以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、具体的な数値に言及した場合、例えば、長さについて「20mm」のように言及した場合、当該数値と完全に一致する場合だけでなく、当該数値と略同一である場合も含むものとする。また、位置関係等に言及した場合、例えば、平行、直交、反対等のように言及した場合、完全に平行、直交、反対等である場合だけでなく、略平行、略直交、略反対等である場合を含むものとする。
本発明の実施の形態について図1〜図22を参照しながら説明する。
最初に、図1〜図11を参照しながら、本発明の第1の実施の形態による電気機器について説明する。図1は、温度調整容器1の外観を示す斜視図である。なお、以下の説明においては、図中の矢印で示されている「前」を前方向、「後」を後方向、「上」を上方向、「下」を下方向、「右」を右方向、「左」を左方向と定義する。
図1に示されている温度調整容器1は、電動工具用の電池パックP(図2)及び電池パックP以外の外部電源のいずれかを電源として、内部に収容された飲食物等(以下、収容物)を冷却及び加熱可能に構成された電気機器である。温度調整容器1は、冷却及び加熱すなわち温冷機能に関する3つのモード(冷却モード、加熱モード、温冷オフモード)と、温冷機能の出力に関する3つのモード(ハイモード、ノーマルモード、ローモード)とを備えている。また、温度調整容器1は充電機能を備えており、電池パックPを充電可能に構成されている。なお、上記のモード及び充電機能の詳細については、後述する。
図1〜図5に示されているように、温度調整容器1は、収容部2と、開閉蓋部3と、熱交換部4と、第1ファン部5と、電池パックPと接続可能に構成された電池接続部6と、第2ファン部7と、制御基板部8とを備えている。
図2は、温度調整容器1の外観を示す平面図であり、電池接続部6に電池パックPが接続された状態を示している。図3〜図5は、温度調整容器1の内部を示す図であり、図3は、図2のIII−III線に沿った部分断面図、図4は、図2のIV−IV線に沿った部分断面図、図5は、図2のV−V線に沿った部分断面図である。なお、図4において、電池パックPは断面ではなくその底面が図示されている。
図1〜図5に示されているように、収容部2は、上端部に開口2a(図3〜図5)が形成された略ボックス形状をなしており、周壁部21と、周壁部21と一体に形成された床壁部22とを有している。また、図3〜図5に示されているように、収容部2の内部には開口2aと連続する収容空間2bが画成されている。
図1、図3〜図5に示されているように、周壁部21は、前面視において略矩形状をなし前後方向に所定の厚みを有する前壁部21A及び後壁部21Bと、右側面視において矩形状をなし左右方向に所定の厚みを有する右壁部21C及び左壁部21Dと、一対のロック部21Eと、把手21Fとを有している。
前壁部21Aと後壁部21Bとは略平行に配置されており、右壁部21Cは、前壁部21Aの右端縁と後壁部21Bの右端縁とを接続し、左壁部21Dは、前壁部21Aの左端縁と後壁部21Bの左端縁とを接続している。また、前壁部21A、後壁部21B、右壁部21C及び左壁部21Dのそれぞれの上端部は、平面視略矩形状の開口2aを規定している、言い換えれば、周壁部21の上端部は開口2aを規定している。
図1及び図2に示されているように、一対のロック部21Eは、開閉蓋部3を収容部2に対して固定するための手動操作可能なロック機構であり、前壁部21Aの前面上部において左右方向に並んで設けられている。図1に示されているように、把手21Fは、温度調整容器1を運搬する際にユーザが把持する部分であり、左壁部21Dの左面上部に設けられている。詳細には、把手21Fは、図示せぬ回動軸を介して左壁部21Dの左面上部に接続されており、当該回動軸を中心に回動可能に構成されている。
図4〜図5に示されているように、床壁部22は、周壁部21の下端部を閉塞する部分であり、底面視において略矩形状をなし上下方向に所定の厚みを有している。また、図1に示されているように、床壁部22の右端部には、1対のキャスタ22Bが設けられている。床壁部22は、本発明における「底壁部」の一例である。
図3〜図5に示されているように、収容空間2bは、収容物を収容するための空間であり、周壁部21の内側面(前壁部21Aの後面、後壁部21Bの前面、右壁部21Cの左面及び左壁部21Dの右面)と床壁部22の上面とによって画成されている。また、一体に形成された周壁部21及び床壁部22の外郭部分は、ABS樹脂製であり、周壁部21及び床壁部22の内部には、発泡ウレタン等の断熱材2Aが充填されている。これにより、収容空間2b内の断熱性が確保されている。
図1に示されているように、開閉蓋部3は、略直方体形状をなしており、収容部2に対して回動可能に設けられている。詳細には、開閉蓋部3の後部下部は、図示せぬ左右方向に延びる回動軸を介して収容部2の後壁部21Bの上端部に接続されており、収容部2の開口2aを閉塞する閉姿勢(図1〜図5に示されている状態)と開口2aを開放する開姿勢(不図示)との間を当該回動軸を中心として回動可能に構成されている。開閉蓋部3が開姿勢の状態においては、開口2aは開放され、開口2aを介して収容物を収容空間2b内に収容可能である。また、開閉蓋部3が閉姿勢の状態においては、開口2aは閉塞され、収容空間2bは密閉状態となる。なお、一対のロック部21Eにより開閉蓋部3を収容部2に固定することで、収容空間2b内の密閉性を向上させることができる。開閉蓋部3は、本発明における「開閉部」の一例である。
また、図1〜図5に示されているように、開閉蓋部3には、熱交換部4、第1ファン部5、電池接続部6、第2ファン部7及び制御基板部8が設けられており、図6に示されているように、開閉蓋部3の内部には、電池収容空間3a、ファン収容空間3b及び基板収容空間3cが画成されている。図6は、開閉蓋部3の内部を示す部分断面平面図である。
図3〜図6に示されているように、開閉蓋部3は、開閉蓋部3の底面を規定するとともに閉姿勢において開口2aを閉塞する蓋床壁部31と、蓋床壁部31の上面の前端縁から上方に延出し開閉蓋部3の前面を規定する前板部32と、蓋床壁部31の上面の後端縁から上方に延出し後面を規定する後板部33と、蓋床壁部31の上面の右端縁から上方に延出し右側面を規定する右板部34と、蓋床壁部31の上面の左端縁から上方に延出し左側面を規定する左板部35と、前板部32、後板部33、右板部34及び左板部35それぞれの上端部を接続する上板部36とを備えている。
図4及び図5に示されているように、蓋床壁部31は、底面視において前後方向に長い略長方形状をなし上下方向に所定の厚みを有する第1床部311及び第2床部312と、第1床部311と第2床部312と一体に接続する傾斜床部313とを有している。また、蓋床壁部31(一体に形成された第1床部311、第2床部312及び傾斜床部313)の外郭部分は、ABS樹脂製であり、蓋床壁部31の内部には、発泡ウレタン等の断熱材2Aが充填されている。これにより、開閉蓋部3が閉姿勢の状態における収容空間2b内の断熱性を向上させている。
第1床部311は開閉蓋部3の左部を形成するとともに第2床部312よりも上方に位置している。第2床部312は開閉蓋部3の右部を形成している。また、図3に示されているように、第2床部312の前後方向中央よりも僅かに後側には、第2床部312を上下方向に貫通する平面視略円形状の貫通孔312aが形成されている。貫通孔312a内には、熱交換部4が配置されている。さらに、第2床部312の下面には、第1ファン部5が設けられている。傾斜床部313は第1床部311の右縁部と第2床部312の左縁部を接続している。
ここで、図4を参照しながら、第1床部311と第2床部312との位置関係について説明する。第1床部311の上面311Aは、第2床部312の上面312Aよりも上方に位置しており、第1床部311の上面311Aと収容部2の床壁部22の上面22Aとの離間距離L1は、第2床部312の上面312Aと床壁部22の上面22Aとの離間距離L2よりも長く構成されている。すなわち、第1床部311の上面311Aは、第2床部312の上面312Aよりも高い位置にある。
さらに、当該状態において、第1床部311の下面311Bは、第2床部312の下面312Bよりも上方に位置しており、第1床部311の下面311Bと床壁部22の上面22Aとの離間距離L3は、第2床部312の下面312Bと床壁部22の上面22Aとの離間距離L4よりも長く構成されている。本実施の形態においては、離間距離L3は、略364mmであり、2Lのペットボトル(約310mm)を収容可能、離間距離L4は、略305mmであり、500mLのペットボトル(約218mm)を収容可能である。離間距離L1は略394mm、離間距離L2は略335mmである。
次に、開閉蓋部3内部に画成された電池収容空間3a、ファン収容空間3b及び基板収容空間3cについて説明する。図6に示されているように、電池収容空間3aは開閉蓋部3内の右側前部に、ファン収容空間3bは開閉蓋部3内の右側後部に、基板収容空間3cは開閉蓋部3内の左側に画成されている。
電池収容空間3a内には、電池接続部6が設けられており、電池パックPを電池接続部6に接続した状態で収容可能である。電池収容空間3aは、第2床部312の上面312Aの前部(図3、図4)と、前板部32の右部後面(図3、図6)と、上面312Aにおける前後方向中央よりも僅かに前方の部分から上方に延出する第1仕切板37の前面(図3、図6)と、右板部34の前部左側面(図4、図6)と、第1床部311の上面311Aにおける右側縁前部から上方に延出する第2仕切板38の右側面(図4、図6)と、上板部36の右側前部の下面(図3、図4)と、によって画成されていおり、ファン収容空間3b及び基板収容空間3cとは連通していない空間となっている。電池収容空間3a及び電池収容空間3aを画成する部分は、本発明における「電池収容部」の一例である。
また、前板部32の電池収容空間3aを画成する部分の上部及び上板部36の電池収容空間3aを画成する部分の一部は、切り欠かれており、当該切り欠かれている部分には、電池蓋3Aが設けられている。電池蓋3Aは、前板部32に設けられた左右方向に延びる回動軸32Aを介して前板部32に接続されており、回動軸32Aを中心に、電池収容空間3aと外部との連通を遮断する閉姿勢(図2〜図4に示されている状態、閉状態)と、電池収容空間3aと外部とを連通する開姿勢(図7及び図8に示されている状態、開状態)との間を回動可能に構成されている。また、電池パックPが電池接続部6に接続された状態において、電池蓋3Aは、開姿勢で電池パックPを外部に露出し、閉姿勢で電池パックPを覆う。図7は、電池蓋3Aが開姿勢となっている状態(開状態)の温度調整容器1の外観を示す斜視図であり、図8は、電池蓋3Aが開姿勢である状態の温度調整容器1の内部を示す図2のIII−III線に沿った部分断面図である。電池蓋3Aは、本発明における「蓋」の一例である。
ファン収容空間3b内には、第2ファン部7が設けられている。ファン収容空間3bは、第2床部312の上面312Aの後部(図3、図5)と、後板部33の右部前面(図3、図6)と、第1仕切板37の後面(図3、図6)と、右板部34の後部左側面(図5、図6)と、上板部36の下面の左右方向略中央から下方に延出する第3仕切板39の右側面(図5、図6)と、上板部36の右側後部の下面(図3、図5)と、によって画成されている。
また、図5に示されているように、第3仕切板39の下端部と傾斜床部313との間には、ファン収容空間3bと基板収容空間3cとを連通する隙間が形成されている。さらに、図1及び図2に示されているように、上板部36のファン収容空間3bを画成する部分には、ファン収容空間3bと外部とを連通する吸気孔3dが複数形成されており、右板部34のファン収容空間3bを画成する部分には、ファン収容空間3bと外部とを連通する排気孔3eが複数形成されている。
基板収容空間3c内には、制御基板部8が設けられている。基板収容空間3cは、第1床部311の上面311A(図4、図5)と、前板部32の左部後面(図6)と、後板部33の左部前面(図6)と、左板部35の右側面(図4、図6)と、第2仕切板38の左側面(図4、図6)と、第3仕切板39の左側面(図5、図6)と、上板部36の左部下面(図4、図5)と、によって画成されている。基板収容空間3c及び基板収容空間3cを画成する部分は、本発明における「基板収容部」の一例である。
図2に示されているように、基板収容空間3cを画成する左板部35の前部には、排気孔3fが複数形成されている。図1に示されているように、前板部32の基板収容空間3cを画成する部分の前面には、操作表示部3Bが設けられている。
ここで、図9及び図10を参照しながら操作表示部3Bについて説明する。図9は、操作表示部3Bを示す図であり、図10は、温度調整容器1の電気的構成を示すブロック図を含む回路図であり、電池パックPと接続された状態を示している。
図9に示されているように、操作表示部3Bは、手動操作可能なプッシュ式のスイッチボタンである電源スイッチ3F、温冷切替スイッチ3G及び出力切替スイッチ3Hと、モードの状態を示すためのLEDで構成された冷却ランプ3I、加熱ランプ3J、高出力ランプ3K、低出力ランプ3L及び充電ランプ3Mとを備えている。また、図10に示されているように、操作表示部3Bの3つのプッシュ式スイッチ及び各ランプは、制御基板部8に接続されており、3つのスイッチボタンはユーザの操作に応じた信号を制御基板部8に出力するように構成されており、各ランプを点灯状態は、モードの状態に応じて制御基板部8により変更される。
電源スイッチ3Fは、温度調整容器1の電源のオン/オフを切替えるためのスイッチである。温冷切替スイッチ3Gは、冷却モード、加熱モード、温冷オフモードの間でモードを切替えるためのスイッチである。出力切替スイッチ3Hは、ハイモード、ノーマルモード、ローモードの間でモードを切替えるためのスイッチである。
本実施の形態では、冷却モードに設定されている場合、冷却ランプ3Iは点灯し、且つ、加熱ランプ3Jは消灯し、加熱モードに設定されている場合、冷却ランプ3Iは消灯し、且つ、加熱ランプ3Jは点灯し、温冷オフモードに設定されている場合、冷却ランプ3I及び加熱ランプ3Jは消灯する。また、ハイモードに設定されている場合、高出力ランプ3Kは点灯し、且つ、低出力ランプ3Lは消灯し、ローモードに設定されている場合、高出力ランプ3Kは消灯し、且つ、低出力ランプ3Lは点灯し、ノーマルモードに設定されている場合、高出力ランプ3K及び低出力ランプ3Lは消灯する。また、充電ランプ3Mは、電池パックPに対して充電を行っている場合に点灯し、充電を行っていない場合には消灯される。例えば、冷却モード且つハイモードで充電を行っていない場合、冷却ランプ3I及び高出力ランプ3Kは点灯し、他のランプは消灯する。
図6に戻り、後板部33の基板収容空間3cを画成する部分には、外部電源接続部3Cが設けられている。外部電源接続部3Cは、図10に示されているように、制御基板部8と接続された外部プラス端子3D及び外部マイナス端子3Eを有しており、電池パックP以外の外部電源と接続可能に構成されている。例えば、図6に示さている一端に外部電源接続部3Cと接続可能な端子F1を有し他端にシガーソケットF2を備えるケーブルFを用いることで、車載バッテリと接続することができる。また、例えば、AC/DC変換アダプタG1を備えるとともに一端に外部電源接続部3Cと接続可能な端子G2を有し他端にコンセントプラグG3を有するケーブルGを用いることで、家庭用の商用電源(AC100V)と接続することができる。外部電源接続部3Cは、本発明における「電源接続部」の一例である。
次に、熱交換部4について説明する。図3に示されているように、熱交換部4は、ペルチェ素子41とアルミブロック42とを有している。
ペルチェ素子41は、薄板状の熱交換素子であり、上面は第2ファン部7に当接しており、下面はアルミブロック42に当接している。また、ペルチェ素子41は、第1端子43及び第2端子44(図10)を有しており、電流が第1端子43から第2端子44に流れた場合に、上面が発熱し、下面が吸熱する(下面が冷却される)。一方、電流が第2端子44から第1端子43に流れた場合に、上面が吸熱し、下面が発熱する。アルミブロック42は、アルミ製の熱伝導部材であって、貫通孔312a内に嵌装されている。アルミブロック42の下面は、第1ファン部5に近接しており、ペルチェ素子41の下面と第1ファン部5との間の熱交換を行う。熱交換部4は、本発明における「温度変化手段」、「出力部」の一例である。
次に、第1ファン部5について説明する。図3〜図5に示されているように、第1ファン部5は、蓋床壁部31の第2床部312の下面に設けられており、第1フィン部51及び第1ファン52を有している。
第1フィン部51は、図5に示されているように、前後方向に延び上下方向に所定の長さを有する金属製の放熱フィンを複数有しており、熱交換部4のアルミブロック42の直下に位置している。第1ファン52は、遠心ファンであり、第1フィン部51の前方に設けられている。第1ファン52が回転すると、収容空間2bに図3に示されている空気流Aが発生し、収容空間2bの空気が撹拌される。これにより、収容空間2b内の空気は、ペルチェ素子41の下面が吸熱を行っている場合、冷却され、ペルチェ素子41の下面が発熱を行っている場合、加熱される。
次に、電池接続部6及び電池パックPに接続可能な電池パックPについて説明する。
先に、図10を参照しながら、電池パックPについて説明する。図10に示されているように、電池パックPは、ペルチェ素子41及び制御基板部8の電源となる複数の二次電池を有する電池組を収容している。また、電池パックPは、充電プラス端子(C+)、放電プラス端子(+)、充放電マイナス端子(−)、温度信号出力端子(T)、過充電信号出力端子(V)、電池種判別端子(Ls)、電池残量信号出力端子(LD)を有している。本実施の形態において、二次電池は、リチウムイオン二次電池である。
図3に戻り、電池接続部6について説明する。図3に示されているように、電池接続部6は、接続端子部61と、一対の案内部62(図7)とを有している。
接続端子部61は、第1仕切板37の前面と第2床部312の上面312Aとに亘って設けられており、電池パックPと接続可能に構成されている。接続端子部61と電池パックPとの接続は、電池パックPを接続端子部61の上方から接続端子部61に向かって下方(図3の矢印D)にスライド移動させることにより行う。上下方向は、本発明における「第1方向」の一例であり、下方向は、本発明における「第1方向のうちの一方向」の一例である。
また、図10に示されているように、接続端子部61は、接続端子部61と電池パックPとが接続された場合、充電プラス端子(C+)、放電プラス端子(+)、充放電マイナス端子(−)、温度信号出力端子(T)、過充電信号出力端子(V)、電池種判別端子(Ls)、電池残量信号出力端子(LD)とそれぞれ接続される7個の端子を有している。
図7に示されているように、一対の案内部62は、電池パックPの接続端子部61へのスライド接続を案内する上下に延びるガイドレールであり、第1仕切板37の前面の左右両端部のそれぞれに設けられている。
次に、第2ファン部7について説明する。図3及び図5に示されているように、第2ファン部7は、第2フィン部71と第2ファン72とを有している。
第2フィン部71は、左右方向に延び上下方向に所定の長さを有する金属製の放熱フィンを複数有しており、熱交換部4のペルチェ素子41の直上に位置している。第2ファン72は、軸流ファンであり、上板部36に取付けられており、吸気孔3dの直下に位置している。第2ファン72が回転すると、図5及び図6に示された空気流Bと空気流Cとが発生する。
空気流Bは、吸気孔3dからファン収容空間3b内に吸入され、第2フィン部71の複数の放熱フィンの間を通過し、第2仕切板38の下端部と傾斜床部313との隙間を介して基板収容空間3cに流入した後、排気孔3fから排出される空気の流れである。空気流Bにより、ペルチェ素子41の下面が吸熱を行っている場合でもペルチェ素子41の下面が発熱を行っている場合でも制御基板部8が冷却される。
空気流Cは、吸気孔3dからファン収容空間3b内に吸入され、第2フィン部71の複数の放熱フィンの間を通過し、左板部35に形成された排気孔3eから排出される空気の流れである。空気流Cにより、ペルチェ素子41の下面が吸熱を行っている場合、ペルチェ素子41の上面の熱を複数の放熱フィンを介して外部に排出することができ、収容空間2b内の冷却を効率良く行うことができる。また、ペルチェ素子41の下面が発熱を行っている場合、空気流Cにより、空気流Cの空気が放熱フィンに吸熱される。
次に、制御基板部8について説明する。図4〜図6に示されているように、制御基板部8は、平面視矩形状の制御基板81と、制御基板81に実装された後述の電力供給回路82、切替回路83、制御部84とを備えている。制御基板81は、基板収容空間3c内において、第1床部311の上面311Aに設置されている。このように、本実施の形態においては、制御基板81を第2床部312の上面312Aよりも高い位置にある第1床部311の上面311Aに設置しているため(図5)、上板部36の吸気孔3dから雨水等の水滴がファン収容空間3b内に侵入した場合であっても、当該水滴が基板収容空間3c内に侵入することを抑制でき、当該水滴に起因する制御基板81に実装された各種回路の故障を抑制できる。また、本実施の形態においては、ファン収容空間3bと基板収容空間3cとの間に第2仕切板38が設けられているため、ファン収容空間3bに進入した水滴が基板収容空間3c内への侵入することをより抑制することができる。
また、本実施の形態においては、薄板状の制御基板81を、第2床部312の上面312Aよりも上方に位置する第1床部311の上面311Aに設けて、第2床部312の上面312Aに上下方向の高さが大きい第2ファン部7を設けているため、温度調整容器1の上下方向の寸法を大きくすることなく、開閉蓋部3が開姿勢の状態における温度調整容器1の内部の空間を広くすることができる。第1床部311は、本発明における「基板収容部の床」の一例であり、第2床部312は、本発明における「電池収容部の床」の一例である。
次に、図10を参照しながら、制御基板部8の電気的構成について説明する。図10に示されているように、制御基板部8は、制御基板81に実装された電力供給回路82、切替回路83、制御部84とを備えている。
電力供給回路82は、電池パックP及び外部電源接続部3Cに接続された外部電源の電力を熱交換部4に供給可能に構成された回路であり、プラスライン82Aと、マイナスライン82Bと、充電回路82Cと、第1FET82Dと、第1電源回路82Eと、第2FET82Fと、第2電源回路82Gとを有している。電力供給回路82は、本発明における「電力供給部」の一例である。
プラスライン82Aは、外部電源接続部3Cの外部プラス端子3Dに接続された電源ラインである。マイナスライン82Bは、外部電源接続部3Cの外部マイナス端子3Eに接続されたGNDラインであり、接続端子部61(電池パックPの充電マイナス端子(−)と接続される端子)、第1電源回路82E、第2電源回路82G及び制御部84等に接続されている。
充電回路82Cは、電池パックPを充電可能な回路であり、プラスライン82Aとマイナスライン82Bとの間に接続されており、接続端子部61(電池パックPの充電プラス端子(C+)に接続される端子)及び制御部84に接続されている。充電回路82Cは、制御部84から出力される充電制御信号に基づいて、外部プラス端子3D及び外部マイナス端子3Eから印可される電圧を電池パックPの充電に適切な電圧に変換して、電池パックPを充電する。例えば、12Vの車載バッテリを外部電源接続部3Cに接続しており、且つ、電池パックPが備える電池組の規定の充電電圧が14.4Vである場合、車載バッテリの電圧(12V)を14.4Vに昇圧し、当該14.4Vを用いて定電流定電圧制御で電池パックPを充電する。また、電池パックPが備える電池組の規定の充電電圧が18Vである場合、車載バッテリの電圧(12V)を18Vに昇圧し、当該18Vを用いて定電流定電圧制御で電池パックPを充電する。
第1FET82Dは、制御部84からの信号でドレイン−ソース間の導通/非導通が切替わるスイッチング素子であり、そのドレインはプラスライン82A及び接続端子部61(電池パックPの放電プラス端子(+)に接続される端子)に、ソースは第1電源回路82Eに、ゲートは制御部84に接続されている。
第1電源回路82Eは、第1ファン52、第2ファン72及びペルチェ素子41に電力を供給する定電圧電源回路であり、第1FET82Dを介して印可された電圧を12Vに変換して出力する。なお、接続端子部61と電池パックPとが接続されていない場合、第1電源回路82Eにはプラスライン82A及び第1FET82Dを介して外部電源の電圧(本実施の形態においては、12V)が印加され、接続端子部61と電池パックPとが接続されている場合には、電池パックP(電池組)の電圧又は充電回路82Cによって昇圧された電圧(本実施の形態においては、14.4V又は18V)が接続端子部61(放電プラス端子(+)と接続された端子)及び第1FET82Dを介して印加される。
第2FET82Fは、制御部84からの信号でドレイン−ソース間の導通/非導通が切替わるスイッチング素子であり、そのドレインは切替回路83に、ソースは第1電源回路82Eに、ゲートは制御部84に接続されている。
第2電源回路82Gは、制御部84に電力を供給する定電圧電源回路であり、プラスライン82A及び接続端子部61(電池パックPの放電プラス端子(+)に接続される端子)に接続されている。第2電源回路82Gは、プラスライン82A又は接続端子部61を介して印可された電圧を5Vに変換して制御部84に出力する。
切替回路83は、電力供給回路82とペルチェ素子41との間に設けられた接点切替回路であり、制御部84からの信号に基いて、電力供給回路82とペルチェ素子41との接続状態を第1接続、第2接続、第3接続の間で切替える。第1接続とされた場合、ペルチェ素子41の第1端子43はマイナスライン82Bと接続され、且つ、第2端子44は第1電源回路82Eと第2FET82Fを介して接続される。第2接続とされた場合、第1端子43は第1電源回路82Eと第2FET82Fを介して接続され、且つ、第2端子44はマイナスライン82Bと接続される。第3接続とされた場合、ペルチェ素子41は電力供給回路82と非接続状態となる。
なお、本実施の形態においては、第1接続とされた状態でペルチェ素子41に電力が供給された場合、ペルチェ素子41の上面は発熱し且つ下面は吸熱する。すなわち、第1接続は、収容空間2b内を冷却(収容物を保冷)するための接続である。また、第2接続とされた状態でペルチェ素子41に電力が供給された場合、ペルチェ素子41の上面は吸熱し且つ下面は発熱する。すなわち、第2接続は、収容空間2b内を加熱(収容物を保温)するための接続状態である。また、第3接続とされた場合、ペルチェ素子41には電力が供給されず、ペルチェ素子41は熱交換を行わない。
制御部84は、温度調整容器1の動作制御に用いる処理プログラム、各種データに基づいて演算を行う中央処理装置(CPU)を有する図示せぬ演算部と、当該処理プログラム、各種テーブル、各種閾値等を記憶するための図示せぬROMと、データを一時記憶するための図示せぬRAMを有する記憶部と備えている。なお、本実施の形態において、制御部84はマイコンである。
制御部84は、充電回路82C及び接続端子部61の4つの端子(電池パックPの温度信号出力端子(T)、過充電信号出力端子(V)、電池種判別端子(Ls)、電池残量信号出力端子(LD)とそれぞれ接続される4つの端子)に接続されており、電池パックPに対し温度監視、過充電監視、電池種判別、電池残量監視を行うとともに充電回路82Cによる電池パックPの充電を制御する。また、制御部84は、収容空間2b内の温度を検出する温度検出素子3Nと接続されており、収容空間2b内の温度監視を行う。なお、本実施の形態においては、温度検出素子3Nは、例えば、アルミブロック42近傍に配置されたサーミスタ等である。温度検出素子3Nは、本発明における「温度検出手段」の一例である。
制御部84は、操作表示部3Bの電源スイッチ3Fから出力される信号に基づいて、第1電源回路82Eへの電力供給のオン/オフを切換える。第1電源回路82Eへの電力供給のオン/オフは、第1FET82Dのドレイン−ソース間の導通/非導通を切替えることで行う。
制御部84は、操作表示部3Bの温冷切替スイッチ3Gから出力される信号に基づいて、冷却及び加熱に関するモードを冷却モード、加熱モード、温冷オフモードの間で切替える。制御部84は、冷却モードとする場合、切替回路83に信号(信号線は不図示)を出力して第1接続とし、加熱モードとする場合は第2接続とし、温冷オフモードとする場合には第3接続とする。
制御部84は、操作表示部3Bの出力切替スイッチ3Hから出力される信号に基づいて、出力に関するモードをハイモード、ノーマルモード、ローモードの間で切替える。制御部84は、各モードにおいて、外部電源接続部3Cと外部電源との接続状態(外部電源入力の有無)、接続端子部61と電池パックPとの接続状態(電池接続の有無)、電池パックPの電池残量、及び、収容空間2b内の温度(収容空間温度)の4つの要素に基づいて、ペルチェ素子41に供給する電力(ペルチェ供給電力)をPWM制御を用いて制御(変更)する。なお、制御部84は、第2FET82FのゲートにPWM信号を出力することでPWM制御を行う。
ここで、図11を参照しながら、ハイモード、ノーマルモード、ローモードの各モードにおける制御部84によるペルチェ供給電力の制御について説明する。図11は、各モードにおける外部電源入力の有無、電池接続の有無、電池残量、及び、収容空間温度に応じたペルチェ供給電力を示したテーブルである。
図11に示されているように、制御部84は、外部電源入力がある場合には、ハイモード、ノーマルモード、ローモードにおいて同一の制御を行い、外部電源入力がなく且つ電池接続がある場合には、各モード間で異なる制御を行う。
外部電源入力がある場合について説明する。図11に示されているように、外部電源入力があり且つ電池接続がない場合には、電池パックPを充電する必要がなく外部電源から外部電源接続部3Cを介して供給される電力のすべてをペルチェ素子41に供給することができるため、ハイモード、ノーマルモード、ローモードのすべてにおいて、ペルチェ供給電力を最大の50Wとして収容空間2bの冷却又は加熱を行う。
また、各モードにおいて外部電源入力があり且つ電池接続がある場合には、電池パックPが満充電であるか否かを判断し、満充電であるときは、電池パックPを充電する必要がないため、ペルチェ供給電力を最大の50Wとして収容空間2b内の冷却又は加熱を行う。一方、各モードにおいて外部電源入力があり且つ電池接続がある場合に、満充電でなく電池パックPを充電する必要があるときには(図11の「空」)、ペルチェ供給電力を35Wとして冷却又は加熱を行い、電池パックPの充電電力を10Wとする。なお、電池パックPが満充電であるか否かの判断は、電池残量信号出力端子(LD)から出力される電池残量信号に基づいて判断する。
外部電源入力がなく且つ電池接続がある場合、すなわち、温度調整容器1が電池パックPを電源として駆動している場合について説明する。外部電源入力がなく且つ電池接続がある場合には、収容空間温度に応じて、ペルチェ供給電力を変更する。詳細には、当該状態で冷却モードに設定されている場合であれば、収容空間温度が所定の冷却温度閾値よりも高い場合と低い場合とでペルチェ供給電力を変更し、加熱モードに設定されている場合であれば、収容空間温度が所定の加熱温度閾値よりも低い場合と高い場合とでペルチェ供給電力を変更する。
ここでは、冷却モードに設定されているときの外部電源入力がなく且つ電池接続がある場合について説明する。
冷却モードに設定されており、外部電源入力がなく且つ電池接続がある場合、ハイモードにおいては、収容空間2b内の冷却を最優先とし、収容空間温度が冷却温度閾値よりも高い場合及び低い場合ともにペルチェ供給電力を最大の50Wとする。このように、ハイモードにおいては、収容空間2b内の冷却を最優先としているため、収容物を急速に冷却することができる。
ノーマルモードにおいては、収容空間温度が冷却温度閾値よりも高い場合、すなわち、収容空間2b内の冷却の必要性が高い場合にはペルチェ供給電力を最大の50Wとして冷却を最優先する。一方、収容空間温度が冷却温度閾値よりも低い場合、すなわち、収容空間2b内の冷却の必要性が低い場合には、冷却よりも電池パックPの電力消費の抑制を優先させてペルチェ供給電力を20Wとする。このように、ノーマルモードにおいては、収容空間2b内の冷却が必要な場合にはペルチェ供給電力を最大とし、冷却の必要性が低い場合にはペルチェ供給電力を20Wとして電池パックPの消費電力を抑制している。このため、収容空間2b内の冷却を効率良く行うとともに電池パックPによる温度調整容器1の駆動時間を長くすることができる。
ローモードにおいては、電池パックPの電力消費の抑制を最優先とし、収容空間温度が冷却温度閾値よりも高い場合及び低い場合ともにペルチェ供給電力を20Wとする。このように、ローモードにおいては、電力消費の抑制を最優先としているため、電池パックPによる温度調整容器1の駆動時間をより長くすることができる。
上述したように本実施の形態による温度調整容器1は、開口2aが形成され開口2aと連続する収容空間2bが内部に画成された収容部2と、開口2aを開閉可能な開閉蓋部3と、電力が供給されることで収容空間2b内の温度を変化させる熱交換部4と、電池パックPと接続可能に構成された電池接続部6と、電池パックPの電力を熱交換部4に供給可能に構成された電力供給回路82と、電力供給回路82から熱交換部4に供給される電力を制御する制御基板部8と、を備えている。
このような構成によると、電池パックPと接続可能に構成された電池接続部6を備えているため、電池パックPが故障した場合であっても他の電池パックを電池接続部6に接続することで熱交換部4に電力を供給することができる。これにより、内部バッテリを用いる構成と比較して、利便性が高く、メンテナンスを容易とすることができる。
また、本実施の形態においては、制御部84は制御基板81に実装され、電池接続部6及び制御基板81は、開閉蓋部3に設けられている。これにより、収容部2に電池接続部6及び制御基板81が設けられている構成と比較して、収容空間2bを広くすることができる。また、電池接続部6に電池パックPを接続した状態で開閉蓋部3により開口2aを閉塞した場合には、電池パックPの重さにより収容空間2b内の密閉性を高めることができる。また、開閉蓋部3の回動支点となるヒンジ側(後側)と反対側(前側)に電池接続部6を設けたことで、ヒンジ側に設けた場合と比較して電池パックPの自重を利用して密閉性を一層高めることができる。また、単一の乾電池と比較して電池パックPは重いため、電池パックは密閉性を高める場合に効果的である。
また、本実施の形態においては、開閉蓋部3は、電池接続部6に接続された状態の電池パックPを収容可能な電池収容空間3aと電池収容空間3aを画成する部分を有し、電池収容空間3aを画成する部分は、閉姿勢において電池接続部6に接続された状態の電池パックPを覆い、開姿勢において電池パックPを露出させる電池蓋3Aを有している。これにより、電池接続部6に接続された状態の電池パックPを衝撃や雨水等から保護することができ、電池パックPの故障を抑制することができる。
また、本実施の形態においては、収容部2は、上下方向に延び上端部が開口2aを規定する周壁部21と、周壁部21の下端部を閉塞する床壁部22と、を有し、開閉蓋部3は、制御基板81を収容する基板収容空間3c及び基板収容空間3cを画成する部分を有し、開閉蓋部3が開口2aを閉塞している状態において、上下方向における第1床部311と床壁部22との離間距離L3は、第2床部312と床壁部22との離間距離L4よりも長く構成されている。床壁部22を下側にして温度調整容器1を地面に載置した場合、第1床部311は第2床部312よりも高い位置となる。これにより、開閉蓋部3が収容部2の開口2aを閉塞している状態において、第1床部311と床壁部22との間の空間を広くすることができる。また、電池収容部と基板収容部が連通している構成の場合、電池収容部に雨水等が浸入した場合でも雨水が基板収容部に流れ込んでしまうことを防止でき、制御基板を保護することができる。
また、本実施の形態においては、電池接続部6は、電池パックPを電池接続部6に向かって上下方向のうちの下方向(図3の矢印D)に移動させることで電池接続部6と接続されるように構成されている。これにより、電池パックPを電池接続部6に簡易に接続することができる。
また、本実施の形態においては、外部電源(車載バッテリや家庭用の商用電源)と接続可能な外部電源接続部3Cを備えており、電力供給回路82は、外部電源の電力を熱交換部4に供給可能に構成されている。これにより、電池パックの残量がない場合であっても熱交換部4に電力を供給することができ、利便性をより向上させることができる。
また、本実施の形態においては、収容空間2bの温度を検出する温度検出素子3Nを備えており、制御部84は、電池接続部6と電池パックPとの接続状態、外部電源接続部3Cと外部電源との接続状態及び収容空間2bの温度の少なくともいずれか一つに基づいて、熱交換部4に供給される電力を制御している。これにより、熱交換部4に適切な電力を供給することができる。また、該電池パックは電動工具用電池パックであることが好ましい。このような構成によると、乾電池を使用する場合と比較して温度変化手段に供給可能な電力を多くするこができる。また、電動工具を用いて作業している場合にはその電池パックを利用することができる。また、電池パックを開閉部に取り付ける構成すれば、乾電池と比較して重いため、電池接続部に電池パックを接続した状態で開閉部により開口を閉塞した場合、電池パックの重さにより収容空間内の密閉性を一層高めることができる。
次に、図12〜図15を参照しながら、本発明の第2の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器200について説明する。なお、温度調整容器1と同一の部材、構成には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
図12〜図15に示されているように、温度調整容器200は、電池接続部206と電池蓋203Aと備えている。図12は、温度調整容器200の外観を示す平面図であり、電池接続部206に電池パックPを接続した状態を示している。図13は、温度調整容器200の内部を示す図12のXIII−XIII線に沿った部分断面図であり、電池蓋203Aが閉姿勢である状態を示している。図14は、温度調整容器200の内部を示す図12のXIII−XIII線に沿った部分断面図であり、電池蓋203Aが開姿勢である状態を示している。図15は、温度調整容器200の開閉蓋部3の内部を示す部分断面平面図である。
図13及び図14に示されているように、電池接続部206は、接続端子部261と、一対の図示せぬ案内部とを有している。接続端子部261は、第2床部312の上面312Aに設けられており、電池パックPと接続可能に構成されている。接続端子部261と電池パックPとの接続は、電池パックPを接続端子部261の右方から接続端子部261に向かって左方(図14の矢印E)にスライド移動させることにより行う。左右方向は、本発明における「第2方向」の一例であり、左方向は、本発明における「第2方向のうちの一方向」の一例である。
一対の案内部は、電池パックPの接続端子部261へのスライド接続を案内する左右に延びるガイドレールであり、第2床部312の上面312Aに前後方向に所定の間隔を空けて設けられている。
図12に示されているように、電池蓋203Aは、上板部36に設けられた前後方向に延びる2本の回動軸236Aに回動可能に接続されており、回動軸236Aを中心に、電池収容空間3aと外部とを連通させる開姿勢(図14に示されている状態)と、電池収容空間3aと外部との連通を遮断する閉姿勢(図13に示されている状態)との間を回動可能に構成されている。また、電池パックPが電池接続部206に接続された状態において、電池蓋203Aは、開姿勢で電池パックPを外部に露出し、閉姿勢で電池パックPを覆う。
このように、本発明の第2の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器200は、電池パックPを電池接続部206に向かって上下方向と交差する左右方向のうちの左方に移動させることで電池パックPと接続されるように構成されている。このため、開閉蓋部3の開閉に伴う遠心力によって電池パックPと電池接続部206(電池パックPの端子と接続端子部261)との接続が不安定になることを抑制することができる。また、第1の実施の形態と比較し、電池収容空間3aの上下方向の寸法を抑えることができるため、離間距離L2及びL4を広くすることができる。
次に、図16を参照しながら、本発明の第3の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器300について説明する。なお、上述した実施の形態による温度調整容器と同一の部材、構成には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。図16は、温度調整容器300の開閉蓋部3の内部を示す部分断面平面図である。
温度調整容器300は、図示せぬ接続他端子部と図示せぬ一対の案内部とを有する電池接続部306を備えている。電池接続部306の接続端子部は、第2床部312の上面312Aに設けられており、電池パックPと接続可能に構成されている。電池接続部306の接続端子部とと電池パックPとの接続は、電池パックPを当該接続端子部の前方から当該接続端子部に向かって後方(図16の矢印F)にスライド移動させることにより行う。前後方向は、本発明における「第2方向」の一例であり、後方向は、本発明における「第2方向のうちの一方向」の一例である。
電池接続部306の一対の案内部は、電池パックPの当該接続端子部へのスライド接続を案内する前後に延びるガイドレールであり、第2床部312の上面312Aに左右方向に所定の間隔を空けて設けられている。
このように、本発明の第3の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器300は、電池パックPを電池接続部306に向かって上下方向と交差する前後方向のうちの後方に移動させることで電池パックPと接続されるように構成されている。このため、操作表示部3Bと同じ方向(前方)から電池パックPを着脱できる。そのため、温度調整容器300が起動しているか否かを確認して電池パックPを取り外すことが可能となる。また、第1の実施の形態と比較し、電池収容空間3aの上下方向の寸法を抑えることができるため、離間距離L2及びL4を広くすることができる。
次に、図17を参照しながら、本発明の第4の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器400について説明する。なお、上述した実施の形態による温度調整容器と同一の部材、構成には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。図17は、温度調整容器400の開閉蓋部3の内部を示す部分断面平面図である。
温度調整容器400の電池収容空間3a内には、図示せぬ2つの電池接続部が設けられており、2つの電池接続部のそれぞれに電池パックPを接続した状態で収容可能に構成されている。
このように、本発明の第4の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器400は、電池接続部を複数備えているため、詳細には、電池収容空間3aに2つの電池接続部を有しているため、熱交換部4に2個の電池パックPから電力を供給することができる、すなわち、熱交換部4に供給可能な電力を多くするこができる。これにより、収容物を長時間冷却又は加熱することができる。なお、電池パックPは第1の実施の形態のように上下方向にスライド接続するようにしても良い。
次に、図18を参照しながら、本発明の第5の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器500について説明する。なお、上述した実施の形態による温度調整容器と同一の部材、構成には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。図18は、温度調整容器500の開閉蓋部3の内部を示す部分断面平面図である。
温度調整容器500の開閉蓋部3内には、互いに独立した第1電池収容空間503a、第2電池収容空間503b、ファン収容空間503cが画成されている。詳細には、第1電池収容空間503aは開閉蓋部3内の右側前部に、第2電池収容空間503bは右側後部に、ファン収容空間503cは第1電池収容空間503aと第2電池収容空間503bとの間に画成されている。第1電池収容空間503a及び第2電池収容空間503bのそれぞれには図示せぬ電池接続部が設けられている。
このように、本発明の第5の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器500の開閉蓋部3には、第1電池収容空間503a及び第2電池収容空間503bの互いに分離された2つの電池収容空間が画成されており、電池パックPが収容可能な構成となっている。このため、熱交換部4に2個の電池パックPから電力を供給することができる、すなわち、熱交換部4に供給可能な電力を多くするこができる。これにより、収容物を長時間冷却又は加熱することができる。
次に、図19を参照しながら、本発明の第6の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器600について説明する。なお、上述した実施の形態による温度調整容器と同一の部材、構成には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。図19は、温度調整容器600の内部を示す部分断面前面図である。
図19に示されているように、温度調整容器600の開閉蓋部3内の右側には、ファン収容空間603bが画成され、左側上部には、電池収容空間603aが画成され、左側下部には、基板収容空間603cが画成されている。電池収容空間3aと基板収容空間603cとは、隔壁603Aによって仕切られている。電池収容空間603a内において隔壁603Aの上面には、電池接続部606が設けられている。
このように、本発明の第6の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器600の開閉蓋部3内の左側の空間は、隔壁603Aによって電池収容空間603aと基板収容空間603cとに分離されている。このため、端子接続部と制御基板81との距離を短くすることができるため、それらを接続する配線を短くできる。そのため、組み立てが容易になると共にコストを削減することもできる。また、収容空間2bを広くすることができる。
次に、図20を参照しながら、本発明の第7の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器700について説明する。なお、上述した実施の形態による温度調整容器と同一の部材、構成には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。図20は、温度調整容器700の内部を示す部分断面前面図である。
図20に示されているように、温度調整容器700は、収容部702及び開閉蓋703を備えている。収容部702の下部右側は左方に窪んでおり、当該窪んだ部分には電池収容空間702aが画成されており、電池収容空間702a内には、電池接続部706が設けられている。また、開閉蓋703内の右側には、ファン収容空間703bが画成され、左側には基板収容空間703cが画成されている。また、キャスタ22Bが設けられている部分(図中の左下部分)と反対側(図中の右下部分)に電池接続部706を設けている。
このように、本発明の第7の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器700においては、電池収容空間702aが収容部702の下部右側に画成されている。このため、開閉蓋部3を軽くすることができ、開閉蓋部3を開閉しやすくすることができる。また、雨水等の異物が電池収容空間702aへ入り込み難い構成とすることができる。また、温度調整容器700の下部が重くなるため、温度調整容器700を安定して置くことができる。また、キャスタ22Bによって電気機器を傾けて収容部702に溜まった水等を捨てる場合に、水が収容部702の壁面を伝って流れても、電池接続部706に水が流れ込むことを防止することができる。
次に、図21を参照しながら、本発明の第8の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器800について説明する。なお、上述した実施の形態による温度調整容器と同一の部材、構成には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。図21は、温度調整容器800の内部を示す部分断面前面図である。
図21に示されているように、温度調整容器800は、収容部802及び開閉蓋803を備えている。収容部802の下部右側には、電池収容空間802aが画成されており、電池収容空間802a内には、電池接続部806が設けられている。収容部802の下部左側には、基板収容空間802cが画成されている。また、開閉蓋803内の右側には、ファン収容空間803bが画成されている。また、キャスタ22Bが設けられている部分(図中の左下部分)と反対側(図中の右下部分)に電池接続部806を設けている。
このように、本発明の第8の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器800においては、電池収容空間802aが収容部802の下部右側に画成され、基板収容空間802cが収容部802下部左側に画成されている。このため、開閉蓋部3を軽くすることができ、開閉蓋部3を開閉しやすくすることができる。また、雨水等の異物が基板収容空間802cや電池収容空間802aへ入り込み難い構成とすることができる。また、温度調整容器700の下部が重くなるため、温度調整容器700を安定して置くことができる。また、キャスタ22Bによって電気機器を傾けて収容部702に溜まった水等を捨てる場合に、水が収容部802の壁面を伝って流れても、電池接続部806に水が流れ込むことを防止することができる。
次に、図22を参照しながら、本発明の第9の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器900について説明する。なお、上述した実施の形態による温度調整容器と同一の部材、構成には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。図22は、温度調整容器900の内部を示す部分断面前面図である。
図22に示されているように、温度調整容器900は、収容部902と、開閉蓋903と、開閉蓋903の上面に設けられた電池接続部906と、を備えている。収容部902の左壁部21Dの上下方向略中央には、左右方向に貫通する貫通孔902dが形成されており、貫通孔902dには、熱交換部4が配置されている。熱交換部4の右方において、左壁部21Dの右側面には第1ファン部5が設けられており、熱交換部4の左方において、左壁部21Dの左側面には第2ファン部7が設けれている。左壁部21Dの左側面において第2ファン部7の下方には制御基板部8が設けられている。
また、左壁部21Dの左側面には、第2ファン部7及び制御基板部8を覆うカバー部910が設けられている。カバー部910内には第2ファン部7が収容されるファン収容空間910aと、制御基板部8が収容される基板収容部910bとが画成されている。
このように、本発明の第9の実施の形態による電気機器の一例である温度調整容器800においては、電池接続部906が開閉蓋903の上面に設けられているため、電池パックPと電池接続部906との接続を簡易に行うことができる。また、収容空間2bを広くすることができる。また、開閉蓋部3を軽くすることができ、開閉蓋部3を開閉しやすくすることができる。
本発明による電気機器は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記の実施の形態においては、温度調整容器1を例にとって説明したが、これに限定されず、冷却のみ又は加熱のみを行う温度調整容器、或いは、温度調整を必要としない収容空間を備えて電池パックにより電力が供給されて駆動するラジオ等の電気機器に適用可能である。