JP2017106798A - 測位プログラム、測位方法及び測位装置 - Google Patents

測位プログラム、測位方法及び測位装置 Download PDF

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Abstract

【課題】測位精度の低下を抑制すること。【解決手段】サーバ装置10は、測位に用いる電波の発信元の送信電力を特定する情報を受け付ける処理と、電波の発信元ごとに送信電力が対応付けられた第1情報を参照して、受け付けた電波の発信元の送信電力に変化があるか否かを判定する処理と、区分けされた領域ごとに当該領域で観測される各発信元からの受信電力が対応付けられた第2情報のうち、送信電力に変化がある発信元に関する受信電力を更新する処理と、測位を実行する装置に更新後の第2情報を通知する処理とを実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、測位プログラム、測位方法及び測位装置に関する。
無線LAN(Local Area Network)のAP(Access Point)などの基地局が送信する信号を携帯端末が受信する強度、いわゆるRSSI(Received Signal Strength Indicator)を用いて携帯端末の位置を検知する技術が提案されている。例えば、事前に屋内の各地点におけるRSSIを保持しておき、観測されたRSSIとの間で比較することによって携帯端末の現在位置を特定する。
特開2013−250213号公報 特開2012−112865号公報
しかしながら、上記の技術では、次のように、測位精度が低下する場合がある。
例えば、たとえ同一の地点であっても、無線LANのAPの配置が変更されたり、携帯端末が在圏するエリアのレイアウトが変更されたりすると、変更の前後で観測される受信信号強度も変化する場合がある。この他、無線LANのAPには、電波の干渉回避策として、出力する電波の強度を低減させる機能、いわゆるTPCが搭載される。これによっても、同一の地点で観測される受信信号強度が変化する。これらの様々な要因により、同一の地点で観測される受信信号強度が変化する結果、測位精度が低下する場合がある。
1つの側面では、本発明は、測位精度の低下を抑制できる測位プログラム、測位方法及び測位装置を提供することを目的とする。
一態様では、測位に用いる電波の発信元の送信電力を特定する情報を受け付ける処理と、前記電波の発信元ごとに前記送信電力が対応付けられた第1情報を参照して、前記受け付けた電波の発信元の送信電力に変化があるか否かを判定する処理と、区分けされた領域ごとに当該領域で観測される各発信元からの受信電力が対応付けられた第2情報のうち、前記送信電力に変化がある発信元に関する受信電力を更新する処理と、前記測位を実行する装置に更新後の前記第2情報を通知する処理とをコンピュータに実行させる。
測位精度の低下を抑制できる。
図1は、実施例1に係るエリア検知システムの構成を示す図である。 図2は、実施例1に係るエリア検知システムに含まれる各装置の機能的構成を示すブロック図である。 図3は、強度記憶部に記憶される情報の構成例を示す図である。 図4は、学習データの更新方法の一例を示す図である。 図5は、学習データの更新方法の一例を示す図である。 図6は、実施例1に係る送信出力強度の通知処理の手順を示すフローチャートである。 図7は、実施例1に係る学習データの生成処理の手順を示すシーケンスである。 図8は、実施例1に係る学習データの更新処理の手順を示すフローチャートである。 図9は、更新方法の応用例を示す図である。 図10は、実施例1及び実施例2に係る測位プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
以下に添付図面を参照して本願に係る測位プログラム、測位方法及び測位装置について説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[システム構成]
図1は、実施例1に係るエリア検知システムの構成を示す図である。図1に示すエリア検知システム1は、無線LAN(Local Area Network)のAP(Access Point)30A〜30Cからの受信信号強度(Received Signal Strength Indicator:RSSI)を用いて、携帯端末50が在圏するエリアを検知する測位処理を実行するものである。
図1に示すように、エリア検知システム1には、サーバ装置10と、AP30A〜30Cと、携帯端末50とが含まれる。なお、図1には、3つのAP30A〜30Cがサーバ装置10に接続される場合を図示したが、これに限定されず、サーバ装置10は任意の数のアクセスポイントを収容できる。以下では、AP30A〜30Cの各装置を区別なく総称する場合には、「AP30」と記載する場合がある。
図1に示すエリア検知システム1において、サーバ装置10及びAP30は、一例として、有線LAN5を介して接続される。また、携帯端末50は、AP30から電波が届く範囲、いわゆるセル内に携帯端末50が位置する場合、AP30A〜30CのうちいずれかのAP30が構築する無線LANに収容される。このように携帯端末50が無線LANを介してAP30に接続される場合、サーバ装置10及び携帯端末50は、互いに通信を行うことができる。
ここで、施設3は、エリアの検知精度に影響を与える因子、例えばエリアの数、AP30の数やエリア間の電波環境の類似性などを基準に、複数のエリアに区分けされる。例えば、エリアの数が減少するにつれてエリアの検知精度が向上する公算が高まる。また、AP30の数が増加するにつれてエリアの検知精度が向上する公算が高まる。さらに、各エリアの間で測定されるRSSIの類似性が低くなるにつれてエリアの検知精度も向上する公算が高まる。
これらの基準の下、図1には、あくまで一例として、施設3がE1〜E3の3つのエリアに区分けされる場合が示されている。図1には、エリア数が「3」である場合を例示したが、これはあくまで一例であり、施設3を任意の数のエリアで区分けすることができる。また、図1には、各AP30のセルの図示を省略したが、AP30A、AP30B及びAP30Cの各セルには、施設3全域が収容されることとする。これは、携帯端末50が施設3のいずれの位置に存在するでも、AP30A、AP30B及びAP30CからRSSIを測定させるためである。なお、図1には、AP30A、AP30B及びAP30Cの3つのAP30を例示したが、これはあくまで一例であり、施設3には、任意の数のAP30を設置することができるのは言うまでもない。
このようなエリアの区分けの下、上記の測位処理には、事前にAP30からのRSSIを測定できる携帯端末50を持ちながら各エリアを歩き回ることにより収集された学習サンプルが用いられる。かかる学習サンプルには、一例として、AP30の識別情報、例えば無線LANのBSSID(Basic Service Set Identification)、RSSIおよび当該RSSIが測定されたエリアの識別情報を含む項目を採用できる。このように各エリアで収集される学習サンプルを用いて、携帯端末50で無線LANのBSSIDごとに観測されるRSSIがいずれのエリアで収集されたサンプルに類似するかを推定することにより、携帯端末50が在圏するエリアを検知する。
ここで、上記の測位処理の一環として、エリア検知システム1は、無線LANの各AP30のうち送信出力の強度に変化があったAP30に関する学習サンプルのRSSIを更新し、更新後の各AP30のRSSIと携帯端末50で観測される各AP30のRSSIとを比較することにより、上記の測位処理を実行する。つまり、エリア検知システム1では、AP30の送信出力の強度に変化に合わせて当該AP30に関する学習サンプルのRSSIを更新する更新処理が実現される。これによって、例えば、無線LANのAP30A〜30Cの配置変更、無線LANのAP30A〜30Cが設置される環境のレイアウト変更、あるいはTPCによる送信出力の制御などの要因により、一部または全部の無線LANのAP30における送信出力が変化する前のRSSIが測位処理に用いられるのを抑制する。
以下では、あくまで一例として、上記の更新処理がサーバ装置10により実行されると共に、上記の測位処理が携帯端末50により実行される場合を想定して以下の説明を行う。なお、ここでは、測位処理が携帯端末50により実行される場合を例示するが、サーバ装置10が携帯端末50で観測される各AP30のRSSIを取得できる場合、更新処理および測位処理の両方をサーバ装置10で実行させることとしてもかまわない。
携帯端末50は、可搬型の端末装置である。かかる携帯端末50には、一例として、スマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)などの移動体通信端末のみならず、タブレット端末やスレート端末などがその範疇に含まれる。
一実施形態として、携帯端末50は、パッケージソフトウェア又はオンラインソフトウェアとして、上記の測位処理を実現する測位プログラムをインストールすることによって実装できる。かかる測位処理により得られたエリアの検知結果は、各種のサービスに利用できる。例えば、携帯端末50は、携帯端末50のユーザがチェックインしたエリアで使用させるアプリケーションプログラムを起動したり、当該エリアのチェックアウト後にはアプリケーションプログラムの動作を終了させたりすることもできる。かかるエリアの一例として、携帯端末50が会議室に進入した場合には、会議に用いられる資料のファイルをワープロソフト、表計算ソフトやプレゼンテーションソフトで開いたり、携帯端末50が会議室から離脱した場合、展開中の資料のファイルを閉じたりすることができる。この他、携帯端末50は、動作中のアプリケーションプログラムにエリアの検知結果を変数として入力したりすることもできる。
AP30は、基地局の一種である。
一実施形態として、AP30は、携帯端末50等の無線LANクライアントを相互に接続したり、携帯端末50等の無線LANクライアントを他のネットワーク、例えば有線LANや図示しないインターネットなどに接続したりする。
サーバ装置10は、上記の更新処理に関するサービスを携帯端末50等のクライアントに提供するコンピュータである。
一実施形態として、サーバ装置10は、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして上記の更新処理を実現する更新プログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、サーバ装置10は、上記の更新処理の他、携帯端末50が在圏するエリアに対応するサービスをさらに提供することもできる。一例として、サーバ装置10は、携帯端末50のユーザがチェックインしたエリアで使用させるアプリケーションプログラムをプッシュしたり、当該エリアのチェックアウト後にはアプリケーションプログラムを削除させたりすることもできる。例えば、各エリアが商店街に含まれる店舗である場合、ユーザがチェックインした店舗に対応するクーポンを配布したり、ユーザがチェックアウトした店舗のクーポンを削除したりすることができる。この他、サーバ装置10は、携帯端末50が在圏するエリア及びエリアへの在圏が検知された時間などを用いて、退勤管理を実現したり、各エリアへの入退室管理を実現したりすることもできる。このようにエリアに対応するサービスがサーバ装置10により実行される場合、上記の測位処理は、サーバ装置10により実行させることとしてもかまわない。
[AP30の構成]
次に、本実施例に係るAP30の機能的構成について説明する。図2は、実施例1に係るエリア検知システム1に含まれる各装置の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、AP30は、無線受信部31aと、無線送信部31bと、有線受信部32aと、有線送信部32bと、転送処理部33と、強度通知部34とを有する。なお、AP30は、図2に示す機能部以外にも、既知のアクセスポイントが有する機能部をさらに有することとしてもかまわない。
無線受信部31a及び無線送信部31bは、図示しないアンテナを介して、AP30のセル内に存在する携帯端末50等の無線LANクライアントとの間で信号の送受信を行う処理部である。一方、有線受信部32a及び有線送信部32bは、図示しない有線ケーブル等を介して接続される他の装置、例えばサーバ装置10等との間で信号の送受信を行う処理部である。
転送処理部33は、データを転送する処理部である。
一実施形態として、転送処理部33は、携帯端末50から無線受信部31aを介して受信したデータ、例えばRSSIの学習サンプルやエリアの検知結果などを有線送信部32bを介してサーバ装置10へ送信する。また、転送処理部33は、サーバ装置10から有線受信部32aを介して受信したデータ、例えば後述する学習データを無線送信部31bを介して携帯端末50へ送信する。
強度通知部34は、AP30に関する送信出力の強度をサーバ装置10へ通知させる処理部である。
一実施形態として、強度通知部34は、一例として、上記の学習サンプルから学習データが生成される段階で上記の通知を行うが、学習データが生成された以降も継続して上記の通知を行う。
例えば、全ての学習サンプルが収集されることにより学習サンプルから学習データが生成された場合、当該学習データの生成に用いられた各学習サンプルに学習サンプルの収集時に測定された各AP30の送信出力の強度を対応付けるために、後述のサーバ装置10から各AP30へ送信出力の強度に関する通知がリクエストされる。この場合、強度通知部34は、上記のリクエストにしたがって無線送信部31bが信号を送信する出力強度を有線送信部32bを介してサーバ装置10へ送信する。
また、上記の学習データが生成された以降にも、強度通知部34は、サーバ装置10から有線受信部32aを介して送信出力の強度を通知するリクエストを受け付けた場合、無線送信部31bが信号を送信する出力強度を有線送信部32bを介してサーバ装置10へ送信する。ここで、強度通知部34は、必ずしもオンデマンドでAP30に関する送信出力の強度をサーバ装置10へ通知せずともかまわない。例えば、強度通知部34は、一定の周期で通知を行うこともできる。すなわち、強度通知部34は、前回にサーバ装置10へ通知を行ってから所定の期間、例えば10分間が経過した場合、無線送信部31bが信号を送信する出力強度を有線送信部32bを介してサーバ装置10へ送信する。また、強度通知部34は、定期時刻、例えば12時、18時などに無線送信部31bが信号を送信する出力強度を有線送信部32bを介してサーバ装置10へ送信することもできる。この他、強度通知部34は、TPCによる送信出力の制御により送信出力の強度に変化がある場合、変化後の送信出力の強度を有線送信部32bを介してサーバ装置10へ送信することもできる。
このように、強度通知部34は、上述のように、任意の契機でAP30に関する送信出力の強度をサーバ装置10へ通知することができる。このように強度通知部34が通知を実行する契機は、サーバ装置10が上記の契機の中から任意のものを選択して設定することができる。
[携帯端末50の構成]
図2に示すように、携帯端末50は、無線受信部51aと、無線送信部51bと、測定部52と、検知部53とを有する。なお、携帯端末50は、図2に示した機能部以外にも既知のスマートフォン、携帯電話機やPHSなどの移動体通信端末、あるいはタブレット端末やスレート端末などが有する機能部をさらに有することとしてもよい。
無線受信部51a及び無線送信部51bは、図示しないアンテナを介して、AP30との間で信号の送受信を行う処理部である。
測定部52は、RSSIを測定する処理部である。
一実施形態として、測定部52は、AP30ごとにRSSIを測定する。かかるRSSIの測定は、一例として、上記の測位処理が実行される場面の他、学習サンプルが収集される場面でも実行される。例えば、学習サンプルが収集される場合、RSSIの測定の前、後または同時のいずれかの時点で、測定部52は、RSSIの測定が行われるエリアまたはエリアの識別情報、例えば番号や名称などの入力を受け付ける。その後、測定部52は、RSSIの測定が行われたエリアの識別情報と各AP30のRSSIの測定結果とが対応付けられた学習サンプルをサーバ装置10へ送信する。ここで、学習サンプルの収集は、1つのエリアにつき任意の回数にわたって実施することができる。さらに、同一のエリアで複数の学習サンプルが収集される場合、エリア内で携帯端末50が在圏する位置を変えて学習サンプルを収集できる。一方、上記の測位処理が実行される場合、測定部52は、携帯端末50上で動作するアプリケーションプログラムやサーバ装置10により測位の開始が指示されることを契機に、各AP30のRSSIの測定結果を検知部53へ出力する。
検知部53は、携帯端末50が在圏するエリアを検知する処理部である。
一実施形態として、検知部53は、サーバ装置10により学習サンプルから生成される学習データを受け付ける度に、当該学習データにしたがって下記のエリアの判定モデルを生成する。すなわち、検知部53は、エリアごとに各AP30のRSSIの測定結果に関するヒストグラムが対応付けられた学習データを機械学習することにより、測定部52により測定される各AP30のRSSIの測定結果をエリア、例えば図1に示すエリアE1、E2またはE3のいずれかへ分類する判定モデルを生成する。このように機械学習を行う場合、一例として、k近傍法、サポートベクタマシンやニューラルネットワークなどの任意の手法を適用することができる。かかる判定モデルは、機械学習が行われた段階で図示しない内部メモリのワークエリア等に保存された後、上記の測位処理が行われる段階で参照される。なお、機械学習は、必ずしも携帯端末50で実行されずともよく、他の装置で生成された判定モデルを内部メモリのワークエリア等に保存しておくこととしてもかまわない。
このように判定モデルが生成された状況の下、検知部53は、測定部52により各AP30のRSSIが測定された場合、上記の判定モデルにしたがって測定部52により測定された各AP30のRSSIをいずれかのエリアへ分類することにより、携帯端末50が在圏するエリアを検知する。
なお、上記の測定部52及び検知部53などの処理部は、次のようにして実装できる。例えば、CPU(Central Processing Unit)などの中央処理装置に、上記の測定部52及び検知部53と同様の機能を発揮するプロセスをメモリ上に展開して実行させることにより実現できる。これらの処理部は、必ずしも中央処理装置で実行されずともよく、MPU(Micro-Processing Unit)に実行させることとしてもよい。また、上記の各機能部は、ハードワイヤードロジックによっても実現できる。
[サーバ装置10の構成]
図2に示すように、サーバ装置10は、有線通信部11と、生成部12と、学習データ記憶部13と、強度登録部14と、強度記憶部15と、更新部16と、通知部17とを有する。なお、サーバ装置10は、図2に示した機能部以外にも既知のコンピュータが有する機能部をさらに有することとしてもよい。
有線通信部11は、有線LANを介して、他の装置、例えばAP30や携帯端末50との間で通信を行う処理部である。
一実施形態として、有線通信部11は、LANカードなどのネットワークインタフェースカードを採用できる。例えば、有線通信部11は、送信出力の強度をサーバ装置10へ通知するリクエストをAP30へ送信したり、各AP30から当該AP30に関する送信出力の強度を受信したりする。また、有線通信部11は、携帯端末50から学習サンプルを受信したり、サーバ装置10により生成または更新が行われた学習データを携帯端末50へ送信したりする。
生成部12は、学習データを生成する処理部である。
一実施形態として、生成部12は、携帯端末50から収集される学習サンプルから学習データを生成する。ここで、生成部12は、学習データの一例として、区分けが行われたエリアごとに、当該エリアで測定された各AP30のRSSIに関するヒストグラムが対応付けられたデータを生成する。例えば、生成部12は、携帯端末50から学習サンプルが通知される度に、区分けが行われたエリアのうち当該学習サンプルに含まれるRSSIの測定が行われたエリアに関するヒストグラムの度数をAP30ごとに更新する。このようにヒストグラムの度数を更新する場合、生成部12は、ヒストグラムに含まれる階級のうちAP30のRSSIが含まれるRSSIの階級に対応する度数をインクリメントする処理をAP30ごとに実行する。その後、生成部12は、全ての学習サンプルが収集されるまで、上記のヒストグラムの度数の更新を繰り返し実行する。この結果、携帯端末50から収集される学習サンプルから学習データが生成される。このように生成された学習データは、学習データ記憶部13へ登録される。なお、ここでは、各AP30のRSSIに関するヒストグラムを学習データとして生成する場合を例示したが、各AP30のRSSIに関する確率分布を学習データとして生成することとしてもかまわない。
強度登録部14は、AP30から通知される送信出力の強度を強度記憶部15へ登録する処理部である。
一実施形態として、強度登録部14は、生成部12により学習データが生成された場合、各AP30に対し、当該AP30の送信出力の強度を通知するように指示する。かかる指示にしたがってAP30から送信出力の強度が返信された場合、強度登録部14は、各AP30に関する送信出力の強度を強度記憶部15へ登録する。これによって、強度記憶部15には、AP30ごとに送信出力の強度の初期値が登録されることになる。その後、強度登録部14は、AP30から送信出力の強度が通知される度に、強度記憶部15に記憶された送信出力の強度のうち当該通知を行ったAP30に関する送信出力の強度を更新する。
更新部16は、学習データを更新する処理部である。
一実施形態として、更新部16は、強度記憶部15にAP30ごとに記憶された送信出力の強度が更新される度に、当該更新の前後でAP30の送信出力の強度に変化があるか否かを判定する。このとき、更新部16は、更新の前後でAP30の送信出力の強度に変化がある場合、学習データ記憶部13に記憶された学習データのうち送信出力の強度に変化があったAP30に関する学習データを更新する。具体的には、更新部16は、更新後の送信出力の強度と更新前の送信出力の強度との差分にしたがって送信出力の強度に変更があったAP30に関するヒストグラムを学習データに含まれるエリアごとに更新する。例えば、更新部16は、上記の差分の符号が正である場合、ヒストグラムに含まれる各度数の階級を正の方向へシフトさせる一方で、上記の差分の符号が負である場合、ヒストグラムに含まれる各度数の階級を負の方向へシフトさせる。このようにヒストグラムをシフトさせる場合、必ずしも差分が階級の幅の整数倍になるとは限らず、階級の幅が大きくなるにつれて差分が階級の幅の整数倍にならない可能性が高まる。このため、差分が階級の幅の整数倍にならない場合、更新部16は、差分が階級の幅で除算された商に対応する階級数の分、ヒストグラムをシフトさせる。なお、差分<階級の幅である場合、ヒストグラムはシフトされない。
通知部17は、学習データを携帯端末50へ通知する処理部である。
一実施形態として、通知部17は、生成部12により学習データが学習データ記憶部13へ登録された場合、当該学習データを携帯端末50へ通知する。その後、通知部17は、学習データ記憶部13に記憶された学習データが更新部16により更新された場合、当該更新後の学習データを携帯端末50へ通知する。
なお、上記の生成部12、強度登録部14、更新部16及び通知部17などの処理部は、次のようにして実装できる。例えば、CPUなどの中央処理装置に、上記の生成部12、強度登録部14、更新部16及び通知部17と同様の機能を発揮するプロセスをメモリ上に展開して実行させることにより実現できる。これらの処理部は、必ずしも中央処理装置で実行されずともよく、MPUに実行させることとしてもよい。また、上記の各機能部は、ハードワイヤードロジックによっても実現できる。
また、学習データ記憶部13、強度記憶部15や上記の各処理部がワークエリアとして参照する主記憶装置には、一例として、各種の半導体メモリ素子、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリを採用できる。また、上記の各処理部が参照する記憶装置は、必ずしも主記憶装置でなくともよく、補助記憶装置であってもかまわない。この場合、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスクやSSD(Solid State Drive)などを採用できる。
[具体例]
次に、図3〜図5を用いて、上記の学習データの更新に関する具体例を説明する。図3は、強度記憶部15に記憶される情報の構成例を示す図である。図4及び図5は、学習データの更新方法の一例を示す図である。図4及び図5に示すグラフの縦軸は、度数を指し、横軸は、強度(dBm)を指す。さらに、図4及び図5に示すヒストグラムの階級の幅は、5dBm刻みであることとする。
図3に示すように、強度記憶部15には、あくまで一例として、時刻、SSID、BSSID及び送信Powerなどの項目が対応付けられたデータが記憶される。ここで言う「時刻」とは、AP30から送信出力の強度が通知された時刻を指す。また、「SSID」は、各AP30を識別する識別情報を指す。また、「BSSID」は、無線LANの識別情報を指し、一例として、MACアドレスが用いられる。さらに、「送信Power」は、AP30の送信出力の強度を指し、一例として、強度は「dBm」で表記されている。
図3の上段には、学習データが生成された段階で各AP30から通知された送信出力の強度が示されている。図3の上段に示す1番目のレコードでは、SSID「30A」で識別される無線LANのAP30Aが信号を送信する出力強度が「0dBm」であり、これが2014年11月21日の11時22分33秒にAP30Aから通知されたことを意味する。同様に、図3の上段に示す2番目のレコードでは、SSID「30B」で識別される無線LANのAP30Bが信号を送信する出力強度が「+5dBm」であり、これが2014年11月21日の11時56分21秒にAP30Bから通知されたことを意味する。さらに、同様に、図3の上段に示す3番目のレコードでは、SSID「30C」で識別される無線LANのAP30Cが信号を送信する出力強度が「−5dBm」であり、これが2014年11月21日の12時12分45秒にAP30Cから通知されたことを意味する。
このように、学習データが生成された段階では、図3の上段に示す状態であった送信出力の強度が図3の下段に示す状態へ変化したとする。図3の下段には、AP30A〜30CのうちAP30Aから送信出力の強度がサーバ装置10へ通知されることにより、図3の上段に示したレコードのうち当該AP30Aに対応するレコードが更新された例が示されている。図3の下段に示す通り、AP30Aに対応するレコード、すなわち1番目のレコードには更新が行われている一方で、AP30A以外のレコード、すなわちAP30B及びAP30Cに対応する2番目及び3番目のレコードには更新が行われていない。この場合、図3の下段の1番目のレコードに対する更新の前後でAP30Aの送信出力の強度に変化があるか否かが判定される。
ここで、更新前の送信出力の強度が「0dBm」である一方で更新後の送信出力の強度は「−5dBm」であり、その差分が−5dBmであるので、強度記憶部15の更新の前後でAP30Aの送信出力の強度に変化があることがわかる。この場合、学習データ記憶部13に記憶された学習データのうち送信出力の強度に変化があったAP30Aに関する学習データが更新される。すなわち、学習データには、E1、E2及びE3のエリアごとに、各AP30のRSSIのヒストグラムが対応付けられているが、AP30Aに関するヒストグラムに更新を行う一方で、AP30B及びAP30Cに関するヒストグラムには更新が行われない。
図4には、エリアE1に関する3つのAP30のヒストグラムのうちAP30AのRSSIのヒストグラムが抜粋して示されており、図4の上段には、更新前のヒストグラムが示される一方で、図4の下段には、更新後のヒストグラムが示されている。図3に示した通り、強度記憶部15の更新の前後で送信出力の強度の差分が−5dBmである場合、差分の符号が「負」であるので、図4の上段に示すAP30AのRSSIのヒストグラムは負の方向、すなわち右方向へシフトされる。このとき、差分と階級の幅が互いに5dBmであり、両者が一致するので、図4の上段に示すAP30AのRSSIのヒストグラムがシフトされるシフト量は階級1つ分となる。この結果、図4の下段に示す通り、AP30AのRSSIのヒストグラムがシフトされる。
図5には、エリアE2に関する3つのAP30のヒストグラムのうちAP30AのRSSIのヒストグラムが抜粋して示されており、図5の上段には、更新前のヒストグラムが示される一方で、図5の下段には、更新後のヒストグラムが示されている。図3に示した通り、強度記憶部15の更新の前後で送信出力の強度の差分が−5dBmである場合、差分の符号が「負」であるので、図4の場合と同様に、図5の上段に示すAP30AのRSSIのヒストグラムは負の方向、すなわち右方向へシフトされる。このとき、差分と階級の幅が互いに5dBmであり、両者が一致するので、図5の上段に示すAP30AのRSSIのヒストグラムがシフトされるシフト量は階級1つ分となる。
ところが、ヒストグラムがシフトされる以前に、当該ヒストグラムには、RSSIの測定に関する観測下限値を含む階級、すなわち図示の例では−100dBmを含む階級に度数が存在する。このようにヒストグラムに含まれる各度数の階級をシフトさせることにより、階級が観測下限値を下回るか、或いは上回る度数が存在する場合、当該度数の階級はシフトされずに当該階級よりも前の階級から観測下限値を含む階級へシフトされる度数と合計される。この結果、図5の下段に示す通り、AP30AのRSSIのヒストグラムがシフトされる。すなわち、図5の上段に示すヒストグラムにおける−95dBm〜−100dBmの階級、すなわち図中の斜線の塗り潰しの5度数が属する階級は、観測下限値である−100dBmを含む。よって、この階級に属する度数が右方向へ1つシフトされた場合、観測下限値を下回る階級にシフトされることになる。この場合、図中の斜線の塗り潰しの5度数は観測下限値を下回って階級はシフトされず、図5の下段に示す通り、−90dBm〜−95dBmの階級から−95dBm〜−100dBmの階級へシフトされる度数、すなわち図中の点の塗り潰しの4度数と合計される結果、−95dBm〜−100dBmの階級に属する度数が「9」となる。これ以外の度数は、1つずつ階級がシフトされる。なお、ここでは、図4及び図5を用いて、エリアE1及びE2に関するAP30AのRSSIのヒストグラムをシフトさせる場合を例示したが、エリアE3に関するAP30AのRSSIのヒストグラムのシフトも同様に実行される。
以上、図4及び図5に示した通り、AP30Aの送信出力の強度に変化に合わせて当該AP30Aに関する学習データのRSSIに関するヒストグラムを更新する更新処理が実現される。これによって、例えば、無線LANのAP30Aの配置変更、無線LANのAP30Aが設置される環境のレイアウト変更、あるいはTPCによる送信出力の制御などの要因により、AP30Aにおける送信出力が変化する前のRSSIが測位処理に用いられるのを抑制できる。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係るエリア検知システム1の処理の流れについて説明する。なお、以下では、AP30により実行される(1)送信出力強度の通知処理を説明した後にサーバ装置10、AP30及び携帯端末50により実行される(2)学習データの生成処理を説明し、その後、サーバ装置10により実行される(3)学習データの更新処理を説明することとする。
(1)送信出力強度の通知処理
図6は、実施例1に係る送信出力強度の通知処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、AP30の電源がON状態である限り、繰り返し実行される。図6に示すように、サーバ装置10から有線受信部32aを介して送信出力の強度を通知するリクエストを受け付けた場合(ステップS101Yes)、強度通知部34は、無線送信部31bが信号を送信する出力強度を有線送信部32bを介してサーバ装置10へ送信し(ステップS104)、ステップS101へ戻る。
また、前回にサーバ装置10へ通知を行ってから一定期間が経過した場合(ステップS102Yes)、強度通知部34は、無線送信部31bが信号を送信する出力強度を有線送信部32bを介してサーバ装置10へ送信し(ステップS104)、ステップS101へ戻る。
また、TPCによる送信出力の制御により送信出力の強度に変化があった場合(ステップS103Yes)、強度通知部34は、変化後の送信出力の強度を有線送信部32bを介してサーバ装置10へ送信し(ステップS104)、ステップS101へ戻る。
また、サーバ装置10からのリクエストがない場合、一定時間が経過していない場合、かつ送信出力の強度に変化がない場合(ステップS101No、ステップS102NoかつステップS103No)、AP30の送信出力の強度をサーバ装置10へ送信する処理を実行せずに、ステップS101へ戻る。
なお、ここでは、ステップS101、ステップS102またはステップS103のいずれかの条件を満たす場合にAP30の送信出力の強度をサーバ装置10へ送信する例を説明したが、これらのうち少なくとも1つの条件にしたがってAP30の送信出力の強度をサーバ装置10へ送信すればよく、必ずしも3つの条件を用いずともかまわない。
(2)学習データの生成処理
図7は、実施例1に係る学習データの生成処理の手順を示すシーケンスである。図7に示すように、携帯端末50の測定部52は、区分けが行われたエリア1〜エリアNごとに各AP30からのRSSIを測定する(ステップS201〜ステップS20N)。
その後、測定部52は、ステップS201〜ステップS20Nでエリアごとに測定された各AP30からのRSSIの測定結果に当該RSSIの測定が行われたエリアの識別情報が対応付けられた学習サンプルをサーバ装置10へ送信する(ステップS210)。
一方、強度通知部34は、ステップS201〜ステップS20Nで各AP30からのRSSIが測定される前、同時または後のいずれかのタイミングで当該AP30の送信出力の強度をサーバ装置10へ通知する(ステップS211)。なお、上記のタイミングは、ステップS201〜ステップS20Nにおける測定が開始される時点から遡って所定期間内であり、かつ後述のステップS213の処理が実行される前であれば任意のタイミングであってかまわない。
このように携帯端末50から学習サンプルが収集された後、生成部12は、次のような処理を実行する。すなわち、生成部12は、ステップS210で携帯端末50から収集された学習サンプルごとに、区分けが行われたエリア1〜Nのうち当該学習サンプルに含まれるRSSIの測定が行われたエリアiに関する各AP30のヒストグラムの度数を当該学習サンプルの測定結果にしたがって集計する。これによって、ステップS210で携帯端末50から収集された学習サンプルから学習データが生成される。このように生成された学習データは、生成部12により学習データ記憶部13へ登録される(ステップS212)。
これと共に、強度登録部14は、ステップS211で通知された各AP30に関する送信出力の強度、すなわちステップS201〜ステップS20Nで各AP30からのRSSIが測定された時点の近傍で各AP30が信号を送信する出力強度を強度記憶部15へ登録する(ステップS213)。
その後、通知部17は、ステップS212で生成された学習データを携帯端末50へ送信する(ステップS214)。
一方、携帯端末50の検知部53は、ステップS214で送信された学習データを機械学習することにより、測定部52により測定される各AP30のRSSIの測定結果をエリア1〜Nのいずれかへ分類する判定モデルを生成し(ステップS215)、処理を終了する。
なお、図7には、学習サンプルがサーバ装置10へ送信されるタイミング、すなわちステップS201〜ステップS20Nで各AP30からのRSSIが測定された後で送信出力の強度が送信される場合が図示されているが、上述の通り、それよりも前または同時に送信出力の強度をAP30に通知させることとしてもかまわない。
また、図7では、ステップS210で学習サンプルをまとめて送信する場合を例示したが、ステップS201、ステップS202、・・・、ステップS20Nで各AP30からのRSSIが測定される度に学習サンプルを送信することとしてもかまわない。
また、図7では、ステップS213の処理が実行されてからステップS214の処理が実行される場合を例示したが、これらの処理が実行される順序は逆であってもよいし、各処理が並列して実行されることとしてもかまわない。
(3)学習データの更新処理
図8は、実施例1に係る学習データの更新処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、生成部12により学習データが生成された後に繰り返し実行される処理である。図8に示すように、AP30の強度通知部34から当該AP30の送信出力の強度を受け付けると(ステップS301Yes)、サーバ装置10の強度登録部14は、強度記憶部15に記憶された送信出力の強度のうちステップS301で通知を行ったAP30に関する送信出力の強度を更新する(ステップS302)。
ここで、更新部16は、ステップS302の更新の前後でAP30の送信出力の強度に変化があるか否かを判定する(ステップS303)。このとき、AP30の送信出力の強度に変化がある場合(ステップS303Yes)、更新部16は、更新後の送信出力の強度と更新前の送信出力の強度との差分にしたがって学習データ記憶部13に記憶された学習データのうち送信出力の強度に変更があったAP30に関するヒストグラムを学習データに含まれるエリアごとに更新する(ステップS304)。
その後、通知部17は、ステップS304で更新が行われた学習データを携帯端末50へ通知し(ステップS305)、ステップS301の処理へ戻る。このように更新後の学習データが通知された携帯端末50では、更新後の学習データを機械学習することにより、新たな判定モデルが生成される。
[効果の一側面]
上述してきたように、本実施例に係るサーバ装置10は、無線LANの各AP30のうち送信出力の強度に変化があったAP30に関する学習サンプルのRSSIを更新し、更新後の各AP30のRSSIと携帯端末50で観測される各AP30のRSSIとを比較することにより、上記の測位処理を実行する。
つまり、エリア検知システム1では、AP30の送信出力の強度の変化に合わせて当該AP30に関する学習サンプルのRSSIを更新する更新処理が実現される。それ故、無線LANのAP30A〜30Cの配置変更、無線LANのAP30A〜30Cが設置される環境のレイアウト変更、あるいはTPCによる送信出力の制御などの要因により、一部または全部の無線LANのAP30における送信出力が変化する前のRSSIが測位処理に用いられるのを抑制する。したがって、本実施例に係るサーバ装置10によれば、測位精度の低下を抑制できる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
[更新方法の応用例]
上記の実施例1では、ヒストグラムに含まれる各度数の階級をシフトさせることにより学習データを更新する場合を例示したが、学習サンプルの更新を通じて学習データを更新することとしてもかまわない。
すなわち、更新後の送信出力の強度と更新前の送信出力の強度との差分が必ずしもヒストグラムに規定される階級の幅の整数倍になるとは限らない。このように差分が階級の幅の整数倍にならない場合、ヒストグラムに含まれる各度数の階級をシフトさせたとしても、あるいはシフトさせなかったとしても送信出力の強度の変化と学習データのヒストグラムの更新量とに誤差が生じることも考えられる。
このことから、サーバ装置10は、携帯端末50から収集された学習サンプルに含まれる測定結果を送信出力の強度の変化に合わせて更新し、更新後の学習サンプルから学習データを生成することもできる。
図9は、更新方法の応用例を示す図である。図9には、更新前後の学習データに含まれるヒストグラムのうち送信出力の強度に変化があったAP30のヒストグラムの一部の階級、すなわち−50dBm〜−55dBmが抜粋して示されると共に、当該階級に属する各度数に対応する学習サンプル(イ)〜(ホ)のRSSIの測定値が記入された状態で示されている。図9の上段には、更新前の学習データが示される一方で、図9の下段には、更新後の学習データが示されている。図9には、更新前の送信出力の強度と更新後の送信出力の強度との差分が−3dBmである例が示されている。図9に示すグラフの縦軸は、度数を指し、横軸は、強度(dBm)を指す。
図9の上段に示す通り、更新前の送信出力の強度と更新後の送信出力の強度との差分が−3dBmである場合、差分<階級の幅であるので、上記の実施例1の例にしたがえばヒストグラムはシフトされない。ところが、ヒストグラムがシフトされない場合、上記の5つの学習サンプルのうち学習サンプル(ロ)及び(ニ)は送信出力の強度の変化により−50dBm〜−55dBmの階級に収まらないので、測位精度の低下の一因となり得る。
このため、サーバ装置10は、学習サンプル(イ)〜(ホ)の測定結果を送信出力の強度の変化「−3dBm」に合わせて更新する。図9に示す例で言えば、サーバ装置10は、学習サンプル(イ)のRSSIの測定値を「−52dBm」から「−55dBm」へ更新し、学習サンプル(ロ)のRSSIの測定値を「−54dBm」から「−57dBm」へ更新し、学習サンプル(ハ)のRSSIの測定値を「−51dBm」から「−54dBm」へ更新する。さらに、サーバ装置10は、学習サンプル(ニ)のRSSIの測定値を「−53dBm」から「−56dBm」へ更新し、学習サンプル(ホ)のRSSIの測定値を「−52dBm」から「−55dBm」へ更新する。
このような更新が行われた学習サンプルから学習データが改めて生成された場合、更新後の学習サンプル(イ)〜(ホ)に対応する度数が属する階級は図9の下段に示す通りとなる。すなわち、更新後のRSSIの測定値が−55dBm以上である学習サンプル(イ)、(ハ)及び(ホ)に対応する度数は−50dBm〜−55dBmの階級のままであるが、更新後のRSSIの測定値が−55dBm以下である学習サンプル(ロ)及び(ニ)に対応する度数は−55dBm〜−60dBmの階級に分類されたヒストグラムを生成することができる。この結果、送信出力の強度の変化と学習データのヒストグラムの更新量との間に生じる誤差を低減できる。それ故、測位精度の低下も抑制できる。なお、更新後の送信出力の強度と更新前の送信出力の強度との差分が必ずしもヒストグラムに規定される階級の幅の整数倍にならない場合にしぼって上記の学習サンプルの更新を実行することもできる。これによって、差分が階級の幅の整数倍である場合には、ヒストグラムの各度数の階級をシフトさせることができるので、学習データの更新効率も高めることができる。
[測位プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図10を用いて、上記の実施例と同様の機能を有する測位プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
図10は、実施例1及び実施例2に係る測位プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。図10に示すように、コンピュータ100は、操作部110aと、スピーカ110bと、カメラ110cと、ディスプレイ120と、通信部130とを有する。さらに、このコンピュータ100は、CPU150と、ROM160と、HDD170と、RAM180とを有する。これら110〜180の各部はバス140を介して接続される。
HDD170には、図10に示すように、上記の実施例1で示した生成部12、強度登録部14、更新部16及び通知部17と同様の機能を発揮する測位プログラム170aが記憶される。この測位プログラム170aは、図2に示した生成部12、強度登録部14、更新部16及び通知部17の各構成要素と同様、統合又は分離してもかまわない。すなわち、HDD170には、必ずしも上記の実施例1で示した全てのデータが格納されずともよく、処理に用いるデータがHDD170に格納されればよい。
このような環境の下、CPU150は、HDD170から測位プログラム170aを読み出した上でRAM180へ展開する。この結果、測位プログラム170aは、図10に示すように、測位プロセス180aとして機能する。この測位プロセス180aは、RAM180が有する記憶領域のうち測位プロセス180aに割り当てられた領域にHDD170から読み出した各種データを展開し、この展開した各種データを用いて各種の処理を実行する。例えば、測位プロセス180aが実行する処理の一例として、図8等に示す処理などが含まれる。なお、CPU150では、必ずしも上記の実施例1で示した全ての処理部が動作せずともよく、実行対象とする処理に対応する処理部が仮想的に実現されればよい。
なお、上記の測位プログラム170aは、必ずしも最初からHDD170やROM160に記憶されておらずともかまわない。例えば、コンピュータ100に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に測位プログラム170aを記憶させる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体から測位プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに測位プログラム170aを記憶させておき、コンピュータ100がこれらから測位プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。
1 エリア検知システム
10 サーバ装置
11 有線通信部
12 生成部
13 学習データ記憶部
14 強度登録部
15 強度記憶部
16 更新部
17 通知部
30A,30B,30C AP
31a 無線受信部
31b 無線送信部
32a 有線受信部
32b 有線送信部
33 転送処理部
34 強度通知部
50 携帯端末
51a 無線受信部
51b 無線送信部
52 測定部
53 検知部

Claims (7)

  1. 測位に用いる電波の発信元の送信電力を特定する情報を受け付ける処理と、
    前記電波の発信元ごとに前記送信電力が対応付けられた第1情報を参照して、前記受け付けた電波の発信元の送信電力に変化があるか否かを判定する処理と、
    区分けされた領域ごとに当該領域で観測される各発信元からの受信電力が対応付けられた第2情報のうち、前記送信電力に変化がある発信元に関する受信電力を更新する処理と、
    前記測位を実行する装置に更新後の前記第2情報を通知する処理と
    をコンピュータに実行させることを特徴とする測位プログラム。
  2. 前記電波の発信元に当該電波の発信元の送信電力を特定する情報の送信を要求する処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項1に記載の測位プログラム。
  3. 前記第2情報は、前記領域ごとに当該領域で観測される各発信元からの受信電力に関するヒストグラムが対応付けられた情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の測位プログラム。
  4. 前記更新する処理は、前記ヒストグラムに含まれる各度数の階級を前記送信電力の変化に応じてシフトさせることを特徴とする請求項3に記載の測位プログラム。
  5. 前記更新する処理は、前記送信電力の変化が前記階級の幅の整数倍と一致する場合、前記ヒストグラムに含まれる各度数の階級を前記送信電力の変化に応じてシフトさせ、前記送信電力の変化が前記階級の幅の整数倍と一致しない場合、前記送信電力に変化がある発信元に関する受信電力を更新した上で前記ヒストグラムを再作成することを特徴とする請求項4に記載の測位プログラム。
  6. 測位に用いる電波の発信元の送信電力を特定する情報を受け付ける処理と、
    前記電波の発信元ごとに前記送信電力が対応付けられた第1情報を参照して、前記受け付けた電波の発信元の送信電力に変化があるか否かを判定する処理と、
    区分けされた領域ごとに当該領域で観測される各発信元からの受信電力が対応付けられた第2情報のうち、前記送信電力に変化がある発信元に関する受信電力を更新する処理と、
    前記測位を実行する装置に更新後の前記第2情報を通知する処理と
    がコンピュータにより実行されることを特徴とする測位方法。
  7. 測位に用いる電波の発信元の送信電力を特定する情報を受け付ける受付部と、
    前記電波の発信元ごとに前記送信電力が対応付けられた第1情報を参照して、前記受け付けた電波の発信元の送信電力に変化があるか否かを判定する判定部と、
    区分けされた領域ごとに当該領域で観測される各発信元からの受信電力が対応付けられた第2情報のうち、前記送信電力に変化がある発信元に関する受信電力を更新する更新部と、
    前記測位を実行する装置に更新後の前記第2情報を通知する通知部と
    を有することを特徴とする測位装置。
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