JP2017097114A - 反射材およびその製造方法、光学部材、ディスプレイならびに画像表示装置 - Google Patents

反射材およびその製造方法、光学部材、ディスプレイならびに画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な反射材およびその製造方法、ならびに、手書入力システムに用いることができる光学部材、ディスプレイおよび画像表示装置を提供する。【解決手段】コレステリック液晶相を固定した層を含む凹凸円偏光反射層1および平坦円偏光反射層2を含み、凹凸円偏光反射層1は凹凸面と平坦面とを有し、凹凸円偏光反射層1の平坦面側に平坦円偏光反射層2を含み、平坦円偏光反射層2は両面が平坦面である反射材、および、反射材を含む光学部材、光学部材を含むディスプレイおよび画像表示装置である。また、凹凸円偏光反射層1の作製工程として重合性液晶化合物を含む液晶組成物層に20mJ/cm2以下の紫外線照射を行うこと、および紫外線照射後の液晶組成物層に凹凸面を有する基材の凹凸面を貼合して凹凸面を形成することを含む反射材の製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、反射材およびその製造方法に関する。また、本発明は、上記反射材を含む光学部材、上記光学部材を含むディスプレイ、および上記ディスプレイを含む画像表示装置に関する。
画像表示装置のディスプレイに文字または図形等の情報を手書き入力してデジタル化し情報処理装置に入力するシステムの必要性は近年高まっている。上記システムとして、光学ペンと手書き入力シートとを使用する形態では、手書き入力シートとして、情報が光学的パターンとして書き込まれた層と反射材とを有するものを用いることができる。ここで、反射材は、光学ペンから照射された光を上記光学的パターンとして記載された情報を反映させた光として光学ペンに内蔵されている撮像素子に戻すために用いられる。例えば、特許文献1には、一面側からの赤外線を反射すると共に、可視光を透過する特性を有する赤外線反射層が、座標情報および/またはコード情報が繰り返し定義されたパターン状のドットが配置されたドットパターン層とともに設けられた情報入力補助シートについての記載がある。
特開2014−098943号公報
本発明の課題は、新規な反射材およびその製造方法を提供することである。本発明は、特に上記システムに用いることができる反射材を提供することを課題とする。本発明は、また、上述の手書き入力シートとして用いることができる新規な光学部材を提供することを課題とする。本発明はさらに、光学ペンによる読み取りの感度の高いディスプレイおよび画像表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、従来から反射部材として用いることができることが知られているコレステリック液晶相を固定した層を用いて上記課題を解決することを試みた。その過程で、特に光学ペンを傾けて使用する際に感度が低下する問題に直面した。コレステリック液晶相を固定した層は法線方向で所望の波長における最大の反射性を示す特性を有するため、上記の問題は、使用している赤外光の波長においてコレステリック液晶相を固定した層の斜め方向の再帰反射性が低いことに由来すると考えられた。本発明者らは、検討の結果、上記問題の解決に至り、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の[1]〜[16]を提供するものである。
[1]凹凸円偏光反射層および平坦円偏光反射層を含み、
上記凹凸円偏光反射層および上記平坦円偏光反射層はいずれもコレステリック液晶相を固定した層を含み、
上記凹凸円偏光反射層は一方の面が凹凸面であり、他方の面が平坦面であり、
上記凹凸円偏光反射層の上記平坦面側に上記平坦円偏光反射層を含み、
上記平坦円偏光反射層は両面が平坦面である反射材。
[2]凹凸平坦化層を含み、
上記凹凸平坦化層、上記凹凸円偏光反射層および上記平坦円偏光反射層がこの順であり、
上記凹凸平坦化層が上記凹凸円偏光反射層に直接接している[1]に記載の反射材。
[3]上記凹凸平坦化層がマイクロレンズフィルムである[2]に記載の反射材。
[4]上記凹凸平坦化層がプリズムフィルムまたはレンチキュラーシートである[2]に記載の反射材。
[5]上記凹凸円偏光反射層と上記平坦円偏光反射層との間に支持体を含む[1]〜[4]のいずれか一項に記載の反射材。
[6]支持体を含み、上記凹凸円偏光反射層、上記平坦円偏光反射層、および上記支持体がこの順である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の反射材。
[7]上記支持体の厚みが2μm以上20μm以下である[6]に記載の反射材。
[8]上記凹凸円偏光反射層および上記平坦円偏光反射層がいずれも右円偏光を選択反射するコレステリック液晶相を固定した層および左円偏光を選択反射するコレステリック液晶相を固定した層からなる[1]〜[7]のいずれか一項に記載の反射材。
[9]赤外線波長域の光を反射する[1]〜[8]のいずれか一項に記載の反射材。
[10]ヘイズ値が50%以下である[1]〜[9]のいずれか一項に記載の反射材。
[11][1]〜[10]のいずれか一項に記載の反射材と情報提示層とを含む光学部材であって、
上記情報提示層は、上記反射材が反射する光を吸収または反射する材料のパターンを有する光学部材。
[12]上記パターンがドットパターンである[11]に記載の光学部材。
[13]上記パターンが印刷により施されたものである[11]または[12]に記載の光学部材。
[14][11]〜[13]のいずれか一項に記載の光学部材を有するディスプレイ。
[15][14]に記載のディスプレイを有する画像表示装置。
[16][1]〜[10]のいずれか一項に記載の反射材の製造方法であって、
上記凹凸円偏光反射層の作製工程として
重合性液晶化合物を含む液晶組成物層に20mJ/cm2以下の紫外線照射を行うこと、および
上記紫外線照射後の上記液晶組成物層に凹凸面を有する基材の凹凸面を貼合して、上記層に凹凸面を形成することを含む製造方法。
本発明により、新規な反射材およびその製造方法が提供される。本発明は、特に画像表示装置のディスプレイに文字または図形等の情報を手書き入力してデジタル化して情報処理装置に入力するシステムに用いることができる再帰反射性の高い反射材を提供する。本反射材を含む光学部材は上述のシステムにおいて、手書き入力シートとして用いることができる。上記光学部材を利用して、光学ペンによる読み取りの感度の高いディスプレイおよび画像表示装置を提供することができる。
本発明の反射材の断面の例を模式的に示す図である。 凹凸円偏光反射層の断面形状の例を模式的に示す図である。 凹凸円偏光反射層の凹凸面および凹凸面を有する基材の形状の例を模式的に示す図である。 実施例で行った再帰反射信号強度の測定方法を説明する図である。 ディスプレイ前方に配置された本発明の光学部材の例を模式的に示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、例えば、「45度」、「平行」、「垂直」あるいは「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5度未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4度未満であることが好ましく、3度未満であることがより好ましい。なお、本明細書において、面と面、線と面、または線と線がなす角度は鋭角(90度以下の角度)で表される。
本明細書において、各数値、数値範囲、および定性的な表現(例えば、「同一」、「一定」、「全面」の表現)については、本技術分野で一般的に許容される誤差を含む数値、数値範囲および性質を示していると解釈されるものとする。例えば、波長について「同一」というときは、差異が5nm以内であることをいう。
円偏光反射層の膜厚(層内の片面の点から他方の面までの距離)について、一定というときは、差異が0.5μm未満であることをいう。
本明細書において、層の「面」とは、層の主表面(おもて面、裏面)をいう。
本明細書において、凹凸面について、互いに相補的というときは、互いに凹凸面の全面で直接接触できる関係であることをいう。第1層の凹凸面の凹凸を埋めるように、第2層を形成すると、第1層の凹凸面に相補的な凹凸面を有する第2層が得られる。また、得られた第2層の凹凸面に対し第1層の凹凸面は相補的である。
本明細書における、膜厚、層内の片面の点から他方の面までの距離、傾斜面1間の距離、傾斜面の角度についての値は、レーザー顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)などの顕微鏡で得られる画像において測定できる値である。
本明細書において、「方位」とは、反射材の法線を中心とする反射材の面内の方向を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶による選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射しかつ左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射しかつ右円偏光を透過する。
可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380nm〜780nmの波長域の光を示す。赤外線(赤外光)は可視光線より長く電波より短い波長域電磁波である。赤外線のうち、近赤外光とは780nm〜2500nmの波長域の電磁波である。
本明細書において、「ヘイズ値」は、日本電色工業株式会社製のヘイズメーターNDH−2000を用いて測定される値を意味する。
理論上は、ヘイズ値は、以下式で表される値を意味する。
(380〜780nmの非偏光(自然光)の散乱透過率)/(380〜780nmの非偏光の散乱透過率+380〜780nmの非偏光の平行光線透過率)×100%
散乱透過率は分光光度計と積分球ユニットを用いて、得られる全方位透過率から平行光線透過率を差し引いて算出することができる値である。平行光線透過率は、積分球ユニットを用いて測定した値に基づく場合、0度での透過率である。
本明細書において、単に「反射光」または「透過光」というときは、散乱光および回折光を含む意味で用いられる。
なお、光の各波長の偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計またはスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がIR、左円偏光板を通して測定した光の強度がILに相当する。また、白熱電球、水銀灯、蛍光灯、LED等の通常光源は、ほぼ非偏光を発しているが、これらに装着されたフィルムの偏光を作り出す特性は、例えば、AXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanなどを用いて測定することができる。
また、照度計や光スペクトルメータに、円偏光透過板を取り付けても測定することができる。右円偏光透過板をつけ、右円偏光量を測定、左円偏光透過板をつけ、左円偏光量を測定することにより、比率を測定できる。
本明細書において「透明」であるとは、可視光の波長域において、40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上の光透過率を有していることをいう。光透過率は、JIS−K7105に記載された方法で求めた光線透過率とする。
<反射材>
本発明の反射材は、円偏光反射層として、凹凸円偏光反射層および平坦円偏光反射層を含む。本発明の反射材はフィルム状、シート状、または板状であればよい。本発明の反射材の例の断面を模式的に図1に示す。本発明の反射材は、凹凸円偏光反射層1および平坦円偏光反射層2のほか、凹凸平坦化層3、支持体4を含むことも好ましい。凹凸円偏光反射層および平坦円偏光反射層はそれぞれ、図1(a)、(b)に示すように1層構成であってもよく図1(c)、(d)に示すように2層以上からなっていてもよい。
図1に示すように支持体を含む反射材においては、凹凸円偏光反射層、平坦円偏光反射層、および支持体がこの順であるか、または凹凸円偏光反射層、支持体、および平坦円偏光反射層がこの順であればよい。凹凸平坦化層を含む反射材においては、凹凸平坦化層と凹凸円偏光反射層とが隣接していればよく、凹凸円偏光反射層の凹凸面が凹凸平坦化層と直接接しているか、または直接接着されていればよい。
[反射材の光学的性質]
本発明の反射材は、赤外線波長域の光を反射することができる。本発明の反射材が反射する赤外線の波長は特に限定されないが、反射材の透過率スペクトルを確認したときに、780〜2000nmの範囲、好ましくは800〜1500nmの範囲に中心波長を有する反射波長帯域が確認できることが好ましい。上記反射波長は、反射材の用途に応じ、選択されていることも好ましい。例えば、組み合わせて用いられる光学ペンなどの光源の波長や撮像素子のセンサーが感知する赤外線の波長に従って選択されていることが好ましい。反射波長帯域の半値幅は50〜500nm、好ましくは100〜300nmであることが好ましい。
本発明の反射材は、反射材の法線から角度をなす方向からの光の入射に対しても、再帰反射性が高い入射面を少なくとも1つ有する。再帰反射は入射した光が入射方向に反射される反射を意味する。高い再帰反射性を有することにより、反射材の法線から角度をなす斜めから光を入射し、同じ方向から反射光を検知する場合であっても、高い感度を得ることができる。例えば、本発明の反射材は、上記入射面において、本発明の反射材の特定の面側から、反射材の法線から45度の角度をなす光が入射するとき、再帰反射光量が最も大きい波長において、標準拡散板(ラブスフィア社製)の再帰反射光量の15%以上の再帰反射光量を有する。上記の再帰反射は、特に凹凸円偏光反射層の凹凸面側から光を入射させたときに得ることができる。
本発明の反射材のヘイズ値は50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。
本発明の反射材は、可視光領域において、透明であることが好ましい。
[凹凸円偏光反射層]
凹凸円偏光反射層は一方の面は平坦面であり、他方の面は凹凸面である形状を有する。平坦面は1μm角の平均粗さ(Ra値)として100nm未満、好ましくは50nm未満の平面である。本明細書において、反射材、または反射材中の各層の面内方向というときは、凹凸円偏光反射層の平坦面の面内方向と平行な方向となる。
本発明の反射材が支持体を含む場合、凹凸円偏光反射層の支持体側の面が平坦面となっていればよい。また、本発明の反射材が凹凸平坦化層を含む場合、凹凸円偏光反射層の凹凸平坦化層側の面が凹凸面となっていればよい。
凹凸面は、凹凸円偏光反射層の面内方向の1つ(面内方向1)において傾斜の向きが互いに反対である傾斜面1および傾斜面2を交互に有することが好ましい。面内方向1は下記の性質を満たす限り、いずれの方向でもよい。本明細書において、傾斜面1および傾斜面2は互いに傾斜の向きが反対であることを示すために用いられており、本明細書において単に「傾斜面」というときは、傾斜面1および傾斜面2のいずれも意味することとする。
傾斜面1は、1μm以上500μm以下の間隔で繰り返し存在していることが好ましい。すなわち、面内方向1において500μmで区切った範囲には全て、少なくとも1つの傾斜面1と少なくとも1つの傾斜面2とが存在していることが好ましい。このような構成により、面内方向1を含む入射面で斜めに入射する光に対し、ムラのない再帰反射性を示すことができる。上記の繰り返しは、凹凸面において隣接する高さの極大値を示す位置間の距離として求めることができる。この距離は上記面内方向1において一定であってもよくランダムに変化していてもよい。
なお、上記の距離は、面内方向1での反射材の断面図の顕微鏡画像で用いて求めるものとする。
傾斜面1と平坦面とがなす角度の最大値は10度以上60度以下であり、傾斜面2と平坦面とがなす角度の最大値は10度以上60度以下であることが好ましい。上記角度はそれぞれ、20度以上50度以下であることがより好ましい。10度以上の傾斜面を有することにより、凹凸円偏光反射層は反射材の法線方向から角度をなす方向から光が入射したときも高い再帰反射性を示すことができる。上記傾斜面は上記のように、面内方向1で、上記傾斜の向きが交互に反対となるように現れる。そのため、互いに直線方向にある少なくとも2方位で、凹凸円偏光反射層は反射材の法線方向から角度をなす方向から光が入射したときも高い再帰反射性を示すことができる。また、60度以下の傾斜面であることにより、傾斜に垂直に螺旋軸方向を有するコレステリック構造が得られやすい。
なお、凹凸面が曲面からなる場合、曲面の接平面(断面図における曲線の接線)を傾斜面とする。すなわち、いずれかの接平面と平坦面とがなす角度の最大値10度以上60度以下であればよい。
傾斜面1と平坦面とがなす角度の最大値と、傾斜面2と平坦面とがなす角度の最大値とは、同一であっても異なっていてもよい。また、傾斜面1と平坦面とがなす角度の最大値と、傾斜面2と平坦面とがなす角度の最大値とはそれぞれ、上記面内方向1において一定であってもよくランダムに変化していてもよい。
これらの角度は、面内方向1での反射材の断面図の顕微鏡画像で用いて平坦面に対応する線と傾斜との角度を測定して求めるものとする。
凹凸円偏光反射層は、すなわち、直線と傾斜を交互に有する線とに挟まれた断面を、少なくとも面内の一つの方向(面内方向1)で有する。凹凸円偏光反射層のこの断面の例を模式的に図2に示す。傾斜を交互に有する線の例としては、半円が連続した線(図2(a)、(b)、(f)、(g)、(h))、三角波(図2(c))半円と直線の繰り返しの線(図2(d))、正弦波(図2(e))、などが挙げられる。
また上記の傾斜を交互に有する線から平坦面に対応する線の距離の極大値と極小値との差異の平均値(凹凸の深さ)は、2μm以上20μm以下の範囲であればよく、3μm以上10μm以下の範囲であることが好ましい。上記面内方向1における傾斜ごとの上記距離の増減幅は、一定(図2の(f)、(g)、(h)以外)であってもよくランダムに変化(図2(f)、(g)、(h))していてもよい。なお、上記距離は、凹凸面中の点から平坦面までの最短距離を意味する。傾斜を交互に有する線は、例えば極大値または極小値において、上記距離の増減のない直線(例えば10μm以下、5μm以下、3m以下、1μm以下)を含んでいてもよい(例えば(図2(d))。さらに隣接する高さの極大値を示す位置間の距離は上記面内方向1において一定(図2の(f)、(g)、(h)以外)であってもよくランダムに変化(図2(f)、(g)、(h))していてもよい。
凹凸面は、断面形状が同一または略相似(相似を含む)である凹部を繰り返している凹凸面であればよい。繰り返しは連続的であってもよく、上記の隣接する極大値を示す位置間の距離を満たす限り断続的であってもよい。繰り返している断面形状が線対称な形状であることも好ましい。
凹凸面の1態様として、凹凸円偏光反射層の上記面内方向1に垂直な面内方向2においても、上記傾斜面1および上記傾斜面2を交互に含む面が挙げられる。このような面としては、半球が2次元的に連続した形状、コーナーキューブ、プリズムが2次元的に連続した形状などが挙げられる(図3(a)、(b))または、これらいずれかに相補的な凹凸面形状)。半球は平坦面側を球の中心とするものであってもよく、反対側を球の中心とするものであってもよい。
この態様においては、上述のような反射材の法線から角度をなす方向からの光の入射に対する高い再帰反射性を、多方位で得ることができる。
凹凸面の別の態様として、凹凸円偏光反射層の上記面内方向1に垂直な面内方向2に平行な直線が平坦面からの距離が一定である点の集合である凹凸面が挙げられる(図3(c),(d) 、またはこれらいずれかに相補的な凹凸面形状)。このような面を与える構造の例としては、レンチキュラー形状(半柱状体の連続形状)、プリズム形状(三角柱の連続形状)、レンチキュラー形状に相補的な形状などが挙げられる。
この態様においては、反射材は再帰反射性の大きさに異方性がある。例えば半柱状体または三角柱の稜線と垂直な反射材面内の方向を含む入射面で、上述のような半柱状体反射材の法線から角度をなす方向からの光の入射に対する再帰反射性を、最も有効に得ることができる。例えば、反射材面内において、上記稜線と直交する直線と入射光または反射光を反射材面に射影した成分とのなす角をφとしたとき、φが10度以上の場合、φが0度の場合の、同じ角度をなす方向からの光の入射に対する再帰反射率に対して50%以下となる。
凹凸円偏光反射層の厚みは、最大値が好ましくは3μm以上、50μm以下の範囲、より好ましくは5μm以上、30μm以下の範囲である。最小値が好ましくは10μm以下、より好ましくは3μm以下の範囲であり、かつ選択反射波長以上の厚みであればよい。
[平坦円偏光反射層]
平坦円偏光反射層は双方の面が平坦面であり、全面で略同じ厚みを有するフィルム状、シート状、または板状の層である。
平坦円偏光反射層の厚みは、50μm以下、30μm以下、20μm以下、または10μm以下であればよく、選択反射波長以上の厚み、3μm以上、または5μm以上であればよい。
[コレステリック液晶相を固定した層]
凹凸円偏光反射層および平坦円偏光反射層はそれぞれ、コレステリック液晶相を固定した層を1層または2層以上含む。
コレステリック液晶相は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射する円偏光選択反射性を有することが知られている。円偏光選択反射性を示すフィルムとして、液晶化合物を含む液晶組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶相を固定した層については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶相を固定した層とは、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることのない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶相を固定した層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
本明細書においてコレステリック液晶相を固定した層をコレステリック液晶層または液晶層ということがある。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶の螺旋構造に由来した円偏光選択反射を示す。円偏光選択反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチを調節することによって、円偏光選択反射を示す波長を調整できる。すなわち、n値とP値を調節して、近赤外光波長域において円偏光選択反射を示すようにするために、中心波長λが750nm〜2000nm、好ましくは800nm〜1500nmの波長域となるようにすればよい。コレステリック液晶相のピッチは重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチを得ることができる。なお、本明細書において、選択反射の中心波長はコレステリック液晶層の法線方向(螺旋軸方向)から測定した時の中心波長を意味する。
コレステリック液晶層に対して斜めに光が入射する場合は、選択反射の中心波長は短波長側にシフトする。そのため、必要とされる選択反射の波長に対して、上記のλ=n×Pの式に従って計算されるλが長波長となるようにn×Pを調整することが好ましい。屈折率n2のコレステリック液晶層中でコレステリック液晶層の法線方向(コレステリック液晶層の螺旋軸方向)に対して光線がθ2の角度で通過するときの選択反射の中心波長をλdとするとき、λdは以下の式で表される。
λd=n2×P×cosθ2
本明細書において、コレステリック液晶層の配置や光入射方向を考慮したθ2にしたがって求められる上記波長λdを「実質的な選択反射の中心波長」ということがある。
また、コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。すなわち、すなわち、螺旋のセンスが右であるコレステリック液晶層は右円偏光反射し、螺旋のセンスが左であるコレステリック液晶層は左円偏光反射する。
なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
また、円偏光選択反射を示す選択反射帯(円偏光反射帯)の半値幅Δλ(nm)は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチPに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
なお、コレステリック液晶層の反射中心波長と半値幅は下記のように求めることができる。
分光光度計UV3150(島津製作所)を用いて反射材の透過スペクトルを測定すると、選択反射領域に透過率の低下ピークがみられる。この最も大きいピーク高さの1/2の高さの透過率となる2つの波長のうち、短波側の波長の値をλ1(nm)、長波側の波長の値をλ2(nm)とすると、反射中心波長と半値幅は下記式で表すことができる。
反射中心波長=(λ1+λ2)/2
半値幅=(λ2−λ1)
円偏光反射帯の半値幅は、通常1種の材料では50nm〜150nm程度である。選択波長域を広げるためには、周期Pを変えた反射光の中心波長が異なるコレステリック液晶層を2種以上積層すればよい。または、1つのコレステリック液晶層内において、周期Pを膜厚方向に対して緩やかに変化させることで制御波長域を広げることもできる。
凹凸円偏光反射層に含まれるコレステリック液晶層の実質的な選択反射の中心波長と平坦円偏光反射層に含まれるコレステリック液晶層の実質的な選択反射の中心波長は同一であるかまたは差異が20nm以下であることが好ましい。具体的には、凹凸円偏光反射層に含まれるコレステリック液晶層の選択反射の中心波長と平坦円偏光反射層に含まれるコレステリック液晶層の中心波長との差異が100nm以下程度の範囲で、凹凸面の角度に応じて選択反射波長を調整することが好ましい。
凹凸円偏光反射層に含まれるコレステリック液晶層の選択反射の半値幅は平坦円偏光反射層に含まれるコレステリック液晶層の選択反射の半値幅と同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
また、凹凸円偏光反射層はコレステリック液晶層を1層含んでいても2層以上含んでいてもよい。異なる螺旋のセンスを有するコレステリック液晶層を1層ずつ含むことも好ましい。
平坦円偏光反射層はコレステリック液晶層を1層含んでいても2層以上含んでいてもよい。平坦円偏光反射層は凹凸円偏光反射層と同一の螺旋のセンスのコレステリック液晶層を含むことが好ましい。すなわち、凹凸円偏光反射層が螺旋のセンスが右のコレステリック液晶層を含むときは平坦円偏光反射層も螺旋のセンスが右のコレステリック液晶層を含み、凹凸円偏光反射層が螺旋のセンスが左のコレステリック液晶層を含むときは平坦円偏光反射層も螺旋のセンスが左のコレステリック液晶層を含み、凹凸円偏光反射層が異なる螺旋のセンスを有するコレステリック液晶層を1層ずつ2層含むときは平坦円偏光反射層も異なる螺旋のセンスを有するコレステリック液晶層を1層ずつ2層含むことが好ましい。
凹凸円偏光反射層および平坦円偏光反射層に含まれるコレステリック液晶層であって互いに選択反射の半値幅および螺旋のセンスが同一であるコレステリック液晶層は、それを形成するための液晶組成物が、互いに同じであっても異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
[液晶組成物]
コレステリック液晶層は液晶組成物を材料として作製することができる。液晶組成物は、液晶化合物を含む。液晶化合物は重合性液晶化合物であることが好ましい。液晶組成物は、キラル剤や水平配向剤を含んでいることが好ましい。液晶組成物は、さらに界面活性剤や重合開始剤を含んでいてもよい。
(重合性液晶化合物)
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
(キラル剤:光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶化合物量の0.01質量%〜200質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましい。
(重合開始剤)
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
(架橋剤)
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック液晶層の安定性を低下させてしまうことがある。
(水平配向剤)
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤としての水平配向剤を添加してもよい。水平配向剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などが挙げられる。
なお、水平配向剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、水平配向剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
(その他の添加剤)
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
(溶媒)
液晶組成物は溶媒を含んでいてもよい。液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
[凹凸円偏光反射層、平坦円偏光反射層の作製方法]
本発明の反射材における凹凸円偏光反射層は、例えば、以下手順1〜4のいずれかで作製することができる。
(手順1)
(1)支持体上に液晶組成物を塗布する;
(2)支持体上に塗布された液晶組成物を乾燥させる;
(3)上記(2)の後に得られる液晶組成物層に、凹凸面を有する基材の凹凸面表面を貼合して凹凸面を有する液晶組成物層を形成する;
(4)上記基材と液晶組成物の層との積層体を加熱または光照射して液晶組成物を硬化してコレステリック液晶層を形成し、凹凸円偏光反射層を得る。
(手順2)
(1)支持体上に液晶組成物を塗布する;
(2)支持体上に塗布された液晶組成物を乾燥させる;
(3)乾燥した液晶組成物を半硬化させる;
(4)半硬化後に得られる液晶組成物層に、凹凸面を有する基材の凹凸面表面を貼合して凹凸面を有する液晶組成物層を形成する;
(5)上記基材と液晶組成物の層との積層体を加熱または光照射して液晶組成物を硬化してコレステリック液晶層を形成し、凹凸円偏光反射層を得る。
(手順3)
(1)仮支持体上に液晶組成物を塗布する;
(2)仮支持体上に塗布された液晶組成物を乾燥させる;
(3)上記(2)の後に得られる液晶組成物層に、凹凸面を有する基材の凹凸面表面を貼合して凹凸面を有する液晶組成物層を形成する;
(4)上記基材と液晶組成物の層との積層体を加熱または光照射して液晶組成物を硬化してコレステリック液晶層を形成し、凹凸円偏光反射層を得る;
(5)必要に応じて仮支持体を剥離する。
(手順4)
(1)液晶組成物を仮支持体上に塗布する;
(2)仮支持体上に塗布された液晶組成物を乾燥させる;
(3)乾燥した液晶組成物を半硬化させる;
(4)半硬化後に得られる液晶組成物層に、凹凸面を有する基材の凹凸面表面を貼合して凹凸面を有する液晶組成物層を形成する;
(5)上記基材と液晶組成物の層との積層体を加熱または光照射して液晶組成物を硬化してコレステリック液晶層を形成し、凹凸円偏光反射層を得る;
(6)必要に応じて仮支持体を剥離する。
コレステリック液晶層を2層以上有する凹凸円偏光反射層の作製の際は、上記の手順それぞれにおいて、凹凸面を有する基材の貼合前に、液晶組成物層上で液晶組成物層の形成の工程を繰り返せばよい。例えばコレステリック液晶層を2層有する凹凸円偏光反射層の作製の際は、液晶組成物層の表面に液晶組成物をさらに塗布、必要に応じて半硬化して2層目の液晶組成物層を形成し、これに対して凹凸面を有する基材の貼合を行えばよい。コレステリック液晶層を2層以上有する凹凸円偏光反射層の作製は、特に、手順2または4により、半硬化した液晶組成物層の表面に液晶組成物をさらに塗布して行うことが好ましい。
手順1〜4において用いた凹凸面を有する基材は、そのまま凹凸平坦化層となっていてもよく、または凹凸面を有する基材が剥離されて、その剥離面にオーバーコート層が設けられてもよく、その剥離面に接着剤によりプラスチックフィルム等が接着されてもよい。
基材を剥離する場合、その剥離は液晶組成物の硬化前に行ってもよく、硬化後に行ってもよい。硬化前に基材を剥離する場合、例えば硬化性樹脂によるオーバーコート層形成のための光照射が、上記液晶組成物の硬化のための光照射となっていてもよい。
本発明の反射材における平坦円偏光反射層は、例えば、以下手順11、12のいずれかで作製することができる。
(手順11)
(1)支持体上に液晶組成物を塗布する;
(2)支持体上に塗布された液晶組成物を乾燥させる;
(3)上記(2)の後に得られる液晶組成物層を、加熱または光照射して液晶組成物を硬化してコレステリック液晶層を形成し、平坦円偏光反射層を得る。
(手順12)
(1)仮支持体上に液晶組成物を塗布する;
(2)仮支持体上に塗布された液晶組成物を乾燥させる;
(3)上記(2)の後に得られる液晶組成物層を、加熱または光照射して液晶組成物を硬化してコレステリック液晶層を形成し、平坦円偏光反射層を得る;
(4)必要に応じて仮支持体を剥離する。
コレステリック液晶層を2層以上有する平坦円偏光反射層の作製の際は、手順11,12において、上記の手順で形成したコレステリック液晶層の表面に液晶組成物を塗布して上記の工程を繰り返し行えばよい。塗布および乾燥を繰り返して得た複数の液晶組成物層の積層体を加熱または光照射して得てもよい。
本発明の反射材において、凹凸円偏光反射層および平坦円偏光反射層は、例えば、以下手順101〜106のいずれかの順序で作製することができる。
(手順101)
(1)支持体上に手順11で平坦円偏光反射層を形成する。
(2)形成された平坦円偏光反射層の表面に手順1または2で凹凸円偏光反射層を形成するか、または手順3または4で形成した凹凸円偏光反射層を転写する。
(手順102)
(1)支持体上に手順11で平坦円偏光反射層を形成する。
(2)平坦円偏光反射層を形成した支持体の平坦円偏光反射層を形成した面の反対側に手順1または2で凹凸円偏光反射層を形成するか、または手順3または4で形成した凹凸円偏光反射層を転写する。
凹凸円偏光反射層の転写の際は、仮支持体面または仮支持体を剥離した面が支持体側になるように行えばよい。
(手順103)
(1)支持体上に手順1または2で凹凸円偏光反射層を形成する。
(2)凹凸円偏光反射層を形成した支持体の凹凸円偏光反射層を形成した面の反対側に手順11で平坦円偏光反射層を形成する。
(手順104)
(1)支持体上に手順12で形成した平坦円偏光反射層を転写する。
(2)転写した平坦円偏光反射層の表面に手順1または2で凹凸円偏光反射層を形成するか、または手順3または4で形成した凹凸円偏光反射層を転写する。
(手順105)
(1)支持体上に手順12で形成した平坦円偏光反射層を転写する。
(2)平坦円偏光反射層を転写した支持体の平坦円偏光反射層を転写した面の反対側に、手順1または2で凹凸円偏光反射層を形成するかまたは手順3もしくは4で形成した凹凸円偏光反射層を転写する。
(手順106)
(1)支持体上に手順3または4で形成した凹凸円偏光反射層を転写する。
(2)凹凸円偏光反射層を転写した支持体の凹凸円偏光反射層を転写した面の反対側に、手順11で平坦円偏光反射層を形成するかまたは手順12で形成した平坦円偏光反射層を転写する。
手順104〜106のそれぞれにおいて凹凸円偏光反射層の転写の際は、仮支持体面または仮支持体を剥離した面が支持体側になるように行えばよい。
以下、凹凸円偏光反射層および平坦円偏光反射層の作製方法における各工程、および用いられるその他の材料を説明する。
(塗布)
液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法などが挙げられる。
(乾燥、配向)
塗布した液晶組成物の乾燥は、そのまま放置することにより、または加熱により乾燥させればよい。加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。液晶組成物の乾燥の過程で、液晶分子を配向させることができる。
(貼合)
貼合は上記乾燥後または半硬化後に得られる液晶組成物層を、凹凸面を有する基材または材料の凹凸面表面に直接接触させることにより行えばよい。このとき、凹凸面の窪んだ部分を埋めるように液晶組成物が凹凸面表面に接触されていればよい。これにより凹凸面を有する基材または材料の凹凸表面形状の全部を、液晶組成物層表面に転写することができる。または、凹凸面と液晶組成物の間に空隙があってもよい。これにより凹凸面を有する基材または材料の凹凸表面形状の一部を、液晶組成物層表面に転写することができる。
空隙としては、基材の凹凸面の凹部の凹み部分で形成される体積(凹み部分を満たすことができる液体の容積)の0より大きく50%以下の空隙が挙げられる。空隙の場所は限定されないが、例えば、凹み部分の底であればよい。
上記乾燥後または半硬化後に得られる液晶組成物層は、貼合時に十分な硬化をしておらず、流動性を有するため、効率よく高精度に基材の凹凸面の形状等を転写することができる。ここで、流動性を有する状態とは、指先で軽く圧力をかけると指紋の跡が残り、粘着性を示す状態であることをいう。
効率よく凹凸面表面全面で接触できるように、凹凸面を有する基材または材料、または液晶組成物層面を接触前に加熱してもよい。加熱は40℃〜110℃で行うことが好ましく、50℃〜100℃で行うことがより好ましい。加熱は、液晶組成物層および凹凸面を有する基材または材料の双方において行うことがより好ましい。貼合の際は、加圧してもよい。加圧は、例えば0.05〜60MPa、好ましくは、0.05〜20MPaで行えばよい。
加圧時間は0.01秒以上20秒以下であることが好ましく、0.01秒以上10秒以下であることがより好ましく、0.01秒以上5秒以下であることがさらに好ましい。0.01秒以上では表面形状の転写が十分に行うことができ、また20秒以下とすることで良好な生産性を確保できる。
また、貼合は真空下で行うことも好ましい。真空貼合はクライムプロダクツ社製真空貼合機V−SE6055aaなどの市販の真空貼合機を用いて行うことができる。
また、貼合時の液晶組成物の流動性を維持できるかぎり、貼合前に半硬化させてもよい。光重合性液晶組成物の場合は、半硬化は20mJ/cm2以下の紫外線照射により行うことができる。半硬化の際の紫外線照射は、15mJ/cm2以下であることが好ましく、10mJ/cm2以下であることがより好ましく、5mJ/cm2以下であることがさらに好ましい。また、半硬化の際の紫外線照射は、0.1mJ/cm2以上、0.2mJ/cm2以上、または0.3mJ/cm2以上であればよい。紫外線照射の際は酸素濃度が0.005%以上20%以下の雰囲気下とすることが好ましい。また、紫外線は波長350〜430nmの光であればよい。
特に3次元形状の凹凸面を有する基材を用いる場合は貼合の前に半硬化することが好ましい。ここで、3次元形状としては、マイクロレンズのような形状が含まれ、レンチキュラー形状またはプリズム形状は含まれない。
凹凸面がなく、両面が平坦なコレステリック液晶層の形成の際は、上記の乾燥の工程で液晶分子が配向し、重合性液晶化合物が、支持体等の表面に対して垂直な方向に螺旋軸を有するように捩れ配向している層が得られる。そしてコレステリック液晶層の上記円偏光選択反射帯での再帰反射光量はコレステリック液晶層の法線方向(=螺旋軸方向)からの光の入射において最大となり、法線方向から角度をなす方向からの光の入射に対しては、ほとんど再帰反射光量がない。すなわち、層の法線方向のみで高い再帰反射性を示す。本発明の反射材においては、凹凸円偏光反射層のコレステリック液晶層の形成における配向の工程において、液晶組成物の乾燥膜を凹凸面表面に貼合することによって、コレステリック液晶層に凹凸面を形成していることにより、螺旋軸方向が反射材の法線方向から角度をなした方向となっている部分構造(例えば、凹凸面の傾斜面の法線方向が螺旋軸方向となる構造)が生じ、法線方向から角度をなす方向からの光の入射に対しても再帰反射性の高い反射材を得ることができる。
また、本発明の反射材は凹凸円偏光反射層に加えて凹凸面を有さない平坦円偏光反射層を含むことにより凹凸円偏光反射層のみを含む場合よりもさらに反射率が高い。その理由は凹凸円偏光層を透過した光が平坦円偏光層で反射され、反射された光の一部が凹凸円偏光反射層の凹凸面で屈折して再帰反射光となるためであると推定される。
(硬化)
液晶化合物層を硬化してコレステリック液晶層が形成される。貼合にて凹凸面を形成した液晶化合物層を硬化すると凹凸面を有するコレステリック液晶層が形成される。
硬化は、熱硬化、光照射による光硬化のいずれでもよいが、光硬化が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いことが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
硬化による液晶組成物中の重合性液晶化合物の重合反応率は、重合性の官能基の消費割合をIR吸収スペクトルを用いて測定することにより、決定することができる。
なお、上記のように液晶化合物層の硬化は、液晶化合物層を凹凸面を有する基材または材料の凹凸面表面から剥離する場合、剥離前に行っても剥離後に行ってもよい。
(凹凸面を有する基材)
凹凸面を有する基材の凹凸面は、本発明の反射材における凹凸円偏光反射層の凹凸面と相補的なものであればよい。凹凸面を有する基材としては、例えば、後述の凹凸平坦化層のうち、凹凸面を有する基材を用いることができる。
また、上記基材を液晶組成物から剥離する場合には、所望の凹凸面を有する任意の材料(金型など)を用いることもできる。
凹凸面の例としては、半球が2次元的に連続した形状、コーナーキューブ、プリズムが2次元的に連続した形状などが挙げられる(図3(a),(b)または、これらいずれかの形状と相補的な凹凸面形状)。また、1次元的な連続形状の凹凸面が挙げられる(図3(c)、(d)、またはこれらいずれかの形状と相補的な凹凸面形状)。
(仮支持体)
仮支持体は液晶組成物を塗布する基板として用いられる。仮支持体は、後述の貼付後、または硬化後に、剥離されればよい。本発明の反射材が光学部材の構成部材として用いられる場合には、仮支持体は、仮支持体を有する本発明の反射材に後述の情報提示層が形成された後に剥離されてもよい。
仮支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーンなどのプラスチックフィルムまたはガラスを用いることができる。
仮支持体の膜厚としては、5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μmであり、より好ましくは15μm〜90μmである。
液晶組成物が塗布される仮支持体の面側には、配向層を形成してもよい。配向層は、ポリマーなどの有機化合物(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向層を使用してもよい。
特にポリマーからなる配向層はラビング処理を行ったうえで、ラビング処理面に液晶組成物を塗布することが好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。
配向層を設けずに仮支持体表面、または仮支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。
仮支持体が剥離される場合は、配向膜は仮支持体とともに剥離されて本発明の反射材を構成する層とはならなくてもよく、仮支持体と配向膜の界面で剥離されて配向膜が本発明の反射材を構成する層とはなっていてもよい。
配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
(凹凸円偏光反射層または平坦円偏光反射層の転写)
転写は、凹凸円偏光反射層または平坦円偏光反射層を含む積層体の凹凸円偏光反射層または平坦円偏光反射層側の面を被転写材料(支持体、凹凸円偏光反射層など)に接着することにより行うことができる。接着には 接着剤としては後述の接着層の形成に用いられる接着剤を用いることができる。仮支持体を含む積層体を用いて転写を行う場合は、接着後に仮支持体を剥離することも好ましい。
[支持体]
本発明の反射材は支持体を含んでいてもよい。支持体は、凹凸円偏光反射層、平坦円偏光反射層、支持体の順となるように設けられているか、または凹凸円偏光反射層と平坦円偏光反射層との間に設けられていればよい。
支持体は可視光領域で透明で凹凸円偏光反射層および平坦円偏光反射層との屈折率差が小さいことが好ましい。凹凸賦形時に支持体にも凹凸が形成されても、屈折率差が小さいことによりヘイズが生じにくいためである。屈折率差は0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましく、0.02以下であることがさらに好ましい。
さらに凹凸円偏光反射層および平坦円偏光反射層が螺旋のセンスが右であるコレステリック液晶層または螺旋のセンスが左であるコレステリック液晶層のいずれか一方のみを含む場合は、支持体は低複屈折性であることが好ましい。本明細書において、低複屈折性であるとは、波長550nmにおいて、正面位相差が10nm以下であることを意味する。本明細書において、正面位相差は、Axometrix社製のAxoScanを用いて測定した値である。
可視光領域で透明な支持体の例としては、無機ガラスや高分子樹脂が挙げられる。
高分子樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、アクリル樹脂(ポリメチル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸エステル類など)、ポリカーボネート、シクロペンタジエン系ポリオレフィンやノルボルネン系ポリオレフィンなどの環状ポリオレフィン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリスチレンなどの芳香族ビニルポリマー類、ポリアリレート、セルロースアシレートを挙げることができる。
支持体の厚みは5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μmであり、より好ましくは15μm〜100μmである。
[凹凸平坦化層]
凹凸平坦化層は、その一面が凹凸面であり、他方が平坦面であって、凹凸円偏光反射層の凹凸面に直接接するように設けられる層である。凹凸平坦化層を有する本発明の反射材は、その両面が平坦面となる。本発明の反射材の凹凸平坦化層は、凹凸円偏光反射層の凹凸平坦化層側の面の凹凸形状と相補的な凹凸面を有していることが好ましい。
凹凸平坦化層は、凹凸円偏光反射層との屈折率差が小さいことが好ましい。屈折率差が小さいとヘイズが生じにくいためである。屈折率差は0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましく、0.02以下であることがさらに好ましい。凹凸平坦化層は、また、透明であることが好ましい。さらに、さらに、凹凸平坦化層は低複屈折性であることが好ましい。凹凸円偏光反射層および平坦円偏光反射層が螺旋のセンスが右であるコレステリック液晶層または螺旋のセンスが左であるコレステリック液晶層のいずれか一方のみを含む場合は、凹凸平坦化層は低複屈折性であることが好ましい。
凹凸平坦化層は、上記の形状を有するかぎり特に限定されないが、例としては、凹凸円偏光反射層の凹凸面形成時に凹凸面を有する基材として使用される基材、凹凸円偏光反射層の凹凸面形成後、凹凸円偏光反射層の凹凸面表面に適用されたオーバーコート層、プラスチックフィルムまたは無機ガラス板等と粘着層または接着層との組み合わせなどが挙げられる。
凹凸平坦化層の膜厚の平均値としては、5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μmであり、より好ましくは15μm〜100μmである。
(基材)
基材は、凹凸円偏光反射層の凹凸平坦化層側の面の凹凸面と相補的な凹凸面を有する、基材は他方の面が平坦面であることが好ましい。
基材の例としては、マイクロレンズフィルム、プリズムフィルム、レンチキュラーシートなどが挙げられる。マイクロレンズフィルムとしては例えば、韓国SKC Haas Display Films Co.Ltd.製の ML1またはML4、プリズムフィルムとしては、例えば、韓国SKC Haas Display Films Co.Ltd.製の HD74U、サンテックオプト株式会社製のSPX2、SPX3、SPX6、レンチキュラーシートとしては、例えば、富士膠片(中国)投資有限公司(FUJIFILM (China) Investment Co.,Ltd.)製、LS-200Yを用いることができる。基材の材料は、プラスチックが好ましく、例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーンなどが挙げられる。
これらの基材をそのまま用いてもよく、凹凸面の凹部の一部を埋めることで凹凸形状を所望の形状に調整して用いてもよく熱可塑性樹脂で凹凸面が構成されている基材の場合は加熱により凹凸形状を所望の形状に調整して用いてもよい。凹凸面の凹部の一部を埋める方法としては、例えば樹脂の塗布や金属材料の蒸着などを適用できるが、これらに限定されない。
貼合後に上記基材を液晶組成物から剥離する場合には、上記基材の凹凸表面を予め離型処理しておいてもよい。離型処理の方法としては、例えばフッ素系ポリマーやシリコーン樹脂を、塗布やプラズマ処理により凹凸表面に積層する方法を適用できるが、これらに限定されない。
(オーバーコート層)
オーバーコート層としては、例えば、熱可塑性ポリマーを含むフィルムからなる層、または紫外線硬化モノマーを含む組成物を凹凸円偏光反射層表面に塗布後、上記組成物を硬化して設けられる層が挙げられる。
熱可塑性ポリマーの具体的な例としてはポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリウレタンエラストマーが挙げられる。オーバーコート層が熱可塑性ポリマーを含むフィルムの場合は直接凹凸円偏光反射層の全面に塗布しても、カバーフィルムとして凹凸円偏光反射層の上に粘着剤または接着剤を介して貼合してもよい。粘着剤や接着剤としては特に限定はないが、粘着剤としてはアクリル系、シリコーン系、ウレタン系、接着剤としては天然ゴム系、デンプン系、アクリル系、ウレタン系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、シリコーン系、エポキシ系、イソシアネート系などが挙げられる。貼合工程においては熱可塑性ポリマーの厚みやガラス転移温度に応じて熱や圧力を用いて貼合してもよい。塩化ビニル樹脂の場合は100℃以上の熱と圧力を用いることが好ましい。ポリエチレンおよびポリプロピレンの場合は50℃以上の熱と圧力を用いることが好ましい。ポリウレタンエラストマーの場合は熱は不要で圧力のみで貼合することができて好ましい。
紫外線硬化モノマーの例としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミド、エポキシモノマー(ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、およびペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル)等が挙げられる。紫外線硬化モノマーは2種以上の混合物であってもよい。
(粘着層または接着層とプラスチックフィルムとの組み合わせ)
粘着剤または接着剤によりプラスチックフィルムを凹凸円偏光反射層表面に接着することによっても凹凸平坦化層を形成することができる。プラスチックフィルムは両面が平坦面であっても、上記基材として例示したような凹凸を有するものであってもよい。
プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーンなどが挙げられる。
また、粘着剤または接着剤としては特に限定はないが、粘着剤としてはアクリル系、シリコーン系、ウレタン系、接着剤としては天然ゴム系、デンプン系、アクリル系、ウレタン系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、シリコーン系、エポキシ系、イソシアネート系などが挙げられる。2種以上の粘着剤、または2種以上の接着剤を混合して用いてもよく、粘着剤粘着剤および接着剤を混合して用いてもよい。接着層(接着剤)としては、後述の光学部材の各層の接着のための接着層と同様の接着層を用いてもよい。
<光学部材>
本発明の反射材は、光学部材の構成部材として用いることができる。
光学部材はさらに情報提示層を含む。光学部材はフィルム状またはシート状であればよい。
光学部材においては、凹凸円偏光反射層の凹凸面が情報提示層側になっていればよい。光学部材の層構成としては、情報提示層、凹凸円偏光反射層、平坦円偏光反射層がこの順に配置された構成が好ましい。
[情報提示層]
情報提示層は上記反射波長の光を吸収または反射する材料のパターンを有する。すなわち、情報提示層は赤外線を吸収または反射する材料のパターンを有する。パターンは情報提示層の全体にあっても、一部にあってもよい。上記反射波長の光を吸収または反射する材料は、例えば反射材表面にインクジェット法などにより塗布、印刷され、パターンを形成していてもよい。または、例えば、基材表面に一様に塗布されたあと、赤外線レーザーなどを用いて、0.5〜3000μmの単位で印字蒸発され、パターンを形成していてもよい。後者の方法については、例えば特開2011−152652号公報の記載を参照できる。
パターンは一部領域を選択したときに、少なくとも情報提示層における上記選択された一部領域の位置もしくは座標情報を与えうる模様であればよい。選択される一部は、例えば赤外線を出射する光源と赤外線を感知するセンサーとを有するペン型の撮像素子で撮影できる単位であればよい。パターンの例としては、特開2014−98943号公報の段落0123〜0152で説明されるドットパターンなどが挙げられる。
(赤外線を吸収または反射する材料)
赤外線を吸収または反射する材料としては、例えば、カーボンインク、無機物イオン(銅、鉄、イッテルビウムなどの金属類)を含有するインク、フタロシアニン色素、ジオチール化合物色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、ニッケル錯体色素などの有機色素、そのほか公知の赤外線吸収色素、公知の赤外線反射性粒子等を用いることができる。赤外線を吸収または反射する材料は可視光波長領域において、反射または吸収を有していないことが好ましい。
(接着層)
本発明の光学部材は、各層の接着のための接着層を含んでいてもよい。本発明の反射材が接着層を含んでいてもよい。接着層は接着剤から形成されるものであればよい。
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
[光学部材の用途]
本発明の光学部材の用途としては特に限定されないが、例えば、手書き情報をデジタル化して情報処理装置に入力する光学ペンを使用したシステムで用いられる手書き入力シートとして用いることができる。使用の際は光学ペンから照射される赤外線の波長が、反射材が反射を示す波長となるように、コレステリック液晶層の組成を調整して用いられる。具体的にはコレステリック液晶相の螺旋ピッチを上述の方法で調整すればよい。光学部材が手書き入力シートとして用いられる場合は、光学部材の情報提示層側から光照射され、かつ光学部材の情報提示層側から反射光が検知されていればよい。
本発明の光学部材は、例えば、画像表示装置のディスプレイ表面または前方に配置され、手書き入力シートとして用いることができる。図5においては、ディスプレイ6前方に配置された反射材11および情報提示層5を含む光学部材12が示されている。ドットパターン13を有する情報提示層5側から光照射され反射材11で反射される光21が検知できる。
光学部材はディスプレイ表面に直接、または他のフィルム等を介して接着され、ディスプレイと一体化されていてもよく、例えばディスプレイ表面に脱着可能に装着されてもよい。一体化している場合、本発明の光学部材は、画像表示装置の最前面や保護用の前面板と表示用パネルとの間に配置されていればよい。本発明の光学部材は、ディスプレイ表面側から、反射材、情報提示層側が、この順になるように配置されることが好ましい。ディスプレイは、光学ペンの撮像素子で誤検知がないように、光学部材中の反射材の反射波長域の赤外光を発していないことが好ましい。
手書き情報をデジタル化して情報処理装置に入力する手書き入力システムまたは手書き入力シートを装着した画像表示装置については、特開2014−67398号公報、特開2014‐98943号公報、特開2008−165385号公報、特開2008−108236号公報の[0021]〜[0032]、特開2008−077451号公報、または、特許第4725417号公報等を参照できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
PETフィルム(東洋紡株式会社製コスモシャインA−4100:厚み75μm)の易接着処理していない面上にラビング処理を施し、表1に示す塗布液1を、ラビング処理面に、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。
上記塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で1分間加熱した。この塗布層を、酸素濃度300ppm以下の環境下でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて600mJ/cm2の紫外線照射を行い、1層目のコレステリック液晶層を形成した。
上記1層目のコレステリック液晶層の上に、表2に示す塗布液2を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。
上記塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で1分間加熱した。この塗布層に、酸素濃度300ppm以下の環境下でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて600mJ/cm2の紫外線照射を行い、2層目のコレステリック液晶層を形成した。
上記2層目のコレステリック液晶層の上に、表1に示す塗布液1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。上記塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で1分間加熱した。この塗布層に、酸素濃度300ppm以下の環境下でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて1mJ/cm2の紫外線照射を行い、1層目の半硬化液晶組成物層を形成した。
上記1層目の半硬化液晶組成物層の上に、表2に示す塗布液2を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。上記塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で1分間加熱した。この塗布層に、酸素濃度300ppm以下の環境下でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて1mJ/cm2の紫外線照射を行い、2層目の半硬化液晶組成物層を形成して積層体を得た。
マイクロレンズフィルム(韓国SKC Haas Display Films Co.Ltd.製、ML8)の表面凹凸形状を元型として、電鋳により同一の表面凹凸の金型を作製した。この金型の凹凸面を上記で形成した2層目の半硬化液晶組成物層と貼合して絶対圧2KPa、230℃、260MPa、5分間の条件でエンボスした。
積層体を金型から剥離し、形成された凹凸面に塗布液3を乾燥後の乾膜の平均厚みが17μmになるように室温にて塗布した。
上記塗布層を85℃の雰囲気で1分間加熱し、酸素濃度300ppm以下の環境下でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて600mJ/cm2の紫外線照射を行い実施例1の反射材を得た。
実施例2
PETフィルム(コスモシャイン(登録商標)A−4100:厚み75μm)の易接着処理していない面上にラビング処理を施し、塗布液1をラビング処理面に、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。
上記塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で1分間加熱した。この塗布層を、酸素濃度300ppm以下の環境下でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて1mJ/cm2の紫外線照射を行い、1層目の半硬化液晶組成物層を形成した。
上記1層目の半硬化液晶組成物層の上に、塗布液2を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。
上記塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で1分間加熱した。この塗布層を、酸素濃度300ppm以下の環境下でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて1mJ/cm2の紫外線照射を行い、2層目の半硬化液晶組成物層を形成した。
マイクロレンズフィルム(韓国SKC Haas Display Films Co.Ltd.製、ML8)の表面凹凸形状を元型として、電鋳により同一の表面凹凸の金型を作製し、凹凸面を上記2層目の半硬化液晶組成物層と貼合して絶対圧2KPa、230℃、260MPa、5分間の条件でエンボスした。
反射材を金型から剥離し、形成された凹凸面に塗布液3を乾燥後の乾膜の平均厚みが17μmになるように室温にて塗布した。塗布後のサンプルを85℃の雰囲気で1分間加熱し、酸素濃度300ppm以下の環境下でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて600mJ/cm2の紫外線照射を行い凹凸円偏光反射層を有する積層体を得た。
上記2回の1mJ/cm2の紫外線照射の代わりにそれぞれ600mJ/cm2の紫外線照射を行った以外は、上記と同様にして、PETフィルム上に、2層のコレステリック液晶層からなる平坦円偏光反射層を有する積層体を作製した。この積層体の平坦円偏光反射層面に光学用粘着フィルム(3M社製 8146−1)を貼付けて、上記凹凸円偏光反射層を有する積層体のPETフィルム面に粘着し、実施例2の反射材を得た。
参考例1
実施例2において、平坦円偏光反射層を設けなかった以外は実施例2と同様にして参考例1の反射材を得た。
(45度相対再帰反射率)
紫外可視近赤外分光光度計V-670(日本分光社製)に、絶対反射率測定ユニットARV474S(日本分光株式会社製)を組み合わせて用いて、測定を行った。図4に示すように、サンプル101表面の法線方向に対し45度傾けた位置から入射光をあて、その位置から8度(サンプル表面の法線方向に対し53度)の位置での信号を検出し、これを再帰反射信号強度とした。図4中、検出器103は、紫外可視近赤外分光光度計V-670中の、InGaAs検出器であり、近赤外光を検出できる。入射光は、波長850nmに調整し、測定の際は、凹凸円偏光反射層の凹凸面側から入射光が当たるようにした。
サンプル位置に標準拡散板(ラブスフィア社製)を設置したときの再帰反射信号強度を100%とし、サンプル位置に上記で作製した各反射フィルムを設置したときの再帰反射強度の割合を、相対再帰反射率として以下の式で算出した。

(相対再帰反射率)=(反射フィルムの再帰反射信号強度)/(標準拡散板の再帰反射信号強度)×100
結果を表4に示す
参考例1の反射材の厚みは凹凸でなければコレステリック液晶層の最大の選択反射が得られる厚みに該当する。そのため、実施例2(+4%)のみでなく、実施例1(+1%)の反射材で得られている45度相対再帰反射率の向上も、凹凸形状による光漏れをカバーした有意なものであると考えられる。
1 凹凸円偏光反射層
2 平坦円偏光反射層
3 凹凸平坦化層
4 支持体
5 情報提示層
6 ディスプレイ
11 反射材
12 光学部材
13 ドットパターン
21 光
101 サンプル
102 ミラー
103 検出器

Claims (16)

  1. 凹凸円偏光反射層および平坦円偏光反射層を含み、
    前記凹凸円偏光反射層および前記平坦円偏光反射層はいずれもコレステリック液晶相を固定した層を含み、
    前記凹凸円偏光反射層は一方の面が凹凸面であり、他方の面が平坦面であり、
    前記凹凸円偏光反射層の前記平坦面側に前記平坦円偏光反射層を含み、
    前記平坦円偏光反射層は両面が平坦面である反射材。
  2. 凹凸平坦化層を含み、
    前記凹凸平坦化層、前記凹凸円偏光反射層および前記平坦円偏光反射層がこの順であり、
    前記凹凸平坦化層が前記凹凸円偏光反射層に直接接している請求項1に記載の反射材。
  3. 前記凹凸平坦化層がマイクロレンズフィルムである請求項2に記載の反射材。
  4. 前記凹凸平坦化層がプリズムフィルムまたはレンチキュラーシートである請求項2に記載の反射材。
  5. 前記凹凸円偏光反射層と前記平坦円偏光反射層との間に支持体を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の反射材。
  6. 支持体を含み、前記凹凸円偏光反射層、前記平坦円偏光反射層、および前記支持体がこの順である請求項1〜4のいずれか一項に記載の反射材。
  7. 前記支持体の厚みが2μm以上20μm以下である請求項6に記載の反射材。
  8. 前記凹凸円偏光反射層および前記平坦円偏光反射層がいずれも右円偏光を選択反射するコレステリック液晶相を固定した層および左円偏光を選択反射するコレステリック液晶相を固定した層からなる請求項1〜7のいずれか一項に記載の反射材。
  9. 赤外線波長域の光を反射する請求項1〜8のいずれか一項に記載の反射材。
  10. ヘイズ値が50%以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載の反射材。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の反射材と情報提示層とを含む光学部材であって、
    前記情報提示層は、前記反射材が反射する光を吸収または反射する材料のパターンを有する光学部材。
  12. 前記パターンがドットパターンである請求項11に記載の光学部材。
  13. 前記パターンが印刷により施されたものである請求項11または12に記載の光学部材。
  14. 請求項11〜13のいずれか一項に記載の光学部材を有するディスプレイ。
  15. 請求項14に記載のディスプレイを有する画像表示装置。
  16. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の反射材の製造方法であって、
    前記凹凸円偏光反射層の作製工程として
    重合性液晶化合物を含む液晶組成物層に20mJ/cm2以下の紫外線照射を行うこと、および
    前記紫外線照射後の前記液晶組成物層に凹凸面を有する基材の凹凸面を貼合して、前記層に凹凸面を形成することを含む製造方法。
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