以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]ヘアブラシ:
本発明のヘアブラシ(第一の発明)の一の実施形態は、図1〜図3に示すヘアブラシ100である。このヘアブラシ100は、外周部に位置する支持部11と、この支持部11に連なり、支持部11の内側に位置し、可動できる可動部12と、を有するヘアブラシ本体10と、を有している。そして、ヘアブラシ100は、ヘアブラシ本体10の支持部11及び可動部12の少なくとも一方から延びる櫛部20を備えている。
人の頭部は、丸みを帯びた形状や細長い楕円形の形状等の様々な形状があり、大きな個人差がある。そのため、スムーズに毛髪を梳かしたり、良好なマッサージ効果を得るには、従来のヘアブラシでは困難であり、個々の頭部の形状に対応できるヘアブラシが切望されている。本発明のヘアブラシは、このような要望に応えることができるものである。
つまり、ヘアブラシ100は、毛髪を梳かす際に、支持部11に支持された可動部12が頭部の形状に応じてスムーズに可動する。そのため、毛髪を良好に梳かすことができる。さらに、ヘアブラシ100は、可動部12が、過度な外力を頭部に与えられないように、外力を逃がす役割を果たす。つまり、可動部12は、緩衝材としての役割を果たす。そのため、適度な力が頭部に与えられるため、良好なマッサージ効果が得られる。
図1は、本発明のヘアブラシの一の実施形態を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明のヘアブラシの一の実施形態を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。図3は、本発明のヘアブラシの一の実施形態を側方から見た状態を模式的に示す側面図である。
[1−1]ヘアブラシ本体:
ヘアブラシ本体は、支持部と可動部とを有するものである。ヘアブラシ本体の形状は特に制限はない。例えば、図2に示すヘアブラシ100のヘアブラシ本体10のように螺線状をなしていてもよい。また、図4〜図11に示すように、環状の部材である支持部11とこの支持部を基端とする舌片状の部材である可動部12とからなる形状とすることができる。
図4は、本発明のヘアブラシの他の実施形態のヘアブラシ本体を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。図5は、本発明のヘアブラシの更に他の実施形態のヘアブラシ本体を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。図6は、本発明のヘアブラシの更に他の実施形態のヘアブラシ本体を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。図7は、本発明のヘアブラシの更に他の実施形態のヘアブラシ本体を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。図8は、本発明のヘアブラシの更に他の実施形態のヘアブラシ本体を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。図9は、本発明のヘアブラシの更に他の実施形態のヘアブラシ本体を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。図10は、本発明のヘアブラシの更に他の実施形態のヘアブラシ本体を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。図11は、本発明のヘアブラシの更に他の実施形態のヘアブラシ本体を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。
図2に示すヘアブラシ100のヘアブラシ本体10のように、ヘアブラシ本体が螺線状であると、支持部を把持した際の応力(外力)が適切に可動部に伝達されるため、可動部の可動をコントロールしやすくなる。そのため、頭部の形状により対応しやすくなり、毛髪を梳かす機能及びマッサージ機能を確保し易くなる。
図1〜図3に示されるヘアブラシ100は、帯状の板状部材が螺線状をなすヘアブラシ本体を備えている。このヘアブラシ100では、支持部11は、螺線状に形成されるヘアブラシ本体10の外周のうち、最外周部に位置する。つまり、最外周に位置する螺線状の端部から、螺線状の形状に沿って時計周り(右周り)に1周りした際に、その螺線状の端部の内側に入り込むまでの範囲が、支持部11に該当する。すなわち、支持部11は、使用者がヘアブラシ100を把持する部分であるため、ヘアブラシ100の使用時に把持できる部分が、支持部11に該当するということもできる。そして、ヘアブラシ100においては、可動部12は、螺線状の形状に沿って螺線状の端部から1周りした後、他方の端部(最も内側(中央側)に位置する端部)までの範囲に位置する部分が該当する。ヘアブラシ本体の可動部の螺線は、2周り以上とすることができる。なお、ヘアブラシ本体の可動部の螺線は、2周り未満とすることができ、1周り未満でもよい。
さらに、螺線状のヘアブラシ本体10は、各周の間に隙間30が形成されている。この隙間30が形成されることにより、後述するように支持部11を把持しながら応力を当該支持部11に加えると、螺線に沿って中央側に変形可能となる。別言すれば、可動部12の渦が小さくなり、隙間30が無くなるように可動部12が変形する。
さらに、支持部11及び可動部12の、毛髪に接触する側の面には、ピン(ブリッスル)である櫛部20を固定するためのピン穴14がその螺線状の帯の幅方向に2列になるように形成されている。
さらに、支持部及び可動部の、毛髪に接触する側の面及び当該面の反対側の面の幅は、その他の面の幅に比べて狭く形成されている。なお、支持部及び可動部の、毛髪に接触する側の面及び当該面の反対側の面の幅は、特に限定されるものではない。
さらに、ピンは、その螺線状の帯の幅方向に2列になるように形成された穴に対して、交互になるように装着されている。なお、ピン穴は、2列に限らず、1列でも、3列でもよい。さらに、不規則にピン穴が形成されてもよい。ピンの装着は、全てのピン穴に装着しても良いし、規則的に間隔をあけて装着しても良いし、不規則に装着しても良い。
ピンの長さは、全て同じであってもよいし、異なっていてもよい。ピンの長さを異ならせる場合、長いピンと短いピンを「1組のピン」とし、この「1組のピン」を規則的にまたは不規則に配列することができる。なお、櫛部は、全て「1組のピン」から構成されていてもよいし、「1組のピン」と通常のピンとの組み合わせであってもよい。
ピンの先端には、球状部を設けることができる。この球状部を設けることにより、頭皮のマッサージ効果を更に向上させることができる。
このように構成されるヘアブラシを用いて毛髪を梳かすと、可動部は頭部の形状に沿って、前後上下左右に可動することになる。
さらに、可動部の前後上下左右の可動を制御したい場合、或いは、ピンの密集度を、把持する力によって変えたい場合には、上記支持部を把持しながら応力を当該支持部に加えると、螺線に沿って中央側に変形するとともに、当該支持部に加えられた力が可動部に伝わり、支持部が螺線の中央に収縮するように変形する。言い換えれば、螺線を形成する支持部及び可動部の隔周間に形成される隙間が、支持部及び可動部の可動(変形)により収縮する。そのため、このような状態で、ヘアブラシを用いることで、可動部の前後上下左右の動きを制御できるため、支持部からの力を可動部により強く伝えることができ、マッサージ効果を得ることができる。
なお、ヘアブラシ本体10は、帯状の板状部材からなるものであるが、帯状の板状部材でなくともよい。
なお、図2に示すヘアブラシ100は、ヘアブラシ本体10が、螺線状をなしており、この螺線は、時計回り(右回り)であるが、本発明においては反時計回り(左回り)であってもよい。つまり、ヘアブラシ本体10は、時計周り(右回り)に巻かれた帯状であってもよいし、反時計周り(左回り)に巻かれた帯状であってもよい。
「螺線状」は、中央に向かって均等に渦を巻く形状以外に、不均等に渦を巻く形状であってもよい。具体的には、図2に示すヘアブラシ100に帯状のヘアブラシ本体は、その帯状の幅が一定の幅として図示されているが、このような場合に限定されるものではなく、帯状の幅が中央に向かうに従って狭められたり、広がったりしてもよい。さらには、帯状の幅を不規則な幅にしても良い。
ヘアブラシ本体10の大きさは、特に制限はないが、大人がヘアブラシ本体全体を握った状態で毛髪を梳かすことができる程度の大きさとすることができる。
[1−1a]支持部:
支持部は、ヘアブラシの外周部に位置する部分であり、使用者がヘアブラシを把持する際に支持する部分である。
ここで、「外周部」とは、ヘアブラシの最外周に位置する部分である。また、「外周部に位置する支持部」とは、ヘアブラシの最外周に位置し、使用者の持ち手となる部分(使用者が把持する部分)である。例えば、図4に示されるヘアブラシ100は、外周部に位置する支持部11を有している。図1〜図3に示すヘアブラシ100は、ヘアブラシ本体10が、螺線状をなしており、この場合、図2に示す破線で囲われた部分が最外周に位置する部分となる。つまり、図1〜図3に示すヘアブラシ100では、図2に示す破線で囲われた部分が支持部11となる。
支持部の形状・構造・寸法は、特に制限はなく、例えば把持しやすい形状・構造・寸法とすることができる。支持部の形状としては、例えば、上下対称又は左右対称に形成された形状、点対象に形成された形状などとすることができる。但し、これらの例に限定されるものではない。
支持部は、環状の部材から構成されるものとすることができる。このように構成されることにより、使用者が支持部を把持しやすくなる。「環状の部材」とは、支持部の外周が一連なりの円弧状(楕円形状も含む。)に形成されるものや、支持部の外周が一連なりではないが全体として円弧状に形成されるもの、また、所々にスリットや凹凸部が形成されるものも含まれる。「環状の部材」は、その内側に空間が形成された中抜き部材ということもできる。
更に、支持部の外周は、円形状、楕円形状に形成されていてもよいし、三角形状、矩形形状などの多角形形状に形成されていてもよい。なお、多角形形状の場合、各辺は直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。曲線状である場合とは、たとえば、図4〜図9に示すヘアブラシ101〜106の支持部11の場合を挙げることができる。また、支持部の外周は、複数の円(たとえば3つの円)が互いに重なって得られる図形の外周と同じ形状としてもよい。図10に示すヘアブラシ107は、ヘアブラシ本体10が、3つの円が互いに重なって得られる図形の外周と同じ形状である場合を示す例である。図11に示すヘアブラシ108は、支持部11の外周が円形状である場合を示す例である。
環状の部材から構成される支持部は、可動部との間に隙間(貫通した領域)を形成することができる。このようにすると、支持部に加えた力を可動部へ確実に伝えやすくなるため、可動部の動きを操作しやすくなる。
貫通した領域が形成されると、支持部を変形するように応力を加えることで、支持部の内部に形成される空間が変形し、その結果、ピンの密集度が変化する。そのため、毛髪の状態に合わせてスムーズに毛髪を梳かすことができるだけでなく、頭部の形状に応じて適度なマッサージを行うことができる。更に、可動部に力を確実に伝えることができる。
図4〜図11に示す支持部11は、可動部12との間に隙間30(貫通した領域)が形成されたものである。
支持部の材質としては、特に限定されるものではないが、把持しやすく、可動部を可動させ易くしながら、この可動部を支持できるような材質を採用することができる。このような支持部の材質としては、例えば、プラスチック、シリコン、ゴム、金属(但し、金属の場合は、弾性のあるものがよい)などを挙げることができる。ただし、これらの例に限定されるものではない。
なお、支持部の材質は、可動部の材質と同じ材質を用いても良いし、それぞれの特性に対応できるように、可動部とは異なる材質を採用してもよい。支持部と可動部について同じ材質を用いる場合には、これらを一体的に成形できるため、成形が容易となり、製造コストを安価させることができる。支持部と可動部について異なる材質を用いる場合には、ヘアブラシを把持しやすくし、且つ、可動部を支持しやすいという支持部の機能と、頭部に対応した可動を十分に確保できるという可動部の機能の両方を高めるように各部材の材質を選定することができる。
なお、支持部と可動部は、最終製品として一体として連なるものであれば良く、成形過程で一体的に形成されて連なるものであっても良いし、それぞれ別体として形成された後、最終製品として一体化されて連なるものとなってもよい。
[1−1b]可動部:
可動部は、支持部に連なり、この支持部の内側に位置し、可動できる部材である。この可動部によって、丸みを帯びた形状や細長い楕円形の形状等の様々な形状がある頭部であっても、スムーズに毛髪を梳かしたり、良好なマッサージ効果を得ることができる。
「支持部に連なり、支持部の内側に位置し」とは、可動部が、支持部に連続しながら支持部の内側に位置するように形成されていることを意味する。そして、「可動できる」とは、可動部は、上下、前後、左右の少なくとも一方向に自在に可動できるように形成されていることを意味する。別言すれば、例えば、可動部は、支持部内にある空間内を上下左右に動くことだけでなく、その空間に対して前後に動くことが可能である。特に、可動部は、頭部の形状に沿って自在に上下に動くことができる。なお、可動した可動部は、支持部に対して押圧を一定の力で押圧をかけ続ける場合には、所定位置になるように変形し、押圧をやめると変形が無くなり元の位置に戻ることになる。
可動部の形状・構造・寸法は、支持部の内側に、支持部に連なるように形成され、且つ、頭部の形状に応じて可動できるように形成される限り特に制限はない。
たとえば、可動部としては、図1〜図3に示されるように、螺線状(すなわち、渦巻き模様状)に形成することができる。また、図4〜図11に示されるように、支持部を基端とする舌片状に形成することもできる。
可動部は、上述の通り、支持部を基端とする舌片状の部材とすることができる。このように構成されることにより、支持部に加えられた力を適度に制御しながら舌片状の部材に伝達させることができる。すなわち、舌片状の部材に支持部を介して応力が加えられると、支持部の内部に形成される空間の変形と共に舌片状の部材である可動部が可動して、可動部上のピンの密集度を変化させることができる。さらに、可動部が上下前後左右に可動する(変形する)ため、その位置に応じて接触した頭皮に対して適度な刺激を与えることができ、マッサージ効果を得ることができる。
「舌片状の部材」とは、基端(一方の端部)が支持部に固定され、他方の端部が自由端(固定されていない状態)となるような部材であり、その輪郭は、特に制限はなく、たとえば、U字状(図4参照)、V字状(図7参照)、フラスコ状(図5の先端膨張可動部を参照)、円形状(図10、図11参照)などが該当する。
(請求項4)
舌片状の可動部は、1つでもよいし、2つ以上形成され、環状の支持部の中央に向かって延びるように形成することができる。このように構成されることにより、支持部からの力が可動部に均等に掛かり、また、可動部の可動領域を十分に確保できる。そのため、毛髪を梳かす機能及びマッサージ機能を確保し易くなる。
図4は、6つの舌片状の可動部12が形成されたヘアブラシ101を示している。このヘアブラシ101は、六角形の隣り合う頂点を結ぶ辺が外側に湾曲して得られる図形からなる形状の支持部11を備えており、上記各頂点から支持部11の中心に向かって上記6つの可動部12が延びている。そして、各可動部12は、外力を加えない場合、互いに接しないように支持部11に隙間30が形成されている。
図5は、8つの舌片状の可動部12が形成されたヘアブラシ102を示している。このヘアブラシ102は、八角形の隣り合う頂点を結ぶ辺が外側に湾曲して得られる図形からなる形状の支持部11を備えており、上記各頂点から支持部11の中心に向かって上記8つの可動部12が延びている。そして、各可動部12は、外力を加えない場合、互いに接しないように支持部11に隙間30が形成されている。更に、8つの可動部12のうちの4つの可動部は、先端が膨らんだ形状をなす先端膨張可動部16であり、その他の4つの可動部は、先端が膨らんだ形状でない通常可動部18である。そして、先端膨張可動部16と通常可動部18とは、時計回りに交互に配置されている。
図6は、4つの舌片状の可動部12が形成されたヘアブラシ103を示している。このヘアブラシ103は、八角形の隣り合う頂点を結ぶ辺が外側に湾曲して得られる図形からなる形状の支持部11を備えており、上記辺から1つ置きに支持部11の中心に向かって上記4つの可動部12が延びている。そして、各可動部12は、外力を加えない場合、互いに接しないように支持部11に隙間30が形成されている。更に、4つの可動部は、基端部に貫通孔32が形成されている。この貫通孔32が形成されることにより、可動部12の可動性を向上させることができる。特に上下の動きが滑らかになる。
図7は、8つの舌片状の可動部12が形成されたヘアブラシ104を示している。このヘアブラシ104は、八角形の隣り合う頂点を結ぶ辺が外側に湾曲して得られる図形からなる形状の支持部11を備えており、上記各辺から支持部11の中心に向かって上記8つの可動部12が延びている。そして、各可動部12は、外力を加えない場合、互いに接しないように支持部11に隙間30が形成されている。
図8は、4つの舌片状の可動部12が形成されたヘアブラシ105を示している。このヘアブラシ105は、八角形の隣り合う頂点を結ぶ辺が外側に湾曲して得られる図形からなる形状の支持部11を備えており、上記辺から1つ置きに支持部11の中心に向かって上記4つの可動部12が延びている。そして、各可動部12は、外力を加えない場合、互いに接しないように支持部11に隙間30が形成されている。
図9は、3つの舌片状の可動部12が形成されたヘアブラシ106を示している。このヘアブラシ106は、六角形の隣り合う頂点を結ぶ辺が外側に湾曲して得られる図形からなる形状の支持部11を備えており、上記辺から1つ置きに支持部11の中心に向かって上記3つの可動部12が延びている。そして、各可動部12は、外力を加えない場合、互いに接しないように支持部11に隙間30が形成されている。
図10は、3つの舌片状の可動部12が形成されたヘアブラシ107を示している。このヘアブラシ107は、3つの円が互いに重なって得られる図形の外周と同じ形状の支持部11を備えており、この支持部11の外周の凹部から支持部11の中心に向かって上記3つの可動部12が延びている。そして、各可動部12は、外力を加えない場合、互いに接しないように支持部11に隙間30が形成されている。
図11は、1つの舌片状の可動部12が形成されたヘアブラシ108を示している。このヘアブラシ108は、円形状の支持部11を備えており、この支持部11の一部を基端として円形状の可動部12が形成されている。そして、可動部12は、外力を加えない場合、支持部11と互いに接しないように隙間30が形成されている。さらに、この可動部12は、外周部35を有し、この外周部35の内側には貫通孔32が形成され、この貫通孔32に円形状の舌片部材37が延びている。舌片部材37は、外力を加えない場合、外周部35と互いに接しないように隙間30が形成されている。このように、舌片状の可動部は、1つであってもよい。
本発明のヘアブラシにおいて可動部の材質としては、特に限定されるものではないが、頭部の形状に対応し可動し易い材質から形成されることが好ましい。このような可動部の材質としては、例えば、プラスチック、シリコン、ゴム、金属(但し、金属の場合は、弾性のあるものがよい)などを挙げることができる。ただし、これらの例に限定されるものではない。
可動部は、支持部よりも大きく可動するものとすることができる。このように構成されることにより、可動部が頭部の形状にあわせてよりスムーズに可動することができる。ここで、「可動部が、支持部よりも大きく可動する」とは、毛髪を梳かす際に支持部も可動する場合があるが、可動部は、毛髪を梳かす際に支持部よりも前後上下左右に大きく可動する構造であることを意味する。
[1−2]櫛部:
櫛部は、ヘアブラシ本体を構成する支持部及び可動部の、少なくとも一方から延びるものである。そして、この櫛部は、ヘアブラシにおけるピン(ブリッスル)を意味する。この櫛部は、支持部及び可動部が有する面のうち、毛髪を梳かす際に毛髪と接触する側の面(接触面)から延びた状態で配設されている。そして、この櫛部によって毛髪を梳かすことができ、更に、頭皮に櫛部が接触することによって頭部をマッサージすることができる。
櫛部は、支持部及び可動部の接触面に着脱不能に固定されるものであってもよいし、着脱可能に固定されるものであってもよい。また、着脱不能に固定される場合、接着剤等によって支持部及び可動部に固定することができる。なお、櫛部は、接触面から当該接触面の反対側の面に向けて貫通していない穴を形成し、この穴にピン等を押圧して着脱可能に又は着脱不能に固定することで配設しても良い。更に、櫛部は、支持部及び可動部と一体成型されてもよい。そのため、櫛部、支持部、及び可動部が全て同じ材質であってもよい。なお、櫛部、支持部、可動部は、異なる材質であってもよい。
櫛部の材質としては、特に制限はなく、従来公知のヘアブラシに使用される櫛部の材質と同様のものを適宜採用することができる。
櫛部の大きさとしては、特に制限はなく、従来公知のヘアブラシに使用される櫛部と同様の大きさを適宜採用することができる。
櫛部の密度は、特に制限はなく、従来公知のヘアブラシに使用される櫛部と同様の密度で配設することができる。
[1−3]把持部:
本発明のヘアブラシは、支持部に接続され、この支持部から外方に延びる把持部を更に備えていてもよい。この把持部を備えることにより、ヘアブラシの使用者は、把持部を把持した状態で毛髪を梳かすことができる。女性や子供などのように力の弱い者は、支持部全体を掴むよりも、把持部を握った状態の方が毛髪を梳かし易い場合があるため、力の弱い者による本発明のヘアブラシの使用性を向上させることができる。
この把持部は、女性や子供などが握ることができる限り特に制限はなく、従来のヘアブラシで使用される把持部と同様のものを適宜選択することができる。なお、支持部から延びる把持部の数は、特に制限はなく、1つであってもよいし、複数であってもよい。「把持部」は、持ち手や柄ということもできる。
把持部は、取手としてそのまま握っても良い。また、把持部は、ヘアブラシ本体を掌に収めて持った状態(つまり、図1に示すヘアブラシ100のように把持部がないヘアブラシを握るようにして持った状態)で人差し指と親指で挟むようにして把持してもよい。この場合、把持部が無い場合に比べてヘアブラシ本体が不意に回転してしまうことが防止できるなどの効果があり、毛髪を梳かし易い。このように使用する場合があるため、把持部は、取手としてそのまま握る場合に想定される長さよりも短いものであってもよい。
図13、図14には、それぞれ、把持部40を更に備えるヘアブラシ300,301を示している。なお、図13に示すヘアブラシ300は、支持部11の一方の端部から把持部40が延びているが、把持部が接続される位置は支持部11であれば特に制限はない。また、把持部の形状や大きさは、上述の通り、図13,図14に示すものに限定されることはない。更に、把持部を取り付けるヘアブラシ本体は、図13,図14に示すものに限られない。
図13は、本発明のヘアブラシの更に他の実施形態のヘアブラシ本体を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。図14は、本発明のヘアブラシの更に他の実施形態のヘアブラシ本体を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。なお、図13,図14では、櫛部の記載を省略している。
[2]ヘアブラシ(第二の発明):
本発明のヘアブラシ(第二の発明)の一の実施形態は、図12に示すヘアブラシ200である。このヘアブラシ200は、中央部に位置する支持部11と、この支持部11に連なり、支持部11の外側に位置し、可動できる可動部12と、を有するヘアブラシ本体10と、を有している。そして、ヘアブラシ200は、ヘアブラシ本体10の支持部11及び可動部12の少なくとも一方から延びる櫛部と、を備えている。なお、図12においては、「櫛部」を省略している。図12は、本発明のヘアブラシ(第二の発明)の一の実施形態のヘアブラシ本体を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。
ここで、上述したように、人の頭部は、丸みを帯びた形状や細長い楕円形の形状等の様々な形状があり、大きな個人差がある。そのため、スムーズに毛髪を梳かしたり、良好なマッサージ効果を得るには、従来のヘアブラシでは困難であり、個々の頭部の形状に対応できるヘアブラシが切望されている。本発明のヘアブラシ(第二の発明)は、このような要望に応えることができるものである。
ヘアブラシ200は、毛髪を梳かす際に、支持部11に支持された可動部12が頭部の形状に応じてスムーズに可動する。そのため、毛髪を良好に梳かすことができる。さらに、ヘアブラシ200は、可動部12が、過度な外力を頭部に与えられないように、外力を逃がす役割を果たす。つまり、可動部12は、緩衝材としての役割を果たす。そのため、適度な力が頭部に与えられるため、良好なマッサージ効果が得られる。
[2−1]ヘアブラシ本体:
ヘアブラシ本体は、支持部と可動部とを有するものである。ヘアブラシ本体の形状は特に制限はない。例えば、図12に示すヘアブラシ200のヘアブラシ本体10のように、中央に位置する支持部11と、この支持部11から螺線状をなして延びる可動部12とを備える形状とすることができる。ヘアブラシ本体10には、櫛部を挿入可能な穴(ピン穴)が複数形成されている(不図示)。このピン穴の全てにピン(櫛部)を挿入してもよいし、一部にのみピンを挿入してもよい。なお、櫛部は、支持部及び可動部と一体成型されてもよい。そのため、櫛部、支持部、及び可動部が全て同じ材質であってもよい。なお、櫛部、支持部、可動部は、異なる材質であってもよい。
[2−1a]支持部:
支持部は、ヘアブラシの中央部に位置する部分である。この支持部によって、図12に示すような螺線状の可動部を支持することができる。「中央部に位置する」とは、ヘアブラシの中央に位置することを意味し、必ずヘアブラシの中心に位置することを意味するものではない。つまり、支持部は、ヘアブラシ(ヘアブラシ本体)の中心からズレて配置されていてもよい。
支持部の形状・構造・寸法は、特に制限はなく、中央部に位置すると共に可動部に連なるものであって、毛髪との接触面側に、この接触面側から櫛部が延びるような形状・構造であれば良い。図12に示すヘアブラシ200は、略円柱状の支持部11が形成された例である。
支持部の材質としては、特に限定されるものではなく、支持部に連なる可動部を可動させ易くしながら、可動部を支持できるような材質を採用することができる。このような支持部の材質としては、例えば、プラスチック、シリコン、ゴム、金属(但し、金属の場合は、弾性のあるものがよい)などを挙げることができる。ただし、これらの例に限定されるものではない。
なお、支持部の材質は、可動部の材質と同じ材質を用いても良いし、それぞれの特性に対応できるように、可動部とは異なる材質を採用してもよい。支持部と可動部について同じ材質を用いる場合には、これらを一体的に成形できるため、成形が容易となり、製造コストを安価させることができる。支持部と可動部について異なる材質を用いる場合には、可動部を支持しやすいという支持部の機能と、頭部に対応した可動を十分に確保できるという可動部の機能の両方を高めるように各部材の材質を選定することができる。
なお、支持部と可動部は、最終製品として一体として連なるものであれば良く、成形過程で一体的に形成されて連なるものであっても良いし、それぞれ別体として形成された後、最終製品として一体化されて連なるものとなってもよい。更に、支持部及び可動部は、最終製品として、櫛部とも一体成型されてもよい。
[2−1b]可動部:
可動部は、支持部に連なり、この支持部の外側に位置し、可動できるものである。この可動部によって、丸みを帯びた形状や細長い楕円形の形状等の様々な形状がある頭部であっても、スムーズに毛髪を梳かしたり、良好なマッサージ効果を得ることができる。
「支持部に連なり、支持部の内側に位置し」とは、可動部が、支持部に連続しながら支持部の内側に位置するように形成されていることを意味する。そして、「可動できる」とは、可動部は、上下、前後、左右の少なくとも一方向に自在に可動できるように形成されていることを意味する。別言すれば、可動部は、例えば、支持部内にある空間内を上下左右に動くことだけでなく、その空間に対して前後に動くことが可能である。特に、可動部は、頭部の形状に沿って自在に上下に動くことができる。なお、可動した可動部は、支持部に対して押圧を一定の力で押圧をかけ続ける場合には、所定位置になるように変形し、押圧をやめると変形が無くなり元の位置に戻ることになる。
可動部の形状・構造・寸法は、支持部の内側に、支持部に連なるように形成され、且つ、頭部の形状に応じて可動できるように形成される限り特に制限はない。
たとえば、可動部としては、図12に示すような螺線状(すなわち、渦巻き模様状)のものとすることができる。図12に示すヘアブラシ200は、支持部11から2本の帯状部材38(可動部12)が螺線状に延びている。なお、本発明において、可動部が帯状部材から構成される場合、その数は特に制限はない。つまり、可動部は、1本の帯状部材から形成されていてもよいし、2本以上の帯状部材から形成されていてもよい。
本発明のヘアブラシにおいて可動部の材質としては、特に限定されるものではないが、頭部の形状に対応し可動し易い材質から形成されることが好ましい。このような可動部の材質としては、例えば、プラスチック、シリコン、ゴム、金属(但し、金属の場合は、弾性のあるものがよい)などを挙げることができる。ただし、これらの例に限定されるものではない。
可動部は、支持部よりも大きく可動するものとすることができる。このように構成されることにより、可動部が頭部の形状にあわせてよりスムーズに可動することができる。ここで、「可動部が、支持部よりも大きく可動する」とは、毛髪を梳かす際に支持部も可動する場合があるが、可動部は、毛髪を梳かす際に支持部よりも前後上下左右の少なくとも一方向に大きく可動する構造であることを意味する。
[2−2]櫛部:
櫛部は、ヘアブラシ本体を構成する支持部及び可動部の、少なくとも一方から延びるものである。そして、この櫛部は、ヘアブラシにおけるピン(ブリッスル)を意味する。この櫛部は、支持部及び可動部が有する面のうち、毛髪を梳かす際に毛髪と接触する側の面(接触面)から延びた状態で配設されている。そして、この櫛部によって毛髪を梳かすことができ、更に、頭皮に櫛部が接触することによって頭部をマッサージすることができる。
櫛部は、支持部及び可動部の接触面に着脱不能に固定されるものであってもよいし、着脱可能に固定されるものであってもよい。また、着脱不能に固定される場合、接着剤等によって支持部及び可動部に固定することができる。なお、櫛部は、接触面から当該接触面の反対側の面に向けて貫通していない穴(ピン穴)を形成し、この穴にピン等を押圧して着脱可能に又は着脱不能に固定することで配設しても良い。なお、櫛部は、支持部及び可動部と一体成型されてもよい。
櫛部の材質としては、特に制限はなく、従来公知のヘアブラシに使用される櫛部の材質と同様のものを適宜採用することができる。
櫛部の大きさとしては、特に制限はなく、従来公知のヘアブラシに使用される櫛部と同様の大きさを適宜採用することができる。
櫛部の密度は、特に制限はなく、従来公知のヘアブラシに使用される櫛部と同様の密度で配設することができる。
[3]本発明のヘアブラシ(第一の発明)の使用方法:
本発明のヘアブラシを用いて適度な力で毛髪を梳かす場合には、固定部を過度に変形させない程度の力で支持部を把持し、ヘアブラシ本体を毛髪に接触させ、毛髪を梳かす。この際に、ヘアブラシ本体の可動部は、頭部の形状に沿って、前後上下左右の少なくとも一方向に可動することになる。つまり、頭部の形状は、人それぞれ異なるが、様々な頭部の形状に合わせてヘアブラシ本体の可動部が適切に動き、良好に毛髪を梳かすことができる。
さらに、可動部の前後上下左右の可動を制御したい場合、或いは、ピンの密集度を、把持する力によって変えたい場合には、上記支持部を把持しながら応力を当該支持部に加えると、螺線に沿って中央側に変形するとともに、当該支持部に加えられた力が可動部に伝わり、支持部が螺線の中央に収縮するように変形する。
言い換えれば、螺線を形成する支持部及び可動部の隔周間に形成される隙間が、支持部及び可動部の可動(変形)により収縮する。そのため、このような状態で、ヘアブラシを用いることで、可動部の前後上下左右の動きを制御でき、支持部からの力を可動により強く伝えることができるので、マッサージ効果を得ることができる。なお、このようにして、毛髪を梳かし終わった際、更には、マッサージを終了した際には、把持する力を弱めれば、ヘアブラシ本体の形状が元の形状に戻ることになる。
本発明のヘアブラシが取手としての把持部を備える場合(使用者が取手として把持部を握ってヘアブラシを使用する場合)、ヘアブラシの使用者は、把持部を把持した状態で毛髪を梳かすことができる。女性や子供などのように力の弱い者は、支持部全体を掴むよりも、把持部を握った状態の方が毛髪を梳かし易い場合がある。このように把持部を握った状態で毛髪を梳かしたとしても、ヘアブラシ本体の可動部は、頭部の形状に沿って、前後上下左右の少なくとも一方向に可動する。つまり、人それぞれの様々な頭部の形状に合わせてヘアブラシ本体の可動部が適切に動き、良好に毛髪を梳かすことができる。
また、把持部を介してヘアブラシを頭皮に押し付ける力が強い場合であっても、過度な外力が頭部に与えられないように可動部が前後上下左右などに適切に可動して外力を逃がすことになる。そのため、スムーズに毛髪を梳かしたり、良好なマッサージ効果を得ることができる。