JP2017094247A - 配管洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
Description
閉鎖型の植物工場における水耕栽培では、閉鎖空間内の温度等の管理の精度が高いため、植物の育成環境に適した温度に管理できる利点がある。
植物を水耕栽培する水耕栽培装置において液肥が通る配管を洗浄する配管洗浄方法であって、
前記配管に洗浄水を通過させて前記配管を洗浄する工程を含み、
前記洗浄水が、液体と固体とを含み、
前記液体は、前記配管内の汚れを溶解可能な性質を持ち、
前記固体は、前記汚れを剥離可能な性質と、前記液体に溶解可能な性質とを持つ。
植物を水耕栽培する水耕栽培装置において液肥が通る配管を洗浄する配管洗浄方法であって、
前記配管に洗浄水を通過させて前記配管を洗浄する工程を含み、
前記洗浄水が、純水、氷粒を含む水、及び、水に溶解する塩を粒子状態で含む水のいずれかである。
開示の配管洗浄方法は、植物を水耕栽培する水耕栽培装置において液肥が通る配管を洗浄する配管洗浄方法である。
前記配管洗浄方法は、前記配管に洗浄水を通過させて前記配管を洗浄する工程を少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
1つの態様では、前記洗浄水が、液体と固体とを含み、前記液体は、前記配管内の汚れを溶解可能な性質を持ち、前記固体は、前記汚れを剥離可能な性質と、前記液体に溶解可能な性質とを持つ。
1つの態様では、前記洗浄水は、純水、氷粒を含む水、及び、水に溶解する塩を粒子状態で含む水のいずれかである。
植物を水耕栽培する水耕栽培装置を備える植物工場においては、生産管理、及び大規模化の点から、種々の自動化が行われている。その一例として、植物への液肥の自動供給が挙げられる。例えば、植物に供給される液肥は、液肥タンクと植物との間を配管を通って循環している。そして、植物への液肥の供給量は、配管の途中に設置されたポンプやバルブによって調整されている。
前記純水とは、不純物を含まないか又はほとんど含まない、純度の高い水を意味する。前記不純物としては、例えば、塩類、塩素などが挙げられる。
前記純水は、例えば、前記不純物を除去する方法により得られる。
前記純水としては、例えば、脱イオン水、蒸留水、RO水〔逆浸透膜(RO膜)で作られた水〕などが挙げられる。
前記氷水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記氷水における氷粒の大きさは、少なくとも配管の口径よりも小さいものであればよい。氷粒の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記塩粒子含有水としては、水に溶解する塩を粒子状態で含む水であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ここで、「塩(えん)」とは、「salt」であって、酸由来の陰イオン(アニオン)と塩基由来の陽イオン(カチオン)とがイオン結合した化合物を意味し、「しお」、即ち「塩化ナトリウム」自体を意味するものではない。
前記塩粒子含有水は、塩を溶解度を超えて含む水であることが、洗浄中に全ての塩が水に溶解して、前記塩粒子含有水中に粒子状態の塩がなくなることを防ぐことができる点で好ましい。ここで、溶解度とは、溶質(塩)が一定の量の溶媒(水)に溶ける限界量をいう。
前記塩粒子含有水における前記水に溶解する塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塩化ナトリウムが好ましい。塩化ナトリウムによる塩粒子含有水により配管を洗浄した後、塩粒子が配管内に残留していたとしても、塩は水に溶けるため、配管内から洗浄水を除去するためのすすぎ工程において、水(例えば上水)を利用することができる。また、前記塩化ナトリウムは、入手方法も取扱方法も容易であり、また安価であるため、洗浄コストを抑えることができる。
また、前記塩化ナトリウムを高濃度に含む水は、藻類の汚れの除去に対して特に適している。これは、塩化ナトリウムが藻類の細胞を破壊するためと考えられる。
ただし、前記塩としては、カルシウム塩は好ましくはない。配管内壁の汚れは、カルシウムの結晶であることが多いため、前記塩粒子含有水の塩としてカルシウム塩を用いると、配管内壁の汚れが除去しにくい可能性がある。
前記洗浄水が、酸性、又はアルカリ性であると、前記洗浄水が配管内に残留した場合に、植物の生育に影響を与える可能性がある。
一方、前記洗浄水が中性であると、前記洗浄水が配管内に残留した場合でも、植物の生育に影響を与えにくい。そのため、前記洗浄水が中性であると、前記洗浄水により配管を洗浄した後のすすぎの時間を短縮又は省略できる。
一方、前記洗浄水であると、氷粒や粒子状態の塩は、いずれ水に溶解するため、配管内に残留することを心配する必要がない。
また、前記植物としては、特定の成分の含有量が少なくなるように、または多くなるように特殊な栽培方法で育てられた植物であってもよい。
前記播種とは、種を撒いてから発芽するまでの段階である。前記播種においては、例えば、スポンジに種を撒いて、発芽させる。
前記育苗とは、発芽してからある程度の大きさになるまで苗を成長させる段階である。
前記定植とは、育苗した苗を収穫できる大きさまで成長させる段階である。
前記閉鎖空間内の室内温度を調整する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空調設備が挙げられる。前記空調設備は、例えば、前記閉鎖空間内に配置又は接続される。
植物工場は、建物100内に、植物栽培部材1、液肥タンク71、配管等を備える水耕栽培装置を備える。
図1の植物工場においては、植物栽培部材1が上層階に配置され、液肥を貯蔵する液肥タンク71が下層階に配置されている。
図2の植物工場においては、植物栽培部材1と液肥タンク71とは、同階の別部屋に配置されている。
植物栽培部材1は、室内温度を調整できる空間(例えば閉鎖空間)内に配置されていてもよい。前記閉鎖空間は、例えば、クリーンルームとなっており、外気が流入しないようになっていてもよい。
開示の配管洗浄方法の一例においては、液肥タンク71から配管に洗浄水を送液し、配管を洗浄する。その方法について、図3のフローチャートに従って説明する。
まず、液肥タンク71及び配管中の液肥を排除する。
具体的には、戻り配管73の途中にある三方バルブB1を、管P1と管P2とが通じるように切り替える。更に、バルブB2と、送り配管72の途中から枝分かれしている管P5の途中にあるバルブB6とを、開く。一方、送り配管72の途中にあるバルブB5と、送り配管72の途中から枝分かれしている管P6の途中にあるバルブB4とは、閉じておく。そうすることにより、送り配管72、戻り配管73、及び液肥タンク71にある液肥は、液肥タンク71及び配管から排除される。
液肥の排除が終わると、三方バルブB1を、管P1と管P3とが通じるように切り替える。更に、バルブB2、及びバルブB6を閉じる。更に、バルブB4を開く。
次に、空になった液肥タンク71内で洗浄水を作製する。ここで、洗浄水としては、塩化ナトリウム粒子を含有する水(以下、「塩化ナトリウム粒子含有水」と称することがある)を用いる。塩化ナトリウム粒子含有水は、水に溶解度以上の塩化ナトリウムを加えることで、塩化ナトリウム飽和水溶液に塩化ナトリウム粒子が分散している状態の水である。
具体的には、液肥タンク71に水を加える。この水は、液肥を作製する際に用いる水でよく、例えば、上水などが挙げられる。液肥タンク71の高さの1/3程度に水が貯まったら、給水を停止する。そして、バルブB3及びバルブB4が開いた状態で、送り配管71中のポンプPを動かし、液肥タンク71、バルブB3、ポンプP、及び管P6の間で、水を循環させる。そして、塩化ナトリウム粒子を、液肥タンク71に投入し、水に塩化ナトリウムを溶解させる。この際、水は循環により揺動しているため、塩化ナトリウムの水への溶解が円滑に進む。更に、塩化ナトリウムの投入を続け、塩化ナトリウム飽和水溶液を作製する。更に、塩化ナトリウムの投入を続けることで、塩化ナトリウム粒子含有水が得られる。
洗浄水である塩化ナトリウム粒子含有水が得られたら、バルブB4を閉じ、バルブB5を開く。
次に、塩化ナトリウム粒子含有水を用いて、配管の洗浄を行う。
具体的には、ポンプPを動かし、塩化ナトリウム粒子含有水を、送り配管72と、戻り配管73と、液肥タンク71との間で、循環させる。その際、洗浄水が植物栽培部材1に流れ込まないようにするために、送り配管72と、戻り配管73とをつなぐバイパス配管74に、洗浄水を通す。バイパス配管74に洗浄水を通すには、三方バルブB8を、管P4とバイパス配管74とが通じるように切り替え、かつ、三方バルブB9を、バイパス配管74と管P1とが通じるように切り替える。この際、植物栽培部材1の栽培トレーに液肥を残しておけば、洗浄の間に液肥を循環させないことによる植物の生育へ悪影響を防ぐことができる。なお、栽培トレー自体は、植物を収穫後に洗浄できるので、前記配管洗浄方法により栽培トレーを洗浄する必要はない。
以上により、洗浄水により、配管内の汚れの除去を行うことができる。
洗浄時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、配管の一部を透明な配管にし、目視により汚れ具合を確認して、洗浄の終了を決定してもよい。
洗浄が終了すると、次に、配管から洗浄水を排除する。
具体的には、三方バルブB1を、管P1と管P2とが通じるように切り替える。更に、バルブB2と、送り配管72の途中から枝分かれしている管P5の途中にあるバルブB6とを開く。更に、ポンプPを停止して、配管から洗浄水を排除する。
配管から洗浄水が排除されたことは、例えば、配管に水を通し、電気伝導度(EC)やNaイオンメータで測定することで確認することができる。この際、一般的に洗浄水として用いられる硫酸や硝酸と比べて、本発明で用いる洗浄水は、たとえ、植物栽培部材1に流れ込んでも、少量であれば植物の生育への影響がほとんどない。そのため、配管から洗浄水が排除されたことの確認は、一般的な洗浄水ほどに注意深くする必要がない。
図4は、植物栽培部材の概要構成の一例を示す斜視図、図5は、植物栽培部材の一例を示す正面図である。
また、図6の例では、栽培トレー4には栽培ポット9をはめ込むポット嵌入孔4dが一列に開けられた例を示しているがこれに限る必要は無い。搬送器具6には、例えば、栽培トレー4として、栽培ポット9を縦横に複数配置する奥行きの広い育種用栽培トレーを載せてもよく、この場合には、容器嵌込部は1組だけ設けることもできる。
一方で、栽培している植物を、栽培ラック2から、上記のように搬送器具6により栽培トレー4ごと移動させる必要がある。例えば、液肥の種類を変えるために別の棚に移動したり、栽培の際に作業しやすいように栽培トレー4を棚から下ろしたりするからである。
(付記1)
植物を水耕栽培する水耕栽培装置において液肥が通る配管を洗浄する配管洗浄方法であって、
前記配管に洗浄水を通過させて前記配管を洗浄する工程を含み、
前記洗浄水が、液体と固体とを含み、
前記液体は、前記配管内の汚れを溶解可能な性質を持ち、
前記固体は、前記汚れを剥離可能な性質と、前記液体に溶解可能な性質とを持つことを特徴とする配管洗浄方法。
(付記2)
植物を水耕栽培する水耕栽培装置において液肥が通る配管を洗浄する配管洗浄方法であって、
前記配管に洗浄水を通過させて前記配管を洗浄する工程を含み、
前記洗浄水が、純水、氷粒を含む水、及び、水に溶解する塩を粒子状態で含む水のいずれかであることを特徴とする配管洗浄方法。
(付記3)
前記洗浄水が、水に溶解する塩を粒子状態で含む水である付記2に記載の配管洗浄方法。
(付記4)
前記水に溶解する塩が、塩化ナトリウムである付記3に記載の配管洗浄方法。
(付記5)
前記液肥を貯める液肥タンク内で、水と、前記塩とを混合することにより前記洗浄水を作製する工程を含む付記3から4のいずれかに記載の配管洗浄方法。
(付記6)
前記水耕栽培装置が、前記液肥を貯める液肥タンクと、前記植物を栽培するための栽培トレーを有する植物栽培部材と、前記液肥タンクと前記植物栽培部材との間で前記液肥を循環させるための前記配管とを有し、
前記配管の洗浄が、前記洗浄水を前記液肥タンクと前記配管との間を循環させることで行われる付記1から5のいずれかに記載の配管洗浄方法。
(付記7)
前記洗浄水が前記植物栽培部材に供給されないように行われる付記6に記載の配管洗浄方法。
(付記8)
前記配管が、前記液肥タンクから前記植物栽培部材に前記液肥を送るための送り配管と、前記植物栽培部材から前記液肥タンクに前記液肥を戻すための戻し配管と、前記送り配管及び前記戻し配管を繋ぐバイバス配管とを有し、
前記バイパス配管を介して前記送り配管から前記戻し配管に前記洗浄水を送ることで、前記植物栽培部材に前記洗浄水が供給されないようにする付記7に記載の配管洗浄方法。
2 栽培ラック
2a 支柱
2b 第1の梁2b
2c 第2の梁2c
3 栽培ユニット
4 栽培トレー
4a 栽培容器
4b 蓋体
4c ホース差込孔
4d ポット嵌入孔
4e 液肥供給領域
5 照明器具
5a 蛍光管
6 搬送器具
6a 摺動部
6b 容器嵌合部
6c ハンドル
6d 補強用梁
7 レール
8 液肥ホース
8a 第1ホース
8b 第2ホース
8c 開口
8d 液流孔
9 栽培ポット
9a 縦長スリット
10 液量調整器
10b 足
13 中継管
14 排液回収管
14a 開口
15 配線コード
16 昇降機
16a アーム
16c プレート
16d 支持具
17 ワイヤ
18 プーリー
19 コイルバネ
20 光反射板
23 反射鏡
24 クリップ
71 液肥タンク
72 送り配管
73 戻り配管
74 バイパス配管
100 建物
Claims (8)
- 植物を水耕栽培する水耕栽培装置において液肥が通る配管を洗浄する配管洗浄方法であって、
前記配管に洗浄水を通過させて前記配管を洗浄する工程を含み、
前記洗浄水が、液体と固体とを含み、
前記液体は、前記配管内の汚れを溶解可能な性質を持ち、
前記固体は、前記汚れを剥離可能な性質と、前記液体に溶解可能な性質とを持つことを特徴とする配管洗浄方法。 - 植物を水耕栽培する水耕栽培装置において液肥が通る配管を洗浄する配管洗浄方法であって、
前記配管に洗浄水を通過させて前記配管を洗浄する工程を含み、
前記洗浄水が、純水、氷粒を含む水、及び、水に溶解する塩を粒子状態で含む水のいずれかであることを特徴とする配管洗浄方法。 - 前記洗浄水が、水に溶解する塩を粒子状態で含む水である請求項2に記載の配管洗浄方法。
- 前記水に溶解する塩が、塩化ナトリウムである請求項3に記載の配管洗浄方法。
- 前記液肥を貯める液肥タンク内で、水と、前記塩とを混合することにより前記洗浄水を作製する工程を含む請求項3から4のいずれかに記載の配管洗浄方法。
- 前記水耕栽培装置が、前記液肥を貯める液肥タンクと、前記植物を栽培するための栽培トレーを有する植物栽培部材と、前記液肥タンクと前記植物栽培部材との間で前記液肥を循環させるための前記配管とを有し、
前記配管の洗浄が、前記洗浄水を前記液肥タンクと前記配管との間を循環させることで行われる請求項1から5のいずれかに記載の配管洗浄方法。 - 前記洗浄水が前記植物栽培部材に供給されないように行われる請求項6に記載の配管洗浄方法。
- 前記配管が、前記液肥タンクから前記植物栽培部材に前記液肥を送るための送り配管と、前記植物栽培部材から前記液肥タンクに前記液肥を戻すための戻し配管と、前記送り配管及び前記戻し配管を繋ぐバイバス配管とを有し、
前記バイパス配管を介して前記送り配管から前記戻し配管に前記洗浄水を送ることで、前記植物栽培部材に前記洗浄水が供給されないようにする請求項7に記載の配管洗浄方法。
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