JP2017096294A - 内燃機関用燃料活性化装置 - Google Patents

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清 長谷川
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Abstract

【課題】安全で且つ安価な燃料活性化装置の提供
【解決手段】
植物性バイオマス由来の炭素材と、上記炭素材を包み込むように配置された金属素材と、を備え、上記炭素材は、その表面に複数個の多角形凹部を含むハニカム様構造を有する、内燃機関用燃料活性化装置を提供する。
【選択図】図10

Description

本発明は、環境改善分野における内燃機関用燃料活性化装置に関する。
産業革命以後、様々な分野のエネルギー源として化石燃料が多く使用されてきた。産業の発達と共に、化石燃料の消費量も増加し、化石燃料の枯渇の可能性が危惧されている。化石燃料に変わる代替エネルギーの開発が盛んに行われているが、技術的あるいは経済的な問題により、化石燃料はエネルギーとしての優位性を保ちつづけている。近年では、化石燃料を用いる既存の装置を改良して、燃費を向上させる技術開発が盛んに行われている。
一般的な自動車は、その数が大変多く、化石燃料の消費量が多い乗物の1つであるため、自動車の燃費を向上させて、化石燃料の消費量を減らす試みが続いている。内燃機関と電気モーターを併用するハイブリット車は、内燃機関のみを搭載した自動車と比較して燃料消費量が少ないため、化石燃料の消費を抑制する効果が期待されている。しかしながら、既存の車をハイブリット化することは困難であり、更にハイブリット車は従来の車よりも高価であるため、内燃機関のみを搭載した自動車がハイブリット車に置き換わるにはまだ時間がかかると考えられる。また、駆動に化石燃料を使用しない電気自動車や燃料電池車は、走行距離の問題や経済的な問題から広く普及するに至っていない。
内燃機関のみを搭載した自動車の燃費を向上させる技術の開発が、これまでにも精力的に行われてきた。特許文献1には、「エンジンに供給される空気及び燃料を混合する管路に、微弱線量のα線、β線等を照射する放射線物質より成るイオン化素子を配設したイオン化素子付気化器」が記載されている。特許文献2には、「多孔質炭素材、吸熱材及び反射体を有する装置」が記載されている。特許文献3には、空気や水等の流体中のプラスイオンを取り去って流体をマイナスイオン化する「流体活性化シート」が記載されている。特許文献4には、放射線量130Bq〜300Bqに補正された燐酸イットリウムとジルコニウムとの混合粉末を用いたラジエーター用燃費向上剤が記載されている。
特開昭53−1618号公報 特開2000−265909号公報 特開2001−355524号公報 特開2013−160097号公報
特許文献1及び4は、放射性物質を使用することから、従業員の安全を確保するための放射線遮蔽設備に多額の費用を必要とする。また、最終製品は、放射性物質が外部に漏れ出ない設計にする必要があり、製造コストが高くなる問題点があった。
特許文献2には、炭素材を使用しているが、どのような炭素材を使用しているかは記載されていない。また、吸熱材及び反射体も、どのような材料を使用しているかは記載されていない。
特許文献3には、トルマリンを使用したマイナスイオン化の技術により、燃焼室内に供給される空気を改質し燃焼効率を高める技術について述べられているが、燃料の改質、活性化については記載されていない。
本発明によれば、
植物性バイオマス由来の炭素材と、上記炭素材を包み込むように配置された金属素材と、を備え、上記炭素材は、その表面に複数個の多角形凹部を含むハニカム様構造を有する、内燃機関用燃料活性化装置、が提供される。
本願の発明者らは、ISO14001の環境リサイクルマネージメントに準拠した製品開発を行ってきた。化石燃料の燃焼は、NOx、SOx、Pmなどの排出による大気汚染、温室効果ガスの排出による気候変動など、地球環境の破壊につながる。本願の発明者らは、化石燃料の消費量抑制が、地球環境の保全、経済効率の改善等に大きく寄与すると考え、燃料消費量を削減する技術の開発に取り組んだ。内燃機関の燃焼効率の向上が、燃料消費量の削減や有害な排気ガスの排出削減に寄与する事から、燃料そのものに外部から何らかのエネルギーを与えることで、燃料を励振させて改質し、燃焼効率を高める手段についての検討を重ねた。
上記特許文献の通り、分子間共鳴させる代表的な物質として鉱石や放射性物質が挙げられるが、安全で且つ安価に提供しなければ、燃料を励振させる装置は広く普及しないだろう。
そこで、本願発明者は、木炭や竹炭などの炭素材を人体に直接的または間接的に接触させた際に、血行が促進されたり温熱効果が得られたりする現象に着目した。炭素材には、隣接する物質に運動エネルギーを伝える能力があると考え、燃料に対しても同様の効果が得られないかの試験を行った。
初めに、一般的な炭素材を燃料パイプ全体に配設させた。しかしながら、一般的な炭素材では燃料を活性化させる効果が殆どなく、炭素材で燃料パイプ全体を覆っても顕著な燃費向上効果は得られなかった。
次に、単位面積当たりの活性化効果を高めるために、圧縮した炭(圧縮炭)を燃料パイプ全体に配設させた。しかしながら、圧縮炭も顕著な燃費向上効果は得られなかった。更に、コピー用トナーや燃料炭(豆炭、練炭)も顕著な燃費向上効果は得られなかった。
本発明者は、様々な条件の下で種々の炭素材を作成し燃費向上効果を検討したところ、同じ種類の植物由来の炭素材であっても、炭化処理の条件によっては、燃料の燃焼効率に対する改善効果が異なることを発見した。更に詳しく調査したところ、炭素材の表面に複数の多角形凹部を有するハニカム様構造が形成されている場合は、燃焼効率の改善効果が一般的な黒炭や活性炭よりも高いことを見出した。特に、歪みや、ひび割れ、マイクロボアなどが少ないハニカム様構造を表面に有する炭素材は、燃料を活性化させる効果があることを初めて明らかにした。更に、本発明者は、燃焼効率および燃費改善効果をより高める手段について検討したところ、炭素材を金属素材で包み込んだ場合、燃費改善効果が大きいことを見出した。これらの知見に基づいて、本願発明は完成した。
現実的に石油化石化燃料を効率的に励起振動させる物質を安全且つ安価に提供できる物質が存在していなかった。この事実に基づいて、本発明者らは、本発明の根幹となる炭素材を利用した装置を発明した。世界中の自動車の構造を調査してもまだこの機構は採用されていない。よってここに新発明独自の燃料励振機能を有する装置を内燃機関燃料活性化装置と命名することにする。
従来型の燃料供給システムに関するブロック図である。 本発明に関する燃料供給システムのブロック図である。 内燃機関の略図である。 燃料分散装置と燃料噴射装置の詳細な断面図である。 内燃機関用燃料活性化装置を搭載した燃料供給パイプの側断面図である。 内燃機関用燃料活性化装置と燃料供給パイプの詳細な断面図である。 内燃機関用燃料活性化装置を搭載した燃料分散装置および燃料噴射装置の詳細な断面図である。 走査型電子顕微鏡により撮影した、本発明に関する炭素材の写真である。 走査型電子顕微鏡により撮影した市販の炭の写真である。 シリコンゴムに炭素材を含有させた内燃機関用燃料活性化装置の写真である。 内燃機関用燃料活性化装置の様々な形態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、同様な内容については繰り返しの煩雑を避けるために、適宜説明を省略する。
1. 概要
図1は、一般的な内燃機関における燃料供給システムに関するブロック図を表し、図2は、世界で初めて発明した燃料励振機能装置を含む燃料供給システムに関するブロック図を表している。この装置は、燃料を活動化させて燃焼効率を向上させる目的で、従来の燃料供給システムに配設して使用することができる。また、この装置は、典型的には、燃料タンクと内燃機関との間に設置し、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのみならず一般的な燃焼装置に対しても燃料励振機能を発揮する。
本発明にかかる装置の燃料励振機能は、物理的に燃料パイプを振動(バイブレーション)させるものや、分子をマイナスイオン化するものでは無く、燃料を司る分子レベルを常温にて振動励起させことである。分子を振動させる方法には、加熱やレーザー照射や放射線照射などが挙げられるが、本発明における分子を励振させる方法は分子共鳴理論に基づいている。この分子共鳴理論の根底は、量子力学により証明されている。
2. 内燃機関様燃料活性化装置
本発明の一実施形態によれば、植物性バイオマス由来の炭素材と、上記炭素材を包み込むように配置された金属素材と、を備え、上記炭素材は、その表面に複数個の多角形凹部を含むハニカム様構造を有する、内燃機関用燃料活性化装置が提供される。
この装置によれば、高価な装置及び高度な技術が要求される構造変更を必要とせずに、燃料を活性化させることができ、その結果、内燃機関の出力の向上と消費燃料の節減をもたらすことができる。
本実施形態における「ハニカム様構造」は、共鳴共振効果が存続する構造であれば、その開口部が六角形の凹部以外に多角形の凹部も含まれていてもよく、場合によっては、円形の凹部が含まれていてもよいことを意味する。多角形凹部は、その開口部の辺の長さが全て同じである必要はなく、様々な長さの辺を含んでいてもよい。
本実施形態における「活性化」は、いかなる理論に縛られるものではないが、流体のマイナスイオン化とは異なり、燃料などの対象物質からエネルギーを得やすい状態に変えること及び/又はその状態を維持させることを意味する。例えば、この様な状態の燃料は、共鳴による運動エネルギーにより気化及び空気との混合が容易になり、内燃機関の燃焼効率が向上する。この燃焼効率の向上によりトルクや馬力が向上し、同一条件下での燃料消費量が軽減される。
本実施形態における金属素材は、炭素材を包み込むように構成されている。炭素材を金属素材で包み込むと、炭素材の振動エネルギーを燃料により効率的に伝達(振動増幅や反射)させることができる。ここで、「包み込む」とは、1つの金属素材以外にも複数の金属素材を用いて炭素材を包み込む意味も含む。複数金属を用いる場合は、それぞれ異なる種類の金属であってもよい。また、炭素材の形態によっては、部分的に炭素材が露出するように金属素材で炭素材を包み込んでもよい。
本実施形態における炭素材は、木材や竹などの植物性バイオマス由来の有機物を、以下の炭化温度及び炉内圧力条件にある密閉炉内で間接加熱し、揮発不純物(油分及び水分等)を除きながら不完全燃焼させて得られる、炭素を主成分とする物質である。
2-1. 温度条件
炭化温度は、500℃から1,000℃、好ましくは600℃から900℃、さらに好ましくは750℃から850℃である。炭化温度は、標的物質を炭化する際の炉内温度を指す。炭化温度は、一定の温度ではなく、炭化処理条件によっては変動してもよい。本実施形態による炭素材は、無酸素又は低酸素下で製造される。本実施形態における炭化処理期間は、炭化する物質の量や大きさと、炉の大きさに依存して適時変更させてもよい。揮発した不純物は、炭素材への再吸着を防ぐために炉内から除かれるのが好ましい。
2-2. 圧力条件
本実施形態において、炭化処理中の炉内圧力は、炉外圧力(外気圧)よりも低い。炉内圧力は、炭化温度に維持されている間は、炉外圧力に対して、0.1から5kPa、より好ましくは0.3から4kPa、より好ましくは0.5から3kPa低い。炉内圧力と炉外圧力との圧力差が、上記の範囲よりも大きい場合は、有機物に含まれるガス成分が膨張し、適切なハニカム様構造を形成することができない。炉内圧力と炉外圧力との圧力差が、上記の範囲よりも小さい場合は、炭化させる有機物に含まれる不純物の気化が不十分になる。炉内圧力は、炉内ガスの強制排気によって維持してもよい。通常の炭化処理では、炉内圧力は、炉外圧力よりも僅かに高めに設定される。理由は、炉内圧力が炉外圧力よりも低いと外気の流入が激しくなり、炉内温度の低下を招くためである。従って、使用する炉は、密閉型が好ましい。
本発明の別の実施形態によれば、上記多角形凹部は、上記ハニカム様構造において100μm2あたり20-100個存在する。この範囲内であれば、充分な共鳴共振効果が得られる。本発明の更に別の実施形態によれば、ハニカム様構造に含まれる多角形凹部は、100μm2あたり、好ましくは30から90個、より好ましくは40から80個である。
本発明の別の実施形態によれば、上記金属素材は、アルミニウム又はその合金である。炭素材をアルミニウム又はその合金で包み込むと、炭素材の振動エネルギーを燃料により効率的に伝達(振動増幅や反射)させることができる。
本実施形態におけるアルミニウムとは、純アルミニウムのほかにアルミニウム合金を含む。アルミニウムの形態は、フィルムであってもよい。アルミニウムフィルムの厚さは、例えば、0.001mm、0.005mm、0.01mm、0.05mm、0.1mm、0.2mm、0.5mm、1.0mm、2.0mm、3.0mm及び5.0mmからなる群より選択される任意の2つの値の間であってもよい。アルミニウム素材は、部分的にフィルムであってもよい。例えば、燃料供給パイプと接する部分だけを、フィルム状のアルミニウムとしてもよい。アルミニウム素材の表面は、化学処理(例えば、不動態化処理)が施されていてもよい。
本発明の別の実施形態によれば、更にバインダーを含み、上記炭素材は、上記バインダーと混合された状態にある。この構成によれば、炭素材を任意の形状に保持させることができる。バインダーと混合される炭素材の形態は、限定するものではないが、ブロック、チップ、フレーク、粒子又は粉末であってもよい。本発明の更に別の実施形態によれば、炭素材は粒子である。本発明の更に別の実施形態によれば、炭素材は粉末である。バインダーは、炭素材を保持することができ且つ加工が容易の無機物質や有機物質であってもよい。バインダーには、例えば、油粘土、紙粘土、石粉粘土及び木質粘土などの粘土状物質であってもよく、また、ペンキ、接着剤、レジン、ゴム質(例えば、シリコンゴム)などであってもよい。
粒子状炭素材の平均粒子径は、特に限定しないが、1000、500、250、100、50、25μm以下であってもよい。本明細書において、「平均粒子径」は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
本発明の別の実施形態によれば、上記炭素材は、炭素原子数濃度が90%以上である。炭素材の炭素原子数濃度が90%以上になると、他の元素の原子数濃度を著しく低下させることができ、燃料活性化効果がより向上する。炭素材における炭素原子数濃度は、好ましくは92%以上、より好ましくは93%以上、更に好ましくは95%以上である。炭素原子数濃度は、例えば、エネルギー分散型X線分析により測定可能である。
本発明の別の実施形態によれば、上記炭素材は、カリウム原子数濃度が0.1%以下である。この炭素材は、低酸素状態でも炭が燃焼する原因物質である炭酸カリウムの濃度が低いため、高温条件下におけるこの装置の耐燃焼性能を向上させることができる。炭素材のカリウム原子数濃度は、好ましくは0.07%以下、より好ましくは、0.05%以下、更に好ましくは測定器の検出限界以下である。原子数濃度は、例えば、エネルギー分散型X線分析により測定可能である。
本発明の別の実施形態によれば、上記炭素材は、pHが6.0から10.0の範囲内である。炭素材のpHは、例えば、6.0、7.0、8.0、9.0及び10.0からなる群より選択される任意の2つの値の間であってもよい。pHが6.0から10.0の炭素材は、この装置が破損して炭素材が燃料パイプ(例えば、金属製パイプ、特にゴム製パイプ)に直接接触してもこのパイプを腐食させる可能性が低くなる。
本発明の別の実施形態によれば、炭素材は、炭化処理後、賦活処理などの特別な処理を行わずに室温になってから取り出される。従って、本実施形態における炭素材は、いわゆる活性炭素とは異なるものである。賦活処理には、ガスによる賦活処理と薬品による賦活処理が含まれる。ガスによる賦活処理には、高温で水蒸気、炭酸ガス(燃焼ガス)又は酸素(空気)等のガスで炭素材と接触反応させる処理が含まれる。薬品による賦活処理には、塩化亜鉛、リン酸、塩化カルシウム又は硫化カリウム、硫酸、塩酸、尿素等を用いた処理が含まれる。
窒素を多く含む賦活剤や水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を含む賦活剤を使用して、500度から1200度で製造された活性炭は、細孔容積やマイクロボア(細孔半径;0.64から1.0nm)を多く有するため、高い表面積を有し、微細な物質の吸着能力に優れている。しかしながら、活性炭は、普通炭と同じで、共鳴共振効果が殆どなかった。理由は、活性炭の細孔容積やマイクロボアは、ひび割れなどの存在により構造的に粗く、共鳴振動を持続させるにはマイナス要因となったと考えられる。
本発明の別の実施形態によれば、上記内燃機関用燃料は、液体である。この装置は、液体燃料を活性化することが明確になる。
本実施形態における「内燃機関用燃料」とは、内燃機関の燃料となり得る気体又は液体の燃料を意味するものであり、例えば、ガソリン、ナフサ、灯油、ジェット燃料、軽油、ディーゼル油、燃料油、液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス、メタンガス、エタンガス、プロパンガス、液化プロパンガス(LPG)、シェールガス、メタンハイドレート、大豆、菜種、綿実、ヒマワリ、ゴマ、アーモンド、カシューナッツ、ペカン(ピーカン)、マカダミアンナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ、松の実、カボチャの種、スイカの種、シイ、クルミ、クリ、銀杏、ブラジルナッツ、ナンヨウアブラギリ(ジャトロファ)等から得られる植物性油脂、牛、豚、羊、ヤギなどの哺乳動物、鶏などの鳥類、鯨、イルカ、アザラシなどの海獣、魚類、昆虫類等から得られる動物性油脂、オーランチキサントリウム属、ボトリオコッカス属等の藻類、微生物等から得られる油やアルコールを例示することができる。
[実施形態]
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態の構成を説明する。
図3は、ガソリンエンジン10、燃料供給パイプ20、燃料戻りパイプ30、燃料タンク40、吸気管50、排気管60及びインジェクター70を備える内燃機関1の略図である。図4は、燃料供給パイプ20、燃料分配パイプ21及びインジェクター70を備える燃料分散装置71の断面図である。ガソリンエンジン10は、二本のパイプ(燃料供給パイプ20及び燃料戻りパイプ30)を介して燃料タンク40と接続している。燃料80は、燃料供給器(図示せず)により、燃料供給パイプ20と燃料分配パイプ21を通りインジェクター70を介して吸気管50内に供給される。なお、ティーゼルエンジンなどの直噴エンジンの場合、燃料80は、インジェクター70を介して燃焼室90に直接供給される。余剰燃料は、燃料戻りパイプ30を通じて燃料タンク40に戻される。
図4において、本発明にかかる内燃機関用燃料活性化装置(以下、活性化装置)100は、燃料供給パイプ20と燃料分配パイプ21の外側を部分的に覆うように配設されている。活性化装置100は、燃料タンク80からインジェクター70までの流路において、よりエンジンに近い部分に配設される方が効果は高い。
図5は、活性化装置100と燃料供給パイプ20の拡大図である。入力燃料Fiは、活性化装置100が覆われた燃料供給パイプ20内を通過することにより活性化される。出力燃料Foは、活性化された燃料であり、活性化された燃料はインジェクター70を介してガソリンエンジン10に供給される。
ガソリンエンジン10に供給されることなく、燃料戻りパイプ30を介して燃料タンク40に戻った燃料は、既に活性化されているため、燃料タンク40内における燃料80の燃料特性を良好な方向に向かわせる。また、燃料戻りパイプ30にも活性化装置100を配設してもよい。これにより、余剰燃料がより活性化されて、燃料タンク40内における燃料80の燃料特性が良好になる。
図6は、燃料供給パイプ20の外側を覆うように配設された活性化装置100の断面図である。活性化装置100は、炭素材102と、炭素材102を覆うアルミニウム素材101から構成されており、活性化装置100のアルミニウム素材101が燃料供給パイプ20を被覆している。活性化装置100は、固定具(図示せず)を用いて外側から燃料供給パイプ20方向に押し付けるように固定している。固定具は、耐熱性の結束バンド、耐熱性粘着テープなどであってもよい。
図7は、燃料分配パイプ21の外側及びインジェクター70を覆うように配設された活性化装置100の断面図である。燃料供給システムに応じて、複数個の活性化装置を配設してもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1. 炭素材
密閉した炉内において無酸素雰囲気下で、750から850℃の間接加熱によって、木質系廃材約2立方メートルを熱分解し炭素材を得た。処理時間は、5時間とした。炉内圧力は、炉外圧力(外気圧)よりも0.5から3kPa低くなるように維持させた。加温時間と冷却時間を含めた総処理時間は、10時間であった。得られた炭素材から4つのサンプルを取得し、炭素原子数濃度及びカリウム原子数濃度は、エネルギー分散型X線分析(EMAX-7000、堀場製作所)を用いて測定した。各サンプルの測定結果を表1にリスト化した。
いずれのサンプルも炭素原子数濃度が95%以上であった。サンプル1は、カリウムが検出されたが、その原子数濃度は、0.05%であり、非常に低い原子数濃度であった。
また、炭素材のpHを測定した。pHは、粉末にした炭素材1gを入れた三角フラスコに蒸留水100mlを加えて5分間沸騰させ、蒸発した量の蒸留水を更に加えて、冷却後にpHメーターで測定した。得られた炭素材のpHは、pH8.2であった。
2. 表面解析
走査型電子顕微鏡(20.0kV x500)を用いて、炭素材と市販の黒炭(普通炭)の表面の表面解析を行った。得られた炭素材の表面は、多数の多角形凹部を有するハニカム様構造であった(図8)が、普通炭は、多数の四角形凹部を有する表面構造であった(図9)。
炭素材と普通炭について、100μm2あたりの凹部の数を算出した。測定は、顕微鏡写真中の任意の5箇所を選択し、目視により凹部の数を数えた。なお、測定領域の境界線上にある凹部は、凹部の半分以上が領域内にある場合は、0.5個とし、半分未満が領域外にある場合は、0個として計算した。表2は、計算結果である。
表2より、得られた炭素材は、100μm2あたり42から79個の凹部を有していた。一方、普通炭は、100μm2あたり1から3個の凹部を有していた。
3. 活性化装置
乳鉢を用いて、得られた炭素材と普通炭をそれぞれ粉体化した。各粉末30gに紙粘土を70g加え、アルミホイルで包み込みシート状の装置とした。
4. 測定条件
本田技研工業株式会社製のアコードEURO-R(排気量:2000cc、走行距離:約140,000km)を試験車両として使用した。試験車両には、ドライバーと計測者の合計2名が乗車した。渋滞等の影響による条件の変化を避けるため、試験は深夜から未明にかけての時間帯に実施した。試験時の外気温は、23から24℃(実施例1及び比較例1から3)と7℃(比較例4から6)であった。試験車両のエアコンの温度設定は、実施例1及び比較例1から3は、24℃、比較例4から6はエアコン不使用であった。走行距離及び燃費データは、車両に搭載された情報端末から取得し、情報端末は、試験毎に初期化した。
なお、比較例2は、アルミホイルで包装されていないブロック状の炭素材からなる装置を使用した。比較例3及び4は、何れの装置も使用せずに実験を行った。比較例5は、アルミホイルで紙粘土のみを包み込んだ装置を装着した。比較例6は400〜500℃にて炭化された炭素材を含むモノクロコピー用トナー(カーボンブラック)を含む装置を使用した。それぞれの装置は、試験車両の燃料供給パイプを覆うように設置した。結果を表3にまとめた。
実施例1と比較例3を比較すると、実施例1は何も装着していない状態より、燃費が3.0km/L(約19.0%)向上した。実施例1と比較例1を比較すると、実施例1の炭素材が比較例1の普通炭よりも燃費向上効果が高いことが明らかとなった。また、実施例1と比較例2を比較すると、炭素材をアルミ素材で包む方が、より燃費向上効果が高いことが明らかとなった。比較例4と比較例5を比較すると、実施例1における燃費向上効果が紙粘土によるものではないことが証明された。また、比較例4と比較例6を比較すると、カーボンブラックには燃費向上効果がないことが明らかになった。
実施例2として、軽油を使用するディーゼルエンジンを搭載したトラック(日野自動車株式会社、TG-MT)にて試験を行った。試験車両には、ドライバーと計測者の合計2名が乗車した。走行距離は、車両に搭載された情報端末から取得し、燃費データは、走行距離とガソリンの消費量から換算した。実施例2は、炭素材を含む装置である。比較例7は、何れの装置も使用しなかった。実験結果を表4に示す。
実施例2と対照例7を比較すると、実施例2は、対照例7に対して1.4km/L(約16.9%)燃費が向上した。その結果、軽油を使用するディーゼンルエンジンにおいても、本装置は燃費向上効果があることが明らかになった。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、本発明にかかる装置の形態は、炭素材含有シリコンゴムの形態であってもよい(図10)。この形態の装置は、燃料パイプへの取付けが容易である。また、上記実施例では、装置のデザインは、シート状であったが、装置のデザインは、テープ状であってもよい。テープ状の装置の場合、この装置は、燃料供給パイプに巻きつけるように設置させる。このとき、上記パイプと接する装置の表面に粘着剤が塗布されていてもよい。また、アルミニウム素材のデザインは、内部が空洞のブロックであってもよい。このブロックの中に炭素材を詰め込み、燃料供給パイプに固定させてもよい。
また、本装置は、燃料と直接接触させてもよい。この場合、炭素材をアルミニウムで覆い炭素材が漏れないようにする。図11には、かかる設計の装置を例示している。BOXストレートタイプは、BOX内にアルミニウム被覆炭素材で満たした装置である。リターンタイプは、容器内に備わるカップにより一度逆方向に燃料が流れることで、アルミニウム被覆炭素材との接触時間を長くすることを目的にした装置である。トルネードタイプは、円筒状の容器内でトルネード状の燃料フローを発生させて、燃料の励振時間を長くすることを目的にした装置である。何れの装置も容器内に炭素材を含ませてもよい。
1 内燃機関
10 ガソリンエンジン
20 燃料供給パイプ
21 燃料分配パイプ
30 燃料戻りパイプ
40 燃料タンク
50 吸気管
60 排気管
70 インジェクター
71 燃料分散装置
80 燃料
90 燃焼室
91 ピストン
100 活性化装置
101 アルミニウム素材
102 炭素材

Claims (7)

  1. 植物性バイオマス由来の炭素材と、
    前記炭素材を包み込むように配置された金属素材と、を備え、
    前記炭素材は、その表面に複数個の多角形凹部を含むハニカム様構造を有する、内燃機関用燃料活性化装置。
  2. 前記多角形凹部は、前記ハニカム様構造において100μm2あたり20-100個存在する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記金属素材は、アルミニウム又はその合金である、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記炭素材は、炭素原子数濃度が95%以上である、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記炭素材は、カリウム原子数濃度が0.1%以下である、請求項1から4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記炭素材は、pHが6.0から10.0の範囲内である、請求項1から5のいずれかに記載の装置。
  7. 更にバインダーを含み、
    前記炭素材は、前記バインダーと混合された状態にある、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
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