JP2017101625A - 故障判定装置 - Google Patents

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Kenta Imaoka
健太 今岡
翔也 田野
Shoya Tano
翔也 田野
淳也 北田
Junya Kitada
淳也 北田
松永 英雄
Hideo Matsunaga
英雄 松永
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Abstract

【課題】故障判定装置に関し、空燃比センサの故障検出精度を向上させる。【解決手段】空燃比センサ7の出力における前回値から今回値までの変化量である出力偏差Bを算出する算出部2と、出力偏差Bの積算値Cを算出する積算部4と、積算値Cに基づき空燃比センサ7の故障を判定する判定部5とを設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、空燃比センサの故障を判定する故障判定装置に関する。
従来、車両の排気系に介装される空燃比センサの故障判定に際し、センサ出力の遅れに基づいて故障を判定する技術が知られている。例えば、目標空燃比の変化に対し、センサ出力の時間変化率が小さい場合に、センサの応答特性の劣化や故障が生じているものと判定する技術が知られている。また、目標空燃比を制御した時点からセンサ近傍の空燃比が実際に変化するまでの無駄時間を考慮して、センサの応答特性に由来する応答遅れを検出する技術も知られている(特許文献1参照)。これらの技術により、空燃比センサの故障を検出しうる。
特開2005-307961号公報
しかしながら、既存の技術では、空燃比の緩慢な変動に対するセンサ出力の遅れを検出することが難しい。例えば、空燃比が所定空燃比を挟んで長周期あるいは低振幅で穏やかに変動しているときには、センサ出力の時間変化率が小さくなり、無駄時間,応答遅れの検出精度や故障の検出精度が低下する。また、既存の技術では、センサの応答特性の偏りによって生じうるセンサ出力の張り付き故障を検出することが難しい。張り付き故障とは、空燃比の変動方向に依存してセンサ出力の遅れが変化する故障を意味する。例えば、リッチからリーンへの追従性が高いにも関わらず、リーンからリッチへの追従性が低いようなセンサ出力の不具合が発生した場合に、既存の技術ではこれを精度よく検出することができない。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、空燃比センサの故障検出精度を向上させた故障判定装置を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)ここで開示する故障判定装置は、空燃比センサの出力における前回値から今回値までの変化量である出力偏差を算出する算出部と、前記出力偏差の積算値を算出する積算部と、前記積算値に基づき、前記空燃比センサの故障を判定する判定部とを備える。
(2)前記判定部は、前記積算値が所定範囲を越えた回数に基づき、前記故障を判定することが好ましい。
(3)前記所定範囲は、第一所定値を負の値,第二所定値を正の値として、前記第一所定値以上かつ前記第二所定値以下の範囲であることが好ましい。
例えば、前記判定部において、前記積算値が前記第一所定値未満又は前記第二所定値を越える場合に、前記空燃比センサが正常であると判定することが好ましい。一方、前記積算値が前記第一所定値以上かつ前記第二所定値以下である場合、あるいは、このような条件が所定回数以上成立した場合には、前記空燃比センサが故障したと判定することが好ましい。
(4)前記出力偏差に基づき、前記出力が変化しないディレイ期間を検出する検出部を備えることが好ましい。この場合、前記積算部が、前記ディレイ期間の開始時に前記積算値をゼロにリセットすることが好ましい。
(5)前記ディレイ期間は、第一偏差を負の値,第二偏差を正の値として、前記出力偏差が前記第一偏差以上かつ前記第二偏差以下となる期間であることが好ましい。
例えば、前記検出部において、前記出力偏差が前記第一偏差未満又は前記第二偏差を超える場合に、前記ディレイ期間ではないと判断することが好ましい。一方、前記出力偏差が前記第一偏差以上かつ前記第二偏差以下である場合には、前記ディレイ期間であると判断することが好ましい。このような判断結果が、前記検出部から前記積算部へと伝達されることが好ましい。
空燃比センサの出力偏差の積算値を用いることで、センサ出力の正常な変動と正常でない変動とを精度よく識別することができ、故障の判定精度を向上させることができる。また、張り付き故障の有無を精度よく判定することができる。
故障判定装置が適用されたエンジンの構成を例示する模式図である。 センサの張り付き故障を説明するためのグラフであり、(A)はリーン側張り付き故障を示し、(B)はリッチ側張り付き故障を示すものである。 故障判定装置での演算内容を説明するためのグラフである。 故障判定装置での演算内容を説明するためのグラフである。 故障判定装置による制御手順を例示するフローチャートである。
図面を参照して、実施形態としての故障判定装置について説明する。本故障判定装置の最小構成は、以下に説明する故障判定装置1のみで実現可能である。また、エンジン制御装置20や空燃比センサ7を含むシステム全体を本故障判定装置とすることも可能である。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.装置構成]
図1は、車両に搭載されるエンジン10及びこれを制御するエンジン制御装置20を模式的に示す図である。エンジン10の吸気通路11には吸気量を調節するためのスロットルバルブ12が設けられ、吸気ポート13内には燃料を噴射するインジェクタ14が設けられる。また、排気通路15には触媒装置6が介装され、ここで排ガスが浄化される。エンジン制御装置20は、スロットルバルブ12及びインジェクタ14の作動状態を制御する電子制御装置である。シリンダに導入される吸気量は、スロットルバルブ12の開度(スロットル開度)を調節することで制御される。また、空気中の燃料濃度(空燃比)は、インジェクタ14から噴射される燃料量や燃料噴射のタイミングなどを調節することで制御される。エンジン制御装置20は、目標空燃比を任意の周波数及び振幅で振動させる(空燃比が所定空燃比を中心として周期的に増減するように、吸気量及び燃料量を制御する)機能を持つ。
空燃比センサ7は、所定の検出周期で排ガス中の空燃比を検出する酸素濃度センサである。本実施形態の空燃比センサ7は、排ガスの拡散を律速する多孔質材料(律速層)で固体電解質を被覆した構造を持つリニア空燃比センサ(全域空燃比センサ,LAFS)である。空燃比センサ7では、酸素イオンが固体電解質中を移動することによって生じる起電力が計測され、その起電力に所定の演算処理が施されたのち、演算結果がセンサ出力Aとして故障判定装置1へと出力される。センサ出力Aの値は、空燃比の変動に対してほぼリニアに変化する特性を持つ。
故障判定装置1は、空燃比センサ7の故障を判定するための電子制御装置である。この故障判定装置1は、車載ネットワーク網の通信ライン19を介して、エンジン制御装置20と通信可能となるように接続される。故障判定装置1は、例えばエンジン10の作動状態に関する情報や目標空燃比の情報などをエンジン制御装置20から取得する。なお、故障判定装置1の機能をエンジン制御装置20に内蔵させてもよい。
故障判定装置1及びエンジン制御装置20のハードウェア構成について説明する。故障判定装置1及びエンジン制御装置20のそれぞれは、CPU(Central Processing Unit),MPU(Micro Processing Unit)などのマイクロプロセッサやROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),不揮発メモリなどを集積した電子デバイス(ECU、電子制御装置)として形成される。ここでいうプロセッサとは、例えば制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路)、キャッシュメモリ(レジスタ)等を内蔵する処理装置(プロセッサ)である。また、ROM、RAM及び不揮発メモリは、プログラムや作業中のデータが格納されるメモリ装置である。故障判定装置1及びエンジン制御装置20のそれぞれで実施される制御の内容は、ファームウェアやアプリケーションプログラムとしてROM、RAM、不揮発メモリ、リムーバブルメディア内に記録される。また、プログラムの実行時には、プログラムの内容がRAM内のメモリ空間内に展開され、プロセッサによって実行される。
[2.制御構成]
故障判定装置1は、空燃比の緩慢な変動に対するセンサ出力Aの遅れを検出する機能を持つ。例えば、空燃比センサ7の応答特性の偏りによってセンサ出力Aの張り付き故障が生じた場合であっても、その張り付き故障を精度よく検出する機能を持つ。張り付き故障とは、空燃比の変動方向に依存してセンサ出力の遅れが変化する故障を意味する。図2(A)は、所定空燃比を中心として目標空燃比を振動させている状態で、リーン側への張り付き故障が発生した場合のセンサ出力Aである。また、図2(B)は、リッチ側への張り付き故障が発生した場合のセンサ出力Aである。以下、センサ出力Aが変化せずにほぼ一定となっている期間のことをディレイ期間と呼び、その時間の長さをディレイ検出時間Dと呼ぶ。
上記の制御を実施するための要素として、故障判定装置1には、算出部2,検出部3,積算部4,判定部5が設けられる。これらは、故障判定装置1で実行されるプログラムの一部の機能を示すものであり、ソフトウェアで実現されるものとする。ただし、各機能の一部又は全部をハードウェア(電子制御回路)で実現してもよく、あるいはソフトウェアとハードウェアとを併用して実現してもよい。
算出部2は、センサ出力Aの前回値から今回値までの変化量を出力偏差Bとして算出するものである。出力偏差Bは、センサ出力Aの今回値から前回値を減じることによって算出される。図3中の時刻t2〜t3間に示すように、出力偏差Bは、センサ出力Aが増加傾向にあるときには正の値をとり、センサ出力Aが減少傾向にあるときには負の値をとる。また、空燃比センサ7に張り付き故障が発生している場合には、図3中の時刻t1〜t2間に示すように、出力偏差Bの値はほぼゼロとなる。さらに、図3中の時刻t3〜t4間に示すように、センサ出力Aに混入されうるノイズの影響を考慮したとしても、出力偏差Bの値はほぼゼロとなる。ここで算出された出力偏差Bの情報は、検出部3及び積算部4に伝達される。
検出部3は、出力偏差Bに基づき、センサ出力Aがほとんど変化しないディレイ期間を検出するものである。ここでは、例えば以下のような条件のいずれかが成立する状態が、ディレイ期間であるとみなされる。
条件1.出力偏差Bがゼロである。
条件2.出力偏差Bが所定範囲内に収まっている。
条件3.出力偏差Bの絶対値|B|が所定閾値BX以下である。
本実施形態では、第一偏差B1を負の値,第二偏差B2を正の値として、出力偏差Bが第一偏差B1以上かつ第二偏差B2以下であるときに、ディレイ期間内であると判断する。また、出力偏差Bが第一偏差B1未満又は第二偏差B2を越える場合には、ディレイ期間外であると判断する。図3に示すように、出力偏差BがB1≦B≦B2の範囲内で変動している限り、ディレイ期間が継続しているものと判断される(時刻t1〜t2間,時刻t3〜t4間)。ここでの判断の結果は、積算部4に伝達される。
積算部4は、算出部2で算出された出力偏差Bの積算値Cを算出するものである。ここでは、ディレイ期間の開始時点を基準として、出力偏差Bの値を積算したものを積算値Cとして算出する。つまり、積算値Cはディレイ期間外からディレイ期間内へと入ったときにゼロにリセットされる。空燃比センサ7に張り付き故障が発生している場合には、図3中の時刻t1〜t2間に示すように、積算値Cの値はほぼゼロとなる。また、図3中の時刻t3〜t4間に示すように、センサ出力Aに混入されうるノイズの影響を考慮したとしても、出力偏差Bが正の値を持つ部分と負の値を持つ部分とが相殺され、積算値Cの値はほぼゼロに収束する。ここでの算出結果は判定部5に伝達される。
判定部5は、積算部4で算出された積算値Cに基づき、空燃比センサ7の故障を判定するものである。故障の判定条件を以下に例示する。
条件4.積算値Cがゼロでない。
条件5.積算値Cが所定範囲を超えた。
条件6.積算値Cの絶対値|C|が所定閾値CX以上である。
条件7.条件4〜6のいずれかが成立した頻度が所定頻度以上である。
上記の条件5では、例えば第一所定値C1を負の値,第二所定値C2を正の値として、積算値Cの変動が許容される所定範囲を越えたか否かを判断する。所定範囲を用いた故障判定の条件を以下に例示する。
条件8.積算値Cが、C<C1又はC>C2である。
条件9.ディレイ期間内で条件8が成立した回数Nが所定回数以上である。
条件10.ディレイ検出時間Dが所定時間以上である。
条件11.ディレイ検出時間Dの累計を回数Nで除した値が所定値以上である。
本実施形態では、積算値Cが第一所定値C1以上かつ第二所定値C2以下の範囲(所定範囲)を超えたか否かを判定する。また、積算値Cがその所定範囲を越えていない場合には、ディレイ期間が終了した時点でディレイ検出時間D(ディレイ期間の時間の長さに対応するパラメータ)を算出するとともに、ディレイ検出時間Dを積算したディレイ検出時間積算値Eを算出する。一方、積算値Cがその所定範囲を越えた場合には、空燃比センサ7の張り付き故障に由来するセンサ出力の遅れが生じていないものとみなして、それ(積算値Cが所定範囲を越えたこと)が検出されたディレイ検出時間Dを、ディレイ検出時間積算値Eの積算対象から除外する。
このような演算を繰り返し、ディレイ検出時間積算値Eが所定の閾値E1以上になれば、空燃比センサ7が故障したものと判定する。また、ディレイ検出時間積算値Eが所定の閾値E1未満であれば、空燃比センサ7は正常であると判定する。ただし、ディレイ検出時間積算値Eが閾値E1に達していなくても、極端に長いディレイ期間が検出されたような場合には、空燃比センサ7に何らかの不具合が発生している可能性が高い。そこで、本実施形態では、ディレイ検出時間積算値Eを回数N(ディレイ回数)で除した値が第二閾値E2以上である場合にも、空燃比センサ7が故障したものと判定する。
[3.フローチャート]
図5は、故障判定装置1で実施される制御内容を説明するためのフローチャート例である。フロー中の記号F,Gは、制御用のフラグである。フラグFはディレイ期間内であるか否かを表すものであり、ディレイ期間内でのみF=1に設定される。また、フラグGは、ディレイ検出時間Dをディレイ検出時間積算値Eに加算するか否かを判断するためのフラグであり、ディレイ期間内に積算値Cが所定範囲を越えた場合にのみG=1に設定される。
センサ出力Aが故障判定装置1に入力されると、算出部2が出力偏差Bを算出する(ステップA1,A2)。また、検出部3では、出力偏差Bに基づき、ディレイ期間に入っているか否かが判定される(ステップA3)。ここで、出力偏差Bが第一偏差B1以上かつ第二偏差B2以下である場合にはディレイ期間内であると判断され、フラグFがF=0であることを条件として積算値CがC=0にリセットされるとともに、フラグFがF=1に設定されて、積算部4で積算値Cが算出される(ステップA4〜7)。また、フラグFがF=1であるときには、前回の演算周期からすでにディレイ期間内に入っているものと判断されて、そのまま積算値Cが算出される(ステップA7)。
判定部5では、積算値Cが所定範囲内に位置しているか否かが判定される(ステップA8)。ここで、積算値Cが第一所定値C1以上かつ第二所定値C2以下の範囲にある場合には、ディレイ検出時間Dが算出される(ステップA10)。一方、積算値Cが第一所定値C1未満又は第二所定値C2を越える場合には、フラグGがG=1に設定された上で、ディレイ検出時間Dが算出される(ステップA9,A10)。なお、ディレイ検出時間Dは、実際の時間に相当するものであれば正確な時間でなくてもよく、例えばディレイ検出時間Dの今回値にD+1(前回値に1を加算した値)を代入する演算としてもよい。また、フラグGがG=1に設定されると、その時点で算出されているディレイ検出時間Dの情報は不要となることから、ディレイ検出時間Dの算出を停止させてもよい。
次回以降の演算周期でディレイ期間からの離脱が検出されるとフラグGの状態、すなわち直前のディレイ期間内に積算値Cが所定範囲を超えていたか否かが判定される(ステップA11)。ここで、フラグGがG=0である場合には、それまでの間に算出されたディレイ検出時間Dがディレイ検出時間積算値Eに加算されるとともに、ディレイ回数Nが算出される(ステップA12,A13)。一方、フラグGがG=1である場合には、直前のディレイ検出時間Dがディレイ検出時間積算値Eの積算対象から除外され、ステップA12,A13がスキップされる。その後、ディレイ検出時間D,フラグF,Gがゼロにリセットされる(ステップA14,A15)。
判定部5は、ディレイ検出時間積算値Eが閾値E1以上である場合(ステップA16)に、空燃比センサ7が故障しているものと判定する。また、ディレイ検出時間積算値Eをディレイ回数Nで除した値が第二閾値E2以上である場合(ステップA17)にも、空燃比センサ7が故障しているものと判定する(ステップA18)。また、ディレイ検出時間積算値E及びディレイ回数Nがゼロにリセットされる(ステップA19)。この判定結果は、例えばエンジン制御装置20の内部メモリにダイアグ情報として記録される。また、インストルメントパネル上の警告ランプが点灯制御されるとともに、空燃比センサ7が故障したことを報知する情報がディスプレイ上に表示される。一方、ステップA16,A17の条件がいずれも不成立の場合には、空燃比センサ7は正常であり故障が発生していないものと判断される(ステップA20)。
[4.作用,効果]
空燃比センサ7に張り付き故障が生じている場合には、図3に示すように、若干のノイズの影響こそあれ、出力偏差Bの値がほぼゼロとなる。そのため、積算値Cの値が所定範囲(C1≦C≦C2)を越えることはない。これに対し、図4に示すように、単に空燃比が緩慢に変化している状態(張り付き故障が発生していない状態であって、センサ出力Aの出力偏差Bが比較的小さい状態)では、出力偏差Bの値がゼロの近傍で変化しうるものの、積算値Cの値は大きく変動する。特に、ディレイ期間の開始時点を基準として積算値Cを算出すれば、そのディレイ期間内のみでのセンサ出力Aの挙動が浮き彫りとなり、図3に示すような積算値Cの変動との違いが明らかとなる。
例えば、図4中の時刻t5に積算値Cの値はゼロにリセットされているにも関わらず、その直後の時刻t6には積算値Cが第一所定値C1を下回っている。したがって、その後の時刻t7にディレイ期間が終了したときには、ディレイ検出時間Dがディレイ検出時間積算値Eに加算されることはなく、張り付き故障の可能性が否定されることになる。時刻t8〜t10間においても同様であり、時刻t9に積算値Cが第二所定値C2を上回っているため、時刻t10にディレイ期間が終了したときには、ディレイ検出時間Dがディレイ検出時間積算値Eに加算されることはない。このように、積算値Cと所定範囲(C1≦C≦C2)とを比較することで、張り付き故障に由来するセンサ出力Aの変動と張り付き故障に由来しないセンサ出力Aの変動との識別が可能となり、故障診断精度が向上する。
(1)上記の故障判定装置1では、センサ出力Aの前回値から今回値までの変化量である出力偏差Bの積算値Cを算出し、その積算値Cに基づいて空燃比センサ7の故障を判定している。このように、空燃比センサ7の出力偏差Bの積算値Cを用いることで、空燃比のなだらかで正常な変動と、出力の遅れによる正常でない変動とを精度よく識別することができ、故障の判定精度を向上させることができる。
例えば、リッチからリーンへの出力応答性が正常であるにもかかわらずリーンからリッチへの出力応答性が低下するような故障(いわゆるリーン側張り付き故障)を精度よく検出することができる。同様に、いわゆるリッチ側張り付き故障についても、精度よく検出することができる。また、図4に示すように、単に空燃比が緩慢に変化している状態でのセンサ出力Aを、張り付き故障に由来する正常でないセンサ出力Aと間違えることがなくなり、故障の誤検出を防止することができる。
(2)上記の故障判定装置1では、積算値Cと所定範囲との比較によって故障の有無を判定している。これにより、出力偏差Bの偏りをある程度は許容することができ、なだらかで正常な変動をセンサ故障と誤判断するような事態を回避することができる。したがって、故障の判定精度を向上させることができる。
(3)上記の故障判定装置1では、第一所定値C1を負の値,第二所定値C2を正の値として、所定範囲を第一所定値C1以上かつ第二所定値C2以下の範囲に設定している。これにより、積算値Cをプラス側に変化させる出力偏差Bの偏りの影響と、マイナス側に変化させる出力偏差Bの偏りの影響とをともに取り除くことができ、故障の判定精度を向上させることができる。また、第一所定値C1と第二所定値C2とを互いに独立して設定可能となることから、空燃比センサ7の特性や故障判定装置1の演算上の特性などに応じて、適切な範囲を設定することが可能となり、故障の判定精度を向上させることができる。
(4)上記の故障判定装置1では、ディレイ期間の開始時点を基準として、出力偏差Bの値を積算したものを積算値Cとして算出している。つまり、積算値Cはディレイ期間外からディレイ期間内へと入ったときにゼロにリセットされている。これにより、正常なセンサ出力Aによる積算値Cの変動を取り除くことができる。また、ディレイ期間内のみにおける積算値Cの変化を追跡することが可能となり、故障の誤判定を防止することができる。
(5)上記の故障判定装置1では、第一偏差B1を負の値,第二偏差B2を正の値として、出力偏差Bが第一偏差B1以上かつ第二偏差B2以下であるときに、ディレイ期間内であると判断されている。これにより、空燃比センサ7のセンサ出力Aを微妙に変化させうるノイズの影響を取り除いてディレイ期間を正しく把握することができ、故障の判定精度を向上させることができる。
[5.変形例]
上述の実施形態では、リニア空燃比センサの故障を判定しているが、これ以外の酸素濃度センサやジルコニアセンサなどを対象として故障判定を実施してもよい。また、判定対象となるセンサが取り付けられるエンジンの種類や形式は任意であり、ガソリンエンジンだけでなくディーゼルエンジン用のセンサを対象として故障判定を実施してもよい。少なくとも、センサ出力の前回値から今回値までの変化量を積算した値に基づいて故障を判定することで、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
また、上述の実施形態では、目標空燃比を任意の周波数及び振幅で振動させることのできるエンジン10を例示したが、本故障判定装置1による空燃比センサ7の故障判定は、目標空燃比の制御からは独立して実行可能である。本故障判定装置1は、目標空燃比が急変したときにセンサ出力Aの遅れが検出された場合に、その遅れが張り付き故障に由来するものであるか否かを精度よく判定することができる。
1 故障判定装置
2 算出部
3 検出部
4 積算部
5 判定部
6 触媒装置
7 空燃比センサ(センサ)
10 エンジン
11 吸気通路
12 スロットルバルブ
13 吸気ポート
14 インジェクタ
15 排気通路
19 通信ライン(車載通信網)
20 エンジン制御装置
A センサ出力
B 出力偏差
C 積算値
D ディレイ検出時間
E ディレイ検出時間積算値

Claims (5)

  1. 空燃比センサの出力における前回値から今回値までの変化量である出力偏差を算出する算出部と、
    前記出力偏差の積算値を算出する積算部と、
    前記積算値に基づき前記空燃比センサの故障を判定する判定部と
    を備えたことを特徴とする、故障判定装置。
  2. 前記判定部は、前記積算値が所定範囲を越えた回数に基づき前記故障を判定する
    ことを特徴とする、請求項1記載の故障判定装置。
  3. 前記所定範囲は、第一所定値を負の値,第二所定値を正の値として、前記第一所定値以上かつ前記第二所定値以下の範囲である
    ことを特徴とする、請求項2記載の故障判定装置。
  4. 前記出力偏差に基づき前記出力が変化しないディレイ期間を検出する検出部を備え、
    前記積算部が、前記ディレイ期間の開始時に前記積算値をゼロにリセットする
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の故障判定装置。
  5. 前記ディレイ期間は、第一偏差を負の値,第二偏差を正の値として、前記出力偏差が前記第一偏差以上かつ前記第二偏差以下となる期間である
    ことを特徴とする、請求項4記載の故障判定装置。
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