JP2017106488A - 等速自在継手の外側継手部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】等速自在継手の外側継手部材の溶接時に発生したスパッタが外側継手部材のカップ部内に侵入することを防止した外側継手部材を提供すること。【解決手段】トルク伝達要素が係合するトラック溝が内周に形成されたカップ部と、カップ部の底部に形成された軸部とが別部材で構成され、カップ部を形成するカップ部材12aと軸部を形成する軸部材13aとが突合せ溶接された等速自在継手の外側継手部材であって、カップ部材の接合用端面50と軸部材の接合用端面51とが突き合わされて中空空洞部Hが形成される等速自在継手の外側継手部材において、カップ部材の軸心に中空空洞部に通じる通気孔60が設けられ、突合せ溶接部49と中空空洞部との間に溶接スパッタ収容部70が形成され、溶接スパッタ収容部と中空空洞部との間にカップ部の内部への溶接スパッタの侵入を防止する微小すきま部71が形成されていることを特徴とする。【選択図】図3

Description

この発明は、等速自在継手の外側継手部材に関する。
自動車や各種産業機械の動力伝達系を構成する等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸をトルク伝達可能に連結すると共に、前記二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達することができる。等速自在継手は、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、角度変位および軸方向変位の両方を許容する摺動式等速自在継手とに大別され、例えば、自動車のエンジンから駆動車輪に動力を伝達するドライブシャフトにおいては、デフ側(インボード側)に摺動式等速自在継手が使用され、駆動車輪側(アウトボード側)には固定式等速自在継手が使用される。
摺動式又は固定式を問わず、等速自在継手は主要な構成部材として、内周面にトルク伝達要素が係合するトラック溝を形成したカップ部と、このカップ部の底部から軸方向に延びた軸部とを有する外側継手部材を備えている。この外側継手部材は、中実の棒状素材(
バー材)を鍛造加工やしごき加工等の塑性加工、切削加工、熱処理、研削加工等を施すことによって、カップ部と軸部とを一体成形する場合が多い。
ところで、外側継手部材として、長寸の軸部(ロングステム)を有するものを用いる場合がある。左右のドライブシャフトの長さを等しくするために、片側のドライブシャフトのインボード側外側継手部材をロングステムにし、このロングステムが転がり軸受によって回転支持される。ロングステム部の長さは、車種により異なるが、概ね250〜400mm程度である。この外側継手部材では、軸部が長寸であるために、カップ部と軸部を安価に精度良く一体成形することが困難である。そのため、カップ部と軸部を別部材で構成し、電子ビーム溶接を施したものが提案されている(特許文献1)。
また、カップ部を形成するカップ部材と軸部を形成する軸部材とを溶接するタイプの外側継手部材において、両部材の接合部に形成される中空空洞部の内圧変化を抑えるために中空空洞部に通じる通気孔を設けたものが提案されている(特許文献2)。
特開2015−64101号公報 特開2013−2586号公報
特許文献1に記載された外側継手部材の製造方法は、カップ部材の接合用端面と軸部材の接合用端面を突合せて、この突合せ部に外側から半径方向にビームを照射して溶接するもので、接合用端面の外径をジョイントサイズ毎に同一寸法にしたものである。この構成により、溶接部の強度、品質の向上、溶接コストの削減と共に、カップ部材および軸部材の生産性の向上、並びにカップ部材の品種統合によるコスト低減、生産管理の軽減が可能な優れた外側継手部材の製造方法が提案されている。しかし、溶接時の密閉空間が工業生産を成立させるレベルの中真空とした場合に、僅かに残存する空気が、溶接時の入熱により溶接部を半径方向外側に向かって押し出し、溶接長さが不足する問題が判明した。この問題に対して特許文献1は着目するに至っていない。
特許文献2に記載された外側継手部材は、中空空洞部に通じる通気孔を設けているが、溶接を真空環境で行うことを意図したものではない。加えて、溶接時のスパッタが通気孔を通じてカップ部内部に侵入することへの問題に着目するに至っていない。
外側継手部材のカップ部内には、トルク伝達のためのトラック溝や保持器との嵌合面が形成されており、本発明は、溶接時のスパッタがカップ部内に侵入すると、トルク伝達時の異物となり、耐久性やNVH(Noise,Vibration,Harshness、以下同じ)特性に悪影響を及ぼす可能性があることに着目したものである。
本発明は、前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、等速自在継手の外側継手部材の溶接長さを確保すると共に溶接時に発生したスパッタが外側継手部材のカップ部内に侵入することを防止し、等速自在継手の耐久性やNVH特性の低下を防止した外側継手部材を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、トルク伝達要素が係合するトラック溝が内周に形成されたカップ部と、このカップ部の底部に形成された軸部とが別部材で構成され、前記カップ部を形成するカップ部材と前記軸部を形成する軸部材とが突合せ溶接された等速自在継手の外側継手部材であって、前記カップ部材の接合用端面と前記軸部材の接合用端面とが突き合わされて中空空洞部が形成される等速自在継手の外側継手部材において、前記カップ部材の軸心に前記中空空洞部に通じる通気孔が設けられ、前記突合せ溶接部と前記中空空洞部との間に溶接スパッタ収容部が形成され、前記溶接スパッタ収容部と前記中空空洞部との間に前記カップ部の内部への溶接スパッタの侵入を防止する微小すきま部が形成されていることを特徴とする。
上記の構成により、外側継手部材の溶接長さを確保すると共に溶接時に発生したスパッタが外側継手部材のカップ部内に侵入することを防止し、等速自在継手の耐久性やNVH特性の低下を防止することができる。
上記の微小すきま部がカップ部材と軸部材の半径方向の平面の間に形成されていることにより、微小すきま部の幅を十分に確保することができる。
上記の微小すきま部がカップ部材と軸部材の円筒状面の間に形成されていることにより、微小すきまの寸法精度を容易に確保することができる。
上記の通気孔にセンター穴を形成したことにより、センター穴の加工面で有利である。
上記のカップ部材の接合用端面と軸部材の接合用端面の外径をジョイントサイズ毎に同一寸法に設定したことにより、加工や品種統合の面で有利である。
本発明に係る等速自在継手の外側継手部材によれば、外側継手部材の溶接長さを確保すると共に溶接時に発生したスパッタが外側継手部材のカップ部内に侵入することを防止し、等速自在継手の耐久性やNVH特性の低下を防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係る等速自在継手の外側継手部材を適用したドライブシャフトの全体構造を示す図である。 図1の外側継手部材を拡大して示す部分縦断面図である。 図2の外側継手部材のカップ部材と軸部材の接合部近傍を拡大したもので、(a)図は溶接前の状態を示す縦断面図で、(b)図は溶接後の状態を示す縦断面図である。 図1の外側継手部材の製造工程を示す概要図である。 溶接前のカップ部材を示し、(a)図はしごき加工後のカップ部材の縦断面図で、(b)図は旋削加工後のカップ部材の縦断面図である。 溶接前の軸部材を示し、(a)図はバー材を切断したビレットの正面図で、(b)図は鍛造加工後の軸部材の部分縦断面図で、(c)図は旋削加工、スプライン加工後の部分縦断面図ある。 溶接工程を示す概要図である。 溶接工程を示す概要図である。 図6(c)の軸部材とは品番の異なる軸部材を示す正面図である。 図9の軸部材を用いて製造した外側継手部材を示す部分縦断面図である。 カップ部材の品種統合の例を示す図である。 溶接スパッタ収容部と微小すきま部の第1の変形例を示し、(a)図は溶接前の状態を示す縦断面図で、(b)図は溶接後の状態を示す縦断面図である。 溶接スパッタ収容部と微小すきま部の第2の変形例を示し、(a)図は溶接前の状態を示す縦断面図で、(b)図は溶接後の状態を示す縦断面図である。 図4の外側継手部材の製造工程の第1の変形例を示す概要図である。 図4の外側継手部材の製造工程の第2の変形例を示す概要図である。 本発明の第2の実施形態に係る等速自在継手の外側継手部材を示す部分縦断面図である。 図16の外側継手部材を拡大して示す部分縦断面図である。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明に係る等速自在継手の外側継手部材の第1の実施形態を図1〜3に示し、本実施形態の外側継手部材の製造工程を図4〜11に示す。
図1は、第1の実施形態に係る外側継手部材11が使用されたドライブシャフト1の全体構造を示す図である。ドライブシャフト1は、デフ側(図中右側:以下、インボード側ともいう)に配置される摺動式等速自在継手10と、駆動車輪側(図中左側:以下、アウトボード側ともいう)に配置される固定式等速自在継手20と、両等速自在継手10、20をトルク伝達可能に連結する中間シャフト2とを主要な構成とする。
図1に示す摺動式等速自在継手10は、いわゆるダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)である。この等速自在継手10は、カップ部12とカップ部12の底部から軸方向に延びた長寸軸部(以下、ロングステム部ともいう)13とを有する外側継手部材11と、外側継手部材11のカップ部12の内周に収容された内側継手部材16と、外側継手部材11と内側継手部材16のトラック溝30、40との間に配置されたトルク伝達要素としてのボール41と、外側継手部材11の筒状内周面42と内側継手部材16の球状外周面43とに、それぞれ嵌合する球状外周面45、球状内周面46を有し、ボール41を保持する保持器44とを備える。保持器44の球状外周面45の曲率中心O1と球状内周面46の曲率中心O2は、継手中心Oに対して、軸方向に反対側に等距離オフセットされている。
ロングステム部13の外周面にはサポートベアリング6の内輪が固定されており、このサポートベアリング6の外輪は、図示しないブラケットを介してトランスミッションケースに固定されている。外側継手部材11は、サポートベアリング6によって回転自在に支持され、このようなサポートベアリング6を設けておくことにより、運転時等における外側継手部材11の振れが可及的に防止される。
図1に示す固定式等速自在継手20は、いわゆるツェッパ型等速自在継手であり、有底筒状のカップ部21aとカップ部21aの底部から軸方向に延びた軸部21bとを有する外側継手部材21と、外側継手部材21のカップ部21aの内周に収容された内側継手部材22と、外側継手部材21のカップ部21aと内側継手部材22との間に配置されたトルク伝達要素としてのボール23と、外側継手部材21のカップ部21aの内周面と内側継手部材22の外周面との間に配され、ボール23を保持する保持器24とを備える。なお、固定式等速自在継手20として、アンダーカットフリー型等速自在継手が用いられる場合もある。
中間シャフト2は、その両端部外径にトルク伝達用のスプライン(セレーションを含む。以下、同じ)3を有する。そして、インボード側のスプライン3を摺動式等速自在継手10の内側継手部材16の孔部とスプライン嵌合させることにより、中間シャフト2と摺動式等速自在継手10の内側継手部材16とがトルク伝達可能に連結される。また、アウトボード側のスプライン3を固定式等速自在継手20の内側継手部材22の孔部とスプライン嵌合させることにより、中間シャフト2と固定式等速自在継手20の内側継手部材22とがトルク伝達可能に連結される。この中間シャフト2として、中実タイプを示したが、中空タイプを用いることもできる。
両等速自在継手10、20の内部には潤滑剤としてのグリースが封入されている。グリースの外部漏洩や継手外部からの異物侵入を防止するため、摺動式等速自在継手10の外側継手部材11と中間シャフト2との間、および固定式等速自在継手20の外側継手部材21と中間シャフト2との間には、蛇腹状のブーツ4、5がそれぞれ装着されている。
図2に基づき、本実施形態の外側継手部材を説明する。図2は、外側継手部材11を拡大した部分縦断面図である。外側継手部材11は、一端が開口し、内周面の円周方向等間隔にボール41(図1参照)が転動する複数のトラック溝30と筒状内周面42が形成された有底筒状のカップ部12と、カップ部12の底部から軸方向に延び、カップ部12とは反対側の端部外周にトルク伝達用連結部としてのスプラインSpが設けられたロングステム部13とからなる。外側継手部材11は、カップ部材12a、軸部材13aが溶接されて形成されている。
カップ部材12aは、S53C等の0.40〜0.60重量%の炭素を含む中炭素鋼からなり、内周にトラック溝30と筒状内周面42が形成された筒状部12a1と底部12a2からなる一体成形品である。カップ部材12aの底部12a2には凸部12a3が形成されている。カップ部材12aの開口側の外周にはブーツ取付溝32が形成され、内周には止め輪溝33が形成されている。軸部材13aは、カップ部材12a側の外周に軸受装着面14および止め輪溝15が形成され、反対側の端部にスプラインSpが形成されている。
軸部材13aは、S40C等の0.30〜0.55重量%の炭素を含む中炭素鋼からなる。図3(a)および図3(b)に示すように、カップ部材12aの底部12a2の凸部12a3に形成された接合用端面50と軸部材13aのカップ部材12a側端部の接合用端面51とを突合せ、カップ部材12aの外側から半径方向に電子ビーム溶接により溶接されている。溶接部49は、カップ部材12aの半径方向外側から照射されたビームによるビードで形成されている。詳細は後述するが、接合用端面50と接合用端面51の外径B1、B2は、ジョイントサイズ毎に同一寸法に設定されている。ただし、カップ部材12aの接合用端面50の外径B1と軸部材13aの接合用端面51の外径B2を、必ずしも同一寸法にする必要はなく、例えば、溶接ビードの状態などを考慮して、接合用端面50の外径B1に対して接合用端面51の外径B2を若干小径にすることや、反対に接合用端面50の外径B1に対して接合用端面51の外径B2を若干大径にするなど適宜の寸法差をつけてもよい。本明細書において、接合用端面50と接合用端面51の外径B1、B2がジョイントサイズ毎に同一寸法に設定されているとは、接合用端面50の外径B1と接合用端面51の外径B2との間においては適宜の寸法差があることも含む概念のものである。
図2、図3(a)および図3(b)に示すように、溶接部49が、軸部材13aの軸受装着面14よりカップ部材12a側の接合用端面51に形成されるので、軸受装着面14などは前もって加工可能で溶接後の後加工を廃止できる。また、電子ビーム溶接のため溶接部にバリが出ないので、溶接部の後加工も省略でき、製造コストが削減できる。さらに、溶接部の超音波探傷による全数検査が可能である。
本実施形態の外側継手部材11の特徴を図3(a)および図3(b)に基づいて説明する。図3(a)に示すように、カップ部材12aの接合用端面50は、環状に座ぐった形態で旋削加工し、接合用端面50の内径側端部に環状溝50aおよび円筒状外面50bが形成されている。円筒状外面50bの端部に端面50cおよび凹部50dが形成されている。カップ部材12aの軸心には、カップ部材12aの底部12a2および凸部12a3を貫通して通気孔60が設けられている。カップ部材12aの底部12a2に座ぐり部61が設けられ、この座ぐり部61にセンター穴62が形成されている。センター穴62は、後述する外側継手部材11の製造工程において、センター穴ガイドを嵌合させて心出しするために用いる。通気孔60をカップ部材12aの軸心に設けたので、製品強度面で有利である。また、通気孔60にセンター穴62を形成したので、センター穴62の加工面で有利である。
軸部材13aの接合用端面51の内径側に円筒状内面51aが形成され、円筒状内面51aの端部に端面51bおよび凹部52が形成されている。
カップ部材12aの接合用端面50と軸部材13aの接合用端面51を突き合わせると、中空空洞部Hが形成されるが、中空空洞部Hに通気孔60の一端が開口しているので、外気と連通する。軸部材13aの円筒状内面51aとカップ部材12aの環状溝50aとの間に溶接スパッタ収容部70が形成され、軸部材13aの円筒状内面51aとカップ部材12aの円筒状外面50bとの間に微小すきま部71が形成される。すなわち、図3(b)に示すように、突合せ溶接部49と中空空洞部Hとの間に溶接スパッタ収容部70が形成され、溶接スパッタ収容部70と中空空洞部Hとの間に微小すきま部71が形成されている。
中空空洞部Hが通気孔60を介して外気と連通しているので、溶接時の密閉空間を工業生産を成立させるレベルの中真空とした場合に、僅かに残存する空気が、溶接時の入熱により溶接部49を半径方向外側に向かって押し出し、溶接長さが不足する問題を防止できる。ここで、中真空とは、JIS 8126−1で規定された100Pa〜0.1Paの真空を意味する。
通気孔60が設けられているので、カップ部材12aと軸部材13aを突き合わせて、量産製品である等速自在継手の工業生産を成立させるレベルの中真空(低圧)雰囲気内で電子ビーム溶接を行った場合、溶接部49のビードの内径側には凹みが発生せず、溶接49のビードが両接合用端面50、51の内径側端部まで十分形成され、溶接長さを確保できる。これにより、溶接部の強度、品質、信頼性を向上させることができる。
また、溶接時のスパッタは、溶接スパッタ収容部70で捕捉され、かつ、微小すきま部71により溶接時に常に通気は可能とするが、そのすきまは微小であるため溶接スパッタは止められる。このため、スパッタが外側継手部材11のカップ部12a内に侵入することを防止し、等速自在継手10の耐久性やNVH特性の低下を防止することができる。
本実施形態では、微小すきま部71を軸部材13aの円筒状内面51aとカップ部材12aの円筒状外面50bとの間に形成したので、微小すきまの寸法精度を容易に確保することができる。これまでの溶接で確認できているスパッタの小さいものは直径0.2mm程度であり、微小すきま部71の隙間が0.2mmとなった場合は、理論上すり抜け可能であるが、微小すきま部71の長さを設定可能な隙間に合わせて長くすることで、スパッタの通過を防止できる。ここで、本明細書および特許請求の範囲における微小すきま部とは、スパッタの通過を防止できる0.1〜0.2mm程度の隙間を有する部分を意味する。
溶接スパッタ収容部70を形成する環状溝50aは、幅が1〜3mm程度で、深さが0.5〜2mm程度である。環状溝50aの溝底角部50a1〔図3(a)参照〕は、応力集中を考慮して適宜のRで形成している。また、環状溝50aは、溝底角部50a1のRとテーパからなる倣い形状であるので、環状溝50aおよび円筒状外面50bは、カップ部材12aの旋削加工時に容易に形成することができる。
次に、本実施形態の外側継手部材の製造工程を図4〜11に基づいて説明する。図4は、外側継手部材の製造工程の概要を示す。本実施形態では、カップ部材12aは、図示のように、バー材切断工程S1c、鍛造加工工程S2c、しごき加工工程S3cおよび旋削加工工程S4cからなる製造工程により製造される。一方、軸部材13aは、バー材切断工程S1s、旋削加工工程S2sおよびスプライン加工工程S3sからなる製造工程により製造される。このようにして製造されたカップ部材12aと軸部材13aの中間部品は、それぞれ、品番が付与されて管理される。
その後、カップ部材12aと軸部材13aとが溶接工程S6、熱処理工程S7および研削加工工程S8を経て外側継手部材11が完成する。
各工程の概要を説明する。各工程は、代表的な例を示すものであって、必要に応じて適宜変更や追加を行うことができる。まず、カップ部材12aの製造工程を説明する。
[バー材切断工程S1c]
鍛造重量に基づいてバー材を所定長さで切断し、ビレットを製作する。
[鍛造加工工程S2c]
ビレットを鍛造加工により、カップ部材12aの素形材として筒状部、底部および凸部を一体成形する。
[しごき加工工程S3c]
前記素形材のトラック溝30および筒状円筒面42をしごき加工して、カップ部材12aの筒状部の内周を仕上げる。
[旋削加工工程S4c]
しごき加工後の素形材に、外周面、ブーツ取付溝32、止め輪溝33、接合用端面50、環状溝50a、円筒状外面50b、端面50c、通気孔60等を旋削加工する。本実施形態では、旋削加工工程S4cの後、中間部品としてのカップ部材12aに品番を付与して管理する。
次に、軸部材13aの製造工程を説明する。
[バー材切断工程S1s]
軸部全長に基づいてバー材を所定長さで切断し、ビレットを製作する。その後、軸部材13aの形状に応じて、ビレットをアプセット鍛造により概略形状に鍛造加工する場合もある。
[旋削加工工程S2s]
ビレット又は素形材の外周面(軸受装着面14、止め輪溝15、スプライン下径、端面など)とカップ部材12a側端部の接合用端面51、円筒状内面51a、端面51b等を旋削加工する。
[スプライン加工工程S3s]
旋削加工後の軸部材にスプラインを転造加工する。ただし、スプラインの加工は転造加工に限られるものではなく、適宜プレス加工等に置き換えることもできる。本実施形態では、スプライン加工後、中間部品としての軸部材13aに品番を付与して管理する。
次に、カップ部材12aと軸部材13aから外側継手部材11が完成するまでの製造工程を説明する。
[溶接工程S6]
カップ部材12aの接合用端面50と軸部材13aの接合用端面51を突合せて溶接する。
[熱処理工程S7]
溶接後のカップ部12の少なくともトラック溝30、筒状内周面42および軸部13の外周の必要範囲に熱処理として高周波焼入れ焼戻しを行う。溶接部は熱処理を施さない。カップ部12のトラック溝30や筒状内周面42はHRC58〜62程度の硬化層が形成される。また、軸部13の外周の所定範囲にHRC50〜62程度の硬化層が形成される。
[研削加工工程S8]
熱処理後、軸部13の軸受装着面14等を研削加工して仕上げる。これにより、外側継手部材11が完成する。
この製造工程では、溶接工程後に熱処理工程を組み入れたものであるので、溶接時の熱で周辺部の温度が上昇し、熱処理部の硬度に影響がある形状や仕様のカップ部材および軸部材に適する。
次に、外側継手部材の製造工程の主な構成を詳細に説明する。図5(a)は、カップ部材12aのしごき加工後の状態を示す縦断面図で、図5(b)は旋削加工後の状態を示す縦断面図である。カップ部材12aの素形材12a’は、鍛造加工工程S2cにおいて、筒状部12a1’、底部12a2’および凸部12a3’が一体成形される。その後、しごき加工工程S3cにおいて、トラック溝30および筒状円筒面42がしごき加工され、図5(a)に示すように筒状部12a1’の内周が仕上げられる。
その後、旋削加工工程S4cにおいて、図5(b)に示すように、カップ部材12aの外周面、ブーツ取付溝32、止め輪溝33などと底部12a2の凸部12a3の接合用端面50、その外径B1、環状溝50a、円筒状外面50b、端面50c、凹部50dおよび通気孔60(座ぐり部61、センター穴62を含む。)が旋削加工される。
図6に軸部材13aの各加工工程における状態を示す。図6(a)はバー材を切断したビレット13a”を示す正面図で、図6(b)はビレット13a”をアプセット鍛造により概略形状に鍛造加工した素形材13a’を示す部分縦断面図で、図6(c)は、旋削加工およびスプライン加工後の軸部材13aを示す部分縦断面図である。
バー材切断工程S1sにおいて、図6(a)に示すビレット13a”が製作され、必要に応じて、図6(b)に示すように、ビレット13a”をアプセット鍛造加工により、所定範囲の軸径を拡径させると共に接合側端部(カップ部材12a側端部)に凹部52を形成した素形材13a’を製作する。
その後、旋削加工工程S2sにおいて、図6(c)に示すように、軸部材13aの外径、軸受装着面14、止め輪溝15、接合用端面51、その外径B2、円筒状内面51aおよび端面51bを旋削加工し、スプライン加工工程S3sにおいて、接合用端面51の反対側端部にスプラインSpが転造やプレスにより加工される。
図5(b)に示すカップ部材12aの接合用端面50の外径B1は、1つのジョイントサイズで同一寸法に設定されている。また、図6(c)に示す軸部材13aは、ロングステム用のものであるが、接合用端面51の外径B2は、軸径や外周形状に関係なく、1つのジョイントサイズで同一寸法に設定されている。そして、軸部材13aの接合用端面51は、軸受装着面14よりカップ部材12a側の位置に設定されている。このように寸法設定されているので、カップ部材12aを共用化し、軸部材13aのみを車種に応じた種々の軸径、長さや外周形状に製作し、両部材12a、13aを溶接することにより、種々の車種に適合する外側継手部材11を製作することができる。カップ部材12aの共用化についての詳細は後述する。
次に、カップ部材12aと軸部材13aの溶接方法を図7および図8に基づいて説明する。図7および図8は溶接装置を示す概要図である。図7は溶接前の状態を示し、図8は溶接している状態を示す。図7に示すように溶接装置100は、電子銃101、回転装置102、チャック103、センター穴ガイド104、テールストック105、ワーク受け台106、センター穴ガイド107、ケース108および真空ポンプ109を主な構成とする。
溶接装置100内のワーク受け台106には、ワークであるカップ部材12a、軸部材13aが載置される。溶接装置100の一端にあるチャック103およびセンター穴ガイド107は回転装置102に連結されており、センター穴ガイド107をセンター穴62に嵌合しカップ部材12aをセンタリングした状態でチャック103によりカップ部材12aを掴み、回転運動を与える。溶接装置100の他端にあるテールストック105にセンター穴ガイド104が一体に取り付けられ、両者は軸方向(図7、8の左右方向)に進退可能に構成されている。
センター穴ガイド104には軸部材13aのセンター穴がセットされ、センタリングされる。溶接装置100のケース108には真空ポンプ109が接続されている。本明細書において、密閉空間とは、ケース108により形成される空間111を意味する。本実施形態では、カップ部材12aおよび軸部材13aの全体が密閉空間111に収容されている。カップ部材12aおよび軸部材13aの接合用端面50、51に対応する位置に電子銃101が設けられている。電子銃101はワークに対して所定位置まで接近可能に構成されている。
次に、上記のように構成された溶接装置100の作動と溶接方法を説明する。ワークであるカップ部材12aおよび軸部材13aは、溶接装置100と別の場所にストックされている。各ワークを、例えば、ロボットにより取り出し、図7に示す大気に開放された溶接装置100のケース108内に搬送し、ワーク受け台106の所定位置にセットする。この時点では、センター穴ガイド104およびテールストック105は、図の右側に後退しており、カップ部材12aおよび軸部材13aの接合用端面50、51の間には隙間が設けられている。その後、ケース108の扉(図示省略)が閉まり、真空ポンプ109を起動してケース108内に形成される密閉空間111を減圧する。これにより、軸部材13aの円筒状内面51a、端面51bおよび通気孔60内も減圧される。
密閉空間111が所定の圧力に減圧されたら、図8に示すように、センター穴ガイド104およびテールストック105が左側に前進し、カップ部材12aと軸部材13aの接合用端面50、51が突き合わされ、隙間がなくなる。カップ部材12aはセンター穴ガイド107がセンター穴62に嵌合することによりセンタリングされてチャック103で固定され、軸部材13aはセンター穴ガイド104により支持される。この後、ワーク受け台106がワークから離れる。このときのワーク受け台106とワークとの間隔は微小なものでよいので、図8では、上記間隔は図示を省略する。もちろん、ワーク受け台106を下方に大きく退避する構造にすることも可能である。
その後、図示は省略するが、電子銃101が所定位置までワークに接近し、ワークを回転させて、予熱を開始する。予熱条件は、溶接条件とは異なり、電子銃101をワークに接近させてスポット径が大きな状態で電子ビームを照射するなどにより、溶接温度よりも低い温度とする。予熱することにより、溶接後の冷却速度を遅くすることで焼き割れを防止することができる。所定の予熱時間に達したら、電子銃101が所定の位置に後退し、ワークの外側から半径方向に電子ビームを照射し溶接が開始される。
図3(a)、図3(b)で前述したように、カップ部材12aと軸部材13aの接合用端面50、51を突き合わせると、溶接スパッタ収容部70と微小すきま部71が形成される。通気孔60を介して外気に連通する中空空洞部Hに溶接スパッタ収容部70と微小すきま部71が連通している。溶接工程において通気孔60に設けられたセンター穴62にセンター穴ガイド107が嵌合するが、嵌合による接触部分を通じて空気が行き来する。
このため、中空空洞部Hが通気孔60を介して外気と連通しているので、溶接時に工業生産を成立させるレベルの中真空とした場合に、僅かに残存する空気が、溶接時の入熱により溶接部49を半径方向外側に向かって押し出すようなことはなく、溶接長さを確保できる。また、溶接時のスパッタは、溶接スパッタ収容部70で捕捉され、かつ、微小すきま部71により溶接時に常に通気は可能とするが、そのすきまは微小であるため溶接スパッタは止められる。このため、スパッタが外側継手部材11のカップ部12a内に侵入することを防止し、等速自在継手10の耐久性やNVH特性の低下を防止できる。溶接が終了すると、電子銃101が退避し、ワークの回転が停止する。
その後、図示は省略するが、密閉空間111を大気に開放する。そして、ワーク受け台106が上昇し、ワークを支持した状態で、センター穴ガイド104およびテールストック105が右側に後退し、チャック103を開放する。その後、例えば、ロボットがワークを掴み、溶接装置100から外し、冷却ストッカに整列させる。この溶接装置100では、カップ部材12aおよび軸部材13aの全体が密閉空間111に収容されている形態であるので、ケース108内の密閉空間111の構成を簡素化することができる。
具体的には、炭素量が0.4〜0.6%のカップ部材12aおよび炭素量が0.3〜0.55%の軸部材13aを用いて、前述した溶接装置100で、ケース108内の密閉空間111の圧力を6.7Pa以下に設定して溶接した。溶接後の急冷を防止し溶接部硬度の高硬度化を抑制するために、カップ部材12a、軸部材13aの接合用端面50、51が300〜650℃になるよう予熱により均熱化した後、電子ビーム溶接を行った。この結果、外側継手部材11の軸部へのベアリング6の組込みに影響のない溶接表面の盛り上がり高さ(0.5mm以下)の溶接部49が得られた。また、予熱による均熱化よって溶接完了後の溶接部硬度をHv200〜500の範囲内に抑えることができ、溶接強度が高く、かつ安定した溶接状態、品質を得ることができた。さらに、溶接装置100の密閉空間111を大気圧以下にして溶接することにより、溶接中の中空空洞部内の圧力変化を抑えることができ、溶融物の吹き上がりや内径側への引き込みを防ぐことができた。ケース108内の密閉空間111の圧力6.7Pa以下の設定は、自動車用等の量産製品である等速自在継手の工業生産を成立させるレベルの真空(低圧)条件である。
さらに、溶接49のビードの内径側には凹みが発生せず、溶接49のビードが両接合用端面50、51の内径側端部まで十分形成され、溶接長さを確保できる。これにより、溶接部の強度、品質、信頼性を向上させることができる。また、スパッタが外側継手部材11のカップ部12a内に侵入することを防止し、等速自在継手10の耐久性やNVH特性の低下を防止できることが確認できた。
次に、製造コンセプトのまとめとして、カップ部材の品種統合について、前述した図6(c)に示すロングステムタイプの軸部材13aとは異なる品番の軸部材を例示して補足説明する。図9および図10に示す軸部材13bは、インボード側の標準的なステム用のものである。軸部材13bには、カップ部材12aの底部12a2(凸部12a3)の接合用端面50〔図5(b)参照〕に突合せる接合用端面51が形成されている。この接合用端面51の外径B2は、図6(c)に示したロングステムタイプの軸部材13aの接合用端面51の外径B2と同一寸法に形成されている。
この軸部材13bは、インボード側の標準的なステム用のため、軸部の長さが短く、軸方向中央部に滑り軸受面18が形成され、この滑り軸受面18に複数の油溝19が形成されている。カップ部材12a側とは反対側の端部にはスプラインSpと止め輪溝48が形成されている。このように、標準的な長さのステムやロングステムというタイプの違いや、車種毎の種々の軸径や外周形状が異なっても、軸部材13a、13bの接合用端面51の外径B2は同一寸法に設定されている。また、軸部材13a、13bの溶接スパッタ収容部70、微小すきま部71〔図3(a)、図3(b)、図10参照〕もジョイントサイズ毎に同一寸法に設定されている。
カップ部材12aと軸部材13a、13bの接合用端面50、51の外径B1、B2がジョイントサイズ毎に同一寸法に設定されているので、ジョイントサイズ毎に共用化されたカップ部材と車種毎に種々の軸部仕様を備えた軸部材が熱処理前の状態で準備することができ、カップ部材12aと軸部材13a、13bの中間部品のそれぞれに品番を付与して管理することができる。そして、カップ部材12aを品種統合しても、車種毎に種々の軸部仕様を備えた軸部材13a、13bと組み合わせて、要求に応じた種々の外側継手部材11を迅速に製作することができる。したがって、カップ部材12aの品種統合によるコスト低減、生産管理の負荷を軽減することができる。
上記では、理解しやすいように、標準的な長さのステムとロングステムというタイプの違いを例として、カップ部材の品種統合の説明を行ったが、これに限ることなく、標準的な長さのステム間での車種毎の種々の軸部仕様を備えた軸部材やロングステム間の車種毎の種々の軸部仕様を備えた軸部材に対するカップ部材の品種統合も同様である。
以上の要約として、本実施形態のカップ部材の品種統合の例を図11に示す。図示のようにカップ部材は、1つのジョイントサイズで共用化され、例えば、品番C001が付与されて管理される。これに対して、軸部材は、車種毎に種々の軸部仕様を備え、例えば、品番S001、S002、〜S(n)が付与されて管理される。そして、例えば、品番C001のカップ部材と品番S001の軸部材を組み合わせて溶接すると、品番A001の外側継手部材を製作することができる。このように、カップ部材の品種統合により、コスト低減、生産管理の負荷を軽減することができる。この品種統合において、カップ部材は、1つのジョイントサイズで1種類、すなわち、1型番ということに限定されるものではなく、例えば、最大作動角の異なる仕様により1つのジョイントサイズで複数の種類(複数型番)のカップ部材を設定し、これらのカップ部材の上記接合用端面の外径B1を同一寸法にしたものを含むものである。
次に、溶接スパッタ収容部と微小すきま部の第1の変形例を図12に基づいて説明する。図12(a)は溶接前の状態を示す縦断面図で、図12(b)は溶接後の状態を示す縦断面図である。本変形例では、カップ部材12a1の円筒状外面50b1を軸部材13a1の円筒状内面51a1より直径を適宜小さくし、円筒状内面51a1と円筒状外面50b1との間に溶接スパッタ収容部701を形成し、カップ部材12a1の端面50c1と軸部材13a1の端面51b1との間、すなわち、半径方向の平面の間に微小すきま部711を形成している。本変形例では、溶接スパッタ収容部701の容積を増加させると共に微小すきま部711の幅を十分に確保することができる。本変形例においても、突合せ溶接部49と中空空洞部Hとの間に溶接スパッタ収容部701が形成され、溶接スパッタ収容部70と中空空洞部Hとの間に微小すきま部711が形成されている。その他の構成は、第1の実施形態の外側継手部材11と同様であるので、同様の機能を有する部位には同一の符号(下付文字は除く)を付して、第1の実施形態の外側継手部材およびその製造工程について前述した内容をすべて準用し、説明を省略する。
溶接スパッタ収容部と微小すきま部の第2の変形例を図13に基づいて説明する。図13(a)は溶接前の状態を示す縦断面図で、図13(b)は溶接後の状態を示す縦断面図である。本変形例では、カップ部材12a2と軸部材13a2の接合部の嵌合構造を前述した第1の変形例とは逆にしたものである。カップ部材12a2には接合用端面502の内径側に円筒状内面50b2、端面50c2、凹部50d2が形成され、軸部材13a2の接合用端面512の内径側に円筒状外面51a2、端面51b2、凹部522が形成されている。軸部材13a2の円筒状外面51a2をカップ部材12a2の円筒状内面50b2より直径を適宜小さくし、円筒状内面50b2と円筒状外面51a2との間に溶接スパッタ収容部702を形成し、カップ部材12a2の端面50c2と軸部材13a2の端面51b2との間に微小すきま部712を形成している。本変形例においても、溶接スパッタ収容部702の容積を増加させると共に微小すきま部712の幅を十分に確保することができる。
本変形例は、カップ部材12a2と軸部材13a2の接合部の嵌合構造を第1の変形例と逆にしたものを例示したが、これに限られず、第1の実施形態のカップ部材12aと軸部材13aの接合部の嵌合構造を上記と同様に逆にしてもよい。その他の構成は、第1の実施形態および第1の変形例の外側継手部材11と同様であるので、同様の機能を有する部位には同一の符号(下付文字は除く)を付して、第1の実施形態および第1の変形例の外側継手部材および製造工程について前述した内容をすべて準用し、説明を省略する。
図14に、外側継手部材を製造工程についての第1の変形例を示す。本変形例の製造工程では、前述した図4の熱処理工程S7中のカップ部材の熱処理工程を溶接工程S6の前に組入れて、熱処理工程S5cとし、カップ部材については完成品として準備するものである。この点を除いた内容、すなわち、第1の実施形態の外側継手部材において前述した各工程の概要、カップ部材および軸部材の主な加工工程における状態、カップ部材の共用化、溶接方法、品種統合や外側継手部材の構成などは同様であるので第1の実施形態の全ての内容を本変形例に準用し、相違する部分のみ説明する。
図5(b)に示すように、カップ部材12aは、接合用端面50から底部12a2を経て径の大きな筒状部12a1に至る形状であり、かつ、焼入れ焼戻しとしての熱処理を施す部位が筒状部12a1の内周のトラック溝30、筒状内周面42である。このため、通常、熱処理部に対して溶接時の熱影響がないので、カップ部材12aについては溶接前に熱処理を施し完成部品として準備する。本変形例の製造工程が実用面では好適である。
本変形例の製造工程では、カップ部材12aについては完成品としての熱処理が施されているので、完成品としての品番を付与して管理する。したがって、カップ部材12aの品種統合によるコスト低減、生産管理の負荷軽減が顕著になる。また、カップ部材12aは、鍛造加工、旋削加工、熱処理を経た完成品まで、単独で製造でき、段取り削減等も含めて生産性が向上する。
本変形例の場合、第1の実施形態の外側継手部材おいて前述したカップ部材の品種統合の例を示す図11については、図中のカップ部材の品番が完成品としての品番となるだけで、軸部材と外側継手部材については、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図15に、外側継手部材を製造工程についての第2の変形例を示す。本変形例の製造工程では、前述した図4の熱処理工程S7のカップ部と軸部の熱処理工程および軸部の研削加工工程S8を溶接工程S6の前に組み入れて、カップ部材の熱処理工程S5c、軸部材の熱処理工程S4sおよび研削加工工程S5sとしたものである。したがって、カップ部材と軸部材を共に完成品として準備するものである。この点を除いた内容、すなわち、第1の実施形態の外側継手部材において前述した各工程の概要、カップ部材および軸部材の主な加工工程における状態、カップ部材の共用化、溶接方法、品種統合や外側継手部材の構成などは同様であるので第1の実施形態の全ての内容を本実施形態に準用し、相違する部分のみ説明する。
軸部材は、スプライン加工工程S3sの後、熱処理工程S4sで外周面の所定範囲に高周波焼入れによりHRC50〜62程度の硬化層が形成される。接合用端面51を含む所定の軸方向部位は熱処理を施さない。カップ部材の熱処理、品番付与等については、前述した製造工程についての第1の変形例と同様であるので、重複説明を省略する。
熱処理工程S4s後、軸部材は研削加工工程S5sに移され、軸受装着面14などを仕上げ加工する。これにより、完成品としての軸部材が得られる。そして、軸部材に完成品としての品番が付与され管理される。本変形例の製造工程は、熱処理部に対して溶接時の熱影響が生じない形状、仕様を有するカップ部材および軸部材の場合に適する。
本変形例の製造工程では、カップ部材と軸部材の両方が完成品としての品番を付与して管理することができる。したがって、カップ部材の品種統合によるコスト低減、生産管理の負荷軽減が一層顕著になる。また、カップ部材および軸部材は、鍛造加工、旋削加工、熱処理および熱処理後の研削加工等を経た完成品まで、それぞれ、別々に製造でき、段取り削減等も含めて生産性が一層向上する。
本変形例の場合、第1の実施形態の外側継手部材おいて前述したカップ部材の品種統合の例を示す図11については、図中のカップ部材および軸部材の品番が完成品の品番となる。外側継手部材については、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。ただし、完成部品としてのカップ部材や軸部材とは、前述した熱処理後の研削加工や焼入れ後切削加工等の仕上げ加工が施されたものに限られず、この仕上げ加工を残した熱処理完了状態のカップ部材や軸部材を含むものである。
品種統合において述べたように、カップ部材は、1つのジョイントサイズで1種類、すなわち、1型番ということに限定されるものではない。すなわち、前述したように、例えば、最大作動角の異なる仕様により1つのジョイントサイズで複数の種類(複数型番)のカップ部材を設定し、これらのカップ部材の上記接合用端面の外径B1を同一寸法にしたものを包むものである。また、これに加えて、例えば、継手機能や製造現場の実情、生産性等を考慮して、カップ部材を熱処理前の中間部品と完成部品の複数形態で管理するために1つのジョイントサイズで複数の種類(複数型番)のカップ部材を設定し、これらのカップ部材の上記接合用端面の外径B1を同一寸法にしたものも含むものである。
次に、本発明の第2の実施形態に係る外側継手部材を図16および図17に基づいて説明する。この等速自在継手および外側継手部材では、図1および図2の等速自在継手および外側継手部材と同様の機能を有する箇所には同一の符号(下付文字を除く)を付して、要点のみを説明する。
図16に示す摺動式等速自在継手103は、トリポード型等速自在継手(TJ)であり、カップ部123とカップ部123の底部から軸方向に延びたロングステム部13とを有する外側継手部材113と、外側継手部材113のカップ部123の内周に収容された内側継手部材163と、外側継手部材113と内側継手部材163との間に配置されたトルク伝達要素としてのローラ19とを備える。内側継手部材163は、ローラ19を外嵌した3本の脚軸18が円周方向等間隔に設けられたトリポード部材17で構成される。
ロングステム部13の外周面にはサポートベアリング6の内輪が固定され、このサポートベアリング6の外輪は、図示しないブラケットを介してトランスミッションケースに固定されている。外側継手部材113は、サポートベアリング6によって回転自在に支持され、運転時等における外側継手部材113の振れが可及的に防止される。
図17に、外側継手部材113の部分縦断面を示す。図示のように、外側継手部材113は、一端が開口し、内周面の円周方向三等分位置にローラ19(図16参照)が転動するトラック溝303と内周面313が形成された有底筒状のカップ部123と、カップ部123の底部から軸方向に延び、カップ部123側とは反対側の端部外周にトルク伝達用連結部としてのスプラインSpが設けられたロングステム部13とからなる。外側継手部材113は、カップ部材12a3と軸部材13aが溶接されて形成されている。
図17に示すように、カップ部材12a3は、内周にトラック溝303と内周面313が形成された筒状部12a13と底部12a23からなる一体成形品である。カップ部材12a3の底部12a23には凸部12a33が形成されている。カップ部材12a3の開口側の外周にはブーツ取付溝32が形成されている。軸部材13aは、カップ部材12a3側の外周に軸受装着面14および止め輪溝15が形成され、カップ部材12a3側とは反対側の端部にスプラインSpが形成されている。
カップ部材12a3の底部12a23の凸部12a33に形成された接合用端面503と軸部材13aのカップ部材12a3側端部の接合用端面51とを突合せ、半径方向の外側から電子ビーム溶接により溶接されている。溶接部49は、カップ部材12a3の半径方向外側から照射されたビードで形成されている。第1の実施形態の外側継手部材と同様に、カップ部材12a3と軸部材13aの接合用端面503、51を突き合わせると、溶接スパッタ収容部703と微小すきま部713が形成される。通気孔60を介して外気に連通する中空空洞部Hに溶接スパッタ収容部703と微小すきま部713が連通している。接合用端面503と接合用端面51の外径は、ジョイントサイズ毎に同一寸法に設定されている。溶接部49が、軸部材13aの軸受装着面14よりカップ部材12a3側の接合用端面51に形成されるので、軸受装着面14などは前もって加工可能で溶接後の後加工を廃止できる。また、電子ビーム溶接のため溶接部にバリが出ないので、溶接部の後加工も省略でき、製造コストが削減できる。第1の実施形態の前述した溶接スパッタ収容部と微小すきま部の各変形例も本実施形態に適用できる。
その他の構成については、外側継手部材113は、前述した第1の実施形態に係る外側継手部材11において前述した内容と同様であるので、第1の実施形態の外側継手部材において前述した各工程の概要、カップ部材および軸部材の主な加工工程における状態、カップ部材の共用化、溶接方法、品種統合や外側継手部材の構成などは同様であるので第1の実施形態の全ての内容を本実施形態に準用し、説明を省略する。
以上の実施形態では、電子ビーム溶接を適用したものを示したが、レーザ溶接でも同様に適用することができる。
以上の外側継手部材についての実施形態では、摺動式等速自在継手10としてのダブルオフセット型等速自在継手、トリポード型等速自在継手に適用した場合について説明したが、本発明は、クロスグルーブ型等速自在継手等、他の摺動式等速自在継手の外側継手部材、さらには固定式等速自在継手の外側継手部材にも適用することができる。また、以上では、ドライブシャフトを構成する等速自在継手の外側継手部材に本発明を適用しているが、本発明は、プロペラシャフトを構成する等速自在継手の外側継手部材にも適用することができる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 ドライブシャフト
2 中間シャフト
3 スプライン
4 ブーツ
5 ブーツ
6 サポートベアリング
10 摺動式等速自在継手
11 外側継手部材
11’ ワーク
12 カップ部
12a カップ部材
12a1 筒状部
12a2 底部
13 長寸軸部
13a 軸部材
14 軸受装着面
16 内側継手部材
17 トリポード部材
19 トルク伝達要素(ローラ)
20 固定式等速自在継手
21 外側継手部材
22 内側継手部材
23 トルク伝達要素(ボール)
24 保持器
30 トラック溝
31 内周面
40 トラック溝
41 トルク伝達要素(ボール)
42 筒状内周面
49 溶接部
50 接合用端面
50a 環状溝
50b 円筒状外面
50c 端面
51 接合用端面
51a 円筒状内面
51b 端面
60 通気孔
62 センター穴
70 溶接スパッタ収容部
71 微小すきま部
100 溶接装置
101 電子銃
108 ケース
109 真空ポンプ
111 密閉空間
B1 外径
B2 外径
H 中空空洞部
O 継手中心
O1 曲率中心
O2 曲率中心

Claims (5)

  1. トルク伝達要素が係合するトラック溝が内周に形成されたカップ部と、このカップ部の底部に形成された軸部とが別部材で構成され、前記カップ部を形成するカップ部材と前記軸部を形成する軸部材とが突合せ溶接された等速自在継手の外側継手部材であって、前記カップ部材の接合用端面と前記軸部材の接合用端面とが突き合わされて中空空洞部が形成される等速自在継手の外側継手部材において、
    前記カップ部材の軸心に前記中空空洞部に通じる通気孔が設けられ、
    前記突合せ溶接部と前記中空空洞部との間に溶接スパッタ収容部が形成され、
    前記溶接スパッタ収容部と前記中空空洞部との間に前記カップ部の内部への溶接スパッタの侵入を防止する微小すきま部が形成されていることを特徴とする等速自在継手の外側継手部材。
  2. 前記微小すきま部が前記カップ部材と前記軸部材の半径方向の平面の間に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手の外側継手部材。
  3. 前記微小すきま部が前記カップ部材と前記軸部材の円筒状面の間に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手の外側継手部材。
  4. 前記通気孔にセンター穴が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
  5. 前記カップ部材の接合用端面と前記軸部材の接合用端面の外径がジョイントサイズ毎に同一寸法に設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
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