以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態によるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。第1始動入賞口と、第2始動入賞口とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞口」と称する。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。
なお、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)や大入賞口(後述)などの入賞口を通過(進入)した遊技球が、夫々の入賞口に対応して設けられたスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23(後述))によって検出されることを「入賞」と称する。「入賞」のうち、始動入賞口(第1始動入賞口又は第2始動入賞口)への入賞を「始動入賞」と称し、特に、第1始動入賞口への入賞を第1始動入賞と称し、第2始動入賞口への入賞を第2始動入賞と称する。
第1始動入賞の発生(第1始動口スイッチ22Aによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおいて実行される第1特図ゲーム(後述)や画像表示装置5(後述)において実行される飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件(第1実行条件とも称する)が成立する。
第2始動入賞の発生(第2始動口スイッチ22Bによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおいて実行される第2特図ゲーム(後述)や画像表示装置5(後述)において実行される飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件(第2実行条件とも称する)が成立する。なお、第1始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数とは、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
第1特図保留記憶数とは、第1始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第1始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第1始動入賞の発生によって、第1特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件は成立した場合であっても、第1始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第1特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第1始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第1特図保留記憶数は、第1開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第1始動入賞による第1始動条件は成立したが、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない当該第1始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立する迄、保留データ(第1特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第1特図保留情報は第1開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第1特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
第2特図保留記憶数とは、第2始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第2始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第2始動入賞の発生によって、第2特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件は成立した場合であっても、第2始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第2特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第2始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第2特図保留記憶数は、第2開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第2始動入賞による第2始動条件は成立したが、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない当該第2始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立する迄、保留データ(第2特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第2特図保留情報は、第2開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第2特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
なお、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した保留記憶数を「合計保留記憶数」と称する。第1特図保留記憶数と、第2特図保留記憶数と、合計保留記憶数とを特に区別しない場合には、単に「特図保留記憶数」又は「保留記憶数」とも称する。つまり、単に「特図保留記憶数」又は「保留記憶数」と称したときに、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数、合計保留記憶数のうちの1つ又は2つ又は3つを指す場合もあるものとする。また、第1始動条件と、第2始動条件とを特に区別しない場合には、単に「始動条件」又は「実行条件」とも称する。また、第1開始条件と、第2開始条件とを特に区別しない場合には、単に「開始条件」とも称する。また、第1特図保留情報と、第2特図保留情報とを、特に区別しない場合には、単に「特図保留情報」とも称する。
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態と、遊技球が通過(進入)できる開放状態とに変化する大入賞口を形成する。具体的には、特別可変入賞球装置7は、例えば図2に示す大入賞口扉用のソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、大入賞口扉の開閉によって大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。
一例として、特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉を閉じて大入賞口を閉鎖状態とし、ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態とする。開放状態となった大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。つまり、大入賞口を開放状態とすることによって、大入賞口への入賞が発生する。
大入賞口への入賞の発生(カウントスイッチ23による遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば12個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口への入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば12個)は、第1始動入賞の発生に基づいては払い出される賞球の個数(例えば3個)、第2始動入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば3個)よりも多い。つまり、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)が、遊技者にとって有利か否かに大きく影響する。
遊技盤2における遊技領域の右側部分には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。第1特別図柄表示装置4Aは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第1特図」又は「特図1」とも称し、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第2特図」又は「特図2」とも称する。また、識別情報の可変表示を伴って実行するゲーム(若しくは、識別情報の可変表示自体)を可変表示ゲームと称する。特に、第1特別図柄表示装置4Aが実行する可変表示ゲーム(第1特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第1特図ゲームとも称し、第2特別図柄表示装置4Bが実行する可変表示ゲーム(第2特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第2特図ゲームとも称する。また、第1特図ゲームと、第2特図ゲームとを区別しない場合には、単に「特図ゲーム」とも称する。
第1特別図柄表示装置4A(第2特別図柄表示装置4Bも同様)は、特図ゲームとして、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。夫々の特別図柄には、夫々に対応した図柄番号が付されている。
遊技盤2における遊技領域の右側部分(第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上部)には、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第1特図保留情報)に基づく第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。第2保留表示器25Bは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第2特図保留情報)に基づく第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。
なお、第1保留表示と第2保留表示とを特に区別しない場合には、単に、「保留表示」とも称する。また、「保留表示」なる表現は、動作(第1保留表示器25Aやと第2保留表示器25BによるLEDの点灯制御)を指す場合の他、表示自体(LEDによる表示)を指す場合もある。例えば、保留表示を新たに追加したと言う場合の保留表示は、当該新たに追加された表示自体を示している。始動入賞記憶表示エリア5H(後述)における「保留表示」や、アクティブ表示エリアAHA(後述)における「アクティブ表示」(後述)についても同様である。
遊技盤2における遊技領域の左側部分には、通過ゲート41と、普通図柄表示器20と、普図保留表示器25Cとが設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球は、例えば図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、普通図柄表示器20において実行される普図ゲーム(後述)を実行するための普図始動条件が成立する。
普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。なお、普通図柄を可変表示させる可変表示ゲームを普図ゲーム(又は「普通図ゲーム」)とも称する。なお、普図始動条件は成立したが普図開始条件(後述)が成立していない普図ゲームに関する情報は、保留データ(普図保留情報)として記憶(保留)される。
普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、例えば点灯させるLEDの数によって、保留データ(普図保留情報)に基づく普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数とは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたときには直ちに実行されずに実行が一旦保留されている普図ゲームの数である。つまり、普図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった普図ゲームのゲーム数である。普図保留記憶数は、普図開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。具体的には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特図ゲームと連動(対応)して、飾り図柄の変動が開始され、確定飾り図柄(最終停止図柄とも称する)が停止表示される。なお、飾り図柄表示エリア5Lに対応する飾り図柄を左図柄、飾り図柄表示エリア5Cに対応する飾り図柄を中図柄、飾り図柄表示エリア5Rに対応する飾り図柄を右図柄とも称する。飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
また、画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、保留情報に対応する保留表示が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、例えば左詰めで保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな始動条件の成立によって特図ゲームの保留数が増加したときは、始動入賞記憶表示エリア5Hの左端(アクティブ表示エリアAHAの最も近い側)から順に消化されるように新たな保留表示を追加してもよい。新たな開始条件の成立によって特図ゲームの保留数が減少したときは、始動入賞記憶表示エリア5Hの左端に表示されている保留表示(一番古くから表示されている保留表示)を消去するとともに、他の保留表示があるときには他の保留表示(他と保留表示が複数あるときには夫々の保留表示)を左側に移動(シフト)する。
また、画像表示装置5の表示領域には、アクティブ表示エリア(今回表示エリア、アクティブ保留表示エリア、消化時表示エリアなどとも称する)AHAが配置されている。アクティブ表示エリアでは、開始条件の成立によって始動入賞記憶表示エリア5Hから保留表示が消去されることに基づいてアクティブ表示(消化時表示、今回表示などとも称する)が行われる。つまり、開始条件の成立によって始動入賞記憶表示エリア5Hの左端に表示されている保留表示がアクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)してアクティブ表示が表示される。なお、以下、ある保留表示Mが消去されることに基づいて表示されるアクティブ表示を保留表示Mに対応するアクティブ表示とも称する場合がある。
本実施形態では、アクティブ表示エリアAHAは、図1に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に配置されているが、アクティブ表示エリアAHAは、画像表示装置5の表示領域の何れかの位置に配置されていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、上皿や下皿が設けられている。下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
遊技機用枠3の遊技領域の周辺部には、音声出力部材が設けられている。図1に示した一例では、遊技機用枠3の左右上部位置に、スピーカ8UL、スピーカ8URを設置し、上皿の左右斜下部(下皿の左右斜上部)に、スピーカ8LL、スピーカ8LRを設置している。以下、スピーカ8UL、8UR、8LL、8LRの夫々を特に区別しない場合には、単に、スピーカ8と称する。
遊技機用枠3の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として動作する可動役物(可動体)が設けらえている。図1に示した一例では、画像表示装置5の上部位置に、第1位置(図1に示した初期位置)から第2位置(下端位置。例えば画像表示装置5の表示領域の前面の位置)迄移動可能な可動役物17が設けられている。
また、遊技機用枠3の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として発光する発光部材(発光体)が設けられている。図1に示した一例では、可動役物17に発光部材9CCを設置し、画像表示装置5の左右位置に発光部材9CL、発光部材9CRを設置し、遊技機用枠3の上部位置に発光部材9U、遊技機用枠3の左右位置に発光部材9SL、発光部材9SRを設置している。以下、発光部材9CC、9CL、9CR、9U、9SL、9SRの夫々を特に区別しない場合には、単に、ランプ9と称する。
上述した画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、可動役物17は演出を実行する演出装置であるが、遊技機1は、例えば、振動部を有する装置、送風部を有する装置など他の演出装置を備えていてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、普図始動条件が成立した後に普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後(普通図柄の変動を開始させた後)、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り(普通図柄当り)」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ(普通図柄ハズレ)」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
パチンコ遊技機1では、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特図ゲームが開始され、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特図ゲームが開始される。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後(特別図柄の変動を開始させた後)、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄や小当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」としてもよい。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特図ゲームと第2特図ゲームにおいて異なる特別図柄を大当り図柄としてもよい。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、パチンコ遊技機1は、特定遊技状態である大当り遊技状態に制御される。パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態に制御する。大入賞口が開放状態に制御される大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な有利状態の一例である。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態である小当り遊技状態に制御される。
具体的には、パチンコ遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後の大当り遊技状態において、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を、所定の回数(所定のラウンド数)、実行する。ラウンドは、大入賞口の開放サイクルである。パチンコ遊技機1は、各ラウンド(各回のラウンド)において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉を開閉させて、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。例えば、パチンコ遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口扉を開いて大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させ、大入賞口を開放状態に維持し、その後、大入賞口扉を閉じて大入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。ラウンドにおいて大入賞口は、大入賞口扉を開いた後に所定の上限開放時間(例えば29秒間)が経過するか、大入賞口への所定個数(例えば9個)の入賞が発生するか、の何れかの条件が成立するまで開放状態に維持される。
パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、ラウンドの実行回数が所定の上限回数に達するまで、ラウンドを繰り返し実行する。なお、パチンコ遊技機1は、ラウンドの実行回数が所定の上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行を終了してもよい。所定の上限回数は、本実施形態では、2種類(8Rに対応する8回、16Rに対応する16回。図7参照)であるが、1種類であってもよいし、3種類以上であってもよい。
画像表示装置5の表示領域に配置されている飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。また、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間にはリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。リーチ状態における演出をリーチ演出という。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、演出パターンに応じて、リーチ演出後に大当り組合せなどが最終停止表示される可能性(「大当り期待度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)を異ならせてもよい。
なお、ある演出による大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される。なお、ある演出が実行されると必ず「大当り」になる場合、その演出の大当り期待度は「1」である。ある演出によるスーパーリーチ期待度などについても同様である。
リーチ演出は、大当り期待度が高いことなどを遊技者に予告、示唆する演出であるが、パチンコ遊技機1は、リーチ演出のほかにも、大当り期待度が高いことなどを遊技者に予告、示唆する演出(例えば、保留演出、擬似連演出等)を実行可能である。また、パチンコ遊技機1は、何れかのリーチ演出若しくはあるリーチ演出が実行されることなどを遊技者に予告、示唆する演出(例えば、保留演出、滑り演出等)を実行可能である。以下、何れかのリーチ演出若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを遊技者に予告、示唆する演出を予告演出と総称する場合がある。
なお、予告演出による報知(予告、示唆)は、当該報知内容が実現するか否かを遊技者が認識するよりも前に行われるものであればよい。例えば、リーチ状態となる可能性を報知する予告演出は、リーチ状態(又は、非リーチ状態)となる前に行われるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性を報知する予告演出は、確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に行われるものであればよい。
予告演出のうちには、先読予告演出(「事前判定予告演出」ともいう)となるものが含まれていればよい。先読予告演出は、当該予告対象となる可変表示を開始するより前に、当該可変表示を可変表示結果が「大当り」となるか否か等を特図ゲームの保留情報などに基づいて判定し(先読みし)、当該判定結果に基づいて実行する予告演出である。以下の説明において、先読予告演出の対象とする保留情報をターゲットの保留情報と称し、ターゲットの保留情報に対応する保留表示をターゲットの保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する可変表示をターゲットの可変表示とも称する。なお、ターゲットの保留表示に対応するアクティブ表示(ターゲットの可変表示中に表示されるアクティブ表示)をターゲットのアクティブ表示とも称する。
なお、アクティブ表示の表示態様は、入賞時に決定してもよいし、保留表示の時点(未だアクティブ表示となる前)に決定してもよいし、アクティブ表示となるときに(当該変動開始時)に決定してもよい。また、保留表示の表示態様と、当該保留表示に対応するアクティブ(当該保留表示が消去されることにより表示されるアクティブ表示)の表示態様は、同一(又は略同一)であってもよいし、互いに関連するものであってもよい。表示態様が同一(又は略同一)であるとは、例えば、消去前の保留表示の表示態様と同一又は略同一の表示態様のアクティブ表示が表示されることである。
表示態様が互いに関連するとは、例えば、保留表示の表示態様として大当り期待度が異なる3種類の表示態様(表示態様aの期待度>表示態様bの期待度>表示態様cの期待度)が存在し、アクティブ表示の表示態様として大当り期待度が異なる3種類の表示態様(表示態様sの期待度>表示態様tの期待度>表示態様uの期待度。但し、表示態様sは表示態様a、b、cの何れとも異なり、表示態様tは表示態様a、b、cの何れとも異なり、表示態様uは表示態様a、b、cの何れとも異なる)が存在する場合に、表示態様aの保留表示が消去されたときには表示態様sのアクティブ表示が表示され、表示態様bの保留表示が消去されたときには表示態様tのアクティブ表示が表示され、表示態様cの保留表示が消去されたときには表示態様uのアクティブ表示が表示されることである。なお、後述の追加時アクティブ表示演出が実行される場合には、表示態様aの保留表示が消去されたときには表示態様t又は表示態様uのアクティブ表示が表示され、表示態様bの保留表示が消去されたときには表示態様uのアクティブ表示が表示される。
本実施形態では、先読予告演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の表示態様による保留演出が実行可能である。保留演出には、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hに追加する保留表示を通常態様(本実施形態では白)とは異なる予告態様(本実施形態では青や赤)で表示する演出(追加時保留演出)や、既に表示されている保留表示を予告態様に変化(ある予告態様から他の予告態様への変化も含む)させる演出(保留変化演出)などが含まれる。
また、本実施形態では、先読予告演出として、保留表示を予告態様に変化させるときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を表示して保留表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(作用演出)が実行可能である。また、上記作用演出と少なくとも一部の演出態様が共通する演出であって保留表示を予告態様に変化させないときに実行する演出(作用ガセ演出)が実行可能であってもよい。
また、本実施形態では、予告演出(又は先読み予告演出)として、アクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ表示の表示態様によるアクティブ表示演出が実行可能であってもよい。アクティブ表示演出には、例えば、消去時の保留表示が通常態様であったときにアクティブ表示エリアAHAに追加するアクティブ表示を予告態様で表示する演出(追加時アクティブ表示演出)や、通常態様で表示されているアクティブ表示を予告態様に変化(ある予告態様から他の予告態様への変化も含む)させる演出(アクティブ表示変化演出)などが含まれる。なお、保留変化演出とアクティブ表示変化演出を特に区別しない場合には、「保留等変化演出」と称する場合がある。
また、アクティブ表示演出が実行可能である場合には、上記作用演出は、アクティブ表示を予告態様に変化させるときに実行され、画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を表示してアクティブ表示に直接的に又は間接的に作用させる演出であってもよい。また、アクティブ表示演出が実行可能である場合には、上記作用ガセ演出は、上記作用演出と少なくとも一部の演出態様が共通する演出であってアクティブ表示を予告態様に変化させないときに実行する演出であってもよい。
また、本実施形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を隠ぺいする隠ぺい演出が実行可能である。なお、隠ぺい演出は、保留表示の少なくとも一部の視認を困難にする演出である。例えば、隠ぺい演出は、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されている保留表示の数すらも全く認識できない位に保留表示の視認を困難(例えば、前面(上位のレイヤ)に隠ぺい用の画像が表示され全体的にシルエットのようになりぼんやりして視認困難、前面に隠ぺい用の画像が表示され部分的に邪魔になって視認困難、保留表示自体が見難くなり(小さくなり、半透明化し)視認困難等)又は不可能(例えば、前面に隠ぺい用の画像が表示され完全に視認不可能、透明化又は非表示化により完全に視認不可能)にする演出であってもよい。また、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されている保留表示の数は何とか認識可能(例えばシルエットにより認識可能)であるものの夫々の表示態様の視認を困難又は不可能にする演出であってもよい。また、表示態様は認識可能であるが、数を視認を困難又は不可能にする演出であってもよい。例えば、ある表示態様の保留表示(例えば赤の保留表示)の有無を報知するものであってもよい。また、全体ではなく一部(例えば上部)に予告態様が表現される保留表示の場合には、隠ぺい演出は、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されている夫々の保留表示の上部の視認を困難又は不可能にする演出であってもよい。
また、隠ぺい演出は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示に代えて又は加えてアクティブ表示エリアAHAおけるアクティブ表示を隠ぺいしてもよい。
本実施形態では、特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄(「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄)のうち、「3」の数字を示す特別図柄又は「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「8R確変大当り」となる。また、「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「16R確変大当り」となる。16R確変大当りや8R確変大当りの終了後には、時短制御(時間短縮制御)とともに確変制御(確率変動制御)が行われる。
確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、確変制御が行われないときに比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定のST回数(確変回数とも称する)の特図ゲームが実行されるときと、可変表示結果が「大当り」となるときとのうち、何れかの条件が先に成立したときに終了する。従って、確変制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した場合には、確変制御は終了する。なお、所定のST回数は、例えば70回である。
また、時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、時短制御が行われないときに比べて短縮される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定の時短回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることとのうち、何れかの条件が先に成立したときに終了する。従って、時短制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定の時短回数の特図ゲームを消化した場合には、時短制御は終了する。なお、所定の時短回数は、例えば70回である。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を時短制御が行われないときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を時短制御が行われないときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を時短制御が行われないときよりも長くする制御、その傾動回数を時短制御が行われないときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御の何れか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。従って、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、第2特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御とがともに行われる遊技状態は、時短状態又は高ベース状態とも称される。また、確変制御が行われる遊技状態は、高確状態又は確変状態とも称される。時短状態(高ベース状態)や、高確状態(確変状態)は、遊技者にとって有利な有利状態の一例である。
確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態、即ち、高確状態(確変状態)であって高ベース状態(時短状態)でもある遊技状態は、高確高ベース状態又は時短付確変状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない遊技状態、即ち、高確状態(確変状態)であるが高ベース状態(時短状態)ではない遊技状態は、高確低ベース状態又は時短無確変状態とも称される。なお、高確高ベース状態(時短付確変状態)のみを「確変状態」ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態、即ち、高確状態(確変状態)ではないが高ベース状態(時短状態)である遊技状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御も行われない遊技状態は、即ち、高確状態(確変状態)でも高ベース状態(時短状態)でもない遊技状態は、低確低ベース状態とも称される。低確低ベース状態は、確変制御も時短制御も高開放制御も行われない通常の状態であるため、高確高ベース状態や高確低ベース状態や低確高ベース状態などと区別して、「通常状態」と称することもある。パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように電源投入後に初期化処理が実行された後の状態)は、通常状態である。
なお、本実施形態では、確変制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した場合には、確変制御は終了するが、ST回数(確変回数)を設けずに可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御が終了しないようにしてもよい。即ち、次回大当りとなるまで確変制御を継続させる確変大当りを設けるようにしてもよい。次回大当りとなるまで確変制御を継続させる確変大当りを設けるときには、終了後に確変制御が行われない通常大当りを更に設けるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の識別情報の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9及び可動役物17などによる演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。役物制御基板16は、演出制御基板12とは別個に設けられた役物動作制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、可動役物17の駆動させるアクチュエータ(非図示)に駆動信号を出力する回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。なお、遊技機1は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23に加え、同様に主基板11に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉(非図示)の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤2自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)を備えていてもよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3(A)は、本実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、演出制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、演出制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
なお、夫々の演出制御コマンドを構成する情報は、例えば、ROM101内のコマンドテーブルに記憶されていてもよい。ある演出制御コマンドを演出制御基板12に対して送信するときには、当該演出制御コマンドを送信するための設定として、上記コマンドテーブルにおける当該演出制御コマンドの記憶アドレスを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納すればよい。その後、遊技制御用タイマ割込み処理(図11)のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、上述のように設定された演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図3(A)の一部について説明する。例えば、コマンド8001Hは、第1特図ゲームの開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特図ゲームの開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「16R確変大当り」であるか「8R確変大当り」であるかの決定結果や大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞通知コマンドである(第1始動口入賞指定コマンド、第1始動口入賞時コマンドと称する場合もある)。コマンドB200Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞通知コマンドである(第2始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞時コマンドと称する場合もある)。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。例えば、第1始動入賞が発生した場合(第1特図保留記憶数が増加した場合)には、第1始動口入賞通知コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを送信する。また、第2始動入賞が発生した場合(第2特図保留記憶数が増加した場合)には、第2始動口入賞通知コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを送信する。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動カテゴリ(「変動パターン種別」とも称する)の判定結果を示す変動カテゴリ指定コマンド(「変動カテゴリコマンド」とも称する)である。変動カテゴリとは、飾り図柄の変動パターンを種類別に分類(集約)したときの名称である。換言すれば、変動カテゴリとは、共通のグループにカテゴライズされる1以上の飾り図柄の変動パターンを含む、各グループのグループ名である。
本実施形態では、入賞時乱数値判定処理(図15)において、始動入賞の発生時に、一部の場合(例えば、高ベース状態等において第1始動入賞があった場合)を除いて、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3に基づいて、変動カテゴリを判定する。そして、変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、始動入賞の発生時に、主基板11から送信された変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、当該始動入賞に基づく可変表示がスーパーリーチとなるか否かなどを認識できる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
図4は、主基板11の側においてカウント(更新)される乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
図5は、本実施形態における変動カテゴリ及び変動パターンの一例を説明する説明図である。図5において、変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動カテゴリ「PA2」は、非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA2」には、変動パターン「PA2−1」と「PA2−2」とが属している。変動カテゴリ「PA3」は、ノーマルリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA3」には、変動パターン「PA3−1」と「PA3−2」とが属している。変動カテゴリ「PA4」は、スーパーリーチα(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA4」には、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−3」が属している。変動カテゴリ「PA5」は、スーパーリーチβ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA5」には、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−3」が属している。変動カテゴリ「PB1」は、短縮・リーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB1」には、変動パターン「PB1−1」が属している。変動カテゴリ「PB3」は、ノーマルリーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB3」には、変動パターン「PB3−1」と「PB3−2」とが属している。変動カテゴリ「PB4」は、スーパーリーチα(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB4」には、変動パターン「PB4−1」〜「PB4−3」が属している。変動カテゴリ「PB5」は、スーパーリーチβ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB5」には、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−3」が属している。
図5の一部について説明する。例えば、変動カテゴリ「PA3」に属する変動パターン「PA3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PA4」に属する変動パターン「PA4−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA4−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA4−3」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PB3」に属する変動パターン「PB3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB1」に属する変動パターン「PB1−1」は、変動パターン「PB3−1」よりも特図変動時間が短縮された短縮・リーチ(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB4」に属する変動パターン「PB4−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−3」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。
図6は、ROM101に記憶される表示結果決定テーブルの構成例を示している。図6に示した表示結果決定テーブル130は、特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)が導出表示される以前に、当該特図表示結果を特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。図6に示した表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、夫々の特図表示結果(「大当り」、「ハズレ」)に割り当てた判定値(特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値)の個数を異ならせている。図6に示した表示結果決定テーブル130によれば、遊技状態が高確状態であるときには低確状態であるときよりも多くの判定値を「大当り」に割り当てている。つまり、高確状態であるときには低確状態であるときに比べて「大当り」となる確率を高くしている。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。図7に示した大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定した場合に、大当り種別を複数種類の何れかにするかを、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて決定するために参照されるテーブルである。図7に示した大当り種別決定テーブル131では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて(つまり、第1特図ゲームを実行するか第2特図ゲームを実行するかに応じて)、夫々の大当り種別(「16R確変大当り」、「8R確変大当り」)に割り当てた判定値(大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値)の個数を異ならせている。図7に示した大当り種別決定テーブル131によれば、変動特図が第2特図であるときには(第2特図ゲームを実行するときには)、変動特図が第1特図であるときよりも(第1特図ゲームを実行するときよりも)、多くの判定値を「16R確変大当り」に割り当てている。つまり、第2特図ゲームでは第1特図ゲームに比べて「大当り」となった場合に「16R確変大当り」となる確率を高くしている。
また、ROM101には、変動カテゴリを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動カテゴリ決定テーブルや、変動パターンを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶されている。
RAM102は、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する。RAM102は、保持するデータの一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。
図8は、RAM102に設けられている遊技制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、保留特定情報記憶部151Cと、普図保留記憶部151Dと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、第1特図ゲームの保留データ(第1保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値を示す数値データ(例えば、乱数値MR1〜MR3を示す数値データなど)を保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、第2特図ゲームの保留データ(第2保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値を示す数値データ(例えば、乱数値MR1〜MR3を示す数値データなど)を保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
保留特定情報記憶部151Cは、第1特図保留記憶部151Aに記憶される保留データ、及び、第2特図保留記憶部151Bに記憶される保留データを合わせた全体の保留データの入賞順(遊技球の検出順)である保留番号と関連付けて、第1始動入賞の発生に基づく保留データ(第1保留情報)であるか、第2始動入賞の発生に基づく保留データ(第2保留情報)であるか、を示す情報を記憶する。図14に示した保留特定情報記憶部151Cにおいて、「第1」は第1保留情報である旨を示し、「第2」は第2保留情報である旨を示している。
普図保留記憶部151Dは、普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Dは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、第1特図保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値、第2特図保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値、合計保留記憶数を計数するための合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値などが記憶される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125、RTC(リアルタイムクロック)回路126とが搭載されている。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。
また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、可動役物17等)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータが記憶されている。夫々の演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。即ち、各種の演出動作は、演出制御パターンがセットされることによって実現される。例えば、夫々の変動パターンに対応する飾り図柄の可変表示動作は、夫々の変動パターンに対応する演出制御パターンがセットされることによって実現される。保留演出、アクティブ表示演出、ファンファーレ演出、ラウンド遊技中の演出(開放中演出、閉鎖中演出)、エンディング演出などについても、夫々の演出に対応する演出制御パターンセットされることによって実現される。
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、可動役物制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータにおいて演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。即ち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8からの音声出力態様を示すデータが含まれている。即ち、音声制御データは、スピーカ8からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えばランプ9の発光動作態様を示すデータが含まれている。即ち、ランプ制御データは、ランプ9の発光動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばプッシュボタン31Bといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。即ち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。可動役物制御データには、例えば可動役物17の動作態様を示すデータが含まれている。即ち、可動役物制御データは、可動役物17の動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様でランプ9を発光させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出装置に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(例えば、画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、可動役物17等)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#n、可動役物制御データ#1〜可動役物制御データ#nは、夫々の演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14、役物制御基板16などに対して出力される。例えば、演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図10(A)は、RAM122に設けられている演出制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図などである。RAM122には、パチンコ遊技機1における演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施形態では、図10(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。
また、本実施形態では、図10(C)に示すような先読予告バッファ194Bを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。先読予告バッファ194Bには、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。即ち、先読予告バッファ194Bには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが、バッファ番号「1」〜「8」に対応付けて記憶される。例えば、飾り図柄の可変表示の開始などにより、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、先読予告バッファ194Bにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、先読予告バッファ194Bにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理(センサエラー報知処理を含む)を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。
ステップS12の処理に続いて、CPU103は、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
ステップS13の情報出力処理に続いて、CPU103は、遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。ステップS14の遊技用乱数更新処理では、例えば、主基板11の側で用いられる遊技用乱数(例えば、乱数値MR1〜MR5等)の少なくとも一部をソフトウェアにより更新する。一例として、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによってカウントされる遊技用乱数を示す数値データをソフトウェアにより更新してもよい。
ステップS14の遊技用乱数更新処理に続いて、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行する(ステップS16)。普通図柄プロセス処理が実行されることにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図12は、図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のステップS15にて実行される特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図13は、図12に示す特別図柄プロセス処理(ステップS15)のステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示す始動入賞判定処理(ステップS101)において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定した場合は(ステップS201;YES)、CPU103は、第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定すればよい。
ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合には(ステップS202;NO)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値(始動口バッファ値)に「1」を設定する(ステップS207)。ステップS207の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時処理(図14)を実行し(ステップS208)、始動口バッファ値に「0」を設定(クリア)する(ステップS209)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンではないと判定した場合や(ステップS201(NO))、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達していると判定した場合や(ステップS202(YES))、ステップS209の処理を実行した後には、CPU103は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定した場合は(ステップS203;YES)、CPU103は、第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS204)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定すればよい。
ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合には(ステップS204;NO)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値(始動口バッファ値)に「2」を設定する(ステップS210)。ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時処理(図14)を実行し(ステップS211)、始動口バッファ値に「0」を設定(クリア)し(ステップS212)、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203にて第2始動口スイッチ22Bがオンではないと判定した場合や(ステップS203(NO))、ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値に達していると判定した場合には(ステップS204(YES))、ステップS210、S211、S212の処理を行わずに、始動入賞判定処理を終了する。
図13に示した始動入賞判定処理によれば、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bとにおいて、遊技球の始動入賞を同時に検出した場合であっても、それぞれの検出に基づく処理を完了させることができる。
図14は、始動入賞時処理(ステップS208、ステップS211)の一例を示すフローチャートである。図14に示した始動入賞時処理において、CPU103は、まず、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS215)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。ステップS215の処理に続いて、合計保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS216)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS216の処理に続いて、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS217)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部151における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。また、保留特定情報記憶部151Cには、始動口バッファ値に応じた情報が記憶される。
ステップS218の処理に続いて、CPU103は、始動口バッファ値に応じた始動口入賞通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1始動口入賞通知コマンドを送信するための設定を行う。また、始動口バッファ値が「2」であるときには第2始動口入賞通知コマンドを送信するための設定を行う。ステップS219において設定された始動口入賞通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS219の処理に続いて、CPU103は、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。その後、CPU103は、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。また、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。そして、始動入賞時処理を終了する。なお、ステップS221において設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図15は、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)の一例を示すフローチャートなどである。図15(A)に示した入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。ステップS401の処理では、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグの状態を確認することなどにより、大当り遊技状態であるか否かを特定する。具体的には、CPU103は、大当りフラグがオン状態であるときには大当り遊技状態であると特定し、大当りフラグがオン状態ではないときには(オフ状態であるときには)大当り遊技状態ではないと特定する。また、ステップS401の処理では、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた高ベースフラグの状態を確認することなどにより、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを特定する。具体的には、CPU103は、高ベースフラグがオン状態であるときには高ベース状態であると特定し、高ベースフラグがオン状態ではないときには(オフ状態であるときには)低ベース状態であると特定する。また、ステップS401の処理では、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた高確フラグの状態を確認することなどにより、高確状態であるか低確状態であるかを特定してもよい。具体的には、CPU103は、高確フラグがオン状態であるときには高確状態であると特定し、高確フラグがオン状態ではないときには(オフ状態であるときには)低確状態であると特定してもよい。
なお、CPU103は、大当り終了処理(ステップS117)において、高ベースフラグをオン状態にセットする。また、CPU103は、特別図柄停止処理(ステップS113)において高ベースフラグをオフ状態にクリアする。例えば、CPU103は、大当り終了処理において時短回数と比較される変動数カウンタに初期値であるゼロをセットし、特別図柄停止処理においてハズレとなる場合に変動数カウンタの値を更新(カウントアップ)するとともに変動数カウンタの値が時短回数に到達した場合に、高ベースフラグをオフ状態にクリアする。また、CPU103は、大当り終了処理において、高確フラグをオン状態にセットする。また、CPU103は、特別図柄停止処理において高確フラグをオフ状態にクリアする。例えば、CPU103は、大当り終了処理においてST回数と比較される変動数カウンタに初期値であるゼロをセットし、特別図柄停止処理においてハズレとなる場合に変動数カウンタの値を更新(カウントアップ)するとともに変動数カウンタの値が高確回数に到達した場合に、高確フラグをオフ状態にクリアする。なお、変動数カウンタの値は、例えば、遊技制御カウンタ設定部154には記憶される。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、現在、大当り遊技状態であるか否かを判定する(ステップS402)。つまり、ステップS401の処理において大当り遊技状態であると特定したか否かを判定する。ステップS402にて大当り遊技状態ではないと判定した場合(ステップS402;NO)、CPU103は、現在、高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS403)。つまり、ステップS401の処理において高ベース状態であると特定したか否かを判定する。
ステップS402にて大当り遊技状態であると判定した場合や(ステップS402;YES)、ステップS403にて高ベース状態であると判定した場合には(ステップS403;YES)、CPU103は、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。つまり、第2始動入賞(変動特図が第2特図である始動入賞)であるか否かを判定する。ステップS404にて始動口バッファ値が「2」ではないと判定した場合(ステップS404;NO)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
ステップS403にて高ベース状態ではないと判定した場合や(ステップS403(NO))、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定した場合には(ステップS404(YES))、CPU103は、現在の遊技状態に応じた特図表示結果決定テーブルをセット(選択)する(ステップS405)。具体的には、CPU103は、高確状態でないときには、図6に示した表示結果決定テーブル130から、低確状態用のテーブルデータ(「8000」〜「8189」の範囲の値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられているテーブルデータをセットし、高確状態であるときには、図6に示した表示結果決定テーブル130から、高確状態用のテーブルデータ(「8000」〜「8818」の範囲の値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられているテーブルデータをセットする。なお、CPU103は、高確フラグがオン状態であるときには高確状態であると特定し、高確フラグがオン状態ではないときには(オフ状態であるときには)低確状態であると特定してもよい。また、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブル(第1特図表示結果決定テーブル、第2特図表示結果決定テーブル)を用いる場合、始動口バッファ値が「1」である場合には、第1特図表示結果決定テーブルを使用し、始動口バッファ値が「2」である場合には、第2特図表示結果決定テーブルを使用すればよい。
ステップS405の処理に続いて、CPU103は、図14に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS406)。例えば、CPU103は、乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405にてセットされた特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値とを逐一比較し、乱数値MR1を示す数値データと合致する判定値の有無を判定する。あるいは、CPU103は、乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405にてセットされた特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを比較し、乱数値MR1を示す数値データが、判定値の最小値と最大値の範囲内であるか否かを判定してもよい。
ステップS406にて大当り判定範囲内であると判定した場合には(ステップS406;YES)、図14に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別を判定する(ステップS407)。具体的には、まず、CPU103は、始動口バッファ値によって特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」又は「2」に対応する「第2特図」)に応じた大当り種別決定テーブルをセット(選択)する。具体的には、CPU103は、図7に示した大当り種別決定テーブル131から、変動特図に応じたテーブルデータをセットする。続いて、CPU103は、例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、変動特図に応じてセットした大当り種別決定用テーブルデータにおける夫々の大当り種別の判定値とを比較するなどして、乱数値MR2を示す数値データと合致する大当り種別を判定すればよい。
ステップS407の処理に続いて、CPU103は、ステップS407の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS408)。一方、ステップS406にて大当り判定範囲内ではないと判定した場合には(ステップS406;NO)、ハズレに応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS409)。なお、ステップS409において設定された図柄指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS408の処理又はステップS409の処理を実行した後には、CPU103は、高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS410)。ステップS410にて高ベース状態ではないと判定した場合には(ステップS410;NO)、つまり、上記場面1や上記場面3であるときには、CPU103は、特図表示結果に応じた低ベース状態用の変動カテゴリ決定テーブルをセット(選択)する(ステップS411)。一方、ステップS410にて高ベース状態であると判定した場合には(ステップS410;YES)、つまり、上記場面2や上記場面4であるときには、CPU103は、特図表示結果に応じた高ベース状態用の変動カテゴリ決定テーブルをセット(選択)する(ステップS412)。
図16は、変動カテゴリ決定テーブルの選択例を示す図である。図16(A)は、低ベース状態であるときに、複数の変動カテゴリ決定テーブルのなかから何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する選択例である。図16(A)によれば、低ベース状態において特図表示結果を「ハズレ」とするときには、保留記憶数に応じて、3種類の変動カテゴリ決定テーブル(図中の「C−TBL1」「C−TBL2」「C−TBL3」)のなかから何れかの変動カテゴリ決定テーブルが選択される。具体的には、図16(A)に示すように、保留記憶数が0個又は1個のときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」が選択され、保留記憶数が2個又は3個のときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」が選択され、保留記憶数が4個以上のときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」が選択される。また、図16(A)によれば、低ベース状態において特図表示結果を「大当り」とするときには、保留記憶数に関わらず、1種類の変動カテゴリ決定テーブル(図中の「C−TBL4」)が選択される。
図16(B)は、高ベース状態であるときに、複数の変動カテゴリ決定テーブルのなかから何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する選択例である。図16(B)によれば、高ベース状態において特図表示結果を「ハズレ」とするときには、保留記憶数に応じて、2種類の変動カテゴリ決定テーブル(図中の「C−TBL1」「C−TBL3」)のなかから何れかの変動カテゴリ決定テーブルが選択される。また、図16(B)によれば、高ベース状態において特図表示結果を「大当り」とするときには、保留記憶数に関わらず、1種類の変動カテゴリ決定テーブル(図中の「C−TBL5」)が選択される。
図17は、変動カテゴリ決定テーブルの構成例を示す図である。図17(A)は、図16(A)や図16(B)の図中に示した変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」である。図17(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」(図17(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、図17(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」、図17(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」、図17(E)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL5」も同様)は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、複数種類の変動カテゴリに割り当てられている。
例えば、図17(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、0個が変動カテゴリ「PA1」に割り当てられ、70個(「0」〜「69」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割り当てられ、27個(「70」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割り当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割り当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割り当てられている。つまり、図17(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が0%(0÷100)、変動カテゴリ「PA2」が70%(70÷100)、変動カテゴリ「PA3」が27%(27÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図17(B)に示した変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、図17(C)に示した変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」、図17(D)に示した変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」、図17(E)に示した変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL5」についても同様であるため、説明を省略する。
図15(A)に戻る。ステップS410にて高ベース状態ではないと判定した場合に実行するステップS411の処理では、CPU103は、ステップS406にて特図表示結果を「大当り」とすると判定していた場合には変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」を構成するテーブルデータをセットし、特図表示結果を「ハズレ」とすると判定していた場合には保留記憶数に応じて変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」〜変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のうちの何れかを構成するテーブルデータをセットする。また、ステップS410にて高ベース状態であると判定した場合に実行するステップS412の処理では、CPU103は、ステップS406にて特図表示結果を「大当り」とすると判定していた場合には変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL5」を構成するテーブルデータをセットし、特図表示結果を「ハズレ」とすると判定していた場合には保留記憶数に応じて変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」又は変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」の何れかを構成するテーブルデータをセットする。
ステップS411の処理又はステップS412の処理を実行した後には、CPU103は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、変動カテゴリを決定(判定)する(ステップS413)。具体的には、CPU103は、図14に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出された変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ステップS411又はステップS412にてセットした変動カテゴリ決定テーブルのテーブルデータにおいて夫々の変動カテゴリに割り当てられている判定値とを比較するなどして、判定値の何れが、乱数値MR3を示す数値データと合致するかを判定すればよい。ステップS413の処理に続いて、CPU103は、ステップS413の処理による判定結果(決定結果)に応じて、図15(B)に示す変動カテゴリコマンドの何れかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS414)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
始動入賞判定処理(ステップS101)に続いて、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理の何れかを選択して実行する(図12参照)。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。特別図柄通常処理は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、当該可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する処理などを含んでいる。特別図柄通常処理では、可変表示結果を事前決定したときには、特図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。変動パターン設定処理は、変動パターンを決定する処理や、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)などを送信するための設定処理などを含んでいる。変動パターン設定処理では、特図プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動(可変表示)させる処理や、変動開始後の経過時間が特図変動時間(図5)に達したか否かを判定する処理などを含んでいる。特別図柄変動処理では、変動開始後の経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特別図柄停止処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を停止させ、確定特別図柄を停止表示(導出)させる処理や、大当りフラグがオフ状態となっている場合(特別図柄通常処理(ステップS110)にて可変表示結果を「ハズレ」とすると事前決定している場合)に実行する処理としてパチンコ遊技機1の遊技状態を遷移させる処理や、大当りフラグがオン状態となっている場合(可変表示結果を「大当り」とすると事前決定している場合)に実行する処理として当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を送信するための設定処理などを含んでいる。特別図柄停止処理では、大当りフラグがオフ状態となっているときには、特図プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、大当りフラグがオン状態となっているときには、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。大当り開放前処理は、大入賞口を開放状態とするための設定(例えば、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の設定等)を行う処理や、大入賞口開放中通知コマンドなどを送信するための設定処理などを含んでいる。大当り開放前処理では、特図プロセスフラグの値を“5”に更新する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。大当り開放中処理は、大入賞口の開放後の経過時間が所定時間を経過したか否かやカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数が所定個数に達したか否かなどに基づいて大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングを判定する処理や、大入賞口を閉鎖状態とするための設定(例えば、大入賞口を閉鎖状態とするための大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の設定等)を行う処理や、大入賞口開放後通知コマンドなどを送信するための設定処理などを含んでいる。大当り開放中処理では、特図プロセスフラグの値を“6”に更新する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。大当り開放後処理は、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達しない場合に実行する処理として大入賞口開放中通知コマンドを送信するための設定処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に実行する処理として当り終了指定コマンドを送信するための設定処理などを含んでいる。大当り開放後処理では、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値を“5”に更新し、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値を“7”に更新する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。大当り終了処理は、大当り終了時演出待ち時間(エンディング演出の実行期間に対応した待ち時間)が経過したか否かを判定する処理や、大当り終了時演出待ち時間が経過した場合に実行する処理としてパチンコ遊技機1の遊技状態を高確高ベース状態に設定する処理やST回数や時短回数を設定する処理などを含んでいる。大当り終了処理では、エンディング演出の実行期間に対応した待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
また、大当り開放中処理(ステップS115)、大当り開放後処理(ステップS116)、大当り開放前処理(ステップS114)、大当り終了処理(ステップS117)は、カウントスイッチ23がオンとなった場合に大入賞口入賞通知コマンドを送信するための送信設定を含んでいる。
図18は、特別図柄通常処理(ステップS110)の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS230)。例えば、ステップS230の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS230にて合計保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS230;NO)、最初に消化される保留データ(最も先に入賞した保留データ)は第2保留情報であるか否かを判定する(ステップS231)。例えば、ステップS231の処理では、保留特定情報記憶部151Cにて保留番号「1」に対応して記憶されている情報が、第2保留情報である旨を示している情報であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて最初に消化される保留データが第2保留情報であるときには(ステップS231;YES)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2をそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、保留特定情報記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された情報を1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新する。ステップS233の処理に続いて、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて最初に消化される保留データが第2保留情報でないときには(ステップS231;NO)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2をそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、保留特定情報記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された情報を1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新する。ステップS237の処理に続いて、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理の何れかを実行した後には、CPU103は、現在の遊技状態に応じた特図表示結果決定テーブルをセット(選択)する(ステップS239)。例えば、CPU103は、図15(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS405と同様に、特図表示結果決定テーブルをセットすればよい。続いて、CPU103は、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS239にてセットした特図表示結果決定テーブルとに基づいて、特図表示結果を決定する(ステップS240)。ステップS240の処理では、CPU103は、図15(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS406と同様、乱数値MR1を示す数値データと、ステップS239にてセットされた特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値とを逐一比較するなどして、特図表示結果(「大当り」とするか「ハズレ」とするか)を決定すればよい。
ステップS240の処理に続いて、CPU103は、ステップS240にて決定した特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。ステップS241にて「大当り」であると判定した場合には(ステップS241;YES)、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。なお、大当りフラグは、ステップS117の大当り終了処理にてオフ状態にクリア(リセット)される。ステップS242の処理に続いて、CPU103は、大当り種別決定処理を実行する(S244)。ステップS244の大当り種別決定処理は、図15(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS407において実行される大当り種別判定処理と同様である。ステップS244の大当り種別決定処理に続いて、CPU103は、ステップS244の大当り種別決定処理において決定した大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定する(ステップS245)。つまり、ステップS244の大当り種別決定処理において決定した大当り種別が何であるかを記憶する。一例として、CPU103は、ステップS244の大当り種別決定処理において決定した大当り種別が、「16R確変大当り」であれば大当り種別バッファ値に「1」を設定し、「8R確変大当り」であれば大当り種別バッファ値に「2」を設定する。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定した場合(ステップS241(NO))や、ステップS245の処理を実行した後には、CPU103は、ステップS240の処理にて決定された特図表示結果や、大当りの場合にステップS244の処理にて決定された大当り種別に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS230にて合計保留記憶数が「0」であるときには(ステップS230;YES)、デモ表示設定(ステップS250)を実行し、特別図柄通常処理を終了する。ステップS250のデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する客待ちデモ指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図19は、変動パターン設定処理(ステップS111)において参照される変動パターン決定テーブルの構成例を示す図である。変動パターン設定処理において、CPU103は、図15(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS413の処理と同様、変動カテゴリを決定し、決定した変動カテゴリに対応する変動パターン決定テーブルを選択(セット)し、選択した変動パターン決定テーブルを用いて変動パターンを決定する。例えば、CPU103は、変動カテゴリ「PA2」を決定した場合には、図19(B)に示した変動カテゴリ「PA2」に対応する変動パターン決定テーブルを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データが、「0」〜「39」の範囲にあるときには変動パターン「PA2−1」を決定し、「40」〜「99」の範囲にあるときには変動パターン「PA2−2」を決定する。また例えば、CPU103は、変動カテゴリ「PA3」を決定した場合には、図19(C)に示す、変動カテゴリ「PA3」に対応する変動パターン決定テーブルを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データが、「0」〜「79」の範囲にあるときには変動パターン「PA3−1」を決定し、「80」〜「99」の範囲にあるときには変動パターン「PA3−2」を決定する。他の変動カテゴリを決定した場合についても同様である。
なお、変動パターン決定用の乱数値MR5は、当該処理の実行時に抽出してもよいし、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3などと同様、始動入賞時処理(ステップS208、ステップS211)のステップS217にて抽出して保留データとし、特別図柄通常処理(ステップS110)のステップS232(又はステップS236)にて読み出してもよい。
なお、本実施形態では、ST回数(確変回数)の設定値と時短回数を70回の設定値とを同一の値(共に70回)としたが、ST回数(確変回数)の設定値と時短回数を70回の設定値とを異なる値としてもよい。また、本実施形態では、8R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値と、16R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値とを同一の値(共に70回)としたが、8R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値と、16R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値とを異なる値としてもよい。また、本実施形態では、8R確変大当りの場合の時短回数の設定値と、16R確変大当りの場合の時短回数の設定値とを同一の値(共に70回)としたが、8R確変大当りの場合の時短回数の設定値と、16R確変大当りの場合の時短回数の設定値とを異なる値としてもよい。なお、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値が「1」である場合には16R確変大当りであると判断し、大当り種別バッファ値が「2」である場合には8R確変大当りであると判断してもよい。また、8R確変大当りの場合と16R確変大当りの場合とでST回数(確変回数)や時短回数の設定値を異ならせない場合には(同一の値とするときには)、ステップS312の処理(大当り種別バッファ値の読出)を省略してもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
図20は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図20に示すような演出制御メイン処理を実行する。
図20に示した演出制御メイン処理において、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオン状態となっていないと判定した場合には(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、タイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取り込む。
このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオン状態となっていると判定した場合には(ステップS72;YES)、演出制御用CPU120は、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74のコマンド解析処理に続いて、演出制御用CPU120は、エラー報知処理を実行する(ステップS75)。ステップS75のエラー報知処理では、例えば磁石を用いて不正に遊技球を入賞口に誘導させるような行為について、主基板11から送信された磁気異常報知指定コマンドに対応したエラー報知等が行われる。
ステップS75のエラー報知処理に続いて、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。ステップS76の演出制御プロセス処理では、主基板11から送信された演出制御コマンド等に基づいて、各種の演出装置(例えば、画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、可動役物17等)を用いた演出動作に関する判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出制御用CPU120は、演出用乱数更新処理を実行する(ステップS77)。ステップS77の演出用乱数更新処理では、例えば、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新する。一例として、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データをソフトウェアにより更新してもよい。その後、ステップS72の処理に戻る。
なお、演出制御基板12の側で、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みは、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みであると説明したが、演出制御コマンド等を受信するための割込みを発生させる方法は、上記に限定されない。例えば、シリアル通信の先頭ビットによる割込み要求を以って、演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生するものとしてもよい。
図21は、コマンド解析処理(ステップS74)の一例を示すフローチャートである。図21に示したコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。受信コマンドがないと判定した場合には(ステップS501;NO)、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがあると判定した場合には(ステップS501;YES)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第1始動口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。なお、演出制御用CPU120は、例えば受信コマンドのMODEデータを確認し、受信コマンドの種類を特定すればよい(図3参照)。
ステップS502にて第1始動口入賞通知コマンドであると判定した場合には(ステップS502;YES)、演出制御用CPU120は、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、演出制御用CPU120は、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間として予め定められたタイマ初期値を、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットすればよい。
ステップS502にて第1始動口入賞通知コマンドではないと判定した場合には(ステップS502;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第2始動口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504にて第2始動口入賞通知コマンドであると判定した場合には(ステップS504;YES)、演出制御用CPU120は、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、演出制御用CPU120は、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間として予め定められたタイマ初期値を、コマンド受信制御タイマにセットすればよい。
ステップS504にて第2始動口入賞通知コマンドではないと判定した場合には(ステップS504;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて図柄指定コマンドではないと判定した場合には(ステップS506;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて変動カテゴリコマンドではないと判定した場合には(ステップS507;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。ステップS508にて第1保留記憶数通知コマンドであると判定した場合には(ステップS508;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて第1保留記憶数通知コマンドではないと判定した場合には(ステップS508;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。ステップS510にて第2保留記憶数通知コマンドであると判定した場合には(ステップS510;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて図柄指定コマンドであると判定した場合や(ステップS506(YES))、ステップS507にて変動カテゴリコマンドであると判定した場合や(ステップS507(YES))、ステップS503、ステップS505、ステップS509、ステップS511の処理の何れかを実行した後には、演出制御用CPU120は、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納する(ステップS512)。ステップS512の処理に続いて、ステップS501の処理に戻る。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではないと判定した場合には(ステップS510;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS513)。変動パターン指定コマンドであると判定した場合には(ステップS513;YES)、演出制御用CPU201は、RAMに形成されている変動パターン指定コマンド格納領域に当該変動パターン指定コマンドを格納する(ステップS515)。ステップS515の処理に続いて、ステップS501の処理に戻る。
ステップS513にて受信コマンドが変動パターン指定コマンドでないと判定した場合には(ステップS513;NO)、演出制御用CPU120は、他の夫々の受信コマンドに応じた設定等を行う(ステップS518)。例えば、演出制御用CPU120は、受信コマンドが遊技状態指定コマンドであった場合には、当該遊技状態指定コマンドを解析して、現在の遊技状態を特定してもよい。ステップS518の処理に続いて、ステップS501の処理に戻る。
図22は、演出制御プロセス処理(ステップS76)の一例を示すフローチャートである。図22に示した演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、入賞時演出決定処理を実行する(ステップS150)。入賞時演出決定処理では、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックする処理や、受信コマンドとして、始動口入賞通知コマンドを受信しているか否かを判定する処理や、各種の演出に関して決定する処理などが実行される。
入賞時演出決定処理(ステップS150)に続いて、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜177の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送された第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを受信したか否かに基づいて画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。可変表示開始待ち処理では、飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには(即ち、変動パターン指定コマンド等を受信したときには)、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を行うための設定(例えば、変動パターン(特図変動時間)に対応する演出制御パターンや変動時間タイマの値の設定等)を行う処理や、保留表示、アクティブ表示などの表示動作を行うための設定(例えば、当該表示動作に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理では、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。可変表示中演出処理は、可変表示開始設定処理(ステップS171)にて設定した変動時間タイマがタイムアウトしたか否か(画像表示装置5における飾り図柄の可変表示開始後の経過時間が特図変動時間に達したか否か)を判定する処理などを含んでいる。可変表示中演出処理では、変動時間タイマがタイムアウトしたときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特図当り待ち処理は、確定飾り図柄が「ハズレ」である場合に実行する処理としてパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する変動時遊技状態設定処理や、確定飾り図柄が「大当り」である場合に実行する処理としてファンファーレ演出を行うための設定(例えば、ファンファーレ演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。特図当り待ち処理では、確定飾り図柄が「ハズレ」であるときには、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、確定飾り図柄が「大当り」であるときには、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。大当り開始処理は、大入賞口開放中通知コマンドを受信したか否かを判定する処理や、大入賞口開放中通知コマンドを受信した場合に実行する処理として開放中演出(各ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7が開放状態であるときに実行する演出)を行うための設定(例えば、開放中演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。大当り開始処理では、大入賞口開放中通知コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。ラウンド中処理は、大入賞口開放後通知コマンドを受信したか否かを判定する処理や、大入賞口開放後通知コマンドを受信した場合に実行する処理として閉鎖中演出(各ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7が閉鎖状態であるときに実行する演出)を行うための設定(例えば、閉鎖中演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。ラウンド中処理では、大入賞口開放後通知コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。ラウンド後処理は、大入賞口開放中通知コマンドや当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する処理や、大入賞口開放中通知コマンドを受信した場合に実行する処理として開放中演出を行うための設定(例えば、開放中演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理や、当り終了指定コマンドを受信した場合に実行する処理としてエンディング演出を行うための設定(例えば、エンディング演出に対応する演出制御パターンやエンディング演出実行時間タイマの値の設定等)を行う処理などを含んでいる。ラウンド後処理では、大入賞口開放中通知コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“5”に更新し、当り終了指定コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“7”に更新する。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。大当り終了後処理は、ラウンド後処理(ステップS176)にて設定したエンディング演出実行時間タイマがタイムアウトしたか否か(画像表示装置5におけるエンディング演出の実行開始後の経過時間が設定時間に達したか否か)を判定する処理などを含んでいる。大当り終了後処理では、エンディング演出実行時間タイマがタイムアウトしたときには、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図23は、入賞時演出決定処理(S150)の一例を示すフローチャートである。図23に示した入賞時演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックし(ステップS151)、新たな受信コマンドとして第1始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS152)。ステップS152にて第1始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定したときは(ステップS152;NO)、演出制御用CPU120は、新たな受信コマンドとして第2始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS154)。ステップS154にて第2始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定したときは(ステップS154;NO)、入賞時演出決定処理を終了する。
ステップS152において第1始動口入賞指定コマンドを受信していると判定したときは(ステップS152;YES)、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御フラグ設定部191に設けられた高ベースフラグを参照して、時短状態(高確高ベース状態)であるか否かを判定する(ステップS155)。時短状態ではないと判定したときは(ステップS155:NO)、演出制御用CPU120は、保留演出等決定処理を実行する(ステップS160)。ステップS160の保留演出等決定処理(ステップS163の保留演出等決定処理も同様)には、保留演出、アクティブ表示演出、作用演出、作用ガセ演出、隠ぺい演出等について決定する処理が含まれている。詳細は後述する。
保留演出等決定処理(ステップS160)を実行した後には、演出制御用CPU120は、保留演出等決定処理の決定内容を記憶する(ステップS161)。具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける当該始動入賞のバッファ番号に対応する先読予告バッファ194Bのバッファ番号に対応付けて保留演出等決定処理の決定内容を記憶する。
ステップS161の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、ステップS161において記憶した決定内容に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hに新たな保留表示を追加する(ステップS162)。より詳細には、演出制御用CPU120は、上述の先読予告バッファ194Bのバッファ番号に対応付けて記憶された追加時の表示態様による保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hに表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、保留演出等決定処理において決定した追加時の表示態様で表示される保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hに追加する。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
ステップS154において第2始動口入賞指定コマンドを受信していると判定したときは(ステップS154;YES)、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御フラグ設定部191に設けられた高ベースフラグを参照して、時短状態(高確高ベース状態)であるか否かを判定する(ステップS156)。時短状態(高確高ベース状態)であると判定したときは(ステップS156:YES)、演出制御用CPU120は、保留演出等決定処理を実行する(ステップS163)。ステップS163の保留演出等決定処理は、ステップS160の保留演出等決定処理と同様である。
保留演出等決定処理(ステップS163)を実行した後には、演出制御用CPU120は、ステップS163、ステップS164、ステップS165の処理を実行し、入賞時演出決定処理を終了する。なお、ステップS163、ステップS164、ステップS165の夫々の処理は、ステップS160、ステップS161、ステップS162の夫々の処理に係る処理と同様である。
ステップS155において時短状態であると判定したときや(ステップS155:YES)、ステップS156において時短状態ではないと判定したときは(ステップS156:NO)、始動口入賞指定に応じた保留追加処理を実行する(S166)。具体的には、演出制御用CPU120は、保留演出等決定処理(ステップS160、S163)において保留演出を実行しないと決定した場合と同様、追加時及び各シフト後の表示態様として通常の表示態様(例えば、白色)を示す情報を記憶し、通常の表示態様で表示される保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hに追加する。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
(ステップS160の処理、ステップS163の処理の詳細)
図24は、保留等変化演出に関する決定割合を説明する説明図である。図25は、隠ぺい演出、及び、キャラ演出に関する決定割合を説明する説明図である。以下、図24及び図25を用いて、上述した入賞時演出決定処理のステップS160(ステップS163)の処理について詳しく説明する。なお、本実施形態では、作用演出又は作用ガセ演出として大キャラ演出と小キャラ演出とが用意されているものとする。なお、大キャラ演出と小キャラ演出とを特に区別しない場合には、単に「キャラ演出」と称する。
演出制御用CPU120は、ステップS160(ステップS163)の処理において例えば以下の処理を実行する。
(A)保留等変化演出を実行するか否かを決定する処理
(B)最終表示色を決定する処理
(C)隠ぺい演出を実行するか否かを決定する処理
(D)キャラ演出を実行するか否かを決定する処理
(E)保留等変化演出、キャラ演出の実行タイミングを決定する処理
(A:保留等変化演出を実行するか否かを決定する処理)
本実施形態では、今回の入賞時に、今回以前の入賞の入賞時において保留等変化演出(保留変化演出又はアクティブ表示変化演出)と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在していない場合(即ち、何れかの先読予告演出のターゲットである保留表示やアクティブ表示が始動入賞記憶表示エリア5Hやアクティブ表示エリアAHAに表示されていない場合)であって、且つ、変動カテゴリ(変動パターン指定コマンドによって指定された変動カテゴリ)が「PA3」「PA4」「PA5」「PB3」「PB4」「PB5」のうちの何れかである場合であって、且つ、今回の入賞による保留表示が消化3個前又は消化4個前の保留表示となる場合(つまり始動入賞記憶表示エリア5Hに既に2個の保留表示があり今回の入賞により追加される保留表示が3個目の保留表示となる場合、又は、始動入賞記憶表示エリア5Hに既に3個の保留表示があり今回の入賞により追加される保留表示が4個目の保留表示となる場合)に、乱数値を用いて保留等変化演出を実行するか否かを決定する。
一方、今回の入賞時に、今回以前の入賞の入賞時において保留等変化演出(保留変化演出又はアクティブ表示変化演出)と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在している場合(即ち、何れかの先読予告演出のターゲットである保留表示やアクティブ表示が始動入賞記憶表示エリア5Hやアクティブ表示エリアAHAに表示されている場合)や、変動カテゴリが「PA1」「PA2」「PB1」である場合や、今回の入賞による保留表示が消化1個前や消化2個前や消化5個前等の保留表示となる場合には、保留等変化演出を実行しないと決定する。なお、保留等変化演出と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在している場合に保留等変化演出を実行しないことにより、先読予告演出が複雑に実行され遊技者が混乱してしまうのを防止することができる。また、制御処理を簡素化することができる。なお、本実施形態では、保留等変化演出を実行しない場合、保留表示やアクティブ表示の表示色は「白(通常態様)」である。
演出制御用CPU120は、先読予告バッファ194Bを参照し、保留等変化演出と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在しているか否かを確認する。なお、演出制御用CPU120は、ある入賞時において、保留等変化演出を実行すると決定したときは先読予告バッファ194B(図10(C)参照)の当該入賞の保留表示に対応するバッファ番号に対応付けて保留等変化演出に関する情報(最終表示色、実行タイミング等)を記憶し、また、隠ぺい演出を実行すると決定したときは上記バッファ番号に対応付けて隠ぺい演出を実行する旨の情報(例えばフラグ等)を記憶し、また、キャラ演出を実行すると決定したときは上記バッファ番号に対応付けてキャラ演出に関する情報(大キャラ演出を実行するか小キャラ演出を実行するかを示した情報、実行タイミング等)を記憶するものとする。従って、演出制御用CPU120は、先読予告バッファ194Bを参照することにより、保留等変化演出と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在しているか否かを確認することができる。
保留等変化演出(保留変化演出又はアクティブ表示変化演出)と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在していない場合、演出制御用CPU120は、変動カテゴリが「PA3」「PA4」「PA5」「PB3」「PB4」「PB5」のうちの何れかであるか否かを判定する。
変動カテゴリが「PA3」「PA4」「PA5」「PB3」「PB4」「PB5」のうちの何れかである場合、演出制御用CPU120は、今回の入賞による保留表示が消化3個前又は消化4個前の保留表示であるか否かを確認する。
今回の入賞による保留表示が消化3個前の保留表示である場合(つまり始動入賞記憶表示エリア5Hに既に2個の保留表示があり今回の入賞により追加される保留表示が3個目の保留表示となる場合)、演出制御用CPU120は、保留等変化演出を実行するか否かを図24(A)に示すような決定割合で決定する。図24(A)は、今回の入賞による保留表示が消化3個前の保留表示である場合における、保留等変化演出の実行有無の決定割合を説明する説明図である。図24(A)に示す例によれば、演出制御用CPU120は、40%の割合で保留等変化演出を実行すると決定する。
例えば、ROM121には、今回の入賞による保留表示が消化3個前の保留表示である場合に参照される、保留等変化演出実行有無決定テーブルが記憶され、当該保留等変化演出実行有無決定テーブルには、「実行無し」と「実行有り」の夫々が図24(A)に示した割合で決定されるように、「実行無し」と「実行有り」の夫々に、保留等変化演出実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(判定値)が割り当てられていればよい。具体的には、当該保留等変化演出実行有無決定テーブルには、保留等変化演出実行有無決定用の乱数値と比較される数値が、「実行無し」と「実行有り」とに60:40の割合で割り当てられていればよい。
また、今回の入賞による保留表示が消化4個前の保留表示である場合(つまり始動入賞記憶表示エリア5Hに既に3個の保留表示があり今回の入賞により追加される保留表示が4個目の保留表示となる場合)、演出制御用CPU120は、保留等変化演出を実行するか否かを図24(B)に示すような決定割合で決定する。図24(B)は、今回の入賞による保留表示が消化4個前の保留表示である場合における、保留等変化演出の実行有無の決定割合を説明する説明図である。図24(B)に示す例によれば、演出制御用CPU120は、70%の割合で保留等変化演出を実行すると決定する。
例えば、ROM121には、今回の入賞による保留表示が消化4個前の保留表示である場合に参照される、保留等変化演出実行有無決定テーブルが記憶され、当該保留等変化演出実行有無決定テーブルには、「実行無し」と「実行有り」の夫々が図24(B)に示した割合で決定されるように、「実行無し」と「実行有り」の夫々に、保留等変化演出実行有無決定用の乱数値と比較される数値が割り当てられていればよい。具体的には、当該保留等変化演出実行有無決定テーブルには、保留等変化演出実行有無決定用の乱数値と比較される数値が、「実行無し」と「実行有り」とに30:70の割合で割り当てられていればよい。
なお、保留等変化演出実行有無決定用の乱数値は、例えば、演出用乱数更新処理(ステップS77)において更新されるものであってもよい。演出制御用CPU120が用いる他の乱数値(例えば、最終表示色決定用の乱数値(後述)、キャラ演出実行有無決定用の乱数値、隠ぺい演出実行有無決定用の乱数値(後述)、実行タイミング決定用の乱数値(後述)等)についても同様である。
(B:最終表示色を決定する処理)
本実施形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hに新たに追加する際の保留表示の表示色(当初表示色)は「白(通常態様)」である。また、最終表示色が「青」である場合には1回の保留等変化演出(保留変化演出又はアクティブ表示変化演出)により当初表示色「白」→最終表示色「青」に変化させるものとし、最終表示色が「赤」である場合には1回の保留等変化演出により当初表示色「白」→最終表示色「赤」に変化させるものとする。
演出制御用CPU120は、保留等変化演出を実行すると決定した場合、保留等変化演出による最終表示色(最終的な表示色)を図24(C)に示すような決定割合で決定する。図24(C)は、最終表示色の決定割合を説明する説明図である。図24(C)に示す例によれば、演出制御用CPU120は、変動カテゴリが「PA3」「PB3」のうちの何れかであるときには、100%の割合で最終表示色を「青」に決定する。また、図24(C)に示す例によれば、演出制御用CPU120は、変動カテゴリが「PA4」「PA5」のうちの何れかであるときには、80%の割合で最終表示色を「青」に決定し、20%の割合で最終表示色を「赤」に決定する。また、図24(C)に示す例によれば、演出制御用CPU120は、変動カテゴリが「PB4」であるときには、50%の割合で最終表示色を「青」に決定し、50%の割合で最終表示色を「赤」に決定する。また、図24(C)に示す例によれば、演出制御用CPU120は、変動カテゴリが「PB5」であるときには、30%の割合で最終表示色を「青」に決定し、70%の割合で最終表示色を「赤」に決定する。
例えば、ROM121には、変動カテゴリが「PA3」「PB3」のうちの何れかであるときに参照される、最終表示色決定テーブルが記憶され、当該最終表示色決定テーブルには、「青」「赤」の夫々が図24(C)の該当する変動カテゴリ欄(「PA3」「PB3」)に示した割合で決定されるように、「青」「赤」の夫々に、最終表示色決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(判定値)が割り当てられていればよい。具体的には、当該最終表示色決定テーブルには、最終表示色決定用の乱数値と比較される数値が、「青」と「赤」とに100:0の割合で割り当てられていればよい。また、ROM121には、変動カテゴリが「PA4」「PA5」のうちの何れかであるときに参照される、最終表示色決定テーブルが記憶され、当該最終表示色決定テーブルには、「青」「赤」の夫々が図24(C)の該当する変動カテゴリ欄(「PA4」「PA5」)に示した割合で決定されるように、「青」「赤」の夫々に、最終表示色決定用の乱数値と比較される数値(判定値)が割り当てられていればよい。具体的には、当該最終表示色決定テーブルには、最終表示色決定用の乱数値と比較される数値が、「青」と「赤」とに80:20の割合で割り当てられていればよい。また、ROM121には、変動カテゴリが「PB4」であるときに参照される、最終表示色決定テーブルが記憶され、当該最終表示色決定テーブルには、「青」「赤」の夫々が図24(C)の該当する変動カテゴリ欄(「PB4」)に示した割合で決定されるように、最終表示色決定用の乱数値と比較される数値が、「青」と「赤」とに50:50の割合で割り当てられていればよい。また、ROM121には、変動カテゴリが「PB5」であるときに参照される、最終表示色決定テーブルが記憶され、当該最終表示色決定テーブルには、「青」「赤」の夫々が図24(C)の該当する変動カテゴリ欄(「PB5」)に示した割合で決定されるように、最終表示色決定用の乱数値と比較される数値が、「青」と「赤」とに30:70の割合で割り当てられていればよい。なお、図24(C)に示すように、大当り期待度は、「赤」>「青」である。
また、演出制御用CPU120は、最終表示色を決定した場合、先読予告バッファ194Bの当該保留表示に対応するバッファ番号に対応付けて、決定した最終表示色を特定可能な情報を記憶する(ステップS161、ステップS164)。
(C:隠ぺい演出を実行するか否かを決定する処理)
本実施形態では、今回の入賞時に、今回以前の入賞の入賞時において保留等変化演出と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在していない場合、保留等変化演出を実行するか否かの決定結果とは無関係に、乱数値を用いて隠ぺい演出を実行するか否かをを決定する。
一方、今回の入賞時に、今回以前の入賞の入賞時において保留等変化演出と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在している場合には、隠ぺい演出を実行しないと決定する。
なお、本実施形態では、入賞時に隠ぺい演出を実行すると決定した場合には、当該決定直後に隠ぺい演出の実行を開始し、実行タイミング「当該変動」(後述)のタイミングよりも後に終了するものとする。つまり、隠ぺい演出の実行期間(隠ぺい期間)は、入賞時〜実行タイミング「当該変動」後であるものとする。
演出制御用CPU120は、保留等変化演出を実行するか否かを決定するときと同様に、先読予告バッファ194Bを参照し、保留等変化演出と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在している否かを確認する。なお、演出制御用CPU120は、保留等変化演出を実行するか否かを決定するときに確認した確認結果(存在の有無等)を記憶しておき、先読予告バッファ194Bに代えて当該確認結果を参照してもよい。
保留等変化演出と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在していない場合、演出制御用CPU120は、隠ぺい演出を実行するか否かを図25(A)に示すような決定割合で決定する。図25(A)は、隠ぺい演出の実行有無の決定割合を説明する説明図である。図25(A)に示す例によれば、演出制御用CPU120は、「大当り」となるときには50%の割合で隠ぺい演出を実行すると決定し、「ハズレ」となるであるときには3%の割合で隠ぺい演出を実行すると決定する。
例えば、ROM121には、表示結果(図柄指定コマンドによって指定された表示結果)が「大当り」であるときに参照される、隠ぺい演出実行有無決定テーブルが記憶され、当該隠ぺい演出実行有無決定テーブルには、「実行無し」「実行有り」の夫々が図25(A)の該当する表示結果欄(「大当り」)に示した割合で決定されるように、「実行無し」「実行有り」の夫々に、隠ぺい演出実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(判定値)が割り当てられていればよい。具体的には、当該隠ぺい演出実行有無決定テーブルには、隠ぺい演出実行有無決定用の乱数値と比較される数値が、「実行無し」と「実行有り」とに50:50の割合で割り当てられていればよい。また、ROM121には、表示結果が「ハズレ」であるときに参照される、隠ぺい演出実行有無決定テーブルが記憶され、当該隠ぺい演出実行有無決定テーブルには、「実行無し」「実行有り」の夫々が図25(A)の該当する表示結果欄(「ハズレ」)に示した割合で決定されるように、「実行無し」「実行有り」の夫々に、隠ぺい演出実行有無決定用の乱数値と比較される数値が割り当てられていればよい。具体的には、当該隠ぺい演出実行有無決定テーブルには、隠ぺい演出実行有無決定用の乱数値と比較される数値が、「実行無し」と「実行有り」とに97:3の割合で割り当てられていればよい。
図25(A)示す例によれば、隠ぺい演出が実行されるときには実行されないときに比べて大当り期待度は高い。
また、演出制御用CPU120は、隠ぺい演出を実行すると決定した場合、先読予告バッファ194Bの当該保留表示に対応するバッファ番号に対応付けて隠ぺい演出を実行する旨の情報を記憶する(ステップS161、ステップS164)。
(D:キャラ演出を実行するか否かを決定する処理)
本実施形態では、今回の入賞時に、今回以前の入賞の入賞時において保留等変化演出と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在していない場合であって、且つ、今回の入賞による保留表示が消化3個前又は消化4個前の保留表示となる場合に、保留等変化演出を実行するか否かの決定結果とは無関係に、乱数値を用いてキャラ演出を実行するか否かをを決定する。
一方、今回の入賞時に、今回以前の入賞の入賞時において保留等変化演出と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在している場合や、今回の入賞による保留表示が消化1個前や消化2個前や消化5個前等の保留表示となる場合には、キャラ演出を実行しないと決定する。
演出制御用CPU120は、保留等変化演出を実行するか否かを決定するときと同様に、先読予告バッファ194Bを参照し、少なくとも保留等変化演出、隠ぺい演出、キャラ演出のうちのいずれか1つを実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在している否かを確認する。なお、演出制御用CPU120は、保留等変化演出を実行するか否かを決定するときに確認した確認結果(存在の有無等)を記憶しておき、先読予告バッファ194Bに代えて当該確認結果を参照してもよい。
保留等変化演出と隠ぺい演出とキャラ演出とのうち少なくともいずれか1つの演出を実行すると決定した保留表示やアクティブ表示が存在していない場合、演出制御用CPU120は、今回の入賞による保留表示が消化3個前又は消化4個前の保留表示であるか否かを確認する。
今回の入賞による保留表示が消化3個前の保留表示又は消化4個前の保留表示である場合には、演出制御用CPU120は、キャラ演出を実行するか否かを図25(B)に示すような決定割合で決定する。図25(B)は、キャラ演出の実行有無の決定割合を説明する説明図である。図25(B)に示す例によれば、演出制御用CPU120は、隠ぺい演出を実行しないときには、70%の割合でキャラ演出を実行しないと決定し、15%の割合で大キャラ演出を実行すると決定し、15%の割合で小キャラ演出を実行すると決定する。また、図25(B)に示す例によれば、演出制御用CPU120は、隠ぺい演出を実行するときには、20%の割合でキャラ演出を実行しないと決定し、75%の割合で大キャラ演出を実行すると決定し、5%の割合で小キャラ演出を実行すると決定する。
例えば、ROM121には、隠ぺい演出を「実行無し」と決定したときに参照される、キャラ演出実行有無決定テーブルが記憶され、当該キャラ演出実行有無決定テーブルには、「実行無し」「大キャラ演出実行有り」「小キャラ演出実行有り」の夫々が図25(B)の該当する隠ぺい演出欄(「実行無し」)に示した割合で決定されるように、「実行無し」「大キャラ演出実行有り」「小キャラ演出実行有り」の夫々に、キャラ演出実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(判定値)が割り当てられていればよい。具体的には、当該キャラ演出実行有無決定テーブルには、キャラ演出実行有無決定用の乱数値と比較される数値が、「実行無し」と「大キャラ演出実行有り」と「小キャラ演出実行有り」とに70:15:15の割合で割り当てられていればよい。また、ROM121には、隠ぺい演出を「実行有り」と決定したときに参照される、キャラ演出実行有無決定テーブルが記憶され、当該キャラ演出実行有無決定テーブルには、「実行無し」「大キャラ演出実行有り」「小キャラ演出実行有り」の夫々が図25(B)の該当する隠ぺい演出欄(「実行有り」)に示した割合で決定されるように、「実行無し」「大キャラ演出実行有り」「小キャラ演出実行有り」の夫々に、キャラ演出実行有無決定用の乱数値と比較される数値が割り当てられていればよい。具体的には、当該キャラ演出実行有無決定テーブルには、キャラ演出実行有無決定用の乱数値と比較される数値が、「実行無し」と「大キャラ演出実行有り」と「小キャラ演出実行有り」とに20:75:5の割合で割り当てられていればよい。
図25(B)に示す例によれば、隠ぺい演出が実行されるときには実行されないときに比べて大キャラ演出は実行されやすい。また、図25(B)に示す例によれば、隠ぺい演出が実行されるときには実行されないときに比べて小キャラ演出は実行されにくい。また、図25(B)に示す例によれば、隠ぺい演出が実行されるときには実行されないときに比べてキャラ演出は実行されやすい(つまり、大キャラ演出か小キャラ演出の何れか一方が実行されやすい)。
また、演出制御用CPU120は、キャラ演出を実行すると決定した場合、先読予告バッファ194Bの当該保留表示に対応するバッファ番号に対応付けてキャラ演出に関する情報(大キャラ演出を実行するか小キャラ演出を実行するかを示した情報等)を記憶する(ステップS161、ステップS164)。
(E:保留等変化演出、キャラ演出の実行タイミングを決定する処理)
演出制御用CPU120は、今回の入賞時に、保留等変化演出とキャラ演出とのうちの少なくともいずれか一方の演出を実行すると決定した場合に、実行すると決定した演出の実行タイミングを図25(C)又は図25(D)に示すような決定割合で決定する。
図25(C)は、今回の入賞による保留表示が消化3個前の保留表示である場合における、保留等変化演出、キャラ演出の実行タイミングの決定割合を説明する説明図である。図25(C)に示す例によれば、演出制御用CPU120は、50%の割合で実行タイミングを「消化2個前」に決定し、30%の割合で実行タイミングを「消化1個前」に決定し、20%の割合で実行タイミングを「当該変動」に決定する。なお、実行タイミング「当該変動」とは、可変表示中のタイミングである。従って、保留等変化演出を実行すると決定され、且つ、実行タイミング「当該変動」と決定された場合には、アクティブ表示変化演出が実行される(アクティブ表示が変化する)。
例えば、ROM121には、今回の入賞による保留表示が消化3個前の保留表示である場合に参照される、実行タイミング決定テーブルが記憶され、当該実行タイミング決定テーブルには、「消化2個前」「消化1個前」「当該変動」の夫々が図25(C)に示した割合で決定されるように、「消化2個前」「消化1個前」「当該変動」の夫々に、実行タイミング決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(判定値)が割り当てられていればよい。具体的には、当該実行タイミング決定テーブルには、実行タイミング決定用の乱数値と比較される数値が、「消化2個前」と「消化1個前」と「当該変動」とに50:30:20の割合で割り当てられていればよい。
図25(D)は、今回の入賞による保留表示が消化4個前の保留表示である場合における、保留等変化演出、キャラ演出の実行タイミングの決定割合を説明する説明図である。図25(D)に示す例によれば、演出制御用CPU120は、20%の割合で実行タイミングを「消化3個前」に決定し、40%の割合で実行タイミングを「消化2個前」に決定し、20%の割合で実行タイミングを「消化1個前」に決定し、20%の割合で実行タイミングを「当該変動」に決定する。
例えば、ROM121には、今回の入賞による保留表示が消化4個前の保留表示である場合に参照される、実行タイミング決定テーブルが記憶され、当該実行タイミング決定テーブルには、「消化3個前」「消化2個前」「消化1個前」「当該変動」の夫々が図25(D)に示した割合で決定されるように、「消化3個前」「消化2個前」「消化1個前」「当該変動」の夫々に、実行タイミング決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(判定値)が割り当てられていればよい。具体的には、当該実行タイミング決定テーブルには、実行タイミング決定用の乱数値と比較される数値が、「消化3個前」「消化2個前」と「消化1個前」と「当該変動」とに20:40:20:20の割合で割り当てられていればよい。
また、演出制御用CPU120は、実行タイミングを決定した場合、先読予告バッファ194Bの当該保留表示に対応するバッファ番号に対応付けて実行タイミングを特定可能な情報を記憶する(ステップS161、ステップS164)。
図24及び図25によれば、例えば、今回の入賞による保留表示が消化3個前の保留表示である場合に、保留等変化演出については実行すると決定されたがキャラ演出については実行しないと決定されたときには、保留等変化演出の実行タイミングが図25(C)に示すような決定割合で決定される。また、今回の入賞による保留表示が消化4個前の保留表示である場合に、保留等変化演出については実行すると決定されたがキャラ演出については実行しないと決定されたときには、保留等変化演出の実行タイミングが図25(D)に示すような決定割合で決定される。
また、今回の入賞による保留表示が消化3個前の保留表示である場合に、キャラ演出については実行すると決定されたが保留等変化演出については実行しないと決定されたときには、キャラ演出の実行タイミングが図25(C)に示すような決定割合で決定される。また、今回の入賞による保留表示が消化4個前の保留表示である場合に、キャラ演出については実行すると決定されたが保留等変化演出については実行しないと決定されたときには、キャラ演出の実行タイミングが図25(D)に示すような決定割合で決定される。
また、今回の入賞による保留表示が消化3個前の保留表示である場合に、保留等変化演出についてもキャラ演出についても実行すると決定されたときには、保留等変化演出とキャラ演出とを実行する共通の実行タイミングが図25(C)に示すような決定割合で決定される。また、今回の入賞による保留表示が消化4個前の保留表示である場合に、保留等変化演出についてもキャラ演出についても実行すると決定されたときには、保留等変化演出とキャラ演出とを実行する共通の実行タイミングが図25(D)に示すような決定割合で決定される。つまり、保留等変化演出についてもキャラ演出についても実行すると決定されたときには実行タイミングは同一となる(即ち、保留等変化演出の実行タイミングが「消化3個前」であればキャラ演出の実行タイミングも「消化3個前」になり、保留等変化演出の実行タイミングが「消化2個前」であればキャラ演出の実行タイミングも「消化2個前」になり、保留等変化演出の実行タイミングが「消化1個前」であればキャラ演出の実行タイミングも「消化1個前」になり、保留等変化演出の実行タイミングが「当該変動」であればキャラ演出の実行タイミングも「当該変動」になる)。
なお、上述したように、キャラ演出は作用演出又は作用ガセ演出として実行される演出である。保留等変化演出については実行すると決定されたがキャラ演出については実行しないと決定されたときには、上述の如く決定された一のタイミングにおいて、作用演出も作用ガセ演出も実行されずに保留等変化演出が実行されることになる。また、キャラ演出については実行すると決定されたが保留等変化演出については実行しないと決定されたときには、上述の如く決定された一のタイミングにおいて、作用ガセ演出としてキャラ演出が実行されることになる。また、保留等変化演出についてもキャラ演出についても実行すると決定されたときには、上述の如く決定された一のタイミングにおいて、作用演出としてキャラ演出が実行されることになる。
以上、ステップS160(ステップS163)の処理について説明したが、ステップS160(ステップS163)において決定された演出は、例えば、ステップS172の可変表示中演出処理において画像表示装置5の表示領域にて実行される。
図26〜図30は、画像表示装置5の表示領域における表示動作例を示す図である。具体的には、図26は、大キャラ演出が実行されるときの表示動作例を表している。図27は、小キャラ演出が実行されるときの表示動作例を表している。図28は、隠ぺい演出が実行されるときの表示動作例を表している。図29は、小キャラ演出と隠ぺい演出とが実行される場合の表示動作例を表している。図30は、キャラ演出(変形例)の表示動作例を表している。なお、各図において、保留表示やアクティブ表示の表示態様として、白を「〇」で表し、青を「◎」で表し、「赤」を「★」で表している。
まず、図26を用いて大キャラ演出について説明する。図26の(a)は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいてアクティブ表示K0(非図示の保留表示H0に対応するアクティブ表示)に対応する可変表示が行われ、始動入賞記憶表示エリア5Hに3個の保留表示H1、H2、H3が表示されている状態において、新たな入賞によって4個目の保留表示H4が追加表示された場面を表している。表示領域の右側の「4」「0」は保留数を表示する保留数表示である。上側の「4」は第1保留表示の保留数を示し、下側の「0」は第2保留表示の保留数を示している。
保留表示H4となる入賞があったときに、演出制御用CPU120は、ステップS160の処理にて、保留等変化演出を実行するか否かを決定する処理(図24(B)参照)や、最終表示色を決定する処理(図24(C)参照)や、隠ぺい演出を実行するか否かを決定する処理(図25(A)参照)や、キャラ演出を実行するか否かを決定する処理(図25(B)参照)や、実行タイミングを決定する処理(図25(D))を実行する。
図26の例では、保留表示H4となる入賞があったときに、演出制御用CPU120は、保留等変化演出を実行すると決定し、最終表示色を「赤(★)」にすると決定し、隠ぺい演出を実行しないと決定し、大キャラ演出を実行すると決定し、保留等変化演出及び大キャラ演出の実行タイミングを「消化2個前」に決定したものとする。なお、当該例における保留表示H4(T)は、保留等変化演出及び大キャラ演出のターゲット(大キャラ演出の作用対象、且つ、保留等変化演出の変化対象)であることを示している。また、始動入賞記憶表示エリア5Hの4個の保留表示H1、H2、H3、H4(T)の表示色は何れも「白(〇)」である。
図26の(b)は、図26の(a)の場面から1回シフトが行われ(開始条件が成立し)、アクティブ表示K1(保留表示H1に対応するアクティブ表示)に対応する可変表示(保留表示H4(T)に対応する変動の3個前の変動)が行われている場面を表している。始動入賞記憶表示エリア5Hには3個の保留表示H2、H3、H4(T)が表示されている。図26の(c)は、図26の(b)に続く場面であって、新たな入賞によって4個目の保留表示H5が追加表示された場面を表している。
図26の(b)(c)の場面では、保留表示H4(T)は、保留等変化演出及び大キャラ演出の実行タイミングとして決定された消化2個前ではなく消化3個前の位置にある。従って、図26の(b)(c)の場面では、保留変化演出も大キャラ演出も実行されていない。また、図26の(c)の場面では、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示H4(T)が存在する。従って、演出制御用CPU120は、保留表示H5となる入賞において、保留等変化演出も隠ぺい演出もキャラ演出も実行しないと決定する。
図26の(d)は、図26の(c)の場面から1回シフトが行われ、アクティブ表示K2(保留表示H2に対応するアクティブ表示)に対応する可変表示(保留表示H4(T)に対応する変動の2個前の変動)が行われている場面を表している。図26の(e)は、図26の(d)に続く場面である。
図26の(d)(e)の場面では、保留表示H4(T)は、保留等変化演出及び大キャラ演出の実行タイミングとして決定された消化2個前の位置にある。従って、図26の(d)(e)の場面では、保留変化演出及び大キャラ演出が実行されている。具体的には、保留変化演出とともに大キャラ演出が実行されるため、作用演出として大キャラ演出が実行されている。図26の(d)(e)に示す例では、演出制御用CPU120は、祈るキャラ(大)を表示した後、キャラ(大)の祈りが通じて保留表示H4(T)が「白(〇)」から「赤(★)」に変化したように見せる作用演出として大キャラ演出を実行している。
なお、図26の(d)のキャラ(大)の動作や表情(嬉しそうなもの)は保留表示が変化した場合(成功した場合)の例示であるが、保留表示が変化しない場合(失敗した場合)には他の動作や表情(例えば悲しそうなもの)となる。つまり、演出制御用CPU120は、作用演出として大キャラ演出を実行する場合と作用ガセ演出として大キャラ演出を実行する場合とでキャラ(大)の演出態様を異ならせている。後述する小キャラ演出におけるキャラ(小)についても同様であってもよい。
続いて、図27を用いて小キャラ演出について説明する。図27(A)は、作用演出として小キャラ演出が実行される例を示している。図27(A)は、図26の途中から続く場面である。具体的には、図26の(a)→図26の(b)→図26の(c)→図27(A)の(a)→図27(A)の(b)→図27(A)の(c)というように遷移する。
但し、図26の(a)→図26の(b)→図26の(c)→図27(A)の(a)→図27(A)の(b)→図27(A)の(c)というように遷移する例では、保留表示H4となる入賞があったときに、演出制御用CPU120は、保留等変化演出を実行すると決定し、最終表示色を「青(◎)」にすると決定し、隠ぺい演出を実行しないと決定し、小キャラ演出を実行すると決定し、保留等変化演出及び小キャラ演出の実行タイミングを「消化2個前」に決定したものとする。また、当該例における保留表示H4(T)は、保留表示H4が保留等変化演出及び小キャラ演出のターゲット(小キャラ演出の作用対象、且つ、保留等変化演出の変化対象)であることを示している。
図27(A)の(a)は、図26の(c)の場面から1回シフトが行われ、アクティブ表示K2に対応する可変表示(保留表示H4(T)に対応する変動の2個前の変動)が行われている場面を表している。図27(A)の(b)は、図27(A)の(a)に続く場面である。図27(A)の(c)は、図27(A)の(b)に続く場面である。
図27(A)の(a)〜(c)の場面では、保留表示H4(T)は、保留等変化演出及び小キャラ演出の実行タイミングとして決定された消化2個前の位置にある。従って、図27(A)の(a)〜(c)の場面では、保留変化演出及び小キャラ演出が実行されている。具体的には、保留変化演出とともに小キャラ演出が実行されるため、作用演出として小キャラ演出が実行されている。図27(A)の(a)〜(c)に示す例では、演出制御用CPU120は、最終表示色「青(◎)」に対応する物(ボール、カード等のアイテム等)を持つキャラ(小)と、保留表示H4(T)を指示する印(図27(A)では矢印と文言「STOP?」)とを表示した後、キャラ(小)を移動させて該印の位置(保留表示H4(T)の位置)に持っていた物を置くことにより保留表示H4(T)が「白(〇)」から「青(◎)」に変化したように見せる作用演出として小キャラ演出を実行している。なお、保留表示H4(T)を指示する印は、小キャラ演出の一部であってもよいし、小キャラ演出に付帯して実行される小キャラ演出とは異なる演出であってもよい。
図27(B)は、作用ガセ演出として小キャラ演出が実行される例を示している。図27(B)は、図26の途中から続く場面である。具体的には、図26の(a)→図26の(b)→図26の(c)→図27(B)の(a)→図27(B)の(b)→図27(B)の(c)というように遷移する。
但し、図26の(a)→図26の(b)→図26の(c)→図27(B)の(a)→図27(B)の(b)→図27(B)の(c)というように遷移する例では、保留表示H4となる入賞があったときに、演出制御用CPU120は、保留等変化演出を実行しないと決定し、隠ぺい演出を実行しないと決定し、小キャラ演出を実行すると決定し、小キャラ演出の実行タイミングを「消化2個前」に決定したものとする。また、当該例における保留表示H4(T)は、保留表示H4が小キャラ演出のターゲット(小キャラ演出の作用ガセ対象)であることを示している。
図27(B)の(a)は、図26の(c)の場面から1回シフトが行われ、アクティブ表示K2に対応する可変表示が行われている場面を表している。図27(B)の(b)は、図27(B)の(a)に続く場面である。図27(B)の(c)は、図27(B)の(b)に続く場面である。
図27(B)の(a)〜(c)の場面では、保留表示H4(T)は、小キャラ演出の実行タイミングとして決定された消化2個前の位置にある。従って、図27(B)の(a)〜(c)の場面では、小キャラ演出が実行されている。具体的には、小キャラ演出が単独で実行されるため、作用ガセ演出として小キャラ演出が実行されている。図27(B)の(a)〜(c)に示す例では、演出制御用CPU120は、実際には表示態様を変化させないガセ表示色(図27(B)では「青(◎)」)に対応する物を持つキャラ(小)と、保留表示H4(T)を指示する印とを表示した後、キャラ(小)を移動させて該印の位置に持っていた物を置かずに通り過ぎることにより保留表示H4(T)が「白(〇)」のまま変化しない作用ガセ演出として小キャラ演出を実行している。
なお、本実施形態では、上述の「ガセ表示色」は乱数を用いて決定する。例えば、ROM121には、作用ガセ演出として小キャラ演出を実行するとき(小キャラ演出を実行すると決定したが保留等変化演出を実行しないと決定したとき)に参照される、ガセ表示色決定テーブルが記憶され、当該ガセ表示色決定テーブルには、「青」「赤」の夫々が所定割合で決定されるように、「青」「赤」の夫々に、ガセ表示色決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(判定値)が割り当てられていればよい。なお、上述の所定割合は、常に一定(例えば、「青」は70%、「赤」は30%等)であってもよいし、表示結果に応じて異なるものであってもよいし、変動パターンに応じて異なるものであってもよいし、日時(例えばRTC回路12から日時を取得)に応じて異なるものであってもよいし、これらの組み合わせに応じて異なるものであってもよい。なお、乱数を用いて「ガセ表示色」を決定するのではなく、「ガセ表示色」を常に同一色(例えば、常に「青」等)としてもよい。
続いて、図28を用いて隠ぺい演出について説明する。図28の(a)は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいてアクティブ表示K0に対応する可変表示が行われ、始動入賞記憶表示エリア5Hに3個の保留表示H1、H2、H3が表示されている状態において、新たな入賞によって4個目の保留表示H4が追加表示され、当該新たな入賞によって隠ぺい演出が開始された場面を表している。
図28の例では、保留表示H4となる入賞があったときに、演出制御用CPU120は、保留等変化演出を実行すると決定し、最終表示色を「赤(★)」にすると決定し、隠ぺい演出を実行すると決定し、キャラ演出を実行しないと決定し、保留等変化演出の実行タイミングを「消化3個前」に決定したものとする。なお、上述したように、隠ぺい演出の実行期間(隠ぺい期間)は、入賞時〜実行タイミング「当該変動」後である。つまり、演出制御用CPU120は、複数の変動に亘って隠ぺい演出を実行可能である。また、当該例における保留表示H4(T)は、保留表示H4が保留等変化演出及び隠ぺい演出のターゲット(隠ぺい期間の対象、且つ、保留等変化演出の変化対象)であることを示している。
入賞時に隠ぺい演出を実行すると決定したため、図28の(a)に示すように、当該決定直後から隠ぺい演出が開始されている。図28の(a)〜図28の(e)において、表示領域内の下部を網掛け表示したものが隠ぺい演出に該当する。なお、図28の(a)〜図28の(e)では、説明の便宜上、網掛け表示がなされていても保留表示(数、位置、表示態様)やアクティブ表示(表示態様)を視認できるようにしているが、実際には、隠ぺい演出に実行によって少なくともそれらの一部が視認困難又は視認不可能になる。図28(図29も同様)の例では、隠ぺい演出の実行期間(隠ぺい期間)には保留表示(数、位置、表示態様)やアクティブ表示(表示態様)が視認不可能であるものとする。
図28の(b)は、図28の(a)の場面から1回シフトが行われ、アクティブ表示K1に対応する可変表示(保留表示H4(T)に対応する変動の3個前の変動)が行われている場面を表している。図28の(c)は、図28の(b)の場面から1回シフトが行われ、アクティブ表示K2に対応する可変表示が行われている場面を表している。図28の(d)は、図28の(c)の場面から1回シフトが行われ、アクティブ表示K3(保留表示H3に対応するアクティブ表示)に対応する可変表示(保留表示H4(T)に対応する変動の1個前の変動)が行われている場面を表している。図28の(e)は、図28の(d)の場面から1回シフトが行われ、アクティブ表示K4(T)(保留表示H4(T)に対応するアクティブ表示)に対応する可変表示(保留表示H4(T)に対応する当該変動)が行われている場面を表している。図28の(f)は、図28の(e)に続く場面であって、隠ぺい演出が終了した場面を表している。
図28の(b)の場面では、保留表示H4(T)は、保留等変化演出の実行タイミングとして決定された消化3個前の位置にある。従って、図28の(b)の場面では、保留変化演出が実行されている。しかしながら、図28の(a)〜図28の(e)は隠ぺい期間であり、隠ぺい期間中は保留表示やアクティブ表示は視認不可能であるため、図28の(b)の場面では、遊技者は保留表示H4(T)等の表示色を認識できない。遊技者が保留表示H4(T)等の表示色を認識できるのは、図28の(f)の如く隠ぺい演出の終了後である。これにより、隠ぺい演出の終了時まで興趣を好適に維持させることができる。
なお、図28の例では、保留等変化演出の実行タイミングを「消化3個前」に決定しているが、保留等変化演出の実行タイミングを「当該変動」に決定した場合には、図28の(e)の場面において、アクティブ変化演出が実行されることになる。つまり、保留表示H4(T)に対応するアクティブ表示H4(T)の表示態様が、隠ぺい期間中に、「白(〇)」から「赤(★)」に変化することになる。換言すれば、隠ぺい演出は、実行タイミング「当該変動」の後に終了する。即ち、隠ぺい期間は、入賞時〜実行タイミング「当該変動」後である。
続いて、図29を用いて小キャラ演出と隠ぺい演出とが実行される場合について説明する。図29は、図26の途中から続く場面である。具体的には、図26の(a)→図26の(b)→図26の(c)→図29の(a)→図29の(b)→図29の(c)→図29の(d)→図29の(e)→図29の(f)というように遷移する。
但し、図26の(a)→図26の(b)→図26の(c)→図29の(a)→図29の(b)→図29の(c)→図29の(d)→図29の(e)→図29の(f)というように遷移する例では、保留表示H4となる入賞があったときに、演出制御用CPU120は、保留等変化演出を実行すると決定し、最終表示色を「赤(★)」にすると決定し、隠ぺい演出を実行すると決定し、小キャラ演出を実行すると決定し、保留等変化演出及び小キャラ演出の実行タイミングを「消化2個前」に決定したものとする。従って、当該例では、図26の(a)→図26の(b)→図26の(c)おいて隠ぺい演出が実行されていることになる。また、当該例における保留表示H4(T)は、保留表示H4が保留等変化演出、隠ぺい演出及び小キャラ演出のターゲット(隠ぺい期間の対象、且つ、小キャラ演出の作用対象、且つ、保留等変化演出の変化対象)であることを示している。
図29の(a)は、図26の(c)の場面から1回シフトが行われ、アクティブ表示K2に対応する可変表示が行われている場面を表している。図29の(b)は、図29の(a)に続く場面である。図29の(c)は、図29の(b)に続く場面である。図29の(d)は、図29の(c)の場面から1回シフトが行われ、アクティブ表示K3に対応する可変表示が行われている場面を表している。図29の(e)は、図29の(d)の場面から1回シフトが行われ、アクティブ表示K4(T)に対応する可変表示が行われている場面を表している。図29の(f)は、図29の(e)に続く場面であって、隠ぺい演出が終了した場面を表している。
図29の(a)〜(c)の場面では、保留表示H4(T)が保留等変化演出及び小キャラ演出の実行タイミングとして決定された消化2個前の位置にある。従って、図29の(a)〜(c)の場面では、保留変化演出及び小キャラ演出が実行されている。具体的には、保留変化演出とともに小キャラ演出が実行されるため、作用演出として小キャラ演出が実行されている。図29の(a)〜(c)の場面では、隠ぺい期間中であるにもかかわらず、遊技者は、小キャラ演出が作用した特定の保留表示の表示色が何であるかが認識可能になる。具体的には、図29の(c)の場面では、キャラ(小)が最終表示色「赤(★)」に対応する物を該印の位置に置かずに通り過ぎているため、遊技者は図29の(c)の場面により、該印の位置の保留表示の表示色が「赤(★)」であると認識可能になる。
つまり、隠ぺい期間中に小キャラ演出が実行されると変化対象や変化後の表示態様が認識される虞があり、興趣を好適に維持させることができなくなる。当該問題を生じ難くするために、隠ぺい演出が実行されるときには隠ぺい演出が実行されないときに比べて小キャラ演出が実行され難くなるようにしている(図25(B)参照)。
なお、隠ぺい期間中に小キャラ演出が実行された場合には変化対象や変化後の表示態様が認識される虞がある。つまり、小キャラ演出は、図27(A)に示したように、保留表示やアクティブ表示を変化させる前の状態で、変化対象も変化後の表示態様も明示した態様で実行される。従って、作用演出として小キャラ演出が実行されれば、保留表示やアクティブ表示を変化させた後の状態を確認できなくても、即ち隠ぺい期間中であっても、変化対象や変化後の表示態様が認識可能となる。一方、隠ぺい期間中に大キャラ演出が実行された場合には変化対象や変化後の表示態様が認識される虞はない。つまり、大キャラ演出は、図26に示したように、保留表示やアクティブ表示を変化させる前の状態で、変化対象も変化後の表示態様も明示しない態様で実行される。従って、作用演出として大キャラ演出が実行されても、保留表示やアクティブ表示を変化させた後の状態を確認できなければ、即ち隠ぺい期間中であれば、変化対象や変化後の表示態様は認識不可能である。
従って、上述の如く、隠ぺい演出が実行されるときには隠ぺい演出が実行されないときに比べて小キャラ演出が実行され難くなるようにする一方、隠ぺい演出が実行されるときには隠ぺい演出が実行されないときに比べて大キャラ演出が実行され難くなるようにしていない(図25(B)参照)。寧ろ、隠ぺい期間終了後の期待感を高めるため、隠ぺい演出が実行されるときには隠ぺい演出が実行されないときに比べて大キャラ演出が実行され易くなるようにしている(図25(B)参照)。
なお、図25(B)では、隠ぺい演出が実行されない場合において大キャラ演出と小キャラ演出が決定される割合は同一であるが、隠ぺい演出が実行されない場合において大キャラ演出の方が小キャラ演出よりも決定され易くしてもよいし、小キャラ演出の方が大キャラ演出よりも決定され易くしてもよい。
なお、作用演出として大キャラ演出を実行する場合と作用ガセ演出として大キャラ演出を実行する場合とでキャラ(大)の演出態様を異ならせていると説明したが、作用演出として大キャラ演出を実行する場合と作用ガセ演出として大キャラ演出を実行する場合とでキャラ(大)の演出態様を同一(又は略同一)としてもよい。例えば、保留表示等が変化した場合(成功した場合)と保留表示等が変化しなかった場合(失敗した場合)とで、キャラ(大)の動作や表情を同一(又は略同一)としてもよい。これにより、隠ぺい期間中に大キャラ演出が実行された場合に、変化対象や変化後の表示態様に加えて、保留表示等が変化したか否か(成功したか失敗したか)についても認識不可能にすることができる。
続いて、図30を用いてキャラ演出(変形例)について説明する。
(大キャラ演出の変形例)
大キャラ演出は、保留表示やアクティブ表示を変化させる前の状態で、変化対象も変化後の表示態様も明示しない態様で実行される演出であると説明したが、大キャラ演出の実行態様はこれに限定されない。例えば、大キャラ演出は、保留表示やアクティブ表示を変化させる前の状態で、変化対象は明示しないが変化後の表示態様は明示する態様で実行される演出であってもよい。例えば、演出制御用CPU120は、図26の(d)(e)に示すような大キャラ演出に代えて図30(A)の(a)(b)に示すように大キャラ演出を実行してもよい。なお、図30(A)に示した大キャラ演出では、キャラ(大)は最終表示色「赤(★)」に対応する物を見つめて祈るようにしている。従って、隠ぺい期間中であっても、作用演出として大キャラ演出が実行された場合(例えばキャラ(大)の動作や表情から変化が成功したと判断できた場合)、変化対象は認識できないが、変化後の表示態様(「赤(★)」)は認識できる。
(小キャラ演出の変形例)
小キャラ演出は、保留表示やアクティブ表示を変化させる前の状態で、変化対象も変化後の表示態様も明示した態様で実行される演出であると説明したが、小キャラ演出の実行態様はこれに限定されない。例えば、大キャラ演出は、保留表示やアクティブ表示を変化させる前の状態で、変化対象は明示するが変化後の表示態様は明示しない態様で実行される演出であってもよい。例えば、演出制御用CPU120は、図27(A)の(a)〜(c)に示すような小キャラ演出に代えて図30(B)の(a)〜(c)に示すように小キャラ演出を実行してもよい。なお、図30(B)に示した小キャラ演出では、キャラ(小)は最終表示色に対応する物を持っていない。従って、隠ぺい期間中に、作用演出として小キャラ演出が実行された場合には、変化対象は認識できるが、変化後の表示態様は認識できない。
なお、隠ぺい期間中の実行された場合において変化対象も変化後の表示態様も認識不可能な演出(例えば図26に示した大キャラ演出)を演出Aとし、隠ぺい期間中の実行された場合において変化対象は認識不可能であるが変化後の表示態様は認識可能な演出(例えば図30(A)に示した大キャラ演出)を演出Bとし、隠ぺい期間中の実行された場合において変化対象は認識可能であるが変化後の表示態様は認識不可能な演出(例えば図30(B)に示した小キャラ演出)を演出Cとし、隠ぺい期間中の実行された場合において変化対象も変化後の表示態様も認識可能な演出(例えば図27に示した小キャラ演出)を演出Dとした場合、以下のように実行有無を決定してもよい。隠ぺい演出が実行されるときには、演出Aは、少なくとも演出Bと演出Cのうちの少なくとも一方よりも決定され易くしてもよい。また、隠ぺい演出が実行されるときには、演出Dは、少なくとも演出Bと演出Cのうちの少なくとも一方よりも決定され難くしてもよい。また、隠ぺい演出が実行されているときは隠ぺい演出が実行されていないときに比べて演出Bは実行され難くしてもよい。また、隠ぺい演出が実行されているときは隠ぺい演出が実行されていないときに比べて演出Cは実行され難くしてもよい。
以上のように、上記実施形態によるパチンコ遊技機1は、遊技を行なうことが可能な遊技機(例えば、遊技機1等)であって、変動表示(例えば、飾り図柄の可変表示等)に対応する特定表示(例えば、保留表示、アクティブ表示等)を表示可能な特定表示手段(例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示を表示させるステップS150の入賞時演出決定処理、アクティブ表示エリアAHAにアクティブ表示を表示させるステップS172の可変表示中演出処理等)と、少なくとも前記特定表示の一部の視認が困難となる所定演出(例えば、ステップS171の可変表示開始設定処理において図25(A)に示すような決定割合で実行有無が決定される隠ぺい演出(演出態様は例えば図28参照)等)を実行可能な所定演出実行手段(例えば、ステップS172の可変表示中演出処理等)と、前記特定表示の表示態様の変化を示唆する示唆演出として、第1示唆演出(例えば、ステップS171の可変表示開始設定処理において図25(B)に示すような決定割合で実行有無が決定される大キャラ演出(演出態様は例えば図26参照)等)と前記第1示唆演出とは異なる第2示唆演出(例えば、ステップS171の可変表示開始設定処理において図25(B)に示すような決定割合で実行有無が決定される小キャラ演出(演出態様は例えば図27参照)等)とのうち少なくとも一方を、前記特定表示の表示態様が変化する前に実行可能な示唆演出実行手段(例えば、ステップS172の可変表示中演出処理等)とを備え、前記第2示唆演出は、前記第1示唆演出に比べて前記特定表示の表示態様が変化する場合における変化後の前記特定表示の表示態様が認識しやすいものであり(例えば、図27に示した小キャラ演出は、図26に示した大キャラ演出に比べて保留表示の表示態様が変化する場合における変化後の保留表示の表示態様が認識しやすいものであり)、前記所定演出が実行されているときは前記所定演出が実行されていないときに比べて前記第2示唆演出が実行されにくい(例えば、図25(B)に示すように、隠ぺい演出が実行されているときは隠ぺい演出が実行されていないときに比べて小キャラ演出が実行されにくい。図25(B)によれば、隠ぺい演出が実行されていないときに小キャラ演出が実行される割合は15%であるのに対し、隠ぺい演出が実行されているときに小キャラ演出が実行される割合は5%である。)。これにより、変化後の特定表示の表示態様が分かってしまい遊技興趣が低下してしまうことを防止することができる。
なお、特定表示の表示態様が認識しやすいとは、特定表示の表示態様が何であるかを認識しやすいことである。具体的には、特定表示の表示態様として「白」「青」「赤」の3色が存在する場合、注目する一の特定表示の表示態様について「白」であるか「青」であるか「赤」であるかを認識しやすいことである。なお、上記実施形態では、特定表示の表示態様の認識しやすさは、表示態様の報知の有無によるものであるが、特定表示の表示態様の認識しやすさは、表示態様の報知の有無以外によるものであってもよい。例えば、報知の正確制(あるいは曖昧性。意図的に範囲を持たせる等)による認識しやすさであってもよいし、報知の確認性(表示の大小、色、形状による見易さ)による認識しやすさであってもよい。なお、視覚(表示)による報知ではなく聴覚(音声)による報知であってもよい。
また、第2示唆演出は、第1示唆演出に比べて特定表示の表示態様が変化する場合における変化後の特定表示の表示態様が認識しやすいには、以下の態様がある。
(ア)第2示唆演出では変化後の特定表示の表示態様が示されるが(例えば図27(A)の(a))、第1示唆演出では変化後の特定表示の表示態様が示されない(例えば図26の(d)参照)ため、第2示唆演出は、第1示唆演出に比べて特定表示の表示態様が変化する場合における変化後の特定表示の表示態様が認識しやすい。つまり、上述の報知の有無による認識しやすさの比較である。なお、上記実施形態では、小キャラ演出では変化後の表示態様がキャラ(小)によって報知されるのに対し(図27の(a))、大キャラ演出では報知されないため(図26の(d))、小キャラ演出は、大キャラ演出に比べて特定表示の表示態様が変化する場合における変化後の特定表示の表示態様が認識しやすくなっている。
(イ)第1示唆演出でも第2示唆演出でも変化後の特定表示の表示態様が示されるが、第2示唆演出は、第1示唆演出に比べて特定表示の表示態様が変化する場合における変化後の特定表示の表示態様が認識しやすい。つまり、上述の報知の有無以外による認識しやすさの比較である。
また、パチンコ遊技機1において、前記特定表示手段は、変動表示の夫々に対応する夫々の前記特定表示を表示可能であり、前記第2示唆演出は、前記第1示唆演出に比べて前記特定表示の表示態様が変化する場合における変化対象の前記特定表示が認識しやすい(例えば、図27や図30(B)に示した小キャラ演出は、図26や図30(A)に示した大キャラ演出に比べて保留表示の表示態様が変化する場合における変化対象の保留表示が認識しやすい)ものであってもよい。
なお、変化対象の特定表示が認識しやすいとは、表示態様が変化する特定表示が何れであるかを認識しやすいことである。例えば、4個の保留表示と1個のアクティブ表示が表示されている場合に、どれが変化するかを認識しやすいことである。なお、上記実施形態では、変化対象の特定表示の認識しやすさは、変化対象の報知(図27の矢印等の他、何番目が変化対象であるかを数字で報知するものであってもよい)の有無によるものであるが、変化対象の特定表示の認識しやすさは、変化対象の報知の有無以外によるものであってもよい。例えば、報知の正確制(あるいは曖昧性。意図的に範囲を持たせる等)による認識しやすさであってもよいし、報知の確認性(表示の大小、色、形状による見易さ)による認識しやすさであってもよい。なお、視覚(表示)による報知ではなく聴覚(音声)による報知であってもよい。
また、第2示唆演出は、第1示唆演出に比べて特定表示の表示態様が変化する場合における変化対象の特定表示が認識しやすいには、以下の態様がある。
(ア)第2示唆演出では変化対象が示されるが(例えば図27(A)の(a))、第1示唆演出では変化対象が示されない(例えば図26の(d)参照)ため、第2示唆演出は、第1示唆演出に比べて特定表示の表示態様が変化する場合における変化対象の特定表示が認識しやすい。つまり、上述の報知の有無による認識しやすさの比較である。なお、上記実施形態では、小キャラ演出では変化対象が指示(矢印等)によって報知されるのに対し(図27の(a))、大キャラ演出では報知されないため(図26の(d))、小キャラ演出は、大キャラ唆演出に比べて特定表示の表示態様が変化する場合における変化対象の特定表示が認識しやすくなっている。
(イ)第1示唆演出でも第2示唆演出でも変化対象が示されるが、第2示唆演出は、第1示唆演出に比べて特定表示の表示態様が変化する場合における変化対象の特定表示が認識しやすい。つまり、上述の報知の有無以外による認識しやすさの比較である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、上記実施形態では、実行タイミング「当該変動」の後に隠ぺい演出は終了するため、隠ぺい演出の終了後に保留表示やアクティブ表示は変化しないが、隠ぺい演出の終了後に変化するようにしてもよい。例えば、アクティブ表示変化演出を2回以上実行可能とし、うち少なくとも1回の実行タイミングを隠ぺい演出の終了タイミングの後とすることにより、隠ぺい演出の終了後にアクティブ表示が変化するようにしてもよい。また、隠ぺい演出の終了タイミングを早めることにより隠ぺい演出の終了後に保留表示やアクティブ表示が変化するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、隠ぺい期間中に高々1回しかキャラ演出を実行しないが、隠ぺい期間中に複数回キャラ演出を実行するようにしてもよい。つまり、上記実施形態では、キャラ演出を実行すると入賞時に決定した他の保留表示が既に存在する場合、乱数値を用いた実行有無の判定を行わずにキャラ演出を実行しないと決定しているが、キャラ演出を実行すると入賞時に決定した他の保留表示が既に存在する場合であっても、乱数値を用いた実行有無の判定を行うようにしてもよい。
なお、複数回のキャラ演出は同一種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。つまり、1回の隠ぺい期間中に小キャラ演出を2回以上実行してもよい(更に大キャラ演出を1回以上実行してもよい)し、1回の隠ぺい期間中に大キャラ演出を2回以上実行してもよい(更に小キャラ演出を1回以上実行してもよい)し、1回の隠ぺい期間中に小キャラ演出と大キャラ演出とを夫々1回実行してもよい。
また、隠ぺい期間中に複数回キャラ演出を実行可能とする態様において、隠ぺい演出が実行されているときは隠ぺい演出が実行されていないときに比べてキャラ演出が複数回実行されやすいようにしてもよい。なお、隠ぺい演出の実行期間(隠ぺい期間)には複数種類があってもよい。また、実行期間が長い隠ぺい演出であるときには実行期間が短い隠ぺい演出であるときに比べてキャラ演出が複数回実行されやすいようにしてもよい。
また、上記実施形態では、保留等変化演出を実行するか否かや最終表示色や隠ぺい演出を実行するか否かやキャラ演出を実行するか否かや実行タイミングを別々に決定しているが、少なくとも2つ以上を同時に決定してもよい。例えば、保留等変化演出を実行するか否かと最終表示色と保留等変化演出の実行タイミングを例えば大きなテーブルを用いて一気に決定してもよい。また、隠ぺい演出を実行するか否かとキャラ演出を実行するか否とキャラ演出の実行タイミングを例えば大きなテーブルを用いて一気に決定してもよい。また、全てを例えば大きなテーブルを用いて一気に決定してもよい。
また、上記実施形態では、保留等変化演出の実行を決定したときに保留等変化演出の実行タイミングを決定しているが、保留等変化演出の実行を決定したときに保留等変化演出の実行タイミングを決定せずに、例えば、シフトされるときにシフト後の位置において保留等変化演出を実行するか否かを決定してもよい。キャラ演出についても同様である。
また、上記実施形態では、可変表示中に保留等変化演出を実行しているが、可変表示中に代えて又は加えてシフト時に保留等変化演出を実行してもよい。キャラ演出についても同様である。
また、上記実施形態では、今回の入賞による保留表示が消化3個前の保留表示であるときの保留等変化演出の実行有無の決定割合は常に一定であるが(図24(A)参照)、何らかの条件に応じて保留等変化演出の実行有無の決定割合を異ならせてもよい。例えば、隠ぺい演出の実行有無の決定割合(図25(A)参照)と同様に、表示結果に応じて保留等変化演出の実行有無の決定割合を異ならせてもよいし、最終表示色の決定割合(図24(C)参照)と同様に、変動カテゴリに応じて保留等変化演出の実行有無の決定割合を異ならせてもよい。今回の入賞による保留表示が消化4個前の保留表示であるときの保留等変化演出の実行有無の決定割合についても同様である。
また、上記実施形態では、今回の入賞による保留表示について保留等変化演出の実行有無を決定しているが、今回の入賞による保留表示に代えて又は加えて、今回の入賞よりも前の保留表示について保留等変化演出の実行有無を決定してよい。また、既に決定した保留等変化演出の実行有無を例えば実行前に取り消してもよい。
また、上記実施形態では、保留表示の表示態様は、白、青、赤の3色としているが、保留表示の表示態様はこれに限定されない。例えば、白、青、赤と少なくとも1色が異なる他の3色(例えば、紫、黄、赤の3色)であってもよいし、2色又は4色以上であってもよい。また、模様、形状、サイズが異なるものであってもよい。アクティブ表示についても同様である。また、保留表示としては表示しないアクティブ表示専用の表示態様があってもよい。
また、上記実施形態では、ある保留表示について表示態様の変化は高々1回であるが2回以上変化するようにしてもよい。アクティブ表示についても同様である。また、上記実施形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hに追加される保留表示の表示態様(当初表示色)は、1種類(白)であるが、当初表示色が複数種類あってもよい。
また、上記実施形態では、保留等変化演出を実行すると入賞時に決定した保留表示は、高々1個しか始動入賞記憶表示エリア5Hに存在しないが、複数個が存在するようにしてもよい。つまり、上記実施形態では、保留等変化演出を実行すると入賞時に決定した他の保留表示が既に存在する場合、乱数値を用いた実行有無の判定を行わずに保留等変化演出を実行しないと決定しているが、保留等変化演出を実行すると入賞時に決定した他の保留表示が既に存在する場合であっても、乱数値を用いた実行有無の判定を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、表示結果に応じて隠ぺい演出の実行有無の決定割合を異ならせているが、変動カテゴリに応じて隠ぺい演出の実行有無の決定割合を異ならせてもよい。また、上記実施形態では、隠ぺい演出の実行有無を決定した後にキャラ演出の実行割合を決定しているが、キャラ演出の実行有無を決定した後に隠ぺい演出の実行割合を決定してもよい。例えば、表示結果(又は変動カテゴリ)に応じてキャラ演出の実行有無の決定割合を異ならせるとともに、キャラ演出の実行有無に応じて隠ぺい演出の実行有無の決定割合を異ならせてもよい。
また、上記実施形態では、入賞時に大キャラ演出の実行有無を決定しているが、例えば、入賞時に代えて又は加えて変動開始時に大キャラ演出の実行有無を決定してもよい。変動開始時に大キャラ演出の実行有無を決定する場合には、変動パターンに応じて大キャラ演出の実行有無を異ならせてもよい。小キャラ演出についても同様である。
また、上記実施形態では、画像表示装置5における表示により隠ぺい演出を実現しているが、隠ぺい演出の実現方法はこれに限定されない。例えば、画像表示装置5における表示に代えて又は加えて、可動役物によって隠ぺい演出を実現してもよい。また、始動入賞記憶表示エリア5Hが役物(可動役物であってもよい動かない役物であってもよい)の背後に隠れるように画像表示装置5が移動することによって隠ぺい演出を実現してもよい。
また、上記実施形態では、隠ぺい演出は抽選(隠ぺい演出実行有無決定用の乱数値)によって実行されるが、RTC回路126を用いて例えば定期的に実行してもよい。
また、上記実施形態では、隠ぺい演出は、保留表示やアクティブ表示の視認を困難又は不可能にするが、作用演出や作用ガセ演出の一部又は全部について視認を困難又は不可能してもよい。つまり、小キャラ演出や大キャラ演出の視認を困難又は不可能してもよい。
また、上記実施形態では、隠ぺい演出は、保留表示やアクティブ表示の視認を困難又は不可能にするが、隠ぺい演出は、少なくとも保留表示の視認を困難又は不可能にするものであればよい。
なお、保留表示やアクティブ表示等の視認を困難又は不可能にする態様は、保留表示やアクティブ表示を隠ぺいするものに限定されない。保留表示自体を小さくしたり、半透明にしたり、透明にしたり、消去したりすることによって、保留表示やアクティブ表示の視認を困難又は不可能にしてもよい。
また、大キャラ演出は、図26や図30(A)に示したものに限定されない。例えば、図26に示した大キャラ演出の如く、変化前に段階では、変化対象も変化後の表示態様も報知しない、背景演出、群演出、可動役物による演出、ボタン演出、飾り図柄による演出等であってもよい。また、図30(A)に示した大キャラ演出の如く、変化前に段階では、変化対象を報知しないが変化後の表示態様を報知する、背景演出(例えば背景色により報知)、群演出(例えば群の色や進行方向により報知)、可動役物による演出(例えば可動態様により報知)、ボタン演出(例えばボタン表示色や押下後の演出により報知)、飾り図柄による演出(例えば、図柄の文言(「青に変化」「赤に変化」)により報知)等であってもよい。
同様に、小キャラ演出は、図27や図30(B)に示したものに限定されない。例えば、図27に示した小キャラ演出の如く、変化前に段階で、変化対象も変化後の表示態様も報知する、背景演出、群演出、可動役物による演出、ボタン演出、飾り図柄による演出等であってもよい。また、図30(B)に示した小キャラ演出の如く、変化前に段階では、変化後の表示態様を報知しないが変化対象を報知する、背景演出、群演出、可動役物による演出、ボタン演出、飾り図柄による演出等であってもよい。
また、上記実施形態では、第1特図ゲームの保留データ(第1保留情報)と第2特図ゲームの保留データ(第2保留情報)とを区別せずに入賞順に消化しているが(図18参照)、第2保留情報を優先して消化してもよい。
また、上記実施形態では、「割合」とは、A:B=70%:30%や、A:B:C=70%:20%:10のような関係となるものにかぎらず、図24(B)にも示したが、A:B=100%:0%や、A:B:C=70%:30%:0のような関係となるもの(即ち、100%や0%の割り振りが存在するもの)も含む概念である。
また、上記実施形態では、ラウンド数は、8ラウンド、16ラウンドの2種類としているが、ラウンド数は3種類以上であってもよい。例えば、4R確変大当り、8R確変大当り、16R確変大当りの3種類であってもよい。また、上記実施形態では、大当り種別として確変大当りのみを設ける遊技機を示したが、大当り種別として非確変大当り(通常大当り)を含む遊技機であってもよい。
また、上記実施形態では、「0」〜「8」を示す数字や「−」を示す記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、当該可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として特別導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。即ち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、飾り図柄等)の可変表示についても同様である。
また、上記実施形態では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が表示されたことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにしているが、大当り遊技状態に制御する態様はこれに限定されない。例えば、第2始動入賞口の近傍に、又は、第2始動入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)したことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにいてもよい。
また、上記実施形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板12側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記実施形態では、主基板11に乱数値の判定用テーブル(表示結果決定テーブル、大当り種別決定テーブル、及び変動カテゴリ決定テーブル)を記憶させておき、始動入賞時に主基板11において抽出された乱数値(MR1〜MR3)に基づき、主基板11が乱数値の判定用テーブルを参照し、乱数値の判定処理(大当りとなるか否かの判定、及び変動カテゴリの判定、並びに大当りである場合は大当りの種別の判定)を実行し、演出制御基板12は、主基板11において判定された判定結果を受信して、受信した判定結果に基づき先読予告演出を実行する例を示したが、先読予告演出の実行態様はこれに限定されない。例えば、演出制御基板12に上記乱数値の判定用テーブルを記憶させておき、主基板11から乱数値そのものを演出制御基板12に送信(例えば、主基板11から乱数値を特定可能な演出制御コマンドを演出制御基板12に送信)することにより、演出制御基板12は、主基板11において抽出された乱数値そのものを受信し、受信した乱数値に基づき乱数値の判定用テーブルを参照して乱数値の判定処理を実行し、判定処理の判定結果に基づき先読予告演出を実行するようにしてもよい。即ち、乱数値の判定処理を演出制御基板12において行ってもよい。また、乱数値の判定処理を主基板11と演出制御基板12の両方で行ってもよい。例えば、演出制御基板12は、一部の乱数値を受信して乱数値の判定処理を実行するとともに、主基板11において判定された判定結果を受信してもよい。具体的には、例えば、演出制御基板12は、乱数値(MR1及びMR2)を受信して大当りとなるか否かの判定及び大当りである場合は大当りの種別の判定を実行するとともに、乱数値(MR3)に基づき主基板11で判定された変動カテゴリの判定結果を受信するようにしてもよい。即ち、演出制御基板12は、自ら判定した判定結果と主基板11で判定された判定結果に基づき先読予告演出を実行することができる。
また、各乱数の更新タイミングを異ならせたり、各乱数の更新範囲を異ならせたりすることによって、各乱数が同期しないようにしてもよい。
また、例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与する遊技機にも本発明を適用することができる。また、遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記説明では、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルなどを構成するデータが記憶されている、と説明したが、上記データは、必ずしもテーブル形式(例えば、構造体、配列なども含む)で記憶されている必要はない。即ち、抽出された乱数値と比較される判定値(決定値)を、ROM101内に纏めて記憶してもよいが、ROM101の複数個所に分散(点在)させて記憶してもよい。あるいは、抽出された乱数値を入力した場合に結果(例えば、図6の例では大当り又はハズレ)が出力される数式やプログラムをROM101に格納してもよい。ROM121に記憶された判定テーブル等についても同様である。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。例えば、常時、又は、チャンスゾーン中など特定期間において、将来実行される各ゲームの1つ1つに対応する特別表示(ボーナス等の期待度に応じた表示態様となるものであることが好ましい)を複数個同時に表示可能なスロット機や、既に実行した各ゲームの1つ1つに対応する特別表示(ボーナス等の期待度に応じた表示態様となるものであることが好ましい)を複数個同時に表示可能なスロット機などに本発明を適用してもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。