1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、および、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66、および、音を出力するスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図10参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(所定の演出手段に相当)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図8参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
本形態では、「大当たり」に当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、「小当たり」に当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、「ハズレ」であった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、後述の大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示可能となっている。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図8参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
また、遊技領域3における上記センター装飾体10の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口に相当、第1始動入賞口ともいう)20を備える第1始動入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、即ち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の右上方には、遊技盤2に開口する普電入球口(第3入球口に相当、普通電動入球口ともいう)27を備える普通可変入球装置(普通電動役物、いわゆる「電チュー」)28が設けられている。電チュー28は、前後に進退可能な矩形板状の可動部材(第3入球口開閉部材に相当)29を備え、その可動部材29の作動によって普電入球口27に遊技球が入球可能となったり入球困難となったりするものである。可動部材29は、電チューソレノイド29s(図9参照)の作動により駆動される。
具体的には、可動部材29は、電チューソレノイド29sの非通電時には、図3(a)に示すように遊技盤2の内部に収容された状態となっている。即ち電チューソレノイド29sの非通電時には、遊技盤2から手前側(機表側)に出現していない状態となっている。従って、遊技盤2の手前側を流下する遊技球がその遊技盤2の盤面上にある普電入球口27に入球することは不可能となっている。このように普電入球口27への遊技球の入球が不可能となっている可動部材29の状態(図3(a)に示す状態)を閉状態という。なお本形態では、閉状態にある可動部材29が普電入球口27を閉塞しない形態としたが、閉状態にある開閉部材が普電入球口27を閉塞する形態でもよい。
これに対し、電チューソレノイド29sの通電時には、図3(b)に示すように遊技盤2から手前側(機表側)に出現した状態となる。なお可動部材29の中央には、機表側から機裏側に延びる、幅が遊技球の直径よりも小さい(例えば5mm程度の)溝29Gが設けられている(図3(b)参照)。また可動部材29は、図3(b)に示すように機表側から機裏側に向かって下方に傾斜している。従って、遊技盤2に開口する普電入球口27の手前側を流下する遊技球が、可動部材29の溝29Gに沿って転動したり、可動部材29の上面に当たって普電入球口27側に向かって移動したりして普電入球口27に入球可能となる。つまり、遊技盤2から手前側に出現した可動部材29が、その可動部材29上に流下してきた遊技球を普電入球口27に誘導し得る。このように普電入球口27への遊技球の入球が可能となっている可動部材29の状態(図3(b)に示す状態)を開状態という。
かくして普電入球口27は、可動部材29が開状態をとっているときだけ遊技球が入球可能となる。即ち可動部材29が閉状態をとっているときには遊技球が入球不可能となっている。なお普電入球口27は、可動部材29が閉状態のときには開状態のときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材29が閉状態のときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、普電入球口27の奥側、つまり普電入球口27内の下流側には、誘導流路70が形成されている(図2参照)。さらにその誘導流路70の下方には、第1分岐流路72と第2分岐流路73とが2つの分岐流路として並列に形成されている。各分岐流路72,73は、誘導流路70と連通しており、普電入球口27に入球した遊技球が誘導流路70を通じて流通可能に形成されている。第1分岐流路72には、通過する遊技球が後述の第3始動入賞装置22の作動機構23に接触可能な第1作動契機領域72Pがある。また第2分岐流路73には、通過する遊技球が後述の第2始動入賞装置25の作動機構26に接触可能な第2作動契機領域73Pがある。
本形態では、普電入球口27に入球して第1分岐流路72を通過する遊技球が第1作動契機領域72Pにて、第1作動契機領域72Pの前面側に配置された第3始動入賞装置22の作動機構23に接触することによって、後述する第3始動口21(第1入球口に相当、第3始動入賞口ともいう)が開放される。また普電入球口27に入球して第2分岐流路73を通過する遊技球が第2作動契機領域73Pにて、第2作動契機領域73Pの前面側に配置された第2始動入賞装置25の作動機構26に接触することによって、後述する第2始動口24(第2入球口に相当、第2始動入賞口ともいう)が開放される。
また、第1分岐流路72と第2分岐流路73とが分岐する分岐部71には、普電入球口27に入球した遊技球を振り分けるための第1振分部材(振分手段)71Hが設けられている(図2参照)。第1振分部材71Hは、第1振分部材ソレノイド71s(図9参照)の作動により、図4に破線で示す第1位置と、二点鎖線で示す第2位置との間を変位し得る。
第1位置は、第1振分部材71Hが第2分岐流路73を遮るが第1分岐流路72を遮らない位置である。即ち第1振分部材71Hは、第1位置にある場合には、第2分岐流路73への遊技球の通過を規制するとともに、第1分岐流路72への遊技球の通過を許容し、遊技球を第1作動契機領域72Pに誘導する。
これに対し第2位置は、第1振分部材71Hが第1分岐流路72を遮るが第2分岐流路73を遮らない位置である。即ち第1振分部材71Hは、第2位置に配置されている場合には、第1分岐流路72への遊技球の通過を規制し、第2分岐流路73への遊技球の通過を許容し、遊技球を第2作動契機領域73Pに誘導する。かくして、第1振分部材71Hは、普電入球口27に入球した遊技球が第1作動契機領域72Pを通過するか第2作動契機領域73Pを通過するか(第1作動契機領域72Pを通過するか否か)を振り分けることとなる。
図2に示すように、普電入球口27の下方には、第3始動口(第1入球口に相当、第3始動入賞口ともいう)21を備える第3始動入賞装置22が設けられている。第3始動入賞装置22は既知の第2種非電動役物であり、後述の作動機構23の作動によって開状態又は閉状態に動作する開閉部材23W(第1入球口開閉部材に相当)を備えている。開状態とは、第3始動口21を開放して、その第3始動口21に遊技球を入賞させ得る開閉部材23Wの状態をいう(図5(b)参照)。また閉状態とは、第3始動口21を閉塞して、その第3始動口21への遊技球の入賞を不可能とさせる開閉部材23Wの状態をいう(図5(a)および図5(c)参照)。第3始動口21への遊技球の入賞は、上述した第1始動口20への入賞と同様、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、即ち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
第3始動入賞装置22では、開閉部材23Wが開状態になることで、第3始動口21が開放状態になり、その第3始動口21への遊技球の入賞(入球)が許容されることになる。具体的には、第3始動入賞装置22には、開閉部材23Wを駆動させるための作動機構23が設けられている。この作動機構23は、第1作動契機領域72Pを通過する遊技球と接触することで開閉部材23Wを開状態に動作させる。これにより第3始動口21が入賞可能な開放状態となる。つまり開閉部材23Wは、第1作動契機領域72Pを遊技球が通過したことを契機として開状態をとる(図5(a)および図5(b)参照)。
また作動機構23は、第3始動口21に入球した上限個数(本形態では2個)の遊技球と接触することで開閉部材23Wを開状態から閉状態に動作させる。これにより第3始動口21が閉鎖状態となる。つまり開閉部材23Wは、開状態となった後、上記上限個数の遊技球が第3始動口21に入賞したことを契機として閉状態をとる(図5(b)および図5(c)参照)。
また、図2に示すように、第3始動入賞装置22の左下方には、第2始動口(第2入球口に相当、第2始動入賞口ともいう)24を備える第2始動入賞装置25が設けられている。第2始動入賞装置25は、第3始動入賞装置22と同じく既知の第2種非電動役物であり、後述の作動機構26の作動によって開状態又は閉状態に動作する開閉部材26W(第2入球口開閉部材に相当)を備えている。開状態とは、第2始動口24を開放して、その第2始動口24に遊技球を入賞させ得る開閉部材26Wの状態をいう(図6(b)参照)。また閉状態とは、第2始動口24を閉塞して、その第2始動口24への遊技球の入賞を不可能とさせる開閉部材26Wの状態をいう(図6(a)および図6(c)参照)。第2始動口24への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、即ち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
第2始動入賞装置25では、開閉部材26Wが開状態になることで、第2始動口24が開放状態になり、その第2始動口24への遊技球の入賞(入球)が許容されることになる。具体的には、第2始動入賞装置25には、開閉部材26Wを駆動させるための作動機構26が設けられている。この作動機構26は、第2作動契機領域73Pを通過する遊技球と接触することで開閉部材26Wを開状態に動作させる。これにより第2始動口24が入賞可能な開放状態となる。つまり開閉部材26Wは、第2作動契機領域73Pを遊技球が通過したことを契機として開状態をとる(図6(a)および図6(b)参照)。
また作動機構26は、第2始動口24に入球した上限個数(本形態では2個)の遊技球と接触することで開閉部材26Wを開状態から閉状態に動作させる。これにより第2始動口24が閉鎖状態となる。つまり開閉部材26Wは、開状態となった後、上記上限個数の遊技球が第2始動口24に入賞したことを契機として閉状態をとる(図6(b)および図6(c)参照)。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(他の特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド32s(図9参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口に相当)35を備えた第2大入賞装置(特別入賞手段に相当、第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材に相当)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド37s(図9参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域75が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域75の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域75には、非特定領域75への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ75aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域75のいずれかに振り分ける第2振分部材74と、第2振分部材74を駆動する第2振分部材ソレノイド74sとを備えている。なお第2振分部材74は、第2振分部材ソレノイド74sの通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、第2振分部材ソレノイド74sの非通電時には、遊技球を非特定領域75に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
第2振分部材74は、図7に二点鎖線で示すように、第2振分部材ソレノイド74sの通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。第2振分部材74が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
また第2振分部材74は、図7に破線で示すように、第2振分部材ソレノイド74sの非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。第2振分部材74が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと第2振分部材74上を転動して非特定領域75を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技(第2特別遊技)の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。
また図1に示すように遊技領域3には、遊技球が通過可能なゲート(通過口に相当)33が設けられている。このゲート33への遊技球の通過が、電チュー28を開放するか否かを決める普通図柄抽選(即ち、普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口34が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動入賞装置19と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動入賞装置19に係る第1始動口20への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、ゲート33と、電チュー28と、第2始動入賞装置25と、第3始動入賞装置22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート33への通過、電チュー28に係る普電入球口27、第2始動入賞装置25に係る第2始動口24、第3始動入賞装置22に係る第3始動口21、第1大入賞口30又は第2大入賞口35(さらには、第2大入賞口35内の特定領域39)への入賞(入球)を狙う。
なお本形態では、第2始動入賞装置25と、第3始動入賞装置22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また第1始動入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
また、図1および図8に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄(第1図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、および、普通図柄(補助図柄)を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20又は第3始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口24への遊技球の入賞を契機として行われる。なお、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20、第2始動口24又は第3始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。なお、第1特別遊技又は第2特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には、特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば、大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なお、ハズレ図柄として全てのLEDが消灯している図柄を採用してもよい。また、特別図柄の変動表示(可変表示)における点灯態様としては、例えば、左端のLEDから右端のLEDへ光が繰り返し流れるような点灯態様など、停止表示時以外の点灯態様が挙げられる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20、第2始動口24又は第3始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図9参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20又は第3始動口21への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図9参照)に記憶され、第2始動口24への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図9参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値(上限記憶数)は第1特図保留記憶部85a、第2特図保留記憶部85b共に4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20、第2始動口24又は第3始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、即ち、特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そして、このような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には、各特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示するものである。
普通図柄の可変表示は、ゲート33への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート33への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄、即ち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて普電入球口27を開放させる補助遊技が行われる。なお、普電入球口27の開放パターンについては後述する。
具体的には、普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図8参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また、抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。なお、普通ハズレ図柄として全てのLEDが消灯している態様を採用してもよい。また、普通図柄の変動表示(可変表示)における点灯態様としては、例えば、両LEDが交互に点灯する態様や一斉に点滅する態様など、停止表示時以外の点灯態様が挙げられる。
本パチンコ遊技機1では、ゲート33への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図9参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート33への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、即ち、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そして、このような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に、図9および図10に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図9および図10に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100とランプ制御基板107と音声制御基板106とともに、サブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、後述する装飾可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ24a、第3始動口センサ21a、普電入球口センサ27a、ゲートセンサ33a、第1大入賞口センサ30aおよび第2大入賞口センサ35aが接続されている(図9参照)。さらに、特定領域センサ39a、非特定領域センサ75a、第1作動契機領域センサ72a、第2作動契機領域センサ73aおよび普通入賞口センサ34aが接続されている(図9参照)。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて、その第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ24aは、第2始動口24内に設けられて、その第2始動口24に入賞した遊技球を検出するものである。第3始動口センサ21aは、第3始動口21内に設けられて、その第3始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。普電入球口センサ27aは、図2に示すように普電入球口27内に設けられて、その普電入球口27に入球した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ33aは、ゲート33内に設けられて、そのゲート33を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて、その第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて、その第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。
特定領域センサ39aは、図2に示すように第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて、その特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ75aは、図2に示すように第2大入賞口35内の非特定領域75に設けられて、その非特定領域75を通過した遊技球を検出するものである。第1作動契機領域センサ72aは、普電入球口27内の第1作動契機領域72Pに設けられて、その第1作動契機領域72Pを通過した遊技球を検出するものである。第2作動契機領域センサ73aは、普電入球口27内の第2作動契機領域73Pに設けられて、その第2作動契機領域73Pを通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ34aは、普通入賞口34内に設けられて、その普通入賞口34に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド29s、第1大入賞口ソレノイド32s、第2大入賞口ソレノイド37s、第1振分部材ソレノイド71sおよび第2振分部材ソレノイド74sが接続されている。電チューソレノイド29sは、電チュー28の可動部材29を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド32sは、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド37sは、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。第1振分部材ソレノイド71sは、電チュー28の第1振分部材71Hを駆動するものである。第2振分部材ソレノイド74sは、第2大入賞装置36の第2振分部材74を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43bおよび普図保留表示器44が接続されている。即ちこれらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また、払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお、遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお、本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。即ち主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図10に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」ともいう)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的には、キャラクタ、キャラクタ以外の物体ならびに図形などの画像であるオブジェクト画像や、文字、数字ならびに記号などの画像である文字画像や、背景画像といった画像データ、および、一連のストーリーを有する動画(映像)といった動画データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。具体的には、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお、装飾可動体15とは、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆる「ギミック」のことである。具体的には、演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出スイッチ(演出ボタン検出SW)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」および「ハズレ」がある。詳細には、第1特別図柄の抽選の結果としても、第2特別図柄の抽選の結果としても「大当たり」、「小当たり」および「ハズレ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(第2特別遊技に相当)」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技(第1特別遊技に相当)」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たりの種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」(第2特別遊技)が実行される。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称する。また、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
なお本形態では、大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また本形態では、小当たり遊技は、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。より詳細には本形態では、図11に示すように、大当たりの種別として「15R(ラウンド)通常大当たり」、「4R時短大当たり」、「15R時短大当たりA」および「15R時短大当たりB」がある。「15R通常大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)」に制御する大当たりである。「4R時短大当たり」は、4Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「第2特典遊技状態(時短状態且つ高ベース状態)」に制御する大当たりである。「15R時短大当たりA」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を「第2特典遊技状態」に制御する大当たりである。「15R時短大当たりB」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「第1特典遊技状態(時短状態且つ高ベース状態)」に制御する大当たりである。なお、いずれの大当たりも、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
また、「15R通常大当たり」および「4R時短大当たり」は第1特別図柄(特図1)の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「15R時短大当たりA」および「15R時短大当たりB」は第2特別図柄(特図2)の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「15R通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「4R時短大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短図柄」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「15R時短大当たりA」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短図柄1」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「15R時短大当たりB」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短図柄2」が停止表示される。
なお本形態では、大当たり当選に伴う大当たり遊技後に制御される遊技状態は、当選時の遊技状態によらず、各大当たりに応じた上述の遊技状態に統一される。即ち例えば、「15R通常大当たり」に当選した場合、当選時の遊技状態が「通常遊技状態」や「第1特典遊技状態」に加えて「第2特典遊技状態」であっても、その大当たり当選に伴う大当たり遊技後に制御される遊技状態は「通常遊技状態」に統一される。また例えば、「15R時短大当たりA」に当選した場合、当選時の遊技状態が「第2特典遊技状態」に加えて「通常遊技状態」や「第1特典遊技状態」であっても、その大当たり当選に伴う大当たり遊技後に制御される遊技状態は「通常遊技状態」に統一される。
一方、特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当し、これに続く大当たり遊技としての第1大入賞口30の開放が2R目以降に相当することになる。なお、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。また、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
より詳細には本形態では、図11に示すように、小当たりの種別として「5R時短小当たり」、「16R時短小当たりA」および「16R時短小当たりB」がある。各種別の小当たりは、小当たり遊技を行って、その小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過があれば大当たり遊技(2種大当たり遊技)を行うものである。小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。
また、特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、小当たりの種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口30を開放する。具体的には、「5R時短小当たり」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として4Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「第2特典遊技状態」に制御する当たりである。また、「16R時短小当たりA」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を「第2特典遊技状態」に制御する当たりである。また、「16R時短小当たりB」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「第1特典遊技状態」に制御する当たりである。なお、2種大当たり遊技における1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回である。
また、「5R時短小当たり」は第1特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。第1特別図柄の抽選によって「5R時短小当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_小当たり図柄」が停止表示される。これに対し、「16R時短小当たりA」および「16R時短小当たりB」は第2特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。第2特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりA」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_小当たり図柄1」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりB」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_小当たり図柄2」が停止表示される。
なお本形態では、小当たり当選に伴う2種大当たり遊技後に制御される遊技状態は、当選時の遊技状態によらず、各小当たりに応じた上述の遊技状態に統一される。即ち例えば、「5R時短小当たり」に当選した場合、当選時の遊技状態が「通常遊技状態」や「第1特典遊技状態」に加えて「第2特典遊技状態」であっても、その小当たり当選に基づいて実行された2種大当たり遊技後に制御される遊技状態は「第2特典遊技状態」に統一される。また例えば、「16R時短小当たりA」に当選した場合、当選時の遊技状態が「第2特典遊技状態」に加えて「通常遊技状態」や「第1特典遊技状態」であっても、その小当たり当選に基づいて実行された2種大当たり遊技後に制御される遊技状態は「第2特典遊技状態」に統一される。
なお、第1特別図柄(特図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、15R通常大当たりが50%、4R時短大当たりが50%となっている。なお第1特別図柄の抽選における小当たりの種別は1つであるため、5R時短小当たりの振分確率が100%となっている。一方、第2特別図柄(特図2)の抽選における各大当たりへの振分確率は、15R時短大当たりAが70%、15R時短大当たりBが30%となっている。また、第2特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、16R時短小当たりAが70%、16R時短小当たりBが30%となっている。
ここで本パチンコ遊技機1では、当たり(大当たり又は小当たり)の抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図12(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口24への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある(図12(A)参照)。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、ゲート33への通過に基づいて取得される乱数には、図12(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー28を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41には変動時間短縮機能があり、普通図柄表示器42には変動時間短縮機能がある。
特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。即ち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図14参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことが可能である。
また、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。即ち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図13(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー28の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図15参照)。即ち、電チュー28の開放時間延長機能が作動している。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、および、電チュー28の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー28が頻繁に開放され、普電入球口27へ遊技球が頻繁に入球(入賞)することとなる。つまり本形態の時短状態では、非時短状態よりも電チュー28に係る普電入球口27に遊技球が入球し易くなっている。
なお、普電入球口27に入球した遊技球が第1作動契機領域72Pを通過した場合には、第3始動口21が開放され、第2作動契機領域73Pを通過した場合には、第2始動口24が開放される。よって、普電入球口27に遊技球が頻繁に入球することで、第2始動口24又は第3始動口21もまた頻繁に開放されることになる。第2始動口24又は第3始動口21への入賞は払い出しを伴うため、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことが可能となっている。なお、高ベース状態とは、いわゆる「電サポ制御(電チュー28により普電入球口27への入球、さらには第2始動口24又は第3始動口21への入賞をサポートする制御)」が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。本形態では、時短状態且つ高ベース状態である遊技状態を特典遊技状態という。
また本形態では、時短状態且つ高ベース状態における電チュー28(補助遊技)の開放パターンとして、複数種類(本形態では2種類)の開放パターン決定テーブルが設けられている。当選した当り(大当たり,小当たり)の種類によって大当たり遊技後に参照される開放パターン決定テーブルが異なる。
具体的に、特図2の抽選にて「15R時短大当たりB」に当選した場合には、その当選に基づく大当たり遊技後に、図15に示す電チュー開放TBL2が開放パターン決定テーブルとして参照される。電チュー開放TBL2は、特典遊技状態(時短状態且つ高ベース状態)にて、普電入球口27に入球した遊技球が第1作動契機領域72Pを通過し易くなるよう電チュー28の可動部材29を作動させるテーブルである。即ち、図52(b)に示す後述の開放パターンPT2(第1開放パターンに相当)で補助遊技が実行されることになる。また、特図2の抽選にて「16R時短小当たりB」に当選した場合にも、その当選に基づく小当たり遊技中の特定領域39への通過(V通過)を実行契機とした大当たり遊技後に、上記電チュー開放TBL2が参照される。本形態では、上記電チュー開放TBL2が参照される特典遊技状態(時短状態且つ高ベース状態)を特に第1特典遊技状態という。なお開放パターンPT2の詳細については後述する。
また具体的に、特図1の抽選にて「4R時短大当たり」に当選した場合には、その当選に基づく大当たり遊技後に、図15に示す電チュー開放TBL3が開放パターン決定テーブルとして参照される。電チュー開放TBL3は、特典遊技状態にて、普電入球口27に入球した遊技球が第2作動契機領域73Pを通過し易くなるよう電チュー28の可動部材29を作動させるテーブルである。即ち、図52(c)に示す後述の開放パターンPT3(第2開放パターンに相当)で補助遊技が実行されることになる。なお開放パターンPT3の詳細については後述する。
また、特図2の抽選にて「15R時短大当たりA」に当選した場合にも、その当選に基づく大当たり遊技後に、上記電チュー開放TBL3が参照される。また、特図1の抽選にて「5R時短小当たり」に、或いは、特図2の抽選にて「16R時短小当たりA」に当選した場合には、当選に基づく小当たり遊技中のV通過を実行契機とした大当たり遊技後に、上記電チュー開放TBL3が参照される。本形態では、上記電チュー開放TBL3が参照される特典遊技状態(時短状態且つ高ベース状態)を特に第2特典遊技状態という。
なお例えば、特図1の抽選にて「15R通常大当たり」に当選した場合には、その当選に基づく大当たり遊技後に、遊技状態が非時短状態且つ低ベース状態になる。この遊技状態を特に「通常遊技状態」という。このように遊技状態が通常遊技状態の場合には、図15に示す電チュー開放TBL1が開放パターン決定テーブルとして参照される。電チュー開放TBL1は、通常遊技状態にて、普電入球口27への入球が実質上不可能になるよう電チュー28の可動部材29を作動させるテーブルである。即ち、図52(a)に示す後述の開放パターンPT1で補助遊技が実行されることになる。なお開放パターンPT1の詳細については後述する。
なお本形態では、高ベース状態(電サポ制御状態)において、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動しない構成とした。具体的には図13(D)に示すように、高ベース状態となる時短状態での普通当たり図柄となる乱数値(普通図柄乱数値)の数が低ベース状態となる非時短状態でのものと同じである。つまり、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が普通当たり図柄となる確率が高ベース状態でも低ベース状態でも同じである。しかしながら、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動するようにしてもよい。即ち、高ベース状態で実行される補助遊技では、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が普通当たり図柄となる確率が高くなるようにしてもよい。
また本形態では、高ベース状態(電サポ制御状態)において、電チュー28の開放回数増加機能が作動しない構成とした。具体的には図15に示すように、高ベース状態の参照テーブルでの電チュー28の開放回数が低ベース状態の参照テーブルでのものと同じである。しかしながら、電チュー28の開放回数増加機能が作動するようにしてもよい。即ち、高ベース状態で実行される補助遊技では、電チュー28の開放回数が低ベース状態で実行される補助遊技よりも多くなるようにしてもよい。
さらには、高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。即ち、普通図柄表示器42の確率変動機能、変動時間短縮機能、電チュー28の開放時間延長機能、および、電チュー28の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー28が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、図11に示すように、「4R時短大当たり」、「5R時短小当たり」、「15R時短大当たりA」、「15R時短大当たりB」、「16R時短小当たりA」又は「16R時短小当たりB」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、特典遊技状態(第1特典遊技状態,第2特典遊技状態)である。特典遊技状態は、所定回数(本形態では99回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、「15R通常大当たり」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)である(図11参照)。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態である。
なお高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー28が開放され易くなっており、第1始動口20への入賞よりも普電入球口27への入球、さらには第2始動口24又は第3始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート33へ遊技球を通過させ、且つ、普電入球口27へ遊技球を入球させるとともに、第2始動口24又は第3始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。なお、本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー28が開放されにくくなっており、普電入球口27への入球よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図16〜図40に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図12に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆる「ハードウェア乱数」であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4ms(ミリ秒)周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。即ち、例えば4ms周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図17に示すメイン側タイマ割り込み処理(S005)では、遊技制御用マイコン81は、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサのうち第1始動口センサ20a、第2始動口センサ24a、第3始動口センサ21a、ゲートセンサ33a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ75a又は普通入賞口センサ34aが検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また普電入球口センサ27a、第1作動契機領域センサ72a又は第2作動契機領域センサ73aが検知した検出信号を読み込み、不正通過を確認するための入球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図16の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図12に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に続いて、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、第1振分部材制御処理(S107)、第2振分部材制御処理(S108)、特定領域センサ検出処理(S109)および保留球数処理(S110)を実行する。その後、その他の処理(S111)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S111)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図18に示すセンサ検出処理(S104)では、遊技制御用マイコン81は、まずゲート33に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ33aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート33を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S202)。そして、普通図柄保留球数が「4」に達していれば(S202でYES)、ステップS205に進む。一方、普通図柄保留球数が「4」未満であれば(S202でNO)、普通図柄保留球数に1加算し(S203)、普通図柄乱数取得処理(S204)を行う。普通図柄乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、図12(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口20又は第3始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20a又は第3始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S205)。第1始動口20にも第3始動口21にも遊技球が入賞していない場合には(S205でNO)ステップS209に進むが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数の値(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S206)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S206でYES)ステップS209に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に1加算する(S207)。
続いて特図1関係乱数取得処理を行う(S208)。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図12(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口24に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ24aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第2始動口24に遊技球が入賞していない場合には(S209でNO)本処理を終えるが、第2始動口24に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図2保留球数の値(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合には(S210でYES)本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特図2保留球数に1加算する(S211)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行う(S212)。特図2関係乱数取得処理(S212)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図12(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図19に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー28に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S301でYES)、普通図柄待機処理(S302)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S301でNO、S303でYES)、普通図柄変動中処理(S304)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S301,S303でともにNO、S305でYES)、普通図柄確定処理(S306)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には(S301,S303,S305の全てがNO)、普通電動役物処理(S307)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]図20に示す普通図柄待機処理(S302)では、遊技制御用マイコン81は、まず普通図柄保留球数が「0」であるか否かを判定し(S401)、「0」であれば(S401でYES)本処理を終える。一方、「0」でなければ(S401でNO)、普通図柄当たり判定処理を行う(S402)。
[普通図柄当たり判定処理]図21に示す普通図柄当たり判定処理(S402)では、遊技制御用マイコン81は、まず普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値)を判定値として読み出す(S501)。次いで、普通図柄当たり判定テーブル(図13(D))のアドレスをセットする(S502)。
続いて、当たりかどうかを判定する(S503)。なお本形態では、非時短状態でも時短状態でも、図13(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて判定する。当たりの場合には(S503でYES)、当たりの普通図柄(普通当たり図柄)に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定のバッファにセットするとともに(S504)、普通当たりフラグをONして(S505)、本処理を終える。
一方、当たりでない場合には(S503でNO)、ハズレの普通図柄(普通ハズレ図柄)に応じた普図停止図柄データ(31H)をセットして(S506)、本処理を終える。
図20に戻り、上記の普通図柄当たり判定処理(S402)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S403)。普通図柄変動パターン選択処理では、図13(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次に、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S404)。その後、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S405)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。
次いで、普通図柄変動開始処理を行う(S406)。普通図柄変動開始処理では、ステップS403で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。なお、普通図柄変動開始コマンドには、普通図柄当たり判定処理(S402)でセットした各種普図停止図柄データの情報や、上記ステップS403で選択した普通図柄変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
[普通図柄変動中処理]図22に示す普通図柄変動中処理(S304)では、遊技制御用マイコン81は、まず普通図柄の変動時間が経過して終了したかどうか判定し(S601)、終了していなければ(S601でNO)本処理を終える。一方、終了していれば(S601でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットして(S602)、普通動作ステータスを「3」にセットする(S603)。
続いて、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行い(S604)、本処理を終える。
[普通図柄確定処理]図23に示す普通図柄確定処理(S306)では、遊技制御用マイコン81は、まず普通当たりフラグがONであるか否かを判定する(S701)。普通当たりフラグがONであれば(S701でYES)、続いて時短フラグの値が「0」か否か、即ち遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(S702)。時短フラグの値が「0」であれば(S702でYES)、図15に示す電チュー開放TBL1を参照して、電チュー28の開放パターンとして通常遊技状態用の開放パターン(即ち、図52(a)に示す開放パターンPT1)をセットする(S703)。非時短状態用の開放パターンとは、図52(a)の開放パターンPT1に示すように、100ms(0.1秒)の開放時間で電チュー28を1回開放する開放パターンである。
また、時短フラグの値が「0」でない場合には(S702でNO)、続いて時短フラグの値が「1」か否か、即ち遊技状態が第1特典遊技状態であるか否かを判定する(S704)。時短フラグの値が「1」であれば(S704でYES)、図15に示す電チュー開放TBL2を参照して、電チュー28の開放パターンとして第1特典遊技状態用の開放パターン(即ち、図52(b)に示す開放パターンPT2)をセットする(S705)。第1特典遊技状態用の開放パターンとは、図52(b)の開放パターンPT2に示すように、2500ms(2.5秒)の開放時間で電チュー28を1回開放する開放パターンである。なお、この第1特典遊技状態用の開放パターンPT2が「第1開放パターン」に相当する。
なお、上記ステップS704で時短フラグの値が「1」でない場合には(S704でNO)、時短フラグの値が「2」、即ち遊技状態が第2特典遊技状態であることになり、図15に示す電チュー開放TBL3を参照して、電チュー28の開放パターンとして第2特典遊技状態用の開放パターン(即ち、図52(c)に示す開放パターンPT3)をセットする(S706)。第2特典遊技状態用の開放パターンとは、図52(c)の開放パターンPT3に示すように、3000ms(3.0秒)のオープニングに続いて、2500ms(2.5秒)の開放時間で開放を行う開放パターンである。なお、この第2特典遊技状態用の開放パターンPT3が「第2開放パターン」に相当する。
遊技制御用マイコン81は、上述した各種開放パターンのセット(S703,S705,S706)に続いて、普通動作ステータスを「4」にセットするとともに(S707)、第1振分部材作動フラグをONして(S708)、本処理を終える。第1振分部材作動フラグは、第1振分部材71Hを作動させる期間であることを示すフラグである。なお本形態では、第1振分部材71Hの作動は補助遊技のオープニングとともに開始される。第1振分部材71Hの作動パターンについては後に詳述する。
また、ステップS701にて普通当たりフラグがONでなければ(S701でNO)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S709)本処理を終了する。
[普通電動役物処理]図24に示す普通電動役物処理(S307)では、遊技制御用マイコン81は、まず普通当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S801)。普通当たり終了フラグは、当選した補助遊技において電チュー28の開放が終了したことを示すフラグである。
普通当たり終了フラグがONでなければ(S801でNO)、普電入球口27の開放中か否かを判定する(S802)。開放中でなければ(S802でNO)、続いて普電入球口27を開放させる時間に至ったか否かを判定する(S803)。普電入球口27を開放させる時間に至っていなければ(S803でNO)、そのまま本処理を終え、普電入球口27を開放させる時間に至っていれば(S803でYES)、普電入球口27を開放させて(S804)本処理を終える。
一方、普電入球口27が開放中の場合には(S802でYES)、普電入球口27を閉鎖させる時間に至ったか否か(即ち、普電入球口27を開放してから所定の開放時間が経過したか否か)を判定する(S805)。普電入球口27を閉鎖させる時間に至っていなければ(S805でNO)、そのまま本処理を終え、普電入球口27を閉鎖させる時間に至っていれば(S805でYES)、普電入球口27を閉鎖(閉塞)させる(S806)。
次いで、電チュー開放カウンタの値を1ディクリメントして(S807)、電チュー開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S808)。「0」でなければ(S808でNO)、再び電チュー28を開放させるためにそのまま本処理を終える。一方、「0」であれば(S808でYES)、補助遊技を終了させる普通当たり終了処理を行い(S809)、普通当たり終了フラグをONして(S810)本処理を終える。
上記のステップS801において普通当たり終了フラグがONであれば(S801でYES)、ステップS703,S705又はS706にてセットされた回数の電チュー28の開放動作は終了しているので、普通当たり終了フラグをOFFするとともに(S811)、普通当たりフラグをOFFし(S812)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S813)本処理を終える。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、普通動作処理(図19)として再び普通図柄待機処理(S302)が実行されることになる。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、上述した普通動作処理(S105)に次いで、図25に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1001でYES)、特別図柄待機処理(S1002)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1001でNO、S1003でYES)、特別図柄変動中処理(S1004)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1001, S1003でともにNO、S1005でYES)、特別図柄確定処理(S1006)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1001, S1003, S1005でともにNO、S1007でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S1008)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1001, S1003, S1005, S1007の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S1009)を行う。なお、特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図26に示す特別図柄待機処理(S1002)では、遊技制御用マイコン81は、まず特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1101)。特図2保留球数が「0」である場合(S1101でYES)、即ち、第2始動口24への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1107)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1107でYES)、即ち、第1始動口20又は第3始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1113)、そうであれば(S1113でYES)本処理を終え、そうでなければ(S1113でNO)、待機画面設定処理を行う(S1114)。待機画面設定処理(S1114)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1101において特図2保留球数が「0」でない場合(S1101でNO)、即ち、第2始動口24への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1102)および特図2変動パターン選択処理(S1103)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1104)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける特図2の保留情報をクリアする(S1105)。
続いて、遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理を行う(S1106)。特図2変動開始処理では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに特別図柄変動開始コマンド(以下、単に変動開始コマンドともいう)をRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理でセットされる特別図柄変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1102)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図2変動パターン選択処理(S1103)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1101でYES且つS1107でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20又は第3始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1108)および特図1変動パターン選択処理(S1109)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1110)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1111)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理を実行する(S1112)。特図1変動開始処理では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに特別図柄変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理でセットされる特別図柄変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1108)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理(S1109)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1101でYESの場合)に限って行われる。即ち、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1102)と特図1大当たり判定処理(S1108)とは、処理の流れが同じであるため図27に基づいてまとめて説明する。図27に示す特図2大当たり判定処理(S1102)又は特図1大当たり判定処理(S1108)では、遊技制御用マイコン81は、まず判定値として大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1201)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1102)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1108)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図13(A))をセットする(S1202)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1203)。即ち大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、大当たり判定値である「65200」〜「65535」のいずれかと一致するか否か判定する(図13(A)参照)。大当たり判定の結果が「大当たり」であれば(S1203でYES)、大当たりフラグをONするとともに(S1204)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図13(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1205)。大当たり種別を判定した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図11参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1206)、本処理を終える。
一方、大当たり判定の結果が「大当たり」でなければ(S1203でNO)、小当たりか否かを判定する(S1207)。具体的には、特図2大当たり判定処理(S1102)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「9999」のいずれかと一致するか否か判定する(図13(A)の特図2の欄参照)。また、特図1大当たり判定処理(S1108)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「99」のいずれかと一致するか否か判定する(図13(A)の特図1の欄参照)。
小当たり判定の結果が「小当たり」であれば(S1207でYES)、小当たりフラグをONするとともに(S1208)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図13(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定する(S1209)。小当たり種別を判定した後は、小当たり種別(小当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図11参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1210)、本処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく小当たりでもなければ(S1203,S1207がともにNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1211)、本処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1103)と特図1変動パターン選択処理(S1109)とは、処理の流れが同じであるため図28および図29に基づいてまとめて説明する。図28に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1103)又は特図1変動パターン選択処理(S1109)ではまず、時短フラグの値が「0」か否かを判定する(S1301)。
時短フラグの値が「0」であれば(S1301でYES)、つまり遊技状態が非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。なお変動パターンが決まれば、それに伴って変動時間も決まる。
また、ステップS1302において大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
また、ステップS1304にて小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1306)。図13(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態(第1特典遊技状態,第2特典遊技状態)であれば「0」〜「5」であり、非時短状態(通常遊技状態)であれば「0」〜「13」である。即ち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1306でYES)、つまりリーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1306でNO)、つまりリーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。即ち特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
また、ステップS1301において、時短フラグの値が「0」でない場合には(S1301でNO)、図29に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1302〜S1308と同様の流れで処理(S1309〜S1315)を行う。即ち、大当たりフラグがONであれば(S1309でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1310)。
また、小当たりフラグがONであれば(S1311でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。また、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1313でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1314)。また、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1313でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1315)。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。即ち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。即ち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図28に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1316)、本処理を終える。ステップS1316でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1002)におけるステップS1106又はS1112でセットされる特別図柄変動開始コマンド(変動開始コマンド)に含められる。
[特別図柄変動中処理]図30に示す特別図柄変動中処理(S1004)では、遊技制御用マイコン81は、まず特別図柄の変動時間(ステップS1103又はS1109で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図14参照)が経過したか否かを判定する(S1401)。経過していなければ(S1401でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1401でYES)、特別図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S1402)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1403)。そして特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行い(S1404)、本処理を終える。
[特別図柄確定処理]図31に示す特別図柄確定処理(S1006)では、遊技制御用マイコン81は、まず特別図柄の停止時間が経過して終了したか否かを判定する(S1501)。終了していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が終了していれば(S1501でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1502)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1503)。大当たりフラグがONであれば(S1503でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1504)。そして遊技制御用マイコン81は、時短フラグの値が「0」でないかどうかを判定し(S1505)、「0」であれば(S1505でNO)そのままステップS1507に進むが、「0」でなければ(S1505でYES)時短フラグの値をゼロクリアして(S1506)、ステップS1507に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。なお本形態では、非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
続いて、大当たり遊技を開始するべく大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1507)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1508)。次いで、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図11を参照)をセットする(S1509)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
一方、ステップS1503において大当たりフラグがONでなければ(S1503でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1510)。小当たりフラグがONであれば(S1510でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1511)。なお小当たりフラグがONである場合には、時短フラグが「0」以外の値であってもゼロクリアしない。これにより、小当たり遊技の前後で遊技状態は変わらない。続いて、小当たり遊技を開始するべく小当たりのオープニングコマンドをセットして(S1512)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1513)。
ステップS1513に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図11を参照)をセットする(S1514)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たりの種類に応じた値にセットする。次いで、第2振分部材作動フラグをONにして(S1515)本処理を終える。第2振分部材作動フラグは、第2振分部材74を作動させる期間であることを示すフラグである。なお本形態では、特別動作ステータスを「5」にセットする処理(S1511)とともに第2振分部材作動フラグをONする。つまり、第2振分部材74の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、第2振分部材74の作動パターンについては後に詳述する。
ステップS1510において小当たりフラグがONでなければ(S1510でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1516)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図32に示す遊技状態管理処理(S1502)では、遊技制御用マイコン81は、まず時短フラグの値が「0」を超えているか否か判定する(S1601)。時短フラグの値が「0」を超えていなければ(S1601でNO)そのまま本処理を終えるが、時短フラグの値が「0」を超えていれば(S1601でYES)、時短状態(第1特典遊技状態又は第2特典遊技状態)中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントして(S1602)、その時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1603)。時短カウンタの値が「0」でなければ(S1603でNO)本処理を終えるが、時短カウンタの値が「0」であれば(S1603でYES)、時短フラグの値をゼロクリアする(S1604)。なお本パチンコ遊技機1では、時短状態(第1特典遊技状態,第2特典遊技状態)への移行時には時短カウンタの値が「99」にセットされるようになっている。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技(第2特別遊技)を実行するための処理である。図33に示すように、特別電動役物処理1(S1008)では、遊技制御用マイコン81は、まず大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S1701)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S1701でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(即ち、第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S1702)。開放中でなければ(S1702でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったかどうかを判定する(S1703)。具体的にはステップS1703の処理では、大当たり遊技のオープニング時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバル時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する。
ステップS1703の判定結果がNOであれば、そのまま本処理を終える。一方、ステップS1703の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S1704)。
ステップS1702において第1大入賞口30が開放中の場合には(S1702でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S1705)。規定入賞個数に達していなければ(S1705でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(即ち、第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図11参照)が経過したか否か)を判定する(S1706)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S1706でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S1705でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S1706でYES)、即ち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S1707)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1708)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1709)。「0」でなければ(S1709でNO)、次の開放を開始するためにそのまま本処理を終える。
一方、大入賞口開放カウンタの値が「0」であれば(S1709でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S1710)、大当たりのエンディングを開始する(S1711)。そして、大当たり終了フラグをONして(S1712)本処理を終える。
また、ステップS1701において大当たり終了フラグがONであれば(S1701でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S1713)、エンディング時間が経過していなければ(S1713でNO)本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S1713でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S1714)、大当たりフラグをOFFする(S1715)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットし(S1716)、遊技状態設定処理を行い(S1717)、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図34に示す遊技状態設定処理(S1717)では、遊技制御用マイコン81は、まず今回実行した大当たり遊技が時短当たり(即ち、「4R時短大当たり」、「15R時短大当たりA」、「15R時短大当たりB」、「5R時短小当たり」、「16R時短小当たりA」又は「16R時短小当たりB」)への当選を契機として実行された大当たり遊技であるか否か判定する(S1801)。ステップS1801の判定結果がNOであれば本処理を終えるが、ステップS1801の判定結果がYESであれば、続いてその時短当たりが「15R時短大当たりB」又は「16R時短小当たりB」であるか否かを判定する(S1802)。時短当たりが「15R時短大当たりB」又は「16R時短小当たりB」である場合には(S1802でYES)、時短フラグの値に「1」をセットする(S1803)。これにより、遊技状態が第1特典遊技状態(時短状態且つ高モード状態)に制御される(図34中の表を参照)。
一方、時短当たりが「15R時短大当たりB」でも「16R時短小当たりB」でもない場合(S1802でNO)、即ち「4R時短大当たり」、「5R時短小当たり」、「15R時短大当たりA」又は「16R時短小当たりA」である場合には、時短フラグの値に「2」をセットする(S1804)。これにより、遊技状態が第2特典遊技状態(時短状態且つ高モード状態)に制御される(図34中の表を参照)。
遊技制御用マイコン81は、上述した時短フラグのセット(S1803,S1804)に続いて、時短カウンタの値に「99」をセットして(S1805)、本処理を終える。これにより、今回実行した大当たり遊技が時短当たりの場合には、当該大当たり遊技後の遊技状態が特典遊技状態(時短状態且つ高ベース状態)になる。この特典遊技状態は、特別図柄の変動表示が99回行われること、又は、次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)の実行のための処理である。図35および図36に示す特別電動役物処理2(S1009)では、遊技制御用マイコン81は、まず小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S1901)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S1901でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(即ち、第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S1902)。開放中でなければ(S1902でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、即ち、所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S1903)。
ステップS1903の判定結果がNOであれば、そのまま本処理を終える。一方、ステップS1903の判定結果がYESであれば、当選している小当たりの種類に応じた開放パターン(図11参照)に従って第2大入賞口35を開放させて(S1904)、本処理を終了する。
ステップS1902において第2大入賞口35が開放中の場合には(S1902でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S1905)。規定入賞個数に達していなければ(S1905でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(即ち、第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図11に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S1906)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S1906でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S1905でYES)、又は、第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S1906でYES)、即ち、2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S1907)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1908)、小当たり終了フラグをONして(S1909)本処理を終える。
また、ステップS1901において小当たり終了フラグがONであれば(S1901でYES)、図36に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S1910)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S1910でNO)、そのまま本処理を終える。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S1910でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S1911)、小当たりフラグをOFFして(S1912)、ステップS1913に進む。
ステップS1913では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2203(図39参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S1913でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの値を「0」にクリアし(S1914)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1915)、本処理を終える。
一方、VフラグがONであれば(S1913でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S1917)、大当たりフラグをONして(S1918)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1919)。続いて、時短フラグの値が「0」でなければ(S1920でYES)時短フラグをゼロクリアする(S1921)。そして、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1922)、大当たりのオープニングを開始する(S1923)。これにより、第2大入賞口35を開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
[第1振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、上記特別動作処理(S106)に次いで第1振分部材制御処理(S107)を行う(図17参照)。図37に示す第1振分部材制御処理(S107)では、まず第1振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2001)。第1振分部材作動フラグがONでなければ(S2001でNO)本処理を終える。一方、第1振分部材作動フラグがONであれば(S2001でYES)、補助遊技のオープニングが開始しているため(図23参照)、第1振分部材71Hを所定の作動パターンにて作動させるべく第1振分部材作動処理を行う(S2002)。
第1振分部材作動処理(S2002)では、第1振分部材71Hの作動時間を計測するためのタイマをセットする。そしてそのタイマを用いた計時に基づいて、第1振分部材71Hの開放タイミングになったら第1振分部材ソレノイド71sをONし、第1振分部材71Hの閉鎖タイミングになったら第1振分部材ソレノイド71sをOFFする。これにより、第1振分部材71Hは、補助遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
具体的には、図52(d)に示すように、第1振分部材71Hを、まず補助遊技のオープニングの開始から2900msにわたって、入球した遊技球が第1作動契機領域72Pに通過可能な第1位置(図4に破線で示す状態)に制御する。続いて2800msにわたって、第2作動契機領域73Pに通過可能な第2位置(図4に二点鎖線で示す状態)に制御する。次いで、300msにわたって第1位置に制御する。このような一連の動作が第1振分部材71Hの一定動作である。
図37に戻り、第1振分部材作動処理(S2002)に続いて遊技制御用マイコン81は、第1振分部材71Hの動作が終了したか否かを判定する(S2003)。具体的には、ステップS2002でセットした第1振分部材71Hの作動時間を計測するためのタイマに基づいて、第1振分部材71Hが一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(6000ms(図52(d)参照))が経過したか否かを判定する。第1振分部材71Hの動作が終了していなければ(S2003でNO)、そのまま本処理を終える。一方、第1振分部材71Hの動作が終了していれば(S2003でYES)、第1振分部材作動フラグをOFFして(S2004)本処理を終了する。
ここで図52に基づいて、上記のような第1振分部材71Hの一定動作と、補助遊技における普電入球口27(可動部材29)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、補助遊技における普電入球口27の開放パターンとして、図52(a)、図52(b)および図52(c)に示す3つの開放パターンがある。
図52(a)に示す開放パターンは、遊技状態が通常遊技状態の場合に選択される開放パターン(開放パターンPT1)である。具体的には、この開放パターンPT1は、100msにわたって普電入球口27を開放し、その後、5900msにわたって普電入球口27を閉じる開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、100msにわたって普電入球口27が開放される開放遊技と、5900msにわたって普電入球口27が閉塞されるエンディングとを含んでいる。
本形態では、上記開放パターンPT1の開放遊技が100msと短時間に設定されており、その開放遊技中に遊技球が普電入球口27に入球することは実質的に不可能となっている。なお、当該開放遊技中に普電入球口27に遊技球が入球した場合には、その遊技球は第1作動契機領域72Pを通過することになり、その通過に伴って第3始動口21が開放される。
図52(b)に示す開放パターンは、遊技状態が第1特典遊技状態の場合に選択される開放パターン(開放パターンPT2)である。この開放パターンPT2は、普電入球口27への遊技球の入球が可能で、且つ、普電入球口27に入球した遊技球が第1作動契機領域72Pを通過可能な開放パターンとなっている。具体的には、この開放パターンPT2は、2500msにわたって普電入球口27を開放し、その後、3500msにわたって普電入球口27を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンPT2にて実行される補助遊技は、2500msにわたって普電入球口27が開放される開放遊技と、3500msにわたって普電入球口27が閉塞されるエンディングとを含んでいる。
このような開放パターンPT2で普電入球口27が開放された場合、上述した開放パターンPT1よりも、開放遊技中の普電入球口27に遊技球が入球し易い。但し、図52(b)および図52(d)に示すように、開放パターンPT2の開放遊技中には、第1振分部材71Hが第1位置にある。従って、開放パターンPT2での補助遊技にて普電入球口27に入球した遊技球は、普電入球口27内の第1作動契機領域72Pを通過することになる。よってその通過に伴い、第3始動口21を閉塞している開閉部材23Wが開状態になる。
図52(c)に示す開放パターンは、遊技状態が第2特典遊技状態の場合に選択される開放パターン(開放パターンPT3)である。この開放パターンPT3は、普電入球口27への遊技球の入球が可能で、且つ、普電入球口27に入球した遊技球が第2作動契機領域73Pへの通過が可能な開放パターンとなっている。具体的には、この開放パターンPT3は、3000msにわたって普電入球口27を閉塞した後、2500msにわたって普電入球口27を開放する。その後、500msにわたって普電入球口27を再度閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンPT3にて実行される補助遊技は、3000msにわたって普電入球口27が閉塞されるオープニングと、2500msにわたって普電入球口27が開放される開放遊技と、500msにわたって普電入球口27が閉塞されるエンディングとを含んでいる。
このような開放パターンPT3で普電入球口27が開放された場合、上述した開放パターンPT1よりも、開放遊技中の普電入球口27に遊技球が入球し易い。但し、図52(c)および図52(d)に示すように、開放パターンPT3の開放遊技中には、第1振分部材71Hが第2位置にある。従って、開放パターンPT3の補助遊技にて普電入球口27に入球した遊技球は、普電入球口27内の第2作動契機領域73Pを通過することになる。よってその通過に伴い、第2始動口24を閉塞している開閉部材26Wが開状態になる。
以上、図52に基づいて説明したように、本形態では補助遊技の開始に伴って第1振分部材71Hの動作を開始するようにしている。そして、遊技状態に応じた3つの開放パターンのいずれかにて補助遊技が実行される。開放パターンPT1での補助遊技は、普電入球口27に遊技球が入球し難いのに対し、開放パターンPT2および開放パターンPT3での補助遊技は、普電入球口27に入球し易い。但し、開放パターンPT2の開放遊技の実行タイミングと開放パターンPT3の開放遊技の実行タイミングとが異なる(図52(b)および図52(c)参照)。このため、開放パターンPT2での補助遊技では普電入球口27に入球した遊技球が第1作動契機領域72Pを通過して、第3始動口21が開放される。これに対し、開放パターンPT3での補助遊技では普電入球口27に入球した遊技球が第2作動契機領域73Pを通過して、第2始動口24が開放される。
[第2振分部材制御処理]図38に示す第2振分部材制御処理(S108)では、遊技制御用マイコン81は、まず第2振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2101)。第2振分部材作動フラグがONでなければ(S2101でNO)本処理を終える。一方、第2振分部材作動フラグがONであれば(S2101でYES)、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(図31参照)、第2振分部材74を所定の作動パターンにて作動させるべく第2振分部材作動処理を行って(S2102)、V有効期間設定処理を行う(S2103)。
第2振分部材作動処理(S2102)では、第2振分部材74の作動時間を計測するためのタイマをセットする。そしてそのタイマを用いた計時に基づいて、第2振分部材74の開放タイミングになったら第2振分部材ソレノイド74sをONし、第2振分部材74の閉鎖タイミングになったら第2振分部材ソレノイド74sをOFFする。これにより、第2振分部材74は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
具体的には、図53(c)に示すように、第2振分部材74を、まず小当たり遊技のオープニングの開始から800msにわたって通過阻止状態(図7に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、200msにわたって通過許容状態(図7に二点鎖線で示す状態)に制御する。これを第1V開放という。次いで、4800msにわたって通過阻止状態に制御する。これを開放間インターバルという。その後、再び200msにわたって通過許容状態に制御する。これを第2V開放という。そして、1000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを閉鎖後インターバルという。このような、「開放前インターバル⇒第1V開放⇒開放間インターバル⇒第2V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が第2振分部材74の一定動作である。
また、V有効期間設定処理(S2103)では、上記のような第2振分部材74の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。図53(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(第2振分部材74を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(第2振分部材74を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、第2振分部材74の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
具体的には、V有効期間設定処理(S2103)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S109)のステップS2202(図39参照)では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
V有効期間設定処理(S2103)に続いて遊技制御用マイコン81は、第2振分部材74の動作が終了したか否かを判定する(S2104)。具体的には、ステップS2102でセットした第2振分部材74の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、第2振分部材74が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(7000ms(図53(c)参照))が経過したか否かを判定する。第2振分部材74の動作が終了していなければ(S2104でNO)、そのまま本処理を終える。一方、第2振分部材74の動作が終了していれば(S2104でYES)、第2振分部材作動フラグをOFFして(S2105)本処理を終了する。
ここで図53に基づいて、上記のような第2振分部材74の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、図53(a)および図53(b)に示す2つの開放パターンがある。
図53(a)に示す開放パターンXは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。即ち「16R時短小当たりA」又は「16R時短小当たりB」(図11参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。より詳細には、この開放パターンXは、1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、5400msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンXにて実行される小当たり遊技は、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、5400msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
この開放パターンXで第2大入賞口35が開放された場合、小当たり開放遊技中に、第2振分部材74の第1V開放がある(図53(a)および図53(c)参照)。よって、小当たり開放遊技中に入賞した遊技球が、第2振分部材74の第1V開放のタイミングで特定領域39を通過することが可能となっている。上述したように、開放パターンXは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンであり、その当選時には第2特典遊技状態中である。よって、開放パターンXが選択されるときには、右打ちにて遊技がなされている。このため、開放パターンXのように小当たり遊技のオープニングの開始から開放遊技を行っても、第2大入賞口35に遊技球を入賞させることが可能である。
また、図53(b)に示す開放パターンYは、特図1の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。即ち「5R時短小当たり」(図11参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。より詳細には、この開放パターンYは、5000msにわたって第2大入賞口35を閉塞し、その後、1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、400msにわたって再び閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンYにて実行される小当たり遊技は、5000msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、400msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
この開放パターンYで第2大入賞口35が開放された場合、小当たり開放遊技中に、第2振分部材74の第2V開放がある(図53(b)および図53(c)参照)。よって、小当たり開放遊技中に入賞した遊技球が、第2振分部材74の第2V開放のタイミングで特定領域39を通過することが可能となっている。なお、通常遊技状態中には、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙っている。このような場合に小当たりに当選した場合には、左打ちから右打ちに変更して遊技を行う必要がある。これに対し開放パターンYは、5000msのオープニングがあるため、そのような場合でも、遊技者が左打ちから右打ちに変更して、第2大入賞口35に遊技球を入賞させることが可能である。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、第2振分部材制御処理(S108)に次いで特定領域センサ検出処理(S109)を行う(図17参照)。特定領域センサ検出処理(S109)では図39に示すように、まず特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2201)。検知がなければ(S2201でNO)本処理を終了するが、検知があれば(S2201でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2202)。V有効期間は、前述の第2振分部材制御処理(S108)におけるV有効期間設定処理(S2103)にて設定される期間である。具体的には、V有効期間は図52(d)に示す期間である。
ステップS2202でV有効期間中であると判定した場合には(S2202でYES)、VフラグをONし(S2203)V通過コマンドをセットして(S2204)本処理を終える。一方、ステップS2202でV有効期間中でないと判定した場合には(S2202でNO)、ステップS2203およびステップS2204の処理を行うことなく本処理を終了する。なおV通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
[保留球数処理]図40に示す保留球数処理(S110)では、遊技制御用マイコン81は、まずRAM84に記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2301)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数をサブ制御基板90に通知するための保留球数コマンド)をRAM84の出力バッファにセットして(S2302)、本処理を終える。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図41〜図51に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図41に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。この判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進むが、判定結果がYESであれば、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。即ち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94の内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94の内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値はリセットされる。また、ステップS4001〜S4003の各処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法としては、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法が挙げられる。なお、乱数の更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
上記乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出およびエンディング演出や、後述する報知演出およびモードステータスに応じた背景画像を用いた画像演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007の各処理をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理] 図42に示す受信割り込み処理(S4008)では、演出制御用マイコン91は、まずストローブ信号(STB信号)がONか否か、即ち、主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。ストローブ信号がONでなければ(S4101でNO)本処理を終えるが、ONであれば(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009,S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1ms周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図43に示す1msタイマ割り込み処理(S4009)では、演出制御用マイコン91は、まず入力処理を行う(S4201)。入力処理では、演出ボタン検出スイッチ63a(図10参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S4202)。ランプデータ出力処理では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理(S4010)におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理を行う(S4203)。駆動制御処理では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4204)、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10ms周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図44に示す10msタイマ割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン91は、まず後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成および音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4304)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図45に示す受信コマンド解析処理(S4301)では、演出制御用マイコン91は、まず主制御基板80から普通図柄変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4401)。そして受信していれば(S4401でYES)、普図変動演出開始処理を行う(S4402)。普図変動演出開始処理(S4402)では、例えば普通図柄表示器42における普通図柄の変動にあわせて、画像表示装置7の表示画面7aの一部で普通図柄の変動を示すような画像演出を開始させるなど、普通図柄の変動に伴って実行する演出を開始させる。
続いて、主制御基板80から普通図柄変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、受信していれば(S4403でYES)、普図変動演出停止処理を行う(S4404)。普図変動演出停止処理(S4404)では、例えば上記普図変動演出開始処理にて実行を開始させた、普通図柄の変動に伴う演出を停止させる。
続いて、主制御基板80から特別図柄変動開始コマンド(変動開始コマンド)を受信したか否かを判定し(S4405)、受信していれば(S4405でYES)、後述する報知演出開始処理(S4406)および特図変動演出開始処理(S4407)を行う。
続いて、主制御基板80から特別図柄変動停止コマンド(変動停止コマンド)を受信したか否かを判定し(S4408)、受信していれば(S4408でYES)、後述する特図変動演出停止処理(S4409)を行う。
続いて、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S4410)、受信していれば(S4410でYES)、特別遊技演出選択処理を行う(S4411)。特別遊技演出選択処理では、特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択して、その特別遊技にあわせて特別遊技演出を実行する。なお本形態の特別遊技演出には、大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大入賞口の開放中および開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出とが含まれている。
続いて、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(S4412)、受信していれば(S4412でYES)、後述するエンディング演出選択処理を行う(S4413)。
続いて、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否かを判定し(S4414)、受信していれば(S4414でYES)、V通過報知演出開始処理を行う(S4415)。V通過報知演出開始処理では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて大当たり遊技(2種大当たり遊技)を実行する本パチンコ遊技機1では、大当たり当選報知としての意味をもつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4416)として上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、保留球数コマンドの受信による保留球数更新処理)を行って、受信コマンド解析処理を終える。保留球数更新処理では、例えば受信した保留球数コマンドに含まれている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数の情報に基づいて、RAM94に設けられた各種カウンタ(特図1保留球数に対応した第1特図保留演出カウンタ、特図2保留球数に対応した第2特図保留演出カウンタ、および、普通図柄保留球数に対応した普図保留演出カウンタ)の値を更新する。
[報知演出開始処理]図46に示す報知演出開始処理(S4406)では、演出制御用マイコン91は、まず受信した特別図柄変動開始コマンドを解析する(S4501)。そして、モードステータスの値が「1」かどうかを判定する(S4502)。モードステータスの値が「1」とは、現時点での遊技状態が第1特典遊技状態であることを示す。モードステータスについては、後に詳述する。モードステータスの値が「1」でない場合(S4502でNO)、つまりモードステータスの値が「0」又は「2」の場合には、そのまま本処理を終える。
一方、モードステータスの値が「1」である場合(S4502でYES)、即ち現時点での遊技状態が第1特典遊技状態である場合には、報知演出を実行するべく報知演出実行コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4503)、本処理を終える。ステップS4503でセットされた報知演出実行コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像(後述する演出画像MS1(図56参照))をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて報知演出を行う。
報知演出は、遊技状態が第1特典遊技状態から第2特典遊技状態に移行し得るのを遊技者に報知するための演出である。本形態では、遊技状態が第1特典遊技状態の場合に上述した4R時短大当たり又は5R時短小当たりに当選すると、その当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態が第2特典遊技状態に移行する。そこで報知演出を通じて、その第1特典遊技状態中の大当たりの当選によって第2特典遊技状態に移行し得ることを遊技者に認識させて、第2特典遊技状態に移行させることに対する遊技意欲を向上させることが可能となっている。
なお本形態では、第1特典遊技状態には第2特典遊技状態からしか移行し得ない。よって例えば、第2特典遊技状態から移行した第1特典遊技状態を遊技中の遊技者の多くは、この第1特典遊技状態から遊技者に有利な第2特典遊技状態に再び戻って欲しいと思いながら遊技を行う。そこで第1特典遊技状態での遊技中、表示画面7a上に、図56に示す「復帰挑戦中!」といった文字列を用いた演出画像MS1を表示する第2報知演出を実行することで、第2特典遊技状態への復帰の可能性を遊技者に認識させることが可能である。そして、そのような第2報知演出を通じて、復帰を目指して遊技を行う遊技者の遊技意欲を下支えすることが可能である。
[特図変動演出開始処理]図47に示す特図変動演出開始処理(S4407)では、演出制御用マイコン91は、まず受信した特別図柄変動開始コマンドを解析して(S4601)、モードステータスを参照する(S4602)。モードステータスは、実行する演出モードを示すものである。ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
続いて、モードステータスおよび変動パターンに応じて設けられている複数の変動演出パターンテーブルの中から、ステップS4602で参照したモードステータス、および、ステップS4601で解析した特別図柄変動開始コマンドが示す変動パターンに対応する変動演出パターンテーブルを選択してセットする(S4603)。そして、このテーブルに基づいて変動演出パターンを選択する(S4604)。
このとき演出決定用乱数の取得および判定も行う。これにより、いわゆる「ステップアップ予告演出」や「チャンスアップ予告演出」などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせなどを含めて、変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4605)、本処理を終了する。
ステップS4605でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
本形態では、モードステータスに応じた演出モードで変動演出が実行される。具体的には、モードステータスが「0」であれば、図55(a)に示すように、背景画像として昼の画像を表示画面7aに表示する昼背景モードにて変動演出を実行する。また、モードステータスが「1」であれば、図55(b)に示すように、背景画像として夕方の画像を表示画面7aに表示する夕方背景モードにて変動演出を実行する。また、モードステータスが「2」であれば、図55(c)に示すように、背景画像として夜の画像を表示画面7aに表示する夜背景モードにて変動演出を実行する。
なお昼背景モードは、遊技状態が非時短状態であることを遊技者に対して報知する演出モードである。即ち昼背景モードは、現時点での遊技状態が通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)であるときに実行される。また、夕方背景モードは、遊技状態が第1特典遊技状態であることを遊技者に対して報知する演出モードである。即ち夕方背景モードは、現時点での遊技状態が第1特典遊技状態であるときに実行される。さらに、夜背景モードは、遊技状態が第2特典遊技状態であることを遊技者に対して報知する演出モードである。即ち夜背景モードは、現時点での遊技状態が第2特典遊技状態であるときに実行される。
[特図変動演出停止処理]図48に示す特図変動演出停止処理(S4409)では、演出制御用マイコン91は、まず特別図柄変動停止コマンドを解析するとともに(S4701)、モードステータスを参照する(S4702)。そして、モードステータスの値が「0」か否か、即ち非時短状態か否かを判定する(S4703)。モードステータスの値が「0」であれば(S4703でYES)、ステップS4707に進む。
一方、モードステータスの値が「0」でなければ(S4703でNO)、つまりモードステータスの値が「1」又は「2」の場合には、特典遊技状態(第1特典遊技状態又は第2特典遊技状態)であるため、RAM94に設けられた演出モードカウンタの値Mを1ディクリメントして(S4704)、その値Mが「0」になったか否かを判定する(S4705)。演出モードカウンタは、時短状態にて実行した変動演出の回数をカウントするためのカウンタである。ステップS4705において演出モードカウンタの値Mが「0」でなければ(S4705でNO)、そのままステップS4707に進む。これに対して値Mが「0」であれば(S4705でYES)、特典遊技状態(第1特典遊技状態又は第2特典遊技状態)は終わりであるため、遊技状態を通常遊技状態に移行するべくモードステータスに「0」をセットする(S4706)。続いてステップS4707では、変動演出を終了させるための変動演出停止コマンドをセットして、本処理を終える。
ステップS4707でセットされた変動演出停止コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、画像表示装置7の表示画面7aに表示している変動演出を停止する。
[特別遊技演出選択処理]図49に示す特別遊技演出選択処理(S4411)は、特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択する処理である。ここで選択される特別遊技演出には、大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大入賞口の開放中および開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出が含まれている。
図49に示す特別遊技演出選択処理(S4411)では、演出制御用マイコン91は、まずオープニングコマンドを解析する(S4801)。なお本形態では、オープニングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図11参照)に関する情報が含まれている。
続いて、解析したオープニングコマンドが示す当たり種別が「5R時短小当たり」であるか否か、即ち、特図1の抽選にて当選し得る小当たりか否かを判定する(S4802)。「5R時短小当たり」であれば(S4802でYES)、オープニング演出として右打ち報知演出を伴う特別遊技演出の演出パターンを選択して(S4803)、ステップS4805に進む。右打ち報知演出とは、図57に示すような演出画像を表示画面7aに表示する画像演出である。図57に示す演出画像は、第2大入賞装置36を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を示唆する演出画像である。つまり、第2大入賞口35への入賞、さらには特定領域39への通過を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を示唆する演出画像である。
この右打ち報知演出は、上述した「5R時短小当たり」に伴う小当たり遊技のオープニング中に表示される。つまり、通常遊技状態中に左打ちにて遊技を行って「5R時短小当たり」に当選すると、図53(b)に示す開放パターンYの5000msにわたるオープニングの期間中に、遊技者に対して遊技方法が示されることとなる。このため遊技者は、当該5R時短小当たりの当選に伴う小当たり遊技のオープニング中に右打ちに変更でき、第2大入賞口35への遊技球の入賞の機会を逃すことなく遊技を進めることが可能である。なお、右打ち報知を小当たり当選時の変動演出の一部として行う構成も考えられる。しかしこのような構成とすると、まだ小当たり遊技も開始されていないのに遊技者が右打ちを始め、いわゆる「ムダ球(第2大入賞口35に入ることのない遊技球)」を多数生じさせてしまうおそれがある。これに対して本形態では、小当たり遊技のオープニング中に右打ち報知を行うため、そのような構成よりもムダ球の発生を抑えることが可能となっている。
ステップS4802にて「5R時短小当たり」でないと判定した場合には(S4802でNO)、各当たりの種別に応じて予め定められている通常の特別遊技演出の演出パターンを選択して(S4804)、ステップS4805に進む。ステップS4805では、選択した演出パターンにて特別遊技演出を開始するための特別遊技演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。その後、本処理を終える。
ステップS4805でセットされた特別遊技演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の特別遊技演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。ステップS4803が実行されていたのであれば、図57に示す右打ち報知演出の演出画像が表示画面7aに表示されることとなる。
[エンディング演出選択処理]図50に示すエンディング演出選択処理(S4413)は、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する処理である。エンディング演出選択処理(S4413)では、演出制御用マイコン91は、まずエンディングコマンドを解析する(S4901)。なお本形態では、エンディングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図11参照)に関する情報が含まれている。
続いて、後述するモードステータス設定処理を行う(S4902)。次いで、モードステータスを参照して(S4903)、エンディング演出の演出パターンを選択する(S4904)。具体的には、ステップS4903で参照したモードステータスが「2」の場合、つまり夜背景モードの場合には、遊技者に対して、特別遊技後の遊技状態が第2特典遊技状態に制御される旨を報知し得る演出パターンをエンディング演出として選択する。また、ステップS4903で参照したモードステータスが「1」の場合、つまり夕方背景モードの場合には、遊技者に対して、特別遊技後の遊技状態が第1特典遊技状態に制御される旨を報知し得る演出パターンを選択する。また、ステップS4903で参照したモードステータスが「0」の場合、つまり昼背景モードの場合には、遊技者に対して、特別遊技後の遊技状態が通常遊技状態に制御される旨を報知し得る演出パターンを選択する。
その後、選択した演出パターンにてエンディング演出を実行開始するためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットして(S4905)、本処理を終える。
ステップS4905でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、選択した演出パターンを含む所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
[モードステータス設定処理]図51に示すモードステータス設定処理(S4902)では、演出制御用マイコン91は、まずステップS4901で解析したエンディングコマンドが示す当たり種別が時短当たりか否かを判定する(S5001)。時短当たりであれば(S5001でYES)、続いてその当たり種別が「15R時短大当たりB」又は「16R時短小当たりB」か否かを判定する(S5002)。即ち特別遊技後の遊技状態が第1特典遊技状態に制御される当たりかどうかを判定する。当たり種別が「15R時短大当たりB」又は「16R時短小当たりB」であれば(S5002でYES)、モードステータスに「1」をセットする(S5003)。モードステータスが「1」であることは、夕方背景モードに対応している。よって、その後の変動演出では、背景画像として図55(b)に示す夕方の背景画像が表示される。なおこのとき、第1特典遊技状態にて実行した変動演出の回数をカウントするための演出モードカウンタの値Mを「99」にセットする。
一方、当たり種別が「15R時短大当たりB」でも「16R時短小当たりB」でもなければ(S5002でNO)、即ち当たり種別が「4R時短大当たり」、「5R時短小当たり」、「15R時短大当たりA」又は「16R時短小当たりA」であれば、モードステータスに「2」をセットする(S5004)。モードステータスが「2」であることは、夜背景モードに対応している。よってその後の変動演出では、背景画像として図55(c)に示す夜の背景画像が表示される。なおこのとき、上記ステップS5003と同じく、第2特典遊技状態にて実行した変動演出の回数をカウントするための演出モードカウンタの値Mを「99」にセットする。
なお、ステップS5001で時短当たりでないと判定した場合には(S5001でNO)、モードステータスに「0」をセットして(S5005)本処理を終える。モードステータスが「0」であることは、昼背景モードに対応している。よって、その後の変動演出では、背景画像として図55(a)に示す昼の背景画像が表示される。但しこのとき、上記ステップS5003,S5004とは異なり、演出モードカウンタの値Mをセットしない。
7.第1形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、図54に基づいて説明する。図54に示すように、まず通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)においては、遊技者は左打ちにて遊技を進行する。そして、第1始動口20への入賞による特図1の抽選に基づく大当たり又は小当たりの当選を狙う。なおこの遊技開始時点の通常遊技状態では昼背景モードに設定されている。従って、表示画面7aには、図55(a)に示す昼の背景画像が表示される。なおこの昼の背景画像は、変動演出を実行していないときにも表示される。
昼背景モードで特図1の抽選に基づく大当たりに当選した場合、その大当たりの種別が「15R通常大当たり」であれば、その大当たり当選に伴う大当たり遊技(1種大当たり遊技)後の遊技状態は、通常遊技状態に制御される。一方、その大当たりの種別が「4R時短大当たり」であれば、その大当たり当選に伴う大当たり遊技後の遊技状態は、第2特典遊技状態に制御される。なお本明細書においては、1種大当たり、即ち特定領域39への通過(V通過)を経ないで当選する大当たりを、直撃大当たりと記載することがある。
次に、昼背景モードで特図1の抽選に基づく小当たり、即ち「5R時短小当たり」に当選した場合について説明する。即ち、昼背景モードで特図1の抽選に基づき「5R時短小当たり」に当選したが、その小当たり当選に伴う小当たり遊技にて特定領域39に遊技球が通過(V通過)しなかった場合には、当該小当たり遊技後の遊技状態は、その小当たり当選時と同じ通常遊技状態のまま変わらない。一方、「5R時短小当たり」に当選し、且つ、その小当たり当選に伴う小当たり遊技にてV通過した場合には、当該小当たり遊技に続いて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)後の遊技状態は、第2特典遊技状態に制御される。
即ち本形態では、昼背景モードにて当選した大当たりが通常大当たりであった場合や、小当たり当選に伴う小当たり遊技にてV通過しなかった場合には、その後も昼背景モードにて遊技を進めることになる。一方、上記の各時短大当たりで当選した場合や、当選した小当たりに伴う小当たり遊技にてV通過した場合には、その後、上述した夜背景モードにて遊技を進めることが可能となる。
なお本形態では、昼背景モード(通常遊技状態)での特図1の抽選にて当選可能な大当たりの種別に、その大当たり当選に伴う大当たり遊技の終了後の遊技状態が第1特典遊技状態(時短状態且つ高ベース状態)に制御される大当たりがない。また、昼背景モードでの特図1の抽選にて当選可能な小当たりの種別に、その当選に伴う小当たり遊技中のV通過を実行契機とする大当たり遊技後の遊技状態が第1特典遊技状態に制御される小当たりがない。よって本形態では、昼背景モードから、第1特典遊技状態に対応する夕方背景モードに移行することはない。
夜背景モード(第2特典遊技状態)では、遊技者は右打ちにて遊技を進行する。なおこの夜背景モードでは、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能および開放時間延長機能が働く。また、図52(c)に示す開放パターンPT3で補助遊技が実行される。よって、ゲート33への通過による普電入球口27の開放について、通常遊技状態よりも開放頻度が高くなるとともに開放時間が長くなるため、普電入球口27に遊技球が頻繁に入球し得る。その上、その普電入球口27に入球した遊技球が第2作動契機領域73Pを通過することとなるので、第2始動口24もまた頻繁に開放される。かくして夜背景モードでは、第2始動口24への入賞による特図2の抽選に基づく大当たり又は小当たりの当選を狙うことが可能である。なおこの夜の背景画像は、昼の背景画像と同じく、変動演出を実行していないときにも表示される。
夜背景モードで特図2の抽選に基づく大当たりに当選した場合、その大当たりの種別が「15R時短大当たりA」であれば、その大当たり当選に伴う大当たり遊技(1種大当たり遊技)後の遊技状態は、第2特典遊技状態に制御される。一方、その大当たりの種別が「15R時短大当たりB」であれば、その大当たり当選に伴う大当たり遊技後の遊技状態は、第1特典遊技状態に制御される。つまり本形態では、夜背景モードにて直撃大当たりに当選した場合には、その後も夜背景モードにて遊技を進めることになるか、或いは、その後、上述した夕方背景モードにて遊技を進めることになる。
また、夜背景モードで特図2の抽選に基づく「16R時短小当たりA」に当選し、且つ、その小当たり当選に伴う小当たり遊技にて遊技球がV通過した場合には、当該小当たり遊技に続いて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)後の遊技状態は、第2特典遊技状態に制御される。なお、「16R時短小当たりA」に当選したが、その小当たり当選に伴う小当たり遊技にて遊技球がV通過しなかった場合には、当該小当たり遊技後の遊技状態は、その小当たり当選時と同じ第2特典遊技状態のまま変わらない。但しこの場合、上述した時短カウンタの値が「0」になったときには、遊技状態が第2特典遊技状態から通常遊技状態に移行される。
また、夜背景モードで特図2の抽選に基づく「16R時短小当たりB」に当選し、且つ、その小当たり当選に伴う小当たり遊技にてV通過した場合には、当該小当たり遊技に続いて実行される大当たり遊技後の遊技状態は、第1特典遊技状態に制御される。なお、「16R時短小当たりB」に当選したが、その小当たり当選に伴う小当たり遊技にてV通過しなかった場合には、当該小当たり遊技後の遊技状態は、その小当たり当選時と同じ第2特典遊技状態のまま変わらない。但しこの場合、「16R時短小当たりA」の当選に伴う小当たり遊技にてV通過しなかった場合と同様、時短カウンタの値が「0」になったときには、遊技状態が第1特典遊技状態から通常遊技状態に移行される。
即ち本形態では、夜背景モードにて当選した大当たりが「15R時短大当たりA」の場合、および、「16R時短小当たりA」の当選に伴う小当たり遊技にてV通過した場合には、その後も夜背景モードにて遊技を進めることが可能である。つまり、大当たり遊技の実行後も、遊技者にとって最も有利な遊技状態で引き続き当たり(連チャン)を狙うことが可能である。なおこのとき、時短カウンタの値が所定の回数(本形態では「99」回)に設定される。
また、夜背景モードにて当選した大当たりが「15R時短大当たりB」の場合、および、「16R時短小当たりB」の当選に伴う小当たり遊技にてV通過した場合には、その後、夕方背景モードにて遊技を進めることが可能である。上述したように夕方背景モード(第1特典遊技状態)では、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能および開放時間延長機能が働く。また、図52(b)に示す開放パターンPT2で補助遊技が実行される。このため、昼背景モード(通常遊技状態)において第1始動口20に入賞させるよりも、夕方背景モードにて第3始動口21に入賞させる方が簡易である。よって、大当たり遊技の実行を挟んで、通常よりも有利な遊技状態で引き続き遊技を進行させることが可能である。
また、夜背景モードにて小当たりに当選したが、その当選に伴う小当たり遊技にてV通過しなかった場合には、特図2の抽選回数が上限回数(本形態では「99」回)に達するまで、その後も夜背景モードにて遊技を進めることが可能である。
夕方背景モード(第1特典遊技状態)では、遊技者は右打ちにて遊技を進行する。なおこの夕方背景モードでは、夜背景モードと同じく、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能および開放時間延長機能が働く。但し、夜背景モードとは異なり、図52(b)に示す開放パターンPT2で補助遊技が実行される。よって、ゲート33への通過による普電入球口27の開放について、通常遊技状態よりも開放頻度が高くなるとともに開放時間が長くなるため、普電入球口27に遊技球が頻繁に入球し得る。その上、その普電入球口27に入球した遊技球が第1作動契機領域72Pを通過することとなるので、第3始動口21もまた頻繁に開放される。かくして夕方背景モードでは、第3始動口21への入賞による特図1の抽選に基づく大当たり又は小当たりの当選を狙うことが可能である。なおこの夕方の背景画像は、昼や夜の背景画像と同じく、変動演出を実行していないときにも表示される。
夕方背景モードで特図1の抽選に基づく大当たりに当選した場合、その大当たりの種別が「4R時短大当たり」であれば、その大当たり当選に伴う大当たり遊技(1種大当たり遊技)後の遊技状態は、第2特典遊技状態に制御される。一方、その大当たりの種別が「15R通常大当たり」であれば、その大当たり当選に伴う大当たり遊技後の遊技状態は、通常遊技状態に制御される。つまり本形態では、夕方背景モードにて直撃大当たりに当選した場合には、その後、夜背景モードにて遊技を進めることになるか、或いは、昼背景モードにて遊技を進めることになる。
また、夕方背景モードで特図1の抽選に基づく小当たり、即ち「5R時短小当たり」に当選し、且つ、その小当たり当選に伴う小当たり遊技にてV通過した場合には、当該小当たり遊技に続いて実行される大当たり遊技後の遊技状態は、第2特典遊技状態に制御される。なお、「5R時短小当たり」に当選したが、その小当たり当選に伴う小当たり遊技にてV通過しなかった場合には、当該小当たり遊技後の遊技状態は、その小当たり当選時と同じ第1特典遊技状態のまま変わらない。但しこの場合、上述した時短カウンタの値が「0」になったときには、遊技状態が第1特典遊技状態から通常遊技状態に移行される。
即ち本形態では、夕方背景モードにて当選した大当たりが「4R時短大当たり」の場合、および、「5R時短小当たり」の当選に伴う小当たり遊技にてV通過した場合には、その後、夜背景モードにて遊技を進めることが可能である。つまり、大当たり遊技の実行を挟んで、夕方背景モードにおける遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態に移行されることになる。なおこのとき、時短カウンタの値が所定の回数(本形態では「99」回)に設定される。
なお本形態では、夕方背景モードには、夜背景モードで所定の当たりに当選した場合にしか移行し得ない。よって、夕方背景モードから夜背景モードに移行するとは、夜背景モードへの復帰を意味している。
また、夕方背景モードにて当選した大当たりが「15R通常大当たり」の場合には、その後、昼背景モードにて遊技を進めることになる。つまり、大当たり遊技の実行を挟んで、通常遊技状態に移行されることになる。なお、この昼の背景画像の表示によれば、遊技者に対して有利な遊技状態が終了したことを示唆することが可能である。
また、夕方背景モードにて小当たりに当選したが、その当選に伴う小当たり遊技にてV通過しなかった場合には、特図2の抽選回数が上限回数(本形態では「99」回)に達するまで、その後も夕方背景モードにて遊技を進めることが可能である。
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、特典遊技状態(時短状態且つ高モード状態)には、電チュー28の開放パターンとして図52(b)に示す開放パターンPT2が設定される第1特典遊技状態と、図52(c)に示す開放パターンPT3が設定される第2特典遊技状態とがある。開放パターンPT2は、普電入球口27に入球した遊技球が第1作動契機領域72Pを通過し得る開放パターンであるため、第1特典遊技状態では、第3始動入賞装置22の開閉部材23Wが開状態をとり易く、第3始動口21に遊技球が入賞し易い。従って、第3始動口21への入賞に基づく特図1の抽選によって当たり(大当たり,小当たり)に当選可能となっており、通常遊技状態よりも普電入球口27に入球し易い遊技状態で、いわゆる「第1種(デジパチタイプ)」の遊技をメインとした遊技を遊技者に楽しませることが可能となっている。
一方、開放パターンPT3は、普電入球口27に入球した遊技球が第2作動契機領域73Pを通過し得る開放パターンであるため、第2特典遊技状態では、第2始動入賞装置25の開閉部材26Wが開状態をとり易く、第2始動口24に遊技球が入球し易い。従って、第2始動口24への入球に基づく特図2の抽選によって、第2大入賞口35の開閉部材37を開放する小当たり遊技を行う小当たりに当選可能となっており、いわゆる「第2種(ハネモノタイプ)」の遊技をメインとした遊技を遊技者に楽しませることが可能となっている。即ち1種2種混合機において、普電入球口27に遊技球が入球し易い第1特典遊技状態にて、特図2の抽選よりも有利でない特図1の抽選に基づく大当たり当選を狙う遊技期間を設けることが可能となっている。つまり、第1始動口20への入賞を狙って遊技する通常遊技状態よりも有利であるけれども、小当たりに当選し易い第2始動口24への入賞を狙って遊技する第2特典遊技状態よりも有利でない、第1特典遊技状態にて遊技を進めることが可能な、新たな遊技性を持った遊技機とすることが可能である。
しかも、第2特典遊技状態のときに特図2の抽選にて当選する小当たりには、その当選に基づいて実行され得る大当たり遊技後に第1特典遊技状態となる小当たり(「16R時短小当たりB」)がある。よって、第2特典遊技状態にてその小当たりに当選した場合には、当該当選に基づく小当たり遊技および大当たり遊技の実行後に、通常遊技状態よりも普電入球口27に入球し易い特典遊技状態(第1特典遊技状態)で遊技者に遊技を進行させることが可能である。つまりその小当たり当選に基づく大当たり遊技の実行を挟んで、通常よりも有利な遊技状態で引き続き遊技を進行させることが可能である。なお遊技状態が第2特典遊技状態から通常遊技状態に移行したときの方が、第2特典遊技状態から第1特典遊技状態に移行したときよりも遊技者が抱く落胆の程度が大きい。よって第2特典遊技状態から第1特典遊技状態に移行したときには、第2特典遊技状態よりも遊技者に不利な遊技状態に移行する場合の、遊技者が落胆する気持ちを和らげることが可能である。
さらに、特図1の抽選にて当選する大当たりには、その当選に基づく大当たり遊技後に第2特典遊技状態となる大当たり(「4R時短大当たり」)がある。よって例えば、第2特典遊技状態から第1特典遊技状態に移行後の遊技において、その大当たりに当選した場合には、当該当選に基づく大当たり遊技の実行後に、遊技状態が再び第2特典遊技状態に制御されることになる。即ち、遊技状態が遊技者に有利な第2特典遊技状態から第1特典遊技状態に移行したとしても、「4R時短大当たり」の当選に伴って第2特典遊技状態に復帰し得る遊技機とすることが可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、通常遊技状態のときに特図1の抽選にて当選する大当たりには、その当選に基づく大当たり遊技後に第1特典遊技状態となる大当たりがない代わりに、大当たり遊技後に通常遊技状態となる大当たり(「16R通常大当たり」)がある。つまり通常遊技状態のときに特図1の抽選にて当選する大当たりは、当該当選に基づく大当たり遊技の実行後に、第2特典遊技状態又は通常遊技状態に制御される大当たりである。そのため第1特典遊技状態には、大当たり遊技の実行を挟んで、第2特典遊技状態からしか移行し得ない構成となっている。よって第1特典遊技状態を、第2特典遊技状態から移行可能な特別な遊技状態、即ち、第2特定遊技状態よりも不利ではあるが、まだ電サポ制御による利益を受けながら次の大当たりを狙うことができる点でいわゆる「連チャン期間」の終了とはならない補助的な遊技状態、と位置づけることが可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、第1特典遊技状態での遊技中に、図56に示す演出画像MS1を表示して、遊技状態が第2特典遊技状態に移行し得るのを報知する報知演出を行う。このため、遊技状態が第1特典遊技状態である場合には、報知演出を通じて、その第1特典遊技状態中の大当たりの当選によって第2特典遊技状態に移行し得ることを遊技者に認識させて、第2特典遊技状態に移行させることに対する遊技意欲をかき立てることが可能である。
特に本形態では、第1特典遊技状態には、大当たり遊技の実行を挟んで第2特典遊技状態からしか移行し得ない構成となっている。よって、現在の遊技状態が第1特典遊技状態であるとは、大当たり遊技を挟んで、第2特典遊技状態から、遊技者に有利でない第1特典遊技状態に遊技状態が「格下げ」となってしまった結果といえる。このため遊技者の多くは、遊技者に有利な第2特典遊技状態に再び戻りたいと思いながら遊技する。そこで第1特典遊技状態での遊技中、表示画面7a上に、図56に示す「復帰挑戦中!」といった文字列を用いた演出画像MS1を表示することで、第2特典遊技状態への復帰の可能性を遊技者に認識させることが可能である。そして、そのような演出画像MS1の報知演出を通じて、復帰を目指して遊技を行う遊技者の遊技意欲を下支えすることが可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図1の抽選で小当たり(「5R時短小当たり」)に当選し得る。このため、第1始動口20又は第3始動口21への入賞に基づいて大当たり当選の他に小当たり当選も狙える遊技機とすることが可能となっている。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈第2形態〉
図58〜図64に基づいて本発明に係る第2形態について説明する。本第2形態は、特図1の抽選にて当選する大当たりに、その当選に基づく大当たり遊技後に通常遊技状態となる大当たりがなく、当選に基づく大当たり遊技後に第1特典遊技状態となる大当たりがある点で、上記第1形態と異なる。
即ち図58に示すように、大当たりの種別として、上記第1形態にあった「15R通常大当たり」がなく、代わりに「4R時短大当たりA」がある。これにより、本第2形態では、大当たりの種別がいずれも、その当選に基づく大当たり遊技後に特典遊技状態となる大当たりである。よって、特図1の抽選又は特図2の抽選によって大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技後に普電入球口27への入球が容易となる特典遊技状態に必ずなる。
図58に示すように「4R時短大当たりA」は、4Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を第1特典遊技状態に制御する大当たりである。またこの4R時短大当たりAは、特図1の抽選でのみ当選する可能性がある。なお4R時短大当たりAは、他の大当たりと同様、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である(図58参照)。また、特図1の抽選における各大当たりへの振分確率は、4R時短大当たりAが67%、4R時短大当たりB(上記第1形態の「4R時短大当たり」に相当)が33%となっている(図58および図59参照)。
[報知演出開始処理]続いて、上記第1形態とは異なる各処理について以下に説明する。図60に示す報知演出開始処理(S4406)では、演出制御用マイコン91は、上記第1形態と同様、受信した特別図柄変動開始コマンドを解析して(S4501)、モードステータスの値が「1」かどうかを判定する(S4502)。本第2形態でモードステータスの値が「1」とは、通常遊技状態から第2特典遊技状態を介さないで移行した第1特典遊技状態であることを示す。また、モードステータスの値が「3」とは、第2特典遊技状態から通常遊技状態(但し、大当たり遊技の実行中における通常遊技状態を除く)を介さないで移行した第1特典遊技状態であることを示す。なお図60中の表に示すように、モードステータスの値が「1」でも「3」でも、夕方の背景画像を示す。
モードステータスの値が「1」である場合には(S4502でYES)、第1報知演出を実行するべく第1報知演出実行コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S6001)、本処理を終える。ステップS6001でセットされた報知演出実行コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像(後述する演出画像MS2(図64参照))をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて第1報知演出を行う。
一方、モードステータスの値が「1」でない場合(S4502でNO)、つまりモードステータスの値が「0」,「2」又は「3」の場合には、続いて、モードステータスの値が「3」かどうかを判定する(S6002)。モードステータスの値が「3」である場合には(S6002でYES)、第2報知演出を実行するべく第2報知演出実行コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S6003)、本処理を終える。ステップS6003でセットされた報知演出実行コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像(上述した演出画像MS1(図56参照))をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて第2報知演出を行う。
第1報知演出および第2報知演出はいずれも、上記第1形態の報知演出と同じく、遊技状態が第1特典遊技状態から第2特典遊技状態に移行し得るのを遊技者に報知するための演出である。本第2形態では、第1特典遊技状態の遊技中に4R時短大当たりB又は5R時短小当たりに当選した場合には、その当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態が第2特典遊技状態に移行することになる。そこで上記第1形態と同様、第1報知演出又は第2報知演出を通じて、その第1特典遊技状態中の大当たりの当選によって第2特典遊技状態に移行し得ることを遊技者に認識させて、第2特典遊技状態に移行させることに対する遊技意欲を向上させることが可能である。
但し本第2形態では、上記第1形態とは異なり、第1特典遊技状態には通常遊技状態からも第2特典遊技状態からも移行し得る。そこで、通常遊技状態から第1特典遊技状態に移行した場合には第1報知演出を実行し、第2特典遊技状態から第1特典遊技状態に移行した場合には第2報知演出(上記第1形態の報知演出に相当)を実行する構成としている。
例えば、通常遊技状態から移行した第1特典遊技状態を遊技中の遊技者の多くは、この第1特典遊技状態から遊技者に有利な第2特典遊技状態にさらに移行してほしいと思いながら遊技している。そこで第1特典遊技状態での遊技中、表示画面7a上に、図64に示す「昇格挑戦中!」といった文字列を用いた演出画像MS2を表示する第1報知演出を実行することで、第2特典遊技状態への移行の可能性を遊技者に認識させることが可能である。そして、そのような第1報知演出を通じて、第2特典遊技状態への移行を目指して遊技を行う遊技者の遊技意欲を下支えすることが可能である。
また例えば、第2特典遊技状態から移行した第1特典遊技状態を遊技中の遊技者の多くは、この第1特典遊技状態から遊技者に有利な第2特典遊技状態に再び戻ってほしいと思いながら遊技している。そこで第1特典遊技状態での遊技中、表示画面7a上に、図56に示す「復帰挑戦中!」といった文字列を用いた演出画像MS1を表示する第2報知演出を実行することで、第2特典遊技状態への復帰の可能性を遊技者に認識させることが可能である。そして、そのような第2報知演出を通じて、復帰を目指して遊技を行う遊技者の遊技意欲を下支えすることが可能である。
[特図変動演出停止処理]図61に示す特図変動演出停止処理(S4409)では、演出制御用マイコン91は、上記第1形態と同様の処理を行う(ステップS4701〜S4706)。そしてステップS4706に続いて、復帰挑戦フラグがONかどうかを判定する(S6101)。復帰挑戦フラグがONとは、大当たり遊技の実行を挟んで、遊技状態が第2特典遊技状態から第1特典遊技状態に移行したことと、その後、第1特典遊技状態から他の遊技状態(但し、大当たり遊技の実行中における通常遊技状態を除く)に移行していないことを示している。なお復帰挑戦フラグは、図62に示す本第2形態のモードステータス設定処理のステップS6202でONされる。また例えば、復帰挑戦フラグがON(つまりモードステータスの値が「3」)の第1特典遊技状態にて演出モードカウンタの値Mが0となった場合には、遊技状態の移行(即ち第1特典遊技状態から通常遊技状態への移行)に伴い、復帰挑戦フラグをONからOFFに変更する必要がある。そこで復帰挑戦フラグがONでなければ(S6101でNO)ステップS4707に進むが、ONであれば(S6101でYES)、復帰挑戦フラグをOFFして(S6102)ステップS4707に進む。
[モードステータス設定処理]図62に示すモードステータス設定処理(S4902)では、演出制御用マイコン91は、まずステップS4901で解析したエンディングコマンドが示す当たり種別が「15R時短大当たりB」又は「16R時短小当たりB」か否かを判定する(S6201)。「15R時短大当たりB」および「16R時短小当たりB」はいずれも、当選に基づく大当たり遊技の実行を挟んで、遊技状態が第2特典遊技状態から第1特典遊技状態に移行する当たりである。そこで「15R時短大当たりB」又は「16R時短小当たりB」であれば(S6201でYES)、上述した復帰挑戦フラグをONして(S6202)、モードステータスの値に「3」をセットする(S6203)。モードステータスが「3」であることは、夕方背景モードに対応している(図60の表を参照)。よってその後の変動演出では、背景画像として図55(b)に示す夕方の背景画像が表示される。
一方、当たり種別が「15R時短大当たりB」でも「16R時短小当たりB」でもなければ(S6201でNO)、続いて「4R時短大当たりA」か否かを判定する(S6204)。「4R時短大当たりA」は、当選に基づく大当たり遊技の実行を挟んで、遊技状態が通常遊技状態から第1特典遊技状態に移行する、又は、その大当たりの実行の前後で、第1特典遊技状態のままである大当たりである。「4R時短大当たりA」であれば(S6204でYES)、復帰挑戦フラグがONか否かを判定する(S6205)。上述したように復帰挑戦フラグがONとは、遊技状態が第2特典遊技状態から第1特典遊技状態に移行後に、第1特典遊技状態から他の遊技状態に移行していないことも示しているため、復帰挑戦フラグがONであれば(S6205でYES)、上記ステップS6203に進む。なお復帰挑戦フラグがONでなれけば(S6205でNO)、モードステータスの値に「1」をセットする(S6206)。モードステータスが「1」であることは、夕方背景モードに対応している(図60の表を参照)。よってその後の変動演出では、背景画像として図55(b)に示す夕方の背景画像が表示される。
一方、当たり種別が「4R時短大当たりA」でなれば(S6204でNO)、即ち当たり種別が「4R時短大当たりB」、「5R時短小当たり」、「15R時短大当たりA」又は「16R時短小当たりA」であれば、モードステータスの値に「2」をセットする(S6207)。モードステータスの値が「2」であることは、上記第1形態と同様、夜背景モードに対応している(図60の表を参照)。よってその後の変動演出では、背景画像として図55(c)に示す夜の背景画像が表示される。
ステップS6207の後、復帰挑戦フラグがONか否かを判定する(S6208)。例えば、復帰挑戦フラグがON(つまりモードステータスの値が「3」)の第1特典遊技状態にて「4R時短大当たりB」に当選した場合には、遊技状態の移行(即ち第1特典遊技状態から第2特典遊技状態への移行)に伴い、大当たり遊技後に復帰挑戦フラグをONからOFFに変更する必要がある。復帰挑戦フラグがONでなければ(S6208でNO)、つまりOFFであれば本処理を終える。一方、復帰挑戦フラグがONであれば(S6208でYES)、復帰挑戦フラグをOFFして(S6209)本処理を終える。
次に、本第2形態における遊技の進行の流れについて、図63に基づいて説明する。昼背景モードで特図1の抽選に基づく大当たりに当選した場合、その大当たりの種別が「4R時短大当たりA」であれば、その大当たり当選に伴う大当たり遊技後の遊技状態は、第1特典遊技状態に制御される。一方、その大当たりの種別が「4R時短大当たりB」であれば、その大当たり当選に伴う大当たり遊技後の遊技状態は、第2特典遊技状態に制御される。
次に、昼背景モードで特図1の抽選に基づき「5R時短小当たり」に当選したが、その小当たり当選に伴う小当たり遊技にてV通過しなかった場合には、当該小当たり遊技後の遊技状態は、通常遊技状態に制御される。一方、「5R時短小当たり」に当選し、且つ、その小当たり当選に伴う小当たり遊技にてV通過した場合には、当該小当たり遊技に続いて実行される大当たり遊技後の遊技状態は、第2特典遊技状態に制御される。
即ち本第2形態では、昼背景モードにて大当たりに当選した場合には、その後、夕方背景モード又は夜背景モードにて遊技を進めることが可能である。つまり、大当たりに当選した場合には、その後、通常よりも遊技者に有利な特典遊技状態にて遊技可能となる。また、小当たり当選に伴う小当たり遊技にてV通過しなかった場合には、その後も昼背景モードにて遊技を進めることになる。また、当選した小当たりに伴う小当たり遊技にてV通過した場合には、その後、夜背景モードにて遊技を進めることが可能である。
なお本第2形態では、昼背景モード(通常遊技状態)での特図1の抽選にて当選可能な大当たりの種別に、通常大当たり、即ちその大当たり当選に伴う大当たり遊技の終了後の遊技状態が引き続き通常遊技状態に制御される大当たりがない。
本第2形態に係る、夜背景モードでの当たり当選に伴う遊技状態の変移は、上記第1形態と同様であるため、説明を省略する。夕方背景モードで特図1の抽選に基づく大当たりに当選した場合、その大当たりの種別が「4R時短大当たりB」であれば、その大当たり当選に伴う大当たり遊技後の遊技状態は、第2特典遊技状態に制御される。一方、その大当たりの種別が「4R通常大当たりA」であれば、その大当たり当選に伴う大当たり遊技後の遊技状態は、第1特典遊技状態に引き続き制御される。つまり本形態では、夕方背景モードにて直撃大当たりに当選した場合には、その後、夜背景モードにて遊技を進めることになるか、或いは、その後も夕方背景モードにて遊技を進めることになる。
また、夕方背景モードで特図1の抽選に基づく小当たり、即ち「5R時短小当たり」に当選し、且つ、その小当たり当選に伴う小当たり遊技にてV通過した場合には、当該小当たり遊技に続いて実行される大当たり遊技後の遊技状態は、第2特典遊技状態に制御される。なお、「5R時短小当たり」に当選したが、その小当たり当選に伴う小当たり遊技にてV通過しなかった場合には、当該小当たり遊技後の遊技状態は、その小当たり当選時と同じ第1特典遊技状態のまま変わらない。但しこの場合、上述した時短カウンタの値が「0」になったときには、遊技状態が第1特典遊技状態から通常遊技状態に移行される。
即ち本形態では、夕方背景モードにて当選した大当たりが「4R時短大当たりB」の場合、および、「5R時短小当たり」の当選に伴う小当たり遊技にてV通過した場合には、その後、夜背景モードにて遊技を進めることが可能である。つまり、大当たり遊技の実行を挟んで、夕方背景モードにおける遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態に移行されることになる。
また、夕方背景モードにて当選した大当たりが「4R時短大当たりA」の場合には、その後も夕方背景モードにて遊技を進めることになる。つまり本第2形態には、上記第1形態とは異なり、大当たり遊技の実行を挟んで、通常遊技状態に移行される大当たりがない。
以上説明したように本第2形態によれば、通常遊技状態のときに特図1の抽選にて当選する大当たりには、その当選に基づく大当たり遊技後に通常遊技状態となる大当たりがなく、大当たり遊技後に第1特典遊技状態となる大当たり(「4R時短大当たりA」)がある。つまり通常遊技状態のときに特図1の抽選にて当選する大当たりは、当該当選に基づく大当たり遊技の実行後に、特典遊技状態(第1特典遊技状態又は第2特典遊技状態)に必ず制御される大当たりである。よって、通常遊技状態で大当たりに当選したが、その大当たりが、大当たり遊技の実行を挟んで第2特典遊技状態に移行する大当たりでなかった場合に遊技者が抱く残念な気持ちを和らげることが可能となっている。
〈その他の変更例〉
上記第1形態および上記第2形態では、遊技領域3に2つの第1入球口(第1始動口20および第3始動口21)を設けた遊技機とした。しかしながら、第1入球口を1つのみ備えた遊技機としてもよい。この場合、第1入球口開閉部材は、閉状態であっても第1入球口への入球を許容するよう構成する。つまり、第1入球口開閉部材は閉状態であるときには、開状態にあるときよりも第1入球口への入球を困難にするが、完全には入球を不可能にしない構成とする。
また上記第1形態および上記第2形態では、特図1の抽選にて当選可能な当たりに、小当たりを含んだ構成とした。しかしながら、特図1の抽選にて当選可能な当たりに少なくとも大当たりを含んでいればよく、小当たりを含まない構成としてもよい。なおこの構成の場合に、例えば上記第1形態の図27に示す特図1大当たり判定処理(S1108)では、ステップS1203でNOの判定であれば、ステップS1207〜S1210の各処理を行わずにステップS1211に進む。また例えば、図28に示す特図1変動パターン選択処理(S1109)では、ステップS1302でNOの判定であれば、ステップS1304の処理を行わずにステップS1306に進む。
また上記第1形態および上記第2形態では、特図1の抽選にて当選可能な大当たりに2つの大当たりを設けたが、1つのみの大当たりや3つ以上の大当たりを設けてもよい。また、特図2の抽選にて当選可能な大当たりに2つの大当たりを設けたが、1つのみの大当たりや3つ以上の大当たりを設けてもよい。また、特図2の抽選にて当選可能な小当たりに2つの小当たりを設けたが、1つのみの小当たりや3つ以上の小当たりを設けてもよい。
また上記第1形態および上記第2形態では、第3始動口21に遊技球が入球可能な開状態と、第3始動口21への入球が不可能な閉状態とをとり得る開閉部材23Wを備える遊技機とした。しかしながら、開閉部材23Wがとり得る閉状態を、第3始動口21への入球が開状態よりも困難な状態としてもよい。また、第2始動口24に遊技球が入球可能な開状態と、第2始動口24への入球が不可能な閉状態とをとり得る開閉部材26Wを備える遊技機としたが、開閉部材26Wがとり得る閉状態を、第2始動口24への入球が開状態よりも困難な状態としてもよい。なおこの場合、第2特典遊技状態以外の第1特典遊技状態および通常遊技状態でも、第2始動口24への入球が可能となる。そこで例えば、遊技状態が第2特典遊技状態のときに加えて第1特典遊技状態のときにも、第2当否判定にて当選する小当たりに上記第1小当たりおよび第2小当たりが含まれるような構成としてもよい。また例えば、遊技状態が第2特典遊技状態のときに加えて通常遊技状態のときにも、第2当否判定にて当選する小当たりに上記第1小当たりおよび第2小当たりが含まれるような構成としてもよい。
また上記第1形態および上記第2形態では、遊技状態によらず、当選した当たりの種別(特別図柄の種別)に応じて、その当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態が決まる構成とした。例えば、上記第1形態において、通常遊技状態中に特図1の抽選にて「15R通常大当たり」に当選した場合でも、第1特典遊技状態中に「15R通常大当たり」に当選した場合でも、その当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態は通常遊技状態になる。しかしながら、当選した当たりの種別(特別図柄の種別)に加えて、当選時の遊技状態に応じて、その当選に基づく大当たり遊技(特別遊技)後の遊技状態を決定する構成としてもよい。具体的には例えば、特図1の抽選にて「特定の特別図柄A」が示す大当たりに当選した場合に、当選時の遊技状態が通常遊技状態のときには、その当選に基づく特別遊技後の遊技状態が、当選時の遊技状態と同じ通常遊技状態に制御される。これに対し、当選時の遊技状態が第1特典遊技状態のときには、その当選に基づく特別遊技後の遊技状態が、当選時の遊技状態と同じ第1特典遊技状態に制御される構成が挙げられる。
ここで、上記第1形態の「特図1_通常図柄」(図11参照)が上記「特定の特別図柄A」に当たる構成とすると、第1特典遊技状態で大当たりに当選した場合には、その当選に基づく特別遊技後の遊技状態が必ず特典遊技状態(第1特典遊技状態又は第2特典遊技状態)に制御され、通常遊技状態に移行しない遊技性を実現できることになる。従って、折角第1特典遊技状態で大当たりに当選したのに通常遊技状態に移行してしまうといった不満の発生を防ぐことが可能である。
また例えば、特図1の抽選にて「特定の特別図柄B」が示す大当たりに当選した場合に、当選時の遊技状態が通常遊技状態のときには、その当選に基づく特別遊技後の遊技状態が第1特典遊技状態に制御される。これに対し、当選時の遊技状態が第1特典遊技状態のときには、その当選に基づく特別遊技後の遊技状態が通常遊技状態に制御される構成が挙げられる。
なお、設けられている特別図柄の種別の少なくとも1つについては、当選時の遊技状態に応じて特別遊技後の遊技状態を決定して、残りの特別図柄については、当選時の遊技状態によらず遊技状態が決定するような構成としてもよい。
また上記第1形態および上記第2形態では、報知演出(第2報知演出)も第1報知演出も画像表示装置7を用いた演出とした。しかしながら、報知演出(第2報知演出)および第1報知演出の少なくとも一方を、画像表示装置7を用いた演出の他に、特別な効果音を用いた音声演出や、特別な色や態様で点灯(又は点滅)させるランプ演出としてもよい。
また上記第1形態および上記第2形態では、報知演出に文字列からなる演出画像MS1,MS2を用いた。しかしながら、文字列のほかに、キャラクタや図形などからなる演出画像を用いてもよい。なお、第1報知演出に用いる画像の内容(態様)としては、図64に示す画像に限定されない。また、報知演出(第2報知演出)に用いる画像の内容(態様)としては、図56に示す画像に限定されない。
また上記第2形態では、第1報知演出と第2報知演出との両方を行う構成とした。しかしながら、いずれか一方の報知演出を行う構成や、いずれの報知演出も行わない構成としてもよい。
また上記第1形態および上記第2形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って数値情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、いわゆる「同時変動」を行う遊技機としてもよい。
また上記第1形態および上記第2形態では、第1始動口20、第2始動口24又は第3始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり又は小当たりの種類、リーチの有無、および、変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。即ち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記第1形態および上記第2形態では、99回の特別図柄の変動表示が実行されると特典遊技状態を終了するように構成したが、特典遊技状態の終了条件としての特別図柄の変動表示の実行回数(所定の上限実行回数)は、任意に変更可能である。
また上記第1形態では、ゲート33、電チュー28、第2始動口24、第3始動口21および第2大入賞口35を遊技領域3の右側にあたる右遊技領域3Bに配したものを示した(図1参照)。しかしながら、ゲート33、電チュー28、第2始動口24、第3始動口21および第2大入賞口35を左遊技領域3Aに配して、特典遊技状態でも通常遊技状態でも左打ちにて遊技を進行可能な形態の遊技機(「左打ち専用機」)としてもよい。
また上記第1形態および上記第2形態では、特図2の抽選にて当選する小当たりについて、その小当たり当選に伴う2種大当たり遊技後に制御される遊技状態は、当選時の遊技状態によらず、各小当たりに応じた遊技状態に統一される構成とした。即ち、「16R時短小当たりA」に当選した場合、当選時の遊技状態が「第2特典遊技状態」に加えて「通常遊技状態」や「第1特典遊技状態」であっても、その小当たり当選に基づいて実行された2種大当たり遊技後に制御される遊技状態は「第2特典遊技状態」に統一される構成とした。また、「16R時短小当たりB」に当選した場合、当選時の遊技状態が「第2特典遊技状態」に加えて「通常遊技状態」や「第1特典遊技状態」であっても、その小当たり当選に基づいて実行された2種大当たり遊技後に制御される遊技状態は「第1特典遊技状態」に統一される構成とした。しかしながら、特図2の抽選にて当選する小当たりについて、当選時の遊技状態が「第2特典遊技状態」以外の「通常遊技状態」又は「第1特典遊技状態」の場合に、各小当たりに応じた上述の遊技状態とならない構成としてもよい。例えば、「16R時短小当たりA」に当選したときに、その当選時の遊技状態が「第2特典遊技状態」以外の「通常遊技状態」又は「第1特典遊技状態」であった場合には、その小当たり当選に基づいて実行された2種大当たり遊技後に制御される遊技状態を、「第2特典遊技状態」以外の「通常特典遊技状態」とする構成としてもよい。また例えば、「16R時短小当たりB」に当選したときに、その当選時の遊技状態が「第2特典遊技状態」以外の「通常遊技状態」又は「第1特典遊技状態」であった場合には、その小当たり当選に基づいて実行された2種大当たり遊技後に制御される遊技状態を、「第1特典遊技状態」以外の「通常特典遊技状態」とする構成としてもよい。
なお、本発明の「所定の終了条件」とは、上記実施形態では、所定回数の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることである。