JP2017123488A - 半導体装置用フィルム、及び、半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置用フィルム、及び、半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロール状に巻き取った際のフリップチップ型半導体裏面用フィルムへの転写痕を抑制し、マーキングされる各種情報の視認性の低下を抑制することが可能な半導体装置用フィルムを提供すること。
【解決手段】 セパレータ上に、所定の間隔をあけて配置された複数のダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムと、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムよりも外側に配置された外側シートとを備え、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムは、ダイシングテープとフリップチップ型半導体裏面用フィルムとを有する構成であり、外側シートの最も幅の狭い部分の長さをG、セパレータの長辺からダイシングテープまでの長さをFとしたとき、Gが、Fの0.2倍〜0.95倍の範囲内である半導体装置用フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置用フィルム、及び、半導体装置の製造方法に関する。
近年、半導体装置及びそのパッケージの薄型化、小型化がより一層求められている。そのため、半導体装置及びそのパッケージとして、半導体チップ等の半導体素子が基板上にフリップチップ接続されたフリップチップ型の半導体装置が広く利用されている。当該フリップチップ接続は、半導体チップの回路面が基板の電極形成面と対向する形態で半導体チップを基板に固定し、電気的に接続する方法である。このような半導体装置等では、半導体チップの裏面をフリップチップ型半導体裏面用フィルムにより保護し、半導体チップの損傷等を防止している場合がある(例えば、特許文献1参照)。
このようなフリップチップ型半導体裏面用フィルムは、例えば、特許文献1に開示されているように、ダイシングテープが貼り合わせられたダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムとして提供される場合がある。
ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムは、次のようにして使用される。まず、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムのフリップチップ型半導体裏面用フィルム上に半導体ウエハを貼り付ける。次に、ダイシングテープによる保持下に半導体ウエハ及びフリップチップ型半導体裏面用フィルムをダイシングする。次に、半導体チップをフリップチップ型半導体裏面用フィルムと共にダイシングテープから剥離しこれを個々に回収する。
上述したダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムとしては、半導体ウエハへの貼り付けや、ダイシングの際のリングフレームへの取り付け等の作業性考慮して、貼り付ける半導体ウエハの形状(例えば、円形状)やリングフレームの形状(例えば、円形状)に合わせて、予め1枚ずつのダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムとしてカットされ、長尺のセパレータ上に所定の間隔をあけて剥離可能に積層された半導体装置用フィルムとして提供される場合がある。
上述のような半導体装置用フィルムは、ロール状に巻回された形態で輸送や保管が行われる場合がある。
特開2010−199541号公報
しかしながら、半導体装置用フィルムのダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムが積層されている部分の厚み(セパレータとダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムとの合計の厚み)は、積層されていない部分の厚み(セパレータのみの厚み)よりも厚くなる。そのため、半導体装置用フィルムをロール状に巻回すると、1のフリップチップ型半導体裏面用フィルムに、他のフリップチップ型半導体裏面用フィルムのエッジが押し当てられて巻き跡が転写される場合がある。
フリップチップ型半導体裏面用フィルムは、通常、印刷方法やレーザーマーキング方法などの各種マーキング方法を利用することにより、マーキングが施される。そのため、フリップチップ型半導体裏面用フィルムに巻き跡が転写されていると、マーキングされる各種情報の視認性が低下するといった問題がある。
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムが所定の間隔をおいてセパレータ上に積層された半導体装置用フィルムをロール状に巻き取った際のフリップチップ型半導体裏面用フィルムへの転写痕を抑制し、マーキングされる各種情報の視認性の低下を抑制することが可能な半導体装置用フィルム、当該半導体装置用フィルムを用いた半導体装置の製造方法、及び、当該半導体装置の製造方法により製造された半導体装置を提供することにある。
本願発明者等は、下記の構成を採用することにより、前記の課題を解決できることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る半導体装置用フィルムは、
長尺のセパレータと、
前記セパレータ上に、1列に所定の間隔をあけて配置された複数のダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムと、
前記ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムよりも外側に配置され、且つ、前記セパレータの長辺を含むように、前記セパレータ上に積層された外側シートと
を備え、
前記ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムは、ダイシングテープと、前記ダイシングテープ上に、前記ダイシングテープからはみ出ない態様で積層されたフリップチップ型半導体裏面用フィルムとを有する構成であり、
前記セパレータと前記ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムとは、前記セパレータと前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムとを貼り合わせ面として積層されており、
前記外側シートの最も幅の狭い部分の長さをG、前記セパレータの長辺から前記ダイシングテープまでの長さをFとしたとき、前記Gが、前記Fの0.2倍〜0.95倍の範囲内であることを特徴とする。
前記構成によれば、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムよりも外側に外側シートが存在する。すなわち、セパレータ上のダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムが積層されていない部分に、外側シートが存在する。従って、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムが存在する部分と存在しない部分との厚さの差が小さくなる。従って、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムが存在する部分と存在しない部分との段差に起因する巻き跡の転写を低減することができる。
また、前記Gが、前記Fの0.2倍〜0.95倍の範囲内である。つまり、外側シートとダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムとの隙間が一定の範囲内である。前記Gが、前記Fの0.2倍以上であり、前記隙間がある程度狭いため、巻き跡の転写を低減することができる。一方、前記Gが、前記Fの0.95倍以下であるため、ロール状に巻回した際に皺が発生することを抑制することができる。また、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムをセパレータから剥離する際に、外側シートに引っかかることなく、容易に剥離することが可能となる。
前記構成において、前記Gは、2mm以上であることが好ましい。
前記Gが2mm以上であると、外側シートとダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムとの隙間をより狭くすることができる。従って、巻き跡の転写をより低減することができる。
前記構成において、前記セパレータの長辺から前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムまでの長さをEとしたとき、前記Eが、前記Fの1倍〜5倍の範囲内であることが好ましい。
前記Eが、前記Fの1倍〜5倍の範囲内であると、前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムの平面視のサイズは、前記ダイシングテープと同じかそれよりも小さいものの、ある程度の大きさを有する。従って、裏面保護フィルムへの巻き痕を低減することができる。
前記構成において、前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムの厚さは、5〜100μmの範囲内であることが好ましい。
前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムの厚さが5μm以上であると、ウエハ裏面を保護して強度を上げることができる。一方、前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムの厚さが100μm以下であると、セパレーターとの剥離を制御することができる。
前記構成においては、ロール状に巻回されていることが好ましい。
ロール状に巻回してもフリップチップ型半導体裏面用フィルムに巻き跡がつき難いため、ロール状に巻回されていると、当該半導体装置用フィルムを輸送や保存し易い。
また、本発明に係る半導体装置の製造方法は、
前記半導体装置用フィルムから、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムを剥離する工程と、
剥離した前記ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムのフリップチップ型半導体裏面用フィルム上に、半導体ウエハを貼着する工程と、
前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムにレーザーマーキングを行なう工程と、
前記半導体ウエハをダイシングして半導体素子を形成する工程と、
前記半導体素子を前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムとともに、前記粘着剤層から剥離する工程と、
前記半導体素子を被着体上にフリップチップ接続する工程と
を具備することを特徴とする。
前記構成によれば、前記半導体装置用フィルムを用いているため、フリップチップ型半導体裏面用フィルムへの巻き跡の転写が抑制されている。従って、当該フリップチップ型半導体裏面用フィルムに施されるレーザーマーキングの視認性は良好となる。
また、本発明に係る半導体装置は、前記半導体装置の製造方法により製造されたことを特徴とする。
前記構成によれば、前記半導体装置は、前記半導体装置用フィルムを用いて製造されているため、フリップチップ型半導体裏面用フィルムへの巻き跡の転写が抑制されている。従って、当該フリップチップ型半導体裏面用フィルムに施されるレーザーマーキングの視認性は良好となる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置用フィルムの模式平面図である。 図1に示した半導体装置用フィルムのX−X断面図である。 (a)〜(e)は、本発明の一実施形態に係る半導体装置用フィルムを用いた半導体装置の製造方法の一例を示す断面模式図である。
本実施形態に係る半導体装置用フィルムについて、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置用フィルムの模式平面図であり、図2は、図1に示した半導体装置用フィルムのX−X断面図である。
(半導体装置用フィルム)
図1に示すように、本実施形態に係る半導体装置用フィルム10は、円柱状の巻き芯11にロール状に巻回されている。ただし、本発明における半導体装置用フィルムは、ロール状に巻回されていなくてもよい。しかしながら、輸送や保存の際には、容易に郵送や保存ができる観点から、ロール状に巻回されていることが好ましい。後述するように、半導体装置用フィルム10は、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16への巻き跡の転写が抑制されているため、ロール状に巻回しても、マーキングされる各種情報の視認性の低下が抑制されている。
半導体装置用フィルム10の巻き取りは、例えば、巻き取るべき半導体装置用フィルム10の巻き始めの端縁を巻き芯11に接着し、その後、巻き芯11を巻取方向に回転させることにより行われる。
以下、まず、半導体装置用フィルム10を構成する各層の位置関係、及び、形状について説明する。
半導体装置用フィルム10は、長尺のセパレータ12と、複数のダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13と、外側シート18とを備える。なお、本実施形態では、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13は、円形状である。しかしながら、本発明においてダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムの形状は、円形状に限定されない。
セパレータ12の幅Aとしては、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13の大きさに応じて異なるが、例えば、290mm〜390mmの範囲内である。
また、セパレータ12の長さ(長辺の長さ)は、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13を所定の間隔をあけて2枚以上配置できる長さを有していることが好ましく、通常10枚〜500枚配置できる長さを有している。具体的の長さとしては、例えば、3〜200m程度である。
ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13は、セパレータ12上に、セパレータ12の長さ方向に1列に所定の間隔をあけて配置されている。具体的に、1のダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13と隣のダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13との距離Dとしては、270mm〜390mmを挙げることができる。
ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13は、セパレータ12の長辺にかからないように、セパレータ12の幅方向中央寄りに配置されている。本実施形態では、すべてのダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13の中心が、セパレータ12の幅方向中央線上に位置するように配置されている。
ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13は、ダイシングテープ14と、ダイシングテープ14上に積層されたフリップチップ型半導体裏面用フィルム16とを有する。
フリップチップ型半導体裏面用フィルム16は、ダイシングテープ14上に平面視でダイシングテープ14からはみ出ない態様で積層されている。本実施形態では、ダイシングテープ14の中心とフリップチップ型半導体裏面用フィルム16の中心とが平面視で一致している。
セパレータ12とダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13とは、セパレータ12とフリップチップ型半導体裏面用フィルム16とを貼り合わせ面として積層されている。
フリップチップ型半導体裏面用フィルム16の厚さは、半導体装置用フィルム10を構成する各層のサイズに関わらず、5〜100μmの範囲内であることが好ましく、7〜80μmの範囲内であることがより好ましく、10〜50μmの範囲内であることがさらに好ましい。フリップチップ型半導体裏面用フィルム16の厚さが5μm以上であると、ウエハ裏面を保護して強度を上げることができる。一方、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16の厚さが100μm以下であると、セパレーターとの剥離を制御することができる。
ダイシングテープ14の直径Bとしては、例えば、260mm〜380mmの範囲内である。また、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16の直径Cとしては、例えば、199mm〜350mmの範囲内である。
外側シート18は、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13よりも外側(セパレータ12の幅方向の外側)に配置されている。また、外側シート18は、セパレータ12の長辺を含むように、セパレータ12上に積層されている。
半導体装置用フィルム10によれば、セパレータ12上のダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13が積層されていない部分に、外側シート18が存在する。従って、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13が存在する部分と存在しない部分との厚さの差が小さくなる。従って、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13が存在する部分と存在しない部分との段差に起因する巻き跡の転写を低減することができる。
本実施形態では、外側シート18は、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13が配置されている部分における外側の部分18aの幅(外側シート18の最も幅の狭い部分の長さGに相当)が、最も狭くなっている。そして、1のダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13と隣のダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13との間の部分21における外側の部分18bの幅(図1の長さHに相当)が、部分18aよりも広くなっている。
半導体装置用フィルム10においては、外側シート18の最も幅の狭い部分(本実施形態では、18a)の長さをG、セパレータ12の長辺からダイシングテープ14までの長さをFとしたとき、前記Gが、前記Fの0.2倍〜0.95倍の範囲内であり、0.3倍〜0.9倍であることが好ましい。前記Gが、前記Fの0.2倍〜0.95倍の範囲内であるということは、外側シート18とダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13との隙間24の幅が一定の範囲内である。前記Gが、前記Fの0.2倍以上であり、隙間24がある程度狭いため、巻き跡の転写を低減することができる。一方、前記Gが、前記Fの0.95倍以下であるため、ロール状に巻回した際に皺が発生することを抑制することができる。また、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13をセパレータ12から剥離する際に、外側シート18に引っかかることなく、容易に剥離することが可能となる。
前記Gは、半導体装置用フィルム10を構成する各層のサイズに関わらず、2mm以上であることが好ましい。前記Gが2mm以上であると、外側シート18とダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13との隙間をより狭くすることができる。従って、巻き跡の転写をより低減することができる。
セパレータ12の長辺からフリップチップ型半導体裏面用フィルム16までの長さをEとしたとき、前記Eは、前記Fの1倍〜5倍の範囲内であることが好ましく、2〜4倍であることがより好ましい。
前記Eが、前記Fの1倍〜5倍の範囲内であると、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16の平面視のサイズは、ダイシングテープ14と同じかそれよりも小さいものの、ある程度の大きさを有する。従って、裏面保護フィルムへの巻き痕を低減することができる。
前記A〜前記Hのより具体的なサイズの組み合わせの一例としては、例えば、以下を挙げることができる。
前記A:290〜390mm
前記B:270〜370mm
前記C:200〜340mm
前記D:280〜380mm
前記E:10〜40mm
前記F:5〜40mm
前記G:2〜30mm
前記H:0〜180mm
ダイシングテープ14は、基材14aと基材14a上に形成された粘着剤層14bとを有する。ダイシングテープ14とフリップチップ型半導体裏面用フィルム16とは、粘着剤層14aを貼り合わせ面として貼り合わせられている。また、ダイシングテープ14とフリップチップ型半導体裏面用フィルム16とを貼り合わせた際に、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16が存在しない部分が存在する場合には、当該部分にセパレータ12が貼り合わせられる。
外側シート18は、基材18aと基材18a上に形成された粘着剤層18bとを有する。本実施形態では、基材18aは、基材14aと同一の材質及び同一の厚さであることが好ましい。また、粘着剤層18bは、粘着剤層18aと同一の材質及び同一の厚さであることが好ましい。なお、外側シート18は、セパレータ12に貼り付きさえすればよく、その構成材料は特に限定されない。ただし、巻き跡抑制の観点から、外側シート18の厚さは、ダイシングテープ14の0.5倍〜5倍程度であることが好ましい。また、巻き跡抑制の観点から、外側シート18の厚さは、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13の0.8倍〜2倍程度であることが好ましい。
以上、半導体装置用フィルム10を構成する各層の位置関係、及び、形状について説明した。
次に、半導体装置用フィルム10を構成する各層の構成材料について説明する。
(フリップチップ型半導体裏面用フィルム)
フリップチップ型半導体裏面用フィルム16(半導体裏面用フィルム16)は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含んで形成されていることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロン等のポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、又はフッ素樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらの熱可塑性樹脂のうち、イオン性不純物が少なく耐熱性が高く、半導体素子の信頼性を確保できるアクリル樹脂が特に好ましい。
前記アクリル樹脂としては、特に限定されるものではなく、炭素数30以下(好ましくは炭素数4〜18、更に好ましくは炭素数6〜10、特に好ましくは炭素数8又は9)の直鎖若しくは分岐のアルキル基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステルの1種又は2種以上を成分とする重合体等が挙げられる。すなわち、本発明では、アクリル樹脂とは、メタクリル樹脂も含む広義の意味である。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基等が挙げられる。
また、前記アクリル樹脂を形成するための他のモノマー(アルキル基の炭素数が30以下のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル以外のモノマー)としては、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸若しくはクロトン酸等の様なカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸若しくは無水イタコン酸等の様な酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル若しくは(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等の様なヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート若しくは(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等の様なスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の様な燐酸基含有モノマー、アクリロニトリル、アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。尚、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及び/又はメタクリル酸をいい、本発明の(メタ)とは全て同様の意味である。
なかでも、半導体裏面用フィルム16の耐熱性を高める観点から、アクリロニトリル、アクリロイルモルホリン等を、モノマー成分として含む材料から形成したアクリル樹脂が好ましい。
前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂の他、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、単独で又は2種以上併用して用いることができる。熱硬化性樹脂としては、特に、半導体素子を腐食させるイオン性不純物等含有が少ないエポキシ樹脂が好適である。また、エポキシ樹脂の硬化剤としてはフェノール樹脂を好適に用いることができる。
エポキシ樹脂としては、特に限定は無く、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオンレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の二官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ樹脂、又はヒダントイン型エポキシ樹脂、トリスグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂若しくはグリシジルアミン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を用いることができる。
エポキシ樹脂としては、前記例示のうちノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエポキシ樹脂は、硬化剤としてのフェノール樹脂との反応性に富み、耐熱性等に優れるからである。
更に、前記フェノール樹脂は、前記エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであり、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン等が挙げられる。フェノール樹脂は単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらのフェノール樹脂のうちフェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂が特に好ましい。半導体装置の接続信頼性を向上させることができるからである。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、例えば、前記エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.5当量〜2.0当量になるように配合することが好適である。より好適なのは、0.8当量〜1.2当量である。即ち、両者の配合割合が前記範囲を外れると、十分な硬化反応が進まず、エポキシ樹脂硬化物の特性が劣化し易くなるからである。
本発明では、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の熱硬化促進触媒が用いられていても良い。熱硬化促進触媒としては、特に制限されず、公知の熱硬化促進触媒の中から適宜選択して用いることができる。熱硬化促進触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱硬化促進触媒としては、例えば、アミン系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、ホウ素系硬化促進剤、リン−ホウ素系硬化促進剤などを用いることができる。
半導体裏面用フィルム16としては、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂を含む樹脂組成物や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びアクリル樹脂を含む樹脂組成物により形成されていることが好適である。これらの樹脂は、イオン性不純物が少なく耐熱性が高いので、半導体素子の信頼性を確保できる。
半導体裏面用フィルム16は、半導体ウエハの裏面(回路非形成面)に対して接着性(密着性)を有していることが重要である。半導体裏面用フィルム16は、例えば、熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂を含む樹脂組成物により形成することができる。半導体裏面用フィルム16を予めある程度架橋させておく為、作製に際し、重合体の分子鎖末端の官能基等と反応する多官能性化合物を架橋剤として添加させておいてもよい。これにより、高温下での接着特性を向上させ、耐熱性の改善を図ることができる。
前記架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤を用いることができる。具体的には、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤が好適である。また、前記架橋剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネ−ト、水素添加キシレンジイソシアネ−トなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられ、その他、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」]なども用いられる。また、前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。
なお、架橋剤の使用量は、特に制限されず、架橋させる程度に応じて適宜選択することができる。具体的には、架橋剤の使用量としては、例えば、ポリマー成分(特に、分子鎖末端の官能基を有する重合体)100重量部に対し、通常7重量部以下(例えば、0.05重量部〜7重量部)とするのが好ましい。架橋剤の使用量がポリマー成分100重量部に対して7重量部より多いと、接着力が低下するので好ましくない。なお、凝集力向上の観点からは、架橋剤の使用量はポリマー成分100重量部に対して0.05重量部以上であることが好ましい。
なお、本発明では、架橋剤を用いる代わりに、あるいは、架橋剤を用いるとともに、電子線や紫外線などの照射により架橋処理を施すことも可能である。
半導体裏面用フィルム16は、通常、着色剤を含有している。これにより、半導体裏面用フィルム16は、着色され、優れたマーキング性及び外観性を発揮させることができ、付加価値のある外観の半導体装置とすることが可能になる。このように、着色された半導体裏面用フィルムは、優れたマーキング性を有しているので、半導体素子又は該半導体素子が用いられた半導体装置の非回路面側の面に、半導体裏面用フィルムを介して、印刷方法やレーザーマーキング方法などの各種マーキング方法を利用することにより、マーキングを施し、文字情報や図形情報などの各種情報を付与させることができる。特に、着色の色をコントロールすることにより、マーキングにより付与された情報(文字情報、図形情報など)を、優れた視認性で視認することが可能になる。また、半導体裏面用フィルムは着色されているので、ダイシングテープと、半導体裏面用フィルムとを、容易に区別することができ、作業性等を向上させることができる。更に、例えば半導体装置として、製品別に色分けすることも可能である。半導体裏面用フィルムを有色にする場合(無色・透明ではない場合)、着色により呈している色としては特に制限されないが、例えば、黒色、青色、赤色などの濃色であることが好ましく、特に黒色であることが好適である。
本実施の形態において、濃色とは、基本的には、L***表色系で規定されるL*が、60以下(0〜60)[好ましくは50以下(0〜50)、さらに好ましくは40以下(0〜40)]となる濃い色のことを意味している。
また、黒色とは、基本的には、L***表色系で規定されるL*が、35以下(0〜35)[好ましくは30以下(0〜30)、さらに好ましくは25以下(0〜25)]となる黒色系色のことを意味している。なお、黒色において、L***表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも、−10〜10であることが好ましく、より好ましくは−5〜5であり、特に−3〜3の範囲(中でも0又はほぼ0)であることが好適である。
なお、本実施の形態において、L***表色系で規定されるL*、a*、b*は、色彩色差計(商品名「CR−200」ミノルタ社製;色彩色差計)を用いて測定することにより求められる。なお、L***表色系は、国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨した色空間であり、CIE1976(L***)表色系と称される色空間のことを意味している。また、L***表色系は、日本工業規格では、JISZ 8729に規定されている。
半導体裏面用フィルム16には、目的とする色に応じた着色剤を用いることができる。このような着色剤としては、黒系色材、青系色材、赤系色材などの各種濃色系色材を好適に用いることができ、特に黒系色材が好適である。前記着色剤としては、顔料、染料などいずれであってもよい。前記着色剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、染料としては、酸性染料、反応染料、直接染料、分散染料、カチオン染料等のいずれの形態の染料であっても用いることが可能である。また、顔料も、その形態は特に制限されず、公知の顔料から適宜選択して用いることができる。
特に、前記着色剤として染料を用いると、半導体裏面用フィルム16中には、染料が溶解により均一又はほぼ均一に分散した状態となるため、着色濃度が均一又はほぼ均一な半導体裏面用フィルム16(ひいてはダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム10)を容易に製造することができる。そのため、前記着色剤として染料を用いると、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムにおける半導体裏面用フィルムは、着色濃度を均一又はほぼ均一とすることができ、マーキング性や外観性を向上させることができる。
黒系色材としては、特に制限されないが、例えば、無機の黒系顔料、黒系染料から適宜選択することができる。また、黒系色材としては、シアン系色材(青緑系色材)、マゼンダ系色材(赤紫系色材)およびイエロー系色材(黄系色材)が混合された色材混合物であってもよい。黒系色材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。もちろん、黒系色材は、黒以外の色の色材と併用することもできる。
具体的には、黒系色材としては、例えば、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなど)、グラファイト(黒鉛)、酸化銅、二酸化マンガン、アゾ系顔料(アゾメチンアゾブラックなど)、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライトなど)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などが挙げられる。
本発明では、黒系色材としては、C.I.ソルベントブラック3、同7、同22、同27、同29、同34、同43、同70、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同48、同52、同107、同109、同110、同119、同154C.I.ディスパーズブラック1、同3、同10、同24等のブラック系染料;C.I.ピグメントブラック1、同7等のブラック系顔料なども利用することができる。
このような黒系色材としては、例えば、商品名「Oil Black BY」、商品名「OilBlack BS」、商品名「OilBlackHBB」、商品名「Oil Black803」、商品名「Oil Black860」、商品名「Oil Black5970」、商品名「Oil Black5906」、商品名「Oil Black5905」(オリエント化学工業株式会社製)などが市販されている。
黒系色材以外の色材としては、例えば、シアン系色材、マゼンダ系色材、イエロー系色材などが挙げられる。シアン系色材としては、例えば、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95;C.I.アシッドブルー6、同45等のシアン系染料;C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17、同17:1、同18、同22、同25、同56、同60、同63、同65、同66;C.I.バットブルー4;同60、C.I.ピグメントグリーン7等のシアン系顔料などが挙げられる。
また、マゼンダ系色材において、マゼンダ系染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同52、同58、同63、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同111、同121、同122;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、同13、同14、同21、同27;C.I.ディスパースバイオレット1;C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40;C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同7、同10、同14、同15、同21、同25、同26、同27、28などが挙げられる。
マゼンダ系色材において、マゼンダ系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同42、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49、同49:1、同50、同51、同52、同52:2、同53:1、同54、同55、同56、同57:1、同58、同60、同60:1、同63、同63:1、同63:2、同64、同641、同67、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同92、同101、同104、同105、同106、同108、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同146、同147、同149、同150、同151、同163、同166、同168、同170、同171、同172、同175、同176、同177、同178、同179、同184、同185、同187、同190、同193、同202、同206、同207、同209、同219、同222、同224、同238、同245;C.I.ピグメントバイオレット3、同9、同19、同23、同31、同32、同33、同36、同38、同43、同50;C.I.バットレッド1、同2、同10、同13、同15、同23、同29、同35などが挙げられる。
また、イエロー系色材としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162等のイエロー系染料;C.I.ピグメントオレンジ31、同43;C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同23、同24、同34、同35、同37、同42、同53、同55、同65、同73、同74、同75、同81、同83、同93、同94、同95、同97、同98、同100、同101、同104、同108、同109、同110、同113、同114、同116、同117、同120、同128、同129、同133、同138、同139、同147、同150、同151、同153、同154、同155、同156、同167、同172、同173、同180、同185、同195;C.I.バットイエロー1、同3、同20等のイエロー系顔料などが挙げられる。
シアン系色材、マゼンダ系色材、イエロー系色材などの各種色材は、それぞれ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、シアン系色材、マゼンダ系色材、イエロー系色材などの各種色材を2種以上用いる場合、これらの色材の混合割合(または配合割合)としては、特に制限されず、各色材の種類や目的とする色などに応じて適宜選択することができる。
半導体裏面用フィルム16には、必要に応じて他の添加剤を適宜に配合することができる。他の添加剤としては、例えば、充填剤(フィラー)、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤の他、増量剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤などが挙げられる。
前記充填剤としては、無機充填剤、有機充填剤のいずれであってもよいが、無機充填剤が好適である。無機充填剤等の充填剤の配合により、半導体裏面用フィルム16の付与や熱伝導性の向上、弾性率の調節等を図ることができる。なお、半導体裏面用フィルム16としては導電性であっても、非導電性であってもよい。前記無機充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミナ、酸化ベリリウム、炭化珪素、窒化珪素等のセラミック類、アルミニウム、銅、銀、金、ニッケル、クロム、鉛、錫、亜鉛、パラジウム、半田などの金属、又は合金類、その他カーボンなどからなる種々の無機粉末などが挙げられる。充填剤は単独で又は2種以上を併用して用いることができる。充填剤としては、なかでも、シリカ、特に溶融シリカが好適である。なお、無機充填剤の平均粒径は0.1μm〜80μmの範囲内であることが好ましい。無機充填剤の平均粒径は、例えば、レーザー回折型粒度分布測定装置によって測定することができる。
前記充填剤(特に無機充填剤)の配合量は、有機樹脂成分100重量部に対して80重量部以下(0重量部〜80重量部)であることが好ましく、特に0重量部〜70重量部であることが好適である。
また、前記難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂等が挙げられる。難燃剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。前記シランカップリング剤としては、例えば、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。前記イオントラップ剤としては、例えばハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等が挙げられる。イオントラップ剤は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
半導体裏面用フィルム16は、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と、必要に応じてアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂と、必要に応じて溶媒やその他の添加剤などとを混合して樹脂組成物を調製し、フィルム状の層に形成する慣用の方法を利用し形成することができる。
なお、半導体裏面用フィルム16が、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物により形成されている場合、半導体裏面用フィルム16は、半導体ウエハに適用する前の段階では、熱硬化性樹脂が未硬化又は部分硬化の状態である。この場合、半導体ウエハに適用後に(具体的には、通常、フリップチップボンディング工程で封止材をキュアする際に)、半導体裏面用フィルム16中の熱硬化性樹脂を完全に又はほぼ完全に硬化させる。
このように、半導体裏面用フィルム16は、熱硬化性樹脂を含んでいても、該熱硬化性樹脂は未硬化又は部分硬化の状態であるため、半導体裏面用フィルム16のゲル分率としては、特に制限されないが、例えば、50重量%以上の範囲より適宜選択することができ、好ましくは70重量%以上であり、特に90%重量%以上であることが好適である。半導体裏面用フィルムのゲル分率の測定方法は、以下の測定方法により測定することができる。ゲル分率が50重量%以上であると巻き痕を低減することができる。
<ゲル分率の測定方法>
半導体裏面用フィルムから約1.0gをサンプリングして精秤し(試料の重量)、該サンプルをメッシュ状シートで包んだ後、約50mlのエタノール中に室温で1週間浸漬させる。その後、溶剤不溶分(メッシュ状シートの内容物)をエタノールから取り出し、130℃で約2時間乾燥させ、乾燥後の溶剤不溶分を秤量し(浸漬・乾燥後の重量)、下記式(a)よりゲル分率(重量%)を算出する。
ゲル分率(重量%)=[(浸漬・乾燥後の重量)/(試料の重量)]×100 (a)
なお、半導体裏面用フィルムのゲル分率は、樹脂成分の種類やその含有量、架橋剤の種類やその含有量の他、加熱温度や加熱時間などによりコントロールすることができる。
本発明において、半導体裏面用フィルムは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物により形成されたフィルム状物である場合、半導体ウエハに対する密着性を有効に発揮することができる。
半導体裏面用フィルム16の未硬化状態における23℃での引張貯蔵弾性率は0.5GPa以上であることが好ましく、より好ましくは0.75GPa以上であり、特に1GPa以上であることが好適である。前記引張貯蔵弾性率が1GPa以上であると、巻き痕を低減することができる。また、前記引張貯蔵弾性率が1GPa以上であると、半導体チップを半導体裏面用フィルム16と共に、ダイシングテープ14の粘着剤層14bから剥離させた後、半導体裏面用フィルム16を支持体上に載置して、輸送等を行った際に、半導体裏面用フィルムが支持体に貼着するのを有効に抑制又は防止することができる。尚、前記支持体は、例えば、キャリアテープにおけるトップテープやボトムテープなどをいう。
半導体裏面用フィルムの未硬化状態における前記引張貯蔵弾性率(23℃)は、樹脂成分(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂)の種類やその含有量、シリカフィラー等の充填材の種類やその含有量などによりコントロールすることができる。
なお、半導体裏面用フィルム16は、複数の層が積層された積層フィルムである場合(半導体裏面用フィルムが積層の形態を有している場合)、その積層形態としては、例えば、ウエハ接着層(着色剤を含まない層)とレーザーマーク層(着色剤を含まない層)とからなる積層形態などを例示することができる。また、このようなウエハ接着層とレーザーマーク層との間には、他の層(中間層、光線遮断層、補強層、着色層、基材層、電磁波遮断層、熱伝導層、粘着層など)が設けられていてもよい。なお、ウエハ接着層はウエハに対して優れた密着性(接着性)を発揮する層であり、ウエハの裏面と接触する層である。一方、レーザーマーク層は優れたレーザーマーキング性を発揮する層であり、半導体チップの裏面にレーザーマーキングを行う際に利用される層である。
尚、前記引張貯蔵弾性率は、ダイシングテープ14に積層させずに、未硬化状態の半導体裏面用フィルム16を作製し、レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置「Solid Analyzer RS A2」を用いて、引張モードにて、サンプル幅:10mm、サンプル長さ:22.5mm、サンプル厚さ:0.2mmで、周波数:1Hz、昇温速度:10℃/分、窒素雰囲気下、所定の温度(23℃)にて測定して、得られた引張貯蔵弾性率の値をいう。
半導体裏面用フィルム16は、セパレータ(剥離ライナー)により保護されていることが好ましい(図示せず)。セパレータは、実用に供するまで半導体裏面用フィルムを保護する保護材としての機能を有している。セパレータは、半導体裏面用フィルム上に半導体ウエハを貼着する際に剥がされる。セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンや、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチックフィルム(ポリエチレンテレフタレートなど)や紙等も使用可能である。なお、セパレータは従来公知の方法により形成することができる。また、セパレータの厚さ等も特に制限されない。
また、半導体裏面用フィルム16における可視光(波長:400nm〜800nm)の光線透過率(可視光透過率)は、特に制限されないが、例えば、20%以下(0%〜20%)の範囲であることが好ましく、より好ましくは10%以下(0%〜10%)、特に好ましくは5%以下(0%〜5%)である。半導体裏面用フィルム16は、可視光透過率が20%より大きいと、光線通過により、半導体素子に悪影響を及ぼす恐れがある。また、前記可視光透過率(%)は、半導体裏面用フィルム16の樹脂成分の種類やその含有量、着色剤(顔料や染料など)の種類やその含有量、無機充填材の含有量などによりコントロールすることができる。
半導体裏面用フィルムの可視光透過率(%)は、次の通りにして測定することができる。即ち、厚さ(平均厚さ)20μmの半導体裏面用フィルム単体を作製する。次に、半導体裏面用フィルムに対し、波長:400nm〜800nmの可視光線[装置:島津製作所製の可視光発生装置(商品名「ABSORPTION SPECTRO PHOTOMETR」)]を所定の強度で照射し、透過した可視光線の強度を測定する。更に、可視光線が半導体裏面用フィルムを透過する前後の強度変化より、可視光透過率の値を求めることができる。尚、20μmの厚さでない半導体裏面用フィルムの可視光透過率(%;波長:400nm〜800nm)の値により、厚さ:20μmの半導体裏面用フィルムの可視光透過率(%;波長:400nm〜800nm)を導き出すことも可能である。また、本発明では、厚さ20μmの半導体裏面用フィルムの場合における可視光透過率(%)を求めているが、本発明に係る半導体裏面用フィルムは厚さ20μmのものに限定される趣旨ではない。
また、半導体裏面用フィルム16としては、その吸湿率が低い方が好ましい。具体的には、前記吸湿率は1重量%以下が好ましく、より好ましくは0.8重量%以下である。前記吸湿率を1重量%以下にすることにより、レーザーマーキング性を向上させることができる。また、例えば、リフロー工程に於いて、半導体裏面用フィルム16と半導体素子との間でボイドの発生などを抑制又は防止することもできる。尚、前記吸湿率は、半導体裏面用フィルム16を、温度85℃、相対湿度85%RHの雰囲気下で168時間放置する前後の重量変化により算出した値である。半導体裏面用フィルム16が熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物により形成されている場合、前記吸湿率は、熱硬化後の半導体裏面用フィルムに対し、温度85℃、相対湿度85%RHの雰囲気下で168時間放置したときの値を意味する。また、前記吸湿率は、例えば、無機フィラーの添加量を変化させることにより調整することができる。
また、半導体裏面用フィルム16としては、揮発分の割合が少ない方が好ましい。具体的には、加熱処理後の半導体裏面用フィルム16の重量減少率(重量減少量の割合)が1重量%以下が好ましく、0.8重量%以下がより好ましい。加熱処理の条件は、例えば、加熱温度250℃、加熱時間1時間である。前記重量減少率を1重量%以下にすることにより、レーザーマーキング性を向上させることができる。また、例えば、リフロー工程に於いて、フリップチップ型の半導体装置にクラックが発生するのを抑制又は防止することができる。前記重量減少率は、例えば、鉛フリーハンダリフロー時のクラック発生を減少させ得る無機物を添加することにより、調整することができる。なお、半導体裏面用フィルム16が熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物により形成されている場合、前記重量減少率は、熱硬化後の半導体裏面用フィルムに対し、加熱温度250℃、加熱時間1時間の条件下で加熱したときの値を意味する。
半導体裏面用フィルム16の厚さは、特に限定されないが、例えば、2μm〜200μm程度の範囲から適宜選択することができる。更に、前記厚さは4μm〜160μm程度が好ましく、6μm〜100μm程度がより好ましく、10μm〜80μm程度が特に好ましい。
(ダイシングテープ)
ダイシングテープ14は、基材14a上に粘着剤層14bが形成されて構成されている。このように、ダイシングテープ14は、基材14aと、粘着剤層14bとが積層された構成を有していればよい。基材(支持基材)は粘着剤層等の支持母体として用いることができる。基材14aは放射線透過性を有していることが好ましい。基材14aとしては、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、フェルト、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体[特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など]等の適宜な薄葉体を用いることができる。本発明では、基材としては、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチック材における素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体等のエチレンをモノマー成分とする共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル;アクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);ポリウレタン;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリ塩化ビニリデン;ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体);セルロース系樹脂;シリコーン樹脂;フッ素樹脂などが挙げられる。
また基材14aの材料としては、前記樹脂の架橋体等のポリマーが挙げられる。前記プラスチックフィルムは、無延伸で用いてもよく、必要に応じて一軸又は二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。延伸処理等により熱収縮性を付与した樹脂シートによれば、ダイシング後にその基材14aを熱収縮させることにより粘着剤層14bとウエハ裏面用フィルム16との接着面積を低下させて、半導体チップの回収の容易化を図ることができる。
基材14aの表面は、隣接する層との密着性、保持性等を高める為、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的処理、下塗剤(例えば、後述する粘着物質)によるコーティング処理を施すことができる。
基材14aは、同種又は異種のものを適宜に選択して使用することができ、必要に応じて数種をブレンドしたものを用いることができる。基材14aは単層あるいは2種以上の複層でもよい。
基材14aの厚さ(積層体の場合は総厚)は、特に制限されず強度や柔軟性、使用目的などに応じて適宜に選択でき、例えば、一般的には1000μm以下(例えば、1μm〜1000μm)、好ましくは10μm〜500μm、さらに好ましくは20μm〜300μm、特に30μm〜200μm程度であるが、これらに限定されない。
なお、基材14aには、本発明の効果等を損なわない範囲で、各種添加剤(着色剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤、難燃剤など)が含まれていてもよい。
粘着剤層14bは粘着剤により形成されており、粘着性を有している。このような粘着剤としては、特に制限されず、公知の粘着剤の中から適宜選択することができる。具体的には、粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、これらの粘着剤に融点が約200℃以下の熱溶融性樹脂を配合したクリ−プ特性改良型粘着剤などの公知の粘着剤(例えば、特開昭56−61468号公報、特開昭61−174857号公報、特開昭63−17981号公報、特開昭56−13040号公報等参照)の中から、前記特性を有する粘着剤を適宜選択して用いることができる。また、粘着剤としては、放射線硬化型粘着剤(又はエネルギー線硬化型粘着剤)や、熱膨張性粘着剤を用いることもできる。粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤を好適に用いることができ、特にアクリル系粘着剤が好適である。アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種又は2種以上を単量体成分として用いたアクリル系重合体(単独重合体又は共重合体)をベースポリマーとするアクリル系粘着剤が挙げられる。
前記アクリル系粘着剤における(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適である。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状の何れであっても良い。
なお、前記アクリル系重合体は、凝集力、耐熱性、架橋性などの改質を目的として、必要に応じて、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他の単量体成分(共重合性単量体成分)に対応する単位を含んでいてもよい。このような共重合性単量体成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸)、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルメタクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー;N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、N−ビニルカプロラクタムなどの窒素含有モノマー;N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートなどの複素環、ハロゲン原子、ケイ素原子などを有するアクリル酸エステル系モノマー;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマー等が挙げられる。これらの共重合性単量体成分は1種又は2種以上使用できる。
粘着剤として放射線硬化型粘着剤(又はエネルギー線硬化型粘着剤)を用いる場合、放射線硬化型粘着剤(組成物)としては、例えば、ラジカル反応性炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖又は主鎖中もしくは主鎖末端に有するポリマーをベースポリマーとして用いた内在型の放射線硬化型粘着剤や、粘着剤中に紫外線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分が配合された放射線硬化型粘着剤などが挙げられる。また、粘着剤として熱膨張性粘着剤を用いる場合、熱膨張性粘着剤としては、例えば、粘着剤と発泡剤(特に熱膨張性微小球)とを含む熱膨張性粘着剤などが挙げられる。
本発明では、粘着剤層14bには、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤(例えば、粘着付与樹脂、着色剤、増粘剤、増量剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤、架橋剤など)が含まれていても良い。
前記架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤を用いることができる。具体的には、架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられ、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤が好適である。架橋剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、架橋剤の使用量は、特に制限されない。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネ−ト、水素添加キシレンジイソシアネ−トなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられ、その他、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」]なども用いられる。また、前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。
なお、本発明では、架橋剤を用いる代わりに、あるいは、架橋剤を用いるとともに、電子線や紫外線などの照射により架橋処理を施すことも可能である。
粘着剤層14bは、例えば、粘着剤(感圧接着剤)と、必要に応じて溶媒やその他の添加剤などとを混合して、シート状の層に形成する慣用の方法を利用し形成することができる。具体的には、例えば、粘着剤および必要に応じて溶媒やその他の添加剤を含む混合物を、基材14a上に塗布する方法、適当なセパレータ(剥離紙など)上に前記混合物を塗布して粘着剤層14bを形成し、これを基材14a上に転写(移着)する方法などにより、粘着剤層14bを形成することができる。
粘着剤層14bの厚さは特に制限されず、例えば、5μm〜300μm(好ましくは5μm〜200μm、さらに好ましくは5μm〜100μm、特に好ましくは7μm〜50μm)程度である。粘着剤層14bの厚さが前記範囲内であると、適度な粘着力を発揮することができる。なお、粘着剤層14bは単層、複層の何れであってもよい。
なお、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13の厚さ(半導体裏面用フィルムの厚さと、基材14a及び粘着剤層14bからなるダイシングテープ14との厚さの総厚)としては、例えば、7μm〜11300μmの範囲から選択することができ、好ましくは17μm〜1600μm(さらに好ましくは28μm〜1200μm)である。
なお、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13において、フリップチップ型半導体裏面用フィルムの厚さと、ダイシングテープの粘着剤層の厚さとの比や、フリップチップ型半導体裏面用フィルムの厚さと、ダイシングテープの厚さ(基材及び粘着剤層の総厚)との比をコントロールすることにより、ダイシング工程時のダイシング性、ピックアップ工程時のピックアップ性などを向上させることができ、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13を半導体ウエハのダイシング工程〜半導体チップのフリップチップボンディング工程にかけて有効に利用することができる。
(セパレータ)
セパレータ12としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンや、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチックフィルムや紙等が使用可能である。
セパレータ12の厚さとしては、好ましくは、5〜500μmであり、より好ましくは、10〜200μmである。セパレータ12の厚さを5μm以上とすることにより、安定的にテープ製造することができ、500μm以下とすることにより、セパレーター剥離を制御することができる。
(半導体装置用フィルムの製造方法)
本実施の形態に係る半導体装置用フィルムの製造方法について、図1に示す半導体装置用フィルムを例にして説明する。
まず、セパレータ12の片面の全面にフリップチップ型半導体裏面用フィルム16を形成させる。具体的には、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16形成用の樹脂組成物溶液をセパレータ12上に直接塗布、乾燥する方法が挙げられる。
次に、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16側から、セパレータ12に達する程度の深さにまで切り込みY1(図示せず)を形成する。この切り込みY1の平面視の形状は、貼り付ける予定の半導体ウエハの形状(図では円形)に対応する形状である。切り込みは、金型やカッターを用いて形成することができる。
次に、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16の切り込みよりも外側部分を剥離して、除去する。これにより、セパレータ12上に、所定の間隔をおいて複数のフリップチップ型半導体裏面用フィルム16が積層された状態となる。
次に、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16が積層されている面側から、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16を覆うように、セパレータ12全面にダイシングテープ14を貼り合わせる。この際、ダイシングテープ14の粘着剤層14bとフリップチップ型半導体裏面用フィルム16又はセパレータ12とが貼り合わせ面となるように貼り合わせる。
次に、ダイシングテープ14の基材14a側から、セパレータ12に達する程度の深さにまで切り込みY2(図示せず)を形成する。この切り込みY2は、円形状であり、中心が、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16の中心と同一であり、直径がフリップチップ型半導体裏面用フィルム16と同一かそれよりも大きいものとすることができる。なお、本実施形態のように、切り込みの直径を、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16よりも大きいものとする場合、この部分に、ダイシングリングを貼り付けることが可能である。切り込みは、金型やカッターを用いて形成することができる。
また、切り込みY2よりもセパレータ12の幅方向外側に、長辺に沿って切り込みY3(図示せず)を形成する。切り込みY3は、ダイシングテープ14の基材14a側から、セパレータ12に達する程度の深さにまで形成する。この切り込みY3は、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16が配置されている部分における外側の部分が、配置されていない部分における外側の部分よりも狭くなるように形成することができる。具体的には、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16が配置されている部分における外側の切り込みY3は、切り込みY2からの距離が一定となるような円弧状とし、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16が配置されていない部分における外側の切り込みY3は、前記円弧状部分の端部から他方の円弧状部分の端部までを長辺方向に結んだ直線とすることができる。
次に、切り込みY2よりも外側、且つ、切り込みY3よりも内側にあるダイシングテープ14をセパレータ12から剥離して除去する。
以上により、図1に示すような半導体装置用フィルム10を得ることができる。
(半導体装置の製造方法)
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について、図3を参照しながら以下に説明する。図3は、半導体装置用フィルム10を用いた場合の半導体装置の製造方法を示す断面模式図である。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、
半導体装置用フィルム10から、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13を剥離する工程と、
剥離したダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13のフリップチップ型半導体裏面用フィルム16上に、半導体ウエハ24を貼着する工程と、
フリップチップ型半導体裏面用フィルム16にレーザーマーキングを行なう工程と、
半導体ウエハ24をダイシングして半導体素子26を形成する工程と、
半導体素子26をフリップチップ型半導体裏面用フィルム16とともに、粘着剤層14bから剥離する工程と、
半導体素子16を被着体28上にフリップチップ接続する工程とをを少なくとも具備する。
[剥離工程]
まず、半導体装置用フィルム10から、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13を剥離する。
[マウント工程]
次に、図3(a)で示されるように、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13のフリップチップ型半導体裏面用フィルム16上に半導体ウエハ24を貼着して、これを接着保持させ固定する。このときフリップチップ型半導体裏面用フィルム16は未硬化状態(半硬化状態を含む)にある。また、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13は、半導体ウエハ24の裏面に貼着される。半導体ウエハ24の裏面とは、回路面とは反対側の面(非回路面、非電極形成面などとも称される)を意味する。貼着方法は特に限定されないが、圧着による方法が好ましい。圧着は、通常、圧着ロール等の押圧手段により押圧しながら行われる。
次に、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16の半導体ウエハ240への固定を強固にするために、必要に応じて、ベーキング(加熱)を行なう。このベーキングは、例えば80〜150℃、0.1〜24時間の条件で行なう。
[レーザーマーキング工程]
次に、図3(b)で示されるように、ダイシングテープ14側からレーザーマーキング用のレーザー36を用いて、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16にレーザーマーキングを行なう。レーザーマーキングの条件としては、特に限定されないが、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16に、レーザー[波長:532nm]を、強度:0.3W〜2.0Wの条件で照射することが好ましい。また、この際の加工深さ(深度)が2μm以上となるように照射することが好ましい。前記加工深さの上限は特に制限されないが、例えば、2μm〜25μmの範囲から選択することができ、好ましくは3μm以上(3μm〜20μm)であり、より好ましくは5μm以上(5μm〜15μm)である。レーザーマーキングの条件を前記数値範囲内とすることにより、優れたレーザーマーキング性が発揮される。
なお、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16のレーザー加工性は、構成樹脂成分の種類やその含有量、着色剤の種類やその含有量、架橋剤の種類やその含有量、充填材の種類やその含有量などによりコントロールすることができる。
[ダイシング工程]
次に、図3(c)で示されるように、半導体ウエハ24のダイシングを行う。これにより、半導体ウエハ24を所定のサイズに切断して個片化(小片化)し、半導体チップ26を製造する。ダイシングは、例えば、半導体ウエハ24の回路面側から常法に従い行われる。また、本工程では、例えば、ダイシングテープ14まで切込みを行うフルカットと呼ばれる切断方式等を採用できる。本工程で用いるダイシング装置としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。また、半導体ウエハ24は、半導体裏面用フィルムを有するダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13により優れた密着性で接着固定されているので、チップ欠けやチップ飛びを抑制できると共に、半導体ウエハ24の破損も抑制できる。
なお、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13のエキスパンドを行う場合、該エキスパンドは従来公知のエキスパンド装置を用いて行うことができる。エキスパンド装置は、ダイシングリングを介してダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13を下方へ押し下げることが可能なドーナッツ状の外リングと、外リングよりも径が小さくダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを支持する内リングとを有している。このエキスパンド工程により、後述のピックアップ工程において、隣り合う半導体チップ同士が接触して破損するのを防ぐことが出来る。
[ピックアップ工程]
ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13に接着固定された半導体チップ26を回収する為に、図3(d)で示されるように、半導体チップ26のピックアップを行って、半導体チップ26をフリップチップ型半導体裏面用フィルム16とともにダイシングテープ14より剥離させる。ピックアップの方法としては特に限定されず、従来公知の種々の方法を採用できる。例えば、個々の半導体チップ26をダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム13の基材14a側からニードルによって突き上げ、突き上げられた半導体チップ26をピックアップ装置によってピックアップする方法等が挙げられる。
なお、 粘着剤層14bを構成する粘着剤として放射線硬化型粘着剤(又はエネルギー線硬化型粘着剤)を用いる場合、紫外線を照射してからピックアップを行なうことが好ましい。これにより容易にピックアップを行なうことが可能となる。特に、前記レーザーマーキング工程においては、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16と粘着剤層14bとの界面に気泡が発生する場合がある。そのため、粘着剤層14bを構成する粘着剤として放射線硬化型粘着剤(又はエネルギー線硬化型粘着剤)を用い、レーザーマーキング工程の段階では粘着剤層14bとフリップチップ型半導体裏面用フィルム16とを強固に貼り付けて、気泡の発生を抑制しておき、ピックアップの際には、放射線(又はエネルギー線)を照射して、粘着力を低下させ、容易にピックアップを行なえるようにすることが好ましい。なお、ピックアップされた半導体チップ26は、その裏面がフリップチップ型半導体裏面用フィルム16により保護されている。
[フリップチップ接続工程]
ピックアップした半導体チップ26は、図3(e)で示されるように、基板等の被着体に、フリップチップボンディング方式(フリップチップ実装方式)により固定させる。具体的には、半導体チップ26を、半導体チップ26の回路面(表面、回路パターン形成面、電極形成面などとも称される)が被着体28と対向する形態で、被着体28に常法に従い固定させる。例えば、半導体チップ26の回路面側に形成されているバンプ51を、被着体28の接続パッドに被着された接合用の導電材(半田など)61に接触させて押圧しながら導電材を溶融させることにより、半導体チップ26と被着体28との電気的導通を確保し、半導体チップ26を被着体28に固定させることができる(フリップチップボンディング工程)。このとき、半導体チップ26と被着体28との間には空隙が形成されており、その空隙間距離は、一般的に30μm〜300μm程度である。尚、半導体チップ26を被着体28上にフリップチップボンディング(フリップチップ接続)した後は、半導体チップ26と被着体28との対向面や間隙を洗浄し、該間隙に封止材(封止樹脂など)を充填させて封止することが重要である。
被着体28としては、リードフレームや回路基板(配線回路基板など)等の各種基板を用いることができる。このような基板の材質としては、特に限定されるものではないが、セラミック基板や、プラスチック基板が挙げられる。プラスチック基板としては、例えば、エポキシ基板、ビスマレイミドトリアジン基板、ポリイミド基板等が挙げられる。
フリップチップボンディング工程において、バンプや導電材の材質としては、特に限定されず、例えば、錫−鉛系金属材、錫−銀系金属材、錫−銀−銅系金属材、錫−亜鉛系金属材、錫−亜鉛−ビスマス系金属材等の半田類(合金)や、金系金属材、銅系金属材などが挙げられる。
なお、フリップチップボンディング工程では、導電材を溶融させて、半導体チップ26の回路面側のバンプと、被着体28の表面の導電材とを接続させているが、この導電材の溶融時の温度としては、通常、260℃程度(例えば、250℃〜300℃)となっている。本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムは、半導体裏面用フィルムをエポキシ樹脂等により形成することにより、このフリップチップボンディング工程における高温にも耐えられる耐熱性を有するものとすることができる。
本工程では、半導体チップ26と被着体28との対向面(電極形成面)や間隙の洗浄を行うのが好ましい。当該洗浄に用いられる洗浄液としては、特に制限されず、例えば、有機系の洗浄液や、水系の洗浄液が挙げられる。本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムにおける半導体裏面用フィルムは、洗浄液に対する耐溶剤性を有しており、これらの洗浄液に対して実質的に溶解性を有していない。そのため、前述のように、洗浄液としては、各種洗浄液を用いることができ、特別な洗浄液を必要とせず、従来の方法により洗浄させることができる。
次に、フリップチップボンディングされた半導体チップ26と被着体28との間の間隙を封止するための封止工程を行う。封止工程は、封止樹脂を用いて行われる。このときの封止条件としては特に限定されないが、通常、175℃で60秒間〜90秒間の加熱を行うことにより、封止樹脂の熱硬化(リフロー)が行われるが、本発明はこれに限定されず、例えば165℃〜185℃で、数分間キュアすることができる。当該工程における熱処理においては、封止樹脂だけでなくフリップチップ型半導体裏面用フィルム16のフリップチップ型半導体裏面用フィルム16の熱硬化も同時に行ってもよい。この場合、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16を熱硬化させるための工程を新たに追加する必要がない。ただし、本発明においてはこの例に限定されず、封止樹脂の熱硬化よりも前に、別途、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16を熱硬化させる工程を行なってもよい。
前記封止樹脂としては、絶縁性を有する樹脂(絶縁樹脂)であれば特に制限されず、公知の封止樹脂等の封止材から適宜選択して用いることができるが、弾性を有する絶縁樹脂がより好ましい。封止樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物等が挙げられる。エポキシ樹脂としては、前記に例示のエポキシ樹脂等が挙げられる。また、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物による封止樹脂としては、樹脂成分として、エポキシ樹脂以外に、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂(フェノール樹脂など)や、熱可塑性樹脂などが含まれていてもよい。なお、フェノール樹脂としては、エポキシ樹脂の硬化剤としても利用することができ、このようなフェノール樹脂としては、前記に例示のフェノール樹脂などが挙げられる。
また、上述した実施形態では、半導体チップ26と被着体28との間の空隙を、液状の封止材(封止樹脂など)を充填させて封止する場合について説明したが本発明はこの例に限定されず、シート状樹脂組成物を用いてもよい。シート状樹脂組成物を用いて半導体チップと被着体との間の空隙を封止する方法については、例えば、特開2001−332520号公報等、従来公知の方法を採用することができる。従って、ここでの詳細な説明は省略する。
上述した実施形態では、ダイシング後に、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16を熱硬化させる場合について説明した。しかしながら、本発明は、この例に限定されず、ダイシング工程よりも前に、フリップチップ型半導体裏面用フィルム16を熱硬化させてもよい。この場合、当該熱硬化させる工程における熱により、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムが加熱されたとしても、ダイシングテープとフリップチップ型半導体裏面用フィルムとの間の剥離力の上昇が抑制されている。従って、ピックアップ工程における剥離不良が抑制される。
なお、前記封止工程の後、必要に応じて、熱処理(リフロー工程)を行ってもよい。この熱処理条件としては特に限定されないが、半導体技術協会(JEDEC)による規格に準じて行うことができる。例えば、温度(上限)が210〜270℃の範囲で、その時間が5〜50秒で行うことができる。当該工程により、半導体パッケージを基板(マザーボードなど)に実装することができる。
本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを用いて製造された半導体装置は、フリップチップ実装方式で実装された半導体装置であるので、ダイボンディング実装方式で実装された半導体装置よりも、薄型化、小型化された形状となっている。このため、各種の電子機器・電子部品又はそれらの材料・部材として好適に用いることができる。具体的には、本発明のフリップチップ実装の半導体装置が利用される電子機器としては、いわゆる「携帯電話」や「PHS」、小型のコンピュータ(例えば、いわゆる「PDA」(携帯情報端末)、いわゆる「ノートパソコン」、いわゆる「ネットブック(商標)」、いわゆる「ウェアラブルコンピュータ」など)、「携帯電話」及びコンピュータが一体化された小型の電子機器、いわゆる「デジタルカメラ(商標)」、いわゆる「デジタルビデオカメラ」、小型のテレビ、小型のゲーム機器、小型のデジタルオーディオプレイヤー、いわゆる「電子手帳」、いわゆる「電子辞書」、いわゆる「電子書籍」用電子機器端末、小型のデジタルタイプの時計などのモバイル型の電子機器(持ち運び可能な電子機器)などが挙げられるが、もちろん、モバイル型以外(設置型など)の電子機器(例えば、いわゆる「ディスクトップパソコン」、薄型テレビ、録画・再生用電子機器(ハードディスクレコーダー、DVDプレイヤー等)、プロジェクター、マイクロマシンなど)などであってもよい。また、電子部品又は、電子機器・電子部品の材料・部材としては、例えば、いわゆる「CPU」の部材、各種記憶装置(いわゆる「メモリー」、ハードディスクなど)の部材などが挙げられる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の要旨をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味する。
<半導体裏面用フィルムの作製>
アクリル酸ブチルーアクリロニトリルを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(商品名「SG−P3」、長瀬ケムテックス株式会社製)100部に対して、エポキシ樹脂(DIC社製、HP−4700)53部、フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851H)69部、球状シリカ(株式会社アドマテックス社製、SE−2050−MCV)153部、染料(ORIPAS B−35,オリエント化学工業製)7部をメチルエチルケトンに溶解して濃度23.6重量%となるように調整した。
この接着剤組成物の溶液を、剥離ライナとしてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布した後、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ25μmの半導体裏面用フィルムAを作製した。
<半導体裏面用フィルムのゲル分率の測定>
半導体裏面用フィルムAから約1.0gをサンプリングして精秤し(試料の重量)、該サンプルをメッシュ状シートで包んだ後、約50mlのエタノール中に室温で1週間浸漬させた。その後、溶剤不溶分(メッシュ状シートの内容物)をエタノールから取り出し、130℃で約2時間乾燥させ、乾燥後の溶剤不溶分を秤量し(浸漬・乾燥後の重量)、下記式(a)よりゲル分率(重量%)を算出した。その結果、ゲル分率は95重量%であった。
ゲル分率(重量%)=[(浸漬・乾燥後の重量)/(試料の重量)]×100 (a)
<半導体裏面用フィルムの23℃での引張貯蔵弾性率の測定>
半導体裏面用フィルムAの弾性率は、ダイシングテープに積層させずに、半導体裏面用フィルムAを作製し、レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置「Solid Analyzer RS A2」を用いて、引張モードにて、サンプル幅:10mm、サンプル長さ:22.5mm、サンプル厚さ:0.2mmで、周波数:1Hz、昇温速度:10℃/分、窒素雰囲気下、所定の温度(23℃)にて測定し、得られた引張貯蔵弾性率E’の値とした。その結果、23℃での引張貯蔵弾性率は4.1GPaであった。
<ダイシングテープの準備>
ダイシングテープAとして、日東電工(株)社製のV−8ARを準備した。なお、V−8ARは、厚さ65μmの基材(材質:塩化ビニル)と、厚さ10μmの粘着剤層とからなるダイシングテープである。
<セパレータの準備>
セパレータAとして、三菱化学ポリエステルフィルム株式会社社製のダイアホイルMRA38を準備した。なお、セパレータAは、材質が、ポリエチレンテレフタラートで、厚さが38μmである。
<半導体装置用フィルムの作成>
セパレータA、ダイシングテープA、及び、半導体裏面用フィルムAを用いて、上記実施形態に記載の方法により図1、図2で示されるような半導体装置用フィルムを作成した。この際、実施例1〜3、及び、比較例1〜2において、A〜Hの寸法のみ異ならせて半導体装置用フィルムを作成した。各実施例、比較例におけるA〜Hの寸法は以下の通りである。
(実施例1)
A:390mm
B:370mm
C:330mm
D:380mm
E:30mm
F:10mm
G:9.5mm
H:45mm
セパレータAに貼り付けたダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムの枚数:50枚
(実施例2)
A:390mm
B:370mm
C:330mm
D:380mm
E:30mm
F:10mm
G:5mm
H:45mm
セパレータAに貼り付けたダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムの枚数:50枚
(実施例3)
A:390mm
B:370mm
C:330mm
D:380mm
E:30mm
F:10mm
G:2mm
H:45mm
セパレータAに貼り付けたダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムの枚数:50枚
(比較例1)
A:390mm
B:370mm
C:330mm
D:380mm
E:30mm
F:10mm
G:1mm
H:45mm
セパレータAに貼り付けたダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムの枚数:50枚
(比較例2)
A:390mm
B:370mm
C:330mm
D:380mm
E:30mm
F:10mm
G:0mm
H:45mm
セパレータAに貼り付けたダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムの枚数:50枚
(巻き痕評価)
実施例、及び、比較例の半導体装置用フィルムを、直径が8.9cmの巻き芯に巻き取った。このときの半導体装置用フィルムに加えた巻き取り張力は、15N/mとした。その後、1週間の間、室温(25℃)で保存した。
保存後、巻き始めから数えて、1枚目のダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム(巻き芯に一番近いフィルム)を剥離した。次に、剥離したダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムにおける半導体裏面用フィルムについた巻き痕の最大深さを、触針式表面形状測定器を用いて測定した。巻き痕の最大深さが1μm以下である場合を〇、1μmを超える場合を×として評価した。結果を表1に示す。
Figure 2017123488
10 半導体装置用フィルム
11 巻き芯
12 セパレータ
13 ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルム
14 ダイシングテープ
16 フリップチップ型半導体裏面用フィルム
18 外側シート
24 半導体ウエハ
26 半導体素子
28 被着体
36 レーザー

Claims (6)

  1. 長尺のセパレータと、
    前記セパレータ上に、1列に所定の間隔をあけて配置された複数のダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムと、
    前記ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムよりも外側に配置され、且つ、前記セパレータの長辺を含むように、前記セパレータ上に積層された外側シートと
    を備え、
    前記ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムは、ダイシングテープと、前記ダイシングテープ上に、前記ダイシングテープからはみ出ない態様で積層されたフリップチップ型半導体裏面用フィルム(ただし、前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムは、平面視で多角形状である場合を除く)とを有する構成であり、
    前記セパレータと前記ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムとは、前記セパレータと前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムとを貼り合わせ面として積層されており、
    前記外側シートの最も幅の狭い部分の長さをG、前記セパレータの長辺から前記ダイシングテープまでの長さをFとしたとき、前記Gが、前記Fの0.2倍〜0.95倍の範囲内であり、
    前記ダイシングテープの直径をBとしたとき、前記Bが、270〜370mm(ただし、Bが270mmの場合を除く)であり、
    前記セパレータの幅をAとしたとき、前記Aが、290〜390mm(ただし、Aが350mm以下の場合を除く)であることを特徴とする半導体装置用フィルム。
  2. 前記Gは、2mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置用フィルム。
  3. 前記セパレータの長辺から前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムまでの長さをEとしたとき、前記Eが、前記Fの1倍〜5倍の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置用フィルム。
  4. 前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムの厚さは、5〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の半導体装置用フィルム。
  5. ロール状に巻回されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の半導体装置用フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1に記載の半導体装置用フィルムから、ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムを剥離する工程と、
    剥離した前記ダイシングテープ付きフリップチップ型半導体裏面用フィルムのフリップチップ型半導体裏面用フィルム上に、半導体ウエハを貼着する工程と、
    前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムにレーザーマーキングを行なう工程と、
    前記半導体ウエハをダイシングして半導体素子を形成する工程と、
    前記半導体素子を前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムとともに、前記粘着剤層から剥離する工程と、
    前記半導体素子を被着体上にフリップチップ接続する工程とを具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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