JP2017106761A - 絶縁抵抗表示方法および絶縁抵抗計 - Google Patents

絶縁抵抗表示方法および絶縁抵抗計 Download PDF

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Abstract

【課題】測定対象体の絶縁抵抗値を適切なタイミングで適正に計測して表示できる絶縁抵抗計を提供する。【解決手段】太陽光発電ユニット10(接続箱20)の第1出力端子21と接地端子23との間に絶縁抵抗計1を接続し、検査用電圧V1とV2を印加した検査用第1電圧印加状態と検査用第2電圧印加状態とで、それぞれ電流A1を電流測定手段6により2回以上測定して電流変化速度(ΔI/Δt)を求め、電流変化速度が基準電流変化速度データD4以下になったときの電流値をそれぞれ検査用第1,第2電圧印加時測定電流値とし、検査用第2電圧印加時測定電流値から検査用第1電圧印加時測定電流値を減算した検査用差電流値と、検査用電圧V2−V1である検査用差電圧値とから抵抗値を求め、過電流保護抵抗5の値を差し引いた絶縁抵抗値と、計測開始からの経過時間を表示手段3に表示する。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光発電設備に配置されている対地静電容量の大きい太陽光発電ユニット等を測定対象体として絶縁抵抗を測定する場合に好適な絶縁抵抗表示方法と、この絶縁抵抗表示方法を適用した絶縁抵抗計に関するものである。
従来から用いられている太陽光発電設備では、その保守・管理のために、定期的な絶縁抵抗測定が行われている。絶縁抵抗値の測定方法としては、太陽光発電ユニットのプラス端子とマイナス端子とを短絡し、両出力端子と接地部位との間に絶縁抵抗計を接続した状態で検査用電圧を印加しながら絶縁抵抗値を測定する方法が広く知られている。しかし、太陽電池モジュールに対して太陽光が照射されている日中においては、太陽光発電ユニットの両出力端子間に数百ボルトの電位差が生じており、そのような状態で出力端子間を短絡することは非常に危険であるばかりでなく絶縁抵抗計の破損を招くおそれがある。
このような危険を避けるために、太陽電池モジュールの受光面を黒シート等で遮光して光電変換機能を抑制したり、日が沈んで太陽電池モジュールでの発電が行われなくなった夜間に計測作業を行っていたが、太陽電池モジュールを遮光する作業は繁雑であるし、視界の悪い夜間の計測作業は危険を伴う。そこで、太陽電池モジュールが発電中でも安全に絶縁抵抗測定を行えるように、太陽光発電ユニットのプラス端子とマイナス端子とを開放した状態で、そのいずれか一方の端子と接地部位との間に、過電流保護抵抗を内蔵する絶縁抵抗計を接続し、検査用電圧を一方の端子と接地部位との間に印加しながら絶縁検査をする方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載の絶縁検査方法によれば、太陽光発電ユニットにおける一方の出力端子と接地部位との間に検査用電圧を印加した状態において出力端子と接地部位との間を流れる電流を第1の電流値とし、次に検査用電圧の印加を停止した状態において出力端子と接地部位との間を流れる電流を第2の電流値とし、第1の電流値から第2の電流値を差し引いた電流値と検査用電圧の電圧値に基づいて、出力端子と接地部位との間の絶縁抵抗値を演算により求めるもので、求められた絶縁抵抗値が正常な絶縁抵抗値よりも小さくなっていれば、絶縁不良が生じていると判断できるのである。
特許第5619410号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明では、太陽光発電ユニットと接地部位との間に、絶縁抵抗と並列に存在する大きな対地静電容量の影響を考慮していないため、演算により求めた絶縁抵抗値に少なからぬ誤差が混入しているおそれがある。これは、太陽光発電ユニットの構造および設置方法に起因したものである。
太陽光発電モジュールを構成している太陽電池セルは、一般的に、平面状に配置したシリコンセルをエチレンビニルアセテートの封止材で挟み込み、表面側をガラスにて絶縁して裏面側を樹脂製の絶縁材(バックシート)で絶縁する構造形態であるため、シリコンセルとバックシートと接地部位を接続している地面とのそれぞれに電気的二重層が形成され、太陽光発電ユニットは、絶縁抵抗と並列に大きな対地静電容量にて接地部位と接続している状態と等しくなる。よって、太陽光発電ユニットにおける一方の出力端子と接地部位との間を接続して電流値を計測する場合、対地静電容量の充放電が計測値に少なからぬ影響を及ぼすのである。
すなわち、特許文献1に記載の発明方法で絶縁抵抗を測定する場合、第1の電流値および第2の電流値は、絶縁抵抗に流れる電流と対地充電電流とが同時に流れている状態で測定されることになり、本来演算の対象とすべき出力端子と接地部位との間を流れる電流である絶縁抵抗のみに流れる電流よりも多い電流値が第1の電流値と第2の電流値として計測されてしまうのである。このため、第1の電流値から第2の電流値を差し引いた電流値と検査用電圧の電圧値に基づいて演算した出力端子と接地部位との間の絶縁抵抗値は、実際の太陽光発電ユニットの絶縁抵抗値よりも低い値となってしまう。その結果、実際の太陽光発電ユニットの絶縁抵抗が良好であっても、演算により求めた絶縁抵抗値は正常範囲よりも低い値を示す可能性があり、点検時に太陽光発電ユニットと接地部位との間の絶縁状態を不良と誤判定してしまう危険性がある。
このような対地静電容量の影響から、特許文献1に記載の発明方法で接地抵抗を測定しても、しばらくは絶縁抵抗値が変動することとなるため、絶縁抵抗計測を開始してすぐの表示値を設備点検で使うことは危険であり、太陽光発電設備の点検作業等で利用するには、それなりの工夫が必要になる。例えば、絶縁抵抗値を繰り返し測定すると共に、測定開始からの経過時間を時計等で別途測りながら、1分等の決められた時間(対地静電容量が飽和したと考えられる必要十分な時間)に達した時点で絶縁抵抗計に表示されている絶縁抵抗値を記録するのである。とはいえ、日常的に行う定期点検で、測定開始からの経過時間を別途用意した時計やストップウォッチ等で計りながら、計測作業を行うのは非常に煩雑である。
また、特許文献1に記載の発明方法で太陽光発電ユニットの絶縁抵抗を計測する場合、初めに検査用電圧の印加を停止した状態にて第2の電流値を測定し、その後に、検査用電圧を印加した状態において第1の電流値を繰り返し測定してゆくと、時間経過に伴って対地静電容量が飽和に達し、第1の電流値が適正な値として得られるので、計測開始から必要十分な時間が経過すると、演算により求められる絶縁抵抗値も適正な値になっていくように錯覚するかもしれない。
しかしながら、絶縁抵抗の演算に用いる第2の電流値は、対地静電容量の影響を受けている計測開始初期に測定された値であり、その後には更新されないため、特許文献1に記載の発明方法では、第2の電流値が対地充電電流を含んだ高い値となるため、演算により求められる絶縁抵抗値は、本来の絶縁抵抗値よりも常に低い絶縁抵抗値となってしまう。その結果、実際の太陽光発電ユニットの絶縁抵抗が良好であっても、演算により求めた絶縁抵抗値は正常範囲よりも低い値を示す可能性があり、点検時に太陽光発電ユニットと接地部位との間の絶縁状態を不良と誤判定してしまう危険性がある。
そこで、本発明は、測定対象体の絶縁抵抗値を適切なタイミングで適正に計測して表示できる絶縁抵抗表示方法および絶縁抵抗計の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、絶縁抵抗の測定処理開始を基準とした時間の経過を計時する経過時間計測工程と、起電力を有する測定対象体における一対の出力端子の一方を被測定端子とし、該被測定端子と接地部位との間に検査用第1電圧を印加した検査用第1電圧印加状態において、被測定端子と接地部位との間を流れる電流を所要間隔で2回以上測定し、連続する2回分の測定で得た2つの電流値の差である差分電流値(ΔI)と、その2回の測定間隔である経過時間(Δt)とから検査用第1電圧印加時の電流変化速度(ΔI/Δt)を求める検査用第1電圧印加時電流変化速度取得工程と、前記検査用第1電圧印加時電流変化速度取得工程で得た検査用第1電圧印加時電流変化速度が、予め定めた第1飽和達成条件を満たしたか否かを判定する第1飽和達成条件判定工程と、前記第1飽和達成条件判定工程にて第1飽和達成条件が判定された時に被測定端子と接地部位との間を流れる電流を検査用第1電圧印加時測定電流とする検査用第1電圧印加時測定電流取得工程と、前記検査用第1電圧印加時測定電流取得工程を行った後、前記被測定端子と接地部位との間に前記検査用第1電圧とは異なる検査用第2電圧を印加した検査用第2電圧印加状態において、被測定端子と接地部位との間を流れる検査用第2電圧印加時測定電流を所要間隔で2回以上繰返し測定し、連続する2回分の測定で得た2つの電流値の差である差分電流値(ΔI)と、その2回の測定間隔である経過時間(Δt)とから検査用第2電圧印加時の電流変化速度(ΔI/Δt)を求める検査用第2電圧印加時電流変化速度取得工程と、前記検査用第2電圧印加時電流変化速度取得工程で得た検査用第2電圧印加時電流変化速度が、予め定めた第2飽和達成条件を満たしたか否かを判定する第2飽和達成条件判定工程と、前記第2飽和達成条件判定工程にて第2飽和達成条件が判定された時に被測定端子と接地部位との間を流れる電流を検査用第2電圧印加時測定電流とする検査用第2電圧印加時測定電流取得工程と、前記検査用第2電圧印加時測定電流取得工程にて取得した検査用第2電圧印加時測定電流値から前記検査用第1電圧印加時測定電流値を減算して得た検査用差電流値と、前記検査用第2電圧値から前記検査用第1電圧値を減算して得た検査用差電圧値とに基づいて、被測定端子と接地部位との間の絶縁抵抗値を求め、この絶縁抵抗値と、前記経過時間計測工程にて計時を開始してからの経過時間とを同時に表示する絶縁抵抗表示工程と、を行うことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の絶縁抵抗表示方法において、前記絶縁抵抗表示工程では、最初に前記絶縁抵抗値を表示した時点からの経過時間を同時に表示することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の絶縁抵抗表示方法において、前記被測定端子と接地部位との間に過電流保護抵抗を設けた状態で、前記検査用第1電圧印加時電流変化速度取得工程、前記検査用第1電圧印加時測定電流取得工程、検査用第2電圧印加時電流変化速度取得工程、および前記検査用第2電圧印加時測定電流取得工程を行うものとし、前記絶縁抵抗表示工程では、絶縁抵抗値の演算結果から過電流保護抵抗値を減算して補正した抵抗値を絶縁抵抗値として表示することを特徴とする。
上記の課題を解決するために、請求項4に係る発明は、少なくとも、絶縁抵抗の測定処理開始を基準とした時間の経過を計時可能な計時手段と、起電力を有する測定対象体における一対の出力端子の一方を被測定端子とし、該被測定端子と接地部位との間に検査用電圧を印加可能な給電手段と、前記被測定端子と接地部位との間を流れる電流を測定可能な電流測定手段と、前記給電手段によって前記被測定端子と接地部位との間に検査用第1電圧が印加されている検査用第1電圧印加状態と、前記給電手段によって被測定端子と接地部位との間に検査用第2電圧が印加されている検査用第2電圧印加状態とを切り替え制御し、前記電流測定手段によって測定された各電流値と各電圧値とに基づいて被測定端子と接地部位との間の絶縁抵抗値を求めると共に、前記計時手段が計時する時間を用いて任意の基準時からの経過時間を求める計測制御手段と、少なくとも、前記計測制御手段が求めた前記絶縁抵抗値と前記経過時間とを同時に表示可能な表示手段と、を備え、前記計測制御手段は、前記給電手段によって前記被測定端子と接地部位との間に検査用第1電圧を印加した検査用第1電圧印加状態において、被測定端子と接地部位との間を流れる検査用第1電圧印加時測定電流を前記電流測定手段によって所要間隔で2回以上測定し、連続する2回分の測定で得た2つの電流値の差である差分電流値(ΔI)と、その2回の測定間隔である経過時間(Δt)とから検査用第1電圧印加時の電流変化速度(ΔI/Δt)を求め、該検査用第1電圧印加時電流変化速度が、予め定めた第1飽和達成条件を満たした時に被測定端子と接地部位との間を流れる電流を検査用第1電圧印加時測定電流として記憶し、その後、前記給電手段によって前記被測定端子と接地部位との間に前記検査用第1電圧とは異なる検査用第2電圧を印加した検査用第2電圧印加状態において、被測定端子と接地部位との間を流れる検査用第2電圧印加時測定電流を前記電流測定手段によって所要間隔で2回以上繰返し測定し、連続する2回分の測定で得た2つの電流値の差である差分電流値(ΔI)と、その2回の測定間隔である経過時間(Δt)とから検査用第2電圧印加時の電流変化速度(ΔI/Δt)を求め、該検査用第2電圧印加時電流変化速度が予め定めた第2飽和達成条件を満たした時に被測定端子と接地部位との間を流れる電流を検査用第2電圧印加時測定電流として記憶し、該検査用第2電圧印加時測定電流値から前記検査用第1電圧印加時測定電流値を減算して得た検査用差電流値と、前記検査用第2電圧値から前記検査用第1電圧値を減算して得た検査用差電圧値とに基づいて被測定端子と接地部位との間の絶縁抵抗値を求め、この絶縁抵抗値と、測定処理開始からの経過時間とを同時に前記表示手段へ表示させることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、前記請求項4に記載の絶縁抵抗計において、前記計測制御手段は、最初に取得した検査用第2電圧印加時測定電流値に基づき求めた絶縁抵抗値を前記表示手段へ表示した時点からの経過時間を同時に表示手段へ表示させることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、前記請求項4又は請求項5に記載の絶縁抵抗計において、前記被測定端子と接地部位との間に過電流保護抵抗を接続し、前記計測制御手段は、前記絶縁抵抗値の演算結果から過電流保護抵抗値を減算して補正した抵抗値を絶縁抵抗値として表示手段へ表示させることを特徴とする。
本発明に係る絶縁抵抗の表示方法および絶縁抵抗計によれば、起電力を有する測定対象体が、絶縁抵抗と並列に大きな対地静電容量を持つものであっても、対地静電容量の影響を受けない適切なタイミングで、適正な絶縁抵抗を計測し、計測開始からの時間と併せて表示することができる。よって、定期点検等での絶縁抵抗計測作業を効率よく高精度に行う事ができる。
本発明に係る絶縁抵抗表示方法を適用した絶縁抵抗計で太陽光発電ユニットの絶縁抵抗を測定する場合を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る絶縁抵抗表示方法を適用した絶縁抵抗計の実施形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。
図1に示す絶縁抵抗計1は、太陽光発電設備の太陽光発電ユニット10を「起電力を有する測定対象体」として、絶縁抵抗Rgを測定し、その絶縁抵抗値と測定経過時間とを表示するものである。
太陽光発電ユニット10は、数枚から数十枚の太陽電池モジュールを直列接続した集合体で、コンクリートやアルミの架台に固定した状態で地面に設置されている。この太陽光発電ユニット10は、一般的に接続箱20を介して配線接続されるもので、接続箱20には、一対の出力端子としての第1出力端子21および第2出力端子22と、接地された接地部位としての接地端子23を設けてある。なお、本図に示す太陽光発電ユニット10は、太陽光が照射されて発電しているときにプラス側となる配線が第1出力端子21に、マイナス側となる配線が第2出力端子22にそれぞれ接続され、第1出力端子21と第2出力端子22の開放電圧値は、例えば600V程度になる。
上記接続箱20を介して太陽光発電ユニット10と接続される絶縁抵抗計1は、リアルタイムクロック2、表示手段3、不揮発性記憶手段4、過電流保護抵抗5、電流測定手段6、給電手段7、計測制御手段8、および接続端子9a,9bを備えている。
リアルタイムクロック2は、実時間を計時するもので、時刻データD1を計測制御手段8に常時出力する。この時刻データD1を受けた計測制御手段では、計測開始時刻等の任意のタイミングを基準とした経過時間を把握することができる。すなわち、リアルタイムクロック2と計測制御手段8が協働することで、「少なくとも、絶縁抵抗の測定処理開始を基準とした時間の経過を計時可能な計時手段」として機能するのである。なお、任意のタイミングで時間経過を計り始めるタイマ回路等を計時手段とし、その経過時間を計測制御手段8へ提供するような構成としても構わない。
表示手段3は、少なくとも、計測制御手段8から出力される絶縁抵抗値データD2と経過時間データD3を同時に表示する機能を備えるものである。例えば、絶縁抵抗値は指針式のアナログ表示器で可視表示でき、経過時間は複数のLEDの点灯数(例えば1分経過で1個のLEDを点灯)で可視表示できる。そのほか、セグメント式表示器やLEDをマトリックス状に配置したマトリックス表示器を用いても良いし、表示の自由度が高く高精細な液晶表示器を用いても良い。なお、時間経過に伴う所定のタイミング(例えば1分経過時点)でブザー音を鳴らすなど、聴覚的報知を併せて行うようにしても良い。
不揮発性記憶手段4は、例えば、予め設定された基準電流変化速度データD4を記憶し、電源を遮断した後も記憶内容が失われない不揮発性のメモリである。また、この不揮発性記憶手段4には、計測制御手段8の動作プログラムを記憶させてあり、絶縁抵抗計1の起動時等に計測制御手段8が不揮発性記憶手段4から動作プログラムをロードすることで、計測制御手段8が所定の計測制御機能を実行可能となる。さらに、不揮発性記憶手段4は、計測制御手段8から送信される前回測定時刻データD5、前回測定データD6、測定開始時刻データD7等を記憶すると共に、計測制御手段8からの求めに応じて、これらの記憶データを計測制御手段8へ送信する。なお、前回測定時刻データD5、前回測定データD6、測定開始時刻データD7等は計測処理において一時的に必要なデータであるから、計測制御手段8が備える揮発性メモリにて記憶管理するようにしても良い。
過電流保護抵抗5は、過電流による絶縁抵抗計1の破損を防ぐ保護用の抵抗であって、例えば、1MΩの抵抗体を用いる。
電流測定手段6は、計測制御手段8からの制御信号S2に従って太陽光発電ユニット10の第1出力端子21もしくは第2出力端子22のいずれか一方と接地端子23との間を流れる電流の電流値A1を測定し、その測定結果を測定値データD8として計測制御手段8へ出力するものである。
給電手段7は、計測制御手段8からの制御信号S1に従って、第1出力端子21または第2出力端子22と接地端子23との間に検査用電圧V1,V2(V1およびV2は任意の値に設定可能)を出力する。
接続端子9aは、接地端子23と接続するための端子であり、接続端子9bは、太陽光発電ユニット10における第1出力端子21または第2出力端子22と接続するための端子である。
計測制御手段8は、絶縁抵抗の計測を統括的に制御する。具体的には、給電手段7に対して制御信号S1を出力することによって検査用電圧V1の出力の開始および停止、または、検査用電圧V2の出力の開始および停止を制御すると共に、電流測定手段6に対して制御信号S2を出力して電流値A1の測定処理を開始させる。さらに、計測制御手段8は、リアルタイムクロック2から出力される時刻データD1と不揮発性記憶手段4に記憶されている前回測定時刻データD5、電流測定手段6から出力される測定値データD8と不揮発性記憶手段4に記憶されている前回測定データD6に基づいて電流変化速度を求め、不揮発性記憶手段4に記憶されている基準電流変化速度データD4以下であるか否か(飽和達成条件)を判別し、この飽和達成条件を満たした時の測定値データD8から太陽光発電ユニット10の絶縁抵抗値データD2を演算すると共に、リアルタイムクロック2から出力される時刻データD1と不揮発性記憶手段4に記憶されている測定開始時刻データD7にて測定開始からの経過時間データD3を求め、絶縁抵抗値データD2と経過時間データD3とを表示手段3へ表示する。
次に、絶縁抵抗計1による太陽光発電ユニット10の絶縁抵抗の計測制御および表示制御について説明する。
先ず太陽光発電設備に絶縁抵抗計1を携行し、接続箱20の接地端子23に接続端子9aを接続し、かつ、接続箱20に接続された太陽光発電ユニット10の第1出力端子21(例えば、プラス端子)を被測定端子とし、これに接続端子9bを接続する。これにより、接地端子23は接続端子9aを介して給電手段7に接続され、太陽光発電ユニット10の第1出力端子21は接続端子9bと過電流保護抵抗5とを介して電流測定手段6に接続される。
上記のようにして絶縁抵抗計のセットが完了した後、図示しない操作部の測定開始スイッチを操作する。この測定開始指示を受けることで、計測制御手段8は、測定対象体(この例では、太陽光発電ユニット10)の絶縁抵抗値データD2と、測定処理開始から現在までの経過時間データD3とを表示する制御処理を開始する。
絶縁抵抗計測処理の開始した時、例えば接地端子23と太陽光発電ユニット10の第1出力端子21との間に絶縁不良が生じており、接地端子23と第1出力端子21との間の絶縁抵抗Rgの値が、正常な絶縁状態の値よりも小さくなっていた場合には、接地端子23と太陽光発電ユニット10の第1出力端子21との間に生じている電位差(太陽光発電ユニット10の起電力)に起因して絶縁不良箇所から接地端子23と第1出力端子21との間に大きな電流が流れて、絶縁抵抗計1の破損を招くおそれがある。このため絶縁抵抗計1では、過電流保護抵抗5(この例では、1MΩ)を電流測定手段6と接続端子9bとの間に接続することで接地端子23と第1出力端子21との間に絶縁不良が生じていたとしても、絶縁抵抗計1が破損する事態を回避している。
先ず、計測制御手段8は、給電手段7に対して制御信号S1を出力して、直流の検査用電圧V1(例えば、500V)を出力させる(被測定端子と接地部位との間に検査用第1電圧を印加した検査用第1電圧印加状態にする)と共に、リアルタイムクロック2から時刻データD1を読み込み、測定開始時刻データD7として不揮発性記憶手段4に記憶する。この検査用第1電圧印加状態において、接地端子23と第1出力端子21との間に流れる電流A1の電流値を測定するが、この場合、検査対象の太陽光発電ユニット10が正常に絶縁された状態で設置されていたとしても、接地端子23と第1出力端子21との間には大きな抵抗値の絶縁抵抗Rgと大きな容量値の対地静電容量Cgが並列に存在する(図1中、破線で示す)。
また、太陽光発電ユニット10の各太陽電池モジュールに太陽光が照射されて、光電変換機能が正常に働いていれば、第1出力端子21と第2出力端子22との間に直流600V程度の電位差が生じるので、検査用第1電圧印加状態における接地端子23と第1出力端子21との間には、直流300V程度が検査用電圧V1に重畳された電位差が生じることとなる。この状態においては、先ず初めに絶縁抵抗Rgに流れる電流A2rと対地静電容量Cgに流れる対地充電電流A2cとの合成電流A2が流れ始めるが、対地静電容量Cgに流れる対地充電電流A2cは対地静電容量Cgに電荷が貯まるにつれて流れなくなるため、最終的には絶縁抵抗Rgに流れる電流A2rのみとなる。
したがって、計測制御手段8は、リアルタイムクロック2からの時刻データD1を不揮発性記憶手段4に前回測定時刻データD5として記憶すると共に、電流測定手段6に対して制御信号S2を出力して接地端子23と第1出力端子21との間を流れる電流A1を測定させ、電流測定手段6から出力される測定値データD8を不揮発性記憶手段4に前回測定データD6として記憶させる。この一連の処理を所要間隔(対地充電電流A2cの変化速度に応じて適宜に定めた時間であり、例えば1秒間隔)で2回以上行う。
そして、連続する2回分の測定で得た2つの電流値、すなわち、測定値データD8と前回測定データD6との差(ΔI)と、その2回の測定間隔である経過時間、すなわち、時刻データD1と前回測定時刻データD5の時刻差(Δt)とから電流変化速度(ΔI/Δt)を求め、電流変化速度が不揮発性記憶手段4に記憶されている基準電流変化速度データD4以下になった時点(飽和達成条件を満たした時点)で、測定した電流A1の電流値(検査用第1電圧印加時測定電流値であり、例えば、0.4mA)は、対地静電容量Cgに流れる対地充電電流A2cの影響を除外した絶縁抵抗Rgに流れる電流A2rの測定値データD8として不揮発性記憶手段4に記憶する。
ここで、電流変化速度(ΔI/Δt)とは、電流測定手段6によって検出される電流A1が時間経過につれて変化するI−t曲線のある時間範囲における傾きを示しており、その傾きが0になると、電流A1が一定値になったことを示す。よって、対地静電容量Cgが飽和に達したと看做し得るI−t曲線の傾きを基準電流変化速度として予め設定しておき、演算により求められた電流変化速度が基準電流変化速度以下になることを飽和達成条件にすることにより、対地充電電流A2cの影響が除外されて絶縁抵抗Rgに流れる電流A2rを測定値データD8として測定できる状態になったことを判定できるのである。従って、飽和達成条件を満たした時点で測定したときの測定値データD8は、検査用電圧非印加時における適正な検査用電圧非印加時測定電流値であり、これを測定値データD8として不揮発性記憶手段4に記憶しておき、後述する絶縁抵抗演算に用いることで、高精度の絶縁抵抗値を得ることが可能となる。
以上のようにして、「被測定端子と接地部位との間に検査用第1電圧を印加した検査用第1電圧印加状態において、被測定端子と接地部位との間を流れる電流を所要間隔で2回以上測定し、連続する2回分の測定で得た2つの電流値の差である差分電流値(ΔI)と、その2回の測定間隔である経過時間(Δt)とから検査用第1電圧印加時の電流変化速度(ΔI/Δt)を求める検査用第1電圧印加時電流変化速度取得工程」と、「前記検査用第1電圧印加時電流変化速度取得工程で得た検査用第1電圧印加時電流変化速度が、予め定めた第1飽和達成条件を満たしたか否かを判定する第1飽和達成条件判定工程」と、「前記第1飽和達成条件判定工程にて第1飽和達成条件が判定された時に被測定端子と接地部位との間を流れる電流を検査用第1電圧印加時測定電流とする検査用第1電圧印加時測定電流取得工程」が絶縁抵抗計1によって行われる。
次いで計測制御手段8は、同じく給電手段7に対して制御信号S1を出力して、直流の検査用電圧V2(例えば、1000V)を出力させ、リアルタイムクロック2からの時刻データD1を不揮発性記憶手段4に前回測定時刻データD5として記憶させ、更に、電流測定手段6に対して制御信号S2を出力して接地端子23と第1出力端子21との間を流れる電流A1の電流値を測定させ、電流測定手段6から出力される測定値データD8を不揮発性記憶手段4に前回測定データD6として記憶させる。この一連の処理を所要間隔(対地充電電流A2cの変化速度に応じて適宜に定めた時間であり、例えば1秒間隔)で2回以上行う。
そして、連続する2回分の測定で得た2つの電流値、すなわち、測定値データD8と前回測定データD6との差(ΔI)と時刻データD1と前回測定時刻データD5の時間間隔(Δt)とから電流変化速度(ΔI/Δt)を求め、電流変化速度が不揮発性記憶手段4に記憶されている基準電流変化速度データD4以下になった時点で測定した電流A1の電流値(検査用第2電圧印加時測定電流値であり、例えば0.65mA)から不揮発性記憶手段4に記憶している測定値データD8(検査用第1電圧印加時測定電流値)を減算し、検査用差電流値を求める。この検査用差電流値は、太陽光発電ユニット10の発電によって接地端子23と第1出力端子21との間に生じた上記300V程度の電位差の影響を除外した電流値(例えば、0.25mA)である。
続いて計測制御手段8は、演算で求めた検査用差電流値と、給電手段7によって印加した検査用電圧V2から検査用電圧V1を差し引いた電圧値(検査用差電圧値であり、例えば500V)とに基づき、抵抗値を求める。この抵抗値から過電流保護抵抗5の抵抗値(1MΩ)を減算して補正することで、接地端子23と第1出力端子21との間の絶縁抵抗Raの抵抗値を求め、絶縁抵抗値データD2として表示手段3へ送信する。これと同時に、計測制御手段8は、リアルタイムクロック2から現在の時刻データD1を読み込み、不揮発性記憶手段4に記録しておいた測定開始時刻データD7を差し引くことで、測定開始からの経過時間を演算し、経過時間データD3として表示部3へ送信する。すなわち、絶縁抵抗値データD2経過時間データD3を同時に受信した表示手段3によって、絶縁抵抗値と経過時間とが同時に表示されるのである。
以上のようにして、「前記検査用第1電圧印加時測定電流取得工程を行った後、前記被測定端子と接地部位との間に前記検査用第1電圧とは異なる検査用第2電圧を印加した検査用第2電圧印加状態において、被測定端子と接地部位との間を流れる検査用第2電圧印加時測定電流を所要間隔で2回以上繰返し測定し、連続する2回分の測定で得た2つの電流値の差である差分電流値(ΔI)と、その2回の測定間隔である経過時間(Δt)とから検査用第2電圧印加時の電流変化速度(ΔI/Δt)を求める検査用第2電圧印加時電流変化速度取得工程」と、「前記検査用第2電圧印加時電流変化速度取得工程で得た検査用第2電圧印加時電流変化速度が、予め定めた第2飽和達成条件を満たしたか否かを判定する第2飽和達成条件判定工程」と、「前記第2飽和達成条件判定工程にて第2飽和達成条件が判定された時に被測定端子と接地部位との間を流れる電流を検査用第2電圧印加時測定電流とする検査用第2電圧印加時測定電流取得工程」と、「前記検査用第2電圧印加時測定電流取得工程にて取得した検査用第2電圧印加時測定電流値から前記検査用第1電圧印加時測定電流値を減算して得た検査用差電流値と、前記検査用第2電圧値から前記検査用第1電圧値を減算して得た検査用差電圧値とに基づいて、被測定端子と接地部位との間の絶縁抵抗値を求め、この絶縁抵抗値と、前記経過時間計測工程にて計時を開始してからの経過時間とを同時に表示する絶縁抵抗表示工程」とが絶縁抵抗計1によって行われる。
本実施形態の絶縁抵抗計1によれば、対地静電容量Cgの影響を無視できる状態になったタイミング(第1飽和達成条件と第2飽和達成条件の成立時)で検査用第1電圧印加時測定電流値と検査用第2電圧印加時測定電流値を取得し、これら検査用第1電圧印加時測定電流値と検査用第2電圧印加時測定電流値を用いて絶縁抵抗値を演算するので、高精度の絶縁抵抗値Raを表示することができる。したがって、計測開始から1分等の決められた経過時間にて絶縁抵抗値を記録するような作業を行う必要が無く、1分に満たない時間で絶縁抵抗値が表示された場合でも、信頼性の高い絶縁抵抗値として記録できるので、点検作業を効率よく進めることができる。
しかも、本実施形態の絶縁抵抗計1で計測できる絶縁抵抗値は信頼性が高いので、微妙な抵抗値の低減も計測値に反映されることから、太陽光発電ユニット10の経時劣化を判断するための有用な指標とすることもできる。
なお、本実施形態の絶縁抵抗計1では、信頼性の高い絶縁抵抗値を計測できるのであるが、例えば第2飽和達成条件の判定に用いる基準電流変化速度を若干緩くして、対地静電容量Cgの影響が若干残っているときに第2飽和達成条件が成立するようにしておき、対地静電容量Cgの影響が若干残っている検査用第2電圧印加時測定電流値を用いて演算した絶縁抵抗値を表示手段3に表示させ、その後も定期的に検査用第2電圧印加時測定電流値の計測を行って、その都度、絶縁抵抗値の表示を更新させてゆくようにしても良い。このようにすれば、適正な絶縁抵抗値に近づいてゆく過程を経過時間と共に表示できるし、適正な絶縁抵抗値になった後も、絶縁抵抗値の計測が定期的に行われ、経過時間と共に表示できる。
また、上述した実施形態では、太陽光発電ユニット10の+出力端子に接続された第1出力端子21を被測定端子とする場合を説明したが、これに限らず、太陽光発電ユニット10の−出力端子に接続された第2出力端子22を被測定端子として絶縁抵抗の計測および表示を行っても良い。また、接地端子23と第1出力端子21との間の絶縁抵抗と、接地端子23と第2出力端子22との間の絶縁抵抗をそれぞれ測定し、両者の絶縁抵抗値(正常であれば、測定結果の絶縁抵抗値がほぼ一致する)から測定対象体と接地部位との間の絶縁状態を判断することにより、測定対象体の内部(第1出力端子21と第2出力端子22との間の太陽電池セル間等)に断線が生じていたとしても、測定対象体の各部(一方の出力端子の側、および他方の出力端子の側)における絶縁状態が良好であるか不良であるか確実かつ簡便に点検することができる。
また、表示手段3に表示する表示時間は、計測開始時からの経過時間に限定されるものではなく、任意のタイミングを基準とした経過時間を表示して良い。例えば、最初に前記絶縁抵抗値を表示した時点からの経過時間を表示するようにしても良い。
また、本実施形態の絶縁抵抗計1では、電流測定手段6と接続端子9bとの間に過電流保護抵抗5を接続して抵抗値を測定するものとしたので、測定した抵抗値の演算結果から過電流保護抵抗5の既知の抵抗値を差し引いた抵抗値を絶縁抵抗値に補正して表示手段3へ表示する必要があるものの、測定対象体に絶縁不良が生じていた場合など、太陽光発電ユニット10接地端子23と第1出力端子21または第2出力端子22との間に生じている電位差(測定対象体の起電力)に起因して大きな電流A1が流れることを過電流保護抵抗5によって防げるので、絶縁抵抗計1が破損する事態を回避することができる。
また、本実施形態に係る絶縁抵抗計1は給電手段7が計測制御手段8からの制御信号S1に基づいて検査用電圧V1,V2を印加したり、検査用電圧V1,V2の印加を停止したりすることで、絶縁抵抗計測の作業工程を自動化できるものとしたが、これに限らず、検査用電圧V1,V2の印加や印加の停止を手動で切り替えるようにしても構わない。
また、本実施形態の絶縁抵抗計1は、複数の太陽電池モジュールを備えた太陽光発電ユニット10を「起電力を有する測定対象体」としたが、これに限定されず、風力発電ユニット、水力発電ユニット、潮力発電ユニットおよび地熱発電ユニット等の各種の「起電力を有する測定対象体」の絶縁抵抗を適切なタイミングで測定して表示することができる。
以上、本発明に係る絶縁抵抗表示方法を適用した絶縁抵抗計の実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない範囲で、公知既存の等価な技術手段を転用することにより実施しても構わない。
1 絶縁抵抗計
2 リアルタイムクロック
3 表示手段
4 記憶手段
5 過電流保護抵抗
6 電流測定手段
7 給電手段
8 計測制御手段
9a 接続端子
9b 接続端子
10 太陽光発電ユニット
20 接続箱
21 第1接続端子
22 第2接続端子
23 接地端子

Claims (6)

  1. 絶縁抵抗の測定処理開始を基準とした時間の経過を計時する経過時間計測工程と、
    起電力を有する測定対象体における一対の出力端子の一方を被測定端子とし、該被測定端子と接地部位との間に検査用第1電圧を印加した検査用第1電圧印加状態において、被測定端子と接地部位との間を流れる電流を所要間隔で2回以上測定し、連続する2回分の測定で得た2つの電流値の差である差分電流値(ΔI)と、その2回の測定間隔である経過時間(Δt)とから検査用第1電圧印加時の電流変化速度(ΔI/Δt)を求める検査用第1電圧印加時電流変化速度取得工程と、
    前記検査用第1電圧印加時電流変化速度取得工程で得た検査用第1電圧印加時電流変化速度が、予め定めた第1飽和達成条件を満たしたか否かを判定する第1飽和達成条件判定工程と、
    前記第1飽和達成条件判定工程にて第1飽和達成条件が判定された時に被測定端子と接地部位との間を流れる電流を検査用第1電圧印加時測定電流とする検査用第1電圧印加時測定電流取得工程と、
    前記検査用第1電圧印加時測定電流取得工程を行った後、前記被測定端子と接地部位との間に前記検査用第1電圧とは異なる検査用第2電圧を印加した検査用第2電圧印加状態において、被測定端子と接地部位との間を流れる検査用第2電圧印加時測定電流を所要間隔で2回以上繰返し測定し、連続する2回分の測定で得た2つの電流値の差である差分電流値(ΔI)と、その2回の測定間隔である経過時間(Δt)とから検査用第2電圧印加時の電流変化速度(ΔI/Δt)を求める検査用第2電圧印加時電流変化速度取得工程と、
    前記検査用第2電圧印加時電流変化速度取得工程で得た検査用第2電圧印加時電流変化速度が、予め定めた第2飽和達成条件を満たしたか否かを判定する第2飽和達成条件判定工程と、
    前記第2飽和達成条件判定工程にて第2飽和達成条件が判定された時に被測定端子と接地部位との間を流れる電流を検査用第2電圧印加時測定電流とする検査用第2電圧印加時測定電流取得工程と、
    前記検査用第2電圧印加時測定電流取得工程にて取得した検査用第2電圧印加時測定電流値から前記検査用第1電圧印加時測定電流値を減算して得た検査用差電流値と、前記検査用第2電圧値から前記検査用第1電圧値を減算して得た検査用差電圧値とに基づいて、被測定端子と接地部位との間の絶縁抵抗値を求め、この絶縁抵抗値と、前記経過時間計測工程にて計時を開始してからの経過時間とを同時に表示する絶縁抵抗表示工程と、
    を行うことを特徴とする絶縁抵抗表示方法。
  2. 前記絶縁抵抗表示工程では、最初に前記絶縁抵抗値を表示した時点からの経過時間を同時に表示することを特徴とする請求項1に記載の絶縁抵抗表示方法。
  3. 前記被測定端子と接地部位との間に過電流保護抵抗を設けた状態で、前記検査用第1電圧印加時電流変化速度取得工程、前記検査用第1電圧印加時測定電流取得工程、検査用第2電圧印加時電流変化速度取得工程、および前記検査用第2電圧印加時測定電流取得工程を行うものとし、
    前記絶縁抵抗表示工程では、絶縁抵抗値の演算結果から過電流保護抵抗値を減算して補正した抵抗値を絶縁抵抗値として表示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の絶縁抵抗表示方法。
  4. 少なくとも、絶縁抵抗の測定処理開始を基準とした時間の経過を計時可能な計時手段と、
    起電力を有する測定対象体における一対の出力端子の一方を被測定端子とし、該被測定端子と接地部位との間に検査用電圧を印加可能な給電手段と、
    前記被測定端子と接地部位との間を流れる電流を測定可能な電流測定手段と、
    前記給電手段によって前記被測定端子と接地部位との間に検査用第1電圧が印加されている検査用第1電圧印加状態と、前記給電手段によって被測定端子と接地部位との間に検査用第2電圧が印加されている検査用第2電圧印加状態とを切り替え制御し、前記電流測定手段によって測定された各電流値と各電圧値とに基づいて被測定端子と接地部位との間の絶縁抵抗値を求めると共に、前記計時手段が計時する時間を用いて任意の基準時からの経過時間を求める計測制御手段と、
    少なくとも、前記計測制御手段が求めた前記絶縁抵抗値と前記経過時間とを同時に表示可能な表示手段と、
    を備え、
    前記計測制御手段は、前記給電手段によって前記被測定端子と接地部位との間に検査用第1電圧を印加した検査用第1電圧印加状態において、被測定端子と接地部位との間を流れる検査用第1電圧印加時測定電流を前記電流測定手段によって所要間隔で2回以上測定し、連続する2回分の測定で得た2つの電流値の差である差分電流値(ΔI)と、その2回の測定間隔である経過時間(Δt)とから検査用第1電圧印加時の電流変化速度(ΔI/Δt)を求め、該検査用第1電圧印加時電流変化速度が、予め定めた第1飽和達成条件を満たした時に被測定端子と接地部位との間を流れる電流を検査用第1電圧印加時測定電流として記憶し、その後、前記給電手段によって前記被測定端子と接地部位との間に前記検査用第1電圧とは異なる検査用第2電圧を印加した検査用第2電圧印加状態において、被測定端子と接地部位との間を流れる検査用第2電圧印加時測定電流を前記電流測定手段によって所要間隔で2回以上繰返し測定し、連続する2回分の測定で得た2つの電流値の差である差分電流値(ΔI)と、その2回の測定間隔である経過時間(Δt)とから検査用第2電圧印加時の電流変化速度(ΔI/Δt)を求め、該検査用第2電圧印加時電流変化速度が予め定めた第2飽和達成条件を満たした時に被測定端子と接地部位との間を流れる電流を検査用第2電圧印加時測定電流として記憶し、該検査用第2電圧印加時測定電流値から前記検査用第1電圧印加時測定電流値を減算して得た検査用差電流値と、前記検査用第2電圧値から前記検査用第1電圧値を減算して得た検査用差電圧値とに基づいて被測定端子と接地部位との間の絶縁抵抗値を求め、この絶縁抵抗値と、測定処理開始からの経過時間とを同時に前記表示手段へ表示させることを特徴とする絶縁抵抗計。
  5. 前記計測制御手段は、最初に取得した検査用第2電圧印加時測定電流値に基づき求めた絶縁抵抗値を前記表示手段へ表示した時点からの経過時間を同時に表示手段へ表示させることを特徴とする請求項4に記載の絶縁抵抗計。
  6. 前記被測定端子と接地部位との間に過電流保護抵抗を接続し、
    前記計測制御手段は、前記絶縁抵抗値の演算結果から過電流保護抵抗値を減算して補正した抵抗値を絶縁抵抗値として表示手段へ表示させることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の絶縁抵抗計。
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