JP2017116808A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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俊彦 片倉
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茜 桝本
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英芳 冨永
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【課題】ケイ素化合物により表面を覆われたトナー粒子を効率よく生産でき、高湿環境においても良好な現像耐久性および帯電特性を示すトナーを製造する方法を提供する。【解決手段】2官能、3官能、4官能の有機ケイ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の有機ケイ素化合物Aを、水系媒体中にてトナー粒子前駆体と共存させ、有機ケイ素化合物Aの少なくとも一部が縮合した後、2官能、3官能、4官能の有機ケイ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の有機ケイ素化合物Bを前記水系媒体中に共存させ、有機ケイ素化合物Bの少なくとも一部を縮合させること。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真及び静電印刷のような画像形成方法に用いられる静電荷像を現像するためのトナー粒子の製造方法に関する。
トナーの性能を向上させる各種技術が多数提案されているが、本発明者らは、主にトナー耐久性向上の観点から、トナー粒子表面をケイ素化合物で覆う思想に注目している。
従来より、トナー粒子表面に微小なシリカ粒子を付着させて各種性能を向上させる手法が多数取られてきた。一方で、トナー粒子表面に反応させたケイ素化合物を付着させることで、微小なシリカ粒子を付着させるトナーとは違った特性を出せるといった提案が、いくつかなされている。
例えば、特許文献1においては、水系媒体中にてゾルゲル法により作製した化合物を、トナー用樹脂粒子表面に固着させる技術が開示されている。あるいは、特許文献2においては、エチレン性不飽和結合を含むケイ素化合物を反応させて、トナー粒子表面を覆う技術が開示されている。また、特許文献3では、流動性、流動化剤の遊離、低温定着性、ブロッキング性を改善するトナーとして、ケイ素化合物を含む粒状塊同士が固着されることによって形成された被覆層を有する重合トナーが開示されている。
これら技術は、トナー耐久性向上の観点で良好な結果が出ているが、いくつかの共通課題が挙げられる。1つは、生産性に課題があり、量産するにはさらに何らか改善しなければならない点が多数あることである。また、それら生産性を改善するため、各工程を簡略化したり、時間を短くすることで、トナー表面へのシラン化合物の析出量やシラン化合物の加水分解重縮合が不十分になることがある。これらによって発生する高温高湿下における帯電量の変化による画像濃度変化、トナー融着による部材汚染の発生に対してさらなる改善が必要となっている。
特開2009−282173号公報 特開2010−181439号公報 特開2001−75304号広報
本発明は、上記課題を解決したトナー粒子の製造方法を提供する。より詳しくは、ケイ素化合物により表面を覆われたトナーを効率よく生産でき、高湿環境においても良好な現像耐久性、帯電特性を示すトナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、下記構成を採用することで上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、下記工程A〜工程Dを有するトナー粒子の製造方法によって、上記課題を解決できる。
工程A:下記式(A2)、下記式(A3)および下記式(A4)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の有機ケイ素化合物Aと、粒子状のトナー粒子前駆体とを水系媒体の中で共存させる工程。
工程B:前記工程Aを経た後、前記水系媒体の中の前記有機ケイ素化合物Aの少なくとも一部を縮合させる工程。
工程C:前記工程Bを経た前記水系媒体の中に、下記式(B2)、下記式(B3)および下記式(B4)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の有機ケイ素化合物Bを存在させる工程。
工程D:前記工程Cを経た後、前記有機ケイ素化合物Bの少なくとも一部を縮合させる工程。
Figure 2017116808
(式中、Ra〜Rfは、アルキル基、アルケニル基、アシル基又はアリール基であり、R1〜R18は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基である。)
本発明によれば、水系媒体中でトナー粒子を作製する製造方法において、ケイ素化合物により表面を覆われた粒度分布がシャープなトナー粒子を簡便に得る製造方法を提供できる。また、高湿環境においても良好な現像耐久性および帯電特性を示すトナーを製造する方法を提供することができる。
本発明が適用できる電子写真装置の一例である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、下記工程A〜工程Dを有するトナー粒子の製造方法であり、工程A、工程B、工程Cさらに工程Dの順番に進める製造方法である。
工程A:下記式(A2)、下記式(A3)および下記式(A4)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の有機ケイ素化合物Aと、粒子状のトナー粒子前駆体とを水系媒体の中に共存させる工程。
工程B:前記工程Aを経た後、前記水系媒体の中の前記有機ケイ素化合物Aの少なくとも一部を縮合させる工程。
工程C:前記工程Bを経た前記水系媒体の中に下記式(B2)、下記式(B3)および下記式(B4)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の有機ケイ素化合物Bを存在させる工程。
工程D:前記工程Cを経た後、前記有機ケイ素化合物Bの少なくとも一部を縮合させる工程。
Figure 2017116808
(式中、Ra〜Rfは、アルキル基、アルケニル基、アシル基又はアリール基であり、R1〜R18は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基である。)
上記工程Aのトナー粒子前駆体とは、最終的なトナー粒子に含まれる材料そのものや、反応して最終的なトナー粒子の構成材料となる元の原料が含まれたものが、粒子状になったものである。このトナー粒子前駆体と、上記式(A2)、上記式(A3)および上記式(A4)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の有機ケイ素化合物Aとが、水系媒体の中に共存している工程が、工程Aである。ここで示した共存方法は、大きく分類すると次の3つの手段に分けられる。
手段1:トナー粒子前駆体となる原材料に有機ケイ素化合物Aを混合した状態で水系媒体中に投入し、造粒してトナー粒子前駆体とする手段。
この場合、トナー粒子前駆体の元となる原材料が水系媒体に投入される前から、ケイ素化合物Aがトナー前記原材料に入っているため、水系媒体で前記原材料を造粒する瞬間から、工程Aの状態となる。
手段2:トナー粒子前駆体が水系媒体中に形成された状態で、この水系媒体中に有機ケイ素化合物Aを投入する手段。
この場合、水系媒体に有機ケイ素化合物Aが単独で直接接触することが特徴であり、水系媒体中に有機ケイ素化合物Aを投入した時点で工程Aの状態となる。
手段3:トナー粒子前駆体が形成された水系媒体と、有機ケイ素化合物Aが投入された別の水系媒体とを混合する手段。
この手段は、上記2つ目の手段と同様、水系媒体に有機ケイ素化合物Aが単独で直接接触するが、トナー粒子前駆体を含む水系媒体と、有機ケイ素化合物Aを含む水系媒体とを混合した時点で、工程Aの状態となる。
工程Bの技術的意味は、工程Cで示す有機ケイ素化合物Bを工程中に存在させる前に、有機ケイ素化合物Aを少なくとも縮合させることが重要である。すなわち、有機ケイ素化合物Aが縮合していない状態で有機ケイ素化合物Bを共存させてしまうと、本発明の効果が得られない。
有機ケイ素化合物を水系媒体で縮合させるには、通常、加水分解性の官能基を持った有機ケイ素化合物を使用し、加水分解後に形成されるシラノール基による脱水縮合を利用する。式(A2)、式(A3)、式(A4)、式(B2)、式(B3)および式(B4)は、加水分解性の官能基を持っている。この縮合過程の観点から、本発明の効果について考察する。
例として、懸濁重合法における上記手段1によるトナー粒子の作製の例を挙げて、説明する。まず、トナー粒子となる原材料を有機ケイ素化合物Aとともに溶解・混合させる場合を考える。この溶解混合物は、水系媒体に投入して高速撹拌することで造粒され、トナー粒子前駆体となり、工程Aとなる。この時、有機ケイ素化合物Aは、水系媒体に投入された瞬間から、確率論・速度論的に加水分解が始まる。加水分解すると、シラノール基が生じるが、一般的にシラノール基は反応性が高いため、シラノール基同士が接触すると脱水縮合を起こしやすい。また、加水分解前の有機ケイ素化合物Aは疎水性であるが、加水分解してシラノール基になると、親水性が一気に強まる。よって、水系媒体中のトナー粒子前駆体表面に有機ケイ素化合物Aの加水分解物が局在して、さらには脱水縮合もトナー粒子前駆体表面で進むことができる。脱水縮合が始まった時点で、工程Bとなる。なお、工程Bを厳密に測定することは難しいが、前述の通り、加水分解で発生したシラノール基は反応性が高いため、加水分解した瞬間に脱水縮合反応が起こる確率的可能性が少なからずある。よって、加水分解物の発生量を定量できれば、工程Bの進行を定性的にとらえることが出来る。本発明においては、工程Bの最低の目安は、有機ケイ素化合物A由来の加水分解物が、有機ケイ素化合物Aに対して1mol%以上発生とする。すなわち、有機ケイ素化合物Aが持つ加水分解性官能基がすべて加水分解した場合に発生する加水分解物の量が、100mol%となる。
最初に重要な点は、加水分解と縮合の速度が速すぎると、トナー粒子前駆体の造粒に影響を及ぼし、粒度分布がブロードになってしまうことである。そこで、工程Aの段階では、上記式(A2)、式(A3)および式(A4)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の有機ケイ素化合物Aが必要となる。次に、トナーとしての機能を果たすためにも、有機ケイ素化合物A由来の重合体(すなわち、重縮合体)としてトナー表面に留まることが出来るものを選択する必要がある。従って、上記有機ケイ素化合物Aが選択されるのである。
工程Cは、上記式(B2)、式(B3)および式(B4)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の有機ケイ素化合物Bが工程Bを経た水系媒体に投入されることで達成される。水系媒体に投入された有機ケイ素化合物Bは、疎水性相互作用と類似構造物親和性の観点から、工程Bのトナー粒子前駆体表面に吸収される。このとき、工程Bで有機ケイ素化合物Aが少なくとも縮合まで進んでいる場合、有機ケイ素化合物Bは、トナー粒子前駆体表面の有機ケイ素化合物A由来化合物内部への拡散が抑制され、表面に高濃度で留まると考えられる。
したがって、工程Cを経ることで、工程Bにおいてトナー粒子前駆体表面への有機ケイ素化合物Aの重合体の析出量や有機ケイ素化合物Aの加水分解重縮合が不十分であったトナー粒子前駆体に対しても、有機ケイ素化合物を接触させることが出来る。これにより、トナー粒子表面へのシラン化合物の固着率を上げることができ、現像耐久性が良化する。
工程Dでは、加水分解した有機ケイ素化合物Bの少なくとも一部が縮合して、トナー粒子表面に固定化される。これにより、工程D以降のトナー粒子製造工程を安定して進めることが出来る。
以上、前述した手段1の方法を例に挙げて、本発明の推定メカニズムを説明したが、手段2や手段3においても同様の思想が適用できる。
以下、本発明のより好ましい実施形態を説明する。本発明の工程Bは、前述の通り有機ケイ素化合物Aから出てくる加水分解生成物の量をモニターすることで、定性的な縮合進行度を推定することができる。工程C直前の工程Bとして、有機ケイ素化合物Aから出てくる加水分解生成物の最低限の目安は有機ケイ素化合物Aに対して1mol%以上発生であることは前述の通りである。ここで、帯電性向上の観点では、高いほど良好であり、理想は100mol%である。
また、有機ケイ素化合物Aのモル数は、有機ケイ素化合物Aと有機ケイ素化合物Bの合計モル数に対して、10mol%以上90mol%以下が好適な範囲である。
本発明で使用する式(A2)、式(A3)、式(A4)、式(B2)、式(B3)および式(B4)の有機ケイ素化合物は、加水分解反応および縮合反応において、pHの影響を受ける。トナーとして使われることを想定した有機ケイ素化合物A重縮合体の構造強度の観点から、工程Bや工程Dでの好ましいpHは、4.0以上10.0以下である。より好ましくは、7.0以上10.0以下である。加水分解重縮合が進行し架橋して耐久性が良化する。この理由を説明する。
一般的に、有機ケイ素化合物の加水分解およびそれに続く脱水縮合は、ゾルゲル反応と言われている。ゾルゲル反応では、水系媒体の酸性度によって生成するシロキサン結合の結合状態が異なることが知られている。具体的には、媒体が酸性である場合には、水素イオンが一つの反応基(例えばアルコキシ基−OR基)の酸素に親電子的に付加する。次に、水分子中の酸素原子がケイ素原子に配位して、置換反応によってヒドロシリル基になる。水が十分に存在している場合には、H+ひとつで反応基(例えばアルコキシ基−OR基)の酸素をひとつ攻撃するため、媒体中のH+の含有率が少ないときには、ヒドロキシ基への置換反応が遅くなる。よって、シランに付いた反応基のすべてが加水分解する前に重縮合反応が生じ、比較的容易に、一次元的な線状高分子や二次元的な高分子が生成し易い。
一方、媒体がアルカリ性の場合には、水酸化物イオンがケイ素に付加して5配位中間体を経由する。そのため全ての反応基(例えばアルコキシ基−OR基)が脱離しやすくなり、容易にシラノール基に置換される。特に、同一シランに3個以上の反応基を有するケイ素化合物を用いた場合には、加水分解及び重縮合が3次元的に生じて、3次元の架橋結合の多い有機ケイ素重合体が形成される。また、反応も短時間で終了する。従って、有機ケイ素重合体を形成するには、アルカリ性の下でゾルゲル反応を進めることが好ましい。
有機ケイ素化合物A重縮合体の構造強度の観点から、有機ケイ素化合物Aは、式(A3)または式(A4)が好ましく、より良好な帯電性を示す式(A3)が最も好ましい。有機ケイ素化合物A重縮合体の構造強度、トナー粒子前駆体同士の縮合による粗大化抑制、さらには良好な帯電性を示すことから、式(A3)のRcが、フェニル基または炭素数1以上6以下のアルキル基であることが最も好ましい。
工程Bや工程Dでは、水系媒体の温度を80℃以上105℃以下にすることが好ましい。より好ましくは、85℃以上100℃以下である。その理由は、縮合速度を速めて生産性を高めること、残存シラノールを極力減らして帯電性を向上させること、有機ケイ素化合物A重縮合体の構造をより強化して部材汚染を低減させる観点からである。
本発明における有機ケイ素化合物AおよびBとして、主に以下が挙げられる。例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルメトキシジクロロシラン、ブチルエトキシジクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどが挙げられる。これら有機ケイ素化合物AおよびBは単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
以下、本発明トナーの具体的製造方法について説明するが、これらに限定されるわけではない。
第一製法としては、重合性単量体、樹脂A、有機ケイ素化合物及び必要に応じて着色剤などその他の添加剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に懸濁、造粒し、有機ケイ素化合物の重合中にさらに有機ケイ素化合物を添加して本発明のトナー粒子を得る方法である。このトナー粒子は、有機ケイ素化合物を一括添加する場合における、トナー粒子前駆体表面への有機ケイ素化合物の重合体の析出量や有機ケイ素化合物の加水分解重縮合が不十分であったトナー粒子前駆体に対しても、有機ケイ素化合物を接触させることができる。そのため、有機ケイ素化合物がより均一に析出し易い利点が挙げられる。このような懸濁重合法は、トナー粒子表面の有機ケイ素重合体を含む層の均一性の観点から、最も好ましい製法である。
第二製法としては、トナー粒子前駆体を得た後、水系媒体中で有機ケイ素化合物を添加し、有機ケイ素化合物の重合中に、さらに有機ケイ素化合物を添加して有機ケイ素化合物の表層を形成する方法である。トナー粒子前駆体は、結着樹脂、及び必要に応じて着色剤などその他の添加剤を溶融混練し、粉砕して得ても良く、樹脂Aを含む結着樹脂粒子、及び必要に応じて着色剤粒子を、水系媒体中で凝集し、会合して得てもよい。あるいは、結着樹脂、有機ケイ素化合物及び必要に応じて着色剤などその他の添加剤を、有機溶媒に溶解し製造された有機相分散液を、水系媒体中に懸濁、造粒、場合によっては重合した後に有機溶媒を除去して、トナー粒子前駆体を得てもよい。
本発明において好ましい水系媒体には、水、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、これらの混合溶媒が挙げられる。
上記懸濁重合法における重合性単量体として、以下に示すビニル系重合性単量体が好適に例示できる。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、蟻酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン。
また、重合に際して、用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系、又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドのような過酸化物系重合開始剤。これらの重合開始剤は、重合性単量体に対して0.5質量%以上30.0質量%以下の添加が好ましく、単独でも又は併用してもよい。
また、トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合に際して、連鎖移動剤を添加してもよい。好ましい添加量としては、重合性単量体の0.001質量%以上15.000質量%以下である。
一方、トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合に際して、架橋剤を添加してもよい。架橋性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの。
多官能の架橋性単量体としては以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート。好ましい添加量としては、重合性単量体に対して0.001質量%以上15.000質量%以下である。
また、樹脂を用いてトナー粒子を作製する場合、次の樹脂が好例である。ポリスチレン、ポリビニルトルエンのようなスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体のようなスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。これらは単独又は混合して使用できる。
上記懸濁重合の際に用いられる媒体が水系媒体の場合には、重合性単量体組成物の粒子の分散安定剤として以下のものを使用することができる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。また、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。このような界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に限定されず、以下に示す公知のものを使用することができる。
黄色顔料としては、黄色酸化鉄、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどの縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が用いられる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180。
橙色顔料としては以下のものが挙げられる。パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料としては、ベンガラ、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドC、レーキッドD、ブリリアントカーミン6B、ブリラントカーミン3B、エオキシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキなどの縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254。
青色顔料としては、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBGなどの銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:315:4、60、62、66。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
緑色顔料としては、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGが挙げられる。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛が挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト、上記黄色系着色剤、赤色系着色剤及び青色系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
なお、着色剤の含有量は、結着樹脂又は重合性単量体100質量部に対して3.0質量部以上15.0質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーには、荷電制御剤を用いることができ、公知のものが使用できる。これらの荷電制御剤の添加量としては、結着樹脂又は重合性単量体100質量部に対して、0.01質量部以上10.00質量部以下であることが好ましい。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)、粒度分布および12.7μm以上の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)、粒度分布および12.7μm以上は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および12.7μm以上(%)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「算術径」が重量平均粒径(D4)である。また、同じく「↑12.7」が、12.7μm以上の体積分率(%)を表す数値である。
(8)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、体積基準の50%D径(Dv50)および個数基準の50%D径(Dn50)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「50%D径」がDv50である。また、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「50%D径」がDn50である。
(9)上記Dv50をDn50で割った値(Dv50/Dn50)により、粒度分布を評価する。1.00が理想値であり、分布がブロードになるほど1.00よりも大きくなり、分布がシャープになるほど1.00に近づく。
12.7μm以上(%)が5.0%以上の場合や、粒度分布が1.40よりも大きい場合は、分級収率やトナー品質の悪化の観点から、好ましくないと判断した。
<トナーの帯電量の測定>
本発明のトナーの帯電量は、以下に示す方法によって求めることができる。まずトナーと負帯電極性トナー用標準キャリア(商品名:N−01、日本画像学会製)を、30℃/80%RHの環境で24時間放置する。放置後にトナーの質量が5質量%となるように上記キャリアと混合し、ターブラミキサを用いて120秒間混合する。これを初期剤と定義する。次に初期剤を、底部に目開き20μmの導電性スクリーンを装着した金属製の容器に0.40g入れ、吸引機で吸引し、吸引前後の質量差と、容器に接続されたコンデンサに蓄積された電位とを測定する。この際、吸引圧を2.5kPaとする。前記質量差、蓄電された電位、及びコンデンサの容量から、トナーの摩擦帯電量を用いて下記式から算出する。ここで得られた帯電量を、高温高湿初期帯電量(mC/kg)とする。また、初期剤をそのまま24h放置したものを放置剤とし、同様に放置剤を測定した結果を高温高湿放置帯電量(mC/kg)とする。
測定に使用する負帯電極性トナー用標準キャリア(商品名:N−01、日本画像学会製)は250メッシュを通過したものを使用する。
|Q|=|CxV/(W1−W2)|
Q:トナーの帯電量
C(μF):コンデンサの容量
V(volt):コンデンサに蓄積された電位
W1−W2(g):吸引前後の質量差
本発明においては、帯電量を以下のようにランク付けを行った。ランクD以下の帯電量を示した場合、何らかの対策が必要と考え、好ましくないと判断した。
35.0mC/kg以上:ランクA
34.9mC/kg〜30.0mC/kg:ランクB
29.9mC/kg〜25.0mC/kg:ランクC
24.9mC/kg以下:ランクD
<トナー表面のケイ素重合体の確認>
本発明のトナー表面に、ケイ素重合体が形成されていることを、以下のように確認した。
まず、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分分散させた後、40℃の雰囲気下で2日間硬化させる。得られた硬化物からダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出す。透過型電子顕微鏡(TEM)を用い1万〜10万倍の拡大倍率でトナーの断層面を観察する。ここで、EDX(エネルギー分散型X線分光法)を利用してケイ素原子マッピングを行うと、本発明のトナー表面に、ケイ素重合体が形成されていることが確認できる。なお、以下に示す実施例においては、トナー表面に、ケイ素重合体が形成されていることが確認できた。
本発明においては、ケイ素原子とトナー中のその他原子の原子量の違いを利用し、原子量が大きいとコントラストが明るくなることを利用して確認を行ってもよい。
以下、具体的な製造方法、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。
<ポリエステル系樹脂(1)の製造例>
・テレフタル酸 :11.0mol
・ビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物(PO−BPA):10.9mol
上記単量体をエステル化触媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置をオートクレーブに装着し、窒素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って210℃でTgが68℃になるまで反応を行い、ポリエステル系樹脂(1)を得た。重量平均分子量(Mw)は7,400、数平均分子量(Mn)は3,020であった。
<ポリエステル系樹脂(2)の製造例>
(イソシアネート基含有プレポリマーの合成)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 725質量部
・フタル酸 290質量部
・ジブチルスズオキサイド 3.0質量部
上記材料を220℃にて撹拌して7時間反応し、さらに減圧下で5時間反応させた後、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート190質量部と2時間反応し、イソシアネート基含有ポリエステル樹脂を得た。イソシアネート基含有ポリエステル樹脂を25質量部とイソホロンジアミン1質量部を50℃で2時間反応させ、ウレア基を含有するポリエステルを主成分とするポリエステル系樹脂(2)を得た。得られたポリエステル系樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は22300、数平均分子量(Mn)は2980、ピーク分子量は7200であった。
〔実施例1〕
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた5つ口耐圧容器中にイオン交換水700質量部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液1000質量部と1.0モル/リットルのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて12,000rpmで撹拌しながら、63℃に保持した。ここに1.0モル/リットルのCaCl2水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
その後、以下の原料を用いて、重合性単量体組成物を作製したが、この工程を溶解工程と定義する。
・スチレンモノマー 75.0質量部
・n−ブチルアクリレート 25.0質量部
・ジビニルベンゼン 0.1質量部
・有機ケイ素化合物A(ジメチルジエトキシシラン) 7.5質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
・ポリエステル系樹脂(2) 6.0質量部
・荷電制御剤 0.5質量部
(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
・離型剤〔べヘン酸ベヘニル〕 10.0質量部
上記原料をアトライター(日本コークス工業社製)で3時間分散させ、重合性単量体組成物とした。次に、この重合性単量体組成物を別の容器に移し、撹拌しながら63℃で5分保持し、その後、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート20.0質量部(トルエン溶液50%)を添加し、撹拌しながら5分間保持した。ここまでが、溶解工程である。
次に、該重合性単量体組成物を水系分散媒体中に投入し(工程A)、高速撹拌装置で撹拌しながら、10分間造粒した。ここまでを造粒工程と定義する。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を70℃に昇温させた。昇温に要した時間は10分間であった。さらに、ゆっくり撹拌しながら5時間反応させた。pHは5.1であった。ここまでを、反応1工程と定義する。
次に、1.0N−NaOH水溶液を加えて10分以内にpH8.0に調整し、容器内の温度を85℃まで昇温した。昇温に要した時間は20分であった。その後、容器内を85℃で3.0時間維持した。ここまでを、反応2工程と定義する(工程B)。
反応2終了後、ジメチルジエトキシシラン7.5質量部を添加した(工程C)。添加に要した時間は10秒であった。次いで、還流管を取り外し、留分を回収できる蒸留装置を取り付けた。次に、容器内の温度が100℃になるまで昇温した。昇温に要した時間は30分であった。その後、容器内温度を100℃にて5.0時間維持した。留分を回収できる蒸留装置を取り付けてから、100℃での5.0時間維持が終了するまでを、蒸留工程と定義する。また、維持する温度を蒸留温度とし、維持した時間を蒸留時間とした。この工程で、残存単量体やその他溶剤を除去した。蒸留開始時および終了時の容器内容物を少量取り出し、85℃時点でのpHを測定したところ、いずれも8.0であった。
蒸留終了直後、30℃まで冷却し、容器内に希塩酸を添加してpHを1.5まで下げて、分散安定剤を溶解させ、さらに、ろ過を行った。ろ過後、得られたケーキを取りださずに、さらにイオン交換水700質量部を加えてもう一度ろ過し、洗浄を行った。
次いで、ろ過後のケーキを取り出し、30℃で1時間真空乾燥を行った(工程D)。ここで得られた粒子をトナー粒子とする。
さらに、風力分級によって微粗粉をカットした。ここで得られた粒子をトナーとした。トナー粒子およびトナーの処方及び製造条件を表1および表3に示し、物性を表4に示した。
<画像評価>
図1のような構成を有するタンデム方式のキヤノン製レーザービームプリンタLBP9510Cを使用した。このLBP9510C用トナーカートリッジを用い、トナー粒子1を200g充填した。そして、そのトナーカートリッジを高温高湿(30.0℃/80.0%RH)の環境下で24時間放置した。各環境下で24時間放置後にトナーカートリッジをLBP9510Cに取り付け、1.0%の印字比率の画像をA4用紙横方向で15,000枚までプリントアウトした。
このとき、初期と15,000枚出力時の画像濃度の評価を行った。用紙は、XEROX BUSINESS 4200(XEROX社製、75g/m2)を用いて、ベタ画像を出力し、その濃度を測定することにより評価した。なお、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。本発明の評価においては、以下のように画像濃度のランク付けを行った。評価結果を表4に示す。
画像濃度1.40以上:ランクA
画像濃度1.39〜1.30:ランクB
画像濃度1.29〜1.25:ランクC
画像濃度1.24〜1.20:ランクD
画像濃度1.19以下:ランクE
<部材汚染評価>
部材汚染は1.0%の印字比率の画像をA4用紙横方向で15,000枚までプリントアウトした後に、印刷の前半部分をハーフトーン画像(トナー載り量0.25mg/cm2)、後半部分をベタ画像(トナー載り量0.40mg/cm2)であるミックス画像を出力して、下記基準に従い評価した。用紙は、XEROX BUSINESS 4200(XEROX社製、75g/m2)を用いて評価した。
A:現像ローラー上にも、ハーフトーン部、ベタ画像の画像上にも排紙方向の縦スジや濃度の異なるポチは見られない。
B:現像ローラーの両端に周方向の細いスジが1本以上2本以下または感光ドラム上に1個以上3個以下の融着物があるものの、ハーフトーン部、ベタ部の画像上に排紙方向の縦スジや濃度の異なるポチは見られない。
C:現像ローラーの両端に周方向の細いスジが3本以上5本以下または感光ドラム上に3個以上5個以下の融着物があり、ハーフトーン部、ベタ部の画像上に排紙方向の縦スジや濃度の異なるポチがほんの少し見られるが、画像処理で消せるレベル。
D:現像ローラーの両端に周方向の細いスジが6本以上20本以下または感光ドラム上に6個以上20個以下の融着物があり、ハーフトーン部、ベタ部の画像上にも細かいスジが数本や濃度の異なるポチが見られ、画像処理でも消せない。
E:現像ローラー上とハーフトーン部の画像上に21本以上のスジや濃度の異なるポチが見られ、画像処理でも消せない。
〔実施例2〜30〕
表1および表3に示した製造条件および処方に従い、それ以外は上記実施例1に従い、トナー粒子及びトナーを作製した。得られた粒子の物性および評価結果を表4に示す。なお、減圧蒸留および加圧蒸留の方法を以下に示す。
減圧蒸留は、空いている口に減圧機を取り付け、留分を回収する蒸留装置側に引き込まれない程度まで減圧することで行った。
加圧蒸留時は、空いている口に加圧器を取り付け、蒸留装置側に弁を取り付け、圧力の影響を受けないようにする。蒸留中は、5分に一度蒸留装置側の弁を開放して常圧に戻し、揮発分を回収した。
〔実施例31〕
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた5つ口耐圧容器中にイオン交換水700質量部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液1000質量部と1.0モル/リットルのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて12,000rpmで撹拌しながら、63℃に保持した。ここに1.0モル/リットルのCaCl2水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
その後、以下の原料を用いて、トナー粒子前駆体組成物を作製したが、この工程を溶解工程と定義する。
・ポリエステル系樹脂(1) 60.0質量部
・ポリエステル系樹脂(2) 40.0質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
・荷電性制御剤 0.5質量部
(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
・離型剤〔べヘン酸ベヘニル〕 10.0質量部
上記材料を、トルエン400質量部に溶解して、63℃まで昇温させて、トナー粒子前駆体組成物を得た。
次に上記組成物を水系分散媒体中に投入し、高速撹拌装置で撹拌しながら、10分間造粒した。ここまでを造粒工程と定義する。
その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を70℃に昇温させた。昇温に要した時間は10分間であった。さらに、ゆっくり撹拌しながら5時間維持させた。pHは5.0であった。ここまでを、反応1工程と定義する。
次に、容器内の温度を85℃まで昇温した。昇温に要した時間は7分であった。その後、容器内を85℃で3.0時間維持した。ここまでを、反応2工程と定義する。
反応2終了後、還流管を取り外し、留分を回収できる蒸留装置を取り付け、容器内温度を100℃まで昇温し、100℃のまま5.0時間維持した。ここまでを、蒸留工程と定義する。
蒸留終了直後、50℃まで降温し、メチルトリエトキシシラン7.5質量部を5分以内に添加し(工程A)、1.0N−NaOH水溶液を加えて10分以内にpH7.0に調整した。さらに50℃のまま8.0時間維持した。ここで、50℃まで降温してからさらに8.0時間の維持が終了までを反応4と定義する。反応4終了時のpHは7.0であった。
反応4終了後(工程B)、メチルトリエトキシシラン7.5質量部を5分以内で添加し(工程C)、さらに50℃のまま8.0時間維持した。この工程を反応5と定義する。反応5終了時のpHを測定したところ、7.0であった。この工程を反応5と定義する。
反応5終了後、30℃まで冷却し、容器内に希塩酸を添加してpHを1.5まで下げて、分散安定剤を溶解させ、さらに、ろ過を行った。ろ過後、得られたケーキを取りださずに、さらにイオン交換水700質量部を加えてもう一度ろ過し、洗浄を行った。
次いで、ろ過後のケーキを取り出し、30℃で1時間真空乾燥を行った(工程D)。ここで得られた粒子をトナー粒子とする。
さらに、風力分級によって微粗粉をカットした。ここで得られた粒子をトナーとした。トナーの処方を表3に示し、物性および評価結果を表4に示した。
〔実施例32〕
「樹脂粒子分散液(1)の調製」
・ポリエステル系樹脂(1):100質量部
・メチルエチルケトン:50質量部
・イソプロピルアルコール:20質量部
容器にメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを投入した。その後、上記樹脂を徐々に投入して、撹拌を行い、完全に溶解させて結晶性ポリエステル樹脂(1)溶解液を得た。この結晶性ポリエステル溶解液の入った容器を65℃に設定し、撹拌しながら10%アンモニア水溶液を合計で5質量部となるように徐々に滴下し、さらにイオン交換水230質量部を10ml/minの速度で徐々に滴下して転相乳化させた。さらにエバポレータで減圧して脱溶剤を行い、結晶性ポリエステル樹脂(1)の樹脂粒子分散液(1)を得た。この樹脂粒子の体積平均粒径は、140nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。
「樹脂粒子分散液(2)の調製」
・ポリエステル系樹脂(2):100質量部
・メチルエチルケトン:50質量部
・イソプロピルアルコール:20質量部
容器にメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを投入した。その後、上記材料を徐々に投入して、撹拌を行い、完全に溶解させて非晶性ポリエステル樹脂(1)溶解液を得た。この非晶性ポリエステル樹脂(1)溶解液の入った容器を40℃に設定し、撹拌しながら10%アンモニア水溶液を合計で3.5質量部となるように徐々に滴下し、さらにイオン交換水230質量部を10ml/minの速度で徐々に滴下して転相乳化させた。さらに減圧して脱溶剤を行い、非晶性ポリエステル樹脂(1)の樹脂粒子分散液(2)を得た。樹脂粒子の体積平均粒径は、160nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。
「着色剤粒子分散液1の調製」
・銅フタロシアニン(ピグメントブルー15:3):45質量部
・荷電制御剤:0.7質量部
(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):5質量部
・イオン交換水:190質量部
上記成分を混合し、ホモジナイザーにより10分間分散した後に、アルティマイザー(対抗衝突型湿式粉砕機:(株)スギノマシン製)を用い圧力250MPaで20分間分散処理を行い、着色剤粒子の体積平均粒径が130nmで、固形分量が20%の着色剤粒子分散液1を得た。
「離型剤粒子分散液の調製」
・ベヘン酸ベヘニル:60質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):2.0質量部
・イオン交換水:240質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで115℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径160nm、固形分量20%の離型剤粒子分散液を得た。
「トナー粒子前駆体の作製」
・樹脂粒子分散液(1):300質量部
・樹脂粒子分散液(2):150質量部
・樹脂粒子分散液(3):150質量部
・着色剤粒子分散液1:39質量部
・離型剤粒子分散液:60質量部
フラスコ中にイオン性界面活性剤ネオゲンRKを2.2質量部加えた後、以上の材料を撹拌した。次いで、1Nの硝酸水溶液を滴下してpH3.7にした後、これにポリ硫酸アルミニウム0.35質量部を加え、ウルトラタラックスで分散を行った。加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら50℃まで加熱し、40分保持した。これにより、トナー粒子前駆体を得た。
その後、メチルトリエトキシシラン7.5質量部を5分以内に添加し(工程A)、1.0N−NaOH水溶液を加えて10分以内にpH7.0に調整した。さらに50℃のまま8.0時間維持した。ここで、50℃まで降温してからさらに8.0時間の維持が終了までを反応4と定義する。反応4終了時のpHは7.0であった。
反応4終了後(工程B)、メチルトリエトキシシラン7.5質量部を5分以内で添加し(工程C)、さらに50℃のまま8.0時間維持した。この工程を反応5と定義する。反応5終了時のpHを測定したところ、7.0であった。この工程を反応5と定義する。
反応5終了後、30℃まで冷却し、さらに、ろ過を行った。ろ過後、得られたケーキを取りださずに、さらにイオン交換水700質量部を加えてもう一度ろ過し、洗浄を行った。この洗浄工程を5回繰り返した。
次いで、ろ過後のケーキを取り出し、30℃で1時間真空乾燥を行った(工程D)。ここで得られた粒子をトナー粒子とする。
さらに、風力分級によって微粗粉をカットした。ここで得られた粒子をトナーとした。トナーの処方を表3に示し、物性および評価結果を表4に示した。
〔比較例1〜比較例5〕
表2および表3に示した製造条件および処方に従い、それ以外は実施例1と同様の操作を行って、トナー粒子及びトナーを作製した。得られた粒子の物性および評価結果を表4に示す。
〔比較例6〕
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた5つ口耐圧容器中にイオン交換水910質量部とポリビニルアルコール100質量部とを添加し、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて回転数1200rpmにて撹拌しながら、55℃に加熱して水系分散媒とした。一方、下記組成をアトライター(日本コークス工業社製)を用いて3時間分散させた後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部を添加してモノマー分散液を調製した。
・スチレンモノマー 90.0質量部
・n−ブチルアクリレート 30.0質量部
・カーボンブラック 10.0質量部
・サリチル酸シラン化合物 1.0質量部
・パラフィンワックス155 20.0質量部
次に、得られたモノマー分散液を、上記の5つ口耐圧容器中の分散媒中に投入し、上記の回転数を維持しつつ10分間の造粒を行なった。続いて、50rpmの撹拌下において、55℃で1時間、次に、65℃で4時間、更に、80℃で5時間の重合を行った。上記の重合の終了後、スラリーを冷却し、精製水で洗浄を繰り返すことにより分散剤を除去した。更に洗浄、乾燥を行なうことにより、ブラックトナーの母体となるトナー粒子を得た。
一方で、酢酸イソアミル2質量部と、ケイ素化合物として、テトラエトキシシラン3.5質量部、メチルトリエトキシシラン0.5質量部とを混合した混合溶液を、0.3質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液30質量部に投入した後、超音波ホモジナイザーを用いて撹拌することにより、酢酸イソアミルとテトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシランの混合分散液を調製した。
ブラックトナー粒子0.9質量部を、0.3質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液30質量部に分散させた分散液に、上記で得た酢酸イソアミルとケイ素化合物との混合分散液を投入し、室温で2時間の撹拌を行なって、ケイ素化合物をトナー粒子中に導入した。
次いで、28質量%NH4OH水溶液5質量部を混合し、室温で12時間撹拌することにより、ゾルゲル反応を行なって、トナーの粒子表面に少なくともケイ素化合物の重縮合物を含む粒子から構成される膜を形成した。次に、系内に多量のエタノールを投入し、未反応のテトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン及び酢酸イソアミルをトナー粒子の内部から除去し、更にエタノールで粒子を洗浄した後、精製水で洗浄し、濾別、乾燥することにより、トナーを得た。得られた粒子の物性および評価結果を表4に示す。
Figure 2017116808
Figure 2017116808
Figure 2017116808
Figure 2017116808
1:感光体、2:現像ローラ、3:トナー供給ローラ、4:トナー、5:規制ブレード、6:現像装置、7:レーザー光、8:帯電装置、9:クリーニング装置、10:クリーニング用帯電装置、11:撹拌羽根、12:駆動ローラ、13:転写ローラ、14:バイアス電源、15:テンションローラー、16:転写搬送ベルト、17:従動ローラ、18:紙、19:給紙ローラ、20:吸着ローラ、21:定着装置

Claims (6)

  1. 下記工程A〜工程Dを有することを特徴とするトナー粒子の製造方法。
    工程A:下記式(A2)、下記式(A3)および下記式(A4)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の有機ケイ素化合物Aと、粒子状のトナー粒子前駆体とを水系媒体の中で共存させる工程。
    工程B:前記工程Aを経た後、前記水系媒体の中の前記有機ケイ素化合物Aの少なくとも一部を縮合させる工程。
    工程C:前記工程Bを経た前記水系媒体の中に、下記式(B2)、下記式(B3)および下記式(B4)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の有機ケイ素化合物Bを存在させる工程。
    工程D:前記工程Cを経た後、前記有機ケイ素化合物Bの少なくとも一部を縮合させる工程。
    Figure 2017116808
    (式中、Ra〜Rfは、アルキル基、アルケニル基、アシル基又はアリール基であり、R1〜R18は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基である。)
  2. 前記工程Aで用いる前記有機ケイ素化合物Aのモル数が、前記工程Aで用いる前記有機ケイ素化合物Aと前記工程Cで用いる前記有機ケイ素化合物Bの合計モル数に対して、10モル%以上90モル%以下である請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 前記工程Bおよび/または工程Dにおいて、前記水系媒体のpHを4.0以上10.0以下とする請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 前記工程Bおよび/または工程Dにおいて、前記水系媒体の温度を80℃以上105℃以下とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 前記有機ケイ素化合物Aが、下記式(A3)で示される請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
    Figure 2017116808
    (式中、Rcは、アルキル基、アルケニル基、アシル基又はアリール基であり、R3〜R5は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基である。)
  6. 下記式(A3)のRcが、フェニル基又は炭素数1以上6以下のアルキル基である請求項5に記載のトナー粒子の製造方法。
    Figure 2017116808
    (式中、R3〜R5は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基である。)
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