JP2017112862A - 牡蠣の出荷用前処理剤、牡蠣の出荷の前処理方法、牡蠣への着色方法、牡蠣の製造方法、および前記牡蠣の製造方法を用いて得られる牡蠣 - Google Patents

牡蠣の出荷用前処理剤、牡蠣の出荷の前処理方法、牡蠣への着色方法、牡蠣の製造方法、および前記牡蠣の製造方法を用いて得られる牡蠣 Download PDF

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茂樹 澤山
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雄大 寺田
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聡 中川
祥平 岩田
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Abstract

【課題】 より付加価値の高い牡蠣を提供する。
【解決手段】 本発明の牡蠣の出荷用前処理剤は、ドナリエラ属の藻類を含むことを特徴とする。本発明の牡蠣の出荷の前処理方法は、前記前処理剤を、出荷前の牡蠣に摂取させることを特徴とする。本発明の牡蠣への着色方法は、前記前処理剤を、出荷前の牡蠣に摂取させることを特徴とする。本発明の牡蠣の製造方法は、前記前処理方法または前記着色方法を、牡蠣に施すことを特徴とする。本発明の牡蠣は、前記製造方法を用いて得られることを特徴とする。
本発明によれば、出荷前の牡蠣に前処理を施すことで、牡蠣にカロテノイドを蓄積させることができる。このため、牡蠣の身を赤色に着色させることができる。これにより、見た目にインパクトを与え、食欲をそそることができ、且つカロテンによる栄養価を向上することができ、牡蠣の付加価値を高めることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、牡蠣の出荷用前処理剤、牡蠣の出荷の前処理方法、牡蠣への着色方法、牡蠣の製造方法、および前記牡蠣の製造方法を用いて得られる牡蠣に関する。
牡蠣は、海のミルクとも言われ、広島県および宮城県等で盛んに養殖が行われている主要な養殖魚介類の一つである。
通常、牡蠣の養殖は、幼生を貝殻に付着させることで採苗し、前記貝殻を養殖用筏に吊るした状態で海中にて育成することにより行われる。海中で育成した牡蠣は、海中から収穫し、殻に付着した泥等を機械により洗浄し、さらに、身の中の砂等を除去するため、清浄な海水プールに一昼夜つけて浄化を行う(特許文献1)。そして、洗浄および浄化後の牡蠣が、食用牡蠣として出荷される。
特開2003−259755号公報
本発明は、より付加価値の高い牡蠣を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の牡蠣の出荷用前処理剤は、ドナリエラ属(Dunaliella)の藻類を含むことを特徴とする。
本発明の牡蠣の出荷の前処理方法は、前記本発明の牡蠣の出荷用前処理剤を、出荷前の牡蠣に摂取させることを特徴とする。
本発明の牡蠣への着色方法は、前記本発明の牡蠣の出荷用前処理剤を、出荷前の牡蠣に摂取させることを特徴とする。
本発明の牡蠣の製造方法は、前記本発明の前処理方法または前記本発明の着色方法を、牡蠣に施すことを特徴とする。
本発明の牡蠣は、前記本発明の牡蠣の製造方法を用いて得られることを特徴とする。
本発明によれば、出荷前の牡蠣に前処理を施すことで、牡蠣に色素(例えば、カロテノイド)を蓄積させ、牡蠣の身を赤色に着色することができる。このようにして得られた牡蠣は、見た目にインパクトを与え、食欲をそそることができ、且つ前記色素による栄養価も向上できる。このため、本発明によれば、牡蠣の付加価値を高めることができる。
本発明の牡蠣の出荷用前処理剤は、例えば、前記ドナリエラ属の藻類が、Dunaliella salinaである。
本発明の牡蠣の出荷用前処理剤は、例えば、前記牡蠣が、マガキ属(Crassostrea)である。
本明細書で使用する用語は、特に言及しない限り、当該技術分野で通常用いられる意味で用いることができる。
以下に、本発明について、詳細に説明する。
(牡蠣の出荷用前処理剤)
本発明の前処理剤は、前述のように、ドナリエラ属の藻類を含むことを特徴とする。本発明の前処理剤は、ドナリエラ属の藻類を含むことが特徴であり、その他の構成及び条件は、特に制限されない。
本発明者らは、前記ドナリエラ属の藻類を出荷前の牡蠣に人工的に摂取させることにより、β−カロテン等のカロテノイドを牡蠣に蓄積させることができ、これによって、牡蠣の身が着色し、且つ食品機能性も付加されるとの新たな知見を得て、本発明を確立するに至った。
本発明の前処理剤において、前記ドナリエラ属の藻類(以下、「ドナリエラ属」ともいう)は、特に制限されない。前記ドナリエラ属は、真核藻類である緑藻の一種である。前記ドナリエラ属は、例えば、Dunaliella salinaDunaliella bardawilDunaliella acidophilaDunaliella bioculataDunaliella lateralisDunaliella maritimaDunaliella minutaDunaliella parvaDunaliella peirceiDunaliella polymorphaDunaliella primolectaDunaliella pseudosalinaDunaliella quartolectaDunaliella tertiolectaDunaliella viridis等があげられる。前記ドナリエラ属は、好ましくは、Dunaliella salinaDunaliella bardawilである。前記ドナリエラ属は、好ましくは、Dunaliella salinaである。
本発明の前処理剤は、前記ドナリエラ属を、例えば、一種類のみ含んでもよいし、二種類以上を併用して含んでもよく、その種類の数は、特に制限されない。
本発明の前処理剤において、前記ドナリエラ属は、例えば、自然界から採取したものでもよく、人工的に培養された培養物でもよく、またはこれらを加工等したものでもよい。前記ドナリエラ属は、例えば、培養物であることが好ましい。
前記ドナリエラ属を培養する場合、その培養条件は、特に制限されず、例えば、培地、温度、光強度、培養時間等は、適宜設定できる。
前記培地は、特に制限されず、例えば、ATCC 1174 DA培地等のDA培地、f/2、DV medium、2ASW、AJS等が使用できる。
前述のように、本発明の前処理剤によれば、前記ドナリエラ属に由来するカロテノイド等の色素を牡蠣に蓄積させて、身を着色し、且つ、栄養価を高めることができる。このため、本発明の前処理剤において、前記ドナリエラ属は、例えば、培養により前記色素を蓄積させたものであることが好ましい。この場合、前記ドナリエラ属は、例えば、本培養後、さらに、前記色素の蓄積を誘導するための誘導培養を行うことが好ましい。前記誘導培養は、例えば、誘導物質を培地に添加することにより行うことができる。前記誘導物質は、例えば、誘導対象の色素の種類、前記ドナリエラ属の種類等によって、適宜、設定できる。前記誘導物質としては、例えば、酢酸ナトリウム、硫酸鉄、サリチル酸等の植物ホルモン等があげられ、いずれか一種類を使用しても、二種類以上を併用してもよい。前記誘導物質の組合せとしては、例えば、酢酸ナトリウムと硫酸鉄との組合せ、酢酸ナトリウムと硫酸鉄とサリチル酸との組合せ等が例示できる。前記カロテノイドを誘導する場合、例えば、酢酸ナトリウムと硫酸鉄との組合せが好ましい。前記誘導物質を添加する培地は、特に制限されず、例えば、前述のようなDA培地等があげられる。
前記培地における誘導物質の終濃度は、特に制限されない。前記誘導物質として酢酸ナトリウムおよび硫酸鉄を併用する場合、酢酸ナトリウムの終濃度は、例えば、20〜200mmol/Lが好ましく、より好ましくは60〜70mmol/Lであり、硫酸鉄の終濃度は、例えば、200〜1,000μmol/Lが好ましく、より好ましくは400〜500μmol/Lである。
前記ドナリエラ属の培養温度は、特に制限されず、例えば、15〜35℃、20〜25℃である。
前記ドナリエラ属の培養は、例えば、光照射下で行うことが好ましい。培養時の光強度は、特に制限されず、例えば、10〜500μmol photons/m/sが好ましく、より好ましくは50〜200μmol photons/m/sである。
前記ドナリエラ属の培養において、培養時間は、特に制限されない。前記本培養は、例えば、1〜30日が好ましく、より好ましくは10〜20日であり、前記誘導培養は、例えば、1〜30日が好ましく、より好ましくは5〜10日である。
本発明の前処理剤において、前記ドナリエラ属は、例えば、生きた状態で含まれてもよいし、粉末等に加工した状態で含まれてもよい。前者の場合、例えば、前記ドナリエラ属を培養し、回収した培養物をそのまま、本発明の前処理剤として使用することができる。後者の場合、例えば、前記ドナリエラを培養し、回収した培養物を乾燥させ、またはさらに粉末化して、本発明の前処理剤として使用することもできる。本発明の前処理剤は、例えば、液体でも固体でもよい。前者の場合、例えば、前記ドナリエラ属を含む液体があげられ、具体例として、前記ドナリエラ属を含む培地、前記ドナリエラ属を含む海水等があげられる。前者は、例えば、そのまま使用してもよいし、海水に添加して使用してもよい。後者の場合、例えば、海水に添加して使用することができる。
本発明の前処理剤において、前記ドナリエラ属の含有量は、特に制限されない。前記ドナリエラ属がウェット状態の場合、本発明の前処理剤における前記ドナリエラ属の含有量は、例えば、0.01億〜10億細胞/Lが好ましく、より好ましくは0.1億〜1億細胞/Lである。前記ドナリエラ属の含有量は、例えば、前記ドナリエラ属1種類の含有量でもよいし、前記ドナリエラ属を2種類以上併用する場合は、前記複数のドナリエラ属の合計の含有量でもよい。
本発明の前処理剤は、例えば、必要に応じて、添加剤を含んでもよく、前記添加剤は、例えば、食品衛生学上許容される添加剤が好ましい。前記添加剤は、例えば、保存剤、酸化防止剤、pH調整剤等があげられる。本発明において、前記添加剤の配合量は、前記前処理剤の機能を妨げるものでなければ、特に制限されない。
本発明の前処理剤を適用する牡蠣の種類は、特に制限されない。前記牡蠣は、例えば、マガキ属(Crassostrea)、イタボガキ属(Ostrea)等があげられる。前記マガキ属は、例えば、マガキ(Crassostrea gigas)、イワガキ(Crassostrea nippona)、スミノエガキ(Crassostrea ariakesis)、シカメガキ(Crassostrea sikamea)等があげられ、イタボガキ属としては、例えば、イタボガキ(Ostrea denselamellosa)、ヨーロッパヒラガキ(Ostrea edulis)等があげられる。
本発明の前処理剤は、育成後の牡蠣に摂取させることが好ましく、例えば、後述するように、育成後の牡蠣の浄化工程の前または後、もしくは浄化工程と同時に行うことができる。
本発明の前処理剤の適用方法は、特に制限されず、例えば、育成後の牡蠣を入れた水槽に投入すればよい。
本発明の前処理剤を摂取させることにより、前述のように、前記牡蠣に色素が蓄積し、着色および食品機能性の付与が生じる。前記色素は、例えば、カロテノイドがあげられる。前記カロテノイドは、例えば、βカロテン、アスタキサンチン、フコキサンチン、リコペン、ルテイン等があげられる。前記カロテノイドは、例えば、βカロテンである。
本発明の前処理剤により前処理した牡蠣において、色素の蓄積部位は、例えば、身、中腸腺等があげられる。
本発明の前処理剤によれば、例えば、前記牡蠣への着色が可能であり、さらに食品機能性の付与も可能である。
(牡蠣の出荷の前処理方法)
本発明の前処理方法は、前記本発明の前処理剤を、出荷前の牡蠣に摂取させることを特徴とする。本発明の前処理方法は、前記本発明の前処理剤を、育成後の牡蠣に摂取させることが特徴であって、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明の前処理剤は、前述の通りであり、本発明の前処理方法は、前記本発明の前処理剤等の記載を援用できる。
牡蠣の養殖方法は、一般的に、幼生を貝殻に付着させる工程(採苗工程)、前記貝殻を養殖用筏に吊るした状態で海中にて育成する工程、育成した牡蠣を収穫して洗浄する洗浄工程、身の中の砂等を除去するため、洗浄後の牡蠣を海水に浸漬して浄化する浄化工程を含む。そして、洗浄および/または浄化後の牡蠣が、出荷される。本発明の前処理方法において、牡蠣に本発明の前処理剤を摂取させる時期は、特に制限されないが、例えば、牡蠣の育成工程後であり、具体的には、牡蠣の浄化工程の前または後、もしくは浄化工程と同時に行うことができる。
前記本発明の前処理方法によって着色した牡蠣は、例えば、市場に出た時点において、色素が身に保持されて着色が維持されていることが好ましい。このため、本発明の前処理方法において、前記本発明の前処理剤は、例えば、出荷の12〜192時間前が好ましく、より好ましくは48〜96時間前に、牡蠣に摂取させることが好ましい。
本発明の前処理方法において、前記前処理剤を牡蠣に摂取させる方法は、特に制限されず、例えば、前記前処理剤を含む液体(以下、「前処理液」ともいう)で牡蠣を処理することにより行える。具体的には、例えば、水槽中、前記前処理液に牡蠣を入れ、所定時間放置することにより行える。
前記液体の種類は、特に制限されず、例えば、海水である。前記前処理液における前記前処理剤の含有量は、特に制限されない。前記前処理液に含まれる前記前処理剤の含有量は、前記ドナリエラ属を基準とした場合、例えば、牡蠣1個体に対する前記ドナリエラ属の量が、0.1億〜20億細胞が好ましく、より好ましくは0.5億〜3億細胞である。
前記前処理液による牡蠣の処理条件は、特に制限されず、例えば、前記前処理剤に含まれるドナリエラ属の種類、適用対象の牡蠣の種類に応じて、適宜設定できる。牡蠣の処理温度は、例えば、特に制限されず、例えば、5〜30℃が好ましく、より好ましくは10〜20℃である。牡蠣の処理時間は、6〜192時間が好ましく、より好ましくは24〜72時間である。前記前処理液による牡蠣の処理は、例えば、エアレーション下で行うことが好ましい。
前記前処理液は、例えば、所定時間ごとに新しいものに代えてもよいし、所定時間ごとに前記前処理剤を添加してもよい。前記前処理液の交換の場合、例えば、6〜144時間ごとが好ましく、より好ましくは12〜36時間ごとであり、また、前記前処理剤の添加の場合、例えば、6〜144時間ごとが好ましく、より好ましくは12〜36時間ごとである。
(牡蠣への着色方法)
本発明の着色方法は、前記本発明の前処理剤を、出荷前の牡蠣に摂取させることを特徴とする。本発明の着色方法は、前記本発明の前処理剤を、出荷前の牡蠣に摂取させることが特徴であって、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明の着色方法は、前記本発明の前処理剤および前記本発明の前処理方法等の記載を援用できる。
(牡蠣の製造方法)
本発明の牡蠣の製造方法は、前記本発明の前処理方法または前記本発明の着色方法を、牡蠣に施すことを特徴とする。本発明の牡蠣の製造方法は、前記本発明の前処理剤を、出荷前の牡蠣に摂取させることが特徴であって、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明の牡蠣の製造方法は、前記本発明の前処理剤および前記本発明の前処理方法等の記載を援用できる。
(牡蠣)
本発明の牡蠣は、前記本発明の牡蠣の製造方法を用いて得られることを特徴とする。本発明の牡蠣は、前記本発明の牡蠣の製造方法を用いて得られることが特徴であって、その他の構成および条件は、特に制限されない。
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記実施例により制限されない。市販の試薬は、特に示さない限り、それらのプロトコルに基づいて使用した。
[実施例1]
本発明の前処理剤が、牡蠣に着色および食品機能性を付与することを確認した。
まず、藻類としてDunaliella salina細胞(NIES−2257 国立環境研究所から分譲)を使用した。これをDA培地(ATCC 1174 DA medium)に投与し、スターラーバーを用いて50rpmで撹拌しながら2週間、本培養を行った。本培養後、前記DA培地に、硫酸鉄を終濃度450μmol/L、酢酸ナトリウムを終濃度67.5mmol/Lとなるように添加し、さらに約1週間培養し、カロテノイドの誘導を行った。培養条件は、温度20〜22℃、光強度50〜100μmol photons/m/sとした。
次に、マガキ(Crassostrea gigas)8個体を、ドナリエラ添加区(4個体)および対照区(4個体)に分けた。各区を、それぞれ、6Lの人工海水(株式会社日本海水社製)を入れた水槽に投入し、20℃に調整し、エアレーションを開始した。そして、ドナリエラ添加区の水槽に対して、エアレーション開始0時間および7時間後に、2億個のDunaliella salina細胞を含む培養液2Lを添加した。一方、前記対照区の水槽には、何も添加しなかった。
そして、エアレーション開始から24時間後、マガキを採取し、殻を開け、身の表面をデジタルカメラで撮影した。画像データについて、画像処理ソフトウェアImageJ(アメリカ国立衛生研究所製)を用いて、L表色系における色度a値を測定した。そして、各区について、身表面における色度a値の平均値を算出し、身の赤みを確認した。
その結果、対照区マガキの平均a値は3.5であるのに対し、ドナリエラ添加区の平均a値は7.2であり、赤みが増していた。このことから、Dunaliella salina細胞を摂取させることにより、マガキが着色されることが示された。
次に、前記各区のマガキの身を、中腸腺と中腸腺以外の身とに分けた。中腸腺と中腸腺以外の身のそれぞれを凍結乾燥した後、βカロテンを抽出し、逆相カラムを備えた液体クロマトグラフィー(商品名LC2000Plus、日本分光社製)によりβカロテンを定量した。βカロテンの抽出は、クロロホルムとメタノールを用いる常法により行った。
その結果、対照区のマガキから、βカロテンは検出されなかった。一方、ドナリエラ添加区は、中腸腺から1個体あたり平均273μgのβカロテン、中腸腺以外の身から1個体あたり平均2.9μgのβカロテンが検出された。このことから、Dunaliella salina細胞の添加により、マガキのβカロテン量を増加できることが確認され、特に、マガキの中腸腺において、βカロテン量が大きく増加することが確認された。
また、ドナリエラ添加区に使用した培養後のDunaliella salina細胞についても、マガキと同様にしてβカロテンを定量した。そして、Dunaliella salina細胞が有するβカロテン量から、水槽に投与した4億個のDunaliella salina細胞が有する全βカロテン量を算出し、この値を水槽に投入したマガキの個数(4個)で割ることにより、マガキ1個体に対するβカロテン量を算出した。この結果、ドナリエラ添加区の水槽に投入されたDunaliella salina細胞由来のβカロテンは、マガキ1個体あたり449μgであった。すなわち、投入されたβカロテンのうち、約61%がマガキに蓄積されていた。
[比較例1]
藻類としてHaematococcus pluvialis(NIES−144 国立環境研究所から分譲)を使用した。これをC培地に投与し、4週間、本培養を行った。本培養後、前記C培地に、硫酸鉄を終濃度450μmol/L、酢酸ナトリウムを終濃度45mmol/Lとなるように添加し、さらに、1週間培養し、アスタキサンチンの誘導を行った。培養条件は、温度25℃、光強度約30μmol photons/m/sとした。誘導の際は、光強度を約145μmol photons/m/sに変更した。
つぎに、実施例1と同様にして、マガキ(4個体)を、6Lの人工海水を入れた水槽に投入し、20℃に調整し、エアレーションを開始した。そして、マガキ1個体あたり1×10細胞のHaematococcus pluvialisを、1週間にわたり1日1回、前記水槽に添加した。そして、実施例1と同様にして、マガキの身の色度a値の平均値を算出し、また、身全体に含まれるアスタキサンチンを、実施例1と同様にして測定した。
その結果、マガキの平均a値は3.4であり、この値は、前記実施例1における対象区マガキの平均a値の3.5と同程度であった。つまり、Haematococcus pluvialis細胞をマガキに摂取させても、身の赤色化は認められなかった。
また、水槽に投入されたHaematococcus pluvialis細胞由来のアスタキサンチンは、マガキ1個体あたり3,680μgであった。しかし、マガキの中腸腺を含む身全体に含まれるアスタキサンチンは、1個体あたり平均0.6μgであり、ほとんどマガキの身に蓄積されていないことがわかった。このことから、Haematococcus pluvialisをマガキに投与しても、着色および食品機能性が付与できないことが示された。
以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
以上のように、本発明によれば、出荷前の牡蠣に前処理を施すことで、牡蠣にカロテノイドを蓄積させることができる。
このため、本発明により、オイスターバー等において、見た目にインパクトがあり、抗酸化作用や、人体の粘膜や皮膚、免疫機能を正常に保ち、視力を維持する機能を持つビタミンAの前駆体であるβカロテンを含有させた、新しいブランド牡蠣を提供できる。このため、本発明は、水産業の分野等において、極めて有用といえる。

Claims (7)

  1. ドナリエラ属(Dunaliella)の藻類を含むことを特徴とする、牡蠣の出荷用前処理剤。
  2. 前記ドナリエラ属の藻類が、Dunaliella salinaである、請求項1記載の前処理剤。
  3. 前記牡蠣が、マガキ属(Crassostrea)である、請求項1記載の前処理剤。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の前処理剤を、出荷前の牡蠣に摂取させることを特徴とする、牡蠣の出荷の前処理方法。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の前処理剤を、出荷前の牡蠣に摂取させることを特徴とする、牡蠣への着色方法。
  6. 請求項4に記載の前処理方法または請求項5に記載の着色方法を、牡蠣に施すことを特徴とする、牡蠣の製造方法。
  7. 請求項6に記載の方法を用いて得られる牡蠣。
JP2015249123A 2015-12-21 2015-12-21 牡蠣の出荷用前処理剤、牡蠣の出荷の前処理方法、牡蠣への着色方法、牡蠣の製造方法、および前記牡蠣の製造方法を用いて得られる牡蠣 Pending JP2017112862A (ja)

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