JP2017113884A - 補強樹脂シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 厚さが10μm以下であるような薄い不織布を使用して、品質の安定した補強樹脂シートを製造できる方法、また、皺や気泡がなく、品質の安定した補強樹脂シートを、汚染することなく、簡潔に製造できる方法を提供すること。【解決手段】 本発明の補強樹脂シートの製造方法は、(1)静電紡糸法により支持体上に不織布を形成する工程、(2)前記不織布に対して、樹脂溶液を付与して樹脂溶液含有不織布を形成する工程、(3)前記樹脂溶液含有不織布における樹脂溶液の溶媒を揮発させて、樹脂を不織布で補強した補強樹脂シートを形成する工程、及び(4)前記補強樹脂シートを前記支持体から回収する工程、を備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は補強樹脂シートの製造方法に関する。
従来から、樹脂の強度を高めるために、樹脂を繊維で補強することが行なわれている。例えば、固体高分子型燃料電池に使用されている高分子電解質膜として、ナフィオン(登録商標)を始めとするパーフルオロスルホン酸膜が用いられている。発電性能の向上のためには、電解質膜は薄い方が好ましいが、薄膜化した電解質膜を用いた燃料電池を高温条件下で長時間運転すると、膜にピンホールが発生しやすくなり、十分な耐久性が得られないという問題があった。
そのため、本願出願人らは、「ポリビニルアルコール系繊維不織布に芳香族炭化水素系電解質を含浸させ、一体化せしめてなる高分子電解質膜」(特許文献1)を提案した。この高分子電解質膜は不織布で補強された状態にあるため、前記問題点を改善できるものであった。この特許文献1は、電解質溶液に不織布を浸漬、又は電解質溶液を不織布に塗布して、補強された高分子電解質膜を製造することを開示しているように、一旦、不織布を形成した後に、電解質溶液と複合する方法であった。このような製造方法は、特許文献1の実施例に開示されているような、不織布の厚さが26μm、20μm程度である場合には、実施可能であったが、更なる発電性能の向上のために、更に薄い、厚さが10μm以下であるような不織布で電解質を補強するような場合には、不織布が薄いため取り扱いが困難であり、不織布を回収することが困難であった。また、回収できたとしても、取り扱いが困難なため、不織布を補強体として用いるための成膜工程中に皺が発生する課題があり、更に薄い補強された高分子電解質膜を製造することが困難であった。また、特許文献1で開示しているような厚さの不織布であったとしても、不織布を回収する際に、不織布に皺が入りやすく、皺や気泡を含む高分子電解質膜となりやすいという問題、不織布が汚染されやすいという問題、及び工程が多く、複雑になるという問題等があった。
このような問題点の解決を期待できる方法として、「高分子電解質の溶液を基材上に流延塗布し、流延塗布した塗膜が乾固する前に、該塗膜上に、直接、エレクトロスピニング法により紡糸した繊維を捕集し不織布状とし、その後乾燥、プレスして複合化高分子電解質膜を得る方法」(特許文献2)が知られている。しかしながら、高分子電解質溶液の塗膜上に直接、エレクトロスピニング法により紡糸した繊維を捕集する方法では、紡糸する際の高分子電解質溶液中の溶媒の揮発により紡糸雰囲気環境が乱れ、また、適切な電位差を維持することが困難であるため、紡糸が安定せず、特に、高分子電解質溶液が絶縁性である場合には紡糸が安定しないため、品質の安定した複合化高分子電解質膜を製造することが困難であった。
特開2008−251314号公報 特開2011−222499号公報
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたもので、厚さが10μm以下であるような薄い不織布を使用して、品質の安定した補強樹脂シートを製造できる方法、また、皺や気泡がなく、品質の安定した補強樹脂シートを、汚染することなく、簡潔に製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「(1)静電紡糸法により支持体上に不織布を形成する工程、(2)前記不織布に対して、樹脂溶液を付与して樹脂溶液含有不織布を形成する工程、(3)前記樹脂溶液含有不織布における樹脂溶液の溶媒を揮発させて、樹脂を不織布で補強した補強樹脂シートを形成する工程、及び(4)前記補強樹脂シートを前記支持体から回収する工程、を備えていることを特徴とする、補強樹脂シートの製造方法。」である。
本発明の請求項1にかかる発明は、静電紡糸法により支持体上に不織布を形成した後、不織布を回収することなく、樹脂溶液を不織布に付与するため、厚さが10μm以下であるような薄い不織布を使用して、補強樹脂シートを製造することができる。
また、静電紡糸法により支持体上に不織布を形成しており、支持体上に不織布が帯電(静電気力)によって固定されているため、樹脂溶液を不織布に付与したとしても、不織布が流動しにくいため、皺や気泡のない補強樹脂シートを製造しやすい。
更に、不織布を形成した段階で回収するのではなく、補強樹脂シートを形成した後に、補強樹脂シートを回収しているため、不織布が汚染され、補強樹脂シートが汚染される機会が減るとともに、簡潔に補強樹脂シートを製造することができる。
更に、支持体上に樹脂溶液層を有すると、紡糸する際の樹脂溶液層中の溶媒の揮発により紡糸雰囲気環境が乱れ、また、適切な電位差を維持することが困難であるため、紡糸が安定せず、特に樹脂溶液が絶縁性である場合には紡糸が安定せず、静電紡糸不織布の品質が安定しない。しかしながら、本発明においては、樹脂溶液層がない支持体上に紡糸するため、溶媒の揮発がなく、また、適切な電位差を維持でき、しかも絶縁性ではない状態で、品質の安定した静電紡糸不織布を形成できる。その後、品質の安定した静電紡糸不織布に対して、樹脂溶液を付与しているため、品質の安定した補強樹脂シートを製造することができる。
本発明の補強樹脂シートを製造できる装置の模式的断面図
本発明の補強樹脂シートの製造方法について、本発明の補強樹脂シートを製造できる装置の模式的断面図である図1をもとに説明する。
まず、静電紡糸装置1により、支持体5上に静電紡糸不織布Nを形成する。静電紡糸法により紡糸し、支持体5上に静電紡糸不織布Nを形成しているため、支持体5上に静電紡糸不織布Nが帯電した状態(静電気力)で張り付いた状態にある。このように、支持体5上に静電紡糸不織布Nが帯電(静電気力)によって固定されているため、樹脂溶液を静電紡糸不織布Nに付与したとしても、静電紡糸不織布Nが流動しにくいため、皺や気泡のない補強樹脂シートNrを製造しやすい。また、バインダ等の第3成分によって張り付いている訳ではないため、静電紡糸不織布Nが汚染され、補強樹脂シートNrが汚染されるということもない。
静電紡糸不織布Nを構成する繊維の平均繊維径は補強樹脂シートNrの厚さ等によって異なり、特に限定するものではないが、例えば、補強樹脂シートNrの厚さが10μm以下であるような薄い場合、静電紡糸不織布Nを構成する繊維の平均繊維径は1nm〜1,000nmであるのが好ましく、1nm〜500nmであるのがより好ましく、1nm〜400nmであるのが更に好ましく、1nm〜300nmであるのが更に好ましい。また、補強樹脂シートNrの厚さが10〜1,000μmであるような場合、静電紡糸不織布Nを構成する繊維の平均繊維径は100nm〜5,000nmであるのが好ましく、100nm〜4,000nmであるのがより好ましく、100nm〜3,000nmであるのが更に好ましく、100nm〜2,000nmであるのが更に好ましい。本発明の「繊維径」は、静電紡糸不織布の主面における電子顕微鏡写真から測定して得られる繊維の直径を意味し、「平均繊維径」は50箇所の繊維径の算術平均値をいう。
また、静電紡糸不織布Nを構成する繊維の繊維長は特に限定するものではないが、連続繊維であるのが好ましい。特に、高分子電解質を補強した補強樹脂シートNrの場合、高分子電解質膜を突き抜けることがないように、連続繊維であるのが好ましい。本発明の「連続繊維」とは、静電紡糸不織布の主面における、2,000倍の電子顕微鏡写真を撮影した場合の80μm四方の範囲内に、その端部を確認できないことを意味する。
更に、静電紡糸不織布Nの厚さは、10μm以下の薄い補強樹脂シートNrを製造する場合には、0.1〜10μmであるのが好ましく、0.1〜9μmであるのがより好ましく、0.1〜8μmであるのが更に好ましい。また、厚さが10〜1,000μmの補強樹脂シートNrを製造する場合には、1〜500μmであるのが好ましく、1〜200μmであるのがより好ましく、1〜100μmであるのが更に好ましい。本発明の「厚さ」は、5N荷重時の外側マイクロメーターを用いて測定した値を意味する。
更に、静電紡糸不織布Nの目付は、10μm以下の薄い補強樹脂シートNrを製造する場合には、0.05〜20g/mであることができ、好ましくは0.1〜10g/mであり、より好ましくは0.1〜2g/mである。また、厚さが10〜1000μmの補強樹脂シートNrを製造する場合には、0.2〜100g/mであることができ、好ましくは0.2〜40g/mであり、より好ましくは0.2〜20g/mである。なお、本発明の「目付」は、JIS L1085に準じて10cm×10cmとして測定した値を意味する。
更に、静電紡糸不織布Nを構成する繊維の樹脂組成は、静電紡糸不織布Nに付与する樹脂溶液によって溶解しないものであれば良く、特に限定するものではないが、例えば、樹脂溶液が有機溶媒に溶解した高分子溶液の場合、有機溶媒に不溶なポリビニルアルコール、でんぷん、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアルコール(例えば、エチレングリコール、グリセロールなど)、ポリアミン、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、グルコマンナンであることができる。また、樹脂溶液が水系溶媒に溶解した高分子溶液の場合、水系溶媒に溶解しない、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなど)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体など)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、アクリル系樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ポリアミド系樹脂(例えば、6ナイロン、66ナイロンなど)、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)などの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリイミド系樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチオアゾール、ポリインドール、ポリキノリンなどの芳香族系有機樹脂;パーフルオロスルホン酸、金属イオンを含有するポリエチレンオキシドゲル、スルホン化ポリイミド、スルホン化ポリアリーレンエーテル、スルホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリスチレンおよびその共重合体、ポリビニルスルホン酸およびその共重合体などのイオン伝導性樹脂;などの有機材料であることができる。
なお、図1における支持体5は、安定して静電紡糸することができるように、導電性の高い支持体5であるのが好ましい。例えば、支持体5はカーボンや金属類等の導電性の高い材料を含む導電性コンベアであることができる。
また、補強樹脂シートNrを形成した後に、補強樹脂シートNrを支持体5から回収する際に、補強樹脂シートNrを支持体5から剥がしやすいように、支持体5は後述の樹脂溶液と親和性が低いのが好ましい。この「親和性が低い」とは、濃度1〜5mass%の樹脂溶液を支持体上に、ギャップアプリケーターを用いて、ギャップ100μm〜500μmで塗工した場合に、ピンホールの発生及び/又は樹脂溶液の弾きが発生し、均一なフィルムを得られないことを意味する。
更に、後述のように、樹脂溶液含有不織布Nsを支持体5上に担持した状態で溶媒を揮発させる処理を行なうため、支持体5は溶媒を揮発させる際の熱によっても溶融など変形しない耐熱性を有するのが好ましい。
なお、支持体5の平滑性は特に限定するものではない。つまり、支持体5の平滑性が低かったとしても、静電紡糸法により支持体5上に静電紡糸不織布Nを形成した場合、支持体5表面の凹凸に沿って静電紡糸不織布Nが形成されやすく、しかも静電紡糸不織布Nは繊維径が小さく、樹脂溶液を付与した場合に毛細管現象が発現しやすく吸液性が高いため、付与した樹脂溶液は静電紡糸不織布Nの厚さに沿って浸透しやすい。そのため、支持体5から補強樹脂シートNfを回収した際には、厚さの均質な補強樹脂シートNfとなりやすく、支持体の平滑性の影響を受けにくいためである。しかしながら、支持体5の平滑性が極端に低い場合には、前記作用を損なう場合があるため、支持体は無孔質で、厚さばらつきの小さい方が好ましい。
次いで、前記静電紡糸不織布Nに対して、樹脂溶液を付与して樹脂溶液含有不織布Nsを形成する。図1における樹脂溶液を付与する方法は、樹脂溶液を静電紡糸不織布N上にカーテンコータ2により塗布する方法である。このカーテンコータ2によれば、カーテンコータ2の吐出口が静電紡糸不織布Nと離れているため静電紡糸不織布Nを損傷することがなく、平滑な表面を有する樹脂溶液含有不織布Nsを形成しやすい。本発明においては、支持体5上に静電紡糸不織布Nが帯電して(静電気的に)張り付いた状態にあり、樹脂溶液を流下させて付与しても、静電紡糸不織布Nが移動しにくく皺になりにくいため、皺や気泡のない補強樹脂シートNrを製造しやすい。
樹脂溶液含有不織布Nsの平滑性をより高めるために、カーテンコータ2よりも下流側にブレードを設けて、樹脂溶液含有不織布Nsの厚さを調整するのが好ましい。このようにブレードを用いて厚さを調整する場合、静電紡糸不織布Nを損傷することがないように、ブレード先端と支持体5との間隔は静電紡糸不織布Nの厚さよりも長いのが好ましい。
図1はカーテンコータ2により樹脂溶液を静電紡糸不織布Nに付与しているが、カーテンコータ2である必要はなく、ナイフコータ、スロットダイ、グラビアコーターであっても良い。
なお、樹脂溶液は補強樹脂シートNrの用途によって異なり、特に限定するものではないが、例えば、樹脂が高分子樹脂であり溶媒が有機溶剤である場合、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなど)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体など)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、アクリル系樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ポリアミド系樹脂(例えば、6ナイロン、66ナイロンなど)、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)などの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリイミド系樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチオアゾール、ポリインドール、ポリキノリンなどの芳香族系有機樹脂などの合成高分子樹脂を挙げることができる。
別の例として、パーフルオロスルホン酸などのフッ素系樹脂;金属イオンを含有するポリエチレンオキシドゲル、スルホン化ポリイミド、スルホン化ポリアリーレンエーテル、スルホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリスチレンおよびその共重合体、ポリビニルスルホン酸およびその共重合体、スルホン化ポリスルホン系樹脂(例えば、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホンなど)、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンなどの炭化水素系樹脂;などのイオン伝導性樹脂を挙げることができる。更に、ポリアクリル酸ゲル、ポリヒドロキシエチルメタクリレートゲル等の高吸水性高分子;寒天、ゼラチン等の生体高分子ゲル;などを挙げることができる。
他方、樹脂が高分子樹脂であり溶媒が水系溶剤である場合、ポリビニルアルコール、でんぷん、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアルコール(例えば、エチレングリコール、グリセロールなど)、ポリアミン、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、グルコマンナン等が挙げられる。
また、樹脂を溶解させる溶媒は樹脂によって異なり、特に限定するものではないが、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、ギ酸、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートなど1種類からなる溶媒、又は2種以上が混和した混和溶媒を挙げることができる。これらの中でも、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)を含んでいると、揮発性が高く、後工程の乾燥時間を短くできるため、好適である。
また、樹脂溶液の粘度は特に限定するものではないが、厚さが10μm以下(特に5μm以下)であるような薄い補強樹脂シートNrを製造する場合には、薄い補強樹脂シートNrを製造しやすいように、0.05〜5Pa・sであるのが好ましく、0.1〜1Pa・sであるのがより好ましく、0.1〜0.4Pa・sであるのが更に好ましい。なお、この「粘度」は粘度測定装置を用い、温度25℃で測定したシェアレート100s−1時の値をいう。
続いて、前記樹脂溶液含有不織布Nsにおける樹脂溶液の溶媒を揮発させて、樹脂を静電紡糸不織布Nで補強した補強樹脂シートNrを形成する。図1においては、支持体5で支持した状態のままの樹脂溶液含有不織布Nsをオーブン3へ供給し、乾燥している。なお、樹脂溶液の溶媒を揮発させることができればオーブン3である必要はなく、例えば、熱風乾燥機、赤外線ヒーター、送風機などであっても良い。これらの中でも、樹脂溶液含有不織布Nsに対して気体が作用せず、補強樹脂シートNr表面の平滑性を損ないにくい、オーブン又は赤外線ヒーターで溶媒を揮発させるのが好ましい。
そして、前記補強樹脂シートNrを前記支持体5から回収して、補強樹脂シートNrを製造することができる。図1においては、補強樹脂シートNrを支持体5から剥がし、ローラ4で巻き取っている。そのため、補強樹脂シートNrをロールの状態で次の工程へ供給することができる。
図1においては、補強樹脂シートNrを支持体5から剥がし、ローラ4で巻き取っているが、補強樹脂シートNrを支持体5から剥がす前に、補強樹脂シートNrの幅方向における両端部をスリットして、補強樹脂シートNrの幅を揃えることもできる。
また、支持体5上に直接形成した静電紡糸不織布Nに対して樹脂溶液を付与し、溶媒を揮発させて製造していることから、補強樹脂シートNrを支持体5から剥がしにくい場合がある。そのような場合には、補強樹脂シートNrに対して、補強樹脂シートNrの非溶剤(例えば、水、アルコール)を含ませることによって、補強樹脂シートNrを支持体5から剥がしやすくした後に、補強樹脂シートNrを支持体5から剥がし、再度、乾燥してから巻き取っても良い。
以上のように、本発明の製造方法は、一旦、静電紡糸不織布Nを回収する必要がないため、厚さが10μm以下であるような薄い静電紡糸不織布Nを使用して、補強樹脂シートNrを製造することができる。また、静電紡糸法により支持体5上に静電紡糸不織布Nを形成しており、帯電(静電気力)によって支持体5上に静電紡糸不織布Nが固定されているため、静電紡糸不織布Nに樹脂溶液を付与したとしても、静電紡糸不織布Nが流動しにくいため、皺や気泡のない補強樹脂シートNrを製造できる。
更に、静電紡糸不織布Nを形成した段階で回収するのではなく、補強樹脂シートNrを形成した後に、補強樹脂シートNrを回収しているため、静電紡糸不織布を形成し、一旦回収した後に、再度、静電紡糸不織布を供給し、樹脂溶液を付与する場合と比べて、静電紡糸不織布Nが汚染される機会が減るため、汚染されておらず、皺や気泡のない補強樹脂シートNrを簡潔に製造することができる。
更に、支持体5上に樹脂溶液層を有すると、紡糸する際の樹脂溶液層中の溶媒の揮発により紡糸雰囲気環境が乱れ、また、適切な電位差を維持することが困難であるため、紡糸が安定せず、特に樹脂溶液が絶縁性である場合には紡糸が安定せず、静電紡糸不織布Nの品質が安定しない。しかしながら、本発明においては、樹脂溶液層がない支持体5上に紡糸するため、溶媒の揮発がなく、適切な電位差を維持でき、しかも絶縁性ではない状態で、品質の安定した静電紡糸不織布Nを形成できる。その後、品質の安定した静電紡糸不織布Nに対して、樹脂溶液を付与しているため、品質の安定した補強樹脂シートNrを製造することができる。また、溶媒を含む樹脂溶液層に対して電圧を印加するのは安全性の点で問題であるが、支持体5上に樹脂溶液層がない状態で静電紡糸不織布Nを形成すると、安全性の点でも優れている。
本発明の製造方法によれば、厚さが10μm以下(特には5μm以下)であるような薄く、単独では取り扱いにくい静電紡糸不織布を用いて、補強樹脂シートを製造することができるため、厚さの薄い補強樹脂シート製造する場合に有用である。例えば、固体高分子型燃料電池の補強された高分子電解質膜を製造する場合に有用である。
1 静電紡糸装置
2 カーテンコータ
3 オーブン
4 ローラ
5 支持体
N 静電紡糸不織布
Ns 樹脂溶液含有不織布
Nr 補強樹脂シート

Claims (1)

  1. (1)静電紡糸法により支持体上に不織布を形成する工程、
    (2)前記不織布に対して、樹脂溶液を付与して樹脂溶液含有不織布を形成する工程、
    (3)前記樹脂溶液含有不織布における樹脂溶液の溶媒を揮発させて、樹脂を不織布で補強した補強樹脂シートを形成する工程、及び
    (4)前記補強樹脂シートを前記支持体から回収する工程、
    を備えていることを特徴とする、補強樹脂シートの製造方法。
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