JP2017082316A - 高炉の出銑口周りの集塵装置 - Google Patents

高炉の出銑口周りの集塵装置 Download PDF

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聡 阿達
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Abstract

【課題】スペースが制限されている出銑口周りにおいて、効率よく発塵を集塵できる高炉の出銑口周りの集塵装置の提供。【解決手段】高炉の出銑口2前の主樋3の直上において、炉体1から水平に張り出した作業床8の下部に設けられた集塵ダクト21と、作業床8の下部に設けられ、集塵ダクト21の吸引口21aよりも出銑口2に対して離れて配置された補助吸引口23aを有する補助集塵ダクト23と、補助集塵ダクト23の内部に駆動流体を吐出し、補助吸引口23aを介して流体を吸引するエジェクター30と、を有する集塵装置20を採用する。【選択図】図1

Description

本発明は、高炉の出銑口周りの集塵装置に関するものである。
高炉の出銑口を開孔機により開孔する場合、及びマッドガンにより閉塞する場合には、開孔機及びマッドガンが、出銑口に一番近いスプラッシュ飛散防止用の主樋カバーと干渉するため、これを退避する必要がある。出銑口の出銑初期での開孔作業や出銑末期での閉塞作業を行う時は、特に出銑口からの発塵が激しくなるが、主樋カバーが退避されているため、出銑口前の空間が大きく開いており、出銑口の直上の作業床下部若しくは出銑口側部側に設置の集塵ダクトだけでは集塵しきれず、従来では、建家に天蓋フードを設けて漏洩発塵を集塵していた。しかしながら、天蓋フードは、相当離れた位置にあるため出銑口周りの集塵を十分に行うことは困難である。
そこで、下記特許文献1に記載の高炉の出銑口周りの集塵装置では、出銑口の前を除いて遮蔽した集塵領域を形成し、この集塵領域内に設けたフードに第1エア吹き出し装置とエア吸引装置とを設け、これらの両装置によって該フード内に人工竜巻を発生させるとともに、後方樋カバーの周辺に第2エア吹き出し装置を設け、このエア吹き出し装置からの吹き出しエアによって前方樋カバーが取り外された出銑樋の上方にエアカーテンを形成している。
特許第3493687号公報
高炉の出銑口周りでは、出銑口からの溶銑・滓を含むスプラッシュ中の溶鉄粒子がエア(空気)と接触することによって、赤煙が発生する。特許文献1に記載の集塵装置においては、人工竜巻を発生させるためにエアを吹き出しており、このエアが溶鉄粒子との酸化反応を助長させて赤煙の発生を増加させる虞がある。この赤煙を集塵しきれなかった場合、外部(鋳床建屋内)に赤煙が漏れ、作業環境が悪化してしまう。
一方で、高炉の出銑口周りに追加で集塵ダクトを配置しようとしても、出銑口の周りには、開孔機やマッドガン、主樋カバーを退避させるカバートラバーサー等の可動装置があるため、それら可動装置との干渉を回避するために、細い集塵ダクトしか配置できず、集塵効率があまり上がらない、という問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、スペースが制限されている出銑口周りにおいて、効率よく発塵を集塵できる高炉の出銑口周りの集塵装置の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、高炉の出銑口前の主樋の直上において、炉体から水平に張り出した作業床の下部に設けられた集塵ダクトと、前記作業床の下部に設けられ、前記集塵ダクトの吸引口よりも前記出銑口に対して離れて配置された補助吸引口を有する補助集塵ダクトと、前記補助集塵ダクトの内部に駆動流体を吐出し、前記補助吸引口を介して流体を吸引するエジェクターと、を有する、高炉の出銑口周りの集塵装置を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、集塵ダクトが設けられた作業床の下部に、補助集塵ダクトを追加し、発塵を集塵させる。補助集塵ダクトの補助吸引口は、集塵ダクトの吸引口よりも出銑口に対して離れて配置されているため、集塵ダクトでは吸引しきれなかった発塵を捕捉することができる。また、作業床の下部は、開孔機やマッドガン、カバートラバーサー等の可動装置があるため、スペースが制限され、補助集塵ダクトも比較的細くならざるを得ないが、そこに強制吸引手段であるエジェクターを設けることで、細いながらも高い集塵効率を達成することができる。このため、特に出銑初期及び出銑末期での発塵が激しい時間帯においてエジェクターを駆動させれば、発塵のピークカットが可能となり、発塵の漏れを確実に防ぐことができる。
また、本発明においては、前記補助吸引口は、前記出銑口に向けて傾いている、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、補助集塵ダクトの補助吸引口が、発塵が多い出銑口に向けて傾いているため、発塵が補助吸引口に導入され易くなり、集塵効率を向上させることができる。
また、本発明においては、前記補助吸引口の開口幅は、前記主樋の溝幅よりも大きい、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、補助吸引口の開口幅が、主樋の溝幅よりも大きいため、主樋から立ち上がる発塵を捕捉し易くなり、集塵効率を向上させることができる。
また、本発明においては、前記主樋は、主樋カバーによって着脱可能に覆われるカバー着脱領域を有し、前記補助吸引口は、前記カバー着脱領域の直上に配置されている、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、補助吸引口が、主樋カバーによって着脱可能に覆われるカバー着脱領域の直上に配置されているため、出銑時に主樋カバーを退避させることで形成される出銑口前の大きな空間から発塵を集塵し易くなる。
また、本発明においては、前記補助集塵ダクトは、前記集塵ダクトに接続される接続部を有する、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、補助集塵ダクトから吸引した発塵が接続部を介して集塵ダクトに流入するため、補助集塵ダクトから吸引した発塵を集塵ダクトから吸引した発塵と共に回収することができる。また、補助集塵ダクトの長さも短くなり、スペースが制限される作業床の下部における配置が容易になる。
また、本発明においては、前記エジェクターは、スチームを駆動流体とするスチームエジェクターである、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、製鉄所内の動力用として一般的に使用しているスチームを駆動流体とすることができ、消費物が最小で経済的である。また、スチームエジェクターは、構造が簡単で運動部分(可動部)が無く、潤滑油が不要であり機械的な振動も無い。また、設備費が低廉で、安定性のある高真空の発生が容易である。
また、本発明においては、前記エジェクターは、ディフューザーを有し、前記ディフューザーの吸込み部は、ベルマウス状である、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、ディフューザーの吸込み部がベルマウス状であるため、開口端を同一径の直管とする場合に比べて、流体を吸い込むときの圧力損失を低減できる。これにより、集塵効率をより向上させることができる。
本発明によれば、スペースが制限されている出銑口周りにおいて、効率よく発塵を集塵できる高炉の出銑口周りの集塵装置が得られる。
本発明の実施形態における高炉の出銑口周りの集塵装置の構成を示す側面図である。 図1の矢視A図である。 図1の平面図である。 本発明の実施形態における補助集塵ダクトの構成を示す断面図である。 図4のC−C断面図である。 出銑口2周りでの経時的な発塵パターンを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態における高炉の出銑口周りの集塵装置20の構成を示す側面図である。図2は、図1の矢視A図である。図3は、図1の平面図である。なお、図1は、図3のB−B断面に対応している。
図1に示すように、高炉は、金属原料である鉄鉱石を溶融して銑鉄を生成する炉体1を備えている。炉体1の下部には、生成された溶銑100を出銑するための出銑口2が設けられている。
出銑口2の前には、主樋3が設けられている。主樋3は、出銑口2から出銑された溶銑100を不図示のトーピードカー(溶銑運搬車)まで導くものである。なお、主樋3には、銑滓分離するスキンマーと、スキンマーで分離された溶銑100をトーピードカーに導く溶銑樋と、スキンマーで分離された溶滓を不図示の溶滓鍋まで導く溶滓樋と、が設けられている。
図3に示すように、出銑口2の近傍には、開孔機4と、マッドガン5が設けられている。開孔機4は、閉塞された出銑口2を開孔するものである。出銑口2が開孔すると、炉体1の下部から主樋3に溶銑100が流し込まれる。マッドガン5は、出銑終了後、出銑口2を閉塞するものである。開孔機4は、主樋3を挟んだ一方側に配置され、マッドガン5は、主樋3を挟んだ他方側に配置されている。
図1に示すように、主樋3上には、溶銑・滓のスプラッシュ飛散防止を目的とした主樋カバー6及び、溶銑樋カバー7が設けられている。主樋カバー6は、炉体1に対して最も近くに配置されたカバーである。主樋カバー6は、出銑口2の開孔後、開孔機4が退避した直後に主樋3上に移動して配置され、溶銑・滓のスプラッシュ飛散を防止するものである。主樋カバー6が主樋3上に配置されると、主樋3に対してはある程度の発塵に対する密閉化が図られ、出銑口2周りの空間に対して輻射熱を遮蔽することができる。
主樋カバー6は、出銑中の出銑状況が目視により観察できるように出銑口2と所定の隙間をあけて配置され、その隙間からの発塵は、出銑口2上の作業床8の下部に内接して設けられた後述する集塵ダクト21を用いて集塵するようになっている。
出銑口2の開孔および閉塞する際には、開孔機4及びマッドガン5を動作させるために、主樋カバー6を主樋3上から移動して退避させる必要がある。
開孔機4及びマッドガン5は、図3において一点鎖線で示すように可動するため、出銑口2に対して最も近くに配置された主樋カバー6と干渉してしまう。このため、図1に示すように、炉体1から水平に張り出した作業床8の下部に、主樋カバー6を移動させるカバートラバーサー10が設けられている。作業床8は、炉体1の側壁に設けられた不図示の羽口等をメンテナンスする際に作業者及びメンテナンス機器の床足場となり、鋳床レベル9に対する高さが決まっている。
カバートラバーサー10は、作業床8の下部に設けられたレール11と、レール11に沿って移動可能に設けられた本体12と、本体12を移動させる駆動装置13と、を有する。レール11は、図2に示すように、主樋3が延在する方向と直交する方向に一対で延在している。レール11は、主樋3の側方(開孔機4側)に延在し、少なくとも鋳床レベル9に設定された主樋カバー載置部9aの直上まで延在している。
本体12は、主樋カバー6に設けられた被吊部6aを持ち上げるアーム12aと、レール11に沿って移動自在に係合するローラー12bと、を有する。被吊部6aは、主樋カバー6の上部に設けられており、アーム12aの先端部は、被吊部6aを持ち上げることが可能な溝形状を有している。
駆動装置13は、本体12をレール11に沿って移動させるものであり、モーター等の駆動手段を有する。
図1に示すように、出銑口2周りには、集塵装置20が設けられている。集塵装置20は、作業床8の下部に設けられた集塵ダクト21と、作業床8から離れて設けられた天蓋フード22と、作業床8の下部において集塵ダクト21に隣接して設けられた補助集塵ダクト23と、を有する。
集塵ダクト21は、前述したように、出銑中の出銑状況を目視により観察するために形成された出銑口2と主樋カバー6との隙間からの発塵を、符号F1で示すように集塵する(所謂、1次集塵)。集塵ダクト21は、出銑口2の直上に配置された吸引口21aと、図3に示すように、吸引口21aに連通して作業床8の下部に沿って延設されている水平部21bと、図2に示すように、水平部21bに連通して鋳床レベル9以下まで延設されている垂直部21cと、を有する。
集塵ダクト21の下流には、鋳床建屋内全体を吸引する大容量のファンが設けられており、集塵ダクト21を介した吸引風量Q1は、後述する補助集塵ダクト23を介した吸引風量Q2よりも格段に多い。
ところで、出銑口2を開孔した直後の出銑初期や、出銑口を閉塞する出銑末期においては、特に発塵が急増し、1次集塵のみでは発塵を処理しきれないため、図1に示す天蓋フード22が設けられている。
天蓋フード22は、出銑初期や出銑末期等において、1次集塵のみでは処理しきれない発塵を、符号F2で示すように集塵する(所謂、2次集塵)。天蓋フード22は、作業床8から離れて設けられているが、これは開孔機4や、メンテナンス時に用いられる不図示の鋳床クレーンやジブクレーン等の可動装置が配置されているためであり、これら可動装置と干渉しない位置に配さなければならない。
このため、天蓋フード22と集塵ダクト21との間には、空間が大きく開いており、また、天蓋フード22は、前述した可動装置との干渉によって発塵の発生源にあまり近づけて配置することができず、特に発塵が急増する出銑初期や出銑末期等において1次集塵と2次集塵のみでは、発塵を十分に補足することが困難な場合がある(図1において符号F2´で示す)。そこで、本実施形態では、出銑初期や出銑末期等において、1次集塵及び2次集塵のみでは処理しきれない発塵を、符号F3で示すように集塵する補助集塵ダクト23を設けている。
次に、補助集塵ダクト23の構成について、図4及び図5を追加参照して説明する。
図4は、本発明の実施形態における補助集塵ダクト23の構成を示す断面図である。図5は、図4のC−C断面図である。
補助集塵ダクト23は、補助吸引口23aを形成する集塵フード24と、集塵ダクト21に接続される接続部25と、ダクト内部に駆動流体と吐出するエジェクター30と、を有する。
補助集塵ダクト23は、図1に示すように、集塵ダクト21と同じく作業床8の下部に設けられている。作業床8の下部は、前述した可動装置との干渉からスペースが制限されており、本実施形態では、集塵ダクト21とカバートラバーサー10との間に、補助集塵ダクト23を配置している。補助集塵ダクト23の補助吸引口23aは、集塵ダクト21の吸引口21aよりも出銑口2に対して離れて配置されている。
なお、補助集塵ダクト23は、例えば、カバートラバーサー10等と干渉しないのであれば、一対のレール11の間に配置してもよいし、天蓋フード22近傍の作業床8の下部に配置してもよい。本実施形態では、なるべく出銑口2の近くから吸引できるように、補助集塵ダクト23を集塵ダクト21に隣接するように配置している。また、補助吸引口23aは、出銑口2からの発塵を捕捉し易くするために、出銑口2に向けて傾いている。
集塵フード24は、図2、図4及び図5に示すように、主樋3に向かうに従って流路面積が徐々に大きくなる形状を有している。集塵フード24は、例えば板金等から作製されている。補助吸引口23aは、集塵フード24の下端の最大開口を形成している。補助吸引口23aは、主樋3の直上に配置され、図2に示すように、その開口幅W2が、主樋3の溝幅W1よりも大きい形状を有している。補助吸引口23aは、集塵ダクト21の吸引口21aよりも下方に配置されている。また、補助吸引口23aは、図1及び図2に示すように、主樋カバー6によって着脱可能に覆われる主樋3のカバー着脱領域Xの直上に配置されている。
エジェクター30は、図4に示すように、補助集塵ダクト23の内部に駆動流体(符号Sで示す)を吐出し、補助吸引口23aを介して流体を吸引するものである。エジェクター30は、ノズル31と、ディフューザー32と、を有する。ノズル31は、図2に示すように、駆動流体供給管31aと接続されている。駆動流体供給管31aは、遮蔽弁31bを備え、高圧のスチームをノズル31に供給するものである。このように、本実施形態のエジェクター30は、スチームを駆動流体とするスチームエジェクターである。
スチームエジェクターは、通常、水蒸気を駆動流体として扱うが、一般的には吸入流体の分子量が大きくなればなる程、重量ベースでの吸入能力は大きくなるので、低分子量の流体には不利になる。
また、スチーム圧力(蒸気圧力)が高い程、駆動流体の消費量は少なくなるので、一般的には4.0〜15.0kg/cmG(0.4〜1.5MPaG)のスチームが最も多く使用される。本実施形態は、最も効率よく使用できる7.0〜10.0kg/cmG(0.7〜1.0MPaG)のスチーム圧力としている。
また、スチーム(蒸気)の質は、乾き飽和蒸気または若干の過熱蒸気(過熱度が30℃以内)が最も良く、製鉄所内の動力用として一般的に使用している過熱蒸気を使用する。
過熱蒸気とは、大気圧下で100℃の蒸気(飽和蒸気)をさらに加熱した蒸気のことで、ある圧力において飽和温度以上の蒸気温度を持つ蒸気のことである。エジェクター30は、作動原理上、駆動流体(スチーム)は吸込ガス(周辺ガス)の数倍の圧力、数倍の重量が共に必要である。例えば、空気の密度(常温、常圧)=1.18kg/m、スチームの密度(at 15kg/cm、202℃)=8.29kg/mとすると、8.29/1.18=7.02倍が共に必要となる。
なお、エジェクター30の吸込容量は、大きい方はいくらでも可能であるが、本実施形態では1段で十分であり、エジェクター30の可能吸込圧力と大気圧とを比率で示すと、1/1〜1/7程度となる。
ディフューザー32は、図4に示すように、補助集塵ダクト23の一部を構成している。ディフューザー32は、吸込み部33と、ボディ部34と、ディフューザー部35と、を有する。吸込み部33は、集塵フード24に突出した開口端から下流側に向かって流路面積が徐々に小さくなるものである。詳しくは、吸込み部33は、吸引側の開口端に向かうに従って径が漸増するベルマウス状である。ディフューザー部35は、流路面積が徐々に大きくなるものである。ボディ部34は、吸込み部33とディフューザー部35とを同一径で接続するものである。
ノズル31とディフューザー32は適当な距離をおいて向き合っており、ノズル31から高圧の駆動流体を噴射すると、ノズル31の出口の蒸気の流速は亜音速になって、駆動流体の圧力エネルギーが運動エネルギーに変換され、高速流体となる(減圧・加速)。この高速流体は、吸込み部33にて集塵フード24内部の周囲の低速流体(赤煙)を吸引し(巻込み)、その低速流体をボディ部34にて同伴混合し、ディフューザー部35から混合流体(中速流体)となって吐出される(減速・昇圧)。これにより、ノズル31の周りに負圧空間が形成され、集塵フード24の内部を吸引することができる。
補助集塵ダクト23の下流側は、図4に示すように、集塵ダクト21に接続されている。集塵ダクト21に接続される補助集塵ダクト23の接続部25は、集塵ダクト21の水平部21bに対して斜めに接続されている。これにより、補助集塵ダクト23で吸引した流体を、集塵ダクト21で吸引した流体の流れに沿って合流させることができ、例えば、補助集塵ダクト23を直角に曲げて集塵ダクト21に接続した場合よりも、圧力損失を低減できる。また、集塵ダクト21における流体の吸引風量Q1は、補助集塵ダクト23における流体の吸引風量Q2よりも格段に多いため、集塵ダクト21における流量が多少増えても逆流等は生じることはない。
続いて、上記構成の集塵装置20の動作及び作用について、図6を追加参照して説明する。
図6は、出銑口2周りでの経時的な発塵パターンを示すグラフである。
図6に示すように、出銑初期は、開孔機4が主樋3上にあり、主樋カバー6は、カバートラバーサー10により主樋3上から退避している。このため、開孔直後は特に出銑口2からの発塵量が多い。
出銑中期には、主樋3上に溶銑・滓のスプラッシュ飛散防止を目的とした主樋カバー6を移動して設置し、発塵源である出銑口2と主樋3に対してはある程度の密閉化が図られる。このため、発塵量は少ない。
出銑末期は、マッドガン5が主樋3上にあり、主樋カバー6は、カバートラバーサー10により主樋3上から退避している。また、出銑終了間際には、出銑口2から大量の発塵が発生するため、出銑初期よりも発塵量は多い。
このように、出銑初期及び出銑末期には、主樋カバー6は主樋3上から退避しており、出銑口2周辺は解放空間となり、集塵ダクト21及び天蓋フード22だけからの集塵では対応できない場合がある。このため、本実施形態の集塵装置20は、図1に示すように、作業床8の下部に設けられ、集塵ダクト21の吸引口21aよりも出銑口2に対して離れて配置された補助吸引口23aを有する補助集塵ダクト23と、補助集塵ダクト23の内部に駆動流体を吐出し、補助吸引口23aを介して流体を吸引するエジェクター30と、を有する。
すなわち、集塵ダクト21が設けられた作業床8の下部に、補助集塵ダクト23を追加し、発塵を集塵させる。補助集塵ダクト23の補助吸引口23aは、集塵ダクト21の吸引口21aよりも出銑口2に対して離れて配置されているため、集塵ダクト21では吸引しきれなかった発塵を捕捉することができる。また、作業床8の下部は、開孔機4やマッドガン5、カバートラバーサー10等の可動装置があるため、スペースが制限され、補助集塵ダクト23も比較的細くならざるを得ないが、そこに強制吸引手段であるエジェクター30を設けることで、細いながらも高い集塵効率を達成することができる。このため、出銑初期及び出銑末期での発塵が激しい時間帯においてエジェクター30を駆動させれば、図6に示す発塵量のピークカットが可能となり、発塵の漏れを確実に防ぐことが可能となる。
また、本実施形態においては、補助集塵ダクト23の補助吸引口23aが、発塵が多い出銑口2に向けて傾いているため、発塵が補助吸引口23aに導入され易くなり、集塵効率を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、補助吸引口23aが、主樋カバー6によって着脱可能に覆われるカバー着脱領域Xの直上に配置されているため、出銑時に主樋カバー6を退避させることで形成される出銑口2前の大きな解放空間から発塵を集塵し易くなる。
加えて、図2に示すように、補助吸引口23aの開口幅W2が、主樋3の溝幅W1よりも大きいため、主樋3から立ち上がる発塵を捕捉し易くなり、集塵効率を向上させることができる。
また、本実施形態においては、図4に示すように、補助集塵ダクト23は、集塵ダクト21に接続される接続部25を有する。この構成によれば、補助集塵ダクト23から吸引した発塵が、接続部25を介して集塵ダクト21に流入するため、補助集塵ダクト23から吸引した発塵を、集塵ダクト21から吸引した発塵と共に回収することができる。また、補助集塵ダクト23の長さも短くなり、スペースが制限される作業床8の下部における配置が容易になる。
図4に示すように、エジェクター30は、ディフューザー32を有し、ディフューザー32の吸込み部33は、ベルマウス状である。吸込み部33をベルマウス状にすると、直管状とするものに比べて、圧力損失を低減することができる。損失係数でいうと、例えば、ベルマウスが0.04、直管が0.93であり、比率で約1/20に圧力損失を大幅に低減することができる。したがって、この構成によれば、発塵をより効率よく集塵することができる。
また、本実施形態においては、エジェクター30は、スチームを駆動流体とするスチームエジェクターである。この構成によれば、製鉄所内の動力用として一般的に使用しているスチームを駆動流体とすることができ、消費物が最小で経済的である。また、スチームエジェクターは、構造が簡単で取り扱い容易且つ故障が少なく、さらに運動部分(可動部)が無く、潤滑油が不要であり機械的な振動も無いため、メンテナンスに要するコストを削減することができる。また、設備費が低廉で、安定性のある高真空の発生が容易である。
このように、上述の本実施形態によれば、高炉の出銑口2前の主樋3の直上において、炉体1から水平に張り出した作業床8の下部に設けられた集塵ダクト21と、作業床8の下部に設けられ、集塵ダクト21の吸引口21aよりも出銑口2に対して離れて配置された補助吸引口23aを有する補助集塵ダクト23と、補助集塵ダクト23の内部に駆動流体を吐出し、補助吸引口23aを介して流体を吸引するエジェクター30と、を有する集塵装置20を採用することによって、スペースが制限されている出銑口2周りにおいて、効率よく発塵を集塵することが可能となる。また、補助集塵ダクト23の集塵効率が高いため、既設の集塵ダクト21や天蓋フード22等の吸引風量は、ピークカットに対応していた集塵風量を削減しながら十分な集塵を可能とすることができる。これにより、作業環境の改善、高炉建設費、運転費(電力費)の低減を実現できる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、エジェクターの駆動流体としてスチームを例示したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、スチーム以外の駆動流体、例えば、窒素ガス等の不活性ガスを駆動流体とする構成を採用してもよい。
1 炉体
2 出銑口
3 主樋
6 主樋カバー
8 作業床
20 集塵装置(高炉の出銑口回りの集塵装置)
21 集塵ダクト
21a 吸引口
23 補助集塵ダクト
23a 補助吸引口
25 接続部
30 エジェクター
32 ディフューザー
33 吸込み部
W1 溝幅
W2 開口幅
X カバー着脱領域

Claims (7)

  1. 高炉の出銑口前の主樋の直上において、炉体から水平に張り出した作業床の下部に設けられた集塵ダクトと、
    前記作業床の下部に設けられ、前記集塵ダクトの吸引口よりも前記出銑口に対して離れて配置された補助吸引口を有する補助集塵ダクトと、
    前記補助集塵ダクトの内部に駆動流体を吐出し、前記補助吸引口を介して流体を吸引するエジェクターと、を有する、ことを特徴とする高炉の出銑口周りの集塵装置。
  2. 前記補助吸引口は、前記出銑口に向けて傾いている、ことを特徴とする請求項1に記載の高炉の出銑口周りの集塵装置。
  3. 前記補助吸引口の開口幅は、前記主樋の溝幅よりも大きい、ことを特徴とする請求項1または2に記載の高炉の出銑口周りの集塵装置。
  4. 前記主樋は、主樋カバーによって着脱可能に覆われるカバー着脱領域を有し、
    前記補助吸引口は、前記カバー着脱領域の直上に配置されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高炉の出銑口周りの集塵装置。
  5. 前記補助集塵ダクトは、前記集塵ダクトに接続される接続部を有する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高炉の出銑口周りの集塵装置。
  6. 前記エジェクターは、スチームを駆動流体とするスチームエジェクターである、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の高炉の出銑口周りの集塵装置。
  7. 前記エジェクターは、ディフューザーを有し、前記ディフューザーの吸込み部は、ベルマウス状である、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高炉の出銑口周りの集塵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107099635A (zh) * 2017-06-20 2017-08-29 重庆科技学院 一种铁水沟槽防溅除尘装置
CN108504809A (zh) * 2018-06-21 2018-09-07 中冶节能环保有限责任公司 一种中小高炉出铁场厂房结构系统
RU2775977C1 (ru) * 2021-09-23 2022-07-12 Артем Сергеевич Ткаченко Укрывающий аспирационный комплекс главного желоба доменной печи

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