JP2017083005A - 駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化を図ることができる駆動装置を提供すること。
【解決手段】駆動装置1は、第一内歯歯車10に噛合する揺動型の第一遊星歯車30と、第一遊星歯車30を回転させる駆動源50と、偏心軸線A2まわりの自転成分が出力される回転体3と、を備える。第一遊星歯車30は、中心軸線A1方向において、駆動源50と対向する位置に形成される環状斜面33を備える。環状斜面33は、偏心軸線A2まわりに環状に形成され、径方向外方から径方向内方へ向かうにつれて軸方向一方側へ駆動源50に近接する方向へ突出するように傾斜する。駆動源50は、中心軸線A1まわりに周方向に配置される複数の駆動シリンダ51であり、各ピストン54は、環状斜面33を周方向且つ径方向に摺動しながら環状斜面33を偏心軸線A2方向且つ径方向内方へ向かって押圧する。
【選択図】図1
【解決手段】駆動装置1は、第一内歯歯車10に噛合する揺動型の第一遊星歯車30と、第一遊星歯車30を回転させる駆動源50と、偏心軸線A2まわりの自転成分が出力される回転体3と、を備える。第一遊星歯車30は、中心軸線A1方向において、駆動源50と対向する位置に形成される環状斜面33を備える。環状斜面33は、偏心軸線A2まわりに環状に形成され、径方向外方から径方向内方へ向かうにつれて軸方向一方側へ駆動源50に近接する方向へ突出するように傾斜する。駆動源50は、中心軸線A1まわりに周方向に配置される複数の駆動シリンダ51であり、各ピストン54は、環状斜面33を周方向且つ径方向に摺動しながら環状斜面33を偏心軸線A2方向且つ径方向内方へ向かって押圧する。
【選択図】図1
Description
本発明は、駆動装置に関するものである。
遊星歯車機構を備えた駆動装置が知られている。特許文献1には、回転斜板の回転を出力する液圧モータと、その液圧モータの出力を減速する遊星歯車機構を備えた減速機付液圧モータが開示されている。
上記した従来の減速機付液圧モータは、液圧モータと遊星歯車機構とが出力軸を介して連結され、回転斜板の回転が出力軸を介して遊星歯車機構に伝達されるので、減速機付液圧モータ全体の軸方向長さが大きくなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、小型化を図ることができる駆動装置を提供することを目的とする。
本発明の駆動装置は、内歯車である第一内歯歯車と、前記第一内歯歯車に噛合する外歯車であって、回転中心が前記第一内歯歯車の中心軸線から偏心配置され、前記第一内歯歯車の中心軸線を径方向内方に有する揺動型の第一遊星歯車と、前記第一遊星歯車を偏心軸線まわりに自転させると共に、前記第一遊星歯車を前記第一内歯歯車の中心軸線まわりに公転させる駆動源と、前記第一遊星歯車の偏心軸線まわりの自転成分が出力される回転体と、を備え、前記第一遊星歯車は、前記第一内歯歯車の中心軸線方向において、前記駆動源と対向する位置に形成される環状斜面を備え、前記環状斜面は、前記第一遊星歯車の偏心軸線まわりに環状に形成され、径方向外方から径方向内方へ向かうにつれて前記駆動源に近接する方向へ突出するように傾斜し、前記駆動源は、前記第一内歯歯車の中心軸線方向に往復移動するピストンを備え、前記第一内歯歯車の中心軸線まわりに周方向に配置される複数の駆動シリンダであり、各前記ピストンは、前記環状斜面を周方向且つ径方向に摺動しながら、前記環状斜面を前記第一遊星歯車の偏心軸線方向且つ径方向内方へ向かって押圧する。
本発明の駆動装置によれば、駆動源は、第一内歯歯車の中心軸線まわりに周方向に配置された複数の駆動シリンダであり、複数の駆動シリンダの各ピストンが、環状斜面を周方向且つ径方向へ摺動しながら、環状斜面を第一遊星歯車の偏心軸線方向且つ径方向内方へ押圧する。これにより、第一遊星歯車は、第一遊星歯車の偏心軸線まわりを自転すると共に、第一内歯歯車の中心軸線まわりを公転する。このように、本発明の駆動装置では、駆動源が直接的に第一遊星歯車を押圧することにより、第一遊星歯車を回転させるので、従来技術と比べて、駆動装置の軸方向長さを短くすることができる。従って、駆動装置の小型化を図ることができる。
また、本発明の駆動装置は、内歯車である第一内歯歯車と、前記第一内歯歯車に噛合する外歯車であって、回転中心が前記第一内歯歯車の中心軸線から偏心配置され、前記第一内歯歯車の中心軸線を径方向内方に有する揺動型の第一遊星歯車と、前記第一遊星歯車を偏心軸線まわりに自転させると共に、前記第一遊星歯車を前記第一内歯歯車の中心軸線まわりに公転させる駆動源と、前記第一遊星歯車の偏心軸線まわりの自転成分が出力される回転体と、を備え、前記第一遊星歯車は、前記第一内歯歯車の中心軸線方向において、前記駆動源と対向する位置に形成される環状斜面を備え、前記環状斜面は、前記第一遊星歯車の偏心軸線まわりに環状に形成され、径方向外方から径方向内方へ向かうにつれて前記駆動源から離間する方向へ陥入するように傾斜し、前記駆動源は、前記第一内歯歯車の中心軸線方向に往復移動するピストンを備え、前記第一内歯歯車の中心軸線まわりに周方向に配置される複数の駆動シリンダであり、各前記ピストンは、前記環状斜面を周方向且つ径方向に摺動しながら、前記環状斜面を前記第一遊星歯車の偏心軸線方向且つ径方向外方へ向かって押圧する。
本発明の駆動装置によれば、駆動源は、第一内歯歯車の中心軸線まわりに周方向に配置された複数の駆動シリンダであり、複数の駆動シリンダの各ピストンが、環状斜面を周方向且つ径方向へ摺動しながら、環状斜面を第一遊星歯車の偏心軸線方向且つ径方向外方へ押圧する。これにより、第一遊星歯車は、第一遊星歯車の偏心軸線まわりを自転すると共に、第一内歯歯車の中心軸線まわりを公転する。このように、本発明の駆動装置では、駆動源が直接的に第一遊星歯車を押圧することにより、第一遊星歯車を回転させるので、従来技術と比べて、駆動装置の軸方向長さを短くすることができる。従って、駆動装置の小型化を図ることができる。
<1.第一実施形態>
(1−1.駆動装置1の概略構成)
以下、本発明に係る駆動装置を適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、本発明の第一実施形態における駆動装置1の概略構成について説明する。図1に示すように、駆動装置1は、ハウジング2と、回転体3と、第一内歯歯車10と、第二内歯歯車20と、第一遊星歯車30と、第二遊星歯車40と、駆動源50と、を主に備える。
(1−1.駆動装置1の概略構成)
以下、本発明に係る駆動装置を適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、本発明の第一実施形態における駆動装置1の概略構成について説明する。図1に示すように、駆動装置1は、ハウジング2と、回転体3と、第一内歯歯車10と、第二内歯歯車20と、第一遊星歯車30と、第二遊星歯車40と、駆動源50と、を主に備える。
ハウジング2は、3分割された円筒部材と蓋状部材とをボルトにより連結して形成される。第一内歯歯車10は、ハウジング2に相対回転不能に固定された内歯車である。第二内歯歯車20は、第一内歯歯車10よりも歯数の少ない内歯車であり、第一内歯歯車10の中心軸線A1と同軸に配置される。第二内歯歯車20は、回転体3に一体形成され、回転体3は、軸受を介してハウジング2に相対回転可能に支持される。
第一遊星歯車30は、第一内歯歯車10に噛合する外歯車である。第一遊星歯車30の回転中心である偏心軸線A2は、第一内歯歯車10の中心軸線A1から偏心配置され、中心軸線A1は、第一遊星歯車30の径方向内方を通過する。即ち、第一遊星歯車30は、第一内歯歯車10に噛合しながら中心軸線A1まわりを公転する揺動型の遊星歯車として機能する。第二遊星歯車40は、第二内歯歯車20に噛合する外歯車であり、第一遊星歯車30よりも歯数が少なく、第一遊星歯車30に対して同軸且つ一体回転可能に連結される。即ち、第二遊星歯車40は、第二内歯歯車20に噛合しながら中心軸線A1まわりを公転する揺動型の遊星歯車として機能する。
駆動源50は、油圧の上昇に伴って伸長する4つの駆動シリンダ51を備える。4つの駆動シリンダ51は、第一遊星歯車30の軸方向一方側(図1左側)を向く側面と対向する位置において、第一内歯歯車10の中心軸線A1まわりに周方向等間隔に配置される。4つの駆動シリンダ51の各々が一定の時間差で伸縮しながら直接的に第一遊星歯車30を押圧することにより、第一遊星歯車30及び第二遊星歯車40は、偏心軸線A2まわりを自転しながら、中心軸線A1まわりを公転する。
(1−2.駆動装置1の各構成)
第一遊星歯車30は、その中心部分に、偏心軸線A2方向へ貫通形成された嵌合孔31と、第一遊星歯車30の軸方向一方側(図1左側)を向く側面に膨出形成された半球台形状の膨出部32と、を備える。膨出部32は、第一遊星歯車30の径方向外方から径方向内方へ向かうにつれて、軸方向一方側(駆動源50に近接する方向)へ突出するように傾斜する環状斜面33を備える。環状斜面33は、偏心軸線A2を中心とする円環状の部位であり、偏心軸線A2方向において全ての駆動シリンダ51に対向する。環状斜面33は、偏心軸線A2上に中心を置く球面に倣った凸球面状に膨出形成されている。
第一遊星歯車30は、その中心部分に、偏心軸線A2方向へ貫通形成された嵌合孔31と、第一遊星歯車30の軸方向一方側(図1左側)を向く側面に膨出形成された半球台形状の膨出部32と、を備える。膨出部32は、第一遊星歯車30の径方向外方から径方向内方へ向かうにつれて、軸方向一方側(駆動源50に近接する方向)へ突出するように傾斜する環状斜面33を備える。環状斜面33は、偏心軸線A2を中心とする円環状の部位であり、偏心軸線A2方向において全ての駆動シリンダ51に対向する。環状斜面33は、偏心軸線A2上に中心を置く球面に倣った凸球面状に膨出形成されている。
第二遊星歯車40は、嵌合凸部41と、第一規制部42と、軸受支持部43と、を備える。嵌合凸部41は、軸方向一方側を向く側面に突設された円柱状の部位であり、第一遊星歯車30の嵌合孔31に嵌合する。第二遊星歯車40は、嵌合凸部41を嵌合孔31に嵌合させることにより、第一遊星歯車30と同軸に配置される。また、第一遊星歯車30と第二遊星歯車40とは、ボルトで固定されることにより一体回転可能に連結される。
第一規制部42は、軸方向他方側を向く側面に形成された円柱状部位44の外周側面を構成する円筒外周面であり、偏心軸線A2と同軸に一体形成される。軸受支持部43は、円柱状部位44の端面から軸方向他方側へ突出する略円柱状の部位であり、偏心軸線A2と同軸に一体形成される。また、軸受支持部43の外周面にはスラスト軸受60が配置される。
ここで、第二遊星歯車40は、軸方向他方側(図1右側)を向く側面が回転体3に対向配置され、回転体3は、径方向において第一規制部42に対向する第一案内面3aと、中心軸線A1方向において軸受支持部43に対向する軸受案内面3bと、を備える。
第一案内面3aは、第二内歯歯車20の中心軸線A1と同軸の円筒内周面である。第一案内面3aの内径は、第一規制部42の外径よりも大きく、第二遊星歯車40の歯底円直径よりも小さい。第二遊星歯車40が中心軸線A1まわりを公転する際、第一規制部42が第一案内面3aに案内されながら中心軸線A1まわりを公転することにより、第二遊星歯車40と第二内歯歯車20との軸間距離を一定に保持することができる。
なお、第二遊星歯車40は、外歯の歯先円直径と第一規制部42の外径との寸法差は、第二内歯歯車20の歯底円直径と第一案内面3aの内径との寸法差よりも小さい。同様に、第一遊星歯車30は、外歯の歯先円直径と第一規制部42の外径との寸法差が、第一内歯歯車10の歯底円直径と第一案内面3aの内径との寸法差よりも小さい。よって、第一遊星歯車30及び第二遊星歯車40が中心軸線A1まわりを公転する際に、第一遊星歯車30及び第二遊星歯車40の歯先面と第一内歯歯車10及び第二内歯歯車20の歯底面とが干渉することを回避できる。
軸受案内面3bは、回転体3の軸方向一方側の側面から軸方向他方側(図1右側)へ凹設された部位であり、第二遊星歯車40の軸受支持部43との間にスラスト軸受60が挟持される。スラスト軸受60は、第二遊星歯車40が軸方向他方側へ変位することを規制し、第一遊星歯車30及び第二遊星歯車40の外歯が、偏心軸線A2方向他方側に配置された他の部材に干渉することを防止する。また、軸受案内面3bには、第二内歯歯車20の中心軸線A1と同軸の円筒内周面が形成され、その円筒内周面と軸受支持部43の外周側面との間にスラスト軸受60の一部が挟持される。第二遊星歯車40は、軸受案内面3bの円筒内周面と軸受支持部43の外周面との間でスラスト軸受60が挟持された状態を維持しながら、中心軸線A1まわりを公転する。
駆動シリンダ51は、ハウジング2に形成された円筒内周面を有するシリンダ本体52と、スプリング53と、ピストン54とを備え、シリンダ本体52にスプリング53及びピストン54が収容されている。スプリング53は、予圧縮が加えられた状態でシリンダ本体52に収容された圧縮ばねである。ピストン54は、中心軸線A1方向へ往復移動するピストン本体55と、ピストン本体55の先端部分に連結されたシュー56とを備える。ピストン本体55は、その先端部分が球状に形成され、その球状部分にシュー56が傾動可能にかしめられている。即ち、ピストン本体55とシュー56とはボールジョイントとして機能する。
ピストン本体55は、油圧及びスプリング53による付勢が加えられることにより、中心軸線A1方向他方側へ押圧され、シュー56は、第一遊星歯車30の環状斜面33に押し付けられる。シュー56は、環状斜面33の球面形状に倣った凹球面状に形成された摺動面57を備え、その摺動面57が環状斜面33に面接触している。ピストン本体55が中心軸線A1方向へ移動すると、シュー56は、傾動しながら環状斜面33上を摺動し、摺動面57が環状斜面33に面接触された状態を維持する。
(1−3.駆動シリンダ51及び第一遊星歯車30の動作)
次に、図1及び図2Aに示す状態から、図2Aにおける時計回り方向へ第一遊星歯車30を回転させ、図2Bに示す状態へ移行するまでの動作態様を例に挙げ、駆動源50及び駆動源50に駆動されて回転する第一遊星歯車30の動作を説明する。なお、説明の便宜上、4つの駆動シリンダ51のうち、図1及び図2Aにおいて中心軸線A1の上方に配置される駆動シリンダ51を「第一駆動シリンダ51a」と称し、図1及び図2Aにおいて中心軸線A1の下方に配置される駆動シリンダ51を「第二駆動シリンダ51b」と称し、図2Aにおいて中心軸線A1の右側に配置される駆動シリンダ51を「第三駆動シリンダ51c」と称し、図2Aにおいて中心軸線A1の左側に配置される駆動シリンダ51を「第四駆動シリンダ51d」と称する。
次に、図1及び図2Aに示す状態から、図2Aにおける時計回り方向へ第一遊星歯車30を回転させ、図2Bに示す状態へ移行するまでの動作態様を例に挙げ、駆動源50及び駆動源50に駆動されて回転する第一遊星歯車30の動作を説明する。なお、説明の便宜上、4つの駆動シリンダ51のうち、図1及び図2Aにおいて中心軸線A1の上方に配置される駆動シリンダ51を「第一駆動シリンダ51a」と称し、図1及び図2Aにおいて中心軸線A1の下方に配置される駆動シリンダ51を「第二駆動シリンダ51b」と称し、図2Aにおいて中心軸線A1の右側に配置される駆動シリンダ51を「第三駆動シリンダ51c」と称し、図2Aにおいて中心軸線A1の左側に配置される駆動シリンダ51を「第四駆動シリンダ51d」と称する。
図1及び図2Aに示す状態では、第一遊星歯車30の偏心軸線A2が第一内歯歯車10の中心軸線A1の下方に位置し、第一遊星歯車30が下方側で第一内歯歯車10に噛合している。このとき、第一駆動シリンダ51aは、油圧の上昇によってピストン54が最も軸方向他方側(図1右側)へ突き出た状態にあり、シュー56が第一遊星歯車30を中心軸線A1方向及び径方向内方へ押圧している。
一方、中心軸線A1を挟んで第一駆動シリンダ51aの反対側に配置された第二駆動シリンダ51bは、油圧が低下し、第一駆動シリンダ51a等により押圧された第一遊星歯車30によってピストン54が軸方向一方側(図1左側)へ押し戻されている。なお、第二駆動シリンダ51bは、ピストン54がスプリング53に付勢され、シュー56の摺動面57と環状斜面33とが面接触している状態を維持している。
また、図1及び図2Aに示す状態において、第三駆動シリンダ51c及び第四駆動シリンダ51dは、ピストン54の突出量が同等である。このとき、第三駆動シリンダ51cは、油圧の上昇により、ピストン54を中心軸線A1方向他方側(図2A紙面奥側)へ移動させながら第一遊星歯車30を押圧している。一方、第四駆動シリンダ51dは、油圧の低下より、ピストン54が第一遊星歯車30に押し戻されて軸方向一方側(図2A紙面手前側)へ移動している。
図1及び図2Aに示す状態から、第二駆動シリンダ51b及び第三駆動シリンダ51cの油圧を上昇させつつ、第一駆動シリンダ51a及び第四駆動シリンダ51dの油圧を低下させると、第一遊星歯車30は、第二駆動シリンダ51b及び第三駆動シリンダ51cに押圧される。これにより、第一遊星歯車30は、第一内歯歯車10に噛合しながら、偏心軸線A2まわりを自転すると共に、中心軸線A1まわりを公転する。
具体的には、第二駆動シリンダ51b及び第三駆動シリンダ51cのピストン54が油圧の上昇によって中心軸線A1方向他方側へ移動すると、第一遊星歯車30及び第一遊星歯車30と一体的に回転する第二遊星歯車40は、第二駆動シリンダ51b及び第三駆動シリンダ51cのシュー56によって偏心軸線A2方向他方側及び径方向内方へ押圧される。一方、第一駆動シリンダ51a及び第四駆動シリンダ51dは、第二駆動シリンダ51b及び第三駆動シリンダ51cに押圧された第一遊星歯車30によってシュー56が押し戻され、ピストン54が軸方向一方側へ移動する。その後、第三駆動シリンダ51cのピストン54が最も突き出た状態となったとき、図2Bに示す状態となる。
ここで、第一遊星歯車30及び第二遊星歯車40は、第二駆動シリンダ51b及び第三駆動シリンダ51cによって中心軸線A1方向他方側へ押圧されるのに対し、第一遊星歯車30及び第二遊星歯車40の中心軸線A1方向他方側への変位は、スラスト軸受60によって規制されている。そのため、第二駆動シリンダ51b及び第三駆動シリンダ51cのシュー56は、環状斜面33を偏心軸線A2方向及び径方向内方へ押圧すると同時に、傾動しながら環状斜面33を周方向及び径方向外方に摺動する。一方、第一駆動シリンダ51a及び第四駆動シリンダ51dのシュー56は、環状斜面33に押し戻されると同時に、傾動しながら環状斜面33を周方向及び径方向内方に摺動する。
シュー56は、摺動面57が環状斜面33の形状に倣った球面状に凹設形成されているので、摺動面57と環状斜面33との当接面積を広くすることができる。これに加え、シュー56は、ピストン本体55に対して傾動可能に連結されているので、第一遊星歯車30の中心軸線A1まわりの公転に伴ってシュー56が環状斜面33上を摺動する際に、摺動面57と環状斜面33とが面接触した状態を維持できる。よって、駆動源50の駆動力を第一遊星歯車30に効率よく伝達することができる。
また、第一遊星歯車30が第二駆動シリンダ51b及び第三駆動シリンダ51cによって径方向へ押圧されるのに対し、第一遊星歯車30と同軸に連結された第二遊星歯車40は、第一規制部42が第一案内面3aに案内されながら中心軸線A1まわりを公転する。これにより、第一遊星歯車30及び第二遊星歯車40は、所定範囲を超えて径方向へ変位することが規制されるので、第一内歯歯車10及び第二内歯歯車20との軸間距離を一定の間隔に保持しつつ、中心軸線A1まわりを公転することができる。
このように、第一遊星歯車30は、4つの駆動シリンダ51によって環状斜面33が直接的に押圧されることにより回転する。従って、複数の駆動シリンダ51の伸縮によって他の部材を回転させ、その部材の回転を第一遊星歯車30に伝達する従来技術と比べて、駆動装置1の軸方向長さを小さくすることができる。よって、駆動装置1の小型化を図ることができる。
なお、例えば、中心軸線A1まわりを自転する回転斜板を複数の駆動シリンダ51で回転駆動し、回転斜板の回転を他の部材を介して第一遊星歯車30に伝達する場合、駆動シリンダ51のピストン54が一往復分移動する周期は、回転斜板の自転周期と一致する。
これに対し、駆動装置1において、第一遊星歯車30の偏心軸線A2まわりの自転周期は、第一遊星歯車30の中心軸線A1まわりの公転周期よりも長く、駆動シリンダ51のピストン54が一往復分移動する周期は、第一遊星歯車30の中心軸線A1まわりの公転周期と一致する。この場合、駆動装置1において、シュー56が周方向において環状斜面33上を摺動する速度が、従来技術においてシュー56が周方向(回転方向)において回転斜板上を摺動する速度よりも遅い。従って、駆動装置1では、シュー56の摺動面57と環状斜面33との摩擦を軽減できるので、シュー56の長寿命化を図ることができる。
(1−4.駆動装置1全体の動作)
次に、図1を参照して、駆動装置1全体の動作について説明する。第一内歯歯車10はハウジング2に固定されているので、駆動源50に駆動された第一遊星歯車30は、第一内歯歯車10に噛合しながら、偏心軸線A2まわりを自転すると共に、中心軸線A1まわりを公転する。第一遊星歯車30と同軸且つ一体的に回転する第二遊星歯車40は、偏心軸線A2まわりを自転すると共に中心軸線A1まわりを公転し、第二遊星歯車40に噛合する第二内歯歯車20は、中心軸線A1まわりを自転する。このようにして、駆動装置1では、第一遊星歯車30の偏心軸線A2まわりの自転成分が、減速されて第二内歯歯車20に出力され、第二内歯歯車20が一体形成された回転体3は回転する。
次に、図1を参照して、駆動装置1全体の動作について説明する。第一内歯歯車10はハウジング2に固定されているので、駆動源50に駆動された第一遊星歯車30は、第一内歯歯車10に噛合しながら、偏心軸線A2まわりを自転すると共に、中心軸線A1まわりを公転する。第一遊星歯車30と同軸且つ一体的に回転する第二遊星歯車40は、偏心軸線A2まわりを自転すると共に中心軸線A1まわりを公転し、第二遊星歯車40に噛合する第二内歯歯車20は、中心軸線A1まわりを自転する。このようにして、駆動装置1では、第一遊星歯車30の偏心軸線A2まわりの自転成分が、減速されて第二内歯歯車20に出力され、第二内歯歯車20が一体形成された回転体3は回転する。
<2.第二実施形態>
次に、第二実施形態について説明する。第一実施形態では、第一遊星歯車30の回転を、回転体3に一体形成された第二内歯歯車20に出力したが、第二実施形態では、第一遊星歯車230の回転を、回転体203に固定されたピン270に出力する。なお、上記した第一実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、第二実施形態について説明する。第一実施形態では、第一遊星歯車30の回転を、回転体3に一体形成された第二内歯歯車20に出力したが、第二実施形態では、第一遊星歯車230の回転を、回転体203に固定されたピン270に出力する。なお、上記した第一実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
(2−1.駆動装置201の構成)
まず、図3を参照して、駆動装置201の構成について説明する。駆動装置201は、ハウジング202と、回転体203と、第一内歯歯車10と、第一遊星歯車230と、6つのピン270と、駆動源50とを備える。
まず、図3を参照して、駆動装置201の構成について説明する。駆動装置201は、ハウジング202と、回転体203と、第一内歯歯車10と、第一遊星歯車230と、6つのピン270と、駆動源50とを備える。
第一遊星歯車230は、環状斜面33と、6つの孔部234と、第一規制部242と、軸受支持部243と、第二規制部245と、を備える。孔部234は、軸方向他方側(図3右側)を向く面において偏心軸線A2方向へ凹設された軸方向視円形の孔である。6つの孔部234は、偏心軸線A2から等距離にあり、周方向等間隔に形成される。
第一規制部242及び軸受支持部243は、第一実施形態において第二遊星歯車40に形成された第一規制部42及び軸受支持部43に相当する部位であり、第一遊星歯車230の軸方向他方側を向く面側に一体形成される。第二規制部245は、第一遊星歯車230の外歯と第一規制部242との間において、偏心軸線A2と同軸に形成された円環状の部位であり、偏心軸線A2に対して垂直に形成される。
一方、ハウジング202には、中心軸線A1と同軸であって、中心軸線A1に対して垂直に形成された円環状の第二案内面202aが形成され、第二案内面202aの一部分が、中心軸線A1方向において、第二規制部245の一部分に対向配置される。第二案内面202aの一部分が第二規制部245に当接することにより、第一遊星歯車230は偏心軸線A2方向他方側への変位が規制される。よって、偏心軸線A2方向他方側(図3右側)において、第一遊星歯車230の外歯とハウジング202とが干渉することを防止できる。
図4に示すように、ピン270は、孔部234よりも小径な円柱状の部材であり、回転体203に固定される。6つのピン270は、第一内歯歯車10の中心軸線A1から等距離にあり、周方向等間隔に配置される。なお、6つのピン270と中心軸線A1との軸間距離は、6つの孔部234と偏心軸線A2との軸間距離と同等である。各々のピン270は、軸方向一端側(図3左側)が孔部234に挿入され、ピン270に外嵌された滑り軸受を介して孔部234の内周面に当接する。
第一遊星歯車230は、孔部234にピン270が挿入された状態において偏心軸線A2まわりの自転が許容されている。第一遊星歯車230が中心軸線A1まわりを公転するとき、ピン270は、孔部234の内周面に押圧され、中心軸線A1まわりを回転する。このようにして、第一遊星歯車230の偏心軸線A2まわりの自転成分がピン270に出力され、ピン270が固定された回転体203が中心軸線A1まわりに回転する。
(2−2.駆動装置201の動作)
次に、駆動装置201の動作について説明する。第一内歯歯車10は、ハウジング202に固定されているので、駆動源50により駆動された第一遊星歯車230は、第一内歯歯車10に噛合しながら、中心軸線A1まわりを公転すると共に、偏心軸線A2まわりを自転する。この第一遊星歯車230の偏心軸線A2まわりの自転成分が、ピン270を介して回転体203に出力される。即ち、回転体203及びピン270は、第一遊星歯車230の自転成分を出力するキャリヤとして機能する。
次に、駆動装置201の動作について説明する。第一内歯歯車10は、ハウジング202に固定されているので、駆動源50により駆動された第一遊星歯車230は、第一内歯歯車10に噛合しながら、中心軸線A1まわりを公転すると共に、偏心軸線A2まわりを自転する。この第一遊星歯車230の偏心軸線A2まわりの自転成分が、ピン270を介して回転体203に出力される。即ち、回転体203及びピン270は、第一遊星歯車230の自転成分を出力するキャリヤとして機能する。
<3.第三実施形態>
次に、第三実施形態について説明する。第一実施形態において、第一遊星歯車30の軸方向一方側を向く側面に形成された環状斜面33は、軸方向一方側へ突出するように傾斜する。これに対し、第三実施形態では、第一遊星歯車330の軸方向一方側を向く側面に形成された環状斜面333は、軸方向他方側へ陥入するように傾斜する。なお、上記した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、第三実施形態について説明する。第一実施形態において、第一遊星歯車30の軸方向一方側を向く側面に形成された環状斜面33は、軸方向一方側へ突出するように傾斜する。これに対し、第三実施形態では、第一遊星歯車330の軸方向一方側を向く側面に形成された環状斜面333は、軸方向他方側へ陥入するように傾斜する。なお、上記した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
(3−1.駆動装置301の構成)
まず、図5を参照して、駆動装置301の構成について説明する。駆動装置301は、
ハウジング302と、回転体3と、第一内歯歯車310と、第二内歯歯車20と、第一遊星歯車330と、第二遊星歯車340と、駆動源350と、を主に備える。ハウジング302は、2分割された円筒部材と蓋状部材とをボルトにより連結して形成される。第一内歯歯車310は、ハウジング302に相対回転不能に固定された内歯車である。
まず、図5を参照して、駆動装置301の構成について説明する。駆動装置301は、
ハウジング302と、回転体3と、第一内歯歯車310と、第二内歯歯車20と、第一遊星歯車330と、第二遊星歯車340と、駆動源350と、を主に備える。ハウジング302は、2分割された円筒部材と蓋状部材とをボルトにより連結して形成される。第一内歯歯車310は、ハウジング302に相対回転不能に固定された内歯車である。
第一遊星歯車330は、第一遊星歯車330の軸方向一方側(図5左側)を向く側面に凹設された陥入部332を備える。陥入部332は、第一遊星歯車330の径方向外方から径方向内方へ向かうにつれて、軸方向他方側(駆動源350から離間する方向)へ陥入するように傾斜する環状斜面333を備える。環状斜面333は、偏心軸線A2を中心とする円環状の部位であり、偏心軸線A2方向において全ての駆動シリンダ351に対向する。環状斜面333は、偏心軸線A2上に中心を置く球面に倣った凹球面状に形成されている。なお、第二遊星歯車340は、嵌合凸部41が形成されていない点、及び、第一遊星歯車30,330との連結に用いるボルトを挿入する孔の位置が異なる点を除き、第一実施形態における第二遊星歯車40と同等の構成を有する。
駆動源350は、4つの駆動シリンダ351を備える。各々の駆動シリンダ351は、シリンダ本体52と、スプリング53と、ピストン354とを備え、ピストン354は、ピストン本体55と、シュー356とを備える。シュー356は、環状斜面333の球面形状に倣った凸球面状に形成された摺動面357を備え、その摺動面357が環状斜面333に面接触している。
(3−2.駆動シリンダ351及び第一遊星歯車330の動作)
駆動シリンダ351において、油圧の上昇によりピストン本体55が中心軸線A1方向へ移動すると、シュー356は、傾動しながら環状斜面333上を摺動し、第一遊星歯車330及び第一遊星歯車330と一体的に回転する第二遊星歯車340は、シュー356によって偏心軸線A2方向他方側及び径方向外方へ押圧される。シュー356は、摺動面357が環状斜面333の形状に倣った凹球面状に形成され、摺動面357が環状斜面333に面接触された状態を維持しながら環状斜面333上を摺動するので、摺動面357と環状斜面333との当接面積を広くすることができる。よって、駆動シリンダ351の押圧力を第一遊星歯車330に効率よく伝達することができる。
駆動シリンダ351において、油圧の上昇によりピストン本体55が中心軸線A1方向へ移動すると、シュー356は、傾動しながら環状斜面333上を摺動し、第一遊星歯車330及び第一遊星歯車330と一体的に回転する第二遊星歯車340は、シュー356によって偏心軸線A2方向他方側及び径方向外方へ押圧される。シュー356は、摺動面357が環状斜面333の形状に倣った凹球面状に形成され、摺動面357が環状斜面333に面接触された状態を維持しながら環状斜面333上を摺動するので、摺動面357と環状斜面333との当接面積を広くすることができる。よって、駆動シリンダ351の押圧力を第一遊星歯車330に効率よく伝達することができる。
<4.その他>
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。例えば、上記実施の形態では、駆動シリンダ51,351を4つ備える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動シリンダ51,351を3つ以下又は5つ以上備えていてもよい。
また、上記各実施形態では、偏心軸線A2と同軸の円柱状部位44が第一遊星歯車230又は第二遊星歯車40に形成される場合について説明したが、中心軸線A1と同軸の円柱状部位44を回転体3,203に形成してもよい。この場合、回転体3,203は、円筒外周面(円柱状部材44の外周側面に相当)を有する第一案内面3aを備え、第一遊星歯車230又は第二遊星歯車40は、第一案内面3aに対向する円筒内周面を有する第一規制部42,242を備える。同様に、回転体3,203側に軸受支持部43を凸設形成し、第一遊星歯車230又は第二遊星歯車40に軸受案内面3bを凹設形成してもよい。
<5.効果>
駆動装置1,201は、内歯車である第一内歯歯車10と、第一内歯歯車10に噛合する外歯車であって、回転中心が第一内歯歯車10の中心軸線A1から偏心配置された第一遊星歯車30,230とを備える。第一遊星歯車30,230は、第一内歯歯車10の中心軸線A1を第一遊星歯車30,230の径方向内方に有する揺動型の遊星歯車である。これに加え、駆動装置1,201は、第一遊星歯車30,230を偏心軸線A2まわりに自転させると共に、第一遊星歯車30,230を第一内歯歯車10の中心軸線A1まわりに公転させる駆動源50と、第一遊星歯車30,230の偏心軸線A2まわりの自転成分が出力される回転体3,203と、を備える。
駆動装置1,201は、内歯車である第一内歯歯車10と、第一内歯歯車10に噛合する外歯車であって、回転中心が第一内歯歯車10の中心軸線A1から偏心配置された第一遊星歯車30,230とを備える。第一遊星歯車30,230は、第一内歯歯車10の中心軸線A1を第一遊星歯車30,230の径方向内方に有する揺動型の遊星歯車である。これに加え、駆動装置1,201は、第一遊星歯車30,230を偏心軸線A2まわりに自転させると共に、第一遊星歯車30,230を第一内歯歯車10の中心軸線A1まわりに公転させる駆動源50と、第一遊星歯車30,230の偏心軸線A2まわりの自転成分が出力される回転体3,203と、を備える。
さらに、第一遊星歯車30,230は、第一内歯歯車10の中心軸線A1方向において、駆動源50と対向する位置に形成される環状斜面33を備え、環状斜面33は、第一遊星歯車30,230の偏心軸線A2まわりに環状に形成され、径方向外方から径方向内方へ向かうにつれて駆動源50に近接する方向へ突出するように傾斜する。駆動源50は、第一内歯歯車10の中心軸線A1方向に往復移動するピストン54を備え、第一内歯歯車10の中心軸線A1まわりに周方向に配置される複数の駆動シリンダ51であり、各ピストン54は、環状斜面33を周方向且つ径方向に摺動しながら、環状斜面33を第一遊星歯車30,230の偏心軸線A2方向且つ径方向内方へ向かって押圧する。
この駆動装置1,201によれば、駆動源50は、第一内歯歯車10の中心軸線A1まわりに周方向に配置された複数の駆動シリンダ51であり、複数の駆動シリンダ51の各ピストン54が、環状斜面33を周方向且つ径方向へ摺動しながら、環状斜面33を第一遊星歯車30,230の偏心軸線A2方向且つ径方向内方へ押圧する。これにより、第一遊星歯車30,230は、第一遊星歯車30,230の偏心軸線A2まわりを自転すると共に、第一内歯歯車10の中心軸線A1まわりを公転する。このように、本発明の駆動装置1,201では、駆動源50が直接的に第一遊星歯車30,230を押圧することにより、第一遊星歯車30,230を回転させるので、従来技術と比べて、駆動装置1,201の軸方向長さを短くすることができる。従って、駆動装置1,201の小型化を図ることができる。
さらに、上記した駆動装置1,201において、環状斜面33は、第一遊星歯車30,230の偏心軸線A2上に中心を置く球面に倣った球面状に形成され、ピストン54は、油圧に応じて第一内歯歯車10の中心軸線A1方向へ往復移動するピストン本体55と、ピストン本体55の先端に傾動可能に連結され且つ環状斜面33を摺動するシュー56と、を備え、シュー56は、環状斜面33の形状に倣った凹球面状に形成される。
この駆動装置1,201によれば、シュー56が環状斜面33の形状に倣った凹球面状に形成されているので、シュー56と環状斜面33とを面接触させることができる。これにより、駆動源50の駆動力を第一遊星歯車30,230に効率よく伝達することができる。
また、駆動装置301は、内歯車である第一内歯歯車310と、第一内歯歯車310に噛合する外歯車であって、回転中心が第一内歯歯車310の中心軸線A1から偏心配置され、第一内歯歯車310の中心軸線A1を径方向内方に有する揺動型の第一遊星歯車330と、第一遊星歯車330を偏心軸線A2まわりに自転させると共に、第一遊星歯車330を第一内歯歯車310の中心軸線A1まわりに公転させる駆動源350と、第一遊星歯車330の偏心軸線A2まわりの自転成分が出力される回転体3と、を備える。
さらに、第一遊星歯車330は、第一内歯歯車310の中心軸線A1方向において、駆動源350と対向する位置に形成される環状斜面333を備え、環状斜面333は、第一遊星歯車330の偏心軸線A2まわりに環状に形成され、径方向外方から径方向内方へ向かうにつれて駆動源350から離間する方向へ陥入するように傾斜する。駆動源350は、第一内歯歯車310の中心軸線A1方向に往復移動するピストン354を備え、第一内歯歯車310の中心軸線A1まわりに周方向に配置される複数の駆動シリンダ351であり、各ピストン354は、環状斜面333を周方向且つ径方向に摺動しながら、環状斜面333を第一遊星歯車330の偏心軸線A2方向且つ径方向外方へ向かって押圧する。
この駆動装置301によれば、駆動源350は、第一内歯歯車310の中心軸線A1まわりに周方向に配置された複数の駆動シリンダ351であり、複数の駆動シリンダ351の各ピストン354が、環状斜面333を周方向且つ径方向へ摺動しながら、環状斜面333を第一遊星歯車330の偏心軸線A2方向且つ径方向外方へ押圧する。これにより、第一遊星歯車330は、第一遊星歯車330の偏心軸線A2まわりを自転すると共に、第一内歯歯車310の中心軸線A1まわりを公転する。このように、駆動装置301では、駆動源350が直接的に第一遊星歯車330を押圧することにより、第一遊星歯車330を回転させるので、従来技術と比べて、駆動装置301の軸方向長さを短くすることができる。従って、駆動装置301の小型化を図ることができる。
また、上記した駆動装置301において、環状斜面333は、第一遊星歯車330の偏心軸線A2上に中心を置く球面に倣った凹球面状に形成され、ピストン354は、油圧に応じて第一内歯歯車310の中心軸線A1方向へ往復移動するピストン本体55と、ピストン本体55の先端に傾動可能に連結され且つ環状斜面333を摺動するシュー356と、を備え、シュー356は、環状斜面333の形状に倣った凸球面状に形成される。
この駆動装置301によれば、シュー356が環状斜面333の形状に倣った凹球面状に形成されているので、シュー356と環状斜面333とを面接触させることができる。これにより、駆動源350の駆動力を第一遊星歯車330に効率よく伝達することができる。
さらに、上記した駆動装置1,301において、第一遊星歯車30,330と同軸且つ一体的に回転する外歯車である第二遊星歯車40,340と、第二遊星歯車40,340に噛合する内歯車であって、第一内歯歯車10,310と同軸に配置された第二内歯歯車20と、を備え、第二内歯歯車20は、回転体に一体形成される。この駆動装置1,301によれば、第一遊星歯車30,330の回転を減速して回転体3に出力することができる。
また、上記した駆動装置201において、第一内歯歯車10の中心軸線A1まわりに周方向に配置され、第一遊星歯車230の第一内歯歯車10の中心軸線A1まわりの公転を許容し、且つ、第一遊星歯車230の偏心軸線A2まわりの自転成分を出力するピン270を備え、ピン270は、回転体203に一体回転可能に設けられる。この駆動装置201によれば、駆動装置1の軸方向長さをより一層小さくすることができる。
さらに、上記した駆動装置1,201,301において、第一遊星歯車30,230,330と一体的に設けられ、第一遊星歯車30,230,330の偏心軸線A2を中心とする円筒外周面又は円筒内周面を有する第一規制部42,242と、第一内歯歯車10,310の中心軸線A1を中心とする円筒内周面又は円筒外周面を有し、径方向において第一規制部42,242に対向し、第一遊星歯車30,230,330が所定範囲を超えて径方向外方へ変位することを規制する第一案内面3aと、を備える。なお、第一規制部42,242が円筒外周面を有する場合には、第一案内面3aが円筒内周面を有し、第一規制部42,242が円筒内周面を有する場合には、第一案内面3aが円筒外周面を有する。
この駆動装置1,201,301によれば、第一遊星歯車30,230,330が所定範囲を超えて径方向外方へ変位することが規制されるので、第一遊星歯車30,230,330の外歯が第一内歯歯車10,310の内歯に干渉することを抑制できる。
さらに、上記した駆動装置201において、第一遊星歯車230と一体的に設けられ、第一遊星歯車230の偏心軸線A2方向に交差する面を有する第二規制部245と、第一遊星歯車230の偏心軸線A2方向において第二規制部245に対向する面を有し、第一遊星歯車230の偏心軸線A2方向への変位を規制する第二案内面202aと、を備える。
この駆動装置201によれば、第一遊星歯車230が4つの駆動シリンダ51によって第一遊星歯車230の偏心軸線A2方向へ押圧されるのに対し、第一遊星歯車230の偏心軸線A2方向への変位が第二案内面202aにより規制される。よって、第一遊星歯車230の外歯が他の部材と干渉することを抑制できる。
1,201,301:駆動装置、 3,203:回転体、 3a:第一案内面、 10,310:第一内歯歯車、 20:第二内歯歯車、 30,230,330:第一遊星歯車、 33,333:環状斜面、 40,340:第二遊星歯車、 42,242:第一規制部、 50,350:駆動源、 51,351:駆動シリンダ、 54,354:ピストン、 55:ピストン本体、 56,356:シュー、 202a:第二案内面、 245:第二規制部、 270:ピン、 A1:中心軸線、 A2:偏心軸線
Claims (8)
- 内歯車である第一内歯歯車と、
前記第一内歯歯車に噛合する外歯車であって、回転中心が前記第一内歯歯車の中心軸線から偏心配置され、前記第一内歯歯車の中心軸線を径方向内方に有する揺動型の第一遊星歯車と、
前記第一遊星歯車を偏心軸線まわりに自転させると共に、前記第一遊星歯車を前記第一内歯歯車の中心軸線まわりに公転させる駆動源と、
前記第一遊星歯車の偏心軸線まわりの自転成分が出力される回転体と、
を備え、
前記第一遊星歯車は、前記第一内歯歯車の中心軸線方向において、前記駆動源と対向する位置に形成される環状斜面を備え、
前記環状斜面は、前記第一遊星歯車の偏心軸線まわりに環状に形成され、径方向外方から径方向内方へ向かうにつれて前記駆動源に近接する方向へ突出するように傾斜し、
前記駆動源は、前記第一内歯歯車の中心軸線方向に往復移動するピストンを備え、前記第一内歯歯車の中心軸線まわりに周方向に配置される複数の駆動シリンダであり、
各前記ピストンは、前記環状斜面を周方向且つ径方向に摺動しながら、前記環状斜面を前記第一遊星歯車の偏心軸線方向且つ径方向内方へ向かって押圧する、駆動装置。 - 前記環状斜面は、前記第一遊星歯車の偏心軸線上に中心を置く球面に倣った凸球面状に形成され、
前記ピストンは、油圧に応じて前記第一内歯歯車の中心軸線方向へ往復移動するピストン本体と、前記ピストン本体の先端に傾動可能に連結され且つ前記環状斜面を摺動するシューと、を備え、
前記シューは、前記環状斜面の形状に倣った凹球面状に形成される、請求項1に記載の駆動装置。 - 内歯車である第一内歯歯車と、
前記第一内歯歯車に噛合する外歯車であって、回転中心が前記第一内歯歯車の中心軸線から偏心配置され、前記第一内歯歯車の中心軸線を径方向内方に有する揺動型の第一遊星歯車と、
前記第一遊星歯車を偏心軸線まわりに自転させると共に、前記第一遊星歯車を前記第一内歯歯車の中心軸線まわりに公転させる駆動源と、
前記第一遊星歯車の偏心軸線まわりの自転成分が出力される回転体と、
を備え、
前記第一遊星歯車は、前記第一内歯歯車の中心軸線方向において、前記駆動源と対向する位置に形成される環状斜面を備え、
前記環状斜面は、前記第一遊星歯車の偏心軸線まわりに環状に形成され、径方向外方から径方向内方へ向かうにつれて前記駆動源から離間する方向へ陥入するように傾斜し、
前記駆動源は、前記第一内歯歯車の中心軸線方向に往復移動するピストンを備え、前記第一内歯歯車の中心軸線まわりに周方向に配置される複数の駆動シリンダであり、
各前記ピストンは、前記環状斜面を周方向且つ径方向に摺動しながら、前記環状斜面を前記第一遊星歯車の偏心軸線方向且つ径方向外方へ向かって押圧する、駆動装置。 - 前記環状斜面は、前記第一遊星歯車の偏心軸線上に中心を置く球面に倣った凹球面状に形成され、
前記ピストンは、油圧に応じて前記第一内歯歯車の中心軸線方向へ往復移動するピストン本体と、前記ピストン本体の先端に傾動可能に連結され且つ前記環状斜面を摺動するシューと、を備え、
前記シューは、前記環状斜面の形状に倣った凸球面状に形成される、請求項3に記載の駆動装置。 - 前記駆動装置は、
前記第一遊星歯車と同軸且つ一体的に回転する外歯車である第二遊星歯車と、
前記第二遊星歯車に噛合する内歯車であって、前記第一内歯歯車と同軸に配置された第二内歯歯車と、を備え、
前記第二内歯歯車は、前記回転体に一体形成される、請求項1−4の何れか一項に記載の駆動装置。 - 前記駆動装置は、前記第一内歯歯車の中心軸線まわりに周方向に配置され、前記第一遊星歯車の前記第一内歯歯車の中心軸線まわりの公転を許容し、且つ、前記第一遊星歯車の偏心軸線まわりの自転成分を出力するピンを備え、
前記ピンは、前記回転体に一体回転可能に設けられる、請求項1−4の何れか一項に記載の駆動装置。 - 前記駆動装置は、
前記第一遊星歯車と一体的に設けられ、前記第一遊星歯車の偏心軸線を中心とする円筒外周面又は円筒内周面を有する第一規制部と、
前記第一内歯歯車の中心軸線を中心とする円筒内周面又は円筒外周面を有し、径方向において前記第一規制部に対向し、前記第一遊星歯車が所定範囲を超えて径方向外方へ変位することを規制する第一案内面と、
を備える、請求項1−6の何れか一項に記載の駆動装置。 - 前記駆動装置は、
前記第一遊星歯車と一体的に設けられ、前記第一遊星歯車の偏心軸線方向に交差する面を有する第二規制部と、
前記第一遊星歯車の偏心軸線方向において前記第二規制部に対向する面を有し、前記第一遊星歯車の偏心軸線方向への変位を規制する第二案内面と、
を備える、請求項1−7の何れか一項に記載の駆動装置。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016093157A Pending JP2017083005A (ja) | 2015-10-22 | 2016-05-06 | 駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017083005A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021182019A1 (ja) * | 2020-03-12 | 2021-09-16 | Ntn株式会社 | 電動アクチュエータ |
-
2016
- 2016-05-06 JP JP2016093157A patent/JP2017083005A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021182019A1 (ja) * | 2020-03-12 | 2021-09-16 | Ntn株式会社 | 電動アクチュエータ |
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