JP2017082060A - ポリマーコロイド溶液及びそれを用いた分析マーカー、ナノカーボン溶液、樹脂粒子吸着炭素繊維、及び炭素繊維強化プラスチック - Google Patents

ポリマーコロイド溶液及びそれを用いた分析マーカー、ナノカーボン溶液、樹脂粒子吸着炭素繊維、及び炭素繊維強化プラスチック Download PDF

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徹也 山本
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克匡 上松
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Toshihira IRISAWA
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Abstract

【課題】炭素繊維と樹脂との界面接着性を向上させた炭素繊維強化プラスチック及びその製造に使用することができるポリマーコロイド溶液を提供する。【解決手段】樹脂粒子、カチオン重合開始剤及び水を含有する、ポリマーコロイド溶液。前記ポリマーコロイド溶液は、炭素繊維表面にサイジング剤を有しているか否かを検出するための分析マーカー、炭素繊維表面の官能基検出剤等に使用することができる。このポリマーコロイド溶液を使用すれば、樹脂粒子、ナノカーボン、カチオン重合開始剤及び水を含有し、前記ナノカーボンは、カーボンナノチューブ、グラフェン及び炭素粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、ナノカーボン溶液や、炭素繊維の表面に樹脂粒子が吸着している、樹脂粒子吸着炭素繊維等を調製することもできる。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマーコロイド溶液及びそれを用いた分析マーカー、ナノカーボン溶液、樹脂粒子吸着炭素繊維、及び炭素繊維強化プラスチックに関する。
熱可塑性樹脂に炭素繊維を複合した材料は、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)として、航空機材料、自動車材料等に用いられることが期待されている。しかしながら、熱可塑性樹脂と炭素繊維との界面接着性には改善の余地があり、熱可塑性樹脂と炭素繊維とを接着させることは非常に困難であった。その理由としては、熱可塑性樹脂を加熱して溶解させても、炭素繊維の奥に入り込むことができないためと考えられる。
熱可塑性樹脂と炭素繊維との界面接着性を向上させるための手法としては種々検討がなされているが、いずれも操作が複雑であり、実用化の目処は立っていない。また、非特許文献1には、炭素繊維とポリマー微粒子表面を界面活性剤で修飾することによる吸着操作によって、界面接着性の向上を図っているが、実際に界面接着性が向上したかどうかは示されていない。
第41回炭素材料学会年会、1C07、p72
上記のような界面活性剤による処理は、手間がかかるうえに、炭素繊維を傷つける一因となり、実用的ではない。しかも、界面活性剤は、樹脂との接着性改善のために使用しているが、界面活性剤は炭素繊維表面の不純物となるため、かえって樹脂との接着性を阻害する。このため、本発明は、炭素繊維と樹脂との界面接着性を向上させた炭素繊維強化プラスチック及びその製造に使用することができるポリマーコロイド溶液を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために鋭意研究を重ねてきた結果、樹脂粒子、カチオン重合開始剤及び水を含有するポリマーコロイド溶液中に炭素繊維を浸漬することで、樹脂との界面接着性を向上させることができ、炭素繊維強化プラスチックに好適に使用できることを見出した。また、本発明者らは、このポリマーコロイド溶液中に特定のナノカーボンを添加することで容易にナノカーボン溶液を得ることができることも見出した。本発明者らは、以上の知見をもとにさらに研究を重ね、本発明を完成した。即ち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.樹脂粒子、カチオン重合開始剤及び水を含有する、ポリマーコロイド溶液。
項2.前記樹脂粒子が、熱可塑性樹脂粒子である、項1に記載のポリマーコロイド溶液。
項3.炭素繊維表面にサイジング剤を有しているか否かを検出するための分析マーカー用である、項1又は2に記載のポリマーコロイド溶液。
項4.項1〜3のいずれかに記載のポリマーコロイド溶液の製造方法であって、
重合性単量体、カチオン重合開始剤及び水を含有する溶液を用いて乳化重合を行う工程を備える、製造方法。
項5.項1〜3のいずれかに記載のポリマーコロイド溶液からなる、炭素繊維表面にサイジング剤を有しているか否かを検出するための分析マーカー。
項6.項1〜3のいずれかに記載のポリマーコロイド溶液からなる、炭素繊維表面の官能基検出剤。
項7.樹脂粒子、ナノカーボン、カチオン重合開始剤及び水を含有し、前記ナノカーボンは、カーボンナノチューブ、グラフェン及び炭素粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、ナノカーボン溶液。
項8.項7に記載のナノカーボン溶液の製造方法であって、
項1〜3のいずれかに記載のポリマーコロイド溶液に前記ナノカーボンを添加する工程を備える、製造方法。
項9.炭素繊維の表面に樹脂粒子が吸着している、樹脂粒子吸着炭素繊維。
項10.前記樹脂粒子が熱可塑性樹脂粒子である、項9に記載の樹脂粒子吸着炭素繊維。
項11.項9又は10に記載の樹脂粒子吸着炭素繊維の製造方法であって、
項1〜3のいずれかに記載のポリマーコロイド溶液中に炭素繊維を浸漬する工程
を備える、製造方法。
項12.前記浸漬工程の前に、炭素繊維表面のサイジング剤を除去する工程
を備える、項11に記載の製造方法。
項13.項9又は10に記載の樹脂粒子吸着炭素繊維と、樹脂とが接着している、炭素繊維強化プラスチック。
項14.前記樹脂は、熱可塑性樹脂である、項13に記載の炭素繊維強化プラスチック。
項15.前記樹脂粒子吸着炭素繊維中の樹脂粒子を構成する樹脂と、前記樹脂とが同一又は類似の樹脂である、項13又は14に記載の炭素繊維強化プラスチック。
本発明によれば、樹脂粒子、カチオン重合開始剤及び水を含有するポリマーコロイド溶液中に炭素繊維を浸漬することで、樹脂との界面接着性を向上させることができる。このため、このようにして樹脂との界面接着性を向上した炭素繊維を使用することで、炭素繊維と樹脂(特に熱可塑性樹脂)とを容易に接着させることができ、炭素繊維強化プラスチックに好適に使用できる。
なお、炭素繊維表面にサイジング剤が付着している場合、上記ポリマーコロイド溶液に炭素繊維を浸漬しても、樹脂との界面接着性は向上しにくい。このことを利用して、上記ポリマーコロイド溶液を、炭素繊維表面にサイジング剤が付着しているか否かの分析マーカーとして使用することもできる。
また、炭素繊維表面にサイジング剤が付着している場合、炭素繊維表面にアニオン性基である水酸基が低減している。炭素繊維表面のサイジング剤が付着している箇所は、上記のとおり樹脂との界面接着性が向上しにくいため、上記ポリマーコロイド溶液を、炭素繊維表面の官能基検出剤として使用することもできる。
また、上記のポリマーコロイド溶液中に特定のナノカーボンを添加することで、ナノカーボン溶液を容易に調製することもできる。
V-50を用いて合成したポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子のSEM画像である。 KPS又はV-50を用いて調製したポリマーコロイド溶液中のアセトン処理済炭素繊維のSEM画像である。 アセトンで処理した炭素繊維(ポリマー粒子未吸着)のラマンスペクトルである。 V-50を用いて調製したポリマーコロイド溶液中のアセトンで未処理の炭素繊維のSEM画像である。
1.ポリマーコロイド溶液及びその製造方法
(1−1)ポリマーコロイド溶液
本発明のポリマーコロイド溶液は、樹脂粒子、カチオン重合開始剤及び水を含有する。このような構成を採用することにより、炭素繊維表面には水酸基が存在しておりマイナス(−)に帯電していることから、カチオン重合開始剤によりプラス(+)に帯電した樹脂粒子を引き付けやすく、炭素繊維表面のほぼ全面に樹脂粒子を吸着することができる。このため、このポリマーコロイド溶液に炭素繊維を浸漬して炭素繊維と樹脂との界面接着性を著しく向上させることができる。
なお、炭素繊維表面にサイジング剤が付着している場合、本発明のポリマーコロイド溶液に炭素繊維を浸漬しても、水酸基が表面に出にくいため炭素繊維表面はマイナス(−)に帯電していない。このため、カチオン重合開始剤によりプラス(+)に帯電した樹脂粒子を引き付けにくいため、炭素繊維表面に樹脂粒子を吸着させにくく、結果的に樹脂との界面接着性は向上しにくい。このように、サイジング剤の有無で樹脂との界面接着性が向上しやすいか向上しにくいかがわかれるため、本発明のポリマーコロイド溶液を、炭素繊維表面にサイジング剤が付着しているか否かの分析マーカーとして使用することもできる。また、このような構成を備えるポリマーコロイド溶液中に特定のナノカーボンを添加することで、ナノカーボン溶液を容易に調製することもできる。
樹脂粒子としては、特に制限されず、種々様々な樹脂粒子を採用することができる。なお、本発明のポリマーコロイド溶液中に炭素繊維を浸漬した場合、炭素繊維のほぼ全面にわたって当該樹脂粒子が吸着する。その結果として得られる本発明の樹脂粒子吸着炭素繊維は、当該樹脂粒子と同一又は類似の樹脂との界面接着性を特に向上させることができる。例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂との接着性を向上させたい場合はポリメチルメタクリレート粒子、ポリブチルアクリレート粒子、ポリイソブチルアクリレート粒子等のアクリル樹脂粒子を使用することが好ましく、ポリスチレン等のスチレン樹脂との接着性を向上させたい場合はポリスチレン粒子等のスチレン樹脂粒子を使用することが好ましい。
なお、炭素繊維を用いて炭素繊維強化プラスチックに加工する場合には、従来は炭素繊維と熱可塑性樹脂とを接着させることが困難であったという実情に鑑みて、本発明のポリマーコロイド溶液中の樹脂粒子も、熱可塑性樹脂粒子とすることが好ましい。具体的には、ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子、ポリスチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリエーテルイミド粒子、ポリエーテルサルホン粒子等が挙げられる。
これら樹脂粒子は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、樹脂粒子は、公知又は市販の樹脂粒子を用いてもよいし、重合して用いてもよい。
本発明で使用する樹脂粒子は、よりポリマーコロイド溶液を形成しやすくするとともに、炭素繊維に吸着しやすくする観点から、平均粒子径は0.04〜5μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。樹脂粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡観察で測定する。
カチオン重合開始剤(カチオン性ラジカル重合開始剤)としては、特に制限されず、種々様々なものを使用することができる。具体的には、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(V-50)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩(VA-044),2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル) プロパン] 二硫酸塩二水和物(VA-046B)等のアゾ化合物が挙げられる。これらカチオン重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、カチオン重合開始剤は、公知又は市販のカチオン重合開始剤を使用することができる。
水としては、特に制限はなく、水道水、工業用水、イオン交換水、脱イオン水、純水等の各種の水を用いることができる。特に脱イオン水及び純水が好ましい。
本発明のポリマーコロイド溶液中の各成分の組成は特に制限されない。本発明のポリマーコロイド溶液を調製しやすくし、炭素繊維表面に樹脂粒子を吸着しやすくし、カーボンナノチューブ、グラフェン、炭素粒子等のナノカーボンをより溶解しやすくする観点からは、また、水の含有量は過剰量とすればよく、樹脂粒子の濃度が0.1〜2.0重量%(特に0.1〜0.5重量%)、カチオン重合開始剤の濃度が0.5〜20 mmol/L(特に0.5〜5 mmol/L)となるように調整することが好ましい。
本発明のポリマーコロイド溶液には、本発明の効果を損なわない範囲(例えば0〜5重量%、特に0〜3重量%)において、必要に応じて、pH調整剤、酸化防止剤、粘度調整剤、防かび剤、消泡剤、可塑剤、安定剤等の添加剤が適宜添加されていてもよい。これらの添加剤は、公知又は市販品を使用することができる。ただし、界面活性剤は、樹脂との接着性を阻害する虞があるため、含まないことが好ましい。
(1−2)ポリマーコロイド溶液の製造方法
本発明のポリマーコロイド溶液の製造方法としては、樹脂粒子のコロイド溶液を製造できる方法であれば制限されない。例えば、重合性単量体、カチオン重合開始剤及び水を含有する溶液を用いて乳化重合を行う工程を備える方法により、本発明のポリマーコロイド溶液を得ることができる。この乳化重合は、界面活性剤を使用しない、いわゆるソープフリー乳化重合とすることが好ましい。
カチオン重合開始剤及び水としては、上記したものを使用することができる。
重合性単量体としては、特に制限はなく、上記樹脂粒子の単量体を使用することができる。上記樹脂粒子は、熱可塑性樹脂粒子であることが好ましいため、熱可塑性樹脂の単量体を使用することが好ましい。具体的には、メチルメタクリレート、スチレン、ナイロン、プロピレン、エーテルイミド、エーテルサルホン等が挙げられる。
上記溶液中の各成分の組成は、本発明のポリマーコロイド溶液を調製できる組成であれば特に制限されない。例えば、水の含有量は過剰量とすればよく、重合性単量体の濃度が1〜100 mmol/L(特に30〜70 mmol/L)、カチオン重合開始剤の濃度が0.5〜20 mmol/L(特に0.5〜5 mmol/L)となるように調整することが好ましい。
上記溶液の調製方法は特に制限されない。例えば、重合性単量体、カチオン重合開始剤及び水を同時又は逐次混合することができる。本発明においては、カチオン重合開始剤及び水を混合した後に、この混合液と重合性単量体とを混合することが好ましい。
このようにして溶液を得た後、必要に応じて撹拌しながら加熱することで、乳化重合を進行させ、本発明のポリマーコロイド溶液を得ることができる。加熱温度は、乳化重合を進行させることができれば特に制限されず、例えば、20〜99℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。また、攪拌する場合、回転数は特に制限はなく、例えば、20〜300 rpmが好ましく、100〜130 rpmがより好ましい。
2.分析マーカー
炭素繊維表面には水酸基が存在しておりマイナス(−)に帯電している。このため、本発明のポリマーコロイド溶液中のカチオン重合開始剤によりプラス(+)に帯電した樹脂粒子を引き付けやすい。このため、本発明では、炭素繊維をポリマーコロイド溶液中に浸漬することのみで、炭素繊維表面のほぼ全面に樹脂粒子を吸着することができる。
しかしながら、市販の炭素繊維は、ハンドリング性向上等のために、表面にサイジング剤が付着していることが多い。このサイジング剤は、通常、エポキシ樹脂等からなる。炭素繊維表面にサイジング剤が付着している場合、炭素繊維表面に露出する水酸基が低減するため、このような炭素繊維表面はマイナス(−)帯電していない。このため、炭素繊維表面にカチオン重合開始剤によりプラス(+)に帯電した樹脂粒子を引き付けにくいため、炭素繊維表面に樹脂粒子を吸着させにくく、結果的に樹脂との界面接着性は向上しにくい。
このため、炭素繊維を本発明のポリマーコロイド溶液に浸漬した後に、当該炭素繊維と樹脂との界面接着性を評価することにより、炭素繊維表面にサイジング剤を有しているか否かを評価することができる。具体的には、当該炭素繊維と樹脂との界面接着性に優れていた場合は炭素繊維表面にサイジング剤が付着していないと評価することができ、当該炭素繊維と樹脂との界面接着性に劣っていた場合は炭素繊維表面にサイジング剤が付着していると評価することができる。
このようにして評価した後、炭素繊維表面にサイジング剤が付着していると判明した場合、アセトン等で処理することで、炭素繊維表面のサイジング剤を除去することができる。
また、上記のとおり、炭素繊維表面にサイジング剤が付着している場合、炭素繊維表面にアニオン性基である水酸基が低減している。炭素繊維表面のサイジング剤が付着している箇所は、上記のとおり樹脂との界面接着性が向上しにくいため、このような箇所では炭素繊維表面にポリマー樹脂が吸着しにくい。つまり、炭素繊維表面のポリマー粒子が吸着している箇所には水酸基等のアニオン性基が存在しており、炭素繊維表面のポリマー粒子が吸着していない箇所には水酸基等のアニオン性基が存在していないと評価することができる。このため、本発明のポリマーコロイド溶液を、炭素繊維表面の官能基検出剤として使用することもできる。
3.ナノカーボン溶液
(3−1)ナノカーボン溶液
本発明のナノカーボン溶液は、樹脂粒子、ナノカーボン、カチオン重合開始剤及び水を含有する。
樹脂粒子、カチオン重合開始剤及び水としては、上記したものを使用することができる。
本発明のナノカーボン溶液中に含まれるナノカーボンは、カーボンナノチューブ、グラフェン及び炭素粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
カーボンナノチューブは、黒鉛シート(即ち、黒鉛構造の炭素原子面又はグラフェンシート)がチューブ状に閉じた中空炭素物質であり、その直径はナノメートルスケールであり、壁構造は黒鉛構造を有している。壁構造が一枚の黒鉛シートでチューブ状に閉じた形状のカーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブと呼ばれている。一方、複数枚の黒鉛シートがそれぞれチューブ状に閉じて、入れ子状になっているカーボンナノチューブは入れ子構造の多層カーボンナノチューブと呼ばれている。本発明では、これら単層又は多層カーボンナノチューブをいずれも使用できる。
カーボンナノチューブのサイズとしては、特に制限されず、平均直径が3〜150 nm程度(特に0〜100 nm程度)、平均長が0.5〜10μm程度(特に0.5〜1μm程度)、平均アスペクト比が10〜500程度(特に10〜200程度)のものを採用することが好ましい。カーボンナノチューブのサイズは、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察により測定する。
グラフェンとしては、特に制限はなく、公知又は市販品を使用することができる。なお、このグラフェンを多層積層させたものは黒鉛を形成し、チューブ状に形成したものは上記のカーボンナノチューブを形成する。
グラフェンの平均粒子径は、特に制限されず、200〜5,000 nm程度が好ましく、200〜1,000 nm程度がより好ましい。グラフェンのサイズは、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察により測定する。
炭素粒子としては、特に限定されず、公知又は市販品を使用することができる。例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等のカーボンブラック;黒鉛;活性炭等を用いることができる。
炭素粒子の平均粒子径は、特に制限されず、200〜5,000 nm程度が好ましく、200〜1,000 nm程度がより好ましい。炭素粒子のサイズは、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察により測定する。
本発明のナノカーボン溶液中の各成分の組成は特に制限されない。本発明のナノカーボン溶液を調製しやすくする観点からは、例えば、水の含有量は過剰量とすればよく、樹脂粒子の濃度が0.1〜2.0重量%(特に0.3〜0.5重量%)、ナノカーボンの濃度が0.1〜5 mg/mL(特に0.5〜3 mg/mL)、カチオン重合開始剤の濃度が0.5〜20 mmol/L(特に0.5〜5 mmol/L)となるように調整することが好ましい。
本発明のナノカーボン溶液には、本発明の効果を損なわない範囲(例えば0〜5重量%、特に0〜3重量%)において、必要に応じて、pH調整剤、酸化防止剤、粘度調整剤、防かび剤、消泡剤、可塑剤、安定剤等の添加剤が適宜添加されていてもよい。これらの添加剤は、公知又は市販品を使用することができる。
(3−2)ナノカーボン溶液の製造方法
本発明のナノカーボン溶液の製造方法としては、ナノカーボンの溶液を製造できる方法であれば制限されない。例えば、上記本発明のポリマーコロイド溶液にナノカーボンを添加する工程を備える方法により、本発明のナノカーボン溶液を得ることができる。ナノカーボンを添加した後、必要に応じて撹拌してもよい。
ナノカーボンとしては、上記したものを使用することができる。
ナノカーボンを添加する温度は特に制限されず、例えば、20〜80℃が好ましく、20〜50℃がより好ましい。
4.樹脂粒子吸着炭素繊維
(4−1)樹脂粒子吸着炭素繊維
本発明の樹脂粒子吸着炭素繊維は、炭素繊維の表面に樹脂粒子が吸着している。
樹脂粒子は、上記したものを使用できる。本発明のポリマーコロイド溶液中の樹脂粒子は熱可塑性樹脂であることが好ましいため、本発明の樹脂粒子吸着炭素繊維中の樹脂粒子も熱可塑性樹脂であることが好ましい。メチルメタクリレート、スチレン、ナイロン、プロピレン、エーテルイミド、エーテルサルホン等が挙げられる。
炭素繊維としては、例えば、PAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。これらの炭素繊維は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
炭素繊維の形態については、連続長繊維や連続長繊維をカットした短繊維、粉末状に粉砕したミルド糸等、いずれでもよい。これらは、織物、編み物、不織布等のシート状等に、用途や必要特性に応じて様々に選択することができる。
炭素繊維のサイズとしては、特に制限されず、平均直径が1,000〜30,000 nm程度(特に1,000〜10,000 nm程度)が好ましい。なお、炭素繊維の平均長は特に制限はなく、必要に応じて適宜設定することができる。
本発明の樹脂粒子吸着炭素繊維は、樹脂との界面接着性をより向上させる観点から、炭素繊維の表面のほぼ全面に樹脂粒子が吸着していることが好ましい。具体的には、炭素繊維表面の面積の30〜100 %、特に60〜99 %に樹脂粒子が吸着していることが好ましい。
なお、上記したように、炭素繊維表面にはサイジング剤が付着していることがあるが、この場合、炭素繊維表面に樹脂粒子を吸着させにくいため、炭素繊維表面のサイジング剤が除去されていることが好ましい。
また、本発明では、炭素繊維表面には水酸基が存在しておりマイナス(−)に帯電していることから、カチオン重合開始剤によりプラス(+)に帯電した樹脂粒子を引き付けやすく、炭素繊維表面のほぼ全面に樹脂粒子を吸着することができる。炭素繊維表面に吸着した樹脂粒子は、プラス(+)に帯電しているため、その上にさらに樹脂粒子が吸着することは起こりにくい。このため、本発明の樹脂粒子吸着炭素繊維において、炭素繊維上の樹脂粒子は、ほぼ単層からなる樹脂粒子層を形成し得る。
(4−2)樹脂粒子吸着炭素繊維の製造方法
本発明の樹脂粒子吸着炭素繊維の製造方法としては、炭素繊維の表面に樹脂粒子を吸着させることができる方法であれば特に制限されない。例えば、本発明のポリマーコロイド溶液中に炭素繊維を浸漬する工程を備える製造方法が挙げられる。
炭素繊維としては、上記したものを使用することができる。ただし、上記のように、市販の炭素繊維は、ハンドリング性向上等のために、表面にサイジング剤が付着していることが多い。このサイジング剤は、通常、エポキシ樹脂等からなる。炭素繊維表面にサイジング剤が付着している場合、炭素繊維表面に露出する水酸基が低減するため、このような炭素繊維表面はマイナス(−)帯電していない。このため、炭素繊維表面にカチオン重合開始剤によりプラス(+)に帯電した樹脂粒子を引き付けにくいため、炭素繊維表面に樹脂粒子を吸着させにくく、結果的に樹脂との界面接着性は向上しにくい。このため、炭素繊維表面にサイジング剤が付着している場合は、まず、炭素繊維表面のサイジング剤を除去することが好ましい。
炭素繊維表面に付着しているサイジング剤を除去する方法としては、特に制限されず、常法により行うことができる。例えば、アセトン、2−ブタノン(メチルエチルケトン)、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等で処理することで、炭素繊維表面のサイジング剤を除去することができる。
本発明のポリマーコロイド溶液中に炭素繊維を浸漬する方法は特に制限されず、常法にしたがって行うことができる。浸漬温度は特に制限されず、例えば、10〜30℃が好ましく、10〜25℃がより好ましい。また、浸漬時間も特に制限されず、例えば、1〜48時間が好ましく、12〜24時間がより好ましい。
このような方法を採用することにより、界面活性剤を使用せずに、樹脂粒子吸着炭素繊維を得ることができる。界面活性剤が付着していると、界面活性剤が不純物となって樹脂との界面接着性を阻害する虞があるため、界面活性剤を使用しないことで、樹脂との界面接着性をより向上させることができる。
5.炭素繊維強化プラスチック
本発明の炭素繊維強化プラスチックは、本発明の樹脂粒子吸着炭素繊維と、樹脂とが接着している。本発明の樹脂粒子吸着炭素繊維は、上記のとおり、樹脂との界面接着性を向上させることができるため、本発明の炭素繊維強化プラスチックは、炭素繊維と樹脂とが強固に接着している。
樹脂としては、特に制限されず、種々様々な樹脂を採用することができる。なお、本発明の樹脂粒子吸着炭素繊維は、本発明の樹脂粒子吸着炭素繊維中の樹脂粒子と同一又は類似の樹脂との界面接着性を特に向上させることができるため、樹脂は、本発明の樹脂粒子吸着炭素繊維中の樹脂粒子と同一又は類似の樹脂であることが好ましい。上記のとおり、本発明の樹脂粒子吸着炭素繊維中の樹脂粒子は熱可塑性樹脂が好ましいため、ここで使用する樹脂も熱可塑性樹脂が好ましい。例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルイミドやポリエーテルサルホン等が挙げられる。
本発明の炭素繊維強化プラスチックにおいて、各成分の組成は特に制限されず、必要に応じて適宜設定することができる。
この本発明の炭素繊維強化プラスチックは、常法にしたがって製造することができ、自動車、航空機、スポーツ関連製品、医療器具等を製造するための構造材料等、様々な用途において活用することができる。
次に本発明における実施例、比較例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ソープフリー乳化重合に使用される水は、精製システム(RFD240NA、アドバンテック製)を用いて精製した後、水中に窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を除去した。メチルメタクリレート(MMA、東京化成工業(株)製)を重合用モノマーとして使用した。モノマーは、ポリメチルメタクリレートを含むフィルム(HBS006、三菱レイヨン(株)製)の熱可塑性樹脂に応じて選択した。過硫酸カリウム(KPS、シグマアルドリッチ社製)及び2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(V-50、シグマアルドリッチ社製)は、精製せずにラジカル開始剤として使用した。KPS又はV-50により、粒子がそれぞれ負又は正に帯電した。これらの化学構造を以下に示す。炭素繊維(HTS40、東邦テナックス(株)製)は、実施例1ではアセトンで処理してサイジング剤を除去した後に使用し、実施例2ではアセトンで処理せずサイジング剤付きのものを使用した。
実施例1
重合反応は、30 mLの丸底反応器中で行った。反応器の温度及び反応器内のインペラの回転速度は、ヒーター(RCH-20L、東京理化器械(株)製)を装着したマグネチックスターラーで制御した。重合に用いられるレシピを表1に示す。反応時間は6時間とした。
高分子コロイド溶液を調製するために、重合実験を以下のようにして行った。所定量の水及び開始剤を反応器に投入し、その後、モノマーを添加した。反応器をキャップで密封し、電気ヒーターを用いて70℃まで加熱した。反応混合物を、マグネチックスターラーを用いてインペラで130 rpmで攪拌し、平均粒子径0.15μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子のコロイド溶液を得た(ポリマー濃度0.5重量%)。図1は、V-50を用いて合成したポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子のSEM画像を示す。
このようにして得られたポリマーコロイド溶液中にアセトン処理した炭素繊維を1日浸漬し、炭素繊維表面にポリマー粒子を吸着させ、炭素繊維及びポリマー粒子の複合材料を得た。その後、ポリマー粒子が静電的に吸着していることを確認するため、過剰のポリマー粒子を除去するために水で洗浄し、室温で乾燥させた。
分析
炭素繊維の形態は、電界放出形走査電子顕微鏡(JSM-7500FA、日本電子(株)製)で観察した。SEM観察用試料は、以下のように調製した。蒸着(オスミウムプラズマコーターOPC60A、フィルジェン(株)製)により炭素繊維をオスミウム薄膜でコーティングした。
ラマン分光法(NRS-1000、日本分光(株)製)は、アセトンでサイジング剤を除去した炭素繊維表面の官能基を分析するために行った。
炭素繊維のフラグメンテーション試験
炭素単繊維の界面せん断強度を評価するため、引張試験機(10073B、ジャパンハイテック(株)製)を用いて、顕微鏡(MS-804、(株)モリテックス製)によるフラグメンテーション試験を行った。試料は以下のようにして調製した。炭素単繊維を、ポリメチルメタクリレートを含有するフィルム2枚で挟み、熱プレス機(N4003-00、エヌピーエーシステム(株)製)を用いて180℃で1分間ホットプレスし、2枚の鋼板の間にフィルムを設置して25℃の水で冷却することでクエンチした。その後、フィルムをゲージ長25 mm及び幅4 mmの短冊状に切断した。
試料は、フラグメンテーションプロセスが飽和する引張歪15 %まで試験した後、フラグメンテーション炭素繊維の平均長(<L>)を測定した。炭素単繊維のフラグメンテーション試験は、5サンプルで実施した。炭素繊維と樹脂との界面接着(τm)は、以下の式(1)により算出した。
限界繊維長(lc)は、以下のようにして得ることができる。
炭素繊維の平均直径(D)は、繊維からのHe-Neレーザービームの回折により測定した。炭素繊維(長さ:lc)の引張強度(f)は、単繊維の引張試験の結果を用いてWeibull分析により評価した。引張試験は、引張試験機(SDW-1000SS-E-SL、(株)今田製作所製)を用いて行った。試験機は、ゲージ長25 mm、クロスヘッドスピード1 mm min-1で操作した。
結果(炭素繊維表面のPMMAコロイドの吸着)
炭素繊維表面のポリマー粒子の吸着性能を調べるため、KPS又はV-50を用いたソープフリー乳化重合によりポリマーコロイド溶液を調製した。メチルメタクリレートは、よく知られている典型的なモノマーであり、重合に使用した。図2は、2種類のポリマーコロイド溶液中の炭素繊維のSEM像である。(a)はKPSを用いて調製したポリマーコロイド溶液中の炭素繊維のSEM像、(b)はV-50を用いて調製したポリマーコロイド溶液中の炭素繊維のSEM像である。(a)では炭素繊維表面にはポリマー粒子はほとんど吸着していないが、(b)では炭素繊維表面のほとんど全面(約95%程度の表面)にポリマー粒子が吸着していることが理解できる。この結果より、V-50を用いて合成し正に帯電したポリマー粒子は、KPSを用いて合成し負に帯電したポリマー粒子と比較して、炭素繊維上に極めて強く吸着していることが理解できる。このことから、炭素繊維は水中では負に帯電しており、吸着力は、静電性の観点から炭素繊維とポリマー粒子との間に発生する静電相互作用に由来すると考えられる。また、使用した炭素繊維表面にはサイジング剤はほとんど付着しておらず、また、水酸基等のアニオン性基が存在していることも理解できる。
炭素繊維(ポリマー粒子未吸着)の官能基をラマン分光法により測定した。図3にラマンスペクトルを示す。2800 cm-1付近にブロードなピークが存在しており、炭素繊維表面には水酸基が有することを示唆している。このデータは、炭素繊維と正に帯電したポリマー粒子(V-50を用いて合成したポリマー粒子)との間の静電吸着力を有することを支持している。
結果(炭素繊維と樹脂との界面接着に、炭素繊維表面に吸着したポリマー粒子が与える影響)
前記したように、V-50を用いて合成し正に帯電したポリマー粒子は炭素繊維表面に強く吸着している。炭素繊維(ポリマー粒子未吸着)又はV-50を用いて合成したポリマー粒子を吸着した炭素繊維を、PMMA樹脂フィルムの間に入れ、ホットプレス機を用いて、フラグメンテーション試験用試料を得た。結果を表2に示す。この結果から、炭素繊維と熱可塑性樹脂との界面接着が、炭素繊維表面にPMMA粒子が吸着することにより増強されることが理解できる。
実施例2
アセトン処理しておらず、サイジング剤が付着している炭素繊維を使用したこと以外は実施例1と同様に、V-50を用いて調製したポリマーコロイド溶液中に浸漬し、炭素繊維にポリマー粒子を吸着させることを試みた。結果を図4に示す。その結果、炭素繊維表面にはポリマー粒子はほとんど吸着しておらず、サイジング剤の影響によりポリマー粒子が吸着しにくいことが示唆される。また、使用した炭素繊維表面にはサイジング剤が付着しており、また、水酸基等のアニオン性基が低減していることも理解できる。
実施例3
実施例1で得たコロイド溶液5 mLにカーボンナノチューブ5 mgを添加し、超音波出力100 Wで20〜60分間照射した。その結果、カーボンナノチューブがコロイド溶液中に溶解し、ナノカーボン溶液が得られた。
実施例4
実施例1で得たコロイド溶液5 mLにグラフェン5 mgを添加し、超音波出力100 Wで20〜60分間照射した。その結果、グラフェンがコロイド溶液中に溶解し、ナノカーボン溶液が得られた。
実施例5
実施例1で得たコロイド溶液5 mLに炭素粒子5 mgを添加し、超音波出力100 Wで20〜60分間照射した。その結果、炭素粒子がコロイド溶液中に溶解し、ナノカーボン溶液が得られた。

Claims (15)

  1. 樹脂粒子、カチオン重合開始剤及び水を含有する、ポリマーコロイド溶液。
  2. 前記樹脂粒子が、熱可塑性樹脂粒子である、請求項1に記載のポリマーコロイド溶液。
  3. 炭素繊維表面にサイジング剤を有しているか否かを検出するための分析マーカー用である、請求項1又は2に記載のポリマーコロイド溶液。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーコロイド溶液の製造方法であって、
    重合性単量体、カチオン重合開始剤及び水を含有する溶液を用いて乳化重合を行う工程
    を備える、製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーコロイド溶液からなる、炭素繊維表面にサイジング剤を有しているか否かを検出するための分析マーカー。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーコロイド溶液からなる、炭素繊維表面の官能基検出剤。
  7. 樹脂粒子、ナノカーボン、カチオン重合開始剤及び水を含有し、前記ナノカーボンは、カーボンナノチューブ、グラフェン及び炭素粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、ナノカーボン溶液。
  8. 請求項7に記載のナノカーボン溶液の製造方法であって、
    請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーコロイド溶液に前記ナノカーボンを添加する工程
    を備える、製造方法。
  9. 炭素繊維の表面に樹脂粒子が吸着している、樹脂粒子吸着炭素繊維。
  10. 前記樹脂粒子が熱可塑性樹脂粒子である、請求項9に記載の樹脂粒子吸着炭素繊維。
  11. 請求項9又は10に記載の樹脂粒子吸着炭素繊維の製造方法であって、
    請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーコロイド溶液中に炭素繊維を浸漬する工程
    を備える、製造方法。
  12. 前記浸漬工程の前に、炭素繊維表面のサイジング剤を除去する工程
    を備える、請求項11に記載の製造方法。
  13. 請求項9又は10に記載の樹脂粒子吸着炭素繊維と、樹脂とが接着している、炭素繊維強化プラスチック。
  14. 前記樹脂は、熱可塑性樹脂である、請求項13に記載の炭素繊維強化プラスチック。
  15. 前記樹脂粒子吸着炭素繊維中の樹脂粒子を構成する樹脂と、前記樹脂とが同一又は類似の樹脂である、請求項13又は14に記載の炭素繊維強化プラスチック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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