JP2017081048A - 弾性部材用線材および弾性部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量化しつつ、成形性および強度を向上することができる弾性部材用線材および弾性部材を提供すること。【解決手段】本発明に係る弾性部材用線材は、弾性部材を作製するための弾性部材用線材であって、長尺の部材を用いて形成された螺旋状をなす第1のチューブ体、および長尺状の部材を用いて形成された螺旋状をなし、第1のチューブ体を覆う第2のチューブ体を有する芯材と、芯材に巻回してなる強化繊維を有し、芯材の外表面を覆うFRP層と、を備え、第1および第2のチューブ体が、巻回する方向が、当該弾性部材用線材の中心軸に対して互いに反対方向であるとともに、第2のチューブ体、およびFRP層の最内層に位置する強化繊維が、隣接する巻回する方向が、当該弾性部材用線材の中心軸に対して互いに反対方向である。【選択図】図1
Description
本発明は、弾性部材用線材および弾性部材に関する。
従来、自動車の燃費向上を実現するための一つの方策として、各種部品の軽量化が追求されている。例えば、エンジンブロックの材料として、鋳鉄の代わりにアルミニウム合金が使われ、エンジンカバーやオイルパンの材料として、鋼の代わりにマグネシウム合金が使われるとともに、フレームやボディの材料として、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)の採用が始まりつつある。
近年、自動車の軽量化という観点から、例えばサスペンション用の懸架ばねなどのコイルばねを軽量化することが検討されている。コイルばねや、トーションバーなどの弾性部材を軽量化することが可能な弾性部材用線材として、中空の線材や、比重の軽いチタン線材、前述の線材と比して軽量効果が高い炭素繊維などの強化繊維を用いて形成されているCFRPの弾性部材用線材が挙げられる(例えば、特許文献1,2を参照)。
特許文献1には、可撓性を有する芯線と、芯線の軸方向に対する角度が15°〜80°、または−80°〜−15°となるように巻回されてなる補強繊維層と、芯線と補強繊維層とを結合する熱硬化性樹脂マトリックスからなる弾性部材用線材を用いたコイルばねが記載されている。
特許文献2には、アルミニウムを芯材とし、このアルミニウム芯材の外周に対して、複数の炭素繊維が編み込まれてなる網目状の強化繊維を巻き付けてなるCFRP層が設けられた弾性部材用線材が開示されている。
このような弾性部材用線材を用いて弾性部材を作製するにあたり、特許文献1,2が開示する弾性部材用線材のような中実の芯線を用いる場合、該線材を屈曲させる際に大きな力を必要とするため、成形性が低下してしまう。
また、特許文献2のように芯材に対して網目状に繊維を巻き付けると、ねじり応力が加わった際に繊維が座屈破壊されやすいため、強度を確保するため線材径を大きくしなければならず、十分な軽量化効果が得られないおそれがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、軽量化しつつ、成形性および強度を向上することができる弾性部材用線材および弾性部材を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る弾性部材用線材は、弾性部材を作製するための弾性部材用線材であって、長尺の部材を用いて形成された螺旋状をなす第1のチューブ体、および長尺の部材を用いて形成された螺旋状をなし、前記第1のチューブ体を覆う第2のチューブ体を有する芯材と、前記芯材に巻回してなる強化繊維を有し、前記芯材の外表面を覆うFRP層と、を備え、前記第1および第2のチューブ体は、巻回する方向が、当該弾性部材用線材の中心軸に対して互いに反対方向であるとともに、前記第2のチューブ体、および前記FRP層の最内層に位置する前記強化繊維は、隣接する巻回する方向が、当該弾性部材用線材の中心軸に対して互いに反対方向であることを特徴とする。
また、本発明に係る弾性部材用線材は、上記の発明において、前記第1および第2のチューブ体は、巻回の中心軸と巻回する方向とのなす角度がそれぞれ一定であることを特徴とする。
また、本発明に係る弾性部材用線材は、上記の発明において、前記第1および第2のチューブ体は、各々帯状の部材を螺旋状に巻回してなり、長手方向に沿って形成される間隔が、前記帯状の部材の幅より小さいことを特徴とする。
また、本発明に係る弾性部材用線材は、上記の発明において、前記第1および第2のチューブ体は、各々鉄鋼材、またはアルミニウム、マグネシウムもしくはチタンを主成分とする合金、FRPを用いて形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る弾性部材用線材は、上記の発明において、前記第1および第2のチューブ体は、各々の部材の長手方向からみた外周のなす形状が矩形、円、楕円状または多角形状をなすことを特徴とする。
また、本発明に係る弾性部材用線材は、上記の発明において、前記長尺の部材は、長手方向と直交する断面が矩形、円、楕円状または多角形状をなすことを特徴とする。
また、本発明に係る弾性部材用線材は、上記の発明において、前記第1のチューブ体の内部に設けられており、該第1のチューブ体が巻き付けられてなる樹脂製の芯を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る弾性部材用線材は、上記の発明において、絶縁性材料を用いて形成され、前記芯材と前記強化繊維との間に設けられる電蝕防止部を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る弾性部材用線材は、上記の発明において、前記強化繊維は、少なくとも外表面の前記強化繊維の前記芯材に対して巻回する方向が、外部から加わる荷重に応じて当該弾性部材用線材に印加される引張り荷重の方向に沿った方向であることを特徴とする。
また、本発明に係る弾性部材用線材は、上記の発明において、前記FRP層は、前記強化繊維同士を固定する熱硬化性樹脂を含み、記第2のチューブ体は、外表面に前記熱硬化性樹脂との接着性を向上させる表面処理が施されていることを特徴とする。
また、本発明に係る弾性部材用線材は、上記の発明において、前記強化繊維は、前記芯材に対する周回方向に沿って連続していることを特徴とする。
また、本発明に係る弾性部材は、上記の発明に係る弾性部材用線材を用いてなることを特徴とする。
また、本発明に係る弾性部材は、上記の発明において、自動車用のトーションバー、スタビライザーまたはフレームであることを特徴とする。
本発明によれば、軽量化しつつ、成形性および強度を向上することができるという効果を奏する。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。なお、図面は模式的なものであって、各部分の厚みと幅との関係、それぞれの部分の厚みの比率などは現実のものとは異なる場合があり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。
図1は、本発明の一実施の形態に係る弾性部材用線材の構成を示す模式図である。図2は、本発明の一実施の形態に係る弾性部材用線材の構成を説明する図であって、図1に示す弾性部材用線材を長手方向からみた図である。図1,2に示す弾性部材用線材1は、芯材に繊維を巻き付けてなる線材を屈曲させることによって、両振り応力が加わる弾性部材、例えば、自動車用のスタビライザー、トーションバーまたはフレームとして用いられる。
弾性部材用線材1は、金属、合金または繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRP)を用いて形成された芯材10と、芯材10に巻き付けられる複数の強化繊維を含み、該芯材10を覆うFRP層11とを有する。
芯材10は、長尺の帯状部材を用いて形成される。本実施の形態において、該帯状部材は、長手方向と直交する断面が矩形(長方形)をなすものとして説明するが、円をなすものや、楕円状、多角形状(正方形を含む)をなすものであってもよい。また、芯材10は、巻回の中心軸N1方向からみて外周のなす形状が円をなすものとして説明するが、矩形、楕円状または多角形状をなすものであってもよい。芯材10は、螺旋状に巻回してなる内周側スパイラルチューブ10aと、帯状の部材を螺旋状に巻回してなり、内周側スパイラルチューブ10aを覆う外周側スパイラルチューブ10bと、を有する。内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bを構成する材料としては、アルミニウム、マグネシウムまたはチタンを主成分とする合金などの軽量な合金、FRPが挙げられる。また、スパイラルチューブは中実芯よりも軽量であるため、鉄鋼材や、硬鋼線のように重量の大きな金属も使用できる。内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bの形状については後述する。なお、内周側スパイラルチューブ10aと外周側スパイラルチューブ10bとは、一端側で連続している、すなわち一つの帯状部材を用いて形成されていてもよい。
内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bは、各々の巻回の中心軸(例えば、図2に示す中心軸N1)と、巻回する方向とのなす角度(以下、巻回角度ともいう)が、互いに異なる角度となるように巻回されている。例えば、中心軸N1と直交する方向からみて、内周側スパイラルチューブ10aの巻回角度が中心軸N1に対して上向きの20°〜85°の範囲の角度である場合、外周側スパイラルチューブ10bの巻回角度が下向きの−85°〜−20°の範囲の角度となるように巻回されている。
なお、内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bは、部分的に巻回する方向と中心軸N1とがなす角度が異なっていてもよいが、一定の角度で巻回されることが好ましい。ここでいう「一定の角度」とは、製造上における巻付け角度の誤差を含んでいる。
また、芯材10は、内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bにおいては、防錆処理が施されていてもよい。具体的には、内周側スパイラルチューブ10aよび外周側スパイラルチューブ10bの表面に防錆剤を塗布することにより防錆処理が施される。また、芯材10は、外周が、絶縁材料からなる樹脂またはFRPからなる被覆層を有していてもよい。
また、芯材10は、内周側スパイラルチューブ10aの内部に樹脂製の芯が設けられていてもよいし、内周側スパイラルチューブ10aの内部に樹脂が充填されていてもよいし、両端の開口を塞ぐ蓋が設けられていてもよい。これにより、内周側スパイラルチューブ10aの内部への異物の進入を防止することができる。
FRP層11は、複数の強化繊維12を芯材10に巻き付けることによって形成された層をなす。強化繊維12としては、炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維であるアラミド繊維、および玄武岩繊維であるバサルト繊維から選択される少なくとも一つの繊維が用いられる。
FRP層11において、少なくとも一部の強化繊維12(隣り合う強化繊維)同士は、熱硬化性樹脂により互いに固着されている。すなわち、FRP層11は、上述した複数の強化繊維12と、該強化繊維12同士を固定する熱硬化性樹脂とを含んでいる。熱硬化性樹脂としては、内周側スパイラルチューブ10a、外周側スパイラルチューブ10bおよび強化繊維12の融点より低い温度の熱により硬化する樹脂、例えばエポキシ樹脂が挙げられる。なお、熱硬化性樹脂に代えて、熱可塑性樹脂を用いてもよい。
FRP層11における強化繊維12は、繊維を一本ずつ芯材10に巻き付けるものであってもよいし、複数の繊維を束にして、複数束を芯材10に巻き付けるものであってもよい。いずれの巻き付けにおいても、各繊維の巻付け方向は揃っている。また、シート状をなす繊維束を、繊維の長手方向を揃えて芯材10の外表面に設けるようにしてもよい。また、線材の径方向には、一本または複数本の強化繊維が巻き付けられている。
また、強化繊維12が、線材の一端から他端にかけて連続していることが、弾性部材用線材1(FRP層11)の強度を向上させる点で好ましい。強化繊維12が不連続の場合、外部から加わる荷重を線材全体で負担できず、不連続部分に応力が集中して線材の破壊の起点となりやすい。強化繊維12が線材の一端から他端にかけて連続する場合、各強化繊維12が、線材の一端から他端にかけて螺旋状に延び、芯材10に対する周回方向に沿って連続していることになる。
また、強化繊維12のうちFRP層11の最内層に位置する強化繊維12が芯材10に巻き付けられた巻付け方向(強化繊維12が巻回する方向:図1の巻付け方向Y1)と中心軸N1とがなす角度(以下、巻付け角度ともいう)は、外周側スパイラルチューブ10bの巻回角度が20°〜85°の範囲の角度である場合、強化繊維12のうちFRP層11の最内層に位置する強化繊維12の巻付け角度が、−90°〜0°の範囲の角度、望ましくは−45°近傍となるように巻き付けられている。これに対し、外周側スパイラルチューブ10bの巻回角度が−85°〜−20°の範囲の角度である場合、強化繊維12のうちFRP層11の最内層に位置する強化繊維12の巻付け角度が、0°〜90°の範囲の角度、望ましくは45°近傍となるように巻き付けられている。
なお、複数の強化繊維12は、弾性部材用線材1の径方向(軸N1と直交する方向)に積層される強化繊維12の巻付け方向が互いに逆方向(±θ)であってもよいし、編み目状をなすものであってもよい。強化繊維12の巻付け方向が互いに逆方向(±θ)である場合は、一方の層側が0°〜90°の範囲の巻付け角度で巻き付けられている場合は、他方が−90°〜0°の範囲の巻付け角度となるように巻き付けられている。
強化繊維12は、少なくとも外表面の強化繊維12の巻付け方向Y1が、外部から荷重が加わった際に、線材に加わる荷重である引張り荷重の方向に沿った方向であることが好ましい。図3は、本発明の一実施の形態に係る弾性部材用線材の要部の構成を示す模式図であって、弾性部材用線材1にねじり応力が加わった際に、線材の表面に加わる荷重を説明する図である。弾性部材用線材1に対し、該弾性部材用線材1の中心軸のまわりの荷重であって、互いに反対まわりの荷重F1,F2によるねじり応力が加わった場合、弾性部材用線材1の表面における矩形の微細領域Mでみると、該微細領域Mには、図3の(a)に示すせん断応力τ11,τ12,τ21,τ22が加わる。線材にせん断応力τ11,τ12,τ21,τ22が加わることは、換言すれば、図3の(b)に示すような引張り荷重FTと、圧縮荷重FCとが微細領域Mに加わることになる。弾性部材用線材1のように、両振り応力が加わる弾性部材には、荷重F1,F2とは逆回りのねじり応力が加わるため、引張り荷重FTと、引張り荷重FTと直交する引張り荷重の二方向の引張り荷重が加わることとなる。これに対し、圧縮コイルばね、または引張りコイルばねなど、ねじりの方向が一方向である片振り応力が加わる弾性部材は、引張り荷重FTは、一方向のみとなる。
本実施の形態に係る弾性部材用線材1は、内周側スパイラルチューブ10a、外周側スパイラルチューブ10bおよび強化繊維12において、隣接するチューブ同士、または外周側スパイラルチューブ10bと強化繊維12のうちFRP層11の最内層に位置する強化繊維12の巻回方向が異なり、互いに交差していればよい。
上述したように、内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bが互いに交差することで、異なる方向から加わる荷重、例えば、ある方向から加わる荷重と、それとは反対の方向から加わる荷重とに対し、外周側スパイラルチューブ10bが拡径する方向に変形しようとすることでFRP層11の縮径を抑制するか、または、内周側スパイラルチューブ10aが拡径する方向に変形しようとすることで外周側スパイラルチューブ10bの縮径を抑制し、該外周側スパイラルチューブ10bを介してFRP層11の縮径を抑制することができる。
本実施の形態に係る弾性部材用線材1は、芯材10の外周のなす径(外径)をR1、FRP層11の外周のなす径、すなわち弾性部材用線材1の外径をR2としたとき、0<R1/R2<0.8を満たすことが、弾性部材用線材1を軽量化する点で好ましい。
本実施の形態に係る弾性部材用線材1は、弾性部材用線材1を自動車用のスタビライザー、トーションバーまたはフレーム用の線材として用いる場合の強度として、線材の剛性率が10GPa以上であり、静的ねじり強度が450MPa以上であることが好ましい。
続いて、本実施の形態に係る弾性部材用線材1の製造方法について、図4〜図6を参照して説明する。図4〜図6は、本発明の一実施の形態に係る弾性部材用線材の製造方法を説明する図である。
まず、芯材10の作製について説明する。図4に示す内周側スパイラルチューブ10aに対し、外周側スパイラルチューブ10bを巻き付ける。この際、内周側スパイラルチューブ10aの巻回方向Y11と、外周側スパイラルチューブ10bの巻回方向Y12とは、互いに異なっている。本実施の形態では、互いに反対方向(チューブの中心軸に対し、±θ)となっているものとして説明する。
内周側スパイラルチューブ10aに対して外周側スパイラルチューブ10bを巻き付けることにより、芯材10を得ることができる(図5参照)。この際、内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bは、それぞれ帯状の部材を螺旋状に巻回してなり、長手方向に沿って形成される帯状部材同士の間隔が、帯状の部材の幅より小さいことが、芯材10の強度を向上させるという観点で好ましい。また、図5では、内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bが離間しているが、説明のために離間させており、実際には両者は、中心軸と直交する径方向において重複する部分が接触した状態となっている。また、組み付け後に上述したような接触状態となっていれば、組み付け前の内周側スパイラルチューブ10aの外周の径が、外周側スパイラルチューブ10bの内周の径より大きくてもよい。この場合、組み付け時に、内周側スパイラルチューブ10aが、外周側スパイラルチューブ10bによって締め付けられる。
また、外周側スパイラルチューブ10bには、各々の外表面が熱硬化性樹脂との接着性を向上させるための表面処理が施されていることが、芯材10とFRP層11との接着性を向上させる点で好ましい。この表面処理としては、薬品やブラストなどの物理的な方法による表面処理、プライマーやカップリング剤などによる表面被覆処理、プラズマや紫外線などによる浄化、活性化処理などが挙げられる。
また、内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bには、残留応力を付与する処理が施されていることが、芯材10の強度を向上させる点で好ましい。この残留応力を付与する処理としては、ショットピーニング処理など、材料特性を変化させる処理としては、焼き入れ処理、焼き戻し処理など、が挙げられる。
その後、予め液状の熱硬化性樹脂を含浸した強化繊維12を芯材10に巻き付ける(図6参照)。この際、外周側スパイラルチューブ10bの巻回方向Y12と、強化繊維12の巻回方向Y13とは、互いに異なっている。巻回方向Y13は、上述した巻回方向Y1と同じである。
強化繊維12を巻回後、この線材を、強化繊維12の熱硬化性樹脂が硬化する温度以上であって、内周側スパイラルチューブ10a、外周側スパイラルチューブ10bおよび強化繊維12の融点より低い温度で加熱する。加熱により熱硬化性樹脂が硬化することによって、隣り合う強化繊維12同士が固着される。
上述した処理によって、内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bを有する芯材10と、複数の強化繊維12、および該強化繊維12同士を固着する熱硬化性樹脂とを含むFRP層11と、が形成され、図1に示す弾性部材用線材1を得ることができる。
また、内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bが螺旋状をなす中空の部材であるため、弾性部材用線材1内で発生した気泡を線材の内側からも除去することが可能であり、線材の気孔率を低減して、強度低下を引き起こす気泡の残存を少なくすることができる。
なお、強化繊維12を芯材10に巻き付ける方法として、例えば、フィラメントワインディング法(Filament Winding)が挙げられる。なお、複数の繊維がシート状をなしている繊維束を用いる場合は、シートワインディング法(Sheet Winding)により形成することも可能といえる。
この弾性部材用線材1の一部を屈曲させて、トーションバーや、スタビライザー、フレームなどの弾性部材として使用することが可能である。
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、芯材10とFRP層11を備えた弾性部材用線材1において、芯材10が、互いに交差するように巻回されてなる内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bを有する筒状をなし、強化繊維12が、外周側スパイラルチューブ10bと交差するように巻回したので、中空とすることで軽量化しつつ、成形性を向上し、互いに交差するように巻回されてなる内周側スパイラルチューブ10aおよび外周側スパイラルチューブ10bにより線材1の縮径によるFRP層11の剪断破壊に対する強度を向上することができる。一方、中実金属芯であると、曲げにくいため成形しにくく、いったん塑性変形するとへたったままになってしまい、中空でも同様に、成形時に折れ曲がり、成形不良となってしまう。
(実施の形態の変形例)
なお、FRP層11を形成する強化繊維12がその一部でも導電性の繊維を含む場合、芯材10が金属製であることから電蝕を起こす可能性があるため、芯材10とFRP層11との間に、絶縁性材料、例えば絶縁性のガラス繊維強化プラスチック(GFRP)層や、芯材10の表面に形成した絶縁性の酸化被膜からなる電蝕防止層(電蝕防止部)を設けてもよい。図7は、本実施の形態の変形例に係る弾性部材用線材の構成を示す模式図である。図7に示す弾性部材用線材1aは、芯材10とFRP層11との間に、絶縁性材料からなる電蝕防止層13が設けられている。電蝕防止層13は、例えば、絶縁性のGFRP層、アルマイト層などの絶縁性の酸化被膜で形成される。電蝕防止層13の厚さ(芯材10の径方向の厚さ)は絶縁性が確保できればよく、例えばGFRP層では0.1mm程度でも十分効果が得られる。電蝕防止層13の形成により、芯材10の電蝕による劣化を防止することができる。
なお、FRP層11を形成する強化繊維12がその一部でも導電性の繊維を含む場合、芯材10が金属製であることから電蝕を起こす可能性があるため、芯材10とFRP層11との間に、絶縁性材料、例えば絶縁性のガラス繊維強化プラスチック(GFRP)層や、芯材10の表面に形成した絶縁性の酸化被膜からなる電蝕防止層(電蝕防止部)を設けてもよい。図7は、本実施の形態の変形例に係る弾性部材用線材の構成を示す模式図である。図7に示す弾性部材用線材1aは、芯材10とFRP層11との間に、絶縁性材料からなる電蝕防止層13が設けられている。電蝕防止層13は、例えば、絶縁性のGFRP層、アルマイト層などの絶縁性の酸化被膜で形成される。電蝕防止層13の厚さ(芯材10の径方向の厚さ)は絶縁性が確保できればよく、例えばGFRP層では0.1mm程度でも十分効果が得られる。電蝕防止層13の形成により、芯材10の電蝕による劣化を防止することができる。
以下、本発明に係る弾性部材用線材の実施例について説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。まず、本実施例に係る試験内容について説明する。
(ねじり強度試験)
線材に三軸のひずみゲージを貼付し、線材の中心軸のまわりの回転速度を0.3°/秒として試験を行った。本ねじり試験により、線材(炭素繊維)の静的ねじり強度を求めた。
線材に三軸のひずみゲージを貼付し、線材の中心軸のまわりの回転速度を0.3°/秒として試験を行った。本ねじり試験により、線材(炭素繊維)の静的ねじり強度を求めた。
(剛性率)
上述したねじり試験により得られた応力−ひずみ線図の傾きをもとに、剛性率を算出した。
上述したねじり試験により得られた応力−ひずみ線図の傾きをもとに、剛性率を算出した。
(気孔率)
拡大鏡を用いて弾性部材用線材の断面を撮影し、FRP層の気孔率を測定した。図8は、本発明の実施例に係る気孔率について説明する模式図である。図8に示すように、内側気孔率として領域R3の気孔率を測定し、外側気孔率として領域R4の気孔率を測定した。
拡大鏡を用いて弾性部材用線材の断面を撮影し、FRP層の気孔率を測定した。図8は、本発明の実施例に係る気孔率について説明する模式図である。図8に示すように、内側気孔率として領域R3の気孔率を測定し、外側気孔率として領域R4の気孔率を測定した。
(成形性)
弾性部材用線材の金型へのセットのし易さを以下のように評価した。金型は、高さが700mm、幅が500mm、角部の曲率半径(R)が50mmの実験用フレームの形状をなす溝を有する型を使用した。
◎:容易にセットできる
○:セット時に若干抵抗がある
×:セット時に抵抗がある
弾性部材用線材の金型へのセットのし易さを以下のように評価した。金型は、高さが700mm、幅が500mm、角部の曲率半径(R)が50mmの実験用フレームの形状をなす溝を有する型を使用した。
◎:容易にセットできる
○:セット時に若干抵抗がある
×:セット時に抵抗がある
(断面形状)
弾性部材用線材の寸法の安定性を断面形状に基づいて評価した。樹脂硬化/脱型後の線材の断面形状の変化を確認した。
弾性部材用線材の寸法の安定性を断面形状に基づいて評価した。樹脂硬化/脱型後の線材の断面形状の変化を確認した。
続いて、本実施例に係る弾性部材用線材の製造方法および構成について説明する。
(実施例1)
フィラメントワインディング機に取り付けるマンドレルとして、厚さが1mmの硬鋼線を、長手方向に沿って巻いて外径φ5mmの内周側スパイラルチューブを作製した。この硬鋼線は、φ3mmの硬鋼線材を圧延して厚さを1mmとしたものを用いた。その後、内周側スパイラルチューブに対し、厚さが1mmの硬鋼線を、長手方向に沿って内周側スパイラルチューブに巻き付け外径φ7mmの外周側のスパイラルチューブを形成して芯材を作製した。この際、内周側スパイラルチューブの巻回の中心軸と巻回方向とのなす角度と、外周側スパイラルチューブの巻回の中心軸と巻回方向とのなす角度とは、互いに反対(±θ)となるように巻回し、内周側スパイラルチューブの巻角は約+50°、外周側スパイラルチューブの巻角は約−70°とした。これを長さ3000mmに切断し実施例1の芯材とした。
フィラメントワインディング機に取り付けるマンドレルとして、厚さが1mmの硬鋼線を、長手方向に沿って巻いて外径φ5mmの内周側スパイラルチューブを作製した。この硬鋼線は、φ3mmの硬鋼線材を圧延して厚さを1mmとしたものを用いた。その後、内周側スパイラルチューブに対し、厚さが1mmの硬鋼線を、長手方向に沿って内周側スパイラルチューブに巻き付け外径φ7mmの外周側のスパイラルチューブを形成して芯材を作製した。この際、内周側スパイラルチューブの巻回の中心軸と巻回方向とのなす角度と、外周側スパイラルチューブの巻回の中心軸と巻回方向とのなす角度とは、互いに反対(±θ)となるように巻回し、内周側スパイラルチューブの巻角は約+50°、外周側スパイラルチューブの巻角は約−70°とした。これを長さ3000mmに切断し実施例1の芯材とした。
次に、この芯材に対しFRP層を形成した。具体的には、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂と、架橋剤との混合液を含浸させた炭素繊維の繊維束を、繊維束の巻回方向が芯材の長手方向に対して+45°をなす状態を維持しながら、芯材の一方の端部から他方の端部まで隙間なく巻き付けた。その後、その上から同じ繊維混合束を、繊維混合束の巻回方向が芯材の長手方向に対して−45°をなす(一層目と逆向き)状態を維持しながら、芯材の他方の端部から一方の端部まで隙間なく巻き付けた。この+45°の層と−45°の層とを交互に積層していき、線材の外径が均一なφ約14mmの未硬化の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)線材を成形した。その後、特性測定用線材はオーブンで線材に引張り荷重約500グラムを加えた状態で、100℃で加熱した後150℃で加熱硬化させた。これにより本実施例1の特性測定用の弾性部材用線材を得た。表1に、実施例1に係る弾性部材用線材の構成および試験結果を示す。
(実施例2)
実施例1で作製した未硬化の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)線材を、実験用フレームの形状をなす溝を有する型にはめ込み、同じ溝を有する型で挟み込んでオーブンで加熱硬化させて実施例2のフレームを得た。表1に、実施例2に係るフレームの構成および特性を示す。
実施例1で作製した未硬化の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)線材を、実験用フレームの形状をなす溝を有する型にはめ込み、同じ溝を有する型で挟み込んでオーブンで加熱硬化させて実施例2のフレームを得た。表1に、実施例2に係るフレームの構成および特性を示す。
(比較例1)
マンドレルとして外径φ7mmの5000系アルミニウム材料製の丸棒を芯材して用いた。その他の条件は、実施例1と同様にして、比較例1の弾性部材用線材を得た。また、比較例1の弾性部材用線材を用いて、実施例2と同様に、型に挟み込んでフレームを作製した。表1に、比較例1に係る弾性部材用線材の構成および特性を示す。
マンドレルとして外径φ7mmの5000系アルミニウム材料製の丸棒を芯材して用いた。その他の条件は、実施例1と同様にして、比較例1の弾性部材用線材を得た。また、比較例1の弾性部材用線材を用いて、実施例2と同様に、型に挟み込んでフレームを作製した。表1に、比較例1に係る弾性部材用線材の構成および特性を示す。
(比較例2)
マンドレルとして外径φ7mmの純アルミニウム材料製の丸棒を芯材して用いた。その他の条件は、実施例1と同様にして、比較例2の弾性部材用線材を得た。表1に、比較例2に係る弾性部材用線材の構成および特性を示す。比較例2の弾性部材用線材を用いて、実施例2と同様に、型に挟み込んでフレームを作製した。
マンドレルとして外径φ7mmの純アルミニウム材料製の丸棒を芯材して用いた。その他の条件は、実施例1と同様にして、比較例2の弾性部材用線材を得た。表1に、比較例2に係る弾性部材用線材の構成および特性を示す。比較例2の弾性部材用線材を用いて、実施例2と同様に、型に挟み込んでフレームを作製した。
(比較例3)
マンドレルとして外径φ7mmのポリプロピレン(PP)製の丸棒を芯材して用いた。その他の条件は、実施例1と同様にして、比較例3の弾性部材用線材を得た。表1に、比較例3に係る弾性部材用線材の構成および特性を示す。
マンドレルとして外径φ7mmのポリプロピレン(PP)製の丸棒を芯材して用いた。その他の条件は、実施例1と同様にして、比較例3の弾性部材用線材を得た。表1に、比較例3に係る弾性部材用線材の構成および特性を示す。
(比較例4)
マンドレルとして外径φ7mm、厚さ1mmの筒状の純アルミニウム材料製のパイプを芯材して用いた。その他の条件は、実施例1と同様にして、比較例4の弾性部材用線材を得た。比較例4の弾性部材用線材を用いて、実施例2と同様に、型に挟み込んでフレームを作製した。表1に、比較例4に係る弾性部材用線材の構成および特性を示す。
マンドレルとして外径φ7mm、厚さ1mmの筒状の純アルミニウム材料製のパイプを芯材して用いた。その他の条件は、実施例1と同様にして、比較例4の弾性部材用線材を得た。比較例4の弾性部材用線材を用いて、実施例2と同様に、型に挟み込んでフレームを作製した。表1に、比較例4に係る弾性部材用線材の構成および特性を示す。
(比較例5)
マンドレルとして外径φ7mm、厚さ1mmの筒状のポリプロピレン(PP)製のパイプを芯材して用いた。その他の条件は、実施例1と同様にして、比較例5の弾性部材用線材を得た。表1に、比較例5に係る弾性部材用線材の構成および特性を示す。
マンドレルとして外径φ7mm、厚さ1mmの筒状のポリプロピレン(PP)製のパイプを芯材して用いた。その他の条件は、実施例1と同様にして、比較例5の弾性部材用線材を得た。表1に、比較例5に係る弾性部材用線材の構成および特性を示す。
次に、本実施例に係る弾性部材用線材の特性について説明する。実施例1,2に係る弾性部材用線材は、アルミニウム材料からなる丸棒を芯材としたもの(比較例1,2)と比して、ねじり強度および剛性率がほぼ同等であり、線材として高強度であるといえる。さらに、気孔率は、内側気孔率、外側気孔率ともに比較例1〜5よりも低く、スパイラルチューブを芯材として用いることで、気泡の残存を低減することができた。
また、実施例1に係る弾性部材用線材は変形しやすく、容易に実験用フレーム型にはめ込みが可能であり、線材断面形状の変形も無かった(実施例2の成形性など参照)。一方、比較例1,2,4に係る弾性部材用線材は、フレーム型へのセット時に抵抗があり、変形しにくく型へのはめ込みが困難で線材は変形した、またパイプを芯材とした場合は曲げようとするとパイプが折れ曲がりはめ込みが困難であった。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
以上のように、本発明に係る弾性部材用線材および弾性部材は、軽量化しつつ、成形性および強度を向上するのに好適である。
1 弾性部材用線材
10 芯材
10a 内周側スパイラルチューブ
10b 外周側スパイラルチューブ
11 繊維強化プラスチック(FRP)層
12 強化繊維
13 電蝕防止層
10 芯材
10a 内周側スパイラルチューブ
10b 外周側スパイラルチューブ
11 繊維強化プラスチック(FRP)層
12 強化繊維
13 電蝕防止層
Claims (13)
- 弾性部材を作製するための弾性部材用線材であって、
長尺の部材を用いて形成された螺旋状をなす第1のチューブ体、および長尺の部材を用いて形成された螺旋状をなし、前記第1のチューブ体を覆う第2のチューブ体を有する芯材と、
前記芯材に巻回してなる強化繊維を有し、前記芯材の外表面を覆うFRP層と、
を備え、
前記第1および第2のチューブ体は、巻回する方向が、当該弾性部材用線材の中心軸に対して互いに反対方向であるとともに、
前記第2のチューブ体、および前記FRP層の最内層に位置する前記強化繊維は、巻回する方向が、当該弾性部材用線材の中心軸に対して互いに反対方向である
ことを特徴とする弾性部材用線材。 - 前記第1および第2のチューブ体は、巻回の中心軸と巻回する方向とのなす角度がそれぞれ一定である
ことを特徴とする請求項1に記載の弾性部材用線材。 - 前記第1および第2のチューブ体は、各々帯状の部材を螺旋状に巻回してなり、
長手方向に沿って形成される間隔が、前記帯状の部材の幅より小さい
ことを特徴とする請求項1または2に記載の弾性部材用線材。 - 前記第1および第2のチューブ体は、各々鉄鋼材、またはアルミニウム、マグネシウムもしくはチタンを主成分とする合金、FRPを用いて形成されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の弾性部材用線材。 - 前記第1および第2のチューブ体は、各々の部材の長手方向からみた外周のなす形状が矩形、円、楕円状または多角形状をなす
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の弾性部材用線材。 - 前記長尺の部材は、長手方向と直交する断面が矩形、円、楕円状または多角形状をなす
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の弾性部材用線材。 - 前記第1のチューブ体の内部に設けられており、該第1のチューブ体が巻き付けられてなる樹脂製の芯
を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の弾性部材用線材。 - 絶縁性材料を用いて形成され、前記芯材と前記強化繊維との間に設けられる電蝕防止部
を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の弾性部材用線材。 - 前記強化繊維は、少なくとも外表面の前記強化繊維の前記芯材に対して巻回する方向が、外部から加わる荷重に応じて当該弾性部材用線材に印加される引張り荷重の方向に沿った方向である
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の弾性部材用線材。 - 前記FRP層は、前記強化繊維同士を固定する熱硬化性樹脂を含み、
前記第2のチューブ体は、外表面に前記熱硬化性樹脂との接着性を向上させる表面処理が施されている
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の弾性部材用線材。 - 前記強化繊維は、前記芯材に対する周回方向に沿って連続している
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の弾性部材用線材。 - 請求項1〜11のいずれか一つに記載の弾性部材用線材を用いてなることを特徴とする弾性部材。
- 自動車用のトーションバー、スタビライザーまたはフレームであることを特徴とする請求項12に記載の弾性部材。
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KR102221057B1 (ko) * | 2019-12-24 | 2021-02-26 | 남양넥스모 주식회사 | 스티어링 장치의 인터미디에이트 샤프트 |
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CA1154042A (en) * | 1979-07-12 | 1983-09-20 | Frank H. Doyal | Fiber-reinforced tubular spring |
US4640500A (en) * | 1985-10-31 | 1987-02-03 | Shiau Jgi J | Inherently effectively damped coiled spring |
JP3009311B2 (ja) * | 1993-08-04 | 2000-02-14 | 東邦レーヨン株式会社 | 繊維強化樹脂製コイルスプリングおよびその製造方法 |
JP2002071059A (ja) * | 2000-08-31 | 2002-03-08 | Kakuichi Technical Service Kk | 補強材入りホースとその製造方法 |
-
2015
- 2015-10-29 JP JP2015213503A patent/JP2017081048A/ja active Pending
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2016
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