JP2017104017A - 低電解質野菜の栽培方法、低電解質野菜、養液栽培用肥料および養液栽培用培養液 - Google Patents

低電解質野菜の栽培方法、低電解質野菜、養液栽培用肥料および養液栽培用培養液 Download PDF

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Abstract

【課題】低電荷質物質の摂取に制限がある人の食事療法の生野菜として採用可能な低電解質野菜およびかかる野菜を栽培する低電解質野菜の栽培方法を提供する。【解決手段】養液栽培で野菜を栽培する方法であって、栽培ベッドに定植した前記野菜の苗を、カリウムおよびカルシウムを実質的に含有しない脱電荷質培養液を用いた脱電荷質栽培工程により栽培する。カリウムおよびカルシウムを実質的に含有していない培養液で野菜を栽培するので、カリウムおよびカルシムの含有量が低い野菜を栽培することができる。このため、かかる野菜を、腎臓や一部の甲状腺機能に障害を有する人の食事療法用の生野菜として採用することが可能となる。すると、このような疾患を有する人の食生活を充実したものにすることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、低電解質野菜の栽培方法、低電解質野菜、養液栽培用肥料および養液栽培用培養液に関する。さらに詳しくは、電荷質物質であるカリウム、カルシウムを低減した低電解質野菜の栽培方法、かかる栽培方法で栽培した野菜、かかる栽培方法に用いられる養液栽培用肥料および養液栽培用培養液に関する。
慢性的な疾患を有する人の多くは、食事療法などによって体内のカリウムやカルシウムなどの電解質バランスを調整しなければならない。とくに、腎臓病は、電解質のカリウムの摂取が制限される病気であり、近年、日本において最も増加傾向が高い慢性疾患の一つであるとされている。しかも、現在の透析が必要な腎臓病の人の数は約30万人であり、その予備軍を含めると1、300万人にもなると推定されている。つまり日本の成人人口の13%が、将来、腎臓病になるおそれがあるとされている。また、カルシウムにおいては、副甲状腺機能に障害を有する人に対して摂取量が制限されている。このため、上記のような疾患を有する人は、常に食事に含まれる電解質の量を注意した食生活をおくっている。
電解質が多量に含有されている食物として野菜がある。そして、食生活において、電荷質の多くは、生で食されるレタスなどの野菜から摂取されている。このため、上記のような電解質の摂取が制限されている人の食生活において、レタス等の生野菜の摂取が非常に制限されている。
ここで、近年、レタス等の生食として供される野菜の栽培方法は、露地栽培から外部から隔離されたハウス内や屋内において、水耕栽培により栽培する方法が進んでいる。この水耕栽培法は、人工的に栽培環境をコントロールすることによりレタス等の野菜を栽培することができる技術である。
そこで、かかる技術を用いて、電解質の一つであるカリウムを低減したレタスの栽培方法が提案されている(特許文献1〜3)。
特許文献1〜3には、収穫後のレタス中に含まれるカリウム量が約100mg/100g(約1000ppm)〜約200mg/100g(約2000ppm)となるようにレタスを栽培することができる方法が開示されている。
特開2011―36226号公報 特開2012―183062号公報 特開2015―50958号公報
しかるに、上述した特許文献1〜3の方法では、レタスに含まれるカリウムの量をある程度まで低下させることができるものの、上述したような疾患を有する人の食事療法用として採用するのは困難である。なぜなら、このような疾患を有する人が生野菜から摂取可能なカリウムの量は約100mg/日以下といわれているからである。
また、野菜中のカルシム濃度が低下すれば、チップバーン症状が発生するといわれている。このチップバーン症状が発生した野菜は、見た目が悪くなり、商品価値が著しく低下してしまうので、通常、野菜の栽培において、常にカルシウムを供給した状態で野菜は栽培されている。つまり、現状、カルシウムを低減させた野菜を栽培する方法は存在しないというのが実情である。
したがって、上述したような食事療法が必要な人が、一般の人と同様に生野菜を食することができるような野菜の開発が強く望まれている。
本発明は上記事情に鑑み、低電荷質物質の摂取に制限がある人の食事療法の生野菜として採用可能な低電解質野菜およびかかる野菜を栽培する低電解質野菜の栽培方法を提供することを目的とする。
また、低電解質野菜の栽培方法に用いられる養液栽培用培養液、および低電解質野菜の栽培方法に用いられる養液栽培用肥料を提供することを目的とする。
(栽培方法)
第1発明の低電解質野菜の栽培方法は、養液栽培で野菜を栽培する方法であって、栽培ベッドに定植した前記野菜の苗を、カリウムおよびカルシウムを実質的に含有しない脱電荷質培養液を用いた脱電荷質栽培工程により栽培することを特徴とする。
第2発明の低電解質野菜の栽培方法は、第1発明において、前記脱電解質培養液は、窒素濃度が、35mg/l〜75mg/lとなるように調整したものであることを特徴とする。
第3発明の低電解質野菜の栽培方法は、第1または第2発明において、前記脱電荷質栽培工程に先立って、成苗工程により、前記野菜の苗をある程度の大きさに栽培する方法であり、前記成苗工程は、窒素と、リンと、カリウムと、カルシウムと、マグネシウムと、を主成分とする成苗用培養液を用いて前記野菜の苗を栽培することを特徴とする。
第4発明の低電解質野菜の栽培方法は、第3発明において、前記成苗工程の栽培期間を、前記脱電荷質栽培工程の栽培期間で除した値の栽培期間比が、1.0よりも小さくなるように調整することを特徴とする。
第5発明の低電解質野菜の栽培方法は、第1、第2、第3発明または第4発明において、前記野菜が、レタスであり、前記脱電解質栽培工程の栽培期間が、14日間〜21日間であることを特徴とする。
第6発明の低電解質野菜の栽培方法は、第3、第4発明または5発明において、前記野菜が、レタスであり、前記成苗工程の栽培期間が、7日間〜21日間であることを特徴とする。
(野菜)
第7発明の低電解質野菜は、第1発明乃至第6発明のいずれかに記載の方法で栽培された野菜であり、該野菜は、カリウム含有量が60mg/100g以下となるように調整されたものであることを特徴とする。
第8発明の低電解質野菜は、第7発明において、前記野菜は、カルシウム含有量が30mg/100g以下となるように調整されたものであることを特徴とする。
(肥料)
第9発明の養液栽培用肥料は、第1発明乃至第6発明のいずれかに記載の脱電荷質培養液に用いられる肥料であり、該肥料は、窒素と、リンと、マグネシウムと、を主成分とするものであり、カリウムおよびカルシウムを実質的に有しないように調整したものであることを特徴とする。
第10発明の養液栽培用肥料は、第9発明において、前記肥料は、前記主成分の窒素が、前記主成分の合計質量に対して、3質量%〜35質量%となるように配合したものであることを特徴とする。
(培養液)
第11発明の養液栽培用培養液は、第1発明乃至第6発明のいずれかに記載の脱電荷質培養液に用いられる培養液であり、該培養液は、カリウムおよびカルシウムを実質的に含有しないものであることを特徴とする。
第12発明の養液栽培用培養液は、第11発明において、前記培養液は、窒素濃度が、35mg/l〜75mg/lとなるように調整したものであることを特徴とする。
第1発明によれば、カリウムおよびカルシウムを実質的に含有していない培養液で野菜を栽培するので、カリウムおよびカルシムの含有量が低い野菜を栽培することができる。このため、かかる野菜を、腎臓や一部の甲状腺機能に障害を有する人の食事療法用の生野菜として採用することが可能となる。すると、このような疾患を有する人の食生活を充実したものにすることができる。
第2発明によれば、窒素濃度が所定の濃度となるように調整されているので、かかる培養液を用いて野菜を栽培すれば、かかる野菜の大きさが適切な大きさとなるように栽培することができる。
第3発明によれば、成苗工程により苗をある程度の大きさとなるように栽培するので、ある程度のストレスに対応できる苗を栽培することができる。このため、かかる苗をより適切に栽培することができる。すると、次工程におけるストレスにより適切に対応可能な苗を栽培することができる。
第4発明によれば、栽培期間比が所定の値となるように調整することにより、カリウムの含有量が、従来の栽培方法で栽培された野菜に比べて非常に低い含有量の野菜を適切に栽培することができる。
第5発明によれば、カリウムの含有量が低いレタスを確実に栽培することができる。
第6発明によれば、レタスの大きさをより適切な大きさとなるように栽培することができる。
(野菜)
第7発明によれば、カリウムの含有量が非常に低い野菜を供給することができる。このため、かかる野菜を、腎臓に障害がある人の食事療法用の生野菜として供給することができるようになるので、かかる人の食生活を充実したものにすることができる。
第8発明によれば、カルシウムの含有量が低い野菜を供給することができる。このため、かかる野菜を低カルシウム食が必要とされている一部の甲状腺機能障害を有する人の治療食用の生野菜として供給することができるので、かかる人の食生活を充実したものにすることができる。
(肥料)
第9発明によれば、肥料がカリウムおよびカルシウムを配合していないので、所定の栽培時期にかかる肥料を用いて野菜を栽培すれば、カリウムおよびカルシムの含有量が低い野菜を栽培することができる。このため、かかる野菜を、腎臓や一部の甲状腺機能に障害を有する人の食事療法用の生野菜として採用することが可能となる。すると、このような疾患を有する人の食生活を充実したものにすることができる。
第10発明によれば、窒素量が所定の濃度となるように配合しているので、かかる肥料を用いて野菜を栽培すれば、かかる野菜の大きさが適切な大きさとなるように栽培することができる。
(培養液)
第11発明によれば、カリウムおよびカルシウムを実質的に含有していないので、かかる培養液を用いて野菜を栽培すれば、カリウムおよびカルシムの含有量が低い野菜を栽培することができる。このため、かかる野菜を、腎臓や一部の甲状腺機能に障害を有する人の食事療法用の生野菜として採用することが可能となる。すると、このような疾患を有する人の食生活を充実したものにすることができる。
第12発明によれば、窒素濃度が所定の濃度となるように調整されているので、かかる培養液を用いて野菜を栽培すれば、かかる野菜の大きさが適切な大きさとなるように栽培することができる。
実施例の実験結果を示した図である。 実施例の実験結果を示した図である。 実施例の実験結果を示した図である。
本発明の低電解質野菜の栽培方法は、養液栽培で野菜を栽培する方法であって、カリウムおよびカルシウムを低減した野菜の栽培方法に適している。
とくに、カリウムにおいては、従来の低カリウムの野菜を栽培する方法に比べて、カリウム含有量を大幅に低減した野菜を栽培できるようにしたことに特徴を有している。
本発明の栽培方法の対象とする野菜は、野菜であればとくに限定されないが、生食用野菜として食される野菜が好ましい。例えば、レタス、コマツナ、チンゲンサイなどの葉菜類や、トマト、キュウリ等を挙げることができる。また、レタスとしては、結球する玉レタス、非結球のリーフレタス、半結球のロメインレタスなどを挙げることができる。
本発明の栽培方法の養液栽培とは、土を使わず培養液で野菜を栽培する栽培方法を意味する。例えば、培地を用いずに培養液の中や培養液表面付近で根を育てる水耕栽培や、作物の根に霧状の培養液を噴霧する噴霧耕栽培、土の代わりとなる固形培地を用いる固形培地耕栽培などを養液栽培として挙げることができる。また、水耕栽培としては、堪液水耕栽培(いわゆるDFT)や薄膜水耕栽培(いわゆるNFT)などを挙げることができる。また、固形培地耕栽培に使用される固形培地としては、ロックウールや、ヤシ殻、ピートモスなどを採用することができる。
なお、明細書中の本発明の栽培方法を用いて栽培した野菜中のカリウムの含有量またはカルシムの含有量とは、野菜100g中に含まれるカリウムまたはカルシムの質量(mg)を意味する。
以下では、養液栽培として水耕栽培を用いて野菜を栽培する場合を代表として説明する。また、野菜としては、近年、サラダの主要野菜として需要が増加しているリーフレタスを代表として説明する。
(低電解質野菜の栽培方法)
本発明の低電解質野菜の栽培方法(以下、単に本栽培方法という)は、成苗工程と、脱電荷質栽培工程と、を備えた栽培方法である。
以下では、本栽培方法の各工程を詳細に説明する前に、各工程の概略について説明する。
(成苗工程)
まず、本栽培方法の成苗工程の概略について説明する。
本栽培方法の成苗工程は、野菜の成長に必要とされる主要元素(例えば、窒素、リン、カリウム、やカルシウム等)を含有した培養液が入った水耕栽培用の栽培ベッドにリーフレタスの苗(例えば、本葉が2〜3枚程度で、重量が1g程度の幼苗)を定植し、かかる苗がある程度の大きさ(例えば、本葉が5〜6枚程度であり、重量が20g〜30g程度の大きさの成苗)になるまで栽培する工程である。
なお、成苗工程で使用する培養液中に含まれる主要元素は、野菜の成長に必要とされているものであれば、とくに限定されない。詳細は後述する。
(脱電荷質栽培工程)
ついで、成苗工程によってある程度の大きさまで栽培したリーフレタスを本栽培方法の脱電荷質栽培工程により栽培する。
この脱電荷質栽培工程では、実質的にカリウムおよびカルシウムを含有しない培養液を使用してリーフレタスを栽培する。つまり、脱電荷質栽培工程では、リーフレタスに対してカリウムおよびカルシウムを供給することなく栽培する工程である。言い換えれば、脱電荷質栽培工程でリーフレタスを栽培することにより、成苗工程においてリーフレタスが体内に吸収したカリウムおよびカルシウムを消費させることができる。詳細は後述する。
以上のごとく、本栽培方法によりリーフレタスを栽培すれば、カリウムおよびカルシウムの含有量が低減したリーフレタスを栽培することができる。
例えば、カリウムにおいては、リーフレタス中のカリウム含有量が、一般的なリーフレタス中に含まれるもの(カリウム490mg/100g(五訂増補日本食品標準成分表参照)と比べて、より低い(例えば、90mg/100g以下)リーフレタスを栽培することができる。
このため、従来、腎臓に重度の障害があり、生の野菜を全く食することができなかった人でも、本栽培方法で栽培したリーフレタスであれば、サラダとして生で食することができるようになる。すると、本栽培方法で栽培したリーフレタスを市場に供給することによって、このような人たちの食生活を豊かにすることができるようになる。つまり、かかるリーフレタスを供給することによって、腎臓に障害を有する人の食事療法用の生野菜として採用することが可能となるので、このような疾患を有する人の食生活を充実したものにすることができるようになる。
しかも、後述する成苗工程の栽培期間と脱電解質栽培工程の栽培期間の関係を適切に調整すれば、リーフレタス中のカリウム含有量が非常に低い値のものを栽培することができるようになる。例えば、従来の低カリウム野菜の栽培方法(例えば、特許文献1〜3ではカリウム含有量が100mg/100g〜200mg/100g)では達成することができなかったリーフレタス(例えば、カリウム含有量が60mg/100g以下)を栽培することができるようになるので、上述したような人達の食生活をより向上させることができる。
また、例えば、カルシウムにおいては、リーフレタス中のカルシウム含有量が、一般的なリーフレタス中に含まれるもの(カルシウム含有量が58mg/100g(五訂増補日本食品標準成分表参照))の約1/2以下となるように調整することができる。
一般的に、カルシムは、食物中に高い含有率で含まれているのがよいとされており、野菜においても、同様の傾向にある。例えば、レタスにおいては、一般的なレタスの倍以上のカルシムを含有するものが開発されている(例えば、特許文献3)。つまり、従来の野菜の栽培方法では、カルシムの含有量を増加させる方法はあるものの、その逆にカルシムの含有量を抑制または低減させたものはほとんどないというのが実情である。
一方、一部の甲状腺機能障害を有する人は、カルシムを制限した食事(低カルシム食)が必要とされている。しかし、上述したように、通常の食物では、カルシムの含有量を抑制または低減させたものはほとんどない。
しかしながら、本栽培方法で栽培したリーフレタスであれば、甲状腺機能に障害を有する人の食事療法用の生野菜として提供することができるようになるので、このような疾患を有する人の食生活を充実したものにすることができる。つまり、かかる人に豊かな食生活を提供することができるようになる。
以下、本栽培方法の各工程を具体的に説明する。
(成苗工程について)
本栽培方法の成苗工程は、上述したように野菜の成長に必要とされる主要元素を含む培養液を用いてリーフレタスを栽培する工程である。
主要元素としては、窒素、リン、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムなどを挙げることができる。
各主要元素の供給態様はとくに限定されないが、例えば、以下のような化合物として供給することができる。
窒素を含む化合物としては、Ca(NO・4HO、KNOなどの硝酸体窒素化合物、リンを含む化合物としては、NHPOなどのリン酸化合物、カリウムを含む化合物としては、KNOなどのカリウム塩、カルシウムを含む化合物としては、Ca(NO・4HOなどのカルシウム塩、マグネシウムを含む化合物としては、MgSO・7HOなどのマグネシウム塩、を挙げることができるが、上記元素を含有するものであれば、上記化合物に限定されないのは言うまでもない。
また、上述した主要元素を含む各化合物を用いて、成苗工程で使用する培養液の調製方法は、とくに限定されない。
例えば、上述した各主要元素の各化合物をそれぞれ所定量配合すれば、成苗工程用の固体状の混合肥料(以下、単に成苗用混合肥料という)を調製することができる。そして、この成苗用混合肥料を所定量の水等の溶媒に溶解または分散すれば、成苗工程用の原液肥料(以下、単に成苗用原液肥料という)を調製することができる。
そして、この成苗用原液肥料を、水を用いて希釈(例えば、120倍〜350倍)すれば、成苗工程で使用する培養液(以下、単に成苗培養液という)を調製することができる。
例えば、成苗用原液肥料を250倍に希釈した場合、成苗培養液に含まれる各元素濃度は、例えば、窒素(98.6mg/l)、リン(42mg/l)、カリウム(192.9mg/l)、カルシウム(92mg/l)およびマグネシウム(24mg/l)となるように調整することができる。
なお、このときの成苗培養液の電解質濃度は、例えば、電気伝導度(EC)において、0.8〜1.5(ds/m(デシジーメンス/メートル))となるよう調整すれば、リーフレタスを適切に栽培することができるので好ましい。
また、成苗培養液中には、上述した主要元素のほか、野菜の成長に必要とされているマンガン、ホウ素、鉄などの微量元素を含有してもよいのは、言うまでもない。また、上述した主要元素を含む化合物等を主成分として含有するものであれば、一般的な野菜を栽培する際に用いられる水耕栽培用の固体状の肥料を成苗用混合肥料として採用してもよいし、一般的な野菜を栽培する際に用いられる水耕栽培用の液体状の肥料を成苗用原液肥料として採用してもよいし、当然に一般的な野菜を栽培する際に用いられる水耕栽培用の培養液を成苗培養液として採用することもできる。
(脱電解質栽培工程について)
つぎに、本栽培方法の脱電荷質栽培工程について説明する。
この脱電荷質栽培工程は、上述したように実質的にカリウムおよびカルシウムを含有しない培養液を使用してリーフレタスを栽培する工程である。
具体的には、この脱電荷質栽培工程に使用する培養液(以下、単に脱電解質培養液という)が実質的にカリウムおよびカルシウムを含有しなければ、それ以外の元素を含有していてもよい。例えば、カリウムとカルシウム以外の他の元素として、上述した主要元素である窒素や、リン、マグネシウムなどを含有してもよいし、成苗培養液と同様に野菜の成長に必要とされているマンガン、ホウ素、鉄などの微量元素を含有してもよい。
なお、本明細書において、カリウムおよびカルシウムを「実質的に含有しない」とは、かかる培養液中にカリウムおよびカルシウムを含有しないものだけでなく、かかる培養液で栽培する野菜の生育に影響を及ぼさない程度以下にカリウムおよび/またはカルシウムを含有するものも含む概念である。つまり、かかる野菜の生育にほぼ利用されない程度のカリウム濃度、カルシウム濃度をいう。具体的には、一般的な肥料中のカリウムおよびカルシウムの分析方法において、カリウムおよびカルシウムを含まないと認められる程度の濃度を意味する。例えば、通常の肥料分析試験(例えば、肥料分析法(農林水産省農業環境技術研究所法、1992)や、肥料等試験法(農林水産商品安全技術ンセンター、2013)や、これらに準拠した分析方法または試験方法)における検出下限以下の濃度をいう。カリウムの場合には、例えば、脱電荷質培養液中、0mg/l〜5mg/l以下程度の濃度をいう。また、この脱電荷質培養を調製する際に使用されるような、通常の水に含まれる程度の濃度であれば、本明細書にいうカリウムやカルシウムが実質的に含有しない範囲に該当する。
とくに、本栽培方法の脱電荷質栽培工程の脱電解質培養液は、カルシウムを実質的に含まないものである。
通常、野菜の栽培において、カルシムは常に供給される。かかる理由は、カルシウム欠乏時に栽培野菜に発生する生理障害(いわゆるチップバーン)を防止するためである。そして、チップバーンがリーフレタスの葉に発生した場合、その後、カルシウムを適切に供給しても、一旦発生した症状が回復することはない。また、この症状は、外観上の見た目も悪いので、商品価値が著しく低下してしまう。とくに、大規模栽培を行っている場合には、その経済的損失は非常に大きなものとなる。
このため、従来の栽培方法では、培養液からカルシウムを除去するということは全く想定されない方法である。
しかしながら、本栽培方法では、一般的な技術者であれば、採用しない方法でリーフレタスを栽培するものである。しかも、かかる栽培方法を用いてリーフレタスを栽培しても、チップバーンを全く発症することなく、カルシウムの含有量を低減させたリーフレタスを栽培することができるのである。
脱電荷質培養液の調製方法は、とくに限定されず、上述した成苗培養液の調製方法と同様の方法を採用することができる。
例えば、上述した各主要元素のうち、カリウムおよびカルシウムを配合せず、その他の各化合物(具体的には、窒素を含む化合物、リンを含む化合物、マグネシウムを含む化合物)をそれぞれ所定量配合すれば、脱電荷質栽培工程用の固体状の混合肥料(以下、単に脱電解質用混合肥料という)を調製することができる。
この脱電解質用混合肥料に用いられる各化合物としては、各主要元素を含む化合物であり、野菜の栽培に使用することができるものであれば、とくに限定されない。例えば、窒素を含む化合物としては、NHPOや、NHNO、NaNOなどの化合物を、リンを含む化合物としては、NHPOなどの化合物を、そして、マグネシウムを含む化合物としては、MgSO・7HOなどの化合物を挙げることができる。なお、これらの各元素を含む化合物は、単独で混合してもよく、2以上の化合物を混ぜたものを混合してもよい。
とくに、脱電解質用混合肥料中の窒素の含有量は、野菜を成長させる上で重要となる、このため、脱電解質用混合肥料中の窒素は、脱電解質用混合肥料中の上記主成分(つまり窒素、リン、およびマグネシウム)の合計に対して、1質量%〜40質量%となるように配合するのが好ましく、より好ましくは、3質量%〜35質量%となるように配合する。
脱電解質用混合肥料中の窒素の配合割合が1質量%よりも低いと、かかる混合割合を用いてリーフレタスを栽培した場合、リーフレタスの成長が停滞する可能性がある。一方、脱電解質用混合肥料中の窒素の配合割合が、40質量%よりも高いと、かかる混合割合を用いてリーフレタスを栽培した場合、リーフレタスがチップバーンと同様の症状を発症してしまう可能性がある。
したがって、脱電解質用混合肥料中の窒素の配合割合は、上記のごとき範囲内となるように調整するのが好ましい。
例えば、窒素を含む化合物としては、NHPOとNHNOとNaNOの混合物を、リンを含む化合物としては、NHPOを、そして、マグネシウムを含む化合物としては、MgSO・7HOを用いた場合、脱電解質用混合肥料に対して、NHPOとNHNOとNaNOの混合物を25質量%、NHPOを25質量%、そしてMgSO・7HOを50質量%、となるように配合すれば、脱電解質用混合肥料を調製することができる。
なお、窒素を含む化合物は、上述したように3種類の化合物を混合したものを使用してもよいし、それぞれを単独で使用してもよいし、もちろん上述した化合物以外の上記機能を有する化合物を使用してもよい。
この脱電荷質用混合肥料を水等の溶媒に溶解または分散して希釈すれば、脱電荷質栽培工程用の原液肥料(以下、単に脱電解質用原液肥料という)を調製することができる。
ついで、この脱電解質用原液肥料を水等の溶媒を用いて脱電解質用原液肥料を希釈(例えば、100倍〜250倍)すれば、脱電荷質工程で使用する培養液(以下、単に脱電解質培養液という)を調製することができる。
例えば、ある脱電荷質用原液肥料を165倍に希釈すれば、窒素、リン、そしてマグネシウムがそれぞれ、71.3mg/l、72mg/l、152.4mg/l、含まれた脱電荷質培養液を調製することができる。
なお、上述した脱電荷質栽培工程用の混合肥料(脱電解質用混合肥料)が、特許請求の範囲の養液栽培用肥料に相当し、上述した脱電荷質栽培工程用の培養液(脱電解質培養液)が、特許請求の範囲の養液栽培用培養液に相当する。
とくに、脱電荷質培養液は、窒素濃度が30mg/l〜75mg/lとなるように調整したものを採用するのが好ましく、45mg/l〜75mg/l、さらに好ましくは70mg/l〜75mg/lとなるように調整したものがより好ましい。
脱電荷質培養液中の窒素濃度が、30mg/lよりも低いと、脱電荷質栽培工程におけるリーフレタスの成長速度が停滞してしまい収穫時において所望の重量のリーフレタスを得ることができない。一方、脱電荷質培養液中の窒素濃度を75mg/lよりも高いと、カルシウム欠乏と同様の生理現象(チップバーン)が発症することによる成長の停滞が生じる可能性がある。しかも、一旦チップバーンが発症した場合には、上述したように非常に大きな経済的損失が生じることになる。
したがって、リーフレタスが適切な大きさ(例えば、市場で求められる程度のサイズ)となるように栽培しつつ、外観上の品質を維持する上では、電荷質培養液中の窒素濃度が上記の範囲内となるように調整するのが好ましい。
なお、脱電荷質培養液の電解質濃度は、例えば、電気伝導度(EC)において、0.8〜1.5(ds/m)となるよう調製するのが好ましい。電気伝導度の値が0.8(ds/m)よりも低ければ、リーフレタスが黄化して、良好に生育しない。その逆に電気伝導度の値が1.5(ds/m)よりも高いと、リーフレタスにチップバーンが発症してしまい、良好に生育しない。したがって、適切にリーフレタスを育成する上では、脱電荷質培養液の電解質濃度が上記範囲となるように調整するのが好ましい。
つぎに、本栽培方法の成苗工程の栽培期間と脱電解質栽培工程の栽培期間との関係について、具体的に説明する。
まず、成苗工程の栽培期間をN、脱電解質栽培工程の栽培期間をRと定義する。この栽培期間Nの日数を栽培期間Rの日数で除した値をN/R比とする。そして、このN/R比を調整すれば、リーフレタス中のカリウム含有量が所望の値となるように調整したリーフレタスを栽培することができる。
しかも、このN/R比が所定の値以下となるように調整すれば、従来の栽培方法で栽培したリーフレタスに比べて、カリウム含有量が非常に低いリーフレタスを栽培することができる。
具体的には、N/R比の値が、1.0よりも低くなるように調整するのが好ましく、より好ましくは、0.9以下、さらに好ましくは、0.75以下、さらにより好ましくは0.6以下となるように調整する。
N/R比の値が1.0よりも大きくなると、リーフレタス中のカリウム含有量が高くなる。その逆に、N/R比の値が1.0以下となるように調整すれば、リーフレタス中のカリウム含有量を低下させることができ、N/R比の値が0.75以下となるように調整すれば、リーフレタス中のカリウム含有量を急激に低下させることができる(図2参照)。
図2に示すように、例えば、N/R比の値を約0.9以下となるように調整すれば、カリウム含有量が約100mg/100g以下のリーフレタスを栽培することができ、N/R比の値を約0.75以下となるように調整すれば、カリウム含有量が約90mg/100g以下のリーフレタスを栽培することができる。
そして、N/R比の値を約0.7以下となるように調整すれば、カリウム含有量が約85mg/100g以下のリーフレタスを栽培することができ、N/R比の値を約0.6以下となるように調整すれば、カリウム含有量が約60mg/100g以下のリーフレタスを栽培することができる。
さらに、N/R比の値を約0.55以下となるように調整すれば、カリウム含有量が約50mg/100g以下のリーフレタスを栽培することができる。
つまり、N/R比を調整すれば、従来の栽培方法では達成することができなかったカリウム含有量が非常に低いリーフレタスを栽培することができるのである。なお、栽培期間Nと栽培期間Rの日数については、後述する。
しかも、N/R比を調整することによって、リーフレタス中のカリウムの含有量を調整できるので、供給先に応じた(例えば、腎臓の障害が重い人用と軽い人用)リーフレタスを栽培することができるようになる。つまり、リーフレタスの品質(とくに成分品質)の自由度をより向上させることができる。
なお、明細書中のN/R比が、特許請求の範囲の「栽培期間比」に相当する。
つぎに、各工程の栽培期間N、R(栽培日数)について具体的に説明する。
まず、成苗工程の栽培期間Nについて説明する。
成苗工程は、上述したように、栽培ベッドに定植したリーフレタスの苗(例えば、本葉が1〜2枚程度開いた、重量が1g程度の幼苗)をある程度の大きさ(例えば、本葉が5〜6枚程度開いた、重量が20g〜30g程度の成苗)となるまで栽培する工程である。
成苗工程によりある程度の大きさまで栽培されたリーフレタスの苗(成苗)は、定植したての苗(幼苗)に比べて、ある程度のストレスに対して耐性を有するようになる。このため、次工程(脱電解質栽培工程)において、ストレス(カリウムおよびカルシウムが供給されない環境下)を付与した場合であっても、適切に対応することができる。具体的には、このようなストレス環境下で栽培しても、通常の栽培工程と同様に株を大きくすることができる。
つまり、脱電解質栽培工程に先立って、成苗工程により栽培ベッドに定植したリーフレタスの幼苗を栽培すれば、脱電解質栽培工程に耐え得る成苗を栽培することができるのである。
成苗工程の栽培期間Nは、栽培ベッドに定植した幼苗が、上述したようにある程度のストレスに耐性を有する大きさとなればよく、その日数はとくに限定されない。例えば、栽培期間Nは、2日間以上16日未満とするのが好ましく、より好ましくは5日間以上14日未満であり、さらに好ましくは5日間以上10日間未満である。栽培期間Nを2日間よりも短くすると、定植した苗がある程度の大きさにならない可能性がある。一方、栽培期間Nが16日間よりも長くなると、次工程におけるカリウム等の低下に影響を及ぼす可能性がある。
したがって、リーフレタスの苗をある程度の大きさまで成長させるという観点から、栽培期間Nの日数は、上記範囲内とするのが好ましい。
つぎに、脱電解質栽培工程の栽培期間Rについて説明する。
脱電解質栽培工程は、上述したように成苗工程で栽培したリーフレタスの成長をある程度維持しつつ、カリウムおよびカルシウムが所望の値よりも低くなるように栽培する工程である。
つまり、脱電解質栽培工程は、リーフレタスの成長(つまり重量増加)を維持することによって、成長に伴い必要とするカリウムおよびカルシウムを体内に取り込んだカリウムおよびカルシウムで賄いながら(つまり消費させながら)、成長させる工程である。言い換えれば、リーフレタスが成長する間、脱電解質栽培工程によってリーフレタスを栽培すれば、体内に取り込んだカリウム等を全て消費させることが可能となる。
しかし、一般的に、リーフレタスは、定植してから約50日(約7週間)前後で成長がほぼとまり、その後、成熟期(つまり花茎が伸び出す抽苔、いわゆるトウ立ち)を迎える。成熟期を迎えたリーフレタスは、葉が固くなり食用に適さなくなる。
このため、脱電解質栽培工程の栽培期間Rは、リーフレタスの成長を考慮した場合、リーフレタスの成長が停滞する期間よりも短くするのが好ましい。
また、リーフレタスが体内に取り込んだカリウムおよびカルシウムを消費するには、ある程度の期間が必要となる。例えば、成苗工程の栽培期間Nを3週間未満とした場合、栽培期間Rは、7日間以上が好ましく、より好ましくは10日間以上である。栽培期間Rが7日間よりも短いと、リーフレタスが体内に取り込んだカリウムおよびカルシウムを十分に消費させることができない可能性がある。このため、リーフレタスが体内に取り込んだカリウムおよびカルシウムを適切に消費させる上では、栽培期間Rが上記期間以上となるように調整することが好ましい。
したがって、リーフレタスが定植してから成熟期を迎えるまでの期間が約7週間の場合、成苗工程の栽培期間Nを2〜3週間程度とすれば、脱電解質栽培工程の栽培期間Rが、7日以上4週間(28日間)未満となるように調整するのが好ましく、より好ましくは10日以上4週間(28日間)未満である。
なお、上記各工程の栽培期間N、Rは、栽培対象とする野菜としてリーフレタスを例として説明したものであり、かかる期間は栽培対象とする野菜によって適切な期間を適宜設定する、のは言うまでもない。
本栽培方法において栽培したリーフレタス等の野菜中のカリウムやカルシウム、その他の成分分析は、公知の測定方法(例えば、食品表示基準(原子吸光光度法)や、それに準拠した方法)により分析することができる。
例えば、リーフレタス等の野菜を粉砕等した粉砕物を所定の溶媒を用いて抽出した後、各種分析機器を用いればリーフレタス等の野菜中に存在する所望の成分を測定することができるが、かかる方法に限定されないのは言うまでもない。
また、分析機器として、例えば、分光光度計や、各種クロマトグラフなどを用いれば、成分濃度等をより精度よく測定することが可能となる。
(他の実施形態)
なお、上述した方法では、成苗工程と脱電解質栽培工程を順に行う場合について説明したが、成苗工程を行わず、定植後のリーフレタスの苗を脱電解質栽培工程により栽培してもよい。この場合、栽培工程を少なくできるので、作業性を向上させることが可能となる。しかも、リーフレタス中のカリウム含有量が非常に低いリーフレタスを栽培することができる(図2参照)。一方、先行して成苗工程でリーフレタスの苗を栽培した場合に比べて、収穫時のリーフレタスの重量が小さくなる傾向にあるので、所望の大きさのリーフレタスを栽培する場合には、成苗工程を採用するのが好ましい。
また、本栽培方法は、上記例のように本栽培方法の成苗工程と脱電解質栽培工程を連続して行ってもよいし、両者間に遷移栽培工程を設けてもよく、さらに収穫直前に所定の期間を有する栽培工程を設けてもよい。
遷移栽培工程としては、例えば、成苗工程と脱電解質栽培工程の両者間のほぼ中間濃度の培養液の栽培する工程としてもよいし、単なる水のみで栽培する工程であってもよい。また、収穫直前の栽培工程としては、例えば、数日間水だけで栽培する工程としてもよい。
以下、本栽培方法を実施例を挙げて具体的に説明するが、かかる実施例に限定されない、のは言うまでもない。
以下では、本発明の低電解質野菜の栽培方法によって、カリウムおよびカルシウムの濃度を低減した野菜を栽培することができることを確認した。
実験1では、脱電解質栽培工程用の培養液中のカリウム濃度と野菜中のカリウム含有量との関係を確認した。
実験2では、脱電解質栽培工程用の培養液の窒素濃度と野菜中のカリウム含有量との関係を確認した。
実験3では、成苗工程の栽培期間と脱電荷質栽培工程の栽培期間との関係を確認した。
(実験1)
実験1では、脱電解質栽培工程用の培養液のカリウムの濃度を低下させただけの栽培方法では野菜中のカリウム含有量が所望の値よりも低下しないことが確認できた。
(供試野菜)
実験では、リーフレタス(横浜植木株式会社製、品種;ノーチップ)を使用した。
リーフレタスは、播種した後、14日間栽培して、本葉が2枚〜3枚、重量が約1gに生育した苗を栽培ベッドに定植して実験に供した。なお、リーフレタスの重量は、根を含む新鮮重量gで評価した。
実験では、上記苗を植物工場内に設置した水耕栽培(DFT)用の栽培ベッドに定植した。栽培期間中の栽培環境は、室温(20℃〜24℃)、湿度(50%〜95%)、炭酸ガス濃度(1000ppm)、照明装置(蛍光灯)、照射時間(16時間〜20時間)、照度(1.5k〜2.5kルクス)となるように設定した。
定植したリーフレタスは、まず成苗工程用の培養液で所定期間栽培した後、脱電解質栽培工程用の培養液を入れた別の水耕栽培(DFT)に移植して栽培を行った。
成苗工程で使用した培養液は、以下のようにして調製した。
主要元素として、窒素(硝酸カリウムと硝酸カルシウムの混合物を2.465kg)、リン(リン酸アンモニウム1.05kg)、カリウム(硝酸カリウム4.823kg)、カルシウム(硝酸カルシウム2.3kg)、およびマグネシウム(硫酸マグネシウム0.6kg)を配合したものに100Lの水を加えて溶解または懸濁して、成苗工程用の原液肥料を調製した。
この成苗工程用の原液肥料中の主要元素濃度は、窒素(26.15g/L)、リン(10.5g/L)、カリウム(48.23g/L)、カルシウム(23.0g/L)、およびマグネシウム(6.0g/L)であった。
そして、この成苗工程用の原液肥料を水で250倍に希釈して成苗工程用の培養液を調製した。
この成苗工程用の培養液中の主要元素濃度は、窒素(98.6mg/L)、リン(42mg/L)、カリウム(192.9mg/L)、カルシウム(92mg/L)、およびマグネシウム(24mg/L)であった。
脱電荷質栽培工程で使用した培養液(a、b)は、以下のようにして調製した。
主要元素として、窒素(リン酸アンモニウム0.46kg)、リン(リン酸アンモニウム1.2kg)、カリウム(硫酸カリウム0.36kg)、カルシウム(塩化カルシウム0kg)、およびマグネシウム(硫酸マグネシウム4.48kg)を配合したものに100Lの水を加えて溶解または懸濁して、脱電荷質栽培工程用の原液肥料Aを調製した。
この原液肥料A中の主要元素濃度は、窒素(4.6g/L)、リン(12g/L)、カリウム(3.6g/L)、カルシウム(0g/L)およびマグネシウム(44.8g/L)であった。
そして、この原液肥料Aを水で100倍に希釈して脱電荷質栽培工程用の培養液aを調製した。
この培養液a中の主要元素濃度は、窒素(46mg/L)、リン(120mg/L)、カリウム(36mg/L)、カルシウム(0mg/L)およびマグネシウム(448mg/L)であった。つまり、培養液a中のカリウム濃度が、成苗工程用の培養液中のカリウム濃度の約5分の1となるように調整した。
一方、培養液bは、カリウムおよびカルシウムを配合しない以外は、培養液aと同様に操作して以下のように調製した。
培養液b:窒素(9.9mg/L)、リン(54mg/L)、およびマグネシウム(228.6mg/L)であった。
実験では、成苗工程の栽培期間を14日間、脱電荷質栽培工程の栽培期間を14日間とした。
リーフレタス中の成分は、以下の方法により分析した。
試験が終了したリーフレタスを根ごと採取したのち、純水で洗浄後、可食部を分析に供した。なお、可食部中のカリウムおよびカルシウムの分析は、食品表示基準(原子吸光光度法)に準拠して行った。
また、可食部中のカリウムおよびカルシウムの含有量は、可食部100g当りに含まれるカリウムおよびカルシウムの質量mgで算出した。
(結果)
培養液aで栽培したリーフレタス中のカリウム含有量は、200mg/100gであった。また、培養液bで栽培したリーフレタス中のカリウム含有量は、平均163mg/100g(最も低いもので120mg/100g)であった。
実験結果から、脱電荷質栽培工程における培養液中のカリウム濃度を減少させるだけでは(培養液aでは通常培養液の約1/5、培養液bではゼロ)、カリウム含有量が所望の値よりも低い野菜を栽培することが困難であることが確認できた。
(実験2)
実験2では、脱電解質栽培工程用の培養液の窒素濃度を調整することにより、野菜中のカリウム含有量を調整することができることが確認できた。
栽培環境は、上述した(実験1)と同様の条件で栽培した。
成苗工程で使用した培養液は、(実験1)で調製した通常栽培用の培養液を使用した。
脱電解質栽培工程用の培養液(b、c、d、e、f、g、h)は、上述した(実験1)の培養液bと同様に操作して、それぞれ以下のように調製した。
なお、本実験の培養液bは(実験1)で調製した培養液bを使用した。つまり、実験2では、培養液中の窒素濃度が培養液bから培養液hの順に徐々に濃度が高くなるように調製した。
培養液bは、窒素(9.9mg/L)、リン(54mg/L)、およびマグネシウム(228.6mg/L)、
培養液cは、窒素(17.6mg/L)、リン(96mg/L)、およびマグネシウム(203.2mg/L)、
培養液dは、窒素(35.2mg/L)、リン(108mg/L)、およびマグネシウム(228.6mg/L)、
培養液eは、窒素(39.3mg/L)、リン(84mg/L)、およびマグネシウム(177.8mg/L)、
培養液fは、窒素(49.3mg/L)、リン(84mg/L)、およびマグネシウム(177.8mg/L)、
培養液gは、窒素(66.9mg/L)、リン(48mg/L)、およびマグネシウム(101.6mg/L)、
培養液hは、窒素(71.3mg/L)、リン(72mg/L)、およびマグネシウム(152.4mg/L)、となるように調整した。
実験では、(実験1)と同じく、成苗工程の栽培期間を14日間、脱電荷質栽培工程の栽培期間を14日間とした。
リーフレタス中の成分は、(実験1)と同じ装置を用いた分析方法により測定した。
(結果)
図1の実線グラフに示すように、脱電荷質栽培工程用の培養液中の窒素濃度を高くすれば、リーフレタスの重量を増加させることができることが確認できた。とくに、窒素濃度を40mg/L以上とすれば、リーフレタスの重量を急激に増加させることができることが確認できた。
一方、図1の破線グラフに示すように、リーフレタスの重量が増加に伴い、リーフレタス中のカリウム含有量も低減することが確認できた。
しかし、リーフレタスの重量増加の停滞(図1では、実線グラフにおいて、リーフレタスの重量が約90g付近)に比例するようにリーフレタス中のカリウム含有量の低下も停滞(図1では、破線グラフにおいて、カリウム含有量約110mg/100g近傍)することが確認できた。
したがって、実験結果から、脱電荷質栽培工程において、リーフレタスの重量が増加するように栽培(つまりリーフレタスの成長を維持するように栽培)することによって、リーフレタス中に取り込まれたカリウムを消費させることができることが確認できた。
(実験3)
実験3では、成苗工程の栽培期間と脱電荷質栽培工程の栽培期間を調整することによって、所望の重量を維持しつつ、野菜中のカリウム含有量が所定の値よりも低い野菜を栽培することができることが確認できた。
また、生理障害(チップバーン)を発症することなく、野菜中のカルシウム含有量が所定の値よりも低い野菜を栽培することができることが確認できた。
栽培環境は、上述した(実験1)と同様の条件で栽培した。
また、本実験の成苗工程で使用した培養液は、(実験1)で調製した通常栽培用の培養液を使用した。
そして、本実験の脱電解質栽培工程用の培養液は、(実験2)で調製した培養液hを使用した。
実験では、まず、リーフレタス中のカリウム含有量と脱電荷質栽培工程の栽培期間との関係を確認するために、成苗工程の栽培期間を14日間に固定し、脱電荷質栽培工程の栽培期間を14日間、21日間、25日間と変動させてリーフレタスを確認栽培した。
ついで、実験では、リーフレタスの成苗工程用の培養液からのカリウムの取り込み量とその栽培期間の関係を確認するために、脱電荷質栽培工程の栽培期間21日間に固定し、成苗工程の栽培期間を0日間、7日間、14日間と変動させてリーフレタスを栽培した。
リーフレタス中の成分は、(実験1)と同じ装置を用いた分析方法により測定した。
また、リーフレタスを成苗工程だけで28日間栽培したものを対照区とした。
(結果)
成苗工程の栽培期間を14日間と固定し、脱電荷質栽培工程の栽培期間を14日間、21日間、25日間と変動させてリーフレタスを栽培した場合、14日間ではカリウム含有量が110mg/100g、21日間ではカリウム含有量が82mg/100g、25日間ではカリウム濃度が85mg/100gであった。
また、リーフレタス中のカルシウム含有量は、脱電荷質栽培工程の栽培期間が14日間では29mg/100g、25日間では29mg/100gであった。
一方、脱電荷質栽培工程の栽培期間を21日間と固定し、成苗工程の栽培期間を0日間、7日間、14日間と変動させてリーフレタスを栽培した場合、0日間では重量が63g(カリウム含有量26mg/100g)、7日間では重量が127g(カリウム含有量が36mg/100g、カルシウム含有量19mg/100g)、14日間では重量が121g(カリウム含有量が82mg/100g、カルシウム含有量29mg/100g)であった。
(1)成苗工程の栽培期間と脱電荷質栽培工程の栽培期間の関係と、リーフレタス中のカリウム含有量と、の関係について検討した。
図2には、成苗工程の栽培期間と脱電荷質栽培工程の栽培期間の関係と、リーフレタス中のカリウム含有量と、の関係を示した。
図2のグラフは、X軸をN/R比、Y軸をリーフレタス中のカリウム含有量(mg/100g)として作成した。
N/R比は、成苗工程の栽培期間と脱電荷質栽培工程の栽培期間をそれぞれNとRと定義し、この栽培期間Nの日数を栽培期間Rで除して算出した。
図2に示すように、N/R比が1.0より低くなるように栽培することによって、リーフレタス中のカリウム含有量およびカルシウム含有量を低下させることができることが確認できた。
そして、N/R比の値が0.9以下となるように栽培することによって、リーフレタス中のカリウム含有量が約100mg/100gよりも低く、カルシウム含有量が約30mg/100g以下のリーフレタスを栽培することができることが確認できた。つまり、N/R比の値が0.9以下となるように栽培すれば、従来の低カリウム栽培では栽培することができない非常に含有量が低いリーフレタスを栽培できることが確認できた。
とくに、N/R比の値を0.7以下とすることによって、リーフレタス中のカリウム含有量が約85mg/100g以下とすることがき、N/R比の値を0.6以下とすれば、リーフレタス中のカリウム含有量が約60mg/100g以下とすることができ、N/R比の値を0.55以下とすれば、リーフレタス中のカリウム含有量が約50mg/100g以下とすることができることが確認できた。
さらに、成苗工程の栽培期間をゼロとした場合(N/R比がゼロの場合)、カリウムの含有量が従来技術では想定されないリーフレタス(カリウム含有量が約30mg/100g以下)を栽培することができることが確認できた。
なお、対照区のリーフレタスの重量は106gであり、リーフレタス中のカリウム含有量は320mg/100gであった。
図3は、対照区のリーフレタスと、N/Rの値が1.0以下となるように調整した栽培方法でリーフレタスを栽培した際のリーフレタス中のカリウム含有量を比較したグラフである。
(2)栽培期間をリーフレタスの重量の観点から検討した。
その結果、リーフレタスの重量の観点から検討すると、成苗工程の栽培期間の栽培期間を0日間(つまり、成苗工程を行わず、脱電解質栽培工程だけを使用してリーフレタスを栽培した場合)とした場合、リーフレタスが十分に成長しきれず、収穫時における重量が増加しないことが確認できた。その逆に、この栽培期間を14日間よりも長くしても収穫時における重量の増加を向上させにくいことが確認できた。
このため、リーフレタスの収穫時における重量を出荷サイズの重量(例えば、100g程度)とする上では、成苗工程を設けることが好ましいことが確認できた。また、その栽培期間は、少なくとも数日間は確保するのが好ましいことが推察された。
(3)リーフレタスの重量とリーフレタス中のカリウム含有量の観点から検討した。
その結果、成苗工程の栽培期間が0日間の場合、リーフレタスの重量が63g、リーフレタス中のカリウム含有量が26mg/100gであり、成苗工程の栽培期間が7日間の場合、リーフレタスの重量が127g、リーフレタス中のカリウム含有量が36mg/100gであった。
つまり、リーフレタスが2倍以上に成長したにも関わらず、成長に伴うリーフレタス中のカリウム含有量の増加を抑制できることが確認できた。
一方、成苗工程の栽培期間を、7日間から14日間に増やした場合、リーフレタスの重量がほぼ変動しないにも関わらず(7日間127g→14日間121g)、リーフレタス中のカリウム含有量が増加(7日間36mg/100g→14日間82mg/100g)することが確認できた。
(4)脱電荷質栽培工程の栽培期間について検討した。
脱電荷質栽培工程の栽培期間は、成苗工程の栽培期間を14日間と固定した状態で変動させた場合、実験結果に示したように、脱電荷質栽培工程の栽培期間が14日間以上とすることによってリーフレタス中のカリウム含有量を低下させることができることが確認できた(14日間110mg/100g→21日間82mg/100g→25日間85mg/100g)。言い換えれば、脱電荷質栽培工程の栽培期間を、14日間よりも短くすれば、リーフレタス中のカリウム含有量を低減させにくいことが確認できた。
一方、脱電荷質栽培工程の栽培期間を21日間よりも長くしてもリーフレタス中のカリウム含有量の低減率は向上し難いことが確認できた。
(5)リーフレタス中のカルシウム含有量の観点から検討した。
成苗工程の栽培期間を7日間とした場合、リーフレタス中のカルシウム濃度を一般のリーフレタス中のカルシウム含有量(58mg/100g(五訂増補日本食品標準成分表参照))に比べて非常に低減させることができることが確認できた。しかも、リーフレタスの外観観察では、チップバーンは全く確認されなかった。
以上をまとめると、リーフレタス中のカリウム含有量および/またはカルシウム含有量を低減させる上では、成苗工程の栽培期間を14日間よりも短くし、かつ脱電荷質栽培工程の栽培期間を14日よりも長くすることが好ましい。
そして、リーフレタスの重量を確保する上では、成苗工程の栽培期間を0日間よりも長くすることが望ましい。
したがって、両者つまり、リーフレタスの重量を確保しつつ、リーフレタス中のカリウム含有量および/またはカルシウム含有量を低減させる上では、成苗工程の栽培期間を0日間よりも長くかつ14日間以下とし、しかも脱電荷質栽培工程の栽培期間を14日間以上21日間よりも短くすることが好ましいことが確認できた。
よって、上記のごとき栽培期間の範囲内において、両者の関係つまりN/R比が、1.0よりも低くなるように栽培することによって、リーフレタスの重量を確保しつつ、リーフレタス中のカリウム含有量を適切に低減させることができることが確認できた。とくに、N/R比を0.7以下となるように栽培すれば、リーフレタス中のカリウム含有量が82mg/100g以下となるリーフレタスを栽培することができることが確認できた。しかも、かかるリーフレタス中のカルシウム濃度が約30mg/100g以下に低減させた場合であっても、かかるリーフレタスにカルシウム欠乏症の症状(いわゆるチップバーン)を発生させない状態でリーフレタスを栽培することができることが確認できた。
本発明の低電解質野菜の栽培方法、その養液栽培用肥料およびその培養液は、レタス、小松菜、チンゲンサイ、トマト、キュウリなどの生食用野菜として食される野菜の栽培に適している。

Claims (12)

  1. 養液栽培で野菜を栽培する方法であって、
    栽培ベッドに定植した前記野菜の苗を、カリウムおよびカルシウムを実質的に含有しない脱電荷質培養液を用いた脱電荷質栽培工程により栽培する
    ことを特徴とする低電解質野菜の栽培方法。
  2. 前記脱電解質培養液は、
    窒素濃度が、35mg/l〜75mg/lとなるように調整したものである
    ことを特徴とする請求項1記載の低電解質野菜の栽培方法。
  3. 前記脱電荷質栽培工程に先立って、成苗工程により、前記野菜の苗をある程度の大きさに栽培する方法であり、
    前記成苗工程は、
    窒素と、リンと、カリウムと、カルシウムと、マグネシウムと、を主成分とする成苗用培養液を用いて前記野菜の苗を栽培する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の低電解質野菜の栽培方法。
  4. 前記成苗工程の栽培期間を、前記脱電荷質栽培工程の栽培期間で除した値の栽培期間比が、1.0よりも小さくなるように調整する
    ことを特徴とする請求項3記載の低電解質野菜の栽培方法。
  5. 前記野菜が、レタスであり、
    前記脱電解質栽培工程の栽培期間が、14日間〜21日間である
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の低電解質野菜の栽培方法。
  6. 前記野菜が、レタスであり、
    前記成苗工程の栽培期間が、7日間〜21日間である
    ことを特徴とする請求項3、4または5記載の低電解質野菜の栽培方法。
  7. 請求項1〜6記載のいずれかの方法で栽培された野菜であり、
    該野菜は、
    カリウム含有量が60mg/100g以下となるように調整されたものである
    ことを特徴とする低電解質野菜。
  8. 前記野菜は、
    カルシウム含有量が30mg/100g以下となるように調整されたものである
    ことを特徴とする請求項7記載の低電荷質野菜。
  9. 請求項1〜6に記載の脱電荷質培養液に用いられる肥料であり、
    該肥料は、
    窒素と、リンと、マグネシウムと、を主成分とするものであり、
    カリウムおよびカルシウムを実質的に有しないように調整したものである
    ことを特徴とする養液栽培用肥料。
  10. 前記肥料は、
    前記主成分の窒素が、前記主成分の合計質量に対して、3質量%〜35質量%となるように配合したものである
    ことを特徴とする請求項9記載の養液栽培用肥料。
  11. 請求項1〜6に記載の脱電荷質培養液に用いられる培養液であり、
    該培養液は、
    カリウムおよびカルシウムを実質的に含有しないように調整されたものである
    ことを特徴とする養液栽培用培養液。
  12. 前記培養液は、
    窒素濃度が、35mg/l〜75mg/lとなるように調整したものである
    ことを特徴とする請求項11記載の養液栽培用培養液。
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