JP2017120952A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】短い周期でのLSI消費電流変動が大きい機器においても電源回路の出力電圧を必要最低限に設定可能な撮像装置を提供すること。【解決手段】基準クロックに同期したスイッチング制御で定電圧を生成する電流モードの電源部のスイッチング素子に流れる電流を検出する。電源部で生成された電圧値におけるCPUの性能指標に基づいて電源部の設定電圧値を算出し電源部に送信する。性能指標の取得開始信号を生成する制御クロック生成部はA/Dコンバータで得られた電流データの変化に基づいて性能指標の取得開始信号を生成する。【選択図】図1
Description
本発明は、撮像装置に関し、特に電源電圧制御方法に関する。
小型化、多ゲート化の要求にともない半導体製造プロセスの微細化が進むCPUは、リーク電流の増加による消費電力増加が問題となっている。また、半導体製造プロセスの微細化は、集積されるトランジスタの動作速度バラつきの増加をもたらし、その結果としてCPUのコアを動作させるのに必要な最低動作電圧のバラつきが増加する。このようなCPUを電子機器製品に組み込む場合には、最低動作電圧が高いCPUでも確実に動作させるために、想定するバラつき上限電圧に対してマージンを持った高い電圧をCPUに供給する必要があり、消費電力増加がさらに顕著になる。
これに対し、トランジスタの動作速度バラつきを抑え、CPUに適切な駆動電圧を与えることを目的とした、適応型電圧制御(AVS:Adaptive Voltage Scaling)と呼ばれる技術がある。これは、現在供給されている電圧でのCPUの動作状況をモニタし、その結果に応じてCPUに供給する電圧を最適に変更する技術である。
特許文献1には、LSI内に性能検出部と、前記性能検出部で得られた結果に基づきLSIの最適電圧値を決定する最適電圧決定部と、決定された最適電圧に応じて可変電源の出力電圧を変更するための制御信号を生成する電圧制御信号生成部を備え、標準電源電圧が印加された時に動作周波数または消費電力が規定外となる場合に前記制御信号のデューティ比によって電源出力電圧を変更することを特徴とする半導体装置に関する技術が開示されている。
また、同様の技術として特許文献2には、動作保証された最低電圧値を格納するROMと、前記ROM内に格納された最低電圧値に応じて分圧比を可変可能な分圧回路と、前記分圧回路を電圧監視のフィードバック用分圧抵抗として使用する電源回路を備え、出力電圧が前記ROM内に格納された最低電圧値に等しくなるように前記電源回路を制御することを特徴とする技術が開示されている。
しかしながら、実際の電子機器装置のプリント基板上に実装して使用する場合は、刻一刻と変化するLSIの消費電流と、電源回路からLSIまでの電源配線の抵抗成分によるIRドロップを考慮した電圧設定が必要である。特に有効画素期間とブランキング期間で画像データ量が変化し、それに伴い画像処理LSIの消費電力が大きく変動する撮像装置では注意が必要である。上述の特許文献1に開示された従来技術の場合、性能を検出する時にたまたまLSIの負荷が軽かった場合、最適電圧値が過小に評価され、負荷が重くなった時に供給電圧が低すぎて動作停止するという問題がある。
また、特許文献2に開示された従来技術の場合で、分圧回路の位置が電源回路側にあって配線抵抗の影響が考慮されない場合、電源回路端では最低電源電圧を満たすが、LSI端では特許文献1と同様にIRドロップにより動作停止するという問題がある。また分圧回路の位置がLSI側にあって配線抵抗の影響が考慮されている場合でも、瞬間的な負荷変動に対して電源回路が追従できず動作停止する可能性がある。これを防ぐためにはIRドロップを考慮したマージン電圧を付与する必要があるが、電源配線の配線抵抗は基板毎に異なり、LSIの消費電流も演算処理内容やLSIの個体差によって異なる。そのため、想定するワースト条件(配線抵抗:最大、消費電流:最大)でも最低電圧値を下回らないように電源回路の出力電圧を高めに設定しなければならない。つまり、配線抵抗の小さい基板やLSIの消費電流が小さい動作モードに関して、多くの電力が無駄になる。
このように、いずれの従来技術においても、短い周期でLSIの消費電流が大きく変化する機器においては大きな問題となる。
本発明の目的は、このような短い周期でのLSI消費電流変動が大きい機器においても電源回路の出力電圧を必要最低限に設定可能な撮像装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、
基準クロックに同期したスイッチング制御で定電圧を生成する電流モードの電源部と、前記電源部のスイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出部と、前記電源部で生成された電圧で動作するCPUと、前記電源部で生成された電圧値における前記CPUの性能指標を取得する性能評価部と、前記性能評価部で得られた性能指標に基づいて前記電源部の設定電圧値を算出し前記電源部に送信する設定電圧算出部と、光電変換により被写体画像データを取得する撮像センサと、前記撮像センサの駆動信号を生成する撮像駆動制御部と、を備えた撮像装置において、前記電流検出部の電流をデジタル変換するA/Dコンバータと、前記性能評価部の性能指標取得開始信号を生成する制御クロック生成部をさらに備え、前記制御クロック生成部はA/Dコンバータで得られた電流データの変化に基づいて前記性能指標取得開始信号を生成することを特徴とする。
基準クロックに同期したスイッチング制御で定電圧を生成する電流モードの電源部と、前記電源部のスイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出部と、前記電源部で生成された電圧で動作するCPUと、前記電源部で生成された電圧値における前記CPUの性能指標を取得する性能評価部と、前記性能評価部で得られた性能指標に基づいて前記電源部の設定電圧値を算出し前記電源部に送信する設定電圧算出部と、光電変換により被写体画像データを取得する撮像センサと、前記撮像センサの駆動信号を生成する撮像駆動制御部と、を備えた撮像装置において、前記電流検出部の電流をデジタル変換するA/Dコンバータと、前記性能評価部の性能指標取得開始信号を生成する制御クロック生成部をさらに備え、前記制御クロック生成部はA/Dコンバータで得られた電流データの変化に基づいて前記性能指標取得開始信号を生成することを特徴とする。
本発明によれば、短い周期でのLSI消費電流変動が大きい機器においても電源回路の出力電圧を必要最低限に設定可能な撮像装置を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、撮像装置の画像処理CPUに適用した場合について添付の図面に基づいて詳細に説明する。
(実施例)
以下、図2を参照して、本発明の実施例における撮像装置の構成について説明する。
以下、図2を参照して、本発明の実施例における撮像装置の構成について説明する。
撮像装置全体の制御を司るCPU1内の制御部2から指令を受けた撮像駆動制御部3はその指令に基づきAFE(Analog Front End)4を制御する。AFE4は、撮像駆動制御部3からの指示に応じた撮像センサ5の駆動制御と撮像センサ5から得られた画像信号をCPU1に受け渡す役割を担う。撮像駆動制御部3からの指令は、AFE4のレジスタ設定などを変更するシリアル通信と、撮像センサ5の水平駆動信号HDと垂直駆動信号VDである。被写体からの光は、このように制御された撮像センサ5によって光電変換され、AFE4によってデジタルデータに変換された画像データがCPU1の画像一時メモリ6に取り込まれる。
スルー画を表示する撮影待機状態の場合は、制御部2からのスルー画用の間引き駆動指令によって撮像センサ5から取り込まれたデータが画像一時メモリ6に展開される。取得した画像は表示画像変換部9で表示用のデータに変換され、表示ドライバ10を介して表示部11に表示される。ユーザーがレリーズボタンを押下した場合は、撮像駆動制御部3の指示によってAFE4から本撮影用駆動制御された撮像センサ5から画像データを取り込む。画像一時メモリ6上に展開された画像データは画像補正部8で補正され、記録部12に静止画あるいは動画として記録される。
なお、簡略化のため図2では図示していないが、ズームやフォーカスなどの動作を行うための光学系レンズや、レンズを駆動するためのモータドライバ、ユーザーの操作入力のための操作部なども備える。
電源部13は、各種デバイスに必要な電圧・電流を供給する。なお、簡略化のため、図2では本発明に関係のあるCPU1のみに供給する記載となっているが、実際には全てのデバイスに供給を行う。電源部13から供給された電圧はCPU1内の各種ブロックを動作させるために使用される。
性能評価部14では、現在供給されている電圧でのCPU1の動作性能を評価し、その指標である評価値Eを得る。動作性能は電源電圧に依存するので、供給される電圧が低いほど評価値も低くなる。CPU1の出荷検査時に各個体で最低限の性能が保証される基準評価値ErがCPU1内部の記録部12に記録される。実動作時に得られたEと基準評価値Erとを比較することで、供給されている電源電圧の適正電圧値に対する電圧過不足量を算出することができる。算出された電圧過不足量を用いて、設定電圧算出部16で設定電圧を算出し、電源部13に電圧指令値として送信する。
電源部13の詳細構成について図1を用いて説明する。
CPU1内のCPUコア36に供給する電源部13は電流モード方式の同期整流型の降圧電源回路で構成される。電圧を維持するためのフィードバック機構は、PWMコンパレータ24で電圧ループ信号と電流ループ信号を比較することで実現する。電圧ループ信号は出力電圧を出力設定抵抗30で分圧してエラーアンプ23で基準電圧用D/Aコンバータ22と比較増幅することで得られる。また、電流ループ信号はメイン側PチャネルFET(QA)20に流れる電流にスロープ補償部37で不安定動作を防ぐスロープ補償を加えることで得られる。QA20に流れる電流はQA20自身のドレイン−ソース間のオン抵抗による電位差を差動アンプで増幅することによって検出される。
後段のR−Sフリップフロップ25のリセット入力にはPWMコンパレータ24の出力が、セット入力にはPWMデューティ制御の基準クロックであるOSC31の信号が接続される。このフリップフロップ25の出力に対し、QA20と同期整流側のNチャネルFET(QB)21のFETが同時にオンにならないためのデッドタイムをPWMコントローラ26で付加する。その駆動信号によって、メイン側FETプリドライバ27と同期側FETプリドライバ28を介してそれぞれQA20とQB21がオンオフ制御される。QA20とQB21のオンオフ制御にしたがい、インダクタ19に流れる電流が制御され、これが平滑コンデンサ38で平滑されることで一定の出力電圧が得られる。負荷変動などで出力電圧が低くなっている時は、エラーアンプ23の出力が上がり、PWMコンパレータ24がHighを出力するまでの時間が長くなる。
すなわち、QA20のオンデューティが大きくなり、出力電圧を上げる方向に制御が働く。入力電圧が低くQA20の電流の立ち上がりが遅い時も同様である。逆に、出力電圧が高いときや入力電圧が高い時はPWMコンパレータ24がHighを出力するまでの時間が短くなる。すなわち、QA20のオンデューティが小さくなり、出力電圧を下げる方向に制御が働く。また、負荷短絡などにより過剰に電流が流れる時はすぐさまPWMコンパレータ24がHighを出力することでQA20をオフし、過電流が長時間流れることを防ぐ。
AVSCLKを生成するブロックは、A/Dコンバータ33とCLK遅延部32とAVSCLK生成部34で構成される。電流検出部29で検出された電流はA/Dコンバータ33に入力されデジタル信号に変換される。A/Dコンバータ33のサンプリングは電源制御の基準クロックOSC31をCLK遅延部32で遅延させたADCLKの立ち上がりエッジで行う。A/D変換された電流値のデジタルデータは、AVSCLK生成部34に伝達される。AVSCLK生成部34では、電流値のデジタルデータを数値解析し、AVSの評価値取得のタイミングを決めるAVSCLKを生成する。生成されたAVSCLKは、CPU1内の性能評価部14に伝達され、この信号がHighレベルになると性能評価部14は評価値取得を実行する。
なお、CPUコア36からの評価値取得命令とAVSCLKとをORゲート35でOR構成を取ることにより、CPUコア36からも任意のタイミングで評価値取得を行うことができる。性能評価部14で得られた評価値を基に設定電圧算出部16で電源部13への設定電圧値を算出し、基準電圧用D/Aコンバータ22に指令値を送信する。電源部13では受信した設定電圧値にしたがい電圧を変化させ、AVSが完了する。ADCLKを遅延させる理由を含め、AVSCLK生成部34の詳細な動作については後述する。
次に図3の各部の電圧電流波形を用いて電源回路の詳細動作を説明する。
(a)は電源部13の基準CLK(OSC)31を示し、電源部13内のブロックはこのOSC31の信号に同期して動作する。
(b)は電源部13がCPUコア36から引かれる負荷電流を示す。ここでは説明の簡略化のため周波数fLの正弦波としている。
(c)は電源部13がCPUコア36へ供給する出力電圧を示している。理想的には一定値であるが、実際にはここに示すように(b)の負荷変動に対して追従しきれず揺らぐ成分や、スイッチングに同期したリップル電圧成分が存在する。
(d)は分圧された(c)をエラーアンプ23で基準値と比較増幅した結果である。(c)が設定値通りの出力であればゼロになるが、実際には前述のような誤差が発生するため、その誤差分が反転増幅される。
(e)はQA20の状態、(f)はQB21の状態を示す波形である。
便宜上オンをHigh、オフをLowで示している。
前述のようにR−Sフリップフロップ25のセット入力にはOSC31の信号が、リセット入力にはPWMコンパレータ24の出力が接続されている。この構成により、サイクル開始時のOSC立ち上がりとともにフリップフロップ25の出力はHigh、すなわちQA20のオン信号が出力される。QA20がオンし、流れる電流が多くなって電流ループ信号電位が電圧ループ信号電位を超えると、PWMコンパレータ24がHighを出力し、フリップフロップ25にリセット信号が入力されてフリップフロップ25の出力がLow、すなわちQA20のオフ信号が出力される。このため、オンオフを合わせた1サイクル周期は必ずOSC周期に等しくなる。なお、(f)には前述の貫通防止のデッドタイムが追加されている。
(g)はインダクタ19の電流を示す。QA20がオンすると、バッテリ18−QA20−インダクタ19の経路で負荷電流Ioがインダクタ19に流れることにより、インダクタ19にエネルギーが蓄えられる。この時の電流傾きdI/dt_onはdI/dt_on=(Vi−Vo)/Lで表される。OSCの1サイクルの短い時間内において、通常の条件下ではVi、Vo、Lはほぼ一定であるので、dI/dtは固定値となり、インダクタ19の電流は一次関数で線形的に増加する。この時、QB21はオフしており、バッテリ18がGNDへショートしないようになっている。その後、PWMコンパレータ24の出力がHighになる条件が成立し、QA20のオフ期間になると、QB21がオンし、インダクタ19に蓄えられたエネルギーはGND−QB21−インダクタ19の経路で放出される。この時の電流傾きdI/dt_offはdI/dt_off=−Vo/Lで表され、同様に一次関数で線形的に減少する。オンオフのサイクルで三角波状の連続的な電流波形となり、その平均電流は(b)の負荷電流に等しくなる。
(h)は電流検出部29の出力である。QA20に流れる電流をQA20自身のオン抵抗で電圧変換された波形となる。QA20の電流はQA20がオンの時にしか流れず、その時の電流は(g)のインダクタ19の電流に等しいため、図に示すような立ち上がりの傾きがインダクタ19の電流に比例した台形状の波形となる。この図では分かりやすいようにインダクタ19の電流と傾きを同じにしてある。
(i)はA/Dコンバータ33のサンプリングCLKであるADCLKを示す。ADCLKをOSC31の信号に対して遅延させている理由はサンプリングのタイミング調整のためである。前述のR−Sフリップフロップ25やPWMコントローラ26の動作遅延や、ゲート信号の立ち下がりからPチャネルFETの電流立ち上がりまでの遅延により、OSC31の信号の立ち上がりからQA20の電流立ち上がりまでは遅れが出る。そのため、OSC31の信号の立ち上がりでサンプリングするとA/D値はゼロ近辺の値しか得られない。一方で、遅延量を大きくしすぎると負荷電流が多くなった時や入力電圧が高くなった時など、オンデューティが小さくなる時にオフ区間でサンプリングしてしまう可能性がある。ここではこれらの条件を考慮し遅延量tdを1サイクル期間の約30%としている。
(j)は(i)のADCLKにしたがい(h)の電流検出部29の電流信号をA/Dサンプリングした結果である。1サイクルごとに離散化されるが、(b)の負荷電流に近い電流値のデジタルデータが得られている。
次に、AVSCLK生成部34における演算処理を図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。
まず、撮像駆動制御部3から撮像駆動情報modeを読み出す(S401)。例えば、フルHD動画モードの場合はmode=FHD、ライブビューモードの場合はmode=LV、静止画撮影の場合はmode=CAPなどである。次に演算に用いる変数x、ILmax_mode、C、nT、npを0に初期化する(S402)。それぞれxはA/Dデータの通し番号、ILmax_modeは各駆動モードにおける電流の最大値、CはAVSCLK周期ポイント数計測用のカウンタ、nTはAVSCLKの周期ポイント数の計算結果、npはFFTにおける最大ピークの周波数ポイントである。
次に、設計的に予め定められた定数ns、fs、ILth、nthをCPU1の記録領域から読み出す(S403)。それぞれnsはFFTの演算ポイント数、fsはサンプリング周波数、ILthは電流しきい値処理の電流しきい値、nthは周期一致判断に用いるA/Dデータポイント数差のしきい値である。
次に、x番目の電流A/DデータILxを取得する(S404)。最初はx=0であるためIL0、次のサイクルではIL1、IL2・・・と順に増えていく。
次に、xの値をFFT演算ポイント数nsと比較し、FFT実行可否判断を行う(S405)。xがnsを超えるまではFFT演算ができないため演算をスキップしてS408に遷移する。xがnsを超えていれば最新のns個のA/DデータでFFT演算を行い(S406)、図5のようなスペクトラム波形を得た後、このFFT結果から最も高い強度を持つ周波数fLに相当するポイント数nLを算出する(S407)。
FFTにおいて、FFTの演算ポイント数nがサンプリング周波数fsに相当するため、周波数分解能はfs/nsとなる。したがって、FFTスペクトラムにおいて最大強度となる周波数ポイントをnpとすると、fL=np/ns×fsで計算することができる。fLをA/Dデータのポイント数に換算したものをnLとすると、nL=fs/fL=ns/npとなる。例えば、fs=2MHz、ns=4096のFFTにおいて最大ピークの周波数ポイントnp=100が得られた場合、fL=100/4096×2MHz=48.8kHz、nL=4096/100≒41となる。すなわち、この条件のFFTにおいて周波数ポイント100にピークがある信号は48.8kHz相当であり、この周波数の信号はA/Dデータポイント数にして約41個分で一周期となることが分かる。
なお、周波数一致判断にfLではなくnLを使う理由は、A/Dデータ側の周期計算がポイント数カウント差の整数計算だけで済み、計算負荷および計算誤差が少ないためである。fL基準で判定する場合は、A/Dデータポイント数nTをカウントした後fs/nTで周波数換算を行う必要があり、上記の例だと2MHz/41=48.8kHzの計算が余分に必要となる。
次に、ILxの値が電流しきい値ILthより大きいかどうかのしきい値処理を行う(S408)。しきい値を超えていない場合は、AVSCLKをLowに設定し(S409)、xをカウントアップして(S410)、S404に戻る。ILx>ILthの場合は、現在のAVSCLKの状態がLowかどうかの判定を行う(S411)。これは、AVSCLKのLowからHighへの状態変化がありそうかどうかでこの後の処理を変えているからである。状態変化がない時は最大値保持の処理とAVSCLKのHigh設定処理のみで終わる。
一方、状態変化がありそうな時はAVSCLKの周期解析を行い、FFTでのピーク周期と一致するかどうかの判定を行い、その結果に応じてAVSCLKをHighにするかどうかを判定する処理となる。以下詳細に説明する。
まず、S411でAVSCLKの状態がHighの時は、ILxの値がILmax_modeより大きいかどうかの判定を行う(S412)。ILmax_modeは各撮像駆動モードにおける最大値格納用の変数であり、これより大きい場合は過去最大値となるため、現在のILxの値を新しいILmax_modeとして更新し(S413)、AVSCLKをHighに設定し(S414)、S410を経由してS404に戻る。S412でILxが最大値ILmax_modeを超えていないと判断された場合は、最大値保持は行わず、S414に遷移して同様にS404に戻る。S411でAVSCLKの状態がLowの時は、S412と同様にILxの値がILmax_modeより大きいかどうかの判定を行う(S415)。ILxが最大値ILmax_modeを超えていないと判断された場合は、AVSCLKの周期計測処理を行う。
まず、周期計測用のカウンタCに値が入っているかの確認を行う(S416)。Cが初期値0の場合は周期計測ができないため、周期計測処理をスキップして周期カウンタCに現在のxを記録して(S417)、先ほどと同様にS414でAVSCLKをHighに設定した後、S410→S404の順に遷移する。S416でCに値が入っていると判断された場合は、周期計測が可能であるのでnT=x−CでAVSCLKの周期に相当するA/Dデータポイント数nTを算出する(S418)。次に、nTがS407で取得した周波数ピークfLの周期に相当するポイント数nLに一致しているかどうかを判定するために、|nT−nL|がポイント数差しきい値nthより小さいかどうかの演算を行う(S419)。|nT−nL|<nthの場合は、周期が一致したと判断し、先ほどと同様にS417でカウンタCを現在のxに更新し、S414でAVSCLKをHighに設定した後、S410→S404の順に遷移する。|nT−nL|≧nthの場合は、周期不一致とみなし、S409に遷移してカウンタCの更新を行わず、AVSCLKはLowのままでS410→S404の順に遷移する。S415でILxが最大値ILmax_modeを超えたと判断された場合は、急激な負荷の上昇があったことが予想される。そのため、周期計測処理を行わず、S413で最大値の更新を行い、S414でAVSCLKをHighに設定した後、S410→S404の順に遷移する。
これらの処理について、2つのサンプルデータを用いてそれぞれのAVSCLKの生成過程と生成結果を具体的に説明する。
図6は各xにおけるILXの入力データと各ステップでの計算過程、および最終的なAVSCLK出力結果を表わしている。図6(a)のサンプルAは周期的な電流変化のみのサンプルデータであり、図6(b)のサンプルBはそれに加えて瞬間的な電流変化が加わっている。簡単化のため、x=1〜12の12点だけのデータとし、ILxは8ビットの10進数表記でILth=150としている。また、FFT解析は実行済みでピーク周波数に相当するポイント数nL=8が得られているとする。左矢印は前のサイクルからデータに更新がない、ハイフンはその処理に入っていないことを示している。また、AVSCLKの生成結果は1がHigh、0がLowを表している。
サンプルAにおいては、IL3、IL4、IL5、IL11およびIL12がILthを超え、x=11においては周期一致判定が行われ、IL3とIL11でnT=8となり、nLと一致したと判断されたため、それら全てでAVSCLK=1となっている。一方、サンプルBにおいてはx=1〜6はサンプルAと同じであるが、x=7に周期外の電流ピークが存在する。このピークはILmax_mode以内であるので周期一致判定を行い、nT=4で周期不一致としてAVSCLKは0のままとなっている。x=9にも同様の周期外の電流ピークがあるが、こちらはILmax_modeを更新したため周期一致判定を行わずAVSCLK=1となっている。x=11ではサンプルAと同様に周期内のピークになるが、前述のような瞬間的な電流ピークの例外処理を行っても正しく周期一致判定されてAVSCLK=1となっている。
このようにAVSCLKは実電流を解析することによって生成されるため、短い周期での電流変化に同期した性能評価だけでなく、瞬間的な電流変化が起きた場合もそれに同期して性能評価を実行することができる。性能評価部14はAVSCLKに同期して性能評価を行う構成となっているので、より厳しい条件での評価値を得ることができ、余分なマージンをなくした必要最低限の電圧設定を行うことができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態では、QA20の電流検出をQA自身のドレイン−ソース間のオン抵抗による電位差を差動アンプで増幅することで実現しているが、カレントミラー構成でミラーリングしたFETの電流を検出してもよい。
また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータはがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。
1 CPU、2 制御部、3 撮像駆動制御部、4 AFE、5 撮像センサ、
6 画像一時メモリ、8 画像補正部、9 表示画像変換部、10 表示ドライバ、
11 表示部、12 記録部、13 電源部、14 性能評価部、
16 設定電圧算出部、18 バッテリ、19 インダクタ、
20 メイン側PchFET(QA)、21 同期側NchFET(QB)、
22 基準電圧用D/Aコンバータ、23 エラーアンプ、24 PWMコンパレータ、
25 R−Sフリップフロップ、26 PWMコントローラ、
27 メイン側FETプリドライバ、28 同期側FETプリドライバ、
29 電流検出部、30 電圧設定抵抗、31 基準CLK(OSC)、
32 CLK遅延部、33 A/Dコンバータ、34 AVSCLK生成部、
35 ORゲート、36 CPUコア、37 スロープ補償部、38 平滑コンデンサ
6 画像一時メモリ、8 画像補正部、9 表示画像変換部、10 表示ドライバ、
11 表示部、12 記録部、13 電源部、14 性能評価部、
16 設定電圧算出部、18 バッテリ、19 インダクタ、
20 メイン側PchFET(QA)、21 同期側NchFET(QB)、
22 基準電圧用D/Aコンバータ、23 エラーアンプ、24 PWMコンパレータ、
25 R−Sフリップフロップ、26 PWMコントローラ、
27 メイン側FETプリドライバ、28 同期側FETプリドライバ、
29 電流検出部、30 電圧設定抵抗、31 基準CLK(OSC)、
32 CLK遅延部、33 A/Dコンバータ、34 AVSCLK生成部、
35 ORゲート、36 CPUコア、37 スロープ補償部、38 平滑コンデンサ
Claims (9)
- 基準クロックに同期したスイッチング制御で定電圧を生成する電流モードの電源部と、
前記電源部のスイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電源部で生成された電圧で動作するCPUと、
前記電源部で生成された電圧値における前記CPUの性能指標を取得する性能評価部と、
前記性能評価部で得られた性能指標に基づいて前記電源部の設定電圧値を算出し前記電源部に送信する設定電圧算出部と、
光電変換により被写体画像データを取得する撮像センサと、
前記撮像センサの駆動信号を生成する撮像駆動制御部と、を備えた撮像装置において、
前記電流検出部の電流をデジタル変換するA/Dコンバータと、
前記性能評価部の性能指標取得開始信号を生成する制御クロック生成部をさらに備え、
前記制御クロック生成部はA/Dコンバータで得られた電流データの変化に基づいて前記性能指標取得開始信号を生成することを特徴とする撮像装置。 - 前記基準クロックを遅延させるクロック遅延部を備え、前記A/Dコンバータは前記クロック遅延部で遅延させたクロックに同期してデジタル変換を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記制御クロック生成部は、前記A/Dコンバータで得られた電流データが、予め定められた電流しきい値を上回ったかどうかを判定して前記性能指標取得開始信号を生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
- 前記制御クロック生成部は、前記A/Dコンバータで得られた電流データを周波数解析して周期性成分を検出し、前記電流データが前記周期性成分と同じかどうかを判定して前記性能指標取得開始信号を生成することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の撮像装置。
- 前記制御クロック生成部は、前記A/Dコンバータで得られた電流データの最大値を保持し、前記電流データの最大値を超える電流データが得られた時は前記性能指標取得を開始する制御信号を生成することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の撮像装置。
- 前記性能評価部は前記制御クロック生成部が生成する性能指標取得開始信号と、前記CPUからの制御信号の、いずれかが入力された時に性能指標の取得を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の撮像装置。
- 前記撮像センサは少なくとも二つ以上の駆動モードを有し、前記制御クロック生成部は、前記撮像駆動制御部が出力する撮像センサの駆動モードごとに前記電流しきい値を変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記制御クロック生成部は、前記撮像駆動制御部が出力する撮像センサの駆動モードごとに前記A/Dコンバータで得られた電流データの最大値を保持し、対応する駆動モードの最大電流よりも大きな電流データが得られた時は、前記性能指標取得を開始する制御信号を生成することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
- 前記制御クロック生成部は、前記撮像駆動制御部が出力する撮像センサの駆動モードごとに前記A/Dコンバータで得られた電流データの最大値を保持し、対応する駆動モードの最大電流よりも大きな電流データが得られた時は、前記設定電圧算出部は設定可能な最大電圧を設定値として前記電源部に送信することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
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WO2023087781A1 (zh) * | 2021-11-16 | 2023-05-25 | Oppo广东移动通信有限公司 | 供电电路及方法、电子设备以及计算机可读存储介质 |
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