JP2017098263A - エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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- LPSXSORODABQKT-UHFFFAOYSA-N C(C1)CC2C1C1CC2CC1 Chemical compound C(C1)CC2C1C1CC2CC1 LPSXSORODABQKT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Abstract
Description
(1)芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(A)、下記環状(メタ)アクリレート化合物(B)及び重合開始剤(C)を含有する樹脂組成物。
環状(メタ)アクリレート化合物(B):前記化合物(A)以外の芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ヘテロ環骨格を有する(メタ)アクリレート化合物からなる群から選択される少なくとも1種類の(メタ)アクリレート化合物。
(2)芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(A)が、1分子中に芳香族炭化水素骨格を2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする、(1)に記載の樹脂組成物。
(3)芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(A)の芳香族炭化水素骨格が、下記式(1)で表される骨格を有することを特徴とする、(1)に記載の樹脂組成物。
(4)芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(A)が下記式(2)で表される化合物であることを特徴とする、(1)に記載の樹脂組成物。
(5)(2)の1分子中に2つ以上の芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物が、フルオレン骨格、ナフタレン骨格またはビフェニル骨格を有する(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする樹脂組成物。
(6)環状(メタ)アクリレート化合物(B)である脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物が、1分子中に2つ以上の脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする(1)〜(4)に記載の樹脂組成物。
(7)(6)の脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物が、脂環式炭化水素骨格としてジシクロデカン構造、トリシクロデカン環またはアダマンタン環を含むことを特徴とする樹脂組成物。
(8)脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物が、下記式(3)で表される(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする(6)または(7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
を表し、R3においていずれか一方は上記式(4)である。)
(9)脂環式炭化水素骨格が下記式(5)で表される(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする(6)〜(8)のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
(10)環状(メタ)アクリレート化合物(B)のヘテロ環骨格が(6)で表される(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
(前記式中、R8は、直接結合、炭素数1〜6のアルキレン基またはアルキレンオキシ基を表す。R9は、水素、炭素数1〜4のアルキレン基を表す。Zは炭素、酸素、窒素を表す)
(11)上記式(2)で表される(メタ)アクリレート化合物:上記式(3)で表される(メタ)アクリレート化合物の重量比が9:1〜1:9であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
(12)(1)〜(11)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化させてなる低透湿バリアフィルム。
(13)OLED用途に用いられる(1)〜(12)のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
上記の構成により、2種類の異なる骨格の(メタ)アクリレート化合物が硬化時に相互に硬化系に導入されることとなり、低収縮率を実現しつつ、環状骨格を有する化合物を1種類含有させるだけでは達成できなかった極めて優れた低水蒸気透過率の効果を達成することが可能となる。
尚、本発明において記載されている骨格は、置換基を有していても、有していなくてもよく、置換基を有する場合には、当該置換基は炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルケニル基とする。
単官能(メタ)アクリレート化合物の例としては、ベンジル(メタ)アクリレート、エトキシ変性クレゾール(メタ)アクリート、プロポキシ変性クレゾール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルベンジルアクリレート、p−フェニルベンジルアクリレート等の単環を有する(メタ)アクリレート化合物、カルバゾール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、カルバゾール(ポリ)プロポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性カルバゾール(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ナフチル(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、ナフチル(ポリ)プロポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ナフチル(メタ)アクリレート、ビナフトール(メタ)アクリレート、ビナフトール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、ビナフトール(ポリ)プロポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ビナフトール(メタ)アクリレート、ナフトール(メタ)アクリレート、ナフトール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、ナフトール(ポリ)プロポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ナフトール(メタ)アクリレート等の縮合環を有する(メタ)アクリレート、が挙げられる。
2官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシ(ポリ)エトキシフルオレン等の単環を有する(メタ)アクリレート、ビフェニルジメタノールジ(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート、ナフトールジ(メタ)アクリレート、ビナフトール(ポリ)エトキシジ(メタ)アクリレート、ビナフトール(ポリ)プロポキシジ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ビナフトールジ(メタ)アクリレート等の縮合環を有する(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシメタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシカプロラクトンフルオレンジ(メタ)アクリレート等の多環芳香族を有する(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の末端グリシジルエーテル、フルオレンエポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂類と(メタ)アクリル酸との反応物等を挙げることができる。
上記のような部分骨格を有することが、芳香環が付与できる撥水性をより効果的に発現することが可能となると考えられる。
具体的には、上記の(メタ)アクリレート化合物の中でも、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格等のビスフェノール骨格や、ビフェニル骨格を有する(メタ)アクリレート化合物は上記(1)式に該当し、好適に使用できる。
ここで、(メタ)アクリロイル基は、芳香族炭化水素骨格が直接または炭化水素基によって連結されていることが好ましい。そして、具体的な連結としては、上記芳香族炭化水素骨格に、(メタ)アクリロイル基が直接ないし炭化水素基により連結されており、炭化水素基によって連結されている場合の炭化水素基としては、炭素数1〜10のアルキレン基または、エーテル結合を有する炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられる。
下記式(4)
を、R2は直接結合または炭素数1〜10の(ポリ)アルキレンオキシ基を表す。)
このような(メタ)アクリレート化合物の具体例は、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルベンジルアクリレート、p−フェニルベンジルアクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
ここで、環状(メタ)アクリレート化合物として、芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を使用した場合とは、樹脂組成物中に異なる2種類の構造を有する芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する樹脂組成物を意味する。そして、環状(メタ)アクリレート化合物として使用できる芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレートは、上記と同じ(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。
このように2種類の芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を使用した場合においては、鎖状構造のもの等の他の骨格と比較して、水蒸気の透過を防ぐ効果があり、芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物と併せて硬化系に配置されることによって、相乗効果によって顕著に水蒸気の透過を防ぐことが可能となる。
環式炭化水素骨格としては、具体的に使用できる骨格としては、シクロペンタン骨格、シクロヘキサン骨格、シクロヘプタン骨格、ジシクロデカン構造、トリシクロデカン環、アダマンタン環、イソボルニル環等を挙げることができる。
中でも、トリシクロデカン環、アダマンタン環等といった橋かけ環炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。このような化合物においては、脂環式炭化水素骨格に橋かけがなされているため、立体的な構造をとって環状構造の空間に炭素原子が配置されているため、水蒸気の透過をより有効に防ぐことができる。そして、上記相乗効果は、このような橋かけ環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物との混合によって、より高いものとなる。
ここで、(メタ)アクリロイル基は、環式炭化水素骨格が直接または炭化水素基によって連結されていることが好ましい。そして、具体的な連結としては、上記環式炭化水素骨格に、(メタ)アクリロイル基が直接ないし炭化水素基により連結されており、炭化水素基によって連結されている場合の炭化水素基としては、炭素数1〜10のアルキレン基または、エーテル結合を有する炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート化合物としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物としては、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等が挙げられる。
を表し、R3において少なくともいずれか一方は上記式(4)である。)
上記式(3)の(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等が挙げられる。
このようなヘテロ環骨格においては、鎖状構造のもの等の他の骨格と比較して、水蒸気の透過を防ぐ効果があり、芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物と併せて硬化系に配置されることによって、相乗効果によって顕著に水蒸気の透過を防ぐことが可能となる。
ヘテロ環骨格としては、具体的に使用できる骨格としては、ジオキサン構造、トリオキサン構造、イソシアヌレート構造等を挙げることができる。
ここで、(メタ)アクリロイル基は、ヘテロ環骨格が直接または炭化水素基によって連結されていることが好ましい。そして、具体的な連結としては、上記ヘテロ環骨格に、(メタ)アクリロイル基が直接ないし炭化水素基により連結されており、炭化水素基によって連結されている場合の炭化水素基としては、炭素数1〜10のアルキレン基または、エーテル結合を有する炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられる。
即ち、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレートカプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EEO変性ジアクリレート(M−215)、ε−カプロラクトン変性トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(M−327)、イソシアヌル酸EO変性ジ及びトリアクリレート(M−313またはM−315)、ヒドロキシピバルアルデヒド変性トリメチロールプロパンジアクリレート(R−604)、ペンタメチルピペリジニルメタクリレート(FA−711)、テトラメチルピペリジニルメタクリレート(FA−712HM)、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート(SR531)が挙げられる。
ここで、好ましくは下記式の化合物を使用することができる。
で表される構造を有する(メタ)アクリレート化合物(以下、ポリEO変性(メタ)アクリレート化合物と称す。)の総重量が、ポリEO変性(メタ)アクリレート化合物以外の(メタ)アクリレート化合物の総重量より少ないことが好ましく、1/2以下であることがより好ましい。なぜならば、上記ポリEO変性(メタ)アクリレート化合物は水蒸気透過率が劣り、当該ポリEO変性(メタ)アクリレート化合物の含有量が多く、樹脂組成物中において支配的になると、水蒸気透過率が劣る恐れがあるためである。
そして、樹脂組成物中にポリEO変性(メタ)アクリレート化合物の総重量が、樹脂組成物100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、5重量部以下であることがより好ましく、2重量部以下であることが特に好ましい。
上記好ましい範囲とすることで、水蒸気透過率に極めて優れた樹脂組成物を得ることが可能となる。
上記熱ラジカル重合開始剤(b)として、好ましいのはベンゾピナコール系の熱ラジカル重合開始剤(ベンゾピナコールを化学的に修飾したものを含む)である。具体的には、ベンゾピナコール、1, 2−ジメトキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ジエトキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ジフェノキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ジメトキシ−1,1, 2,2−テトラ(4−メチルフェニル)エタン、1, 2−ジフェノキシ−1,1, 2,2−テトラ(4−メトキシフェニル)エタン、1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ビス(トリエチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ビス(t−ブチルジメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリエチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−t−ブチルジメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン等、が挙げられ、好ましくは1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリエチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−t−ブチルジメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンであり、さらに好ましくは1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンであり、特に好ましくは1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンである。
上記ベンゾピナコールは東京化成工業株式会社、和光純薬工業株式会社等から市販されている。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をエーテル化することは、周知の方法によって容易に合成可能である。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をシリルエーテル化することは、対応するベンゾピナコールと各種シリル化剤をピリジンなどの塩基性触媒下で加熱させる方法により合成して得ることができる。シリル化剤としては、一般に知られているトリメチルシリル化剤であるトリメチルクロロシラン(TMCS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA)やトリエチルシリル化剤としてトリエチルクロロシラン(TECS)、t−ブチルジメチルシリル化剤としてt−ブチルメチルシラン(TBMS)などが挙げれる。これらの試薬はシリコン誘導体メーカー等の市場から容易に入手することが出来る。シリル化剤の反応量としては対象化合物の水酸基1モルに対して1.0〜5.0倍モルが好ましい。さらに好ましくは1.5〜3.0倍モルである。1.0倍モルより少ないと反応効率が悪く、反応時間が長くなるため熱分解を促進してしまう。5.0倍モルより多いと回収の際に分離が悪くなったり、精製が困難になってしまう。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジオール化合物(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ビスフェノールAポリプロポキシジオール等)又はこれらジオール化合物と二塩基酸若しくはその無水物(例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸若しくはこれらの無水物)との反応物であるポリエステルジオールと、有機ポリイソシアネート(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状飽和炭化水素イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等の環状飽和炭化水素イソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート)を反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを付加した反応物等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物の樹脂組成物中の含有量は、樹脂組成物100重量部に対して、通常5〜95重量部であり、10〜80重量部が好ましく、20〜70重量部が特に好ましい。
尚、透過率(特に、380nm〜780nmでの透過率)を向上させる観点からは、微粒子を含有させないことが好ましい。
本発明においては、1次粒径が100nm以下であることが好ましい。そして、5〜100nmである微粒子が好適に使用できる。100nm以下であることにより、耐擦傷性を付与しつつ、透過率が高い硬化物を提供することが可能となる。
また、本発明の樹脂組成物においては、ガラス転移温度が70℃以上であることが好ましく、100℃以上が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物においては、厚み100μmの60℃での水蒸気透過率が200g/m2・day以下であることが好ましく、100g/m2・day以下であることがより好ましく、60g/m2・day以下であることが特に好ましい。当該範囲にあることで、水分の透過により、素子にダメージを与えることを有効に防ぐことが可能となる。
(1)下部電極/発光層/上部電極
(2)下部電極/電子輸送層/発光層/上部電極
(3)下部電極/発光層/正孔輸送層/上部電極
(4)下部電極/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/上部電極
例えば、上記(4)の層構造を有する有機EL素子は、基板の片面上に、Al−Li合金等からなる下部電極(陰極)を抵抗加熱蒸着法またはスパッタ法によって形成し、次いで有機EL層として、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体等からなる電子輸送層、発光層、TPD等からなる正孔輸送層及び上部電極(陽極)を抵抗加熱蒸着法又はイオンビームスパッタ法等の薄膜形成方法によって順次積層することによって作製することが可能である。なお、有機EL素子の層構造、又は材料は表示素子として機能するものであれば特に限定されるものではない。また、本発明による固体封止方法はいかなる構造の有機EL素子であっても適用可能である。
これを、JIS K7112 B法に準拠し、硬化物の比重(DS)を測定した。また、23±2℃で樹脂組成物の比重(DL)を測定し、次式により硬化収縮率を算出した。測定結果は4回の測定結果の平均値で示す。
硬化収縮率(%)=(DS−DL)/DS×100
R−684:トリシクロデカンジメチロールアクリレート、日本化薬(株)社製
OPP−1:オルソフェニルフェノキシエチルアクリレート、日本化薬(株)社製
PHE:フェノキシエチルアクリレート、新中村化学工業(株)社製
FA−320A:エチレンオキサイド2モル変性ビスフェノールA型ジアクリレート、日立化成工業(株)社製
ニカノールY−50:メタキシレンとホルムアルデヒドとの反応物(数平均分子量250)、フドー(株)社製
ADAMANTATE M−104:1−アダマンチルメタクリレート、出光興産(株)社製
MH−002:1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、和光純薬(株)社製
イルガキュア184D:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF(株)社製
Claims (8)
- 芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(A)、下記環状(メタ)アクリレート化合物(B)及び重合開始剤(C)を含有し、硬化物の膜厚100μmにおいて60℃90%RHで測定した透湿度が47g/m 2 ・day以下である有機EL素子の封止用樹脂組成物。
環状(メタ)アクリレート化合物(B):前記化合物(A)以外の芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ヘテロ環骨格を有する(メタ)アクリレート化合物からなる群から選択される少なくとも1種類の(メタ)アクリレート化合物。 - 芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(A)が、1分子中に芳香族炭化水素骨格を2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の有機EL素子の封止用樹脂組成物。
- 請求項2の1分子中に2つ以上の芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物が、フルオレン骨格、ナフタレン骨格またはビフェニル骨格を有する(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする有機EL素子の封止用樹脂組成物。
- 環状(メタ)アクリレート化合物(B)である脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物が、1分子中に2つ以上の脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする請求項1〜4に記載の有機EL素子の封止用樹脂組成物。
- 請求項6の脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート化合物が、脂環式炭化水素骨格としてジシクロデカン構造、トリシクロデカン環またはアダマンタン環を含むことを特徴とする有機EL素子の封止用樹脂組成物。
- OLED用途に用いられる請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機EL素子の封止用樹脂組成物。
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