JP2017084594A - 高電圧装置、高電圧装置を備えた変圧器、高電圧装置を有する電流導入端子 - Google Patents

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Yutaka Morita
森田  裕
順二 武藤
Junji Muto
順二 武藤
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Toranosuke Takeuchi
虎之介 竹内
金井 恒行
Tsuneyuki Kanai
恒行 金井
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Abstract

【課題】
高電圧印加部の絶縁支持体において小型化を進めるには従来以上の沿面耐電圧が必要であり、この沿面距離を確保できる絶縁支持体を有する高電圧装置を提供する。
【解決手段】
高電圧装置の高電圧印加部絶縁支持体における高電界作用部は、繊維状の樹脂部材を積層して形成された表面部を有しする。前記表面部は前記繊維状の樹脂部材に由来する凹凸を有することを特徴とする。

【選択図】 図2

Description

本発明は高電圧装置に関する。
本発明に関する背景技術として、例えば特許文献1は「導体に発生する電界強度分布の実態に応じた任意の方向あるいは分布の誘電率の傾斜を実現可能とする。モールド樹脂と比重が同じ或いは近似した高誘電率の充填材を用いて誘電率を傾斜可能とする。固体絶縁物を薄くしても絶縁破壊を起こし難くする。」という目的に対して「液相から固相へ相変化可能な絶縁材料を母材とし、液相の母材に該母材の誘電率よりも高い誘電率でかつ母材中に分散可能な充填材を加えて混合物とし、該混合物で導体を覆った状態で導体に電圧を印加しながら混合物を固化ないし硬化させることにより、導体から発生する電界の少なくとも不平等電界部分に電界勾配力によって充填材を集めて、電力機器用絶縁モールドの高電界となる部分の電界強度を弱め、全体として電界強度の変化を緩やかにしたり電界強度を一定にするようにしている。」ことを開示している。
特開2006−252893
電気学会放電ハンドブック出版委員会編「放電ハンドブック」下巻、P.113 電気学会論文誌A、第122巻3号、P.281−287
X線発生装置、X線撮影装置またはX線CT装置等に代表される高電圧装置においては主絶縁体として液体絶縁体である絶縁油を用いることが多い。その他に液体絶縁体を絶縁体として用いた高電圧装置としては油入り変圧器、電子顕微鏡、その他高電圧発生装置がある。
これらの装置では主絶縁体として鉱油、シリコーン油、植物由来油、フッ素系液体絶縁体等を用いるが、絶縁支持体には有機絶縁体あるいは無機絶縁体が用いられる。そのような高電圧装置を小型化するためには、特に高電圧が印加される導体部を支持する絶縁支持体において従来以上の沿面耐電圧が必要である。
なお、非特許文献1は、絶縁油中の沿面放電電圧と沿面距離は概ね比例する関係があることを示しているが、高電圧印加部の絶縁支持体において沿面距離を確保する具体的な提案はされていない。
そこで本発明は、従来以上の沿面耐電圧を有し得る絶縁支持体を備え、従来よりも小型の高電圧装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するにあたって、本発明の高電圧装置は様々な実施形態を採り得るが、その一例としては、高電圧が印加される導体部材と、前記導体部材を支持する支持部材と、を備え、前記支持部材は、繊維状の樹脂が積層されて形成された部材であって前記支持部材の表面は、前記積層された繊維状の樹脂による凹凸形状を有している。
本発明によれば、従来以上の沿面耐電圧を有し得る絶縁支持体を備え、従来よりも小型の高電圧装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態の高電圧装置に関する回路構成の例。 本発明の第1の実施形態における繊維状樹脂部材の一例。 表面凹凸が放電電圧に与える影響を調べるための実験体系の概念図。 図3に示した実験体系における実験結果を示すグラフ。 本発明の第1の実施形態の高電圧装置における電気回路の結線の一例。 本発明の第2の実施形態の高電圧装置における高電圧印加導体の絶縁支持構造の概要図。 本発明の第3の実施形態の高電圧装置における高電圧印加導体の支持構造の概要図。 本発明の第4の実施形態の高電圧装置における高電圧印加導体の支持構造の概要図。 本発明の第5の実施形態の高電圧装置における高電圧印加導体の支持構造の概要図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の第一の実施形態である高電圧装置として、X線装置に適用される高電圧発生装置100を例に説明する。高電圧発生装置はX線管に電力を供給するために、商用周波数の交流電力から数十kV以上の直流電力を得るものであって、コンバータ、インバータ、変圧器、整流回路と、から構成されている。
図1に高電圧発生装置100の回路構成の概略図を示す。コンバータ102は交流電力である商用電力101を直流電力に変換する装置である。インバータ103は直流から任意の周波数の交流を発生する装置である。変圧器104はインバータ103で発生した交流を昇圧する装置である。整流回路105はインバータ103で発生した交流を整流、あるいは昇圧整流する回路である。X線管106は直流電力をX線に変換する装置である。
このような高電圧発生装置において、高電圧が印加される箇所は、例えば変圧器104、整流回路105が挙げられる。
図2は本実施例の高電圧装置において、高電圧印加部材(高電圧印加導体)を支持する繊維状樹脂部材11で形成された絶縁部材の一例を示す。繊維状樹脂部材11は材料として、ABS樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、PC/ABSアロイ樹脂、ポリフェニルソルフォン(PPSF、PPSU)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂等の熱可塑性エンジニアリングプラスチックや、ナイロン等の汎用プラスチックの利用が望ましい。また、ラジカル重合性、カチオン重合性等のエポキシ樹脂等の液相から固相に変化可能な樹脂でもよい。これらの樹脂を主材料とし、強度の向上や誘電率の調整のために無機材料を混ぜてもよい。
繊維状樹脂部材11はこれらの繊維状の樹脂(樹脂繊維1)を積層して構成される。図1では縦横に規則的に繊維を積層しているが、繊維の向きは任意でよい。繊維状樹脂部材11はいわゆる3Dプリンタで製作するとよい。なおここで言う3Dプリンタは、熱溶融積層型、インクジェット型、光造形型、粉末型、シート積層型などのいずれであってもよい。
本実施例において、樹脂繊維1を積層して形成される繊維状樹脂部材11は、その樹脂繊維1に由来する表面凹凸を有する。この樹脂繊維1によって形成される表面凹凸が放電電圧に与える影響を調べるため、図3に示す実験を実施した。図3は、表面凹凸が沿面放電電圧(部分放電電圧)に与える影響を調べるための実験体系の概念図である。
樹脂繊維1を積層した板状のサンプル2を試作し、高圧電極3と接地電極5に挟み込んだ。高圧電極3には高圧リード線4を介して交流高電圧発生装置(図示せず)を接続した。接地電極5は接地リード線6を介して接地した。サンプル2は樹脂繊維1の直径の異なる3種類を準備した。また、比較サンプルとして、表面凹凸のない(表面凹凸が極めて微小)サンプルも準備した。これらを鉱物油中で真空脱泡し、サンプル2内部の空隙に鉱物油を十分に浸みこませた後、鉱物油中で高圧電極3に電圧を印加し、部分放電電圧を測定した。
実験結果を図4に示す。図4は、図3に示した実験体系における実験結果を示すグラフである。このグラフが示すように、表面凹凸なしのサンプルの部分放電電圧を1.0とした場合、樹脂繊維の直径(太さ)が0.1mm、0.3mm、1.0mmである場合の部分放電電圧の相対値は最低でも2.0以上であり、直径の増大とともに低下する傾向があった。
各サンプルの平均値から求めた近似直線と部分放電電圧(相対値)が1.0の直線との交点は樹脂繊維直径が概ね3.0mmで交わった。なお、樹脂繊維の直径が0.1mm未満のサンプルは樹脂繊維の断線が発生する頻度が大きく上昇するため、歩留まりの観点からは樹脂繊維1は、直径が0.1mm以上を採用するとよい。
この実験結果から、樹脂繊維1の直径が0.1mmから3.0mmまでの範囲において、表面凹凸ありのサンプルの部分放電電圧が表面凹凸なしのサンプルの部分放電電圧より高いと推測できる。したがって、樹脂繊維1の直径は0.1mmから3.0mmの範囲であることが望ましい。
このような樹脂繊維1によって形成された繊維状樹脂部材11を適用した実施例として、図5に高電圧装置における高電圧が印加される電気部品について、その実装形態の一例の断面図を示す。
従来の高電圧装置は、液体絶縁体で浸漬する電気回路を実装する場合、ガラス/エポキシ基板に電気部品をハンダ付けして固定する方法があった。一方、本実施例の高電圧装置は、ガラス/エポキシ基板に替わり、繊維状樹脂部材11を、導体部材である電気部品の固定部材として有する。この絶縁性を有する固定部材として利用される繊維状樹脂部材11は、任意の箇所に穴をあけられ、その穴に電気部品12のリード線13が通され、ハンダ14にてリード線13が電気的に接続され、これらの構造を支持する。したがって固定部材は支持部材と言ってもよい。
図4ではリード線13の電気的接続にハンダ14が用いられているが、電気的接続の方法はこれに限られず、繊維状樹脂部材11の穴に嵌合する金属部材を介してハンダ、カシメ等で電気的な接続をしてもよい。
以上で説明した高電圧装置は、繊維状樹脂部材11表面の凹凸によって、従来の凹凸が無い場合と比較して沿面距離が長くなるため、沿面放電電圧が高くなる。すなわち、繊維状樹脂部材11は、従来の支持部材と同程度の沿面距離を、従来よりも小さなサイズで確保することができ、従来よりも小型のサイズであっても同程度の沿面放電電圧に対する耐電圧性能を有しうる。結果として、図5に示す例であれば、リード線13の間隔を狭くすることが可能であって、従来の平滑なガラス/エポキシ基板と比較すると電気部品の実装に要する面積を小さくし、高電圧装置を小型化することができる。
なお、高電圧装置の高効率化を進めるため、通電電流の周波数を数10kHz以上に高めることが必要とされる。しかし、通電電流の周波数が上昇すると、絶縁体の支持部材において誘電損失による発熱も併せて増加し、絶縁性能の劣化を招く。これについて、特許文献1に示すように絶縁体の誘電率に傾斜を持たせることにより電界強度の変化を緩やかにすることにより絶縁破壊を起こし難くし、誘電損失による発熱を抑制することが検討されるが、絶縁材料の液相混合物に電界を印加しながら固化することが必要のため、材料や構造の制約が発生するという課題がある。
一方、本実施例の高電圧装置であれば、繊維状樹脂部材11が樹脂繊維1の積層によって形成されるため、その形成過程において繊維状樹脂部材11の内部に容易に微小な空隙を設けることができる。この空隙に樹脂繊維1よりも誘電率の小さい液体絶縁体が充填されることによって、本実施例の高電圧装置は、繊維状樹脂部材11から形成される支持部材の誘電率を低くし、従来のガラス/エポキシ基板と比較すると高周波通電における誘電損失による発熱を抑制することが可能である。
また、上述の例では、3Dプリンタによって樹脂繊維1が積層される例を示したが、3Dプリンタに限らず、別の手段によって樹脂繊維1を積層して繊維状樹脂部材11を成形してもよい。
実施例2における説明を次に示す。図6に第2の実施形態の高電圧装置における高電圧配線の実装形態の概略断面図を示す。
高電圧が印加される導体部材21と、容器としての役割を持ち接地電位を取る筐体部材22は、支持部材である絶縁スペーサ23を介して電気的には絶縁され機械的には支持・接続されている。絶縁スペーサ23は実施例1にて説明した繊維状樹脂部材11によって形成される。筐体部材22の内部の内部空間には誘電率が小さい液体絶縁体が満たされ、また絶縁スペーサ23を構成する繊維状樹脂部材11の内部の空隙も同様である。
図6では導体部材21および筐体部材22はそれぞれが同心円筒の形状を示すが、絶縁スペーサ23を介して互いが電気的に絶縁され、かつ機械的に支持・接続されていれば、異なる形状でもよい。
従来技術の一つとして、絶縁スペーサを小型化した例が非特許文献2に示されている。非特許文献2においては、絶縁スペーサの形状を最適化し、絶縁スペーサ表面の電界をほぼ一様化することが可能であるが、絶縁スペーサ表面の沿面放電電圧および絶縁スペーサの誘電率を変更することについては何ら示唆されていない。
一方、実施例2のような実施形態の高電圧装置は、絶縁スペーサ23の表面に形成された凹凸形状により沿面距離が確保されるため沿面放電電圧(部分放電電圧)を高くすることができ、導体部材21と筐体部材22の間隔を狭くすることが可能である。その結果、従来の平滑な絶縁スペーサと比較すると筐体部材22を小型化することができる。
また、繊維状樹脂部材11の内部の空隙には誘電率の小さい液体絶縁体が充填された状態であるため、繊維状樹脂部材11は全体として誘電率が低く、従来の絶縁材料と比較すると高周波通電における誘電損失による発熱を抑制することが可能である。
実施例3における説明を下記に示す。
図7は第3の実施形態の高電圧装置における高電圧配線の実装形態に関する概略断面図である。
高電圧が印加される導体部材21と接地電位をとる筐体部材22とは、支持部材である絶縁スペーサ23を介して電気的に互いが絶縁され、かつ機械的に支持・接続されている。絶縁スペーサ23は実施例1にて説明した繊維状樹脂部材11を基本的な構成部材とする。本実施例の高電圧装置は実施例2と異なり、絶縁スペーサ23は複数の異なる形体を有する繊維状樹脂部材11によって形成される。
実施例3では、絶縁スペーサ23は、絶縁スペーサ部品24、25、26から構成され、それぞれの誘電率の大小は絶縁スペーサ部品24<絶縁スペーサ部品25<絶縁スペーサ部品26である。すなわち、本実施例における支持部材は、電気的特性の異なる複数の支持部品を組み合わせて形成されている。より具体的には、図7に示すように、本実施例の絶縁スペーサ23は、導体部材21に面した側を高電圧側とし、筐体部材22を接地側とする場合に、高電圧側から接地側に向かって誘電率が高い順に繊維状樹脂部材を並べて組み合わせた構造を有する。
従来の単一の樹脂から構成される絶縁スペーサ23と比較すると、実施例3のような構成は、導体部材21に近い箇所に配置される絶縁スペーサ表面の電界を小さくすることを可能とする。また、絶縁スペーサ部品24、25、26の導電率の大小を、絶縁スペーサ部品24<絶縁スペーサ部品25<絶縁スペーサ部品26としても同様の効果が得られる。
実施例3では3種類の繊維状樹脂部材11を用いているが、その種類数はいくつでもよい。各繊維状樹脂部材11の誘電率もしくは導電率は、樹脂の主材料あるいは混合する無機材料の種類と混合比率にて調整することが望ましい。また、繊維状樹脂部材11を積層した後に圧縮する等の加工を施し、内部の空隙の比率を調整しても良い。あるいは、誘電率等の調整は、各繊維状樹脂部材11を形成する樹脂繊維1について、それぞれ異なる太さの繊維を利用することで実現してもよい。
実施例3のような実施形態の高電圧装置は、絶縁スペーサ23の表面に形成された凹凸形状によって沿面距離が確保され沿面放電電圧を高くすることができ、導体部材21と筐体部材22の間隔を狭くすることが可能であり、従来の平滑な絶縁スペーサと比較すると筐体部材22を小型化することができる。
また、繊維状樹脂部材11の誘電率または導電率の調整と、異なる誘電率または導電率の異なる繊維状樹脂部材のそれぞれの形状を調整することにより、従来の絶縁材料と比較すると高周波通電における誘電損失による発熱を抑制することが可能である。
実施例4における説明を下記に示す。
図8に第4の実施形態の高電圧装置における高電圧電流の導入端子の概略断面図を示す。高電圧が印加される導体部材21と接地電位をとる筐体部材22とは、支持部材である絶縁スペーサ23を介して互いが電気的に絶縁され、かつ機械的に支持・接続されている。
より具体的には、図8は、本実施例の高電圧装置における外部電流源との接続端子の構造の概略図であって、導体部材21の一端が筐体部材22から外部へ露出していて、他端が筐体部材22の内部におかれ、高圧電流を筐体部材22の外部から内部へ導く端子を示している。
絶縁スペーサ23を構成する基本的な部材は実施例1にて説明した繊維状樹脂部材11が使用される。絶縁スペーサ23の構成は実施例2、3と異なる。絶縁スペーサ23は筐体部材22とともに液体絶縁体を封止し、大気側から液体絶縁体側に高圧電流を導入する端子の構造を有する。
絶縁スペーサ部品24、25、26は内部に空隙を有するため、筐体部材22の内部に充填された液体絶縁体の漏えい防止を目的として、通液性を有さないシール材である緻密樹脂部材27で覆われている。結果、図8に示すように、本実施例の高電圧装置は、筐体部材22の内部は液体絶縁体で充填されていて、かつ導体部材21を支持する絶縁スペーサ23は、筐体部材22の一部を構成し、液体絶縁体が漏出しないようシールする役割をもつ。
なお、図8では、絶縁スペーサ23を構成する繊維状樹脂部材11は、実施例3と同様に3種類の繊維状樹脂部材11で構成されるが、単一あるいは3種類以外の複数種類でもよい。また、緻密樹脂部材27は大気側表面にあることが好ましいが、繊維状樹脂部材11の大気中における耐電圧が十分であれば内部でもよい。緻密樹脂部材27は別の樹脂で形成する構成でもよいし、繊維状樹脂部材11を圧縮等によって形成してもよい。実施例4における繊維状樹脂部材11の性状、形状は実施例3と同様であり、効果も同様である。
実施例5における説明を下記に示す。図9に第5の実施形態の高電圧装置における高圧電流の導入端子の概略断面図を示す。高電圧が印加される導体部材21と接地電位をとる筐体部材22とは、支持部材である絶縁スペーサ23を介して互いが電気的に絶縁され、かつ機械的には支持・接続されている。
絶縁スペーサ23を構成する基本的な部材は、実施例1にて説明した繊維状樹脂部材11が使用される。絶縁スペーサ23の大気側表面には同軸ケーブルの中心導体である導体部材21、コネクタ絶縁体28、同軸であるケーブル外部導体30と電気的に接続されているコネクタ外部導体29で構成されている。なお、同軸ケーブルの被覆部材は省略している。
コネクタ絶縁体28は導体部材21とコネクタ外部導体29を電気的に絶縁する。導体部材21はコネクタと絶縁スペーサ23の界面付近で分割できる構造でもよく、コネクタ全体は絶縁スペーサ23から取り外し可能であってもよい。また、絶縁スペーサ23には実施例4と同様に緻密樹脂部材27で構成される箇所があってもよい。同様に、緻密樹脂部材27は大気側表面にあることが好ましいが、繊維状樹脂部材11の大気中における耐電圧が十分であれば内部に配置されてもよい。
本実施例は実施例2、3、4と異なり、大気側から液体絶縁体側に高圧電流を導入する端子の構成であり、絶縁スペーサ23とコネクタ絶縁体28の界面で取り外し可能な構成である。実施例5では3種類の繊維状樹脂部材11で構成されるが、単一あるいは3種類以外の複数種類でもよい。実施例5における繊維状樹脂部材11の性状、形状は実施例4と同様であり、効果も同様であるが、コネクタ部が取り外し可能である。
なお、上述の各実施例で説明した高電圧装置は、例えばX線管駆動用高電圧発生装置としてもよい。X線管駆動用高電圧発生装置に、この高電圧装置を採用することで、X線発生装置の小型化、あるいは高出力化を図ることができる。あるいは上述の各実施例で説明した高電圧装置は、電子顕微鏡用の高電圧発生装置や変圧器、電流導入端子等に採用してもよい。
また、本発明の実施形態について複数の例を挙げて説明したが、これらは発明の効果を奏し得る範囲で部材の大きさや材料などを変更してよい。また各実施例の一部の構成と他の実施例の構成とを組み合わせてもよい。また、上述した各実施例の高電圧装置は、X線発生装置以外の用途に用いることも当然に可能である。また、上述した絶縁部材は、もちろん高電圧が印加されるところ以外に適用してもよい。
1:樹脂繊維
2:サンプル
3:高圧電極
4:高圧リード線
5:接地電極
6:接地リード線
11:繊維状樹脂部材
12:電気部品
13:リード線
14:ハンダ
21:高電圧印加導体
22:接地電位容器
23:絶縁スペーサ
24、25、26:繊維状樹脂部材
27:緻密樹脂部材
28:コネクタ絶縁体
29:コネクタ外部導体
30:ケーブル外部導体
100:高電圧発生装置
101:商用電力
102:コンバータ
103:インバータ
104:変圧器
105:整流回路
106:X線管

Claims (10)

  1. 高電圧が印加される導体部材と、
    前記導体部材を支持する支持部材と、
    を備え、
    前記支持部材は、繊維状の樹脂が積層されて形成された部材であって
    前記支持部材の表面は、前記積層された繊維状の樹脂による凹凸形状を有している
    高電圧装置。
  2. 請求項1に記載の高電圧装置であって、
    前記支持部材の内部は、前記積層された繊維それぞれの間に空隙を有し、
    前記空隙に液体絶縁体が充填される
    高電圧装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の高電圧装置であって、
    前記支持部材は、加熱された熱可塑性樹脂の繊維が積層されて形成される
    高電圧装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の高電圧装置であって、
    前記支持部材は、液相から固相に変化可能な硬化前樹脂の繊維を積層し、形成中あるいは形成後に硬化させ形成される
    高電圧装置。
  5. 請求項2に記載の高電圧装置であって、
    前記空隙には前記繊維よりも低い誘電率を有する液体絶縁体が充填される
    高電圧装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の高電圧装置であって、
    前記支持部材は、誘電率あるいは抵抗率が異なる複数の支持部品を組み合わせて形成され、
    前記支持部品は、前記繊維を積層して形成される
    高電圧装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の高電圧装置を有するX線管駆動用高電圧発生装置。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の高電圧装置を有する電子顕微鏡用高電圧発生装置。
  9. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の高電圧装置を有する変圧器。
  10. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の高電圧装置を有する電流導入端子。
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