JP2017109895A - セラミック焼成体の製造方法 - Google Patents

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【課題】未焼結セラミック体に含有される有機バインダ等の有機成分の分解が促進され、セラミック焼成体に生じる欠陥を減らすことができるセラミック焼成体の製造方法の提供。【解決手段】セラミック材料及び有機バインダを含有する未焼結セラミック体12を、マンガン化合物を含有するバインダ分解促進材13、14と接した状態で焼成するセラミック焼成体の製造方法。セラミック焼成体となる未焼結セラミック体12の両主面に、セラミック体の焼結温度では実質的に焼結しない無機材料を含有する第1拘束層13及び第2拘束層14を夫々密着させた構造を有する、未焼結複合積層体11を準備する工程と未焼結複合積層体11を、焼成し、第1拘束層13及び第2拘束層14に挟まれたセラミック基板を得る焼成工程と、を有し、第1拘束層13及び第2拘束層14の少なくとも一方が、バインダ分解促進材であるセラミック焼成体の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、セラミック焼成体の製造方法に関する。
多層セラミック基板等における絶縁基板や電子部品における絶縁材料として、セラミック材料を焼成して得られるセラミック焼成体が用いられている。
例えば、特許文献1には、ホウ珪酸ガラスとSiOフィラーからなる高周波用低温焼結誘電体材料が開示されている。
このようなセラミック焼成体を多層セラミック基板の絶縁基板として用いる場合、誘電率が低いため、高周波用絶縁基板として好適であり、また、1000℃以下の低温で焼成することができることから、銅、銀等の低抵抗金属を配線導体として使用できるという利点がある。
多層セラミック基板の作製では、まず、セラミック材料に有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加したスラリーをドクターブレード法等によってシート状に成形することにより、セラミック層となるセラミックグリーンシートを作製する。次に、銅、銀等の低抵抗金属の粉末を含有する導体ペーストを用いて、配線導体となる導体パターンをセラミックグリーンシート上に形成する。これらのセラミックグリーンシートを複数枚積層することにより未焼結セラミック体を得た後、未焼結セラミック体を所定の温度で焼成する。以上により、多層セラミック基板が得られる。
多層セラミック基板を作製する際、セラミック層に含まれるセラミック材料及び配線導体に含まれる金属材料の焼結によって、焼成後に得られる多層セラミック基板に収縮が生じるという問題がある。収縮の程度は多層セラミック基板全体において均一でないため、多層セラミック基板の寸法精度を高くすることが困難である。
上記の問題を解決するため、焼成前のセラミックグリーンシートの両主面に、セラミックグリーンシートの焼成温度では実質的に焼成しない難焼結性材料を含む拘束グリーンシートを密着させた状態で焼成する、いわゆる無収縮プロセスと呼ばれる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上述した方法によれば、拘束グリーンシートが焼成時におけるセラミックグリーンシートの収縮を拘束するため、多層セラミック基板の厚さ方向のみに収縮が生じ、主面方向での収縮が実質的に生じないため、多層セラミック基板の寸法精度が向上すると考えられている。
特開2002−187768号公報 特開2002−160977号公報
多層セラミック基板の作製では、焼成時の加熱によって、セラミックグリーンシートを作製する段階で添加する有機バインダ等の有機成分を分解、揮発させる(以下、脱バインダともいう)必要がある。
脱バインダを充分に行うためには、例えば、長時間の焼成を行う、焼成設備に投入する1回あたりの量を少なくする、焼成時に導入する雰囲気ガスの量を多くする等の方策が考えられるが、いずれの場合も製造コストが上昇してしまう。そこで、実際には、製造コストとして許容可能な条件で焼成を行っている。
しかし、製造コストとして許容可能な条件で焼成を行った場合には、脱バインダが不充分なままセラミック材料及び金属材料の焼結が始まり、有機成分の分解物である炭素残留物がセラミック層、特にガラス成分に取り込まれてしまう。この炭素残留物は、その後の高温段階で二酸化炭素や水蒸気となって気化し、得られる多層セラミック基板にポア(空孔)等の欠陥が生じることになる。これが、多層セラミック基板の層間絶縁性等の信頼性低下や基板強度低下の一因となっていると考えられる。
また、一般に銀電極は、特に水分と共存する時にマイグレーションしやすいため、電極間隔の狭い設計(薄層や狭電極間隔)には適していない。それに対して、銅電極は比較的マイグレーションしにくいため、薄層や狭電極間隔に適しており、デバイスの小型化、低背化に有利となる。しかし、上記セラミック材料と銅電極とを焼結しようとすると、銅の酸化を防ぐために低酸素雰囲気で焼成を行うことが必要となるため、脱バインダが不充分になりやすい。
そのため、多層セラミック基板に欠陥が生じるという上述の問題は、電極材料として銅を使用し、低酸素雰囲気で焼成を行う必要がある場合等、脱バインダが不充分な条件で焼成を行う場合に特に顕著であった。
なお、このような問題は、多層セラミック基板を作製する際に特有の問題ではなく、セラミックの焼結を伴うセラミック焼成体の製造方法に共通する問題であると言える。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、未焼結セラミック体に含有される有機バインダ等の有機成分の分解が促進され、セラミック焼成体に生じる欠陥を減らすことができるセラミック焼成体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のセラミック焼成体の製造方法は、セラミック材料及び有機バインダを含有する未焼結セラミック体を、マンガン化合物を含有するバインダ分解促進材と接した状態で焼成することを特徴とする。
本発明のセラミック焼成体の製造方法では、未焼結セラミック体を、マンガン化合物を含有するバインダ分解促進材と接した状態で焼成することにより、得られるセラミック焼成体に生じる欠陥を減らすことができる。その理由としては、バインダ分解促進材に含有されるマンガン化合物が、未焼結セラミック体に含有される有機バインダ等の有機成分の分解を促進する触媒として作用し、欠陥の原因となる炭素残留物を少なくすることができるためではないかと考えられる。
さらに、本発明のセラミック焼成体の製造方法では、未焼結セラミック体に含有される有機バインダ等の有機成分の分解が促進されるため、例えば、短時間の焼成を行う場合や、焼成設備への投入量を多くした場合であっても、有機成分を充分に分解でき、製造コストを低減させることができる。
なお、未焼結セラミック体をバインダ分解促進材と接した状態で焼成することができる限り、焼成の方法は特に限定されず、例えば、マンガン化合物を含有する成形体と未焼結セラミック体とを接触させた状態で焼成してもよいし、未焼結セラミック体の表面にマンガン化合物の粉末をふりかける等して載置した状態で焼成してもよい。
本発明のセラミック焼成体の製造方法の一実施形態は、焼結させることによってセラミック焼成体となる上記未焼結セラミック体の両主面に、上記未焼結セラミック体の焼結温度では実質的に焼結しない無機材料を含有する第1拘束層及び第2拘束層をそれぞれ密着させた構造を有する、未焼結複合積層体を準備する工程と、上記未焼結複合積層体を、上記未焼結セラミック体が焼結する条件で焼成することにより、上記第1拘束層及び上記第2拘束層に挟まれたセラミック基板を得る焼成工程と、を含む。本実施形態のセラミック焼成体の製造方法において、上記第1拘束層及び上記第2拘束層の少なくとも一方は、上記バインダ分解促進材である。
上記実施形態のセラミック焼成体の製造方法は、セラミック基板の製造方法に関するものである。
本実施形態のセラミック焼成体の製造方法によれば、拘束層を用いた無収縮プロセスを採用することにより、焼成工程において生じ得る収縮を抑制することができ、寸法精度の高いセラミック基板を得ることができる。
さらに、拘束層にマンガン化合物を含有させ、拘束層をバインダ分解促進材とすることにより、バインダ分解促進材を簡便に未焼結セラミック体と密着させることができる。そのため、未焼結セラミック体に含有される有機成分の分解が促進され、得られるセラミック基板に生じる欠陥を減らすことができる。
本実施形態に係るセラミック焼成体の製造方法は、特に、銅電極を使用し、低酸素雰囲気で焼成を行う場合に有効である。
本発明のセラミック焼成体の製造方法において、上記マンガン化合物は、MnCO、MnO及びMnからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
マンガン化合物として上記の酸化物及び炭酸塩を用いることにより、未焼結セラミック体に含有される有機成分の分解を促進させることができる。
本発明のセラミック焼成体の製造方法においては、未焼結セラミック体に含有される有機成分の分解を促進させる観点から、上記バインダ分解促進材中の上記マンガン化合物の比表面積は、上記未焼結セラミック体中の上記有機バインダ1gあたり0.005m/g以上であることが好ましい。
本発明によれば、未焼結セラミック体に含有される有機バインダ等の有機成分の分解が促進され、セラミック焼成体に生じる欠陥を減らすことができるセラミック焼成体の製造方法を提供することができる。
図1は、セラミック基板の一例としての多層セラミック基板を模式的に示す断面図である。 図2は、未焼結複合積層体の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明のセラミック焼成体の製造方法の一実施形態として、セラミック基板の製造方法について説明する。
しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
まず、本実施形態のセラミック焼成体の製造方法により製造されるセラミック基板の一例について説明する。
図1は、セラミック基板の一例としての多層セラミック基板を模式的に示す断面図である。
図1に示す多層セラミック基板1は、積層された複数のセラミック層2を備えており、さらに、セラミック層2に設けられる配線導体3,4,5を備えている。
配線導体3,4,5は、その位置または形態に基づいて、多層セラミック基板1の内部であってセラミック層2間の界面に沿って形成される内部導体膜3、多層セラミック基板1の内部であってセラミック層2を厚み方向に貫通するように設けられるビアホール導体4、及び、多層セラミック基板1の外表面に形成される外部導体膜5に分類することができる。
本実施形態のセラミック焼成体の製造方法は、焼結させることによってセラミック焼成体となる上記未焼結セラミック体の両主面に、上記未焼結セラミック体の焼結温度では実質的に焼結しない無機材料を含有する第1拘束層及び第2拘束層をそれぞれ密着させた構造を有する、未焼結複合積層体を準備する工程と、上記未焼結複合積層体を、上記未焼結セラミック体が焼結する条件で焼成することにより、上記第1拘束層及び上記第2拘束層に挟まれたセラミック基板を得る焼成工程と、を含む。
図2は、未焼結複合積層体の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示す未焼結複合積層体11は、焼結させることによって目的のセラミック基板となる未焼結セラミック体12の両主面に、未焼結セラミック体12の焼結温度では実質的に焼結しない無機材料を主成分とする第1拘束層13及び第2拘束層14をそれぞれ密着させた構造を有している。
図2において、得ようとするセラミック基板が図1に示す多層セラミック基板1である場合、未焼結セラミック体12は、多層セラミック基板1の焼結前の状態の構造物に相当する構造を有している。すなわち、未焼結セラミック体12は、複数のセラミック層2に相当する、積層された複数のセラミックグリーンシート層を備えるとともに、セラミックグリーンシート層に設けられる配線導体としての内部導体膜3、ビアホール導体4及び外部導体膜5を備える積層構造を有している。
未焼結セラミック体12を作製するには、まず、セラミック材料及び有機バインダを含有するセラミックグリーンシートが準備される。
セラミックグリーンシートは、セラミック材料として、例えば、セラミック粉末にガラス粉末を混合した混合粉末(アルミナ粉末とホウ珪酸系ガラス粉末との混合粉末等)と、有機バインダと溶剤とを含有するセラミックスラリーを、ドクターブレード法等によってシート状に成形したものである。セラミックスラリーには、可塑剤等の種々の添加剤が含有されていてもよい。
次に、内部導体膜3、ビアホール導体4及び外部導体膜5のような配線導体がセラミックグリーンシートに形成される。
これらのセラミックグリーンシートが所定枚数積層されることによって、未焼結セラミック体12が得られる。
なお、未焼結セラミック体12が、上述したように積層構造を有している場合、複数のセラミックグリーンシート層の積層構造は、通常、予めシート状に成形されたセラミックグリーンシートを積層することによって与えられるが、セラミックスラリーを同一場所でシート状に成形することを繰り返すことによって与えられてもよい。
未焼結セラミック体12が積層構造を有している場合、セラミックグリーンシート層は、低温焼結セラミック材料を含むことが好ましく、配線導体3,4,5は、金、銀及び銅から選ばれる少なくとも1種を導電材料として含むことが好ましい。低温焼結セラミック材料とは、セラミック材料のうち、1000℃以下の温度の焼成温度で焼結可能であり、上述した銀や銅との同時焼成が可能である材料を意味する。
また、金、銀及び銅は、低抵抗であるため、特に、配線導体3,4,5が高周波用途である場合に適している。
低温焼結セラミック材料としては、具体的には、クオーツやアルミナ、フォルステライト等のセラミック材料にホウ珪酸ガラスを混合してなるガラス複合系低温焼結セラミック材料、ZnO−MgO−Al−SiO系の結晶化ガラスを用いた結晶化ガラス系低温焼結セラミック材料、BaO−Al−SiO系セラミック材料やAl−CaO−SiO−MgO−B系セラミック材料等を用いた非ガラス系低温焼結セラミック材料等を用いることができる。
上述のセラミック材料にホウ珪酸ガラスを混合してなるガラス複合系低温焼結セラミック材料等は、アルミナ等のセラミック材料に比べて誘電率が低いため、高周波用途である場合に適しているが、その一方で、ガラスの粘度が高いため、脱バインダが不充分となりやすい。
しかし、本発明においては、未焼結セラミック体をバインダ分解促進材と接した状態で焼成することにより、未焼結セラミック体に含有される有機成分の分解が促進されるため、高粘度のガラスを用いる場合であっても、脱バインダを充分に行うことができる。
特に、配線導体の材料として銅を用いる場合、銅の酸化を防ぐために低酸素雰囲気で焼成を行う必要があるため、脱バインダが不充分となりやすい。本発明においては、未焼結セラミック体に含有される有機成分の分解が促進されるため、配線導体の材料として銅を用いる場合には特に高い効果が得られる。
有機バインダとしては、例えば、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等を用いることができる。溶剤としては、例えば、トルエン、イソプロピレンアルコール等のアルコール等を用いることができる。可塑剤としては、例えば、ジ−n−ブチルフタレート等を用いることができる。
得られた未焼結セラミック体12の一方及び他方主面に、第1拘束層13及び第2拘束層14がそれぞれ密着するように形成され、それによって、未焼結複合積層体11が得られる。
第1拘束層13及び第2拘束層14は、上述の未焼結セラミック体12の焼成条件では実質的に焼結しない未焼結の無機材料と有機バインダとを含有する組成を有している。
本実施形態のセラミック基板の製造方法では、第1拘束層13及び第2拘束層14の少なくとも一方がバインダ分解促進材である。すなわち、第1拘束層13及び第2拘束層14の少なくとも一方に、マンガン化合物が含有されている。
拘束層にマンガン化合物を含有させ、拘束層をバインダ分解促進材とすることにより、バインダ分解促進材を簡便に未焼結セラミック体と密着させることができる。そのため、未焼結セラミック体に含有される有機成分の分解が促進され、得られるセラミック基板に生じる欠陥を減らすことができる。
第1拘束層13及び第2拘束層14は、好ましくは、無機材料の粉末とマンガン化合物の粉末と有機バインダとを含有するスラリーをシート状に成形した拘束グリーンシートによって与えられる。
第1拘束層13及び第2拘束層14を形成するための拘束グリーンシート中には、必要に応じて、可塑剤、離型剤、分散剤、剥離剤等の種々の添加剤が加えられてもよい。
無機材料としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ムライト、石英等の酸化物系セラミック、又は、窒化ホウ素等の非酸化物系セラミック等を用いることができ、これらの中ではアルミナを用いることが好ましい。有機バインダとしては、例えば、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等を用いることができる。
マンガン化合物としては、例えば、MnCO、MnO、Mn、MnO、Mn等が挙げられ、これらの中ではMnCO、MnO及びMnが好ましい。これらのマンガン化合物は、1種のみを用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
第1拘束層13及び第2拘束層14は、予めグリーンシートの形態で別に用意されるのではなく、ペースト状組成物を塗布して形成された層によって与えられてもよい。
未焼結複合積層体11は、セッターやサヤ等の焼成用治具の上に載置された状態で焼成設備に投入され、焼成される(焼成工程)。
焼成工程では、例えば1000℃以下の焼成温度が適用される。焼成の結果、未焼結セラミック体12を構成するセラミック材料は焼結するが、第1拘束層13及び第2拘束層14を構成する無機材料は実質的に焼結せず、これによって、主面方向での収縮が抑制された寸法精度の高いセラミック基板が得られる。
本実施形態のセラミック基板の製造方法では、第1拘束層13及び第2拘束層14の少なくとも一方にマンガン化合物が含有されているため、未焼結セラミック体に含有される有機成分の分解が促進され、焼成後のセラミック基板に生じる欠陥を減らすことができる。
焼成雰囲気は特に限定されず、例えば、大気雰囲気、低酸素雰囲気等が挙げられる。特に、低酸素雰囲気で焼成を行う場合には脱バインダが不充分になりやすいが、本発明においては、未焼結セラミック体に含有される有機成分の分解が促進されるため、低酸素雰囲気で焼成を行う場合であっても、脱バインダを充分に行うことができる。
本明細書において、低酸素雰囲気とは、大気よりも酸素分圧が低い雰囲気を意味し、例えば、窒素雰囲気又はアルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気、窒素等の不活性ガスを大気に混入した雰囲気、真空雰囲気等が挙げられる。また、窒素と水素の混合ガス雰囲気であってもよい。
本実施形態では焼成時の収縮や変形を抑制することができるため、焼成工程において未焼結複合積層体11に荷重をかける必要はないが、一定の荷重をかけながら焼成を行なってもよい。
冷却後、第1拘束層13及び第2拘束層14を除去することによって、セラミック基板が取り出される。
第1拘束層13及び第2拘束層14は、未焼結の無機材料からなる多孔質層として存在しているため、例えば湿式ホーニング法やサンドブラスト法等の種々の方法によって、これを容易に剥離、除去することができる。
以上、多層セラミック基板の製造方法について説明したが、単層構造のセラミック基板を製造する場合も同様である。
図2に示した未焼結セラミック体12は、1個のセラミック基板となるべきものであってもよい。また、本実施形態では、後で分割されることが予定された複数のセラミック基板を与える集合基板が得られるように未焼結セラミック体を用意し、上述した焼成工程の後、分割工程を実施して、複数のセラミック基板を得るようにしてもよい。
セラミック基板を製造するにあたり、第1拘束層13及び第2拘束層14の少なくとも一方にマンガン化合物を含有させるのではなく、未焼結セラミック体12の少なくとも一方の主面上にマンガン化合物の粉末をふりかける等して載置した後、第1拘束層13及び第2拘束層14を密着させることにより未焼結複合積層体を作製し、未焼結複合積層体を焼成してもよい。このような方法によっても、未焼結セラミック体に含有される有機成分の分解が促進され、焼成後のセラミック基板に生じる欠陥を減らすことができる。
また、セラミック基板を製造するにあたり、上述のような拘束層を用いるのではなく、拘束層が無い状態の未焼結セラミック体12を焼成してもよい。その場合、未焼結セラミック体12の少なくとも一方の主面上にマンガン化合物の粉末を載置した後、未焼結複合積層体を焼成することが好ましい。
本発明は、上述した多層セラミック基板等のセラミック基板の製造方法だけでなく、種々のセラミック焼成体の製造方法に適用することが可能である。すなわち、本発明の製造方法により得られるセラミック焼成体は、種々の用途に適用することが可能である。セラミック基板としての用途以外にも、例えば、半導体パッケージや積層チップ部品等、種々の電子部品の構成部材として使用することが可能であるし、電子部品以外の構成部材として使用することも可能である。
本発明のセラミック焼成体の製造方法は、特に、低誘電率を有する低温焼結セラミック材料(例えば、クオーツを主成分とするセラミックフィラーとガラスとの混合物)に対して、低酸素雰囲気で焼成を行う場合に有効である。
中でも、薄層化に適した銅電極を、高粘度のガラスを含む低温焼結セラミック材料からなるセラミック層に形成したセラミック基板の製造に有効である。
本発明のセラミック焼成体の製造方法においては、未焼結セラミック体に含有される有機成分の分解を促進させる観点から、バインダ分解促進材中のマンガン化合物の比表面積は、未焼結セラミック体中の有機バインダ1gあたり0.005m/g以上であることが好ましく、0.01m/g以上であることがより好ましい。また、バインダ分解促進材中のマンガン化合物の比表面積は、未焼結セラミック体中の有機バインダ1gあたり1000m/g以下であることが好ましく、20m/g以下であることがより好ましい。
なお、マンガン化合物の比表面積は、ガス吸着法(BET法)を用いて測定することができる。マンガン化合物の比表面積を測定する際には、例えば、島津製作所社製 装置名:フローソーブIII2310を用いることができる。
本発明の製造方法により得られるセラミック焼結体においては、焼成時に、Mnがセラミック焼結体の表面に拡散する場合がある。本発明の製造方法により得られるセラミック焼成体においては、セラミック焼成体の表面におけるMnの拡散等を分析することにより、Mnを検出することが可能である。
以下、本発明のセラミック焼成体の製造方法をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(未焼結複合積層体の作製)
表1に示す組成のガラス粉末と、アルミナ粉末と、シリカ粉末とを、表2に示す組成で混合した後、表2に示す有機バインダを溶剤とともに混合することにより、スラリーを作製した。得られたスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形し、セラミックグリーンシートS1及びS2を作製した。
また、表2に示す組成でアルミナ粉末とマンガン化合物粉末(R1を除く)とを混合した後、有機バインダと溶剤とともに混合することにより、スラリーを作製した。得られたスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形し、拘束グリーンシートR1〜R6を作製した。
R2〜R6について、表2には、有機バインダ1重量部に対するマンガン化合物の比表面積(m/g)を示している。
上記で得られたセラミックグリーンシートに、銅ペーストを用いてスクリーン印刷法により銅電極を形成した後、表3〜表6に示す組み合わせとなるようにセラミックグリーンシート及び拘束グリーンシートを積層圧着することにより、未焼結セラミック体が拘束層で挟まれた未焼結複合積層体を得た。未焼結複合積層体を作製する際、各グリーンシートの積層枚数を調整することにより、セラミックグリーンシート層の厚みが500μm、拘束層の厚みがいずれも100μmとなるようにした。
Figure 2017109895
Figure 2017109895
(未焼結複合積層体の焼成)
得られた未焼結複合積層体を、窒素雰囲気下、990℃で20分間保持して焼成することにより、セラミック焼成体を得た。
また、上記のセラミック焼成体とは別に、焼成途中に600℃まで昇温した段階で取り出したサンプルを得た。
(評価)
得られたセラミック焼成体の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、欠陥であるポア(空孔)がセラミック層に生じていないかを確認した。表3及び表4に、各セラミック焼成体のポア率を示す。
ポア率は、セラミック焼成体の断面におけるポアの面積率を算出することにより求めた。
また、焼成途中で取り出したサンプルについて、残炭量を測定した。表5及び表6に、各サンプルの残炭量を示す。
残炭量は、取り出したサンプルを炭素分析装置にて残存炭素量を測定することにより求めた。
Figure 2017109895
Figure 2017109895
Figure 2017109895
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表3の結果より、マンガン化合物を含有する拘束層と接した状態で未焼結セラミック体が焼成された実施例1〜5では、拘束層がマンガン化合物を含有しない状態で未焼結セラミック体が焼成された比較例1に比べて、焼成後の欠陥(ポア)が少ないことが確認された。また、表4の結果より、有機バインダとしてアクリル樹脂を用いた実施例6においても、有機バインダとしてポリビニルブチラールを用いた実施例1〜5と同様に、マンガン化合物を含有する拘束層と接した状態で未焼結セラミック体を焼成することにより、拘束層がマンガン化合物を含有しない状態で未焼結セラミック体が焼成された比較例2に比べて、焼成後の欠陥が少ないことが確認された。
表5の結果より、焼成後の欠陥が少ない実施例2、4及び5では、焼成後の欠陥が多い比較例1に比べて、残炭量が少ないことが確認された。表6の結果も同様である。
表5及び表6の結果から、マンガン化合物を含有する拘束層と接した状態で未焼結セラミック体を焼成することにより、600℃以下という低温段階において有機成分の分解が進んでいることが示唆される。
1 多層セラミック基板
2 セラミック層
3 内部導体膜(配線導体)
4 ビアホール導体(配線導体)
5 外部導体膜(配線導体)
11 未焼結複合積層体
12 未焼結セラミック体
13 第1拘束層
14 第2拘束層

Claims (4)

  1. セラミック材料及び有機バインダを含有する未焼結セラミック体を、マンガン化合物を含有するバインダ分解促進材と接した状態で焼成することを特徴とするセラミック焼成体の製造方法。
  2. 焼結させることによってセラミック焼成体となる前記未焼結セラミック体の両主面に、前記未焼結セラミック体の焼結温度では実質的に焼結しない無機材料を含有する第1拘束層及び第2拘束層をそれぞれ密着させた構造を有する、未焼結複合積層体を準備する工程と、
    前記未焼結複合積層体を、前記未焼結セラミック体が焼結する条件で焼成することにより、前記第1拘束層及び前記第2拘束層に挟まれたセラミック基板を得る焼成工程と、を含み、
    前記第1拘束層及び前記第2拘束層の少なくとも一方は、前記バインダ分解促進材である請求項1に記載のセラミック焼成体の製造方法。
  3. 前記マンガン化合物は、MnCO、MnO及びMnからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載のセラミック焼成体の製造方法。
  4. 前記バインダ分解促進材中の前記マンガン化合物の比表面積は、前記未焼結セラミック体中の前記有機バインダ1gあたり0.005m/g以上である請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック焼成体の製造方法。
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