JP2017118986A - 介護用具 - Google Patents
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Abstract
【課題】体に付着した粘性が高い付着物を容易に除去することができるのは勿論のこと、体の表面を拭き取る機能を兼備した介護用具を提供する。【解決手段】介護用具1は、板状部材2とシート状部材4を備える。板状部材2は、防水加工が施された厚紙や合成樹脂等のある程度剛性を有する材料からなり、平板状に形成されている。板状部材2の外周端縁の少なくとも一部、図示例では下端縁に、体の形状に沿うよう凹形状に湾曲した湾曲部3を備える。湾曲部3は、例えば、体の拭き取りを行い清潔に保つ部分である被清拭部(例えば、臀部など)の形状に沿った相対的に大きな曲率半径を有し、中央部が上方へ向けて凹んだ円弧形状又は楕円形状などに湾曲した形状に形成されている。板状部材2は、袋状のシート状部材4の内部に収容され、シート状部材4の下端縁が板状部材2の湾曲部3にフィットするように構成されている。【選択図】図1
Description
この発明は、介護用具に関するものである。
従来、在宅で家族や介護福祉士等により介護を受ける高齢者、介護施設の利用者や入居者或いは病院に入院している患者などにおいては、排尿や排便を自己の意思でコントロールすることが困難な場合や、自らトイレに行くことが困難な場合などに、下腹部を覆うように着用して排泄物(尿や便)を捕捉するおむつが使用される。また、高齢者などにおいては、在宅で家族や介護福祉士などの介護を受けるにあたり、排尿や排便を自己の意思でコントロールすることが可能な場合であっても、トイレに行く負担を軽減するためにおむつが使用される場合もある。一般におむつは、紙や布等からなるが、現在では紙製の使い捨ておむつが主に用いられている。
そして、高齢者や介護施設の利用者・入居者、或いは入院患者などがおむつで排便等を行ったときには、着用者の体からおむつを脱がせて、臀部等に付着した便などを濡れたタオルやペーパータオルなどで拭き取ることにより清浄にした後に、新しいおむつと履き替えることが行われている。
その際、粘性が高い排泄物などの場合には、排泄物が体に付着して濡れたタオルやペーパータオルなどで容易に取り除くことができないことがあり、濡れたタオルやペーパータオルなどを多量に消費し、又、処理に長い時間を要し、高齢者や入院患者などを介護する家族や介護福祉士等の負担が大きいという技術的課題を有していた。特に、便秘気味な高齢者においては、便秘を解消するために下剤を使用している場合など、排泄物が臀部等の広い範囲にわたって付着することがあり、濡れたタオルやペーパータオルなどでは除去することが困難であって、多くの濡れたタオルやペーパータオルなどを使用することとなり、高齢者や入院患者を介護する家族や介護福祉士等の負担が増大するとともに、介護を受ける高齢者等にとってもおむつの交換に要する時間が長くなり負担が大きいものであった。
そこで、かかる課題を解決し得る技術としては、例えば、特許文献1等に開示されたものが既に提案されている。
特許文献1には、おむつを使用している人の体に付着した粘性が強く容易に拭き取ることができない大便などを剥がして除去するためのへらを提供することを目的とし、へらの外周に体にフィットするための凸状、凹状のゆるやかなカーブ及び丸みを設け、排泄物を除去するものが記載されている。
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有していた。すなわち、特許文献1の場合には、へらの外周に体にフィットするための凸状、凹状のゆるやかなカーブ及び丸みを設け、体に付着した大便等の付着物をへらにより掻き取ることで除去するように構成したものであるが、このへらは、硬質の厚紙等からなるものであって、体に付着した付着物を掻き取ることが可能であっても拭き取る作用が得られず、へらを用いて付着物を掻き取る際に却って付着物を体に擦りつけることとなる虞れがあり、最終的に濡れたタオルやペーパータオルなどを用いて拭き取る必要があるという技術的課題を有していた。
また、上記特許文献1の場合には、硬質の厚紙等からなるへらによって体に付着した付着物を掻き取るものであり、硬質のへらが皮膚に直接接触するため、高齢者の皮膚を傷つけるという技術的課題をも有していた。特に、体に付着した粘性が高い排泄物を除去する場合など、へらに力を入れて付着物を掻き取る必要があるため、硬質の厚紙等からなるへらによって皮膚が擦られ、高齢者の皮膚を傷つけるという技術的課題をも有していた。
そこで、この発明は、上記従来技術の課題を解決して、体に付着した粘性が高い付着物を容易に除去することができるのは勿論のこと、体の表面を拭き取る機能を兼備した介護用具を提供することを目的とするものである。
請求項1に記載された発明は、外周端縁の少なくとも一部に体の形状に沿うよう湾曲した湾曲部を有する板状部材と、
前記板状部材の湾曲部に密着した状態で当該湾曲部を表裏にわたり被覆するシート状部材と、
を備えたことを特徴とする介護用具である。
前記板状部材の湾曲部に密着した状態で当該湾曲部を表裏にわたり被覆するシート状部材と、
を備えたことを特徴とする介護用具である。
また、請求項2に記載された発明は、外周端縁の少なくとも一部に体の形状に沿うよう湾曲した湾曲部を有する板状部材と、
前記板状部材の湾曲部に密着した状態で当該湾曲部を表裏にわたり着脱自在に被覆するシート状部材と、
を備えたことを特徴とする介護用具である。
前記板状部材の湾曲部に密着した状態で当該湾曲部を表裏にわたり着脱自在に被覆するシート状部材と、
を備えたことを特徴とする介護用具である。
さらに、請求項3に記載された発明は、前記シート状部材は、前記板状部材の湾曲部を被覆するよう装着する際、当該シート状部材に前記板状部材の湾曲部と対向する側の端部に向けた張力を作用させることにより、前記シート状部材の外周端縁を前記板状部材の湾曲部に密着させることを特徴とする請求項2に記載の介護用具である。
又、請求項4に記載された発明は、前記板状部材は、前記湾曲部と対向する側の端縁に対向部を有し、
前記シート状部材は、伸縮性を有する素材から袋状に形成され、前記板状部材の湾曲部と対向する側の端縁に当該板状部材を出し入れする開口部を備えるとともに、前記開口部の一部を閉塞する閉塞部を有し、
前記シート状部材は、前記開口部を介して前記板状部材を内部に挿入することで、前記板状部材の対向部が前記シート状部材の閉塞部に接触して当該閉塞部を前記板状部材の湾曲部から離間する方向に変位させることにより、前記シート状部材の外周端縁を前記板状部材の湾曲部に密着させることを特徴とする請求項2又は3に記載の介護用具である。
前記シート状部材は、伸縮性を有する素材から袋状に形成され、前記板状部材の湾曲部と対向する側の端縁に当該板状部材を出し入れする開口部を備えるとともに、前記開口部の一部を閉塞する閉塞部を有し、
前記シート状部材は、前記開口部を介して前記板状部材を内部に挿入することで、前記板状部材の対向部が前記シート状部材の閉塞部に接触して当該閉塞部を前記板状部材の湾曲部から離間する方向に変位させることにより、前記シート状部材の外周端縁を前記板状部材の湾曲部に密着させることを特徴とする請求項2又は3に記載の介護用具である。
更に、請求項5に記載された発明は、前記板状部材は、防水加工を施した厚紙、合成樹脂又はゴムのいずれか1つ以上からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の介護用具である。
また、請求項6に記載された発明は、前記シート状部材は、液体を含浸させた不織布からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の介護用具である。
さらに、請求項7に記載された発明は、前記板状部材は、前記湾曲部に対応した端縁が弾性体により形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の介護用具である。
又、請求項8に記載された発明は、前記板状部材は、手の指を挿通することで把持する把持部を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の介護用具である。
この発明によれば、体に付着した粘性が高い付着物を容易に除去することができるのは勿論のこと、体の表面を拭き取る機能を兼備した介護用具を提供することができる。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1はこの発明の実施の形態1に係る介護用具を示す構成図である。
図1はこの発明の実施の形態1に係る介護用具を示す構成図である。
この実施の形態1に係る介護用具1は、図1に示されるように、外周端縁の少なくとも一部に体の形状に沿うよう凹形状に湾曲した湾曲部3を有する板状部材2と、外周端縁の一部が板状部材2の湾曲部3に密着した状態で当該湾曲部3を表裏にわたり被覆するシート状部材4とを備える。
板状部材2は、図2に示されるように、防水加工が施された厚紙や合成樹脂、あるいはゴム等のある程度剛性を有する材料からなり、例えば1〜数mm程度の厚さを有する平板状に形成されている。但し、板状部材2の厚さは、これに限定されるものではなく、数mmよりも厚く形成しても良い。この板状部材2は、その正面形状が相対的に高さ方向の長さHよりも幅方向の長さWが長く設定された略矩形状を呈する。板状部材2は、例えば、その高さHが8cm程度、幅Wが17cmに設定される。板状部材2の外周端縁の少なくとも一部、図示例では下端縁に、体の形状に沿うよう凹形状に湾曲した湾曲部3を備える。湾曲部3は、例えば、体の拭き取りを行い清潔に保つ部分である被清拭部(例えば、臀部など)の形状に沿った相対的に大きな曲率半径を有し、中央部が上方へ向けて凹んだ円弧形状又は楕円形状などに湾曲した形状に形成されている。
また、板状部材2は、湾曲部3と対向する側(反対側)の端縁に当該湾曲部3から離間する方向、図示例では上方向に突出した対向部の一例としての突出部5を有している。突出部5は、例えば、板状部材2を手で持つ際の持ち易さや、板状部材2を手で持った際の力が湾曲部3に略均等に加わることなどを考慮して、湾曲部3と略相似形状に相対的に大きな曲率半径を有し、中央部が上方へ向けて突出した円弧形状又は楕円形状などに湾曲した形状に形成されている。ただし、突出部5の形状は、湾曲部3と略相似形状に限定されるものではなく、湾曲部3と対向する側の端縁の少なくとも一部が湾曲部3から離間する方向に突出した形状を有していれば良い。湾曲部3から突出部5までの長さは、当該湾曲部3の中央においてH1に設定されている。
さらに、板状部材2は、長手方向に沿った左右の両端縁6,7が比較的短い直線状に形成されているとともに、当該左右の両端縁6,7と湾曲部3及び突出部5とを接続する四方の角部8〜11は、湾曲部3及び突出部5に比較して曲率半径が小さく設定された略円弧状にそれぞれ形成されている。また、左右の両端縁6,7と突出部5とを接続する角部10,11は、左右の両端縁6,7と湾曲部3とを接続する角部8,9よりも曲率半径が大きく設定されている。
なお、図示の実施の形態では、板状部材2が縦方向の中心線Cに対して左右対称な形状に形成されているが、板状部材2の形状は、左右非対称な形状であっても勿論よい。また、板状部材2の湾曲部の数は、1つに限定されるものでなく、複数個所にわたり設けても良い。この場合、例えば、左右の両端縁6,7を第2の湾曲部として形成することができる。
一方、シート状部材4は、図3に示されるように、伸縮性を有する布状の材料から同一形状に形成された表面側素材12と裏面側素材13を備えている。シート状部材4は、その上端部に設けられる開口部14を除いて表面側素材12及び裏面側素材13の下端縁15及び両側端縁16,17からなる外周端縁を接合することで、扁平な正面略長方形の袋状に形成されている。シート状部材4は、例えば、表面側素材12及び裏面側素材13の下端縁15が一連に繋がるように一体的に裁断した状態で、両側端縁16,17を熱溶着や接着、あるいは縫着等の手段により接合することで、上端縁18に開口部14を有する袋状に形成される。また、シート状部材4は、当該シート状部材4が板状部材2にフィットすることを考慮して板状部材2の外形よりも一回り小さい形状に形成されている。この実施の形態では、シート状部材4の着用前の高さH’が、板状部材2の高さHよりも小さく(H>H’)、且つ、シート状部材4の着用前の幅W’が、板状部材2の幅Wよりも小さく(W>W’)設定されている。
シート状部材4としては、例えば、使い心地や拭き取り性を考慮すると、比較的厚手で風合いの良い伸縮性を有する不織布を用いるのが望ましい。不織布の材料としては、例えば、セルロース繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維などが挙げられる。
なお、シート状部材4の材料としては、不織布に限定されるものではなく、綿等の天然繊維やポリエステル等の合成繊維からなる織地や編地等の布状部材を用いても良い。この場合には、布状部材に伸縮糸を織り込む又は編み込むことにより伸縮性を持たせることができる。
シート状部材4は、上述したように、板状部材2の湾曲部3と対向する側の端縁、図示例では上端縁18に当該板状部材3を出し入れする開口部14を備えるとともに、この開口部14の一部を閉塞する閉塞部19を有している。開口部14は、板状部材2の湾曲部3と対向する側の端縁18に沿って略全長にわたり直線状に設けられている。また、閉塞部19は、開口部14の長手方向に沿った中央部に位置し、対向する表面側素材12及び裏面側素材13の端縁同士を熱溶着、接着や縫着、あるいはフックやホック等の締結具を用いた締結等の手段により接合することで構成されている。閉塞部19から開口部14の一端部までの長さLは、板状部材2の高さHよりも大きく(L>H)設定されている。なお、閉塞部19の位置は、開口部14の長手方向に沿った中央部に限定されるものではなく、開口部14の長手方向に沿った一端部寄りに設けて良い。また、閉塞部19の数も1箇所に限定されるものではなく、開口部14の長手方向に沿った中央部近傍に複数個所、あるいは中央部及び一端部寄りの位置など複数個所にわたり設けるように構成しても良い。
シート状部材4は、その下端縁15から閉塞部19までの高さH2が、板状部材2の湾曲部3から突出部5までの高さH1よりも低く(H1>H2)設定されている。
また、シート状部材4は、不織布等からなるものをそのまま使用しても勿論良いが、この実施の形態では、拭き取り性や触感、あるいは衛生面などを考慮して、シート状部材4に液体を含浸させている。シート状部材4に含浸させる液体としては、例えば、水、あるいはエタノール、イソプロパノール、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素水などの消毒液を挙げることができる。シート状部材4には、使用時に液体を含浸させても良いが、作業効率を考慮するとシート状部材4に予め液体を含浸させておくことが望ましい。また、シート状部材4に含浸させる液体には、メントールなどの清涼剤や芳香剤、あるいは消臭剤、保湿剤、潤滑剤などの添加剤を添加しても良い。
シート状部材4に液体を予め含浸させておく場合には、液体が蒸発するのを防止乃至抑制するため、液体を含浸させたシート状部材4をプラスチック製の容器かプラスチックフィルムからなる袋などの収容容器に密閉して複数枚或いは1枚単位で収容しておくことが望ましい。この実施の形態では、複数枚のシート状部材4をプラスチック製の容器に収容している。
以上の構成において、この実施の形態に係る介護用具では、次のようにして、体に付着した粘性が高い付着物を容易に除去することができるのは勿論のこと、体の表面を拭き取る機能を兼備した介護用具を提供することができる。
すなわち、この実施の形態に係る介護用具1は、例えば、在宅で家族や介護福祉士などの介護者により介護を受ける高齢者、介護施設の利用者や入居者或いは病院に入院している高齢者等の被介護者のために使用される。
これらの高齢者や入院患者などの被介護者においては、排尿や排便を自己の意思でコントロールすることが困難な場合や、自らトイレに行くことが困難な場合があり、下腹部を覆うように着用して排泄物(尿や便)を捕捉するおむつが使用される。
そして、高齢者や入院患者など被介護者がおむつを着用して排便等を行ったときには、被介護者の体からおむつを脱がせて、臀部等に付着した便などを除去して清浄にした後、新しいおむつと履き替えることが行われる。このとき、臀部等に付着した便、特に粘性が高い排泄物などの場合には、排泄物が体に付着して濡れたタオルやペーパータオルなどで取り除くことが困難なことがある。特に、便秘気味な高齢者においては、便秘を解消するために下剤を使用している場合など、排泄物が臀部等の広い範囲にわたって付着することがあり、濡れたタオルやペーパータオルなどでは除去することが困難なことが多い。
そこで、この実施の形態では、次のように介護用具1を用いることにより、臀部等に付着した便、特に粘性が高い排泄物などを容易に取り除くことができる。
介護用具1は、板状部材2とシート状部材4とが別々に分離された状態で保管されている。液体が含浸された袋状のシート状部材4は、プラスチック製の容器に密閉した状態で収容されている。
そのため、家族や介護福祉士等の介護者は、図4に示されるように、板状部材2及びシート状部材4を1枚ずつ取り出して、袋状のシート状部材4の内部に板状部材2を挿入して所定位置にセットする。このとき、板状部材2は、湾曲部3がシート状部材4の下端縁15側に位置し、一方の端縁6が下方となるように傾けた状態で、シート状部材4の開口部14を介して当該シート状部材4の内部の所定位置に収容される。
シート状部材4の内部に板状部材2を収容した状態では、図1に示されるように、シート状部材4の開口部14に設けられた閉塞部19が板状部材2の突出部5の最も上方に突出した略中央部の位置に係止される。ところで、介護用具1は、シート状部材4の下端縁15から閉塞部19までの高さH2が、板状部材2の湾曲部3から突出部5までの高さH1よりも低く(H1>H2)設定されている。そのため、シート状部材4の閉塞部19が板状部材3の突出部5の上端に係止された状態では、シート状部材4の下端縁15を上方へ引っ張る引き上げ力が作用する。その結果、シート状部材4の下端縁15は、板状部材2の湾曲部3の全長にわたり密着した状態となり、シート状部材4の下端縁15と板状部材2の湾曲部3との間に隙間が生じないか又は生じ難くなっている。
そして、介護者は、図5に示すように、介護用具1の突出部5に沿った上端縁を手で把持した状態で、シート状部材4によって覆われた板状部材3の湾曲部3を被介護者の体の臀部等の被清拭部30に沿わせて移動させることにより、臀部等に付着した便等の付着物(排泄物)20を板状部材2の湾曲部3によって容易に掻き取ることができる。また、介護用具1は、板状部材2の湾曲部3がシート状部材4によって隙間なく覆われているため、被介護者の体には、液体が含浸されたシート状部材4が接触し、掻き取り作用とともにシート状部材4による拭き取り作用を同時に行うことができる。
このとき、便等の付着物20が被介護者の体に強固に付着している場合であっても、介護用具1の板状部材3は、剛性を有しているため、介護者は、介護用具1の板状部材3を被介護者の体に沿って移動させることで容易に付着物20を取り除くことが可能となる。
また、介護用具1の板状部材2は、シート状部材4で覆われているため、当該介護用具1を被介護者の体に沿って移動させた場合であっても、被介護者の皮膚を傷付けることを回避することができる。また、シート状部材4には、液体が含浸されているので、板状部材2によって体の臀部等を掻き取る際に液体が潤滑剤の役割を果たし、被介護者の皮膚を傷付けることが回避されるとともに、液体によって拭き取り作用が効果的に行われる。
使用後の介護用具1は、板状部材2が防水加工を施した厚紙等からなる場合、シート状部材4を被覆したままの状態でそのまま汚物として廃棄することができる。
一方、板状部材2が合成樹脂からなる場合には、シート状部材4から板状部材3を取り出した後、シート状部材4のみを廃棄すればよい。また、シート状部材4から取り出された板状部材2は、洗浄した後消毒して再利用することができ、経済的であるとともに、廃棄物の量を減少させることができる。
[実施の形態2]
図6はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、シート状部材として予め袋状に形成されたものではなく、平面矩形状のシート状部材をそのまま使用するように構成されている。
図6はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、シート状部材として予め袋状に形成されたものではなく、平面矩形状のシート状部材をそのまま使用するように構成されている。
すなわち、この実施の形態2では、図6に示されるように、実施の形態1と同様に構成された板状部材2の表裏両面における中央部の上方に、平面矩形状のシート状部材4を着脱するための補助具50が接着等の手段により固着されている。この補助具50は、図7に示されるように、合成樹脂や金属等により形成されており、板状部材2に固着される平面矩形状の平板部51と、平板部51の上端縁51aに180度開閉自在に設けられた複数本(図示例では3本)の爪部52を備えている。爪部52は、補助具50を合成樹脂から形成する場合、爪部52の基端部である平板部51との境界に設けられたヒンジ部53により、180度開閉自在に設けられる。また、爪部52は、補助具50を金属から形成する場合、別部材としての金属製の線材によって形成される。爪部52の基端部は、L字形状又はT字形状に形成され、平板部51に設けられた円筒状のヒンジ部53に挿入されることより、180度開閉自在に設けられる。
また、爪部52の先端部54は、板状部材2の反対側の面に向けて折り曲げられており、当該爪部52の先端部54は、図8に示されるように、シート状部材4の上端部に刺し込まれた状態で起立され、シート状部材4を上方に引っ張り上げた状態で板状部材2の上端縁に引っ掛けられてシート状部材4を固定するように構成されている。
この実施の形態2では、図9に示されるように、平面矩形状のシート状部材4をそのまま使用することができるため、利便性を高めることができる。なお、シート状部材4は、必要に応じて複数枚を同時に使用することにより肌当たり性を向上させることができる。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
[実施の形態3]
図10はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、実施の形態1に係る介護用具1に比較して拭き取り性を向上させたものである。
図10はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、実施の形態1に係る介護用具1に比較して拭き取り性を向上させたものである。
この実施の形態3に係る介護用具1は、図10(a)に示されるように、板状部材2として上端部が連結された2枚の板状部材2,2を備えており、2枚の板状部材2,2の下端部には、円筒形状のスポンジ部材60が挟持されている。スポンジ部材60は、図10(b)及び図11に示されるように、その下端部が2枚の板状部材2,2の下端部より下方に突出するように配置されている。
そして、スポンジ部材60を挟持した2枚の板状部材2,2は、図12に示されるように、実施の形態1と同様に、上端部が開口した袋状に形成されたシート状部材4の内部に収容されることにより介護用具1が構成されている。
この実施の形態3では、図10(a)に示されるように、板状部材2,2の下端面がスポンジ部材60を挟持している分だけ面積が大きくなり、拭き取り効果を飛躍的に高めることが可能となる。
また、この実施の形態3では、スポンジ部材60の両側に板状部材2,2の下端部が位置しているため、板状部材2,2の下端部によって掻き取り効果をも良好に発揮することができる。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
[実施の形態4]
図13はこの発明の実施の形態4を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態4では、板状部材は、湾曲部に対応した端縁が弾性体により形成されているものである。
図13はこの発明の実施の形態4を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態4では、板状部材は、湾曲部に対応した端縁が弾性体により形成されているものである。
すなわち、この実施の形態4では、図13に示すように、板状部材2の全体が合成樹脂から形成されているのではなく、板状部材2の湾曲部3に対応した先端に位置する端縁を構成する端縁構成部40をゴム等の弾性体により形成したものである。板状部材2と湾曲部3に対応した端縁構成部40とは、一体成形や接着等の手段によって一体的に構成されている。
この実施の形態4では、体に付着した便等の付着物を介護用具1によって取り除く際に、板状部材2の湾曲部3に対応した端縁構成部40が弾性体からなり体の形状に沿って弾性変形するため、被介護者の体30との接触面積を増加させることができ、掻き取り効果並びに拭き取り効果を更に高めることが可能となる。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
[実施の形態5]
図14はこの発明の実施の形態5を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態5は、前記板状部材は、手の指を挿通することで把持する把持部を有するように構成したものである。
図14はこの発明の実施の形態5を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態5は、前記板状部材は、手の指を挿通することで把持する把持部を有するように構成したものである。
すなわち、この実施の形態5に係る介護用具1は、図14に示すように、板状部材2の突出部5に沿って手の指を挿通することで把持するスリット状の開口部からなる把持部50を備えている。
この実施の形態5では、介護用具1を使用する際に、板状部材2の把持部50に指先を通した状態で、板状部材2を把持することができ、掻き取り並びに拭き取り作業を容易に行うことができる。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
1…介護用具
2…板状部材
3…湾曲部
4…シート状部材
5…突出部
2…板状部材
3…湾曲部
4…シート状部材
5…突出部
Claims (8)
- 外周端縁の少なくとも一部に体の形状に沿うよう湾曲した湾曲部を有する板状部材と、
前記板状部材の湾曲部に密着した状態で当該湾曲部を表裏にわたり被覆するシート状部材と、
を備えたことを特徴とする介護用具。 - 外周端縁の少なくとも一部に体の形状に沿うよう湾曲した湾曲部を有する板状部材と、
前記板状部材の湾曲部に密着した状態で当該湾曲部を表裏にわたり着脱自在に被覆するシート状部材と、
を備えたことを特徴とする介護用具。 - 前記シート状部材は、前記板状部材の湾曲部を被覆するよう装着する際、当該シート状部材に前記板状部材の湾曲部と対向する側の端部に向けた張力を作用させることにより、前記シート状部材の外周端縁を前記板状部材の湾曲部に密着させることを特徴とする請求項2に記載の介護用具。
- 前記板状部材は、前記湾曲部と対向する側の端縁に対向部を有し、
前記シート状部材は、伸縮性を有する素材から袋状に形成され、前記板状部材の湾曲部と対向する側の端縁に当該板状部材を出し入れする開口部を備えるとともに、前記開口部の一部を閉塞する閉塞部を有し、
前記シート状部材は、前記開口部を介して前記板状部材を内部に挿入することで、前記板状部材の対向部が前記シート状部材の閉塞部に接触して当該閉塞部を前記板状部材の湾曲部から離間する方向に変位させることにより、前記シート状部材の外周端縁を前記板状部材の湾曲部に密着させることを特徴とする請求項2又は3に記載の介護用具。 - 前記板状部材は、防水加工を施した厚紙、合成樹脂又はゴムのいずれか1つ以上からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の介護用具。
- 前記シート状部材は、液体を含浸させた不織布からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の介護用具。
- 前記板状部材は、前記湾曲部に対応した端縁が弾性体により形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の介護用具。
- 前記板状部材は、手の指を挿通することで把持する把持部を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の介護用具。
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