以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に遊技盤取付枠としての内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される遊技部材(釘や役物等)、前枠としての前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠セット14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した操作手段(発射操作手段)としての遊技球発射ハンドル(以下「ハンドル18」と称する)が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検知するための図示しない操作量検知手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能なストップレバー18aが設けられている。当該ストップレバー18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19上面には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるCRユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、CRユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、CRユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19上面には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
加えて、上皿19上面には、演出操作手段としての演出ボタン125及び十字ボタン126が設けられている。演出ボタン125にはLEDが内蔵されているとともに、演出ボタン125や十字ボタン126を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞装置31、可変入賞装置32、可変入球手段及び始動入球手段としての第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35等が配設されている。周知の通り、一般入賞装置31、可変入賞装置32、始動入賞装置33a、33b等の各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検知スイッチにより検知され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。
本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの入球があった場合には3個、一般入賞装置31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には14個の遊技球が払出されるように構成されている。また、遊技球が通過するだけで入球することのない(遊技盤30の裏面側に排出されることのない)スルーゲート34に遊技球が通過しても、遊技球の払出しは行われない。加えて、第1始動入賞装置33a、一般入賞装置31、及び、スルーゲート34には、遊技領域を移動する遊技球が常に入球可能、又は、通過可能に構成されているのに対し、第2始動入賞装置33b、及び、可変入賞装置32に関しては、遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態とに状態変化するように構成されている。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞装置31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘(遊技釘)が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には左右一対の入球口151が設けられており、該入球口151を介してセンターフレーム47の内部に入球した遊技球は、装飾図柄表示装置42の左右側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。加えて、ポケット154は、第1始動入賞装置33aの直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で、後述する第1始動入賞装置33aに入球するようになっている。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、第1始動入賞装置33aが配設されている。第1始動入賞装置33aは、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口(始動入賞口)が開口している。尚、本実施形態の第1始動入賞装置33aには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さを変化させるような開閉部材は設けられていない。
第1始動入賞装置33aの下方位置には、第2始動入賞装置33bが配設されている。第2始動入賞装置33bは、遊技球が入球可能な第2始動入賞装置33bの入賞口(始動入賞口)の左右両側に隣接して、回動変位可能に設けられた一対の羽根部材37を備えている。本実施形態では、羽根部材37が上下に延びる閉位置とされている場合には、当該羽根部材37の先端部と、第1始動入賞装置33aとの間に遊技球が通過する余地がなく、第2始動入賞装置33bは、遊技球を入球させることが不可能な閉状態となっている。一方、羽根部材37が外側に開く開位置に変化することで、羽根部材37と第1始動入賞装置33aとの間に遊技球が通過する隙間が確保され、第2始動入賞装置33bは、遊技球の入球が許容されるとともに、羽根部材37によって第2始動入賞装置33bの側方を移動する遊技球が第2始動入賞装置33bの始動入賞口へと案内される開状態となる。
また、詳しくは後述するが、本実施形態では、第1始動入賞装置33aと、第2始動入賞装置33bとがユニット化されて、遊技盤30に取付けられている。以下、第1始動入賞装置33aと第2始動入賞装置33bとがユニット化されたものを「始動入賞ユニット401」と称する。
尚、詳しくは後述するが、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、それぞれ入賞した遊技球を検知する可変入球検知手段及び始動入球検知手段としての第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合には、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、後述する特別表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、可変入賞装置32が開放される特別遊技状態としての大当たり状態が付与されることとなる。
始動入賞ユニット401の下方位置には、可変入賞装置32が設けられている。可変入賞装置32は、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉するシャッタと、シャッタを動作させるための大入賞口ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検知するカウントスイッチ223とを備え、大入賞口ソレノイドを駆動制御し、シャッタを開閉させることで、可変入賞装置32(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入球できない閉状態になっており、大当たり状態の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、本実施形態の可変入賞装置32の大入賞シャッタは、大入賞口の下縁部に沿って大入賞シャッタの下縁部が回動可能に軸支されており、可変入賞装置32の閉状態では、大入賞シャッタが上下に延びて大入賞口を閉塞し、大入賞シャッタの前方を遊技球が通過可能な状態となる。一方、可変入賞装置32の開状態では、大入賞シャッタが前方に回動して前後に延び(上面が後方に向けて少し下方傾斜している)、大入賞口の前方に流下してきた遊技球を大入賞シャッタの裏面(上面)で受けて大入賞口へと案内するようになっている。
遊技領域のうち可変表示装置ユニット35の左側方に位置する領域(左側方領域)、及び、可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域(右側方領域)には、スルーゲート34が配置されている。スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えている。尚、本実施形態では、スルーゲート34(特にスルーゲートスイッチ225)が、通過検知手段を構成する。
また、スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選(開放抽選)が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球サポート抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に第2始動入賞装置33bが規定時間だけ開状態とされる。
本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する「低確率状態」と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する「高確率状態」とがある。さらに、第2始動入賞装置33bの開閉部材37が比較的頻繁に開放され、遊技球を第2始動入賞装置33cへ入球させ易くなる第2入球状態としての「高入球状態」と、高入球状態よりも開閉部材37が開放される時間帯が減少する第1入球状態としての「低入球状態」とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード」と称し、高確率状態かつ低入球状態である状態を「潜確モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称する。
尚、高入球状態としては、例えば、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が低入球状態時よりも短い状態、(2)第2始動入賞装置33bの一回の開放時間(規定時間)が低入球状態時に比べて長い状態、(3)第2始動入賞装置33bの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が低入球状態時に比べて多い状態、(4)入球サポート抽選の当選一回当たりの第2始動入賞装置33bの開放回数が低入球状態時に比べて多い状態、(5)入球サポート抽選の当選確率が低入球状態時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高入球状態は、上記(2)、(4)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高入球状態」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、第2始動入賞装置33bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、当否抽選の実行される回数が増えると共に、遊技者の持ち球の減少が抑制される球持ちのよい状態となる。
但し、本実施形態では、低入球状態であっても、普通図柄表示装置41における変動表示時間が高入球状態時と同じ(1.86秒)であり、入球サポート抽選にて当選した場合に第2始動入賞装置33bが開状態とされる時間についても、高入球状態時の1.8秒よりは短いものの、十分に遊技球の入球が見込める1.0秒となっている。さらに、入球サポート抽選における当選確率についても、31/233(約1/7.5程度)となっており、従来のパチンコ機に比べて比較的当選し易い確率となっている。これにより、低入球状態においても、第2始動入賞装置33bが比較的開状態とされ易くなり、特別図柄の変動表示についても保留され易くなっている。
さらに、本実施形態では、通常モード、潜確モード、及び、確変モードは、大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42における変動表示が予め設定された規定回数(本例では、100回)行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
また、本実施形態の大当たり種別としては、15ラウンド確変大当たり(以下「15RS」と言う)と、15ラウンド通常大当たり(以下「15RN」と言う)と、2ラウンド確変大当たり(以下「2RS」と言う)とがある。「15RS」、「15RN」に関しては、可変入賞装置32が30秒間開放されること、又は、可変入賞装置32が開放されてから可変入賞装置32に8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、それが15回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。一方、「2RS」に関しては、可変入賞装置32が0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。すなわち、「15RS」、「15RN」に関しては、大当たり状態中に大幅な遊技球の増加が見込める大当たり(所謂、「出玉有り大当たり」)であるものの、「2RS」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たり(所謂、「出玉無し大当たり」)となっている。
加えて、「15RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」が付与され、「2RS」の大当たり状態終了後には「潜確モード」が付与され、「15RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」(本例では、変動表示100回分)が付与される。
また、略楕円形状の遊技領域の右上部に隣接して、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づいて行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる第1特別表示装置43aと、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づいて行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる第2特別表示装置43bと、特別表示装置43a、43bにおける変動表示中に始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球があった場合に、当該入球に対応する変動表示を保留記憶したことを示す保留表示手段としての第1保留表示装置46a、及び、第2保留表示装置46bと、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる普通表示手段としての普通図柄表示装置41と、普通図柄表示装置41における変動表示中にスルーゲート34への遊技球の通過があった場合に、当該通過に対応する変動表示を保留記憶したことを示す普通保留表示装置44とが、パチンコ機10の前方から視認可能に設けられている。本実施形態では、特別表示手段としての第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43b、第1保留表示装置46a、第2保留表示装置46b、普通図柄表示装置41、及び、普通保留表示装置44は、後述する主制御手段としての主制御装置261により直接的に表示制御される。
第1特別表示装置43aは、4個のLED(第1特図ランプ)により構成されている。そして、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として、第1特別表示装置43aにて第1特図ランプの切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。
第2特別表示装置43bは、4個のLED(第2特図ランプ)により構成されている。そして、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43bにて第2特図ランプの切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて変動表示が所定時間行われた後、当否抽選の結果に基づいて、変動表示が停止されることとなる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している特図ランプの組合わせ)と、当否抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」、又は、「外れ」であることが確定的に表示されるようになっている。
さらに、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおいては、停止させる点灯態様(停止態様)によって、大当たり種別、すなわち、「15RS」、「15RN」、及び、「2RS」のうちいずれであるかについても教示される。また、各種大当たり種別や、外れであることをそれぞれ教示する第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおける停止表示は規定時間維持されるように構成されており、規定時間経過後に次の変動表示を開始可能に構成されている。さらに、第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおける停止表示後、規定時間が経過しても、次の変動表示が行われない場合には、当該第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおいて、当否抽選の結果を示す点灯態様から、変動表示が行われていない待機状態であることを示す点灯態様へと切替えられるように構成されている。尚、当否抽選の結果を示す点灯態様の態様がそのまま維持される構成としてもよい。
第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bは、それぞれ2個のLED(第1保留ランプ、第2保留ランプ)によって構成されている。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と称する)を4回分まで保留記憶可能に構成されている。さらに、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と称する)を4回分まで保留記憶可能に構成されている。
また、例えば、第1変動表示が1回分保留されている場合には、左側(遊技領域内周側)の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が2回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が3回分保留されている場合には、左側の第1保留ランプが点滅するとともに、右側の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が4回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞装置33a、33bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
尚、保留された変動表示は、基本的に、保留された順番で消化されるようになっているが、第1変動表示及び第2変動表示の両方が保留されている場合には、第2変動表示が優先的に消化されるようになっている。すなわち、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第2変動表示が全て消化された状態でなければ、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプが1つ点灯している状態において、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球し、第2保留ランプが1つ点灯した場合、第1変動表示が後回しにされ、先に第2変動表示が行われることとなる。
普通図柄表示装置41は、2個のLED(普図ランプ)により構成されている。そして、普通図柄表示装置41では、スルーゲート34への遊技球の通過を契機として、例えば、右側(遊技領域外周側)の普図ランプが点滅表示される(変動表示される)構成となっている。また、普通図柄表示装置41にて変動表示が所定時間行われた後、入球サポート抽選の結果に基づいて、変動表示を停止させる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している普図ランプの組合わせ)と、入球サポート抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、入球サポート抽選の結果が確定的に表示される。例えば、左右の普図ランプを両方とも点灯させることで「当選」を示し、左側の普図ランプのみを点灯させることで「外れ」を示す。
普通保留表示装置44は、2個のLED(普通保留ランプ)により構成されている。本実施形態では、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる普通図柄表示装置41の変動表示を4回分まで保留記憶可能に構成されている。例えば、普通図柄表示装置41の変動表示が1回分保留されている場合には、左側(遊技領域内周側)の普通保留ランプが点灯し、2回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点灯し、3回分保留されている場合には、左側の普通保留ランプが点滅するとともに、右側の普通保留ランプが点灯し、4回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合、その分の変動表示についても保留される。
また、可変表示装置ユニット35には、液晶表示装置によって構成され、装飾図柄を表示可能な装飾図柄表示装置42が設けられている。装飾図柄表示装置42は、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bによる変動表示に合わせて装飾図柄を変動表示させるように構成されている。さらに、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示が行われる。尚、本実施形態では、装飾図柄表示装置42や、スピーカSPや、電飾のランプによって演出手段が構成される。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中、下の3つの図柄表示領域(上図柄表示領域、中図柄表示領域、下図柄表示領域)が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において所定の有効ライン上に同一の装飾図柄が並ぶようにして停止表示され)、大当たり状態が開始される。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が所定の有効ライン上に停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、「15RS」が発生し、偶数のゾロ目の場合には、「15RS」、又は、「15RN」のどちらかが発生する。
また、ゾロ目以外の装飾図柄の組合わせは基本的に「外れ」を教示するものであるが、「2RS」の大当たりとなる場合には、ゾロ目ではなく、装飾図柄が有効ライン上において特定の組合わせ(チャンス図柄の組合わせ、所謂チャンス目)で停止表示されるようになっている。本実施形態では、上・中・下図柄表示領域で「3」・「4」・「1」が停止表示される態様がチャンス図柄の組合わせである。
尚、本実施形態では、滞在している遊技モードを教示又は示唆する演出として、装飾図柄表示装置42において(背景等が異なる)複数の演出ステージが用意されている。より具体的には、確変モードに滞在していることが確定する「確変ステージ」と、通常モードに滞在していることが確定する「通常ステージ」と、時間短縮モードに滞在している「引き戻しステージ」とがある。つまり、「15RS」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「確変ステージ」に移行する。また、「15RN」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「引き戻しステージ」に移行し、さらに、引き戻しステージにおいて変動表示が100回行われた場合には、「通常ステージ」に移行する。加えて、本実施形態では、「2RN」の大当たり状態終了後、及び、「小当たり」状態の終了後に移行する「前兆ステージ」が存在する。当該「前兆ステージ」では、背景が通常ステージ等と比べて若干変化するとともに、演出バランスが変化する(例えば、通常は選択され難い演出パターンが選択され易くなる等)ようになっている。
また、本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づいて行われる変動表示が保留されていること(変動表示を実行させる権利を得ていること)が、装飾図柄表示装置42においても教示されるようになっている。詳しくは後述するが、図45に示すように、装飾図柄表示装置42の下部(保留表示エリア462)において、変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコン461が表示されるようになっている。
左側方領域及び右側方領域の下部には、遊技領域の周縁部に沿って一般入賞装置31が配設されている。一般入賞装置31は、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
次に、第1始動入賞装置33aと、第2始動入賞装置33bとをユニット化した始動入賞ユニット401を中心に、図46〜図49等を参照して説明する。
始動入賞ユニット401は、遊技盤30の前面に当接状態で取付けられる略板状のベース板402と、ベース板402の前方において、ベース板402との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、少なくとも第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bの前方を覆うようにして設けられる略円盤状の前被覆手段(一般部)としての前装飾部403とを備えている。前装飾部403は、透明または半透明な樹脂材料(例えばポリカーボネート)で構成されており、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bの周辺部を移動する遊技球を、前装飾部403を介して、視認可能となっている。
また、図47(a)、図49等に示すように、ベース板402には、遊技盤30に形成された開口部と連通し、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bに入球した遊技球を、前記開口部を介して、遊技盤30の後方に排出するための上下一対の排出孔404a、404bが形成されている。さらに、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bは、ベース板402に形成された各排出孔404a、404bの前方に対応して設けられ、上方に開口する断面略U字状の球受部405を備えている。当該球受部405の上部に形成される開口部によって始動入賞口が構成されている。さらに、球受部405の底面は、遊技球を後方に案内する形状(後方に下方傾斜する形状の部位を備える)とされており、始動入賞口を介して、球受部405に入球した遊技球は、後方の排出孔404a、404bへと案内されることとなる。
尚、遊技盤30の前面に立設される遊技釘には、第1始動入賞装置33aの始動入賞口の左右両側部の上方において左右一対で設けられる命釘406があり、当該一対の命釘406の間を通過した遊技球が第1始動入賞装置33aへと入球するように構成されている。本実施形態では、命釘406と前装飾部403とが重ならないように、始動入賞ユニット401が命釘406よりも下方に配置されている。
また、図47(b)に示すように、本実施形態では、各球受部405が、前装飾部403と一体的に形成されており、球受部405についても、前装飾部403と同様に、透明又は半透明の樹脂材料(第1始動入賞装置33aの球受部405は透明樹脂)によって構成されている。以下、前装飾部403、及び、球受部405が一体となった部材を「カバーユニット407」と称する。
さらに、カバーユニット407には、カバーユニット407をベース板402に取付けるための取付ボス408が、各球受部405と一体的に設けられている。取付ボス408のボス穴は後方に開口している。その一方で、図47(a)に示すように、ベース板402には、取付ボス408に対応して取付孔409が形成されており、取付ボス408と取付孔409とを位置合わせして、ベース板402の後面側からねじ固定を行うことで、カバーユニット407がベース板402に取付けられることとなる。尚、ベース板402に対し、前方に突出し、球受部405の下面側を支持する支持リブを設けることとしてもよい。
加えて、図46に示すように、本実施形態のベース板402は、前装飾部403の外周縁よりも左右側方にまで延設されている。さらに、当該延設部位には、ベース板402から前方に突出するようにして形成され、前装飾部403の左右側方の遊技領域を移動する遊技球を前装飾部403側へ案内する左右一対のスライダー411が設けられている。当該スライダー411によって案内された遊技球は、図49(b)に示すように、第2始動入賞装置33bが開状態であれば、開位置にある羽根部材37上に比較的高い確率で落下して、第2始動入賞装置33bへと入球するようになっている。さらに、ベース板402には、前記延設部位において、当該ベース板402を遊技盤30にねじで固定するためのねじ孔412が形成されている。
図49等に示すように、本実施形態では、第2始動入賞装置33bに対応して、球受部405の側方の遊技領域を移動する遊技球を球受部405へと案内する開位置と、球受部405の側方の遊技領域を移動する遊技球の球受部405側への移動を規制する閉位置との間で変位可能な羽根部材37が設けられているだけでなく、開位置にある羽根部材37の前方を覆うことのできる機能位置と、閉位置にある羽根部材37の前方を覆うことのできる待機位置との間を変位可能な可動被覆手段としての疑似羽根部材431が設けられている。
図48に示すように、羽根部材37は、開位置とされた場合に遊技球を載せて球受部405へと案内する役割を有するため、前後の幅(厚み)が遊技球の直径よりも大きく構成されている。一方、羽根部材37の前方(羽根部材37と前装飾部403との間)に配置される疑似羽根部材431は、羽根部材37が閉位置にあり、かつ、疑似羽根部材431が機能位置にある場合(図49(c)参照)に、当該疑似羽根部材431の後方の遊技領域(疑似羽根部材431とベース板402との間)を遊技球が通過可能とするべく、羽根部材37よりも薄肉に構成されている。
また、羽根部材37を動作させる機構としては、羽根部材37を変位させる羽根側モータ421と、一端部側が羽根部材37と連結される略円筒状の羽根用軸425と、羽根用軸425の他端部側に設けられ、羽根側モータ421の羽根側駆動軸422に設けられた羽根側ピニオン423と噛み合わされる羽根側ギア426とを備えている。本実施形態の羽根側モータ421は、後述の主制御装置261と電気的に接続されている。また、羽根用軸425は、羽根部材37に形成された前後に貫通する略円形の貫通孔427(図48(b)参照)に挿通された状態で、羽根部材37と固定されている。
さらに、疑似羽根部材431を動作させる機構としては疑似羽根部材431を変位させる疑似側駆動手段としての疑似側モータ432と、一端部側が疑似羽根部材431と連結される略円柱状の疑似用軸433と、疑似用軸433の他端部側に設けられ、疑似側モータ432の疑似側駆動軸434に設けられた疑似側ピニオン435と噛み合わされる疑似側ギア436とを備えている。本実施形態の疑似側モータ432は、後述のサブ制御装置262と電気的に接続されている。
また、疑似用軸433は、略円筒状の羽根用軸425の内側に挿通されており、羽根用軸425の前端部から前方に突出した疑似用軸433の前端部に対して疑似羽根部材431が取付けられ、羽根用軸425の後端部から後方に突出した疑似用軸433の後端部に対して疑似側ギア436が取付けられている。当該構成により、羽根部材37及び疑似羽根部材431が回動可能に構成されるとともに、羽根部材37の回転軸線、及び、疑似羽根部材431の回転軸線が(ほぼ)同一直線上に延びるように構成されている。
加えて、疑似用軸433の前端部は断面略D字状をなしており、かかる前端部は、疑似羽根部材431の後面に形成された略半円形状の凹部(図示略)に挿入された状態で、疑似羽根部材431と固定されている。さらに、疑似羽根部材431の前面側には、前記凹部が形成されることに伴って、疑似羽根部材431の前面側に突出するようにして形成された略円柱状の軸支凸部437が設けられている。図47(b)に示すように、本実施形態では、前装飾部403の後面において、当該軸支凸部437が挿入される凹状の軸受部438が形成されている。これにより、疑似用軸433の前端部側、ひいては、羽根用軸425の前端部側が支持されることとなり、疑似用軸433や羽根用軸425の変形や位置ずれ等を抑止することができる。尚、羽根部材37や疑似羽根部材431の回動中心側の外周縁下部を軸支する軸受部を設けることとしてもよい。
また、本実施形態では、始動入賞ユニット401において、デフォルメされたクジラが視認されるように構成されている。つまり、図46に示すように、略円盤状の前装飾部403は、基本的に有色透明の色相でクジラが描画されたキャラクタ表示部441を備えており、それ以外(キャラクタ表示部441の周り)は無色透明(キャラクタ表示部441よりも薄い色相の有色透明でも可)な一般部442となっている。但し、キャラクタ表示部441には、クジラの前肢が描画されていない。その代わりに、疑似羽根部材431によってクジラの前肢が表現されている。
図46(b)、図48等に示すように、疑似羽根部材431は、クジラの前肢をイメージした形状(ヒレ状)とされ、キャラクタ表示部441のクジラの着色(例えば、半透明の紺色)に合わせて、有色透明の樹脂材料によって構成されている。そして、疑似羽根部材431が機能位置へと変位することで、クジラの前肢がクジラの胴体の側方に突出するように構成されている。本実施形態では、機能位置にある疑似羽根部材431の先端部が、前装飾部403(一般部442)の外周縁よりも外方に位置するようになっている。
また、図49(a)に示すように、本実施形態では、待機位置にある疑似羽根部材431が、前装飾部403のキャラクタ表示部441の後方に位置する(疑似羽根部材431の大部分がキャラクタ表示部441で隠れる)ように構成されている。さらに、羽根部材37についても、閉位置にある場合には、キャラクタ表示部441の後方に位置する(閉位置にある羽根部材37の全体がキャラクタ表示部441で隠れる)ように構成されている。加えて、本実施形態の羽根部材37は、無色透明な樹脂材料によって構成されている。さらに、羽根部材37は、開位置にある場合の上面(遊技球案内面)や前面が平坦(平滑)面となっている。尚、疑似羽根部材431の前面や後面についても平坦面となっている。
また、図48(b)、図49に示すように、疑似羽根部材431は、正面視で、羽根部材37よりも面積が大きく構成されており、羽根部材37が開位置にあり、かつ、疑似羽根部材431が機能位置にある場合、及び、羽根部材37が閉位置にあり、かつ、疑似羽根部材431が待機位置にある場合のどちらでも、羽根部材37の前面全体が疑似羽根部材431によって覆われるようになっている。特に、本実施形態では、図49(a)に示すように、羽根部材37が閉位置にあり、かつ、疑似羽根部材431が待機位置にある場合には、疑似羽根部材431の機能位置側の辺部が、羽根部材37の開位置側の面よりも、開位置側に位置するように構成されている。さらに、図49(b)に示すように、羽根部材37が開位置にあり、かつ、疑似羽根部材431が機能位置にある場合には、疑似羽根部材431の上辺部(待機位置側の辺部)が、羽根部材37の上面(遊技球案内面、待機位置側の面)が、よりも上方(閉位置側)に位置するようになっている。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、羽根部材37及び疑似羽根部材431のうち、羽根部材37が単独で動作することはなく、羽根部材37が閉位置から開位置に変位する場合には、疑似羽根部材431についても、該羽根部材37の前方を覆いつつ、待機位置から機能位置へと変位するように構成されている。さらに、羽根部材37が開位置から閉位置へと変位する場合には、疑似羽根部材431についても、該羽根部材37の前方を覆いつつ、機能位置から待機位置へと変位するように構成されている。その一方で、疑似羽根部材431に関しては、単独で動作する場合があり、図49(c)に示すように、疑似羽根部材431は機能位置にあるが、羽根部材37は閉位置にあるといった状態も発生するように構成されている。つまり、羽根部材37が閉位置にある状態において、羽根部材37が開位置(閉位置以外の位置)に存在しているかのような疑似羽根開放態様を導出可能になっている。
また、図46に示すように、ベース板402のうち、前装飾部403で前方が覆われる範囲であって、閉位置と開位置との間を変位する羽根部材37が前方を通過する部位、及び、第2始動入賞装置33bの下方に位置する部位には、発光部445が設けられている。発光部445は、ベース板402に透過孔が形成され、当該透過孔に対してプリズム板が嵌着されるとともに、プリズム板の後方に光源が設置されることで構成されている。
加えて、図47、図49に示すように、遊技領域のうち機能位置にある疑似羽根部材431によって前方が覆われる領域(以下、「特定被覆領域」とも称する)の下方位置には、前装飾部403で前方が覆われる被覆領域ではあるものの、ベース板402が配設されていない領域が存在する。図49(c)等に示すように、本実施形態では、かかる領域において、機能位置にある疑似羽根部材431の下縁部(特定被覆領域の下方)に隣接するようにして、複数本(本例では2本)の遊技釘(以下、「案内釘448」と称する)が遊技盤30に立設されている。複数本の案内釘448は、始動入賞ユニット401の横幅方向中央部側に位置するものほど下方に配置されており、基本的に、案内釘448の上面側に接触した遊技球は、第2始動入賞装置33b側へと案内されるようになっている。
例えば、図49(b)に示すように、羽根部材37が開位置にある場合、羽根部材37の直下方に位置する案内釘448には、遊技球がほとんど接触しない。これに対し、図49(a)、図49(c)に示すように、羽根部材37が閉位置にある場合には、被覆領域に進入し、閉位置にある羽根部材37の側方を移動する遊技球は、案内釘448に接触することとなる。尚、案内釘448は、機能位置にある疑似羽根部材431、及び、前装飾部403のキャラクタ表示部441に隣接して配置され、さらに、機能位置にある疑似羽根部材431についても、正面視でキャラクタ表示部441と連続して延在していることから、案内釘448によって案内台446側に案内されている遊技球は、疑似羽根部材431やキャラクタ表示部441の後側に隠れ続ける場合もあり、この場合、かかる遊技球の動作を目で追い難くなる。
次に、ハンドル18について、図51〜図61を参照して説明する。図51〜図54に示すように、ハンドル18は、前面枠セット14に固定されたハンドル基部1401と、ハンドル基部1401に対して回動可能に組付けられた操作部としての回転操作体1402と、回転操作体1402の前面側においてハンドル基部1401に固定された略半球状のカバー1403と、回転操作体1402に固定された第1ギア体1466と、変位量検知手段としての可変抵抗器1445と、第1ギア体1466と可変抵抗器1445とを連動させる第2ギア体1448と、タッチ検知手段としてのタッチセンサ1451とを備えている。さらに、回転操作体1402に取付けられる操作金具1405と、回転操作体1402をアースさせるためのアース金具1406及び中継金具1407と、回転操作体1402を反時計回り方向に付勢するゼンマイばね1475と、遊技球の発射を停止させるためのストップスイッチ1455と、ストップスイッチ1455の操作に用いられるストップレバー18aとを備えている。加えて、第2ギア体1448と噛み合う第3ギア体1408と、回転操作体1402の回動操作時に第3ギア体1408を反時計回り方向に付勢する付勢ばね1482とを備えている。
(ハンドル基部1401)
図52、図55、図56等に示すように、ハンドル基部1401は、全体として略円筒状をなしており、後側に位置する小径部1411と前側に位置する大径部1412とが隔壁部1413により隔てられている。大径部1412には、部分的に切り欠かれることで形成されてなる第1切欠き部1414a(図55で左下の部位)が設けられている。また、隔壁部1413の中心には、円筒状の中央ボス1415(図57参照)が一体形成されている。
さらに、隔壁部1413には、円筒状の第1、第2及び第3の取付用ボス1417、1418、1419が前方に突出形成されている。第1及び第2の取付用ボス1417、1418は、互いに近接する位置に形成されており、第1の取付用ボス1417と第2の取付用ボス1418との間には、隔壁部1413から前方に突出する円柱状のばね掛け突起1421が形成されている。ばね掛け突起1421には、ばね掛け突起1421の前面中央部を通るようにしてハンドル基部1401の遠心方向に沿って延びる引っ掛け溝1422が形成されている。また、第3の取付用ボス1419は、中央ボス1415を挟んでばね掛け突起1421とは反対側の位置に形成されている。
加えて、隔壁部1413からは、第3の取付用ボス1419の近傍位置(上方)において、ストップレバー18aを軸支するための支軸1423が前方に突出形成されている。さらに、隔壁部1413には、各種配線等を後側へ導くための図示しない挿通孔が形成されている。尚、ハンドル基部1401は絶縁体(ABS等)で構成されている。
(回転操作体1402)
回転操作体1402は、円環状のリング部1431と、リング部1431の外周において突出形成された複数の指掛け凸部1432と、リング部1431の中心に位置するセンター取付部1433と、センター取付部1433から相反する2方向に延び、端部がリング部1431にそれぞれ連結されてなる連結部1434a、1434bとを備えている。
リング部1431の後面側には、ハンドル基部1401の大径部1412が挿入可能な後面側環状溝1430a(図56参照)が形成され、リング部1431の前面側には、カバー1403の後端縁(後述するガイドリブ1441a、1441b)が挿入可能な前面側環状溝1430b(図55参照)が形成されている。
尚、指掛け凸部1432は、遊技者が指を引っ掛けて回転操作体1402を把持・回動操作を行いやすくするためのものである。本実施形態の指掛け凸部1432は、主として(右手の)親指が掛けられる第1指掛け凸部1432aと、主として人指し指が掛けられる第2指掛け凸部1432bと、主として中指が掛けられる第3指掛け凸部1432cとからなる。また、本実施形態では、遊技球を発射させる際に、回転操作体1402を正面視で時計回り方向に回動させるよう構成されているため、当該回動操作に際して遊技者の指に押圧される各指掛け凸部1432の反時計回り方向側の面(操作面SH)は、ハンドル18の遠心方向に沿って延びている(リング部1431の外周面に対してほぼ垂直に延びている)。さらに、各指掛け凸部1432は後方に開口した形状をなしている(図56参照)。尚、回転操作体1402を基準位置に戻すときには、遊技者が回転操作体1402を反時計回り方向に回動させなくても、ゼンマイばね1475の付勢力によって戻るため、指掛け凸部1432の時計回り方向側の面は緩斜面となっている。
センター取付部1433は、円盤状のベース板1435と、ベース板1435の外周縁から後方に延出する周壁部1436と、周壁部1436の内周側においてベース板1435から後方に突出成形された第1ギア体用ボス1437及び接続ボス1485とを備えている。また、ベース板1435の中央部には前後に貫通する円形の中央開口部1486が形成され、中央開口部1486を囲うようにして、ベース板1435から前方に突出する略円筒状の囲い壁部1487が設けられている。囲い壁部1487の内径は、中央開口部1486の直径よりも大きくなっている。さらに、囲い壁部1487には、ばね掛けスリット1488が形成されている。本実施形態では、第1ギア体用ボス1437は2箇所に形成され、それぞれ後側に向かって開口形成されるとともに内周に雌ねじ部を有している。また、接続ボス1485は、中央開口部1486の左側(背面視では右側)に形成され、後側に向かって開口形成されるとともに内周に雌ねじ部を有している。加えて、接続ボス1485は、第1ギア体用ボス1437よりも大きく後方に突出している。
加えて、本実施形態では、回転操作体1402の後面側において、正面視で左側の連結部1434aから後方に突出する導電リブ1428及び押圧部1427が設けられている。押圧部1427は導電リブ1428よりも回転操作体1402の外周側に設けられている。本実施形態では、導電リブ1428がアース接触手段を構成する。
かかる構成下、センター取付部1433の外周面と、連結部1434a、1434bの両側面と、リング部1431の内周面とによって略円弧状をなす第1開口部1439A(図55、図56では下側)及び第2開口部1439B(図55、図56では上側)が形成されている。本実施形態では、ハンドル18の組付け状態において、第2開口部1439Bに対して第1及び第2の取付用ボス1417、1418が挿通され、第1開口部1439Aに対して第3の取付用ボス1419が挿通された状態となる。第2開口部1439Bは、回転操作体1402の回動方向において、第1開口部1439Aよりも形成幅が大きく、本実施形態では、第2の取付用ボス1418と正面視右側(第3指掛け凸部1432c側)の連結部1434bとが当接した場合、第3の取付用ボス1419と正面視左側(第1指掛け凸部1432a側)の連結部1434aとが当接し、第1の取付用ボス1417と正面視左側の連結部1434aとが当接した場合、第3の取付用ボス1419と正面視右側の連結部1434bとが当接するようになっている。また、ハンドル18の組付け状態においては、各取付用ボス1417、1418、1419の前端縁と、開口部1439A、1439Bの周縁部(ベース板1435の前面、連結部1434a、1434bの前縁部等)とが略面一となる。
また、本実施形態では、回転操作体1402は、静電気拡散性を有する静電気拡散性材料としての導電性樹脂材料(表面抵抗率が105〜109Ω/sq)により構成されている。つまり、回転操作体1402は、基本的に、静電気が帯電している物体に接触された場合に静電気放電(ESD)を起こすことなく、かつ、物体に帯電している静電気を比較的速やかに逃がすことのできる程度の導電性を有している。
さらに、回転操作体1402の裏面(裏側から見える範囲)及び指掛け凸部1432の操作面SH(図で散点模様を付した箇所)には、導電性を有する金属製のメッキ層が形成されている。但し、操作面SHのうち、指掛け凸部1432の先端部側、及び前側の部位には、金属メッキ層が形成されていない。また、回転操作体1402の金属メッキ層は一続きに形成されており、回転操作体1402の裏面に形成された金属メッキ層と指掛け凸部1432の操作面SHに形成された金属メッキ層とが繋がっている(電気的に接続されている)。本実施形態では、回転操作体1402のうち、導電性樹脂材料で構成された部位(導電性樹脂材料が表面に露出している部位)が静電気誘導部を構成し、金属メッキ層がタッチ部を構成する。尚、上記接続ボス1485や導電リブ1428の表面にも、指掛け凸部1432に形成された金属メッキ層と一続きに金属メッキ層が形成されている。
(カバー1403)
カバー1403は、前カバー1403aと、前カバー1403aの内側に挿入される後カバー1403bと、前カバー1403aと後カバー1403bとを固定する組付けパーツ1403cとを備えている。前カバー1403aは有色透明の樹脂により構成され、後カバー1403b及び組付けパーツ1403cには前カバー1403aを介して視認される部位にメッキ加工が施されている。尚、カバー1403は絶縁体(ABS等)で構成されている。
前カバー1403aは、略半球状をなす前カバー本体1440aと、前カバー本体1440aの後縁部よりも若干内周側において前カバー本体1440aから後方に延出し、前記回転操作体1402の前面側環状溝1430bに挿入されるガイドリブ1441aとを備えている。また、ガイドリブ1441aには、後方に開口する嵌合凹部1490と、ガイドリブ1441aの外周方向において貫通する係止孔1491とが形成されている。
後カバー1403bは、略半球状をなす後カバー本体1440bと、後カバー本体1440bの後縁部から後方に延出し、前記回転操作体1402の前面側環状溝1430bに挿入されるガイドリブ1441bと、前記ハンドル基部1401の第1〜第3の取付用ボス1417〜1419に相対向するようにして、後カバー本体1440bから後方に突出成形され、内周に雌ねじ部を有するカバーボス1442、1443、1444とを備えている。当該後カバー1403bは前カバー1403aよりも一回り小さく形成されており、前カバー1403aの内側に収容可能に構成されている。また、ガイドリブ1441bには、前カバー1403aの嵌合凹部1490に対応してガイドリブ1441bの外周面から突出する嵌合凸部1493と、前カバー1403aの係止孔1491に対応して、後方に開口する係止凹部1494とが形成されている。さらに、後カバー本体1440bの後面側には、係止凹部1494に近接した位置において、後方に突出する組付けボス1495と、組付け突起1496とが形成されている。
組付けパーツ1403cは、後カバー1403bに固定されるパーツ本体1497と、パーツ本体1497から突出する係止凸部1498とを備えている。また、パーツ本体1497には、組付けボス1495と位置合わせされてねじ固定される組付け孔1499と、組付け突起1496が挿入される位置決め孔500とが形成されている。そして、嵌合凹部1490に嵌合凸部1493を挿入させるようにして後カバー1403bを前カバー1403aの内側に挿入し、係止凹部1494と位置合わせされた係止孔1491に組付けパーツ1403cの係止凸部1498を挿入するとともに、組付け突起1496を位置決め孔500に挿入し、後カバー1403bと組付けパーツ1403cとを組付けボス1495及び組付け孔1499においてねじ止めすることで固定する。これにより、前カバー1403aと後カバー1403bとが固定される。
さらに、上記のように組付けられたカバー1403は、カバーボス1442、1443、1444が、回転操作体1402の開口部1439A,1439Bに挿通された第1〜第3の取付用ボス1417、1418、1419と位置合わせされた後(カバーボス1442、1443、1444の後端部を取付用ボス1417、1418、1419に挿入した後)、ハンドル基部1401(隔壁部1413)の後面側から両者がねじで固定されることで、ハンドル基部1401に固定されている。
尚、回転操作体1402の前面側に形成された前面側環状溝1430bにガイドリブ1441a、1441bを挿通させるようにして、カバー1403をハンドル基部1401に固定する(ハンドル基部1401の第1〜第3の取付用ボス1417〜1419と、カバー1403のカバーボス1442〜1444とをねじ固定する)ことで、回転操作体1402が、カバー1403とハンドル基部1401(大径部1412)とに挟まれるようにして、ハンドル基部1401に対し回転可能に取付けられることとなる。
(タッチセンサ1451、タッチ金具1452)
タッチセンサ1451は、例えば静電容量の変化に基づき、人手が触れたことを検知することができるものである。タッチセンサ1451は、金属製のタッチ金具1452を備えている。また、本実施形態のタッチセンサ1451は、隔壁部1413の後面側に取付けられ、タッチ金具1452は、第3の取付用ボス1419と中央ボス1415との間付近において、隔壁部1413に形成された図示しない挿通孔を介して、隔壁部1413よりも前方に突出している(図57参照)。さらに、タッチ金具1452の先端部は直角に折り曲げられるとともに、当該折り曲げられた部位には、前方に突出する接触凸部1453が形成されている。
また、タッチセンサ1451は、タッチ金具1452と、回転操作体1402の操作金具1405とが電気的に接続されていることを示す信号(タッチ信号)を出力可能となっている。本実施形態では、タッチセンサ1451がタッチ検知手段を構成し、タッチ金具1452がタッチ接続手段を構成し、タッチ信号がタッチ情報に相当する。尚、遊技者が回転操作体1402の金属メッキ層に触れていない場合や、タッチ金具1452と、回転操作体1402の操作金具1405とが絶縁されている場合には、タッチ信号が出力されないようになっている。
(第1ギア体1466)
第1ギア体1466は、円板状のベース部1467と、ベース部1467の外周縁よりも内周側の位置においてベース部1467から後方へ突出する略円柱状の段壁部1468と、段壁部1468の外周縁よりも内周側の位置において段壁部1468から後方へ突出する円筒状の組付用ボス1469と、ベース部1467の中央部から前方へ突出する円筒状の支持突起1471とを備えている。段壁部1468の外周には外歯1472が設けられている。また、ベース部1467には、回転操作体1402のセンター取付部1433に設けられた2箇所の第1ギア体用ボス1437に相対するようにして透孔1470が形成されている。そして、支持突起1471を前記回転操作体1402のセンター取付部1433の中央開口部1486に挿通させるようにして、センター取付部1433の周壁部1436の内周側にベース部1467を挿入し、透孔1470と第1ギア体用ボス1437の雌ねじ部とを位置合わせした状態でねじ止めすることで、第1ギア体1466が回転操作体1402に固定されている。当該第1ギア体1466の回転操作体1402への固定状態においては、支持突起1471が、センター取付部1433の中央開口部1486を介して、センター取付部1433の前方に突出している。
さらに、組付用ボス1469を前記ハンドル基部1401の中央ボス1415に内挿させることで、ハンドル基部1401に回転操作体1402が組付けられている(図57等参照)。これにより、組付用ボス1469の中央ボス1415に対する位置ずれが防止され、ハンドル基部1401に対する回転操作体1402の相対回動を比較的スムースに行うことができる。
また、第1ギア体1466は、ベース部1467において、上記回転操作体1402のセンター取付部1433に形成された接続ボス1485を挿入可能な導通孔1473が形成されているとともに、導通孔1473の近傍において、ベース部1467から後方に突出する位置決め突起1474が設けられている。上記のように、第1ギア体1466が回転操作体に取付けられると、回転操作体1402の接続ボス1485が第1ギア体1466の導通孔1473に挿入された状態とされる。この状態では、第1ギア体1466のベース部1467の後面と、接続ボス1485の後端面とが略面一となる。尚、第1ギア体1466は、絶縁体(ABS等)で構成されている。
(可変抵抗器1445)
可変抵抗器1445は、抵抗器本体1446と、抵抗器本体1446から突出する回転軸1447とを有している。そして、ハンドル基部1401の隔壁部1413に形成された連通孔1426(図53参照)に対して回転軸1447を挿通させるようにして、抵抗器本体1446が隔壁部1413の後面側に取付けられている。尚、図53では、可変抵抗器1445、第2ギア体1448の図示を省略している。また、回転軸1447は、断面非円形状(略D字状)をなし、抵抗器本体1446に対し360゜自由回転可能となっている。抵抗器本体1446は、前記回転軸1447の回転角度に応じて抵抗値を可変とし、その抵抗値に関する信号(ダイヤル位置信号)を出力可能となっている。尚、回転軸1447(回転操作体1402)が基準位置にある場合には、ダイヤル位置信号が出力されないようになっている。本実施形態では、ダイヤル位置信号が、変位量情報に相当する。
(第2ギア体1448)
可変抵抗器1445の回転軸1447には、第2ギア体1448が挿通状態で嵌合されている。第2ギア体1448の外周には外歯1449が形成されている。また、ハンドル基部1401に対し回転操作体1402が組み付けられた場合には、第1ギア体1466の外歯1472と前記第2ギア体1448の外歯1449とが噛合するようになっている。このため、回転操作体1402が時計回り方向に回動操作された場合には、第1ギア体1466が時計回り方向に回動することに伴って、第2ギア体1448が反時計回り方向に回動する。また、回転操作体1402が反時計回り方向に回動した場合には、第1ギア体1466が反時計回り方向に回動することに伴って、第2ギア体1448が時計回り方向に回動する。
(ゼンマイばね1475)
付勢手段としてのゼンマイばね1475は、図55に示すように、コイル状に巻回されたコイル部1476と、コイル部1476の両端から外方に向けて延びるフック部1477、1478とを備えている。コイル部1476は、回転操作体1402の前面側において、センター取付部1433の中央開口部1486を介して前方に突出した第1ギア体1466の支持突起1471を内側に挿通させるようにして、支持突起1471と回転操作体1402の囲い壁部1487との間に形成された収容溝に設置されている。そして、一方のフック部1477が、回転操作体1402の囲い壁部1487のばね掛けスリット1488に係止され、他方のフック部1478が、第2開口部1439Bを介して回転操作体1402の前方に突出したハンドル基部1401のばね掛け突起1421の引っ掛け溝1422に係止されている。これにより、回転操作体1402は、ゼンマイばね1475の付勢力によって(正面視で)反時計回り方向に付勢されている。
また、ゼンマイばね1475の付勢力により、反時計回り方向に回動応力を受ける回転操作体1402は、図58(a)等に示すように、非操作状態において、一方(正面視で右側)の連結部1434bが第2の取付用ボス1418に当接するとともに、他方(正面視で左側)の連結部1434aが第3の取付用ボス1419に当接することで、回転操作体1402のそれ以上の反時計回り方向への回動が規制される。尚、このときの回転操作体1402の位置が基準位置である。また、このときの第2ギア体1448(回転軸1447)の相対回動位置が、回動操作量ゼロの基準状態となり、この状態における可変抵抗器1445の抵抗器本体1446の抵抗値が、回動操作量ゼロに対応した値となる。
一方、遊技者がゼンマイばね1475の付勢力に抗して回転操作体1402を時計回り方向へと回動操作させると、回転操作体1402のセンター取付部1433に取付けられた第1ギア体1466も時計回り方向へと回動する。第1ギア体1466の外歯1472には、第2ギア体1448の外歯1449が噛合しているので、第1ギア体1466の回動に伴い、第2ギア体1448は反時計方向へと回動する。第2ギア体1448が回動すると、回転軸1447も回動することとなり、可変抵抗器1445の抵抗器本体1446は、回転軸1447の回転角度に応じた抵抗値をとることとなり、その抵抗値に関する信号が出力される。
(操作金具1405)
第1ギア体1466のベース部1467の後面側には、全体として略C字状をなす操作金具1405が、第1ギア体1466の段壁部1468の左下側(背面視では右下側)約180度程度の範囲を囲むようにして設けられている。つまり、操作金具1405は、回転操作体1402の変位方向に沿って延在するようにして設けられている。操作金具1405は、ベース部1467の後面に固定される固定部1701と、固定部1701の反時計回り方向側(背面視では時計回り方向側)の端縁から反時計回り方向側に向けて斜め後方に延出する段部1704と、段部1704の反時計回り方向側の端縁から反時計回り方向側に向けて固定部1701とほぼ平行に延出する接触辺部1705とを備え、1枚の板金を折り曲げることで形成されている。
固定部1701には、第1ギア体1466の位置決め突起1474が挿通される合わせ孔1702と、第1ギア体1466の導通孔1473に挿入された回転操作体1402の接続ボス1485と位置合わせされ、ねじ固定される接続孔1703とが形成されている。また、上記のように、第1ギア体1466は絶縁体で構成されているが、接続ボス1485の表面(雌ねじの内周側を含む)には、指掛け凸部1432の操作面SH等に形成された金属メッキ層と一続きに金属メッキ層が形成されている。そして、接続ボス1485と、操作金具1405とが当接状態で金属のねじによって固定されることで、回転操作体1402と操作金具1405とが電気的に接続されている。
また、本実施形態では、ハンドル基部1401に取付けられたタッチセンサ1451のタッチ金具1452の接触凸部1453と、回転操作体1402に固定された操作金具1405とが前後に当接可能となっている。タッチ金具1452と操作金具1405とが当接することにより、操作金具1405を介して、回転操作体1402(金属メッキ層)と、タッチセンサ1451とが電気的に接続され、タッチセンサ1451により回転操作体1402に対して遊技者の手が触れたことを検知可能に構成されている。
但し、本実施形態では、図60(a)、図61(a)に示すように、回転操作体1402が基準位置にある場合(非操作状態にあり、ゼンマイばね1475の付勢力によって基準位置で保持されている場合)、タッチ金具1452の接触凸部1453は操作金具1405の段部1704の側方に位置しており、タッチ金具1452と操作金具1405とは離間している。すなわち、回転操作体1402とタッチセンサ1451とが電気的に絶縁されている。一方、図60(b)、図61(b)に示すように、回転操作体1402が回動操作されることで、タッチ金具1452の接触凸部1453が、段部1704及び接触辺部1705において操作金具1405と当接するように構成されている。本実施形態では、操作金具1405がタッチ接触手段を構成する。
さらに、操作金具1405は段部1704を有して前後に撓み得る板バネ状をなしていることから、回転操作体1402を回動させた場合、タッチ金具1452の接触凸部1453が接触辺部1705に圧接して接触辺部1705を若干撓ませつつ、接触辺部1705と摺接するようになっている。従って、回転操作体1402を回動操作した場合にタッチ金具1452と操作金具1405とを確実に接触させることができる。加えて、固定部1701、段部1704、及び接触辺部1705の段部1704側の部位は、接触辺部1705の先端側の部位よりも幅広に構成され、これにより、固定状態の安定化、弾性力の確保等が図られている。尚、接触凸部1453の存在により、摺接に際しての摩擦力を低減させることができ、回転操作体1402の操作性の低下を抑制することができる。
(アース金具1406)
隔壁部1413の前面側には、中央ボス1415と第3の取付用ボス1419との間、すなわち、隔壁部1413を貫通して前方に突出するタッチ金具1452の近傍部位においてアース金具1406が設けられている。アース金具1406は、隔壁部1413の前面に当接状態で固定される取着部1711と、取着部1711から前方に延出する延出部1713と、延出部1713の側辺部の前側の部位から延出部1713と略直交して延出する接触片1714とを備え、1枚の板金を折り曲げることで形成されている。取着部1711には、前後に貫通する取着孔1712が形成されている。尚、当該アース金具1406と、上記タッチ金具1452とは離間しており、電気的に絶縁されている。
(中継金具1407)
また、隔壁部1413の前面側には、アース金具1406と一部重複するようにして中継金具1407が設けられている。中継金具1407は、アース金具1406の固定部1701と当接状態で隔壁部1413にねじ固定されるねじ留め部1721と、ねじ留め部1721の側方から後方に延出するリード部1723とを備え、金属で一体的に形成されている。ねじ留め部1721には前後に貫通する留孔1722が形成されており、アース金具1406の取着部1711の取着孔1712とともに、隔壁部1413に形成された図示しないねじ孔と位置合わせされ、隔壁部1413との間にアース金具1406の取着部1711を挟み込んだ状態で隔壁部1413に対して金属製のねじで固定されている。これにより、アース金具1406と中継金具1407とが電気的に接続されている。
さらに、リード部1723は、隔壁部1413に形成された図示しない挿通孔を介して隔壁部1413の後方にまで延出しており、図示しない配線を介して、前面枠セット14の後面側に設けられ、電気的に接地されている補強用板金1028(図3参照)と電気的に接続されている。これにより、アース金具1406が、中継金具1407等を介して電気的に接地(アース)されている。本実施形態では、アース金具1406及び中継金具1407がアース接続手段を構成する。
また、本実施形態では、回転操作体1402(連結部1434a)の後面側に設けられた導電リブ1428と、アース金具1406の接触片1714とが回転操作体1402の回動方向において当接可能となっている。導電リブ1428とアース金具1406とが当接することにより、アース金具1406、中継金具1407等を介して、回転操作体1402が電気的に接地(アース)される。
本実施形態では、図58(a)、図59(a)に示すように、回転操作体1402が基準位置にある場合に(非操作状態にあり、ゼンマイばね1475の付勢力によって基準位置で保持されている場合に)、回転操作体1402の導電リブ1428(図59では導電リブ1428に散点模様を付している)と、アース金具1406の接触片1714とが当接するようになっている。一方、図58(b)、図59(b)に示すように、回転操作体1402が回動操作されることで、導電リブ1428と接触片1714とが離間するように構成されている。すなわち、回転操作体1402が基準位置から時計回り方向に回動されることで、回転操作体1402とアース金具1406とが電気的に絶縁されることとなる。
加えて、アース金具1406の接触片1714は板バネ状をなしていることから、回転操作体1402が非操作状態にあり、ゼンマイばね1475の付勢力によって回転操作体1402が基準位置に保持されている状態においては、回転操作体1402の導電リブ1428が接触片1714を若干撓ませつつ当該接触片1714と圧接することとなる。従って、導電リブ1428と接触片1714とを確実に当接させることができる。
尚、中継金具1407及びアース金具1406は、回転操作体1402を回動させてもさせなくても操作金具1405とは接触しない位置に設けられている。また、回転操作体1402の導電リブ1428は、回転操作体1402を回動させてもさせなくても、タッチ金具1452とは接触しない位置に設けられている。
(第3のギヤ体448)
図55、図58等に示すように、第2ギア体1448の側方には、第3ギア体1408が隔壁部1413に対して回動可能に設けられている。第3ギア体1408の外周面には外歯1481が形成されている。尚、ハンドル基部1401に対し回転操作体1402が組み付けられた場合には、第2ギア体1448の外歯1449と第3ギア体1408の外歯1481とが噛合するようになっている。
(付勢ばね1482)
回転操作体1402の回動操作時に第3ギア体1408を反時計回り方向側へと付勢するためのゼンマイばね(付勢ばね1482)は、一端が第3ギア体1408に形成された凹部に係止されるとともに、他端が隔壁部1413から前方に突設されたばね突起1483に係止されている。これにより、第3ギア体1408を介して、第2ギア体1448が時計回り方向に付勢される。従って、回転操作体1402の回動操作時に第2ギア体1448と第1ギア体1466とが確実に圧接することとなり、第2ギア体1448のがたつき等が抑制され、可変抵抗器1445によって回転操作体1402の回動量をより正確に検知することができる。
(ストップスイッチ1455)
図57等に示すように、非停止操作検知手段としてのストップスイッチ1455は、舌片状の押圧操作部1456と、図示しない突出部とを備え、前記大径部1412内(中央ボス1415の上側)において隔壁部1413に対しねじ固定されている。突出部は、ストップスイッチ1455に内蔵されたばねの付勢力によって常には突出状態に維持されており、これにより、押圧操作部1456が突出方向へと押し出された状態となっている。一方、押圧操作部1456が押された場合には、突出部が付勢力に抗して没入することとなる。また、ストップスイッチ1455は、押圧操作部1456が操作されていないこと(突出部が没入していないこと)を示す信号(発射スイッチ信号)を出力可能となっている。本実施形態では、発射スイッチ信号が発射制御回路312等で確認されない場合に、遊技球の発射が停止(禁止)されるようになっている。本実施形態では、発射スイッチ信号が、非停止操作情報に相当する。
(ストップレバー18a)
図57等に示すように、停止操作手段としてのストップレバー18aは、ハンドル基部1401の隔壁部1413から前方に突出形成された支軸1423に軸支される軸孔1464を有するレバー本体部1459と、レバー本体部1459からハンドル18の外周側に延出し、大径部1412の第1切欠き部1414aを介して大径部1412よりも外側に突出する操作部1461と、ストップスイッチ1455の押圧操作部1456と当接可能な押圧作用部1462とを備えている。そして、操作部1461がハンドル18内周側に押圧操作されると、ストップレバー18aは支軸1423を中心に回動し、押圧作用部1462によって押圧操作部1456の先端が押圧される。押圧操作部1456が押されることでストップスイッチ1455の突出部が没入し、これによりストップスイッチ1455によってストップレバー18aの押圧操作が検知される。
また、ストップレバー18aには、レバー本体部1459から前方に突出する引っ掛け部1460(図57参照)が設けられている。回転操作体1402の非操作状態においては、ゼンマイばね1475によって常に反時計回り方向に付勢される回転操作体1402の後面側に形成された押圧部1427(図56参照)と当該引っ掛け部1460とが圧接するとともに、これに伴って押圧作用部1462と押圧操作部1456とが圧接し、ストップスイッチ1455の突出部が没入させられこととなる。つまり、回転操作体1402が基準位置にある場合には、(遊技者が回転操作体1402に手を触れても)遊技球が発射されないようになっている。尚、本例では、ゼンマイばね1475及び押圧部1427が、強制停止手段を構成している。
尚、本実施形態では、上記のように回転操作体1402が基準位置にある場合には、操作金具1405とタッチ金具1452とが離間しており、回転操作体1402とタッチセンサ1451とが電気的に絶縁されている。このため、ストップレバー18aの引っ掛け部1460及び回転操作体1402の押圧部1427を省略しても、回転操作体1402が基準位置にある場合には、遊技者がハンドル18(回転操作体1402)に手を触れても、遊技球が発射されないようにすることができる。この場合、構成の簡素化を図ることができる。
次に、上記のように構成されてなるハンドル18の組み付けの手順について説明する。
先ず、回転操作体1402のセンター取付部1433に対し、第1ギア体1466が取付けられるとともに、第1ギア体1466に対し、操作金具1405が取付けられる。また、ハンドル基部1401に対して、タッチセンサ1451、可変抵抗器1445、第2ギア体1448、第3ギア体1408、アース金具1406、中継金具1407、ストップスイッチ1455、ストップレバー18a等が所定位置に配置される。
より具体的には、タッチセンサ1451は、隔壁部1413の後面側に取付けられ、タッチ金具1452が隔壁部1413の前方に突出される。可変抵抗器1445は、隔壁部1413の後面側に取付けられ、回転軸1447が隔壁部1413の前方に突出される。また、隔壁部1413の前方に突出した回転軸1447に対して第2ギア体1448が取付けられる。さらに、第2ギア体1448の外歯1449と噛み合うようにして、第3ギア体1408が設置される。加えて、一端が第3ギア体1408に係止され、他端がハンドル基部1401のばね突起1483に係止される付勢ばね1482が取付けられる。
また、隔壁部1413の前面側にアース金具1406及び中継金具1407が取付けられる。さらに、隔壁部1413よりも後方に延出した中継金具1407のリード部1723に対し、前記補強用板金1028(図3参照)と電気的に接続される図示しない配線が電気的に接続される。これにより、中継金具1407等を介して、アース金具1406が電気的に接地される。加えて、ストップスイッチ1455が設置されるとともに、支軸1423に軸孔1464を挿通させるようにして、ストップレバー18aが設置される。
続いて、回転操作体1402に取着されている第1ギア体1466の組付用ボス1469がハンドル基部1401の中央ボス1415に内挿され、回転操作体1402が、ハンドル基部1401に対し組み付けられる。また、当該組付用ボス1469の中央ボス1415への内挿とともに、ハンドル基部1401の大径部1412が、回転操作体1402の後面側環状溝1430aへと挿通され、さらには、第2ギア体1448の外歯1449と、第1ギア体1466の外歯1472とが噛合し合うこととなる。以上のように、ハンドル基部1401に対する回転操作体1402の組み付けが完了すれば、組付用ボス1469の中央ボス1415に対する相対回動、つまり、ハンドル基部1401に対する回転操作体1402の相対回動が可能となる。
その後、ゼンマイばね1475のコイル部1476が回転操作体1402の前面側(収容溝)に設置されるとともに、一方のフック部1477が、回転操作体1402(センター取付部1433)の囲い壁部1487のばね掛けスリット1488に係止され、他方のフック部1478が隔壁部1413から前方に突設されたばね掛け突起1421の引っ掛け溝1422に係止される。このように、ゼンマイばね1475が取付けられることにより、回転操作体1402が反時計回り方向に付勢される。
さらに、組付けパーツ1403cを用いて前カバー1403aと後カバー1403bとを組付けることでカバー1403が構成される。最後に、カバー1403のガイドリブ1441a、1441bが前面側環状溝1430bへと挿通され、ハンドル基部1401の第1〜第3の取付用ボス1417〜1419と、カバー1403のカバーボス1442〜1444とが位置合わせされた上で、それぞれについて大径部1412の後側からねじ止めが行われることでハンドル基部1401に対し、カバー1403が固定される。
以上のように構成されてなるハンドル18は、回転操作体1402が非操作状態にあってゼンマイばね1475の付勢力により回転操作体1402が基準位置にて保持されている場合、回転操作体1402の後面側に突設された導電リブ1428とアース金具1406とが当接状態とされ、回転操作体1402に固定された操作金具1405とタッチ金具1452とが離間した状態とされる。すなわち、回転操作体1402が基準位置にある場合には、回転操作体1402が電気的に接地され、遊技者が回転操作体1402に手を触れたとしても、遊技球が発射されないように構成されている。換言すれば、回転操作体1402が基準位置にある場合に、回転操作体1402に触れた遊技者が静電気を帯電していても、静電気はタッチセンサ1451側に流れることなくアースへと逃がされることとなる。
一方、回転操作体1402が時計回り方向に回動操作された場合、導電リブ1428とアース金具1406とが離間した状態とされ、操作金具1405とタッチ金具1452とが当接状態とされる。すなわち、回転操作体1402が基準位置から所定量回動変位した位置にある場合には、遊技者が回転操作体1402を操作していることがタッチセンサ1451により検知され、回転操作体1402の回動量に応じた強さで遊技球が発射されることとなる。また、このとき、電気がアース側に流れることがなく、確実に遊技者の手の接触を検知することができる。
尚、回転操作体1402の表面には金属メッキ層が形成されているが、当該金属メッキ層は回転操作体1402の後面、及び、指掛け凸部1432の操作面SHのうち指掛け凸部1432の先端部及び前端部を除く部位に形成されている。すなわち、金属メッキ層は、遊技者の手が触れる範囲においては、操作面SHの一部にしか形成されていない。このため、遊技者がハンドル18の操作を開始するにあたり、回転操作体1402を握る際に、回転操作体1402のうち金属メッキ層が形成された部位よりも先に、導電性樹脂が露出されている部位に接触し易い。従って、遊技者が回転操作体1402を握ると、先ず、遊技者に帯電していた静電気が、静電気放電を起こすことなく、かつ、比較的速やかに回転操作体1402の導電性樹脂が露出している部位へと流れ、当該静電気が、回転操作体1402の導電リブ1428、アース金具1406、及び中継金具1407等を介してアースへと逃がされることとなる。
また、遊技者が回転操作体1402を回動させる際には、指掛け凸部1432の操作面SHに指を掛けて時計回り方向に押圧操作することとなる。このため、回転操作体1402を回動させる際には、指掛け凸部1432の操作面SHに形成された金属メッキ層と遊技者の指とが接触することとなる。さらに、回転操作体1402はゼンマイばね1475により反時計回り方向に付勢されているため、回転操作体1402を所定の回動位置で保持する際にも、指掛け凸部1432の操作面SHに形成された金属メッキ層と遊技者の指とが接触することとなる。従って、回転操作体1402の回動時においては、回転操作体1402の指掛け凸部1432の操作面SHや導電リブ1428等に一繋がりに形成された金属メッキ層、操作金具1405、及びタッチ金具1452の各種金属部(静電気導電性を有する材料で構成される部位、部材)を介して、遊技者の回転操作体1402への接触がタッチセンサ1451に検知される。
また、本実施形態では、回転操作体1402が回動操作され、操作金具1405とタッチ金具1452とが当接することで遊技球が発射されることとなるが、操作金具1405とタッチ金具1452とが当接していない状態から当接状態となった際の遊技球の発射強さは、遊技球がレール50(内レール構成部51と外レール構成部52とが平行して延在する部位)の先端部と遊技領域との境界部にまで達する強さとなるように設定されている(図4参照)。もちろん、回転操作体1402をさらに大きく回動させていくことで、遊技球の発射強さが徐々に強くなり、回転操作体1402を時計回り方向に最大限回動させた状態では、遊技球が返しゴム54に衝突することとなる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞装置31、可変入賞装置32及び始動入賞装置33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞装置31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検知する入球検知スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞装置31に対応する位置には一般入賞スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、カウントスイッチ223が設けられている。また、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bには、第1始動入賞スイッチ224a、及び、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検知スイッチにて各々検知された検知結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検知された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられている。また、第2始動入賞装置33bには、上記のように羽根部材37を開閉駆動する羽根側モータ421が設けられている。さらに、裏枠セット215には、これらソレノイドやモータと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検知される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞装置31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、電源・発射制御装置310、払出制御装置311、及び、CRユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。電源・発射制御装置310は、発射制御手段としての発射制御回路312と、電源回路313とを備え、基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(電源・発射制御装置310)の背面側に固定されている。払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、CRユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(電源・発射制御装置310)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源回路313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても、電源回路313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43a、43b、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43a、43b、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225等の各種検知スイッチや、電源・発射制御装置310、払出制御装置311、サブ制御装置262等の各種基板や、保留表示装置46a、46b、普通保留表示装置44、可変入賞装置32を開閉させるためのソレノイド、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)を開閉させるための羽根側モータ421等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、十字ボタン126、電飾部及びランプ102、104、疑似羽根部材431を動作させる疑似側モータ432等が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに当選したことを教示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、特別表示装置43a、43bにおける特別図柄の変動表示に合わせて、演出表示として装飾図柄の変動表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源回路313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御回路312、払出装置358、CRユニット接続基板314等がそれぞれ接続されている。
CRユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるCRユニット(カードリーダーユニット、球貸しユニット)と、払出制御装置311とにそれぞれ電気的に接続されている。そして、遊技者による貸球操作部、又は、CRユニットへの球貸し操作に関する情報がCRユニットに入力され、かつ、CRユニットに挿入されている記録媒体であるカードに遊技価値の残高が記憶されている場合には、カードの残高が減算されるとともに、減算に対応する数の遊技球の払出要求信号が払出制御装置311に出力される。なお、CRユニットの記録媒体は、カードタイプに限定されず、コインタイプやスティックタイプのものであってもよい。
また、本実施形態では、払出制御装置311は、CRユニット接続基板314と、CRユニットとが電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を電源・発射制御装置310の発射制御回路312に対して定期的(2msec毎)に出力するように構成されている。
電源・発射制御装置310の発射制御回路312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものである。図50に示すように、発射制御回路312は、発射装置60及び球送り装置63を駆動させる駆動用IC561と、発射装置60の発射強さ(打出し速度)の調節を行う調節用IC562とを備えている。さらに、発射制御回路312は、遊技球の所定の発射条件が成立している場合に、主制御装置261に対して、前記所定の発射条件が成立している旨の信号(発射状態信号)を送信する条件送信回路564と、主制御装置261が条件送信回路564から発射状態信号を受信している場合に、主制御装置261から送信される信号(発射許可信号、球送り信号)を受信する許可受信回路565とを備えている。
条件送信回路564には、ハンドル18、払出制御装置311、主制御装置261が電気的に接続されている。条件送信回路564は、ハンドル18から、ハンドル18の回動操作量(回転操作体1402の回転角度)を示す可変抵抗器1445からのダイヤル位置信号と、遊技者がハンドル18(回転操作体1402の操作面SH)をタッチしていることを示すタッチセンサ1451からのタッチ信号と、遊技者がストップレバー18aを操作していないことを示すストップスイッチ1455からの発射スイッチ信号とを受信可能に構成されている。
さらに、条件送信回路564は、払出制御装置311から、CRユニット接続基板314と、CRユニットとが電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を受信可能に構成されている。
そして、条件送信回路564は、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号が受信されていることを条件に、発射状態信号を主制御装置261に送信する。本実施形態では、発射状態信号が、発射状態情報に相当する。
主制御装置261では、発射状態信号が受信されていることを条件に、発射許可信号、及び、球送り信号を許可受信回路565に送信する。詳しくは後述するが、本実施形態では、主制御装置261は、発射状態信号が入力されている状態において、0.6秒間隔で、発射許可信号が送信されるようになっている。本実施形態では、発射許可信号が、発射許可情報に相当する。
また、条件送信回路564は、許可受信回路565とも電気的に接続されており、ダイヤル位置信号、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号を受信している場合には、これらの信号(、或いは、これらに対応する信号)を許可受信回路565に送信するように構成されている。
許可受信回路565は、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号、発射許可信号、及び、球送り信号については、駆動用IC561に送信し、ダイヤル位置信号については、調節用IC562に送信するように構成されている。
駆動用IC561は、球送り信号を受信した場合に、球送り装置63を駆動させ、遊技球を発射位置に送るように構成されている。尚、駆動用IC561は、球送り装置63に設けられ、発射位置に遊技球が存在するか否かを検知可能な準備球検知センサ64と電気的に接続されている。そして、準備球検知センサ64によって発射位置に既に遊技球が存在すると検知される状態においては、球送り装置53を駆動させない(球送り信号を受信しても、遊技球を発射位置に送らない)ようになっている。
また、駆動用IC561は、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号、及び、発射許可信号が受信されていることを条件に、発射装置60(発射ソレノイド)を駆動させるように構成されている。これにより、発射位置にセットされた遊技球が、発射装置60により、調節用IC562によって調節された強さで打ち出されるようになっている。
また、電源回路313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数生成手段としての当否乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、第2始動入賞装置33bを開状態とさせるか否かの入球サポート抽選に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43a、43bの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターンが決定される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶手段としての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア、及び、第2特別変動記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、特別表示装置43a、43bにおける変動表示(第1変動表示、及び、第2変動表示)をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0〜695の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり695)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜695)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態(確変モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。本実施形態では、ROM502に対し、当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当選値記憶手段としての当否判定テーブルが2つ設けられており、「7、307」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「8〜16、308〜316」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される種別判定テーブルが設けられている(本例では、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらへの入球に対応する大当たりでも、大当たり種別の振分けを同じとするため、種別判定テーブルは1つ)。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値とリーチ種別との対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが1つであるが、例えば、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として取得された変動選択カウンタC3の値に基づいて(大当たりしない場合の)リーチ種別を決定する際に参照される第1リーチ判定テーブルと、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として取得された変動選択カウンタC3の値に基づいて(大当たりしない場合の)リーチ種別を決定する際に参照される第2リーチ判定テーブルとを設けることとしてもよい。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜59の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり59)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜37の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり37)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。例えば、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチパターンやその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本例では中図柄)が停止するまでの経過時間などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1、CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜232の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり232に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。低入球状態の際の当選となる乱数の値の数は31であり、その範囲は「1〜31」である。一方、高入球状態の際の当選となる乱数の値の数は232であり、その範囲は「1〜232」である。つまり、本実施形態では、ROM502に対し、低入球状態での入球サポート抽選において参照される低入球時サポート判定テーブルと、高入球状態での入球サポート抽選において参照される高入球時サポート判定テーブルとが用意されている。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第2始動入賞装置33bがそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検知情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検知情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1、C2、C3、C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、始動入賞装置33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。続くステップS306では、電源・発射制御装置310の発射制御回路312に対して発射許可信号を送信する等の処理を行うための発射許可コマンド設定処理を行う。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、RAM503には、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNa、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbが設けられている。尚、保留されている変動表示の総数(第1変動表示の保留数と、第2変動表示の保留数とを合わせた数)をカウントする保留総数カウンタを設けることとしてもよい。
また、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。
さらに、特別変動保留エリアの実行エリアには、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく第1変動表示であるのか、或いは、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく第2変動表示であるのかを示す情報が記憶される変動記憶エリアが設けられている。以下、「変動記憶エリアに第1変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第1変動フラグがオン設定される」とも称し、「変動記憶エリアに第2変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第2変動フラグがオン設定される」とも称する。
先ず、ステップS501では、遊技球が第2始動入賞装置33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、第2保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS510に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、第2保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップS504では、第2変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第2保留表示装置46b(第2保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の第2保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の第2保留ランプを点灯させ、左側の第2保留ランプが点灯状態であり右側の第2保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを点灯させ、左右両方の第2保留ランプが点灯状態であった場合には右側の第2保留ランプを点灯させたまま左側の第2保留ランプを点滅させ、左側の第2保留ランプが点滅状態であり右側の第2保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップS504の後、ステップS505において、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値(当否乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、及び変動選択カウンタバッファに記憶されている各値)を、第2特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS505の後、ステップS506に移行する。
ステップS506では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりや小当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS506で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する種別判定処理を行う。尚、種別判定処理の詳細については後述する。
続くステップS508では、ステップS506で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、外れ変動時のリーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS506の当否判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された値である「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。ちなみに、「7」、「307」は、低確率状態でも、高確率状態でも大当たりとなる値である。
尚、図14では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、当否乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、当否乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において第1当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2当否判定テーブルに記憶された値である「8〜16、308〜316」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「8〜16、308〜316」は、高確率状態(確変モード、潜確モード)でのみ大当たりとなる値である。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように当否乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において第2当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、高確率状態でも「外れ」となる場合には、ステップS5105において、新たに変動情報が記憶されたのが第1特別変動保留エリアであるか(第1変動表示に対応しているか)否かを判別する。ステップS5105で肯定判別された場合には、ステップS5106において、に新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、小当たり判定テーブルに記憶された値である「404、405」と一致するか否かを判別する。
ステップS5106で肯定判別された場合には、ステップS5107において小当たりフラグをオンにした後、本処理を終了する。ステップS5106で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。また、ステップS5105で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づいて行われる当否抽選では、小当たりに当選する可能性がないように構成されている。
次に、ステップS507の第2種別判定処理について、図16を参照して説明する。先ず、ステップS5301では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5301で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5302において、種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「15RS」に対応する値「0〜11」と一致するか否かを判別する。ステップS5302で肯定判別された場合には、ステップS5303において15RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5302で否定判別された場合には、ステップS5304において、15RNフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
次に、ステップS508のリーチ判定処理について、図17を参照して説明する。
先ず、ステップS5401では、直前に行われた当否判定処理にて、第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5401で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5401で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5402において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5402で肯定判別された場合には、ステップS5403において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5402で否定判別された場合には、ステップS5404において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5404で肯定判別された場合には、ステップS5405において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5404で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS508に続くステップS509では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、保留記憶された変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される所定情報)が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらの入球を契機とするものかを示す情報とともに、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理の結果を示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップS509の処理の後、又は、ステップS501、或いはステップS502で否定判別された場合には、ステップS510において、遊技球が第1始動入賞装置33に入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS510で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS511において、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS511で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS511で肯定判別された場合には、ステップS512に進み、第1保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS513では、第1変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第1保留表示装置46a(第1保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の第1保留ランプを点灯させ、左側の第1保留ランプが点灯状態であり右側の第1保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点灯させ、左右両方の第1保留ランプが点灯状態であった場合には右側の第1保留ランプを点灯させたまま左側の第1保留ランプを点滅させ、左側の第1保留ランプが点滅状態であり右側の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップS513の後、ステップS514において、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3の各値を、第1特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS514の後、ステップS515に移行する。
ステップS515では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。当否判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS516では、ステップS513で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する第1種別判定処理を行う。
ここで、ステップS516の第1種別判定処理について、図15を参照して説明する。先ず、ステップS5201では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5202において、種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「15RS」に対応する値「0〜9」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において15RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RS」に対応する値「10,11」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5205において、2RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5204で否定判別された場合には、ステップS5206において、15RNフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS516に続くステップS517では、ステップS515で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。リーチ判定処理(図17参照)の詳細については既に上述している。
ステップS517の後、ステップS518において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに遊技球が入球すると、当否乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、当否乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリア(作業エリア)を設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
尚、ステップS505、ステップS514の当否乱数カウンタC1の値を抽出する処理が判別値抽出処理を構成し、同じくステップS505、ステップS514の抽出した当否乱数カウンタC1の値を特別変動保留エリアに記憶する処理が判別値格納処理を構成する。さらに、当否乱数カウンタC1の値を抽出し、記憶する機能が情報取得手段を構成する。また、ステップS506、ステップS515(ステップS5101、ステップS5103、ステップS5105、ステップS5107)の当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否かを判別する処理が第1当否判別処理を構成し、その判別結果を記憶する(対応フラグをセットする)ステップS5102、ステップS5104、ステップS5106、ステップS5108の処理が結果記憶処理を構成する。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図18のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検知情報により判別する。ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、普通図柄表示装置41における変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ406)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプ406が両方とも消灯状態であった場合には左側の普通保留ランプ406を点灯させ、左側の普通保留ランプ406が点灯状態であり右側の普通保留ランプ406が消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプ406を点灯させ、左右両方の普通保留ランプ406が点灯状態であった場合には右側の普通保留ランプ406を点灯させたまま左側の普通保留ランプ406を点滅させ、左側の普通保留ランプ406が点滅状態であり右側の普通保留ランプ406が点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプ406を点滅させるための処理を行う。
ステップS504の後、ステップS605において、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源・発射制御装置310の電源回路313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43a、43bや始動入賞装置33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、第1及び第2特別表示装置43a、43bにて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様(変動時間や演出態様など)を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の演出パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
ここで、装飾図柄の変動種別について説明する。
「ノーマルリーチ」は、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。尚、確変モード時及び時間短縮モード時においては、各種リーチとなる場合においても、通常モード時に比べ、変動表示時間が短縮されている。例えば、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は、通常モード時及び潜確モード時には「11秒」、又は、「15秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「8秒」、又は、「12秒」となっている。
「スーパーリーチ」は、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチとして、スーパーリーチSR1、SR2、SR3の3種類が用意されており、スーパーリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。本実施形態では、変動表示時間は、通常モード時及び潜確モード時には「18秒」、又は、「21秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「15秒」、又は、「18秒」となっている。尚、通常モード時及び潜確モード時では、リーチ状態は変動開始から7.5秒後に発生し、スーパーリーチ演出に発展するタイミングは、変動開始から11秒後となっている。確変モード時及び時間短縮モード時では、リーチ状態は変動開始から4.5秒後に発生し、スーパーリーチ演出に発展するタイミングは、変動開始から8秒後となっている。
「プレミアムリーチ」は、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには、プレミアムリーチPR1、PR2の2種類が用意されており、スーパーリーチよりも変動表示時間が長く、また、プレミアムリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。
さらに、本実施形態では、「2RS」、又は、「小当たり」に当選した場合に、装飾図柄がチャンス図柄の組合わせで停止表示されることとなるが、当該チャンス図柄が停止表示される場合には、特有の変動表示(チャンス変動)が行われるようになっている。チャンス変動の一例としては、リーチ状態が発生した後、前後外れリーチや前後以外外れリーチであれば中図柄表示領域において装飾図柄が停止表示されるタイミングを過ぎてもなお変動が継続されるような演出を伴い、最終的に、上・中・下図柄表示領域において「3」・「4」・「1」が停止表示される変動表示が行われる。
尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく当否抽選に当選した場合にのみ「2RS」、「小当たり」に当選する可能性があることから、チャンス変動についても、通常モード及び潜確モードでのみ行われるようになっている。また、「3」・「4」・「1」が停止表示される変動表示時間は「18秒」、「3」・「4」・「1」が停止表示されるかもしれない演出(上・下図柄表示領域において「3」・「1」が停止表示された)が発生するが外れる変動表示時間は「15秒」となっている。尚、本実施形態では、チャンス変動として、上・下図柄表示領域において「3」・「1」が停止表示された後に、中図柄表示領域において「4」が停止表示されるパターンと、上・下図柄表示領域において「3」・「1」が停止表示された後に、中図柄表示領域において「4」以外が停止表示されるパターンと、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域においてノーマルリーチであれば図柄が停止表示されるタイミングでは図柄が停止表示されず、最終的に、上・中・下図柄表示領域において「3」・「4」・「1」が停止表示されるパターン(ロング変動)とが存在する。
加えて、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」となる変動表示時間は通常モード時及び潜確モード時「8秒」、確変モード及び時間短縮モード時「5秒」に設定されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変大当たり図柄の組合わせ、通常大当たり図柄の組合わせ、チャンス図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという6つの区分を指定するものである。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する図柄の組合わせを停止表示する。
遊技球の増加が望める確変大当たり(「15RS」のこと。以下、「出玉有り確変大当たり」とも称する)に当選した場合、或いは、遊技球の増加が望める通常大当たり(「15RN」のこと。以下、「出玉有り通常大当たり」とも称する)に当選した場合には、装飾図柄表示装置42において、数字柄の付された装飾図柄がゾロ目となる組合わせで停止表示されることとなる。本実施形態では、「出玉有り確変大当たり」の場合には、1,3,5,7,9のいずれかの奇数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせである確変大当たり図柄、又は、2,4,6,8のいずれかの偶数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせである通常大当たり図柄のどちらかの組合せで変動表示が停止表示され、「出玉有り通常大当たり」の場合には、通常大当たり図柄の組合わせで変動表示が停止表示されることとなる。
そして、サブ制御装置262は、出玉有り確変大当たりの図柄コマンドを受信した場合、1〜9のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定し、出玉有り通常大当たりの図柄コマンドを受信した場合、2,4,6,8のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
また、遊技球の増加が望めない確変大当たり(「2RS」のこと。以下、「出玉無し確変大当たり」とも称する)に当選した場合には、装飾図柄表示装置42において、上から「3」・「4」・「1」のチャンス図柄の組合わせが停止表示されることとなる。本実施形態のチャンス図柄の組合わせは1種類となっている。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものである。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものである。完全外れ図柄の組合わせは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものである。本実施形態では、装飾図柄表示装置42にて前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせが停止表示された場合、「外れ」となる。
なお、詳しくは後述するが、サブ制御装置262は、これら外れの図柄コマンドを受信した場合、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。尚、本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1種類だけであって、サブ制御装置262で装飾図柄の組合わせを決定する構成としてもよい。
図10の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では59、37)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、特別表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43a、43bに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この特別表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32に関する制御が行われる。また、当該可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、普通表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この普通表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、始動入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)に関する制御が行われる。この始動入賞装置制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211、ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では695)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では59、37)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211、S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の特別表示制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、特別表示装置43a、43bの変動表示の後に設定される変動インターバル期間の残り時間を計測するための変動インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS801で否定判別された場合、すなわち、変動インターバル期間である場合には、ステップS802において、変動インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、変動インターバル期間を1秒(1000msec)として、変動インターバルタイマに「249(ステップS801の前にステップS802が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、当該処理において、4msec毎に変動インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップS801で肯定判別された場合、すなわち、変動インターバル期間ではない場合には、ステップS803において、詳しくは後述する当たり状況記憶エリアを参照し、今現在、大当たり状態又は小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。
尚、大当たり状態中には、特別表示装置43a、43bにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開放されるまでの間のオープニング期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開状態とされるラウンド期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43a、43bの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。
小当たり状態中には、特別表示装置43a、43bにおいて小当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開放されるまでの間のオープニング期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開状態とされるラウンド期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43a、43bの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。
本実施形態の当たり状況記憶エリアは、大当たり状態や小当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶されており、大当たり状態や小当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されている。すなわち、当該ステップS803では、当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別して、大当たり状態中や小当たり状態中であるか否かを判別する。
ステップS803で否定判別された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS803で肯定判別された場合には、ステップS804において、詳しくは後述する特図表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、特図表示中フラグがオン状態の場合には変動表示中とみなされ、特図表示中フラグがオフ状態の場合には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、特図表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43a、43bの変動表示を開始する際にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43a、43bの変動表示が停止表示される際にオフにされる。
ステップS804で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS805に移行し、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの両方において、それぞれ変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様(例えば、下列の右から1番目及び2番目の第1特図ランプ、又は、第2特図ランプのみが点灯する態様)を導出するための待機表示設定を行う。つまり、本実施形態の第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bは、変動停止後、その停止態様が変動インターバル期間の間は(当否抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、変動インターバル期間が終了すると、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるようになっている。
ステップS805の後、ステップS806に進み、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。
ステップS806で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS807において、第2保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS806の判別処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップS808では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS808の後、ステップS809において、特別変動保留エリアの実行エリアの第2変動フラグをオン設定する。続くステップS810では、第2変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第2保留表示装置46b(第2保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の第2保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の第2保留ランプを点滅させたまま右側の第2保留ランプを点灯させ、左側の第2保留ランプが点滅状態であり右側の第2保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを点灯させ、左右両方の第2保留ランプが点灯状態であった場合には左側の第2保留ランプを点灯させたまま右側の第2保留ランプを消灯させ、左側の第2保留ランプが点灯状態であり右側の第2保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを消灯させるための処理を行う。
ステップS810の後、ステップS811において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS806で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS812において、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。
当該ステップS812で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS812で肯定判別された場合には、ステップS813において、第1保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS814では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS814の後、ステップS815において、特別変動保留エリアの実行エリアの第1変動フラグをオン設定する。続くステップS816では、第1変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第1保留表示装置46a(第1保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の第1保留ランプを点滅させたまま右側の第1保留ランプを点灯させ、左側の第1保留ランプが点滅状態であり右側の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点灯させ、左右両方の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左側の第1保留ランプを点灯させたまま右側の第1保留ランプを消灯させ、左側の第1保留ランプが点灯状態であり右側の第1保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを消灯させるための処理を行う。
ステップS816の後、ステップS811において変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ここで、ステップS811の変動表示設定処理の詳細について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述するモード記憶エリアを参照し、高確率状態(確変モード又は潜確モード)であるか否かを判別する。尚、モード記憶エリアには、遊技モードを判別するための判別情報が記憶されている。本実施形態では、モード記憶エリアには、「11」、「12」、「21」、「22」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時間短縮モードに対応し、「21」は確変モードに対応し、「22」は潜確モードに対応している。つまり、当該ステップS901では、モード記憶エリアに「21」又は「22」が記憶されているか否かを判別することで、高確率状態であるか否かを判別している。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態(確変モード、潜確モード)である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌して、第1又は第2当否フラグ(図14の当否判定処理参照)のどちらかがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態(通常モード、時間短縮モード)である場合には、ステップS903において、当否乱数記憶エリアを参酌し、第1当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS903で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
ステップS904では、大当たり状態の発生を確定させたことを示す大当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、大当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、大当たり確定フラグをオン設定することと称している。
続くステップS905では、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌して、15RSフラグ(図15、図16の種別判定処理参照)がオン設定されている否かを判別する。
ステップS905で肯定判別された場合、すなわち「15RS」である場合には、ステップS906にて15RSパターン設定処理を行う。15RSパターン設定処理は、「15RS」の発生を教示するための変動表示を実行させるための処理であり、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて、特別表示装置43a、43bや装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42の変動表示の停止態様、装飾図柄表示装置42の変動表示の演出パターン等)を決定し、当該決定や各種フラグ等に基づいて、変動パターンコマンド及び図柄コマンドの設定等を行う。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。ステップS906の後、後述するステップS919に移行する。
また、ステップS905で否定判別された場合には、ステップS907において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、2RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS907で肯定判別された場合、すなわち「2RS」である場合には、ステップS908にて2RSパターン設定処理を行う。ステップS908の後、ステップS919に移行する。
一方、ステップS907で否定判別された場合には、ステップS909において、15RNパターン設定処理を行う。ステップS909の後、ステップS919に移行する。
また、ステップS902で否定判別された場合、すなわち、高確率状態において大当たりに当選しなかった場合には、ステップS911において、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、小当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS911で否定判別された場合、すなわち、大当たりでも小当たりでもない場合には、ステップS912において、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、前後フラグ(図17のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS912で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS913にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS919へ移行する。
さらに、ステップS912で否定判別された場合には、ステップS914において、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS914で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS915にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS919へ移行する。
加えて、ステップS914で否定判別された場合には、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS916において外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS919に移行する。
また、ステップS911で肯定判別された場合、すなわち、小当たりに当選したと判別された場合には、ステップS917において、小当たり状態の発生を確定させたことを示す小当たり確定フラグをオン設定する。その後、ステップS918において、小当たりパターン設定処理を行ってから、ステップS919に移行する。
また、ステップS903で否定判別された場合、すなわち、低確率状態において大当たりに当選しなかった場合には、ステップS910において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、第2当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS910で肯定判別された場合には、ステップS913にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS919へ移行する。一方、ステップS910で否定判別された場合には、上記ステップS911に移行する。
ステップS919では、特別表示装置43a、43bにて変動表示中であるか否かを示す特図表示中フラグをオン設定する。これにより、特別表示装置43a、43bにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことが示される。続くステップS920では、特別表示装置43a、43bにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する特図表示タイマの設定処理を行う。当該特図表示タイマは、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
尚、本実施形態における特別表示装置43a、43bの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1、CS2により選出される変動パターンに対応した値が設定される。このような特図表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43a、43bにおいて切替表示(変動表示)が開始される。また、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、特別表示装置43a、43bの変動開始と同時に、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42において変動表示を開始させ、特別表示装置43a、43bの停止表示と同時に、図柄コマンドに基づいた図柄の組み合わせにて装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる。ステップS920の終了後、変動表示設定処理を終了する。
尚、本実施形態では、始動入賞処理において、ステップS505、S514の当否乱数カウンタC1の値を取得して特別変動保留エリアに記憶する処理と、ステップS506、513の当否判定処理と、変動表示設定処理において、当否フラグ及び小当たりフラグと、そのときの状況とに基づいて当否を判別するステップS901〜ステップS903の処理等とによって当否抽選が構成される。また、ステップS901〜S903の処理等によって第2当否判別処理が構成され、ステップS906、ステップS908、ステップS909、ステップS913、ステップS915、ステップS916、ステップS918の処理等によって変動表示設定処理が構成される。
図19の説明に戻り、ステップS804で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS817に進み、特図表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に特図表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、特図表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS818に進み、上記減算後の特図表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図表示タイマの値が「0」となった時にステップS818が肯定判別される。
ステップS818で否定判別された場合には、ステップS824において、特別表示装置43a、43bの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43a、43bの切替表示(変動表示)が実現される。ステップS824の後、本処理を終了する。
一方、ステップS818で肯定判別された場合には、ステップS819において特図表示中フラグをオフし、ステップS820において特別表示装置43a、43bにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、特別表示装置43a、43bにおいて、変動表示設定処理にて設定された各大当たり種別や外れ等に対応する態様が停止表示されることとなる。
また、ステップS820の後、ステップS821において、サブ制御装置262に対して、装飾図柄表示装置42の停止表示を行わせる停止コマンドの設定を行う。これにより、特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された図柄コマンドや変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、特別表示装置43a、43bによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップS822において、当たり状態の初期設定や遊技モードの切替設定を行うための判別情報設定処理を行うとともに、ステップS823で変動インターバルタイマに対して変動インターバル期間(例えば、1秒)に相当する値を設定してから、本処理を終了する。
ここで、ステップS822の判別情報設定処理について、図21を参照して説明する。先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002において、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、2RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1002で否定判別された場合、すなわち、「15RS」又は「15RN」の大当たりである場合には、ステップS1003において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(可変入賞装置32の開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「15」を設定する。
続くステップS1004では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。さらに、ステップS1005では、当たり状態中の制御(可変入賞装置32の開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1006では、可変入賞装置32に入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、可変入賞装置32への入球があったか否かをカウントスイッチ223の検知情報により判別し、可変入賞装置32への入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1007では、サブ制御装置262に対して当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。当該オープニングコマンドには、当たり種別の情報等が含まれ、サブ制御装置262でも当たり状態の全ラウンド数等が把握できるようになっている。ステップS1007の後、本処理を終了する。
尚、大当たり状態において見た目の大当たり種別の昇格の演出等(例えば、装飾図柄表示装置42で偶数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「15RS」に当選したことを教示したり、装飾図柄表示装置42で奇数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「15RS」に当選したことを教示したりする)を行うこととしてもよい。
また、ステップS1002で肯定判別された場合には、ステップS1008において、ラウンド数カウンタに「2」を設定する。ステップS1008の後、ステップS1009では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1010において、特別可変タイマに対して、例えば2秒のオープニング期間に対応する値「500」を設定し、ステップS1011において、入賞カウンタに対して「8」を設定し、ステップS1012において、オープニングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1001にて否定判別された場合には、ステップS1013において、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、小当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1013で肯定判別された場合には、上記したステップS1008に移行する。すなわち、本実施形態では、小当たりした場合には、可変入賞装置32が、「2RS」の大当たりに当選した場合と同様に開閉されることとなる。
一方、ステップS1013で肯定判別された場合には、ステップS1014において、モード記憶エリアに「12」が記憶されているか否か、すなわち、時間短縮モードであるか否かを判別する。ステップS1014で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1014で肯定判別された場合には、ステップS1015において、時間短縮モードの継続期間を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。詳しくは後述するが、本実施形態では、「15RN」の大当たり状態終了時において、変動回数カウンタに対し、時間短縮モードの期間に相当する変動表示の回数(例えば100回)が設定され、特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示が1回行われる毎に当該ステップS1015において1減算される。
続くステップS1016では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1016で否定判別された場合、すなわち、当たり状態の終了度に、時間短縮モードの期間として設定された規定回数分の特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示が未だ行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1016で肯定判別された場合には、ステップS1017において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、特別表示装置43a、43bにおいて変動表示が規定回数行われた時点で時間短縮モードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1017の後、ステップS1018において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの終了を知らせるサポート終了コマンドの設定を行ってから、本処理を終了する。
次に、上記ステップS206の可変入賞装置32を開閉させるための可変入賞装置制御処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201では、当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、上記判別情報設定処理にて当たり状況記憶エリアに「1」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中である場合(当たり状況記憶エリアに「1」〜「3」のいずれかが設定されている場合)には、ステップS1202に移行し、特別可変タイマの値を1減算する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、判別情報設定処理にて特別可変タイマに「2000」又は「500」が設定されている。
続くステップS1203では、特別可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1203で肯定判別された場合には、ステップS1204において、当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続くステップS1206では、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。ここでは、出玉有り大当たりである「15RS」又は「15RN」であるか否か(「2RS」以外であるか否か)が判別される。
ステップS1206で肯定判別された場合には、ステップS1207において、特別可変タイマに対して、可変入賞装置32の開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。一方、ステップS1206で否定判別された場合には、ステップS1208において、特別可変タイマに対して、可変入賞装置32の開状態を維持する時間(0.4秒)に対応する値「100」を設定する。
ステップS1207、又は、ステップS1208の後、ステップS1209では、可変入賞装置32を開状態とさせる処理を行い、ステップS1210では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1204で否定判別された場合には、ステップS1211において当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップS1211で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップS1212においてラウンド数カウンタの値を1減算する。
続くステップS1213では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1213で否定判別された場合、すなわち、未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップS1214に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップS1215において、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。
ステップS1215で肯定判別された場合には、ステップS1216において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(4秒)に対応する値「1000」を設定する。一方、ステップS1215で否定判別された場合には、ステップS1217において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1216、又は、ステップS1217の後、ステップS1218において、入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップS1219において、可変入賞装置32を閉状態とさせる処理を行い、ステップS1220において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1203で否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32の開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1221に移行し、可変入賞装置32への入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態の開始時及びインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、可変入賞装置32に遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1221で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1221で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップS1212に移行する。これにより、1回のラウンド中に可変入賞装置32に対して遊技球が8個入球した場合には、開放期間30秒が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップS1213で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップS1222に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。ステップS1222の後、ステップS1223において、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。ステップS1223で肯定判別された場合には、ステップS1224において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。一方、ステップS1223で否定判別された場合には、ステップS1225において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1224、又は、ステップS1225の後、ステップS1226において、入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップS1221で肯定判別された後の流れでステップS1222以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の可変入賞装置制御処理において、いきなりステップS1221で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップS1226で入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。勿論、別の方法で、エンディング期間を全うさせるように構成してもよい。
ステップS1226の後、ステップS1227では、可変入賞装置32を閉状態とさせる処理を行い、続くステップS1228では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1211で肯定判別された場合、すなわち、エンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップS1229に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
ここで、終了設定処理について、図23を参照して説明する。先ず、ステップS1401では、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、15RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1401で肯定判別された場合には、ステップS1402において、モード記憶エリアに時間短縮モードに対応する値「12」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に時間短縮モードが付与されることとなる。
続くステップS1403では、変動回数カウンタに対して「100」を設定する。尚、変動回数カウンタとは、モード記憶エリアに「12」が設定される際、すなわち、時間短縮モードが開始される際に時間短縮モードの期間として設定される規定回数分の変動表示が全うされたことを把握するためのものである。ステップS1403の後、ステップS1404において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの開始(引き戻しステージへの移行)を知らせる時短開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1401で否定判別された場合には、ステップS1405において、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、15RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1405で肯定判別された場合、ステップS1406において、モード記憶エリアに「21」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に確変モードが付与されることとなる。ステップS1406の後、ステップS1407において、サブ制御装置262に対して確変モードの開始(確変ステージへの移行)を知らせる確変開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
一方、ステップS1405で否定判別された場合には、ステップS1408において、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、2RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1408で肯定判別された場合には、ステップS1409において、モード記憶エリアに時間短縮モードに対応する値「22」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に潜確モードが付与されることとなる。ステップS1409の後、ステップS1410において、サブ制御装置262に対して前兆ステージへの移行を知らせる前兆ステージ開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1408で否定判別された場合、すなわち、遊技モードの変更が行われない小当たりに当選した場合には、ステップS1410に移行し、前兆ステージ開始コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、前兆ステージとは、「2RS」の大当たり、又は、小当たりに当選した場合に移行し、通常モード、及び、潜確モードのどちらかに滞在していることを示すステージである。
図22の説明に戻り、ステップS1229の終了設定処理の後、ステップS1230において、当たり状況記憶エリアに対して大当たり状態ではないことを示す「0」を設定する。その後、ステップS1231において、サブ制御装置262に対して大当たり状態を終了する旨の情報を伝える当たり終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、当たり終了コマンドには、上記終了設定処理で設定された変動回数カウンタの回数情報等が含まれている。
次に、前記ステップS208の普通表示制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2101では、普通図柄表示装置41の変動表示の後に設定される普図インターバル期間の残り時間を計測するための普図インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2101で否定判別された場合、すなわち、普図インターバル期間である場合には、ステップS2102において、普図インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、普図インターバル期間を1秒(1000msec)として、普図インターバルタイマに「249(ステップS2101の前にステップS2102が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、当該処理において、4msec毎に普図インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち、普図インターバル期間ではない場合には、ステップS2103において、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す普図表示中フラグがオンであるか否かを判別する。尚、普図表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされる。
ステップS2103で否定判別された場合には、ステップS2104に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、ステップS2104で否定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41の変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。尚、例えば、ステップS2104で否定判別された場合に、普通図柄表示装置41において、変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様を導出するための待機表示設定を行うこととしてもよい。つまり、普通図柄表示装置41は、変動停止後、その停止態様が普図インターバル期間の間は(入球サポート抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、普図インターバル期間が終了すると、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるように構成してもよい。
一方、ステップS2104で肯定判別された場合には、ステップS2105において、普通保留カウンタNcから1を減算する。
続くステップS2106では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2107では、普通図柄表示装置41の変動表示を設定し、開始させるための普図変動設定処理を実行する。
ここで、普図変動設定処理について、図25を参照して説明する。先ず、ステップS2301では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中であることを示す普図表示中フラグをオン設定する。続くステップS2302では、当たり状況記憶エリアを参照し、「0」が記憶されているか否か、すなわち、今現在、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS3202で肯定判別された場合、つまり、大当たり状態ではない場合には、ステップS2303において、モード記憶エリアに対し「12」、又は、「21」の値が記憶されているか否か、すなわち、高入球状態(時間短縮モード又は確変モード)であるか否かを判別する。
ステップS2303で肯定判別された場合には、ステップS2304において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を1.86秒にするべく「465」を設定する。
その後、ステップS2305において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「0」であるか否かを判別する。尚、高入球状態では、「0〜232」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1〜232」の場合に当選となる。
ステップS2305で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2305で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2306の後、本処理を終了する。
また、ステップS2302、又は、ステップS2303で否定判別された場合、つまり、大当たり状態、又は、低入球状態にある場合には、ステップS2307において、普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を1.86秒にするために「465」を設定する。さらに、ステップS2308において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「1〜31」であるか否かを判別する。尚、低入球状態では、「0〜232」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1〜31」の場合に当選となる。
ステップS2308で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2308で肯定判別された場合、すなわち、入球サポート抽選に当選した場合には、上記ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定した後、本処理を終了する。尚、普通図柄の変動表示時間や、入球サポート抽選での当選確率等については、パチンコ機の機種毎に適宜設定可能であり、例えば、高入球状態時における入球サポート抽選の当選確率を、低入球状態における入球サポート抽選の当選確率よりも高くなるように構成してもよい。
図24の説明に戻り、ステップS2107の後、ステップS2108において、普通図柄表示装置41の変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ406)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプ406が両方とも点滅状態であった場合には左側の普通保留ランプ406を点滅させたまま右側の普通保留ランプ406を点灯させ、左側の普通保留ランプ406が点滅状態であり右側の普通保留ランプ406が点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプ406を点灯させ、左右両方の普通保留ランプ406が点灯状態であった場合には左側の普通保留ランプ406を点灯させたまま右側の普通保留ランプ406を消灯させ、左側の普通保留ランプ406が点灯状態であり右側の普通保留ランプ406が消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプ406を消灯させるための処理を行う。ステップS2108の後、本処理を終了する。
また、ステップS2103で肯定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2109に進み、普図表示タイマを減算する処理を行う。この処理が1回行われる毎に普図表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2110に進み、普図表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2110で肯定判別された場合には、ステップS2111において普図表示中フラグをオフし、ステップS2112において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普図停止表示設定を行う。すなわち、当選である場合(入球サポートフラグがオン設定されている場合)には、左右一対の普図ランプ405の両方を点灯させ、外れである場合には左側の普図ランプ405のみを点灯させる。
続いてステップS2113に進み、普図判別情報設定処理を行う。ここで、普図判別情報設定処理について、図26を参照して説明する。
先ず、ステップS2401では、入球サポートフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2401で肯定判別された場合には、ステップS2402において、第2始動入賞装置33bが開状態中であるか否かを判別するための普通可変フラグをオン設定する。
続くステップS2403では、モード記憶エリアにおいて「12、21」のどちらかが記憶されているか否か、すなわち、高入球状態であるか否かを判別する。ステップS2403で肯定判別された場合には、ステップS2404において、第2始動入賞装置33bの開放時間(残余時間)を計測するための普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を1.8秒にするべく「450」を設定する。
さらに、ステップS2405では、第2始動入賞装置33bを開放させる回数(残り回数)を計数する開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを3回開放させるべく「3」を設定する。ステップS2405の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンにする。さらに、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行う。
続くステップS2411では、サブ制御装置262に対して第2始動入賞装置33bを開状態とさせる期間である旨を知らせるサポート期間開始コマンドを設定する。さらに、ステップS2412において、サブ制御装置262に対して第2始動入賞装置33bを開状態とさせるタイミングが到来した旨を知らせる羽根開放コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS2403で否定判別された場合、すなわち、低入球状態にある場合には、ステップS2406において、普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を1.0秒にするべく「250」を設定する。続く、ステップS2407では、開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを1回開放させるべく「1」を設定する。ステップS2407の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンし、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行い、ステップS2411においてサポート期間開始コマンドを設定し、ステップS2412において羽根開放コマンドを設定してから、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2113の後、ステップS2114において、普図インターバルタイマに対して普図インターバル期間(例えば、1秒)に相当する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS2110で否定判別された場合には、ステップS2115において、普通図柄表示装置41の変動表示(左右一対の普図ランプ405を交互に点灯させる切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、普通表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)が実現される。
さらに、ステップS2116において、普図表示タイマの値が、0.7秒に対応する「175」であるか否かを判別する。ステップS2116で肯定判別された場合には、ステップS2117において、サブ制御装置262に対し、詳しくは後述する「開放予告報知」を行うタイミングが到来したことを伝える報知タイミングコマンドを設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS2116で否定判別された場合には、ステップS2118において、普図表示タイマの値が、0.2秒に対応する「50」であるか否かを判別する。ステップS2118で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2118で肯定判別された場合には、サブ制御装置262に対して第2始動入賞装置33bを開状態とすることが決定された旨を知らせる開放確認コマンドを設定する。ステップS2119の後、本処理を終了する。
次に上記ステップS208の始動入賞装置制御処理について図27のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2201では、サポート期間中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において、普通可変タイマの値を1減算する。
続くステップS2203では、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2203で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bの開閉の状態を維持する期間である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2203で肯定判別された場合には、ステップS2204において、普通可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2204で肯定判別された場合、すなわち、現在、第2始動入賞装置33bが開状態にあって、閉状態とするタイミングが到来した場合には、ステップS2205に移行し、サブ制御装置262に対して第2始動入賞装置33bを閉状態とさせるタイミングが到来した旨を知らせる羽根閉鎖コマンドを設定する。その後、ステップS2206において、普通可変フラグをオフする。続くステップS2207では、開放回数カウンタの値を1減算し、ステップS2208では、第2始動入賞装置33bを閉状態とする設定を行う。
その後、ステップS2209において、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2209で肯定判別された場合には、ステップS2210においてサポート期間中フラグをオフする。さらに、ステップS2211において、サブ制御装置262に対して第2始動入賞装置33bを開状態とさせる期間が終了した旨を知らせるサポート期間終了コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
一方、ステップS2209で否定判別された場合、すなわち、当選した入球サポート抽選が確変モード又は時間短縮モードで行われたものであって、それに基づいて第2始動入賞装置33bが3回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2212で普通可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「250」)を設定する。ステップS2212の後、本処理を終了する。
また、ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが3回開放される間のインターバル期間(第2始動入賞装置33bは閉状態)にあって、インターバル期間を終了させるタイミングが到来した場合には、ステップS2213で普通可変フラグをオンし、ステップS2214で普通可変タイマに対して開放時間に相当する値(本例では、高入球状態時;「450」、低入球状態時;「250」)を設定し、ステップS2215で、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行う。その後、ステップS2216において、羽根開放コマンドを設定してから、本処理を終了する。
尚、第2始動入賞装置33bが開状態とされている場合に、第2始動入賞装置33bに対して遊技球が規定数(例えば1個)入球した場合には、第2始動入賞装置33bが直ちに閉状態とされるように構成してもよい(例えば、ステップS2203で否定判別された場合に、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われたか否かの判別を行い、肯定判別された場合に、ステップS2205に移行するように構成してもよい。)。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図28を参照して受信割込み処理を説明し、その後図29を参照してメイン処理を説明する。
図28は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図30に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図29を参照して説明する。図29は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図30のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図31を参照して以下に説明する。
図31は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図28参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図30のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、CRユニット接続基板314から、CRユニットと電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を受信しているか否かを判別する。ステップS3202で肯定判別された場合には、ステップS3203において、CRユニットと電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を発射・電源制御装置310の発射制御回路312の条件送信回路564に送信する。
ステップS3203の後、又は、ステップS3202で否定判別された場合には、ステップS3204において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3204で肯定判別されれば、ステップS3205で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3206では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、満杯検知スイッチの検知信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3207では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検知信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3208では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3209で払出個数設定処理を行い、ステップS3210においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3211においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3212では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3213では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図32を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、サブ制御装置262のRAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報が含まれる。
サブ制御装置262の保留情報記憶エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1保留情報記憶エリア及び第2保留情報記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1保留情報記憶エリアには、第1変動表示(第1特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、大当たりか否かの情報、大当たり種別、小当たりか否かの情報、及びリーチ種別等の変動表示に関する情報(変動情報)が時系列的に格納される。また、第2保留情報記憶エリアには、第2変動表示(第2特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、変動情報が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示に関する変動情報、及び、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする第2変動表示に関する変動情報をそれぞれ4つ保留記憶することができる。結果的に、主制御装置261の第1及び第2特別変動保留エリアの実行エリアだけでなく、保留エリアに記憶された変動情報についても、サブ制御装置262において把握することが可能となっている。
ここで保留情報格納処理について、図35を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。当該ステップS4101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第1始動入賞装置33aの入球(第1特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4103において、第1保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第1変動保留カウンタNdを1インクメントする。
続くステップS4104では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、小当たりか否かの情報、リーチ種別の情報等を、第1保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。
また、続くステップS4105では、予告情報格納処理を行う。すなわち、本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第1保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4104にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、当該予告情報格納処理において、保留情報記憶エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶されている連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
ステップS4105の後、ステップS4106では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行う。尚、ステップS4106の連続予告抽選処理では、第1変動保留カウンタNdの値が「2」以上である場合に、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブル(大当たりに対応するものの方が外れに対応するものよりも当選し易い)を参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、第1保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
ステップS4106の後、ステップS4107では、装飾図柄表示装置42において変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコン461を1つ追加表示するための保留アイコン設定処理を行う。
図45(a)に示すように、装飾図柄表示装置42の下部に設けられた保留表示エリア462には、「浮き輪」を模した保留アイコン461が表示されるようになっている。本実施形態の保留表示エリア462は、保留情報記憶エリアの実行エリアに対応する実行対応エリア462aと、保留情報記憶エリア(第1及び第2保留情報記憶エリア)の保留エリアに対応する保留対応エリア462bとを備えており、最大で9つの保留アイコン461を表示可能となっている。尚、本実施形態では、第1変動表示に対応する保留アイコン461と、第2変動表示に対応する保留アイコン461とが共通の態様となっており、保留アイコン461を視認するだけでは、第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応する保留アイコン461であるかを識別不可能となっている。
また、保留アイコン461は、対応する変動表示の大当たり期待度を示唆する態様で導出される場合がある。以下、かかる態様の保留アイコン461を「先読み保留アイコン463」とも称する。本実施形態の先読み保留アイコン463は、キャラクタが「浮き輪」を使用している態様(図45(b)、図45(c)参照)で導出される。さらに、先読み保留アイコン463のキャラクタは複数種類用意されており、先読み保留アイコン463のパターンと、大当たり状態発生への当選期待度(大当たり期待度)とが対応付けられている。これにより、先読み保留アイコン463は、その態様によって大当たり期待度に関するランク付けがなされることとなり、先読み保留アイコン463を導出させることによって、大当たり期待度を示唆する(先読み保留予告演出を行う)ように構成されている。
また、先読み保留アイコン463が導出される場合には、当該先読み保留アイコン463に対応する変動表示が消化されるまでの間に、当該先読み保留アイコン463のパターンが変化する(保留変化演出が導出される)場合がある。
つまり、ステップS4107の保留アイコン設定処理では、先読み保留アイコン463を導出させるか否かの抽選が行われ、否当選の場合には、保留アイコン461のパターンがデフォルト(浮き輪のみ)のものに決定される。一方、当選の場合には、保留変化演出を行うか否かの抽選が行われ、当選の場合には、対応する保留エリアの保留変化フラグをオン設定するとともに、先読み保留アイコン463のパターンとして、最終的に表示される可能性のある上限パターンと、上限パターンよりも大当たり期待度の低い(低ランクの)態様であって、最初に表示される仮パターンとを決定する。一方、否当選の場合には、先読み保留アイコン463のパターンとして1つのパターンを決定する。
そして、基本的には、装飾図柄表示装置42に表示されている保留アイコン461のうち一番右側のものの右側に並ばせるようにして、決定されたパターンの保留アイコン461を表示させるといった処理が行われる。尚、本実施形態では、第2変動表示が第1変動表示に優先されて消化される構成のため、第1変動表示が保留されている状態において第2変動表示が新たに保留された場合には、保留対応エリア462bにおいて、第1変動表示に対応する保留アイコン461のうち最も左側の保留アイコン461の左側の位置に、新たに保留された第2変動表示に対応する保留アイコン461が表示されるようになっている。
また、本実施形態では、ステップS4107において、保留表示エリア462に先読み保留アイコン463が導出される場合に、先読み保留演出中フラグがオン設定されるようになっている。ステップS4107の後、本処理を終了する。
また、ステップS4102で肯定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4108に進み、第2保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第2変動保留カウンタNeを1インクリメントする。
その後、ステップS4109では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、小当たりか否かの情報、リーチ種別の情報等を、第2保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。続くステップS4110では、連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第2保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4109にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
ステップS4110の後、ステップS4111において、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行う。尚、ステップS4111の連続予告抽選処理は、ステップS4106の連続予告抽選処理を第2始動入賞装置33bへの入球に対応させるだけであり、説明は省略する。ステップS4111の後、ステップS4112において、保留アイコン設定処理を行う。ステップS4112の後、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3916へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図33に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0〜8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から確変大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す図柄コマンドを受信した場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、通常大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す図柄コマンドを受信した場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2〜4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合わせを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図34に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合わせ(左右の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが前後外れ図柄の組合わせであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合わせである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合わせである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図36を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4201で肯定判別された場合には、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS4202で否定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が保留記憶されていない場合には、ステップS4203に進み、第1変動保留カウンタNdの値を1減算する。
尚、上記のように、本実施形態では、第1変動表示よりも第2変動表示が優先的に消化され、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示が消化されることはない。すなわち、第2保留情報記憶エリアに第2変動表示の変動情報が保留記憶されている場合には、第1変動表示に対応する変動パターンコマンドは送られてこない。このため、本実施形態では、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別することで、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別している。もちろん、変動パターンコマンドに対して第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報に対応しているかの情報を持たせ、変動パターンコマンドに基づいて、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別してもよい。
ステップS4203の後、ステップS4204において、第1保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留情報記憶エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータ(連続予告フラグも含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS4204の後、ステップS4207に移行する。
また、ステップS4202で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS4205において、第2変動保留カウンタNeの値を1減算する。
続くステップS4206では、第2保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留情報記憶エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS4206の後、ステップS4207に移行する。尚、本実施形態では、保留情報記憶エリアの実行エリアは1つであり、第1保留情報記憶エリア及び第2保留情報記憶エリアに格納されているデータは、当該データに対応する変動表示が行われる際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ステップS4207では連続予告に使用される表示演出の種別を決定する予告設定処理が行われる。ステップS4207の予告設定処理では、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4106の連続予告抽選処理参照)がオンであるか否かを判別し、否定判別された場合には、連続予告は行われないため、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、大当たりか否か、大当たりの場合には種別は何か、大当たりではない場合には、リーチ種別は何か等を判別し、それぞれに対応するテーブルを参照して、連続予告の種別を決定する。ここで決定された種別の連続予告は、対応する変動表示に際して所期のタイミングで導出されることとなる。
また、本実施形態では、ステップS4207において、連続予告フラグがオンであると判別された場合に、演出のなかでも予め定められた特定演出が導出されていることを示す特定演出中フラグをオンするようになっている。
ステップS4207の後、ステップS4208において、装飾図柄表示装置42に表示されている保留アイコン461をシフトさせるための保留アイコンシフト処理を行う。尚、保留情報記憶エリアの各保留エリア、及び、実行エリアには、保留アイコン461の種別を記憶する保留アイコン記憶エリアが設けられており、当該保留アイコン461に関する情報についても、上記した保留情報記憶エリアのデータシフト処理にてシフトされるようになっている。
当該保留アイコンシフト処理は、かかるデータシフトに応じて保留アイコン461を再描画させるための処理であり、装飾図柄表示装置42では、変動表示が1つ消化される(実行される)毎に、最も左に位置していた保留アイコン461が消去されるとともに、その右側に配置されていた保留アイコン461が一つ左にシフトされる(表示場所が移動する)ようになっている。
尚、本実施形態では、ステップS4208において、保留アイコン461を再描画する処理に先立って、保留変化フラグがオン設定されている保留エリアが存在する場合には、先読み保留アイコン463の保留変化演出を行うか否かの抽選が行われ、当選した場合に、先読み保留アイコン463のパターンを高ランクのものに変化させる(但し、上限パターンのランクは越えない)ようになっている。加えて、保留変化フラグがオン設定されている保留エリアが存在しないと判別される場合には、先読み保留演出中フラグがオフされる。さらに、先読み保留アイコン463のパターンを変化させることで、該先読み保留アイコン463が上限パターンに達した場合には、先読み保留演出中フラグがオフされるとともに、保留変化フラグがオフされるようになっている。
ステップS4208の後、ステップS4209において、サブ制御装置262側で特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)における変動表示の変動時間を計測するための変動時間把握タイマのカウントを実行させるための変動時間カウントフラグをオン設定してから、本処理を終了する。尚、変動時間把握タイマは、変動時間カウントフラグがオン設定されている場合に、2msec毎に更新されるように構成されている。
図32の説明に戻り、ステップS3907では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、変動種別、変動時間、及び停止図柄等に基づいて、対応するテーブルを参照し、表示パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での装飾図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
また、変動表示を開始させる際には、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4106の連続予告抽選処理参照)がオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125等の操作に対応する表示を行ったりする。さらに、当該ステップS3907の表示設定処理では、大当たり中の演出制御を行う処理(当たり表示処理)についても行われる。
ここで、ステップS3907の表示設定処理において行われる当たり表示処理について、図37を参照して説明する。先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、「15RS」、又は、「15RN」であれば「15」を設定し、「2RS」であれば「2」を設定する。
その後、ステップS4703において、出玉有り大当たりであれば8秒間のオープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。尚、サブ制御装置262には、大当たり種別と、残りラウンド数と、大当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブル等が設けられており、当該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4704においてラウンドコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4704で肯定判別された場合、ステップS4705において、出玉有り大当たりであれば最大で30秒のラウンド中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4704で否定判別された場合、ステップS4706において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4706で肯定判別された場合、ステップS4707でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4708で出玉有り大当たりであれば4秒のインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4706で否定判別された場合、ステップS4709においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4709で肯定判別された場合、ステップS4710でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4711で出玉有り大当たりであれば10秒のエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、出玉無し大当たりの場合には、オープニング期間(2秒)、ラウンド期間(0.4秒)、インターバル期間(1秒)、及び、エンディング期間(1秒)といった各期間に区切って演出を設定するのではなく、全期間を通じた演出(アナウンス等)が行われるような設定を行うこととしている。
ステップS4709で否定判別された場合、ステップS4712において当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4712で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4712で肯定判別された場合には、ステップS4713において、エンディング表示を直ちに終了させ、変動表示が行われる通常遊技状態の態様とする設定を行う。その後、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3908では、装飾図柄表示装置42の変動表示の停止に関する変動停止処理を実行する。ここで、変動停止処理について、図38を参照して説明する。
先ず、ステップS4401では、停止コマンド(特別表示制御処理のステップS821参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4401で肯定判別された場合、ステップS4402において、装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる処理を行う。
ステップS4402の後、ステップS4403において、変動時間カウントフラグをオフし、ステップS4404において、変動時間把握タイマをリセットする。
ステップS4404の後、又は、ステップS4401において否定判別された場合には、ステップS4405において、サポート終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4405で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4405で肯定判別された場合には、ステップS4406において、装飾図柄表示装置42に表示されている演出ステージを、「引き戻しステージ」から、「通常ステージ」に変更させる処理を行う。その後、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3909では、第2始動入賞装置33bが開状態とされることを事前に報知するための報知状態設定処理を行う。報知状態設定処理の詳細については後述する。
続くステップS3910では、開放予告報知に関する設定を行う開放予告報知設定処理を行う。開放予告報知設定処理の詳細については後述する。
続くステップS3911では、第2始動入賞装置33bに設けられた疑似羽根部材431の動作に関する制御を行う疑似羽根開放制御処理を行う。疑似羽根開放制御処理の詳細については後述する。
ステップS3912のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3913の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3913で行われる。
ステップS3914では、客待ち演出の制御設定等その他の処理を行う。つまり、遊技者が遊技していない状態が規定時間継続した場合に、客寄せモード又は省エネモードに移行する構成であって、装飾図柄表示装置42では、客待ち演出として、装飾図柄が表示されない(代わりに一連の動画が表示される、或いは、静止画が表示される)、画面が暗めになる等するデモ画面表示が導出されるようになっている。
ステップS3915では、上記ステップS3905〜S3915の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3905〜S3915の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3916に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3917に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3916で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3918において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
次に、電源・発射制御装置310の発射制御回路312で行われる発射送信処理について、図39を参照しつつ説明する。
先ず、ステップS6101では、発射制御回路312の条件送信回路564が、ハンドル18のタッチセンサ1451(図50参照)から、遊技者がハンドル18(回転操作体1402)に触れていることを示すタッチ信号を受信しているか否かを判別する。ステップS6101で肯定判別された場合には、ステップS6102において、条件送信回路564から、許可受信回路565を介して、駆動用IC561へとタッチ信号を送信する。尚、本実施形態では、回転操作体1402が基準位置にある場合には、回転操作体1402の金属メッキ層と、タッチセンサ1451とが絶縁された状態となり、タッチ信号が送信されない状態となる。
ステップS6102の後、ステップS6103において、ハンドル18の可変抵抗器1445から、回転操作体1402の回転角度(回転位相)を示すダイヤル位置信号を受信しているか否かを判別する。ステップS6103で肯定判別された場合には、ステップS6104において、条件送信回路564から、許可受信回路565を介して、調節用IC562へとダイヤル位置信号を送信する。
ステップS6104の後、又は、ステップS6101、或いは、ステップS6103で否定判別された場合には、ステップS6105において、条件送信回路564が、ハンドル18のストップスイッチ1455から、ストップレバー18a(ストップスイッチ1455の押圧操作部1456)が操作されていないことを示す発射スイッチ信号を受信しているか否かを判別する。ステップS6105で肯定判別された場合には、ステップS6106において、条件送信回路564から、許可受信回路565を介して、駆動用IC561へと発射スイッチ信号を送信する。尚、本実施形態では、回転操作体1402が基準位置にある場合には、回転操作体1402に作用する付勢力によって、ストップレバー18aが操作位置へと変位される(押圧操作部1456が押圧操作される)ようになっており、発射スイッチ信号が送信されない状態となる。
ステップS6106の後、又は、ステップS6105で否定判別された場合には、ステップS6107において、条件送信回路564が、払出制御装置311から、CRユニットと接続されていることを示すCRユニット接続信号を受信しているか否かを判別する。ステップS6107で肯定判別された場合には、ステップS6108において、条件送信回路564から、許可受信回路565を介して、駆動用IC561へとCRユニット接続信号を送信する。
ステップS6108の後、又は、ステップS6107で否定判別された場合には、ステップS6109において、条件送信回路564が、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号の全てを受信している状態であるか否かを判別する。ステップS6109で肯定判別された場合には、ステップS6110において、条件送信回路564が、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号の全てを受信している状態であることを示す発射状態信号を主制御装置261に送信する。
ステップS6110の後、又は、ステップS6109で否定判別された場合には、本処理を終了する。尚、本実施形態では、ステップS6109を行う機能が、発射条件検知手段を構成する。
次に、電源・発射制御装置310の駆動用IC561で行われる発射受信処理について、図40を参照しつつ説明する。尚、許可受信回路565は、発射許可信号、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号、及び、球送り信号を受信している場合に、それぞれに対応する信号を駆動用IC561に送信するようになっている。また、許可受信回路565は、ダイヤル位置信号を受信している場合に、対応する信号を調節用IC562に送信するようになっている。
先ず、ステップS6201では、駆動用IC561(許可受信回路565)が、主制御装置261から発射許可信号を受信しているか否かを判別する。ステップS6201で肯定判別された場合には、ステップS6202において、駆動用IC561(許可受信回路565)が、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号の全てを受信している状態であるか否かを判別する。ステップS6202で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS6202で肯定判別された場合には、ステップS6203において、発射装置60(発射ソレノイド)を駆動させ、遊技球を発射させるための発射処理を行ってから、本処理を終了する。
尚、調節用IC562は、ダイヤル位置信号に基づいて、遊技球の発射強さ(発射速度)に関する発射装置60の調節制御を行う。これにより、遊技球が、調節用IC562によって調節された強さで発射装置60により打ち出されるようになっている。
また、ステップS6201で否定判別された場合には、ステップS6203において、駆動用IC561(許可受信回路565)が、主制御装置261から球送り信号を受信しているか否かを判別する。ステップS6204で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS6205において、発射レール61のうち発射装置60にて遊技球が発射されることとなる発射位置に遊技球がセットされていることを検知する準備球検知センサ64がオンされているか否かを判別する。
ステップS6205で否定判別された場合には、ステップS6206において、球送り装置63を駆動させ、遊技球を発射位置にセットするための球送り処理を行ってから、本処理を終了する。一方、ステップS6205で肯定判別された場合には、既に、発射位置に遊技球がセットされていることから、そのまま本処理を終了する。
次に、主制御装置261のタイマ割込み処理で行われる発射許可コマンド設定処理について、図41を参照して説明する。
先ず、ステップS6301では、発射制御回路312から発射状態信号を受信している状態であることを示す発射許可フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS6301で肯定判別された場合には、ステップS6302において、発射状態信号を受信しているか否かを判別する。ステップS6302で否定判別された場合、ステップS6303において、発射許可フラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS6302で肯定判別された場合には、ステップS6304において、遊技球の発射間隔を計るために使用される発射タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS6304で肯定判別された場合には、ステップS6305において、主制御装置261から、発射制御回路312の許可受信回路565に対して発射許可信号を送信する。続くステップS6306では、発射許可フラグをオフする。
さらに、ステップS6307において、主制御装置261から、サブ制御装置262に対して、主制御装置261が発射制御回路312の条件送信回路564から発射状態信号を受信している状態(主制御装置261が発射制御回路312の許可受信回路565に対して発射許可信号を送信している状態)であることを示す発射許可状態信号を送信する。ステップS6307の後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、発射許可状態信号が、発射状態情報に関連する情報に相当する。
また、ステップS6304で否定判別された場合には、ステップS6308において、発射タイマの値を1減算する。その後、ステップS6307において、サブ制御装置262に対して発射許可状態信号を送信してから、本処理を終了する。
また、ステップS6301で否定判別された場合には、ステップS6309において、発射状態信号を受信しているか否かを判別する。ステップS6309で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS6309で肯定判別された場合には、ステップS6310において、発射許可フラグをオン設定する。
続くステップS6311では、発射制御回路312の許可受信回路565に対して球送り信号を送信する。さらに、ステップS6312において、発射タイマに対して0.6秒に相当する「300」を設定する。これにより、球送り装置63により遊技球が発射位置に確実にセットされてから、遊技球が発射装置60により打出されるように構成されるとともに、主制御装置261が発射制御回路312から発射状態信号を受信し続けている状態において、主制御装置261から発射許可信号が0.6秒間隔で送信され、0.6秒間隔で遊技球が発射装置60により発射されるようになっている。
ステップS6312の後、ステップS6307において、サブ制御装置262に対して発射許可状態信号を送信してから、本処理を終了する。
次に、サブ制御装置262の通常処理で行われる報知状態設定処理について、図42を参照しつつ説明する。
先ずステップS6401では、サブ制御装置262が主制御装置261からの発射許可状態信号を受信しているか否かを判別する。ステップS6401で肯定判別された場合には、ステップS6402において、高入球状態(確変モード又は時間短縮モード)であるか否かを判別する。ステップS6402で否定判別された場合には、ステップS6403において、変動時間把握タイマの値が11秒に相当する「5500」を超えたか否かを判別する。
一方、ステップS6402で肯定判別された場合には、ステップS6404において、変動時間把握タイマの値が8秒に相当する「4000」を超えたか否かを判別する。尚、低入球状態では、変動表示が開始されてから11秒後にスーパーリーチ演出に発展する(装飾図柄表示装置42においてスーパーリーチ専用の演出が開始される)タイミングを迎え、高入球状態では、変動表示が開始されてから8秒後にスーパーリーチ演出に発展するタイミングを迎えるようになっている。
ステップS6403、又は、ステップS6404で否定判別された場合には、ステップS6405において、特定演出中フラグがオン設定されているか否かを判別する。本実施形態では、連続する複数の変動表示にわたって行われる演出(連続予告演出)が行われる場合に、特定演出中フラグがオン設定されるようになっている。
ステップS6405で否定判別された場合、ステップS6406において、先読み保留演出中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS6406で否定判別された場合、すなわち、発射許可状態信号を受信しており、かつ、変動表示時間が開始されてから11秒未満であり、かつ、特定演出中(本例では連続予告演出中)ではなく、かつ、先読み保留アイコン463が導出されていない状態である場合には、ステップS6407において、報知有効フラグをオン設定する。ステップS6407の後、本処理を終了する。
また、ステップS6401で否定判別された場合、すなわち、主制御装置261からの発射許可状態信号(発射制御回路312からの発射状態信号)が途切れた場合には、ステップS6408で報知有効フラグをオフしてから、本処理を終了する。
さらに、ステップS6403、又は、ステップS6404で肯定判別された場合、すなわち、特別表示装置43a、43bにおける変動表示時間が開始されてから11秒、又は、8秒を超えており、該変動表示に対応して装飾図柄の変動表示が行われる装飾図柄表示装置42において、比較的大当たり期待度の高い演出が導出されている可能性の高い場合には、ステップS6408で報知有効フラグをオフしてから、本処理を終了する。
加えて、ステップS6405で肯定判別された場合、すなわち、一連の演出が導出される変動表示の回数が多いほど、大当たり期待度の高まる連続予告演出中である場合には、ステップS6408で報知有効フラグをオフしてから、本処理を終了する。
また、ステップS6406で肯定判別された場合、すなわち、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462において、対応する変動表示の大当たり期待度の示唆を行う先読み保留アイコン463が導出されている(先読み保留演出が行われている)場合には、ステップS6408で報知有効フラグをオフしてから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、スーパーリーチ演出、連続予告演出、及び、先読み保留演出が、特定演出に相当する。
次に、サブ制御装置262の通常処理で行われる開放予告報知設定処理について、図43を参照しつつ説明する。
先ずステップS6501では、第2始動入賞装置33bが開状態とされる0.7秒前に主制御装置261から出力される報知タイミングコマンド(図24のステップS2117参照)を受信したか否かを判別する。ステップS6501で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS6501で肯定判別された場合には、ステップS6502において、報知有効フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS6502で肯定判別された場合には、ステップS6503において、疑似羽根部材431を(単独で)機能位置に変位させるか否かの判別に使用される疑似許可フラグをオン設定する。ステップS6503の後、本処理を終了する。また、ステップS6502で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、図32のステップS3911の疑似羽根開放制御処理について図44を参照して説明する。
先ず、ステップS4601では、開位置にある羽根部材37が閉位置へと変位させられるタイミングで主制御装置261から出力される羽根閉鎖コマンド(図27のステップS2205参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4601で肯定判別された場合には、ステップS4602で疑似羽根部材431を待機位置へと変位させる処理を行う。当該処理が行われることにより、主制御装置261で制御され、開位置から閉位置へと変位する羽根部材37と同調するようにして、サブ制御装置262で制御される疑似羽根部材431が機能位置から待機位置へと変位するようになっている。ステップS4602の後、ステップS4603で、始動入賞ユニット401のベース板402の発光部445(図47参照)を消灯させる処理を行ってから、本処理を終了する
また、ステップS4601で否定判別された場合には、ステップS4604において、閉位置にある羽根部材37が開位置へと変位させられるタイミングで主制御装置261から出力される羽根開放コマンド(図26のステップS2412、図27のステップS2216参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4604で肯定判別された場合には、ステップS4605において、疑似羽根部材431を機能位置へと変位させる処理を行う。当該処理が行われることにより、閉位置から開位置へと変位する羽根部材37と同調するようにして、疑似羽根部材431が待機位置から機能位置へと変位するようになっている。ステップS4605の後、ステップS4606で、始動入賞ユニット401のベース板402の発光部445(図47参照)を発光させる処理を行ってから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、ステップS4605の発光部445を点灯させる機能が、開状態教示手段を構成する。
また、ステップS4604で否定判別された場合には、ステップS4607において、第2始動入賞装置33bを開状態とさせる0.2秒前のタイミングで主制御装置261から出力される開放確認コマンド(図24のステップS2119参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4607で肯定判別された場合には、ステップS4608において、疑似羽根部材431が単独で動作することを禁止する単独動作無効フラグをオン設定する。
一方、ステップS4607で否定判別された場合には、ステップS4609において、入球サポート抽選にて当選することで行われる一連の第2始動入賞装置33b(羽根部材37)の開閉処理が終了したタイミングで主制御装置261から出力されるサポート期間終了コマンド(図27のステップS2211参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4609で肯定判別された場合には、ステップS46010において、単独動作無効フラグをオフにする。
ステップS4610、又は、ステップS4608の後、或いは、ステップS4609で否定判別された場合には、ステップS4611において、疑似羽根部材431が単独で機能位置に変位する状態である(羽根部材37は閉位置にある)ことを示す疑似開放フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS4611で否定判別された場合には、ステップS4612において、第2始動入賞装置33bを開状態とさせる0.7秒前のタイミングで、報知有効フラグがオン設定されている場合にのみオン設定される疑似許可フラグ(図43のステップS6503参照)がオン設定されているか否かを判別する。ステップS4612で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4612で肯定判別された場合には、ステップS4613において、大当たり状態中であるか否かを判別する。ステップS4613で否定判別された場合には、ステップS4614において、疑似開放フラグをオン設定する。
続くステップS4615において、疑似羽根部材431を待機位置と機能位置との中間位置へと変位させる処理を行う。さらに、ステップS4616において、始動入賞ユニット401のベース板402の発光部445(図47参照)を点滅させる処理を行い、ステップS4617において、疑似羽根部材431を中間位置に変位させることに伴う効果音を発生させる処理を行う。つまり、第2始動入賞装置33bが開状態とされる0.7秒前に、ステップS4615〜ステップS4617の処理を行うことにより、第2始動入賞装置33bが開状態とされることが遊技者に事前に報知されることとなる。
尚、本実施形態では、ステップS4615〜ステップS4617の処理に基づいて行われる可変入賞ユニット401の視認態様及び音声態様が開放予告報知に相当し、該開放予告報知を導出可能な疑似羽根部材431、発光部445、スピーカSPが開放予告報知手段を構成する。また、報知有効フラグのオン・オフを切替える機能が報知状態変化手段を構成する。
また、本実施形態では、遊技球が発射装置60に発射されてから、第2始動入賞装置33bに至るまでに要する時間(到達時間)がおおよそ4秒〜6秒となっている。このため、第2始動入賞装置33bが開状態とされるよりも0.7秒前に行われる開放予告報知を認知してから遊技球を発射させたのでは、到底、かかる遊技球を第2始動入賞装置33bに入賞させることはできない構成となっている。つまり、開放予告報知は、開状態とされた第2始動入賞装置33bに遊技球が入球している様子を遊技者に見てもらい易くして(印象付けて)、低入球状態でも遊技球が第2始動入賞装置33bに入球し易くなるような構成となっていることをアピールするために行われる。
ステップS4617の後、ステップS4618において、疑似許可フラグをオフにしてから、本処理を終了する。また、ステップS4613で肯定判別された場合には、ステップS4614〜ステップS4617をスキップして、ステップS4618移行する。すなわち、大当たり状態中においては、疑似羽根部材431の単独の動作が実行されないように構成されている。
また、ステップS4611で肯定判別された場合には、ステップS4619において、単独動作無効フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4619で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4619で肯定判別された場合には、ステップS4620において、疑似開放フラグをオフし、ステップS4621において、疑似羽根部材431を待機位置へと変位させる処理を行ってから、本処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、羽根部材37が閉位置から開位置へと変位する場合は、移動中の羽根部材37、及び、開位置に変位した羽根部材37の前方を覆うようにして、疑似羽根部材431についても待機位置から機能位置へと変位するように構成されている。さらに、羽根部材37が開位置から閉位置へと変位する場合には、移動中の羽根部材37の前方を覆うようにして、疑似羽根部材431についても機能位置から待機位置へと変位するように構成されている。このため、羽根部材37を開位置へと変位させる際に、疑似羽根部材431が中間位置(半分開いた位置)にあるのでは都合が悪い。従って、羽根部材37を開位置へと変位させることに先立って、疑似羽根部材431が中間位置にあれば、当該疑似羽根部材431を待機位置に戻す処理を行うこととしている。
尚、報知有効フラグがオン設定されている状態であってもなくても、第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した(始動入球検知スイッチ224a、224bの検知が行われた)場合には、対応する始動入賞効果音が導出されるようになっている。本実施形態では、当該始動入賞効果音を導出させる機能が可変入球教示手段を構成する。
また、本実施形態では、サブ制御装置262の通常処理(図32)のステップS3914において、客待ち演出(デモ画面表示)の設定を行う際に、先ず、装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で規定時間が経過したか否かを判別し、当該判別で肯定判別された場合に、サブ制御装置262が主制御装置261からの発射許可状態信号を受信しているか否か(報知有効フラグがオン設定されているか否か)を判別し、当該判別で肯定判別された場合に、デモ画面表示を表示するように構成されている。これにより、遊技者がハンドル18を操作して遊技球を発射させ、第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bへの入球を試みているにもかかわらず入球させることができていない状態において、デモ画面が表示されてしまうことで、遊技者に悪印象を与えてしまうといった事態を確実に回避することができる。本実施形態では、装飾図柄表示装置42にデモ画面表示が導出される状態が、演出手段の待機状態に相当する。
以上詳述したように、本実施形態では、第2始動入賞装置33bが開状態とされるよりも0.7秒前に、第2始動入賞装置33bが開状態とされることを示す開放予告報知を導出可能に構成されている。本実施形態の開放予告報知は、第2始動入賞装置33bが具備する疑似羽根部材431を変位させ、始動入賞ユニット401の発光部445を発光させ、スピーカSPから対応する効果音を導出させることにより行われている。そして、開放予告報知が導出されることで、第2始動入賞装置33bが開状態とされる様子、さらには、開状態とされた第2始動入賞装置33bに遊技球が入球している様子を遊技者に認識してもらい易くすることができる。このため、低入球状態においても、第2始動入賞装置33bが比較的開状態とされ易く、第2始動入賞装置33bに対して遊技球が入球し易くなっていることをアピールすることができる。従って、遊技者に対し、あの遊技機は遊技し易い等の印象を持ってもらうことができ、リピーターの増加や、1回の遊技時間の増加等の促進を図ることができる。また、遊技球の球筋が第2始動入賞装置33bから大幅にずれている場合には修正してもらったりすることができる。
その一方で、主制御装置261が発射制御回路312から発射状態信号を受信していない状態(サブ制御装置262が主制御装置261から発射許可状態信号を受信していない状態)では、開放予告報知が導出されないように構成されている。このため、例えば、主制御装置261から遊技者が遊技球を発射させる必要がないと判断して(遊技球を発射させていない間にも第2始動入賞装置33bが開状態とされることも承知のうえで)遊技球の発射を停止させているにもかかわらず、開放予告報知が行われることで第2始動入賞装置33bが開状態とされることがアピールされ(開状態とされる第2始動入賞装置33bに注意を向けることを無理強いされ)、遊技者に不快感を与えてしまう(遊技者が損をしていることを報知しているかのような嫌味に捉えられる)といった事態を回避することができる。
特に、本実施形態では、発射装置60により遊技球を発射してから、当該遊技球が第2始動入賞装置33bに到達するまでの到達時間が概ね4秒〜6秒とされている。このため、第2始動入賞装置33bが開状態とされる0.7秒前に導出される開放予告報知を受けて、慌てて遊技球を発射させたとしても、該遊技球を第2始動入賞装置33bに入球させることが不可能である。従って、このような状況で開放予告報知が行われてしまうことで、遊技者の感情を逆なでし、かかる開放予告報知が目障り、耳障りに捉えられてしまうといった事態を回避することができる。従って、開放予告報知を行うことに起因する興趣の低下を抑制することができる。
尚、第2始動入賞装置33bが開状態とされる予告後時間(0.7秒)が、到達時間(4秒〜6秒)よりも長い場合、第2始動入賞装置33bが開状態とされる可能性がある状態において、遊技球を発射させることを止め、開放予告報知を確認してから、遊技球を発射させるという止め打ち操作を行うことで、第2始動入賞装置33bに入球しない遊技球を減少させることができる。このため、止め打ち操作を行う遊技者と、行わない遊技者との間で、遊技を進行させる上での有利不利の差が比較的大きくついてしまうことが懸念される。この点、予告後時間を到達時間よりも短くすることで、上記止め打ち操作を抑制することができ、上記懸念を抑制することができる。
また、本実施形態では、発射制御回路312が、タッチセンサ1451からタッチ信号を受信し、かつ、ストップスイッチ1455から発射スイッチ信号を受信し、かつ、払出制御装置311からCRユニット接続信号を受信している場合に、発射制御回路312から主制御装置261に対し発射状態信号を送信するようになっている。これにより、主制御装置261では、発射制御回路312から、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号がまとめられた格好となる発射状態信号を受けることから、発射制御回路312に発射許可情報を送信したり、サブ制御装置262に発射許可状態信号を送信したりする制御に際して、例えば、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号が入力されているかをそれぞれ判断する等の必要がなくなり、制御の簡素化を図ることができる。
その一方で、可変抵抗器1445からのダイヤル位置信号については、発射状態信号の送信の条件とされていない。この点、本実施形態では、ハンドル18の回転操作体1402が基準位置にある場合に、(回転操作体1402に作用する付勢力に基づいて)ストップスイッチ1455の突出部が没入させられ、これによりストップスイッチ1455によってストップレバー18aの押圧操作が検知されるようになっている。つまり、発射スイッチ信号が送信されない状態とされる。従って、ダイヤル位置信号が主制御装置261、ひいては、サブ制御装置262に送信されない構成であっても、回転操作体1402が基準位置では遊技球が発射されていないことをサブ制御装置262が把握し、開放予告報知を行わない状態(報知停止状態)とすることができる。結果として、ダイヤル位置信号をサブ制御装置262にまで伝わるようにするといった制御を行わなくても済み、制御の簡素化等を図ることができる。
さらに、本実施形態では、ハンドル18の回転操作体1402が基準位置にある場合、
回転操作体1402(操作金具1405)と、タッチセンサ1451(タッチ金具1452)とが絶縁されるように構成されている。つまり、タッチ信号が送信されない状態とされる。従って、ダイヤル位置信号が主制御装置261、ひいては、サブ制御装置262に送信されない構成であっても、回転操作体1402が基準位置では遊技球が発射されていないことをサブ制御装置262が把握し、開放予告報知を行わない状態(報知停止状態)とすることができる。結果として、ダイヤル位置信号をサブ制御装置262にまで伝わるようにするといった制御を行わなくても済み、制御の簡素化等を図ることができる。
尚、回転操作体1402が基準位置にある場合に、ストップスイッチ1455の突出部が没入させられる構成、及び、回転操作体1402(操作金具1405)と、タッチセンサ1451とが絶縁される構成のうち一方のみを採用することとしてもよい。
加えて、本実施形態では、回転操作体1402が基準位置にある場合に、回転操作体1402と、アース金具1406とが電気的に接続されるように構成されている。このため、遊技者が遊技を開始するにあたって回転操作体1402(金属メッキされた操作面SH)に触れた際に、かかる遊技者に静電気が帯電している場合であっても、遊技者に帯電していた静電気がタッチセンサ1451側に流れることなく、アース金具1406を介してアースへと逃がされるようになっている。従って、遊技者が回転操作体1402に触れた際に、タッチセンサ1451を具備するタッチ検知回路に対して静電気に基づく高電圧が印加されてしまうといった事態を抑止することができ、静電気に起因するタッチ検知回路等への悪影響(静電破壊等)を抑止することができる。
また、本実施形態では、サブ制御装置262は、主制御装置261から発射許可状態信号を受信している状態であっても、特別表示装置43a、43bの変動表示時間が予め定められた規定時間(本例では、スーパーリーチ演出に発展するタイミング、或いは、ノーマルリーチが終了するタイミングであって、高入球状態では8秒、低入球状態では11秒)を超えている場合には、報知有効フラグをオフして、開放予告報知が行われないように構成されている。さらに、特定演出中フラグがオン設定され、装飾図柄表示装置42において「連続予告演出」が導出されている状態、及び、先読み保留演出中フラグがオン設定され、先読み保留アイコン463を使用した「先読み保留演出」が導出されている状態においても、報知有効フラグがオフされ、開放報知が行われないように構成されている。
このため、大当たり期待度の高い演出や、大当たり期待度の向上に期待の持てる演出等の特定演出の途中で、当該特定演出に何ら関係のない開放予告報知が行われることで、特定演出が阻害されてしまうといった事態を回避することができる。従って、遊技者が特定演出に集中し易くなり、特定演出をより堪能してもらうことができる。また、特定演出中に、開放予告報知が行われることで、当該開放予告報知を特定演出の一環であると勘違いし、結果的に落胆に繋がってしまうといった事態を回避することができる。
尚、一般に、低入球状態において特定演出が導出されている場合には、無駄玉(アウト口36に入球する遊技球)の発生を抑制するべく、ハンドル18から手を離すことが行われており、ハンドル18の操作情報がなければ報知停止状態とするといった構成を採用することで、特定演出に際して開放予告報知が導出されてしまうといった事態を抑制することができる。しかしながら、高入球状態においては、遊技球が第2始動入賞装置33bに入球し易くなり、無駄玉の発生が抑制されることから、遊技球を発射し続ける遊技者も多い。このため、単に、主制御装置261が発射状態信号を受信している状態であれば報知機能状態とするといった構成にしてしまうと、高入球状態において、特定演出が導出されているにもかかわらず、開放予告報知が導出されてしまうといった機会が増えることが懸念される。特に、本実施形態では、低入球状態においても、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球し易くなるように構成されており、かかる懸念がより顕著なものとなっている。この点、特定演出が導出されているか否かを確認することによって、特定演出と、開放予告報知との重複をより確実に防止することができる。
加えて、本実施形態では、特別表示装置43a、43bにおける変動表示が開始されてから、当該変動表示が終了することなく、規定時間が経過した場合に、開放予告報知が行われない報知停止状態とされるように構成されている。すなわち、スーパーリーチ演出、ロング変動演出(チャンス変動)、プレミアムリーチ演出のいずれかが導出される状態では、報知停止状態とする構成となっている。従って、スーパーリーチ演出、ロング変動演出、及び、プレミアムリーチ演出が導出されたかを逐一判別する(しかも、各演出には複数パターン用意されている場合も多い)といった処理をまとめて行うことが可能となり、制御の簡素化等を図ることができる。さらに、変動表示が開始されてから規定時間後に報知停止状態とされるまでは、開放予告報知が行われる報知機能状態とすることで、見せ場であるスーパーリーチ演出、ロング変動演出、及び、プレミアムリーチ演出の最中では、かかる演出をより一層堪能してもらうために開放予告報知を行わない構成としつつ、変動表示が始まってすぐに第2始動入賞装置33bが開状態とされたにもかかわらず、開放予告報知が伴わなかったことを認知されることに起因して、前記演出が導出されることを事前に把握されてしまうといった事態を回避することができる。
また、開放予告報知が行われる報知機能状態、及び、行われない報知停止状態のどちらにおいても、遊技球が第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bに入球した場合には、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて、入賞効果音が導出されるように構成されている。このため、例えば、報知停止状態であるからといって、遊技球が第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bに入球したことのリアクション(入賞効果音)を止めてしまった場合に、遊技者に対し、今回、始動入賞装置33a、33bに遊技球が入球した分の検知が確実になされたのかの不安を与えてしまうといった事態を回避することができる。
さらに、報知機能状態、及び、報知停止状態のどちらにおいても、第2始動入賞装置33bが開状態とされている場合には、始動入賞ユニット401の発光部445が点灯されるようになっている。このため、例えば、報知停止状態であるからといって、第2始動入賞装置33bが開状態とされていることのリアクション(発光部445の発光)を止めてしまった場合に、遊技者に対し、今回、開状態とされた第2始動入賞装置33bに遊技球を入球させても、通常と変わりなく処理されるのかといった不安を与えてしまうといった事態を回避することができる。
加えて、本実施形態の開放予告報知は、第2始動入賞装置33bが具備する疑似羽根部材431を変位させるようになっている。このため、第2始動入賞装置33が開状態とされることを事前に報知する開放予告報知が第2始動入賞装置33b自体において導出されることから、開放予告報知と、第2始動入賞装置33bとの結びつきをより強め、第2始動入賞装置33bに注目を集めるといった作用効果がより顕著なものとされる。さらに、疑似羽根部材431を機能位置側(中間位置)に変位させても、羽根部材37が実際に開位置に変位するわけではないため、例えば、演出のために羽根部材37を開位置としただけなのに、かかる開位置とされたタイミングで遊技球が第2始動入賞装置33bへ入球してしまうといった事態を回避することができる。
また、本実施形態では、サブ制御装置262は、特別変動表示43a、43b(装飾図柄表示装置42)において変動表示が行われていない状態(停止表示されている状態)が規定時間継続した場合に、主制御装置261から発射許可状態信号を受信しているか否かを判別し、受信していないと判別される場合に、装飾図柄表示装置42においてデモ画面表示を導出し、受信していると判別される場合には、デモ画面表示を導出しない(キャンセルされる)ように構成されている。このため、遊技者が遊技球を発射させ続けているにもかかわらず、運悪く遊技球が始動入賞装置33a、33bに入球せず、装飾図柄表示装置42においてデモ画面表示が導出されてしまう、といった遊技者にとって非常に気分を害する状況になってしまうことを回避することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、主制御装置261が発射制御回路312から発射状態信号を受信していない状態(サブ制御装置262が主制御装置261から発射許可状態信号を受信していない状態)では、開放予告報知が導出されないように構成されているが、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球が十分に望める状態であるならば、主制御装置261が発射状態信号を受信していない状態でも、開放予告報知が導出されるように構成してもよい。
より具体的に、例えば、発射装置60により遊技球が発射されてない状態とされてからの時間を計測する停止後時間計測タイマを設け(主制御装置261に設ける場合には発射状態信号が途切れてからの時間を計測し、サブ制御装置262に設ける場合には発射許可状態信号が途切れてからの時間を計測する)、発射装置60により遊技球が発射されてない状態とされてから規定時間(例えば4秒)が経過していないと判別される場合には、報知有効フラグがオン状態で維持され(報知機能状態が維持され)、規定時間が到来したと判別された場合に、報知有効フラグがオフされる(報知停止状態とされる)ように構成してもよい。つまり、発射装置60による遊技球の発射を止めた直後は、その直前までに発射されていた遊技球が遊技領域の第2始動入賞装置33bよりも上流側に位置している可能性があり、さらには、そのタイミングで第2始動入賞装置33bが開状態とされた場合には、かかる遊技球が第2始動入賞装置33bに入球する可能性がある。従って、遊技球が第2始動入賞装置33bに入球するにもかかわらず開放予告報知が行われないといった事態を抑止することができる。結果として、遊技球が第2始動入賞装置33bに入球する可能性があるタイミングでの開放予告報知を行う機会を増やすことができる。
尚、発射装置60により遊技球が発射されてない状態とされてから規定時間が経過したか否かを判別可能とする機能が停止後時間判別手段を構成する。また、停止後時間判別手段による規定時間の計測は、主制御装置261に発射状態信号が送信されていないことを契機に開始される場合には、発射装置60に遊技球がセットされていない状態で発射装置60が駆動する「空打ち」の状態でも報知機能状態とされるが、遊技者が「空打ち」に気付けばすぐに対処する(発射操作を止める、上皿19の球詰りを解消したり、遊技球が貯留されていない上皿19に遊技球を供給したりして発射装置60に遊技球をセットする)筈であることから、「空打ち」の状態で報知機能状態とされることの影響は少ない。
(b)上記実施形態では、サブ制御装置262が、主制御装置261から遊技球を発射可能な状態である旨の発射許可状態信号を受信するように構成されているが、かかる信号を省略するとともに、遊技球が発射されていない可能性が高い状態では、開放予告報知が導出されないように構成することとしてもよい。
例えば、通常モード、潜確モードにおいて、第1特別変動保留エリアに対して3つ以上の変動情報が保留記憶されている場合(変動情報が記憶されている第1特別変動保留エリアの保留エリアの数が3つ以上である場合)に、報知有効フラグをオフするように構成してもよい。つまり、第1変動表示の保留上限は4つであり、第1変動表示が4つ保留されている状態において第1始動入賞装置33aに遊技球を入球させても(オーバー入賞させても)その分の当否抽選が受けられないことから、遊技者は、かかる状況を回避するべく、変動情報の保留記憶の上限が近付いた場合には、その上限を超えないように、遊技球の発射を控えることが行われている。このように、保留上限が近付いた場合に、報知有効フラグをオフすることによって、主制御装置261から、遊技球を発射可能な状態である旨の発射許可状態信号を受信しなくても、遊技者が遊技球の発射を停止している可能性が高い状況において、開放予告報知を行わない状態(報知停止状態)とすることができる。従って、サブ制御装置262が発射許可状態信号を受信しなくても、遊技球を発射していないのに開放予告報知が導出されてしまうといった事態を抑制することができる。
また、大当たり状態中は、保留されている変動表示が消化されることはないものの、遊技球が第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bに入球すれば、それに対応して変動表示が保留記憶されることとなる。つまり、大当たり状態中は、オーバー入賞が発生する可能性が高く、大当たり状態が発生した段階で、大当たりとされた変動表示よりも後に保留された変動表示の数が多いほど、オーバー入賞する可能性がより高められることとなる。このため、大当たり期待度の高い演出が発生した場合には、遊技球の発射が控えられることとなる。さらに、大当たり期待度の高い演出に集中したい、或いは、大当たり期待度の高い変動表示が長く、その間にオーバー入賞することは避けたいといった遊技者感情によっても、大当たり期待度の高い演出中は遊技球の発射が控えられる可能性が高い。
この点、上記実施形態のように、変動表示が開始されてから当該変動表示が終了することなく、遊技モードに対応して予め設定された規定時間を超えた場合、又は、連続予告が行われている場合、或いは、先読み保留アイコン463による先読み保留演出が導出されている場合のように、大当たりへの期待度が高まる特定演出が導出されている場合、又は、かかる特定演出が導出されている可能性の高い状態では、報知有効フラグをオフすることによって、主制御装置261から発射許可状態信号を受信しなくても、遊技者が遊技球の発射を停止している可能性が高い状況において、開放予告報知を行わない状態(報知停止状態)とすることができる。その場合には、主制御装置261がサブ制御装置262に発射許可状態信号を送る処理や、かかる信号に基づくサブ制御装置262の処理を省略することができ、制御の簡素化が図られる。
但し、高入球状態(確変モード、時間短縮モード)では、特定演出が導出されても遊技球を発射させ続ける遊技者も多いことから、高入球状態では、遊技球が発射されているからといって特定演出が導出されていないといえる可能性が低くなる。このため、少なくとも、高入球状態では、特定演出が導出されているか否かを判別して、導出されていると判別された場合に、開放予告報知が(通常通りには)導出されない報知停止状態とされるように構成することが望ましい。
(c)上記実施形態では、特別表示装置43a、43bにおける変動表示が開始されてから規定時間経過するといった、装飾図柄表示装置42において大当たり期待度の高い特定演出が導出されている(可能性が高い)場合、及び、装飾図柄表示装置42において連続予告演出や先読み保留演出といった特定演出が導出されている場合に、開放予告報知が行われない報知停止状態とされるように構成されているが、特定演出の対象となる演出の種別は特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。
例えば、変動表示が開始されてからの時間に応じて報知停止状態をすることを止めて、スーパーリーチが行われる場合にオンされるフラグを設けて、該フラグがオンされている場合に報知停止状態とするように構成してもよい。また、例えば、上記実施形態では、種類を問わず、先読み保留アイコン263が装飾図柄表示装置42に導出されているだけで、報知停止状態とされるように構成されているが、先読み保留アイコン263の全ての種別に関して報知停止状態としなくてもよく、例えば、大当たり期待度の高い先読み保留アイコン463が導出された場合にのみ(例えば、白→青→黄色→緑→赤の順に大当たり期待度が高くなる構成において緑及び赤が導出された場合のみ)、報知停止状態とするように構成してもよい。
さらに、例えば、演出ボタン125を使用したボタン演出を特定演出とし、ボタン演出が導出された場合には報知停止状態するように構成してもよい。この場合、遊技者に対して演出操作手段の操作が促されている状態において、かかる演出とは関係のない開放予告報知が行われることで、遊技者が、開放予告報知と、演出操作手段とを結びつけて考えてしまい、どうすればよいのか混乱してしまう、或いは、余剰に期待させてしまうといった事態を回避することができる。
(d)また、遊技球が発射されているか否かを、発射されている遊技球を直接検知することにより判別することとしてもよい。例えば、レール50の所定位置を通過する遊技球を検知可能な発射球検知センサを設け、発射球検知センサにより遊技球が正常に検知されている状態では開放予告報知が行われる報知機能状態とされ、検知されていない状態では報知停止状態とされるように構成してもよい。さらに、レール50の延在方向に沿って、発射球検知センサを一対で設け、検知の順番によって、遊技球がレール50を逆流していることを判別可能に構成してもよい。この場合、遊技球を遊技領域に発射させたくてもさせることができない状態のときに、開放予告報知が行われることで、遊技者に不快感を与えてしまうといった事態を回避することができる。また、「空打ち」であることを判別することもでき、かかる状態に対応して報知停止状態とすることも可能である。
(e)上記実施形態では、サブ制御装置262が、主制御装置261を介して、発射装置60が遊技球を発射可能な状態である旨の発射状態情報(発射許可状態信号)を入力可能な構成を利用して、遊技球が発射されていない状態では開放予告報知を行わないようにしたり、遊技球が発射されている状態ではデモ画面表示が導出されないようにしたり構成しているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、前記発射状態情報を利用した処理を機種毎に追加・変更可能である。例えば、サブ制御装置262の通常処理(図32)の表示設定処理において、主制御装置261からの発射許可状態信号を受信しているか否かを判別し、当該判別で否定判別された場合には、装飾図柄表示装置42の変動表示においてカットイン演出やボタン演出等の特定の演出が追加され易くなるように構成してもよい。
つまり、遊技者はハンドル18から手を離して演出に集中できる状態にあるため、そのタイミングで演出をより積極的に行うことで、変動表示をより堪能してもらうことができる。従って、特定の演出の導出確率と、遊技者のハンドル18への操作状態との対応付けを行うことができ、極力、遊技者の状態に合わせた演出を導出することができる。また、例えば、遊技者が右手で操作するような演出操作手段を設ける構成において、ハンドル18を操作している状態において、遊技者に対し演出操作手段の操作を要請する演出を導出する場合には、遊技者にハンドル18から手を離す等の判断を仰ぐこととなり、遊技者に焦りの気持ちを与えてしまったり、ハンドル18の操作ミスを誘ってしまったりすることが懸念されるが、ハンドル18への操作状態によってかかる演出を導出させるか否かを判断することによって、上記不具合を抑制又は回避することができる。
さらに、特定の演出が、大当たり期待度がある程度高められる演出である場合に、操作手段の操作状態に基づいて、遊技者がかかる演出に興味があるか否か(タッチ信号があるか否か)を判断し、演出の内容(展開)を決定するように構成してもよい。例えば、ハンドル18から手を離して熱心に演出を見ていることが考えられる状態では(演出ボタン125等の操作が検知された場合には熱心に演出を見ていることがより確実に把握される)、より細かな演出(ミニキャラなどの表示オブジェクトの増加、演出のカット割りの増加等)が導出され易くなるように構成してもよい。
尚、ハンドル18を操作していることに起因して、前記特定の演出を導出させないことが決定された場合に、代わりとなる演出が導出されるように構成されることが望ましい。
加えて、高入球状態では、低入球状態よりも、サブ制御装置262が発射許可状態信号を受信している場合の前記特定の演出を導出させる確率が高く設定されていることとしてもよい。つまり、遊技球を発射させ続けることが考えられる高入球状態では、遊技球が発射されていても、特定の演出が導出されるように構成することによって、折角の特定の演出を導出させる機会が失われてしまう、又は、著しく低下してしまうといった事態を回避することができる。
(f)また、上記実施形態では、図50に示すように、発射制御回路312から主制御装置261に対し、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号を受信していることをまとめて伝える発射状態信号が送信されるように構成されているが、これらを個別に送信するように構成してもよい。さらに、ダイヤル位置信号についても主制御装置261に送信されるように構成してもよい。
これらの各種信号(或いは、これらに対応する情報)を個別に出力する場合には、主制御装置261は、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号、及び、ダイヤル位置信号(或いは、これらに対応する情報)を個別にサブ制御装置262に出力することができ、かかる個別情報を利用してより細かな演出や報知を行うことが可能となる。例えば、サブ制御装置262において、タッチ信号があり、発射スイッチ信号がない場合には、「ストップレバー18aから手を離すと遊技球が発射されます」等といった初心者向けのアナウンスを行うことも可能となる。また、例えば、CRユニット接続信号が受信されていなければCRユニットに接続されていないことを示すエラー制御を行うことができる。さらに、例えば、タッチ信号が受信されていないにもかかわらず、ダイヤル位置信号が受信されていたり、ダイヤル位置信号が受信されていないにもかかわらず、発射スイッチ信号が受信されていたりする場合のような、ハンドル18の故障等が疑われる状態であることの報知制御を行うことができる。尚、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号、及び、ダイヤル位置信号(或いは、これらに対応する情報)のうち、発射制御回路312から主制御装置261に出力される信号、及び、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号、及び、ダイヤル位置信号(或いは、これらに対応する情報)のうち、主制御装置261からサブ制御装置262に出力される信号は、機種毎に適宜設定可能である。
また、主制御装置261、及び、サブ制御装置262がダイヤル位置信号(或いはこれに対応する情報)を受信可能な構成とする場合、サブ制御装置262によって制御される装飾図柄表示装置42等において、遊技球の打出しの強さを改めてもらうことができる。すなわち、例えば、遊技モードに応じて遊技球の打出し位置が変化する構成において、遊技領域の右側方領域に遊技球を打ち出してもらう遊技モードにおいて左側方領域に遊技球が打ち出される強さのダイヤル位置信号を検知した場合に「右打ちしてください」等というアナウンスをし、左側方領域に遊技球を打ち出してもらう遊技モードにおいて右側方領域に遊技球が打ち出される強さのダイヤル位置信号を検知した場合に「左打ちに戻してください」等というアナウンスを導出させることが可能となる。従って、遊技者の遊技のアシストをより細かく行うことができる。また、例えば、遊技モードや遊技状態に応じて望ましい遊技球の打出し位置(強さ)が変化するような構成において、例えば、遊技領域の望ましくない位置に配置された所定の入球手段への入球(又は通過)が検知されることで、打ち出し位置を改めてもらうアナウンスを行う構成に比べ、発射された遊技球が無駄になってしまうといった事態を抑制することができる。
尚、例えば、通常モードでは遊技領域の左側方領域に遊技球を打ち出し、大当たり状態では遊技領域の右側方領域に遊技球を打ち出す構成(例えば、可変入賞装置32が右側方領域に設置されている)において、主制御装置261は、大当たり状態へと移行する際に、「右打ち」の強さのダイヤル位置信号とされるまで、大当たり状態への移行を待機させ、サブ制御装置262は、当該待機中であることを示すアナウンス(例えば、「・・・モード待機中です。「右打ち」をすれば・・・モードが開始されます。」等)を装飾図柄表示装置42等で導出するように構成してもよい。この場合、遊技状態と、遊技球の発射強さ(打出し位置)との不一致に起因する遊技者の不利益を抑制するとともに、移行する筈の遊技状態が、前記不一致が原因で開始されないことへの遊技者の戸惑いを解消することができる。
尚、主制御装置261の変動表示設定処理(図20)における各種変動パターンの設定処理に際して、発射制御回路312から発射状態信号を受信しているか否かを判別し、当該判別で否定判別された場合には、変動時間が長いものが選択され易くなるように構成してもよい。また、発射制御回路312の細かな構成についても特に限定されるものではなく、例えば、電源回路313とは別の基板に設けられてもよいし、条件送信回路564と、許可受信回路565とが区別されないような構成としてもよい。
加えて、上記実施形態では、ハンドル18のストップレバー18aを操作することで、ストップスイッチ1455(押圧操作部1456)が押圧操作され、発射制御回路312への発射スイッチ信号が途切れるといった構成に応じて、発射制御回路312は、発射スイッチ信号を受信していることによって、ストップレバー18aが操作されていない(遊技球の発射を停止させる操作が行われていない)ことを判別可能に構成されているが、例えば、ストップレバー18aが操作され、停止操作検知手段としてのストップスイッチ1455(押圧操作部1456)が押圧操作された場合に、発射スイッチ信号が出力される構成とし、発射スイッチ信号を受信していないことに基づいて、ストップレバー18aが操作されていないことを判別可能に構成してもよい。
(g)開放予告報知の態様については特に限定されるものではなく、例えば、第2始動入賞装置33bの一対の羽根部材37を開閉動作させたり、装飾図柄表示装置42(例えば表示部の右下部)でも、開放予告報知が行われるように構成したりしてもよい。但し、開放予告報知の対象とされる第2始動入賞装置33b、或いは、その近傍部位において、開放予告報知がなされることが望ましい。
また、始動入賞ユニット401の構成は特に限定されるものではなく、少なくとも第2始動入賞装置33bを備えていればよい。例えば、疑似羽根部材431を省略することも可能である。但し、始動入賞ユニット401において、第2始動入賞装置33bが開状態とされていることや、第2始動入賞装置33bがもうすぐ開状態とされることを報知(開放予告報知)することのできる構成を備えることが望ましい。例えば、前装飾部403において、光を側方から入射させることで、光を入射させた部位にクジラの前肢を模した態様が浮かび上がるように構成してもよい。より具体的には、前装飾部403の所定範囲に対し、前装飾部403に対して側方から入射した光の反射角度が、その他の部位とは異なるようにする(前装飾部403内で全反射せず、前方に照射されるような導光板とする)加工を行う。そして、上記実施形態において発光部445を発光させていたタイミングで、かかる導光板を発光させるように構成してもよい。
尚、遊技球が第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bに入球したことのリアクション(上記例では、入賞効果音)や、第2始動入賞装置33bが開状態とされていることのリアクション(上記例では、発光部445の発光)についても特に限定されるものではなく、例えば、遊技球が第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bに入球した場合にも発光部445を発光させてもよいし、第2始動入賞装置33bが開状態とされている場合に、疑似羽根部材431を小さく往復動させるように構成してもよい。
(h)さらに、上記実施形態では、報知停止状態において開放予告報知が一切行われないように構成されているが、開放予告報知のうち一部が行われるように構成してもよいし、同じものを控えめにして行われるように構成してもよい。例えば、報知機能状態では、始動入賞ユニット401の発光部445及び疑似羽根部材431と、装飾図柄表示装置42と、スピーカSPとによって第1開放予告報知が行われ、報知停止状態では、始動入賞ユニット401の発光部445のみによる第2開放予告報知が行われるように構成してもよい。この場合、第2開放予告報知をそれ程目立たなくすることも可能であるため、開状態とされた第2始動入賞装置33bに遊技球が入球している様子を見ることが好きな遊技者と、装飾図柄表示装置42の大当たり期待度の高い特定演出に集中したい遊技者との両方に満足してもらう構成とすることができる。
(i)上記実施形態において、疑似羽根部材431を使用した演出や、疑似羽根部材431を動作させることとなる契機等についても特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。
例えば、装飾図柄表示装置42において、確変大当たりであることが未だ教示されていない出玉有り大当たり中において、演出ボタン125の操作が行われた場合に、疑似羽根部材431を機能位置とするか否かの大当たり中疑似開放抽選を行うように構成してもよい。さらに、通常大当たり時に参照されるテーブルは、疑似羽根部材431を40度程度機能位置側に変位させる小変位パターン(例えば35%)と、疑似羽根部材431を機能位置まで変位させる大変位パターン(例えば5%)と、変位しないパターン(例えば60%)とに振り分けられ、一方、確変大当たり時に参照されるテーブルは、小変位パターン(例えば45%)と大変位パターン(例えば10%)と、変位しないパターン(例えば40%)と、確変大当たりへの昇格演出が確定する確定パターン(例えば5%)とに振り分けられるように構成してもよい。
尚、上記実施形態では、羽根部材37や疑似羽根部材431をモータによって動作させているが、ソレノイド等の別の駆動手段を使用して動作させてもよい。さらに、上記実施形態では、一対で設けられる羽根部材37や疑似羽根部材431に対してモータを1対1で設けているが、例えば、1つの駆動手段で一対の羽根部材37や疑似羽根部材431を動作させることができるように構成してもよい。尚、上記実施形態のように、疑似羽根部材431に対して疑似側モータ432を1対1で設ける場合には、疑似羽根部材431を使用した演出に際し、一対の疑似羽根部材431うち一方だけを動かしたり、左右で別々の動作をさせたりすることも可能である。
(j)上記実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球し易さに関する構成について、低入球状態における第2始動入賞装置33bの開放時間を遊技球の入球が十分に見込める1秒に設定したり、低入球状態であっても、普通図柄表示装置41における変動表示時間を高入球状態時と同じ(1.86秒)としたり、入球サポート抽選における当選確率を約1/7.5程度としたり、始動入賞ユニット401のベース板402にスライダー411を設けたりして、低入球状態においても第2始動入賞装置33bに遊技球を入球させ易くしているが、これらの構成は特に限定されるものではない。例えば、低入球状態において入球サポート抽選に当選した場合に第2始動入賞装置33bが2回、0.6秒間ずつ開放されるように構成してもよいし、時間の上限をなくして入賞個数の上限だけを設定してもよいし、スライダー411を省略することとしてもよい。
また、上記実施形態において、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球した場合に導出される第1始動入賞効果音よりも、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した場合に導出される第2始動入賞効果音の方が大きく設定されていることとしてもよい。この場合、第2始動入賞装置33bが開状態とされ、遊技球が第2始動入賞装置33bに入球していることをより積極的にアピールすることができる。
(k)上記実施形態では、発射装置60の発射のタイミング(発射の間隔)を主制御装置261が決定しているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、発射制御回路312の駆動用IC561によって、発射タイミング(発射の間隔)を計るように構成してもよい。この場合、主制御装置261の制御負担の抑制を図ることができる。
また、上記実施形態では、開放予告報知は、第2始動入賞装置33bが開状態とされる0.7秒前に導出されるように構成されているが、開放予告報知が行われてから、第2始動入賞装置33bが開状態とされるまでの時間が、遊技球が発射装置60に発射されてから、第2始動入賞装置33bに至るまでに要する時間(到達時間)よりも短くなっていればよい。
(l)装飾図柄表示装置42において表示される保留アイコン461の態様や表示位置や先読み保留アイコン463を利用しての先読み保留演出等は機種毎に適宜設定可能である。また、上記実施形態では、保留アイコン461の態様では、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらへの入球に基づく変動表示なのかが教示されない構成となっているが、例えば、保留アイコン461が第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応するものであるかの情報を有するような態様となる、或いは、そのような態様となる場合がある(所定の抽選に当選するなど所定条件が成立した場合、又は、遊技者の所定の入力操作が行われた場合、或いは、かかる入力操作が行われた状態において所定条件が成立した場合にかかる態様が導出される)ように構成してもよい。
また、上記実施形態において、装飾図柄表示装置42の複数箇所への物体の近接又は当接を検知可能であり、サブ制御装置262の入出力ポート554に接続される近接検知手段(例えば、発光部及び受光部を有する近接検知センサやタッチパネル等)を設けることとしてもよい。例えば、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462に表示された先読み保留アイコン463に対し、遊技者が指等を近接させた場合に、かかる指等の検知に基づいて、かかる先読み保留アイコン463の態様が変化したり移動したりする場合があるように構成してもよい。この場合、保留アイコン461への関心を向上させたりすることができる。
(m)上記実施形態において、第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した場合(第1始動入賞スイッチ224aや第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合)に対応する演出(報知)としては特に限定されるものではなく、例えば、入賞効果音の導出とともに始動入賞ユニット401の発光部445が発光するように構成してもよい。尚、報知有効フラグがオフされている状態でも、第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bに遊技球が入球したことに対するリアクションとして何らかの演出を行うことが望ましい。また、報知有効フラグがオフされている場合には、入賞効果音の導出を止めて、発光部445の発光だけとしてもよい。この場合、特定演出が導出されている場合等において、かかる特定演出により集中してもらい易くすることができる。
また、例えば、羽根部材37が開位置へと変位する場合にも効果音を付ける(大当たり状態中や装飾図柄表示装置42におけるリーチ演出中等は除外、或いは、ボリュームを下げる等してもよい)ように構成してもよい。
(n)上記実施形態では、開放報知予告の対象が第2始動入賞装置33bとされているが、例えば可変入賞装置32等の開閉手段を有するその他の入賞手段に具体化することも可能である。
また、上記実施形態では、可変入賞装置32の数が1つであったが2つ設けてもよい。さらに、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変入賞装置32等の配置、数についても特に限定されるものではなく、機種毎に適宜配置可能である。加えて、第2始動入賞装置33bは、閉状態でも遊技球が入球可能となるように構成してもよい。
(o)上記実施形態において、パチンコ機10と、遊技機メーカー等が運営するサーバとの間で、遊技者の所有する通信携帯端末等を介して、データのやりとり(所謂、モバイル連動遊技)を行えるように構成してもよい。さらに、モバイル連動遊技を終了させる場合に、今回の遊技情報を含む2次元コードを装飾図柄表示装置42に表示させ、遊技者がかかる2次元コードを携帯通信端末で読取るとともに、該携帯通信端末でサーバにアクセスすることで、前記遊技情報がサーバに送信される構成において、パチンコ機10は、特別表示装置43a,43bの変動回数をカウントする変動回数カウンタや、各種大当たり状態の発生回数をカウントする大当たりカウンタ等を備え、モバイル連動遊技の終了に際して装飾図柄表示装置42で表示される2次元コードに、各種前記カウンタの値を示す情報が含まれるように構成されていることとしてもよい。さらには、遊技球の発射総数の情報、導出された演出の種別、及び、その回数、遊技者がボタン演出中に演出ボタン125を操作した回数等についても、該2次元コードに含ませることとしてもよい。この場合、遊技機メーカー側で、遊技状況を把握することができる。
尚、上記カウンタの値は、2次元コード化されることで消去され、それ以外は(電源が落とされたとしても)蓄積されることとしてもよい。また、疑似羽根部材431の挙動パターンの傾向について、(モバイル連動遊技を行っている遊技者に関し、)遊技者が数種類のうちから選択することが可能に構成してもよい。
(p)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の可変入賞装置32の開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。例えば、可変入賞装置32が「2RS」の大当たり状態と同様の動作をするとともに、大当たり状態終了後に「通常モード」が付与される大当たりを設定してもよい。また、上記実施形態では、「2RS」の大当たり状態終了後に「潜確モード」が付与されるが、それに代えて、「確変モード」が付与されるように構成してもよい。
尚、装飾図柄表示装置42において、出玉有りの確変大当たり(15RS)に当選したことについての教示が、遅くとも対応する大当たり状態が終了するまでの間に必ず行われるように構成してもよいし、対応する大当たり状態が終了しても行われない(内部的に確変モードである場合でも、装飾図柄表示装置42では、時間短縮モードと同じ引き戻しステージに移行し、時間短縮モードにおいて特別表示装置43a、43bの変動表示が時間短縮モードの上限回数(100回)を超えた場合に、確変ステージに移行するように構成してもよい。
加えて、上記実施形態では、当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される高入球状態の期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。
さらに、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選においても、「小当たり」に当選する場合があるように構成してもよいし、「小当たり」を省略してもよい。
また、入球サポート抽選における当選確率や、当選した場合の第2始動入賞装置33bの開閉パターン等についても、機種毎に適宜設定可能である。例えば、第2始動入賞装置33bへの1回の開放における遊技球の入賞上限を設定することとしてもよい。より具体的には、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球が入賞上限となるまでの数をカウントする始動入賞上限カウンタを設け、第2始動入賞装置33bを開放する場合に、始動入賞上限カウンタに対して、入賞上限に対応する値を設定し、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合に、始動入賞上限カウンタの値を1減算する処理を行い、第2始動入賞装置33bの開状態中において、閉状態とするタイミングが未だ到来していない場合であっても、始動入賞上限カウンタの値が「0」になった場合には、直ちに第2始動入賞装置33bを閉状態とするように構成してもよい。
上記実施形態において、入球サポート抽選に当選した場合に、第2始動入賞装置33bが1秒間開状態とされる小開放と、第2始動入賞装置33bが4秒の経過、又は、第2始動入賞装置33bに遊技球が4個入球するまでを上限として開状態とされる第開放とのどちらかが付与されるように構成され、小開放の場合には、上記実施形態のように、第2始動入賞装置33bの開放の0.7秒前に開放予告報知が行われ、大開放の場合には、第2始動入賞装置33bの開放の8秒前に開放案内が行われるように構成してもよい。この場合、大開放の開放案内を認知してから遊技球を発射させても十分にかかる遊技球を第2始動入賞装置33bに入球させることが見込める。
(q)上記実施形態では、既に保留されている第1変動表示よりも後に保留された第2変動表示が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、第2変動表示が第1変動表示よりも優先的に消化されるよう構成されているが、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく第1変動表示、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく第2変動表示のどちらであるかに関係なく、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球順に、対応する変動表示が保留され、先に保留された変動表示から順に消化されるように構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、付与され得る大当たり種別の振分け割合が異なるように構成されているが、同一となるように構成してもよい。加えて、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球があった場合と、第2始動入賞装置33bへの入球があった場合とで、遊技者に付与される賞球の数が異なるように構成されているが、同一となるように構成してもよい。
(r)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS209〜ステップS218で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201〜ステップS208で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(s)上記実施形態において、特別図柄の変動表示の開始時に、当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否か等を再度確認し、当該確認処理の結果(当否フラグ等の状態)に応じて大当たり状態を発生させるか否かや、変動表示のパターン等が決定されるように構成してもよい。
(t)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検知手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特別始動手段と、特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、特別始動検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
A.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
また、始動入球手段として、例えば、遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態とに状態変化する可変入球手段を備える構成において、可変入球手段が開状態とされる少し前に、可変入球手段が開状態とされることを示す開放予告報知を導出して、可変入球手段が開状態とされている様子、さらには、開状態とされた可変入球手段に遊技球が入球している様子を遊技者に認識してもらい易くする(例えば、可変入球手段に対して遊技球が入球し易くなっていることをアピールする)といった技術がある。
ところで、一般に、可変入球手段は、特定の契機に基づいて行われる入球サポート抽選に当選した場合に開状態とされる構成であって、特定の契機が発生してから、可変入球手段が開状態とされるまでの間にタイムラグが生じる(入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われ、かかる変動表示の停止表示後に、可変入球手段が開状態とされる)ようになっている。
このため、遊技球が発射されていない状況であっても、可変入球手段が開状態とされる可能性がある。つまり、遊技者が遊技球を発射させる必要がないと判断して遊技球の発射を停止させているにもかかわらず、前記開放予告報知が行われる場合があり、遊技者に不快感を与えてしまうことが懸念される。特に、開放予告報知を認知してから遊技球を発射させても、かかる遊技球が可変入球手段に到達する前に閉状態とされる等といった構成である場合には、かかる懸念がより一層強くなるおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者の気分を害するようなタイミングで開放予告報知が導出されることを抑制することのできる遊技機を提供することにある。
手段A−1.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成された可変入球手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球を検知する可変入球検知手段とを備え、
前記可変入球検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行う当否抽選処理、及び、遊技者に遊技価値を払い出す賞球処理のうち少なくとも一方が行われる遊技機であって、
前記可変入球手段が前記開状態とされる場合に、前記可変入球手段が前記開状態とされるよりも前に、前記可変入球手段が前記開状態とされることを示す開放予告報知を導出可能な開放予告報知手段と、
前記開放予告報知手段による前記開放予告報知が行われる報知機能状態と、前記開放予告報知が行われない報知停止状態とに状態変化させる報知状態変化手段とを備え、
前記発射手段により遊技球が発射されている発射状態から、発射されていない発射停止状態、又は、発射されていない可能性が高い状態として予め設定された発射停止相当状態へと変化することで、前記報知状態変化手段により前記報知機能状態から前記報知停止状態へと状態変化可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段A−1によれば、開放予告報知を導出することで、可変入球手段が開状態とされる様子、さらには、開状態とされた可変入球手段に遊技球が入球している様子を遊技者に認識してもらい易くすることができる。このため、例えば、可変入球手段が比較的開状態とされ易くなるような遊技設計を行った場合に、可変入球手段に対して遊技球が入球し易くなっていることをアピールすることができる。従って、遊技者に対し、あの遊技機は遊技し易い等の印象を持ってもらうことができ、リピーターの増加や、1回の遊技時間の増加等の促進を図ることができる。また、遊技球の球筋が可変入球手段から大幅にずれている場合には修正してもらったりすることができる。
その一方で、遊技者が遊技球を発射させる必要がないと判断して(遊技球を発射させていない間にも可変入球手段が開状態とされることも承知のうえで)遊技球の発射を停止させているにもかかわらず、開放予告報知が行われることで可変入球手段が開状態とされることがアピールされ(開状態とされる可変入球手段に注意を向けることを無理強いされ)、遊技者に不快感を与えてしまう(遊技者が損をしていることを報知しているかのような嫌味に捉えられる)といった事態を回避することができる。特に、開放予告報知を認知してから遊技球を発射させたのでは意味がない、或いは、遊技者が遊技球を発射しないと判断した状態からわざわざ遊技球を発射させるほどの効果がない等といった状況で開放予告報知が行われてしまうことで、遊技者の感情を逆なでし、かかる開放予告報知が目障り、耳障りに捉えられてしまうといった事態を回避することができる。従って、開放予告報知を行うことに起因する興趣の低下を抑制することができる。
尚、「前記遊技領域の所定部位を通過する遊技球を検知可能な通過検知手段を備え、
前記主制御手段は、前記通過検知手段の検知に基づいて、前記可変入球手段を前記開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うとともに、前記入球サポート抽選にて当選した場合に前記可変入球手段を前記開状態とさせる構成であって、
前記入球サポート抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる普通表示手段を備え、
前記普通表示手段において、前記入球サポート抽選に対応する変動表示が行われるとともに、当該変動表示の停止態様によって、前記入球サポート抽選に当選した旨の教示がなされた場合に、前記可変入球手段が前記開状態とされること」としてもよい。
当該構成を採用する場合、通過検知手段の検知と、該検知に基づいて可変入球手段が開状態とされるタイミングとの間のタイムラグが生じることから、遊技球が発射されていない状態で可変入球手段が開状態とされる機会が増加する。この点、手段A−1の構成を採用することによって、開放予告報知が遊技者にとって好ましくないタイミングでも導出されてしまうといったことを回避することができるといった作用効果がより顕著に奏されることとなる。
手段A−2.前記開放予告報知が導出されてから、前記可変入球手段が前記開状態とされるまでの予告後時間は、
遊技球が前記発射手段によって発射されてから、当該遊技球が前記可変入球手段に到達するまでの到達時間よりも短く設定されていることを特徴とする手段A−1に記載の遊技機。
手段A−2によれば、開放予告報知を受けて、慌てて遊技球を発射させたとしても、該遊技球が可変入球手段に到達するよりも前に可変入球手段が閉状態とされることとなる。つまり、遊技球を発射させていない状態で開放予告報知が行われたとしても、遊技球を可変入球手段に入球させることが不可能であることから、このような状況で開放予告報知を行った場合には、興趣の著しい低下を招くことが懸念される。この点、上記手段A−1のように、例えば、遊技球が発射されていなければ開放予告報知を導出しないといった構成を採用することで、かかる懸念を払拭することができる。
また、例えば、予告後時間が、到達時間よりも長い場合、可変入球手段が開状態とされる可能性がある状態において、遊技球を発射させることを止め、開放予告報知を確認してから、遊技球を発射させるという止め打ち操作を行うことで、可変入球手段に入球しない遊技球を減少させることができる。このため、止め打ち操作を行う遊技者と、行わない遊技者との間で、遊技を進行させる上での有利不利の差が比較的大きくついてしまうことが懸念される。この点、手段A−2のように、予告後時間を到達時間よりも短くすることで、上記止め打ち操作を抑制することができ、上記懸念を抑制することができる。
手段A−3.遊技者が操作可能な位置に固定される基部と、
前記基部に対して相対変位可能に組み付けられた操作部と、
遊技者が手で前記操作部を操作する際に遊技者の手が触れる位置に設けられ、導電性を有する材料で構成されたタッチ部と、
前記操作部の前記基部に対する相対位置が所定の基準位置となるよう前記操作部に付勢力を付与する付勢手段と、
前記操作部の変位量を検知可能な変位量検知手段と
を具備する操作手段と、
遊技者が前記タッチ部へ接触したことを検知可能なタッチ検知手段とを備え、
前記発射手段は、前記タッチ検知手段により前記タッチ部への接触が検知されている場合に、前記変位量検知手段により検知された前記操作部の変位量に応じた強さで遊技球を発射させる構成であって、
前記タッチ検知手段により前記タッチ部への接触が検知されていない場合には、前記報知停止状態とされることを特徴とする手段A−1又はA−2に記載の遊技機。
手段A−3によれば、遊技者が操作手段を操作していない(遊技者が操作手段のタッチ部に触れていない)状態では、報知停止状態とされることから、例えば、遊技者が遊技球を発射させる必要がないと判断して意図的に操作手段から手を離している状態において、開放予告報知が行われることで、遊技者に不快感を与えるといった事態を回避することができる。特に、手段A−2の構成のように、開放予告報知が導出されてから慌てて操作手段を操作して遊技球を発射させても、該遊技球を可変入球手段に入球させることが不可能である場合に、かかる作用効果がより顕著に奏されることとなる。
手段A−4.前記操作手段は、遊技者が操作可能な位置に設けられ、遊技者による操作が行われている場合に前記発射手段による遊技球の発射が停止される停止操作手段を備え、
前記停止操作手段が操作されている場合には、前記報知停止状態とされることを特徴とする手段A−3に記載の遊技機。
手段A−4によれば、遊技者が停止操作手段を操作している状態では、報知停止状態とされる。従って、遊技者が遊技球を発射させる必要がないと判断し、意図的に停止操作手段を操作して遊技球の発射を止めている状態において、開放予告報知が行われることで、遊技者に不快感を与えるといった事態を回避することができる。
尚、「前記停止操作手段が操作されていないことを検知可能な非停止操作検知手段を備え、前記非停止操作検知手段による検知が行われている場合には、前記報知停止状態とされること」としてもよいし、「前記停止操作手段が操作されていることを検知可能な停止操作検知手段を備え、前記停止操作検知手段による検知が行われていない場合には、前記報知停止状態とされること」としてもよい。
手段A−5.前記操作部が基準位置にある場合に、前記停止操作手段を操作位置側に変位させる強制停止手段を備え、
前記操作部が前記基準位置から所定量変位することで、前記停止操作手段が非操作位置に変位することを特徴とする手段A−4に記載の遊技機。
手段A−5によれば、操作部が基準位置にある場合、停止操作手段が強制停止手段によって操作位置に変位させられることとなる。このため、報知状態変化手段が変位量検知手段による変位量情報を得なくても、非停止操作情報が入力されていないことに基づいて、遊技球が発射されていないことを確実に把握することができる。従って、報知状態変化手段が変位量情報を確認するといった処理を行わなくても済み、制御の簡素化等を図ることができる。
手段A−6.前記タッチ部は、前記操作部において、少なくとも前記操作部を変位させるにあたって遊技者の手が触れる位置に設けられ、
前記操作手段は、前記タッチ検知手段と電気的に接続されているタッチ接続手段を備え、
前記操作部が基準位置にある場合には、前記タッチ部と前記タッチ接続手段とが電気的に絶縁され、
前記操作部が前記基準位置から所定量変位することで、前記タッチ部と前記タッチ接続手段とが電気的に接続されることを特徴とする手段A−3乃至A−5のいずれかに記載の遊技機。
手段A−6によれば、操作部が基準位置にある場合、タッチ部とタッチ接続手段とが電気的に絶縁されている。このため、報知状態変化手段が変位量検知手段による変位量情報を得なくても、タッチ情報が入力されていないことに基づいて、遊技球が発射されていないことを確実に把握することができる。従って、報知状態変化手段が変位量情報を確認するといった処理を行わなくても済み、制御の簡素化等を図ることができる。
手段A−7.前記操作手段は、電気的に接地されているとともに、前記タッチ接続手段とは電気的に絶縁されているアース接続手段を備え、
前記操作部が基準位置にある場合には、前記タッチ部と前記アース接続手段とが電気的に接続され、
前記操作部が前記基準位置から所定量変位することで、前記タッチ部と前記アース接続手段とが電気的に絶縁されることを特徴とする手段A−6に記載の遊技機。
手段A−7によれば、操作部が基準位置にある場合、タッチ部とアース接続手段とが電気的に接続されている。このため、遊技者が遊技を開始するにあたって操作部に触れた際に、かかる遊技者に静電気が帯電している場合であっても、遊技者に帯電していた静電気がタッチ検知手段側に流れることなく、アース接続手段を介してアースへと逃がされるようになっている。従って、遊技者が操作部に触れた際に、タッチ検知手段を具備するタッチ検知回路に対して静電気に基づく高電圧が印加されてしまうといった事態を抑止することができ、静電気に起因するタッチ検知回路等への悪影響(静電破壊等)を抑止することができる。
手段A−8.前記発射手段により遊技球が発射されてない状態とされてから規定時間が経過したか否かを判別可能とする停止後時間判別手段を備え、
前記停止後時間判別手段により未だ前記規定時間が到来していないと判別される場合には前記報知機能状態が維持され、前記停止後時間判別手段により前記規定時間が到来したと判別された場合に前記報知停止状態とされることを特徴とする手段A−1乃至A−7のいずれかに記載の遊技機。
手段A−8によれば、発射手段による遊技球の発射を止めた直後は、その直前までに発射されていた遊技球が遊技領域の可変入球手段よりも上流側に位置している可能性があり、さらには、そのタイミングで可変入球手段が開状態とされた場合には、かかる遊技球が可変入球手段に入球する可能性がある。従って、遊技球が可変入球手段に入球するにもかかわらず開放予告報知が行われないといった事態を抑止することができる。結果として、遊技球が可変入球手段に入球する可能性があるタイミングでの開放予告報知を行う機会を増やすことができる。
尚、停止後時間判別手段による規定時間の計測は、発射手段の駆動が停止される契機を確認することで開始されるように構成してもよいし、発射手段の駆動が停止されたことを確認することで開始されるように構成してもよい。後者の場合には、発射手段に遊技球がセットされていない状態で発射手段が駆動する「空打ち」の状態でも報知機能状態とされるが、遊技者が「空打ち」に気付けばすぐに対処する(発射操作を止める、発射手段に遊技球をセットする)筈であることから、「空打ち」の状態で報知機能状態とされることの影響は少ない。
手段A−9.前記可変入球検知手段の検知に基づいて、前記当否抽選処理が行われる遊技機であって、
前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段と、
前記特別表示手段の変動表示に対応した演出が行われる演出手段とを備え、
前記演出手段において特定演出が導出されている場合には、前記報知停止状態とされることを特徴とする手段A−1乃至A−8のいずれかに記載の遊技機。
手段A−9によれば、特定演出の途中で、特定演出に何ら関係のない開放予告報知が行われることで、特定演出が阻害されてしまうといった事態を回避することができる。特に、開放予告報知は、可変入球手段が開状態とされることを示すものであり、特定演出は、可変入球手段への入球に基づいて行われる当否抽選の結果を教示する特別表示手段における変動表示に対応する演出である。つまり、特定演出にて、当否抽選にて当選するか否かについての示唆が行われる構成とする場合には、開放予告報知よりも、特定演出の方が遊技者にとってより重要な情報となるため、開放予告報知が特定演出に重複して(被って)導出されてしまうと、開放予告報知によって特定演出が阻害され、特定演出が分かり難くなったり、特定演出に集中できなくなったりしてしまうことが懸念される。この点、特定演出中には開放予告報知が行われないように構成することで、特定演出に集中し易くなり、特定演出をより堪能してもらうことができる。結果として、開放予告報知が特定演出に被って導出されることに起因する興趣の低下を回避することができ、開放予告報知にマイナスのイメージが付いてしまうといった事態をより確実に防止することができる。さらに、特定演出中に、開放予告報知が行われることで、当該開放予告報知を特定演出の一環(吉報)であると勘違いし、結果的に落胆に繋がってしまうといった事態を回避することができる。
また、特定演出が、特別遊技状態の発生期待度の高い演出である場合、遊技者は、当該特定演出に際して、遊技球の発射を控える(発射を停止する)ことが考えられる。つまり、特定演出が導出されている場合には、遊技球が発射されていない可能性が高い状態となる。従って、特定演出が導出されている状態を、「発射停止相当状態」とすることによって、報知状態変化手段の制御に関し、発射手段の発射状態を直接把握する制御を行わなくても、遊技球が発射されておらず、可変入球手段へ遊技球が入球する可能性がない、又は、非常に低いにもかかわらず、開放予告報知が行われてしまうといった事態を回避することができる。このため、例えば、上記手段A−2乃至A−8の構成を併用しないといった構成を採用することも可能であり、その場合には、発射手段の発射状態に基づいて報知状態変化手段の制御を行わなくても済むことによる制御の簡素化が図られる。
尚、「前記演出手段において、前記特別表示手段で行われている変動表示の結果を示唆する特定演出が導出されている場合には、前記報知停止状態とされること」としてもよい。この場合、遊技者にとって重要度の高い情報(特定演出)が導出されている最中に、それよりも重要度の低い情報(開放予告報知)が導出されることに起因する興趣の低下を回避するといった作用効果がより顕著なものとされる。
手段A−10.前記特別表示手段における識別情報の変動表示が開始されてから、当該識別情報の変動表示が終了することなく、規定時間が経過した場合に、前記報知停止状態とされることを特徴とする手段A−9に記載の遊技機。
一般的に、特別表示手段において、特別遊技状態に当選したことを教示する場合には、演出性の向上を図るべく、当選しないことを教示する場合よりも識別情報の変動表示の時間(変動時間)を長くするとともに、識別情報の変動表示の途中で、当選することが簡単に判別できないように、当選しない場合であっても、変動時間を長くする場合がある。さらに、演出手段においても、変動時間を延長した部分で、「特別遊技状態が発生する期待度の高い演出」を導出させるようになっている。
従って、手段A−10のように、見せ場である「特別遊技状態が発生する期待度の高い演出」を「特定演出」として、該演出の最中では、開放予告報知を行わない構成とすることで、かかる演出をより一層堪能してもらうことが可能となる。また、手段A−10では、「特別遊技状態が発生する期待度の高い演出」が導出されているか否かを、変動表示が開始されてから規定時間が経過したか否かで判別していることから、例えば、多種類の特定演出に関して、導出されたか否かの判定を共通の処理で行うことができる。従って、制御の簡素化等を図ることができる。
加えて、報知停止状態とされるのは、特定演出が導出される変動表示の開始時からではなく、特定演出が開始されてからとなっている。このため、変動表示が始まってすぐに可変入球手段が開状態とされたにもかかわらず、開放予告報知が伴わなかったことを認知されることに起因して、「特定演出」が導出されることを事前に把握されてしまうといった事態を回避することができる。
手段A−11.前記可変入球検知手段の検知が行われた場合に、前記特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段とを備える遊技機において、
前記可変入球検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報を記憶可能な記憶領域を複数有する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段とを備え、
前記特別表示手段における識別情報の変動表示中において、前記可変入球検知手段の検知が行われた場合には、当該検知に対応する前記識別情報の変動表示が、実行中の前記識別情報の変動表示後に行われる構成であって、
前記保留表示手段に表示されている前記保留表示に対して、当該保留表示に対応する前記識別情報の変動表示の内容を示唆可能な先読み保留演出を導出可能に構成され、
前記保留表示手段において前記先読み保留演出が導出された場合に、前記報知停止状態とされることを特徴とする手段A−9又はA−10に記載の遊技機。
手段A−11によれば、遊技者は、保留表示手段における特定演出としての先読み保留演出、及び、現在行われている特別表示手段の識別情報の変動表示(に対応する演出手段の演出)に集中し、堪能することができる。例えば、開放予告報知の効果音等を先読み保留演出の効果音と勘違いしてぬか喜びさせる等の事態を回避することができる。
尚、先読み保留演出の全ての種別に関して報知停止状態としなくてもよく、例えば、特別遊技状態の発生期待度の比較的高い先読み保留演出が導出された場合にのみ、報知停止状態とするように構成してもよい。
手段A−12.遊技者の操作可能な位置に設けられ、操作に応じて前記演出手段における演出態様を切替可能とする演出操作手段を備え、
前記演出操作手段の操作が、前記演出態様の切替えの契機として有効な演出操作有効状態においては、前記報知停止状態とされることを特徴とする手段A−9乃至A−11のいずれかに記載の遊技機。
手段A−12によれば、遊技者に対して演出操作手段の操作が促されている状態において、かかる演出とは関係のない開放予告報知が行われることで、遊技者が、開放予告報知と、演出操作手段とを結びつけて考えてしまい、どうすればよいのか混乱してしまう、或いは、余剰に期待させてしまうといった事態を回避することができる。
手段A−13.前記可変入球手段が所定時間あたりに前記開状態とされている時間が第1時間で設定されている第1入球状態と、
前記可変入球手段が前記所定時間あたりに前記開状態とされている時間が前記第1時間よりも長い第2時間に設定されている第2入球状態とが存在し、
少なくとも前記第2入球状態のときには、前記演出手段において前記特定演出が導出されている場合に前記報知停止状態とされることA−9乃至A−12のいずれかに記載の遊技機。
手段A−13のように第2入球状態が設定されている場合、第2入球状態では、特定演出が始まっても、遊技球を発射させ続けることが考えられる。つまり、遊技球を発射させ続けても、遊技球が第2入球手段に頻繁に入球することで、球減りが軽減されることにより、変動表示が途切れることの方が損失であると考える遊技者や、球減りではなく球が増えていると感じる遊技者は遊技球を発射し続けることとなる。従って、第2入球状態では、遊技球が発射されているからといって、特定演出が導出されている可能性が低いわけでもない。
このため、第1入球状態では、特定演出が導出された場合に、遊技球の発射が止められて、報知停止状態とされ、特定演出に集中できる状態となる可能性があるが、第2入球状態では、遊技球が発射され続け、特定演出が導出されていても開放予告報知が行われ、さらには、可変入球手段が開状態とされ易くなっている構成によって、開放予告報知の機会が大幅に増大する可能性があり、特定演出中に開放予告報知が頻繁に導出されことも考えられる。従って、少なくとも第2入球状態のときには、上記手段A−9のように、特定演出が行われている場合には、報知停止状態に切替える構成を採用することによって、特定演出をより一層堪能してもらうといった作用効果がより確実に奏されることとなる。
手段A−14.(前記可変入球検知手段の検知が行われた場合に、前記特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段とを備える遊技機において、)
前記可変入球検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報を記憶可能な記憶領域を複数有する保留記憶手段とを備え、
前記保留記憶手段の全ての前記記憶領域に前記当否関連情報が記憶されている状態において、前記可変入球検知手段の検知が行われた場合には、当該検知に対応する前記当否関連情報が記憶されない構成であって、
前記当否関連情報が記憶されている前記記憶領域の数が規定数以上である場合には、前記報知停止状態とされることを特徴とする手段A−1乃至A−13のいずれかに記載の遊技機。
手段A−14によれば、保留記憶手段に保留記憶することのできる当否関連情報の数には上限があるため、基本的に、当否関連情報の保留記憶の上限が近付いた場合には、その上限を超えないように、遊技球の発射を停止するといった操作が行われる。このように、遊技者が遊技球の発射を停止している可能性が高い状況において報知停止状態とすることによって、遊技球を発射していないのに開放予告報知が導出されてしまうといった事態を抑制することができる。
手段A−15.前記可変入球検知手段の検知が行われた場合に、遊技球が前記可変入球手段に入球したことを教示する可変入球教示手段を備え、
前記報知機能状態、及び、前記報知停止状態のどちらにおいても、遊技球が前記可変入球手段に入球した場合には、前記可変入球教示手段の教示が行われることを特徴とする手段A−1乃至A−14のいずれかに記載の遊技機。
手段A−15によれば、例えば、報知停止状態であるからといって、可変入球教示手段の教示を止めてしまった場合に、遊技者に対し、今回、可変入球手段に遊技球が入球した分の検知が確実になされたのかの不安を与えてしまうといった事態を回避することができる。
手段A−16.前記可変入球手段が前記開状態とされていることを教示する開状態教示手段を備え、
前記報知機能状態、及び、前記報知停止状態のどちらにおいても、前記可変入球手段が前記開状態とされている場合には、前記開状態教示手段の教示が行われることを特徴とする手段A−1乃至A−15のいずれかに記載の遊技機。
手段A−16によれば、例えば、報知停止状態であるからといって、開状態教示手段の教示を止めてしまった場合に、遊技者に対し、今回、開状態とされた可変入球手段に遊技球を入球させても、通常と変わりなく処理されるのかといった不安を与えてしまうといった事態を回避することができる。
手段A−17.前記可変入球検知手段の検知が行われた場合に、前記特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記主制御手段からの情報に基づいて各種制御を行うサブ制御手段と、
前記発射手段を駆動制御する発射制御手段とを備え、
前記開放予告報知手段は、前記サブ制御手段により制御される遊技機において、
遊技者が操作可能な位置に固定される基部と、
前記基部に対して相対変位可能に組み付けられた操作部と、
導電性を有する材料で構成されたタッチ部と、
前記操作部の前記基部に対する相対位置が所定の基準位置となるよう前記操作部に付勢力を付与する付勢手段と、
前記操作部の変位量を検知可能な変位量検知手段と、
遊技者が操作可能な位置に設けられ、遊技者による操作が行われている場合に前記発射手段による遊技球の発射が停止される停止操作手段と
を具備する操作手段と、
遊技者が前記タッチ部へ接触したことを検知可能なタッチ検知手段と、
前記停止操作手段が操作されていないことを検知可能な非停止操作検知手段とを備え、
前記発射制御手段は、前記変位量検知手段による変位量情報、前記タッチ検知手段によるタッチ情報、及び、前記非停止操作検知手段による非停止操作情報が入力可能に構成されるとともに、前記発射制御手段は、前記タッチ情報、及び、前記非停止操作情報が入力されている状態において、前記主制御手段に対し、前記タッチ情報、及び、前記非停止操作情報が入力されている状態であることを示す発射状態情報を出力可能に構成され、
前記主制御手段は、前記発射状態情報が入力されている状態において、前記発射制御手段に対し、前記発射手段による遊技球の発射を許可する発射許可情報を出力可能に構成され、
前記発射制御手段は、前記タッチ情報、前記非停止操作情報、及び、前記発射許可情報が入力されている状態において、前記発射手段により遊技球を前記変位量情報に応じた強さで発射させる構成であって、
前記主制御手段は、前記発射状態情報が入力されている状態において、前記サブ制御手段に対し、前記発射状態情報に関連する情報を出力可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−16のいずれかに記載の遊技機。
手段A−17によれば、主制御手段、及び、サブ制御手段は、発射状態情報やそれに関連する情報を入力することで、遊技球が発射されている状態であるのか否かを確実に把握することができる。また、主制御手段では、発射制御手段から、タッチ情報、及び、非停止操作情報がまとめられた発射状態情報を受けることから、発射制御手段に発射許可情報を出力したり、サブ制御手段に発射状態情報に関連する情報を出力したりする制御に際して、例えば、タッチ情報、及び、非停止操作情報が入力されているかをそれぞれ判断する等の必要がなくなり、制御の簡素化を図ることができる。尚、本手段では、サブ制御手段が報知状態変化手段を構成する。
手段A−18.前記可変入球手段は、当該可変入球手段への遊技球の入球を許容する開位置と、規制する閉位置との間で変位可能な羽根部材を備え、
前記羽根部材が前記閉位置にある状態において、前記羽根部材が前記開位置(前記閉位置以外の位置)に存在しているかのような疑似羽根開放態様を導出可能な疑似羽根開放手段を備え、
前記開放予告報知手段は、少なくとも前記疑似羽根開放手段を前記疑似羽根開放態様とさせることで、前記開放予告報知を行うことを特徴とする手段A−1乃至A−17のいずれかに記載の遊技機。
手段A−18によれば、可変入球手段が開状態とされることを事前に報知する開放予告報知が、可変入球手段自体において導出されることから、開放予告報知と、可変入球手段との結びつきをより強めることができる。また、開放予告報知は、少なくとも羽根部材が開位置に存在しているかのような疑似羽根開放態様を含むものとなることから、開放予告報知が、可変入球手段が開状態とされることの事前報知であることをより認識し易くすることができる。さらに、疑似羽根開放態様を導出しても、羽根部材が実際に開位置に変位するわけではないため、例えば、演出のために羽根部材を開位置としただけなのに、かかる開位置とされたタイミングで遊技球が可変入球手段へ入球してしまうといった事態を回避することができる。
B.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
また、各種遊技状態に応じて、表示装置の表示態様やスピーカの音声態様等が随時切替制御されている。ところで、所定の演出・報知状態の切替えタイミングによっては、遊技者の気分を害する場合がある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者の遊技状況に応じて演出・報知状態を切替えることのできる遊技機を提供することにある。
手段B−1.遊技者が操作可能な位置に設けられる(発射)操作手段と、
前記操作手段の操作に応じて遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段へ入球した遊技球を検知する始動入球検知手段と、
前記始動入球検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段と、
前記特別表示手段の変動表示に対応した演出を導出可能な演出手段と、
前記主制御手段からの情報に基づいて前記演出手段の制御を行うサブ制御手段と、
前記発射手段を駆動制御する発射制御手段と、
前記発射手段の所定の発射条件が成立しているか否かを検知する発射条件検知手段とを備え、
前記発射条件検知手段により前記所定の発射条件の成立が検知されている状態において、前記発射手段によって遊技球が発射される構成であって、
前記発射条件検知手段により前記所定の発射条件の成立が検知されている場合に、前記サブ制御手段に対して、前記所定の発射条件が成立している旨の情報を入力可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段B−1によれば、発射手段の所定の発射条件が成立しているか否かについてサブ制御手段においても把握することが可能となる。このため、例えば、遊技者が操作手段を操作しているか否か等といった発射手段の発射状態に関する情報に応じて、演出手段の演出状態(又は報知状態)を変更させることも可能となる。特に、発射手段の発射状態は、遊技者の挙動(操作手段への操作状態)と直結するものでもあり、遊技者に寄り添った(意志を汲み取った)演出を行うことが可能となる。結果として、例えば、そのときの遊技者にとって無駄となるような演出を控える等、演出が遊技者にストレスを与えるような事態を抑制することができ、より快適に遊技を進行させることができる。
手段B−2.前記遊技領域の所定部位を通過する遊技球を検知可能な通過検知手段を備え、
前記始動入球手段は、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成され、
前記主制御手段は、前記通過検知手段の検知に基づいて、前記始動入球手段を前記開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うとともに、前記入球サポート抽選にて当選した場合に前記始動入球手段を前記開状態とさせる構成であって、
前記サブ制御手段は、
前記始動入球手段が前記開状態とされる場合に、前記始動入球手段が前記開状態とされるよりも前に、前記始動入球手段が前記開状態とされることを示す開放予告報知を導出可能な開放予告報知手段と、
前記開放予告報知手段による前記開放予告報知が行われる報知機能状態と、前記開放予告報知が行われない報知停止状態とに状態変化させる報知状態変化手段とを備え、
前記サブ制御手段に対し前記所定の発射条件が成立している旨の情報が入力されていない場合には、前記報知停止状態とされることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−2によれば、開放予告報知を導出することで、始動入球手段が開状態とされる様子、さらには、開状態とされた始動入球手段に遊技球が入球している様子を遊技者に認識してもらい易くすることができる。このため、例えば、始動入球手段が比較的開状態とされ易くなるような遊技設計を行った場合に、始動入球手段に対して遊技球が入球し易くなっていることをアピールしたり、或いは、遊技球の球筋が始動入球手段から大幅にずれている場合には修正してもらったりすることができる。
その一方で、遊技者が遊技球を発射させる必要がないと判断して遊技球の発射を停止させているにもかかわらず、開放予告報知が行われることで始動入球手段が開状態とされることがアピールされ(開状態とされる始動入球手段に注意を向けることを無理強いされ)、遊技者に不快感を与えてしまう(遊技者が損をしていることを報知しているかのような嫌味に捉えられる)といった事態を回避することができる。特に、開放予告報知を認知してから遊技球を発射させたのでは意味がない、或いは、遊技者が遊技球を発射しないと判断した状態からわざわざ遊技球を発射させるほどの効果がない等といった状況で開放予告報知が行われてしまうことで、遊技者の感情を逆なでし、かかる開放予告報知が目障り、耳障りに捉えられてしまうといった事態を回避することができる。従って、開放予告報知を行うことに起因する興趣の低下を抑制することができる。
手段B−3.前記開放予告報知が導出されてから、前記始動入球手段が前記開状態とされるまでの予告後時間は、
遊技球が前記発射手段によって発射されてから、当該遊技球が前記始動入球手段に到達するまでの到達時間よりも短く設定され、
前記発射手段により遊技球が発射されている状態から、発射されていない状態へと変化することで、前記報知状態変化手段により前記報知機能状態から前記報知停止状態へと状態変化可能に構成されていることを特徴とする手段B−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、遊技者が遊技球を発射させる必要がないと判断して遊技球の発射を停止させているにもかかわらず、開放予告報知が行われることで始動入球手段が開状態とされることがアピールされ(開状態とされる始動入球手段に注意を向けることを無理強いされ)、遊技者に不快感を与えてしまう(遊技者が損をしていることを報知しているかのような嫌味に捉えられる)といった事態を回避することができる。特に、開放予告報知を受けて、慌てて遊技球を発射させたとしても、該遊技球が可変入球手段に到達するよりも前に始動入球手段が閉状態とされることから、遊技球が発射されていないような状況で開放予告報知を行った場合には、興趣の著しい低下を招くことが懸念される。この点、本手段B−3のように、遊技球が発射されていなければ開放予告報知を導出しない構成とすることで、かかる懸念を払拭することができる。従って、開放予告報知を行うことに起因する興趣の低下を抑制することができる。
また、例えば、予告後時間が、到達時間よりも長い場合、始動入球手段が開状態とされる可能性がある状態において、遊技球を発射させることを止め、開放予告報知を確認してから、遊技球を発射させるという止め打ち操作を行うことで、始動入球手段に入球しない遊技球を減少させることができる。このため、止め打ち操作を行う遊技者と、行わない遊技者との間で、遊技を進行させる上での有利不利の差が比較的大きくついてしまうことが懸念される。この点、手段B−3のように、予告後時間を到達時間よりも短くすることで、上記止め打ち操作を抑制することができ、上記懸念を抑制することができる。
手段B−4.前記操作手段は、
遊技者が操作可能な位置に固定される基部と、
前記基部に対して相対変位可能に組み付けられた操作部と、
導電性を有する材料で構成されたタッチ部と、
前記操作部の前記基部に対する相対位置が所定の基準位置となるよう前記操作部に付勢力を付与する付勢手段と、
前記操作部の変位量を検知可能な変位量検知手段と、
遊技者が操作可能な位置に設けられ、遊技者による操作が行われている場合に前記発射手段による遊技球の発射が停止される停止操作手段とを備え、
遊技者が前記タッチ部へ接触したことを検知可能なタッチ検知手段と、
前記停止操作手段が操作されていないことを検知可能な非停止操作検知手段とを備え、
前記発射制御手段は、前記発射条件検知手段を備え、前記変位量検知手段による変位量情報、前記タッチ検知手段によるタッチ情報、及び、前記非停止操作検知手段による非停止操作情報が入力可能に構成されるとともに、前記タッチ情報、及び、前記非停止操作情報が入力されている状態において、前記主制御手段に対し、前記所定の発射条件としての前記タッチ情報、及び、前記非停止操作情報を出力可能に構成され、
前記主制御手段は、前記タッチ情報、及び、前記非停止操作情報が入力されている状態において、前記発射制御手段に対し、前記発射手段による遊技球の発射を許可する発射許可情報を出力可能に構成され、
前記発射制御手段は、前記タッチ情報、前記非停止操作情報、及び、前記発射許可情報が入力されている状態において、前記発射手段により遊技球を前記変位量情報に応じた強さで発射させる構成であって、
前記主制御手段は、前記タッチ情報、及び、前記非停止操作情報が入力されている状態において、前記サブ制御手段に対し、前記タッチ情報、及び、前記非停止操作情報を出力可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−3のいずれかに記載の遊技機。
手段B−4によれば、サブ制御手段は、主制御手段を介して、発射制御手段から、タッチ情報、及び、非停止操作情報を確実に把握することができる。尚、発射制御手段は、タッチ情報、及び、非停止操作情報が入力されていることを示す情報を個別に主制御手段に出力してもよいし、タッチ情報、及び、非停止操作情報の両方が入力されている場合に、その旨を示す情報を主制御手段に出力するように構成してもよい。個別に出力する場合には、主制御手段は、タッチ情報、及び、非停止操作情報を個別にサブ制御手段に出力することができ、例えば、サブ制御手段において、タッチ情報があり、非停止操作情報がない場合には、「停止操作手段から手を離すと遊技球が発射されます」等といった初心者向けのアナウンスを行うことも可能となる。
手段B−5.前記発射制御手段は、前記変位量情報を前記主制御手段に出力可能に構成され、
前記主制御手段は、前記変位量情報を前記サブ制御手段に出力可能に構成されていることを特徴とする手段B−4に記載の遊技機。
手段B−5によれば、サブ制御手段によって制御される表示手段において、遊技球の打出しの強さを改めてもらう表示を導出したりすることが可能となる。従って、遊技者の遊技のアシストをより細かく行うことができる。また、例えば、遊技状態に応じて望ましい遊技球の打出し位置(強さ)が変化するような構成において、例えば、遊技領域の望ましくない位置に配置された所定の入球手段への入球(又は通過)が検知されることで、打ち出し位置を改めてもらうアナウンスを行う構成に比べ、発射された遊技球が無駄になってしまうといった事態を抑制することができる。
手段B−6.前記操作部が基準位置にある場合に、前記停止操作手段を操作位置側に変位させる強制停止手段を備え、
前記操作部が前記基準位置から所定量変位することで、前記停止操作手段が非操作位置に変位することを特徴とする手段B−4又はB−5に記載の遊技機。
手段B−6によれば、操作部が基準位置にある場合、停止操作手段が強制停止手段によって操作位置に変位させられることとなる。このため、サブ制御手段が変位量検知手段による変位量情報を得なくても、非停止操作情報が入力されていないことに基づいて、遊技球が発射されていないことを確実に把握することができる。従って、変位量情報をサブ制御手段にまで出力する、及び、サブ制御手段が変位量情報を確認するといった処理を行わなくても済み、制御の簡素化等を図ることができる。
手段B−7.前記タッチ部は、前記操作部において、少なくとも前記操作部を変位させるにあたって遊技者の手が触れる位置に設けられ、
前記操作手段は、前記タッチ検知手段と電気的に接続されているタッチ接続手段を備え、
前記操作部が基準位置にある場合には、前記タッチ部と前記タッチ接続手段とが電気的に絶縁され、
前記操作部が前記基準位置から所定量変位することで、前記タッチ部と前記タッチ接続手段とが電気的に接続されることを特徴とする手段B−4乃至B−6に記載の遊技機。
手段B−7によれば、操作部が基準位置にある場合、タッチ部とタッチ接続手段とが電気的に絶縁されている。このため、サブ制御手段が変位量検知手段による変位量情報を得なくても、タッチ情報が入力されていないことに基づいて、遊技球が発射されていないことを確実に把握することができる。従って、変位量情報をサブ制御手段にまで出力する、及び、サブ制御手段が変位量情報を確認するといった処理を行わなくても済み、制御の簡素化等を図ることができる。
手段B−8.前記操作手段は、電気的に接地されているとともに、前記タッチ接続手段とは電気的に絶縁されているアース接続手段を備え、
前記操作部が基準位置にある場合には、前記タッチ部と前記アース接続手段とが電気的に接続され、
前記操作部が前記基準位置から所定量変位することで、前記タッチ部と前記アース接続手段とが電気的に絶縁されることを特徴とする手段B−7に記載の遊技機。
手段B−8によれば、操作部が基準位置にある場合、タッチ部とアース接続手段とが電気的に接続されている。このため、遊技者が遊技を開始するにあたって操作部に触れた際に、かかる遊技者に静電気が帯電している場合であっても、遊技者に帯電していた静電気がタッチ検知手段側に流れることなく、アース接続手段を介してアースへと逃がされるようになっている。従って、遊技者が操作部に触れた際に、タッチ検知手段を具備するタッチ検知回路に対して静電気に基づく高電圧が印加されてしまうといった事態を抑止することができ、静電気に起因するタッチ検知回路等への悪影響(静電破壊等)を抑止することができる。
手段B−9.前記サブ制御手段は、前記特別表示手段における識別情報の変動表示が停止表示されている状態が規定時間継続した場合に、前記演出手段を待機状態に移行させる構成であって、
前記サブ制御手段に対し前記所定の発射条件が成立している旨の情報が入力されている場合には、前記演出手段を前記待機状態に移行させる制御がキャンセルされることを特徴とする手段B−1乃至B−8のいずれかに記載の遊技機。
手段B−9によれば、遊技者が遊技球を発射させ続けているにもかかわらず、運悪く遊技球が始動入球手段に入球せず、演出手段が待機状態に移行してしまう、といった遊技者にとって非常に気分を害する状況になってしまうことを回避することができる。
手段B−10.前記サブ制御手段は、特定の演出を導出させるか否かを決定する場合に、前記サブ制御手段に対して前記所定の発射条件が成立している旨の情報が入力されているか否かを判別し、入力されている場合と、入力されていない場合とで、前記特定の演出を導出させる確率が異なることを特徴とする手段B−1乃至B−9のいずれかに記載の遊技機。
手段B−10によれば、特定の演出の導出確率と、遊技者の操作手段への操作状態との対応付けを行うことができ、極力、遊技者の状態に合わせた演出を導出することができる。例えば、遊技者が操作手段を操作している状態において、遊技者に対し操作手段とは別の「演出操作手段」の操作を要請する演出を導出する場合には、遊技者に操作手段から手を離す等の判断を仰ぐこととなり、遊技者に焦りの気持ちを与えてしまったり、操作手段の操作ミスを誘ってしまったりすることが懸念されるが、操作手段への操作状態によってかかる演出を導出させるか否かを判断することによって、上記不具合を抑制又は回避することができる。
また、例えば、特定の演出が、特別遊技状態の発生期待度が中程度高められる演出である場合に、操作手段の操作状態に基づいて、遊技者がかかる演出に興味があるか否かを判断し、演出の内容(展開)を決定するように構成することも可能である。
手段B−11.遊技者の操作可能な位置に設けられ、操作に応じて前記演出手段における演出態様を切替可能とする演出操作手段を備え、
前記特定の演出は、前記演出操作手段の操作に基づいて前記演出手段が特定の態様に変化する演出であり、
前記特定の演出を導出させるか否かを決定する場合に、前記サブ制御手段に対して前記所定の発射条件が成立している旨の情報が入力されている場合には、入力されていない場合に比べ、前記特定の演出を導出させる確率が低くなることを特徴とする手段B−10に記載の遊技機。
手段B−11によれば、遊技者が操作手段及び演出操作手段を同時に操作しなければならないといった事態を極力抑制することができる。従って、遊技者に焦りの気持ちを与えてしまったり、操作手段の操作ミスを誘ってしまったりすることを抑制することができる。尚、操作手段を操作していることに起因して、前記特定の演出を導出させないことが決定された場合に、代わりとなる演出が導出されるように構成されることが望ましい。
手段B−12.前記始動入球手段は、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成され、
前記始動入球手段が所定時間あたりに前記開状態とされている時間が第1時間で設定されている第1入球状態と、
前記始動入球手段が前記所定時間あたりに前記開状態とされている時間が前記第1時間よりも長い第2時間に設定されている第2入球状態とが存在し、
前記第2入球状態では、前記第1入球状態よりも、前記サブ制御手段に対して前記所定の発射条件が成立している旨の情報が入力されている場合の前記特定の演出を導出させる確率が高く設定されていることを特徴とする手段B−10又はB−11に記載の遊技機。
手段B−12のように遊技球を発射させ続けることが考えられる第2入球状態では、遊技球が発射されていても、特定の演出が導出されるように構成することによって、折角の特定の演出を導出させる機会が失われてしまう、又は、著しく低下してしまうといった事態を回避することができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
a.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞装置、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
b.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞装置、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
c.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。