JP2017080843A - ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法、及びサンギヤ及びリングギヤ - Google Patents

ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法、及びサンギヤ及びリングギヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2017080843A
JP2017080843A JP2015211266A JP2015211266A JP2017080843A JP 2017080843 A JP2017080843 A JP 2017080843A JP 2015211266 A JP2015211266 A JP 2015211266A JP 2015211266 A JP2015211266 A JP 2015211266A JP 2017080843 A JP2017080843 A JP 2017080843A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
sun gear
worm
ring gear
tooth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015211266A
Other languages
English (en)
Inventor
前田 篤志
Atsushi Maeda
篤志 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2015211266A priority Critical patent/JP2017080843A/ja
Publication of JP2017080843A publication Critical patent/JP2017080843A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)

Abstract

【課題】ウォームホイールで構成したサンギヤ及びウォームホイールで構成したリングギヤが、ホイール軸に対して傾斜する傾斜面(ホイール軸に対して直交する面を含む)に形成された歯部で遊星ウォームで構成したプラネタリギヤの歯部と噛み合う遊星歯車装置のサンギヤ及びリングギヤの歯部を、プラネタリギヤとほぼ同じ諸元の加工用ウォームにより加工することができる、ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法を提供する。
【解決手段】ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法は、プラネタリギヤ13と比較して軸方向に関する歯のピッチが同等で且つ歯先及び歯底の径寸法がそれぞれやや小さいか同等以上であるウォームの表面に砥粒114を電着して成る加工用ウォーム113により、サンギヤ11及びリングギヤ12のそれぞれの歯部11b、12bの加工を行う。
【選択図】図8

Description

本発明は、ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法、及びその製造方法により製造されたサンギヤ及びリングギヤに関する。
自動車のステアリング装置は、一般に、運転者の操舵によるステアリング軸の回転をラックアンドピニオン機構によってラックの左右方向のスライド運動に変換して、転舵輪を転舵する。そして、自動車の車速に応じた走行安定性を確保するために、ステアリング装置は、ステアリング軸の操舵角に対する転舵輪の転舵角の伝達比(減速比)を自動車の車速に応じて変化させる伝達比可変機構を備えている。
そして、この種のステアリング装置として、運転者の操舵により回転するステアリング軸の回転が入力され該回転を減速又は増速して転舵輪に出力する遊星歯車装置と、遊星歯車装置による回転の減速又は増速の比率を変化させる可変機構とを備え、遊星歯車装置を、ウォームホイールで構成したサンギヤと、このサンギヤと同心に配されたウォームホイールで構成したリングギヤと、サンギヤ及びリングギヤに噛み合いサンギヤの回りを公転する遊星ウォームで構成したプラネタリギヤと、サンギヤ及びリングギヤと同心に配されプラネタリギヤを回転自在に支持するキャリヤとを有する構成で構成したステアリング装置が開発されている。ここで、ウォームホイールで構成したサンギヤ及びウォームホイールで構成したリングギヤは、ホイール軸直方向以外、具体的に述べると、ホイール軸に対して傾斜する傾斜面(ホイール軸に対して直交する面を含む)に形成された歯部が遊星ウォームで構成したプラネタリギヤの歯部と噛み合う。
一方、ウォーム減速機構を構成するウォームホイールを製造する場合には、ウォームホイールの歯部の加工は、例えば、特許文献1及び特許文献2等に記載されているように、ホブカッターを使用して行うのが一般的である。ホブカッターを使用してウォームホイールの歯部を加工する場合、噛合い歯面の進み角が設計値になるようにウォームホイールの中間素材(歯部を形成する前のウォームホイール)の中心軸に対しホブカッターの中心軸を傾けた状態で、これら中間素材とホブカッターとを、それぞれウォーム減速機の減速比に応じた速度関係で回転させる。そして、この状態で、ホブカッターにより中間素材の外周縁部分を切削し、この外周縁部分に歯部を形成する。
このようにして歯部を形成する場合、ホブカッターとしてウォームと同径のものを使用すれば、加工後の歯部とウォームとの噛合部の接触面積を大きく(当接圧を小さく)でき、ウォーム減速機の耐久性を十分に確保することができる。ところが、電動パワーステアリング装置に組み込むウォーム減速機の場合には、逆動作を行わせる(リード角を大きくする)必要があるため、逆動作を行わない(リード角を小さくする)ウォーム減速機の場合に比べて、ウォームの外径寸法が大幅に小さくなっている。このため、外周面に複数スリットを形成したホブカッターの場合、このホブカッターとしてウォームと同径のものを使用すると、このホブカッターの強度を十分に確保できなくなる。このため、実際には、ホブカッターとしてウォームよりも大径のものを使用する。
しかしながら、ホブカッターとしてウォームよりも大径のものを使用して、前述の、ウォームホイールで構成したサンギヤ及びウォームホイールで構成したリングギヤがホイール軸直方向以外で遊星ウォームで構成したプラネタリギヤと噛み合う遊星歯車装置の、ウォームホイールで構成したサンギヤ及びウォームホイールで構成したリングギヤの歯部を加工する場合には、前述のように、噛合い歯面の進み角が設計値になるようにウォームホイールの中間素材の中心軸に対しホブカッターの中心軸を傾けて加工を行う。この場合、噛合い点(ピッチ点)以外の部分でホブカッターとウォームホイールとが干渉してしまい、ウォームホイールにおいて必要な歯面以上削ってしまうという問題があった。
特開2002−254278号公報 特開2003−334724号公報
従って、本発明は、この従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、ウォームホイールで構成したサンギヤ及びウォームホイールで構成したリングギヤが、ホイール軸に対して傾斜する傾斜面(ホイール軸に対して直交する面を含む)に形成された歯部で遊星ウォームで構成したプラネタリギヤの歯部と噛み合う遊星歯車装置のサンギヤ及びリングギヤの歯部を、プラネタリギヤとほぼ同じ諸元の加工用ウォームにより加工することができる、ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法、及びサンギヤ及びリングギヤを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法は、運転者の操舵により回転するステアリング軸の回転が入力され該回転を減速又は増速して転舵輪に出力する遊星歯車装置と、該遊星歯車装置による回転の減速又は増速の比率を変化させる可変機構とを備え、前記遊星歯車装置が、ウォームホイールで構成したサンギヤと、該サンギヤと同心に配されたウォームホイールで構成したリングギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤに噛み合い前記サンギヤの回りを公転する遊星ウォームで構成したプラネタリギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤと同心に配され前記プラネタリギヤを回転自在に支持するキャリヤとを有し、前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれが、ウォームホイール軸に対して傾斜する傾斜面に形成された歯部で前記プラネタリギヤの歯部と噛み合うステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法であって、前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれの少なくとも歯部の表層部が合成樹脂により造られていると共に、前記プラネタリギヤと比較して軸方向に関する歯のピッチが同等で且つ歯先及び歯底の径寸法がそれぞれやや小さいか同等以上であるウォームの表面に砥粒を電着して成る加工用ウォームにより、前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれの歯部の加工を行うことを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係るステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法は、運転者の操舵により回転するステアリング軸の回転が入力され該回転を減速又は増速して転舵輪に出力する遊星歯車装置と、該遊星歯車装置による回転の減速又は増速の比率を変化させる可変機構とを備え、前記遊星歯車装置が、ウォームホイールで構成したサンギヤと、該サンギヤと同心に配されたウォームホイールで構成したリングギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤに噛み合い前記サンギヤの回りを公転する遊星ウォームで構成したプラネタリギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤと同心に配され前記プラネタリギヤを回転自在に支持するキャリヤとを有し、前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれが、ウォームホイール軸に対して傾斜する傾斜面に形成された歯部で前記プラネタリギヤの歯部と噛み合うステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法であって、前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれの少なくとも歯部の表層部が合成樹脂により造られていると共に、前記プラネタリギヤと比較して軸方向に関する歯のピッチが同等で且つ歯先及び歯底の径寸法がそれぞれやや小さいか同等以上で且つ軸方向に関する歯厚が小さいウォームの表面に砥粒を電着することにより、その歯先及び歯底の寸法が、前記プラネタリギヤの歯先及び歯底の径寸法よりも、それぞれ0〜10%大きくなり、且つ、その軸方向に関する歯厚が、前記プラネタリギヤの軸方向に関する歯厚と等しくなるように構成した加工用ウォームにより、前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれの歯部の加工を行うことを要旨とする。
更に、本発明の別の態様に係るサンギヤ及びリングギヤは、前述のステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法により製造されたことを要旨とする。
本発明に係るステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法、及びサンギヤ及びリングギヤによれば、ウォームホイールで構成したサンギヤ及びウォームホイールで構成したリングギヤが、ホイール軸に対して傾斜する面(ホイール軸に対して直交する面を含む)に形成された歯部で遊星ウォームで構成したプラネタリギヤの歯部と噛み合う遊星歯車装置のサンギヤ及びリングギヤの歯部を、プラネタリギヤとほぼ同じ諸元の加工用ウォームにより加工することができる。
本発明に係るステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法が適用されるサンギヤ及びリングギヤを含んだステアリング装置の断面図(軸方向に沿う平面で切断した断面図)である。 図1に示すステアリング装置に用いられるリングギヤの斜視図である。 図1に示すステアリング装置に用いられるサンギヤの斜視図である。 図1に示すステアリング装置に用いられるプラネタリギヤの斜視図である。 本発明に係るステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法の第1実施形態に用いられる加工用ウォームを示し、(A)は斜視図、(B)は加工用ウォームの表層部の拡大断面図である。 リングギヤの中間素材を示す正面図である。 サンギヤの中間素材を示す正面図である。 図5に示す加工用ウォームを使用してリングギヤの歯部を加工する方法を示し、(A)は正面図、(B)は(A)の8B−8B線に沿う断面図である。 図5に示す加工用ウォームを使用してサンギヤの歯部を加工する方法を示し、(A)は正面図、(B)は(A)の9B−9B線に沿う断面図である。 本発明に係るステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法の第2実施形態に用いられる加工用ウォームを示し、(A)は斜視図、(B)は加工用ウォームの表層部の拡大断面図である。 図8に示す加工用ウォームとプラネタリギヤとの寸法関係を説明するための部分断面図である。 ホブカッターを使用してウォームホイールの外周面に歯部を加工する方法を示す図である。
以下、本発明に係るステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法、及びサンギヤ及びリングギヤを図面を参照して説明する。
図1には、本発明に係るステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法が適用されるサンギヤ及びリングギヤを含んだステアリング装置が示されており、ステアリング装置は、運転者の操舵により回転するステアリング軸(図示せず)の回転が入力され該回転を減速又は増速して転舵輪(図示せず)に出力する遊星歯車装置1と、遊星歯車装置1による回転の減速又は増速の比率を変化させる可変機構2とを備えている。
遊星歯車装置1は、ステアリング軸が接続されステアリング軸の回転が入力される入力軸3と、入力軸3に同軸に固定されたリングギヤ12と、リングギヤ12と同心に配されたサンギヤ11と、サンギヤ11及びリングギヤ12に噛み合いサンギヤ11の回りを公転するプラネタリギヤ13と、サンギヤ11及びリングギヤ12と同心に配されプラネタリギヤ13を公転(自転)自在に支持するキャリヤ14と、サンギヤ11が同軸に固定されており且つ転舵輪に接続された出力軸4とを備えている。入力軸3及び出力軸4の中心軸CL1と、サンギヤ11の中心軸CL11(図3参照)と、リングギヤ12の中心軸CL12(図2参照)とは同軸となっている。
キャリヤ14と出力軸4は同軸に配されているが、キャリヤ14と出力軸4との間には、転がり軸受31が介在しているので、キャリヤ14と出力軸4とは独立して回転することが可能となっている。
そして、プラネタリギヤ13として遊星ウォームが用いられる。プラネタリギヤ13は、図4に示すように、円筒状のウォーム軸13aの周囲に歯部を配した円筒状ウォームである。プラネタリギヤ13は、図示はしないが、本実施形態では、3個用いられている。但し、プラネタリギヤ13の個数は特に限定されるものではなく、遊星歯車装置1が機能するならば1個でもよいし2個でも4個以上でもよい。
また、サンギヤ11及びリングギヤ12としてそれぞれウォームホイールが用いられている。
サンギヤ11は、図1及び図3に示すように、中心軸(ウォームホイール軸)CL11に対して傾斜角βで傾斜する傾斜面11aを備え、その傾斜面11aに周方向において均等な間隔に配された複数の歯部11bを備えている。そして、サンギヤ11は、その歯部11bでプラネタリギヤ13の歯部と噛み合うようになっている。傾斜面11aは中心軸CL11に対して直交する面であってもよい。
リングギヤ12は、図1及び図2に示すように、中心軸(ウォームホイール軸)CL12に対して傾斜角αで傾斜する傾斜面12aを備え、その傾斜面12aに周方向において均等な間隔に配された複数の歯部12bを備えている。そして、リングギヤ12は、その歯部12bでプラネタリギヤ13の歯部と噛み合うようになっている。傾斜面12aは中心軸CL12に対して直交する面であってもよい。
プラネタリギヤ13はサンギヤ11とリングギヤ12の両方と噛み合っているが、本実施形態においてはサンギヤ11との噛み合い半径(噛み合い点と遊星歯車装置1の回転中心との間の径方向距離)とリングギヤ12との噛み合い半径は異なっている。すなわち、図1に示すように、プラネタリギヤ13は、遊星歯車装置1の径方向内方側の面でサンギヤ11と噛み合っており、遊星歯車装置1の径方向外方側の面でリングギヤ12と噛み合っている。したがって、プラネタリギヤ13とリングギヤ12との噛み合い半径の方が、プラネタリギヤ13とサンギヤ11との噛み合い半径よりも大となる。
また、互いに噛み合うプラネタリギヤ13とサンギヤ11は、逆作動可能な進み角を有している。同様に、互いに噛み合うプラネタリギヤ13とリングギヤ12も、逆作動可能な進み角を有している。
さらに、可変機構2は、キャリヤ14に一体的に固定され同心に回転するウォームホイールであるキャリヤ駆動用歯車21と、キャリヤ駆動用歯車21と噛み合うキャリヤ駆動用ウォーム25と、キャリヤ駆動用歯車21を回転させる回転駆動源23(例えばモータ)と、を備えている。回転駆動源23の回転軸にはキャリヤ駆動用ウォーム25が固定されており、回転駆動源23の回転軸の回転によってキャリヤ14をサンギヤ11と同心に回転させることができるようになっている。その結果、プラネタリギヤ13がサンギヤ11と噛み合いつつサンギヤ11の周りを公転することとなる。
また、回転駆動源23は、回転軸の回転量及び回転方向を変化させる回転制御機能を有しているので、キャリヤ14の回転量及び回転方向は任意に変化させることが可能となっている。
次に、図1に示すステアリング装置の動作について説明する。運転者の操舵によってステアリング軸が回転すると、その回転が入力軸3に入力され、リングギヤ12がステアリング軸と同一方向に回転する。リングギヤ12の回転はプラネタリギヤ13を介してサンギヤ11に伝達され、出力軸4がステアリング軸と同一方向に回転する。そして、出力軸4の回転は転舵輪に伝達され、転舵輪が転舵される。
このとき、プラネタリギヤ13とサンギヤ11との噛み合い半径はプラネタリギヤ13とリングギヤ12との噛み合い半径とは異なっているので、リングギヤ12の回転量とサンギヤ11の回転量は異なるものとなる。すなわち、ステアリング軸の回転が所定の比率に減速又は増速され、運転者の操舵によるステアリング軸の操舵角に対する転舵輪の転舵角の伝達比が所定の値となる。
また、運転者の操舵時には、回転駆動源23によりキャリヤ14が回転する。キャリヤ14の回転によりプラネタリギヤ13がサンギヤ11の周りを公転するので、キャリヤ14の回転量や回転方向に応じて、サンギヤ11(すなわち出力軸4)の回転量が変化する。これにより、運転者の操舵によるステアリング軸の操舵角に対する転舵輪の転舵角の伝達比が前記所定の値から変化する。
よって、自動車等の車速に応じてキャリヤ14の回転量及び回転方向の少なくとも一方を変化させれば、運転者の操舵によるステアリング軸の操舵角に対する転舵輪の転舵角の伝達比を、その車速において好適な数値に設定することができる。
このようなステアリング装置は、プラネタリギヤ13として遊星ウォームを用い、ウォームホイールであるサンギヤ11及びリングギヤ12に噛み合わせたので、入力軸3の回転方向と出力軸4の回転方向が逆方向とならず同一方向となる。よって、入力軸3の回転方向と出力軸4の回転方向を同一方向とするための機構(例えば、一対の歯車)を別途設ける必要がないので、ステアリング装置は小型、軽量、安価である。
また、一般的に噛み合い率の高いウォームをプラネタリギヤ13として用いたので、平歯車、斜歯歯車、傘歯車を用いた場合と異なり、バックラッシ等に起因する歯打ち音が発生しにくい。よって、このステアリング装置は、低騒音である。
このようなステアリング装置は、自動車等のステアリング装置として使用することができる。
なお、このステアリング装置においては、入力軸3にリングギヤ12を固定し、出力軸4にサンギヤ11を固定したが、これとは逆に、入力軸3にサンギヤ11を固定し、出力軸4にリングギヤ12を固定してもよい。
このステアリング装置においては、可変機構2の回転駆動源23によりキャリヤ14を回転させたが、サンギヤ11又はリングギヤ12を回転させてもよい。可変機構2の回転駆動源23によりサンギヤ11を回転させる場合には、入力軸3にリングギヤ12及びキャリヤ14のうち一方を固定し、出力軸4にリングギヤ12及びキャリヤ14のうち他方を固定する。また、可変機構2の回転駆動源23によりリングギヤ12を回転させる場合には、入力軸3にサンギヤ11及びキャリヤ14のうち一方を固定し、出力軸4にサンギヤ11及びキャリヤ14のうち他方を固定する。
互いに噛み合うプラネタリギヤ13とサンギヤ11は、逆作動可能な進み角を有しており、また、互いに噛み合うプラネタリギヤ13とリングギヤ12も、逆作動可能な進み角を有しているので、ステアリング軸の回転や回転駆動源23の回転がサンギヤ11、リングギヤ12、及びキャリヤ14のいずれに入力されても遊星歯車装置1が回転し、ステアリング軸の回転の減速又は増速が達成される。
このように構成されたステアリング装置において、サンギヤ11及びリングギヤ12は、次のように製造される。
(第1実施形態)
本発明に係るステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法の第1実施形態を先に説明した図1乃至図4及び図5乃至図9を参照して説明する。
第1実施形態では、図3に示したサンギヤ11の歯部11b及び図2に示したリングギヤ12の歯部12bの加工を行うための工具として、図5(A),(B)に示すような加工用ウォーム113を使用する。この加工用ウォーム113は、円筒状のウォーム軸113aの外周面に歯部を形成してあり、図4に示したプラネタリギヤ13と比較して軸方向に関する歯のピッチが同等で且つ歯先及び歯底の径寸法がそれぞれやや小さいか同等以上であるウォームの表面に、多数の砥粒114(図5(B)参照)を電着してなる。
また、第1実施形態の場合、サンギヤ11を造るための中間素材111aとして、図7に示すような、外周面を円筒形状に形成したものを用い、その中間素材111aの径方向外端部(表層部)は合成樹脂111bによって構成されている。そして、その合成樹脂111bには、ガラス繊維が含まれている。また、合成樹脂111bには、中間素材111aの中心軸CL111に対し傾斜角β(図9(B)参照)で傾斜する傾斜面111cが形成されている。
また、リングギヤ12を造るための中間素材112aとして、図6に示すような、外周面を円筒形状に形成したものを用い、その中間素材112aの径方向外端部(表層部)は合成樹脂112bによって構成されている。そして、その合成樹脂112bには、ガラス繊維が含まれている。また、合成樹脂112bには、中間素材112aの中心軸CL112に対し傾斜角α(図8(B)参照)で傾斜する傾斜面112cが形成されている。
そして、前述した加工用ウォーム113を使用して、サンギヤ11の歯部11bの加工を行う場合には、図9(A),(B)に示すように、噛合い歯面の進み角が設計値になるようにウォームホイールの中間素材111aの中心軸CL111に対し加工用ウォーム113の中心軸CL113を傾けた状態で、これら中間素材111aと加工用ウォーム113とを、それぞれ所定の減速比に応じた速度関係で回転させる。そして、この状態で、加工用ウォーム113を中間素材111aの合成樹脂111bの傾斜面111cに押し付けることにより、中間素材111aの傾斜面111cを研削(若しくは切削)する。この研削(若しくは切削)作業は、中間素材111aの中心軸CL111と加工用ウォーム113の中心軸CL113との間の中心軸間距離が所定の大きさ(例えば、完成後のサンギヤ11の中心軸CL11とプラネタリギヤ13の中心軸CL2との間の中心軸間距離)になるまで行う。そして、このような加工を行うことにより、中間素材111aの傾斜面111cに歯部11b(図3参照)を形成する。
なお、このような加工を施す前の中間素材111aの外径寸法は、任意に決定できる。例えば、この外径寸法を、完成後のサンギヤ11の歯先とプラネタリギヤ13の歯底との間に十分な頂げきが生じる大きさにしておくこともできる。
また、前述した加工用ウォーム113を使用して、リングギヤ12の歯部12bの加工を行う場合には、図8(A),(B)に示すように、噛合い歯面の進み角が設計値になるようにウォームホイールの中間素材112aの中心軸CL112に対し加工用ウォーム113の中心軸CL113を傾けた状態で、これら中間素材112aと加工用ウォーム113とを、それぞれ所定の減速比に応じた速度関係で回転させる。そして、この状態で、加工用ウォーム113を中間素材112aの合成樹脂112bの傾斜面112cに押し付けることにより、中間素材112aの傾斜面112cを研削(若しくは切削)する。この研削(若しくは切削)作業は、中間素材112aの中心軸CL112と加工用ウォーム113の中心軸CL113との間の中心軸間距離が所定の大きさ(例えば、完成後のリングギヤ12の中心軸CL12とプラネタリギヤ13の中心軸CL2との間の中心軸間距離)になるまで行う。そして、このような加工を行うことにより、中間素材112aの傾斜面112cに歯部12b(図2参照)を形成する。
なお、このような加工を施す前の中間素材112aの外径寸法は、任意に決定できる。例えば、この外径寸法を、完成後のリングギヤ12の歯先とプラネタリギヤ13の歯底との間に十分な頂げきが生じる大きさにしておくこともできる。
また、このような加工用ウォーム113を使用して、サンギヤ11の歯部11b及びリングギヤ12の歯部12bの加工を行う際、加工用ウォーム113の中間素材111a及び中間素材112aに向けての送り速度は、加工用ウォーム113の1回転当たり、各砥粒114の外径の約2分の1以下とすることが好ましい。このため、加工効率を落とさないようにすべく、加工用ウォーム113の回転速度は、従来のホブカッターの回転速度に比べて、5〜10倍程度大きくすることが好ましい。この際に、中間素材111a及び中間素材112aの回転速度も、加工用ウォーム113の回転速度と同じ割合で大きくすることが好ましい。
また、第1実施形態において、完成後のサンギヤ11及びリングギヤ12に噛み合わせるプラネタリギヤ13の歯面の表面粗さを、Ra0.1以下とすることが好ましい。
この第1実施形態のステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法によれば、サンギヤ11の歯部11b及びリングギヤ12の歯部12bを、プラネタリギヤ13とほぼ同形・同大の加工用ウォーム113により加工する。このため、ウォームホイールで構成したサンギヤ11及びウォームホイールで構成したリングギヤ12が、ホイール軸に対して傾斜する傾斜面11a,12a(ホイール軸に対して直交する面を含む)に形成された歯部11b,12bで遊星ウォームで構成したプラネタリギヤ13の歯部と噛み合う遊星歯車装置のサンギヤ11及びリングギヤ12の歯部11b,12bを、プラネタリギヤ13とほぼ同じ諸元の加工用ウォーム113により加工することができる。また、プラネタリギヤ13とほぼ同形・同大の加工用ウォーム113は、ホブカッターと異なり、加工用ウォーム113の外周面に形成された歯部が螺旋状に連続しており、途中にスリットが設けられていない。このため、プラネタリギヤ13とほぼ同形・同大の加工用ウォーム113を使用しても(外形寸法の小さい加工用ウォームを使用しても)、加工用ウォームの強度を十分に確保することができる。
一方、図12に示すように、使用時のウォームよりも大径のホブカッター130を使用して、中間素材121aの合成樹脂121bの外周面に歯部121cを加工する場合には、噛合い点(ピッチ点)以外の部分でホブカッター130とウォームホイールとが干渉してしまい、ウォームホイールにおいて必要な歯面以上削ってしまうという問題はない。しかし、使用時のウォームよりも大径のホブカッター130を使用して、ウォームホイールで構成したサンギヤ11及びウォームホイールで構成したリングギヤ12が、ホイール軸に対して傾斜する傾斜面11a,12a(ホイール軸に対して直交する面を含む)に形成された歯部11b,12bで遊星ウォームで構成したプラネタリギヤ13の歯部と噛み合う遊星歯車装置のサンギヤ11及びリングギヤ12の歯部11b,12bを加工する場合には、噛合い歯面の進み角が設計値になるようにウォームホイールの中間素材の中心軸に対しホブカッターの中心軸を傾けて加工を行う。この場合、噛合い点(ピッチ点)以外の部分でホブカッター130とウォームホイールとが干渉してしまい、ウォームホイールにおいて必要な歯面以上削ってしまうという問題があった。
そして、第1実施形態のステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法によれば、当該サンギヤ11及びリングギヤ12の歯部11b,12bを、プラネタリギヤ13とほぼ同じ諸元の加工用ウォーム113により加工することができるので、サンギヤ11及びリングギヤ12の歯部11b,12bとプラネタリギヤ13との噛合部の接触面積を大きくすることができる。
また、第1実施形態ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法において、製造対象となるサンギヤ11及びリングギヤ12のそれぞれを構成する合成樹脂(中間素材111aの径方向外端部(表層部)を構成する合成樹脂111b及び中間素材112aの径方向外端部(表層部)を構成する合成樹脂112b)には、ガラス繊維が含まれている。このため、強度及び剛性を向上させて、合成樹脂により構成する歯部の耐久性を向上させることができる。ところが、ガラス繊維を含んだ合成樹脂は、ガラス繊維を含んでいない合成樹脂に比べて切削抵抗(及び研削抵抗)が大きいため、小径のホブカッターを使用して加工を行うと、このホブカッターの耐久性を十分に確保することが難しくなる。これに対して、第1実施形態における加工用ウォーム113は、同サイズのホブカッターに比べて強度が十分に大きいため、ガラス繊維を含んだ合成樹脂を研削(若しくは切削)する場合にも、十分な耐久性を確保することができる。従って、第1実施形態のステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法によれば、合成樹脂にガラス繊維を含んだ、十分な耐久性を有するサンギヤ11及びリングギヤ12を低コストで製造することができる。
また、第1実施形態ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法において、プラネタリギヤ13の歯面の表面粗さを、Ra0.1以下とすると、サンギヤ11及びリングギヤ12とプラネタリギヤ13との噛合部の摺動抵抗を小さくすることができるため、ウォーム減速機の効率化を図れる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係るステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法の第2実施形態を先に説明した図1乃至図4、図6、図7、図8、図9及び図10、図11を参照して説明する。
第2実施形態では、図3に示したサンギヤ11の歯部11b及び図2に示したリングギヤ12の歯部12bの加工を行うための工具として、図10(A),(B)に示すような加工用ウォーム115を使用する。この加工用ウォーム115は、円筒状のウォーム軸115aの外周面に歯部を形成してあり、図4に示したプラネタリギヤ13と同形・同大のウォームと比較して、軸方向に関する歯のピッチが同等で且つ歯先及び歯底の径寸法がそれぞれやや小さいか同等以上で且つ軸方向に関する歯厚が小さいウォームの表面に、多数の砥粒116(図10(B)参照)を電着してなる。これにより、加工用ウォーム115のうち、電着した部分の一部分を、プラネタリギヤ13の対応する部分と同等以上の大きさにしている。具体的には、加工用ウォーム115の電着した部分の一部分は、プラネタリギヤ13の対応する部分に対して、軸方向に関する歯のピッチP及び歯厚Wは等しいが、歯先の径寸法D115及び歯底の径寸法d115を、プラネタリギヤ13の歯先の径寸法D13及び歯底の径寸法d13と同等以上の大きさにしている(例えば、プラネタリギヤ13に対して0〜10%程度大きく(D115≧D13、d115≧d13)している。図11においては、実線で示した加工用ウォーム115と、同じく二点鎖線で示したプラネタリギヤ13とで、軸方向に関するピッチP及び歯厚Wは互いに等しいが、同図に実線で示した加工用ウォーム115の歯先の径寸法D115及び歯底の径寸法d115は、同じく二点鎖線で示したプラネタリギヤ13の歯先の径寸法D13及び歯底の径寸法d13よりも少しだけ大きい(D115>D13、d115>d13)。
また、第2実施形態の場合も、サンギヤ11を造るための中間素材111aとして、図7に示すような、外周面を円筒形状に形成したものを用い、その中間素材111aの径方向外端部(表層部)は合成樹脂111bによって構成されている。そして、その合成樹脂111bには、ガラス繊維が含まれている。また、合成樹脂111bには、中間素材111aの中心軸CL111に対し傾斜角β(図9(B)参照)で傾斜する傾斜面111cが形成されている。
また、リングギヤ12を造るための中間素材112aとして、図6に示すような、外周面を円筒形状に形成したものを用い、その中間素材112aの径方向外端部(表層部)は合成樹脂112bによって構成されている。そして、その合成樹脂112bには、ガラス繊維が含まれている。また、合成樹脂112bには、中間素材112aの中心軸CL112に対し傾斜角α(図8(B)参照)で傾斜する傾斜面112cが形成されている。
そして、前述した加工用ウォーム115を使用して、サンギヤ11の歯部11bの加工を行う場合には、図9(A),(B)に示す場合と同様に、噛合い歯面の進み角が設計値になるようにウォームホイールの中間素材111aの中心軸CL111に対し加工用ウォーム115の中心軸CL115を傾けた状態で、これら中間素材111aと加工用ウォーム115とを、それぞれ所定の減速比に応じた速度関係で回転させる。そして、この状態で、加工用ウォーム115を中間素材111aの合成樹脂111bの傾斜面111cに押し付けることにより、中間素材111aの傾斜面111cを研削(若しくは切削)する。この研削(若しくは切削)作業は、中間素材111aの中心軸CL111と加工用ウォーム115の中心軸CL115との間の中心軸間距離が所定の大きさ(例えば、完成後のサンギヤ11の中心軸CL11とプラネタリギヤ13の中心軸CL2との間の中心軸間距離)になるまで行う。そして、このような加工を行うことにより、中間素材111aの傾斜面111cに歯部11b(図3参照)を形成する。
なお、このような加工を施す前の中間素材111aの外径寸法は、任意に決定できる。例えば、この外径寸法を、完成後のサンギヤ11の歯先とプラネタリギヤ13の歯底との間に十分な頂げきが生じる大きさにしておくこともできる。
また、前述した加工用ウォーム115を使用して、リングギヤ12の歯部12bの加工を行う場合には、図8(A),(B)に示す場合と同様に、噛合い歯面の進み角が設計値になるようにウォームホイールの中間素材112aの中心軸CL112に対し加工用ウォーム115の中心軸CL115を傾けた状態で、これら中間素材112aと加工用ウォーム115とを、それぞれ所定の減速比に応じた速度関係で回転させる。そして、この状態で、加工用ウォーム113を中間素材112aの合成樹脂112bの傾斜面112cに押し付けることにより、中間素材112aの傾斜面112cを研削(若しくは切削)する。この研削(若しくは切削)作業は、中間素材112aの中心軸CL112と加工用ウォーム115の中心軸CL115との間の中心軸間距離が所定の大きさ(例えば、完成後のリングギヤ12の中心軸CL12とプラネタリギヤ13の中心軸CL2との間の中心軸間距離)になるまで行う。そして、このような加工を行うことにより、中間素材112aの傾斜面112cに歯部12b(図2参照)を形成する。
なお、このような加工を施す前の中間素材112aの外径寸法は、任意に決定できる。例えば、この外径寸法を、完成後のリングギヤ12の歯先とプラネタリギヤ13の歯底との間に十分な頂げきが生じる大きさにしておくこともできる。
また、このような加工用ウォーム115を使用して、サンギヤ11の歯部11b及びリングギヤ12の歯部12bの加工を行う際、加工用ウォーム115の中間素材111a及び中間素材112aに向けての送り速度は、加工用ウォーム115の1回転当たり、各砥粒114の外径の約2分の1以下とすることが好ましい。このため、加工効率を落とさないようにすべく、加工用ウォーム115の回転速度は、従来のホブカッターの回転速度に比べて、5〜10倍程度大きくすることが好ましい。この際に、中間素材111a及び中間素材112aの回転速度も、加工用ウォーム115の回転速度と同じ割合で大きくすることが好ましい。
また、第2実施形態においても、完成後のサンギヤ11及びリングギヤ12に噛み合わせるプラネタリギヤ13の歯面の表面粗さを、Ra0.1以下とすることが好ましい。
この第2実施形態のステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法によれば、サンギヤ11の歯部11b及びリングギヤ12の歯部12bを、プラネタリギヤ13とほぼ同形・同大の加工用ウォーム115により加工する。このため、ウォームホイールで構成したサンギヤ11及びウォームホイールで構成したリングギヤ12が、ホイール軸に対して傾斜する傾斜面11a,12a(ホイール軸に対して直交する面を含む)に形成された歯部11b,12bで遊星ウォームで構成したプラネタリギヤ13の歯部と噛み合う遊星歯車装置のサンギヤ11及びリングギヤ12の歯部11b,12bを、プラネタリギヤ13とほぼ同じ諸元の加工用ウォーム115により加工することができる。また、プラネタリギヤ13とほぼ同形・同大の加工用ウォーム115は、ホブカッターと異なり、加工用ウォーム115の外周面に形成された歯部が螺旋状に連続しており、途中にスリットが設けられていない。このため、プラネタリギヤ13とほぼ同形・同大の加工用ウォーム115を使用しても(外形寸法の小さい加工用ウォームを使用しても)、加工用ウォームの強度を十分に確保することができる。
そして、第2実施形態のステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法によれば、当該サンギヤ11及びリングギヤ12の歯部11b,12bを、プラネタリギヤ13とほぼ同じ諸元の加工用ウォーム113により加工することができるので、サンギヤ11及びリングギヤ12の歯部11b,12bとプラネタリギヤ13との噛合部の接触面積を大きくすることができる。
特に、第2実施形態のステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法の場合には、加工後のサンギヤ11及びリングギヤ12と使用時のプラネタリギヤ13とを噛み合わせてなるウォーム減速機の頂げき(サンギヤ11及びリングギヤ12の歯底円とプラネタリギヤ13の歯先円との間の、又は、サンギヤ11及びリングギヤ12の歯先円とプラネタリギヤ13の歯底円との間の、これら両部材の中心軸共通垂線に沿った距離)を、正(>0)にすることができる。また、一般に、ウォーム減速機の使用時、このウォーム減速機の頂げきがセロである場合よりも、正(>0)である場合の方が、ウォームを構成するプラネタリギヤ13の歯先(歯底)とウォームホイールを構成するサンギヤ11及びリングギヤ12の歯底(歯先)とが干渉することを防止でき、この結果、これらウォームを構成するプラネタリギヤ13とウォームホイールを構成するサンギヤ11及びリングギヤ12との噛合部がロックすることを回避することができる。
従って、第2実施形態のステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法によれば、使用時のウォームを構成するプラネタリギヤ13の歯先(歯底)と加工後のウォームホイールを構成するサンギヤ11及びリングギヤ12の歯底(歯先)とが干渉することを防止でき、この結果、これらウォームを構成するプラネタリギヤ13とウォームホイールを構成するサンギヤ11及びリングギヤ12との噛合部がロックすることを回避することができる。更には、ウォームを構成するプラネタリギヤ13とウォームホイールを構成するサンギヤ11及びリングギヤ12との噛合部の全体で、ウォームを構成するプラネタリギヤ13の歯先(歯底)とウォームホイールを構成するサンギヤ11及びリングギヤ12の歯底(歯先)との間に常に隙間を生じさせることができるため、これら各間部分に潤滑剤を進入させ易くして、噛合部のい潤滑状態を良好にできる。従って、ウォーム減速機の耐久性をより十分に確保することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、加工用ウォーム113,115によりサンギヤ11及びリングギヤ12のそれぞれの歯部11b、12bの加工を行うのに先立ち、加工用ウォーム113,115による加工以外の手段により、サンギヤ11及びリングギヤ12のそれぞれを造るための中間素材111a、112aの外周面の形状を、円筒面に比べて完成後の前記歯部11b、12bの形状に近い形状に形成してもよい。
このようにすることにより、加工用ウォーム113,115による加工代を少なくできるため、加工用ウォーム113、115の寿命を長くできるとともに、全体の加工時間を短くすることができる。従って、製造コストを低減できる。特に、加工用ウォーム113,115による加工手段以外の手段として、合成樹脂の射出成形を採用すれば、材料(合成樹脂)の歩留まりを向上させられるため、更なる製造コストの低減を図れる。
また、製造対象となるサンギヤ11及びリングギヤ12のそれぞれを構成する合成樹脂には、必ずしもガラス繊維が含まれていなくてもよい。
また、プラネタリギヤ13は、円筒状ウォームである場合に限らず、鼓状ウォームであってもよい。ここで、「鼓状ウォーム」とは、歯先の母線形状に拘らず、歯底の母線形状が鼓状であるウォームをいう。この場合、加工用ウォーム113、115も、鼓状ウォームに合わせて、鼓状ウォームとする。
更に、完成後のサンギヤ11及びリングギヤ12に噛み合わせるプラネタリギヤ13の表面粗さを、Ra0.1以下とする必要は必ずしもない。

1 遊星歯車装置
2 可変機構
11 サンギヤ(ウォームホイール)
11a 傾斜面
11b 歯部
12 リングギヤ(ウォームホイール)
12a 傾斜面
12b 歯部
13 プラネタリギヤ(遊星ウォーム)
13a ウォーム軸
14 キャリヤ
23 回転駆動源
111a 中間素材
111b 合成樹脂
111c 傾斜面
112a 中間素材
112b 合成樹脂
112c 傾斜面
113 加工用ウォーム
113a ウォーム軸
114 砥粒
115 加工用ウォーム
115a ウォーム軸
116 砥粒

Claims (6)

  1. 運転者の操舵により回転するステアリング軸の回転が入力され該回転を減速又は増速して転舵輪に出力する遊星歯車装置と、該遊星歯車装置による回転の減速又は増速の比率を変化させる可変機構とを備え、前記遊星歯車装置が、ウォームホイールで構成したサンギヤと、該サンギヤと同心に配されたウォームホイールで構成したリングギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤに噛み合い前記サンギヤの回りを公転する遊星ウォームで構成したプラネタリギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤと同心に配され前記プラネタリギヤを回転自在に支持するキャリヤとを有し、前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれが、ウォームホイール軸に対して傾斜する傾斜面に形成された歯部で前記プラネタリギヤの歯部と噛み合うステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法であって、
    前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれの少なくとも歯部の表層部が合成樹脂により造られていると共に、前記プラネタリギヤと比較して軸方向に関する歯のピッチが同等で且つ歯先及び歯底の径寸法がそれぞれやや小さいか同等以上であるウォームの表面に砥粒を電着して成る加工用ウォームにより、前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれの歯部の加工を行うステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法。
  2. 運転者の操舵により回転するステアリング軸の回転が入力され該回転を減速又は増速して転舵輪に出力する遊星歯車装置と、該遊星歯車装置による回転の減速又は増速の比率を変化させる可変機構とを備え、前記遊星歯車装置が、ウォームホイールで構成したサンギヤと、該サンギヤと同心に配されたウォームホイールで構成したリングギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤに噛み合い前記サンギヤの回りを公転する遊星ウォームで構成したプラネタリギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤと同心に配され前記プラネタリギヤを回転自在に支持するキャリヤとを有し、前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれが、ウォームホイール軸に対して傾斜する面に形成された歯部で前記プラネタリギヤの歯部と噛み合うステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法であって、
    前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれの少なくとも歯部の表層部が合成樹脂により造られていると共に、前記プラネタリギヤと比較して軸方向に関する歯のピッチが同等で且つ歯先及び歯底の径寸法がそれぞれやや小さいか同等以上で且つ軸方向に関する歯厚が小さいウォームの表面に砥粒を電着することにより、その歯先及び歯底の寸法が、前記プラネタリギヤの歯先及び歯底の径寸法よりも、それぞれ0〜10%大きくなり、且つ、その軸方向に関する歯厚が、前記プラネタリギヤの軸方向に関する歯厚と等しくなるように構成した加工用ウォームにより、前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれの歯部の加工を行うステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法。
  3. 前記加工用ウォームにより前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれの歯部の加工を行うのに先立ち、前記加工用ウォームによる加工以外の手段により、前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれを造るための中間素材の外周面の形状を、円筒面に比べて完成後の前記歯部の形状に近い形状に形成する請求項1又は2に記載のステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法。
  4. 製造対象となる前記サンギヤ及び前記リングギヤのそれぞれを構成する合成樹脂にガラス繊維が含まれている請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法。
  5. 前記プラネタリギヤが、円筒状ウォーム又は鼓状ウォームである請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載のステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法により製造されたサンギヤ及びリングギヤ。
JP2015211266A 2015-10-27 2015-10-27 ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法、及びサンギヤ及びリングギヤ Pending JP2017080843A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015211266A JP2017080843A (ja) 2015-10-27 2015-10-27 ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法、及びサンギヤ及びリングギヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015211266A JP2017080843A (ja) 2015-10-27 2015-10-27 ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法、及びサンギヤ及びリングギヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017080843A true JP2017080843A (ja) 2017-05-18

Family

ID=58713959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015211266A Pending JP2017080843A (ja) 2015-10-27 2015-10-27 ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法、及びサンギヤ及びリングギヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017080843A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108583679A (zh) * 2018-05-29 2018-09-28 北京理工大学 一种基于角传动器的主动转向系统

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108583679A (zh) * 2018-05-29 2018-09-28 北京理工大学 一种基于角传动器的主动转向系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102990165B (zh) 半完成切削的方法以及执行该方法的相应切削刀具的装置
JP4875601B2 (ja) 樽形ウォーム状工具
JP6039581B2 (ja) 加工物を機械加工するための方法およびそのために設計された工作機械
CN101484259B (zh) 一种用于切割型钢或管状工件的装置
CN107405706B (zh) 通过滚切对工件轮制齿的方法和设备
US9993886B2 (en) Method and device for the face-side chamfering of gear teeth of a workpiece
EP3200948B1 (en) Axial hob with multi-revolution cutting teeth and method of manufacturing a gear with an axial hob
JP2006142400A (ja) ウォームホイールの製造方法及びウォーム減速機
CN104819266B (zh) 无退刀槽圆弧螺旋线混合型人字齿轮及其加工方法
US20120148360A1 (en) Device and method for hob peeling internally geared wheels and related peeling wheel
CN108723505A (zh) 用于工件的齿轮制造加工的方法
KR930702108A (ko) 크라운 휠의 제조공구 및 그 공구의 제조방법
CA2951462A1 (en) Method for incorporating undercuts in tooth flanks of teeth of toothed wheels
CN103582537B (zh) 螺纹状工具的制作方法
CN109807404B (zh) 内齿圈锥形螺旋齿砂轮磨齿方法
JP6311730B2 (ja) 歯車機構
JP2017080843A (ja) ステアリング装置におけるサンギヤ及びリングギヤの製造方法、及びサンギヤ及びリングギヤ
JP6832391B2 (ja) 二連ロータリテーブル装置、および傾斜二連ロータリテーブル装置
EP2535135B1 (en) Machining method for nutation gear
EP1775048A1 (en) Method of machining worm wheel, worm wheel, worm reduction gear, and electric power steering device
EP2958706B1 (en) Machine tool comprising a machining head
JP5163024B2 (ja) ウォームホイールの製造方法及びウォーム減速機
JP5392388B2 (ja) ウォームホイールの製造方法及びウォーム減速機
JP2001252823A (ja) 鼓形ウオームの歯切り方法
CN104690305B (zh) 机床用万能主轴箱装置