放回数および開放時間が「1回」「1.6秒」の小当りで、「特図2小当りA、B」は小当り発生時の遊技状態が「通常状態(非時短状態)」の場合、「特図2小当りC、D」は小当り発生時の遊技状態が「時短状態」の場合に、それぞれ発生し得る。「特図2小当りA〜D」のうち「特図1小当りA」は、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個がV通過することで、前述の「特図1大当りA」や「特図2大当りA」と同様の大当り、すなわち「4R時短大当り」を発生させる小当りである。また、「特図2小当りC」は、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個がV通過することで、前述の「特図1大当りC」や「特図2大当りC」と同様の大当り、すなわち「4R非時短大当り」を発生させる小当りである。また、「特図2小当りB,D」は、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個がV通過することで、前述の「特図2大当りB,D」と同様の大当り、すなわち「15R時短大当り」を発生させる小当りである。
図6に示すように、本実施例1では、特別図柄当否判定の結果が当りとなった場合における各当りへの振分確率を、当り発生時の遊技状態に応じて次のようにしている。すなわち、通常状態(非時短状態)において、第1特別図柄(特図1)の当否判定の結果が大当りの場合、特図1大当りA(4R時短大当り)が50%、特図1大当りB(6R非時短大当り)が50%となっており、特図1の当否判定の結果が小当りの場合、特図1小当りA(4R非時短大当りを発生可能な小当り)が100%となっている。また、通常状態(非時短状態)において、第2特別図柄(特図2)の当否判定の結果が大当りの場合、特図2大当りA(4R時短大当り)が50.5%、特図2大当りB(15R時短大当り)が49.5%となっており、特図2の当否判定の結果が小当りの場合、特図2小当りA(4R時短大当りを発生可能な小当り)が50.2%、特図2小当りB(15R時短大当りを発生可能な小当り)が49.8%となっている。
一方、時短状態において、特図1の当否判定の結果が大当りの場合、特図1大当りC(4R非時短大当り)が50%、特図1大当りD(6R時短大当り)が50%となっており、特図1の当否判定の結果が小当りの場合、特図1小当りB(4R非時短大当りを発生可能な小当り)が100%となっている。また、時短状態において、特図2の当否判定の結果が大当りの場合、特図2大当りC(4R非時短大当り)が50.5%、特図2大当りD(15R時短大当り)が49.5%となっており、特図2の当否判定の結果が小当りの場合、特図2小当りC(4R非時短大当りを発生可能な小当り)が50.2%、特図2小当りD(15R時短大当りを発生可能な小当り)が49.8%となっている。
ここで、本実施例1のパチンコ機1の遊技仕様について簡単に説明しておく。本実施例1のパチンコ機1では、通常状態(非時短状態)にて遊技球が第2始動口21に入球する頻度は時短状態よりも低くなっていることから、通常状態(非時短状態)にて遊技を進める場合、左打ち(遊技領域の左側領域に遊技球を発射)にて第1始動口20への入球を狙うこととなる。つまり、特図1の当否判定を主体的に行いつつ遊技を進行させることとなる。そして、特図1の当否判定の結果が大当りとなり、その大当りが「特図1大当りA(4R時短大当り)」となれば、当該大当りに係る大当り遊技の終了後の遊技状態が時短状態となる。時短状態では、遊技球が第2始動口21に入球する頻度が通常状態よりも高くなる(且つ第2始動口への入球頻度が第1始動口への入球頻度よりも高くなる)ことから、時短状態にて遊技を進める場合、右打ち(遊技領域の右側領域に遊技球を発射)にて第2始動口21への入球を狙うこととなる。つまり、特図2の当否判定を主体的に行いつつ遊技を進行させることとなる。そして、特図2の当りには、特図1の当りでは発生し得ない「15R時短大当り」や「15R時短大当りを発生可能な小当り」が存在し、また、特図1の小当り(特図1小当りA,B)に係る小当り遊技でのV通過により発生する大当り(以下「V大当り」ともいう)は「4R非時短大当り」しか存在せず特図1のV大当りを経て時短状態が発生することはない。このことから、本実施例1のパチンコ機1では、第2始動口21に遊技球が入球して行われる特図2の当否判定において当りとなる方が遊技者にとって有利となる可能性が高い(時短状態の発生可能性が高い)といえる。よって、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中(時短状態)においては、開放延長機能が作動しない通常状態(非時短状態)に比べ遊技を有利に進めることが可能となるので、遊技者は時短状態(右打ち)での遊技を期待することとなる。
また、詳しくは後述するが、本実施例1のパチンコ機1では、「0〜65535」の範囲で値をとる特別図柄当否判定用乱数を設けており(図7(A)を参照)、特図1の当否判定および特図2の当否判定における大当り判定値は「655232〜65535」、特図1の当否判定における特図1小当り判定値は「1〜3277」、特図2の当否判定における特図2小当り判定値は「1〜16080」としている(図8(A)を参照)。つまり、大当り確率が「1/215.57」、特図1小当り確率が「1/19.99」、特図2小当り確率が「1/4.07」となっている。このため、特図2の当否判定を主体的に行う時短状態では、高い確率で特図2小当りが発生することとなるので、特図2小当りを契機とするV大当りを繰り返し発生させることが遊技の主目的となる。そして、時短状態にて特図2小当りC(4R非時短大当りを発生可能な小当り)を引いてV大当りが発生すると、当該V大当りに係る大当り遊技終了後の遊技状態は非時短状態となる。ここで、本実施例1では、第2特図保留記憶部の保留数の上限を「1」としており、また、後述するように第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するものとしていることから、第2特図保留が存在する状態で大当り遊技が終了し、これに続いて非時短状態での遊技(特別図柄の変動表示)が開始される場合、第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)から開始されることとなる。そして、上述したように、本実施例1では、非時短状態における特図2小当り確率は「1/4.07」であり、特図2の小当りは「特図2小当りA」と「特図2小当りB」の2種類で、いずれも時短大当りを発生可能な小当りである。よって、時短状態から非時短状に移行(転落)した後、第1特図保留の消化に優先して第2特図保留の消化が行われ、その結果、特図2の小当りとなってV大当りが発生すれば、再度、時短状態への移行が確定することとなる。このように、本実施例1のパチンコ機1では、時短状態から非時短状に移行(転落)した(特図2小当りCに係る大当り遊技を実行した)直後の第2特図保留の消化が、遊技者にとって、再度、時短状態への復帰(時短引き戻し)を期待できるものとなっており、これにより、時短状態から非時短状に移行(転落)した直後の遊技興趣を高めることが可能となっている。
本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当り種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「大当り図柄決定用乱数」、「大当り図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、小当りとなった場合の小当り種別の判定は「小当り種別決定用乱数(「小当り図柄決定用乱数」、「小当り図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜65535」の範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜199」の範囲で値をとり、小当り種別決定用乱数は「0〜210」の範囲で値をとる。尚、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数や大当り種別決定用乱数、小当り種別決定用乱数の他に、「リーチ乱数(「リーチ情報」ともいう)」及び「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
リーチ乱数は、特別図柄当否判定の結果が外れである場合に、演出図柄を用いてその結果を示す遊技演出(演出図柄遊技演出)においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは例えば、左と右の2個の演出図柄8R、8Lが同じ図柄で停止(仮停止)され、残り1個の中演出図柄8Cが変動中の状態をいう(「7↓7」の状態)。そして、変動中の中演出図柄8Cが停止中の演出図柄8R、8Lと同じ図柄で停止すれば、3つの演出図柄が同一の図柄で停止することとなり、当りとなる。尚、この場合の演出図柄の停止(仮停止)には、演出図柄表示領域7b内で多少揺れているような表示(揺れ変動)も含まれる。このリーチ乱数は「0〜126」の範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は「0〜198」の範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は「0〜240」の範囲で値をとる。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。尚、本実施例1のパチンコ機は1種2種混合タイプであることから、特別図柄に対する確率変動機能は備えていない。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態および非時短状態では、図8(A)に示す当り判定テーブルを用いて当否判定を行う。具体的には、特別図柄当否判定で大当りと判定される確率(大当り確率)が、第1特別図柄と第2特別図柄ともに「1/215.57」となっている。また、特別図柄当否判定で小当りと判定される確率(小当り確率)は、第1特別図柄が「1/19.99」、第2特別図柄が「1/4.07」となっており、第2特別図柄の小当り確率が第1特別図柄の小当り確率よりも高くなっている(図8(A)を参照)。
また、時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(E)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例1では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。尚、開放時間延長機能と開放回数増加機能を総称して単に「開放延長機能」ということがある。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、「特図1大当りA、D」又は「特図2大当りA、B、D」となった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は時短状態且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を「時短高ベース状態」ともいう。時短高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されるか、小当りに当選してその小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過してV大当りとなりその大当り遊技が実行されることにより終了する。また、「特図1大当りB、C」又は「特図2大当りC」となった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は非時短状態且つ低ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を「非時短低ベース状態」ともいう。尚、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の(初期状態の)遊技状態は非時短低ベース状態(通常状態)である。
さらに、「特図2小当りA、B、D」となって小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過してV大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は時短高ベース状態となり(図6参照)、「特図1小当りA、B」又は「特図2小当りC」となってその小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過してV大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は非時短低ベース状態となる(図6参照)。尚、小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過しなかった場合(V大当りとならなかった場合)、小当り遊技終了後の遊技状態は原則、小当り遊技開始前と同じ状態となる。但し、時短高ベース状態にて当該時短高ベース状態が終了することとなる最終回(本実施例では100回目)の特別図柄の変動表示で小当り図柄が停止表示され、これに係る小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過しなかった場合(V大当りとならなかった場合)には、小当り遊技終了後の遊技状態は非時短低ベース状態となる。
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域(右側領域)3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。第2始動口は、右遊技領域に発射した遊技球が入球可能であって、左遊技領域に発射した遊技球が入球不能な位置に配置されている。尚、ゲート28も右遊技領域に発射した遊技球が入球可能な位置に配置されている。そして、高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、左遊技領域に遊技球を発射して第1始動口20を狙うよりも、右遊技領域に遊技球を発射して第2始動口21へ狙って発射する方が始動口への入球可能性が高くされている。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより高ベース状態では、左打ちをするよりも右打ちをする方が、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができ、遊技者に有利である。この状態(高ベース状態)のとき、主制御部80によって表示制御される発射方向表示器47(「第1発射報知手段」ともいう)が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知するものとされる。また、本実施例では、大当り遊技や小当り遊技においても、右打ちにより遊技を行うため、発射方向表示器47は、右遊技領域へ発射すべきことを報知するものとされる。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域(左側領域)3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。第1始動口は、左遊技領域に発射した遊技球が入球可能な位置に配置されている。また、第1始動口へは右遊技領域に発射した遊技球が入球不能に配置しても良いし、入球可能に配置しても良い。入球可能に配置する場合には、左遊技領域に遊技球を発射した方が、右遊技領域に遊技球を発射するよりも、第1始動口への遊技球の入球可能性を高くするものとする。また、低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっているため、右遊技領域に発射して第2始動口21への入球を狙うよりも、左遊技領域に発射して第1始動口20への入球を狙って発射する方が、始動口への入球可能性が高くされている。これにより、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う方が、右打ちするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができ、遊技者に有利である。この状態(低ベース状態)のとき、主制御部80によって表示制御される発射方向表示器47が高ベース状態のときとは異なる所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知するものとされる。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態及び当り遊技の実行中は、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図38に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。
同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、本実施例1及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、当り種別としての図柄(大当り図柄、小当り図柄)、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入球口センサ27a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、保留球数処理(S207)、電源断監視処理(S208)、及び情報出力処理(S209)を実行する。その後、その他の処理(S209)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。ここで、詳細は後述するが、情報出力処理では、主制御基板80の遊技制御用マイコン81で生成された種々の信号(遊技情報)を、情報出力回路82を介して遊技機外部に出力するための処理である。そして外部出力装置83(「ターミナル基板」ともいう)に設けられたターミナル(端子)に、外部機器(ホールコンピュータ等の配線)を接続することで、当該外部機器は、遊技制御用マイコン81から出力される各種遊技情報を受信することが可能となる(図5及び図41)。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4以上であれば(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S302でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が1個(上限数)に達しているか否かを判定する(S306)。そして、特図2保留球数が1個に達している場合(S306でYES)には、S309に進むが、特図2保留球数が1個未満、すなわち特図2保留がない場合には(S306でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)、小当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−KS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否かを判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S310でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S310でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)、小当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−KS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42および可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。
そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定した場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図20に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特図動作ステータス」が「5」である場合には(S1101、S1103、S1105、S1107の全てがNO)、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例1では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例1では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図22に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1302)。次いで、図8(A)の当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1303)。この当り判定テーブルでは、特図1の当否判定および特図2の当否判定における大当り判定値は「655232〜65535」とされている(大当り確率:。また、特図1の当否判定における特図1小当り判定値は「1〜3277」とされており、特図2の当否判定における特図2小当り判定値は「1〜16080」とされている。
当否判定(S1303)の結果が「大当り」と判定した場合(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1310)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1311)、大当りフラグをONにして(S1312)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、大当り種別の判定は、当該判定を行うときの遊技状態(現在の遊技状態)に基づいて行う。すなわち、時短フラグがONであるか否かを判定し、時短フラグがONでなければ非時短状態用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、時短フラグがONであれば時短状態用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。第2特別図柄(特図2)の当否判定(S1303)の結果が大当りと判定し、現在の遊技状態が非時短状態である場合、大当り種別は特図2大当りA、Bの何れか(4R大当りまたは15R大当り)となり(図6(A)、図8(B)を参照)、現在の遊技状態が時短状態である場合、大当り種別は特図2大当りC、Dの何れか(4R大当りまたは15R大当り)となる(図6(B)、図8(B)を参照)。そして、本実施例1では、「特図2大当りAに対応する特図2大当りフラグA、特図2大当りBに対応する特図2大当りフラグB・・・」といったように、大当りフラグを大当り種別毎に対応して設けているので、S1312では、S1310で判定された大当り種別(S1310の判定結果)に対応する大当りフラグをONにする。
一方、当否判定(S1303)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1304でNO)、小当りか否かを判定する(S1305)。ここで、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)が特図1の小当り判定値である「1」〜「3227」の何れかと一致するか否かを判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)が特図2の小当り判定値である「1」〜「16080」の何れかと一致するか否かを判定する(図8(A)を参照)。そして、「小当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1309)、処理を終える。つまり、当否判定(S1303)の結果が「大当り」でもなく「小当り」でもない場合(S1304でNO、S1305でNO)、その結果は「外れ」となる。
一方、小当り判定(S1305)の結果が「小当り」であると判定した場合(S1305でYES)、小当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−KS)を読み出して、図8(C)に示す小当り種別判定テーブルに基づいて小当り種別を判定し(S1306)、当該小当り種別決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定し(S1307)、小当りフラグをONにして(S1308)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の小当り種別判定テーブルを用いて小当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の小当り種別判定テーブルを用いて小当り種別を判定する。また、小当り種別の判定は、当該判定を行うときの遊技状態(現在の遊技状態)に基づいて行う。すなわち、時短フラグがONであるか否かを判定し、時短フラグがONでなければ非時短状態用の小当り種別判定テーブルを用いて小当り種別を判定し、時短フラグがONであれば時短状態用の小当り種別判定テーブルを用いて小当り種別を判定する。第2特別図柄(特図2)の当否判定にて小当りと判定した場合、現在の遊技状態が非時短状態であれば特図2小当りA,Bの何れかとなり(図6(C)、図8(C)を参照)、時短状態であれば特図2小当りC、Dの何れかとなる(図6(D)、図8(C)を参照)。そして、本実施例1では、「特図2小当りAに対応する特図2小当りフラグA、特図2小当りBに対応する特図2小当りフラグB・・・」といったように、小当りフラグを小当り種別毎に対応して設けているので、S1308では、S1306で判定された小当り種別(S1306の判定結果)に対応する小当りフラグをONにする。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図21)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図23及び図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当りフラグがONか否かを判定し(S1402)、ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本処理では変動パターンP1,P2,P3の何れかが選択される。
一方、大当りフラグがONでなければ(S1402でNO)、小当りフラグがONか否かを判定する(S1405)。そして、小当りフラグがONであれば(S1405でYES)、非時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。具体的には、本実施例1では必ず変動パターンP4が選択される。
また、小当りフラグがONでなければ(S1405でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1406)。図8(D)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも外れ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ演出無し外れがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値である場合(S1406でYES)、即ち、リーチ有外れの場合には、非時短状態中リーチ有外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ有外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例1では、変動パターンP5又はP6が選択される。
リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値でない場合(S1406でNO)、即ち、リーチ無外れの場合には、非時短状態中リーチ無外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ無外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。このリーチ無外れ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。本実施例1では、変動パターンP7又はP8が選択される。
またS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図24に示すように、参照する変動パターンテーブルを時短状態中用のテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1402〜S1609と同様の流れで処理(S1410〜S1416)を行う。すなわち、大当りであれば図9の時短状態中且つ大当りに該当する部分を参照し、小当りであれば図9の時短状態中且つ小当りに該当する部分を参照し、リーチ有外れであれば図9の時短状態中且つリーチ有外れに該当する部分を参照し、リーチ無外れであれば図9の時短状態中且つリーチ無外れに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する。
尚、時短状態中の変動パターンテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無外れ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当りに当選した場合に、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターンテーブルは、非時短状態中の変動パターンテーブルよりも特別図柄の変動時間の平均値が短くなるようなテーブルとなっている。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理(S1404)を行ってこの処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図2乱数シフト処理]
図25に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図21の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、且つ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図26に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図22に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1612)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出し、図8(A)の当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1603)。そして、第1特別図柄(特図1)の当否判定(S1603)の結果が大当りである場合(S1604でYES)、S1610にて判定される大当り種別は、現在の遊技状態が非時短状態でれば特図1大当りA,Bの何れか(4R大当りまたは6R大当り)となり(図6(A)、図8(B)を参照)、時短状態であれば特図1大当りC、Dの何れか(4R大当りまたは6R大当り)となる(図6(B)、図8(B)を参照)。そして、本実施例1では、「特図1大当りAに対応する特図1大当りフラグA、特図1大当りBに対応する特図1大当りフラグB・・・」といったように、大当りフラグを大当り種別毎に対応して設けているので、S1612では、S1610で判定された大当り種別(S1610の判定結果)に対応する大当りフラグをONにする。
また、第1特別図柄(特図1)の当否判定(S1603)の結果が小当りである場合(S1605でYES)、S1606にて判定される小当り種別は、現在の遊技状態が非時短状態であれば特図1小当りAとなり(図6(C)、図8(C)を参照)、時短状態であれば特図1小当りBとなる(図6(D)、図8(C)を参照)。そして、本実施例1では、「特図1小当りAに対応する特図1小当りフラグA、特図1小当りBに対応する特図1小当りフラグB・・・」といったように、小当りフラグを小当り種別毎に対応して設けているので、S1608では、S1606で判定された小当り種別(S1606の判定結果)に対応する小当りフラグをONにする。
[特図1変動パターン選択処理]
図27及び図28に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図23及び図24に示した特図2変動パターン選択処理(S1203)と同様の流れで処理(S1701〜S1716)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
[特図1乱数シフト処理]
図29に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図21の特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図30に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、S1909で、変動表示を実行したのが第2特別図柄かどうかを判定する(S1909)。変動表示したのが第2特別図柄でない、すなわち第1特別図柄であると判定した場合(S1909でNO)、特図2連続変動フラグをOFFし(既にOFFであればOFFのままとし)、S1901の処理に移行する。一方、変動表示したのが第2特別図柄であると判定した場合(S1909でYES)、次いで特図2停止フラグがONかどうかを判定する(S1910)。S1910で、特図2停止フラグがONでない、すなわち、特図1停止フラグがONであるか又は何れの停止フラグもONでない場合(S1910でNO)、S1901の処理に移行する。
ここで、特図停止フラグとは、後述する特別図柄確定処理(S1106)において、特別図柄の変動表示を終了する際に、設定するフラグである。そして、変動表示を終了するのが第1特別図柄である場合には、特図1停止フラグをONにし、変動表示を終了するのが第2特別図柄である場合には、特図2停止フラグをONにすることとなる。従って、S1910で、特図2停止フラグがONと判定されるのは、前回変動表示した特別図柄(前回停止表示した特別図柄)が第2特別図柄であることを意味し、特図1停止フラグがONであると判定されるのは、前回変動表示した特別図柄(前回停止表示した特別図柄)が第1特別図柄であることを意味する。尚、電源投入後の1回目の特別図柄の変動表示においては、前回変動表示した特別図柄(前回停止表示した特別図柄)がないため、特図1停止フラグ及び特図2停止フラグの両フラグ共、OFFにされている。
S1910で、特図2停止フラグがONであると判定した場合(S1910でYES)、特図2連続変動フラグをONにし(S1911)、S1901の処理に移行する。S1910で特図2停止フラグがONであると判定した場合には、前回変動表示した特別図柄も、今回変動表示した特別図柄も、第2特別図柄である。すなわち、第2特別図柄が連続して変動表示した場合にONにする「特図2連続変動フラグ」は、第2特別図柄が連続して変動表示したことを示すフラグである。本実施例のパチンコ遊技機では、低ベース状態においては、第2始動口への遊技球の入球が非常に困難な状態に設定されているため、当該低ベース状態で通常の態様で遊技を行っていれば、第2特別図柄が連続して変動表示する可能性は非常に低いものとされている。
また、第2始動口への遊技球の入球を可能にする右打ち遊技を、低ベース状態で行うと、右打ち遊技の禁止を報知する左打ち報知演出が実行されるため、これに従い遊技を行うと、低ベース状態で第2特別図柄が連続して変動表示する可能性はないといえる。すなわち、第2特別図柄が連続して変動表示する状態、「特図2連続変動フラグ」がONにされる状態は、高ベース状態、若しくは、後述する高ベース状態を経て設定された低ベース状態であるといえる。
S1901では、特別図柄の変動時間(図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、時短フラグがONか否かを判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、時短カウンタを1減算し(S1904)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1905)。S1905で時短カウンタが「0」であると判定した場合、時短フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、時短フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、S1907の処理に移行する。
S1907では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1907)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数、大当り種別決定用乱数および小当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1908)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図31に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、S2014〜S2020により、特別図柄停止時の特図停止フラグ設定処理を行う。S2014では、停止表示した特別図柄が第2特別図柄かどうかを判定する(S2014)。停止表示したのが第2特別図柄であると判定した場合(S2014でYES)、次いで特図1停止フラグがONであるかどうかを判定し(S2015)、ONであると判定した場合(S2015でYES)、今回停止表示したのは第2特別図柄であるので、特図1停止フラグをOFFにし(S2016)、特図2停止フラグをONにし(既にONであればONのまま維持する)(S2017)、S2001の処理に移行する。また、特図1停止フラグがONでないと判定した場合(S2015でNO)、特図2停止フラグをONにし(既にONであればONのまま維持する)(S2017)、S2001の処理に移行する。
一方、S2014で、停止表示したのは第2特別図柄でないと判定した場合(S2014でNO)、次いで、特図2停止フラグがONであるかどうかを判定し(S2018)、ONであると判定した場合(S2018でYES)、今回停止表示したのは第1特別図柄であるので、特図2停止フラグをOFFにし(S2019)、特図1停止フラグをONにし(既にONであればONのまま維持する)(S2020)、S2001の処理に移行する。また、特図2停止フラグがONでないと判定した場合(S2018でNO)、特図1停止フラグをONにし(既にONであればONのまま維持する)(S2020)、S2001の処理に移行する。
S2001では、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、当該ONとなっている大当りフラグに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値をセットするとともに、第1大入賞口30の1ラウンドあたりの開放回数および開放時間(図6参照)をセットする(S2003)。上述したように、本実施例1では、特図1大当りに係る大当り遊技のラウンド数が「4R」「6R」、特図2大当りに係る大当り遊技のラウンド数が「4R」「15R」の何れかとなることから、S2003では、ラウンドカウンタの値として「4」「6」「15」の何れかをセットし、第1大入賞口30の1ラウンドあたりの開放回数および開放時間として「1回」「25秒」をセットする。
S2003の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2005)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2006)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2007)。
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2008)。小当りフラグがONであれば(S2008でYES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当り用開放カウンタの値をセットするとともに、第2大入賞口35の開放時間(図6参照)をセットする(S2009)。上述したように、本実施例1では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放回数および開放時間が「1回」「1.6秒」であることから、S2009では、小当り用開放カウンタの値として「1」をセットし、開放時間として「1.6秒」をセットする。
S2009の処理を終えたら、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2010)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「5」にセットする(S2012)。尚、S2008において小当りフラグがONでなければ(S2008でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし、処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図32に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、大当り遊技実行フラグがONかどうかを判定する(S2125)。大当り遊技実行フラグは、大当り遊技が実行中であることを示すフラグであり、大当り遊技が実行されている間、この大当り遊技実行フラグがONにされ、大当り遊技が終了するとOFFにされる。S2125で、大当り遊技実行フラグがONでないと判定した場合(S2125でNO)、大当り遊技の実行中を示す大当り遊技実行フラグをONにし(S2126)、S2103の処理に移行する。一方、大当り遊技実行フラグがONである、すなわち、大当り遊技の開始時に既にONにされていると判定した場合(S2125でYES)、そのままS2103の処理に移行する。
S2103では、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONと判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当り遊技の実行中は非時短状態に制御される。本実施例1では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において第1大入賞口30の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。
大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、第1大入賞口30の開放中か否かを判定する(S2106)。開放中でなければ(S2106でNO)、第1大入賞口30を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大当りのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時期に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2107)。
S2107の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2107の判定結果がYESであればS2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させるべく、第1大入賞装置31を作動させる。
S2106において第1大入賞口30の開放中であれば(S2106でYES)、そのラウンドにおける第1大入賞口30への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数に達していなければ(S2111でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否かを判定する(S2112)。そして第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2112でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入球個数に達している場合(S2111でYES)、又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2112でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、第1大入賞口30を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2115)。「0」でないと判定した場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。
一方、「0」と判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2116)、大当りのエンディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをセットし(S2118)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、今回の大当りが15R大当りであれば第1大入賞口30の開放が15回実行されると「0」になり、6R大当りであれば第1大入賞口30の開放が6回実行されると「0」になり、4R大当りであれば第1大入賞口30の開放が4回実行されると「0」になる。
また、S2105において大当り終了フラグがONであれば(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したか否かを判定し(S2119)、エンディング時間が経過していなければ(S2119でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにした後(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当りフラグをOFFにし(S2122)、大当り遊技実行フラグをOFFにし(S2124)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2123)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り遊技実行フラグがONかどうかを判定する(S2229)。小当り遊技実行フラグは、小当り遊技が実行中であることを示すフラグであり、小当り遊技が実行されている間、この小当り遊技実行フラグがONにされ、小当り遊技が終了するとOFFにされる。S2229で、小当り遊技実行フラグがONでないと判定した場合(S2229でNO)、小当り遊技の実行中を示す小当り遊技実行フラグをONにし(S2230)、S2201の処理に移行する。一方、小当り遊技実行フラグがONである、すなわち、小当り遊技の開始時に既にONにされていると判定した場合(S2229でYES)、そのままS2201の処理に移行する。
S2201では、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。小当り終了フラグは、小当り遊技において第2大入賞口35の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当り終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、第2大入賞口35の開放中か否かを判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、第2大入賞口35を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2203)。
S2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2203の判定結果がYESであれば、小当りの開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく第2大入賞装置36を作動させるとともに(S2204)、第2大入賞装置36に設けられた特定領域39を開状態とすべく、所定の動作パターンに従って可動片(図示せず)の動作を開始させ(S2205)、さらに、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間を設定する(S2206)。尚、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいて大当りフラグをONする(後述のステップS2211〜S2221参照)ということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったとしても大当りフラグをONしないということである。
ここで、本実施例1では、小当り遊技での第2大入賞口35の開放パターンを開放回数「1回」、開放時間「1.6秒」としている。また、本実施例1では、可動片の動作パターンを、第2大入賞口35の開放開始に伴い特定領域39を「0.75秒」開状態とし、その後、「0.1秒」の閉状態を経て再度「0.75秒」開状態とし、第2大入賞口35の閉鎖に合わせて特定領域39を閉状態とするものとしている。さらに、本実施例1では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉鎖後(小当り遊技での第2大入賞口35の開放終了後)の数秒間をV有効期間に設定するものとしている。第2大入賞口35の開放中だけでなく第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間もV有効期間とするのは、例えば、第2大入賞口35の開放が終了する間際に第2大入賞口35に入球した遊技球が第2大入賞口35の閉鎖後に特定領域センサ39aにより検知される(特定領域39を通過する)可能性があることを考慮したものであり、こうすることで、第2大入賞口35に入球した遊技球が正当に特定領域39を通過したにもかかわらず大当りとならないといったトラブルの発生を防ぐことが可能となる。本実施例1ではV有効期間を「2.6秒」としており、小当り遊技での第2大入賞口35の開放時間「1.6秒」に加え、第2大入賞口35の閉鎖後「1秒」は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定することとしている。
次に、S2202において第2大入賞口35の開放中であれば(S2202でYES)、第2大入賞口35への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では10個)に達しているか否かを判定する(S2207)。規定入球個数に達していなければ(S2207でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否かを判定する(S2208)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2208でNO)、S2211の処理に移行する。
これに対して、第2大入賞口35への入球個数が規定入球個数に達したか(S2207でYES)、あるいは第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2208でYES)には、第2大入賞口35を閉鎖し(S2209)、小当り用開放カウンタの値を1ディクリメントする(S2210)。尚、本実施例1では、小当り遊技での第2大入賞口35の開放パターンを開放回数「1回」、開放時間「1.6秒」としていることから、第2大入賞口35に遊技球が10個入球することは実質的に不可能である。このことからS2207の処理で肯定判定される可能性は無いに等しい。
次に、S2211で特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否か(遊技球が特定領域39を通過したか否か)を判定する(S2211)。検知があったと判定した場合(S2211でYES)、図34に示すS2220以降の処理に進み、検知がないと判定した場合(S2211でNO)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2212)。S2212で「0」でないと判定した場合(S2212でNO)、そのまま処理を終える。一方、S2212で「0」であると判定した場合(S2212でYES)、S2213の小当り終了処理に移行する。S2213では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットするとともに、小当りのエンディング演出を開始する(S2214)。そして、小当り終了フラグをONにし(S2313)、処理を終える。尚、本実施例1では、小当り用開放カウンタは第2大入賞口35の開放が1回なされると「0」になる。
S2201において、小当り終了フラグがONであれば(S2201でYES)、第2大入賞口35の1回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2216)、エンディング時間が経過していなければ(S2216でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2216でYES)、小当り終了フラグをOFFにするとともに(S2217)、小当りフラグをOFFにし(S2218)、小当り遊技実行フラグをOFFにし(S2231)、更に、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2219)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
尚、小当り遊技の開始に際して時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121、図35)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。
S2211で特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったと判定した場合(S2211でYES)、V大当りを発生させるための処理、すなわち、小当り遊技を終了して大当り遊技を開始させるための処理を行う。具体的には、図34に示すように、特定領域センサ39aによる遊技球の検知がV有効期間中における検知であるか否かを判定する(S2220)。そして、V有効期間中であると判定した場合(S2220でYES)、小当りフラグをOFFにし(S2221)、小当り遊技実行フラグをOFFにし(S2232)、大当りフラグをONにし(S2222)、V通過コマンドをセットする(S2223)。ここで、本実施例1では、上述したように小当りフラグを小当り種別毎に対応して設けており、また、図6(C),(D)に示すように小当り種別に応じてV大当りの種別(4R時短大当り、4R非時短大当り、15R時短大当り)が定まっている。また、本実施例1では、上述した特図1大当りフラグAや特図2大当りフラグA等の大当り種別に対応した大当りフラグの他、V大当り種別に対応した大当りフラグである「4R時短大当りフラグ」「4R非時短大当りフラグ」「15R時短大当りフラグ」を設けている。このことから、S2222では、S2221でOFFにする小当りフラグ、すわなち、S1308またはS1608でONにした小当りフラグの小当り種別に基づいて、これに対応するV大当り種別の大当りフラグ(4R時短大当りフラグ、4R非時短大当りフラグ、15R時短大当りフラグの何れか)をONにする(S2222)。
S2224では、S2222でONとした大当りフラグに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値をセットするとともに、第1大入賞口30の1ラウンドあたりの開放回数および開放時間(図6参照)をセットする(S2224)。本実施例1では、図6(C),(D)に示すようにV大当りに係る大当り遊技のラウンド数が「4R」「15R」の何れかとなることから、S2224では、ラウンドカウンタの値として「4」「15」の何れかをセットし、第1大入賞口30の1ラウンドあたりの開放回数および開放時間として「1回」「25秒」をセットする。
S2224の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2225)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2226)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2227)。尚、本オープニングコマンドは、小当り遊技に基づいて遊技球がV通過したこと(「小当りV」ともいう)により実行される大当り遊技に係るオープニングコマンドであることを特定可能なコマンドとすることが可能である。
一方、S2220でV有効期間中でないと判定した場合(S2220でNO)、今回の特定領域センサ39aによる遊技球の検知は正当なものではなく不正の可能性が考えられるので、V大当りを発生させることなくエラー処理を行い(S2227)、そのまま処理を終える。エラー処理としては、V有効期間中でないときに特定領域センサ39aによる遊技球の検知が発生したことを示す異常状態報知を行ったり、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく各種乱数の取得や特別図柄当否判定等の特別図柄変動に係る処理を一時的に停止(中断)したりする処理を例示できる。また、エラー処理の実行による異常状態報知や遊技進行の一時停止等は、所定の解除条件の成立により解除可能とすればよく、解除条件として、例えば、時間経過や電源再投入、RAMクリア等を例示できる。
[遊技状態設定処理]
図35に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、今回実行した大当り遊技に係る大当り種別、すなわち、終了した大当りの種別が時短大当りであるか否かを判定する(S2301)。S2301では、現在ONとなっている大当りフラグ、すなわち、S1312、S1612およびS2222の何れかでONにした大当りフラグに対応する大当り種別に基づいて、終了した大当りの種別が時短大当りであるか否かを判定する。具体的には、今回の大当りが、特図1又は特図2の当否判定の結果が大当りの場合の「特図1大当りA、D」又は「特図2大当りA、B、D」であるか、小当りを契機とするV大当りの場合の「4R時短大当り」又は「15R時短大当り」であれば、終了した大当りの種別は時短大当りということになる(図6を参照)。
S2301で時短大当りであると判定した場合(S2301でYES)、時短フラグをONにし(S2302)、時短カウンタに「100」をセットし(S2303)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技終了後の遊技状態が特別図柄の時短状態且つ高ベース状態(すなわち時短高ベース状態)になる。この時短高ベース状態は、特別図柄が100回変動表示すること、及び、次の大当り(V大当りを含む)が発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
一方、S2301で時短大当りでないと判定した場合(S2301でNO)、すなわち今回の大当りが、特図1又は特図2の当否判定の結果が大当りの場合の「特図1大当りB、C」又は「特図2大当りC」であるか、小当りを契機とするV大当りの場合の「4R非時短大当り」であれば、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技終了後の遊技状態が特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態(すなわち非時短低ベース状態)になる。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで保留球数処理(S207)を行う。保留球数処理(S207)では図36に示すように、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S207)に次いで電源断監視処理(S208)を行う。電源断監視処理(S208)では図37に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[出力信号]
次に本実施例1の情報出力処理(図38乃至図40)により、外部出力可能な遊技信号(遊技情報)について図41(A)を用いて説明する。この情報出力処理により、遊技制御用マイコン等で生成される所定の遊技信号(遊技情報)を、外部機器(ホールコンピュータ等)で受信可能な態様で出力するものとする。本実施例1では、主制御基板80から遊技機外部に出力する信号として、図41(A)に挙げる6種類の信号を有している。この6種類の出力信号について説明する。
主制御基板80の情報出力回路82は第1乃至第6出力部を備えており、遊技制御用マイコン81で生成された信号が、情報出力回路82の第1乃至第6出力部から夫々ON状態又はOFF状態で外部出力装置に出力される(図42)。そして外部出力装置にホールコンピュータ等の配線やコネクタが接続されている場合には、当該ホールコンピュータで出力信号を受信し、信号の状態(ON又はOFF)を読み取る(判断する)ことが可能となる。ホールコンピュータ等で遊技機から外部出力された遊技信号を読み取ることで、セキュリティ(不正防止対策、不正の発見、不正の未然防止等)に利用したり、受信した信号に基づいて遊技情報(大当り回数、連荘回数、特図変動表示回数等)を表示し、遊技者への情報提供に利用したりすることが可能となる。
また、情報出力回路82の第1出力部からは大当り遊技中信号が出力可能とされ、第2出力部からは時短中信号が出力可能とされ、第3出力部からは特定信号が出力可能とされ、第4出力部からは小当り遊技中信号が出力可能とされ、第5出力部からは特別図柄確定信号が出力可能とれ、第6出力部からはエラー信号が出力可能とされている。これらの出力信号は、遊技状態に応じてON状態(信号の論理:1)又はOFF状態(信号の論理:0)に切り替えられるものとされる。
具体的に、大当り遊技中信号は、大当り遊技の実行中はON状態で出力され、大当り遊技の非実行中はOFF状態で出力される。また、時短中信号は、時短状態中(高ベース状態中)はON状態で出力され、非時短状態中はOFF状態で出力される。また、特定信号については詳細を後述するが、大当り遊技状態、時短遊技状態、又は特図2連続変動状態の何れかの状態であればON状態で出力され、何れの状態にも該当しなければOFF状態で出力される。また、小当り遊技中信号は、小当り遊技の実行中はON状態で出力され、小当り遊技の非実行中はOFF状態で出力される。また、特別図柄確定信号は、特別図柄の変動停止(確定停止表示)時から所定時間(本実施例では0.6sとする)ON状態とされ、ON状態で所定時間が経過するとOFF状態とされる。また、エラー信号(異常信号)は、所定のエラー(例えば枠開放)が検知されるとON状態とされ、エラーが解除(例えば枠閉鎖)されるとOFF状態とされる。
尚、本実施例1ではエラー信号は1種類のみとしているが、複数のエラー信号を出力可能としてもよい。例えば、V有効期間外のV通過を検知した場合に第2エラー信号をON状態とし、所定時間が経過するか、又は遊技店員の所定の操作により、第2エラー信号をOFF状態とすることが可能である。その他、左打ちすべき遊技状態において、右打ちを検知(ゲート28による検知)した場合に、第3エラー信号をON状態としてもよい。また、不正電波、振動、又は磁気等を検知した場合に、所定のエラー信号をON状態としてもよい。これらについても、所定時間が経過するか、又は遊技店員の所定の操作により、OFF状態とすることが可能である。
[情報出力処理]
次に本実施例1の情報出力処理(S209)について図38乃至図40を用いて説明する。情報出力処理(S209)ではまず、大当り遊技実行フラグがONかどうか、すなわち大当り遊技の実行中であるかどうかを判定する(S5101)。S5101で大当り遊技実行フラグがONである、すなわち大当り遊技の実行中であると判定した場合(S5101でYES)、大当り遊技情報フラグをONにし、大当り遊技中信号をON状態で出力する。ON状態の大当り遊技中信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態が大当り遊技中であると判定する。ここで「大当り遊技中信号」は、大当り遊技実行フラグの状態(ON又はOFF)に対応して、ON状態又はOFF状態で出力されるものであり、大当り遊技の実行中(役物連続作動装置の作動中)であることを示す信号とされる。
一方、「大当り遊技情報フラグ」は、後述する特定信号の状態を設定するためのもので、ONにするタイミングは大当り遊技の実行(開始)タイミングと同じであるが、OFFにするタイミングは大当り遊技の終了タイミングと異なっている。具体的に、ON状態の「大当り遊技情報フラグ」がOFFにされるのは、大当り遊技の終了から所定時間(本実施例では50ms)経過後とされている。これにより、大当り遊技情報フラグがONからOFFにされるタイミングを遅延させ、ON期間を実際の大当り遊技の実行期間よりも若干長く設定することが可能となる。これにより、詳細は後述するが、大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態(第1遊技状態)に設定され、当該低ベース状態において第2特図保留記憶部85bに記憶される保留情報に基づいて第2特別図柄が変動表示する際に、大当り遊技終了後、第2特別図柄の変動表示開始前のタイミングで、連荘期間中であることを示す特定信号がOFF状態になってしまうことを確実に防ぐことが可能となる。
尚、本実施例では、大当り遊技情報フラグの遅延処理を、タイマ等を用いたソフト処理により行ったが、この様な態様に限らない。これに替えて、コンデンサ等を用いた遅延回路を設け回路構成により大当り遊技中信号がONからOFFに変化するタイミングを所定時間遅延させることも可能である。
S5101で、大当り遊技実行フラグがONでないと判定した場合(S5101でNO)、大当り遊技中信号をOFF状態で出力し(S5104)、S5105の処理に移行する。OFF状態の大当り遊技中信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態が大当り遊技中でないと判定する。S5105では、大当り遊技情報フラグがONであるかどうかを判定し(S5105)、大当り遊技情報フラグがONでない、すなわち、大当り遊技中信号がOFF状態で、且つ大当り遊技情報フラグもOFFであると判定した場合(S5105でNO)、S5110の処理に移行する。一方、S5105で、大当り遊技情報フラグがONである、すなわち、大当り遊技中信号がOFF状態であるが、大当り遊技情報フラグがONであると判定した場合(S5105でYES)、次いで、遅延タイマの実行中かどうか、すなわち、遅延タイマによって遅延時間の計測を実行中かどうか判定する(S5106)。S5106で、遅延タイマによって遅延時間を計測中でないと判定した場合(S5106でNO)、遅延タイマに所定の遅延時間(本実施例では50msとされている)をセットし、遅延時間の計測を開始し(S5107)、S5108の処理に移行する。
S5106で、遅延タイマによって遅延時間を計測中であると判定した場合(S5106でYES)、S5108の処理に移行する。S5108では、遅延タイマの値が「0」かどうかを判定し、「0」でない、すなわち未だ遅延時間の計測中(遅延処理の実行中)であると判定した場合(S5108でNO)、S5110の処理に移行する。S5108で、遅延タイマの値が「0」であると判定した場合(S5108でYES)、大当り遊技情報フラグをOFFにし(S5109)、S5110の処理に移行する。これにより、大当り遊技情報フラグの遅延処理を終える。尚、遅延時間は、割り込み処理(S105)の周期(4ms)よりも長い時間に設定すればよく、50msでなくともよい。
S5110では、特図2連続変動フラグがONであるかどうかを判定する。「特図2連続変動フラグ」は、特別図柄変動中処理(S1104)において、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、第2特別図柄が連続して(2回以上連続して)変動表示することに基づいてONにされるものである。また、特図2連続変動フラグがONにされている状態で第1特別図柄が変動表示するとOFFにされる。尚、本実施例では連続回数を2回としているが、3回以上の所定回数とし、第2特別図柄が当該所定回数連続して変動表示した場合に「特図2連続変動フラグ」をONにするものとしてもよい。
S5110で、特図2連続変動フラグがONであると判定した場合(S5110でYES)、S5114の処理に移行する。一方、S5110で特図2連続変動フラグがONでないと判定した場合(S5110でNO)、次いで、大当り遊技情報フラグがONかどうかを判定し(S5111)、大当り遊技情報フラグがONであると判定した場合(S5111でYES)、S5114の処理に移行する。一方、S5111で、大当り遊技情報フラグがONでないと判定した場合(S5111でNO)、次いで時短フラグがONかどうかを判定する(S5112)。S5112で、時短フラグがONであると判定した場合(S5112でYES)、時短中信号をON状態で出力し(S5113)、S5114の処理に移行する。ON状態の時短中信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態が時短状態であると判定することが可能となる。S5112で、時短フラグがONでないと判定した場合(S5112でNO)、時短中信号をOFF状態で出力し(S5115)、S5116の処理に移行する。OFF状態の時短中信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態が非時短状態であると判定することが可能となる。
S5114では、特定フラグをONにし、S5116では特定フラグをOFFにし(既にOFFであればOFFのまま維持し)、S5117の処理に移行する。この「特定フラグ」は、S5110〜S5116の処理で、ON又はOFFに設定されるところ、特図2連続変動フラグがONとなっていること、大当り遊技情報フラグがONとなっていること、及び時短フラグがONとなっていること、の3条件のうち、少なくとも1つを満たしていれば(何れか1つがONであれば)、ONにされる。一方、これら3条件を全て満たしていない(全てOFF)場合にはOFFにされる。また、この特定フラグがONとされている期間は、遊技者が短期間で連続して大当り遊技を実行可能な期間、所謂遊技者に有利な連荘期間(「特定期間」ともいう)とされている。
S5117では、特定フラグがONかどうかを判定し、特定フラグがONであると判定した場合(S5117でYES)、特定信号をON状態で出力し、S5113の処理に移行する。ON状態の特定信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態(遊技状況)が連荘期間(特定期間)であると判定することが可能となる。一方、特定フラグがONでないと判定した場合(S5117でNO)、特定信号をOFF状態で出力し(S5119)、S5120の処理に移行する。OFF状態の特定信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態(遊技状況)が連荘期間(特定期間)でないと判定することが可能となる。
S5120では、小当り遊技実行フラグがONかどうかを判定し、小当り遊技実行フラグがONであると判定した場合(S5120でYES)、小当り遊技中信号をON状態で出力し(S5121)、S5123の処理に移行する。ON状態の小当り遊技中信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態(遊技状況)が小当り遊技中であると判定することが可能となる。一方、小当り遊技実行フラグがOFFであると判定した場合(S5120でNO)、小当り遊技中信号をOFF状態で出力し(S5122)、S5123の処理に移行する。OFF状態の小当り遊技中信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態(遊技状況)が小当り遊技中であると判定することが可能となる。
S5123では、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が停止表示(確定停止表示)したかどうかを判定し、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が停止表示したと判定した場合(S5123でYES)、特図確定信号をON状態で出力し(S5124)、S5126の処理に移行する。ON状態の特図確定信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態(遊技状況)は特別図柄が停止表示した状態であると判定することが可能となる。また、この特図確定信号に基づいて、特別図柄の変動表示回数を計数することが可能となる。一方、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が停止表示していない判定した場合(S5123でYES)、特図確定信号をOFF状態で出力し(S5125)、S5126の処理に移行する。OFF状態の特図確定信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態(遊技状況)は特別図柄が停止表示した状態ではないと判定することが可能となる。
S5126では、特図確定信号がON状態で出力中かをどうかを判定し、ON状態で出力中であると判定した場合(S5126でYES)、特図確定信号出力時間が経過したかを判定する(S5127)。特図確定信号は、出力開始から所定時間(本実施例では0.6s)が経過すると、OFFにされる。従って、S5127で、特図確定信号出力時間(0.6s)が経過したと判定した場合(S5127でYES)、特図確定信号をOFFで出力し(S5128)、S5129の処理に移行する。一方、S5126で、特図確定信号がON状態で出力されていないと判定した場合(S5126でNO)、及び特図確定信号出力時間(0.6)が経過していない、すなわち特図確定信号出力時間の計測中であると判定した場合(S5126でNO)、S5129の処理に移行する。このS5123〜S5128の処理により、特別図柄が停止表示(確定停止表示)した時から所定時間(0.6s)だけ、特図確定信号をON状態で出力することが可能となる。
S5129では、所定のエラーフラグがONかどうかを判定し、エラーフラグがONであると判定した場合(S5129でYES)、エラー信号をON状態で出力し(S5130)、処理を終える。ON状態のエラー信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態(遊技状況)はエラー状態であると判定することが可能となる。一方、エラーフラグがOFFであると判定した場合(S5129でNO)、エラー信号をOFF状態で出力し(S5131)、処理を終える。OFF状態のエラー信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態(遊技状況)は正常状態である(エラー状態でない)と判定することが可能となる。
[タイミングチャート]
次に、図43乃至図45を用いて、特図2連続変動フラグ、大当り遊技実行フラグ、時短フラグ等の各種フラグの状態の変化タイミングや、大当り遊技中信号や時短中信号や特定信号等の各種信号の出力状態の変化タイミングについて説明する。図43に示す通り、特図2連続変動フラグは、第2特別図柄が連続して変動表示を開始したタイミング、具体的には、tt3に係る第2特別図柄の変動表示の開始に伴って、ONに設定される。また、第2特別図柄が連続して変動表示したかどうかの判定は、特別図柄が停止表示したタイミングで、停止表示した特別図柄に対応してONに設定される特図停止フラグに基づいて行っている。具体的には、特図2停止フラグがONに設定されている状態で、第2特別図柄の変動表示が行われると、特図2連続変動フラグがONに設定されることとなる。従って、tt1に係る第2特別図柄の変動表示のように、特図1停止フラグがONにされた状態で第2特別図柄の変動表示が行われたと判定した場合には、特図2連続変動フラグがONに設定されない。
また図44に示す通り、特定フラグは、特図2連続変動フラグ、大当り遊技情報フラグ、及び時短中フラグの何れか1つでもONとなっていれば、ONとされる。特定フラグがONとされている期間は、遊技者が短期間で複数回の大当り遊技を獲得可能な期間であって、遊技者に有利な連荘期間(特定期間)とされる。具体的に、通常状態(非時短状態)において、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、第1特別図柄に係る当否判定を実行し、当該当否判定の結果が時短大当り(図6の特図1大当りA)となると、連荘期間(特定期間)が開始することとなる。時短大当りとなった場合、当該大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態(高ベース状態)とされ、本実施例のパチンコ遊技機の仕様上、指示通りに遊技を行えば、略次回の大当りの発生が保証されている。そして、この時短状態(第2遊技状態)において、入球容易となった第2始動口への入球に基づいて、第2特別図柄に係る当否判定を実行し、当該当否判定の結果が時短大当り(図6の特図2大当りD)となるか、又は時短小当り(図6の特図2小当りD)に基づいて大当りとなると、当該大当り遊技終了後が再度時短状態に設定され、これにより、短期間で複数回(多数回)の大当り遊技を実行させ、多量の遊技利益(賞球)を獲得することが可能となる。
また、入球容易となった第2始動口への入球に基づいて、第2特別図柄に係る当否判定を実行し、当該当否判定の結果、大当り遊技終了後の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)となる場合においても、大当り遊技終了の際に第2特図保留記憶部に保留情報が記憶されている場合には、非時短状態において第2特別図柄の変動表示が行われる。この大当り遊技終了後の1回目に実行される非時短状態での第2特別図柄当否判定は、時短状態での第2特別図柄当否判定よりも有利に設定されている。具体的には、当該第2特別図柄当否判定に基づいて大当りが実行される場合には、時短状態での第2特別図柄当否判定に基づいて大当りが実行される場合よりも、大当り遊技終了後の遊技状態が高い確率で時短状態とされる。より具体的に、非時短状態での第2特別図柄当否判定に基づいて大当りが実行される場合、100%の確率で時短状態とされる。また、第2特別図柄当否判定においては、小当りと判定される確率が第1特別図柄当否判定と比べて、非常に高く設定されており、第2特別図柄当否判定が実行されると、第1特別図柄当否判定よりも、大当りの発生可能性が高いものとされている。
従って、時短状態(高ベース状態)において第2特図保留記憶部に保留情報を記憶した状態で、大当り遊技終了後の遊技状態が非時短状態とされた場合には、単に、当該非時短状態となったタイミングで、連荘期間(特定期間)の終了と判断するのは好ましくない。すなわち、非時短状態に設定された後に実行される第2特図保留記憶部に保留情報に基づく第2特別図柄当否判定の結果に応じて、連荘期間(特定期間)を終了したり、連荘期間(特定期間)を継続したりするのが望ましい。例えば、当該第2特別図柄当否判定の結果に基づいて大当り遊技が実行されない(外れ、又は小当りとなったがV通過しない)ことが確定した場合には、連荘期間を終了するものとする。一方、当該第2特別図柄当否判定の結果に基づいて大当り遊技が実行される場合には、連荘期間を継続するものとする。これにより、連荘期間を長く設定することができ、連荘期間における大当り遊技の実行回数(連荘回数)を計数・表示するような場合には、当該連荘回数を多く示すことが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
この様に、大当り遊技の実行中、時短状態の実行中、及び特図2連続変動フラグがON状態中の、いずれかを満たせば、連荘期間(特定期間)とみなすものとしている。ここで、これらの連荘期間を、大当り遊技の実行期間を示す大当り遊技実行フラグと特図2連続変動フラグと時短中フラグとにより、判定すると、大当り遊技実行フラグの状態変化タイミングと、特図2連続変動フラグの状態変化タイミングとの関係上、大当り遊技終了後から特図2連続変動フラグがONに設定されるまでの間に極短時間(1割り込み分の期間、4ms)ではあるが、これら3個のフラグ全てがOFFの状態の期間が発生してしまう場合がある。大当り遊技実行フラグは大当り遊技実行期間を示すものであるから、大当り遊技の終了時にOFFにされ、その後、非時短状態で大当り遊技終了後の1回目の第2特別図柄の変動表示で、初めて第2特別図柄が連続して変動表示する場合には、その変動表時の開始処理において特図2連続変動フラグがONにされる。これにより、図44に示すように、大当り遊技実行フラグがOFFになった後、s1の遅れ期間経過後に特図2連続変動フラグがONになるケースが発生しうる。
この様な場合には、第2特別図柄当否判定に基づいて再度大当り遊技及び時短状態が設定されるため、本来連荘期間としたいものの、大当り遊技実行フラグ、特図2連特変動フラグ、及び時短中フラグの全てがOFF状態となり、特定フラグがOFFとなり、連荘期間が一旦終了し、再度連荘期間が発生したものと判断される可能性がある。この様な事態を防止するため、本実施例では、大当りの実行中であることを示す大当り遊技情報フラグを設け、大当り遊技情報フラグがOFFになるタイミングを、実際に大当り遊技が終了するタイミング(大当り遊技実行フラグがOFFになるタイミング)よりも所定時間(ss1)遅延させるものとしている。また、遅延時間ss1(本実施例では50ms)を、s1(本実施例では4ms)よりも長く設定することで、前述の連荘期間(特定期間)であるにも関わらず、大当り遊技情報フラグ、特図2連特変動フラグ、及び時短中フラグの全てがOFF状態となってしまうのを確実に防止することが可能となる。
また、本実施例では、大当り遊技情報フラグ、特図2連特変動フラグ、及び時短中フラグの何れか1個がONであれば、ONとなる特定フラグを設けており、この特定フラグの状態を判定することで、連荘期間(特定期間)かどうかを容易に判定することが可能となる。この特定フラグは、大当り遊技情報フラグ、特図2連特変動フラグ、及び時短中フラグの全てがOFFにされるとOFFになる。
また図45に示す通り、本実施例1では、遊技制御用マイコン81から情報出力回路82及び外部出力装置83を介して外部出力される外部出力信号として、大当り遊技実行フラグがONの期間にON状態で出力される大当り遊技中信号と、時短フラグがONの期間にON状態で出力される時短中信号と、特定フラグがONの期間にON状態で出力される特定信号と、小当り遊技実行フラグがONの期間にON状態で出力される小当り遊技中信号と、特別図柄確定時から所定時間ON状態で出力される特図確定信号と、エラーフラグがONの期間にON状態で出力されるエラー信号と、を有している。そして、それら外部出力信号は、遊技状態の変化に応じて所定のタイミングでON状態又はOFF状態に切り替えられて出力されている。
以上説明したとおり、本実施例1のパチンコ遊技機1では、特図2連続変動フラグによって、特図2が連続して変動表示する状態かどうかを判定し、大当り遊技終了後の遊技状態が非時短状態となる場合であっても、第2特図保留に係る第2特別図柄当否判定の結果に基づいて再度大当り遊技が実行される場合には、特定フラグをOFFにすることなく、連荘期間が継続しているものと判定することを可能とした。また、大当り遊技情報フラグによって、実際に大当り遊技が終了した後も所定期間大当り遊技の継続中とみなすことによって、連荘期間であるにも関わらず、連荘期間が終了したと判定してしまう(特定フラグがOFFになってしまう)ことを確実に防止することを可能とした。これにより、連荘期間をできるだけ長く設定することができ、連荘期間中の大当り遊技回数(所謂連荘回数)を極力高い数で計数可能とし、遊技興趣を高めることが可能となる。
[サブ制御メイン処理]
次に、図46〜図58に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図46に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONで且つサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。尚、演出決定用乱数には、予告演出を決定する予告演出決定用乱数や、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。尚、本実施例1では、予告演出決定用乱数として、会話予告決定用乱数、ステップアップ予告決定用乱数、疑似変動予告決定用乱数、可動部予告決定用乱数、事前報知演出決定用乱数を有しており、これらの予告演出決定用乱数の取得値と図49及び図50の各予告決定テーブルを用いて実行する予告演出を決定する。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技及び小当り遊技に伴う特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図47に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図48に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、可動装飾部材14を駆動するための駆動データの作成及び出力を行う駆動データ出力処理を行う(S4203)。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図49に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、後述する大当り遊技終了後発射報知処理を行う(S4302)。この大当り遊技終了後発射報知処理(S4302)では、大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定される場合において、第2特図保留(第2演出保留情報)が存在していることを条件に、発射方向を右遊技領域から左遊技領域に戻す、すなわち右打ちから左打ちに変えることを示唆する発射報知演出(図50の第2左打ち発射報知演出)の実行タイミングを制御(調整)するための処理である。
次いで、出力するランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)の作成及び演出時間の管理等を行う電飾制御処理を行う(S4303)。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4304)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4305)。その後、演出決定用乱数を更新等のその他の処理を実行する(S4306)。
[受信コマンド解析処理]
図50及び図51に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91が主制御基板80(主制御部)からゲート通過コマンドを受信したか否かを判定し(S4419)、ゲート通過コマンドを受信したと判定した場合(S4419でYES)、後述するゲート通過時処理(S4420)を実行し、S4401の処理に移行する。S4419で、ゲート通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4419でNO)、ゲート通過時処理を行うことなく、S4401の処理に移行する。
S4401では、始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、入球時演出開始処理を行い(S4402)、S4403の処理に移行する。S4401で始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、入球時演出開始処理を行うことなく、S4403の処理に移行する。この入球時演出開始処理は、始動口(第1始動口20又は第2始動口21)への入球があったことを示す始動入球コマンドを、主制御部から受信した際に実行する処理であり、本処理を行うことで、サブ制御部90が有する演出保留記憶部(第1演出保留記憶部104及び第2演出保留記憶部105)に未消化の演出保留情報を記憶したり、画像表示装置7の表示画面7aに表示される演出保留(第1演出保留9a及び第2演出保留9b)の表示制御(表示個数や演出保留の表示態様の変化に関する制御)を行ったり、始動口への入球時に主制御部で取得した取得情報に基づいて所謂先読み演出(「事前演出」ともいう)を行ったりする。
尚、第1始動口20に遊技球が入球した場合には、当該第1始動口20への入球に基づいて取得した取得情報を示す情報が、主制御部80からサブ制御部90に送信され、サブ制御部90の第1演出保留記憶部104に未消化の演出保留情報(演出情報)として、加算して記憶される。尚、第1演出保留記憶部に記憶される保留演出情報(「第1演出保留」ともいう)の数の上限数は、第1特図保留記憶部に記憶される第1特図保留の数と同じ数(4個)とされ、その時々の記憶数も同じとされる。また、第2演出保留記憶部に記憶される保留演出情報(「第2演出保留」ともいう)の数の上限数は、第2特図保留記憶部に記憶される第2特図保留の数と同じ数(1個)とされ、その時々の記憶数も同じとされている。また、後述の変動開始コマンドを受信した場合には、それが第1特別図柄を示すものである場合には、対応する第1演出保留記憶部104に記憶される最も古い演出保留情報が削除される。第2始動口21に遊技球が入球した場合も同様である。
S4403では、主制御部から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、後述する変動演出開始処理を行い(S4404)、S4407の処理に移行する。S4403で変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4407の処理に移行する。
S4407では、主制御部から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4407でYES)、後述する変動演出終了処理を行い(S4408)、S4409の処理に移行する。S4407で変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4407でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4409の処理に移行する。
続いて、S4409では、主制御部からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S4409でYES)、後述するオープニングコマンド受信処理を行い(S4410)、S4411の処理に移行する。S4409でオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S4409でNO)、オープニングコマンド受信処理を行うことなくS4411の処理に移行する。S4411では、主制御部からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(S4411でYES)、エンディングコマンド受信処理を行い(S4412)、S4413の処理に移行する。一方、S4411で、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S4411でNO)、エンディングコマンド受信処理を行うことなく、S4413の処理に移行する。
続いて、主制御部からV通過コマンド(小当り遊技の発生に基づいてV通過したことを示すコマンド)を受信したか否かを判定し(S4413)、V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4413でYES)、V通過報知コマンドをセットし(S4414)、S4415の処理に移行する。尚、V通過コマンドは、特別図柄当否判定の結果が、特図1小当りA、B、特図2小当りA〜Dの何れかとなり、当該小当り遊技中に第2大入賞口に入球した遊技球が、V有効期間中に特定領域を通過したことを、主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。V通過報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100(画像制御部)等に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の画像情報を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて「V通過!大当り!」等の文字を表示する。これにより、遊技球が特定領域39を通過し、大当り遊技が実行されることが遊技者に報知される。一方、S4413で、V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4413でNO)、V通過報知コマンドをセットすることなく、S4415の処理に移行する。S4415では、その他の処理を実行し、処理を終える。
尚、V有効期間外に特定領域を遊技球が検知した場合にも、V有効期間外の通過であることを特定可能な情報を含むV通過コマンドを受信するものとしてもよい。これにより、当該有効期間外V通過コマンドの受信に基づいて、サブ制御部90で制御するスピーカ67や画像表示装置7や枠ランプ66や盤面ランプ5等を用いてエラー報知を行うことが可
[ゲート通過時処理]
図52に示すように、ゲート通過時処理(S4420)ではまず、S4901で、遊技状態が高ベース状態かどうかを判定し(S4901)、高ベース状態であると判定した場合(S4901でYES)、左打ち報知演出(図50に示す第1左打ち報知演出、「第1遊技領域発射報知」に相当)を実行することなく、処理を終える。本実施例1のパチンコ遊技機1は、高ベース状態(「第2遊技状態」に相当)では、遊技球を右遊技領域に発射して遊技を行うので、右打ちを行っていることを検知したとしても左打ち報知演出を行うことはない。ここで、ゲート通過時処理は、ゲート通過コマンドを受信した場合に実行される処理で、所定の遊技状態において、遊技者が右打ち遊技を行っていることを検知した場合に、『現在の遊技状態では右打ち遊技が禁止されており、左打ち遊技を行う(左打ちに戻す)こと』を指示する報知演出を実行するための処理である。ゲート通過コマンドは、前述したゲート28(「普図始動ゲート」ともいう)への通過に基づいて主制御部80からサブ制御部90に送信されるコマンドである。ゲート28は、発射方向を報知(指示)する発射方向報知機能と、普通図柄を変動表示させる普通図柄始動機能とを兼ね備えている。また、ゲート28は、右遊技領域(「第2遊技領域」に相当)に発射した遊技球が入球可能であって、左遊技領域(「第1遊技領域」に相当)に発射した遊技球が入球不能な位置に設けられており、このゲート28で遊技球を検知することで、遊技者が、遊技球を右遊技領域(第2遊技領域)に発射したことを検知することが可能となる。
S4901で、遊技状態が高ベース状態でない、すなわち低ベース状態(「第1遊技状態」に相当)であると判定した場合(S4901でNO)、次いで、左打ち報知禁止フラグがONか否かを判定する(S4902)。左打ち報知禁止フラグがONであると判定した場合(S4902でYES)、低ベース状態で右打ちを検知したときであっても、左打ち報知演出を実行することなく、処理を終える。一方、S4902で、左打ち報知禁止フラグがONでないと判定した場合(S4902でNO)、左打ち報知演出(第1左打ち報知演出、「第1遊技領域発射報知」に相当)実行コマンドをセットし(S4903)、処理を終える。また、S4903でセットされた第1左打ち報知演出実行コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、図50に示す所定の演出画像を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7a上で発射報知演出(発射方向報知演出)を行う。具体的に、「第1左打ち報知演出(第3発射報知演出)」では、「右側領域への発射はやめてください 左側領域に発射してください」との文字表示等を表示画面7a上に表示する。
また、左打ち報知禁止フラグは、後述するオープニングコマンド受信処理(S4410)及び大当り遊技終了後発射報知処理(S4302)において、ONにすることが可能である。原則的には、遊技状態が(大当り遊技、小当り遊技中を除く)低ベース状態である場合には、左遊技領域(第1遊技領域)に遊技球を発射して遊技を行うものとされ、右打ちが検知された場合には、左打ちを指示する発射方向報知演出(発射方向指示演出)が実行されるものとされる。然しながら、前述した左打ち報知禁止フラグがONになっている場合には、例え、遊技状態が(大当り遊技、小当り遊技中を除く)低ベース状態であったとしても、左打ちを指示する発射方向報知演出(左打ち報知演出)を実行しないものとする。
また、遊技状態が、大当り遊技中、小当り遊技中、又は高ベース状態である場合には、右遊技領域(第2遊技領域)に遊技球を発射して遊技を行うものとされ、右打ちが検知された場合でも、左打ち報知演出は実行されない。このような報知態様は、遊技状態によって、右打ちと左打ちとに遊技態様を変えながら遊技を行うパチンコ遊技機において、遊技者を有利に導くためのものであり、また、ごく短期間で右打ちと左打ちとに変える煩わしさを極力発生しない様にするためのものである。これにより、遊技興趣の低下を極力防止することが可能となる。
[変動演出開始処理]
図53に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が予告演出決定用乱数や演出図柄決定用乱数等の演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数取得処理(S4501)を行う。具体的に本実施例では、予告演出決定用乱数として、会話予告決定用乱数(「第1予告演出決定用乱数」ともいう)、ステップアップ予告決定用乱数(「第2予告演出決定用乱数」ともいう)、キャラクタ予告決定用乱数(「第3予告演出決定用乱数」ともいう)、可動部予告決定用乱数(「第4予告演出決定用乱数」ともいう)、及び、事前報知演出決定用乱数(「第5予告演出決定用乱数」)を有しており、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得することとなる。また、後述の予告演出等設定処理(S4506)において、この取得した値に基づいて演出図柄(特別図柄)の変動表示に伴って実行する予告演出(会話予告、ステップアップ予告、キャラクタ予告、可動部予告、事前予告)等を決定する。
次に、S4502で、演出制御用マイコン91により変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P17)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の判定結果や、当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8参照)。変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次に、S4503で、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例では、演出モードA、D、Eは低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードBは高ベース状態に制御されているときに実行される。また、演出モードCは大当り遊技終了後に低ベース状態に制御され、且つ第2特別図柄が変動表示するときに実行される。従って、演出モードがA〜Cのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
次に、S4504で、演出制御用マイコン91が制御する画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等の変動演出パターン(「演出パターン」ともいう)を決めるための変動演出パターン決定用のテーブルをセットする(S4504)。具体的に、変動演出パターン決定用のテーブルとして、主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、図示はしないが、演出図柄の変動態様を決定するための演出図柄変動態様決定テーブルがセットされる。本実施例では、遊技状態や演出モードによって、異なる演出図柄変動態様決定テーブルがセットされる。
次いでS4505で、S4504においてセットした変動演出パターンテーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合し、且つ参照したモードステータスが示す演出モードに応じた変動演出パターンを選択する(S4505)。また、S4505では、変動演出パターンのうち、主に、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄の変動態様(演出図柄遊技演出の態様)が決定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)と、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とが設定される。
また、本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄の変動態様として、複数のリーチ演出(ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出等)とキャラクタ演出とが設定されており、S4505で、演出図柄変動態様決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、これらのうち何れの演出が実行されるかを判定し、実行される演出の発生を事前に示唆する事前報知演出を行うことが可能となる。
ここで、遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。
次いで、S4506で、予告演出等設定処理を行う。予告演出等設定処理(S4506)では、S4501で取得した演出決定用乱数に基づいて、変動演出パターンにおいて、予告演出種のうち何れの予告演出種の予告演出を実行するかを決定する。また、停止表示する演出図柄(「停止演出図柄」ともいう)を決定する。これらの処理(S4505及びS4506)により、変動演出パターンが決定される。
次いで、S4507で、S4505及びS4506において選択した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S4507)、変動演出開始処理を終了する。
また、S4505でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の演出画像を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7a上で演出図柄遊技演出を行う。
尚、演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄は、例えば、特別図柄当否判定の結果が15R大当りのときは「777」等の奇数図柄のゾロ目とされ、その他の大当り(4R大当り、6R大当り)のときは「666」等の偶数図柄のゾロ目とすることができる。また、小当りのときは、「135」等予め定めたチャンス目や「3☆3」等の小当り専用図柄を停止表示してもよい。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄のうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄のうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。尚、前述の演出図柄の停止表示態様は一例であり、大当りや小当りや外れとなったときに、停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
[変動演出終了処理]
図54に示すように、変動演出終了処理(S4408)ではまず、S4601で、演出制御用マイコン91が変動停止コマンドを解析し(S4601)、モードステータスを参照する(S4602)。これにより、現在の演出モードがA〜Eのうち何れかを判定する。次に、S4603で、遊技状態が変化するか否かを判定する。例えば、高ベース状態から低ベース状態に移行したり、低ベース状態から高ベース状態に移行したり、低ベース状態且つ第2特別図柄が変動表示する状態から低ベース状態且つ第2特別図柄が変動表示しない状態に移行したりといったことがあるかを判定する。S4603で、遊技状態が変化すると判定した場合(S4603でYES)、変化後の遊技状態に対応する演出モード(A〜E)設定コマンドをセットし(S4604)、S4605の処理に移行する。一方、S4603で、遊技状態は変化しないと判定した場合(S4603でNO)、S4605の処理に移行する。S4605では、演出制御用マイコン91が演出図柄遊技演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットし(S4605)、処理を終える。
[オープニングコマンド受信処理]
次に図55を用いてオープニングコマンド受信処理について説明する。オープニングコマンド受信処理(S4410)ではまず、S4701で、第2発射報知フラグがONか否かを判定する。ここで「第2発射報知フラグ」は、後述するエンディングコマンド受信処理(図48)において、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)の終了に際して設定されるフラグであり、当り遊技終了後の遊技状態が高ベース状態に設定されると第2発射報知フラグがONのまま維持される。また、当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定されるか、若しくは、高ベース状態から高ベース状態に移行すると、第2発射報知フラグはOFFにされる。すなわち、「第2発射報知フラグ」は高ベース状態であることを示すフラグである。尚、当り遊技終了後に第2特別図柄が変動表示する(第2特図保留がある)場合は、当該第2特別図柄の変動表示が終了してから第2発射報知フラグをOFFにするものとする。
S4701で、第2発射報知フラグがONであると判定した場合(S4701でYES)、第2発射報知フラグをOFFにし(S4703)、S4709の処理に移行する。S4701で、第2発射報知フラグがONでないと判定した場合(S4701でNO)、S4709の処理に移行する。S4709では、再チャンスモードフラグがONであるかどうかを判定し(S4709)、再チャンスモードフラグがONであると判定した場合(S4709でYES)、再チャンスモードフラグをOFFにし(S4710)、S4702の処理に移行する。S4709で、再チャンスモードフラグがOFFであると判定した場合(S4709でYES)、S4702の処理に移行する。尚、「再チャンスモードフラグ」については後述する。S4702では、第1発射報知フラグをONにし(S4702)、S4704の処理に移行する。ここで、「第1発射報知フラグ」は、当り遊技中であることを示すフラグであり、当り遊技の開始に際して実行するオープニングコマンド受信処理においてONにし、当り遊技の終了に際して実行するエンディングコマンド受信処理においてOFFにするものとされる。
S4704では、左打ち報知禁止フラグをONにし(S4704)、次いで第1右打ち報知演出実行コマンドをセットし(S4705)、S4706の処理に移行する。本実施例1のパチンコ遊技機では、当り遊技中は、右遊技領域(第2遊技領域)に発射した遊技球が入球可能な位置に設けた第1大入賞口又は第2大入賞口を狙って遊技を行うため、右打ち遊技を行うことを要する。そのため、遊技球がゲート28を通過して際に、第1左打ち報知演出が実行されないようにするため、当り遊技開始に際して実行されるオープニングコマンド受信処理において、左打ち報知禁止フラグをONにする処理を行う。
また、S4705でセットされた第1右打ち報知演出実行コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、図50に示す所定の演出画像を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7a上で発射報知演出(発射方向報知演出)を行う。具体的に、「第1右打ち報知演出(第1発射報知演出)」では、「右側領域のアタッカを狙って発射してください」との文字表示等を所定期間表示画面7a上に表示する。第1右打ち報知演出は、当り遊技の実行に伴って実行される報知演出であり、当り遊技の実行中ずっと表示してもよいし、所定条件の成立により、終了してもよい。例えば、ゲート28で遊技球が検知されること等により、実際に右打ちが検知された場合に当該報知演出を終了してもよい。また、大当り遊技の場合は、1R目から2R目が終了するまで表示を行う等、所定ラウンドまで報知演出を実行してもよい。また、大当り遊技の途中で、報知演出の演出態様を変えてもよい。例えば、大当り遊技の開始当初は報知演出を大きく表示し、所定ラウンドからは、小さく表示してもよい。
S4706では、オープニングコマンドを解析し(S4706)、解析したオープニングコマンドに基づいて、特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)中に実行する特別遊技演出の演出態様を選択する特別遊技演出パターン選択処理を行う(S4707)。この特別遊技演出には、特別遊技開始に伴う大入賞口開放前のオープニング期間中に実行するオープニング演出と、特別遊技の実行中であって、大入賞口の開放遊技(ラウンド)中及び開放遊技と開放遊技との間(ラウンド間)のインターバル中に実行する特別遊技実行中演出と、が含まれている。次いで、S4708で、演出制御用マイコン91が選択した特別遊技演出パターンに基づいて特別遊技演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットし(S4708)、処理を終える。
また、小当りとしての特別遊技の実行に際して選択される特別遊技演出としては、そのオープニング演出において、第2大入賞装置36(第2大入賞口35)を狙って遊技球を発射する旨(右打ち遊技を行う旨)を表示画面7aに表示するものが選択されるようにしてもよい。すなわち、第2大入賞装置36(第2大入賞口35)が開放するよりも前の所定のタイミング(オープニング期間)において、予め右打ち遊技を開始すべきことを報知する演出を行うものとされる。これにより、合計1.8秒という短い第2大入賞口35の開放時間中に、第2大入賞口35に遊技球が入球する可能性を高くすることが可能となる。これに対して、大当りとしての特別遊技の実行時には、このような報知(第2大入賞口35の開放前から右打ちをし続ける旨の報知)を伴わないオープニング演出を選択してもよい。
[エンディングコマンド受信処理]
次に図56を用いてエンディングコマンド受信処理について説明する。エンディングコマンド受信処理(S4412)では、まず、S4801で、第1右打ち報知演出終了コマンドをセットする。これにより、当り遊技の終了に伴って、アタッカ(第1大入賞口又は第2大入賞口)を狙って遊技球を発射することを報知する第1右打ち報知演出を終了することとなる。次いで、S4802で、左打ち報知禁止フラグをOFFにし(S4802)、第1発射報知フラグをOFFにし(S4803)、第2発射報知フラグをONにし(S4804)、S4805の処理に移行する。
ここで、左打ち報知禁止フラグは当り遊技の終了に伴ってOFFにされ、当り遊技終了後の遊技状態が高ベース状態に設定される場合や、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、後述する大当り遊技終了後発射報知処理(S4302)において再度ONにされる。また、第2発射報知フラグは、当り遊技の終了に伴ってONにされ、当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定され、且つ第2特別図柄の変動表示が実行されない場合にOFFにされる。つまり、第2発射報知フラグがONになっている間は、左打ち報知は実行されない。当り遊技終了後、第2発射報知フラグがOFFにされることを、「特定条件の成立」とし、左打ち報知演出(第1遊技領域発射報知)を実行可能とすることが可能である。
S4805では、エンディングコマンドを解析し(S4805)、次いで、モードステータス変更処理を行う(S4806)。モードステータス変更処理(S4806)では、現在実行中の特別遊技が、時短大当りに係る大当り遊技であれば、モードステータスを演出モードBに係るステータスにセットする。また、非時短大当りに係る大当り遊技で、第2特図保留がある場合にはモードステータスを演出モードCに係るステータスにセットする。また、非時短大当りに係る大当り遊技で、第2特図保留がない場合にはモードステータスを演出モードAに係るステータスにセットする。
このようなモードステータスの変更(設定)により、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)終了後の特別図柄の変動表示に伴って実行される演出図柄遊技演出における演出モードが、変更後(設定後)のモードステータスに対応した演出モードとされる。次に、S4807で、演出制御用マイコン91がモードステータスを参照し(S4807)、次いで、解析したエンディングコマンド及び参照したモードステータスに基づいて、エンディング演出の演出パターン(演出態様)を選択するエンディング演出パターン選択処理を行う(S4808)。尚、エンディング演出とは、特別遊技における全ての大入賞口開放処理(大入賞口開放遊技)を終了した後のエンディング期間中に実行する演出である。そして、S4809で、演出制御用マイコン91は、選択したエンディング演出パターンに基づいてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをセットし(S4809)、処理を終える。
また、S4809でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定のエンディング演出画像を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。ここで本実施例では、時短大当りに係る特別遊技が実行された場合にはエンディング演出として、「演出モードB(チャンスモード)突入」の文字を表示画面7aに表示する演出が選択される。これにより、再度の大当り遊技を実行する可能性が高いチャンスモードに突入したことを遊技者に報知することが可能となる。
また、非時短大当り且つ第2特図保留がある場合に係る特別遊技に対するエンディング演出として、「演出モードC(再チャンスモード)突入」の文字を表示画面7aに表示する演出が選択される。これにより、チャンスモードに復帰できる可能性の高い再チャンス(ラストチャンス)モードに突入したことを遊技者に報知することが可能となる。また、非時短大当り且つ第2特図保留がない場合に係る特別遊技に対するエンディング演出として、「演出モードA(通常モード)突入」の文字を表示画面7aに表示する演出が選択される。これにより、遊技者に有利なチャンスモードが終了し、遊技状態が通常状態となったことが報知される。
[大当り遊技終了後発射報知処理]
次に、図57を用いて、大当り遊技終了後発射報知処理(S4302)について説明する。大当り遊技終了後発射報知処理は、大当り遊技終了後の発射報知演出(発射方向報知)を制御するための処理である。大当り遊技終了後発射報知処理(S4302)ではまず、第2発射報知フラグがONかどうかを判定する(S5001)。第2発射報知フラグは、当り遊技の終了に際してONにされる(設定される)フラグであり、当り遊技終了後の遊技状態が、予め定めた特別状態である期間はONにされており、特別状態でなくなると、OFFにされる。S5001で、第2発射報知フラグがONでないと判定した場合(S5001でNO)、処理を終える。すなわち、本処理は、第2発射報知フラグがONの場合に行う処理といえる。
S5001で、第2発射報知フラグがONであると判定した場合(S5001でYES)、次いで高ベース状態であるか否か、すなわち、当り遊技終了後の遊技状態が高ベース状態に設定されているかどうかを判定する(S5002)。S5002で、遊技状態が高ベース状態であると判定した場合(S5002でYES)、前述した様に高ベース状態では右打ちにより遊技を行うので、左打ち報知禁止フラグをONにし(S5003)、S5004の処理に移行する。これにより、高ベース状態において、右打ち遊技が検知されても、左打ち報知演出は実行不能とされる。S5004では、第2右打ち報知演出の実行中かどうかを判定し(S5004)、既に第2右打ち報知演出の実行中であると判定した場合(S5004でYES)、処理を終える。また、第2右打ち報知演出の実行中でないと判定した場合(S5004でNO)、第2右打ち報知演出実行コマンドをセットし(S5005)、処理を終える。つまり、高ベース状態の開始に伴って、左打ち報知演出が実行不能に設定されると共に、所定の右打ち報知演出を実行するものとされる。
また、S5005でセットされた第2右打ち報知演出実行コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、図58に示す所定の演出画像を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7a上で発射報知演出(発射方向報知演出)を行う。具体的に、「第2右打ち報知演出(第2発射報知演出)」では、「右側領域の電チューを狙って発射してください」との文字表示等を所定期間表示画面7a上に表示する。「電チュー」とは第2始動口21を指している。また、第2右打ち報知演出は、遊技状態が高ベース状態に設定されることに伴って実行される報知演出であり、高ベース状態の実行中ずっと表示してもよいし、所定条件の成立により、終了してもよい。例えば、ゲート28で遊技球が検知されること等により、実際に右打ちが検知された場合に当該報知演出を終了してもよい。また、高ベース状態において、所定時間経過することや、特別図柄(第2特別図柄)が所定回数変動表示すること等を条件として、報知演出を終了してもよい。また、高ベース状態の開始後、所定期間経過(所定条件成立)に伴って、報知演出の演出態様を変えてもよい。例えば、高ベース状態の開始当初は報知演出を大きく表示し、その後小さく表示してもよい。
一方、S5002で、遊技状態が高ベース状態でないと判定した場合(S5002でNO)、次いで第2右打ち報知演出の実行中かどうかを判定する(S5006)。S5002で、遊技状態が高ベース状態でない、すなわち低ベース状態であると判定する場合として、例えば、大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定される非時短大当りの発生を挙げることができる。また、大当り遊技終了後の遊技状態が高ベース状態に設定される時短大当りが発生したものの、高ベース状態において、上限回数(本実施例では100回)の特別図柄当否判定を実行しても、大当り遊技が実行されなかった場合に、低ベース状態に設定される場合をあげることができる。S5006で、第2右打ち報知演出を実行中であると判定するのは、この後者の場合が挙げられる。S5006で、第2右打ち報知演出を実行中であると判定した場合(S5006でYES)、実行中の第2右打ち報知演出を終了させるべく、第2右打ち報知演出終了コマンドをセットし、S5007の処理に移行する。
S5007では、第2演出保留の数(第2特図保留の数)が0より多いかどうかを判定する。本実施例1では、第2演出保留記憶部に記憶可能な第2演出保留の上限数は「1」とされているので、第2演出保留があるかどうか(「1」かどうか)ということも可能である。S5007で、第2演出保留記憶部に記憶される第2演出保留の数が0より多い、すなわち、これから第2特別図柄当否判定が実行されると共に第2演出図柄(第2特別図柄)が変動表示すると判定した場合(S5007でYES)、S5009の処理に移行する。また、S5007で、第2演出保留記憶部に保留情報は記憶されていないと判定した場合(S5007でNO)、次いで、第2演出図柄(第2特別図柄)が変動表示中であるかどうかを判定する(S5011)。S5011で、第2演出図柄(第2特別図柄)が変動表示中である、すなわち、これから第2特別図柄当否判定の結果が示されると判定した場合(S5011でYES)、S5009の処理に移行する。この様に、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報が記憶されているか、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報は記憶されていないが第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示中である場合、すなわち、これから、第2特別図柄当否判定の結果が示されることが確定している状態であると、S5009の処理に移行するものとされている。
S5009では、左打ち報知禁止フラグをONにし(既にONになっている場合にはONのまま維持し)(S5009)、再チャンスモードフラグをONにし(S5010)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定された場合であっても、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報が記憶されているか、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報は記憶されていないが第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示中である場合には、左打ち報知禁止フラグがONにされる。この特別状態においては、低ベース状態で、右打ちが検知されても、特別に左打ち報知演出は実行されず、特別状態が終了したときの遊技状態が低ベース状態且つ非当り遊技状態であることを条件として、左打ち報知演出を実行可能な状態とする。また、サブ制御部90は、この特別状態においては、右打ち報知演出も実行しないので、左打ち報知演出及び右打ち報知演出の何れの報知演出も実行しない期間とされる。
最も、前述の主制御部80で制御する発射方向表示器47(第1発射報知手段)は、遊技状態が低ベース状態であれば、第2特別図柄の保留の有無や、変動表示中かどうかにかかわらず、左打ち遊技を示す表示態様(報知態様)とされる。然しながら、この発射方向表示器47は、図3及び図4に示すように、比較的小型の表示部(LED)によって、右打ち遊技状態又は左打ち遊技状態を示すので、表示画面7aを用いて行う発射報知演出(「第2発射報知手段」ともいう)に比べて、遊技者が認識しづらいものとされている。また、大方の遊技者は、図4に示す主表示器40の表示態様ではなく、図3に示す表示画面7aの表示態様を注視して遊技を行うので、発射方向表示器47の表示態様の変化には気づき難いものとされている。
ここで、『大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定された場合であっても、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報が記憶されているか、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報は記憶されていないが第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示中である場合』に、左打ち報知禁止フラグをONにして、右打ちを検知しても左打ち報知を行わないものとしたり、低ベース状態の設定に基づいて、すぐに図58に示す第2左打ち報知演出を実行しないものとしたりしたのは、(保留中又は変動中の)実行が確定している第2特別図柄当否判定に基づいて、再度大当り遊技が発生する可能性があるからである。そして、再度大当り遊技が発生した場合には、右遊技領域(第2遊技領域)へ遊技球を発射する右打ち遊技を行う必要がある。例えば、大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定され、すぐさま第2左打ち報知演出(第4発射報知演出)を実行した場合には、その後保留又は変動中に係る第2特別図柄当否判定の結果に基づいて大当りとなった場合には、極短期間で、再度右打ち報知演出を実行することとなる。この様に、右打ち遊技状態(大当り遊技)の終了後の短期間の間に、一旦左打ち報知演出を行って左打ち遊技を行わせ、再度大当りとなった場合には、再度右打ち報知演出を行って右打ち遊技を行わせるといった、遊技態様(発射方向報知態様)を実行すると、遊技者は煩わしく感じ、遊技興趣を低下させる可能性がある。
この様な煩雑な発射報知演出による遊技興趣の低下を防止するため、『大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定された場合であっても、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報が記憶されているか、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報は記憶されていないが第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示中である場合』には、その第2演出図柄の変動表示が全て終了するまでは(第2特別図柄当否判定の結果が表示されるまで)、左打ち報知禁止フラグをONにし、且つ第2左打ち報知演出を実行しないものとしている。これにより、この特別状態においては、低ベース状態で遊技者が右打ち遊技を継続していても、発射を停止していても、左打ち報知演出が実行されることはない。
また、この第2演出図柄の変動表示に基づいて大当り遊技が実行される(第2特別図柄当否判定の結果が大当りか、又は小当りとなって特定領域を通過し大当りとなる)場合には、当該大当り遊技中も引き続き、左打ち報知演出が禁止とされる。一方、全ての第2演出保留(第2特図保留)がなくなり、且つ、第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示が終了し、この第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示に基づいて大当り遊技が実行されなかった場合には、左打ち報知禁止フラグをOFFにする処理(S5014)等が実行される。
具体的に、S5007で、第2演出保留記憶部に保留情報は記憶されていないと判定され(S5007でNO)、且つ、第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)が変動表示中でないと判定された場合(S5011でNO)、再チャンスモードフラグをOFFにし(OFFであればOFFのまま維持し)(S5012)、第2発射報知フラグをOFFにし(S5013)、左打ち報知禁止フラグをOFFにし(S5014)、第2左打ち報知演出実行コマンドをセットし(S5015)、処理を終える。また、S5015でセットされた第2左打ち報知演出実行コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、図58に示す所定の演出画像を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7a上で発射報知演出(発射方向報知演出)を行う。具体的に、「第2左打ち報知演出(第4発射報知演出)」では、「チャンスモードが終了しました 左側領域を狙って発射してください」との文字表示等を所定期間表示画面7a上に表示する。これにより、以後、ゲート28により遊技球が検知(右打ち遊技が検知)されると、図52に示すゲート通過時処理(S4420)に基づいて第1左打ち報知演出(第3発射報知演出)が実行されることとなる。
また、本実施例1では、遊技状態が高ベース状態(第2遊技状態)に設定されている状態を、「チャンスモード」といい、第2始動口への入球頻度が高くされる(第2始動口への入球が容易な状態とされる)。そして、第2特別図柄当否判定で大当りと判定される確率は、第1特別図柄当否判定と同じであるが、第2特別図柄当否判定で小当りと判定される確率は、第1特別図柄当否判定よりも高く設定されている。これにより、小当りに基づいて大当りとなる(小当りV)により、短期間で次回の大当り遊技が実行される可能性が非常に高く設定されている。従って、チャンスモードでは、当該チャンスモード中に次回の大当り遊技が実行される可能性が高い、すなわち所謂連荘(連続して大当り遊技)が発生する可能性が高い状態とされる。また、大当りが時短大当りであると、大当り遊技終了後が再度チャンスモードに設定されることとなる。
このチャンスモード中(時短状態、高ベース状態)においては、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなったときに時短状態となる確率は、49.5%とされる。また、第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなって特定領域を通過することに基づいて大当りとなったときに時短状態となる確率は、49.8%とされる。すなわち、チャンスモード中に大当り遊技が実行され、当該大当り遊技の終了後に再度チャンスモード(時短状態)に設定される確率は、およそ50%とされている。
一方、低ベース状態(非時短状態、通常状態)においては、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなったときに時短状態となる確率は、100%とされる。また、第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなって特定領域を通過することに基づいて大当りとなったときに時短状態となる確率も、100%とされている。すなわち、低ベース状態(非時短状態、通常状態)において、第2特別図柄当否判定が実行されて大当り遊技が実行された場合には、当該大当り遊技の終了後にチャンスモード(時短状態、高ベース状態)に設定される確率は、100%とされている。また、第2特別図柄当否判定の結果が大当りと判定される確率は、第1特別図柄当否判定の結果が大当りと判定される確率と同じ「1/215.57」とされており、少ない判定回数(例えば「1」回)で大当りと判定することを困難な確率に設定されている。
一方、第2特別図柄当否判定の結果が小当りと判定される確率は「1/4.07」とされ、第1特別図柄当否判定の結果が小当りと判定される確率は「1/19.99」とされている。従って、第2特別図柄当否判定の結果が小当りと判定される確率は、第1特別図柄当否判定の結果が小当りと判定される確率と比べて格段に高く設定されている。また、第2特別図柄当否判定において、少ない判定回数(例えば「1」回)で小当りと判定する可能性も比較的高くされている(1回で約25%)。従って、低ベース状態(通常状態、非時短状態)で、第2特別図柄当否判定が実行されると、大当り遊技が実行される可能性が高く、且つ大当り遊技の終了後は必ずチャンスモード(高ベース状態)に設定されるので、チャンスモードが実行される可能性が高いといえる。
ここで、低ベース状態における第2特別図柄当否判定は、低ベース状態における第1特別図柄当否判定よりも有利に設定されているものの、低ベース状態においては、第2始動口への遊技球の入球頻度が低く設定されている。そのため、低ベース状態において、第2始動口に遊技球を入球させて、遊技者に有利な第2特別図柄当否判定を実行するのは困難とされている。また、低ベース状態においては、左打ち遊技を行うので、そもそもゲート28に遊技球を通過させたり、第2始動口21に遊技球を入球させたりするのは、非常に困難(不可能)であるといってもよい。
一方、本実施例1のパチンコ遊技機で、低ベース状態において第2特別図柄当否判定を比較的容易に実行可能なのは、遊技状態が高ベース状態に設定されたときである。高ベース状態においては、第2始動口21への遊技球の入球が容易となっているので、第2始動口21へ遊技球を入球させて第2特別図柄を変動表示させると共に、第2特図保留記憶部に未消化の保留情報(第2特図保留)を記憶させた状態とする。そして、この状態で変動表示中の第2特別図柄の判定結果に基づいて大当り遊技が実行され、当該大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定された場合には、『低ベース状態において第2特別図柄当否判定を実行する状態(特別状態)』となる。
従って、図57に基づいて説明した『大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定された場合で、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報が記憶されているか、又は、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報は記憶されていないが第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示中である場合』は、これから、低ベース状態において実行された第2特別図柄当否判定の結果を示す状態であり、遊技者にとっては、再度「チャンスモード(高ベース状態)」に復帰する可能性が高い「再チャンスモード」とされる。そして、この再度「チャンスモード」に突入する可能性が高い期間(「再チャンスモード」)を示すためのフラグとして再チャンスモードフラグを設けており、S5010でこの再チャンスモードフラグをONにしている。サブ制御部では、この再チャンスモードフラグの状態を判定して、表示画面7a等において再チャンス演出を実行することが可能となる。
この様に、『大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定された場合で、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報が記憶されているか、又は、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報は記憶されていないが第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示中である場合』、すなわち、再チャンスモード(特別状態)では、低ベース状態(左打ち状態)に設定されているものの、短期間で再度(大当り遊技を経由して)高ベース状態(右打ち状態)に設定される可能性が高く設定されている。従って、この実行が確定している第2特別図柄の変動表示の終了を待って、大当り遊技が実行されなければ、左打ち報知禁止フラグをOFFにして、右打ち検知に基づく左打ち報知演出(第1左打ち発射報知演出)の実行を可能にしている。また、当該第2特別図柄の変動表示の終了に基づいて左打ち報知演出(第2左打ち発射報知演出)を実行するものとしている。これにより、遊技者は、左打ち遊技に切り替え、第1始動口20を狙って遊技を行うこととなる。
前述のようにしたことで、右打ち報知演出や左打ち報知演出等の発射報知演出が、徒に高頻度で実行されることを防止して、遊技者が短期間で何度も発射方向を切り替える手間をなくし、遊技を煩わしいと感じることを防止することが可能となる。これにより、遊技興趣を高めることが可能となる。
次に、図41(B)、図60乃至図62を用いて実施例2のパチンコ遊技機について説明する。実施例1では、外部出力装置に接続されるホールコンピュータ等で連荘期間を容易に把握できるように、大当り遊技中、特図2連続変動フラグON、及び時短遊技中の何れかであれば、ON状態で出力される特定信号を設けていた。これにより、特定信号を受信したホールコンピュータ等は、特定信号がON状態と判定すれば連荘期間(特定期間)中であると判定することが可能であった。然しながら、この様な態様に限らない。実施例1の態様は、遊技機側が定める期間を連荘期間として、当該連荘期間かどうかの判定をするのは非常に容易である。然しながら、個別の信号によって、ホールコンピュータ側で連荘期間を設定することが困難であったり、他の種類にパチンコ遊技機の外部出力信号と同様に扱いないといった事情があったり、特殊信号であるため、汎用性にかけるといった問題があった。
[出力信号]
本実施例2では、連荘期間を特定可能な複数の信号を外部出力し、当該複数の信号を受信したホールコンピュータ側で連荘期間を設定するものとする。具体的に、本実施例2の情報出力処理(図60乃至図62)により、外部出力可能な遊技信号(遊技情報)について図41(B)を用いて説明する。この実施例2の情報出力処理により、遊技制御用マイコン等で生成される所定の遊技信号(遊技情報)を、外部機器(ホールコンピュータ等)で受信可能な態様で出力するものとする。本実施例2では、主制御基板80から遊技機外部に出力する信号として、図41(B)に挙げる6種類の信号を有している。この6種類の出力信号について説明する。
実施例2の主制御基板80の情報出力回路82は、実施例1と同様に第1乃至第6出力部を備えており、遊技制御用マイコン81で生成された信号が、情報出力回路82の第1乃至第6出力部から夫々ON状態又はOFF状態で外部出力装置に出力される。また、情報出力回路82の第1出力部からは大当り遊技情報信号が出力可能とされ、第2出力部からは時短中信号が出力可能とされ、第3出力部からは特図2連続変動信号が出力可能とされ、第4出力部からは小当り遊技中信号が出力可能とされ、第5出力部からは特別図柄確定信号が出力可能とれ、第6出力部からはエラー信号が出力可能とされている。これらの出力信号は、遊技状態に応じてON状態(信号の論理:1)又はOFF状態(信号の論理:0)に切り替えられるものとされる。
具体的に、大当り遊技情報信号は、大当り遊技の開始時にON状態で出力され、大当り遊技終了から所定期間経過後にOFF状態で出力される。つまり、「大当り遊技情報信号」は、大当り遊技の実行中と大当り終了後の所定期間の遅延時間において、ON状態で出力され、それ以外の期間はOFF状態で出力される。この点、実施例1において、大当り遊技の実行中にのみON状態で出力される「大当り遊技中信号」とは異なるものである。
また、時短中信号は、時短状態中(高ベース状態中)はON状態で出力され、非時短状態中はOFF状態で出力される。また、特図2連続変動信号は、OFF状態において第2特別図柄が連続して変動表示した場合にON状態で出力され、ON状態において第1特別図柄が変動表示するとOFF状態で出力される。また、小当り遊技中信号は、小当り遊技の実行中はON状態で出力され、小当り遊技の非実行中はOFF状態で出力される。また、特別図柄確定信号は、特別図柄の変動停止(確定停止表示)時から所定時間(本実施例では0.6sとする)ON状態とされ、ON状態で所定時間が経過するとOFF状態とされる。また、エラー信号(異常信号)は、所定のエラー(例えば枠開放)が検知されるとON状態とされ、エラーが解除(例えば枠閉鎖)されるとOFF状態とされる。
[情報出力処理]
次に実施例2の情報出力処理(S209)について図60乃至図62を用いて説明する。実施例2の情報出力処理(S209)ではまず、大当り遊技実行フラグがONかどうか、すなわち大当り遊技の実行中であるかどうかを判定する(S5151)。S5151で、大当り遊技実行フラグがONである、すなわち大当り遊技の実行中であると判定した場合(S5151でYES)、大当り遊技情報フラグをONにし、大当り遊技情報信号をON状態で出力する。ON状態の大当り遊技情報信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態が大当り遊技中であると判定する。ここで「大当り遊技情報信号」は、大当り遊技情報フラグの状態(ON又はOFF)に対応して、ON状態又はOFF状態で出力されるものであり、大当り遊技の実行中(役物連続作動装置の作動中)であることを示す信号とされる。
また、前述したとおり、ON状態の「大当り遊技情報信号」がOFF状態にされるのは、大当り遊技の終了から所定時間(本実施例では50ms)経過後とされている。これにより、大当り遊技情報信号がONからOFFになるタイミングを遅延させ、ON期間を実際の大当り遊技の実行期間よりも若干長く設定することが可能となる。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)に設定され、当該非時短状態において第2特図保留記憶部85bに記憶される保留情報に基づいて第2特別図柄が変動表示する際に、大当り遊技終了後、第2特別図柄の変動表示開始前のタイミングで、大当り遊技情報信号、特図2連続変動信号及び時短中信号の全てがOFF状態になってしまうことを確実に防ぐことが可能となる。
S5151で、大当り遊技実行フラグがONでないと判定した場合(S5151でNO)、次いで、大当り遊技情報フラグがONであるかどうかを判定し(S5154)、大当り遊技情報フラグがONでない、すなわち、大当り遊技情報信号がOFF状態であると判定した場合(S5154でNO)、S5160の処理に移行する。一方、S5154で、大当り遊技情報フラグがONである、すなわち、大当り遊技実行フラグがOFF状態であるが、大当り遊技情報フラグがONであると判定した場合(S5154でYES)、次いで、遅延タイマの実行中かどうか、すなわち、遅延タイマによって遅延時間の計測を実行中かどうか判定する(S5155)。S5155で、遅延タイマによって遅延時間を計測中でないと判定した場合(S5155でNO)、遅延タイマに所定の遅延時間(本実施例では50msとされている)をセットして遅延時間の計測を開始し(S5107)、S5157の処理に移行する。
S5155で、遅延タイマによって遅延時間を計測中であると判定した場合(S5155でYES)、S5157の処理に移行する。S5157では、遅延タイマの値が「0」かどうかを判定し、「0」でない、すなわち未だ遅延時間の計測中(遅延処理の実行中)であると判定した場合(S5157でNO)、S5160の処理に移行する。S5157で、遅延タイマの値が「0」であると判定した場合(S5157でYES)、大当り遊技情報フラグをOFFにし(S5158)、大当り遊技情報信号をOFF状態で出力し(S5159)、S5160の処理に移行する。これにより、大当り遊技情報信号の遅延処理を終える。尚、遅延時間は、割り込み処理(S105)の周期(4ms)よりも長い時間に設定すればよく、50msでなくともよい。
S5160では、特図2連続変動フラグがONであるかどうかを判定する。「特図2連続変動フラグ」は、特別図柄変動中処理(S1104)において、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、第2特別図柄が連続して(2回以上連続して)変動表示することに基づいてONにされるものである。また、特図2連続変動フラグがONにされている状態で第1特別図柄が変動表示するとOFFにされる。尚、本実施例では連続回数を2回としているが、3回以上の所定回数とし、第2特別図柄が当該所定回数連続して変動表示した場合に「特図2連続変動フラグ」をONにするものとしてもよい。
S5160で、特図2連続変動フラグがONであると判定した場合(S5160でYES)、特図2連続変動信号をON状態で出力し(S5161)、S5163の処理に移行する。ON状態の特図2連続変動信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態は第2特別図柄が連続して変動表示する状態であると判定することが可能となる。一方、特図2連続変動フラグがONでないと判定した場合(S5160でNO)、特図2連続変動信号をOFF状態で出力し(S5162)、S5163の処理に移行する。OFF状態の特図2連続変動信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態は第2特別図柄が連続して変動表示しない状態であると判定することが可能となる。S5163では、時短フラグがONかどうかを判定し(S5163)、時短フラグがONであると判定した場合(S5163でYES)、時短中信号をON状態で出力し(S5113)、S5120の処理に移行する。ON状態の時短中信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態が時短状態であると判定することが可能となる。S5163で、時短フラグがONでないと判定した場合(S5163でNO)、時短中信号をOFF状態で出力し(S5115)、S5120の処理に移行する。OFF状態の時短中信号を受信したホールコンピュータ等は、現在の遊技状態が非時短状態であると判定することが可能となる。また、図62に示すS5120乃至S5131の処理は、実施例1の処理と同様であるので説明を省略する。
前述した通り、実施例2では、遊技制御用マイコン81で生成した信号として、複数の信号を外部出力可能とし、外部出力装置に接続するホールコンピュータ等でそれら外部出力する信号を読み取ることで、前述の連荘期間(特定期間)や連荘期間中の大当り遊技回数(連荘回数)や変動表示回数等を把握し、遊技情報として遊技者に提供することが可能となる。特に、連荘期間を把握可能な信号として、大当り遊技情報信号、時短中信号及び特図2連続変動信号を出力するので、これらに基づいて、適切に連荘期間を把握することが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機1も実施例1と同様に、特図2連続変動信号によって、特図2が連続して変動表示する状態かどうかを判定し、大当り遊技終了後の遊技状態が非時短状態となる場合であっても、第2特図保留に係る第2特別図柄当否判定の結果に基づいて再度大当り遊技が実行される場合には、連荘期間の判定をOFFにすることなく、連荘期間が継続しているものと判定することを可能とした。また、大当り遊技情報信号によって、実際に大当り遊技が終了した後も所定期間大当り遊技の継続中とみなすことによって、連荘期間であるにも関わらず、ホールコンピュータ側で連荘期間が終了したと判定してしまうことを確実に防止することを可能とした。これにより、連荘期間をできるだけ長く設定することができ、連荘期間中の大当り遊技回数(所謂連荘回数)を極力高い数で計数可能とし、遊技興趣を高めることが可能となる。
[他の態様1]
前述の実施例では、特図2連続変動フラグに基づいて出力される特定フラグや、特図2連続変動信号を用いて、連荘期間を設定していた。すなわち、実施例1及び2では、大当り遊技状態、時短遊技状態、及び第2特別図柄が連続して変動表示する状態、のうち何れかの状態であれば、連荘期間(特定期間)と判定できるように信号を出力していた。然しながら連荘期間の特定はこの様な態様に限らない。他の態様では、大当り遊技状態、時短遊技状態、第2特別図柄の変動表示中、の何れかの状態であれば、連荘期間と判定するようにしてもよい。本他の態様では、特図2連続変動フラグに替えて特図2変動フラグを第2特別図柄が変動表示中のときにONにされ、第1特別図柄が変動表示するとOFFにされる特図2変動フラグを設ける。そして、実施例1においては、特定フラグをONにする条件として、特図2変動フラグがONであることを条件とし、実施例2においては、特図2変動フラグがONである場合にON状態で出力し、OFFである場合にOFF状態で出力する「特図2変動信号」を設けるものとする。これにより、連荘期間の判定制御がより容易で簡便となる。
[他の態様2]
次に、図51を用いて他の態様2のパチンコ遊技機について説明する。実施例1では、『大当り遊技終了後の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)に設定された場合で、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報が記憶されているか、又は、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報は記憶されていないが第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示中である場合』、すなわち、再チャンスモード(特別状態)では、一律に、左打ち報知禁止フラグをONにし、第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示が終了することを条件として左打ち禁止フラグをOFFにし、左打ち報知演出の実行を可能とした。
他の態様2では、『大当り遊技終了後の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)に設定された場合で、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報が記憶されているか、又は、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報は記憶されていないが第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示中である場合』であっても、左打ち報知禁止フラグを、一律に設定するのではなく、第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示に基づいて、大当り遊技が実行される可能性が高い場合に、左打ち報知禁止フラグをONにし、左打ち報知演出が実行されないようにするものである。尚、「第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示に基づいて、大当り遊技が実行される可能性が高い場合」とは、第2演出保留記憶部に記憶される第2演出保留情報の判定結果が、大当りの場合と、小当りの場合とをいう。これを事前判定によって判定してもよいし、変動開始時判定によって判定してもよい。また、所謂ガセ演出として、外れ変動のうち、一定の変動パターンにおいても、「第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示に基づいて、大当り遊技が実行される可能性が高い場合」とみなして、左打ち報知禁止フラグをONとしてもよい。
具体的に、他の態様2の大当り遊技終了後発射報知処理では、S5051〜S5058、及びS5061までの処理において、実施例1の大当り遊技終了後発射報知処理と同様の処理であるので、説明を省略する。他の態様2では、『大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定された場合で、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報が記憶されていると判定された場合、又は、第2演出保留記憶部に未消化の保留情報は記憶されていないが第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示中であると判定された場合』、すなわち、S5057でYESと判定されるか、S5061でYESと判定されるかした場合に、S5059の処理に移行する。
S5059では、第2演出保留記憶部に記憶される未消化の保留情報、又は、実行中の第2特別図柄に係る演出図柄の変動表示の結果、に当り(大当り又は小当り)があるかどうかを判定し(S5059)、当り(大当り又は小当り)があると判定した場合(S5059でYES)、大当り遊技が実行されて高ベース状態に設定される可能性が高いため、左打ち報知禁止フラグをONにする。一方、S5059で、当り(大当り又は小当り)がない、すなわち外れであると判定した場合(S5059でNO)、左打ち報知禁止フラグをONにすることなく、S5062〜S5064の処理に移行する。S5062〜S5064の処理は、実施例1の大当り遊技終了後発射報知処理と同様の処理であるので、説明を省略する。
これにより、低ベース状態において実行される第2特別図柄当否判定の結果(第2特図保留に係る判定結果)が外れである場合には、第2特別図柄に係る演出図柄(第2演出図柄)の変動表示の終了(特別状態の終了)をまつことなく、迅速に(主制御部80が制御する発射方向表示器47の表示制御に伴って)、第2左打ち報知演出を実行すると共に、右打ちが検知された場合には第1左打ち報知演出を実行可能な状態に設定することが可能となる。また、この様な構成とした場合、熟練の遊技者であれば、大当り遊技終了後の低ベース状態且つ第2特別図柄の変動表示中に、右打ち遊技を行って、左打ち報知演出が実行されるかどうかを、再度大当り遊技が実行されるかどうか又は再度チャンスモードに突入するかどうかを判断する指標(予告演出)にすることも可能である。これにより、発射報知演出の有無によって次回の大当り遊技や高ベース状態が発生するかどうかを判断するといった、新たな遊技性を提供することが可能となり、大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定された場合の遊技興趣を高めることが可能となる。また、遊技者に大当りへの過剰な期待を抱かせることなく、適切は発射報知演出を実行することが可能となる。
[他の態様3]
また、実施例1では、図44に示す左打ち報知演出(第1左打ち報知演出)の実行を、右遊技領域に設けられたゲート28への遊技球の通過に基づいて行うものとしたが、この様な態様に限らない。他の態様3では、右遊技領域(第2発射領域)に発射した遊技球を検知可能に設けられた他の入球口(一般入球口27等)や、他のゲートを設け、これらによる遊技球の検知に基づいて左打ち報知演出(第1左打ち報知演出)を実行してもよい。また、遊技球を検知する遊技球検知手段に替えて、発射ハンドルの回転量(操作量)を検知する操作量検知手段を設け、操作量検知手段によって、回転量(操作量)が所定量(右打ちに相当する量)に達したことを検知した場合に、図44に相当する処理を行うものとしても良い。
[他の態様4]
また、実施例1では、遊技状態が低ベース状態(大当り遊技中及び小当り遊技中を除く)であったとしても、特別状態中(第2特別図柄に係る演出図柄の変動表示中)は、左打ちを指示する発射報知演出(左打ち報知演出)を実行しないものとしたが、この様な態様に限らない。例えば、遊技状態が低ベース状態(大当り遊技中及び小当り遊技中を除く)であって、左打ち報知禁止フラグがOFFの場合には、右打ちを検知すると第1左打ち発射報知演出を実行するものとする。そして、遊技状態が低ベース状態(大当り遊技中及び小当り遊技中を除く)であって、左打ち報知禁止フラグがONの場合には、右打ちを検知しても第1左打ち発射報知演出を実行しないと共に、「他の発射報知演出」を実行するものとしてもよい。この「他の発射報知演出」の表示態様、実行態様としては様々な態様が考えられる。例えば、第1左打ち発射報知演出と同様に、遊技者に左打ちを指示するものであるが、第1左打ち発射報知演出よりも、目立たない態様(遊技者が左打ち遊技を行う状態であると認識し難い態様)で実行するものとすることが可能である。例えば、「他の発射報知演出」を表示画面7aに表示する場合には、第1左打ち発射報知演出よりも目立たない様に、小さいサイズで表示してもよいし、表示画面7aの端部に表示してもよいし、文字表示は行わず図形で表示してもよい。また、第1左打ち発射報知演出は表示画面7a上に表示して遊技者に目立つように表示する一方、「他の発射報知演出」は表示画面7a外のランプ等を用いて点灯・点滅等の態様で表示する様にしてもよい。
[他の態様5]
また、実施例1では、非時短状態(低ベース状態)において、第2特別図柄当否判定が実行されることに基づいて大当り遊技を実行する場合、当該大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態(高ベース状態)とされる確率を100%としたが、この様な態様に限らない。大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態とされる確率を100%未満の所定の確率としてもよい。この場合には、非時短状態(低ベース状態)において、第2特別図柄当否判定が実行されることに基づいて大当り遊技が実行されて当該大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態とされる確率を、時短状態(高ベース状態)において、第2特別図柄当否判定が実行されることに基づいて大当り遊技が実行されて当該大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態とされる確率よりも高く設定することが可能である。また、第1特別図柄当否判定によって小当りと判定される確率よりも、第2特別図柄当否判定によって小当りと判定される確率を高くすることが可能である。
[その他]
また、前述の遊技機の構成において、例えば、第1状態をOFF状態といい、第2状態をON状態ということが可能である。また、第1状態をON状態とし、第2状態をOFF状態としてもよい。また、第1状態をローレベル(0)状態といい、第2状態をハイレベル(1)状態ということも可能である。また、第1状態をハイレベル(1)状態とし、第2状態をローレベル(0)状態としてもよい。また、情報出力手段が出力する特定情報を用いることで、遊技者に有利な状況が継続している継続期間を把握することが可能となる。また、例えば、この継続期間に実行された特別遊技の回数や、識別情報の変動表示回数等を把握することも可能となる。
また、前述の遊技機の構成において、情報出力手段が出力する特定情報及び第2特定情報を受信可能なホールコンピュータを備え、ホールコンピュータの制御手段が、当該特定情報及び第2特定情報を解析・演算等して利用することで、遊技者に多様な遊技情報を提供することが可能となる。例えば、ホールコンピュータは、特定情報が第2状態とされている特定期間を把握可能な特定期間判定手段と、特定期間に特別遊技(大当り遊技)が発生した回数(所謂連荘回数の計数)を計数する特別遊技計数手段と、特定情報が第1状態から第2状態又は第2状態から第1状態に変化することに基づいて、特別遊技計数手段が計数する特別遊技の回数をリセット(再計数)する計数リセット手段と、を備えるものとしてもよい。また、合わせて営業時間内に発生した特別遊技の発生回数を計数する第2特別遊技計数手段を備えることも可能である。そして、更に、特別遊技計数手段や第2特別遊技計数手段が計数した値を表示する遊技情報表示装置を備え、ホールコンピュータが遊技情報表示装置の表示制御を行うことで、遊技者に対して、遊技情報を報知することが可能となる。これにより、遊技者は当該遊技情報を、多数ある遊技機のうちどの遊技機を遊技するか、遊技を終了するタイミングをいつにするか等の参考にすることが可能となる。
前述の遊技機の構成において、「特定条件の成立に基づいて第1遊技領域発射報知を行う」とは、少なくとも特定条件が成立した後に、第1遊技領域発射報知を行うものであればよく、更に他の条件が成立(例えば、発射領域検知手段が右打ちを検知)することに基づいて第1遊技領域発射報知を行うようにしてもよい。
また、前述の遊技機の構成において、「可変始動口への入球頻度が所定頻度の第1遊技状態」には、可変始動口への入球が不能な状態、すなわち、入球頻度が0の状態や、非常に入球が困難で殆ど可変始動口に入球しない状態を含むものとする。また、「特定の表示態様」とは、例えば、大当り表示態様や小当り表示態様をいう。尚、大当り表示態様や小当り表示態様の夫々に、複数の異なる表示態様を設けても良い。
また、前述の遊技機の構成において、「可変始動口への入球に基づいて特別遊技が実行される場合には、始動口への入球に基づいて特別遊技が実行される場合よりも、特別遊技終了後の遊技状態が第2遊技状態に設定される可能性が高い」ものとしてもよい。また、「可変始動口への入球に基づいて特別遊技が実行される可能性は、始動口への入球に基づいて特別遊技が実行される可能性よりも高い」ものとしてもよい。これにより、第1遊技状態となった後も、可変始動口への入球に基づいて取得した保留情報がある場合には、第1遊技状態から再度、特別遊技が発生したり、第2遊技状態が発生したりする可能性が比較的高いものとされる。従って、特別遊技や第2の遊技状態が再度発生するかどうかが判明する保留情報に係る識別情報の変動表示が終了するまでは、第1遊技状態となっても第1遊技領域発射報知を実行しないものとしてもよい。そして、特別遊技や第2遊技状態が再度発生するとなった場合には、引き続き第1遊技領域発射報知を実行しないものとし、特別遊技や第2遊技状態が再度発生しない(外れ)となった場合には、第1遊技領域発射報知を実行するものとしてもよい。
また、前述の遊技機の構成において、「可変始動口又は遊技球を検知することに基づいて可変始動口を遊技球の入球可能性が高い第2状態にすることが可能な遊技球検知手段の少なくとも一方を、第1遊技領域に発射した遊技球が入球しない(を検知しない)位置又は第1遊技領域に発射した遊技球の入球(検知)が困難な位置に配置する」ものとすることが可能である。これにより、第1遊技状態において、可変始動口に遊技球が入球しないようにすることが可能となる。また、「遊技球の発射強度として、第1発射強度と第1発射強度よりも発射強度が大きい第2発射強度とを有し、前述の可変始動口又は遊技球検知手段の少なくとも一方を、遊技領域の第2発射強度で遊技球を発射すると入球可能な位置であって、第1発射強度で遊技球を発射すると入球不能(検知不能)な位置に配置する」ものとすることができる。
また、前述の遊技機の構成において、「特別遊技終了後の遊技状態が第2遊技状態に設定されると、第2遊技状態において識別情報が所定回数変動表示することに基づいて、第1遊技状態に設定可能とされ、第2遊技状態から第1遊技状態に設定された場合において、特定条件が成立する前は第1遊技領域発射報知を実行せず、特定条件が成立した後は第1遊技領域発射報知を実行可能とする」ものとしてもよい。また、前述の遊技機の構成において、「特別遊技終了後の遊技状態が第2遊技状態に設定されると、第2遊技状態において識別情報が所定回数変動表示することに基づいて、第1遊技状態に設定可能とされ、第2遊技状態から第1遊技状態に設定された場合において、特定条件が成立する前は発射領域検知手段が遊技球を検知しても第1遊技領域発射報知を実行せず、特定条件が成立した後は発射領域検知手段が遊技球を検知すると第1遊技領域発射報知を実行するものとしてもよい。
また、前述の遊技機の構成において、「可変始動口への入球に基づいて記憶した保留情報記憶手段の保留情報に基づく識別情報の変動表示の実行中は、発射領域検知手段が遊技球を検知したときの遊技状態が第1遊技状態であっても第2遊技状態であっても、第1遊技領域発射報知を実行しない」ものとしてもよい。
また、前述の遊技機の構成において、「第1遊技領域への発射を検知する第1遊技領域発射検知手段を備え、第2遊技状態において、第1遊技領域発射検知手段での遊技球の検知があると、第2遊技領域への発射を示す第2遊技領域発射報知を実行し、第1遊技状態において、保留にかかる識別情報の変動表示中は、第2遊技領域発射検知手段で遊技球の検知があっても、第1遊技領域発射報知を実行せず、第1遊技領域発射検知手段での遊技球の検知があっても、第2遊技領域発射報知を実行しない」ものとしてもよい。また、「第1遊技状態において、可変始動口への入球に基づいて記憶した保留情報に係る識別情報の変動表示が終了した後は、第2遊技領域発射検知手段で遊技球の検知があると、第1遊技領域発射報知を実行し、第1遊技領域発射検知手段での遊技球の検知があっても、第2遊技領域発射報知を実行しない」ものとしてもよい。
また、前述の遊技機の構成において、遊技球が入球可能な第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化可能な可変式の第2始動口と、第1始動口への遊技球の入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、第2始動口への遊技球の入球に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な第1可変入球口(第1大入賞口)と、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能であって、内部に遊技球が通過可能な特定領域を有する第2可変入球口(第2大入賞口)と、第1当否判定又は第2当否判定の結果が当りになると第1可変入球口又は第2可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えるものとしてもよい。
第2始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の第1遊技状態と、第1遊技状態よりも第2始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態とに設定する遊技状態設定手段とを備えてもよい。また、可変式始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の第1遊技状態とここで、「所定の頻度」には0を含むものとする。また、第1当否判定又は第2当否判定の結果として、第1特定結果(大当り)と第2特定結果(小当り)とを有し、第1当否判定又は第2当否判定の結果が第1特定結果となるか、若しくは、第1当否判定又は第2当否判定の結果が第2特定結果となって入球可能状態となった第2可変入球口に遊技球が入球し当該遊技球が特定領域を通過すると、大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段を備えるものとしてもよい。
また、前述の実施例では、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を1回としているが、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を複数回としてもよいし、異なる開放回数のラウンドを有するようにしてもよい。
また、前述の実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処置、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。
また、前述の実施例では、特別図柄当否判定の結果として大当りと小当りとを有し、大当りとなったとき、及び、小当りとなって大入賞口内に設けられた特定領域39を遊技球が通過したとき、の両方のときに大当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機(所謂1種2種遊技機)に本発明を適用したものを例示したが、これに限らない。特別図柄当否判定の結果が大当りになったときにのみ大当り遊技を実行可能とするパチンコ遊技(所謂1種遊技機)に本発明を適用してもよいし、特別図柄当否判定の結果が大当りとなる可能性が低い低確率状態と、大当りとなる可能性が高い高確率状態とに設定可能な確率設定手段を備えた遊技機に本発明を適用してもよい。また、本発明はあらゆるタイプの遊技機に適用可能であり、また、本発明は、前述の実施例や他の態様やその他の構成の一部又は全部を組合せて実施してもよい。
[参考発明]
前述した遊技機の構成を以下のようにしてもよい。参考発明1の遊技機は、
遊技球が入球可能な第1始動口と、
第1態様と、前記第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2態様と、に変化可能な第2始動口と、
前記第2始動口への入球に基づいて取得した取得情報を、保留として記憶可能な第2保留情報記憶手段と、
前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、
前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報と、
前記第2始動口への遊技球の入球頻度が所定頻度の第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態と、に設定可能な遊技状態設定手段と、
前記第1識別情報又は前記第2識別情報が特定の表示態様で停止表示することに基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機であって、
前記特定の表示態様として複数の表示態様を有し、前記特定の表示態様として何れの表示態様が停止表示するかに基づいて、前記特別遊技終了後の遊技状態が、前記第1遊技状態となる場合と、前記第2遊技状態となる場合とがあり、
遊技機の状況を判定する状況判定手段と、
前記状況判定手段の判定結果に基づいて、第1状態と第2状態とに変化可能な特定情報を出力する情報出力手段を備え、
前記情報出力手段は、少なくとも、
前記状況判定手段が、前記特別遊技が実行されていると判定したとき、遊技状態が前記第2遊技状態に設定されていると判定したとき、及び前記第2識別情報が変動表示されていると判定したときは、前記特定情報を前記第2状態とし、
前記状況判定手段が、前記第1遊技状態であって前記第1識別情報が変動表示されていると判定したときは、前記特定情報を前記第1状態とすることを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、特別遊技が実行されると、特別遊技の開始から、特別遊技終了後の遊技状態が第2遊技状態に設定されている期間、そして、特別遊技終了後の遊技状態が第1遊技状態に設定された場合であっても、第2識別情報が変動表示されている期間は、情報出力手段が出力する特定情報を、第2状態で維持することが可能となる。
具体的に、本遊技機は、第2始動口への入球に基づいて取得した取得情報を記憶可能な第2保留情報記憶手段を備えているため、特別遊技終了後が第1遊技状態に設定されたとしても、保留情報が記憶されていれば、当該保留情報に基づいて第2識別情報が変動表示することとなる。そして、当該第2識別情報の変動表示に基づいて特別遊技が実行される場合には、その間及びその後も継続して特定情報を第2状態に維持することが可能となる。
また、特定情報を、遊技者に有利な状況が発生していることを示す情報ということが可能である。また、特定情報が第4状態で継続している期間を、遊技者に有利な状況が継続している期間を示すものとすることが可能である。また、電源投入時の初期状態において、特定情報は第1状態に設定されるものとすることが可能である。
また、参考発明2の遊技機は、参考発明1の遊技機において、
遊技球が入球可能な第1始動口と、
第1態様と、前記第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2態様と、に変化可能な第2始動口と、
前記第2始動口への入球に基づいて取得した取得情報を、保留として記憶可能な第2保留情報記憶手段と、
前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、
前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報と、
前記第2始動口への遊技球の入球頻度が所定頻度の第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態と、に設定可能な遊技状態設定手段と、
前記第1識別情報又は前記第2識別情報が特定の表示態様で停止表示することに基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機であって、
前記特定の表示態様として複数の表示態様を有し、前記特定の表示態様として何れの表示態様が停止表示するかに基づいて、前記特別遊技終了後の遊技状態が、前記第1遊技状態となる場合と、前記第2遊技状態となる場合とがあり、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とのうち、前記第2識別情報が連続して変動表示していることを示す連続変動情報と、
遊技機の状況を判定する状況判定手段と、
前記状況判定手段の判定結果に基づいて、第1状態と第2状態とに変化可能な特定情報を出力する情報出力手段と、を備え、
前記情報出力手段は、少なくとも、
前記状況判定手段が、前記特別遊技が実行されていると判定したとき、遊技状態が前記第2遊技状態に設定されていると判定したとき、及び前記連続変動情報に基づいて前記第2識別情報が連続して変動表示されていると判定したときは、前記特定情報を前記第2状態とし、
前記状況判定手段が、前記第1遊技状態であって前記第1識別情報が変動表示されていると判定したときは、前記特定情報を前記第1状態とすることを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、特別遊技が実行されると、特別遊技の開始から、特別遊技終了後の遊技状態が第2遊技状態に設定されている期間、そして、特別遊技終了後の遊技状態が第1遊技状態に設定された場合であっても、第2識別情報が変動表示されている期間は、情報出力手段が出力する特定情報を、第2状態で維持することが可能となる。
具体的に、本遊技機は、第2始動口への入球に基づいて取得した取得情報を記憶可能な第2保留情報記憶手段を備えているため、特別遊技終了後が第1遊技状態に設定されたとしても、保留情報が記憶されていれば、当該保留情報に基づいて第2識別情報が変動表示することとなる。そして、当該第2識別情報の変動表示に基づいて特別遊技が実行される場合には、その間及びその後も継続して特定情報を第2状態に維持することが可能となる。
また、第2識別情報が連続して変動表示していることを示す連続変動情報を有し、この連続変動情報に基づいて特定情報を第2状態とするものとした。これにより、第2遊技状態を経て特別遊技終了後の第1遊技状態において第2識別情報が変動表示するときには、特定情報を第2状態とするが、第1遊技状態において第2始動口を狙って遊技を行い、たまたま第2始動口に遊技球が入球して1回だけ第2識別情報が変動表示したような場合には、特定情報を第1状態のままとすることが可能となる。またこれにより、特定情報を第2状態とする期間を、適切且つ効果的な期間に設定することが可能となる。
また、参考発明3の遊技機は、参考発明1又は参考発明2の遊技機において、
前記特別遊技が実行されていることを示す特別遊技情報を有し、
前記特別遊技情報は、前記特別遊技終了後、所定期間経過まで前記特別遊技が実行されていることを示すものとされ、
前記状況判定手段は、前記特別遊技情報に基づいて前記特別遊技が実行されていると判定することを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、特別遊技が実行されていることを示す特別遊技情報を有し、特別遊技が実行される場合において、特別遊技情報によって特別遊技が実行されていると示す期間を、特別遊技終了後に所定期間が経過するまで遅延させたので、実際に特別遊技が終了した後にすぐさま特定情報が第2状態から第1状態に変化するのを防止するものとした。これにより、特定情報を、特別遊技終了後の所定期間経過まで第2状態のまま維持することが可能となる。そして、この所定期間経過までの間に特定情報を第2状態とする条件を満たしていれば、特定情報を、確実に、特別遊技中から引き続いて(第1状態を経ることなく)、第2状態で維持することが可能となる。
また、参考発明4の遊技機は、
遊技球が入球可能な第1始動口と、
第1態様と、前記第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2態様と、に変化可能な第2始動口と、
前記第2始動口への入球に基づいて取得した取得情報を、保留として記憶可能な第2保留情報記憶手段と、
前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、
前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報と、
前記第2始動口への遊技球の入球頻度が所定頻度の第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態と、に設定可能な遊技状態設定手段と、
前記第1識別情報又は前記第2識別情報が特定の表示態様で停止表示することに基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機であって、
前記特定の表示態様として複数の表示態様を有し、前記特定の表示態様として何れの表示態様が停止表示するかに基づいて、前記特別遊技終了後の遊技状態が、前記第1遊技状態となる場合と、前記第2遊技状態となる場合とがあり、
遊技機の遊技情報を遊技機外部に出力可能な情報出力手段を備え、
前記情報出力手段が出力する遊技情報として、少なくとも、
前記第2識別情報が連続して変動表示することを示す連続変動情報と、
前記特別遊技の実行されていることを示す特別遊技情報と、
遊技状態が前記第2遊技状態に設定されていることを示す遊技状態信号と、を有し、
前記特別遊技情報は、前記特別遊技終了後、所定期間経過まで前記特別遊技が実行されていることを示すものであることを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、情報出力手段により、特別遊技が実行されていることを示す特別遊技情報と、第2識別情報が連続して変動表示することを示す連続変動情報と、遊技状態が第2遊技状態に設定されていることを示す遊技状態信号と、を出力可能とし、特別遊技情報を、特別遊技終了後、所定期間経過まで前記特別遊技が実行されていることを示すものとした。これにより、これらの外部出力した信号を受信して読み取り等の制御を行えば、特別遊技の開始から、特別遊技終了後の遊技状態が第2遊技状態に設定されている期間、そして、特別遊技終了後の遊技状態が第1遊技状態に設定された場合であっても、第2識別情報が変動表示されている期間、を特定期間として把握することが可能となる。
前述したとおり、本遊技機は、第2始動口への入球に基づいて取得した取得情報を記憶可能な第2保留情報記憶手段を備えているため、特別遊技終了後が第1遊技状態に設定されたとしても、保留情報が記憶されていれば、当該保留情報に基づいて第2識別情報が変動表示することとなる。そして、当該第2識別情報の変動表示に基づいて特別遊技が実行される場合には、その間も特定期間として把握することが可能となる。また、第2識別情報が連続して変動表示していることを示す連続変動情報を外部出力可能とした。これにより、第2遊技状態を経て特別遊技終了後の第1遊技状態において第2識別情報が変動表示するときには、連続変動情報を第2識別情報が連続して変動表示していることを示す態様で出力するが、第1遊技状態において第2始動口を狙って遊技を行い、たまたま第2始動口に遊技球が入球して1回だけ第2識別情報が変動表示したような場合には、連続変動情報を第2識別情報が連続して変動表示していることを示す態様で出力しない。これにより、特定情報を第2状態とする期間を、適切且つ効果的な期間に設定することが可能となる。
また、特別遊技情報によって特別遊技が実行されていると示す期間を、特別遊技終了後に所定期間が経過するまで遅延させたので、実際に特別遊技が終了した後にすぐさま特別遊技情報が出力態様を変化するのを防止するものとした。これにより、特別遊技終了後の所定期間経過まで特別遊技情報によって特別遊技が実行されていると示す期間とすることができ、特別遊技終了後の遊技状態が第1遊技状態とされ、且つ、特別遊技終了後に連続変動情報が第2識別情報の連続変動表示を示す態様に切り替わるようなときであっても、切れ目なく確実に、特定期間を把握可能とする。
また、参考発明5の遊技機は、参考発明3又は参考発明4の遊技機において、
前記特別遊技が終了する際に前記第2保留情報記憶手段に保留情報が記憶されており、前記特別遊技の終了後に当該保留情報に基づいて前記第2識別情報の変動表示が実行される場合に、
前記特別遊技情報は、前記第2識別情報の変動表示を開始した後の所定時期まで、前記特別遊技が実行されていることを示すことを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、特別遊技の終了時に第2保留情報記憶手段に保留情報が記憶されている場合において、当該保留情報に基づく第2識別情報の変動表示は、特別遊技の終了後に実行するものとされている。この様な制御処理において、特別遊技情報の遅延処理がない場合、状況によっては、特別遊技終了後から第2識別情報の変動表示が開始するまでの僅かな時間に、特定情報が第1状態となってしまう恐れがある。
具体的に、特別遊技終了後の遊技状態が第1遊技状態に設定される場合において、特別遊技終了後に、第1遊技状態で、且つ、特別遊技及び第2識別情報の変動表示の何れも実行されない状況が発生する可能性がある。対して、本発明では、特別遊技が実行されていることを示す特別遊技情報を、特別遊技終了後の第2識別情報の変動表示開始後まで遅延させているので、特別遊技終了後、第2識別情報の変動表示開始までの間に、特定情報が第1状態となってしまう恐れはなく、確実に第2状態で維持することが可能となる。これにより、特定情報の状態を適切且つ効果的に制御することが可能となる。
また、特別遊技終了後の遊技状態が第1遊技状態に設定される場合でも、保留記憶に基づいて第2識別情報が変動表示し、当該変動表示に基づいて再度特別遊技が実行されると、その間継続して、特定情報を第2状態とすることが可能となる。これにより、特定情報が第2状態で継続する期間を長くし、遊技者に対して、有利期間が長期間継続しているものとして報知することが可能となる。またこれにより、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、参考発明6の遊技機は、参考発明1乃至参考発明3、及び参考発明5の遊技機において、
前記情報出力手段は、
前記状況判定手段の判定結果に基づいて、第3状態と第4状態とに変化可能な第2特定情報を出力するものとされ、
前記状況判定手段が、前記特別遊技が実行されていると判定したときは、前記第2特定情報を前記第4状態とし、前記特別遊技が実行されていないと判定したときは、前記第2特定情報を前記第3状態とすることを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、情報出力手段は、遊技者に有利な状況が発生(継続)していることを示す特定情報に加えて、特別遊技が実行されたことを示す第2特定情報を出力するものとした。これら特定情報及び第2特定情報を用いることで、遊技者に多様な遊技情報を提供することが可能となる。また、特定情報が第2状態で継続する期間を長くし、遊技者に対して、有利期間が継続している間の特別遊技の発生回数をできるだけ多い回数で報知することが可能となる。またこれにより、遊技興趣を高めることが可能となる。