JP2017100998A - プラセンタ抽出物およびプラセンタ抽出物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有効成分の濃度が高く、着色が少なく、かつ機能性に優れたプラセンタ抽出物であって、見た目および風味が重要な要素となる化粧品や食品への使用に適したプラセンタ抽出物を提供すること。【解決手段】波長390nmにおける吸光度が0.15以下であり、窒素含有量が0.10質量%以上であり、全固形分中における分子量が1000以下の低分子化ペプチドの含有量が40〜99.5質量%である本発明のプラセンタ抽出物によれば、見た目および風味が重要な要素となる化粧品や食品への使用に適したプラセンタ抽出物を提供することができる。【選択図】図1
Description
本発明はプラセンタを原料とするプラセンタ抽出物およびプラセンタ抽出物の製造方法に関する。特に、特定の吸光度および窒素含有量を示すプラセンタ抽出物およびプラセンタ抽出物の製造方法に関する。
プラセンタとは哺乳類の胎盤のことであり、近年、抗酸化性やコラーゲン産生促進能、コラゲナーゼ阻害活性、血圧上昇抑制作用、エラスターゼ阻害作用、チロシナーゼ阻害作用に代表される優れた機能性から、健康食品、化粧品素材、医薬品などとして使用されている。これらの使用において、プラセンタの優れた機能性を発揮するためには、プラセンタ中の蛋白質を、吸収性や機能性に優れたペプチドまで低分子化、可溶化する必要がある。
従来、プラセンタを低分子化および可溶化したプラセンタ抽出物を得る方法として酵素処理による方法が知られている。例えば、特許文献1には、人胎盤組織から水溶性プロテインなどの高分子蛋白質を抽出する際に除去される残渣物を蛋白質分解酵素で加水分解させた上清に酵母抽出物を加えることを含むメラニン生成抑制剤の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、ブタおよび/またはウマの胎盤を酵素処理により加水分解して得られる水溶性成分、およびフェノール誘導体を含有する化粧料組成物が開示されている。
しかしながら、従来の酵素処理による抽出方法では、酵素の添加は当然のことであるがその他の補助剤も添加することが必要となる。具体的には、酵素に加え、pH調整剤や酵素安定化剤などの酵素反応の補助剤がプラセンタ原料に添加される。これらの添加剤の含有により有効成分の濃度が希釈されるという問題や、非プラセンタ由来の成分が混入するという問題がある。
さらに、プラセンタ抽出物を化粧品や食品など、特に液体製品に配合するには、低分子化ペプチドなどの有効成分濃度が高いものが要求され、同時に色や臭いが少ないことも要求される。そのため、酵素処理したプラセンタ抽出物にイオン交換樹脂や活性炭などによる脱色工程を施すことが一般的である。しかしながら、酵素処理したプラセンタ抽出物に脱色工程を行うと、その色や臭いと併せて、有効成分も著しく減少してしまうという問題がある。
有効成分の濃度を高くするための手段として、酵素処理による抽出工程および脱色工程を経て得られた抽出物を濃縮する方法が考えられるが、有効成分濃度と併せて色や臭いも濃くなるため、見た目および風味が重要な要素となる化粧品や食品への使用には適さない。また、有効成分の減少を阻止するための手段として、脱色工程を簡易な方法とすることが考えられるが、この場合は、脱色が不完全となり、黄色〜茶色に着色されたプラセンタ抽出物となるため、見た目および風味が重要な要素となる化粧品や食品への使用には適さない。
本発明は、有効成分の濃度が高く、着色が少なく、かつ機能性に優れたプラセンタ抽出物を提供することを目的とする。
本発明は、波長390nmにおける吸光度が0.15以下であり、窒素含有量が0.10質量%以上であり、全固形分中における分子量が1000以下の低分子化ペプチドの含有量が40〜99.5質量%であるプラセンタ抽出物に関する。
前記吸光度が0.01〜0.15であることが好ましい。
前記窒素含有量が0.10〜1.0質量%であることが好ましい。
前記プラセンタ抽出物の全固形分中における全ペプチドの含有量が50〜99.5質量%であることが好ましい。
前記プラセンタ抽出物の全固形分中における分子量が1000以下の低分子化ペプチドの含有量が50〜99.5質量%であることが好ましい。
前記プラセンタ抽出物の全固形分中における遊離アミノ酸の含有量が0.01〜30質量%であることが好ましい。
前記プラセンタ抽出物がプラセンタ原料の亜臨界処理を経て抽出されるプラセンタ抽出物であることが好ましい。
前記プラセンタ抽出物が活性炭処理を経て抽出されるプラセンタ抽出物であることが好ましい。
亜臨界処理の温度が160〜200℃であり、圧力が飽和蒸気圧以上であることが好ましい。
亜臨界処理の時間が5〜30分であることが好ましい。
また、本発明は波長390nmにおける吸光度が0.15以下であり、窒素含有量が0.10質量%以上であるプラセンタ抽出物を得るプラセンタ抽出物の製造方法であって、プラセンタを亜臨界処理して亜臨界処理物を得る抽出工程、前記亜臨界処理物を抽出液と原料残渣に分離する固液分離工程を含むことを特徴とするプラセンタ抽出物の製造方法に関する。
前記亜臨界処理による抽出工程の後、脱色工程を含むプラセンタ抽出物の製造方法であることが好ましい。
前記亜臨界処理における亜臨界処理の温度が160〜200℃であり、圧力が飽和蒸気圧以上であるプラセンタ抽出物の製造方法であることが好ましい。
前記亜臨界処理における亜臨界処理の時間が5〜30分であるプラセンタ抽出物の製造方法であることが好ましい。
前記脱色工程における処理温度が0〜80℃であるプラセンタ抽出物の製造方法であることが好ましい。
前記脱色工程における処理時間が3〜120分であるプラセンタ抽出物の製造方法であることが好ましい。
前記脱色工程における処理回数が2〜10回であるプラセンタ抽出物の製造方法であることが好ましい。
波長390nmにおける吸光度が0.15以下であり、窒素含有量が0.10質量%以上である本発明のプラセンタ抽出物によれば、有効成分の濃度が高く、着色が少なく、かつ機能性に優れたプラセンタ抽出物であって、見た目および風味が重要な要素となる化粧品や食品への使用に適したプラセンタ抽出物を提供することができる。また、本発明のプラセンタ抽出物の製造方法では、波長390nmにおける吸光度が0.15以下であり、窒素含有量が0.10質量%以上であり、有効成分の濃度が高く、着色が少なく、かつ機能性に優れたプラセンタ抽出物であって、見た目および風味が重要な要素となる化粧品や食品への使用に適したプラセンタ抽出物を得る製造方法を提供することができる。
本発明のプラセンタ抽出物は、プラセンタを原料とする抽出物であり、波長390nmにおける吸光度が0.10以下であり、窒素含有量が0.1質量%以上であることを特徴とする。波長390nmにおける吸光度および窒素含有量がこの範囲にある本発明のプラセンタ抽出物は、有効成分の濃度が高く、着色が少なく、かつ機能性に優れたプラセンタ抽出物であって、見た目および風味が重要な要素となる化粧品や食品への使用に適したプラセンタ抽出物である。
本発明のプラセンタ抽出物における波長390nmにおける吸光度は抽出物の黄色〜茶色への着色の指標である。この吸光度は、市販の可視紫外分光光度計(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製のGeneQuant 1300等)により測定することができる。
前記吸光度の測定は、シングルビーム方式で行うものであり、レファレンス溶液(水)を入れたセルを用意し、レファレンス溶液のセルを可視紫外分光光度計にセットし、波長390nmにて測定を行い、測定結果が0.00となることを確認する。その後、試料溶液をレファレンス溶液で用いたセルと同一のセルに入れたセルを用意し、可視紫外分光光度計にセットし、波長390nmにて測定を行い、測定結果が試料溶液の吸光度となる。
本発明のプラセンタ抽出物では、波長390nmにおける吸光度は、0.15以下であり、0.10以下が好ましく、0.08以下がより好ましい。当該吸光度が0.15を超える場合は、プラセンタ抽出物の黄色味が濃くなり特異な臭いがきつくなる傾向がある。また、当該吸光度の数値が0に近いほど着色がなく透明に近いプラセンタ抽出物であることを示すが、亜臨界処理を経たプラセンタ抽出物に、脱色工程を行ったとしても、0.01より小さくならないことが確認されていることから、本発明のプラセンタ抽出物の波長390nmにおける吸光度の下限は、0.01である。これらの範囲が実用的な有効成分の濃度であり、かつ着色の少ないプラセンタ抽出物となり、化粧品などへの適用がしやすい。なお、吸光度を上記の数値範囲内にするには、プラセンタを亜臨界処理した後、脱色処理を行うことで調整することができる。
本発明のプラセンタ抽出物の窒素含有量は抽出物中に含まれる遊離アミノ酸およびペプチドの窒素量であり、プラセンタ抽出物中の有効成分含有量の指標である。この窒素含有量は、ケルダール法(被検液に硫酸を加え、液中の有機体窒素を硫酸アンモニウムに変換し、液体をアルカリ性にして加熱し、発生するアンモニアを滴定によって定量する方法)によって測定することができる。具体的にはJIS K0102 44に記載の方法に準拠して行うことができる。
ケルダール法による窒素含有量の測定は、以下の手順で行う。
1.試料溶液の適量(3〜10ml)をビーカー500mlにとり、硫酸(1+35)を加えて弱酸性とし、加熱して30mlになるまで濃縮させて被検液を用意する。
2.被検液を放冷後、少量の水を加えてケルダールフラスコ200mlに洗い移す。
3.硫酸10ml、硫酸カリウム5g及び硫酸銅(II)五水和物2gを加え、加熱し、硫酸の白煙を発生させ、引き続き、約30分間加熱し有機物を分解させる。
4.放冷後、少量の水を加えて、加熱して溶かし、水で蒸留フラスコに洗い移して約300mlとする。
5.蒸留フラスコを連結し、受器にはメスシリンダー(有栓形)200mlを用い、硫酸(25mmol/l)50mlを入れる。蒸留フラスコ上部から注入ロートから水酸化ナトリウム溶液(500g/l)40ml加えた後、蒸留フラスコを加熱し、留出速度5〜7ml/minで蒸留を行い、約140mlを留出した時点で蒸留を止め、冷却器及び逆流止めを外し、冷却器の内容物及び逆流止めの内外を少量の水で洗い、洗液は受器のメスシリンダー200mlに入れ、水を200mlの標線まで加えて、中和測定用サンプルを用意する。
6.空試験として水30mlをとり、3〜5の操作を行い、中和測定用空試験サンプルを用意する。
7.中和測定用サンプルで得た液を全量使い、50mmol/l水酸化ナトリウム溶液で溶液の色が灰紫(pH4.8)になるまで滴定する。同じく中和測定用空試験サンプルを同様に水酸化ナトリウム溶液で滴定を行う。
8.硫酸(25mmol/l)を正しく三角フラスコ500mlにとり、メチルレッド−ブロモクレゾールグリーン混合溶液5〜7滴を加え、50mmol/l水酸化ナトリウム溶液で溶液の色が灰紫(pH4.8)になるまで滴定し、硫酸(25mmol/l)に相当する50mmol/l水酸化ナトリウム溶液の滴定量(ml)を求める。
1.試料溶液の適量(3〜10ml)をビーカー500mlにとり、硫酸(1+35)を加えて弱酸性とし、加熱して30mlになるまで濃縮させて被検液を用意する。
2.被検液を放冷後、少量の水を加えてケルダールフラスコ200mlに洗い移す。
3.硫酸10ml、硫酸カリウム5g及び硫酸銅(II)五水和物2gを加え、加熱し、硫酸の白煙を発生させ、引き続き、約30分間加熱し有機物を分解させる。
4.放冷後、少量の水を加えて、加熱して溶かし、水で蒸留フラスコに洗い移して約300mlとする。
5.蒸留フラスコを連結し、受器にはメスシリンダー(有栓形)200mlを用い、硫酸(25mmol/l)50mlを入れる。蒸留フラスコ上部から注入ロートから水酸化ナトリウム溶液(500g/l)40ml加えた後、蒸留フラスコを加熱し、留出速度5〜7ml/minで蒸留を行い、約140mlを留出した時点で蒸留を止め、冷却器及び逆流止めを外し、冷却器の内容物及び逆流止めの内外を少量の水で洗い、洗液は受器のメスシリンダー200mlに入れ、水を200mlの標線まで加えて、中和測定用サンプルを用意する。
6.空試験として水30mlをとり、3〜5の操作を行い、中和測定用空試験サンプルを用意する。
7.中和測定用サンプルで得た液を全量使い、50mmol/l水酸化ナトリウム溶液で溶液の色が灰紫(pH4.8)になるまで滴定する。同じく中和測定用空試験サンプルを同様に水酸化ナトリウム溶液で滴定を行う。
8.硫酸(25mmol/l)を正しく三角フラスコ500mlにとり、メチルレッド−ブロモクレゾールグリーン混合溶液5〜7滴を加え、50mmol/l水酸化ナトリウム溶液で溶液の色が灰紫(pH4.8)になるまで滴定し、硫酸(25mmol/l)に相当する50mmol/l水酸化ナトリウム溶液の滴定量(ml)を求める。
以下の式によりアンモニウムイオン濃度を求める。
式X A=(b−a)×f×1000/F×0.902
A:アンモニウムイオン(NH4+mg/l)
b:硫酸(25mmol/l)50mlに相当する50mmol/l水酸化ナトリウム溶液(ml)
a:滴定に要した50mmol/l水酸化ナトリウム溶液(ml)
f:50mmol/l水酸化ナトリウム溶液のファクター
F:試料(ml)
なお、0.902は、50mmol/l水酸化ナトリウム溶液1mlのアンモニウムイオン相当量である。
式X A=(b−a)×f×1000/F×0.902
A:アンモニウムイオン(NH4+mg/l)
b:硫酸(25mmol/l)50mlに相当する50mmol/l水酸化ナトリウム溶液(ml)
a:滴定に要した50mmol/l水酸化ナトリウム溶液(ml)
f:50mmol/l水酸化ナトリウム溶液のファクター
F:試料(ml)
なお、0.902は、50mmol/l水酸化ナトリウム溶液1mlのアンモニウムイオン相当量である。
以下の式Yにより窒素含有量の濃度を算出する。
式Y N=(b1−a1)×f×(1000×0.700)/V×0.7766
N:窒素含有量(mg/l)
b1:空試験の滴定に要した50mmol/l水酸化ナトリウム溶液(ml)
a1:滴定に要した50mmol/l水酸化ナトリウム溶液(ml)
f:50mmol/l水酸化ナトリウム溶液のファクター
V:試料溶液の量(ml)
A:式Xで求めたアンモニウムイオン濃度(NH4+mg/l)
なお、0.700は、50mmol/l水酸化ナトリウム溶液1mlの窒素相当量(mg)、0.7766は、アンモニウムイオンを窒素相当量に換算するときの係数である。また、本発明のプラセンタ抽出物における窒素含有量は質量%で示す。
式Y N=(b1−a1)×f×(1000×0.700)/V×0.7766
N:窒素含有量(mg/l)
b1:空試験の滴定に要した50mmol/l水酸化ナトリウム溶液(ml)
a1:滴定に要した50mmol/l水酸化ナトリウム溶液(ml)
f:50mmol/l水酸化ナトリウム溶液のファクター
V:試料溶液の量(ml)
A:式Xで求めたアンモニウムイオン濃度(NH4+mg/l)
なお、0.700は、50mmol/l水酸化ナトリウム溶液1mlの窒素相当量(mg)、0.7766は、アンモニウムイオンを窒素相当量に換算するときの係数である。また、本発明のプラセンタ抽出物における窒素含有量は質量%で示す。
本発明のプラセンタ抽出物の窒素含有量は、0.10質量%以上であり、0.15質量%以上が好ましく、0.20質量%以上がより好ましい。窒素含有量が0.10質量%未満の場合は、有効成分の濃度が十分ではなく、プラセンタ抽出物の優れた機能が不十分となる傾向がある。また、窒素含有量の上限は特に限定されないが、1.0質量%以下とすることができる。これらは実用的な有効成分の濃度であり、かつ着色の少ないプラセンタ抽出物となり、化粧品などへの適用がしやすい。なお、窒素含有量を上記の数値範囲内にするには、プラセンタを亜臨界処理した後、脱色処理を行うことで調整することができる。
本発明のプラセンタ抽出物における抽出成分は、遊離アミノ酸、分子量1000以下の低分子ペプチド、分子量1000超で分子量3000以下のペプチド、分子量3000超のペプチド、その他成分の5つに大別される。
なお、本明細書中の遊離アミノ酸、ペプチドおよびその他の成分の含有量は、プラセンタ抽出物の全固形分に対する各成分の質量%で示す。プラセンタ抽出物が水分などの液体成分を含む場合、プラセンタ抽出物を乾燥もしくは凍結乾燥させて液体成分を除去した状態のものを、プラセンタ抽出物の全固形分とする。
遊離アミノ酸とは、アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸(グルタミン含む)、セリン、スレオニン、アスパラギン酸(アスパラギン含む)、シスチン、トリプトファンの18種類からなるアミノ酸が単独で存在するアミノ酸を指す。
遊離アミノ酸は機能性ペプチドの体内への吸収を阻害し、機能性ペプチドの吸収性や機能性を低下させる恐れがある、また、遊離アミノ酸の含有率が高い場合は相対的にペプチドの含有率が低くなり、プラセンタ抽出物の機能性が低下する恐れがある。よって、プラセンタ抽出物の全固形分中の遊離アミノ酸の含有量は、少なければ少ないほど好ましいが、亜臨界処理を経たプラセンタ抽出物を、脱色工程を行ったとしても、0.01より小さくならないことが確認されていることから、遊離アミノ酸の含有量の下限値は0.01質量%である。プラセンタ抽出物の機能性を十分に発揮できるという理由から、プラセンタ抽出物の全固形分中の遊離アミノ酸の含有量は、30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がもっとも好ましい。
分子量1000以下の低分子ペプチドとは、前記18種類のアミノ酸のうち少なくとも1種が2分子以上結合したペプチドであって、分子量1000以下のすべてのペプチドを指す。これらの分子量1000以下の低分子ペプチドは、人体への吸収性が非常によく、吸収された成分が抗酸化性やコラーゲン産生促進能、コラゲナーゼ阻害活性、エラスターゼ阻害活性、チロシナーゼ阻害活性、血圧上昇抑制作用に代表されるプラセンタ抽出物の優れた機能性を発揮しやすい成分である。
分子量1000超で分子量3000以下のペプチドとは、前記18種類のアミノ酸のうち少なくとも1種が2分子以上結合したペプチドであって、分子量1000超で3000以下のすべてのペプチドを指す。これらの分子量1000超で3000以下の低分子ペプチドは、人体への吸収性は比較的よいものの、分子量1000以下のペプチドに比べ機能性を発揮しにくい成分である。
分子量3000超のペプチドとは、前記18種類のアミノ酸のうち少なくとも1種が2分子以上結合したペプチドの内、分子量3000超のすべてのペプチドを指す。分子量3000超のペプチドは機能性が発揮される場合もあるが、人体への吸収が悪く、食品や化粧品分野への応用は限られている。
その他成分とは、ミネラルに代表される無機成分や脂質、炭水化物などでペプチド、アミノ酸以外のすべての成分を指す。これらのその他の成分は、分離、抽出で全てを取り除くことが困難であり、プラセンタ抽出物の全固形分中に0.5質量%以上含まれる。
分子量1000以下のペプチドは人体への吸収性がよく、吸収された成分が抗酸化性やコラゲナーゼ阻害、エラスターゼ阻害、チロシナーゼ阻害等の優れた機能性を発揮しやすい成分であることから、プラセンタ抽出物の全タンパク(ペプチド、遊離アミノ酸を含む)中の分子量1000以下の成分(遊離アミノ酸、分子量1000以下の低分子ペプチドおよび分子量1000以下のその他成分の合計)の含有量は100%が好ましく、分子量1000超の成分は含有していないことが好ましい。プラセンタの亜臨界処理を行い、加水分解をさせることでプラセンタ抽出物の全タンパク中の分子量1000以下の成分の含有量は50%に近くなる。また、亜臨界処理と脱色工程とを経たプラセンタ抽出物は、プラセンタ抽出物の全タンパク中の分子量1000以下の成分の含有量が、100%に近くなる。
本発明のプラセンタ抽出物における全固形分中の全ペプチド(分子量1000以下の低分子ペプチドおよび分子量1000超のペプチドの合計)の含有量は、人体に吸収された成分が抗酸化性やコラーゲン産生促進能等の機能性を発揮しやすいことから、50質量%以上が好ましい。亜臨界処理を経たプラセンタ抽出物においては、プラセンタ抽出物の全固形分中における全ペプチドの含有量を50質量%以上にすることができる。さらに、プラセンタ抽出物の全固形分中の全ペプチドの含有量は、55質量%以上がより好ましい。ペプチドの含有量が50質量%未満の場合は、プラセンタ抽出物の機能性が低下する恐れがある。また、ペプチドの含有量上限は多ければ多いほど好ましいが、全固形分から前記その他の成分を除いた99.5質量%が上限であると推測される。
ペプチドのなかでも、特に分子量が1000以下の低分子化ペプチドをプラセンタ抽出物の全固形分中に、40〜99.5質量%含有することが、プラセンタ抽出物の機能性をより強く発揮できるという理由から好ましく、50〜99.5質量%含有することがより好ましい。言い換えると、プラセンタ抽出物の全固形分中に、分子量が1000以下の低分子化ペプチドを40〜99.5質量%含有することが好ましく、亜臨界処理を経たプラセンタ抽出物におけるプラセンタ抽出物の全固形分中に、分子量が1000以下の低分子化ペプチドを40〜99.5質量%含有することができるのである。
本発明のプラセンタ抽出物における分子量分布測定は、高速液体クロマトグラフィーの分離モードを利用し、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定し、高速液体クロマトグラフィーに注入されたサンプル溶液は、機器内で分離され、分子量の大きい成分から順に溶出されるということを利用して分子量を測定する方法により行う。そのためには、分子量が特定され、かつ、分子量が異なる標準試薬を複数用意し、それぞれの標準試薬を高速液体クロマトグラフィーにより測定し、ピークの溶離時間(X)と分子量の常用対数値(Y)との関係により検量線を作成することで、溶離時間と分子量の関係を求めることができる。そして、この検量線より溶離時間を分子量に変換することができる。
前記検量線について事例を踏まえて説明をする。検量線を作成するためには7点の標準試薬を用いる。標準試薬の分子量ごとの高速液体クロマトグラフィーでのピークの溶離時間は、標準試薬1:分子量12,500(試薬名:CytochromeC)については、溶離時間7.47分であり、標準試薬2:分子量6,512(試薬名:Aprotinin)については、溶離時間9.98分であり、標準試薬3:分子量1,423(試薬名:Bacitracin)については溶離時間10.15分であり、標準試薬4:分子量1046(試薬名:AngiotensinII)については、溶離時間10.44分であり、標準試薬5:分子量451(試薬名:Gly-Gly-Tyr-Arg)については溶離時間11.36分であり、標準試薬6:分子量189(試薬名:Gly-Gly-Gly)については溶離時間12.13分であり、標準試薬7:分子量75(試薬名:グリシン)については溶離時間12.25分であった。この測定結果および各標準試薬の分子量に基づき、X軸上に溶離時間、Y軸上に分子量の常用対数値をプロットし、その結果より検量線を作成した。作成した検量線を図1に示す。図1の検量線により、高速液体クロマトグラフィーでのピークの溶離時間に対して、該当する分子量を確認することができる。そして、確認された分子量および各ピークのピーク面積に基づき、分子量分布を算出することができる。なお、今回の検量線では、溶離時間10.0分のところで分子量が3000、溶離時間10.7分のところで分子量が1000であることが確認された。よって、プラセンタ抽出物を拘束クロマトグラフィーで測定した結果、検出されたピークの溶離時間が10.0分以内であれば、分子量3000超であり、ピークの溶離時間が10.0分を越えていれば、分子量3000以下となり、さらに溶離時間が10.7分を越えていれば、分子量1000以下となる。
ここで、ブタ胎盤に蒸留水200gを入れて、処理温度:195℃、処理圧力:1.6MPa、処理時間20分間で亜臨界処理を行ったプラセンタ抽出物を高速液体クロマトグラフィーで測定した結果を図2に示す。図2では、検出されたピークが溶離時間10.7分を越えていることから、抽出物の分子量は1000以下であることを確認することができる。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法は、原料のプラセンタを亜臨界処理して亜臨界処理物を得る抽出工程、抽出液と原料残渣とを分離する固液分離工程を含んでいる。さらに、活性炭処理による脱色工程を含んでもよい。当該製造方法によれば、有効成分の濃度が高く、着色が少なく、かつ機能性に優れたプラセンタ抽出物を製造することができる。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法においては、原料となるプラセンタは、哺乳類の胎盤であれば特に限定されず、入手容易性の観点からは、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、イノシシ等のプラセンタが好ましい。原料となるプラセンタは、血液やその他の部位が混在していることがあるため、抽出工程の前に洗浄などの精製工程を行うことが好ましい。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法における抽出工程は、プラセンタ原料を亜臨界処理することで、亜臨界処理物を得る工程である。亜臨界処理とは、所定温度および圧力の条件下で亜臨界状態にした抽出剤としての亜臨界流体と抽出対象の原料(本発明ではプラセンタ)とを接触させることにより、抽出原料から所定の成分を抽出するものである。例えば、水は、圧力22.12MPa、温度374.15℃まで上げると液体でも気体でもない状態を示す。この点を水の臨界点といい、臨界点より低い温度および圧力の熱水を亜臨界水という。この亜臨界水は、誘電率低下とイオン積の向上により、優れた成分抽出作用と加水分解作用を有する。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法において、亜臨界処理に用いる抽出剤として水を用いる場合、高温の水処理であれば液体状態でも気体状態でも利用することができる。即ち、亜臨界処理の処理槽へは、水蒸気を供給してもよく、水を供給してもよく、あるいはその両者を供給してもよい。水または水蒸気の温度は望ましくは100℃以上であり、望まれる反応場としては気体よりも液体状態の方が反応は進みやすいので、密閉に近い容器で強制的に液体の状態にしたいわゆる亜臨界の状態の水の使用が好ましい。より具体的には、金属やセラミックスなどの耐圧容器にプラセンタと抽出剤である水を入れて、密閉状態に近い状態にし、水の亜臨界状態(温度:100℃以上、圧力:飽和蒸気圧以上)で、両者の接触を一定時間以上行うことで得られる抽出物を亜臨界処理物とすることができる。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法における亜臨界処理に用いる抽出剤は、水以外に、例えばエチレン、エタン、プロパン、二酸化炭素、メタノール、エタノールおよびそれらの混合物が挙げられる。これらの中で、安全性の観点から水を用いるのが最も好ましい。抽出剤が水の場合の処理条件について次に説明する。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法におけるプラセンタの亜臨界処理温度は、160〜200℃の間が好ましい。この温度範囲にすることにより、機能性成分である分子量1000以下である低分子ペプチドを生成しやすい。分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーによる分子量分布測定にて測定可能である。亜臨界処理の温度が160℃未満の場合は、分子量1000以下の低分子ペプチドを生成させることが難しくなる傾向がある。また、亜臨界処理の温度が200℃を超える場合は、生成された低分子ペプチドがさらに亜臨界反応を起こしてしまい、遊離アミノ酸の生成量が増え、分子量1000以下である低分子ペプチドの生成量を減少させる傾向が見られる。
さらに、本発明のプラセンタ抽出物の製造方法における亜臨界処理の温度は、180〜195℃にすることがより好ましい。この範囲にすることで、分子量1000以下である低分子ペプチドをより短時間で生成しやすくなる。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法におけるプラセンタの亜臨界処理圧力は、亜臨界の処理温度の飽和蒸気圧以上(その一例としては、160℃のときには0.61MPa以上、200℃以上のときには1.55MPa以上)で行うことが好ましい。この圧力にすることにより、分子量1000以下の低分子ペプチドを生成しやすくなる傾向がある。亜臨界処理の圧力の上限は特に定められないが、高圧装置の仕様上、20〜30MPaあたりに抑えることが好ましい。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法におけるプラセンタの亜臨界処理時間は、5〜30分の間で行うことが好ましい。この処理時間の範囲にすることにより、低分子ペプチドを生成しやすくなる傾向がある。亜臨界処理時間が5分未満の場合は、低分子ペプチドを生成させることが困難となる傾向がある。亜臨界の処理時間が30分を超える場合は、生成された低分子ペプチドがさらに過分解してしまい、遊離アミノ酸の生成量が増え、低分子ペプチドの生成量を減少させる傾向がある。
さらに、本発明のプラセンタ抽出物の製造方法におけるプラセンタの亜臨界処理時間を10〜30分にすることがより好ましい。この範囲であれば、低分子ペプチドをより効率的に生成しやすくなる傾向がある。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法における亜臨界処理の抽出剤を水とした場合におけるプラセンタの亜臨界処理による加水分解条件としては、処理温度は160〜200℃、処理圧力は処理温度の飽和蒸気圧以上、処理時間は5〜30分で行うことが好ましい。この条件で行うことで、低分子ペプチドを高効率で生成させることができる。さらに、処理温度は180〜195℃、処理圧力は処理温度の飽和蒸気圧以上、処理時間は10〜30分で行うことが、分子量1000以下の低分子ペプチドを最大限の効率で得ることができるという理由から好ましい。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法における固液分離工程は、亜臨界処理物を抽出液と原料残渣(固体物)とに分離する工程である。具体的な固液分離工程としては、ろ紙を用いたろ過、遠心分離、デカンテーション、スクリュープレス、ローラープレス、ロータリードラムスクリーン、ベルトスクリーン、振動スクリーン、多重板振動フィルター、真空脱水、加圧脱水、ベルトプレス、遠心濃縮脱水、多重円板脱水などが挙げられる。なかでも、操作が簡便であり、分離効率に優れるという理由から、ろ過が好ましい。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法における固液分離工程により得られた抽出液は、そのまま次の脱色工程に移行し、脱色を行うこともできるが、本抽出液を乾燥させる乾燥工程を経て保存性のよい固形状にしてもよい。この乾燥工程としては、一般的な乾燥方法を用いることができ、自然放置はもちろんのこと、加熱系である箱型乾燥や噴霧乾燥などの伝熱乾燥、マイクロ波乾燥などの内部発熱乾燥、非加熱系である凍結乾燥、真空乾燥、吸引乾燥、加圧乾燥、超音波乾燥等が可能である。一般的で簡便なオーブン、恒温槽を用いて乾燥することももちろん許容される。得られた固形物は水に可溶であるので脱色をしたいときには再度水に溶かし、脱色工程に移行することができる。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法における脱色工程は、前記固液分離工程で得られた抽出液(前記乾燥工程により得られた固形物を水に溶かした抽出液を含む、以下同様)の褐変を取り除き、色を薄くする工程である。
一般的に胎盤の主要組織である蛋白質を酵素処理や高温処理で低分子化すると、蛋白質のアミノ基と、同じく原料中に含まれる糖分とが反応(いわゆる、メイラード反応)して、メラノイジンという物質を生成し、蛋白質が褐変して黒味を生じる。プラセンタに限らず、この反応は蛋白を含む成分については一般的であり、例えば、魚や肉の焦げ、コーヒーや味噌の着色などがある。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法においては抽出液の褐変を取り除く脱色工程としては、活性炭、イオン交換樹脂等の吸着剤を用いる方法などが挙げられる。なかでも、簡便に効率よく脱色できるという理由から、生成したメラノイジンを活性炭の細穴に吸着させて脱色する活性炭処理が好ましい。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法における活性炭処理による脱色工程は、固液分離工程で得られた抽出液に所定量の活性炭を添加し、所定時間撹拌したものを、脱色後の抽出液と活性炭とに固液分離する工程である。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法における活性炭処理の処理温度は、0〜80℃が好ましく、10〜70℃がより好ましい。処理温度が0℃未満の場合は抽出液が凍結してしまう恐れがあり、凍結しない場合でも吸着量が低下してしまう傾向がある。また、処理温度が80℃を超える場合は、液体の蒸発により固形分濃度が変化し、効率のよい脱色の再現が得られなくなる傾向がある。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法における活性炭処理の処理時間は、3分以上が好ましく、5分以上がより好ましい。処理時間が3分未満の場合は、吸着が思うように進行せず、脱色が不十分となる傾向がある。また、脱色工程の処理時間は120分以内が好ましく、60分以内がより好ましい。脱色工程の処理時間が120分を超える場合は、吸着反応が平衡に達してしまい、脱色の効果に変化がなく効率が悪くなる傾向がある。脱色工程の処理時間が3分未満の場合は、抽出液の褐変が取り除けない。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法においては、活性炭処理による脱色工程における固液分離方法は特に限定されず、固液分離工程として挙げた各種方法が採用できるが、操作が簡便であり、分離効率に優れるという理由から、ろ過やデカンテーションが好ましい。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法においては、活性炭処理に用いる活性炭としては特に限定されず、市販されている活性炭を、生成するメラノイジンの性質や入手のしやすさなどにより適宜選択して用いることができる。メラノイジン吸着用の活性炭としては、市販のメラノイジンやカラメル吸着用活性炭を用いることができ、製造法としては一般的な薬品(亜鉛)や水蒸気賦活処理などをして細孔径を制御しているものを用いることができる。例えば、日本エンバイロケミカルズ株式会社製の白鷹シリーズおよびカルボラフィンシリーズなどが挙げられる。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法における使用する活性炭の添加量は、生成したメラノイジンの量に応じ(すなわち、色の濃さに応じ)適宜調節することができるが、脱色しようとする液体100質量部に対し、0.1〜30質量部が好ましい。0.1質量部未満の場合は、脱色性能が不十分となり、色度を下げる効果が不十分となる傾向がある。また、30質量部を超える場合は、脱色性能は向上するが、脱色と同時に液体成分の浸み込みによる収量ロスが起こってしまい、最終的に十分な量が確保できなくなる傾向がある。なお、より効率よく脱色操作を行うことができるという理由からは、活性炭の添加量を1〜10質量部とすることがより好ましい。
また、本発明のプラセンタ抽出物の製造方法において、活性炭の量を調整する代わりに活性炭使用量を少なめにして複数回、繰り返し活性炭処理を行うこともできる。さらに、活性炭処理を複数回行うことにより、脱色挙動・過程がより詳細に判明し、必要最小限の量の活性炭を使用することができるからである。繰り返し回数はメラノイジンの量に応じ(すなわち、色の濃さに応じ)適宜選択することができるが工程の煩雑さを考えると2〜10回程度が好ましく、2〜5回程度がより好ましい。複数回行うことで抽出液の褐色をより取り除くことができる。複数回使用する活性炭の量は最初は多く、回数を重ねるごとに少なく添加することが望ましい。少なく添加することにより望ましい吸光度に正確に近づけることができる。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法においては、抽出剤を水とし、亜臨界処理温度は190〜195℃、亜臨界処理圧力は亜臨界処理温度の飽和蒸気圧以上、亜臨界処理時間は20〜30分の条件でプラセンタを亜臨界処理して、プラセンタの亜臨界処理物を得た後、2〜5回の活性炭処理により脱色することが望ましい。前記条件下の製造方法で得られたプラセンタ抽出物は、波長390nmにおける吸光度を0.15以下の範囲にすることができ、プラセンタ抽出物の窒素含有量を0.15〜0.30質量%の範囲にすることができる。
従来の抽出方法である酵素処理による方法では、酵素の添加は当然のことであるがその他の補助剤を用いることが必要となる。具体的には、酵素に加え、pH調整剤や酵素安定化剤などの酵素反応の補助剤がプラセンタ原料に添加され、これらの添加剤の含有により有効成分の濃度が希釈されてしまい、抽出物あたりの有効成分濃度が低くなってしまう。
一方、亜臨界処理により得られるプラセンタ抽出物では、プラセンタ抽出の手段として亜臨界水抽出を用いており、基本的には水のみの使用で蛋白質およびペプチドの低分子化を達成しており、水以外の添加物は一切使用しないことが可能である。従ってこの抽出法を用いて得られたプラセンタ抽出液は基本的に低分子化されたペプチド濃度が高くなり、従来技術に比べて有効成分濃度の高い抽出液を得ることができる。従って、従来技術と亜臨界処理により得られるプラセンタ抽出物を、同じ活性炭処理にて脱色操作を行えば、必然的に活性炭処理によって取り除かれるメラノイジン以外の主要成分、すなわちペプチドの吸着量は変わらないので結果的に得られる脱色後の溶液中のペプチド量は本発明のほうが多くなる。すなわち脱色しても有効成分の濃度を高いまま保つことができる。
また、プラセンタを構成する蛋白質は種々のアミノ酸、いわゆる生体を構成する約20種のアミノ酸が主に結合して構成されており、当然のごとく様々な種類のペプチド結合が存在するのに対し、従来技術の酵素処理では酵素の基質特異性により、特定のペプチド結合の切断による低分子化のみが行われる。すなわち、酵素処理による方法では特定のペプチド結合しか切断することができないので、低分子化の度合いに限りがあり、ある一定以下の分子量に達することができない。
本発明のプラセンタ抽出物の製造方法においては、亜臨界水処理による抽出では高温高圧下における水の加水分解力にてペプチド結合を切断するため、ペプチド結合の種類に関係なく、ランダムにペプチド結合を切断することで蛋白質を低分子化することができる。従って温度と時間の条件によって従来からの酵素処理よりも低分子ペプチドの多い分子量分布にすることが可能である。
さらには、酵素処理による方法で得られた低分子ペプチドのサイズが、メラノイジン吸着用活性炭の細孔径に吸着するサイズに合致し、メラノイジンの吸着と共に低分子ペプチドも吸着されてしまい、脱色と共に有効成分であるペプチド量が減少してしまっていることが推測される。一方、亜臨界水処理による抽出により生成した低分子ペプチドのサイズは前述のように従来法よりもさらに低分子のペプチドとして存在するため、同様の活性炭処理を行えばメラノイジンの吸着は起こるものの、低分子ペプチドの吸着は起こりにくくなり、結果的に有効成分である低分子ペプチドが多いにもかかわらず、脱色された抽出物を得ることが可能となる。
なお、このようにして得られた本発明のプラセンタ抽出物は、その使用目的に応じ適時希釈や濃縮を行ってもよい。希釈は単なる加水、エタノールなどの有機溶剤の添加、その他有効成分を含む液体や食品添加物、香料、腐敗防止のためのフェノキシエタノールやブタンジオール、グリセリン、固形の防腐剤もしくはそれらを溶解させた有機溶剤や天然の防腐剤などを添加して行うことができる。希釈物は透明度は高まるものの窒素量は減少するが、従来の抽出物に比較してより窒素量を高く保ったまま希釈することができる。濃縮は熱濃縮、減圧濃縮など一般的な濃縮方法で行うことができ、前述の乾燥方法により乾燥させた後、適量の水などの溶媒を加え溶解させることもできる。濃縮物は窒素量は高まるものの透明度は減少するが、従来の抽出物に比べてより透明度を高く保ったまま濃縮を行うことができる。
吸光度と固形分濃度、あるいは窒素濃度との関係は一般にランベルト・ベールの法則によって比例関係にあることが知られている。本発明のプラセンタ抽出物は希釈・濃縮によって、吸光度/固形分濃度あるいは吸光度/窒素濃度の値は一定値となる。一例を示すと上記のように得られた本発明のプラセンタ抽出物が吸光度0.12、窒素濃度0.24であれば、この液は希釈、濃縮を行っても吸光度/固形分濃度は1/2になり、本発明と同等の抽出物といえる。もちろん同じ吸光度であれば窒素濃度は高い方が望ましく、同じ窒素量であれば吸光度は低いことが望ましい。したがって上記例により吸光度/固形分濃度が1/2以下の抽出物は本発明の範囲に含まれる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
<抽出工程>
容積2lの耐圧容器に、ブタ胎盤(東京芝浦臓器株式会社)200g、蒸留水200gを入れて、処理温度:195℃、処理圧力:1.6MPa、処理時間20分間で亜臨界処理を行った。ブタ胎盤は水による洗浄を行い、血液および他の部位を取り除いたものを使用した。
<固液分離工程>
亜臨界処理を終了後、耐圧容器内の処理物を回収し、セルロース製ろ紙(孔径:1μm、Advantec製の5C)で吸引ろ過し、ろ液を回収した。回収したろ液は茶褐色であった。
<脱色工程(活性炭処理)1回目>
得られたろ液50gをビーカーに量り取り、30℃の恒温水槽中でスターラーを用いて攪拌した。別途、ろ液100質量部に対し5質量部の活性炭(市販のメラノイジン吸着用活性炭を使用)を、ろ液を撹拌中のビーカーに添加した。さらに30分間攪拌後、恒温槽からビーカーを取り出し、固液分離工程と同様のろ紙で吸引ろ過を行い、ろ液を回収した。回収したろ液は少し濃い黄色であった。
<脱色工程(活性炭処理)2回目>
脱色工程1回目で得られたろ液100質量部に対し2質量部の活性炭を用いて1回目と同様の脱色工程を行い、再度ろ液を回収した。得られた抽出液の色は見た目には無色であった。
<抽出工程>
容積2lの耐圧容器に、ブタ胎盤(東京芝浦臓器株式会社)200g、蒸留水200gを入れて、処理温度:195℃、処理圧力:1.6MPa、処理時間20分間で亜臨界処理を行った。ブタ胎盤は水による洗浄を行い、血液および他の部位を取り除いたものを使用した。
<固液分離工程>
亜臨界処理を終了後、耐圧容器内の処理物を回収し、セルロース製ろ紙(孔径:1μm、Advantec製の5C)で吸引ろ過し、ろ液を回収した。回収したろ液は茶褐色であった。
<脱色工程(活性炭処理)1回目>
得られたろ液50gをビーカーに量り取り、30℃の恒温水槽中でスターラーを用いて攪拌した。別途、ろ液100質量部に対し5質量部の活性炭(市販のメラノイジン吸着用活性炭を使用)を、ろ液を撹拌中のビーカーに添加した。さらに30分間攪拌後、恒温槽からビーカーを取り出し、固液分離工程と同様のろ紙で吸引ろ過を行い、ろ液を回収した。回収したろ液は少し濃い黄色であった。
<脱色工程(活性炭処理)2回目>
脱色工程1回目で得られたろ液100質量部に対し2質量部の活性炭を用いて1回目と同様の脱色工程を行い、再度ろ液を回収した。得られた抽出液の色は見た目には無色であった。
比較例1
実施例1の固液分離工程を経て得られた茶褐色の液体を比較例2の試料とした。
実施例1の固液分離工程を経て得られた茶褐色の液体を比較例2の試料とした。
比較例2
実施例1の脱色工程(活性炭処理)1回目を経て得られた黄色い液体を比較例2の試料とした。
実施例1の脱色工程(活性炭処理)1回目を経て得られた黄色い液体を比較例2の試料とした。
比較例3
酵素処理で作製された市販のプラセンタエキス粉末(純度100%)を1.5g量り取り、水を加えて合計100gとなるよう調整し、比較例3の試料とした。
酵素処理で作製された市販のプラセンタエキス粉末(純度100%)を1.5g量り取り、水を加えて合計100gとなるよう調整し、比較例3の試料とした。
固形分測定
実施例1および比較例1〜3の各試料を適量量り取り、105℃の乾燥機で一晩乾燥して水分を取り除き、乾燥前後の重量差から各抽出液中の固形分(蒸発残分)を求めた。結果を表1に示す。
実施例1および比較例1〜3の各試料を適量量り取り、105℃の乾燥機で一晩乾燥して水分を取り除き、乾燥前後の重量差から各抽出液中の固形分(蒸発残分)を求めた。結果を表1に示す。
吸光度測定
実施例1および比較例1〜3の各試料の390nmにおける吸光度を可視紫外分光光度計(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製のGeneQuant1300)を用いて測定した。結果を表1に示す。
実施例1および比較例1〜3の各試料の390nmにおける吸光度を可視紫外分光光度計(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製のGeneQuant1300)を用いて測定した。結果を表1に示す。
窒素含有量測定
実施例1および比較例1〜3の各試料の窒素含有量をケルダール法(被検液に硫酸を加え、液中の有機体窒素を硫酸アンモニウムに変換し、液体をアルカリ性にして加熱し、発生するアンモニアを滴定によって定量する方法)によって求めた。具体的にはJISK010244に記載の方法に準拠して行った。結果を表1に示す。
実施例1および比較例1〜3の各試料の窒素含有量をケルダール法(被検液に硫酸を加え、液中の有機体窒素を硫酸アンモニウムに変換し、液体をアルカリ性にして加熱し、発生するアンモニアを滴定によって定量する方法)によって求めた。具体的にはJISK010244に記載の方法に準拠して行った。結果を表1に示す。
分子量分布測定
実施例1および比較例1〜3の各試料を、0.45μmメンブランフィルターによりろ過し、高速液体クロマトグラフィー(アジレントテクノロジー社製HP1100シリーズ)による測定を行った。
実施例1および比較例1〜3の各試料を、0.45μmメンブランフィルターによりろ過し、高速液体クロマトグラフィー(アジレントテクノロジー社製HP1100シリーズ)による測定を行った。
分析条件については、カラム(東ソー社製品番:TSKguardcolumnSWXL(6.0mmI.D.×40mm)およびTSKgelG2000SWXL(7.8mmI.D.×300mm)を用い、溶離液を0.1w/v%TFAinMeCN/H2O=45/55、カラム温度35℃、流速1.0ml/min、検出UV220nm、導入量20μl、分析時間30minにて分子量分布測定用の標準試薬としてCytochromeC(和光純薬工業)分子量12,500、Aprotinin(CALBOCHEM)分子量6512、Bacitracin(Dr.Ehrenstorfer)分子量1,423、AngiotensinII(ペプチド研究所)分子量1,026、Gly−Gly−Tyr−Arg(ペプチド研究所)分子量451、Gly−Gly−Gly(ペプチド研究所)分子量189により同様な測定で検量線を作成し、溶離時間に対する分子量位置を決め、分子量分布から分子量分画範囲におけるピーク面積を求め、分子量比率を求めた。結果を表1に示す。
なお、今回得られた分子量は、すべての試料においてその上限が用いたカラムの限外排除分子量(約10万)以下であり、溶出が開始する時間から算出される最大の分子量は約2万であった。よって上記実施例および比較例において原料中に含まれていたタンパク質は、すべて分子量約10万以下、さらには約1万以下のペプチドの形態に変換されて試料中に含まれていることが分かった。さらに実施例1の分子量分布はほぼ100%が分子量1000以下のもので構成されており、これは亜臨界処理後の活性炭量を調整することにより達成されている。
構成アミノ酸量および遊離アミノ酸量の測定
実施例1および比較例1〜3の各試料の構成アミノ酸と遊離アミノ酸の分析を行った(なお、分析は一般財団法人食品分析開発センターSUNATECに依頼した)。
実施例1および比較例1〜3の各試料の構成アミノ酸と遊離アミノ酸の分析を行った(なお、分析は一般財団法人食品分析開発センターSUNATECに依頼した)。
構成アミノ酸の分析は、各抽出液を過ギ酸酸化処理後、塩酸加水分解処理した試料を分析することで行った。アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸(グルタミン含む)、セリン、スレオニン、アスパラギン酸(アスパラギン含む)、シスチン、トリプトファンの計18種類を測定した。なお、トリプトファン以外の分析はアミノ酸自動分析機にて測定し、トリプトファンは高速クロマトグラフ法にて測定した。また、遊離アミノ酸の分析は、各抽出液をそのまま(過ギ酸酸化処理および塩酸加水分解処理を行わずに)各アミノ酸について同様の分析を行った。
上記の分析により得られた18種類の構成アミノ酸量および遊離アミノ酸量を各々合計し、その結果より、各抽出物中の構成アミノ酸量および遊離アミノ酸量を算出した。さらに各抽出液中のペプチド量(構成アミノ酸量−遊離アミノ酸量)を算出した。各結果を表1に示す。
官能評価
実施例1および比較例1〜3の各試料のにおいをそれぞれ嗅ぎ、プラセンタエキス独特の生臭さ、および亜臨界処理などの高温処理で発生すると考えられる焦げ臭さの評価を行った。5人のモニタにそれぞれの抽出物を嗅いでもらい、生臭さおよび焦げ臭さの感じる度合いを3段階で評価させた。スコアは3:強く感じる、2:普通に感じる、1:あまり感じないとし、5人の平均スコアを計算して評価スコアとした。
実施例1および比較例1〜3の各試料のにおいをそれぞれ嗅ぎ、プラセンタエキス独特の生臭さ、および亜臨界処理などの高温処理で発生すると考えられる焦げ臭さの評価を行った。5人のモニタにそれぞれの抽出物を嗅いでもらい、生臭さおよび焦げ臭さの感じる度合いを3段階で評価させた。スコアは3:強く感じる、2:普通に感じる、1:あまり感じないとし、5人の平均スコアを計算して評価スコアとした。
結果
表1に実施例1および比較例1〜3の分子量分布割合、固形分量、窒素含有量、吸光度(390nm)、構成アミン酸量、遊離アミノ酸量、ペプチド量、全固形分量に対するペプチド量、全固形分量に対する遊離アミノ酸量、および官能評価の結果を示す。
表1に実施例1および比較例1〜3の分子量分布割合、固形分量、窒素含有量、吸光度(390nm)、構成アミン酸量、遊離アミノ酸量、ペプチド量、全固形分量に対するペプチド量、全固形分量に対する遊離アミノ酸量、および官能評価の結果を示す。
表2には、それぞれ同様に比較例1〜3の固形分が実施例1と同じ値(1.5質量%)となるように、水で希釈した希釈品の窒素量、吸光度および官能評価の結果を示す。比較例1〜3を水で薄めて実施例1と同じ固形分濃度にしても(比較例1は1.5/6.9≒およそ4.5倍希釈、比較例2は1.5/2.9≒およそ2倍希釈、比較例3は実施例1と同じ固形分であるので希釈操作は行っていない)、若干色目は薄くはなったが比較例1の希釈品は茶色いままであり、比較例2の希釈品は黄色いままであった。においの質も若干弱くなったが表1と同様の傾向を示している。なお、吸光度と固形分濃度、あるいは窒素濃度との関係は一般にランベルト・ベールの法則によって比例関係にあることから計算でもこれら希釈水の値を求めることができる。
表3には、それぞれ同様に比較例1〜3の窒素量を実施例1に合わせたときの固形分、および吸光度の値を示す。また、表4には同様に比較例1,2の吸光度を実施例1に合わせたときの固形分、および窒素量の値を示す。表3および4の結果より、比較例1〜3は窒素量を本発明の範囲(0.1〜1.0質量%)に合わせた場合、吸光度(390nm)が著しく高くなり、本発明の範囲の上限である0.15をはるかに超えることがわかる。また、比較例1〜3の吸光度を本発明の範囲(0.15以下)に合わせた場合、窒素量が本発明の範囲の下限である0.1質量%よりはるかに低いことがわかる。以上より、比較例1〜3の各抽出液を希釈によって本発明の数値に合わせることは困難であることがわかる。
機能性評価
実施例1および比較例1〜3の各試料を用いて、機能性評価(ACE阻害活性、エラスターゼ阻害活性、チロシナーゼ阻害活性、コラゲナーゼ阻害活性)を行った。なお、機能性の比較を厳密にするためには各機能性試験において固形分濃度を合わせて行う必要があるため、それぞれの抽出物は凍結乾燥を行い、粉末試料としたものをそれぞれの機能性評価の出発サンプルとした。機能性評価結果を、図3〜6に示す(図3:ACE阻害活性、図4:エラスターゼ阻害活性、図5:チロシナーゼ阻害活性、図6:コラゲナーゼ阻害活性)。
実施例1および比較例1〜3の各試料を用いて、機能性評価(ACE阻害活性、エラスターゼ阻害活性、チロシナーゼ阻害活性、コラゲナーゼ阻害活性)を行った。なお、機能性の比較を厳密にするためには各機能性試験において固形分濃度を合わせて行う必要があるため、それぞれの抽出物は凍結乾燥を行い、粉末試料としたものをそれぞれの機能性評価の出発サンプルとした。機能性評価結果を、図3〜6に示す(図3:ACE阻害活性、図4:エラスターゼ阻害活性、図5:チロシナーゼ阻害活性、図6:コラゲナーゼ阻害活性)。
機能性 血圧上昇抑制 ACE阻害活性評価
ACE阻害活性測定は株式会社同仁化学研究所製ACE−Kit WSTを使用して実施した。
サンプル溶液:各サンプルの濃度が100mg/mlとなるように蒸留水に溶解させ、0.20μmメンブランフィルターによりろ過した溶液
[サンプル(S)]
マイクロプレートの各ウェルに各試験サンプル溶液20μl、キット内付属のサブストレート バッファー20μlを入れて、その後、キット内付属のEnzyme Working溶液20μlを加えて全量を60μl(=0.06ml)とし、温度37℃、40分培養してアンジオテンシン変換酵素を生成させた。培養後、各ウェルにキット内付属のIndicator Working溶液200μlを加え、室温で、10分間静置させた。その後、吸光プレートリーダー マルチスキャンJX(Thermo Scientific)を使用し、450nmの吸光度(S)を測定した。
[コントロール(C)]
20μlのサンプル溶液に替えて20μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(C)を測定した。
[サンプルブランク(SB)]
20μlのEnzyme Working溶液に替えて20μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(SB)を測定した。
[コントロールブランク(CB)]
20μlのサンプル溶液に替えて20μlの蒸留水を使用したこと、および20μlのEnzyme Working溶液に替えて20μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(CB)を測定した。
[ACE阻害率の算出]
各吸光度測定結果を用いて、下記の式により各抽出物のエラスターゼ阻害率(%)を算出した。
式:((C−CB)−(S−SB))/(C−CB)×100
ACE阻害活性測定は株式会社同仁化学研究所製ACE−Kit WSTを使用して実施した。
サンプル溶液:各サンプルの濃度が100mg/mlとなるように蒸留水に溶解させ、0.20μmメンブランフィルターによりろ過した溶液
[サンプル(S)]
マイクロプレートの各ウェルに各試験サンプル溶液20μl、キット内付属のサブストレート バッファー20μlを入れて、その後、キット内付属のEnzyme Working溶液20μlを加えて全量を60μl(=0.06ml)とし、温度37℃、40分培養してアンジオテンシン変換酵素を生成させた。培養後、各ウェルにキット内付属のIndicator Working溶液200μlを加え、室温で、10分間静置させた。その後、吸光プレートリーダー マルチスキャンJX(Thermo Scientific)を使用し、450nmの吸光度(S)を測定した。
[コントロール(C)]
20μlのサンプル溶液に替えて20μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(C)を測定した。
[サンプルブランク(SB)]
20μlのEnzyme Working溶液に替えて20μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(SB)を測定した。
[コントロールブランク(CB)]
20μlのサンプル溶液に替えて20μlの蒸留水を使用したこと、および20μlのEnzyme Working溶液に替えて20μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(CB)を測定した。
[ACE阻害率の算出]
各吸光度測定結果を用いて、下記の式により各抽出物のエラスターゼ阻害率(%)を算出した。
式:((C−CB)−(S−SB))/(C−CB)×100
ACE阻害活性試験結果
図3の結果より、比較例1がわずかではあるが一番活性が高く、実施例1および比較例2および3はほぼ同等の活性を示した。いずれも各固形分濃度が上昇するにつれ阻害率が上昇していることがわかる。また、表1の結果より、実施例1のプラセンタ抽出物は1000以下のペプチドの含有量がほぼ100%であることから、比較例1〜3に比べて人体への吸収が非常によく、ACE阻害活性(血圧上昇抑制)にすべてが寄与する抽出物であることがわかる。
図3の結果より、比較例1がわずかではあるが一番活性が高く、実施例1および比較例2および3はほぼ同等の活性を示した。いずれも各固形分濃度が上昇するにつれ阻害率が上昇していることがわかる。また、表1の結果より、実施例1のプラセンタ抽出物は1000以下のペプチドの含有量がほぼ100%であることから、比較例1〜3に比べて人体への吸収が非常によく、ACE阻害活性(血圧上昇抑制)にすべてが寄与する抽出物であることがわかる。
機能性 美肌効果 エラスターゼ阻害活性評価
次の試薬を調製し使用した。なお、全てのTris−HCl緩衝液はpH=8.8、0.05mol/lの同じものを使用した。
酵素溶液:ブタ由来膵臓エラスターゼを0.5unit/ml含有するTris−HCl緩衝液
基質溶液:STANA(Succinyl−L−Alanyl−L−Alanyl−L−Alanine p−Nitroanilide)を1mmol/l含有するTris−HCl緩衝液
サンプル溶液:各サンプルの濃度が100mg/mlとなるように蒸留水に溶解させ、0.20μmメンブランフィルターによりろ過した溶液
[サンプル(S)]
マイクロプレートの各ウェルに50μlの各サンプル溶液および100μlの基質溶液を入れた。その後、各ウェルに50μlの酵素溶液を加え、37℃で15分静置させた。その後、吸光プレートリーダーマルチスキャンJX(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)使用し、405nmの吸光度(S)を測定した。
[コントロール(C)]
50μlのサンプル溶液に替えて50μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(C)を測定した。
[サンプルブランク(SB)]
50μlの酵素溶液に替えて50μlのTris−HCl緩衝液を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(SB)を測定した。
[コントロールブランク(CB)]
50μlのサンプル溶液に替えて50μlの蒸留水を使用したこと、および50μlの酵素溶液に替えて50μlのTris−HCl緩衝液を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(CB)を測定した。
[エラスターゼ阻害率の算出]
各吸光度測定結果を用いて、下記の式により各抽出物のエラスターゼ阻害率(%)を算出した。
次の試薬を調製し使用した。なお、全てのTris−HCl緩衝液はpH=8.8、0.05mol/lの同じものを使用した。
酵素溶液:ブタ由来膵臓エラスターゼを0.5unit/ml含有するTris−HCl緩衝液
基質溶液:STANA(Succinyl−L−Alanyl−L−Alanyl−L−Alanine p−Nitroanilide)を1mmol/l含有するTris−HCl緩衝液
サンプル溶液:各サンプルの濃度が100mg/mlとなるように蒸留水に溶解させ、0.20μmメンブランフィルターによりろ過した溶液
[サンプル(S)]
マイクロプレートの各ウェルに50μlの各サンプル溶液および100μlの基質溶液を入れた。その後、各ウェルに50μlの酵素溶液を加え、37℃で15分静置させた。その後、吸光プレートリーダーマルチスキャンJX(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)使用し、405nmの吸光度(S)を測定した。
[コントロール(C)]
50μlのサンプル溶液に替えて50μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(C)を測定した。
[サンプルブランク(SB)]
50μlの酵素溶液に替えて50μlのTris−HCl緩衝液を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(SB)を測定した。
[コントロールブランク(CB)]
50μlのサンプル溶液に替えて50μlの蒸留水を使用したこと、および50μlの酵素溶液に替えて50μlのTris−HCl緩衝液を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(CB)を測定した。
[エラスターゼ阻害率の算出]
各吸光度測定結果を用いて、下記の式により各抽出物のエラスターゼ阻害率(%)を算出した。
エラスターゼ阻害活性試験結果
図4の結果より、いずれも各固形分濃度が上昇するにつれ阻害率が上昇していることがわかる。阻害率において最も効果を有するものは比較例1であり、実施例1、比較例2および比較例3はほぼ同等の活性を示している。しかしながら、表1の結果より比較例1の1000以下のペプチドは50%程度であり、比較例2の1000以下のペプチドは80%程度であるのに対し、実施例1のプラセンタ抽出物は1000以下のペプチドの含有量がほぼ100%であることから、比較例1〜3に比べて人体への吸収がよく、美肌効果の一つであるエラスターゼ阻害活性にすべてが寄与する抽出物であるということがわかる。
図4の結果より、いずれも各固形分濃度が上昇するにつれ阻害率が上昇していることがわかる。阻害率において最も効果を有するものは比較例1であり、実施例1、比較例2および比較例3はほぼ同等の活性を示している。しかしながら、表1の結果より比較例1の1000以下のペプチドは50%程度であり、比較例2の1000以下のペプチドは80%程度であるのに対し、実施例1のプラセンタ抽出物は1000以下のペプチドの含有量がほぼ100%であることから、比較例1〜3に比べて人体への吸収がよく、美肌効果の一つであるエラスターゼ阻害活性にすべてが寄与する抽出物であるということがわかる。
機能性 美肌効果 コラゲナーゼ阻害活性評価
次の試薬を調製し、使用した。なお、全ての0.1M Tris−HCl(pH7.1)、20mM塩化カルシウム緩衝液はpH=7.1の同じものを使用した。
酵素溶液:Collagenase from Clostridium histolyticum C−9891 SIGMA製 0.1mg/ml(蒸留水)
基質溶液:4−Phemylazobenzyloxycarbonyl−Pro−Leu−Gly−Pro−D−Arg−OH trifluoroacetate salt BachemAG製 0.5 mmol/l含有する緩衝液
反応停止液:クエン酸 25mmol/l(蒸留水)
サンプル溶液:各試験用プラセンタ抽出物の濃度が100mg/mlとなるように蒸留水に溶解させ、0.20μmメンブランフィルターによりろ過した溶液
[サンプル(S)]
10μlの各サンプル溶液に10μlの酵素溶液を入れ混合し、80μlの基質溶液を加え、全量を100μlとし、さらに37℃で30分静置させた。その後、その反応溶液に200μlの反応停止液を加え、良く混合した。この混合液に1mlの酢酸エチルを加え、1分間よく混合した後、遠心分離を室温にて3000rpm、10分間行った。その後、遠心後の上澄み液を回収して分光光度計(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製のGeneQuant1300)を用いて、320nmの吸光度(S)を測定した。
[コントロール(C)]
10μlのサンプル溶液に替えて10μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(C)を測定した。
[サンプルブランク(SB)]
10μlの酵素溶液に替えて10μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(SB)を測定した。
[コントロールブランク(CB)]
10μlのサンプル溶液に替えて10μlの蒸留水を使用したこと、および10μlの酵素溶液に替えて10μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(CB)を測定した。
[コラゲナーゼ阻害率の算出]
各吸光度測定結果を用いて、下記の式により各試験用プラセンタ抽出物のコラゲナーゼ阻害率(%)を算出した。
式:((C−CB)−(S−SB))/(C−CB)×100
次の試薬を調製し、使用した。なお、全ての0.1M Tris−HCl(pH7.1)、20mM塩化カルシウム緩衝液はpH=7.1の同じものを使用した。
酵素溶液:Collagenase from Clostridium histolyticum C−9891 SIGMA製 0.1mg/ml(蒸留水)
基質溶液:4−Phemylazobenzyloxycarbonyl−Pro−Leu−Gly−Pro−D−Arg−OH trifluoroacetate salt BachemAG製 0.5 mmol/l含有する緩衝液
反応停止液:クエン酸 25mmol/l(蒸留水)
サンプル溶液:各試験用プラセンタ抽出物の濃度が100mg/mlとなるように蒸留水に溶解させ、0.20μmメンブランフィルターによりろ過した溶液
[サンプル(S)]
10μlの各サンプル溶液に10μlの酵素溶液を入れ混合し、80μlの基質溶液を加え、全量を100μlとし、さらに37℃で30分静置させた。その後、その反応溶液に200μlの反応停止液を加え、良く混合した。この混合液に1mlの酢酸エチルを加え、1分間よく混合した後、遠心分離を室温にて3000rpm、10分間行った。その後、遠心後の上澄み液を回収して分光光度計(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製のGeneQuant1300)を用いて、320nmの吸光度(S)を測定した。
[コントロール(C)]
10μlのサンプル溶液に替えて10μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(C)を測定した。
[サンプルブランク(SB)]
10μlの酵素溶液に替えて10μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(SB)を測定した。
[コントロールブランク(CB)]
10μlのサンプル溶液に替えて10μlの蒸留水を使用したこと、および10μlの酵素溶液に替えて10μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(CB)を測定した。
[コラゲナーゼ阻害率の算出]
各吸光度測定結果を用いて、下記の式により各試験用プラセンタ抽出物のコラゲナーゼ阻害率(%)を算出した。
式:((C−CB)−(S−SB))/(C−CB)×100
コラゲナ―ゼ阻害活性試験
図5の結果より、いずれも各固形分濃度が上昇するにつれ阻害率が上昇していることがわかる。実施例1と比較例1はほぼ同程度の阻害率を示し、比較例2および3はこれらより活性が劣っている。特に比較例2は低濃度付近では全く活性を示していない。表1の結果より実施例1のプラセンタ抽出物は1000以下のペプチドの含有量がほぼ100%であることから、比較例1〜3に比べて人体への吸収がよく、美肌効果の一つであるコラゲナーゼ阻害活性にすべてが寄与する抽出物であるということがわかる。
図5の結果より、いずれも各固形分濃度が上昇するにつれ阻害率が上昇していることがわかる。実施例1と比較例1はほぼ同程度の阻害率を示し、比較例2および3はこれらより活性が劣っている。特に比較例2は低濃度付近では全く活性を示していない。表1の結果より実施例1のプラセンタ抽出物は1000以下のペプチドの含有量がほぼ100%であることから、比較例1〜3に比べて人体への吸収がよく、美肌効果の一つであるコラゲナーゼ阻害活性にすべてが寄与する抽出物であるということがわかる。
機能性 美白効果 チロシナーゼ阻害活性評価
次の試薬を調製し使用した。なお、全てのリン酸緩衝液はpH=6.7、0.1mol/lの同じものを使用した。
酵素溶液:マッシュルーム由来チロシナーゼを30unit/ml含有するリン酸緩衝液
基質溶液:L−DOPA(3−(3,4−ジヒドロフェニル)−L−アラニン)を1mmol/l含有するリン酸緩衝液
サンプル溶液:各サンプルの濃度が100mg/mlとなるように蒸留水に溶解させ、0.20μmメンブランフィルターによりろ過した溶液
[サンプル(S)]
マイクロプレートの各ウェルに25μlの各サンプル溶液および100μl酵素溶液を加え、37度で10分間静置させた。その後、その125μlの反応液に125μlの基質溶液を加え、37℃で15分静置させた。その後、吸光プレートリーダーマルチスキャンJX(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)を使用し、490nmの吸光度(S)を測定した。
[コントロール(C)]
25μlのサンプル溶液に替えて25μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(C)を測定した。
[サンプルブランク(SB)]
100μlの酵素溶液に替えて100μlのリン酸緩衝液を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(SB)を測定した。
[コントロールブランク(CB)]
25μlのサンプル溶液に替えて25μlの蒸留水を使用したこと、および100μlの酵素溶液に替えて100μlのリン酸緩衝液を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(CB)を測定した。
[チロシナーゼ阻害率の算出]
各吸光度測定結果を用いて、下記の式により各抽出物のチロシナーゼ阻害率(%)を算出した。
式:((C−CB)−(S−SB))/(C−CB)×100
次の試薬を調製し使用した。なお、全てのリン酸緩衝液はpH=6.7、0.1mol/lの同じものを使用した。
酵素溶液:マッシュルーム由来チロシナーゼを30unit/ml含有するリン酸緩衝液
基質溶液:L−DOPA(3−(3,4−ジヒドロフェニル)−L−アラニン)を1mmol/l含有するリン酸緩衝液
サンプル溶液:各サンプルの濃度が100mg/mlとなるように蒸留水に溶解させ、0.20μmメンブランフィルターによりろ過した溶液
[サンプル(S)]
マイクロプレートの各ウェルに25μlの各サンプル溶液および100μl酵素溶液を加え、37度で10分間静置させた。その後、その125μlの反応液に125μlの基質溶液を加え、37℃で15分静置させた。その後、吸光プレートリーダーマルチスキャンJX(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)を使用し、490nmの吸光度(S)を測定した。
[コントロール(C)]
25μlのサンプル溶液に替えて25μlの蒸留水を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(C)を測定した。
[サンプルブランク(SB)]
100μlの酵素溶液に替えて100μlのリン酸緩衝液を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(SB)を測定した。
[コントロールブランク(CB)]
25μlのサンプル溶液に替えて25μlの蒸留水を使用したこと、および100μlの酵素溶液に替えて100μlのリン酸緩衝液を使用したこと以外は(S)と同じ条件で反応させ、吸光度(CB)を測定した。
[チロシナーゼ阻害率の算出]
各吸光度測定結果を用いて、下記の式により各抽出物のチロシナーゼ阻害率(%)を算出した。
式:((C−CB)−(S−SB))/(C−CB)×100
チロシナーゼ阻害活性試験
図6の結果より、いずれも各固形分濃度が上昇するにつれ阻害率が上昇していることがわかる。比較例1が阻害率が最も高く、ついで実施例1、最も活性の劣るものは比較例2であった。特に比較例2は低濃度付近では全く活性を示しておらず、比較例3に至っては全濃度範囲で活性を示していない。表1の結果より実施例1のプラセンタ抽出物は1000以下のペプチドの含有量がほぼ100%であることから、比較例1〜3に比べて人体への吸収がよく、美白効果の一つであるチロシナーゼ阻害活性にすべてが寄与する抽出物であるということがわかる。
図6の結果より、いずれも各固形分濃度が上昇するにつれ阻害率が上昇していることがわかる。比較例1が阻害率が最も高く、ついで実施例1、最も活性の劣るものは比較例2であった。特に比較例2は低濃度付近では全く活性を示しておらず、比較例3に至っては全濃度範囲で活性を示していない。表1の結果より実施例1のプラセンタ抽出物は1000以下のペプチドの含有量がほぼ100%であることから、比較例1〜3に比べて人体への吸収がよく、美白効果の一つであるチロシナーゼ阻害活性にすべてが寄与する抽出物であるということがわかる。
Claims (17)
- 波長390nmにおける吸光度が0.15以下であり、
窒素含有量が0.10質量%以上であり、
全固形分中における分子量が1000以下の低分子化ペプチドの含有量が40〜99.5質量%であるプラセンタ抽出物。 - 前記吸光度が0.01〜0.15である請求項1に記載のプラセンタ抽出物。
- 前記窒素含有量が0.10〜1.0質量%である請求項1または2に記載のプラセンタ抽出物。
- 前記プラセンタ抽出物の全固形分中における全ペプチドの含有量が50〜99.5質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラセンタ抽出物。
- 前記プラセンタ抽出物の全固形分中における分子量が1000以下の低分子化ペプチドの含有量が50〜99.5質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラセンタ抽出物。
- 前記プラセンタ抽出物の全固形分中における遊離アミノ酸の含有量が0.01〜30質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラセンタ抽出物。
- 前記プラセンタ抽出物がプラセンタ原料の亜臨界処理を経て抽出されるプラセンタ抽出物である請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラセンタ抽出物。
- 前記プラセンタ抽出物が活性炭処理を経て抽出されるプラセンタ抽出物である請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラセンタ抽出物。
- 亜臨界処理の温度が160〜200℃であり、
圧力が飽和蒸気圧以上である請求項7に記載のプラセンタ抽出物。 - 亜臨界処理の時間が5〜30分である請求項7または9に記載のプラセンタ抽出物。
- 波長390nmにおける吸光度が0.15以下であり、
窒素含有量が0.10質量%以上であるプラセンタ抽出物を得るプラセンタ抽出物の製造方法であって、
プラセンタを亜臨界処理して亜臨界処理物を得る抽出工程、
前記亜臨界処理物を抽出液と原料残渣に分離する固液分離工程を含むことを特徴とするプラセンタ抽出物の製造方法。 - 前記亜臨界処理による抽出工程の後、脱色工程を含む請求項11に記載のプラセンタ抽出物の製造方法。
- 前記亜臨界処理における亜臨界処理の温度が160〜200℃であり、圧力が飽和蒸気圧以上である請求項11または12に記載のプラセンタ抽出物の製造方法。
- 前記亜臨界処理における亜臨界処理の時間が5〜30分である請求項11〜13のいずれか1項に記載のプラセンタ抽出物の製造方法。
- 前記脱色工程における処理温度が0〜80℃である請求項12に記載のプラセンタ抽出物の製造方法。
- 前記脱色工程における処理時間が3〜120分である請求項12または15に記載のプラセンタ抽出物の製造方法。
- 前記脱色工程における処理回数が2〜10回である請求項12、15または16に記載のプラセンタ抽出物の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114767717A (zh) * | 2022-05-20 | 2022-07-22 | 华中农业大学 | 一种猪胎盘提取物的制备方法及其应用 |
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