JP2017106550A - Power transmission device for vehicle - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、車両用動力伝達装置に係り、特に軸部材上に遊転可能な遊転歯車を備えた構造に関するものである。 The present invention relates to a power transmission device for a vehicle, and more particularly to a structure provided with an idle gear that can idle on a shaft member.
回転駆動可能に構成されている軸部材と、その軸部材の外周面に遊転可能に嵌め付けられている遊転歯車とを備えた車両用動力伝達装置が知られている。特許文献1の動力伝達装置がそれである。特許文献1の動力伝達装置にあっては、従来では軸部材と遊転歯車との間に設けられていたニードルベアリングをなくした構造が開示されている。具体的には、軸部材の外周面にスプライン歯を形成し、軸部材の内周部とスプライン歯とを連通する潤滑孔を形成した構造が開示されている。上記のように構成されると、軸部材が回転駆動した際に、軸部材と遊転歯車とが摺動するが、このとき潤滑孔から潤滑油を供給し、軸部材の外周面と遊転歯車の内周面との間を、潤滑孔からの潤滑油によって潤滑することで、ニードルベアリングをなくしている。 2. Description of the Related Art There is known a vehicle power transmission device that includes a shaft member that is configured to be rotationally driven and an idle gear that is fitted on an outer peripheral surface of the shaft member so as to be free to rotate. This is the power transmission device of Patent Document 1. In the power transmission device of Patent Document 1, a structure in which a needle bearing that has been conventionally provided between a shaft member and an idler gear is eliminated is disclosed. Specifically, a structure is disclosed in which spline teeth are formed on the outer peripheral surface of the shaft member, and a lubrication hole is formed to communicate the inner periphery of the shaft member and the spline teeth. When configured as described above, when the shaft member is driven to rotate, the shaft member and the idle gear are slid. At this time, the lubricating oil is supplied from the lubrication hole to loosely rotate with the outer peripheral surface of the shaft member. The needle bearing is eliminated by lubricating between the inner peripheral surface of the gear and the lubricating oil from the lubricating hole.
ところで、特許文献1の構造において、軸部材の回転が開始された初期の状態では、潤滑油量が不足し、このような状態で軸部材と遊転歯車とが摺動すると、軸部材のスプライン歯のエッジが遊転歯車の内周面に当たり、遊転歯車の内周面と軸部材のスプライン歯とが摩耗するおそれがあった。 Incidentally, in the structure of Patent Document 1, in the initial state where the rotation of the shaft member is started, the amount of lubricating oil is insufficient, and if the shaft member and the idler gear slide in such a state, the spline of the shaft member The edge of the tooth hits the inner peripheral surface of the idle gear, and the inner peripheral surface of the idle gear and the spline teeth of the shaft member may be worn.
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、軸部材に遊転歯車がニードルベアリングを介することなく嵌め付けられている構造において、軸部材および遊転歯車の摩耗を抑制できる構造を提供することにある。 The present invention has been made in the background of the above circumstances. The object of the present invention is to provide a shaft member and an idle rotation in a structure in which an idle gear is fitted to the shaft member without a needle bearing. An object of the present invention is to provide a structure that can suppress gear wear.
第1発明の要旨とするところは、(a)軸線まわりに回転する軸部材と、その軸部材の外周面に遊転可能に嵌め付けられている遊転歯車とを、備えた車両用動力伝達装置であって、(b)前記軸部材の外周面であって、その軸部材の径方向で前記遊転歯車と重なる位置に、前記軸部材の周方向に面取りされたスプライン歯が形成され、(c)前記遊転歯車の内周面は、前記軸部材の軸線の方向から見て円形状を有することを特徴とする。 The subject matter of the first invention is (a) a vehicle power transmission comprising: a shaft member that rotates about an axis; and an idler gear that is fitted to the outer peripheral surface of the shaft member so as to be free-wheeling. (B) Spline teeth chamfered in the circumferential direction of the shaft member are formed on the outer peripheral surface of the shaft member at a position overlapping with the idle gear in the radial direction of the shaft member, (c) The inner peripheral surface of the idle gear has a circular shape when viewed from the direction of the axis of the shaft member.
第1発明の車両用動力伝達装置によれば、軸部材の遊転歯車と径方向で重なる部位には、軸部材の周方向に面取りされたスプライン歯が形成されるため、遊転歯車の内周面と軸部材との間の面圧が低下し、遊転歯車および軸部材の摩耗を抑制することができる。また、遊転歯車の内周面には、スプラインが形成されないことで、軸部材および遊転歯車の摺動中に発生する歯打ち音についても抑制することができる。 According to the vehicle power transmission device of the first aspect of the present invention, spline teeth chamfered in the circumferential direction of the shaft member are formed in a portion overlapping the idle gear of the shaft member in the radial direction. The surface pressure between the peripheral surface and the shaft member is reduced, and wear of the idle gear and the shaft member can be suppressed. Further, since no spline is formed on the inner peripheral surface of the idle gear, it is possible to suppress rattling noise generated during the sliding of the shaft member and the idle gear.
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In the following embodiments, the drawings are appropriately simplified or modified, and the dimensional ratios, shapes, and the like of the respective parts are not necessarily drawn accurately.
図1は本発明が好適に適用された車両の手動変速機10の内部構造を示している。手動変速機10は、運転者によるシフト操作により複数のギヤ段(変速段)を形成可能に構成され、図示しないエンジンから入力される回転を所定の変速比γで減速或いは増速して出力する平行2軸式の有段変速機構(マニュアルトランスミッション)である。
FIG. 1 shows the internal structure of a
手動変速機10は、図示しないクラッチを介してエンジンに動力伝達可能に連結されている入力軸12と、入力軸12に対して平行に配置されているカウンタ軸14と、図示しない駆動輪に動力伝達可能に連結されている出力軸16とを備えている。
The
入力軸12は、軸受18、20によって回転可能に保持されており、カウンタ軸14は、軸受22、24によって回転可能に保持されており、出力軸16は、軸受26、28によって回転可能に保持されている。
The
入力軸12とカウンタ軸14との間には、一対の噛合歯車から構成される歯車対(第1歯車対30a〜第4歯車対30d)が設けられている。具体的には、軸受18から軸受20側に向かって順番に、第1歯車対30a、第2歯車対30b、第3歯車対30c、および第4歯車対30dが設けられている。これらの歯車対30a〜30d(特に区別しない場合には、単に歯車対30と記載する)は、何れも斜歯歯車から構成されている。
Between the
第1歯車対30aは、入力軸12に一体的に設けられている第1入力歯車32aと、その第1入力歯車32aと噛み合うとともに、カウンタ軸14の外周面に遊転可能(相対回転可能)に嵌め付けられている第1カウンタ歯車34aとから構成されている。なお、第1カウンタ歯車34aが、本発明の遊転歯車に対応する。
The
第2歯車対30bは、入力軸12に一体的に設けられている第2入力歯車32bと、その第2入力歯車32bと噛み合うとともに、カウンタ軸14の外周面に遊転可能(相対回転可能)に嵌め付けられている第2カウンタ歯車34bとから構成されている。なお、第2カウンタ歯車34bが、本発明の遊転歯車に対応している。
The
第3歯車対30cは、入力軸12の外周面に遊転可能(相対回転可能)に嵌め付けられている第3入力歯車32cと、その第3入力歯車32cと噛み合うとともに、カウンタ軸14に一体的に設けられている第3カウンタ歯車34cとから構成されている。なお、第3入力歯車32cが、本発明の遊転歯車に対応している。
The
第4歯車対30dは、入力軸12の外周面に遊転可能(相対回転可能)に嵌め付けられている第4入力歯車32dと、その第4入力歯車32dと噛み合うとともに、カウンタ軸14に一体的に設けられている第4カウンタ歯車34dとから構成されている。なお、第4入力歯車32dが、本発明の遊転歯車に対応している。また、第1入力歯車32a〜第4入力歯車32dを区別しない場合には、単に入力歯車32と記載し、第1カウンタ歯車34a〜第4カウンタ歯車34dを区別しない場合には、単にカウンタ歯車34と記載する。
The
カウンタ軸14と出力軸16との間には、出力ギヤ対36が設けられている。出力ギヤ対36は、カウンタ軸14に一体的に設けられているカウンタギヤ38と、カウンタギヤ38と噛み合うとともに、出力軸16に一体的に設けられているファイナルギヤ40とから構成されている。カウンタ軸14の回転が、出力ギヤ対36を介して出力軸16に伝達される。
An
入力軸12の軸線方向で第3入力歯車32cと第4入力歯車32dとの間に、シンクロメッシュ機構42が設けられている。シンクロメッシュ機構42は、入力軸12と第3入力歯車32cまたは第4入力歯車32dとを回転同期させる同期噛合機構である。
A
シンクロメッシュ機構42は、図示しないシフトフォークと嵌合するスリーブ52を備えており、シフトフォークが入力軸12の軸線方向に移動すると、スリーブ52も同様に入力軸12の軸線方向に移動させられる。
The
例えば、スリーブ52が入力軸12の軸線方向で軸受18側に移動すると、入力軸12と第3入力歯車32cとが回転同期させられた後、入力軸12と第3入力歯車32cとが動力伝達可能に接続される。すなわち、入力軸12とカウンタ軸14とが第3歯車対30cを介して動力伝達可能に接続される。また、スリーブ52が入力軸12の軸線方向で軸受20側に移動すると、入力軸12と第4入力歯車32dとが回転同期させられた後、入力軸12と第4入力歯車32dとが動力伝達可能に接続される。すなわち、入力軸12とカウンタ軸14とが第4歯車対30dを介して動力伝達可能に接続される。
For example, when the
カウンタ軸14の軸線方向で第1カウンタ歯車34aと第2カウンタ歯車34bとの間に、シンクロメッシュ機構44が設けられている。シンクロメッシュ機構44は、カウンタ軸14と第1カウンタ歯車34aまたは第2カウンタ歯車34bとを回転同期させる同期噛合機構である。
A
シンクロメッシュ機構44は、図示しないシフトフォークと嵌合するスリーブ53を備えており、シフトフォークがカウンタ軸14の軸線方向に移動すると、スリーブ53も同様にカウンタ軸14の軸線方向に移動させられる。
The
例えば、スリーブ53がカウンタ軸14の軸線方向で軸受22側に移動すると、カウンタ軸14と第1カウンタ歯車34aとが回転同期させられた後、カウンタ軸14と第1カウンタ歯車34aとが動力伝達可能に接続される。すなわち、入力軸12とカウンタ軸14とが、第1歯車対30aを介して動力伝達可能に接続される。また、スリーブ53がカウンタ軸14の軸線方向で軸受24側に移動すると、カウンタ軸14と第2カウンタ歯車34bとが回転同期させられた後、カウンタ軸14と第2カウンタ歯車34bとが動力伝達可能に接続される。すなわち、入力軸とカウンタ軸14とが、第2歯車対30bを介して動力伝達可能に接続される。
For example, when the
このように、第1歯車対30a〜第4歯車対30dのうち何れか1つが動力伝達可能に接続されると、その歯車対30に対応する所定の変速段(ギヤ段)が成立する。このとき、他の歯車対を構成する歯車対30は、空転状態となる。また、第1歯車対30a〜第4歯車対30dの何れも動力伝達可能に接続されない場合には、第1歯車対30a〜第4歯車対30dすべてが空転状態となり、手動変速機14がニュートラルとなる。
As described above, when any one of the
図2は、シンクロメッシュ機構42および第3入力歯車32cの断面図である。図2に示すように、シンクロメッシュ機構42は、軸部材としての入力軸12の外周側に配置されている。シンクロメッシュ機構42は、クラッチハブ50、スリーブ52、ギヤピース54、シンクロナイザリング56、キー58、およびスプリング60を、含んで構成されている。なお、シンクロメッシュ機構44についても、シンクロメッシュ機構42と基本的に同じ構造であるため、その説明を省略する。
FIG. 2 is a cross-sectional view of the
入力軸12は、シンクロメッシュ機構42の内部を貫通するようにして配置されている。入力軸12の内部には、一点鎖線で示す潤滑油路が形成され、この潤滑油路から、入力軸12と第3入力歯車32cとの間の摺動面に潤滑油が供給されるようになっている。
The
クラッチハブ50は、円環状に形成されており、その内周面に内周スプライン歯62が形成されている。内周スプライン歯62は、入力軸12の外周面に形成されているスプライン歯とスプライン嵌合することで、クラッチハブ50と入力軸12とが一体的に回転させられる。クラッチハブ50の外周面には、軸線Cに平行なスプライン歯(外周歯)が形成されている。また、クラッチハブ50の外周部には、キー58を収容するための複数個のキー溝64が、等角度間隔に形成されている。
The clutch hub 50 is formed in an annular shape, and inner
スリーブ52は、クラッチハブ50の外周側に配置され、円筒形状を有している。スリーブ52の内周面には、クラッチハブの外周面に形成されているスプライン歯とスプライン嵌合するスプライン歯52a(内周歯)が形成されている。従って、スリーブ52は、クラッチハブ50に対して、軸線C方向への移動可能、且つ、相対回転不能とされている。スリーブ52の内周面には、キー58と嵌合する複数個の凹溝66が等角度間隔に形成されている。また、スリーブ52の外周面には、図示しないシフトフォークと嵌合する環状溝68が形成されている。
The
キー58は、直方体状(ピース状)に形成され、クラッチハブ50に形成されているキー溝64内に収容されている。従って、キー58は、クラッチハブ50とともに軸線Cまわりに一体的に回転させられる一方、軸線C方向への移動は許容されている。キー58の径方向でスリーブ52と向かい合う側には、スリーブ52の凹溝66と係合する、径方向外側に突き出す突起70が形成されている。また、キー58は、キー溝64の底面から軸線C側(径方向内側)に向かって形成されているスプリング収容穴72に収容されているスプリング60によって、スリーブ52(径方向外側)に向かって付勢されている。従って、スリーブ52の凹溝66がキー58の突起70と係合することで、スリーブ52が軸線C方向に位置決めされる。
The key 58 is formed in a rectangular parallelepiped shape (piece shape) and is accommodated in a
ギヤピース54は、円環状に形成されており、その内周部が、入力軸12の外周面に遊転可能(相対回転可能)に嵌め付けられている第3入力歯車32cにスプライン嵌合されている。従って、ギヤピース54は、第3入力歯車32cと一体的に回転させられる。ギヤピース54の外周部であって、軸線C方向でクラッチハブ50から遠ざかる側には、スリーブ52の内周部に形成されているスプライン歯52a(内周歯)と嵌合可能な外周歯54aが形成されている。外周歯54aは、軸線Cと平行に形成され、スリーブ52が軸線C方向で第3入力歯車32c側に移動すると、スリーブ52のスプライン歯52aとスプライン嵌合可能な寸法とされている。ギヤピース54の軸線C方向でハブ50側の外周面には、軸線C方向でクラッチハブ50に近づくにつれて外径が小さくなるテーパ状外周面76が形成されている。
The
シンクロナイザリング56は、円環状に形成されており、外周部には、スリーブ52のスプライン歯52aと嵌合可能な外周歯56aが形成されている。外周歯56aは、スリーブ52が軸線C方向で第3入力歯車32c側に移動すると、スプライン歯52aと嵌合可能な寸法とされている。また、シンクロナイザリング56の内周側には、ギヤピース54のテーパ状外周面と面接触するテーパ状内周面78が形成されている。テーパ状内周面78は、軸線C方向でクラッチハブ50から遠ざかるほど内径の寸法が大きくなっている。シンクロナイザリング56の軸線C方向でクラッチハブ50側の端部には、キー58の軸線C方向の一端を収容するキー溝80が、キー58と同じ数だけ形成されている。キー58は、シンクロナイザリング56に対して所定の回転角だけ周方向の相対回転が許容されるように、キー溝80の周方向の寸法が、キー58の周方向の寸法よりも大きくされている。
The synchronizer ring 56 is formed in an annular shape, and outer
また、シンクロナイザリング56は、キー58が軸線C方向のギヤピース54側に移動すると、キー58の軸線C方向の端部がシンクロナイザリング56に当接することで、キー58によって軸線C方向のギヤピース54側に押圧されるようになっている。
In addition, when the key 58 moves to the
上記のように構成されるシンクロメッシュ機構42において、スリーブ52に軸線C方向の操作力が入力され、スリーブ52が軸線C方向で第3入力歯車32c側に移動させられると、スリーブ52とともにキー58が軸線C方向で第3入力歯車32c側に移動する。そして、キー58の軸線C方向の端部がシンクロナイザリング56に当接すると、キー58によってシンクロナイザリング56が軸線C方向の第3入力歯車32c側に押し付けられる。このとき、シンクロナイザリング56のテーパ状内周面78とギヤピース54のテーパ状外周面76とが摩擦係合することで、クラッチハブ50とギヤピース54との回転速度差が徐々に減少する。
In the
スリーブ52がさらに軸線C方向に移動すると、スリーブ52は、キー58の突起70を超えて移動し、スリーブ52のスプライン歯52aが、シンクロナイザリング56の外周歯56aの間に押し入れられる。回転同期が完了すると、スリーブ52のスプライン歯52aが、ギヤピース54の外周歯54aまで押し入れられ、入力軸12の回転が、シンクロメッシュ機構42を介して第3入力歯車32cに伝達される。
When the
ところで、第3入力歯車32cは、入力軸12に遊転可能(相対回転可能)に嵌め付けられている。入力軸12の第3入力歯車32cと接触する外周面には、複数個のスプライン歯82(外周歯)が形成されている。図3は、入力軸12のスプライン歯82が形成される部位を切断線Aで切断した断面図である。図3に示すように、入力軸12の外周面には、径方向外側に突き出す複数個のスプライン歯82(外周歯)が、周方向で周期的に形成されている。また、スプライン歯82の歯先(径方向外側)の面が、第3入力歯車32cの内周面84に直接接しており、走行中であってシンクロメッシュ機構42を介して入力軸12と第3入力歯車32cとが接続されない間は、このスプライン歯82の歯先の面と第3入力歯車32cの内周面84との間で摺動する。また、図3に示すように、第3入力歯車32cを入力軸12の軸線C方向から見たとき、その内周面84が円形状に形成されている。なお、入力軸12が、本発明の軸部材に対応し、第3入力歯車32cが、本発明の遊転歯車に対応する。
By the way, the
従って、スプライン歯82の歯先の面と、第3入力歯車32cの内周面84との摺動面で摩耗しやすくなり、摺動面の間において焼き付きが生じる可能性もある。特に、車両発進直後は、摺動面に供給される潤滑油が不十分になりやすいため、上記問題が生じやすい。前記焼き付きは、前記摺動面の間の面圧Pと、摺動面での周速V(摺動面間の相対速度)との積(=P×V)が大きくなると発生するが、周速Vを小さくすることは困難であるため、本実施例では、面圧Pを低減する機構を提案する。図4は、外周歯82の形状を説明するための斜視図である。図4に示すように、外周歯82は、周方向の両側がそれぞれクラウニング加工されることにより、外周歯82の径方向外側の周方向両側には、単一の曲面Rが形成されている。このような曲面Rが形成されることで、面圧Pが大幅に低減される。なお、クラウニング加工とは、外周歯82の周方向の両端側において、歯幅方向の全体に渡って膨らみが形成されるように、歯厚が歯先(径方向外側)に向かうほど連続的に漸減されるように加工するものであり、通常、研磨装置によって実施される面取りの一種である。
Accordingly, the sliding surface between the tooth tip surface of the
図5は、外周歯82がクラウニング加工された場合の面圧Pと、比較対象として外周歯82クラウニング加工されない場合の面圧Pとを、解析的に求めた計算結果である。X軸が外周歯82の入力軸12と摺接する面(摺接面)の周方向(歯厚方向)の位置を示し、Y軸が外周歯82の歯幅方向(図2において軸線C方向)の位置を示し、Z軸がその位置での面圧Pを示している。図5(a)が、本実施例のクラウニング加工された場合の面圧Pを示し、図5(b)が、クラウニング加工されない場合の面圧Pを示している。
FIG. 5 shows calculation results obtained analytically for the surface pressure P when the outer
図5(a)に示すように、本実施例の外周歯82がクラウニング加工された場合の摺接面にあっては、周方向(歯厚方向)の両端において面圧Pが僅かに高くなっているものの、その値は小さく、摺接面全体としても面圧Pが低い値となっている。一方、図5(b)に示すクラウニング加工が施されない場合には、外周歯の両端に曲面Rが形成されずに尖りが形成されている。このような、外周歯の両端に尖りが形成されている場合には、その両端部の面圧Pが非常に高い値になっている。従って、この外周歯の両端において面圧Pが高くなることから、摩耗および焼き付きが発生しやすくなる。これに対して、本実施例では、クラウニング加工が施されることで面圧Pが大幅に低減されることから、摺動面での摩耗および焼き付きが抑制される。
As shown in FIG. 5 (a), the surface pressure P is slightly increased at both ends in the circumferential direction (tooth thickness direction) on the sliding contact surface when the outer
ここで、図2〜図5にあっては、入力軸12と第3入力歯車32cとの間において、入力軸12の外周面にクラウニング加工が施された外周歯82が記載されているが、入力軸12の第4カウンタ軸32dが嵌め付けられている部位、カウンタ軸14の第1カウンタ歯車34aが嵌め付けられている部位、カウンタ軸14の第2カウンタ歯車34bが嵌め付けられている部位についても同様に、クラウニング加工が施されているスプライン歯が形成されている。従って、これらについても互いの摺動面において摩耗および焼き付きが抑制される。なお、第4入力歯車32d、第1カウンタ歯車34a、第2カウンタ歯車34bが、本発明の遊転歯車に対応し、カウンタ軸14が、本発明の軸部材に対応する。
Here, in FIG. 2 to FIG. 5, the outer
上述のように、本実施例によれば、入力軸12の第3入力歯車32cと径方向で重複する部位には、入力軸12の周方向にクラウニング加工されたスプライン歯82が形成されるため、第3入力歯車32cの内周面84と入力軸12との間の面圧Pが低下し、第3入力歯車32cおよび入力軸12との間の摩耗および焼き付きを抑制することができる。従って、従来、入力軸12と第3入力歯車32cとの間に設けられていたベアリングを省略することができる。これより、部品点数の削減ならびに製造コスト低減が実現される。また、第3入力歯車32cの内周面84は、軸線C方向から見て円形状を有している、すなわち内周面84にスプラインが形成されないことで、入力軸12および第3入力歯車32cの摺動時の歯打ち音についても抑制することができる。
As described above, according to the present embodiment, the
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。 As mentioned above, although the Example of this invention was described in detail based on drawing, this invention is applied also in another aspect.
例えば、前述の実施例では、入力軸12と第3入力歯車32cとがシンクロメッシュ機構42を介して断接可能に構成され、シンクロメッシュ機構42が切断状態において第3入力歯車32cが入力軸12のまわりを遊転するものであったが、本発明はシンクロメッシュ機構42を備えた構造に限定されるものではなく、軸部材に遊転可能に嵌め付けられている遊転歯車を備えた構造であれば適宜適用することができる。
For example, in the above-described embodiment, the
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。 The above description is only an embodiment, and the present invention can be implemented in variously modified and improved forms based on the knowledge of those skilled in the art.
12:入力軸(軸部材)
14:カウンタ軸(軸部材)
32c、32d:第3、第4入力歯車(遊転歯車)
34a、34b:第1、第2カウンタ歯車(遊転歯車)
82:スプライン歯
84:内周面(遊転歯車の内周面)
12: Input shaft (shaft member)
14: Counter shaft (shaft member)
32c, 32d: third and fourth input gears (idling gears)
34a, 34b: first and second counter gears (idling gears)
82: Spline teeth 84: Inner peripheral surface (inner peripheral surface of idle gear)
Claims (1)
前記軸部材の外周面であって、該軸部材の径方向で前記遊転歯車と重なる位置に、前記軸部材の周方向に面取りされたスプライン歯が形成され、
前記遊転歯車の内周面は、前記軸部材の軸線の方向から見て円形状を有する
ことを特徴とする車両用動力伝達装置。 A vehicle power transmission device comprising: a shaft member that rotates about an axis; and an idle gear that is fitted to the outer peripheral surface of the shaft member so as to be free to rotate.
Spline teeth chamfered in the circumferential direction of the shaft member are formed on the outer circumferential surface of the shaft member at a position overlapping the idle gear in the radial direction of the shaft member,
The vehicle power transmission device, wherein an inner peripheral surface of the idle gear has a circular shape when viewed from the direction of the axis of the shaft member.
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015240643A Pending JP2017106550A (en) | 2015-12-09 | 2015-12-09 | Power transmission device for vehicle |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017106550A (en) |
-
2015
- 2015-12-09 JP JP2015240643A patent/JP2017106550A/en active Pending
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