JP2017124698A - バッテリ搭載構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両衝突時に、アッパーケースとロアケースとの合わせ面に入力される負荷を低減できるバッテリ搭載構造を提供する。【解決手段】バッテリ搭載構造10は、アッパーケース20およびロアケース30を含むバッテリパックと、ロアケース20の外側に配置される衝撃吸収部50と、を備え、衝撃吸収部50は、ロアケース20の外周面に交差する方向に延在する複数の板状部51,52,53を含み、複数の板状部51,52,53は、上下方向の略中央に位置し、かつ、板状部51,52,53が延在する延在方向において単数または複数に区画された区画領域を有する中央板状部を有し、少なくとも1つの区画領域R3内において、上下方向と延在方向に平行となる中央板状部の断面が、当該区画領域R3における延在方向の中心を通りかつ上下方向に平行な仮想軸C1に対して、延在方向に非対称に構成されている。【選択図】図4
Description
本発明は、車両に搭載されるバッテリ搭載構造に関する。
従来のバッテリ搭載構造が開示された文献として、たとえば、特開2009−137408号公報(特許文献1)が挙げられる。
特許文献1に開示のバッテリ搭載構造にあっては、車両の底部にアッパーケースとロアケースとの間にバッテリを収容したバッテリパックが搭載されている。ロアケースの側方下部には、車両幅方向の外側に突出する桁部が設けられている。この桁部は、上下方向における上端部、中央部および下端部のそれぞれにおいて、車両幅方向に延在するプレート部が設けられている。
しかしながら、特許文献1に開示のバッテリ搭載構造にあっては、上端部、中央部および下端部の各々に設けられたプレート部は、その延在方向において一定の厚さを有する。このため、車両が側方側から衝突された場合には、中央部に位置するプレート部は、上方側または下方側に向かうように変形し、衝突による衝撃が相当程度ロアケースに加わる。
ロアケースに加わった衝撃は、アッパーケースとの合わせ面を介してアッパーケースにも伝わる。この際、アッパーケースとロアケースとの合わせ面に相当程度の負荷が加えられる。
アッパーケースとロアケースとは、シール部材を挟み込んだ状態で、互いに有する合わせ面同士を周方向に沿って複数のボルト等で締結することにより、結合されている。
アッパーケースとロアケースとの合わせ面に相当程度の負荷が加えられた場合には、ボルト間の領域において、アッパーケースとロアケースとの合わせ面が開くことが懸念される。このような場合には、雨水等の液体がアッパーケースとロアケースとの内部に侵入してしまう。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、車両衝突時に、アッパーケースとロアケースとの合わせ面に入力される負荷を低減できるバッテリ搭載構造を提供することにある。
このバッテリ搭載構造は、アッパーケースおよびロアケースを含むバッテリパックと、上記ロアケースの外側に配置される衝撃吸収部と、を備える。上記衝撃吸収部は、上下方向に互いに離間しながら上記ロアケースの外周面に交差する方向に延在する複数の板状部を含み、上記複数の板状部は、上下方向の略中央に位置し、かつ、上記板状部が延在する延在方向において単数または複数に区画された区画領域を有する中央板状部を有する。少なくとも1つの上記区画領域内において、上下方向と上記延在方向に平行となる上記中央板状部の断面が、当該区画領域における上記延在方向の中心を通りかつ上下方向に平行な仮想軸に対して、上記延在方向に非対称に構成されている。
このように、延在方向に区画された少なくともいずれかの区画領域において、中央板状部を非対称とすることにより、延在方向に沿って応力が作用する場合に、非対称に構成された部分の中央板状部において、当該応力が集中する部分を形成することができる。このため、板状部の延在方向の一方側から車両が衝突された場合には、応力が集中する部分に、衝突時の衝撃を集中させることができ、非対称に構成された部分の中央板状部を座屈させることができる。
これにより、衝突時の衝撃を低減することができ、衝撃吸収部およびロアケースを介して伝わるアッパーケースへの衝撃を抑制することができる。この結果、アッパーケースとロアケースとの合わせ面に加えられる負荷を低減させることができ、アッパーケースとロアケースとの合わせ面が開くことを防止できる。合わせ面が開くことが防止されることにより、アッパーケースとロアケースとの内部が液密に維持され、外部からアッパーケースとロアケースとの内部に雨水等の液体が侵入することを防止できる。
なお、複数の板状部の上下方向に位置する中央板状部とは、複数の板状部の数が奇数である場合は、中央の単数の板状部を指し、複数の板状部の数が偶数である場合は、中央に最も近い2つの板状部を指す。
本発明によれば、車両衝突時に、アッパーケースとロアケースとの合わせ面に入力される負荷を低減できるバッテリ搭載構造を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。また、各図において、X軸方向は、車両前後方向を示し、Y軸方向は、車両幅方向を示し、Z軸方向は、車両上下方向を示している。
図1は、本実施の形態に係るバッテリ搭載構造を備えた車両を示す模式図である。図2は、本実施の形態に係るバッテリ搭載構造の分解斜視図である。図3は、本実施の形態に係るバッテリ搭載構造の平面図である。図1から図3を参照して、本実施の形態に係るバッテリ搭載構造10について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るバッテリ搭載構造10は、ハイブリッド自動車および電気自動車等の車両1に用いられる。バッテリ搭載構造に搭載されているバッテリモジュール2(図2参照)は、車両1の動力源とされる。
図2および図3に示すように、バッテリ搭載構造10は、バッテリパック15、複数のバッテリモジュール2、シール部材40、複数の衝撃吸収部50を備える。
バッテリパック15は、たとえば、車両前後方向(X軸方向)に長手形状を有し、車両幅方向(Y軸方向)に短手方向を有する。バッテリパック15は、複数のバッテリモジュール2を内部に収容する。バッテリパック15は、アッパーケース20およびロアケース30を含む。
アッパーケース20は、下方に向けて開放された開放空間が設けられた略箱型形状を有する。アッパーケース20は、天井部21、周壁部22および鍔部23を含む。天井部21は、板状形状を有する。周壁部22は、天井部21の周縁から下方に向けて延在するように設けられている。鍔部23は、周壁部22の下端側から外側に折り曲がるように設けられている。
鍔部23の下面23aは、アッパーケース20とロアケース30とを結合するための合わせ面として機能する。鍔部の下面23aには、環状の溝部24(図4参照)が設けられている。当該溝部24には、シール部材40の上方側が嵌め込まれる。
ロアケース30は、上方に向けて開放された開放空間が設けられた略箱型形状を有する。ロアケース30は、底部31、側壁部32を含む。底部31は、板状形状を有する。側壁部32は、底部31の周縁から上方に向けて延在するように設けられている。
側壁部32の上面33は、アッパーケース20とロアケース30とを結合するための合わせ面として機能する。側壁部32の上面33には、環状の凹部34が設けられている。当該凹部34には、シール部材40の下方側が嵌め込まれる。
複数のバッテリモジュール2は、アッパーケース20とロアケース30との間に収容される。複数のバッテリモジュール2は、車両幅方向に並ぶように配置される。バッテリモジュール2は、複数の電池セル3が一方向に並んで配置されることにより構成される。複数の電池セル3は、たとえば車両前後方向に並んで配置される。
シール部材40は、環状形状を有する。シール部材40は、アッパーケース20における鍔部23の溝部24およびロアケース30における側壁部32の凹部34に嵌め込まれる。シール部材40は、たとえば、弾性を有するゴム部材によって構成されている。
複数の衝撃吸収部50は、ロアケース30の外側に配置されている。より具体的には、複数の衝撃吸収部50は、車両幅方向におけるロアケース30の両側方の下方側に配置されている。車両幅方向の一方側および他方側において、衝撃吸収部50は、車両前後方向に沿って並ぶように配置されている。衝撃吸収部50は、たとえば、ロアケース30の側壁部32から車両幅方向外側に突出するように設けられている。
図4は、車両に固定された状態のバッテリ搭載構造における、図3に示すIV−IV線に沿った位置に対応した断面図である。図4を参照して、バッテリ搭載構造の詳細な構成について説明する。
鍔部23の下面23aと側壁部32の上面33とが合わせられた状態で、締結部材によって鍔部23および側壁部32が締結される。これにより、アッパーケース20およびロアケース30が結合される。締結部材は、周方向に間隔を空けて配置される。
鍔部23および側壁部32が締結されることにより、シール部材40が、上記の溝部24および凹部34に圧入される。これにより、バッテリパック15の内部が液密に維持される。
ロアケース30は、内壁部32a、外壁部32bおよび複数のリブ35を含む。内壁部32aおよび外壁部32bは、少なくとも衝撃吸収部50に隣接する領域R1において、互いに離間して設けられている。内壁部32aおよび外壁部32bが互いに離間することにより、側壁部32は、中空に構成される。内壁部32aおよび外壁部32bは、全周に亘って互いに離間するように設けられていてもよい。
複数のリブ35は、内壁部32aおよび外壁部32bを接続する。複数のリブ35は、上下方向に離間するように設けられている。ロアケース30の下方側により多くのリブ35が設けられている。
衝撃吸収部50は、複数の板状部51,52,53および複数の縦壁部54,55を含む。複数の板状部51,52,53は、上下方向に互いに離間しながらロアケース30の外周面(外壁部32bの外表面)に交差する方向に延在する。具体的には、複数の板状部51,52,53は、たとえば、車両幅方向に沿って延在する。
板状部51,52は、上下方向における複数の板状部51,52,53の両端側に配置されている。板状部53は、上下方向における複数の板状部51,52,53の略中央に位置する。板状部53は、中央板状部に相当する。
縦壁部54,55は、ロアケース30の外周面(外壁部32bの外表面)に交差する方向に並ぶ。具体的には、縦壁部54,55は、たとえば、車両幅方向に並ぶ。
縦壁部54は、車両幅方向における複数の板状部51,52,53の一端側を接続する。なお、車両幅方向における複数の板状部51,52,53の他端側は、ロアケース30の外壁部32bに接続されている。
縦壁部55は、車両幅方向において、ロアケース30の外壁部32bと縦壁部54との間に設けられている。縦壁部55は、板状部52に交差し、上下方向において板状部51と板状部53とを接続する。
これにより、縦壁部55は、複数の板状部51,52,53の各々を板状部51,52,53の延在方向に区画領域R2と区画領域R3とに区画する。
板状部51,53は、区画領域R2および区画領域R3において、直線状に設けられている。一方、板状部52は、区画領域R2において直線状に設けられているが、区画領域R3においては、その延在方向に非対称に設けられている。
具体的には、区画領域R2および区画領域R3のうち一方の区画領域R3において、上下方向と上記延在方向に平行となる板状部52の断面が、区画領域R3における上記延在方向の中心を通りかつ上下方向に平行な仮想軸C1に対して、上記延在方向に非対称に構成されている。
より具体的には、区画領域R3における板状部52は、上記延在方向における外側に位置する端部が、上記延在方向における内側に位置する端部よりも高くなるように設けられている。また、区画領域R3における板状部52は、上記延在方向における中間部の厚みが、上記延在方向における両端側の厚みよりも大きくなるように設けられている。
このような形状を有する場合には、上記延在方向における一端側と中間部との接続領域、および上記延在方向における他端側と中間部との接続領域において、上記延在方向に沿って作用する応力を集中させることができる。
なお、区画領域R3における板状部52の形状は、非対称に構成され、上記延在方向に作用する応力を部分的に集中させることが可能である限り、適宜変更することができる。
縦壁部55と縦壁部54との間に位置する部分の板状部51の上方には、サイドメンバ5が配置されている。サイドメンバ5は、車両前後方向に沿って延在する。
サイドメンバ5の底部と、縦壁部55と縦壁部54との間に位置する部分の板状部51とをボルト61およびナット62を用いて締結することにより、衝撃吸収部50がサイドメンバ5に固定される。なお、図4においては、ボルト61を挿通する挿通孔が設けられていない部分における複数の板状部51,52,53の断面を示している。
この状態においては、衝撃吸収部50には、車両の一部を構成するサイドメンバ5に締結される締結部60が形成されている。締結部60は、ボルト61の頭部とサイドメンバ5の底部とによって挟まれている部分の板状部51によって構成されている。
以上のような構成を有する本実施の形態に係るバッテリ搭載構造10においては、少なくとも1つの区画領域R3内において、上下方向と上記延在方向に平行となる板状部52の断面が、当該区画領域R3における上記延在方向の中心を通りかつ上下方向に平行な仮想軸C1に対して、上記延在方向に非対称に構成されている。
このように、上記延在方向に区画された少なくともいずれかの区画領域において、板状部52を非対称とすることにより、非対称に構成された部分の板状部52において、上記延在方向に沿って作用する応力が集中する部分を形成することができる。このため、板状部52の延在方向の一方側から車両1が衝突された場合には、応力が集中する部分に、衝突時の衝撃を集中させることができ、非対称に構成された部分の板状部52を座屈させることができる。
これにより、衝突時の衝撃を低減することができ、衝撃吸収部50およびロアケース30を介して伝わるアッパーケース20への衝撃を抑制することができる。この結果、アッパーケース20とロアケース30との合わせ面に加えられる負荷を低減させることができ、アッパーケース20とロアケース30との合わせ面が開くことを防止できる。合わせ面が開くことが防止されることにより、アッパーケース20とロアケース30との内部が液密に維持され、外部からアッパーケース20とロアケース30との内部に雨水等の液体が侵入することを防止できる。
上述した実施の形態においては、縦壁部55が設けられることにより、板状部51,52,53が複数の区画領域R2,R3に区画される場合を例示して説明したが、これに限定されず、縦壁部55が省略されてもよい。この場合には、板状部51,52,53は、縦壁部54とロアケース30の外壁部32bとの間に位置する単数の区画領域を有することとなる。
上述した実施の形態においては、縦壁部54とロアケース30の外壁部32bとの間に単数の縦壁部55が設けられる場合を例示して説明したが、これに限定されず、複数の縦壁部が、板状部51,52,53の延在方向に並ぶように設けられていてもよい。複数の縦壁部が設けられることにより、板状部51,52,53は、3以上の区画領域に区画される。この場合には、3以上の区画領域のいずれかの区画領域において板状部52が上記のように非対称に構成されていればよい。
上述した実施の形態においては、衝撃吸収部50が、車両幅方向におけるロアケース30の外側に配置される場合を例示して説明したが、これに限定されず、車両前後方向におけるロアケース30の外側にも配置されていてもよい。この場合には、車両前後方向におけるロアケース30の外側に配置される衝撃吸収部は、車両幅方向に延在するクロスメンバに締結されることが好ましい。車両前後方向に沿って設けられた衝撃吸収部は、車両前後方向から衝突された場合において、アッパーケース20とロアケース30との合わせ面に加えられる負荷を低減し、アッパーケース20とロアケース30との合わせ面が開くことを防止する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 車両、2 バッテリモジュール、3 電池セル、5 サイドメンバ、10 バッテリ搭載構造、15 バッテリパック、20 アッパーケース、21 天井部、22 周壁部、23 鍔部、23a 下面、24 溝部、30 ロアケース、31 底部、32 側壁部、32a 内壁部、32b 外壁部、33 上面、34 凹部、35 リブ、40 シール部材、50 衝撃吸収部、51,52,53 板状部、54,55 縦壁部、60 締結部、61 ボルト、62 ナット。
Claims (1)
- アッパーケースおよびロアケースを含むバッテリパックと、
前記ロアケースの外側に配置される衝撃吸収部と、を備え、
前記衝撃吸収部は、上下方向に互いに離間しながら前記ロアケースの外周面に交差する方向に延在する複数の板状部を含み、
前記複数の板状部は、上下方向の略中央に位置し、かつ、前記板状部が延在する延在方向において単数または複数に区画された区画領域を有する中央板状部を有し、
少なくとも1つの前記区画領域内において、上下方向と前記延在方向に平行となる前記中央板状部の断面が、当該区画領域における前記延在方向の中心を通りかつ上下方向に平行な仮想軸に対して、前記延在方向に非対称に構成されている、バッテリ搭載構造。
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