JP2017103314A - インプリント装置、計測方法、インプリント方法、および物品の製造方法 - Google Patents

インプリント装置、計測方法、インプリント方法、および物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 一つの吐出特性を他の吐出特性から分離して計測することができるインプリント装置、計測方法、インプリント方法を提供すること。【解決手段】 本発明は、型103とインプリント材102を接触させ、インプリント材102を硬化させることにより基板101上にインプリント材102のパターンを形成するインプリント装置100に関する。インプリント装置100は、基板101を移動させる移動手段111と、インプリント材102を吐出する吐出手段115と、移動手段111により基板101が所定方向に移動している間に吐出手段115により前記基板に吐出されたインプリント材102の吐出位置を取得する取得手段115と、基準位置と吐出位置との間の所定方向の距離を算出し、当該距離と前記移動している間の基板101の速度に関する情報に基づいて、吐出手段115の吐出速度を決定する決定手段122と、を有する。【選択図】 図4

Description

本発明は、インプリント装置、計測方法、インプリント方法、および物品の製造方法に関する。
半導体デバイス等の製造のために基板上に微細なパターンを形成する装置として、インプリント装置が知られている。インプリント装置は、吐出手段により基板上に吐出されたインプリント材を型と接触させ、インプリント材に硬化用のエネルギーを与えることにより、型の凹凸パターンが転写された硬化物のパターンを形成する装置である。
インプリント材を吐出する吐出手段は吐出口が形成されたノズルを複数有し、それぞれのノズルはピエゾ素子等の吐出機構を用いてインプリント材を吐出する。一般に、パターン形成に伴うインプリント材の吐出は基板を移動させている間に行われる。そのため、吐出手段は、目標の吐出位置が吐出口の下方に位置するタイミングよりも早いタイミングでインプリント材を吐出する。インプリント材が吐出されてから基板に到達するまでの滞空時間に基づいて、インプリント材の吐出タイミングが設定されている。
特許文献1は、吐出手段の組み付け公差に起因する吐出位置のずれを補正する方法に関する発明である。すなわち、複数のノズルを全ての配置ずれを補正する方法が記載されている。配置ずれの計測のために、基板に対してインプリント材を吐出し、インプリント材の目標の吐出位置に対する実際の吐出位置のずれを求めることが記載されている。
特開2011−222705
特許文献1のように配置ずれを計測するためには、静止している基板上にインプリント材を吐出することになる。
しかし、特許文献1のように基板を静止させた状態でインプリント材を吐出したのでは、吐出速度あるいは吐出角度等の個々の吐出特性を分離して計測することが困難である。このような個々の吐出特性の計測ができていないと、吐出特性の変化による滞空時間の変化に起因して、基板を移動させながら吐出されたインプリント材の吐出位置が目標の吐出位置からずれるおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、一つの吐出特性を他の吐出特性から分離して計測することができるインプリント装置、計測方法、およびインプリント方法を提供することを目的とする。
本発明は、型とインプリント材を接触させ、前記インプリント材を硬化させることにより基板上に前記インプリント材のパターンを形成するインプリント装置であって、基板を移動させる移動手段と、前記インプリント材を吐出する吐出手段と、前記移動手段により前記基板が所定方向に移動している間に前記吐出手段により前記基板上に吐出された前記インプリント材の吐出位置を取得する取得手段と、基準位置と前記吐出位置との間の前記所定方向の距離を算出し、前記距離と前記移動している間の前記基板の速度に関する情報とに基づいて、前記吐出手段の吐出速度を決定する決定手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、一つの吐出特性を他の吐出特性から分離して計測することができる。
第1〜第3の実施形態にかかるインプリント装置の構成を示す図である。 吐出位置のずれについて説明する図である。 第1実施形態の吐出速度の計測方法について説明する図である。 第1実施形態の計測方法を示すフローチャートである。 第2実施形態の吐出速度の計測方法について説明する図である。 第2実施形態の計測方法を示すフローチャートである。 第3実施形態の吐出角度の計測方法について説明する図である。 第3実施形態の計測方法におけるインプリント材の位置について説明する図である。 第3実施形態の計測方法を示すフローチャートである。 インプリント方法を示すフローチャートである。
[第1実施形態]
(装置構成)
図1は、実施形態のインプリント装置100の構成を示す図である。図1において、鉛直方向をZ軸、当該Z軸に垂直な平面内で互いに直交する2軸をX軸およびY軸としている。インプリント装置100は、基板101上に供給された光硬化性のインプリント材(インプリント材)102とモールド(型)103を接触させ、インプリント材102を硬化させることによりパターンを形成する。
照射部104は未硬化状態のインプリント材102を硬化させるための紫外線105を基板101に照射する。照射部104は紫外線105を出射する光源106と、紫外線105の光路を基板101の方向に折り曲げるミラー107とを有する。
モールド103は、外周が矩形であり、その中心部には凹凸パターンが形成された矩形のパターン部103aを有する。基板101上にはパターン部103aとほぼ同じ大きさの複数のパターン領域120が形成されている。1回のインプリント材102とモールド103との押し付け動作(以下、押型動作という)により、1つのパターン領域120上にパターン部103aの転写パターンが形成される。モールド103の材料は、石英等の紫外線105を透過する材料である。
チャック108は、真空吸着力や静電気力によりモールド103を保持する。駆動機構109は、チャック108と共にモールド103をZ軸方向に沿って移動させる。紫外線105が基板101に到達するように、チャック108および駆動機構109は中央部に開口領域110を有する。モールド103の押型動作およびインプリント材102からモールド103を引き離す動作(以下、離型動作という)の際に、モールド103を移動させる。
基板ステージ111は、チャック112aと駆動機構112bと基準マーク112cを有し、後述の制御部122からの指示にしたがって基板101を位置決めする。チャック112aは、基板101を真空吸着力や静電気力により基板101を保持する。チャック112aにより基板101を保持した状態で基板ステージ111はXY平面内に沿って移動する。基板101の位置計測に使用される基準マーク112cは、駆動機構112上に設けられている。
駆動機構109および駆動機構112bは、粗動駆動系や微動駆動系等、複数の駆動系から構成されていてもよい。また、駆動機構109はZ軸方向だけではなく、X軸方向、Y軸方向、および各軸周りの回転方向へモールド103を移動させる機構であってもよい。駆動機構112bはX軸方向およびY軸方向だけではなく、その他の軸方向、および各軸周りの回転方向へ基板101を移動させる機構であってもよい。
モールド103とインプリント材102との押型動作および離型動作は、モールド103および基板101のうち少なくとも一方をZ軸方向に移動させることで行えばよい。
モールド103の上方に透過部材113を配置することで、開口領域110内に、圧力調整が可能な空間114を設けている。インプリント材102にパターン部103aを接触させる際に、パターン部103aを下に凸形状に撓ませる。これにより、モールド103とインプリント材102の間に気泡が入ることを防ぎ、パターン部103aの隅々までインプリント材102を充填させることができる。
吐出手段115は、Y軸方向に沿って配置された複数のノズル116(図2に図示)から未硬化状態のインプリント材102を吐出する。ノズル116はピエゾ素子の圧電効果を利用してインプリント材102を押し出す。ピエゾ素子に印加する(付与する)電圧の波形(以下、駆動波形という)や、その駆動波形にしたがって電圧を印加するタイミングは、後述の制御部122によって指示される。
制御部122からの指示によって、インプリント材102の吐出タイミング、吐出速度、吐出量等の吐出条件を調整可能である。
計測部117は、パターン部103aに形成されているマーク118とパターン領域120に形成されているマーク119との相対位置ずれを計測する。
インプリント装置100は、吐出手段115により基板101上に吐出されたインプリント材102の吐出位置を取得する取得手段として、撮像部(撮像手段)121と後述の制御部122とを有する。
撮像部121は、モールド103を透過する光を基板101に向けて照射し、当該透過した光の反射光をCCD等の撮像素子で受光することにより基板101の像を撮像する。例えば、撮像結果を、モールド103とインプリント材102の接触状態の確認のために用いてもよい。また、パターン部103aと基板101との間へのパーティクルの挟み込みや、パターン部103aへのインプリント材102の充填状態の確認のために用いてもよい。さらに、基板101上の、押印される前のインプリント材102を撮像して、インプリント材102の吐出位置を示す画像を取得する。
制御部(算出手段、決定手段、補正手段)122はCPU、RAM、ROMを有しており、照射部104、駆動機構109、基板ステージ111、吐出手段115、計測部117、撮像部121および記憶部123と回線を介して接続されている。これらを統括的に制御して、後述の図4のフローチャートに示すプログラムにしたがって吐出速度の計測や、図10(後述)のフローチャートに示すプログラムにしたがってインプリント処理を実行する機能を有する。
制御部122は、撮像部121の撮像結果を画像処理することによって、インプリント材102の吐出位置を算出する算出手段(第2算出手段)としての機能を有する。基準位置と、算出して得られた吐出位置との間の所定方向の距離を算出する算出手段(第1算出手段)としての機能を有する。算出された距離に基づいて吐出速度を決定する決定手段としての機能を有する。さらに、決定された吐出速度に基づいて、吐出手段115の吐出条件を補正する。吐出条件の補正によって、インプリント材102の吐出位置を補正する補正手段としての機能を有する。
記憶部123は、制御部122により読み取り可能なハードディスク(記憶媒体)等で構成される。図4、図10(後述)のフローチャートに示すプログラム、計測に用いる基板101と吐出手段115との間の距離、ノズル116の配置等を記憶している。
ベース定盤124には、基板ステージ111が載置される。駆動機構109を吊り下げ支持するブリッジ定盤125は、ベース定盤124に対して支柱126を介して設けられている。
(吐出位置のずれについて)
図2は吐出位置のずれを説明する図である。吐出位置とは、基板101に対して吐出されたインプリント材102あg基板101に付着した位置である。図2(a)、図2(b)の上側の図は、吐出手段115を−Z方向から見た図である。吐出手段115が有する複数のノズル116のうちの、一部のノズル116a、116b、116cを示す。図2(a)、図2(b)の下側の図は、撮像部121で撮像された、基板101上におけるインプリント材102の吐出位置を示している。
インプリント処理において、基板ステージ111が速度Vsで−X方向に移動する間に、固定された吐出手段115によってインプリント材102が吐出される。
X軸方向に延伸している破線201aは、ノズル116aの走査軌跡を仮想的に基板101上に投影した軌跡である。同様にして破線201bはノズル116bの、破線201cはノズル116cの走査軌跡を仮想的に基板101上に投影した軌跡である。Y軸方向に延伸している破線202_1、202_2、・・・、202_Nと破線201aとの交点は、1番目〜N番目にノズル116aから吐出されたインプリント材102の理想的な吐出位置を示している。
図2(a)は吐出角度および吐出速度ずれが無い場合の理想的なインプリント材102の配置を示している。図2(b)は、ノズル116bおよびノズル116cからの吐出角度および吐出速度の少なくとも一方が所定値からずれることで、吐出位置のずれが生じた場合のインプリント材102の配置を示す図である。
本実施形態および後続の実施形態において、吐出角度とは、鉛直方向とインプリント材102の吐出方向とのなす角のことをいう。本実施形態および後続の実施形態において、吐出速度は、インプリント材102が滞空中の速度の積分値を、滞空時間Δtで除した値に相当する。吐出手段115より与えられた初速度と空気抵抗を受けて減速し基板に到達する直前の速度とのずれを補正し、落下中のインプリント材102の速度を等速と仮定したためである。
(吐出速度の計測方法)
第1実施形態では、吐出手段115の吐出特性として吐出速度を計測する。本実施形態において、静止している基板101上に吐出されたインプリント材102の位置を基準位置とする。
図3は第1実施形態の吐出速度の計測方法を説明する図、図4は当該計測方法を示すフローチャートである。以下、図3、図4を用いて第1実施形態について説明する。第1実施形態は、静止している基板101に吐出したインプリント材102の位置と、等速でX軸方向(所定方向)に移動している基板101に吐出したインプリント材102の位置とのX軸方向の距離を算出する。制御部122により算出された距離に基づいて吐出手段115による吐出速度を計測する方法である。
説明の簡易化のため、吐出手段115から吐出されるインプリント材102は、鉛直方向に対する吐出角度は0°とする。説明の簡易化のため、吐出手段115が1つのノズル116を有する場合の吐出速度の計測方法について説明する。
まず、基板ステージ111は、吐出手段115と対向するように基板101を静止させる(S101)。そして、制御部122は、吐出手段115と対向する基板101上の位置301を取得する(S102)。得られた位置301を基準位置として記憶部123に記憶させる。
吐出手段115と対向する位置とは、計測対象とするノズル116の吐出口と対向する位置である。位置301は、X軸方向の位置、Y軸方向の位置、およびZ軸方向の位置を含む。
基板ステージ111を静止させたまま、吐出手段115はインプリント材102を吐出する(S103)。S103で吐出され、基板101に到達した(付着した)インプリント材102を、マーク302という。すなわち、マーク302は、インプリント材102の液滴である。吐出角度は0°なので、マーク302は位置301上に吐出される。なお、S102とS103の順番は入れ替えてもよいし、同時に行っても構わない。
次に基板ステージ111は、基板101を、吐出手段115に対して+X方向の位置へ移動させる。移動させた後、基板101を速度(基板の速度に関する情報)Vsで等速移動させている間に位置301が吐出手段115と対向する位置を通過するように−X方向に移動させる(S104)。
図3(a)に示すように、位置301が吐出手段115の対向するときに、吐出手段115はインプリント材102を吐出する(S105)。図3(b)に示すように、S105で吐出され、基板101に到達したインプリント材102を、マーク303という。すなわち、マーク303は、インプリント材102の液滴である。なお、マーク303が形成されるまでは、基板ステージ111は基板101の等速移動を維持させておく。
撮像部121が、基板101上のマーク302とマーク303を撮像し、撮像結果を制御部122に送信する。
制御部122は、受信した画像を画像処理して、マーク303の位置(吐出位置)304を取得する(S106)。例えば、マーク302、マーク303のそれぞれのマークの中心位置を各マークの位置としてもよい。本実施形態及び後述の各実施形態において、制御部122が算出する吐出位置は、少なくともX軸方向の位置を含む。Y軸方向の位置を含んでいてもよい。
制御部122は、S102で取得した位置301と位置304の距離dを算出する(S107)。S107で算出する距離とは、S104での基板101の移動方向の距離である。
最後に、制御部122は、S107で得られた距離dと、速度Vsと、S102で取得したZ軸方向の位置から得られる吐出手段115と基板101との距離Lに基づいて、インプリント材102の吐出速度を求める(S108)。
吐出速度の求め方について説明する。吐出速度をVr、インプリント材102が吐出されてから基板101上に到達するまでの時間をtとした場合、式(1)が成立する。
t=L/Vr ・・・式(1)
一方、位置301と位置304の距離dは、インプリント材102が吐出されてから基板101上に到達するまでの時間に基板ステージ111が移動する量であるから、式(2)が成立する。
d=Vs×t ・・・式(2)
式(1)、式(2)を、吐出速度Vrについて解いた式(3)を計算することにより、制御部122は吐出速度Vrを求めることができる。
Vr=(Vs×L)/d ・・・式(3)
以上で図4のフローチャートに示す計測方法の説明を終了する。
基板ステージ111により基板101を移動させている間に基板101に形成されたマーク303の位置304と基準とした位置301との距離と、基板101の速度に関する情報とに基づいて吐出手段115の吐出速度を計測することができる。本実施形態では、基板101の速度に関する情報は、基板ステージ111の速度Vsである。
基板ステージ111の駆動偏差が少ない等速移動させている間にマーク303を形成することによって、マーク303の形成のためのインプリント材102が吐出されてから到達するまでの間の基板101の移動距離を精度良く求めることができる。これにより、インプリント装置100は吐出速度Vrを精度良く求めることができる。
吐出手段115を側方からインプリント材102の落下の様子を観察することにより吐出速度を観察するような専用装置を設けることなく吐出速度を計測できる。そのため、前述の専用装置の設置による設置面積の増加を抑制できる。
さらに、1台のインプリント装置100内で吐出速度を計測できるため、吐出手段115を外部に取り出して計測する場合に比べて吐出手段115のメンテナンスの煩雑性を抑制することができる。
吐出角度が0°からずれている場合であっても、本実施形態を適用して吐出手段115の吐出速度を計測することができる。S103でインプリント材102を吐出した際に、吐出角度をもって斜めに吐出された分だけ、マーク302は位置301からずれた位置に形成されるが、マーク303も同じ吐出角度で同じ量だけ吐出位置がずれて形成されたものである。したがって、吐出角度が未知の場合は、S107の工程において、マーク302が実際に形成された位置とマーク303の形成された位置304との距離をdとして式(3)に代入すればよい。
これにより、本実施形態によれば、吐出角度による吐出位置のずれに依らずに吐出速度を計測することができる。すなわち、吐出速度という吐出特性を他の吐出特性から分離して計測することができる。
(吐出位置のずれの補正方法)
インプリント処理におけるインプリント材102を吐出する工程では、吐出速度が理想の速度V0から速度Vになった場合、インプリント材102の滞空時間が変化することにより吐出位置が理想の位置からずれる。吐出手段115のインプリント材102の吐出タイミングを補正することにより、吐出位置のずれを補正できる。
吐出手段115と基板101との距離がLの状態でインプリント材102を供給する場合、速度V0のときの滞空時間Δt0はΔt0=L/V0であり、速度Vのときの滞空時間ΔtはΔt=L/Vである。したがって、速度V<V0の場合は、吐出するタイミングを|Δt−Δto|=L×(V−V0)/(V×V0)だけ早くし、速度V>V0の場合は、吐出タイミングをL×(V−V0)/(V×V0)だけ遅くする。
あるいは、制御部122は、吐出タイミングを補正するのではなく、ノズル116の吐出速度が速度V0に近づくように駆動波形を変更してもよい。この際ノズル116ごとに異なる吐出タイミングや駆動波形を設定して構わない。吐出位置が理想の吐出位置に近づくのであれば、吐出タイミングと駆動波形とを両方とも変更しても構わない。
このように、制御部122は、吐出速度に起因する吐出位置のずれを補正して理想的な位置にインプリント材102を吐出させることができる。
なお、吐出手段115の経年劣化等により吐出角度が変動する可能性がある場合は、あらかじめ吐出角度も計測することが好ましい。吐出速度に起因する吐出位置のずれと吐出角度に起因する吐出位置のずれとをまとめて補正することで、より理想的な位置にインプリント材102を吐出させることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、第1実施形態と同様、吐出手段115の吐出特性として吐出速度を計測する。
図5は第2実施形態の吐出速度の計測方法を説明する図、図6は当該計測方法を示すフローチャートである。以下、図5、図6を用いて第1実施形態について説明する。
第2実施形態は、基準位置を示すために基板101に予め設けられたマークの位置と、等速で移動している基板101上に吐出されたインプリント材102の位置と、に基づいて吐出速度を計測する方法である。
第1実施形態のインプリント装置100とは、記憶部123に図6のフローチャートに示すプログラムが記憶されている点と、制御部122が当該プログラムを読み出して吐出速度の計測を実行する点で異なる。
また、吐出速度の計測に際し、基準位置となる既知の位置を示すマーク401が予め設けられた基板101を専用基板として使用する点で異なる。マーク401は、その位置が検出できるものであれば、立体形状であっても、基板101上に掘り込み形成されたものであってもよいし、マーク401が他の計測に用いられるマークと兼用されていてもよい。
説明の簡易化のため、吐出手段115から吐出されるインプリント材102は、鉛直方向に対する吐出角度は0°である場合について説明する。説明の簡易化のため、吐出手段115が1つのノズル116を有する場合の吐出速度の計測方法について説明する。
まず、マーク401の吐出位置を、基板ステージ111の位置および基板101に対するマーク401位置を用いて取得する(S201)。取得方法は計測によるものであっても、事前に得られた基板101に対するマーク401の位置と基板ステージ111に対する基板101の位置とに基づいて得られた設計値であってもよい。位置301は、X軸方向の位置、Y軸方向の位置、およびZ軸方向の位置を含む。
次に、基板ステージ111は、マーク401が吐出手段115に対して+X方向側に離れた位置になるように基板101を移動させる(S202)。
次に基板ステージ111は、基板101を−X方向に速度Vsで等速移動させる。等速で移動させている間に、マーク401が吐出手段115と対向する位置を通過させる(S203)。
マーク401が吐出手段115の対向するときに、吐出手段115はインプリント材102を吐出する(S204)。図5に示すように、S105で吐出され、基板101に到達したインプリント材102を、マーク402という。なお、マーク402が形成されるまでは、基板ステージ111は基板101の等速移動を維持させておく。
撮像部121が、マーク302とマーク303と共に基板101撮像し、撮像結果を制御部122に送信する。 制御部122は、受信した画像を画像処理して、マーク401の位置と、マーク402の位置(吐出位置)を取得し(S205)、マーク401の位置とマーク402との距離dを算出する(S206)。S206で算出する距離とは、S203で基板101を移動させている方向に関する距離である。
最後に、制御部122は、S206で得られた距離dと、速度Vsと、S102で取得したZ軸方向の位置から得られる吐出手段115と基板101との距離Lに基づいて、インプリント材102の吐出速度を求める(S207)。吐出速度の求め方は第1実施形態と同様である。
以上で図6のフローチャートの説明を終了する。
基板ステージ111により基板101をX軸方向に移動させている間に基板101に吐出されて形成されたマーク402の位置とマーク401の位置とのX軸方向の距離と、基板101の速度に関する情報に基づいて吐出速度を決定することができる。本実施形態では、基板の速度に関する情報は、基板ステージ111の速度Vsである。
本実施形態も第1実施形態と同様に、吐出速度という吐出特性を他の吐出特性から分離して計測することができる。
基板ステージ111の駆動偏差が少ない等速移動させている間インプリント材102を吐出している。これよって、マーク402の形成のためのインプリント材102が吐出されてから到達するまでの間の基板101の移動距離を精度良く求めることができる。これにより、インプリント装置100は吐出速度Vrを精度良く求めることができる。
吐出手段115を側方からインプリント材102の落下の様子を観察することにより吐出速度を観察するような専用装置を設けることなく吐出速度を計測できる。そのため、前述の専用装置の設置による設置面積の増加を抑制できる。
さらに、1台のインプリント装置100内で吐出速度を計測できるため、吐出手段115を外部に取り出して計測する場合に比べて吐出手段115のメンテナンスの煩雑性を抑制することができる。
第1実施形態に比べて、マーク302の形成のために基板101を一度静止させる工程を省略できるため、計測に要する時間を短縮することができる。
第2実施形態における基準位置は、視認できるものでなくともよく、制御部122にとってその位置が既知であれば、あらかじめ設定された基板101上の所定の位置を基準位置としてもよい。すなわち基板101上の、任意の(X、Y)位置を基準位置として設定していてもよい。基準位置は必ずしも基板101上の位置でなくとも良い。S203の工程において、基板101とともに移動する部分であればよい。例えば、基板ステージ111上の、基板101が保持されていない部分に設定されてよい。
第1実施形態および第2実施形態は、吐出手段115が複数のノズル116を有する場合は、前述の動作を繰り返して、他のノズル116についても吐出速度を求めてもよい。あるいは、複数のそれぞれのノズル116から同時にインプリント材102を吐出することによって、複数のノズル116のそれぞれの吐出速度をまとめて決定してもよい。隣あうノズル116から吐出されたインプリント材102が基板101上で接触するおそれがある場合は、インプリント材所定数おきのノズルを用いて同時にインプリント材102を吐出してもよい。
ただし、第1実施形態の場合は、S107では同じノズル116から吐出されて形成されたマーク同士の距離を算出する。第2実施形態では、複数のノズル116にそれぞれ対応するマーク401が設けられた基板101を使用してもよい。このようにすることで、複数のノズル116の吐出速度を短時間で計測することができる。
また、S105やS204においてインプリント材102を吐出するタイミングは、吐出手段115が位置301やマーク401の位置に対して既知のオフセットを含む位置が吐出手段115と対向するときでもよい。
第1実施形態の場合は、S107では、制御部122は、位置301から所定のオフセットを含む位置と、位置304とのX軸方向の距離を算出してもよい。第2実施形態の場合は、S206では、マーク401の位置から所定のオフセットを持たせた位置とマーク401の位置との距離を算出してもよい。
これにより、基板101に到達したインプリント材102が基板101上で広がりやすい場合であっても、マーク302とマーク303、あるいはマーク401とマーク402とが接触してしまうことを防ぐことができる。
第1実施形態およびと第2実施形態において、マーク302、402の形成時の基板ステージ111の移動速度は等速でなくてもよい。すなわち、加速度をもって移動していてもよい。インプリント材102が吐出されてから基板101に到達するまでの基板101の理想的な位置301と位置304の距離と、吐出速度の影響を受けて変動する実際の位置301と位置304の距離を用いて吐出速度を求めてもよい。
基準位置は、基板101又は基板101と共に移動する部分に設定された位置であればよい。例えば、基準マーク112cの位置等でもよい。
マーク302とマーク303のY軸方向の位置や、マーク401とマーク402のY軸方向の位置を互いに異ならせてもよい。Y軸方向にずらしてマークを形成することにより、マーク同士が互いに接触して中心位置の計測精度が低下することを防止できる。ただし、この場合、第1実施形態におけるマーク302とマーク303との距離、あるいは第2実施形態におけるマーク401とマーク402との距離とは、基板101の移動方向と同じ方向(所定方向)に関する距離とする。すなわち第1、第2実施形態では、マークの位置同士のX軸方向の距離のことである。
(吐出位置のずれの補正方法)
吐出速度に起因する吐出位置のずれの補正方法は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。制御部122は、吐出速度に起因する吐出位置のずれを補正して理想的な位置にインプリント材102を吐出させることができる。
なお、予め吐出角度が分かる場合は、距離dの算出時に吐出角度に起因してsinθ成分ずれて基板101に到達しているという情報を用いて吐出速度を算出する。吐出角度が吐出手段115の経年劣化により変動する可能性がある場合は、吐出角度を計測しておくことが好ましい。吐出位置のずれを補正する際は、既知の、あるいは計測により得られた吐出角度に起因する吐出位置のずれと吐出角度に起因する吐出位置のずれとをまとめて補正可能な吐出タイミングに補正することが好ましい。
[第3実施形態]
第3実施形態は、吐出手段115の吐出特性として吐出角度および吐出速度を計測可能な計測方法である。
図7は第3実施形態の吐出角度の計測方法を説明する図、図8は基板101に吐出されたインプリント材102の位置について説明する図、図9は当該計測方法を示すフローチャートである。以下、図7、図8、図9を用いて第1実施形態について説明する。
第3実施形態は、吐出手段115の吐出角度および吐出速度の少なくとも一方を計測する方法である。第1速度(第1速度に関する情報)と第2速度(第2速度に関する情報)で移動する基板101上に2回ずつインプリント材を吐出する。吐出されたインプリント材により形成されるマーク501、502、503、504の位置と、第1速度、第2速度の情報に基づいて吐出角度および吐出速度の少なくとも一方を計測する。
説明の簡易化のため、まず吐出角度を計測する方法について説明する。
第1実施形態のインプリント装置100とは、記憶部123に図9のフローチャートに示すプログラムが記憶されている点と、制御部122が当該プログラムを読み出して吐出速度の計測を実行する点で異なる。
説明の簡易化のため、吐出手段115が1つのノズル116を有する場合の吐出角度の計測方法について説明する。吐出速度は第1実施形態に示す計測方法により既知とする。
まず、基板ステージ111は、吐出手段115と対向する位置を通過するように基板101を速度Vs1で−X方向(第1方向)に等速移動させる(S301)。吐出手段は、1滴のインプリント材102を吐出し、その吐出から時間t1後に、さらに1滴のインプリント材102を吐出する(S302)。先に吐出され、基板101上に到達したインプリント材102を、マーク501という。また、後に吐出され基板101上に到達したインプリント材102を、マーク502という。
図7では、マーク501、502が位置P2に形成された様子を示している。吐出手段115が垂直方向に対して−X方向にθ傾いて吐出される様子を示している。
次に、基板ステージ111は、吐出手段115と対向する位置を通過するように基板101を速度Vs2で−X方向(第2方向)に等速移動させる(S303)。速度Vs1と速度Vs2は速度の大きさが互いに異なる。吐出手段は、1滴のインプリント材102を吐出し、その吐出から時間t1後に、さらに1滴のインプリント材102を吐出する(S304)。先に吐出され、基板101上に到達したインプリント材102を、マーク503という。また、後に吐出され基板101上に到達したインプリント材102を、マーク504という。
撮像部121が、マーク501、502、503、504の形成された基板101を撮像し、撮像結果を制御部122に送信する。
制御部122は、受信した画像を画像処理して、第1組の吐出位置である、マーク501の位置P1およびマーク502の位置P2、第2組の吐出位置である、マーク503の位置P3およびマーク504の位置P4を取得する(S305)。
図8は、撮像部121で観察された基板101を+Z方向から見た図である。位置P1と位置P2のX軸方向の距離(少なくも2つの吐出位置の間の第1方向の第1距離)をD1と示している。位置P3と位置P4のX軸方向の距離(少なくも2つの吐出位置の間の第2方向の第2組の吐出位置の間の第2距離)をD2示している。制御部122は、S305で得られた吐出位置を用いて、距離D1、距離D2を算出する(S306)。
最後に、制御部122は、S206で得られた距離D1、D2と、速度Vs1、Vs2と、吐出手段115と基板101との距離Lと、に基づいて、インプリント材102の吐出角度を決定する。
吐出速度をVr、X軸方向の速度成分をVx、Z軸方向の速度成分をVzとする。Vx=Vr×sinθ、Vz=Vr×cosθである。
このときD1は式(4)で、理想的なD2は式(5)となり、式(4)式(5)を用いて式(6)が成立する。
D1=(Vx+Vs1)×t=(Vx+Vs1)×(L/Vz) ・・・式(4)
D2=(Vx+Vs2)×t=(Vx+Vs2)×(L/Vz) ・・・式(5)
Vx={(D1×Vs2)−(D2×Vs1)}/(D2−D1) ・・・式(6)
式(3)の右辺と、θが微小角であることを考慮して得られるVx=Vr×θが等しいため、θについて解くことにより吐出角度を求めることができる。
以上で図9のフローチャートの説明を終了する。 さらに式(4)と式(5)と式(6)をVzについて解き、tanθ=Vx/Vzを解くことで吐出速度を求めることもできる。すなわち、本実施形態は、このように、本実施形態では、吐出角度、吐出速度のそれぞれを吐出特性を他の吐出特性から分離して計測することができる。吐出角度を求める前に、吐出速度を求めても構わない。
このように、速度Vs1、Vs2でと基板101を等速移動させるそれぞれの場合において、異なるタイミングでインプリント材102を吐出することにより形成されたマーク501、502、503、504の位置を計測する。そして、得られた位置P1、P2、P3、P4と、速度Vs1、Vs2に基づいて、インプリント装置100はノズル116の吐出角度および吐出速度の少なくとも一方を計測する(決定する)ことができる。
吐出手段115を側方からインプリント材102の落下の様子を観察することにより吐出速度を観察するような専用装置を設けることなく吐出速度を計測できる。そのため、前述の専用装置の設置による設置面積の増加を抑制できる。
さらに、1台のインプリント装置100内で吐出速度を計測できるため、吐出手段115を外部に取り出して計測する場合に比べて吐出手段115のメンテナンスの煩雑性を抑制することができる。
なお、S302の工程で使用する基板とS304の工程で使用する基板は異なる基板であっても構わない。ただし、同一の基板を使用した方が、撮像部121が観察したさいに同一視野内にマーク501、502、503、504を撮像することができ、計測時間を短縮することができる。
S301とS303の工程における基板101の移動方向は、同じ方向でなくてもよい。
(吐出位置のずれの補正方法)
インプリント処理におけるインプリント材102の供給工程では、XZ平面内における吐出角度に起因して吐出位置がX軸方向に(L×θ)ずれる。そこで、吐出位置のずれを補正するために、制御部122はインプリント材102を吐出するタイミングを補正する。
具体的には、制御部122が、吐出角度θ=0のノズルよりも吐出タイミングをΔt=(L×θ)/Vだけずらす。Vはインプリント材102の供給工程における基板ステージ111の移動速度である。
なお、吐出するタイミングをずらす、とは、ピエゾ素子に電圧が印加されるタイミングをずらすことである。駆動波形がピエゾ素子に入力される周期は、吐出前の計測角度から変更させないでおく。
具体的には、吐出方向が−X方向側(基板ステージ111の移動方向側に傾いている場合は、(L×θ)/V遅く吐出するように吐出タイミングを補正する。一方、吐出方向が+X方向側(基板ステージ111の移動方向側とは反対方向に傾いている場合は、(L×θ)/V早く吐出するように補正する。ノズル116ごとに異なる吐出タイミングを設定して構わない。
このようにすれば吐出角度に起因する、目標位置に対する吐出位置のずれを補正する(低減する)ことができる。
(インプリント方法)
本発明の一実施形態にかかるインプリント方法を図10に示す。前述の方法で吐出角度および吐出速度の少なくとも一方を計測する工程(S401)と、吐出位置のずれを補正するようにインプリント材102の吐出タイミングを補正する工程(S402)と、インプリント処理をする工程(S403〜S406)とを含む。
インプリント処理の工程について説明する。吐出位置のずれを補正できるように、S402で決定された吐出タイミングでインプリント材102をパターン領域120に吐出する(S403)。次に、吐出されたインプリント材102に対してパターン部103aを接触させる(S404)。次にインプリント材102を紫外線105により硬化させ(S405)、最後にパターン部103aをインプリント材102から引き離す(S406)。これにより、S401やS402の工程を実行しない場合に比べて、欠陥の少ない転写パターンを形成することができる。
[その他の実施形態]
前述の各実施形態に共通する、その他の実施形態について説明する。
制御部122は、吐出条件として、吐出手段115の吐出手段に印加する電圧の駆動波形を補正してもよい。駆動波形を補正することで吐出速度を補正することができる。あるいは、吐出角度および吐出速度を両方とも補正することで、インプリント材102の吐出位置を補正してもよい。
撮像部121を用いてインプリント材102の吐出された位置を計測する前に、基板101に紫外線105を照射してインプリント材102を硬化させてしまうことが好ましい。制御部122による画像処理の際に、インプリント材102の位置計測の精度を向上させることができる。
前述した吐出速度や吐出角度の計測に用いる基板101は、インプリント材102の接触角が大きくなるような材質あるいは加工が施された、計測用の専用基板であることが好ましい。例えば、フッ素系材料がコーティングされた基板を用いることが好ましい。
前述した吐出速度や吐出角度の計測に用いる基板101は、インプリント処理によりパターンを形成する基板101と同じ基板であっても、パターンの形成されない専用基板であってもよい。パターンを形成する基板101と同じ基板を使用する場合は、パターン領域120上にインプリント材102が吐出されないようにパターン領域120同士の間にあるスクライブライン上に吐出することが好ましい。
制御部122は、インプリント装置100の他の構成要素と共通の筐体内に設置されてもよいし、筐体外に設置されてもよい。また、制御部122は、制御対象物や、機能(例えば、算出手段としての機能、決定手段としての機能など)毎に異なる制御基板の集合体であってもよい。
制御部122は、計測して得られた吐出角度と閾値角度θ’、あるいは計測して得られた吐出速度と閾値速度V’とを比較してもよい。比較した結果、計測して得られた吐出角度がθ’より大きい場合や計測して得られた吐出速度が閾値速度V’より大きい場合に、吐出手段115の交換時期であることをユーザに知らせることが好ましい。
吐出角度や吐出速度を算出するにあたり等速移動時の速度を用いて計算する例を示したが、速度と相関のある、加速度(基板の速度に関する情報)を用いてこれらを算出してもよい。
インプリント材102として、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の組成物を樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、放射線、熱等が用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線等の光である。
硬化性組成物は、光や放射線の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。このうち、光により硬化する光硬化性組成物は、重合性化合物と光重合開始剤とを少なくとも含有し、必要に応じて非重合性化合物又は溶剤を含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分等の群から選択される少なくとも一種である。
インプリント材102は、液滴状、或いは複数の液滴が繋がってできた島状又は膜状となって基板上に付与されてもよい。インプリント材102の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。
[物品の製造方法]
インプリント装置100を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。
物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。 型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。
硬化物のパターンを一時的に用いる場合、基板に対する加工工程としてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。 さらに、他の周知の加工工程(現像、酸化、成膜、蒸着、平坦化、インプリント材剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を施してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
100 インプリント装置
101、211 基板
102 インプリント材
103 型
111 基板ステージ(移動手段)
115 吐出手段
116 ノズル
121 撮像部(取得手段)
122 制御部(算出手段、決定手段、取得手段)
301 位置(基準位置)
304 マーク303の位置(吐出位置)
基板ステージ111は、チャック112aと駆動機構112bと基準マーク112cを有し、後述の制御部122からの指示にしたがって基板101を位置決めする。チャック112aは、基板101を真空吸着力や静電気力により基板101を保持する。チャック112aにより基板101を保持した状態で基板ステージ111はXY平面内に沿って移動する。基板101の位置計測に使用される基準マーク112cは、駆動機構112上に設けられている。
X軸方向に延伸している破線201aは、ノズル116aの走査軌跡を仮想的に基板101上に投影した軌跡である。同様にして破線201bはノズル116bの、破線201cはノズル116cの走査軌跡を仮想的に基板101上に投影した軌跡である。Y軸方向に延伸している破線20_1、201_2、・・・、20_Nと破線201aとの交点は、1番目〜N番目にノズル116aから吐出されたインプリント材102の理想的な吐出位置を示している。
図5は第2実施形態の吐出速度の計測方法を説明する図、図6は当該計測方法を示すフローチャートである。以下、図5、図6を用いて第実施形態について説明する。
まず、マーク401の位置を、基板ステージ111の位置および基板101に対するマーク401位置を用いて取得する(S201)。取得方法は計測によるものであっても、事前に得られた基板101に対するマーク401の位置と基板ステージ111に対する基板101の位置とに基づいて得られた設計値であってもよい。マーク401の置は、X軸方向の位置、Y軸方向の位置、およびZ軸方向の位置を含む。
マーク401が吐出手段115の対向するときに、吐出手段115はインプリント材102を吐出する(S204)。図5に示すように、S204で吐出され、基板101に到達したインプリント材102を、マーク402という。なお、マーク402が形成
されるまでは、基板ステージ111は基板101の等速移動を維持させておく。
撮像部121が、マーク401とマーク402と共に基板101撮像し、撮像結果を制御部122に送信する。制御部122は、受信した画像を画像処理して、マーク401の位置と、マーク402の位置(吐出位置)を取得し(S205)、マーク401の位置とマーク402との距離dを算出する(S206)。S206で算出する距離とは、S203で基板101を移動させている方向に関する距離である。
第1実施形態の場合は、S107では、制御部122は、位置301から所定のオフセットを含む位置と、位置304とのX軸方向の距離を算出してもよい。第2実施形態の場合は、S206では、マーク401の位置から所定のオフセットを持たせた位置とマーク40の位置との距離を算出してもよい。
第1実施形態およびと第2実施形態において、マーク302、402の形成時の基板ステージ111の移動速度は等速でなくてもよい。すなわち、加速度をもって移動していてもよい。インプリント材102が吐出されてから基板101に到達するまでの基板101の理想的な位置301と位置304の距離と、吐出速度の影響を受けて変動する実際の位置30と位置304の距離を用いて吐出速度を求めてもよい。
なお、予め吐出角度が分かる場合は、距離dの算出時に吐出角度に起因してsinθ成分ずれて基板101に到達しているという情報を用いて吐出速度を算出する。吐出角度が吐出手段115の経年劣化により変動する可能性がある場合は、吐出角度を計測しておくことが好ましい。吐出位置のずれを補正する際は、既知の、あるいは計測により得られた吐出角度に起因する吐出位置のずれと吐出速度に起因する吐出位置のずれとをまとめて補正可能な吐出タイミングに補正することが好ましい。
図7は第3実施形態の吐出角度の計測方法を説明する図、図8は基板101に吐出されたインプリント材102の位置について説明する図、図9は当該計測方法を示すフローチャートである。以下、図7、図8、図9を用いて第実施形態について説明する。
第1実施形態のインプリント装置100とは、記憶部123に図9のフローチャートに示すプログラムが記憶されている点と、制御部122が当該プログラムを読み出して吐出角度の計測を実行する点で異なる。
最後に、制御部122は、S06で得られた距離D1、D2と、速度Vs1、Vs2と、吐出手段115と基板101との距離Lと、に基づいて、インプリント材102の吐出角度を決定する。
式()の右辺と、θが微小角であることを考慮して得られるVx=Vr×θが等しいため、θについて解くことにより吐出角度を求めることができる。

Claims (16)

  1. 型とインプリント材を接触させ、前記インプリント材を硬化させることにより基板上に前記インプリント材のパターンを形成するインプリント装置であって、
    基板を移動させる移動手段と、
    前記インプリント材を吐出する吐出手段と、
    前記移動手段により前記基板が所定方向に移動している間に前記吐出手段により前記基板上に吐出された前記インプリント材の吐出位置を取得する取得手段と、
    基準位置と前記取得手段が取得した前記吐出位置との間の前記所定方向の距離を算出する算出手段と、
    前記算出手段が算出した前記距離と、前記移動している間の前記基板の速度に関する情報とに基づいて、前記吐出手段の吐出速度を決定する決定手段と、を有することを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記基準位置は、前記基板又は前記基板が移動している間に前記基板と共に移動する部分に設定された位置であることを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記基準位置は、静止している前記基板上に吐出された前記インプリント材の吐出位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント装置。
  4. 前記移動している間の前記基板の移動は、等速移動であることを特徴とする又は請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  5. 前記吐出速度に基づいて、前記基板に対する前記インプリント材の吐出位置を補正する補正手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  6. 前記補正手段は、前記吐出手段の吐出タイミングおよび前記吐出手段に付与する電圧の少なくとも一方を補正することを特徴とする請求項5に記載のインプリント装置。
  7. 型とインプリント材を接触させ、前記インプリント材を硬化させることにより基板上に前記インプリント材のパターンを形成するインプリント装置であって、
    基板を移動させる移動手段と、
    前記インプリント材を吐出する吐出手段と、
    前記移動手段により基板が第1方向に第1速度で移動している間に異なるタイミングで吐出された前記インプリント材のそれぞれの吐出位置を示す第1組の吐出位置と、前記移動手段により前記基板が前記第1速度とは異なる第2速度で第2方向に移動している間に異なるタイミングで吐出されたそれぞれの前記インプリント材の位置を示す第2組の吐出位置と、を取得する取得手段と、
    前記取得手段が取得した前記第1組の吐出位置の、それぞれの吐出位置の間の第1方向の第1距離、および前記取得手段が取得した、前記第2組の吐出位置のそれぞれの吐出位置の間の第2方向の第2距離を算出する算出手段と、
    前記算出手段が算出した、前記第1距離および前記第2距離と、前記第1速度に関する情報と、前記第2速度に関する情報と、に基づいて、前記吐出手段の吐出角度および吐出速度の少なくとも一方を決定する決定手段と、を有することを特徴とするインプリント装置。
  8. 前記第1速度での移動と前記第2速度での移動は、等速移動であることを特徴とする請求項7に記載のインプリント装置。
  9. 前記吐出角度又は前記吐出速度の少なくとも一方に基づいて、前記基板に対する前記インプリント材の吐出位置を補正する補正手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  10. 前記補正手段は、前記吐出手段の吐出タイミングおよび前記吐出手段に付与する電圧の少なくとも一方を補正することを特徴とする請求項9に記載のインプリント装置。
  11. 前記算出手段は第1算出手段であって、
    前記取得手段は、前記基板に吐出されたインプリント材を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像結果を画像処理することによって前記第1組の吐出位置と前記第2組の吐出位置とを算出する、第2算出手段と、を有することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のインプリント装置。
  12. インプリント材を吐出する吐出手段の、吐出速度を計測する方法であって、
    基板が所定方向に移動している間に前記インプリント材を吐出する工程と、
    前記工程で吐出された前記インプリント材の吐出位置を取得する工程と、
    基準位置と前記吐出位置との間の前記所定方向の距離を算出する工程と、
    前記距離と、前記移動している間の前記基板の速度に関する情報とに基づいて、前記吐出手段の吐出速度を求める工程と、を有することを特徴とする計測方法。
  13. インプリント材を吐出する吐出手段の、吐出角度および吐出速度の少なくとも一方を計測する方法であって、
    第1速度で第1方向に移動している基板上に、異なるタイミングで前記インプリント材を吐出する第1工程と、
    前記第1速度とは異なる第2速度で第2方向に移動している基板上に、異なるタイミングで前記インプリント材を吐出する第2工程と、
    前記第1工程で吐出された前記インプリント材の少なくとも2つの吐出位置、および前記第2工程で吐出された前記インプリント材の少なくとも2つの吐出位置を取得する工程と、
    前記第1工程で吐出された前記インプリント材の少なくとも2つの吐出位置の間の前記第1方向の第1距離と、前記第2工程で吐出された前記インプリント材の少なくとも2つの吐出位置の間の前記第2方向の第2距離とを算出する工程と、
    前記第1距離、前記第2距離、前記第1速度に関する情報、および前記第2速度に関する情報に基づいて、前記吐出手段の吐出角度および吐出速度の少なくとも一方を求める工程と、を有することを特徴とする計測方法。
  14. 請求項12に記載の計測方法で得られた吐出速度に基づいて、前記吐出手段のインプリント材の吐出条件を補正する工程と、
    前記補正する工程で補正した吐出条件で前記基板に前記インプリント材を吐出する工程と、
    型と前記吐出する工程で吐出された前記インプリント材とを接触させる工程と、
    前記型を前記インプリント材から引き離す工程と、を有することを特徴とするインプリント方法。
  15. 請求項13に記載の計測方法で得られた吐出角度および吐出速度の少なくとも一方に基づいて、前記吐出手段の前記インプリント材の吐出条件を補正する工程と、
    前記補正する工程で補正した吐出条件で前記基板に前記インプリント材を吐出する工程と、
    型と前記吐出する工程で吐出された前記インプリント材とを接触させる工程と、
    前記型を前記インプリント材から引き離す工程と、を有することを特徴とするインプリント方法。
  16. 請求項14又は請求項15に記載のインプリント方法を用いて基板にパターンを形成する工程と、
    前記工程の後に前記基板を加工する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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