JP2017123470A - 接合装置、接合方法、半導体デバイスの製造方法、およびmemsデバイスの製造方法 - Google Patents
接合装置、接合方法、半導体デバイスの製造方法、およびmemsデバイスの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】コストを抑制することが可能な接合装置およびそれに関連する技術を提供する。
【解決手段】接合装置は、2つの保持部12,22と照射部11とを備える。2つの保持部12,22は、両被接合物91,92を互いに離間し且つ互いに対向した状態で保持する。照射部11は、2つの保持部12,22に保持された当該両被接合物91,92に対して、表面活性化処理用のエネルギー粒子を個別に且つ逐次的に照射する。その後、接合手段は、2つの保持部12,22を相対的に接近させて、2つの被接合物91,92を互いに接合する。
【選択図】図1
【解決手段】接合装置は、2つの保持部12,22と照射部11とを備える。2つの保持部12,22は、両被接合物91,92を互いに離間し且つ互いに対向した状態で保持する。照射部11は、2つの保持部12,22に保持された当該両被接合物91,92に対して、表面活性化処理用のエネルギー粒子を個別に且つ逐次的に照射する。その後、接合手段は、2つの保持部12,22を相対的に接近させて、2つの被接合物91,92を互いに接合する。
【選択図】図1
Description
本発明は、被接合物(シリコンウエハ等)の接合表面を活性化して接合する接合技術に関する。
2つの被接合物のそれぞれに対して表面活性化処理を施した後に当該2つの被接合物を互いに接合する接合技術が存在する(特許文献1,2等参照)。
特許文献1には、図64に示すような接合装置が記載されている。具体的には、下側の被接合物91を保持する下側の保持部12と、上側の被接合物92を保持する上側の保持部22を備えるとともに、2つのビーム照射部901、902が設けられている。一方のビーム照射部901はステージ12専用の照射部であり、ステージ12に保持された被接合物91に対してビームを照射する。他方のビーム照射部902はヘッド22専用の照射部であり、ヘッド22に保持された被接合物92に対してビームを照射する。ビーム照射部901は比較的上方の位置に固定され、ビーム照射部902は比較的下方の位置に固定されている。
このような従来技術(第1の従来技術とも称する)に係る接合装置によれば、両被接合物91,92に対して同時に表面活性化処理を施すことが可能である。
また、特許文献2においては、対向配置された被接合物に対して側方からイオンガン照射により表面活性化処理して接合する技術(第2の従来技術とも称する)が記載されている。この技術においては、照射部(イオンガン照射部)の対向面(チャンバ側壁)がエッチングされるとともに、ビームが指向性なく広がることにより周囲のチャンバー壁もエッチングされる。そして、このようなエッチングにより削り取られた金属が飛散した後に被接合物に付着する。このような技術は、金属を付着させたいデバイスには好適かもしれないが、多くのデバイスでは、絶縁性が重視され、このような金属付着(「メタルコンタミネーション」と称される)が問題になることが多い。
ところで、上記第1の従来技術の装置においては、非常に高価なビーム照射部を比較的多数(上記においては2つ)設けることを要するため、装置コストが非常に高くなるという問題が存在する。
そこで、この発明は、コストを抑制することが可能な接合装置およびそれに関連する技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、接合装置であって、第1の被接合物を保持する第1の保持部と、前記第1の被接合物から離間し且つ前記第1の被接合物に対向した状態で第2の被接合物を保持する第2の保持部と、前記第1の保持部に保持された前記第1の被接合物と前記第2の保持部に保持された前記第2の被接合物との両被接合物に対して表面活性化処理用のエネルギー粒子を個別に且つ逐次的に照射する照射部と、前記第1の保持部と前記第2の保持部とを相対的に接近させて、前記第1の被接合物と前記第2の被接合物とを接合する接合手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る接合装置において、前記第1の保持部と前記第2の保持部と前記照射部とは同一チャンバ内に配置されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る接合装置において、前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において、前記第1の保持部から離間した前記第2の保持部側の第1の位置と前記第2の保持部から離間した前記第1の保持部側の第2の位置との間で前記照射部を移動する駆動手段、をさらに備え、前記照射部は、前記第1の位置から前記第1の被接合物に向けてエネルギー粒子を照射し、前記第2の位置から前記第2の被接合物に向けてエネルギー粒子を照射することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明に係る接合装置において、前記第1の被接合物の接合表面に平行な回転軸回りに前記照射部を揺動する揺動手段、をさらに備え、前記照射部は、前記揺動手段による前記回転軸回りの揺動動作を伴いつつ前記第1の被接合物に向けてエネルギー粒子を照射することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の発明に係る接合装置において、前記照射部の揺動速度は、前記照射部と前記照射部によりエネルギー粒子が照射されている照射領域との相互間距離に応じて変更されることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4または請求項5の発明に係る接合装置において、前記照射部の揺動速度は、前記照射部により照射されるエネルギー粒子の照射対象物表面に対する入射角度に応じて変更されることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項4の発明に係る接合装置において、前記照射部の揺動動作における揺動角度の変更に伴って、前記照射部の揺動速度は、前記照射部によりエネルギー粒子が照射されている照射領域におけるエネルギー粒子の照射強度と前記揺動動作に伴う前記照射領域の移動速度とが反比例するように、変更されることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項4ないし請求項7のいずれかの発明に係る接合装置において、前記照射部は、前記回転軸に平行な方向に配列される複数の単位照射部を有することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8の発明に係る接合装置において、前記第1の被接合物の接合表面は、前記複数の単位照射部にそれぞれ対応する複数の帯状領域を合成した領域で近似され、前記第1の被接合物に対する照射処理において、前記複数の単位照射部は、それぞれ、前記複数の帯状領域のうち担当帯状領域に向けてエネルギー粒子を照射することを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項9の発明に係る接合装置において、前記複数の単位照射部は、複数の照射ユニットに分離して設けられ、前記複数の照射ユニットは、それぞれ、互いに独立して前記揺動動作を行うことが可能であることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項9の発明に係る接合装置において、前記複数の単位照射部は、1つの照射ユニットに設けられて同時に揺動されつつ、互いに独立してエネルギー粒子の照射状態と非照射状態とを切り換えることにより、前記複数の帯状領域のうちの各担当帯状領域に向けてエネルギー粒子を照射することを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかの発明に係る接合装置において、前記照射部は、前記第1の被接合物が前記第1の保持部と前記第2の保持部との両保持部のうちの一の保持部に保持された状態で、前記第1の被接合物に対する表面活性化処理が施され、前記第1の被接合物が前記一の保持部に保持され且つ前記第1の被接合物に対するスパッタリング処理用のターゲット部材が前記両保持部のうちの他の保持部に保持された状態で、前記ターゲット部材に向けてエネルギー粒子を照射することにより前記第1の被接合物に対するスパッタリング処理を施すことを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項12の発明に係る接合装置において、前記照射部は、前記第1の被接合物に対して前記スパッタリング処理が施され且つ前記他の保持部に保持されていた前記ターゲット部材が取り外された後に、前記第1の保持部に保持された前記第1の被接合物と前記第2の保持部に保持された前記第2の被接合物との両被接合物に対して表面活性化処理用のエネルギー粒子を個別に且つ逐次的に照射することを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明に係る接合装置において、前記第1の被接合物の接合表面に平行な回転軸回りに前記照射部を揺動する揺動手段、をさらに備え、前記照射部は、前記第1の被接合物が前記第1の保持部と前記第2の保持部との両保持部のうちの一の保持部に保持された状態で、前記第1の被接合物に対する表面活性化処理を施し、前記第1の被接合物が前記一の保持部に保持され且つ前記第1の被接合物に対するスパッタリング処理用のターゲット部材が前記両保持部のうちの他の保持部に保持された状態で、前記揺動手段による前記回転軸回りの揺動動作を伴いつつ前記ターゲット部材に向けてエネルギー粒子を照射することにより前記第1の被接合物に対するスパッタリング処理を施し、前記ターゲット部材における第1の領域であって前記照射部に比較的近い側の第1の領域に前記エネルギー粒子が照射されるときの前記照射部の揺動速度は、前記ターゲット部材における第2の領域であって前記照射部から比較的遠い側の第2の領域に前記エネルギー粒子が照射されるときの前記照射部の揺動速度よりも大きく設定されることを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかの発明に係る接合装置において、前記照射部は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との両保持部のうちの一の保持部の近傍に配置されたターゲット部材に向けてエネルギー粒子を照射することにより、前記ターゲット部材で反射されたエネルギー粒子とともに前記ターゲット部材の構成材料を、前記両保持部のうちの他の保持部に保持されたスパッタリング対象物であって前記第1の被接合物および前記第2の被接合物のいずれかであるスパッタリング対象物に向けて飛散させて、前記スパッタリング対象物に対するスパッタリング処理を行うことを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項15の発明に係る接合装置において、前記照射部は、前記両保持部の離間方向に移動しつつ且つ当該照射部の姿勢角度を変更しつつ前記ターゲット部材に向けてエネルギー粒子を照射することにより、前記ターゲット部材で反射されたエネルギー粒子とともに前記ターゲット部材の構成材料を前記スパッタリング対象物に向けて飛散させて前記スパッタリング対象物に対するスパッタリング処理を行うことを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項15の発明に係る接合装置において、前記照射部は、前記ターゲット部材の姿勢角度を変更させつつ前記ターゲット部材に向けてエネルギー粒子を照射することにより、前記ターゲット部材で反射されたエネルギー粒子とともに前記ターゲット部材の構成材料を前記スパッタリング対象物に向けて飛散させて前記スパッタリング対象物に対するスパッタリング処理を行うことを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項1ないし請求項17のいずれかの発明に係る接合装置において、前記照射部は、原子ビームを照射する原子ビーム照射部を有することを特徴とする。
請求項19の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかの発明に係る接合装置において、前記照射部と前記第1の保持部との間に設けられ、前記照射部から前記第1の保持部への前記エネルギー粒子の照射を遮断する遮断部材、をさらに備えることを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項19の発明に係る接合装置において、前記照射部は、前記エネルギー粒子の初期放出状態が安定するまで、前記第2の保持部に向けるのではなく、前記第1の保持部と前記照射部との間に設けられた前記遮断部材に向けて前記エネルギー粒子を照射することを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項20の発明に係る接合装置において、前記遮断部材は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において前記第2の保持部から離間した前記第1の保持部側の所定位置であって前記照射部と前記第1の保持部との間の所定位置に設けられ、前記エネルギー粒子の初期放出状態が安定するまで前記照射部から前記第1の保持部への前記エネルギー粒子の照射を遮断し、前記照射部は、前記エネルギー粒子の初期放出状態が安定した後に、その姿勢角度が変更された前記遮断部材をターゲット部材として用い、前記照射部の位置および姿勢を変更して当該ターゲット部材に向けて前記エネルギー粒子を照射し、前記ターゲット部材で反射されたエネルギー粒子とともに前記ターゲット部材の構成材料を、前記第2の保持部に保持されたスパッタリング対象物であって前記第1の被接合物および前記第2の被接合物のいずれかであるスパッタリング対象物に向けて飛散させて、前記スパッタリング対象物に対するスパッタリング処理を行うことを特徴とする。
請求項22の発明は、請求項19の発明に係る接合装置において、前記遮断部材は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において前記第2の保持部から離間した前記第1の保持部側の所定位置であって、前記照射部と前記第1の保持部との間の所定位置に設けられ、前記照射部は、前記所定位置から前記第2の保持部に向けて前記エネルギー粒子を照射することを特徴とする。
請求項23の発明は、請求項20の発明に係る接合装置において、前記遮断部材は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において前記第2の保持部から離間した前記第1の保持部側の所定位置であって、前記照射部と前記第1の保持部との間の所定位置に設けられ、前記照射部は、前記エネルギー粒子の初期放出状態が安定した後に、当該照射部の照射角度を変更することにより、前記第1の保持部への前記エネルギー粒子の照射が前記遮断部材によって遮断される状態を維持しつつ、前記第2の保持部に保持された前記第2の被接合物に向けて前記エネルギー粒子を照射することを特徴とする。
請求項24の発明は、接合方法であって、a)接合装置に設けられた一の照射部によって、前記接合装置の第1の保持部に保持された第1の被接合物と、前記第1の被接合物から離間し且つ前記第1の被接合物に対向した状態で前記接合装置の第2の保持部に保持された第2の被接合物との両被接合物に対してエネルギー粒子を個別に且つ逐次的に照射するステップと、b)前記第1の保持部と前記第2の保持部とを相対的に接近させて、前記第1の被接合物と前記第2の被接合物とを接合するステップと、を備えることを特徴とする。
請求項25の発明は、請求項24の発明に係る接合方法において、前記ステップa)は、a−1)前記第1の保持部よりも前記第2の保持部側に近い第1の位置から、前記第1の保持部に保持された前記第1の被接合物に向けて、前記一の照射部によってエネルギー粒子を照射することにより、前記第1の被接合物に対して表面活性化処理を施すステップと、a−2)前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において、前記第1の位置から、前記第2の保持部よりも前記第1の保持部側に離間した第2の位置へと前記一の照射部を移動させるステップと、a−3)前記第2の位置から、前記第2の保持部に保持された前記第2の被接合物に向けて、前記一の照射部によってエネルギー粒子を照射することにより、前記第2の被接合物に対して表面活性化処理を施すステップと、を有することを特徴とする。
請求項26の発明は、請求項24または請求項25の発明に係る接合方法において、c)前記ステップa)に先立って、前記第1の被接合物および前記第2の被接合物のいずれかであるスパッタリング対象物に対するスパッタリング処理を施すステップ、を備え、前記ステップc)は、c−1)前記第1の保持部と前記第2の保持部との両保持部のうちの一の保持部に保持されたスパッタリング対象物に向けて前記一の照射部によってエネルギー粒子を照射することにより表面活性化処理を施すステップと、c−2)スパッタリング処理用のターゲット部材が前記両保持部のうちの他の保持部に保持された状態で、前記ターゲット部材に向けてエネルギー粒子を照射することにより、前記ターゲット部材で反射されたエネルギー粒子とともに前記ターゲット部材の構成材料を前記スパッタリング対象物に向けて飛散させて、前記スパッタリング対象物に対するスパッタリング処理を施すステップと、を有することを特徴とする。
請求項27の発明は、請求項26の発明に係る接合方法において、前記ステップc−2)においては、前記スパッタリング対象物の表面に平行な回転軸回りに前記一の照射部を揺動する揺動動作を伴いつつ、前記一の照射部によって前記ターゲット部材に向けてエネルギー粒子が照射され、前記ターゲット部材における第1の領域であって前記一の照射部に比較的近い側の第1の領域に前記エネルギー粒子が照射されるときの前記一の照射部の揺動速度は、前記ターゲット部材における第2の領域であって前記一の照射部から比較的遠い側の第2の領域に前記エネルギー粒子が照射されるときの前記一の照射部の揺動速度よりも大きく設定されることを特徴とする。
請求項28の発明は、請求項24ないし請求項27のいずれかの発明に係る接合方法によって接合され製造された半導体デバイスであることを特徴とする。
請求項29の発明は、請求項24ないし請求項27のいずれかの発明に係る接合方法によって接合され製造されたMEMSデバイスであることを特徴とする。
請求項1ないし請求項23に記載の発明によれば、1つの照射部によって2つの異なる被接合物に対してエネルギー粒子の照射が個別に且つ逐次的に行われ、両被接合物に対する表面活性化処理が実行されるので、高価な照射部の設置数を低減することが可能である。したがって、コストを低減することが可能である。
特に、請求項2によれば、同一チャンバ内において第1の保持部と第2の保持部と照射部とが配置され、両被接合物はチャンバから搬出されることなく第1の保持部と第2の保持部とにそれぞれ保持された被接合物に対して、照射部による照射処理が行われる。したがって、両被接合物はチャンバから搬出されることなくチャンバ内にて接合されるので、真空度の高い状態で短時間のうちに接合することが可能であり、表面活性化された表面に浮遊粒子が再吸着されて良好な接合が妨げられることを防止できる。その結果、非常に良好な状態で両被接合物が接合され、高い接合強度を得ることが可能である。
また特に、請求項3に記載の発明によれば、照射部は、第1の保持部から離間した第2の保持部側の第1の位置と第2の保持部から離間した第1の保持部側の第2の位置との間で移動され、第1の位置から第1の被接合物に向けてエネルギー粒子を照射し、第2の位置から第2の被接合物に向けてエネルギー粒子を照射するので、第1の被接合物および第2の被接合物のそれぞれに対して比較的正面からエネルギー粒子を照射することができる。したがって、接合表面内における照射の均一性を向上させることが可能である。
また特に、請求項4に記載の発明によれば、照射部は、揺動手段による回転軸回りの揺動動作を伴いつつ第1の被接合物に向けてエネルギー粒子を照射するので、接合表面内での照射の均一性を向上させることが可能である。また、比較的大きな被接合物に対しても、良好に均一化された照射処理を施すことが可能である。
また特に、請求項5、請求項6および請求項7に記載の発明によれば、接合表面における照射量の均一化をさらに図ることが可能である。
また特に、請求項8に記載の発明によれば、単位照射部の配列方向にも照射対象領域を拡大することが可能である。
また特に、請求項9に記載の発明によれば、第1の被接合物の接合表面は、複数の単位照射部にそれぞれ対応する複数の帯状領域を合成した領域で近似され、複数の単位照射部は、それぞれ、複数の帯状領域のうち担当帯状領域に向けてエネルギー粒子を照射するので、周辺部材への不要なビーム照射に起因するメタルコンタミネーションの発生等を抑制することが可能である。
また特に、請求項12に記載の発明によれば、接合装置内においてスパッタリング処理を行うことも可能である。
また特に、請求項15に記載の発明によれば、メタルコンタミネーションを抑制することが可能である。
また特に、請求項18に記載の発明によれば、高い指向性を有する原子ビーム照射を利用することによって、不要な領域に対するビーム照射を抑制することができる。その結果、チャンバー壁をエッチングして被接合物に不純物を付着させてしまうようなメタルコンタミネーションを抑制することもできる。
また特に、請求項19に記載の発明によれば、遮断部材によって照射部から第1の保持部へのエネルギー粒子の照射が遮断されるので、第1の保持部に対する不要なエネルギー粒子の照射を回避ないし抑制することができる。
また特に、請求項20に記載の発明によれば、第1の保持部および第2の保持部の双方に対する不要なエネルギー粒子の照射を回避ないし抑制することが可能である。
また特に、請求項21に記載の発明によれば、遮断部材をターゲット部材として用いてスパッタリング処理を行うこともできる。
また特に、請求項22および請求項23に記載の発明によれば、第1の保持部に対する不要なエネルギー粒子の照射を回避ないし抑制しつつ、第2の保持部に対してエネルギー粒子を照射することができる。
また、請求項24ないし請求項29に記載の発明によれば、一の照射部によって2つの異なる被接合物に対してエネルギー粒子の照射が個別に且つ逐次的に行われ、両被接合物に対する表面活性化処理が実行されるので、高価な照射部の設置数を低減することが可能である。したがって、製造コストを低減することが可能である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.装置構成>
<概要>
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る接合装置1(1Aとも称する)を示す図である。図1および図2は接合装置1の縦断面図であり、図1および図2は互いに異なる縦断面における縦断面図である。なお、各図においては、便宜上、XYZ直交座標系を用いて方向等を示している。
<1−1.装置構成>
<概要>
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る接合装置1(1Aとも称する)を示す図である。図1および図2は接合装置1の縦断面図であり、図1および図2は互いに異なる縦断面における縦断面図である。なお、各図においては、便宜上、XYZ直交座標系を用いて方向等を示している。
この接合装置1は、減圧下のチャンバ(真空チャンバ)2内で、被接合物91の接合表面と被接合物92の接合表面とを原子ビーム照射等で活性化させた後に両被接合物91,92を接合する装置である。この接合装置1によれば、両被接合物91,92の接合表面に対して表面活性化処理を施し、当該両被接合物91,92を固相接合することが可能である。
接合装置1は、両被接合物91,92の処理空間である真空チャンバ2と、当該真空チャンバ2に連結されたロードロックチャンバ3と反転部4とを備える(図2参照)。真空チャンバ2は、排気管と排気弁とを介して真空ポンプに接続されている。真空ポンプの吸引動作に応じて真空チャンバ2内の圧力が低減(減圧)されることによって、真空チャンバ2は真空状態にされる。ロードロックチャンバ3および反転部4内も同様に真空状態にされる。ただし、真空チャンバ2の真空度は、ロードロックチャンバ3および反転部4の真空度(たとえば、「高真空」)よりも高い真空度(たとえば、「超高真空」(10−8Pa(パスカル)〜10−6Pa(パスカル)程度の圧力状態))であることが好ましい。
<ヘッドおよびステージ>
接合装置1は、比較的上側のヘッド22と比較的下側のステージ12とを真空チャンバ2内に備えている。ヘッド22は、上側の被接合物92を保持する保持部材(保持部)であり、ステージ12は、下側の被接合物91を保持する保持部材(保持部)である。ヘッド22は、その下面側に保持機構(静電チャック等)を有しており、ステージ12は、その上面側に保持機構(静電チャック等)を有している。両被接合物91,92は、ステージ12およびヘッド22(詳細にはそれぞれの保持機構)によって、略水平平面に平行に保持される。
接合装置1は、比較的上側のヘッド22と比較的下側のステージ12とを真空チャンバ2内に備えている。ヘッド22は、上側の被接合物92を保持する保持部材(保持部)であり、ステージ12は、下側の被接合物91を保持する保持部材(保持部)である。ヘッド22は、その下面側に保持機構(静電チャック等)を有しており、ステージ12は、その上面側に保持機構(静電チャック等)を有している。両被接合物91,92は、ステージ12およびヘッド22(詳細にはそれぞれの保持機構)によって、略水平平面に平行に保持される。
ヘッド22は、Z軸昇降駆動機構26(図1)によってZ方向に移動(昇降)される。ステージ12とヘッド22とがZ方向に相対的に移動することによって、ステージ12に保持された被接合物91とヘッド22に保持された被接合物92とが接触し加圧されて接合される。すなわち、両被接合物91,92は、ヘッド22およびZ軸昇降駆動機構26等によって、互いに接触され加圧される。なお、Z軸昇降駆動機構26は、圧力検出センサ(ロードセル等)により検出された信号に基づいて、接合時の加圧力を制御することも可能である。
ステージ12は、位置調整機構50の駆動に応じてX方向およびY方向に移動(並進移動)することができる。また、ステージ12は、位置調整機構50の駆動に応じてθ方向(Z軸に平行な軸回りの回転方向)に移動(回転移動)することも可能である。
<ビーム照射部>
また、この接合装置1は、2つの被接合物91,92を接合する前に、当該両被接合物91,92の表面を活性化させる表面活性化処理をも行う。そのため、この接合装置1は、表面活性化装置であるとも表現される。具体的には、接合装置1はビーム照射部11を有している。このビーム照射部11によって各種のエネルギー粒子(エネルギー波あるいはエネルギービーム(ないし単にビーム)とも称する)が当該両被接合物91,92の表面に付与されることによって、両被接合物91,92の表面の不純物が除去(洗浄)されるとともに、当該表面が活性化される。より詳細には、たとえばアルゴンを用いた原子ビーム処理による表面活性化処理が実行される。
また、この接合装置1は、2つの被接合物91,92を接合する前に、当該両被接合物91,92の表面を活性化させる表面活性化処理をも行う。そのため、この接合装置1は、表面活性化装置であるとも表現される。具体的には、接合装置1はビーム照射部11を有している。このビーム照射部11によって各種のエネルギー粒子(エネルギー波あるいはエネルギービーム(ないし単にビーム)とも称する)が当該両被接合物91,92の表面に付与されることによって、両被接合物91,92の表面の不純物が除去(洗浄)されるとともに、当該表面が活性化される。より詳細には、たとえばアルゴンを用いた原子ビーム処理による表面活性化処理が実行される。
この接合装置1においては、単一のビーム照射部11を用いて表面活性化処理等が実行される。図1に示すように、ビーム照射部11は、真空チャンバ2内において、両被接合物91,92の保持部12,22よりも右側(+X側)側方に設けられている。
また、ビーム照射部11は、イオン化された特定物質(たとえばアルゴン)を電界で加速し被接合物の接合表面に向けて当該特定物質を放出することにより、被接合物の接合表面を活性化する。換言すれば、ビーム照射部11は、被接合物の接合表面に向けてエネルギー波(ないしエネルギー粒子とも称される)を照射することによって、両被接合物91,92の接合表面を活性化する。すなわち、ビーム照射部11は、表面活性化処理用のビーム照射部として機能する。そのため、ビーム照射部11は、エネルギー粒子照射部とも称される。
なお、ここでは、表面活性化処理としてビーム照射処理を例示すると共に、当該ビーム照射処理として原子ビーム照射処理(換言すれば、ビーム照射部11として原子ビーム照射部)を例示するが、これに限定されない。
具体的には、ビーム照射処理としては、イオンビーム照射処理等が採用されてもよい。
ここで、原子ビーム照射処理においては、イオン化された特定物質(アルゴン等)が電界で加速された後に、ビーム照射部内で供給された電荷と直ちに結合して、その電気特性が中和される。そして、電気的に中和された特定物質が高速で被接合物へと向かう。
ここで、原子ビーム照射処理においては、イオン化された特定物質(アルゴン等)が電界で加速された後に、ビーム照射部内で供給された電荷と直ちに結合して、その電気特性が中和される。そして、電気的に中和された特定物質が高速で被接合物へと向かう。
一方、イオンビーム照射においては、イオン化された特定物質(アルゴン等)が電界で加速された後にイオン化されたまま放出される。そして、当該特定物質はイオン状態のまま被接合物へと向かう。なお、イオン状態のアルゴン等は、被接合物の表面に到達するまでに電荷と結合して電気的に中和される。
このように、イオンビームと原子ビームとでは、その電気的中和のタイミングが異なっているが、イオン化された特定物質(アルゴン等)が電界で加速される点で共通する。そして、加速された特定物質が高速で接合表面に衝突することによって表面活性化処理が実行される点でも共通する。
また、ここでは、ビーム照射(エネルギー粒子照射)に用いられる特定物質としてアルゴンが主に例示されているが、これに限定されない。たとえば、その他の不活性ガス(クリプトン(Kr)あるいはキセノン(Xe)等)が、エネルギー粒子照射における特定物質として用いられても良い。
このビーム照射部11は、駆動機構60(詳細にはその並進移動機構)によって上下方向に並進移動することが可能であるとともに、駆動機構60(詳細にはその揺動機構)によってY軸に平行な軸AY回りに揺動運動(回動)することも可能である。
ビーム照射部11は、駆動機構60による駆動動作に応じて、比較的上方の位置PG1(図10参照)と比較的下方の位置PG2(図12参照)との間を鉛直方向(Z方向)において移動することが可能である。位置PG1は、Z方向においてステージ12から上方に離間したヘッド22側の位置である。位置PG1は、Z方向においてステージ12よりもヘッド22に近い位置であるとも表現される。一方、位置PG2は、Z方向においてヘッド22から下方に離間したステージ12側の位置である。位置PG2は、Z方向においてヘッド22よりもステージ12に近い位置であるとも表現される。なお、Z方向(鉛直方向)は、ステージ12とヘッド22との離間方向あるいは対向方向であるとも表現される。
また、ビーム照射部11は、駆動機構60による駆動動作に応じて、Y軸に平行な軸AYを中心として揺動することが可能である。ビーム照射部11が当該軸AUを中心として揺動すると、ビーム照射部11のビーム照射口から照射されるビームの出射方向が変更される。
図10に示すように、ビーム照射部11が真空チャンバ2内の+X側上方の位置PG1に配置されるときには、ビーム照射部11が斜め下方を向くようにビーム照射部11の姿勢角度(揺動角度)が調整される。これにより、ビーム照射部11は、上方の位置PG1から斜め下方に向けて(詳細にはステージ12に保持された被接合物91の接合表面に向けて)ビーム(エネルギー粒子)を照射することができる。
一方、図12にも示すように、ビーム照射部11が真空チャンバ2内の+X側下方の位置PG2に配置されるときには、ビーム照射部11が斜め上方を向くようにビーム照射部11の姿勢角度が調整される。これにより、ビーム照射部11は、下方の位置PG2から斜め上方に向けて(詳細にはヘッド22に保持された被接合物92の接合表面に向けて)ビーム(エネルギー粒子)を照射することができる。
また、ここでは、図3の詳細図に示すように、駆動機構60(60Aとも称する)は二重シャフト65を用いた駆動機構(二重シャフト式の駆動機構とも称する)として構成されている。鉛直方向に伸延して配置される二重シャフト65のうち外周側円管状シャフト(上下可動部)63の上下移動により、上下方向(Z方向)におけるビーム照射部11の並進運動が実現され、ビーム照射部11の上下方向位置が変更される。また、二重シャフトのうち内周側シャフト(上下可動部)64の上下移動により、ビーム照射部11の所定軸AY回りの回転運動(揺動運動)が実現され、ビーム照射部11の姿勢角度が変更される。
駆動機構60は、Z方向第1駆動部61とZ方向第2駆動部62とを有している。Z方向第1駆動部61は、外周側円管状シャフト63をZ方向(鉛直方向)に駆動し、Z方向第2駆動部62は、内周側円柱軸部をZ方向(鉛直方向)に駆動する。
詳細には、外周側円管状シャフト63は、連結部67を介してZ方向第1駆動部61に接続されており、Z方向第1駆動部61によるZ方向駆動動作に応じてZ方向(上下方向)に駆動される。Z方向第1駆動部61の駆動動作に応じて、外周側円管状シャフト63の下端側に接続されたビーム照射部11は、上下方向に移動される。詳細には、ビーム照射部11は、比較的上方の位置PG1と比較的下方の位置PG2との間で移動する(図12も参照)。なお、ビーム照射部11は、軸AY回りに回動可能な状態で、外周側円管状シャフト63に対して接続されている。
内周側シャフト64は、連結部68を介してZ方向第2駆動部62に接続されており、Z方向第2駆動部62によるZ方向駆動動作に応じてZ方向(上下方向)に駆動される。内周側シャフト64は、その下端側において、ビーム照射部11から右側に向けて突出して設けられたリンク機構部(スライダリンク機構部)11Lに接続されている。Z方向第2駆動部62の駆動動作に応じた内周側シャフト64の上下方向における移動動作は、下端側のリンク機構部11Lを介して、ビーム照射部11の軸AY回りにおける回動(揺動)動作に変換される。この結果、ビーム照射部11は、斜め下向きの姿勢角度を有する状態と斜め上向きの姿勢角度を有する状態との間で遷移する。
なお、Z方向第2駆動部62はZ方向第1駆動部61の連結部67(外周側円管状シャフト63との連結部分)に固定されており、Z方向第2駆動部62はZ方向第1駆動部61の駆動によって内周側シャフト64ともに上下方向に移動する。さらに、Z方向第2駆動部62の上下方向の駆動動作によって、内周側シャフト64が外周側円管状シャフト63に対してZ方向に相対的に駆動される。
また、真空チャンバ2の密閉状態を確保するため、ベローズ69が適宜の位置に設けられている。
<位置認識部>
また、接合装置1は、被接合物91,92の水平位置(詳細にはX,Y,θ)を認識する位置認識部28(図8も参照)をさらに備えている。位置認識部28による位置認識結果等に基づいて両被接合物91,92の相互間の位置合わせ動作(アライメント動作)が実行される。
また、接合装置1は、被接合物91,92の水平位置(詳細にはX,Y,θ)を認識する位置認識部28(図8も参照)をさらに備えている。位置認識部28による位置認識結果等に基づいて両被接合物91,92の相互間の位置合わせ動作(アライメント動作)が実行される。
図1および図8等に示すように、位置認識部28は、被接合物等に関する光像を画像データとして取得する撮像部(カメラ)28M,28Nを有する。撮像部28M,28Nは、それぞれ、同軸照明系を有している。なお、撮像部28M,28Nの各同軸照明系の光源としては、被接合物91等を透過する光(例えば赤外光)が用いられる。
ここにおいて、図4および図5に示すように、両被接合物91,92には、それぞれ、位置合わせ用のマーク(以下、アライメントマークなどとも称する)MKが付されている。例えば、一方の被接合物91に2つのアライメントマークMK1a,MK1b(図4参照)が設けられ、他方の被接合物92にも2つのアライメントマークMK2a,MK2b(図5参照)が設けられる。
両被接合物91,92の位置合わせ動作(アライメント動作)は、位置認識部(カメラ等)28により、両被接合物91,92に付された各アライメントマークMKの位置を認識することによって実行される。
より詳細には、図8に示すように、両被接合物91,92が互いに近接した状態において、撮像部28Mにおける同軸照明系の光源(不図示)から出射された光は、ミラー28eで反射されてその進行方向が変更され上方に進行する。当該光は、さらに、ステージ12の中央の透光部および被接合物91の一部(あるいは全部)を透過した後に両被接合物91,92の各マークMK1a,MK2aで反射されると、今度は逆向き(下向き)に進行する。そして、再び、ステージ12の中央の透光部等を透過してミラー28eで反射されて、その進行方向が左向きに変更され、撮像部28M内の撮像素子に到達する。位置認識部28は、このようにして両被接合物91,92に関する光像(マークMK1a,MK2aを含む画像)を撮影画像GAa(図6参照)として取得し、当該画像GAaに基づいて両被接合物91,92に付された或る1組のマーク(MK1a,MK2a)の位置を認識するとともに、当該1組のマーク(MK1a,MK2a)相互間の位置ずれ量(Δxa,Δya)を求める(図7参照)。図7は、1組のマークMK1a,MK2aが互いにずれている状態を示す図である。
同様に、撮像部28Nにおける同軸照明系の光源(不図示)から出射された光は、ミラー28fで反射されてその進行方向が変更され上方に進行する。当該光は、さらに、ステージ12の中央の透光部および被接合物91の一部あるいは全部を透過した後に両被接合物91,92の各マークMK1b,MK2bで反射されると、今度は逆向き(下向き)に進行する。そして、再び、ステージ12の中央の透光部等を透過してミラー28fで反射されて、その進行方向が右向きに変更され、撮像部28N内の撮像素子に到達する。位置認識部28は、このようにして両被接合物91,92に関する光像(マークMK1b,MK2bを含む画像)を撮影画像GAb(図6参照)として取得し、当該画像GAbに基づいて両被接合物91,92に付された他の1組のマーク(MK1b,MK2b)の位置を認識するとともに、当該1組のマーク(MK1b,MK2b)相互間の位置ずれ量(Δxb,Δyb)を求める。なお、ここでは、撮像部28M,28Nによる撮影画像GAa,GAbの撮影動作は、ほぼ同時に実行される。
その後、位置認識部28は、これら2組のマークの位置ずれ量(Δxa,Δya),(Δxb,Δyb)と2組のマークの幾何学的関係とに基づいて、X方向、Y方向およびθ方向における両被接合物91,92の相対的ずれ量ΔD(詳細にはΔx,Δy,Δθ)を算出(検出)する。そして、後述するように、位置認識部28により認識された当該相対的ずれ量ΔDが低減されるように、ステージ12が2つの並進方向(X方向およびY方向)と回転方向(θ方向)とに駆動される。これにより、両被接合物91,92が略水平平面に平行な方向に相対的に移動され、上記の位置ずれ量ΔDが補正される。
このようにして、略鉛直方向(Z方向)に垂直な平面(略水平平面)内における位置ずれ量ΔD(詳細にはΔx,Δy,Δθ)が測定(検出)され、当該位置ずれ量ΔDを補正するアライメント動作(位置合わせ動作)が実行される。このような測定動作(検出動作)およびアライメント動作は、コントローラ100の制御下において実行される。
なお、その後、ヘッド22はZ軸昇降駆動機構26により、図8の状態から更に鉛直下方に移動され、両被接合物91,92が接触し加圧される。これにより、両被接合物91,92は接合される。
また、接合装置1は、コントローラCTを備えている。接合装置1における各種の動作は、当該コントローラCTの制御下において実行される。コントローラCTは、例えば、後述する各種の処理(減圧処理、表面活性化処理、駆動処理および加圧処理等)を制御する。
<1−2.動作>
次に、接合装置1における接合動作について、図9のフローチャートおよび図10〜図14の模式図を参照しながら説明する。図10〜図14は、当該接合動作(接合方法)における時系列の各工程を順次に示す図である。なお、図10〜図14においては、ステージ12、ヘッド22およびビーム照射部11以外の装置構成要素の図示を適宜省略している。
次に、接合装置1における接合動作について、図9のフローチャートおよび図10〜図14の模式図を参照しながら説明する。図10〜図14は、当該接合動作(接合方法)における時系列の各工程を順次に示す図である。なお、図10〜図14においては、ステージ12、ヘッド22およびビーム照射部11以外の装置構成要素の図示を適宜省略している。
図9に示すように、この第1実施形態においては、
(S1)一方の被接合物91に対する表面活性化処理(図10および図11参照)、
(S2)ビーム照射部11の移動(図12参照)、
(S3)他方の被接合物92に対する表面活性化処理(図13参照)、
(S4)両被接合物91,92の接合処理(図14参照)、
がこの順序で実行される。
(S1)一方の被接合物91に対する表面活性化処理(図10および図11参照)、
(S2)ビーム照射部11の移動(図12参照)、
(S3)他方の被接合物92に対する表面活性化処理(図13参照)、
(S4)両被接合物91,92の接合処理(図14参照)、
がこの順序で実行される。
まず、図10に示すように、真空チャンバ内において、両被接合物91,92は互いに離間し対向した状態で配置される。ビーム照射部11は真空チャンバ2内の+X側上方の位置PG1に配置されるとともに、ビーム照射部11の揺動角度は当該ビーム照射部11が斜め下方を向くように調整される。なお、ここでは、被接合物91,92のうち、一方の被接合物の接合表面はシリコン(Si)で形成され、他方の被接合物の接合表面はニオブ酸リチウム(LiNbO3)で形成されているものとする。
この状態において、図11に示すように、ビーム照射部11は、ステージ12に保持された被接合物91に対してビームを照射し、被接合物91に対する表面活性化処理を実行する(ステップS1)。詳細には、ビーム照射部11は、上方の位置PG1から斜め下方に向けて(詳細にはステージ12に保持された被接合物91の接合表面に向けて)原子ビーム(エネルギー粒子)を照射する。
つぎに、図12に示すように、ビーム照射部11は、駆動機構60による駆動動作に応じて、位置PG1から位置PG2へと移動する(ステップS2)。
移動後においては、ビーム照射部11は、真空チャンバ2内の+X側下方の位置PG2に配置されるとともに、ビーム照射部11の揺動角度は当該ビーム照射部11が斜め上方を向くように調整される。
この状態において、図13に示すように、ビーム照射部11は、今度は、ヘッド22に保持された被接合物92に対してビームを照射し、被接合物92に対する表面活性化処理を実行する(ステップS3)。詳細には、ビーム照射部11は、下方の位置PG2から斜め上方に向けて(詳細にはヘッド22に保持された被接合物92の接合表面に向けて)原子ビーム(エネルギー粒子)を照射する。
その後、Z軸昇降駆動機構26の駆動動作に応じてヘッド22が下降されて両被接合物91,92は相対的に接近する。
そして、両被接合物91,92が互いに近接した状態において、両被接合物91,92の水平方向における位置合わせ動作(アライメント動作)が位置認識部28を用いて行われる(図8参照)。
両被接合物91,92の位置合わせ動作が行われた後、ヘッド22が再び下降して両被接合物91,92が接触し、Z軸昇降駆動機構26の駆動動作によって適宜の圧力が加えられ、両被接合物91,92が接合される(ステップS4)。
さらに、このような接合手法を含む製造方法によって、各種の半導体デバイスが製造される。なお、半導体デバイスに限定されず、同様にして各種のMEMSデバイス(微小電気機械システムデバイス(微小電気機械素子))も製造され得る。
以上のような動作によれば、1つのビーム照射部11によって、2つの異なる被接合物91,92に対してビーム照射が個別に且つ逐次的に行われ、両被接合物91,92に対する表面活性化処理が実行される。より詳細には、1つのビーム照射部11の上下移動を伴って、2つの異なる位置PG1,PG2から2つの異なる被接合物91,92に対してビームが照射されて表面活性化処理が施される。その後、表面活性化処理が施された両被接合物91,92が互いに接合される。
ここにおいて、上述の第1の従来技術に係る装置(図64参照)によっても上記実施形態と同様に両被接合物91,92に対して表面活性化処理を施した後に当該両被接合物91,92を互いに接合する処理を実行することが可能である。
しかしながら、上述のように、当該第1の従来技術においては非常に高価な2つのビーム照射部を要するためコストが高い。
一方、上記実施形態によれば、1つのビーム照射部11を移動することにより下方の被接合物91と上方の被接合物92とに対して個別に且つ逐次的に処理を行うことができる。そのため、接合装置1には2つのビーム照射部を設けることを要さず単一のビーム照射部11を設ければ済む。したがって、非常に高価なビーム照射部の設置数を低減することができるので、装置コスト(ひいては接合装置を利用して製造される半導体デバイス等の製造コスト)を抑制することができる。より詳細には、上記第1の従来技術に比べて、2個から1個へと低減することができるので、装置コストを低減することが可能である。なお、ビーム照射部の設置数低減に伴って削減されるコストは、駆動機構60の設置に伴うコストよりも格段に大きい。
また、上記第1の従来技術においては、2つのビーム照射部901,902が互いに対向する位置付近に配置されている(図64参照)。そのため、一方のビーム照射部901から出射されたエネルギー粒子が他方のビーム照射部902にも照射されてしまう。この場合、他方のビーム照射部902に悪影響が及ぶ。逆に、ビーム照射部902から出射されたエネルギー粒子がビーム照射部901にも照射されることによる悪影響も存在する。
一方、上記実施形態によれば、1つのビーム照射部11を移動することにより下方の被接合物91と上方の被接合物92とに対して個別に且つ逐次的に処理が行われる。そのため、別のビーム照射部からのビームが到達することがなく、それに伴う悪影響を受けずに済む。
また、上記実施形態においては、真空チャンバ2内において両被接合物91,92に対する表面活性化処理が個別に且つ逐次的に行われ、両被接合物91,92が真空チャンバ2から搬出されることなく、真空チャンバ2内にて接合される。そのため、真空度の高い状態(たとえば超高真空状態)で短時間のうちに接合することが可能であり、表面活性化された表面に浮遊粒子(浮遊分子等)が再吸着されて良好な接合が妨げられることを防止できる。その結果、非常に良好な状態で両被接合物91,92が接合され、高い接合強度を得ることが可能である。
また、上記のビーム照射部11によるビーム照射は、原子ビーム照射であることが好ましい。原子ビーム照射は、イオンビーム照射に比べて、その指向性が高いという特性を有している。そのため、エネルギー粒子を照射すべき照射対象領域以外の領域、換言すれば接合表面以外の領域、に対してエネルギー粒子が拡散することを抑制することができる。エネルギー粒子が拡散すると、真空チャンバ2の内壁あるいは真空チャンバ2内の各種の構成要素を構成している各種の金属物質等が、拡散したエネルギー粒子による衝突の衝撃で弾き出され、接合表面に付着してメタルコンタミネーションを引き起こすことがある。高い指向性を有する原子ビーム照射によれば、エネルギー粒子の拡散を抑制し、メタルコンタミネーションを抑制することが可能である。特に、上記実施形態のように1つのビーム照射部11が2つの被接合物(照射対象物)に対してそれぞれ個別にエネルギー粒子を照射すること(より詳細には、ビーム照射部11が2つの位置PG1,PG2の相互間で移動して2つの照射対象物に逐次的にエネルギー粒子を照射すること)によれば、2つの被接合物に対する各照射時点でのエネルギー粒子の拡散を上記第2の従来技術に比べて抑制することができる。したがって、メタルコンタミネーションを抑制することが可能である。
なお、上記第1実施形態においては、ビーム照射部11が上方の位置PG1と下方の位置PG2との間で移動する態様が例示されているが、これに限定されない。
たとえば、図63に示すように、ビーム照射部11は上下方向に移動することなく中央位置に固定され、ビーム照射部11に関する揺動動作(軸AY回りの揺動動作)のみが行われるようにしてもよい。
ただし、図63の改変例において、両被接合物91,92の相互間の距離(離間距離)を上記第1実施形態と同様の値に設定するときには、上記第1実施形態に比べて比較的大きな照射角度(接合表面の垂線に対する入射角度)で、接合表面に対するビーム照射が行われる。端的に言えば、比較的横向きに近くなるような照射角度でビーム照射が行われる。
接合表面に対して横向きに近い照射角度でビームを照射する技術においては、接合表面内においてビーム照射部11に近い部分(右側部分)とビーム照射部11から遠い部分(左側部分)とで照射強度が比較的大きく異なり、ビームの照射対象面(接合表面)内での比較的大きな不均一が生じる。
一方、上記実施形態においては、下側のステージ12に保持された被接合物91に向けて比較的上方の位置PG1のビーム照射部11からビームが照射され、ビーム照射部11が位置PG1から位置PG2へ移動する。その後、今度は上側のヘッド22に保持された被接合物92に向けて比較的下方の位置PG2のビーム照射部11からビームが照射される。
このように、下方の位置PG1と上方の位置PG2との間でビーム照射部11が上下移動し、ビーム照射部11は、その上下移動に伴って、両被接合物91,92に対して比較的正面からビームを照射することができる。より詳細には、被接合物91の接合表面に対しては、両被接合物91,92の相互間の中央位置PGc(図63参照)よりもさらに上方側の位置PG1から(比較的垂直に近い角度で)、ビームを照射することができる。したがって、ビーム照射面(被接合物91の接合表面)内におけるビーム照射の均一性を向上させることが可能である。同様に、被接合物92の接合表面に対しては、両被接合物91,92の相互間の中央位置PGcよりもさらに下方側の位置PG2から(比較的垂直に近い角度で)、ビームを照射することができる。したがって、ビーム照射面(被接合物92の接合表面)内におけるビーム照射の均一性を向上させることが可能である。
また、図63に示すような態様において、上記第1実施形態と同様の照射角度で両被接合物に対するビーム照射を行うようにさらに改変することも可能である。ただし、その場合には、両被接合物91,92の相互間の距離をさらに拡げること(約2倍に拡大)を要するため、ヘッド22の駆動軸が長大化し剛性が低下するなどの問題も生じ得る。
一方、上記実施形態においては、ビーム照射部11の上下移動を伴って、ビーム照射部11の存在位置が2つの位置PG1,PG2の相互間で変更される。そのため、接合表面に対するビーム照射角度を調整するため(接合表面に対して比較的正面側からビームを照射するため)に両被接合物91,92の相互間の距離をさらに拡げることを要さず、剛性の低下等を抑制することも可能である。
また、エネルギー波照射によるエッチングレートを向上させるためには、ビーム(エネルギー粒子)の入射角度は、適切な値((対象物にも依存するが)たとえば30°以上60°以下の範囲内の所定値)に設定されることが好ましい。上記第1実施形態は、ビーム照射部11の上下移動を伴うことによってビームの入射角度を適切な値に調整することが可能であり、エッチングレートの向上にも有用である。
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図15は、第2実施形態に係る接合動作を示すフローチャートである。また、図16〜図31は、第2実施形態に係る接合動作(接合方法)における時系列の各工程を順次に示す図である。なお、図16〜図31においては、ステージ12、ヘッド22およびビーム照射部11以外の装置構成要素の図示を適宜省略している。
次に、接合装置1(1B)における接合動作について、図16〜図31の模式図を参照しながら説明する。なお、図31に示す動作の後においては、第1実施形態と同様の動作(図10〜図14参照)が実行される。
この第2実施形態においては、図10〜図14の動作に先立って、同一の真空チャンバ2内にて各両被接合物91,92に関するスパッタリング処理(スパッタ法による成膜処理)も施される態様を例示する。なお、ここでは、被接合物91,92の接合表面は、それぞれ、シリコン(Si)以外の材料(たとえばニオブ酸リチウム等)で形成されているものとする。
具体的には、図15等に示すように、
(1)ステップS10:一方の被接合物91に対する表面活性化処理およびスパッタリング処理(図16〜図23参照)、
(2)ステップS20:他方の被接合物92に対する表面活性化処理およびスパッタリング処理(図24〜図31参照)、
(3)ステップS30:両被接合物91,92に対する表面活性化処理および両被接合物91,92の接合処理(図11〜図14参照)、
がこの順序で実行される。
(1)ステップS10:一方の被接合物91に対する表面活性化処理およびスパッタリング処理(図16〜図23参照)、
(2)ステップS20:他方の被接合物92に対する表面活性化処理およびスパッタリング処理(図24〜図31参照)、
(3)ステップS30:両被接合物91,92に対する表面活性化処理および両被接合物91,92の接合処理(図11〜図14参照)、
がこの順序で実行される。
(1)まず、ステップS10において、被接合物91に対する表面活性化処理とスパッタリング処理とが実行される(図16〜図23参照)。
具体的には、図16に示されるように、スパッタリング処理の対象物(スパッタリング対象物)である被接合物91がヘッド22に受け渡され、被接合物91はヘッド22に保持される。同様に、図17に示されるように、スパッタリング用のターゲット部材TGがステージ12に受け渡され、ターゲット部材TGはステージ12に保持される。ここでは、ターゲット部材TGは、シリコン(Si)で形成されるものとする。
そして、図18に示されるように、まず、ビーム照射部11は、比較的下方の位置PG2から比較的上方の被接合物91へ向けてビーム照射を行い、被接合物91に対する表面活性化処理を実行する。
つぎに、ビーム照射部11は、駆動機構60による駆動動作に応じて、位置PG2から位置PG1へと移動する(図19参照)。
移動後においては、ビーム照射部11は、真空チャンバ2内の+X側上方の位置PG1に配置されるとともに、ビーム照射部11の揺動角度は当該ビーム照射部11が斜め下方を向くように調整される。
この状態において、ビーム照射部11は、今度は、上方の位置PG1から斜め下方に向けて(詳細にはステージ12に保持されたターゲット部材TGの表面に向けて)原子ビーム(エネルギー粒子)を照射する(図20参照)。このビーム照射に応じて高速のエネルギー粒子(アルゴン等)がターゲット部材TGに衝突し、ターゲット部材TGの表面物質(ここではシリコン)の原子等が弾き出されて上側の被接合物91に向けて進行する。そして、当該ターゲット部材TGの表面物質が当該被接合物91に付着し被接合物91の表面に膜を形成する。このようにしてスパッタリング処理が実行される。
その後、図21に示すように、被接合物91は、反転部4に移動され、反転部4内にてその上下が反転される(図23も参照)。そして、被接合物91は、反転部4内の所定位置に一旦格納される。さらに、図22に示すように、被接合物91向けのスパッタリング処理用のターゲット部材TG(TG1)は、ステージ12から取り外されロードロックチャンバ3内の所定位置に格納される。なお、ロードロックチャンバ3および反転部4側に一旦戻されるターゲット部材および被接合物は、それぞれ、ロードロックチャンバ3内のマガジンエレベータおよび反転部4の下部格納場所等のいずれに収納されてもよい。
(2)次のステップS20においては、図24〜図30に示されるように、今度は被接合物92に対する表面活性化処理とスパッタリング処理とが実行される。
具体的には、まず、図24に示されるように、新たなスパッタリング対象物である被接合物92がヘッド22に受け渡され、被接合物92はヘッド22に保持される。同様に、図25に示されるように、被接合物92向けのスパッタリング処理用のターゲット部材TG(TG2)がステージ12に受け渡され、ターゲット部材TGはステージ12に保持される。
つぎに、ビーム照射部11は、駆動機構60による駆動動作に応じて、位置PG1から位置PG2へと移動する(図26参照)。
そして、図27に示されるように、ビーム照射部11は、位置PG2から被接合物92へ向けてビーム照射を行い、被接合物92に対する表面活性化処理を実行する。
つぎに、ビーム照射部11は、駆動機構60による駆動動作に応じて、位置PG2から位置PG1へと再び移動する(図28参照)。
移動後においては、ビーム照射部11は、真空チャンバ2内の+X側上方の位置PG1に配置されるとともに、ビーム照射部11の揺動角度は当該ビーム照射部11が斜め下方を向くように調整される。
この状態において、ビーム照射部11は、今度は、上方の位置PG1から斜め下方に向けて(詳細にはステージ12に保持されたターゲット部材TGの表面に向けて)原子ビーム(エネルギー粒子)を照射する(図29参照)。このビーム照射に応じて高速のエネルギー粒子(アルゴン等)がターゲット部材TGに衝突し、ターゲット部材TGの表面物質(シリコン)の原子等が弾き出されて上側の被接合物92に向けて進行する。そして、当該ターゲット部材TGの表面物質が当該被接合物92に付着し被接合物92の表面に膜を形成する。このようにしてスパッタリング処理が実行される。
その後、図30に示すように、被接合物92向けのスパッタリング処理用のターゲット部材TG2(TG2)は、ステージ12から取り外されロードロックチャンバ3内の所定位置に格納される。
さらに、図31に示すように、反転部4内の所定位置に一旦格納されていた被接合物91が、反転部4から再び真空チャンバ2内に移動される。この移動動作等に伴って、上向きの接合表面を有する被接合物91がステージ12によって保持される。この状態は、図10の状態と同様の状態である。
(3)その後、ステップS30において図11〜図14と同様の動作が行われる。具体的には、被接合物91に対する表面活性化処理が位置PG1からのビーム照射によって実行され、被接合物92に対する表面活性化処理が位置PG2からのビーム照射によって実行される。なお、ここでは、ステップS10,S20のスパッタリング処理によって両被接合物91,92の接合表面にはいずれもシリコン層(膜)が形成されており、ステップS30ではシリコン−シリコンの接合処理が行われる。
以上のように、上記第2実施形態のステップS30(図15)においては、第1実施形態のステップS1〜S4(図9)と同様に、1つのビーム照射部11を移動することによって、2つの異なる位置PG1,PG2から2つの異なる被接合物91,92に対してビーム照射が個別に且つ逐次的に行われ、両被接合物91,92に対する表面活性化処理が実行される。したがって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記ステップS10においては、ビーム照射部11は、位置PG2からヘッド22に向かうビーム照射により、ヘッド22に保持された被接合物91に対する表面活性化処理を行う。その後、ビーム照射部11は位置PG2から位置PG1へと移動する。そして、ビーム照射部11は、位置PG1からステージ12に向かうビーム照射により、ステージ12に保持されたターゲット部材にビームを照射し、当該ターゲット部材に対向する被接合物91に対するスパッタリング成膜処理を行う。
このように、ビーム照射部11がZ方向に移動することによって、被接合物91に対する表面活性化処理と被接合物91に対するスパッタリング表面活性化処理とを個別に且つ逐次的に施すことができる。したがって、ビーム照射部11は、表面活性化処理用のビーム照射部として機能するのみならず、スパッタリング処理用のビーム照射部としても機能し得る。特に、上記のような接合処理をも行う同一装置1内において、表面活性化処理とスパッタリング処理とを1つのビーム照射部11を用いて行うことも可能である。これによれば、スパッタリング装置を別途設ける場合に比べて、コストを抑制することができる。
なお、上記第2実施形態においては、シリコン(Si)をターゲットとして用いたスパッタリング動作が例示されているが、これに限定されない。たとえば、金(Au)、ガリウム(Ga)、鉄(Fe)などの各種の材料をターゲットとして用いたスパッタリング動作が行われてもよい。
特に、ガリウム(Ga)、鉄(Fe)などの材料をターゲットとして用いてスパッタリング処理を行うことによって、シリコンウエハ等に対するこれらの材料のドーピング処理を行うようにしてもよい。換言すれば、スパッタリング処理は、薄膜を形成するレベルのスパッタに限らず、分子(ないし原子)を分散させるドーピングレベルのものをも含む。このように、本願におけるスパッタリング処理は、アルゴン等のエネルギー粒子(放射粒子とも称する)を照射して分子(ないし原子)を分散させたり薄膜を形成したりすること等を含む。
また、上記第2実施形態等においては、各被接合物に対して表面活性化処理とスパッタリング処理と表面活性化処理とが実行される態様(図18,図20,図11等参照)が例示されているが、これに限定されない。たとえば、表面活性化処理とスパッタリング処理との組合せが複数回繰り返し実行されるようにしてもよい。また、表面活性化処理の後に異なる種類のスパッタリング処理が複数回繰り返し実行されるようにしてもよい。あるいは、スパッタリング処理の後には、表面活性化処理が施されないようにしてもよい。
また上記第2実施形態では、ステップS10,S20において、各被接合物91,92がヘッド22で保持されて表面活性化処理およびスパッタリング処理が実行される態様が例示されているが、これに限定されない。たとえば、ステップS10,S20において、各被接合物91,92がステージ12で保持されて表面活性化処理およびスパッタリング処理が実行されるようにしてもよい。この場合には、上下が反転した状態で同様の動作が実行されればよい。
このように、被接合物91が両保持部12,22のうちの一の保持部に保持された状態で、被接合物91に対する表面活性化処理が施され、その後、被接合物91が当該一の保持部に保持され且つ被接合物91に対するスパッタリング処理用のターゲット部材TGが両保持部12,22のうちの他の保持部に保持された状態で、当該ターゲット部材TGに向けてエネルギー粒子を照射することにより被接合物91に対するスパッタリング処理が施されればよい。さらに、被接合物91に対してスパッタリング処理が施され且つ当該他の保持部に保持されていたターゲット部材が取り外された後に、保持部12に保持された被接合物91と保持部22に保持された被接合物92との両被接合物に対して表面活性化処理用のエネルギー粒子が個別に且つ逐次的に照射され、両被接合物91,92が接合されればよい。
同様に、被接合物92が両保持部12,22のうちの一の保持部に保持された状態で、被接合物92に対する表面活性化処理が施され、その後、被接合物92が当該一の保持部に保持され且つ被接合物92に対するスパッタリング処理用のターゲット部材TGが両保持部12,22のうちの他の保持部に保持された状態で、当該ターゲット部材TGに向けてエネルギー粒子を照射することにより被接合物92に対するスパッタリング処理が施されればよい。さらに、被接合物92に対してスパッタリング処理が施され且つ当該他の保持部に保持されていたターゲット部材が取り外された後に、保持部12に保持された被接合物91と保持部22に保持された被接合物92との両被接合物に対して表面活性化処理用のエネルギー粒子が個別に且つ逐次的に照射され、両被接合物91,92が接合されればよい。
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。第3実施形態においては、上記第1実施形態と同様のビーム照射部11が左右に1個ずつ設けられる。
第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。第3実施形態においては、上記第1実施形態と同様のビーム照射部11が左右に1個ずつ設けられる。
図32は、第3実施形態に係る接合装置1(1C)の内部構成を示す概略図である。
図32に示すように、この接合装置1Cは、2つのビーム照射部11(詳細には11A,11B)を有している。ただし、2つのビーム照射部11A,11Bは同一の被接合物の接合表面に対してビームを照射する照射部である。ビーム照射部11Aは、被接合物の接合表面における右半領域に対してビームを照射する照射部であり、ビーム照射部11Bは、被接合物の接合表面における左半領域に対してビームを照射する照射部である。
これらのビーム照射部11A,11Bを用いて、まず、ステージ12に保持された被接合物91に対してビームが照射される。具体的には、ビーム照射部11Aは被接合物91の右半領域に向けてビームを照射し、ビーム照射部11Bは被接合物91の左半領域に向けてビームを照射する。
つぎに、図33に示すように、ビーム照射部11A,11Bは、いずれも、駆動機構60によって駆動され、上方位置PG1から下方位置PG2へと移動される。また、各ビーム照射部11A,11Bの姿勢角度は、斜め下向きから斜め上向きに変更される。
その後、図34に示すように、ビーム照射部11A,11Bを用いて、今度は、ステージ12に保持された被接合物92に対してビームが照射される。具体的には、ビーム照射部11Aは被接合物92の右半領域に向けてビームを照射し、ビーム照射部11Bは被接合物92の左半領域に向けてビームを照射する。
このような態様は、被接合物91の接合表面が比較的広い面積を有する場合に特に有用である。より詳細には、図32に示すように、第1実施形態の被接合物91(91aとも称する)のX方向長さL1(図10参照)の約2倍のX方向長さL2(図34参照)を有する被接合物91(91c)に対してビームが照射される場合等において特に有用である。
ここにおいて、上記第1の従来技術に係る技術を、比較的広い面積を有する被接合物91(詳細にはX方向に2倍の長さを有する被接合物91)に対して適用する場合には、適切な表面活性化処理を施すために、被接合物91の左右両側に且つ上下両側にそれぞれ2個ずつ合計4個のビーム照射部11を配置することを要する。
一方、上記第3実施形態に係る技術においては、比較的広い面積を有する被接合物の右半領域に対してビーム照射部11Aが設けられ、当該被接合物の左半領域に対してビーム照射部11Bが設けられる。そして、ビーム照射部11A,11Bがそれぞれ上下方向に移動することにより、下方の被接合物91と上方の被接合物92との両被接合物に対して個別に且つ逐次的に処理を行うことができるので、被接合物91の左右両側に1個ずつ合計2個のビーム照射部11を配置すれば済む。すなわち、接合装置1Cには4個のビーム照射部を設けることを要さず2個のビーム照射部11を設ければ済む。したがって、非常に高価なビーム照射部11の所要配置個数(合計数)を「4個」から「2個」に低減することができるので、装置コストを抑制することができる。
なお、上記においては、2つのビーム照射部11A,11Bが2つの被接合物91,92のうちの同一の被接合物91に対して同時にビームを照射する態様を例示したが、これに限定されない。たとえば、2つのビーム照射部11A,11Bが、各被接合物91,92における上記と同様の照射担当領域(右半領域あるいは左半領域)を維持しつつ、2つの被接合物91,92のうちの同一の被接合物に対しては非同時に(入れ替わりで)ビームを照射するようにしてもよい。図35〜図37はこのような改変例を示す図である。
詳細には、まず、図35に示すように、ビーム照射部11Aは被接合物91の右半領域に向けて上方の位置PG1からビームを照射し、ビーム照射部11Bは被接合物92の左半領域に向けて下方の位置PG2からビームを照射する。つぎに、図36に示すように、ビーム照射部11Aは上方位置PG1から下方位置PG2へと移動され、ビーム照射部11Bは下方位置PG2から上方位置PG1へと移動される。また、ビーム照射部11Aの姿勢角度は斜め下向きから斜め上向きに変更され、ビーム照射部11Bの姿勢角度は斜め上向きから斜め下向きに変更される。その後、図37に示すように、ビーム照射部11Aは被接合物92の右半領域に向けて下方の位置PG2からビームを照射し、ビーム照射部11Bは被接合物91の左半領域に向けて上方の位置PG1からビームを照射する。このように、ビーム照射部11A,11Bが被接合物91,92に対して交互にビームを照射するようにしてもよい。
なお、被接合物がX方向のみならずY方向にも大きい場合には、Y方向に2つのビーム照射口が配置された2連式のビーム照射部11が設けられればよい(図38参照)。図38においては、一方のビーム照射部11Aの構成等が示されており、他方のビーム照射部11Bの構成等は適宜省略されている。図38に示すように、ビーム照射部11Aは、2つの照射口(単位照射部ないし分割照射部とも称される)RP1,RP2を有しており、各照射口RP1,RP2はそれぞれ対応する領域(照射領域)RE11,RE12(ハッチングが付された領域)に対してビームを主に照射する。他方のビーム照射部11Bの図示は省略されているが、他方のビーム照射部11Bもビーム照射部11Aと同様の構成を有する。当該ビーム照射部11Bの2つの照射口は、対応照射領域RE21,RE22に対してビームをそれぞれ照射する。
この場合には、2連式のビーム照射部11の配置個数(合計数)を「4個」から「2個」に低減することができる。換言すれば、照射口の配置個数を「8個」から「4個」に低減することができる。
また、図38では2連式のビーム照射部11が例示されているが、これに限定されず、多連式(3連式以上)のビーム照射部が用いられるようにしてもよい。また、複数の照射口(単位照射部とも称される)は、細長形状を有する照射口の伸延方向(Y方向)に沿って並べて配置(図38参照)されてもよく、あるいは逆に、細長形状を有する照射口の伸延方向(X方向)に対して垂直な方向(Y方向)に並べて配置されてもよい。
<4.第4実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第1実施形態においては、ビーム照射部11は位置PG1から下向きの一定の姿勢角度(固定角度)でビームを照射するとともに位置PG2から上向きの一定の姿勢角度でビームを照射する態様が例示されている。
この第4実施形態においては、ビーム照射部11は揺動を伴いつつ各位置PG1,PG2からビームを照射することにより、帯状の領域(細長領域)に対してビームを照射する態様を例示する。以下では、両被接合物91,92のうち被接合物91に対するビーム照射(位置PG1からのビーム照射)について詳細に説明するが、被接合物92に対しても上下が反転した状態で同様のビーム照射(位置PG2からのビーム照射)が行われる。
ここでは、ビーム照射部11の照射領域に対して、被接合物の接合表面が相対的に大きい(広い)状況を想定する。
図39は、第4実施形態における、ビーム照射部11によるビーム照射の様子を示す概略断面図であり、XZ平面に平行な断面を側方(−Y側)から見た図である。図39に示すように、ビーム照射部11による或る時点でのビーム照射領域RE(詳細には主照射領域)は、被接合物91の接合表面(図では所定長の線分で表現される)のうち一部の領域(比較的狭小な領域)(図ではさらに短い線分で表現される)である。なお、ここでは、ビーム照射部11として、Y方向に2つのビーム照射口が配置された2連式のビーム照射部(図38参照)が設けられているものとする。ただし、これに限定されず、1連式のビーム照射部あるいは多連式のビーム照射部が設けられるようにしてもよい。
この第4実施形態においては、X方向に比較的狭い領域REに対するビーム照射をビーム照射部11の軸AY回りの揺動動作(回動動作)を伴いつつ行うことによって、X方向に伸びる帯状の領域(細長領域)RG(図40参照)に対してビームが照射される。
より詳細には、まず、図40に示すように、ビーム照射部11は、位置PG1に移動した後、被接合物91の接合表面の右端側(ビーム照射部11に近い側)から照射を開始する。
その後、ビーム照射部11は、駆動機構60(詳細にはその揺動機構)によって、被接合物91の接合表面に平行な回転軸AY回りに揺動(回動)され、当該ビーム照射部11の姿勢角度が徐々に変更される。具体的には、ビーム照射部11の揺動動作に伴って、ビーム照射部11による照射領域REは、被接合物91の右端側(図40参照)から、被接合物91の中央部分(図39参照)を経て、被接合物91の左端側(図41参照)へと移動していく。また、当該揺動動作に伴って、接合表面の垂線とビーム照射方向との角度αが比較的小さな値α1から比較的大きな値α2へと変更されていく(α1<α2)。
ビーム照射部11を所定の姿勢角度で固定して照射する場合には、照射領域REの中心部分と当該照射領域REの周縁部分とで照射量の不均一が生じる。
一方、この第4実施形態によれば、ビーム照射部11は、回転軸AY回りの揺動動作を伴いつつ被接合物91に向けてビーム(エネルギー粒子)を照射する。したがって、ビーム照射部11を所定の姿勢角度で固定して照射する場合に比べて、X方向における照射量を均一化し、被接合物の接合表面(照射対象物のビーム照射対象面)におけるビーム照射量の均一化を図ることが可能である。
また、この第4実施形態においては、上述のようなビーム照射部11の(図40から図41への)揺動動作に伴って、ビーム照射部11の揺動速度は徐々に低下するように変更される。詳細には、ビーム照射部11の照射領域REの移動速度V2(図41)が、ビーム照射部11の照射領域REの移動速度V1(図40)よりも小さくなるように、ビーム照射部11の揺動速度は徐々に低下される。移動速度V2は、ビーム照射部11による照射対象領域(被接合物91の接合表面の全体)のうち左側領域RE20へのビーム照射時における、照射領域REの移動速度である。移動速度V1は、右側領域RE10へのビーム照射時における、照射領域REの移動速度である。また、右側領域RE10と左側領域RE20との間の領域に対してビームが照射される際には、照射領域REの右から左への移動につれてビーム照射部11の揺動速度は徐々に低減され、照射領域REの移動速度も徐々に低減される。このように、ビーム照射部11の揺動速度は徐々に低下するように制御される。
ここにおいて、右側領域RE10(図40)は、ビーム照射部11との距離が比較的小さな領域(ビーム照射部11に比較的近い領域)であり、近傍側領域であるとも表現される。近傍側領域においては、ビーム照射部11との距離が比較的小さいため、ビーム照射部11による照射強度が比較的大きい。一方、左側領域RE20(図41)は、ビーム照射部11との距離が比較的大きな領域(ビーム照射部11から比較的離れた領域)であり、離隔側領域とも表現される。離隔側領域においては、ビーム照射部11との距離が比較的大きいため、ビーム照射部11による照射強度が比較的小さい。
このように、ビーム照射部11による照射強度が比較的大きな近傍側領域RE10においてはビーム照射部11の速度は比較的大きな値に設定され、ビーム照射部11による照射強度が比較的小さな離隔側領域RE20においてはビーム照射部11の速度が比較的小さな値に設定される。すなわち、ビーム照射部11の揺動速度は、ビーム照射部11によりエネルギー粒子が照射されている照射領域REとビーム照射部11との相互間距離に応じて変更される。換言すれば、ビーム照射部11の揺動動作における揺動角度の変更に伴って、ビーム照射部11の揺動速度は、ビーム照射部11によりエネルギー粒子が照射されている照射領域REにおけるエネルギー粒子の照射強度(エッチングレートとも称される)と揺動動作に伴う照射領域REのX方向の移動速度とが反比例するように変更される。これによれば、各時点での照射領域REにおけるビーム照射量が均一化される。すなわち、接合表面におけるビーム照射量の更なる均一化を図ることが可能である。
また、上記のような態様によれば、ビーム照射部11が揺動しつつビームを照射するので、ビーム照射部11が揺動しない場合に比べて、ビームの照射範囲を拡大することが可能である。特にその接合表面のX方向の長さがビーム照射部11の照射領域REのX方向の長さよりも(たとえば2倍〜数倍程度)大きな被接合物に対しても、良好に均一化されたビーム照射処理を施すことが可能である。換言すれば、その接合表面がビーム照射部11の照射領域に対して相対的に大きな(広い)被接合物に対しても、良好に均一化されたビーム照射処理を施すことが可能である。すなわち、ビーム照射部11の揺動動作を伴うことによって、均一化されたビーム照射を比較的長い帯状領域RGに対して行うことができ、ビーム照射対象物の大型化に寄与することが可能である。
なお、上記のような思想は、被接合物の接合表面がビーム照射部11の照射領域に対して非常に大きい場合のみならず、被接合物の接合表面がビーム照射部11の照射領域と同等の大きさを有する場合等にも適用することができる。この場合には、ビーム照射対象領域は拡大されないものの、ビーム照射対象領域内におけるビーム照射量の均一化を図ることが可能である。
また、上記第4実施形態において、Y方向に2つのビーム照射口が配置された2連式(あるいは多連式)のビーム照射部11を利用することによれば、X方向のみならずY方向にも大きな被接合物に対しても良好にビームを照射することができる。換言すれば、複数の照射口(単位照射部)の配列方向(Y方向)にも照射対象領域を拡大することが可能である。
また、この第4実施形態において利用されるビーム照射は、原子ビーム照射であることが特に好ましい。上述のように、原子ビーム照射は、イオンビーム照射に比べて、その指向性が高いという特性を有している。そのため、エネルギー粒子を照射すべき照射対象領域以外の領域、換言すれば接合表面以外の領域、に対してエネルギー粒子が拡散することを抑制することができる。エネルギー粒子が拡散すると、真空チャンバ2の内壁あるいは真空チャンバ2内の各種の構成要素を構成している各種の金属物質等が、拡散したエネルギー粒子による衝突の衝撃で弾き出され、接合表面に付着してメタルコンタミネーションを引き起こすことがある。高い指向性を有する原子ビーム照射によれば、エネルギー粒子の拡散を抑制し、メタルコンタミネーションを抑制することが可能である。そして、そのような高い指向性を有する原子ビームを利用しつつも(換言すれば、比較的狭い照射領域にしか一度にビームを照射できない方式を利用しつつも)、揺動動作によって比較的広い帯状領域に対してエネルギー粒子を照射することが可能である。
また、イオンビーム照射においては比較的広い範囲に対して一度にビームが照射されるために、ビーム照射部との距離の大小によるビーム照射対象領域内での(ビーム照射量の)不均一が生じ易い。一方、原子ビーム照射においては比較的狭い範囲に対してのみ一度にビームが照射されるために、ビーム照射部との距離の大小によるビーム照射対象領域内での(ビーム照射量の)不均一が生じにくい。さらに、原子ビーム照射を用いて上記のような揺動動作を行えば、ビーム照射部11の揺動動作による照射領域の移動方向(X方向)における(ビーム照射量の)不均一を一層抑制することが可能である。
また、上記第4実施形態の思想は、表面活性化処理のためのビーム照射に限定されず、スパッタリング処理用のターゲット部材へのビーム照射に関しても適用することが可能である。たとえば、図20のターゲット部材TGへのビーム照射時において、ビーム照射部11を回転軸AY回りに揺動して、そのビーム照射領域を下側のターゲット部材の右端側から左端側へと移動しつつ、ビームを照射し、上側の被接合物91に対する成膜処理(スパッタ成膜処理)を行うようにしてもよい。これによれば、ビーム照射部11を所定の姿勢角度で固定して照射する場合に比べて、X方向におけるビーム照射量を均一化し、ひいては被接合物91の表面におけるスパッタ堆積量の(X方向における)均一化を図ることが可能である。なお、回転軸AYは、上側の被接合物91(スパッタリング対象物)の表面に平行な軸であるとも表現される。
特に、上記第4実施形態と同様に、ビーム照射部11の(図40から図41への)揺動動作に伴ってビーム照射部11の揺動速度が徐々に低下するように制御されることが好ましい。より具体的には、ビーム照射部11から遠い側の領域(離隔側領域)におけるビーム照射部11の回転速度(揺動速度)は、ビーム照射部11に近い側の領域(近傍側領域)におけるビーム照射部11の回転速度(揺動速度)よりも小さく設定されることが好ましい。換言すれば、ターゲット部材における近傍側領域にエネルギー粒子が照射されるときのビーム照射部11の揺動速度は、ターゲット部材における離隔側領域にエネルギー粒子が照射されるときのビーム照射部11の揺動速度よりも大きく設定されることが好ましい。これによれば、被接合物91の表面におけるスパッタ堆積量を(X方向において)さらに均一化することが可能である。
なお、上記第4実施形態のような表面活性化処理における被接合物表面へのビーム照射量を均一化する揺動速度(詳細にはその経時変化曲線)と同じ揺動速度(詳細にはその経時変化曲線)で上記のようなスパッタリング処理(ビーム照射部11の揺動動作を伴うターゲット部材へのビーム照射によるスパッタリング処理)を行ったところ、スパッタ堆積量が均一化されることが確認された。このように、スパッタ堆積量を均一化する揺動速度(詳細にはその経時変化曲線)としては、上記第4実施形態のような表面活性化処理における被接合物表面へのビーム照射量を均一化する揺動速度(詳細にはその経時変化曲線)と同じものを利用することができる。
また、上記第4実施形態においては、ビーム照射部11の揺動速度が照射領域REとビーム照射部11との相互間距離に応じて変更される態様を例示したが、これに限定されない。たとえば、当該相互間距離に加えて(あるいは代えて)、ビーム照射部11により照射されるエネルギー粒子の照射対象物表面に対する入射角度にも応じて、ビーム照射部11の揺動速度が変更されるようにしてもよい。ここにおいて、エッチングレートを向上させる上で最適な入射角度(最適入射角度とも称する)θpは、照射対象物の種類によって異なっている。そこで、各時点における入射角度が、最適入射角度θpに比較的近い角度と当該最適入射角度θpから比較的離れた角度との間で変化する際において、ビーム照射部11の揺動速度が調整されるようにしてもよい。詳細には、入射角度が最適入射角度θpに比較的近いときには比較的大きな速度で照射領域REが移動し、逆に、入射角度が最適入射角度θpから比較的離れているときには比較的小さな速度で照射領域REが移動するように、ビーム照射部11の揺動速度が調整されるようにしてもよい。
<5.第5実施形態>
第5実施形態は、第4実施形態の更なる変形例である。以下では、第4実施形態との相違点を中心に説明する。この第5実施形態においては、被接合物の接合表面を複数の帯状領域の合成領域で近似する態様等を例示する。
第5実施形態は、第4実施形態の更なる変形例である。以下では、第4実施形態との相違点を中心に説明する。この第5実施形態においては、被接合物の接合表面を複数の帯状領域の合成領域で近似する態様等を例示する。
図42は、第5実施形態に係る接合装置1Eのビーム照射部11(11E)を示す図である。
図42に示すように、ビーム照射部11Eは、3つの照射ユニット11e,11f,11gをY方向に並べて配置して備えている。3つの照射ユニット11e,11f,11gは、互いに独立して、上下移動動作(Z方向移動動作)を行うことが可能である。また、3つの照射ユニット11e,11f,11gは、互いに独立して、揺動動作(Y軸に平行な軸AY回りの回動動作)を行うことも可能である。
−Y端側の照射ユニット11eは1つの照射口RP1を有しており、+Y端側の照射ユニット11gも1つの照射口RP4を有している。Y方向中央の照射ユニット11fは2つの照射口RP2,RP3を有している。換言すれば、複数(4つ)の照射口(単位照射部)RP1〜RP4は、複数(3つ)の照射ユニット11e,11f,11gに分離して設けられている。
この第5実施形態においては、4つのの照射口(単位照射部)RP1〜RP4を有するビーム照射部11が軸AY周りに揺動しつつ各位置PG1,PG2からビームを照射することにより、帯状の領域(細長領域)RGに対してビームを照射する態様を例示する。以下では、両被接合物91,92のうち被接合物91に対するビーム照射(位置PG1からのビーム照射)について詳細に説明するが、被接合物92に対しても上下が反転した状態で同様のビーム照射(位置PG2からのビーム照射)が行われる。
図42は、照射口RP1,RP2,RP3,RP4にそれぞれ対応する複数の帯状領域RG51,RG52,RG53,RG54を示す図である。
図42および図43に示すように、照射ユニット11eの照射口RP1は帯状領域RG51(照射口RP1の担当帯状領域)に対してビームを照射する。具体的には、第4実施形態におけるビーム照射部11の揺動動作を伴うビーム照射動作と同様に、照射ユニット11eの揺動動作を伴うビーム照射動作が行われる。より詳細には、照射ユニット11eは、Y方向に伸延して設けられる照射口RP1を有しており、照射口RP1からのビームが比較的横長の照射領域(Y方向に長い領域)RE(図39も参照)に対して各時点において照射される。そして、Y軸に平行な軸回りの揺動動作に伴って、照射口RP1から照射された横長の照射領域REが今度はX方向に徐々に移動していく。その結果、X方向に長い帯状の領域RG51に対するビーム照射が行われる。
同様に、照射ユニット11gの照射口RP4は、揺動動作を伴いつつ帯状領域RG54(照射口RP4の担当帯状領域)に対してビームを照射する。
また、照射ユニット11fは、揺動動作を伴いつつ帯状領域RG52,RG53に対してビームを照射する。より詳細には、照射ユニット11fの照射口RP2は、照射ユニット11fの揺動動作を伴いつつ、帯状領域RG52(照射口RP2の担当帯状領域)に対してビームを照射する。照射ユニット11fの照射口RP3は、照射ユニット11fの揺動動作を伴いつつ、帯状領域RG53(照射口RP3の担当帯状領域)に対してビームを照射する。
このように、被接合物91に対する照射処理において、複数の照射口RP1〜RP4は、それぞれ、複数の帯状領域RG51〜RG54のうち担当帯状領域(自らが担当する帯状領域)に向けてエネルギー粒子を照射する。
ここにおいて、4つの帯状領域RG51,RG52,RG53,RG54を合成した領域(合成領域)は、略円形状を有する被接合物91の接合表面領域を近似した形状を有している。換言すれば、略円形状を有する被接合物91の接合表面領域が、複数の帯状領域RG1〜RG4を合成した領域によって近似されている。そのため、照射ユニット11e,11f,11gからのビームは最小限度の領域に対して照射され、不要な領域(円形状の接合表面の外部領域、例えば、帯状領域RG51の上側領域(+X側領域)および下側領域(−X側領域))に対するビーム照射が抑制される。したがって、周辺部材への不要なビーム照射に起因するメタルコンタミネーション(周辺部材に対するビーム照射により削り取られた金属材料が接合表面に再付着すること)の発生等を抑制することが可能である。
なお、上記第5実施形態においては、4つの照射口RP1〜RP4が3つの照射ユニット11e,11f,11gに分離して設けられる態様が例示されているが、これに限定されない。たとえば、図44および図45に示すように、4つの照射口RP1〜RP4が1つの照射ユニット11hに設けられて同時に揺動されるようにしてもよい。この場合には、エネルギー照射の照射状態(ビーム照射のオン状態)と当該エネルギー照射の非照射状態(ビーム照射のオフ状態)とが照射口RP1〜RP4ごとに独立して切り換えられるようにすればよい。
より詳細には、ビーム照射部11の揺動動作に伴って各時点でのビーム照射領域がX方向において移動する際に、この移動動作に伴って各照射口RP1〜RP4からのビーム照射のオン状態およびオフ状態が互いに独立して切り換えられる。
たとえば、図45に示すように、或る時点でのビーム照射領域RE(詳細にはそのX方向中央位置)が(ビーム照射部11側から見て)最も手前側の区間SC1に存在するときには、照射口RP2,RP3からのビーム照射がオン(ON)状態にされ且つ照射口RP1,RP4からのビーム照射がオフ(OFF)状態にされる。その後、中央の区間SC2においては、全ての照射口RP1〜RP4からのビーム照射がオン(ON)状態にされる。そして、最後の区間SC3においては、再び、照射口RP2,RP3からのビーム照射がオン(ON)状態にされ且つ照射口RP1,RP4からのビーム照射がオフ(OFF)状態にされる。なお、図45におけるハッチング領域EP1は、各照射口RP1,RP4からのビーム照射がオフ(OFF)状態にされることによって、実際にはビームが照射されない領域である。
このような改変例によっても、上記第5実施形態と同様のビーム照射を行うことが可能である。
なお、この第5実施形態において利用されるビーム照射は、第4実施形態と同様、原子ビーム照射であることが特に好ましい。これによれば、メタルコンタミネーションを更に抑制することが可能である。
また、ここでは、複数の照射口(単位照射部)RP1〜RP4は、帯状領域の伸延方向(X方向)に垂直なY方向に沿って並べて配置(図38参照)されるとともに、細長形状を有する各照射口の伸延方向もY方向である態様が例示されているが、これに限定されない。たとえば、細長形状を有する各照射口の伸延方向は、各照射口の配列方向であるY方向に対して垂直な方向(X方向)であってもよい。
また、ここでは、複数の照射口(単位照射部)RP1〜RP4のY方向における長さは互いに同等である態様が例示されているが、これに限定されず、複数の照射口(単位照射部)のY方向における長さは互いに異なっていてもよい。
<6.第6実施形態>
第6実施形態は、第2実施形態の変形例である。以下では、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
第6実施形態は、第2実施形態の変形例である。以下では、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第2実施形態においては、ステージ12に保持されたターゲット部材TGに対してビーム照射部11からビームが照射されてスパッタリング処理が実行される態様が例示されている。
一方、この第6実施形態においては、ステージ12の近傍に配置されたターゲット部材TGに対してビーム照射部11からビームが照射され、スパッタリング処理が実行される態様を例示する。
図46〜図50は、第6実施形態に係るスパッタリング処理の様子を示す図である。
図46は、装置内部の様子を側方から見て示す図であり、図47は装置内部の様子を上面側から見て示す図である。図48は、ビーム照射部11から飛来したアルゴン原子がターゲット部材TGに衝突する様子を示す図である。
図46および図47に示すように、ステージ12、ターゲット部材TGおよびビーム照射部11がX方向において(−X側から+X側に向けて)この順序で配置される。
また、図46に示すように、ビーム照射部11は比較的上方の位置から斜め下方に配置されたターゲット部材TGに向けてビーム(例えばアルゴン原子ビーム)を照射する。そして、ターゲット部材TGの表面におけるアルゴンとの衝突によってシリコン原子等が弾き出されて飛散していく。
アルゴン等のビーム照射によってターゲット部材TG表面から弾き出されたシリコン原子は、比較的広い範囲に向けて拡散していく。ただし、図48に示すように、ターゲット部材TGへ入射角度β(ターゲット部材TG表面の垂線に対する角度)でビームが照射されるときには、入射角度βに等しい反射角度βの方向に向けて、特に多くのシリコン原子が弾き出されて進行する。また、この第6実施形態においては、ターゲット部材TGは、ヘッド22の直下の位置(換言すれば、ステージ12の位置)ではなく、ステージ12の位置からビーム照射部11側にシフトした位置に存在する。そして、図46のように、ターゲット部材TGから弾き出され反射角度βの方向に向けて進行する多くのシリコン原子等を、被接合物91の接合表面上にちょうど到達させることができる。すなわち、被接合物91上において効率的にシリコン層(膜)を生成することが可能である。
また、この第6実施形態においては、さらに、ビーム照射部11は、下降動作および姿勢角度の変更動作を伴いつつ、ターゲット部材TGに向けてビームを照射する。具体的には、図49の状態から図50の状態への状態遷移を伴いつつビーム照射が行われる。図49は、被接合物91の接合表面の右端側(ビーム照射部11から見て手前側)を中心にスパッタリング処理が行われている様子を示す図である。図50は、被接合物91の接合表面の左端側(ビーム照射部11から見て奥側)を中心にスパッタリング処理が行われている様子を示す図である。
図49に示すように、まず、ビーム照射部11は比較的上方の位置PG3から斜め下方に配置されたターゲット部材TGに向けてビームを照射する。図49においては、入射角度β1で照射されたビームによってターゲット部材TGの表面から弾き出されたシリコン原子等が主に反射角度β1の方向に進行する様子が示されている。また、このとき、被接合物91の右端側(ビーム照射部11から見て手前側)に向けてシリコン原子等が進行し、被接合物91の右端側にシリコン原子等が付着する。すなわち、被接合物91の右端側を中心にスパッタリング処理が行われる。
その後、ビーム照射部11は、比較的上方の位置PG3から比較的下方の位置PG4へと下降しつつ、ターゲット部材TGへとビームが到達するようにその姿勢角度を徐々に変更していく。具体的には、ビームの入射角度βが比較的小さな値β1(図49参照)から比較的大きな値β2(図50参照)へと徐々に変更されるように、ビーム照射部11の姿勢角度が徐々に変更される。
図50においては、ビーム照射部11は位置PG3よりも下方の位置PG4から斜め下方に配置されたターゲット部材TGに向けてビームを照射している様子が示されている。詳細には、入射角度β2(>β1)で照射されたビームによってターゲット部材TGの表面から弾き出されたシリコン原子等が主に反射角度β2の方向に進行する様子が示されている。また、このとき、被接合物91の左端側(ビーム照射部11から見て離隔側(奥側))に向けてシリコン原子等が進行し、被接合物91の左端側にシリコン原子等が付着する。すなわち、被接合物91の左端側を中心にスパッタリング処理が行われる。
このように、図49の状態から図50の状態へと、ビーム照射部11はその照射角度を変更しつつビームを照射する。これによれば、被接合物91の接合表面に対して、さらに良好に均一化されたスパッタ処理を施すことが可能である。
なお、第6実施形態において利用されるビーム照射は、第4実施形態と同様、原子ビーム照射であることが特に好ましい。特に、スパッタリング処理においても、ターゲット部材TG以外の領域に対する不要なビーム照射を抑制することができるので、メタルコンタミネーションを抑制することが可能である。
また、第6実施形態では、ステージ12の近傍に配置されたターゲット部材TGに向けてエネルギー粒子が照射される態様が例示されているが、これに限定されない。たとえば、ヘッド22の近傍に配置されたターゲット部材TGに向けてエネルギー粒子が照射されるようにしてもよい。この場合には、上下が反転した状態で同様の動作が実行されればよい。
このように、両保持部12,22のうちの一の保持部の近傍に配置されたターゲット部材TGに向けてエネルギー粒子を照射することにより、ターゲット部材TGで反射されたエネルギー粒子とともにターゲット部材TGの構成材料を、両保持部のうちの他の保持部に保持されたスパッタリング対象物(被接合物91,92のいずれか)に向けて飛散させて当該スパッタリング対象物に対するスパッタリング処理が行われればよい。
また、上記第2実施形態および第6実施形態においては、表面活性化処理の後にスパッタリング処理が施されている。これによれば、不純物を除去したのちスパッタされるのでスパッタ材料の付着強度が増す。また、スパッタ後に、他の材料を分散させたり他の材料を再度スパッタするようにしてもよい。これによれば、より接合強度を増すこと等が可能になる。たとえば、ビーム照射によるシリコン(Si)薄膜スパッタ処理後に、更なるビーム照射により鉄(Fe)を分散させることにより、接合強度を増大させたり、接合環境を改善したりすること(詳細には大気中あるいは窒素雰囲気中における接合を可能にすること等)が可能になる。より詳細には、図46のターゲット部材TGとして、その上面側がシリコン(Si)で形成されその下面側が鉄(Fe)で形成された板状の部材を用いる。そして、図46に示すようにターゲット部材TGの上面側のシリコン(Si)に対するビーム照射によって被接合物91の表面にシリコン薄膜を形成した後、ターゲット部材TGを上下反転させ、今度は、反転後のターゲット部材TGの上面(反転前の下面)側の鉄に対するビーム照射によって被接合物91の表面に鉄をドーピングする(鉄を分散させる)ようにすればよい。
<7.第7実施形態>
第7実施形態は、第1実施形態の変形例である。
第7実施形態は、第1実施形態の変形例である。
この第7実施形態においては、図51に示すように、ビーム照射部11から保持部12へのエネルギー粒子の照射を遮断する遮断部材81が、ビーム照射部11と保持部12との間に設けられる態様を例示する。これによれば、保持部12への不要なビーム照射が良好に回避ないし抑制され得る。
図51は、第7実施形態に係る接合装置1(1G)の内部構成を示す概略図である。図52〜図54も同様である。
なお、ここでは、第1実施形態とは逆に、保持部22に保持された被接合物92に対して先に表面活性化処理が施され、その後に、保持部12に保持された被接合物91に対して表面活性化処理が施される場合について説明する。
遮断部材81は、保持部12と、位置PG2に配置されたビーム照射部11との間に設けられている。詳細には、遮断部材81は、保持部12と保持部22との離間方向(Z方向)において保持部22から離間した保持部12側の所定位置に配置されている。端的に言えば、遮断部材81は、保持部12の近傍位置(下側の所定位置)に配置されている。また、遮断部材81は、Y軸方向に沿って伸びる細長形状(矩形形状)を有する板状部材であり、Y軸に平行な軸AY3回りに回動可能に設けられている。
遮断部材81は、ビーム照射部11によるビーム照射の開始前において、図51に示すように、その板状部材の主面をビーム照射部11側に向けるような姿勢角度を有している。換言すれば、遮断部材81は、XY平面に対して垂直に立てられた状態で、一時的に固定されている。
このような状態で、ビーム照射部11が照射を開始する。具体的には、ビーム照射部11と保持部12との間に設けられた遮断部材81がビーム照射部11からのエネルギー粒子の照射を遮断する状態で、ビーム照射部11からのエネルギー粒子の照射が開始される。ビーム照射部11は、保持部22へ向けてではなく保持部12に向けて(より詳細には、ビーム照射部11と保持部12との間に存在する遮断部材81に向けて)水平方向にエネルギー粒子を照射する。したがって、保持部12,22の双方に対する不要なエネルギー粒子の照射を回避ないし抑制することができる。
ここにおいて、ビーム照射部11からのビーム照射は、照射開始直後においては、その照射強度において比較的大きなバラツキを有しているなど、未だ不安定な状態を有している。すなわち、ビーム照射部11からのビーム照射は、その初期放出状態においては不安定である。
遮断部材81に向けてのビーム照射は、ビーム照射開始直後(エネルギー粒子の放出開始直後)から、当該ビーム照射が安定するまで(エネルギー粒子の初期放出状態が安定するまで)の期間に亘って継続される。このように、ビーム照射部11は、ビーム照射開始直後からのビーム照射が不安定な期間において、遮断部材81に向けてエネルギー粒子を照射する。端的に言えば、遮断部材81がダミー照射対象部材として利用される。これによれば、保持部12,22の双方に対する不安定なエネルギー粒子の照射が回避ないし抑制される。
なお、ビーム照射が安定したことは、たとえば、ビーム照射部11の電流値および/または電圧値の変動程度等を判定することによって判別される。あるいは、所定時間(予め定められた安定化期間)の経過に伴って、ビーム照射が安定したことが判定されるようにしてもよい。また、これらの安定判別は、接合装置1の操作者によって行われても良く、あるいは接合装置1によって自動的に行われても良い。
そして、時間の経過によってビーム照射が安定した後に(エネルギー粒子の初期放出状態が安定した後に)、当該ビーム照射部11は、当該ビーム照射部11の姿勢角度を変更する。具体的には、ビーム照射部11は、図52に示すように、その姿勢角度を斜め上向きに変更し、保持部22に保持された被接合物92に向けてエネルギー粒子を照射する。遮断部材81は、両保持部12,22の相互間の離隔空間(間隙)のうち比較的上側の空間の側方には存在せず、ビーム照射部11から上側の保持部22へ向けたエネルギー粒子は、遮断部材81の上方空間を通過していく(遮断部材81によって遮断されない)。一方、この状態においても、遮断部材81は、両保持部12,22の相互間の離隔空間のうち比較的下側の空間の側方に存在し、下側の保持部12へのエネルギー粒子の照射が遮断部材81によって遮断される状態が維持されている。
図52の状態においては、保持部22に保持された被接合物92に向けてはエネルギー粒子が照射される一方、保持部12へのエネルギー粒子の照射が遮断部材81によって遮断される。したがって、保持部12(および被接合物91)へのエネルギー粒子の不要な照射を回避ないし抑制することができる。なお、後述する遮断部材82は、逆に、ビーム照射部11から保持部22に向けたビーム照射を遮断しないような位置および姿勢を有している。
以上のように、遮断部材81が下側の保持部12の近傍に設けられ、ビーム照射部11から保持部12へのビーム照射を遮断された状態で、保持部22に保持された被接合物92に対して表面活性化処理が施される。
その後、ビーム照射部11によるビーム照射が一旦中断され、ビーム照射部11が下側の位置PG2から上側の位置PG1へと移動する。
そして、今度は、保持部12に保持された被接合物91に対して表面活性化処理が施される。この場合には,遮断部材81の代わりに遮断部材82(図53)を利用して、上記と同様の動作が行われ、保持部12に保持された被接合物91に対する不要なビーム照射が回避ないし抑制される。
遮断部材82は、上側の保持部22の近傍において、保持部22と、位置PG1に配置されたビーム照射部11との間に配置されている。詳細には、遮断部材82は、保持部12と保持部22との離間方向(Z方向)において保持部12から離間した保持部22側の所定位置(保持部22の近傍位置)に配置されている。遮断部材82は、Y軸方向に沿って伸びる細長形状(矩形形状)を有する板状部材であり、Y軸に平行な軸AY4回りに回動可能に設けられている。遮断部材82は、ビーム照射部11によるビーム照射の再開前において、図53に示すように、軸AY4回りに約90度回転して、その板状部材の主面をXY平面に対して垂直に立てた状態で一時的に固定される。
そして、ビーム照射部11からのビーム照射が再開される。このとき、保持部22とビーム照射部11との間に設けられた遮断部材82によって当該ビーム照射が遮断され、ビーム照射部11からのエネルギー粒子は保持部22には照射されない。
そして、時間の経過によってビーム照射が安定すると、当該ビーム照射部11は、今後は、当該ビーム照射部11の姿勢角度を変更する。具体的には、ビーム照射部11は、図54に示すように、その姿勢角度を斜め下向きに変更し、保持部12に保持された被接合物91に向けてエネルギー粒子を照射する。また、この状態においても、保持部22へのエネルギー粒子の照射が遮断部材82によって遮断される状態が維持されている。なお、遮断部材81は、軸AY3回りに90度回転し、逆に、ビーム照射部11から保持部12に向けたビーム照射を遮断しないような位置および姿勢を有している。
このようにして両被接合物91,92に対する表面活性化処理が行われ、その後、両被接合物91,92の接合処理が行われる。
なお、上記の思想は、ビーム照射としてイオンビーム照射が用いられる場合に特に有用である。イオンビーム照射は、その指向性が比較的低く比較的拡散し易いという特質を有しており、比較的大型の被接合物に対するエネルギー粒子の照射等に利用され得る。これに対して、上記のような遮断部材81を用いることによれば、比較的低い指向性を有するイオンビーム照射を用いる場合においても、保持部12(および被接合物91)への不要なビーム照射を回避ないし抑制することができる。同様に、上記のような遮断部材82を用いることによって、保持部22(および被接合物92)への不要なビーム照射を回避ないし抑制することができる。
また、上記の思想は、第2実施形態〜第5実施形態等の各思想と組み合わせることもできる。
<8.第8実施形態>
第8実施形態は、第6実施形態(および第7実施形態)の変形例である。
第8実施形態は、第6実施形態(および第7実施形態)の変形例である。
この第8実施形態においては、第6実施形態のターゲット部材TGを遮断部材(第7実施形態参照)として利用する態様を例示する。
ターゲット部材TGは、ビーム照射部11によるビーム照射の開始前において、図55に示すように、(第7実施形態の図51と同様に、)その板状部材の主面をビーム照射部11側に向けるような姿勢角度を有している。換言すれば、ターゲット部材TGは、XY平面に対して垂直に立てられた状態で、一時的に固定されている。
このような状態で、ビーム照射部11が照射を開始する。具体的には、保持部12と位置PG2のビーム照射部11との間に設けられたターゲット部材TGがビーム照射部11からのエネルギー粒子の照射を遮断する状態で、ビーム照射部11からのエネルギー粒子の照射が開始される。また、ビーム照射部11は、保持部22へ向けてではなく保持部12に向けて(より詳細には、ビーム照射部11と保持部12との間の位置に存在するターゲット部材TGに向けて)エネルギー粒子を照射する。このような照射は、エネルギー粒子の初期放出状態が安定するまで継続される。これにより、保持部12,22の双方に対する不要なエネルギー粒子の照射が回避ないし抑制される。このようにターゲット部材TGは遮断部材として利用される。
そして、時間の経過によってビーム照射が安定すると、当該ビーム照射部11は、今度は、当該ビーム照射部11の位置および姿勢を変更する。具体的には、ビーム照射部11は、当該ビーム照射部11の位置を上方に移動する(上昇する)とともに、当該ビーム照射部11の姿勢角度を斜め下向きに変更する。
また、ターゲット部材TGも軸AY5回りに90度回転してその姿勢角度を変更し、ターゲット部材TGは、垂直状態から水平状態(詳細には、ターゲット部材TGの主面がXY平面に対して水平な状態)へと遷移する。
そして、図56に示すような状態において、ビーム照射部11は、その姿勢角度を変更した(水平姿勢を有する)ターゲット部材TGに向けてエネルギー粒子を照射する。これにより、当該ターゲット部材TGで反射されたエネルギー粒子とともにターゲット部材TGの構成材料を、保持部22に保持された被接合物91(スパッタリング対象物)に向けて飛散させて、当該スパッタリング対象物に対するスパッタリング処理が行われる。このように、図55では遮断部材として利用されていたターゲット部材TGを用いて、スパッタリング処理を行うことができる。換言すれば、部材TGは、スパッタリング処理用のターゲット部材として利用される(図56参照)とともに、遮断部材としても利用される(図55参照)。
その後、今度は被接合物91の代わりに被接合物92が保持部22によって保持され、同様の処理が行われる。具体的には、部材TGを遮断部材として利用するとともにターゲット部材としても利用する処理が実行される。
なお、上記第8実施形態においては、ターゲット部材TGが下側の保持部12の近傍に設けられて、ビーム照射部11から保持部12へのビーム照射を遮断する態様が例示されているが、これに限定されない。たとえば、ターゲット部材TGが上側の保持部22の近傍に設けられて、ビーム照射部11から保持部22へのビーム照射が遮断されるようにしてもよい。この場合には、ビーム照射部11とターゲット部材TGとの位置関係は上下逆転されればよい。
また、上記第8実施形態におけるターゲット部材TGは、水平状態(図56参照)に対してY軸回りに(図56における反時計回りに)回転し若干傾斜した状態で配置されるようにしてもよい。ここにおいて、第6実施形態では、図48を参照しながら、ターゲット部材TGへ入射角度β(ターゲット部材TG表面の垂線に対する角度)でビームが照射されるときには、入射角度βに等しい反射角度βの方向に向けて、特に多くのシリコン原子が弾き出されて進行する旨を説明した。ただし、より詳細には、ターゲット部材TGから弾き出された構成材料(シリコン原子等)に関しては、反射角度βよりも小さな反射角度で反射される成分が比較的多い。そのため、図46(図57も参照)のような配置でビーム照射が行われる場合には、スパッタリング処理による堆積物の量が被接合物91の右側(ターゲット側)において比較的多くなる。端的に言えば、スパッタリング堆積物が比較的右側に偏在する。なお、図57における破線は、ターゲット部材TG表面から弾き出されたシリコン原子等が飛散する様子を模式的に示すものである。また、図57における被接合物91の下面右側部分に付された太線は、比較的多量のスパッタリング堆積物が存在する様子を(誇張して)模式的に示している。このような場合には、ターゲット部材TGを図46(図56,図57も参照)に示すような水平状態に配置するのではなく、当該水平状態に対して若干傾斜させてターゲット部材TGを配置するようにしてもよい。具体的には、図58に示すように、ターゲット部材TGの法線ベクトルVZがZ方向に対して保持部22側に傾斜するように、ターゲット部材TGの姿勢角度が変更されるようにすればよい。これによれば、保持部22に保持された被接合物91(あるいは被接合物92)の面内における処理の均一性を向上させることが可能である。
<9.第9実施形態>
第9実施形態は、第6実施形態の変形例である。以下では、第6実施形態との相違点を中心に説明する。
第9実施形態は、第6実施形態の変形例である。以下では、第6実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第6実施形態においては、ビーム照射部11が下降動作および姿勢角度の変更動作を伴いつつターゲット部材TGに向けてビームを照射することにより、スパッタリング処理が施される態様が例示されている(図49および図50参照)。
この第9実施形態においては、ターゲット部材TGの姿勢角度を徐々に変更させつつ当該ターゲット部材TGに向けてエネルギー粒子を照射することにより、スパッタリング処理が施される。具体的には、図59の状態から図60の状態へとターゲット部材TGの姿勢角度を徐々に変更しつつ、ビーム照射部11によるビーム照射が行われる。ターゲット部材TGの姿勢角度の変更期間に亘って、ビーム照射部11の位置および姿勢は一定のままでよい。
図59においては、ターゲット部材TGの法線ベクトルVZが+Z方向を向いた状態でビーム照射部11からのビーム照射が行われている。この状態では、被接合物91の表面の右端側(ビーム照射部11から見て手前側)を中心にスパッタリング処理が行われる。
一方、図60においては、ターゲット部材TGが軸AY5回りに反時計方向に回転し、ターゲット部材TGの法線ベクトルが+Z方向よりも左側(ビーム照射部11側とは逆側、換言すれば、保持部22側)(−X側)に傾斜した状態でビーム照射部11からのビーム照射が行われる。この状態では、被接合物91の表面の比較的左端側(ビーム照射部11から見て奥側)を中心にスパッタリング処理が行われる。
このように、図59の状態から図60の状態へと、ターゲット部材TGの姿勢角度を変更しつつビーム照射部11からビームが照射されることによれば、被接合物91の接合表面に対して、良好に均一化されたスパッタ処理を施すことが可能である。
<10.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記各実施形態においては、二重シャフト式の駆動機構60A(図3参照)によってビーム照射部11が上下移動および揺動される態様が例示されているが、これに限定されない。
具体的には、図61に示すように、パラレルリンク式の駆動機構60Bを用いて、ビーム照射部11を上下移動および揺動するようにしてもよい。駆動機構60Bは、Z方向第1駆動部61BとZ方向第2駆動部62Bとを有している。Z方向第1駆動部61Bは、昇降部材63BをZ方向(鉛直方向)に駆動し、Z方向第2駆動部62Bは、昇降部材64BをZ方向(鉛直方向)に駆動する。昇降部材63Bと昇降部材64とがZ方向において同じ距離移動されることによって、ビーム照射部11のZ方向位置が変更される。また、昇降部材63Bと昇降部材64とがZ方向において互いに異なる距離移動されることによって、ビーム照射部11の軸AY回りの姿勢角度が変更される。
あるいは、上記のような垂直移動方式の駆動機構60A,60Bではなく、図62に示すような回転式の駆動機構60Cを設けるようにしてもよい。
図62の駆動機構60Cは、位置変更用の回転駆動部71Cと揺動用の第1駆動部61Cと揺動用の第2駆動部62Cとを有している。回転駆動部71Cは、X軸に平行な駆動軸73と当該駆動軸73から鉛直方向に伸びる接続部材74とを介してビーム照射部11に接続されている。回転駆動部71Cによって駆動軸73が中心軸AX回りに180度回転すると、接続部材74を介して接続されているビーム照射部11は、位置PG1から位置PG2へと(あるいは逆に位置PG2から位置PG1へと)移動する。
また、ビーム照射部11が上方の位置PG1に存在するときにおいて、第1駆動部61Cが昇降部材63CをZ方向(鉛直方向)下向きに駆動することにより、昇降部材63Cの下端部がビーム照射部11の突出部11Zに対して下向きの力を付与する。これにより、ビーム照射部11に予め付与されている反時計回りの付勢力に抗して、ビーム照射部11が時計回りに回転する。第1駆動部61Cは昇降部材63Cの下端位置を制御することによって、ビーム照射部11の姿勢角度を制御することが可能である。
同様に、ビーム照射部11が下方の位置PG2に存在するときにおいて、第2駆動部62Cが昇降部材64CをZ方向(鉛直方向)上向きに駆動することにより、昇降部材64Cの上端部がビーム照射部11の突出部11Zに対して上向きの力を付与する。これにより、ビーム照射部11に予め付与されている時計回りの付勢力に抗して、ビーム照射部11が反時計回りに回転する。第2駆動部62Cは昇降部材64Cの上端位置を制御することによって、ビーム照射部11の姿勢角度を制御することが可能である。
また、上記各実施形態においては、被接合物91,92の接合表面がシリコン(Si)等で形成されている場合等が例示されているが、これに限定されず、その他の様々な材料で形成されるようにしてもよい。たとえば、各被接合物の接合表面は、ヒ化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、リチウム(Li)、金(Au)などの材料で形成されてもよい。
また、上記第3実施形態〜第5実施形態の思想は、それぞれ、第1実施形態等の表面活性化処理に対してのみならず、第2実施形態および第6実施形態のようなスパッタリング処理等に対しても適用可能である。また、第4実施形態の思想を第6実施形態のスパッタリング処理に適用する場合には、上記と同様に、ビーム照射部11の揺動動作における揺動角度の変更に伴って、ビーム照射部11の揺動速度は、ビーム照射部11によりエネルギー粒子が照射されている照射領域におけるエネルギー粒子の照射強度等に基づいて変更されることが好ましい。この場合、エネルギー粒子の照射強度は、当該エネルギー粒子照射に応じてターゲット部材TGから弾き出されて被接合物上に堆積した物質の堆積量(詳細には単位時間あたりの堆積量)を計測することによって間接的に測定され得る。なお、同様に、第4実施形態においては、エネルギー粒子の照射強度は、被接合物91のエッチング量(詳細にはエッチングレート)を計測することによって、間接的に測定され得る。換言すれば、エネルギー粒子の照射強度は、エッチング量あるいは堆積量に換算可能である。
1 接合装置
2 真空チャンバ
3 ロードロックチャンバ
4 反転部
11,11A,11B,11E ビーム照射部
11e,11f,11g,11h 照射ユニット
11L リンク機構部
11Z 突出部
12 ステージ(保持部)
22 ヘッド(保持部)
26 Z軸昇降駆動機構
28 位置認識部
50 位置調整機構
60,60A,60B,60C 駆動機構
PG1 上方位置
PG2 下方位置
RG 帯状領域
RP1〜RP4 照射口(単位照射部)
2 真空チャンバ
3 ロードロックチャンバ
4 反転部
11,11A,11B,11E ビーム照射部
11e,11f,11g,11h 照射ユニット
11L リンク機構部
11Z 突出部
12 ステージ(保持部)
22 ヘッド(保持部)
26 Z軸昇降駆動機構
28 位置認識部
50 位置調整機構
60,60A,60B,60C 駆動機構
PG1 上方位置
PG2 下方位置
RG 帯状領域
RP1〜RP4 照射口(単位照射部)
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、接合装置であって、第1の被接合物を保持する第1の保持部と、前記第1の被接合物から離間し且つ前記第1の被接合物に対向した状態で第2の被接合物を保持する第2の保持部と、前記第1の保持部に保持された前記第1の被接合物と前記第2の保持部に保持された前記第2の被接合物との両被接合物に対して表面活性化処理用のエネルギー粒子を個別に且つ逐次的に照射する照射部と、前記第1の保持部と前記第2の保持部とを相対的に接近させて、前記第1の被接合物と前記第2の被接合物とを接合する接合手段と、前記照射部と前記第1の保持部との間に設けられ、前記照射部から前記第1の保持部への前記エネルギー粒子の照射を遮断する遮断部材と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る接合装置において、前記照射部は、前記エネルギー粒子の初期放出状態が安定するまで、前記第2の保持部に向けるのではなく、前記第1の保持部と前記照射部との間に設けられた前記遮断部材に向けて前記エネルギー粒子を照射することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1の発明に係る接合装置において、前記遮断部材は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において前記第2の保持部から離間した前記第1の保持部側の所定位置であって、前記照射部と前記第1の保持部との間の所定位置に設けられ、前記照射部は、前記第2の保持部に向けて前記エネルギー粒子を照射することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2の発明に係る接合装置において、前記遮断部材は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において前記第2の保持部から離間した前記第1の保持部側の所定位置であって、前記照射部と前記第1の保持部との間の所定位置に設けられ、前記照射部は、前記エネルギー粒子の初期放出状態が安定した後に、当該照射部の照射角度を変更することにより、前記第1の保持部への前記エネルギー粒子の照射が前記遮断部材によって遮断される状態を維持しつつ、前記第2の保持部に保持された前記第2の被接合物に向けて前記エネルギー粒子を照射することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係る接合装置において、前記第1の保持部と前記第2の保持部と前記照射部とは同一チャンバ内に配置されることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかの発明に係る接合装置において、前記照射部は、原子ビームを照射する原子ビーム照射部を有することを特徴とする。
請求項7の発明は、接合方法であって、a)接合装置に設けられた一の照射部によって、前記接合装置の第1の保持部に保持された第1の被接合物と、前記第1の被接合物から離間し且つ前記第1の被接合物に対向した状態で前記接合装置の第2の保持部に保持された第2の被接合物との両被接合物に対してエネルギー粒子を個別に且つ逐次的に照射するステップと、b)前記第1の保持部と前記第2の保持部とを相対的に接近させて、前記第1の被接合物と前記第2の被接合物とを接合するステップと、を備え、前記ステップa)は、a−1)前記一の照射部と前記第1の保持部との間に設けられた遮断部材によって、前記一の照射部から前記第1の保持部への前記エネルギー粒子の照射が遮断される状態で、前記一の照射部からの前記エネルギー粒子の照射を行うステップ、を有することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7の発明に係る接合方法において、前記遮断部材は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において前記第2の保持部から離間した前記第1の保持部側の所定位置であって、前記一の照射部と前記第1の保持部との間の所定位置に設けられ、前記ステップa−1)においては、前記一の照射部から前記第2の保持部に向けて前記エネルギー粒子が照射されることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項7の発明に係る接合方法において、前記ステップa−1)は、a−1−1)前記エネルギー粒子の初期放出状態が安定するまで、前記第2の保持部に向けるのではなく前記遮断部材に向けて、前記一の照射部からの前記エネルギー粒子の照射を行うステップ、を有することを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項9の発明に係る接合方法において、前記遮断部材は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において前記第2の保持部から離間した前記第1の保持部側の所定位置であって、前記一の照射部と前記第1の保持部との間の所定位置に設けられ、前記ステップa−1)は、a−1−2)前記エネルギー粒子の初期放出状態が安定した後に、前記一の照射部の照射角度を変更することにより、前記一の照射部から前記第1の保持部への前記エネルギー粒子の照射が前記遮断部材によって遮断される状態を維持しつつ、前記第2の保持部に保持された前記第2の被接合物に向けて前記一の照射部から前記エネルギー粒子を照射するステップ、をさらに有することを特徴とする。
請求項11の発明は、半導体デバイスの製造方法であって、請求項7ないし請求項10のいずれかの発明に係る接合方法を用いて前記両被接合物を接合するステップを備えることを特徴とする。
請求項12の発明は、MEMSデバイスの製造方法であって、請求項7ないし請求項10のいずれかの発明に係る接合方法を用いて前記両被接合物を接合するステップを備えることを特徴とする。
請求項1ないし請求項6に記載の発明によれば、1つの照射部によって2つの異なる被接合物に対してエネルギー粒子の照射が個別に且つ逐次的に行われ、両被接合物に対する表面活性化処理が実行されるので、高価な照射部の設置数を低減することが可能である。したがって、コストを低減することが可能である。
特に、請求項5によれば、同一チャンバ内において第1の保持部と第2の保持部と照射部とが配置され、両被接合物はチャンバから搬出されることなく第1の保持部と第2の保持部とにそれぞれ保持された被接合物に対して、照射部による照射処理が行われる。したがって、両被接合物はチャンバから搬出されることなくチャンバ内にて接合されるので、真空度の高い状態で短時間のうちに接合することが可能であり、表面活性化された表面に浮遊粒子が再吸着されて良好な接合が妨げられることを防止できる。その結果、非常に良好な状態で両被接合物が接合され、高い接合強度を得ることが可能である。
また特に、請求項6に記載の発明によれば、高い指向性を有する原子ビーム照射を利用することによって、不要な領域に対するビーム照射を抑制することができる。その結果、チャンバー壁をエッチングして被接合物に不純物を付着させてしまうようなメタルコンタミネーションを抑制することもできる。
また特に、請求項1に記載の発明によれば、遮断部材によって照射部から第1の保持部へのエネルギー粒子の照射が遮断されるので、第1の保持部に対する不要なエネルギー粒子の照射を回避ないし抑制することができる。
また特に、請求項2に記載の発明によれば、第1の保持部および第2の保持部の双方に対する不要なエネルギー粒子の照射を回避ないし抑制することが可能である。
また特に、請求項3および請求項4に記載の発明によれば、第1の保持部に対する不要なエネルギー粒子の照射を回避ないし抑制しつつ、第2の保持部に対してエネルギー粒子を照射することができる。
また、請求項7ないし請求項12に記載の発明によれば、一の照射部によって2つの異なる被接合物に対してエネルギー粒子の照射が個別に且つ逐次的に行われ、両被接合物に対する表面活性化処理が実行されるので、高価な照射部の設置数を低減することが可能である。したがって、製造コストを低減することが可能である。
Claims (29)
- 接合装置であって、
第1の被接合物を保持する第1の保持部と、
前記第1の被接合物から離間し且つ前記第1の被接合物に対向した状態で第2の被接合物を保持する第2の保持部と、
前記第1の保持部に保持された前記第1の被接合物と前記第2の保持部に保持された前記第2の被接合物との両被接合物に対して表面活性化処理用のエネルギー粒子を個別に且つ逐次的に照射する照射部と、
前記第1の保持部と前記第2の保持部とを相対的に接近させて、前記第1の被接合物と前記第2の被接合物とを接合する接合手段と、
を備えることを特徴とする接合装置。 - 請求項1に記載の接合装置において、
前記第1の保持部と前記第2の保持部と前記照射部とは同一チャンバ内に配置されることを特徴とする接合装置。 - 請求項1または請求項2に記載の接合装置において、
前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において、前記第1の保持部から離間した前記第2の保持部側の第1の位置と前記第2の保持部から離間した前記第1の保持部側の第2の位置との間で前記照射部を移動する駆動手段、
をさらに備え、
前記照射部は、
前記第1の位置から前記第1の被接合物に向けてエネルギー粒子を照射し、
前記第2の位置から前記第2の被接合物に向けてエネルギー粒子を照射することを特徴とする接合装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の接合装置において、
前記第1の被接合物の接合表面に平行な回転軸回りに前記照射部を揺動する揺動手段、
をさらに備え、
前記照射部は、前記揺動手段による前記回転軸回りの揺動動作を伴いつつ前記第1の被接合物に向けてエネルギー粒子を照射することを特徴とする接合装置。 - 請求項4に記載の接合装置において、
前記照射部の揺動速度は、前記照射部と前記照射部によりエネルギー粒子が照射されている照射領域との相互間距離に応じて変更されることを特徴とする接合装置。 - 請求項4または請求項5に記載の接合装置において、
前記照射部の揺動速度は、前記照射部により照射されるエネルギー粒子の照射対象物表面に対する入射角度に応じて変更されることを特徴とする接合装置。 - 請求項4に記載の接合装置において、
前記照射部の揺動動作における揺動角度の変更に伴って、前記照射部の揺動速度は、前記照射部によりエネルギー粒子が照射されている照射領域におけるエネルギー粒子の照射強度と前記揺動動作に伴う前記照射領域の移動速度とが反比例するように、変更されることを特徴とする接合装置。 - 請求項4ないし請求項7のいずれかに記載の接合装置において、
前記照射部は、前記回転軸に平行な方向に配列される複数の単位照射部を有することを特徴とする接合装置。 - 請求項8に記載の接合装置において、
前記第1の被接合物の接合表面は、前記複数の単位照射部にそれぞれ対応する複数の帯状領域を合成した領域で近似され、
前記第1の被接合物に対する照射処理において、前記複数の単位照射部は、それぞれ、前記複数の帯状領域のうち担当帯状領域に向けてエネルギー粒子を照射することを特徴とする接合装置。 - 請求項9に記載の接合装置において、
前記複数の単位照射部は、複数の照射ユニットに分離して設けられ、
前記複数の照射ユニットは、それぞれ、互いに独立して前記揺動動作を行うことが可能であることを特徴とする接合装置。 - 請求項9に記載の接合装置において、
前記複数の単位照射部は、1つの照射ユニットに設けられて同時に揺動されつつ、互いに独立してエネルギー粒子の照射状態と非照射状態とを切り換えることにより、前記複数の帯状領域のうちの各担当帯状領域に向けてエネルギー粒子を照射することを特徴とする接合装置。 - 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の接合装置において、
前記照射部は、
前記第1の被接合物が前記第1の保持部と前記第2の保持部との両保持部のうちの一の保持部に保持された状態で、前記第1の被接合物に対する表面活性化処理を施し、
前記第1の被接合物が前記一の保持部に保持され且つ前記第1の被接合物に対するスパッタリング処理用のターゲット部材が前記両保持部のうちの他の保持部に保持された状態で、前記ターゲット部材に向けてエネルギー粒子を照射することにより前記第1の被接合物に対するスパッタリング処理を施すことを特徴とする接合装置。 - 請求項12に記載の接合装置において、
前記照射部は、前記第1の被接合物に対して前記スパッタリング処理が施され且つ前記他の保持部に保持されていた前記ターゲット部材が取り外された後に、前記第1の保持部に保持された前記第1の被接合物と前記第2の保持部に保持された前記第2の被接合物との両被接合物に対して表面活性化処理用のエネルギー粒子を個別に且つ逐次的に照射することを特徴とする接合装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の接合装置において、
前記第1の被接合物の接合表面に平行な回転軸回りに前記照射部を揺動する揺動手段、
をさらに備え、
前記照射部は、
前記第1の被接合物が前記第1の保持部と前記第2の保持部との両保持部のうちの一の保持部に保持された状態で、前記第1の被接合物に対する表面活性化処理を施し、
前記第1の被接合物が前記一の保持部に保持され且つ前記第1の被接合物に対するスパッタリング処理用のターゲット部材が前記両保持部のうちの他の保持部に保持された状態で、前記揺動手段による前記回転軸回りの揺動動作を伴いつつ前記ターゲット部材に向けてエネルギー粒子を照射することにより前記第1の被接合物に対するスパッタリング処理を施し、
前記ターゲット部材における第1の領域であって前記照射部に比較的近い側の第1の領域に前記エネルギー粒子が照射されるときの前記照射部の揺動速度は、前記ターゲット部材における第2の領域であって前記照射部から比較的遠い側の第2の領域に前記エネルギー粒子が照射されるときの前記照射部の揺動速度よりも大きく設定されることを特徴とする接合装置。 - 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の接合装置において、
前記照射部は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との両保持部のうちの一の保持部の近傍に配置されたターゲット部材に向けてエネルギー粒子を照射することにより、前記ターゲット部材で反射されたエネルギー粒子とともに前記ターゲット部材の構成材料を、前記両保持部のうちの他の保持部に保持されたスパッタリング対象物であって前記第1の被接合物および前記第2の被接合物のいずれかであるスパッタリング対象物に向けて飛散させて、前記スパッタリング対象物に対するスパッタリング処理を行うことを特徴とする接合装置。 - 請求項15に記載の接合装置において、
前記照射部は、前記両保持部の離間方向に移動しつつ且つ当該照射部の姿勢角度を変更しつつ前記ターゲット部材に向けてエネルギー粒子を照射することにより、前記ターゲット部材で反射されたエネルギー粒子とともに前記ターゲット部材の構成材料を前記スパッタリング対象物に向けて飛散させて前記スパッタリング対象物に対するスパッタリング処理を行うことを特徴とする接合装置。 - 請求項15に記載の接合装置において、
前記照射部は、前記ターゲット部材の姿勢角度を変更させつつ前記ターゲット部材に向けてエネルギー粒子を照射することにより、前記ターゲット部材で反射されたエネルギー粒子とともに前記ターゲット部材の構成材料を前記スパッタリング対象物に向けて飛散させて前記スパッタリング対象物に対するスパッタリング処理を行うことを特徴とする接合装置。 - 請求項1ないし請求項17のいずれかに記載の接合装置において、
前記照射部は、原子ビームを照射する原子ビーム照射部を有することを特徴とする接合装置。 - 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の接合装置において、
前記照射部と前記第1の保持部との間に設けられ、前記照射部から前記第1の保持部への前記エネルギー粒子の照射を遮断する遮断部材、
をさらに備えることを特徴とする接合装置。 - 請求項19に記載の接合装置において、
前記照射部は、前記エネルギー粒子の初期放出状態が安定するまで、前記第2の保持部に向けるのではなく、前記第1の保持部と前記照射部との間に設けられた前記遮断部材に向けて前記エネルギー粒子を照射することを特徴とする接合装置。 - 請求項20に記載の接合装置において、
前記遮断部材は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において前記第2の保持部から離間した前記第1の保持部側の所定位置であって前記照射部と前記第1の保持部との間の所定位置に設けられ、前記エネルギー粒子の初期放出状態が安定するまで前記照射部から前記第1の保持部への前記エネルギー粒子の照射を遮断し、
前記照射部は、前記エネルギー粒子の初期放出状態が安定した後に、その姿勢角度が変更された前記遮断部材をターゲット部材として用い、前記照射部の位置および姿勢を変更して当該ターゲット部材に向けて前記エネルギー粒子を照射し、前記ターゲット部材で反射されたエネルギー粒子とともに前記ターゲット部材の構成材料を、前記第2の保持部に保持されたスパッタリング対象物であって前記第1の被接合物および前記第2の被接合物のいずれかであるスパッタリング対象物に向けて飛散させて、前記スパッタリング対象物に対するスパッタリング処理を行うことを特徴とする接合装置。 - 請求項19に記載の接合装置において、
前記遮断部材は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において前記第2の保持部から離間した前記第1の保持部側の所定位置であって、前記照射部と前記第1の保持部との間の所定位置に設けられ、
前記照射部は、前記所定位置から前記第2の保持部に向けて前記エネルギー粒子を照射することを特徴とする接合装置。 - 請求項20に記載の接合装置において、
前記遮断部材は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において前記第2の保持部から離間した前記第1の保持部側の所定位置であって、前記照射部と前記第1の保持部との間の所定位置に設けられ、
前記照射部は、前記エネルギー粒子の初期放出状態が安定した後に、当該照射部の照射角度を変更することにより、前記第1の保持部への前記エネルギー粒子の照射が前記遮断部材によって遮断される状態を維持しつつ、前記第2の保持部に保持された前記第2の被接合物に向けて前記エネルギー粒子を照射することを特徴とする接合装置。 - 接合方法であって、
a)接合装置に設けられた一の照射部によって、前記接合装置の第1の保持部に保持された第1の被接合物と、前記第1の被接合物から離間し且つ前記第1の被接合物に対向した状態で前記接合装置の第2の保持部に保持された第2の被接合物との両被接合物に対してエネルギー粒子を個別に且つ逐次的に照射するステップと、
b)前記第1の保持部と前記第2の保持部とを相対的に接近させて、前記第1の被接合物と前記第2の被接合物とを接合するステップと、
を備えることを特徴とする接合方法。 - 請求項24に記載の接合方法において、
前記ステップa)は、
a−1)前記第1の保持部よりも前記第2の保持部側に近い第1の位置から、前記第1の保持部に保持された前記第1の被接合物に向けて、前記一の照射部によってエネルギー粒子を照射することにより、前記第1の被接合物に対して表面活性化処理を施すステップと、
a−2)前記第1の保持部と前記第2の保持部との離間方向において、前記第1の位置から、前記第2の保持部よりも前記第1の保持部側に離間した第2の位置へと前記一の照射部を移動させるステップと、
a−3)前記第2の位置から、前記第2の保持部に保持された前記第2の被接合物に向けて、前記一の照射部によってエネルギー粒子を照射することにより、前記第2の被接合物に対して表面活性化処理を施すステップと、
を有することを特徴とする接合方法。 - 請求項24または請求項25に記載の接合方法において、
c)前記ステップa)に先立って、前記第1の被接合物および前記第2の被接合物のいずれかであるスパッタリング対象物に対するスパッタリング処理を施すステップ、
を備え、
前記ステップc)は、
c−1)前記第1の保持部と前記第2の保持部との両保持部のうちの一の保持部に保持されたスパッタリング対象物に向けて前記一の照射部によってエネルギー粒子を照射することにより表面活性化処理を施すステップと、
c−2)スパッタリング処理用のターゲット部材が前記両保持部のうちの他の保持部に保持された状態で、前記ターゲット部材に向けてエネルギー粒子を照射することにより、前記ターゲット部材で反射されたエネルギー粒子とともに前記ターゲット部材の構成材料を前記スパッタリング対象物に向けて飛散させて、前記スパッタリング対象物に対するスパッタリング処理を施すステップと、
を有することを特徴とする接合方法。 - 請求項26に記載の接合方法において、
前記ステップc−2)においては、前記スパッタリング対象物の表面に平行な回転軸回りに前記一の照射部を揺動する揺動動作を伴いつつ、前記一の照射部によって前記ターゲット部材に向けてエネルギー粒子が照射され、
前記ターゲット部材における第1の領域であって前記一の照射部に比較的近い側の第1の領域に前記エネルギー粒子が照射されるときの前記一の照射部の揺動速度は、前記ターゲット部材における第2の領域であって前記一の照射部から比較的遠い側の第2の領域に前記エネルギー粒子が照射されるときの前記一の照射部の揺動速度よりも大きく設定されることを特徴とする接合方法。 - 請求項24ないし請求項27のいずれかに記載の接合方法によって接合され製造された半導体デバイス。
- 請求項24ないし請求項27のいずれかに記載の接合方法によって接合され製造されたMEMSデバイス。
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