[実施形態]
(構成)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る火災通報システム1の構成を示すシステム図である。火災通報システム1は、監視対象となる施設に設置された火災報知設備100と、火災発生時に救助活動を行う救助者(例えば、消防隊員)が携帯する移動端末である救助者端末400と、火災発生時の通報先となる消防機関等に設置される救助支援装置500とを含み、これら火災報知設備100、救助者端末400、及び救助支援装置500は、通信網NWを介して互いに通信可能となっている。救助者端末400は1つのみを図示しているが、複数の救助者により携帯される複数の救助者端末400が含まれてもよい。火災報知設備100が設置される監視対象の施設は、老人ホーム、グループホーム(病気や障害を抱えた人達や高齢者等が専門スタッフ等の援助を受けながら生活するための施設)、商業ビル、工場、一般家庭など、任意の施設であってよい。ここでは、監視対象の施設はグループホームであるとして説明する。通信網NWは、移動体通信網、固定電話通信網、インターネットなどの公知の任意の通信網を含んでよい。火災通報システム1は、本発明の救助支援システムの一例に相当するものである。
図2は、火災報知設備100の構成を示すシステム図である。図2に示すように、火災報知設備100は、複数のカメラ付火災感知器200と、これら火災感知器200と信号線150を介して接続された火災受信機300とを有する。
カメラ付火災感知器200は、設置されたエリア(警戒区域)における煙の濃度や熱(温度)等の火災に関連する物理量を検知してデータとして出力する火災感知器としての機能を有する。また、カメラ付火災感知器200は、設置されたエリアの所定の範囲を撮影して、撮影した映像を表す映像信号を出力するカメラとしての機能を有する。本例では、カメラ付火災感知器200は、グループホームの各部屋に設置され、在室監視にも用いられるものとする。
図3は、カメラ付火災感知器200の構成を示すブロック図である。カメラ付火災感知器200は、制御部210、火災感知部220、アドレス設定部230、通信部240、カメラ250、及び回動部260を有し、これら各部はバス270を介して通信可能に接続されている。カメラ付火災感知器200は、本発明に係る火災感知器及びカメラ装置の一例である。
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備え、CPUが、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、カメラ付火災感知器200の各部を制御し、カメラ付火災感知器200の様々な機能を実現する。火災感知部220は、熱等の火災に関連する物理量に基づく情報(「感知信号」と言う)を出力する。火災感知部220は、例えば、熱(温度)を検知する熱センサ、煙を検知する煙センサ、または炎を検知する炎センサであってよく、あるいは、これらセンサの2以上の機能を合わせ持つ複合型センサであってよい。これらセンサは、感知信号として、検知される物理量(例えば温度)に応じて変化する信号を出力するタイプ(可変出力型と言う)でもよいし、検知した物理量が所定の条件を満たしたら(例えば、検知した温度が所定の温度を越えたら)、火災発生を示す所定の信号を出力する(「発報」と言う)タイプ(オンオフ型と言う)であってもよい。
アドレス設定部230は、カメラ付火災感知器200のアドレスを設定するものであり、各カメラ付火災感知器200毎に個々のアドレスADが設定される。通信部240は、信号線150を介して、火災受信機300と各種信号の送受信を行う。カメラ250は、例えば、デジタルビデオカメラであり、カメラ付火災感知器200が設けられた警戒区域を撮影する。カメラ250により撮影された映像は映像信号として出力され、通信部240により信号線150を介して火災受信機300に伝送される。回動部260はカメラ250を支持し、火災受信機300からの制御命令によって回動し、カメラ250の撮影方向を変化させる。尚、カメラ250からの映像信号の伝送が、火災感知部210からの火災に関連する物理量を表す情報(感知信号)の伝送を妨げないように、カメラ250からの映像信号と火災感知部210からの感知信号とを、異なる信号線を介して火災受信機300に伝送してもよい。
火災受信機300は、カメラ付火災感知器200からの感知信号に基づいて火災の発生を判定し、判定結果に応じた処理を行う。また、各部屋に設置されたカメラ付火災感知器200からの映像信号に基づいて、各部屋における人の在室を判定する。カメラ付火災感知器200が設置された各部屋は、カメラ装置により監視されるエリアの一例である。
図4は、火災受信機300の構成を示すブロック図である。図4に示すように、火災受信機300は、制御部310、記憶部320、表示部330、操作部340、第1通信部350、及び第2通信部360を有し、これら各部はバス370を介して通信可能に接続されている。
制御部310は、CPU、ROM及びRAMを備え、CPUが、ROMや記憶部320に記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、火災受信機300の各部を制御し、火災受信機300の様々な機能を実現する。
記憶部320は、例えばハードディスクやフラッシュメモリなどの大容量の記憶手段であり、各種のプログラムやデータを記憶する。記憶部320に格納されるデータには、各カメラ付火災感知器200に個別に付与されているアドレスADに対応付けられた感知器種別ID、プレレベルSP、火災判別レベルSF、警戒区域の識別情報、監視対象施設の部屋の配置等を示す平面図データ(各カメラ付火災感知器200に個別に付与されているアドレスADに対応付けられたカメラ位置情報を含む。なお、平面図データは、フロアマップデータとも言う)等が含まれる。ここで、プレレベルSP及び火災判別レベルSFとは、カメラ付火災感知器200が可変出力型のセンサを有するものである場合に、火災受信機300が、そのカメラ付火災感知器200からの感知信号と比較する閾値であり、感知器種別や設置場所等によって異なり得る。プレレベルSPは予報レベルの火災を感知するための閾値であり、火災判別レベルSFは火災警報レベルの火災発生を感知するための閾値である。予報レベルの火災感知より、火災警報レベルの火災感知の方が、火災発生の確実さの度合いが高い。例えば、プレレベルSP<火災判別レベルSFとなるようにプレレベルSP及び火災判別レベルSFを設定し、カメラ付火災感知器200からの感知信号がプレレベルSPを越える場合、火災受信機300は、予報レベルの火災が感知された(または、火災発生が疑われる)と判定し、火災判別レベルSFを越える場合、火災警報レベルの火災が感知されたと判定してもよい。予報レベルの火災が感知されたと判定される場合、火災受信機300は、その旨を表示部330に表示し、施設管理者が確認できるようにする。また、火災受信機300は、火災警報レベルの火災が感知されたと判定すると、表示部330への表示に加えて、救助支援装置500への通報や施設内に設置された警報ベル(図示せず)を鳴らす等の処理を行う(火災受信機300による火災警報レベルの火災が感知された旨の判定、及び/または、それに伴う処理を「発報」と言うこともある)。尚、カメラ付火災感知器200がオンオフ型の場合、そのカメラ付火災感知器200のアドレスADに対しては、プレレベルSP及び火災判別レベルSFは設定しなくてよい。オンオフ型の火災感知器200から、当該火災感知器200が発報したことを示す信号を受信した場合、火災受信機300は火災警報レベルの火災が発生したと判定する。
また、記憶部320には、各カメラ付火災感知器200の状態を表す信号の時系列データや、各カメラ付火災感知器200のカメラ250からの映像信号が保存される。これらのデータは、例えば3日分など、予め定められた期間分保存され、常に最新のデータが保存されるように更新してよい。また、過去のデータを消去することなく、予め定められた期間毎に、光記録媒体などの媒体に格納したり、通信網NWに接続された外部のサーバ装置(図示せず)等に転送して格納してもよい。
表示部330は、例えば液晶ディスプレイであり、制御部310からの指示に基づいて、様々な情報を表示する。例えば、火災の発生していない通常状態では、表示部330には、「通常監視中」等、通常状態であることを示す文字情報が表示される。火災発生時には、表示部330には、火災を感知した(例えば、発報した)カメラ付火災感知器200のアドレスADや当該カメラ付火災感知器200が設置されている警戒区域を示す火災情報(文字情報)が表示されるとともに、火災を感知したカメラ付火災感知器200のカメラ250により撮影された映像が文字情報に重ねて表示される。
操作部340は、カメラオンスイッチOS、テンキーTK、方向キーHK等の各種入力スイッチにより構成され、火災報知設備100の管理者等による操作の内容に応じた操作信号を制御部310に送出する。カメラオンスイッチOSをオンすることで、制御部310は、テンキーTK、方向キーHKによる入力を有効とする。カメラオンスイッチOSをオンして、テンキーTKでカメラ付火災感知器200のアドレスADを入力すると、アドレスADにより指定されたカメラ付火災感知器200のカメラ250の映像が、表示部330に表示される。そして、方向キーHKを操作することにより、回動部260を介してカメラ250を回動させ、カメラ250により撮影される警戒区域の撮影方向の変更を行う。
第1通信部350は、火災報知設備100の外部の通信網NWを介して救助支援装置500とデータの授受を行うためのインタフェースであり、第2通信部360は、信号線150を介して火災感知器200とデータの授受を行うためのインタフェースである。第1通信部350は、本発明に係る通知手段の一例である。
図5は、火災発生時に消火活動及び救助活動に携わる救助者が携帯する救助者端末400の構成を示すブロック図である。図5に示すように、救助者端末400は、制御部410、記憶部420、表示部430、操作部440、通信部450、マイクロフォン(以下、マイクと言う)460、スピーカ470、及びGPS(Global Positioning System)センサ480を有し、これら各部はバス490を介して通信可能に接続されている。
制御部410は、CPU、ROM及びRAMを備え、CPUが、ROMや記憶部420に記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、救助者端末400の各部を制御し、救助者端末400の様々な機能を実現する。記憶部420は、例えばハードディスクやフラッシュメモリなどの大容量の記憶手段であり、各種のプログラムやデータを記憶する。表示部430は、例えば液晶ディスプレイであり、制御部410からの指示に基づいて、様々な情報を表示する。火災発生時には、後に詳述するように、救助支援装置500からの情報に基づいて、逃げ遅れた人を検知したカメラ付火災感知器200の位置等が表示される。
操作部440は、救助者端末400のユーザ(例えば、消防隊員)による操作の内容に応じた操作信号を制御部410に送出する。本例において、操作部440は、表示部430の表示面に重ねて配置され、表示部430と共にタッチパネルを構成するタッチパッド(位置検出センサ)441を有する。タッチパッド441は、ユーザによりタッチされた表示部430の画面の位置を検出するものであり、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線方式、超音波方式など公知の任意の方式のものであってよい。通信部450は、通信網NWを介して救助支援装置500と通信するためのインタフェースである。通信部450は、制御部410の制御の下、例えば、電話回線(移動体電話回線及び固定電話回線)やインターネットを介して救助支援装置500と情報の送受信を行う。
マイク460は、救助者端末400を用いてユーザが電話をするときに、ユーザの音声を収音して音声信号に変換する。スピーカ470は、救助者端末400を用いてユーザが電話をするときに、通話相手の音声信号を音に変換して出力する。
GPSセンサ480は、予め定められたタイミングで(例えば、5分毎)、または、制御部410からの指示に応じて、図示しないGPS衛星からのGPS信号に基づいて救助者端末400の位置を示す情報(経度及び緯度)を取得する。制御部410は、GPSセンサ480により取得された救助者端末400の位置を示す情報を通信部450を介して救護支援装置500に送信する。
図6は、救助支援装置500の構成を示すブロック図である。図6に示すように、救助支援装置500は、制御部510、記憶部520、表示部530、操作部540、及び通信部550を有し、これら各部はバス560を介して通信可能に接続されている。
制御部510は、CPU、ROM及びRAMを備え、CPUが、ROMや記憶部520に記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、救助支援装置500の各部を制御し、救助支援装置500の様々な機能を実現する。記憶部520は、例えばハードディスクやフラッシュメモリなどの大容量の記憶手段であり、各種のプログラムやデータを記憶する。表示部530は、例えば液晶ディスプレイであり、制御部510からの指示に基づいて、様々な情報を表示する。操作部540は、救助支援装置500のユーザ(例えば、消防署の監視員)による操作の内容に応じた操作信号を制御部510に送出する。通信部550は、通信網NWを介して火災報知設備100の火災受信機300や救助活動を行う消防隊員が所持する救助者端末400と通信するためのインタフェースである。通信部550は、制御部510の制御の下、例えば、電話回線(移動体電話回線及び固定電話回線)やインターネットを介して火災報知設備100や救助者端末400と情報の送受信を行う。
(動作)
次に、上記のように構成された火災通報システム1の動作について説明する。通常監視中、火災受信機300は、各部屋に設置されたカメラ付火災感知器200のカメラ250からの映像信号に基づいて、在室判定を行う。
図7は、火災受信機300による在室判定処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、火災受信機300の制御部310が記憶部320に記憶されたプログラムを実行することによりなされる。また、この処理は、在室監視を行う各部屋に設置されたカメラ付火災感知器200から送信される映像信号に基づいてなされる。
図7に示すように、ステップS1において、制御部310は、カメラ付火災感知器200から送信される映像信号に基づいて、動いている物体の有無について判定し、動いている物体があると判定される場合(動きあり)はステップS2に進み、人が室内にいると判定する。即ち、本例では、動いている物体があるとき、これを人の動きによるものと判断する。動いている物体がないと判定される場合はステップS5に進み、人が室内にいないと判定した後、ステップS1の判定を繰り返す。ここで、ステップS1の処理を繰り返す際の周期は、適宜設定してよく、例えば、通常監視時における繰り返し周期は、10分である(即ち、10分に1度在室判定を行う)。ステップS1における動いている物体の有無の判定は、例えば、カメラ付火災感知器200から送信される映像信号によって表される映像に含まれる連続した静止画像(フレーム)を比較することにより行ってよい。尚、動いている物体全てが人の動きによるものと判断しなくてもよく、例えば、動いている物体の大きさなどを考慮して人の動きを示すものか否かを判定するなど、人の動きの検出精度を高めるための公知の技術を用いてよい。また、カメラ付火災感知器200から送信される映像信号によって表される映像のフレームレート(1秒あたりの静止画の数)は信号線150の容量や各静止画のデータサイズ等に応じて適宜設定してよい。また、任意の公知の画像(動画または静止画)圧縮技術を用いてよい。
なお、詳細には説明しないが、火災受信機300において、各カメラ付火災感知器200の映像信号の取得は、後述する各カメラ付火災感知器200の感知信号の取得と同様のポーリング動作で行われてよい。ここで、各カメラ付火災感知器200に対する映像信号と感知信号との取得は、同一のポーリング動作で同時に取得してもいいが、個別のポーリング動作とし、映像信号を取得するポーリング周期のほうを感知信号を取得するポーリング周期より長く設定することで、感知信号に基づく火災判定処理に遅れがでないようにするとよい。
ステップS2で、人が室内にいると判定した後、制御部310は、ステップS3において、ステップS1と同様に、カメラ付火災感知器200から送信される映像信号に基づいて、動いている物体があるか否か判定する。動いている物体があると判定される場合はステップS2に進み、人が室内にいると判定する。動いている物体がないと判定される場合はステップS4に進み、室内にいた人が退室したか否かの判定を行う。この退室したか否かの判定は、例えば、前に動いている物体があると判定されたときの直前の予め定められた数の静止画像に基づいて、動いている物体の移動方向を求め、この移動方向が部屋から出ていく方向を示しているか否かに基づいて行ってよい。或いは、部屋の出入り口に人の出入りを検出する赤外線センサ(図示せず)が設けられている場合、その赤外線センサの出力信号に基づいて当該判定を行ってもよい。
ステップS4において、室内にいた人が退室したと判定される場合、ステップS5で室内に人はいないと判定し、ステップS1に戻る。ステップS4において、室内にいた人は退室していないと判定される場合、ステップS2で室内に人がいると判定する。
尚、上記の各部屋における在室/不在の判定結果は、例えば、火災受信機300の表示部330に表示し、グループホームの管理者が確認できるようにしてよい。
また、通常監視中、火災受信機300の制御部310は、ポーリング方式により、カメラ付火災感知器200を呼び出す制御信号「アドレスAD・返送命令」を、第2通信部360を介して信号線150に伝送する。ここで、アドレスADは、感知信号を返送すべきカメラ付火災感知器200のアドレスである。この制御信号に対して、アドレスADに対応するカメラ付火災感知器200が応答し、自身のアドレスADと感知信号を含む返送信号「アドレスAD・感知信号」を信号線150に送出する。火災受信機300はその返送信号を受信し、当該返送信号に含まれる感知信号に基づいて、火災が感知されたか否かを判定する。このポーリング動作は、火災受信機300が監視する全てのカメラ付火災感知部200に対して順になされる。
ここで、カメラ付火災感知器200が可変出力型の火災感知器の場合、火災受信機300の制御部310は、カメラ付火災感知器200からの出力信号(感知信号)が当該カメラ付火災感知器200に関連付けられたプレレベルSPを越えたとき、予報レベルの火災が感知されたと判定する。火災受信機300の制御部310は、予報レベルの火災が感知されたと判定すると、火災を感知したカメラ付火災感知器200に、制御信号「アドレスAD・映像信号送出命令」を、信号線150を介して伝送する。ここで、アドレスADは、火災を感知したカメラ付火災感知器200のアドレスである。この制御信号に対して、アドレスADに対応するカメラ付火災感知器200が応答し、自身のアドレスADとカメラ250により撮影された警戒区域の映像を表す映像信号を含む返送信号「アドレスAD・映像信号」を信号線150に送出する。火災受信機300の制御部310はこの返送信号を受信し、カメラ250により撮影された警戒区域の映像(映像情報)を火災情報に重ねて表示部330に表示させる。これにより、火災受信機300の近傍にいる施設の管理人は、現場に駆けつけなくとも火災発生が感知された現場を確認でき、状況に応じた対応(例えば、消防機関への通報など)を迅速に行うことができる。
また、カメラ付火災感知器200が可変出力型の火災感知器の場合において、火災受信機300の制御部310は、カメラ付火災感知器200からの出力信号(感知信号)が当該カメラ付火災感知器200に関連付けられた火災判別レベルSFを越えたとき、火災警報レベルの火災が感知されたと判定する。更に、カメラ付火災感知器200がオンオフ型の火災感知器の場合、カメラ付火災感知器200が発報したことを示す信号を受け取った場合も、火災受信機300の制御部310は、火災警報レベルの火災が感知されたと判定する。火災警報レベルの火災が感知されたと判定すると、火災受信機300の制御部310は、予報レベルの火災が感知されたと判定された場合と同様に、火災受信機300の表示部330に、火災を感知したカメラ付火災感知器200のカメラ250により撮影された映像を表示させるとともに、予め定められた通報先(グループホームのある地域の管轄の消防機関など)に火災の発生を通報する。このとき、火災が感知された施設の名称や住所など、施設を特定する情報を通報先に送るとよい。通報を受けた消防機関では、消火及び被害者の救助のため消防隊員を火災の発生した施設に向かわせるなどの対応がなされる。
また、火災発生の通報を行った後、火災受信機300の制御部310は、各カメラ付火災感知器200のカメラ250からの映像信号に基づいてなされる各部屋に人がいるかいないかの判定の結果を救助支援情報として消防機関の救助支援装置500に送信する。救助支援装置500は、火災受信機300から受信した救助支援情報を、火災が発生した施設において救助活動等を行っている救助者に所持される救助者端末400に送信する。
図8は、救助支援動作に関する火災受信機300の制御部310及び救助支援装置500の制御部510の機能を示すブロック図である。図8に示すように、火災受信機300の制御部310は、火災判定部311及び在室判定部312を有する。これら火災判定部311及び在室判定部312の機能は、制御部310が記憶部320に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、図8に示すように、救助支援装置500の制御部510は、救助者端末管理部511及び抽出部512を有する。これら救助者端末管理部511及び抽出部512の機能は、制御部510が記憶部520に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
火災判定部311は、上述したように、カメラ付火災感知器200からの感知信号に基づいて火災発生の有無を判定し、火災警報レベルの火災がカメラ付火災感知器200により感知されたと判定された場合、第1通信部350を介して、予め定められた通報先に火災の発生を知らせる火災情報を送信する。火災情報には、火災が発生した施設の名称や住所などが含まれる。
また、火災判定部311が予報レベルまたは火災警報レベルの火災が発生したと判定した場合、その判定結果は第2通信部360を介して各カメラ付火災感知器200に送信される。本例において、各カメラ付火災感知器200は画像処理部211を有し、画像処理部211は通常時と火災発生時とでカメラ付火災感知器200から出力される映像の画質を切替える処理を行う。画像処理部211は、本発明に係る画質制御手段の一例である。
具体的には、火災の発生していない通常時には、画像処理部211は、監視対象となる人のプライバシーが侵害されない程度の低い画質となるようにカメラ250により取得された映像を処理し、火災判定部311の判定結果により火災の発生が示される場合には、在室判定部312による在室判定の精度を向上させるべく、カメラ250により取得された映像の画質が高くなるように処理をする。プライバシーが侵害されない程度の画質とは、例えば、火災受信機300の表示部330に表示されたときに、映像に映っている人の顔は認識できないが人の移動は認識できる程度の画質である。通常時におけるプライバシー侵害防止のための画質を低下させる処理は、例えば、カメラ250により取得される映像に対しモザイク処理やぼかし処理を施したり、映像の解像度(画素数)を低下させることにより行ってよい。火災発生時には、モザイク処理やぼかし処理を停止したり、映像の解像度を高くしたりすることにより画質を高くしてよい。画像処理部211の機能は、制御部210がプログラムを実行することにより実現される。
在室判定部312は、各カメラ付火災感知器200からの映像信号に基づいて図7に示した在室判定処理を行い、カメラ付火災感知器200が設置された各部屋に人がいるかいないか判定する。火災判定部311が火災警報レベルの火災が発生したと判定した場合、在室判定部312は、各部屋における在室判定(即ち、逃げ遅れた人がいるかいないかの判定)の結果を示す情報を、記憶部320に格納された各カメラ付火災感知器200を識別する識別情報(例えば、カメラ付火災感知器200に割り当てられたアドレスAD)に関連付けて、第1通信部350を介して、予め定められた通報先に設置された救助支援装置500に送信する。このとき、上記の画質の高くなった映像信号も送信してもよい。尚、火災感知時、在室判定部312は、在室判定を行う周期を通常監視時よりも短く(例えば、20秒)してもよい。
また、火災判定部311または在室判定部312は、記憶部320に格納された監視対象施設の各部屋の配置等を示す平面図データを、第1通信部350を介して救助支援装置500に送信する。この平面図データには、各カメラ付火災感知器200の設置位置を示すカメラ位置情報が含まれる。
火災受信機300から第1通信部350を介して送信された各カメラ付火災感知器200の識別情報、各カメラ付火災感知器200が設置された部屋における在室判定結果を示す情報、及び監視対象施設の平面図データ(カメラ位置情報を含む)は、救助支援装置500の通信部550によって受信される。また、通信部550は、火災が発生した施設において救助活動を行う救助者が所持する救助者端末400から送信される救助者端末400の位置を示す情報を受信する。通信部550は、本発明に係る受信手段の一例である。
救助者端末管理部511は、通信部550が受信した救助者端末400の位置を示す情報に基づいて、記憶部520に格納された端末管理テーブル521を更新し、救助者端末400の状態(現在位置など)を管理する。図9は、端末管理テーブル521の一例を示す模式図である。この例では、端末管理テーブル521は「No.」、「使用者」、「位置」、「メールアドレス」、及び「施設または住所」の5つのフィールドを有する。フィールド「No.」には、各救助者端末400に割り当てられる識別番号が格納される。フィールド「使用者」には、各救助者端末400の使用者を示す情報が格納される。フィールド「位置」には、各救助者端末400の位置を示す情報(例えば、緯度及び経度)が格納される。フィールド「メールアドレス」には、各救助者端末400の電子メールアドレスが格納される。フィールド「施設または住所」には、各救助者端末400が現在位置している施設または住所を示す情報が格納される。
フィールド「使用者」及び「メールアドレス」の情報は、救助者支援装置500の管理者が操作部540を操作することにより入力される。フィールド「位置」の情報は、救助者端末400から位置情報が送られてくるたびに、救助者端末管理部511により更新される。フィールド「施設または住所」の情報は、緯度及び経度に対応付けられた施設名及び/または住所を記録したデータベースを有し通信網NWに接続された情報提供装置(図示せず)から提供されてよい。具体的には、フィールド「位置」の情報が更新されると、救助者支援装置500の救助者端末管理部511は、更新された位置情報を含む情報提供リクエストを通信網NWを介して情報提供装置に送信する。情報提供装置は、その応答として、受信した位置情報(緯度及び経度)に対応する施設名及び/または住所をデータベースから検索し、救助者支援装置500に返信する。救助者支援装置500の救助者端末管理部511は、受信した施設名及び/または住所をフィールド「施設または住所」に書き込む。なお、情報提供装置(図示せず)の機能は、救助支援装置500の内部に備えてもよい。
火災受信機300から通信部550を介して火災情報を受信した後、救助者端末管理部511は、端末管理テーブル521を参照して、フィールド「施設または住所」の情報が、火災情報に含まれる施設を特定する情報に対応する救助者端末400を抽出し、抽出した救助者端末400を、火災が発生した施設において救助活動を行う救助者によって所持されている救助者端末400であると特定する。また、救助者端末管理部511は、特定した救助者端末400の位置情報を抽出部512に供給する。
抽出部512は、救助者端末管理部511から供給された、火災が発生した施設において救助活動を行う救助者によって所持されている各救助者端末400の位置情報に基づいて、通信部550を介して受信した施設の平面図データから、それぞれの救助者端末400の位置から予め定められた範囲の部屋の配置等を示す部分平面図データを抽出する。また、平面図データに含まれるカメラ位置情報と、各救助者端末400の位置情報とに基づいて、それぞれの救助者端末400の位置から予め定められた範囲に位置するカメラ付火災感知器200を抽出すると共に、抽出されたカメラ付火災感知器200が設置された部屋における在室判定結果を抽出する。抽出部512は、こうして各救助者端末400に対して抽出された部分平面図データ(カメラ位置情報を含む)及びカメラ付火災感知器200が設置された部屋における在室判定結果を、各救助者端末400に送信する。また、抽出部512は、火災受信機300から受信した火災情報に含まれる、火災が発生した施設の名称などの情報を各救助者端末400に送信する。このとき、上記の画質の高くなった映像信号も送信してもよい。
救助者端末400では、救助支援装置500から送られてきた情報に基づき、救助者支援情報を表示部430に表示する。図10は、救助者端末400の表示部430に表示される救助者支援情報の一例を示す模式図である。図10に示すように、表示部430は、情報表示エリア431、
画像表示エリア432、及び操作エリア433の3つのエリアに分けられている。
最上段の情報表示エリア431には、火災情報に含まれる火災が発生した施設の名称が表示される。火災発生時刻や現在時刻などを表示してもよい。中央の画像表示エリア432には、周囲の部屋の配置等を示す平面図が表示される。また、当該平面図における救助者端末400の位置に所定のシンボル434(本例では黒丸)が表示され、各カメラ付火災感知器200の位置に所定のシンボル435(例えば、白丸)が表示される。また、各カメラ付火災感知器200が設置された部屋における在室判定結果が、各カメラ付火災感知器200の位置に関連した位置に表示される。本例では、在室判定結果は、各カメラ付火災感知器200が設置された部屋を示す区画内の位置に表示される。ここで、在室判定結果の表示は、判定結果が在室の場合(即ち、逃げ遅れている人がいる場合)のみ行い、判定結果が不在の場合(即ち、避難済みである場合)の表示は行わなくてもよい。本例では、101号室及び106号室において人がいるとの判定がなされ、それに応じて101号室及び106号室を示す区画内に「在室!」の表示がなされている。尚、在室判定結果の表示は文字により行うのみに限らず、逃げ遅れた人がいることを示す予め定められたシンボルを表示したり、逃げ遅れた人がいると判定された部屋の色を、逃げ遅れた人はいないと判定された部屋の色と異ならせたりすることによって行ってもよい。これにより、救助者端末400を所持する救助者は、自分の周囲においてどの部屋に逃げ遅れている人がいるか把握し、速やかに救助活動を行うことができる。最下段の操作エリア433には、画像表示エリア432に表示される平面図をスクロールしたり拡大/縮小操作するための矢印ボタン436が表示される。ユーザが矢印ボタン436にタッチ操作すると、操作を表す信号が救助者端末400から通信網NWを介して救助者支援装置500に送信される。救助者支援装置500の抽出部512は、当該操作に応じて抽出する部分平面図データを変更するとともに、抽出するカメラ付火災感知器200及びそれに対応する在室判定結果を変更し、救助者端末400に返信する。なお、救助者端末400は、必要に応じて、上記の画質の高くなった映像信号による映像を表示することができる。例えば、救助者がカメラ付火災感知器200のシンボル435をタッチしたら、タッチされたカメラ付火災感知器200により撮影された映像を、画像表示エリア432に表示してよい。その場合、映像が表示された状態の画像表示エリア432の任意の場所を救助者がタッチしたら、平面図の表示に戻るものとしてもよいし、或いは、画像表示エリア432内の予め定められた位置に特定のボタンを表示し、そのボタンがタッチされたら平面図の表示に戻るものとしてもよい。また、画像表示エリア432とは別に、映像表示エリアを設けて、そこにカメラ付火災感知器200により撮影された映像を表示してもよい。
上述したように、本実施形態においては、火災発生時に、カメラ付火災感知器200により取得される映像信号に基づいて、カメラ付火災感知器200が監視するエリアに逃げ遅れた人がいるか判定し、判定結果を当該カメラ付火災感知器200の位置を示す情報とともに、予め定められた通報先に通知するものとしたので、建物等の施設にいる人が無線通信可能な端末のように特殊な装置を所持していなくても、当該施設において火災が発生した時に、逃げ遅れた人の位置を示す情報を所定の通報先に通知することができる。また、救助を行う救助者が所持する救助者端末400から予め定められた範囲に位置するカメラ付火災感知器200を抽出すると共に、抽出されたカメラ付火災感知器200が設置された部屋における在室判定結果を抽出して救助者端末400に送信するので、救助者端末400に不要な情報が表示される可能性が低減される。
[変形例]
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち、2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
(変形例1)
上記実施形態では、火災感知器及びカメラ装置として、両者の機能を合わせ持つカメラ付火災感知器200を用いたが、本発明はこれに限定されない。カメラ250を含まない火災感知器を用いてもよい。また、火災感知部220を含まないカメラ装置を用いてもよい。火災感知器及びカメラ装置は別ラインに接続してもよいし、共通のラインに接続してもよい。また、上記実施形態において、オンオフ型の火災感知器として、火災を感知すると閉じるスイッチ(接点)を有する火災感知器(接点型火災感知器と言う)を1または複数用い、接点型火災感知器のスイッチが開いているときと閉じたときとで、信号線150の直流電位が変化するように(例えば、スイッチが開いているときはハイレベル、閉じたときはローレベル)、各接点型火災感知器を信号線150に接続してもよい。火災受信機300は、例えば、信号線150の直流電位が予め定められた値より低い場合、信号線150に接続された接点型火災感知器のいずれかが火災を感知した(即ち、発報した)と判定する。この場合、信号線150の電位がハイレベルのときもローレベルのときも(即ち、接点型火災感知器が発報しているときもしていないときも)、信号線150を介したポーリング動作による火災受信機300とカメラ付火災感知器200との間の各種信号(感知信号や映像信号)の送受信が可能なように、ハイレベル及びローレベルの電位が設定される。例えば、ポーリング動作による信号の送受信が高さ5Vのパルス信号を用いてなされる場合、信号線150のローレベルの電位は5Vより高い電位となるように設定される。
(変形例2)
上述した実施形態では、カメラ付火災感知器200からの映像信号に基づいて、カメラ付火災感知器200が監視するエリアに逃げ遅れた人がいるか判定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、カメラ付火災感知器200からの映像信号に基づいて、救助の緊急度を判定してもよい。
図11は、変形例2に係る在室判定部312の動作を示すフローチャートである。図11において、図7と同じ処理を行うステップには同じ符号を付して詳しい説明を省略する。図11に示すフローチャートでは、部屋の中にいる人の動きがなくなってからの経過時間を示す変数Nの処理が追加され、変数Nによって示される部屋の中にいる人の動きがなくなってからの経過時間が予め定められた時間より長い場合に、緊急度が高いと判定するステップを含む点が、図7のフローチャートと異なる。
具体的に説明すると、図11のフローチャートでは、ステップS1において、動いている物体があると判定される場合に(ステップS1;YES)、ステップS11で変数Nの値をゼロにセットする。また、ステップS2において人がいる(在室)と判定した後に処理されるステップS3において、動いている物体があると判定される場合にも(ステップS3;YES)、ステップS12で変数Nの値をゼロにセットする。
一方、ステップS3において、動いている物体がないと判定され(ステップS3;NO)且つステップS4において、退室していないと判定される(ステップS4;NO)場合、ステップS13において、Nの値を1増加させ、続いて、ステップS14で変数Nの値が予め定められた値N1より大きいか否か判定する。ステップS14において、変数NがN1より大きくないと判定される場合(ステップS14;NO)、ステップS2に戻る。つまり、変数Nの値は、いったん在室と判定された後、動きが検出されなくなり且つ退室したとは判定されない場合に、増加し続ける。即ち、変数Nの値は、部屋の中にいる人の動きが止まってからの経過時間を表す。
ステップS14において、変数Nの値がN1より大きいと判定される場合(ステップS14;YES)、部屋の中にいる人の動きが止まってからの経過時間が予め定められた時間より長いと考えられる。このことは、部屋の中にいる人が、例えば、火災により発生した二酸化炭素や一酸化炭素等により意識を失い自力で避難できなくなったことを示すと考えられる。そこで、ステップS15において救助の緊急度が高いと判定する。
この緊急度に関する判定結果は、在室判定の結果及び関連するカメラ位置情報とともに、上述したように、火災受信機300から救助者支援装置500に送られ、更に、救助者端末400に送られて適宜表示される。これにより、救助者は救助の緊急度の高い人がいる部屋(エリア)を認識し、速やかに救助を行うことができる。
(変形例3)
上記実施形態においては、救助者端末400の位置を緯度及び経度により表したが、本発明はこれに限定されない。救助者端末400の位置は高さを含んでもよい。また、上記実施形態においては、GPS衛星からのGPS信号に基づいて取得されたが、本発明はこれに限定されない。GPS衛星からの信号に基づく位置取得に加えて、あるいは、その代わりに、ジャイロや加速度センサを用いて救助者端末400の位置を取得してもよい。また、気圧の変化を検知する気圧センサを用いて救助者端末400の高さ方向の位置を検知してもよい。更に、IMES(Indoor MEssaging System)などの屋内の測位システムを用いて、救助者端末400の位置測定を行ってもよい。このように、救助者端末400の位置取得は、任意の公知の技術を用いて行ってよい。
(変形例4)
上記実施形態においては、火災受信機300の制御部310によって、各カメラ付火災感知器200からの映像信号に基づいて在室判定を行ったが、本発明はこれに限らない。各カメラ付火災感知器200の制御部210によって、それぞれの映像信号に基づいて在室判定を行い、判定結果を火災受信機300へ送信し、更に、火災受信機300から救助支援装置500に送ってもよい。
(変形例5)
上記実施形態においては、カメラ付火災感知器200により取得される映像信号に基づいて、カメラ付火災感知器200が監視するエリアに逃げ遅れた人がいるか判定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、監視対象施設に設けられたマイク装置により音を収音し、収音された音を表す音信号に基づいて、逃げ遅れた人がいるか判定してもよい。
図12は、変形例5に係る火災報知設備100aの構成を示すシステム図である。図12において、図2と共通する部分には同じ符号を付して詳しい説明を省略する。図12に示した火災報知設備100aは、カメラ付火災感知器200に加えて、マイク装置600、600a、及びスピーカ装置700が信号線150に接続されている点が、図2に示した火災報知設備100と異なる。
マイク装置600は、カメラ付火災感知器200と同様に、監視対象施設であるグループホームの各部屋に設置され、設置された部屋内の音を収音する。スピーカ装置700は、施設内の適所に配置され、カメラ付火災感知器200により火災が感知されたときに、火災受信機300からの指令に応じて警報音や警報メッセージを出力する。マイク装置600aは、マイク装置600よりもスピーカ装置700に近接して配置され、スピーカ装置700により生成された警報音や警報メッセージを収音する。尚、図12では、スピーカ装置700を一つしか示していないが、火災報知設備100aは複数のスピーカ装置700を有してもよい。マイク装置600は本発明に係る第1マイク装置の一例であり、マイク装置600aは本発明に係る第2マイク装置の一例であり、スピーカ装置700は本発明に係る発音装置の一例である。
図13は、マイク装置600(600a)の構成を示すブロック図である。図13に示すように、マイク装置600(600a)は、制御部610、アドレス設定部630、通信部640、マイク650、及びA/Dコンバータ660を有し、これら各部はバス670を介して通信可能に接続されている。尚、マイク装置600とマイク装置600aは基本的に同一の構成としてよいが、上述したように、その用途が異なるため、指向特性、周波数特性、感度などは異なってよい。具体的には、マイク装置600aはスピーカ装置700により生成された音以外を収音しないように高い指向性を有してよい。また、スピーカ装置700に十分近接して配置される場合、マイク装置600aの感度は低くてもよい。一方、マイク装置600は特に人の声の帯域において高い感度を有することが好ましい。
制御部610は、CPU、ROM及びRAMを備え、CPUが、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、マイク装置600(600a)の各部を制御し、マイク装置600(600a)の様々な機能を実現する。アドレス設定部630は、カメラ付火災感知器200のアドレス設定部230と同様に、マイク装置600(600a)のアドレスを設定するものであり、各マイク装置600(600a)毎に個々のアドレスADが設定される。アドレスADは各マイク装置600を識別する情報として用いることができる。通信部640は、信号線150を介して、火災受信機300と各種信号の送受信を行う。マイク650は、マイク装置600(600a)の周囲の音をアナログの電気信号(音信号と言う)に変換する。A/Dコンバータ660は、マイク650から出力されたアナログの音信号をデジタルの音信号に変換する。
図14は、スピーカ装置700の構成を示すブロック図である。図14に示すように、スピーカ装置700は、制御部710、アドレス設定部730、通信部740、スピーカ750、及びD/Aコンバータ760を有し、これら各部はバス770を介して通信可能に接続されている。
制御部710は、CPU、ROM及びRAMを備え、CPUが、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、スピーカ装置700の各部を制御し、スピーカ装置700の様々な機能を実現する。アドレス設定部730は、スピーカ装置700のアドレスを設定するものである。通信部740は、信号線150を介して、火災受信機300と各種信号の送受信を行う。D/Aコンバータ760は、制御部710のROMに記憶された警報音データまたは警報メッセージデータをアナログの音信号に変換し、スピーカ750に供給する。スピーカ750は、D/Aコンバータ760から供給されるアナログ音信号に応じた音を出力する。
次に、上記のように構成された火災報知設備100aを有する火災通報システム1の各部の動作について説明する。図15は、変形例5における救助支援動作に関する火災受信機300の制御部310及び救助支援装置500の制御部510の機能を示すブロック図である。図15において、図8と共通する部分には同じ符号を付して詳しい説明を省略する。図15に示した火災受信機300の制御部310は、音信号加工部313を有する点が図8に示した制御部310と異なる。
上述したようにカメラ付火災感知器200(図15では図示省略)からの感知信号に基づいて火災が発生したと判定すると、火災判定部311は、スピーカ装置700に対して警報音または警報メッセージを出力するよう指示する警報出力命令を第2通信部360を介してスピーカ装置700に送信する。スピーカ装置700は、警報出力命令を受信すると、ROMに格納された警報音データまたは警報メッセージデータに基づいて、警報音または警報メッセージを音として出力する。警報音は例えばベル音でよく、警報メッセージは例えば「火災が発生しました。至急避難して下さい」といった内容のものであってよい。
また、火災判定部311は火災が発生したと判定すると、各部屋に配置されたマイク装置600及びスピーカ装置700の近傍に配置されたマイク装置600aの収音動作を開始させるべくマイク装置600、600aに動作開始命令を送信する。マイク装置600、600aは、動作開始命令を受信すると、周囲の音を電気信号(音信号)に変換する動作を開始し、生成した音信号を火災受信機300へと送信する。
火災受信機300の音信号加工部313は、第2通信部360を介して各マイク装置600及びマイク装置600aから送信された音信号を受信し、各マイク装置600からの音信号(第1音信号)を、マイク装置600aからの音信号(第2音信号)を用いて加工し、第1音信号に含まれるスピーカ装置700から発生された音に起因する音信号成分が除去または低減された加工済み第1音信号を生成する。具体的には、例えば、第2音信号をk倍(0<k<1)し、位相を反転した後、所定の遅延時間tだけ遅らせて第1音信号に加える処理をすることで加工済み第1音信号を生成する。このとき、第2音信号を用いて第1音信号を加工する際に用いられるパラメータ(k、t)の値は、マイク装置600ごとに異なり得る。即ち、マイク装置600とマイク装置600aとの距離が大きくなると、遅延時間tは大きくなり、kの値は小さくなる傾向がある。また、kの値は、各マイク装置600の音響特性(指向性や周波数特性など)や、マイク装置600とマイク装置600aとの間に位置する物(例えば、壁)の属性(大きさ、厚さ、材料など)などに応じて変わり得る。これらのパラメータの値のように各マイク装置600からの第1音信号の加工に必要な情報は、事前に試験を行うことによって各マイク装置600毎に予め求め、各マイク装置600の識別情報(例えばアドレス)に対応づけて記憶部320に格納しておくとよい。音信号加工部313は、各マイク装置600からの第1音信号の加工を行う際、記憶部320にアクセスし、当該マイク装置600に対応する情報を読み出す。音信号加工部313により生成された各マイク装置600に対応する加工済み第1音信号は、在室判定部312に供給される。
在室判定部312は、音信号加工部313から供給される各マイク装置600に対応する加工済み第1音信号に基づいて、各マイク装置600の近傍(この例では、各マイク装置600が設置された部屋内)に人がいるか判定する。具体的には、在室判定部312は、加工済み第1音信号に、人の声を表す音信号成分が含まれていると判定される場合、その加工済み第1音信号に対応するマイク装置600が設置された部屋に人がいると判定する。加工済み第1音信号に、人の声を表す音信号成分が含まれているかの判定は、例えば、予め、「助けて」などの音声や悲鳴を表す音声信号を記憶部320に記憶しておき、加工済み音信号を、記憶部320に記憶された音声信号と比較することにより行ってよい。加工済み音信号の一部と記憶部320に記憶された音声信号の類似度が予め定められた閾値より高い場合、加工済み第1音信号に、人の声を表す音信号成分が含まれていると判定してよい。尚、記憶部320に記憶しておく音声信号は、全ての部屋(即ち、全てのマイク装置600)に対して共通でなくてよく、部屋毎(即ち、マイク装置600毎)に変えてもよい。例えば、各部屋に居住する人が特定される場合、各部屋に居住する人の声で発せられた「助けて」などの音声を表す音声信号を各部屋(即ち、各マイク装置600)に対応付けて記憶部320に記憶してよい。
在室判定部312は、各部屋における在室判定(即ち、逃げ遅れた人がいるかいないかの判定)の結果を示す情報を、記憶部320に格納された各マイク装置600を識別する識別情報(例えば、マイク装置600に割り当てられたアドレスAD)に関連付けて、第1通信部350を介して、救助支援装置500に送信する。また、本例において、救助支援装置500に送信される監視対象施設の平面図データには、各カメラ付火災感知器200の設置位置を示すカメラ位置情報に加えて、あるいはそれに代えて、各マイク装置600の設置位置を示すマイク位置情報が含まれる。第1通信部350は、本発明に係る出力手段の一例である。
火災受信機300から第1通信部350を介して送信された各マイク装置600の識別情報、各マイク装置600が設置された部屋における在室判定結果を示す情報、及び監視対象施設の平面図データ(マイク位置情報を含む)は、救助支援装置500の通信部550によって受信される。
救助支援装置500は、上述した実施形態と同様に、救助者端末管理部511及び抽出部512を有する。救助者端末管理部511の機能は、上述した実施形態と同じである。また、抽出部512の機能は、カメラ位置情報の代わりにマイク位置情報を用いる以外は、上述した実施形態と同じである。即ち、抽出部512は、救助者端末管理部511から供給された、火災が発生した施設において救助活動を行う救助者によって所持されている各救助者端末400の位置情報に基づいて、通信部550を介して受信した施設の平面図データから、それぞれの救助者端末400の位置から予め定められた範囲の部屋の配置等を示す部分平面図データを抽出する。また、平面図データに含まれるマイク位置情報と、各救助者端末400の位置情報とに基づいて、それぞれの救助者端末400の位置から予め定められた範囲に位置するマイク装置600を抽出すると共に、抽出されたマイク装置600が設置された部屋における在室判定結果を抽出する。抽出部512は、こうして各救助者端末400に対して抽出された部分平面図データ(マイク位置情報を含む)及びマイク装置600が設置された部屋における在室判定結果を、各救助者端末400に送信する。
救助者端末400では、上述した実施形態と同様に、救助支援装置500から送られてきた情報に基づき、救助者支援情報を表示部430に表示する。
上述したように、本例においては、火災発生時に、マイク装置600により取得される音信号に基づいて、マイク装置600の近傍に逃げ遅れた人がいるか判定し、判定結果を当該マイク装置600の位置を示す情報とともに、予め定められた通報先に通知するものとしたので、建物等の施設にいる人が無線通信可能な端末のように特殊な装置を所持していなくても、当該施設において火災が発生した時に、逃げ遅れた人の位置を示す情報を所定の通報先に通知することができる。また、救助を行う救助者が所持する救助者端末400から予め定められた範囲に位置するマイク装置600を抽出すると共に、抽出されたマイク装置600が設置された部屋における在室判定結果を抽出して救助者端末400に送信するので、救助者端末400に不要な情報が表示される可能性が低減される。更に、火災発生時にスピーカ装置700から警報音や警報メッセージを出力する場合、スピーカ装置700から発生される音を収音するマイク装置600aを設け、各部屋に設置されたマイク装置600からの音信号(第1音信号)をマイク装置600aからの音信号(600a)に基づいて加工し、第1音信号に含まれるスピーカ装置700から発生された音に起因する音信号成分が除去または低減された加工済み第1音信号を生成して、この加工済み第1音信号に基づいて在室判定を行うものとしたので、スピーカ装置700から発生される音の影響が低減され、在室判定の精度が向上する。
(変形例6)
変形例5においては警報音等を発する発音装置としてスピーカ装置700を用いたが、本発明はこれに限定されない。スピーカ装置700の代わりに、または、それに加えて警報ベルを用いてもよい。この場合も、警報ベルから発せられる音をマイク装置で収音し、警報ベルからの音を表す音信号を用いて、在室判定に用いられる音信号に含まれる警報ベルから発せられた音に起因する音信号成分の除去または低減する処理を行うとよい。
(変形例7)
変形例5においては、スピーカ装置700からの音を収音するマイク装置600aをスピーカ装置700と別に設けたが、これらを一体としてもよい。これにより、マイク装置600aを設置する手間が軽減される。また、マイク装置600、600a及びスピーカ装置700は、火災感知器200とは別に設けたが、必要に応じて、火災感知器200と一体としてもよい。
(変形例8)
スピーカ装置700の用途は警報音や警報メッセージの生成に限定されず、施設内の放送(館内放送)に用いてもよい。例えば、火災受信機300にマイク装置を設け、所定のスイッチ(業務放送スイッチ)の操作に応じてマイク装置を信号線150に接続可能とし、マイク装置が信号線150に接続された状態でマイク装置に向かって発せられた音声をマイク装置で収音し、収音した音声を表す音声信号を信号線150を介してスピーカ装置700に送り、対応する音声をスピーカ装置700から出力してもよい。また、地域防災システムからの地震警報、津波警報、避難警報や、全国瞬時警報システム(通称:J-ALERT)からの警報等の緊急警報を受信する受信機装置(図示せず)を火災受信機300に接続し、受信した緊急警報を火災受信機300経由でスピーカ装置700に送り出力(館内放送)するようにしてもよい。尚、緊急警報に基づく館内放送を行っている際に、火災が感知された場合は、緊急警報に基づく館内放送を優先し、放送終了後に、火災警報を行ってよい。業務放送中に火災が感知された場合は、直ちに業務放送を中断して(即ち、火災受信機300に設けたマイク装置からスピーカ装置700への信号を遮断して)、火災警報動作を行ってよい。
(変形例9)
上述した実施形態におけるカメラ付火災感知器200からの映像信号に基づく在室判定と、変形例5におけるマイク装置600からの音信号に基づく在室判定を組み合わせて行ってもよい。例えば、同じ部屋に設けられたカメラ付き感知器200からの映像信号に基づく在室判定と、マイク装置600からの音信号に基づく在室判定の少なくとも一方で在室と判定された場合、在室と判定してよい。
(変形例10)
上記実施形態においては、カメラ付火災感知器200をグループホームの各部屋に設けたが、本発明はこれに限定されない。カメラ付火災感知器200は、監視対象施設の任意の箇所に設けてよく、例えば、廊下や階段などの共有エリアに設置し、カメラ付火災感知器200がこれらの場所で取得した映像に基づいて人がいるかの判定を行ってもよい。同様に、変形例5において、マイク装置600をグループホームの各部屋に設けたが、本発明はこれに限定されない。マイク装置600は、監視対象施設の任意の箇所に設けてよく、例えば、廊下や階段などの共有エリアに設置してもよい。
(変形例11)
上記実施形態において、カメラ付火災感知器200が設置された部屋における在室判定の結果を、カメラ付火災感知器200の位置に関連付けて救助者端末400に表示したが、本発明はこれに限定されない。カメラ付火災感知器200が設置された部屋における在室判定の結果を火災受信機300の表示部330や、救助支援装置500の表示部530に表示してもよい。それにより、火災受信機300の管理者(即ち、施設の管理者)や救護支援装置500のオペレータが逃げ遅れている人の位置を知り、例えば、救護者端末400に電話により通知するなど、適切な対応を行うことができる。
(変形例12)
制御部210、310、410、510の機能を実現するプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、各制御部がアクセス可能な記憶装置にインストールしてもよい。また、通信回線を介してダウンロードしインストールしてもよい。
上記実施形態において、救助支援装置500は消防機関等に設置され、救助者端末400は消防隊員が携帯するものとして説明したが、その他の通報先などにも本発明を適用することができる。
(付記)
付記1に係る救助活動支援システムは、監視対象の施設における火災の発生を感知する火災感知器と、前記施設内に設置され収音した音を表す第1音信号を生成する複数の第1マイク装置と、前記火災感知器により火災の発生が感知されたとき、各第1マイク装置により生成された第1音信号に基づいて各第1マイク装置の近傍に人がいるか判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を示す情報を、各第1マイク装置の位置を示すマイク位置情報とともに出力する出力手段とを有する。
また、付記2に係る救助活動支援システムは、付記1に記載の態様において、前記火災感知器により火災の発生が感知されたとき、火災の発生を示す音を発生する発音装置と、前記複数の第1マイク装置よりも前記発音装置に近接して配置され、前記発音装置から発生された音を収音し、収音した音を表す第2音信号を生成する第2マイク装置と、前記第2音信号を用いて各第1マイク装置により生成される第1音信号を加工して、前記第1音信号に含まれる前記発音装置から発生された音に起因する音信号成分が除去または低減された加工済み第1音信号を生成する音信号加工手段とを有し、前記判定手段は、各第1マイク装置に対応する前記加工済み第1音信号に基づいて、各第1マイク装置の近傍に人がいるか判定する。
また、付記3に係る救助活動支援システムは、付記2に記載の態様において、前記第2マイク装置は、前記発音装置に一体に設けられている。
また、付記4に係る救助支援システムは、付記1乃至3のいずれか一項に記載の態様において、前記出力手段は、前記判定手段による判定結果を示す情報及び各第1マイク装置の位置を示すマイク位置情報を、予め定められた通報先に設けられた救助支援装置に通知する通知手段を有し、前記救助支援装置は、前記判定手段による判定結果を示す情報及び各第1マイク装置の位置を示すマイク位置情報を前記通知手段から受信する受信手段と、火災が感知された前記監視対象施設において救助活動を行う救助者が所持する救助者端末を特定する特定手段と、前記受信手段が受信した前記判定手段による判定結果を示す情報及び各第1マイク装置の位置を示すマイク位置情報を、前記特定手段により特定された救助者端末に送信する送信手段とを有する。
また、付記5に係る救助支援システムは、付記4に記載の態様において、前記救助支援装置は、前記救助者が所持する救助者端末の位置を示す情報を取得する端末位置情報取得手段と、前記マイク位置情報と前記端末位置情報取得手段により取得される前記救助者端末の位置を示す情報とに基づいて、前記複数の第1マイク装置のうち、前記救助者端末の位置から予め定められた範囲内に位置する第1マイク装置を抽出する抽出手段とを有し、前記送信手段は、前記抽出手段が抽出した第1マイク装置の近傍に人がいるかの判定結果を前記抽出された第1マイク装置の位置を示すマイク位置情報とともに救助者端末に送信する。
(付記の効果)
付記1に係る構成によれば、建物等の施設にいる人が無線通信可能な端末のように特殊な装置を所持していなくても、当該施設において火災が発生した時に、逃げ遅れた人の位置を検知することができる。
また、付記2に係る構成によれば、発音装置から火災の発生を示す音が発生される場合に、判定手段による第1マイク装置の近傍に人がいるかの判定の精度を向上することができる。
また、付記3に係る構成によれば、発音装置からの音を収音するための第2マイク装置が発音装置と別に設置される場合と比べて、第2マイク装置を設ける手間が軽減される。
また、付記4に係る構成によれば、建物等の施設にいる人が無線通信可能な端末のように特殊な装置を所持していなくても、当該施設において火災が発生した時に、逃げ遅れた人の位置を示す情報を、前記施設において救助活動を行う救助者が所持する救助者端末に送ることができる。
また、付記5に係る構成によれば、救助者端末に不要な情報が表示される可能性が低減される。
上述した課題を解決するため、本願の請求項1に係る救助活動支援システムは、監視対象の施設に設置された火災感知器と、前記施設内に設置された複数の人監視装置と、各人監視装置からの信号に基づいて各人監視装置の監視エリア又は近傍に人がいるか判定する人判定手段と、表示部を有し、救助活動を行う救助者が所持する救助者端末と、複数の救助者端末に関する端末情報を予め格納するとともに、当該端末情報として、各救助者端末の位置を示す端末位置情報を格納する端末管理テーブルを有し、当該端末位置情報から前記施設を特定する情報に対応する救助者端末を抽出し、抽出した救助者端末を、前記施設において救助活動を行う救助者によって所持されている救助者端末であると特定する救助者端末管理手段と、前記救助者端末管理手段によって抽出された救助者端末に対して、各人監視装置の位置を示す装置位置情報とともに前記人判定手段による判定結果を示す人判定結果情報を出力する出力手段とを備え、前記救助者端末は、前記出力手段より出力された前記人判定結果情報及び前記装置位置情報を前記表示部に表示することを特徴とする。
本願の請求項2に係る救助活動支援システムは、請求項1に記載の態様において、前記救助者が所持する救助者端末の位置を示す端末位置情報を取得する端末位置情報取得手段を有し、前記救助者端末は、前記端末位置情報取得手段により取得された前記端末位置情報を表示することを特徴とする。
本願の請求項3に係る救助活動支援システムは、請求項2に記載の態様において、前記装置位置情報と前記端末位置情報とに基づいて、前記複数の人監視装置のうち、前記救助者端末の位置から予め定められた範囲内に位置する人監視装置を抽出する抽出手段を有し、前記救助者端末は、前記抽出手段が抽出した人監視装置の人判定結果情報及び装置位置情報を表示することを特徴とする。