JP2017097939A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体に対して記録情報を効率的に記録する。
【解決手段】記録装置(1)は、記録媒体(100)が搭載される搭載部(16)と、記録情報が入力される入力部(174)と、入力部からの記録情報を用いて光源(11)からの光ビーム(EL2)を二次元的に変調する空間光変調器を備え、空間光変調器で変調された光ビームを記録媒体上の照射領域に照射するビーム照射装置(14)と、記録媒体の表面上の所定方向における照射領域と記録媒体との位置関係を変更するために、搭載部とビーム照射装置との少なくとも一方を制御する制御装置(173)とを備え、記録情報は、第1方向及び第2方向に符号化された二次元デジタルデータである。
【選択図】図1
【解決手段】記録装置(1)は、記録媒体(100)が搭載される搭載部(16)と、記録情報が入力される入力部(174)と、入力部からの記録情報を用いて光源(11)からの光ビーム(EL2)を二次元的に変調する空間光変調器を備え、空間光変調器で変調された光ビームを記録媒体上の照射領域に照射するビーム照射装置(14)と、記録媒体の表面上の所定方向における照射領域と記録媒体との位置関係を変更するために、搭載部とビーム照射装置との少なくとも一方を制御する制御装置(173)とを備え、記録情報は、第1方向及び第2方向に符号化された二次元デジタルデータである。
【選択図】図1
Description
記録媒体に記録情報を記録する記録装置及び記録方法の技術分野に関する。
記録情報を記録可能な(言い換えれば、書き込み可能な)既存の記録媒体として、CDやDVD等の光ディスクや、ハードディスク等が知られている。しかしながら、これら既存の記録媒体に記録された記録情報を読み出す(言い換えれば、再生する)ことが可能な期間は、記録媒体の劣化等に起因して、数年ないしは数十年程度に制限される。つまり、これらの既存の記録媒体は、当該既存の記録媒体に記録された記録情報を100年ないしは数百年以上の長期に渡って保存し続けることが困難である。そこで、例えば特許文献1に記載されているように、記録された記録情報を1000年以上に渡って保存し得る密封形半導体記録媒体及び密封型半導体記録装置が提案されている。
第1の態様では、感光剤が塗布されている記録媒体に記録情報を記録する記録装置であって、前記記録媒体が搭載される搭載部と、前記記録情報が入力される入力部と、前記入力部からの前記記録情報を用いて光源からの光ビームを二次元的に変調する空間光変調器を備え、前記空間光変調器で変調された光ビームを前記記録媒体上の照射領域に照射するビーム照射装置と、前記記録媒体の表面上の所定方向における前記照射領域と前記記録媒体との位置関係を変更するために、前記搭載部と前記ビーム照射装置との少なくとも一方を制御する制御装置とを備え、前記記録情報は、第1方向及び第2方向に符号化された二次元デジタルデータである記録装置が提供される。
第2の態様では、第1の態様の記録装置と、前記記録装置によって前記光ビームが照射された前記記録媒体の前記感光剤を現像して、前記記録情報に応じた形状のマスク層を前記記録媒体の表面に形成する現像装置と、前記マスク層を介して前記記録媒体の表面を加工する加工装置とを備える記録システムが提供される。
第3の態様では、感光剤が塗布されている記録媒体に記録情報を記録する記録方法であって、前記記録情報が入力されることと、前記入力された前記記録情報を用いて光源からの光ビームを二次元的に変調することと、前記変調された光ビームを前記記録媒体上の照射領域に照射することと、前記記録媒体の表面上の所定方向における前記照射領域と前記記録媒体との位置関係を変更することと、を含み、前記記録情報は、第1方向及び第2方向に符号化された二次元デジタルデータである記録方法が提供される。
第4の態様では、第1方向及び第2方向に符号化された二次元デジタルデータである記録情報を用いて光源からの光ビームを二次元的に変調し、前記変調された光ビームを前記記録媒体上の照射領域に照射し、前記記録媒体の表面上の所定方向における前記照射領域と前記記録媒体との位置関係を変更し、前記変調された光ビームを用いて照射された前記記録媒体を現像して、前記感光剤の少なくとも一部を除去し、前記少なくとも一部が除去された前記感光剤を介して前記記録媒体の表面を加工することで形成された凹凸パターンが形成されている記録媒体が提供される。
第5の態様では、第1の態様にかかる記録装置によって記録情報が記録された記録媒体が提供される。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
以下、図面を参照しながら、記録装置、記録方法及び記録媒体の実施形態について説明する。但し、本発明が以下に説明する実施形態に限定されることはない。
以下の説明では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸から定義されるXYZ直交座標系を用いて、記録装置を構成する各種構成要素の位置関係について説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、X軸方向及びY軸方向の夫々が水平方向(つまり、水平面内の所定方向)であり、Z軸方向が鉛直方向(つまり、水平面に直交する方向であり、実質的には上下方向)であるものとする。また、X軸、Y軸及びZ軸周りの回転方向(言い換えれば、傾斜方向)を、夫々、θX方向、θY方向及びθZ方向と称する。
(1)記録システム1の構成
初めに、図1を参照しながら、本実施形態の記録システム1の構成について説明する。図1は、本実施形態の記録システム1の構成の一例を示す側面図である。
初めに、図1を参照しながら、本実施形態の記録システム1の構成について説明する。図1は、本実施形態の記録システム1の構成の一例を示す側面図である。
図1に示すように、記録システム1は、記録媒体100に対して記録情報を記録する記録動作の少なくとも一部の工程を行うために用いられる装置である。記録システム1は、記録媒体100に対して記録情報を記録する記録動作のうち記録媒体100を露光する(より具体的には、レジスト膜102の表面のうちの少なくとも一部の面を、当該レジスト膜102の表面のうちの少なくとも一部の面が位置する領域に記録するべき記録情報に応じて定まる露光パターンで露光する)ために用いられる記録装置10を含む装置である。
ここで、図2(a)及び図2(b)を参照しながら、記録媒体100の構成の一例について説明する。図2(a)は、記録媒体100の上面を示す平面図である。図2(b)は、図2(a)に示す記録媒体100のII−II’断面図である。
図2(a)に示すように、記録媒体100は、平面視円盤状の形状を有している。記録媒体100の直径は、例えば、約12インチ(つまり、約300ミリメートル)である。但し、記録媒体100の直径は、12インチとは異なる大きさであってもよい。記録媒体100は、平面視において任意の形状(例えば、矩形の形状等)を有していてもよい。
図2(b)に示すように、記録媒体100は、シリコン基板101と、「感光剤」の一具体例であるレジスト膜102とを備えている。レジスト膜102は、シリコン基板101の上面に塗布されている。レジスト膜102は、シリコン基板101の上面に積層されている。つまり、記録媒体100は、シリコン基板101とレジスト膜102とが積層された積層構造を有している。
記録システム1は、記録媒体100に対して記録情報を記録するために、記録媒体100のレジスト膜102を露光する記録装置10を含む装置である。記録システム1は、レジスト膜102を、記録媒体100に記録するべき記録情報に応じて定まる露光パターンで露光する記録装置10を含む装置である。記録装置10は、レジスト膜102を、レジスト膜102上の所定方向における強度分布が記録媒体100に記録すべき記録情報に応じた分布となる露光パターンで露光する。記録装置10は、レジスト膜102の表面のうちの少なくとも一部の面を、記録媒体100に記録するべき記録情報に応じて定まる露光パターンで露光する。記録装置10は、レジスト膜102の表面のうちの少なくとも一部の面を、当該レジスト膜102の表面のうちの少なくとも一部の面が位置する領域に記録するべき記録情報に応じて定まる露光パターンで露光する。
記録システム1は、記録媒体100の表面を露光する装置であってもよい。記録システム1は、記録媒体100の表面を、記録媒体100に記録するべき記録情報に応じて定まる露光パターンで露光する記録装置10を含む装置であってもよい。記録装置10は、記録媒体100の表面を、記録媒体100上の所定方向における強度分布が記録媒体100に記録すべき記録情報に応じた分布となる露光パターンで露光してもよい。記録装置10は、記録媒体100の表面のうちの少なくとも一部の面を、記録媒体100に記録するべき記録情報に応じて定まる露光パターンで露光してもよい。記録装置10は、記録媒体100の表面のうちの少なくとも一部の面を、当該記録媒体100の表面のうちの少なくとも一部の面が位置する領域に記録するべき記録情報に応じて定まる露光パターンで露光してもよい。
再び図1において、記録システム1は、コータ/デベロッパー20及びエッチング装置30の少なくとも一方を備えていてもよい。コータ/デベロッパー20は、記録媒体100の表面に感光剤としてのレジスト膜102を塗布する塗布装置である。コータ/デベロッパー20は、露光されたレジスト膜102を現像する現像装置である。エッチング装置30は、現像されたレジスト膜102を備える記録媒体100をエッチングする加工装置である。
尚、後に図7(a)から図7(c)を参照しながら詳述するように、記録システム1の記録装置10がレジスト膜102を露光した後には、コータ/デベロッパー20によってレジスト膜102が現像される。その後、エッチング装置30を用いて、現像によって残ったレジスト膜102に基づくパターン(つまり、記録情報に基づくパターン)でシリコン基板101がエッチングされる。その結果、シリコン基板101の表面には、記録情報に基づく凹凸パターンが形成される。つまり、シリコン基板101に形成される凹凸パターンによって、記録媒体100に記録情報が記録される。
記録システム1が備える記録装置10は、光源11と、照明光学系12と、ミラー13と、「ビーム照射装置」の一具体例である空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)14と、投影光学系15と、「搭載部」の一具体例であるステージ16と、「制御装置」の一具体例であるコントローラ17とを備えている。
光源11は、露光光EL1を射出する。光源11は、露光光EL1として、所定の周波数で明滅を繰り返すパルス光を射出する。つまり、光源11は、所定の発光時間(例えば、50ns。以下、当該発光時間を“パルス幅”と称する。)で発光するパルス光を所定の周波数(例えば、4kHzから6kHzの周波数)で射出する。光源11からパルス発光される露光光EL1は、波長が193nmのArFエキシマレーザ光とすることができる。
照明光学系12は、光源11が射出した露光光EL1のビーム断面における大きさ(言い換えれば、ビームサイズ)、露光光EL1のビーム断面における形状(以降、“ビーム断面形状”と称する)及び露光光EL1のビーム断面における強度分布のうち少なくとも一つを調整することで得られる露光光EL2を射出する。例えば、照明光学系12は、露光光EL2のビーム断面形状が所望形状(例えば、矩形状)となるように、露光光EL1のビーム断面形状を調整してもよい。
照明光学系12は、露光光EL1を調整することで、露光光EL2を空間光変調器14の光変調面14aの全体に照射する。照明光学系12は、光変調面14a上での露光光EL2のビーム断面形状が空間光変調器14の光変調面14aの形状と一致する(或いは、相似の関係となる)ように、露光光EL1のビーム径及びスポット形状の少なくとも一方を調整してもよい。
尚、照明光学系12は、露光光EL1のビームサイズやビーム断面形状の少なくとも一方を調整するビームエキスパンダを含んでいてもよい。照明光学系12は、光変調面14a上での露光光EL2の強度分布を均一化するためのフライアイレンズやロッド型インテグレータ等のオプティカルインテグレータを含んでいてもよい。照明光学系12は、光変調面14a上での露光光EL2の強度分布を変更するビーム強度分布変更部等を含んでいてもよい。
ミラー13は、照明光学系12から出力される露光光EL2を偏向して、空間光変調器14の光変調面14aに導く。
空間光変調器14は、後述するように、2次元的に配列された複数のミラー要素141を備える。ここで、複数のミラー要素141が配列されている面を光変調面14aと称する。この光変調面14aには、照明光学系12からミラー13を介して伝搬してくる露光光EL2が照射される。光変調面14aは、XY平面に平行な平面であって、露光光EL2の進行方向に交わる面である。光変調面14aは、矩形の形状を有している。露光光EL2は、光変調面14aをほぼ均一な照度分布で照明する。
空間光変調器14は、当該空間光変調器14の光変調面14aに照射された露光光EL2を、投影光学系15に向けて反射する。空間光変調器14は、露光光EL2を反射する際に、当該露光光EL2を、記録媒体100に記録するべき記録情報に応じて二次元的に空間変調する。ここで、「光を空間変調する」とは、当該光の進行方向を横切る断面における当該光の振幅(強度)、位相、偏光状態及び波長のうちの少なくとも1つであるビーム特性の分布を変化させることを指す。本実施形態では、空間光変調器14は、反射型の空間光変調器である。
ここで、図3(a)から図3(d)を参照しながら、空間光変調器14について更に説明を加える。図3(a)は、空間光変調器14の光変調面14aの構成を示す平面図である。図3(b)は、空間光変調器14の光変調面14aの一部の構成を示す斜視図である。図3(c)は、空間光変調器14が備えるミラー要素141の構成を示す斜視図である。図3(d)は、空間光変調器14が備えるミラー要素141がとり得る2つの状態を示す側面図である。
図3(a)及び図3(b)に示すように、空間光変調器14は、複数のミラー要素141を備えている。尚、図3(b)は、図面の見易さを考慮して、図3(a)に示す複数のミラー要素141の一部を抜粋した図面である。複数のミラー要素141は、光変調面14aに平行な面であるXY平面上において、二次元のアレイ状に(言い換えれば、マトリクス状に)配列されている。例えば、複数のミラー要素141のY軸方向に沿った配列数は、数百から数千である。例えば、複数のミラー要素141のX軸方向に沿った配列数は、複数のミラー要素141のY軸方向に沿った配列数の数倍から数十倍である。複数のミラー要素141のY軸方向に沿った配列数の一例は、8000である。複数のミラー要素141のX軸方向に沿った配列数の一例は、32000である。複数のミラー要素141は、X軸方向に沿って所定の配置間隔pxの間隔を隔て且つY軸方向に沿って所定の配置間隔pyの間隔を隔てるように、配列されている。
各ミラー要素141は、正方形の形状を有している。各ミラー要素141のX軸方向及びY軸方向のサイズは、夫々、上述した配置間隔px及びpyと実質的に同一であってもよい。一例として、各ミラー要素141のX軸方向及びY軸方向のサイズは、共に4マイクロメートル(或いは、1マイクロメートルから10マイクロメートルの間の任意の値)である。但し、各ミラー要素141形状及びサイズは任意であってもよい。
各ミラー要素141のうち露光光EL2が照射される面は、露光光EL2を反射する反射面141aとなっている。各ミラー要素141のXY平面に平行な2つの表面のうち−Z方向側に位置する表面は、反射面141aとなっている。反射面141aには、例えば金属膜が形成されている。複数のミラー要素の141の反射面141aの集合が、実質的には、露光光EL2が照射される光変調面14aとなる。
図3(c)に示すように、各ミラー要素141は、第1接続部材143によってヒンジ部144と接続されている。ヒンジ部144は、弾性変形を利用してZ軸方向に撓むことが可能な可撓性を有している。ヒンジ部144は、支持基板142上に設けられた複数のポスト部145によって支持されている。ヒンジ部144には、アンカー部146とヒンジ部144とを接続する第2接続部材147が設けられている。このように、アンカー部146とミラー要素141とは、第1接続部材143及び第2接続部材147並びにヒンジ部144を介して機械的に接続されている。支持基板142の表面には電極148が形成されている。
電極148に所定の電圧が印加されると、アンカー部146の裏面と電極144との間に静電力が働く。上述の通り、アンカー部146とミラー要素141とが接続されているため、アンカー部146が図中下方へ移動すると、ミラー要素141も図中下方へ移動する。
各ミラー要素141の状態は、アンカー部146の裏面と電極144との間の静電力とヒンジ部144の弾性力とに起因して、反射面141aに直交する方向に沿った位置が異なる2つの状態の間で切り替わる。例えば、図3(d)の左側に示すように、アンカー部146の裏面と電極144との間の静電力がない場合(ヒンジ部144が撓んでいない場合)には、各ミラー要素141は、各ミラー要素141の反射面141aが基準平面A1に一致する第1状態となる。例えば、図3(d)の右側に示すように、アンカー部146の裏面と電極144との間に静電力が働いている場合(ヒンジ部143が撓んでいる場合)には、各ミラー要素141は、各ミラー要素141の反射面141aが基準平面A1からZ軸方向に沿って間隔d1だけシフトした変位平面A2に一致する第2状態となる。
第2状態にあるミラー要素141の反射面141aは、第1状態にあるミラー要素141の反射面141aからZ軸方向に沿って間隔d1だけシフトした位置にある。このため、第2状態にあるミラー要素141が露光光EL2を反射することで得られる露光光EL3の波面の位相は、第1状態にあるミラー要素141が露光光EL2を反射することで得られる露光光EL3の波面の位相と比較して、間隔d1の倍の位相量だけ異なる。本実施形態では、間隔d1は、露光光EL1の波長λ/4(つまり、d1=λ/4)と一致する。この場合、第2状態にあるミラー要素141が露光光EL2を反射することで得られる露光光EL3の波面の位相は、第1状態にあるミラー要素141が露光光EL2を反射することで得られる露光光EL3の波面の位相と比較して、180度(πラジアン)だけ異なる。
空間光変調器14は、コントローラ17の制御下で(より具体的には、コントローラ17が備える変調制御部172の制御下で)、記録媒体100に記録するべき記録情報に応じて、複数のミラー要素141の状態を制御する。具体的には、変調制御部172は、記録媒体100に記録されるべき記録情報に基づいて、複数のミラー要素141の状態の分布(複数のミラー要素141のそれぞれが第1状態であるか第2状態であるか)を決定する。これにより、複数のミラー要素141で反射される露光光EL3の進行方向に直交する(或いは、交わる)面における位相分布が決定される。
尚、このような空間光変調器14の一例は、例えば、米国特許出願公開第2013/0222781号明細書に記載されている。
また、記録媒体100に記録するべき記録情報は、コントローラ17の入力部174を介して変調制御部172に入力される。入力部174は、コントローラ17のインターフェースであってもよい。
再び図1において、投影光学系15は、空間光変調器14によって空間変調された露光光EL3を記録媒体100(具体的には、レジスト膜102)に投影する。投影光学系15は、露光光EL3を記録媒体100の表面(具体的には、レジスト102膜の表面)に投影する。
投影光学系15は、露光光EL3を、記録媒体100の表面に設定される面状の露光領域ELAに投影する。つまり、投影光学系15は、記録媒体100の表面に設定される面状の露光領域ELAが露光光EL3によって露光されるように、露光領域ELAに露光光EL3を投影する。投影光学系15は、記録媒体100の表面に設定される面状の露光領域ELAが露光光EL3によってまとめて同時に露光されるように、露光領域ELAに露光光EL3を投影する。
投影光学系15の光軸AXは、面状の露光領域ELA、記録媒体100の表面及びレジスト膜102の表面の少なくとも一つに直交する。面状の露光領域ELAは投影光学系15の光軸AXから外れた位置に形成される。記録媒体100の表面と投影光学系15の光軸AXとが一致する部分から外れた所定領域が、面状の露光領域ELAとなる。
投影光学系15は、記録情報に基づく位相分布を有する露光光EL3を、位相分布に応じた強度分布を持つ空間像として記録媒体100の表面(レジスト膜102の表面)に投影する。
投影光学系15は、縮小倍率を有する。本実施形態では、投影光学系15の投影倍率は、1/200である。本実施形態における投影光学系15の解像度は、空間光変調器14の各ミラー要素141の大きさ(各ミラー要素の一辺の寸法)に投影倍率を乗じた値よりも大きくなるように設定されている。従って、複数のミラー要素141のうちの1つからの露光光EL3は、露光領域ELA上では解像されない。
ステージ16は、記録媒体100を保持可能であり、保持した記録媒体100をリリース可能である。ステージ16は、記録媒体100を保持した状態で、露光領域ELAを含む平面(例えば、XY平面)に沿って移動可能である。ステージ16は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿って移動可能である。例えば、ステージ16は、平面モータを含むステージ駆動系161の動作により移動してもよい。尚、平面モータを含むステージ駆動系161の一例は、例えば、米国特許第6,452,292号に開示されている。但し、ステージ駆動系161は、平面モータに加えて又は代えて、他のモータ(例えば、リニアモータ)を含んでいてもよい。
ステージ16のXY平面内での位置(但し、θX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿った回転角度を含んでいてもよい)は、レーザ干渉計162によって、例えば0.25nm程度の分解能で常時計測されている。レーザ干渉計162の計測結果は、コントローラ17(特に、コントローラ17が備えるステージ制御部173)に出力される。
コントローラ17は、記録システム1の動作を制御する。コントローラ17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や、メモリを含んでいてもよい。本実施形態では、コントローラ17は、その内部に論理的に実現される処理ブロックとして又はその内部に物理的に実現される処理回路として、光源制御部171と、「データ生成器」及び「調整器」の一具体例である変調制御部172と、ステージ制御部173とを備える。
光源制御部171は、光源11による露光光EL1の射出動作を制御する。光源制御部171は、所定のパルス幅を有すると共に所定の周波数でパルス発光するパルス光を露光光EL1として適切なタイミングで射出するように光源11を制御する。
特に、光源制御部171は、変調制御部172及びステージ制御部173と協調することで、光源11を制御する。例えば、光源制御部171は、露光領域ELAに投影される露光光EL3の位相分布(実質的には、強度分布)を決定付ける空間光変調器14の複数のミラー要素141の状態の制御と同期する適切なタイミングで露光光EL1を射出する(言い換えれば、パルス発光する)ように、光源11を制御する。例えば、光源制御部171は、記録媒体100上における露光領域ELAの相対的な位置を決定付けるステージ16の移動と同期する適切なタイミングで露光光EL1を射出する(言い換えれば、パルス発光する)ように、光源11を制御する。
変調制御部172は、記録媒体100に記録するべき記録情報に応じて、空間光変調器14が備える複数のミラー要素141の状態を制御する。具体的には、変調制御部172は、記録媒体100に記録するべき記録情報のデジタルデータを、露光光EL3の位相分布を示すデジタルデータに変換する。つまり、変調制御部172は、記録媒体100に記録するべき記録情報のデジタルデータを、空間光変調器14が備える複数のミラー要素141の状態を示すデジタルデータに変換する。その後、変調制御部172は、決定した露光光EL3の位相分布を示すデジタルデータに基づいて、複数のミラー要素141の状態を制御する。
特に、変調制御部172は、光源制御部171及びステージ制御部173と協調することで、空間光変調器14を制御する。例えば、変調制御部172は、記録媒体100上における露光領域ELAの位置を決定付けるステージ16の移動と同期する適切なタイミングで複数のミラー要素141の状態を制御するように、空間光変調器14を制御する。例えば、変調制御部172は、露光領域ELAに露光光EL3が投影されるタイミングを決定付ける光源11の発光タイミングと同期する適切なタイミングで複数のミラー要素141の状態を制御するように、空間光変調器14を制御する。
ステージ制御部173は、ステージ16の移動を制御する。具体的には、ステージ制御部173は、ステージ16を移動させることが可能なステージ駆動系161を制御する。ステージ制御部173は、露光領域ELAが記録媒体100の表面(つまり、レジスト膜102の表面)を所望の移動経路を通って相対的に移動していくように、ステージ駆動系161を制御する。
特に、ステージ制御部173は、光源制御部171及び変調制御部172と協調することで、ステージ16の移動を制御する。例えば、ステージ制御部173は、露光領域ELAに露光光EL3が投影されるタイミングを決定付ける光源11の発光タイミングと同期する適切なタイミングでステージ16が移動するように、ステージ16の移動を制御する。例えば、ステージ制御部173は、露光領域ELAに投影される露光光EL3の位相分布を決定付ける空間光変調器14の複数のミラー要素141の状態の制御と同期する適切なタイミングでステージ16が移動するように、ステージ16の移動を制御する。
尚、図1から図3を用いて説明した記録システム1の構成は一例である。従って、記録システム1の構成の少なくとも一部が適宜改変されてもよい。以下、記録システム1の構成の少なくとも一部の改変の例について説明する。
記録媒体100は、シリコン基板101に代えて、石英ガラス基板を備えていてもよい。記録媒体100は、シリコン基板101に代えて、シリコンを材料として含む基板を備えていてもよい。記録媒体100は、シリコン基板101に代えて、耐火性能に優れた材料(例えば、光ディスクや磁気テープ等と比較して良好な耐火性能を有する材料)からなる基板を備えていてもよい。記録媒体100は、シリコン基板101に代えて、耐湿性能に優れた材料(例えば、光ディスクや磁気テープやハードディスクや半導体メモリ等と比較して良好な耐湿性能を有する材料)からなる基板を備えていてもよい。
光源11は、露光光EL1として、波長が193nmであるArFエキシマレーザ光とは異なる任意の光を射出してもよい。例えば、光源11は、波長が248nmであるKrFエキシマレーザ光を射出してもよい。光源11は、所望の波長を有する任意のレーザ光又はその他任意の光を射出してもよい。記録システム1は、光源11に加えて又は代えて、露光光EL1として用いることが可能な電子線ビームを射出する電子線ビーム源を備えていてもよい。記録システム1は、光源11に加えて又は代えて、YAGレーザ若しくは固体レーザ(半導体レーザ等)から出力されるレーザ光の高調波を生成する固体パルスレーザ光源を備えていてもよい。固体パルスレーザ光源は、露光光EL1として用いることが可能な波長が193nm(これ以外の種々の波長、例えば213nm、266nm、355nm等の波長が可能)でパルス幅1ns程度のパルスレーザ光を1〜2MHz程度の周波数で射出可能である。記録システム1は、光源11に加えて又は代えて、露光光EL1として用いることが可能な任意のエネルギビームを射出するビーム源を備えていてもよい。
照明光学系12は、露光光EL2が光変調面14aの一部に照射されるように露光光EL1を調整してもよい。照明光学系12は、光変調面14a上での露光光EL2が照射される照射領域が光変調面14aよりも小さくなるように、露光光EL1を調整してもよい。照明光学系12は、光変調面14a上での露光光EL1が照射される照射領域の形状が光変調面14aの形状と一致しないように、露光光EL1を調整してもよい。また、照明光学系12のビーム強度分布変更部は、露光光EL2のビーム断面内での強度分布を変更して、光変調面14aに達する露光光EL2の照度分布をほぼ均一にしてもよい。このビーム強度分布変更部は、照明光学系12が備えるオプティカルインテグレータの射出側の光路に配置されてもよい。
空間光変調器14は、露光光EL3の位相分布を制御することに加えて又は代えて、露光光EL3の強度分布(つまり、露光光EL3の進行方向に直交する(或いは、交わる)方向に沿った面上における強度分布)を制御してもよい。空間光変調器14は、複数のミラー要素141に代えて、露光光EL2を空間変調することが可能な任意の装置(例えば、液晶パネル等)を備えていてもよい。空間光変調器14は、透過型の空間光変調器であってもよい。
上述の例における空間光変調器14は、それぞれの上下方向(つまり、露光光EL2の進行方向)に沿った位置が可変である複数のミラー要素141を備える位相型(ピストン型)の空間光変調器である。しかしながら、空間光変調器14は、それぞれが傾斜可能な複数のミラー要素を備える傾斜型の空間光変調器であってもよい。また、空間光変調器14は、傾斜型の空間光変調器の傾斜可能な複数のミラー要素の反射面に段差を設けた位相段差傾斜ミラー型の空間光変調器であってもよい。位相段差傾斜ミラー型の空間光変調器は、光変調面に平行な反射面からの反射光の位相と光変調面に対して傾斜している反射面からの反射光の位相との間の位相差を、λ/2(180度(πラジアン))とする空間光変調器である。また、国際公開第2014/104001号パンプレットに開示されている、それぞれの上下方向の位置が可変である複数のミラー要素と、当該複数のミラー要素の間の固定反射面とを備え、ミラーの上下方向の移動によって光強度を空間変調する空間光変調器が用いられてもよい。
(2)記録動作
続いて、図4から図11を参照しながら、本実施形態の記録システム1を用いて行われる記録媒体100に対する記録情報の記録動作について説明する。
続いて、図4から図11を参照しながら、本実施形態の記録システム1を用いて行われる記録媒体100に対する記録情報の記録動作について説明する。
(2−1)記録動作の全体の流れ
はじめに、図4を参照しながら、記録動作の全体の流れについて説明する。図4は、記録動作の全体の流れを示すフローチャートである。
はじめに、図4を参照しながら、記録動作の全体の流れについて説明する。図4は、記録動作の全体の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、記録システム1は、記録媒体100をローディングする(ステップS1)。言い換えれば、ステージ16上に記録媒体100(つまり、レジスト膜102がシリコン基板101上に塗布された記録媒体100)が搭載される。尚、記録システム1は、レジスト膜102が塗布されていないシリコン基板101をローディングしてもよい。この場合、記録システム1は、コータ/デベロッパー20を用いて、ステージ16に搭載されたシリコン基板101にレジスト膜102をコーティングしてもよい。尚、レジスト膜102がシリコン基板101上に塗布された記録媒体100を用いる場合、コータ/デベロッパー20は、露光済みの記録媒体100を現像する現像装置であってもよい。
その後、記録システム1は、記録媒体100(特に、記録媒体100が備えるレジスト膜102)を露光する(ステップS2)。尚、記録システム1が行う露光動作については、後に詳述するが(図8参照)、ここでは、図5(a)から図5(c)及び図6を参照しながら、露光動作の概要について説明する。図5(a)から図5(c)は、夫々、記録媒体100のレジスト膜102の表面上における露光領域ELAの移動経路の一例を示す平面図である。図6は、露光領域ELA内における露光光EL3の強度分布の一例を示す平面図である。
図5(a)から図5(c)に示すように、露光光EL3は、記録媒体100のレジスト膜102の表面に設定される面状の露光領域ELAに照射される。露光光EL3は、露光領域ELAをまとめて同時に露光する。露光領域ELAは、露光光EL3であるパルス光のうちの1回のパルス発光によってまとめて同時に露光される。その結果、露光光EL3は、露光領域ELAと重なるレジスト膜102の表面のうちの少なくとも一部である露光対象面110に照射される。露光光EL3は、露光対象面110をまとめて同時に露光する。露光対象面110は、露光光EL3であるパルス光のうちの1回のパルス発光によってまとめて同時に露光される。ここで、露光対象面110と露光光EL3との位置関係を固定した状態(露光対象面110が静止している状態で露光対象面110に露光光EL3が達する状態)で、露光光EL3であるパルス光のうちの複数回のパルス露光によって露光対象面110が露光されてもよい。
尚、図3(a)を用いて説明したように、空間光変調器14が備える複数のミラー要素141のX軸方向に沿った配列数は、複数のミラー要素141のY軸方向に沿った配列数の数倍から数十倍である。つまり、空間光変調器14の光変調面14aは、X軸方向に沿ったサイズがY軸方向に沿ったサイズよりも大きくなる形状を有する。従って、図5(a)から図5(c)に示すように、露光領域ELAは、X軸方向に沿ったサイズがY軸方向に沿ったサイズよりも大きくなる形状を有する。同様に、露光対象面110は、X軸方向に沿ったサイズがY軸方向に沿ったサイズよりも大きくなる形状を有する。
但し、空間光変調器14の光変調面14aの形状は任意の形状(例えば、円弧や、台形等)であってもよい。この場合、露光領域ELA及び露光対象面110の形状もまた任意の形状であってもよい。露光領域ELA及び露光対象面110の形状が任意の形状である場合であっても、露光領域ELA及び露光対象面110の形状は、光変調面14aの形状と相似の関係にあってもよい。
また、空間光変調器14の光変調面14aの形状と、光変調面14a上で露光光EL2が照射される照射領域の形状は異なっていてもよい。この場合、光変調面14a上での照射領域の形状は、露光領域ELA及び露光対象面110の形状と相似の関係にあってもよい。
ステージ16は、露光領域ELAが記録媒体100の表面(つまり、レジスト膜102の表面)を所望の移動経路を通って相対的に移動していくように移動する。図5(a)から図5(c)中に示す矢印は、露光領域ELAの移動経路の一例を示している。
図5(a)に示す例では、ステージ16は、あるタイミングで露光領域ELAが+Y方向に向かって移動するように、−Y方向に向かって移動する。その後、ステージ16は、露光領域ELAが−X方向に向かって移動するように、+X方向に向かって移動する。その後、ステージ16は、露光領域ELAが−Y方向に向かって移動するように、+Y方向に向かって移動する。その後、ステージ16は、露光領域ELAが−X方向に向かって移動するように、+X方向に向かって移動する。以降、ステージ16は、−Y方向に向かう移動、+X方向に向かう移動、+Y方向に向かう移動及び+X方向に向かう移動を繰り返す。その結果、露光領域ELAは、記録媒体100の表面を図5(a)中の矢印が示す経路を通って相対的に移動する。
図5(b)に示す例では、ステージ16は、あるタイミングで露光領域ELAが−X方向に向かって移動するように、+X方向に向かって移動する。その後、ステージ16は、露光領域ELAが+Y方向に向かって移動するように、−Y方向に向かって移動する。その後、ステージ16は、露光領域ELAが+X方向に向かって移動するように、−X方向に向かって移動する。その後、ステージ16は、露光領域ELAが+Y方向に向かって移動するように、−Y方向に向かって移動する。以降、ステージ16は、+X方向に向かう移動、−Y方向に向かう移動、−X方向に向かう移動及び−Y方向に向かう移動を繰り返す。その結果、露光領域ELAは、記録媒体100の表面を図5(b)中の矢印が示す経路を通って相対的に移動する。
図5(c)に示す例では、ステージ16は、あるタイミングで露光領域ELAが+Y方向に向かって移動するように、−Y方向に向かって移動する。その後、ステージ16は、露光領域ELAが−X方向に向かって移動するように、+X方向に向かって移動する。その後、ステージ16は、露光領域ELAが−Y方向に向かって移動するように、+Y方向に向かって移動する。その後、ステージ16は、露光領域ELAが+X方向に向かって移動するように、−X方向に向かって移動する。以降、ステージ16は、−Y方向に向かう移動、+X方向に向かう移動、+Y方向に向かう移動及び−X方向に向かう移動を繰り返す。その結果、露光領域ELAは、記録媒体100の表面を図5(c)中の矢印が示す経路(いわゆる、スパイラル状の経路)を通って相対的に移動する。
記録媒体100の表面(レジスト膜102の表面)は、複数の露光対象面110に区分可能である。この場合、ステージ16は、露光領域ELAが複数の露光対象面110に順次重なるように移動する。ステージ16は、露光領域ELAが複数の露光対象面110を順次トレースするように移動する。
具体的には、図5(a)に示す例では、ステージ16は、露光領域ELAが露光対象面110−1aに重なるように−Y方向に向かって移動する。露光領域ELAが露光対象面110−1aに重なるタイミングで露光光EL3が露光領域ELA(つまり、露光対象面110−1a)を露光するように、光源11は、露光光EL1を射出する。つまり、光源11は、露光領域ELAが露光対象面110−1aに重なるタイミングと光源11が射出するパルス光のうちの1回のパルス発光のタイミングとが一致するように、露光光EL3を射出する。その後、ステージ16は、Y軸方向に沿って露光対象面110−1aに隣接する露光対象面110−2aに露光領域ELAが重なるように−Y方向に向かって移動する。露光領域ELAが露光対象面110−1aから露光対象面110−2aに向かって移動している間は、光源11は、露光光EL1を射出しない。つまり、露光領域ELAが露光対象面110−1aから露光対象面110−2aに向かって移動している間は、パルス発光が行われることはない。露光領域ELAが露光対象面110−2aに重なるタイミングで露光光EL3が露光領域ELA(つまり、露光対象面110−2a)を露光するように、光源11は、露光光EL1を射出する。以降、Y軸に沿って並ぶ一連の露光対象面110に対しても同様の動作が繰り返される。その後、Y軸に沿って並ぶ一連の露光対象面110に対する露光が終了する(つまり、露光対象面110−3aに対する露光が終了する)と、ステージ16は、露光対象面110−3aにX軸方向に沿って隣接する露光対象面110−4aに露光領域ELAが重なるように−X方向に向かって移動する。以降、露光対象面110−4aを起点として、Y軸に沿って並ぶ一連の露光対象面110に対しても同様の動作が繰り返される。以降は、図5(a)に示す移動経路を通って露光対象面ELAが移動するように、上述した動作が繰り返される。
図5(b)に示す例では、ステージ16は、露光領域ELAが露光対象面110−1bに重なるように+X方向に向かって移動する。露光領域ELAが露光対象面110−1bに重なるタイミングで露光光EL3が露光領域ELA(つまり、露光対象面110−1b)を露光するように、光源11は、露光光EL1を射出する。その後、ステージ16は、X軸方向に沿って露光対象面110−1bに隣接する露光対象面110−2bに露光領域ELAが重なるように+X方向に向かって移動する。露光領域ELAが露光対象面110−1bから露光対象面110−2bに向かって移動している間は、光源11は、露光光EL1を射出しない。露光領域ELAが露光対象面110−2bに重なるタイミングで露光光EL3が露光領域ELA(つまり、露光対象面110−2b)を露光するように、光源11は、露光光EL1を射出する。以降、X軸に沿って並ぶ一連の露光対象面110に対しても同様の動作が繰り返される。その後、X軸に沿って並ぶ一連の露光対象面110に対する露光が終了する(つまり、露光対象面110−3bに対する露光が終了する)と、ステージ16は、露光対象面110−3bにY軸方向に沿って隣接する露光対象面110−4bに露光領域ELAが重なるように−Y方向に向かって移動する。以降、露光対象面110−4bを起点として、X軸に沿って並ぶ一連の露光対象面110に対しても同様の動作が繰り返される。以降は、図5(b)に示す移動経路を通って露光対象面ELAが移動するように、上述した動作が繰り返される。
図5(c)に示す例では、ステージ16は、露光領域ELAが露光対象面110−1cに重なるように−Y方向に向かって移動する。露光領域ELAが露光対象面110−1cに重なるタイミングで露光光EL3が露光領域ELA(つまり、露光対象面110−1c)を露光するように、光源11は、露光光EL1を射出する。その後、ステージ16は、Y軸方向に沿って露光対象面110−1cに隣接する露光対象面110−2cに露光領域ELAが重なるように−Y方向に向かって移動する。露光領域ELAが露光対象面110−1cから露光対象面110−2cに向かって移動している間は、光源11は、露光光EL1を射出しない。露光領域ELAが露光対象面110−2cに重なるタイミングで露光光EL3が露光領域ELA(つまり、露光対象面110−2c)を露光するように、光源11は、露光光EL1を射出する。以降、X軸に沿って並ぶ一連の露光対象面110に対しても同様の動作が繰り返される。その後、X軸に沿って並ぶ一連の露光対象面110に対する露光が終了する(つまり、露光対象面110−3cに対する露光が終了する)と、ステージ16は、露光対象面110−3cよりも−X方向に位置する露光対象面110−4cに露光領域ELAが重なるよう+X方向に向かって移動する。以降、露光対象面110−4cを起点として、X軸に沿って並ぶ一連の露光対象面110に対しても同様の動作が繰り返される。以降は、図5(c)に示す移動経路を通って露光対象面ELAが移動するように、上述した動作が繰り返される。
尚、図5(a)から図5(c)に示す例では、説明の簡略化のために、一の露光対象面110は、隣接する他の露光対象面110と重なることはないものとする。つまり、一の露光対象面110の一部が、隣接する他の露光対象面110の一部と重複することはないものとする。但し、後に変形動作例(図11等参照)として説明するように、一の露光対象面110は、隣接する他の露光対象面110と重なってもよい。
また、上述した図5(a)から図5(c)に示す例では、露光領域ELAが記録媒体100の表面を所望の移動経路を通って相対的に移動している動作中に1回のパルス発光で露光を行ったが、露光を行うタイミングにおいて、露光領域ELAは記録媒体100上で静止していてもよい。この場合、記録装置10は、露光対象面110への露光動作の後に、露光領域ELAを記録媒体100の表面上で移動させる動作を行う。また、このように露光領域ELAと記録媒体とを静止した状態で露光を行う場合、記録装置10は、1回のパルス発光による露光ではなく、複数回のパルス発光による露光を行ってもよい。
さて、空間光変調器14が備える複数のミラー要素141は、1回の露光(つまり、1回のパルス発光)毎に、1回のパルス発光による露光によって記録媒体100に記録される記録情報に基づく状態に遷移する。図5(a)に示す例では、露光対象面110−1aが露光される場合には、複数のミラー要素141は、露光対象面110−1aに対する1回の露光によって記録媒体100に記録されるべき記録情報(つまり、露光対象面110−1aの下部に位置するシリコン基板101に形成されるべき凹凸パターン)に基づく状態に遷移する。その後、露光対象面110−1aに続いて露光対象面110−2aが露光される場合には、複数のミラー要素141は、露光対象面110−2aに対する1回の露光によって記録媒体100に記録されるべき記録情報(つまり、露光対象面110−2aの下部に位置するシリコン基板101に形成されるべき凹凸パターン)に基づく状態に遷移する。以降、複数のミラー要素141は、同様の動作を繰り返す。
記録媒体100に記録するべき記録情報に応じて定まる複数のミラー要素141の状態が変わると、レジスト膜102を露光する露光光EL3の位相分布(つまり、露光光EL3の進行方向に直交する所定面内の位相分布)が変わる。露光光EL3の位相分布が変わると、レジスト膜102の表面上における露光光EL3の強度分布(つまり、露光領域ELA内における露光光EL3の強度分布)が変わる。
ここで、図6(a)は、露光領域ELA内における露光光EL3の強度分布の一例を示している。図6(b)は、空間光変調器14の複数のミラー要素141のうちの一部の状態と露光領域ELA内における微小領域ELA1との対応関係を示している。図6(c)は、空間光変調器14の複数のミラー要素141のうちの一部の状態と露光領域ELA内における微小領域ELA2との対応関係を示している。
図6(a)中の白色で示す各微小領域(言い換えれば、ドット領域)ELA1は、露光光EL3の強度が実質的にゼロでない領域を示している。図6中の白色で示す各微小領域ELA1は、露光光EL3の強度がレジスト膜102を感光させることができる程度に大きい領域を示している。図6(a)中の白色で示す各微小領域ELA1は、図6(b)に示すように、全てが第1状態及び第2状態のいずれか一方である複数のミラー要素141に対応する。つまり、図6(a)中の白色で示す各微小領域ELA1は、全てが第1状態及び第2状態のいずれか一方の複数のミラー要素141によって反射された露光光EL3が照射される領域に相当する。図6(b)に示す例では、各微小領域ELA1は、全てが第1状態である2行2列で配列された互いに隣接する4つのミラー要素141に対応する。つまり、図6(b)に示す例では、各微小領域ELA1は、全てが第1状態である互いに隣接する2行2列で配列された4つのミラー要素141によって反射された露光光EL3が照射される領域に相当する。ここで、微小領域ELA1の大きさは、2行2列で配列された4つのミラー要素141の集合体の大きさに投影光学系15の投影倍率を乗じた大きさとなる。なお、この4つのミラー要素141の集合体は、投影校学系15によって解像される。言い換えると、微小領域ELA1は、4つのミラー要素141の集合体の投影像である。
一方で、図6(a)中の黒色で示す各微小領域ELA2は、露光光EL3の強度が実質的にゼロである領域を示している。図6(a)中の黒色で示す各微小領域ELA2は、露光光EL3の強度がレジスト膜102を感光させることができない程度に小さい領域を示している。図6(a)中の黒色で示す各微小領域ELA2は、図6(c)に示すように、一部が第1状態となり且つ他の一部が第2状態となる複数のミラー要素141に対応する。図6(c)に示す例では、各微小領域ELA2は、Y軸に沿って隣接する2つのミラー要素141が第1状態となり且つY軸に沿って隣接する他の2つのミラー要素141が第2状態となる2行2列で配列された互いに隣接する4つのいミラー要素141に対応する。ここで、微小領域ELA2の大きさは、2行2列で配列された4つのミラー要素141の集合体の大きさに投影光学系15の投影倍率を乗じた大きさとなる。
上述したように、1つのミラー要素141は露光領域ELA上で解像されない。言い換えると、1つのミラー要素141からの0次反射光(正反射光)のみが投影光学系15に入射する一方で当該1つのミラー要素141で回折される回折光が投影光学系15に入射しないため、露光領域ELAでは像が形成されない。図6(c)に示した例では、第1状態の2つのミラー要素141の集合体と第2状態の2つのミラー要素の集合体とがX方向に沿って配列されている。このため、これら4つのミラー要素141の集合体からはXZ面に沿った方向に回折光が発生するものの、これらの回折光は投影光学系15には入射しない。また、第1状態のミラー要素141で反射される光と第2状態のミラー要素141で反射される光との位相差は180度である。このため、第1状態のミラー要素141で反射される光と第2状態のミラー要素141で反射される光とは互いに打ち消し合う。従って、これら4つのミラー要素141の集合体からの0次反射光は発生しない。
記録媒体100に記録するべき記録情報に基づいて複数のミラー要素141の状態が変わることで、図6(a)に示す露光領域ELA内の露光光EL3の強度分布が変わる。
レジスト膜102の表面上における露光光EL3の強度分布が変わると、レジスト膜102の露光パターンが変わる。レジスト膜102の露光パターンが変わると、エッチングにより形成されるシリコン基板101の凹凸パターンが変わる。つまり、空間光変調器14が備える複数のミラー要素141の夫々が記録情報に基づく状態に遷移することで、レジスト膜102は、記録情報に基づく露光パターンで露光される。その結果、後述するように、記録媒体100が備えるシリコン基板101には、記録情報に基づく凹凸パターンが形成される。つまり、記録媒体100には、シリコン基板101に形成される凹凸パターンを用いて記録情報が記録される。
再び図4において、その後、記録システム1が備えるコータ/デベロッパー20は、露光光EL3によって露光された記録媒体100を現像する(ステップS3)。このコータ/デベロッパー20は記録システム1に含まれていなくともよい。つまり、記録システム1又はコータ/デベロッパー20は、露光光EL3によって露光されたレジスト膜102を現像する(ステップS3)。現像の結果、レジスト膜102がポジ型のレジストである場合には、レジスト膜102のうち露光光EL3に感光した部分が除去される。レジスト膜102がネガ型のレジストである場合には、レジスト膜102のうち露光光EL3に感光していない部分が除去される。このため、図7(a)に示すように、露光パターンに基づく(つまり、記録情報に基づく)レジスト膜102のパターンがシリコン基板101上に残存する。
その後、記録システム1が備えるエッチング装置30は、ステップS3で現像された記録媒体100をエッチングする(ステップS4)。このエッチング装置30は記録システム1に含まれていなくてもよい。つまり、記録システム1又はエッチング装置30は、ステップS3の現像の結果残存しているレジスト膜102のパターンをマスクとして利用しながら、シリコン基板101をエッチングする。その結果、図7(b)に示すように、レジスト膜102が上部から除去されたシリコン基板101の一部がエッチングされる一方で、レジスト膜102が上部に残存しているシリコン基板101の他の一部は殆どエッチングされない。
エッチングが終了すると、シリコン基板101には、露光パターンに基づく(つまり、記録情報に基づく)凹凸パターンが形成される。従って、記録媒体100には、シリコン基板101に形成される凹凸パターンを用いて記録情報が記録される。
尚、シリコン基板101に形成された凹凸パターンを保護するために、図7(d)に示すように、エッチングが終了した後に、シリコン基板101上に保護膜103が形成されてもよい。
従って、記録システム1は、照射領域とみなすことができる露光対象面110に、所定方向(X方向:図5(a))における強度分布が記録情報に応じた分布となる露光光EL3を照射し、所定方向と交差する方向(Y方向:図5(a))における露光対象面110と記録媒体100との位置関係を変更することによって、記録媒体100上に記録情報を記録することができる。更に、記録システム1は、照射領域とみなすことができる露光対象面110に、所定方向(X方向:図5(a))における強度分布が記録情報に応じた分布となることに加えて又は代えて所定方向と交差する方向(Y方向:図5(a))における強度分布が記録情報に応じた分布となる露光光EL3を照射し、所定方向と交差する方向(Y方向:図5(a))における露光対象面110と記録媒体100との位置関係を変更することによって、記録媒体100上に記録情報を記録することができる。
また、記録システム1は、露光対象面110という面状に広がる領域をまとめて同時に露光することができる。つまり、記録システム1は、露光光EL1を記録媒体100上の微小領域に集光することで記録媒体100上に微小なビームスポットを形成しなくてもよい。従って、記録システム1は、露光対象面110内において、所定方向と交差する方向(Y方向であり、露光対象面110の移動方向:図5(a))に沿って離散的に分布する複数の微小領域ELA1が同時に形成されるように、露光光EL3を露光対象面110に照射することができる。
参考までに、例えば、既存の光ディスクに記録情報を記録する(或いは、光ディスクのマスタスタンパを製造する)場合には、既存の記録装置は、光ディスク上に微小なビームスポットを形成するようにレーザ光等の光を集光する。この場合、既存の記録装置は、記録媒体100を移動させる(或いは、回転させる)ことで、当該ビームスポットを記録媒体100の移動方向に沿った一筆書きの移動経路を順次移動させる。その結果、ビームスポットの移動に応じて、記録情報が、一筆書きの如き記録トラック(或いは、記録ピット又は記録マーク)として順次記録されていく。このため、既存の記録装置は、記録媒体の移動方向に沿って複数のビームスポットを形成してしまうと、記録媒体の移動方向に沿って先行するビームスポットによって記録された記録情報を記録媒体の移動方向に沿って後行するビームスポットによって記録された記録情報で上書きしてしまうおそれがある。つまり、記録情報が適切に記録されないおそれがある。しかるに、本実施形態の記録システム1は、露光対象面110の移動方向(或いは、記録媒体100の移動方向)に沿って離散的に分布する複数の微小領域ELA1に対して光を同時に照射することができる。このように露光対象面110の移動方向(或いは、記録媒体100の移動方向)に沿って離散的に分布する複数の微小領域ELA1に対して光を同時に照射しても、記録システム1は、ビームスポットを形成することなく面状の露光対象面110をまとめて露光することができるがゆえに、記録情報を適切に記録することができる。
尚、記録システム1は、エッチングが終了したシリコン基板101を洗浄する洗浄装置を備えていてもよい。
(2−2)露光動作の詳細
続いて、図8を参照しながら、図4のステップS2で記録システム1が備える記録装置10が行う露光動作について更に説明する。図8は、図4のステップS2で記録システム1が行う露光動作の流れを示すフローチャートである。
続いて、図8を参照しながら、図4のステップS2で記録システム1が備える記録装置10が行う露光動作について更に説明する。図8は、図4のステップS2で記録システム1が行う露光動作の流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、変調制御部172は、記録媒体100に記録するべき記録情報を取得する(ステップS21)。例えば、変調制御部172は、記録システム100にマウントされた外部記録媒体(例えば、磁気テープや光ディスクや半導体メモリ等)に記録されている記録情報を読み出すことで、記録情報を取得してもよい。例えば、変調制御部172は、記録システム100に対してネットワークを介して接続された外部サーバ等から記録情報をダウンロードすることで、記録情報を取得してもよい。例えば、変調制御部172は、その他の方法を用いて、記録情報を取得してもよい。
その後、変調制御部172は、ステップS21で取得した記録情報を、1次元デジタルデータに変換する(ステップS22)。例えば、変調制御部172は、記録情報と1次元デジタルデータとの関係を規定する所定の関数(或いは、マップや、数式や、その他任意の情報)等を用いて、記録情報を1次元デジタルデータに変換する。
1次元デジタルデータとは、データの配列を規定する次元が1つであるデータを意味する。例えば、記録情報から変換される1次元デジタルデータは、当該1次元デジタルデータが一方向に連なる(言い換えれば、配列される)複数のビットデータから構成される場合の当該ビットデータの配列方向を規定する次元によって規定されるデータの配列であってもよい。
尚、通常は、記録情報そのものもデジタルデータである場合が多い。従って、変調制御部172は、記録情報をデジタルデータとして取得する場合には、取得した記録情報をそのまま1次元デジタルデータとして取り扱ってもよい。或いは、変調制御部172は、記録情報をデジタルデータとして取得する場合には、取得した記録情報の形式のみを1次元デジタルデータに応じた形式に変換してもよい。
その後、変調制御部172は、ステップS22で取得した1次元デジタルデータ(つまり、記録情報を示す1次元デジタルデータ)の配列を変更することで、当該1次元デジタルデータを、2次元デジタルデータであるパターン分布情報18に変換する(ステップS23)。このパターン分布情報18は、1次元デジタルデータが示す記録情報を記録媒体100に記録するために記録媒体100を露光する露光光EL3の位相分布のパターンを示す位相分布情報及び記録媒体100を露光する露光光EL3の露光領域ELA内での強度分布のパターンを示す強度分布情報に対応する。尚、パターン分布情報18は、1次元デジタルデータが示す記録情報を記録媒体100に記録するために複数のミラー要素141が遷移するべき状態を規定する情報である。
2次元デジタルデータとは、当該2次元デジタルデータを構成する複数のデータ(例えば、後述するビットデータ)の配列を規定する次元が2つであるデータを意味する。上述したように、露光光EL3の位相分布は、露光光EL3の進行方向に直交する所定面内の位相分布に相当する。言い換えれば、露光光EL3の位相分布は、空間光変調器14の光変調面14aに平行な面に沿ってマトリクス状に配列される複数のミラー要素141の状態のパターンに相当する。従って、複数のミラー要素141の状態のパターンを示すパターン分布情報18は、所定面内の位置に対応する情報となる。ここで、所定面内の位置は、少なくとも2つの座標(つまり、少なくとも2つの座標軸)を用いて特定することができる。このため、1次元デジタルデータから変換される2次元デジタルデータは、所定面内の位置を特定する2つの座標軸(例えば、図1に示すX軸及びY軸)という2つの次元によって規定されるデータの配列であってもよい。尚、この所定面は、典型的には空間光変調器14の光変調面14aと一致する。
尚、入力部174には、2次元デジタルデータであるパターン分布情報18が入力されてもよい。この場合、変調制御部172は、1次元デジタルデータを、2次元デジタルデータであるパターン分布情報18に変換しなくてもよい。
ここで、図9(a)から図9(c)を参照しながら、1次元デジタルデータを2次元デジタルデータに変換する変換処理の一例について説明する。図9(a)は、1次元デジタルデータの一例を示すデータ配列図である。図9(b)は、記録情報を示す1次元デジタルデータを構成するビットデータと2次元デジタルデータであるパターン分布情報18を構成するビットデータとの関係の一例を示す表である。図9(c)は、2次元デジタルデータであるパターン分布情報18の一例を示すデータ配列図である。
図9(a)に示すように、記録情報を示す(言い換えれば、記録情報を変換することで取得される)1次元デジタルデータは、ビットデータ0とビットデータ1とが記録情報に基づく順序で配列されているデータである。
図9(b)に示すように、本実施形態では、変調制御部172は、1次元デジタルデータを構成する各ビットデータを、複数のミラー要素141のうち互いに隣接するY個のミラー要素141の状態を規定するY(但し、Yは1以上の整数)ビットのパターン分布情報18に変換する。つまり、記録情報の一部を示す1ビットの1次元デジタルデータが、Yビットのパターン分布情報18に対応する。従って、互いに隣接するY個のミラー要素141によって反射された露光光EL3による露光動作は、1ビットの1次元デジタルデータ(つまり、1ビットの1次元デジタルデータが示す記録情報)を記録媒体100に記録するための露光動作に相当する。
空間光変調器14がX個のミラー要素141を備えている場合には、1回のパルス発光による露光動作は、X/Yビットの1次元デジタルデータ(つまり、X/Yビットの1次元デジタルデータが示す記録情報)を記録媒体100に記録する記録動作に相当する。尚、空間光変調器14の光変調面14a上での露光光EL2の照射領域が光変調面14aよりも小さい場合又は空間光変調器14の光変調面14a上での露光光EL2の照射領域が光変調面14aの全体的な領域の内側にある場合には、当該照射領域内に位置するミラー要素141が考慮されればよい。例えば、空間光変調器14の光変調面14a上の照射領域内にX個のミラー要素141が位置する場合には、1回のパルス発光による露光動作は、X/Yビットの1次元デジタルデータ(つまり、X/Yビットの1次元デジタルデータが示す記録情報)を記録媒体100に記録する記録動作に相当する。
図9(b)に示す例では、変調制御部172は、1次元デジタルデータを構成する各ビットデータを、複数のミラー要素141のうち2行2列のマトリクス状に互いに隣接する4個のミラー要素141の状態を規定する4ビットのパターン分布情報18に変換している。つまり、1ビットの1次元デジタルデータが、4ビットのパターン分布情報18に対応する。従って、マトリクス状に互いに隣接する4個のミラー要素141によって反射された露光EL3による露光動作は、1ビットの1次元デジタルデータ(つまり、1ビットの1次元デジタルデータが示す記録情報)を記録媒体100に記録するための露光動作に相当する。
具体的には、図9(b)に示す例では、4個のミラー要素141の中心を原点とする仮想的な座標系において、(i)4個のミラー要素141のうち第1象限に位置するミラー要素141が第1状態にあり、(ii)4個のミラー要素141のうち第2象限に位置するミラー要素141が第1状態にあり、(iii)4個のミラー要素141のうち第3象限に位置するミラー要素141が第2状態にあり、(iv)4個のミラー要素141のうち第4象限に位置するミラー要素141が第2状態にある場合には、当該4個のミラー要素141によって反射された露光光EL3による露光動作は、記録情報を示す1次元デジタルデータを構成するビットデータ0を記録媒体100に記録するための露光動作に相当する。従って、1次元デジタルデータを構成するビットデータ0は、第1象限にビットデータ0が位置し、第2象限にビットデータ0が位置し、第3象限にビットデータ1が位置し、第4象限にビットデータ1が位置する4ビットの2次元デジタルデータであるパターン分布情報18に変換される。
一方で、図9(b)に示す例では、4個のミラー要素141の中心を原点とする仮想的な座標系において、(i)4個のミラー要素141のうち第1象限に位置するミラー要素141が第1状態にあり、(ii)4個のミラー要素141のうち第2象限に位置するミラー要素141が第1状態にあり、(iii)4個のミラー要素141のうち第3象限に位置するミラー要素141が第1状態にあり、(iv)4個のミラー要素141のうち第4象限に位置するミラー要素141が第1状態にある場合には、当該4個のミラー要素141によって反射された露光光EL3による露光動作は、記録情報を示す1次元デジタルデータを構成するビットデータ1を記録媒体100に記録するための露光動作に相当する。従って、1次元デジタルデータを構成するビットデータ1は、第1象限にビットデータ0が位置し、第2象限にビットデータ0が位置し、第3象限にビットデータ0が位置し、第4象限にビットデータ0が位置する4ビットの2次元デジタルデータであるパターン分布情報18に変換される。
空間光変調器141がX個のミラー要素141を備えている場合には、1回のパルス発光による露光動作は、X/4ビットの1次元デジタルデータ(つまり、X/4ビットの1次元デジタルデータが示す記録情報)を記録媒体100に記録するための露光動作に相当する。例えば、空間光変調器141が256,000,000個(=8,000個×32,000個)のミラー要素141を備えている場合には、1回のパルス発光による露光動作は、現像及びエッチングに要する時間を無視すれば、64,000,000(=256,000,000/4)ビット=64メガビットの1次元デジタルデータを記録媒体100に記録するための露光動作に相当する。つまり、1回のパルス発光による露光動作は、64メガビットの1次元デジタルデータに対応するサイズの記録情報を記録媒体100に記録するための露光動作に相当する。
従って、例えば4kHzの周波数でパルス発光するパルス光が露光光EL1として光源11から射出される場合には、現像及びエッチングに要する時間を無視すれば、記録システム1は、1秒間当たり256ギガビット(=64メガビット×4kHz)の1次元デジタルデータを記録媒体100に記録するための露光動作を行うことができる。一例として、例えば1ビットの記録情報が1ビットの1次元デジタルデータに変換される場合には、1回のパルス発光による露光動作は、64メガビットの記録情報を記録媒体100に記録するための露光動作に相当し、記録システム1は、1秒間当たり256ギガビットの記録情報を記録媒体100に記録するための露光動作を行うことができる。
図9(c)に示すように、変調制御部172は、図9(b)に示すルールに従って、1次元デジタルデータを2次元デジタルデータであるパターン分布情報18に変換する。尚、図9(c)は、空間光変調器14の光変調面14a(つまり、複数のミラー要素141が配列される面)のうちの一部のミラー要素141の状態を規定するパターン分布情報18の例を示している。つまり、図9(c)は、記録媒体100の表面(レジスト膜102の表面)の一部である露光対象面110の更に一部を露光する露光光EL3の位相分布及び記録媒体100の表面(レジスト膜102の表面)の一部である露光対象面110の更に一部を露光する露光光EL3の強度分布のパターンを規定するための、ミラー要素141の状態を規定するパターン分布情報18の例を示している。
尚、変調制御部172は、1次元デジタルデータを構成するビットデータ0を、第1象限にビットデータ0が位置し、第2象限にビットデータ1が位置し、第3象限にビットデータ0が位置し、第4象限にビットデータ1が位置する4ビットの2次元デジタルデータであるパターン分布情報18に変換してもよい。変調制御部172は、第1象限にビットデータ1が位置し、第2象限にビットデータ1が位置し、第3象限にビットデータ0が位置し、第4象限にビットデータ0が位置する4ビットの2次元デジタルデータであるパターン分布情報18に変換してもよい。また、変調制御部172は、1次元デジタルデータを構成するビットデータ1を、第1象限にビットデータ1が位置し、第2象限にビットデータ1が位置し、第3象限にビットデータ1が位置し、第4象限にビットデータ1が位置する4ビットの2次元デジタルデータであるパターン分布情報18に変換してもよい。
再び図8において、その後、変調制御部172は、ステップS23で取得したパターン分布情報18(つまり、2次元デジタルデータ)から、1回のパルス発光による露光動作で用いるパターン分布情報ブロック18aを抽出する(ステップS24)。その後、変調制御部172は、ステップS24で抽出したパターン分布情報ブロック18aに基づいて、空間光変調器14が備える複数のミラー要素141の状態を制御する(ステップS25)。複数のミラー要素141の状態がステップS24で抽出したパターン分布情報ブロック18aに基づく状態に遷移した場合には、変調制御部172は、その旨を光源制御部171やステージ制御部173に通知してもよい。
ここで、図10を参照しながら、1回のパルス発光による露光動作で用いるパターン分布情報ブロック18aについて説明する。図10は、パターン分布情報18とパターン分布情報ブロック18aとの関係を示す平面図である。
図10に示すように、パターン分布情報ブロック18aは、パターン分布情報18の一部の情報ブロックである。パターン分布情報ブロック18aは、1回のパルス発光による露光動作で用いる情報ブロックである。パターン分布情報ブロック18aは、所定サイズの情報ブロックである。パターン分布情報ブロック18aは、空間光変調器14が備えるミラー要素141の数(或いは、空間光変調器14の光変調面14a上の照射領域内に位置するミラー要素141の数、以下同じ)と同一のサイズを有する情報ブロックである。例えば、空間光変調器14がX個のミラー要素141を備えている場合には、パターン分布情報ブロック18aはXビットのサイズを有する情報ブロックである。例えば、空間光変調器14の光変調面14a上の照射領域内にX個のミラー要素141が位置する場合には、パターン分布情報ブロック18aはXビットのサイズを有する情報ブロックである。
1回のパルス発光による第1露光動作が行われる場合には、変調制御部172は、1つのパターン分布情報ブロック18a(第1パターン分布情報ブロック18a)を抽出する。特に、変調制御部172は、第1露光動作において露光対象面110を露光する露光光EL3の位相分布及び記録媒体100を露光する露光光EL3の露光領域ELA内での強度分布を規定するための複数のミラー要素141の状態のパターンを示す第1パターン分布情報ブロック18aを抽出する。第1パターン分布情報ブロック18aが、空間光変調器14が備えるミラー要素141の数と同一のサイズを有する情報ブロックであることを考慮すれば、第1パターン分布情報ブロック18aは、複数のミラー要素141の全ての状態を規定する情報ブロックであると言える。従って、複数のミラー要素141は、第1パターン分布情報ブロック18aに基づく状態に遷移することができる。
その後、第1露光動作に続いて1回のパルス発光による第2露光動作が行われる場合には、変調制御部172は、既に抽出した第1パターン分布情報ブロック18aとは異なる他の1つのパターン分布情報ブロック18a(第2パターン分布情報ブロック18a)を抽出する。特に、変調制御部172は、第2露光動作において露光対象面110を露光する露光光EL3の位相分布及び記録媒体100を露光する露光光EL3の露光領域ELA内での強度分布を規定するための複数のミラー要素141の状態のパターンを示す第2パターン分布情報ブロック18aを抽出する。その結果、複数のミラー要素141は、第2パターン分布情報ブロック18aに基づく状態に遷移することができる。以降、同様の動作が繰り返される。
ところで、一つのパターン分布情報ブロック18aが、空間光変調器14が備えるミラー要素141の数と同一のサイズを有する情報ブロックであることを考慮すれば、各パターン分布情報ブロック18a内の各ビットデータと各ミラー要素141との対応付けは固定することができる。つまり、各ミラー要素141は、どのようなパターン分布情報ブロック18が抽出される場合であっても、抽出されるパターン分布情報ブロック18a内の同一位置(つまり、各ミラー要素141に一義的に対応する所定位置)のビットデータに基づく状態に遷移することができる。つまり、パルス発光が行われる度に異なるパターン分布情報ブロック18aが抽出される場合であっても、各ミラー要素141は、各パターン分布情報ブロック18a内における同一位置に位置するビットデータに基づく状態に遷移することができる。
一方で、パターン分布情報18(パターン分布情報ブロック18a)の変換元である記録情報は、通常は所定のデータフォーマットに準じたデータ構造を有している。そうすると、記録情報のデータ構造とパターン分布情報ブロック18aとが所定の関係を有する場合には、パルス発光が行われる度に異なるパターン分布情報ブロック18aが抽出される場合であっても、各ミラー要素141は、記録情報のデータ構造のうち同一位置に位置するビットデータに基づく状態に遷移することができると想定される。そこで、以下では、図11(a)から図11(c)を参照しながら、記録情報のデータ構造(データフォーマット)とパターン分布情報ブロック18aとの関係の一例について説明する。図11(a)は、記録情報のデータ構造の一例を示すデータ構造図である。図11(b)及び図11(c)は、夫々、記録情報のデータフォーマットとパターン分布情報ブロック18aとの関係の一例を示すデータ構造図である。
図11(a)に示すように、記録情報は、複数のデータフレームを含むデータ構造を有している。各データフレームは、夫々が固有の機能又は特徴を有する一又は複数のデータ部を含む。図11(a)に示す例では、各データフレームは、第1データ部と第2データ部とを含んでいる。第1データ部の一例として、記録情報そのものを格納するペイロードが例示される。第2データ部の一例として、ペイロードの先頭に付加されるヘッダが例示される。
図11(b)に示すように、データフレームのサイズは、パターン分布情報ブロック18aが含み得る二次元デジタルデータの変換元となる記録情報のサイズと同一であってもよい。例えば、空間光変調器14がX個のミラー要素141を備えている場合には、パターン分布情報ブロック18aのサイズは、Xビットとなる。また、1ビットの1次元デジタルデータがYビットのパターン分布情報18に対応する場合には、Xビットのパターン分布情報ブロック18aは、X/Yビットの1次元デジタルデータを変換することで得られる2次元デジタルデータを含む。ここで、二次元デジタルデータは、第1方向(例えば図11(b)における横方向)及び第2方向(例えば図11(b)における縦方向)に符号化されたデータであってもよい。また、1ビットの記録情報がZビットの1次元デジタルデータに対応する場合には、X/Yビットの1次元デジタルデータは、(X/Y)/Zビットの記録情報を変換することで得られる1次元デジタルデータを含む。従って、記録情報を構成するデータフレームのサイズもまた、(X/Y)/Zビットとなってもよい。一例として、1ビットの記録情報が1ビットの1次元デジタルデータに対応する場合には、記録情報を構成するデータフレームのサイズは、X/Yとなってもよい。
この場合、記録情報を構成するデータフレームのうちの第1データ部及び第2データ部とパターン分布情報ブロック18bとの対応関係が固定されてもよい。例えば、第1データ部がいずれのデータフレームに含まれている第1データ部であるかに関わらず、第1データ部を変換することで得られる2次元デジタルデータが、パターン分布情報ブロック18a中で固定された第1A位置に位置する2次元デジタルデータとして取り扱われてもよい。例えば、第2データ部がいずれのデータフレームに含まれている第2データ部であるかに関わらず、第2データ部を変換することで得られる2次元デジタルデータが、パターン分布情報ブロック18a中で固定され且つ第1A位置とは異なる第2A位置に位置する2次元デジタルデータとして取り扱われてもよい。
図11(c)に示すように、データフレームのサイズは、パターン分布情報ブロック18aが含み得る二次元デジタルデータの変換元となる記録情報のサイズより小さくてもよい。特に、データフレームのサイズは、パターン分布情報ブロック18aが含み得る二次元デジタルデータの変換元となる記録情報のサイズの1/A(但し、Aは、自然数)倍であってもよい。つまり、データフレームのサイズは、1つのパターン分布情報ブロック18a中にA個のデータフレームに相当する記録情報を変換することで得られる二次元デジタルデータが含まれるようなサイズであってもよい。例えば、空間光変調器14がX個のミラー要素141を備えている場合には、パターン分布情報ブロック18aのサイズは、Xビットとなる。また、1ビットの1次元デジタルデータがYビットのパターン分布情報18に対応する場合には、Xビットのパターン分布情報ブロック18aは、X/Yビットの1次元デジタルデータを変換することで得られる2次元デジタルデータを含む。また、1ビットの記録情報がZビットの1次元デジタルデータに対応する場合には、X/Yビットの1次元デジタルデータは、(X/Y)/Zビットの記録情報を変換することで得られる1次元デジタルデータを含む。従って、記録情報を構成するデータフレームのサイズは、((X/Y)/Z)/Aビットとなってもよい。
この場合、A個のデータフレームの夫々とパターン分布情報ブロック18bとの対応関係が固定されてもよい。例えば、A個のデータフレームのうちの第1データフレームがどのようなデータフレームであるかに関わらず、第1データフレームを変換することで得られる2次元デジタルデータが、パターン分布情報ブロック18a中で固定された第1B位置に位置する2次元デジタルデータとして取り扱われてもよい。例えば、A個のデータフレームのうちの第1データフレームとは異なる第2データフレームがどのようなデータフレームであるかに関わらず、第2データフレームを変換することで得られる2次元デジタルデータが、パターン分布情報ブロック18a中で固定され且つ第1B位置とは異なる第2B位置に位置する2次元デジタルデータとして取り扱われてもよい。
再び図8において、変調制御部172が動作している(つまり、ステップS21からステップS25に示す動作を行っている)間には、ステージ制御部173は、露光領域ELAが記録媒体100の表面(つまり、レジスト膜102の表面)を所望の移動経路を通って相対的に移動していくように、ステージ駆動系161を制御している。この際、ステージ制御部173は、レーザ干渉計162の計測結果に基づいて、ステージ16が所定位置に位置しているか否かを判定する(ステップS26)。ここでは、ステージ16が所定位置に位置している状態は、今からまさに行おうとしている1回のパルス発光による露光動作で露光される露光対象面110に露光領域ELAが重なっている(つまり、一致している)状態を意味するものとする。ステージ16が所定位置に位置することになった場合には、ステージ制御部173は、その旨を光源制御部171や変調制御部172に通知してもよい。
光源制御部171は、複数のミラー要素141の状態がステップS24で抽出したパターン分布情報ブロック18aに基づく状態に遷移し且つステージ10が所定位置に位置しているタイミングで光源11が1回のパルス発光を行うように、光源11を制御する(ステップS27)。その結果、ステップS24で抽出したパターン分布情報ブロック18aに基づく強度分布(位相分布)を有する露光光EL3が、今回のパルス発光による露光動作で露光されるべき露光対象面110を露光する。
以上のステップS24からステップS27の動作が、記録動作を終了すると判定されるまで繰り返し行われる。つまり、以上のステップS24からステップS27の動作が、ステップS21で取得した全ての記録情報に基づく露光動作が完了するまで繰り返し行われる。
記録動作を終了しない(露光動作が完了していない)場合には、変調制御部172は、次に行うべき1回のパルス発光による露光動作で用いる新たなパターン分布情報ブロック18aを抽出する(ステップS24)。変調制御部172は、ステップS24で抽出した新たなパターン分布情報ブロック18aに基づいて、空間光変調器14が備える複数のミラー要素141の状態を制御する(ステップS25)。光源制御部171は、複数のミラー要素141の状態がステップS24で抽出した新たなパターン分布情報ブロック18aに基づく状態に遷移し且つステージ10が所定位置に位置している(つまり、露光領域ELAが次に行うべき1回のパルス発光による露光動作で露光される新たな露光対象面110に重なる)タイミングで光源11が1回のパルス発光を行うように、光源11を制御する(ステップS27)。その結果、記録媒体100の表面に設定可能な複数の露光対象面110が順次露光される。
以上説明したように、本実施形態の記録システム1は、記録媒体100に記録する記録情報に基づく露光パターンで記録媒体100のレジスト膜102を露光することができる。その結果、記録媒体100のシリコン基板101には、記録媒体100に記録する記録情報に基づく凹凸パターンが形成される。その結果、記録媒体100には、凹凸パターンを用いて記録情報が記録される。このように、記録システム1は、記録媒体100に記録情報を記録する記録動作の少なくとも一部を行うことができる。つまり、記録システム1は、実質的には、記録媒体100に記録情報を記録することができる。
記録情報は、シリコン基板101に形成される凹凸パターンとして、記録媒体100に記録される。シリコン基板101は、磁気テープや光ディスク等と比較して、耐火性や耐湿性に優れている。従って、記録媒体100は、シリコン基板101の凹凸パターンとして記録された記録情報を100年以上(或いは、数百年ないしは1000年以上)に渡って保存し続けることができる。
記録情報は、シリコン基板101に形成されるマスクROM(Read Only Memory)等の集積回路を用いることなく、シリコン基板101に直接的に形成される凹凸パターンとして、記録媒体100に記録される。ここで、記録情報がシリコン基板101に形成される集積回路を用いて記録媒体100に記録される場合には、シリコン基板101上には、集積回路を構成するトランジスタ等の回路素子や、回路素子を電気的に接続する回路配線等が形成される。しかしながら、シリコン基板101上には、回路配線や回路素子が形成されない領域(言い換えれば、スペース)が存在する。このため、記録情報が集積回路を用いて記録媒体100に記録される場合には、回路配線や回路素子が形成されない領域が存在することに起因して、シリコン基板101上の利用効率(典型的には、単位面積当たりの記録可能なデータのビットサイズ)が悪化する可能性がある。しかるに、本実施形態では、シリコン基板101上の全面(或いは、シリコン基板101のうちの記録情報を記録するべき領域として割り当てられている領域の全体)に渡って、記録情報を示す凹凸パターンが形成可能である。従って、記録情報が集積回路を用いて記録媒体100に記録される場合と比較して、シリコン基板101上の利用効率(典型的には、単位面積当たりの記録可能なデータのビットサイズ)が向上し得る。
記録システム1は、1回のパルス発光で露光対象面110をまとめて同時に露光する。記録システム1は、露光対象面110という面状に広がる領域をまとめて同時に露光する。従って、記録システム1が行う露光動作を含む一連の記録動作は、相対的に早い記録速度で記録情報を記録媒体100に記録する記録動作となり得る。例えば、上述したように空間光変調器141が256,000,000個のミラー要素141を備え、1ビットの記録情報が4ビットのパターン分布情報18(つまり、4個のミラー要素141)に対応し、4kHzの周波数でパルス発光するパルス光が露光光EL1として光源11から射出される場合には、現像及びエッチングに要する時間を無視すれば、記録システム1は、1秒間当たり256ギガビット(=(256メガビット/4)×4kHz)の記録情報を記録媒体100に記録するための露光動作を行うことができる。
尚、参考までに、DVDやBlu−ray Disc(登録商標)等の光ディスクに対しては、1つの点状のビームスポットが記録面に形成されることで、記録情報に相当する線状の記録マークが形成される。しかしながら、記録面上に形成されるビームスポットが面状ではなく点状であるがゆえに、せいぜい1秒間当たり数百メガビットの記録情報が記録されるに過ぎない。従って、本実施形態の記録システム1は、記録媒体100に対して大容量の記録情報を相対的に効率的に(つまり、高速に)記録することができる。
このように、本実施形態の記録システム1は、記録された記録情報を100年以上の長期に亘って保存する記録媒体100に対しても、大容量の記録情報を高速に記録できる利点を奏する。このため、例えば、記録システム1は、アクセス頻度の少ないデータを記録するコールドストレージ装置への適用が可能である。
記録システム1は、記録媒体100に記録する記録情報を、2次元デジタルデータであるパターン分布情報18に変換する。従って、記録システム1は、2次元デジタルデータであるパターン分布情報18を用いて、露光対象面110という面状に広がる領域をまとめて同時に露光することができる。
パターン分布情報18は、夫々のデータサイズ(ビット数)が空間光変調器14が備えるミラー要素141の数と同一になり得る複数のパターン分布情報ブロック18aに分割可能である。従って、記録システム1は、パルス発光を行う都度新たなパターン分布情報ブロック18aを抽出することで、露光対象面110という面状に広がる領域をまとめて同時に露光する露光動作を、複数の露光対象面110に対して順次行うことができる。
記録情報は、パターン分布情報ブロック18aと所定の関係を有するデータ構造を有することが可能である。従って、各パターン分布情報ブロック18a内の各ビットデータと各ミラー要素141との対応付けが固定可能である。つまり、パルス発光が行われる度に異なるパターン分布情報ブロック18aが抽出される場合であっても、各ミラー要素141は、記録情報のデータ構造のうち同一位置に位置するビットデータに基づく状態に遷移することができる。
各パターン分布情報ブロック18a内の各ビットデータと各ミラー要素141との対応付けが固定されると、以下のような技術的効果が得られる。例えば、記録情報を構成する複数のデータフレームの夫々の所定位置の情報が、複数のデータフレームの間で同一になることがある。例えば、記録情報を構成する複数のデータフレームの夫々のヘッダ部分の一部の情報が、複数のデータフレームの間で同一になることがある。この場合、複数のデータフレームの間で同一になる情報に相当するビットデータに対応するミラー要素141は、その状態を殆ど遷移させなくてもよくなる。従って、ミラー要素141(或いは、空間光変調器14)の消費電力等が低減され得る。更には、ミラー要素141の頻繁な状態遷移に起因するヒンジ部144の劣化もまた抑制される。
記録情報を構成する基本情報単位であるデータフレームのサイズは、パターン分布情報ブロック18aが含み得る二次元デジタルデータの変換元となる記録情報のサイズと同一であってもよいことは上述したとおりである。この場合、あるデータフレームを変換することで取得される2次元デジタルデータを、同一のパターン分布情報ブロック18aに含めることができる。つまり、あるデータフレームを変換することで取得される2次元デジタルデータが、複数のパターン分布情報ブロック18に分散して含まれることは殆どない。また、1つのパターン分布情報ブロック18aに基づく1回のパルス発光による露光動作は、1つのデータフレームを記録媒体100に記録するための露光動作に相当する。
記録情報を構成する基本情報単位であるデータフレームのサイズは、パターン分布情報ブロック18aが含み得る二次元デジタルデータの変換元となる記録情報のサイズの1/A(但し、Aは、自然数)倍であってもよいことは上述したとおりである。この場合においても、あるデータフレームを変換することで取得される2次元デジタルデータを、同一のパターン分布情報ブロック18aに含めることができる。つまり、あるデータフレームを変換することで取得される2次元デジタルデータが、複数のパターン分布情報ブロック18に分散して含まれることは殆どない。また、1つのパターン分布情報ブロック18aに基づく1回のパルス発光による露光動作は、A個のデータフレームを記録媒体100に記録するための露光動作に相当する。
尚、図8を用いて説明した記録システム1による露光動作の流れは一例である。従って、記録システム1による露光動作の少なくとも一部が適宜改変されてもよい。以下、記録システム1による露光動作の少なくとも一部の改変の例について説明する。
変調制御部172は、記録媒体100に記録するべき記録情報をまとめて取得することに加えて又は代えて、1回の(或いは、所定回の)パルス発光による露光動作で記録媒体100に記録するべき記録情報を順次取得してもよい。この場合、変調制御部172は、記録情報を取得する都度、取得した記録情報を1次元デジタルデータに変換し且つ1次元デジタルデータを2次元デジタルデータに変換してもよい。つまり、位相変調部172は、記録情報を取得する都度、取得した記録情報を1次元デジタルデータに変換し、且つ、当該1次元デジタルデータを位相情報ブロック18aに変換してもよい。その結果、変調制御部172が取得した記録情報を一時的に格納しておくバッファメモリのサイズが相対的に小さい場合であっても、変調制御部172は、記録情報を1次元デジタルデータに変換することができる。変調制御部172が取得した1次元デジタルデータを一時的に格納しておくバッファメモリのサイズが相対的に小さい場合であっても、変調制御部172は、記録情報を1次元デジタルデータに変換し且つ1次元デジタルデータを2次元デジタルデータに変換することができる。変調制御部172が取得したパターン分布情報18を一時的に格納しておくバッファメモリのサイズが相対的に小さい場合であっても、変調制御部172は、1次元デジタルデータを2次元デジタルデータに変換することができる。
データフレームのサイズは、パターン分布情報ブロック18aが含み得る二次元デジタルデータの変換元となる1次元デジタルデータのサイズより大きくてもよい。特に、データフレームのサイズは、パターン分布情報ブロック18aが含み得る二次元デジタルデータの変換元となる1次元デジタルデータのサイズのB(但し、Bは、自然数)倍であってもよい。つまり、データフレームのサイズは、B個のパターン分布情報ブロック18a中に1つのデータフレームに相当する記録情報(1次元デジタルデータ)を変換することで得られる二次元デジタルデータが含まれるようなサイズであってもよい。
空間光変調器14として、それぞれが傾斜可能な複数の平面ミラー要素を備える傾斜型の空間光変調器が用いられる場合には、1つのミラー要素の反射面からの光が記録媒体100上における1つの微小領域(図6(a)参照)に対応する。この場合、変調制御部172は、1次元デジタルデータを構成する各ビットデータの並べ替えを行って、複数のミラー要素141の状態を規定するパターン分布情報を取得すればよい。また、位相段差傾斜ミラー型の空間光変調器を用いる場合には、変調制御部172は、上述の位相型の空間光変調器14を用いる場合と同様の制御を行えばよい。
(3)露光動作の変形例
続いて、図12から図15を参照しながら、記録システム1が行う露光動作の変形例について説明する。
続いて、図12から図15を参照しながら、記録システム1が行う露光動作の変形例について説明する。
(3−1)第1変形例
はじめに、図12(a)から図12(e)を参照しながら、記録システム1が行う露光動作の第1変形例について説明する。図12(a)は、第1変形例で用いられる露光対象面110を示す平面図である。図12(b)は、第1変形例で用いられる露光対象面110を示す平面図である。図12(c)及び図12(d)は、夫々、第1変形例で用いられる露光対象面110と露光領域ELAとの位置関係を示す平面図である。図12(e)は、第1変形例で用いられる露光対象面110(露光領域ELA)内における露光光EL3の強度分布を示す平面図である。
はじめに、図12(a)から図12(e)を参照しながら、記録システム1が行う露光動作の第1変形例について説明する。図12(a)は、第1変形例で用いられる露光対象面110を示す平面図である。図12(b)は、第1変形例で用いられる露光対象面110を示す平面図である。図12(c)及び図12(d)は、夫々、第1変形例で用いられる露光対象面110と露光領域ELAとの位置関係を示す平面図である。図12(e)は、第1変形例で用いられる露光対象面110(露光領域ELA)内における露光光EL3の強度分布を示す平面図である。
図12(a)に示すように、第1変形例では、露光対象面110の一部は、他の露光対象面110の一部と重なる。露光対象面110の一部は、露光領域ELAの相対的な移動方向に沿って隣接する又は近接する他の露光対象面110の一部と重なることができる。露光対象面110は、他の露光対象面110と重複する重複する重複面110aを含む。
例えば、図12(b)に示す例では、第1の露光対象面110−1の一部は、第1の露光対象面110−1と露光領域ELAの相対的な移動方向であるY軸方向に沿って隣接する第2の露光対象面110−2の一部と重なる。第1の露光対象面110−1の一部は、第1の露光対象面110−1が露光された後に露光される第2の露光対象面110−2の一部と重なる。尚、図12(b)に示す例では、第1の露光対象面110−1の一部は、第2の露光対象面110−2とY軸方向に沿って隣接する第3の露光対象面110−3の一部とも重なっている。また、図12(b)に示す例では、第1の露光対象面110−1の一部は、第3の露光対象面110−3とY軸方向に沿って隣接する第4の露光対象面110−4の一部とも重なっている。
図12(b)に示す例では、第2の露光対象面110−2の一部は、第2の露光対象面110−2とY軸方向に沿って隣接する第3の露光対象面110−3の一部と重なっている。第2の露光対象面110−2の一部は、第2の露光対象面110−2が露光された後に露光される第3の露光対象面110−3の一部と重なっている。尚、図12(b)に示す例では、第2の露光対象面110−2の一部は、第3の露光対象面110−3とY軸方向に沿って隣接する第4の露光対象面110−4の一部とも重なっている。
図12(a)に示す例では、第3の露光対象面110−3の一部は、第3の露光対象面110−3とY軸方向に沿って隣接する第4の露光対象面110−4の一部と重なっている。第3の露光対象面110−3の一部は、第3の露光対象面110−3が露光された後に露光される第4の露光対象面110−4の一部と重なっている。
この場合、図12(c)に示すように、ステージ16は、露光領域ELAが第1の露光対象面110−1に重なるように移動する。また、空間光変調器14が備える複数のミラー要素141は、第1の露光対象面110−1の露光動作で用いるパターン分布情報ブロック18aに基づく状態に遷移する。露光領域ELAが第1の露光対象面110−1に重なるタイミングで露光光EL3が露光領域ELA(つまり、第1の露光対象面110−1)を露光するように、光源11は、露光光EL1を射出する。
その後、図12(d)に示すように、ステージ16は、露光領域ELAが第2の露光対象面110−2に重なるように移動する。この場合、第2の露光対象面110−2の一部は、既に露光された第1の露光対象面110−1の一部と重複している。尚、図12(d)では、第2の露光対象面110−2と第1の露光対象面110−1との重複部分110a−12は、ハッチングされた領域に相当する。
また、空間光変調器14が備える複数のミラー要素141は、第2の露光対象面110−2の露光動作で用いるパターン分布情報ブロック18aに基づく状態に遷移する。ここで、第2の露光対象面110−2の一部が第1の露光対象面110−1の一部と重複しているがゆえに、第2の露光対象面110−2の露光動作で用いるパターン分布情報ブロック18aの一部は、第1の露光対象面110−1の露光動作で既に用いたパターン分布情報ブロック18aの一部と同一である。従って、変調制御部172は、第2の露光対象面110−2の露光動作で用いるパターン分布情報ブロック18aのうち第1の露光対象面110−1の露光動作で既に用いたパターン分布情報ブロック18aと重複していない情報を新たに抽出する。その結果、空間光変調器14が備える複数のミラー要素141は、第2の露光対象面110−2の露光動作で用いるパターン分布情報ブロック18aに基づく状態に遷移する。
露光領域ELAが第2の露光対象面110−2に重なるタイミングで露光光EL3が露光領域ELA(つまり、第2の露光対象面110−2)を露光するように、光源11は、露光光EL1を射出する。ここで、第2の露光対象面110−2の一部が第1の露光対象面110−1の一部と重複しているがゆえに、図12(e)に示すように、第2の露光対象面110−2のうちの重複部分110a−12内における露光光EL3の強度分布は、第1の露光対象面110−1のうちの重複部分110a−12内における露光光EL3の強度分布と同一となる。
以降、記録システム1は、同様の動作を、露光対象面110−3及び110−4に対しても行う。
以上説明したように、記録システム1が第1変形例の露光動作を行う場合であっても、記録システム1は、上述した各種効果を享受することができる。更に、露光対象面110の一部が他の露光対象面110の一部と重なるがゆえに、特に重複部分110aがより好適に又は確実に露光される。従って、露光ミスによって記録情報が記録媒体100に記録されないという事態が発生しにくくなる。このため、第1変形例の露光動作を含む記録動作によって記録される記録情報の記録品質が向上する。その結果、記録媒体100に記録された記録情報を再生する(つまり、読み出す)際の再生エラー(読み出しエラー)の低減が図られる。
ここで、露光対象面110への露光動作は、露光対象面110と露光領域ELAとの位置関係を固定した状態(露光対象面110が静止している状態で露光対象面に露光光EL3が達する)で露光を行ってもよく、露光対象面110と露光領域ELAとを移動させつつ露光を行ってもよい。露光対象面110と露光領域ELAとを移動させつつ露光を行う場合の露光対象面110上でのパターンのブレは、パルス発光幅を短くすることによって許容値以内にすることができる。上述した実施形態及び他の変形例においても同様である。
尚、図12(a)から図12(e)に示す例では、一の露光対象面110の一部は、当該一の露光対象面110−1と露光領域ELAの相対的な移動方向(図12に示す例では、Y軸方向)に沿って隣接する他の露光対象面110の一部と重なっている。つまり、図12(a)から図12(e)は、図5(a)に示す露光対象面110−1aの一部と露光対象面110−2aの一部とが重なる例を示している。しかしながら、一の露光対象面110の一部は、当該一の露光対象面110−1と露光領域ELAの相対的な移動方向に交わる方向に沿って隣接する他の露光対象面110の一部と重なっていてもよい。例えば、図5(a)に示す露光対象面110−3aの一部と露光対象面110−4aの一部とが重なっていてもよい。
(3−2)第2変形例
続いて、図13(a)から図13(b)を参照しながら、記録システム1が行う露光動作の第2変形例について説明する。図13(a)から図13(b)は、第2変形例で用いられる露光対象面110を示す平面図である。
続いて、図13(a)から図13(b)を参照しながら、記録システム1が行う露光動作の第2変形例について説明する。図13(a)から図13(b)は、第2変形例で用いられる露光対象面110を示す平面図である。
図13(a)及び図13(b)に示すように、第2変形例では、第1変形例と同様に、露光対象面110の一部は、他の露光対象面110の一部と重なる。第2変形例では更に、記録システム1は、重複部分110aの大きさを適宜調整する。記録システム1は、露光動作又は記録動作に関連する何らかの情報に基づいて、重複部分110aの大きさを適宜調整してもよい。
例えば、記録システム1は、記録情報の記録に際して要求される記録特性に基づいて、重複部分110aの大きさを適宜調整してもよい。記録特性の一例として、記録媒体100に対する記録情報の記録速度の向上を優先する(言い換えれば、重視する)記録速度優先特性が例示される。記録特性の他の一例として、記録媒体100に記録された記録情報を再生する際の再生エラーの低減を優先する(言い換えれば、重視する)記録品質優先特性が例示される。尚、記録速度優先特性は、記録情報を再生する際の再生エラーの低減よりも記録情報の記録速度の向上を優先する記録特性であってもよい。記録品質優先特性は、記録情報の記録速度の向上よりも記録情報を再生する際の再生エラーの低減を優先する記録特性であってもよい。
図13(a)は、記録品質優先特性が要求されている場合に用いられる重複部分110aの一例を示す。一方で、図13(b)は、記録速度優先特性が要求されている場合に用いられる重複部分110aの一例を示す。
図13(a)及び図13(b)に示すように、記録品質優先特性が要求されている場合には、記録システム1は、記録速度優先特性が要求されている場合と比較して、重複部分110aのサイズが大きくなるように、重複部分110aの大きさを適宜調整してもよい。記録速度優先特性が要求されている場合には、記録システム1は、記録品質優先特性が要求されている場合と比較して、重複部分110aのサイズが小さくなるように、重複部分110aの大きさを適宜調整してもよい。
以上説明したように、記録システム1が第2変形例の露光動作を行う場合であっても、記録システム1は、上述した各種効果を享受することができる。
更に、第2変形例では、記録システム1が重複部分110aのサイズを適宜調整するがゆえに、以下に説明する技術的効果が得られる。まず、重複部分110aのサイズが小さくなるほど、レジスト膜102を露光する一連の露光動作に要する時間が短くなる。その結果、重複部分110aのサイズが小さくなるほど、記録情報の記録速度が向上する。一方で、重複部分110aのサイズが大きくなるほど、重複部分110aがより好適に又は確実に露光されやすくなる。その結果、第1変形例で説明したように、露光動作を含む記録動作によって記録される記録情報の記録品質がより一層向上する。従って、記録システム1は、重複部分110aのサイズを適宜調整することで、記録情報の記録速度の向上を図ったり、記録情報の記録品質の向上を図ったりすることができる。
(3−3)第3変形例
続いて、図14(a)から図14(c)を参照しながら、記録システム1が行う露光動作の第3変形例について説明する。図14(a)から図14(c)は、第3変形例で用いられる露光対象面110を示す平面図である。
続いて、図14(a)から図14(c)を参照しながら、記録システム1が行う露光動作の第3変形例について説明する。図14(a)から図14(c)は、第3変形例で用いられる露光対象面110を示す平面図である。
図14(a)から図14(c)に示すように、第3変形例では、第1変形例と同様に、露光対象面110の一部は、他の露光対象面110の一部と重なる。第3変形例では更に、記録システム1は、重複部分110aの大きさを適宜調整することに加えて又は代えて、露光対象面110の一部が他の露光対象面110の一部と重なるか否かを適宜決定してもよい。記録システム110aは、露光対象面110の一部が他の露光対象面110の一部と重なるように露光動作を行うか又は露光対象面110の一部が他の露光対象面110の一部と重ならないように露光動作を行うかを適宜選択してもよい。
記録システム1は、露光動作又は記録動作に関連する何らかの情報に基づいて、露光対象面110の一部が他の露光対象面110の一部と重なるか否かを適宜決定してもよい。
例えば、記録システム1は、記録情報の記録に際して要求される記録特性に基づいて、露光対象面110の一部が他の露光対象面110の一部と重なるか否かを適宜決定してもよい。記録特性の一例として、上述した記録速度優先特性及び記録品質優先特性が例示される。記録特性の他の一例として、記録媒体100に対する記録情報の記録速度の向上及び記録媒体100に記録された記録情報を再生する際の再生エラーの低減を両立する(例えば、どちらも同じ程度に重視する)バランス特性が例示される。記録速度優先特性は、バランス特性が要求されている場合と比較して記録情報の記録速度の向上をより優先する記録特性であってもよい。記録品質優先特性は、バランス特性が要求されている場合と比較して記録情報を再生する際の再生エラーの低減をより優先する記録特性であってもよい。
図14(a)は、記録品質優先特性が要求されている場合に用いられる重複部分110aの一例を示す。図14(b)は、バランス特性が要求されている場合に用いられる重複部分110aの一例を示す。図14(c)は、記録速度優先特性が要求されている場合に用いられる重複部分110aの一例を示す。
図14(a)から図14(c)に示すように、記録品質優先特性又はバランス特性が要求されている場合には、記録システム1は、露光対象面110の一部が他の露光対象面110の一部と重なるように露光動作を行うことを選択してもよい。一方で、記録速度優先特性が要求されている場合には、記録システム1は、露光対象面110の一部が他の露光対象面110の一部と重ならないように露光動作を行うことを選択してもよい。
図14(a)から図14(c)に示すように、記録品質優先特性が要求されている場合には、記録システム1は、バランス特性及び記録速度優先特性が要求されている場合と比較して、重複部分110aのサイズが大きくなるように、重複部分110aの大きさを適宜調整してもよい。バランス特性が要求されている場合には、記録システム1は、記録品質優先特性が要求されている場合と比較して、重複部分110aのサイズが小さくなるように、重複部分110aの大きさを適宜調整してもよい。バランス特性が要求されている場合には、記録システム1は、記録速度優先特性が要求されている場合と比較して、重複部分110aのサイズが大きくなるように、重複部分110aの大きさを適宜調整してもよい。記録速度優先特性が要求されている場合には、記録システム1は、記録品質優先特性及びバランス特性が要求されている場合と比較して、重複部分110aのサイズが小さくなるように、重複部分110aの大きさを適宜調整してもよい。
以上説明したように、記録システム1が第3変形例の露光動作を行う場合であっても、記録システム1は、上述した各種効果を享受することができる。
更に、第2変形例では、露光対象面110の一部が他の露光対象面110の一部と重なるか否かを記録システム1が適宜決定するがゆえに、以下に説明する技術的効果が得られる。まず、露光対象面110の一部が他の露光対象面110の一部と重ならない場合には、レジスト膜102を露光する一連の露光動作に要する時間が相対的に短くなる。その結果、記録情報の記録速度が向上する。一方で、露光対象面110の一部が他の露光対象面110の一部と重なる場合には、重複部分110aがより好適に又は確実に露光されやすくなる。その結果、第1変形例で説明したように、露光動作を含む記録動作によって記録される記録情報の記録品質がより一層向上する。従って、記録システム1は、露光対象面110の一部が他の露光対象面110の一部と重なるか否かを適宜決定することで、記録情報の記録速度の向上を図ったり、記録情報の記録品質の向上を図ったりすることができる。
尚、記録システム1は、重複部分110aのサイズを調整しなくてもよい。
(3−4)第4変形例
続いて、図15を参照しながら、記録システム1が行う露光動作の第4変形例について説明する。図15は、記録システム1が第4変形例の露光動作を行う際の露光パターンを示す平面図である。
続いて、図15を参照しながら、記録システム1が行う露光動作の第4変形例について説明する。図15は、記録システム1が第4変形例の露光動作を行う際の露光パターンを示す平面図である。
第4変形例では、記録システム1は、記録情報を記録するための露光動作を行うことに加えて、記録情報に付随して記録媒体100に記録されるべき付加情報を記録するための露光動作を行う。
付加情報は、記録情報を記録媒体100に記録する際の記録方式を示す記録方式情報を含んでいてもよい。記録方式情報は、記録情報から1次元デジタルデータへの変換方式を示す情報を含んでいてもよい。記録方式情報は、1次元デジタルデータから2次元デジタルデータへの変換方式を示す情報を含んでいてもよい。記録方式情報は、記録システム1の仕様を示す情報を含んでいてもよい。記録方式情報は、記録システム1が行う露光動作を含む記録動作に関する任意の情報を含んでいてもよい。
付加情報は、記録媒体100に記録された記録情報を再生する(つまり、読み出す)際の再生方式を示す再生方式情報を含んでいてもよい。再生方式情報は、シリコン基板101に形成された凹凸パターンの意味(或いは、規則ないしは仕様)を示す情報を含んでいてもよい。再生方式情報は、シリコン基板101に形成された凹凸パターンを検出する方法を示す情報を含んでいてもよい。再生方式情報は、凹凸パターンから2次元デジタルデータへの変換方式を示す情報を含んでいてもよい。再生方式情報は、2次元デジタルデータから1次元デジタルデータへの変換方式を示す情報を含んでいてもよい。再生方式情報は、1次元デジタルデータから記録情報への変換方式を示す情報を含んでいてもよい。再生方式情報は、記録媒体100に記録された記録情報を再生する再生装置の仕様を示す情報を含んでいてもよい。再生方式情報は、記録媒体100に記録された記録情報を再生するための再生動作に関する任意の情報を含んでいてもよい。
付加情報は、記録情報と同様の記録方法で記録されてもよい。この場合、変調制御部172は、付加情報を1次元デジタルデータに変換する。その後、変調制御部172は、1次元デジタルデータを2次元デジタルデータであるパターン分布情報18に変換する。その後、変調制御部172は、パターン分布情報18に基づいて空間光変調器14を制御する。その結果、付加情報に基づく位相分布を有する露光光EL3が記録媒体100を露光する。その結果、付加情報に基づく凹凸パターンがシリコン基板101に形成される。
付加情報は、付加情報の内容をユーザがそのまま理解することができる文字等(例えば、文字や、数字や、記号や、図形等)のパターンを描く凹凸パターンがシリコン基板101に形成されることで、記録媒体100に記録されてもよい。この場合、変調制御部172は、付加情報を、付加情報の内容を示す文字等のパターンを示す2次元デジタルデータであるパターン分布情報18に変換する。その後、変調制御部172は、パターン分布情報18に基づいて空間光変調器14を制御する。その結果、付加情報に基づく位相分布を有する露光光EL3が記録媒体100を露光する。この場合、記録媒体100を露光する露光パターンは、図15に示すように、付加情報の内容を示す文字等のパターンそのものとなる。
以上説明したように、記録システム1が第4変形例の露光動作を行う場合であっても、記録システム1は、上述した各種効果を享受することができる。
更には、第4変形例では、記録方式情報が記録媒体100に記録可能である。従って、記録媒体100に記録された記録情報を記録動作が行われてから数十年以上経過した後に再生する場合であっても、ユーザは、どのような記録方式を用いて記録情報が記録されたかが認識可能である。記録された記録情報を100年以上(或いは、数百年ないしは1000年以上)に渡って記録媒体100が保存し続ける場合であっても、ユーザは、どのような記録方式を用いて記録情報が記録されたかが認識可能である。
更には、第4変形例では、再生方式情報が記録媒体100に記録可能である。従って、記録媒体100に記録された記録情報を記録動作が行われてから数十年以上経過した後に再生する場合であっても、ユーザは、どのような再生方式を用いて記録情報を再生すればよいかが認識可能である。つまり、記録された記録情報を100年以上(或いは、数百年ないしは1000年以上)に渡って記録媒体100が保存し続ける場合であっても、ユーザは、どのような再生方式を用いて記録情報を再生すればよいかが認識可能である。
更には、第4変形例では、付加情報が、付加情報の内容をユーザがそのまま理解することができる文字等のパターンを描く凹凸パターンとして記録可能である。従って、仮に記録媒体を再生する再生装置が存在しない場合であっても、ユーザは、必要に応じて顕微鏡等を用いて光学的に付加情報の内容を認識することができる。つまり、記録された記録情報を100年以上(或いは、数百年ないしは1000年以上)に渡って記録媒体100が保存し続ける場合であっても、ユーザは、必要に応じて顕微鏡等を用いて光学的に付加情報の内容を認識することができる。
尚、図1から図14を用いて説明した露光装置1及び2の構成及び動作は一例である。従って、露光装置1及び2の構成及び動作の少なくとも一部が適宜改変されてもよい。以下、露光装置1及び2の構成及び動作の少なくとも一部の改変の例について説明する。
上述の説明では、記録システム1は、露光光EL3の光路に液体が介在することなく記録媒体100(レジスト膜102)を露光している。しかしながら、記録システム1は、露光光EL3の光路に液体が介在させた上で記録媒体100(レジスト膜102)を露光してもよい。記録システム1は、露光光EL3の光路を含む液浸空間を投影光学系15と記録媒体100との間に形成すると共に、投影光学系15及び液浸空間を介して記録媒体100を露光してもよい。
記録システム1は、複数のステージ16を備えるツインステージ型又はマルチステージ型の記録装置であってもよい。
投影光学系15は、等倍系又は拡大系であってもよい。投影光学系15は、屈折光学素子を含まない一方で反射光学素子を含む反射系であってもよい。投影光学系15は、屈折光学素子及び反射光学素子の双方を含む屈折反射系であってもよい。投影光学系15が投影する像は、倒立像であってもよいし、正立像であってもよい。
露光光EL1は、例えば、水銀ランプから射出される輝線(例えば、g線、h線若しくはi線等)であってもよい。露光光EL1は、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光:Deep Ultra Violet光)であってもよい。露光光EL1は、F2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光:Vacuum Ultra Violet光)であってもよい。露光光EL1は、例えば、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(或いは、エルビウムとイットリウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅すると共に非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換することで得られる高調波であってもよい。
露光光EL1として、波長が100nm以上の光に限らず、波長が100nm未満の光が用いられてもよい。例えば、露光光EL1は、軟X線領域(例えば、5から15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultra Violet)光であってもよい。露光光EL1に代えて、電子線又はイオンビーム等の荷電粒子線が、露光用パターンを露光するために用いられてもよい。
上述の記録システム1は、現像されたレジスト膜102のパターンをマスクとしてシリコン基板101をエッチングすることにより、記録情報に基づく凹凸パターンを形成している。しかしながら、記録システム1は、現像されたレジスト膜102のパターンをマスクとしてシリコン基板101上に何らかの材料を堆積させて、記録情報に基づく凹凸パターンを形成してもよい。この場合、記録システム1は、エッチング装置30に加えて又は代えて、加工装置としての堆積装置を備えていてもよい。尚、現像されたレジスト膜102のパターンをマスクとしてシリコン基板101の表面をメッキしてもよい。この場合には、記録システム1は、エッチング装置30に加えて又は代えて、加工装置としてのメッキ装置を備えていてもよい。
上述の記録システム1は、シリコン基板101上に形成されたレジスト膜102を露光している。しかしながら、記録システム1は、シリコン基板101を直接露光してもよい。この場合、記録システム1は、露光光EL3によって熱加工又はアブレーション加工等の非熱加工をシリコン基板101の表面に施すことになる。
上述の記録システム1は、上述の各種構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度及び光学的精度を保つように組み合わせることで製造されてもよい。機械的精度を保つために、組み合わせの前後において、機械的精度を達成するための調整処理が各種機械系に行われてもよい。電気的精度を保つために、組み合わせの前後において、電気的精度を達成するための調整処理が各種電気系に行われてもよい。光学的精度を保つために、組み立ての前後において、光学的精度を達成するための調整処理が各種光学系に行われてもよい。各種サブシステムを組み合わせる工程は、各種サブシステムの間の機械的接続を行う工程を含んでいてもよい。各種サブシステムを組み合わせる工程は、各種サブシステムの間の電気回路の配線接続を行う工程を含んでいてもよい。各種サブシステムを組み合わせる工程は、各種サブシステムの間の気圧回路の配管接続を行う工程を含んでいてもよい。尚、各種サブシステムを組み合わせる工程の前に、各種サブシステムの夫々を組み立てる工程が行われる。各種サブシステムを組み合わせる工程が終了した後には、総合調整が行われることで記録システム1の全体としての各種精度が確保される。尚、記録システム1の製造は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行われてもよい。
上述の各実施形態の構成要件の少なくとも一部は、上述の各実施形態の構成要件の少なくとも他の一部と適宜組み合わせることができる。上述の各実施形態の構成要件のうちの一部が用いられなくてもよい。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う記録装置、記録方法及び記録媒体もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1 記録装置
11 光源
12 照明光学系
13 ミラー
14 空間光変調器
14a 光変調面
141 ミラー要素
142 支持基板
143 ヒンジ部
15 投影光学系
16 ステージ
17 コントローラ
171 光源制御部
172 変調制御部
173 ステージ制御部
18 パターン分布情報
100 記録媒体
101 シリコン基板
102 レジスト膜
110 露光対象面
EL1、EL2、EL3 露光光
ELA 露光領域
11 光源
12 照明光学系
13 ミラー
14 空間光変調器
14a 光変調面
141 ミラー要素
142 支持基板
143 ヒンジ部
15 投影光学系
16 ステージ
17 コントローラ
171 光源制御部
172 変調制御部
173 ステージ制御部
18 パターン分布情報
100 記録媒体
101 シリコン基板
102 レジスト膜
110 露光対象面
EL1、EL2、EL3 露光光
ELA 露光領域
Claims (32)
- 感光剤が塗布されている記録媒体に記録情報を記録する記録装置であって、
前記記録媒体が搭載される搭載部と、
前記記録情報が入力される入力部と、
前記入力部からの前記記録情報を用いて光源からの光ビームを二次元的に変調する空間光変調器を備え、前記空間光変調器で変調された光ビームを前記記録媒体上の照射領域に照射するビーム照射装置と、
前記記録媒体の表面上の所定方向における前記照射領域と前記記録媒体との位置関係を変更するために、前記搭載部と前記ビーム照射装置との少なくとも一方を制御する制御装置と
を備え、
前記記録情報は、第1方向及び第2方向に符号化された二次元デジタルデータである記録装置。 - 前記空間光変調器による前記光ビームの変調と、前記制御装置による前記照射領域と前記記録媒体との位置関係の変更とは、互いに同期して行われる
請求項1に記載の記録装置。 - 前記制御装置は、前記記録媒体上の第1照射領域に第1の変調がなされた前記光ビームを照射し、且つ前記記録媒体上の第2照射領域に第2の変調がなされた前記光ビームを照射するように、前記搭載部と前記ビーム照射装置との少なくとも一方を制御する
請求項1又は2に記載の記録装置。 - 前記第1照射領域と前記第2照射領域との少なくとも一部は互いに重複している
請求項3に記載の記録装置。 - 前記制御装置は、前記第1及び第2照射領域の重複の度合いを変更するように、前記搭載部と前記ビーム照射装置との少なくとも一方を制御する
請求項4に記載の記録装置。 - 前記制御装置は、前記記録情報の記録に際して要求される記録特性に基づいて、前記搭載部と前記ビーム照射装置との少なくとも一方を制御して、前記第1照射領域と前記第2照射領域との重複部分の大きさを変化させる
請求項4又は5に記載の記録装置。 - 前記記録特性は、互いに異なる複数の記録特性を含む
請求項6に記載の記録装置。 - 前記制御装置は、前記複数の記録特性のうち第1の記録特性が要求されている場合には、前記複数の記録特性のうち前記第1の記録特性とは異なる第2の記録特性が要求されている場合と比較して、前記重複部分の大きさが小さくなるように、前記搭載部と前記ビーム照射装置との少なくとも一方を制御する
請求項7に記載の記録装置。 - 前記制御装置は、前記複数の記録特性のうち第1の記録特性が要求されている場合には、前記第1照射領域と前記第2照射領域とが重複しない一方で、前記複数の記録特性のうち前記第1の記録特性とは異なる第2の記録特性が要求されている場合には、前記第1照射領域と前記第2照射領域とが重複するように、前記搭載部と前記ビーム照射装置との少なくとも一方を制御する
請求項7に記載の記録装置。 - 前記第1の記録特性は、前記記録媒体に対する前記記録情報の記録速度の向上を優先する記録速度優先特性を含み、
前記第2の記録特性は、前記記録媒体に記録された前記記録情報の再生エラーの低減を優先する記録品質優先特性を含む
請求項8又は9に記載の記録装置。 - 前記制御装置は、前記複数の記録特性のうち第3の記録特性が要求されている場合には、前記複数の記録特性のうち前記第3の記録特性とは異なる第4の記録特性が要求されている場合と比較して、前記重複部分の大きさが小さくなり、且つ、前記複数の記録特性のうち、前記第3の特性及び前記第4の特性と異なる第5の記録特性が要求されている場合には、前記第1照射領域と前記第2照射領域とが重複しないように、前記搭載部と前記ビーム照射装置との少なくとも一方を制御する
請求項7に記載の記録装置。 - 前記第3の記録特性は、前記記録媒体に対する前記記録情報の記録速度の向上及び前記記録媒体に記録された前記記録情報の再生エラーの低減の双方を両立するバランス特性を含み、
前記第4の記録特性は、前記バランス特性が要求されている場合と比較して、前記記録媒体に記録された前記記録情報の再生エラーの低減を優先する記録品質優先特性を含み、
前記第5の記録特性は、前記バランス特性が要求されている場合と比較して、前記記録媒体に対する前記記録情報の記録速度の向上を優先する記録速度優先特性を含む
請求項11に記載の記録装置。 - 前記入力部からの前記記録情報を、前記第1方向及び前記第2方向のそれぞれに符号化するデータ生成器を備え、
前記空間光変調器は、前記データ生成器からの前記二次元デジタルデータを用いて、前記光ビームを二次元的に変調する
請求項1から12のいずれか一項に記載の記録装置。 - 前記データ生成器は、前記記録情報を一次元デジタルデータに変換した後、前記一次元デジタルデータの配列を変更して前記二次元デジタルデータを生成する
請求項13に記載の記録装置。 - 前記データ生成器は、一次元デジタルデータである前記記録情報を受け取り、前記一次元デジタルデータの配列を変更して前記二次元デジタルデータを生成する
請求項13に記載の記録装置。 - 前記第1方向及び前記第2方向に符号化された前記二次元デジタルデータが前記入力部に入力される
請求項1から12のいずれか一項に記載の記録装置。 - 前記2次元デジタルデータは、複数のブロックに分割されている
請求項1から16のいずれか一項に記載の記録装置。 - 前記ビーム照射装置は、前記複数のブロック毎の前記2次元デジタルデータに基づいて、前記光ビームを変調する
請求項17に記載の露光装置。 - 前記ビーム照射装置は、前記記録情報を前記記録媒体に記録するための記録方式を示す記録方式情報及び前記記録媒体に記録された前記記録情報を再生するための再生方式を示す再生方式情報のうちの少なくとも一方を示す付加情報を用いて、前記光ビームを変調して、前記変調された光ビームを前記記録媒体に照射する
請求項1から18のいずれか一項に記載の記録装置。 - 前記付加情報に基づいて前記変調された前記光ビームの露光パターンは、前記記録方式情報及び前記再生方式情報のうちの少なくとも一方をユーザが認識可能な文字配列として示すパターンを含む請求項19に記載の記録装置。
- 前記記録媒体は、前記感光剤が塗布されており且つシリコンを含む基板を備える請求項1から20のいずれか一項に記載の記録装置。
- 前記空間光変調器は、X(但し、Xは1以上の整数)個の光学素子を備えており、
前記記録情報を示すビットデータのうちの1ビットが、Y(但し、Yは、Y<Xを満たす整数)個の光学素子の動作状態によって示され、
前記記録情報は、X/Yビット又はX/Yビットの整数倍若しくはX/Yビットの整数分の1倍に相当するサイズのビットデータが単位情報ブロックとなるデータフォーマット構造を有する請求項1から21のいずれか一項に記載の記録装置。 - 前記空間光変調器を制御する調整器を備え、
前記空間光変調器は、複数の光学素子を備えており、
前記複数の光学素子のうちの第1の光学素子を前記記録情報のデータフォーマット構造によって規定される第1情報に基づいて動作させると共に、前記複数の光学素子のうちの前記第1の光学素子とは異なる第2の光学素子を前記記録情報のデータフォーマット構造によって規定される第2情報に基づいて動作させる
請求項1から22のいずれか一項に記載の記録装置。 - 前記光源は、前記光ビームとして、ビーム強度がパルス状に変化するパルスビームを射出し、
前記調整器は、前記空間光変調器を調整し、前記光源から射出される前記パルスビームの射出タイミングに同期して前記光ビームを前記記録情報に基づいて順次変調させる請求項23に記載の記録装置。 - 前記制御装置は、前記記録媒体上の第1照射領域に第1の変調がなされた前記光ビームを照射し、且つ前記記録媒体上の第2照射領域に第2の変調がなされた前記光ビームを照射するように、前記搭載部と前記ビーム照射装置との少なくとも一方を制御し、
前記調整器は、前記空間光変調器を調整し、前記第1照射領域と前記第2照射領域とが重複する重複部分を露光する際に、前記第1照射領域を露光する前記光ビームのうち前記重複部分を露光するビーム部分と、前記第2照射を領域露光する前記光ビームのうち前記重複部分を露光するビーム部分とを同様に変調する
請求項23又は24に記載の記録装置。 - 前記空間光変調器による前記光ビームの変調は、前記光ビームの強度分布変調及び位相分布変調の少なくとも一方を含む
請求項1から25のいずれか一項に記載の記録装置。 - 請求項1から26のいずれか一項に記載の記録装置と、
前記記録装置によって前記光ビームが照射された前記記録媒体の前記感光剤を現像して、前記記録情報に応じた形状のマスク層を前記記録媒体の表面に形成する現像装置と、
前記マスク層を介して前記記録媒体の表面を加工する加工装置と
を備える記録システム。 - 前記記録媒体に前記感光剤を塗布する塗布装置を備える
請求項27に記載の記録システム。 - 感光剤が塗布されている記録媒体に記録情報を記録する記録方法であって、
前記記録情報が入力されることと、
前記入力された前記記録情報を用いて光源からの光ビームを二次元的に変調することと、
前記変調された光ビームを前記記録媒体上の照射領域に照射することと、
前記記録媒体の表面上の所定方向における前記照射領域と前記記録媒体との位置関係を変更することと、
を含み、
前記記録情報は、第1方向及び第2方向に符号化された二次元デジタルデータである記録方法。 - 前記変調された光ビームを用いて照射された前記記録媒体を現像して、前記感光剤の少なくとも一部を除去することと、
前記少なくとも一部が除去された前記感光剤を介して前記記録媒体の表面を加工することと
を含む
請求項29に記載の記録方法。 - 第1方向及び第2方向に符号化された二次元デジタルデータである記録情報を用いて光源からの光ビームを二次元的に変調し、前記変調された光ビームを前記記録媒体上の照射領域に照射し、前記記録媒体の表面上の所定方向における前記照射領域と前記記録媒体との位置関係を変更し、前記変調された光ビームを用いて照射された前記記録媒体を現像して、前記感光剤の少なくとも一部を除去し、前記少なくとも一部が除去された前記感光剤を介して前記記録媒体の表面を加工することで形成された凹凸パターンが形成されている記録媒体。
- 請求項1から26のいずれか一項に記載の記録装置によって記録情報が記録された記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015230658A JP2017097939A (ja) | 2015-11-26 | 2015-11-26 | 記録装置及び記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015230658A JP2017097939A (ja) | 2015-11-26 | 2015-11-26 | 記録装置及び記録方法 |
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JP2017097939A true JP2017097939A (ja) | 2017-06-01 |
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ID=58817990
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JP2015230658A Pending JP2017097939A (ja) | 2015-11-26 | 2015-11-26 | 記録装置及び記録方法 |
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JP (1) | JP2017097939A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116482927A (zh) * | 2023-04-26 | 2023-07-25 | 江苏镭创高科光电科技有限公司 | 一种胶片运动曝光装置与方法 |
-
2015
- 2015-11-26 JP JP2015230658A patent/JP2017097939A/ja active Pending
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CN116482927A (zh) * | 2023-04-26 | 2023-07-25 | 江苏镭创高科光电科技有限公司 | 一种胶片运动曝光装置与方法 |
CN116482927B (zh) * | 2023-04-26 | 2024-02-20 | 江苏镭创高科光电科技有限公司 | 一种胶片运动曝光装置与方法 |
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