JP2017080781A - 金属プレートの製造方法、及び該製造方法により製造された金属プレートのプレート式熱交換器への使用 - Google Patents

金属プレートの製造方法、及び該製造方法により製造された金属プレートのプレート式熱交換器への使用 Download PDF

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Abstract

【課題】金属プレートの張出し加工における板厚減少を少なく抑え、ネッキングや割れ、肉余りが生じにくい金属プレートの製造方法を提供すること。【解決手段】金属プレートを製造する方法であって、金型を用いて金属プレートの原板をn回プレス加工する工程を備え(nは2以上の整数を表す)、金属プレートは、一方向に延びる複数の凹部及び凸部と、一方向と直交する方向に凹部又は凸部を有し、n回プレス加工後の一方向に延びる複数の凹部及び凸部の線長の合計をLn×Nn(Lは複数の凹部及び凸部の1個当たりの線長を表し、Nは複数の凹部及び凸部の総数を表す)、直交する方向の凹部又は凸部の線長をZnとするとき、下記の式(1)及び式(2)の関係を金属プレートが満たすように金型で原板を成形する、金属プレートの製造方法。0.75≦(Ln−1×Nn−1/Ln×Nn)≦1.3 式(1)0.75≦Zn−1/Zn≦1.3 式(2)【選択図】図1

Description

本発明は、金属プレートの製造方法、及び該製造方法により製造された金属プレートのプレート式熱交換器への使用に関する。
熱交換器としては種々のタイプのものが存在するが、プレート式熱交換器は熱交換性能が極めて高いために、電気給湯機や産業用機器、或いは自動車の空調装置等に使用されている。プレート式熱交換器は、積層したプレートにより熱交換媒体の通路、つまり高温媒体と低温媒体の通路を隣接して構成し、これら高温媒体の通路と低温媒体の通路に流す温度差を有する媒体が熱の授受により相互に熱交換作用を行うように構成されている。
例えば、特許文献1には、流路となる波形状が付与されたプレートの複数枚を積層させ、当該プレート同士を各種の接合方法(ガスケットとネジによる締結、溶接、ろう付け)で接合することにより、高温流路と低温流路が交互に存在する積層構造体を作製している。
また、熱交換器は、耐久性向上の観点から、素材の金属板として耐食性に優れたステンレス鋼板が用いられる。そして、小中型の熱交換器については、耐圧性を考慮して、ろう付けで接合されることが多い。
特開2010−85094号公報
ところで、プレート式熱交換器の性能は、重ね合わせた金属プレートの相互間隙によって形成される流路の面積が大きく、金属プレートの板厚が薄いほど良好となる。金属プレートの凹凸の高さhの波幅Wに対する比である加工高さh/Wが大きいほど、積層プレート部品の流路面積は大きくなる。しかし、h/Wを大きくしようとすると、加工による厚板の変形量が過大となり、金属プレートにネッキングや割れが生じ得るため、h/Wが大きい金属プレートを得るのは容易ではない。
また、金属プレートの凹凸形状は、プレス加工によって形成されることが多いが、凸部の頂部先端及び凹部の底部先端は張出し加工となるため、原板の板厚減少が著しく、加工割れも発生し易い。
一方、例えば、プレス加工による変形を大きく受けない部分では肉余りが生じやすく、座屈や皺の発生を招く恐れがある。また、金属プレートの割れや亀裂の発生に繋がる場合がある。
加えて、近年、熱交換能の向上だけでなく、熱交換器の軽量化、コンパクト化の要請も高まっており、プレートを構成する金属の板厚は薄肉化の傾向にあり、金属プレートの加工難易度もさらに上がっている。
本発明は、このような問題点を解消するために案出されたものであり、金属プレートの張出し加工における板厚減少を少なく抑え、ネッキングや割れ、肉余りが生じにくい金属プレートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、金属プレートの製造工程において、プレス成形体における一方向に延びる複数の凹部及び凸部の線長の合計と、一方向と直交する方向の凹部又は凸部の線長とを最適化することによって、ネッキングや割れ、肉余りが生じにくい金属プレートを得ることができることを見出した。
本発明は、以下の(1)〜(6)の金属プレートの製造方法、(7)のプレート式熱交換器への使用を提供する。
(1)本発明は、金属プレートを製造する方法であって、金型を用いて金属プレートの原板をn回プレス加工する工程を備え(nは2以上の整数を表す)、金属プレートは、一方向に延びる複数の凹部及び凸部と、一方向と直交する方向に凹部又は凸部を有し、n回プレス加工後の一方向に延びる複数の凹部及び凸部の線長の合計をL×N(Lは複数の凹部及び凸部の1個当たりの線長を表し、Nは複数の凹部及び凸部の総数を表す)、直交する方向の凹部又は凸部の線長をZとするとき、下記の式(1)及び式(2)の関係を金属プレートが満たすように金型で原板を成形する、金属プレートの製造方法である。
0.75≦(Ln−1×Nn−1/L×N)≦1.3 式(1)
0.75≦Zn−1/Z≦1.3 式(2)
(2)本発明において、一方向に延びる複数の凹部及び凸部からなる凹凸の高さをhとし、複数の凹部及び凸部における凸部とそれに隣接する凸部との間の波幅又は凹部とそれに隣接する凹部との間の波幅をWとするとき、h/Wが0.1以上0.4以下となる、(1)の金属プレートの製造方法である。
(3)本発明において、プレス加工は、加工開始位置からスライドが複数回上下動しながら降下するバンピングモーションによって行われる、(1)又は(2)の金属プレートの製造方法である。
(4)本発明において、加工開始位置からスライドが上方向に動く回数C、及びスライドが下方向に動く回数Cが、いずれも4以上の偶数である、(3)の金属プレートの製造方法である。
(5)本発明において、原板は、鋼、チタン、アルミニウム又はこれらの合金から選択される金属からなる、(1)〜(4)のいずれかの金属プレートの製造方法である。
(6)本発明において、原板は、フェライト系ステンレス鋼板である、(1)〜(5)のいずれかの金属プレートの製造方法である。
(7)本発明は、(1)〜(6)のいずれかの製造方法により製造された金属プレートを積層してなる積層プレート部品の、プレート式熱交換器への使用である。
本発明によれば、金属プレートの張出し加工における板厚減少を少なく抑え、ネッキングや割れ、肉余りが生じにくい金属プレートの製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法で製造される金属プレートの外観の一例を示す模式図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 複数工程でプレス成形したときのプレス成形体の凹凸形状を示す模式図である。 凹凸形状の線長計算方法を示す説明図である。 凹凸形状の線長計算方法を示す説明図である。 プレスモーションを説明するための図である。 プレート式熱交換器1の一例を示す模式図である。 予備プレスで成形した予備プレス成形体の外観を示す模式図である。 本プレスで成形した本プレス成形体の外観を示す模式図である。 本実施例の予備プレス及び本プレスにおける、短辺部のX方向からの断面模式図及び長辺部のY方向からの断面模式図である。 本プレス成形体における割れやネッキングを示す写真である。 本プレス成形体における肉余りを示す写真である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、これらが本発明を限定するものではない。
本発明は、金属プレートを製造する方法であって、金型を用いて金属プレートの原板をn回プレス加工する工程を備える(nは2以上の整数を表す)。金属プレートは、一方向に延びる複数の凹部及び凸部と、当該一方向と直交する方向に凹部又は凸部を有している。
図1は、本発明の製造方法で製造される金属プレートの外観の一例を示す模式図である。金属プレート10は、ほぼ平板状の原板(ブランク)をプレス加工することによって、図1に示すように、短辺部と長辺部とを備える複数の凸形状が平行に形成されている。さらに、凸形状と凸形状との間には、短辺部と長辺部とを備える凹形状が形成されている。金属プレート10における一方向に延びる複数の凹部及び凸部は、図1に示すとおりそれぞれ短辺部に該当する。また、当該一方向と直交する方向の凹部又は凸部は、図1に示すとおり長辺部に該当する。さらに、図1のとおり、複数の凹部及び凸部(短辺部)を断面視する方向をX方向、短辺部が伸びる一方向と直交する方向にある凹部又は凸部(長辺部)を断面視する方向をY方向とする。
図2は、図1のA−A断面図であり、X方向から金属プレート10の短辺部を断面視した図である。図2に示すように、金属プレート10は、原板をプレス加工で成形加工することによって、成形加工前の原板位置を基準にして、その上下で波状の凹凸が一方向に連続的に延びる形状を有していてもよい。複数の凹部及び凸部の形状は、互いに同一形状とすることができる。同一形状であると、金属プレート10を均一な凹凸状で均一な強度とすることができる点、また、用途によっては熱交換性や外観の点で好ましい。本明細書では、当該凹凸について、金属プレートの断面において中心線13から下に凹んだ領域を「凹部」、上に凸の領域を「凸部」としてもよい。中心線13は、プレス成形前の原板のほぼ中央位置に相当する。図2に示すように、金属プレート10は、凹部11a,11b,・・・(以下、「凹部11」と総称する。)と凸部12a,12b,・・・(以下、「凸部12」と総称する。)が波状に交互に形成されている。
本発明において、一方向に延びる複数の凹部及び凸部からなる凹凸の高さをhとし、複数の凹部及び凸部における凸部とそれに隣接する凸部との間の波幅又は凹部とそれに隣接する凹部との間の波幅をWとするとき、h/Wが0.1以上0.4以下となることが好ましい。図2においては、凹部11(例えば、凹部11a)の底部b1と、それに隣接する凸部12(例えば、凸部12b)の頂部b2とを高さ方向でみた距離を、凹部11と凸部12における凹凸の高さhとしてもよい。また、凹部11(例えば、凹部11a)とそれに隣接する凹部11(例えば、凹部11b)との波幅W、又は凸部12(例えば、凸部12a)とそれに隣接する凸部12(例えば、凸部12b)との波幅Wは、凹部11(例えば、凹部11a)の底部b1とそれに隣接する凹部11(例えば、凹部11b)の底部b3との距離、又は凸部12(例えば、凸部12b)の頂部b2とそれに隣接する凸部12(例えば、凸部12a)の頂部b4との距離に相当している。凹凸の高さh及び波幅Wの比であるh/Wは、0.1以上0.4以下であることが好ましく、0.15以上0.3以下であることがより好ましい。h/Wが小さすぎると、凹凸の高さhを十分な大きさで成形しにくくなる傾向にあり、所定形状の成形加工品を作製しにくくなる傾向にある。また、h/Wが大きすぎると、加工による変形量が過大となり、金属プレートにネッキングや割れが生じやすくなる傾向にある。
図2においては、凹部11の高さh、凸部12の高さhは、凹部11の底部あるいは凸部12の頂部から金属プレートの中心線13までの距離に相当している。hとhは、互いに等しい関係(h=h)とすることが好ましく、凹凸の高さhは、hとhとの合計である。また、凹部11の波幅W、凸部12の波幅Wは、凹部11と凸部12の境目となる変曲点付近から水平方向でみた距離に相当する。WとWは、互いに等しくW=Wの関係とすることが好ましい。このような互いに等しい関係にあると、金属プレート10を均一な凹凸状で均一な強度とすることができる点、また、用途によっては熱交換性や外観の点で好ましい。
図3は、図1のB−B断面図であり、Y方向から金属プレート10の長辺部を断面視した図である。図3に示すように、金属プレート10は、長辺部である凸状の凸部14を有し、凹状の凹部も有する(図示なし)。凸部14の端部Pから、もう一方の端部Qまでの線長Zは、凹状の凹部の線長と同一であってもよく、異なっていてもよい。なお、金属プレート10において、長辺部である凸部14の高さが、長辺部である凹部の高さよりも高い場合には、長辺部の凸部14の線長Zが、長辺部の凹部の線長よりも長くなる。ここで、上記の「線長」は、金属プレートの凹凸形状に沿った長さ(周長)を意味する。
金属プレートの材質は、特に限定されるものでないが、高い母材強度を有し、金属プレートの板厚が薄くても、充分な耐圧性を有する点で、鋼、チタン、アルミニウムまたはこれらの合金から選択される金属材料が好ましい。特に、耐食性に優れるステンレス鋼が好ましい。
金属プレートは、JIS等で規定される組成を有するステンレス鋼を使用できる。フェライト系(α系)ステンレス鋼、オーステナイト系(γ系)ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、あるいは2相系ステンレス鋼を用いることができる。例えば、金属プレートの凹凸の高さhを大きくする場合には、オーステナイト系(γ系)ステンレス鋼が好ましく、コスト的には、フェライト単相系(α系)ステンレス鋼が好ましい。
そして、本発明の製造方法で製造される金属プレートは、軽量化、コンパクト化、熱交換性能などに関して良好な特性を有するので、プレート式熱交換器等の熱交換器に用いることができる。また、複数枚を重ねて積層プレート部品として使用することが好ましい。金属プレート同士は、溶接や拡散接合、かしめ又はボルト締結等の固定手段を用いて接合することができる。この積層プレート部品をプレート式熱交換器に適用することが好ましい。
<金属プレートの製造方法>
本発明の金属プレートの製造方法は、金型を用いて金属プレートの原板をn回プレス加工する工程を備え(nは2以上の整数を表す)、
n回プレス加工後の一方向に伸びる複数の凹部及び凸部の線長の合計をL×N(Lは複数の凹部及び凸部の1個当たりの線長を表し、Nは複数の凹部及び凸部の総数を表す)、直交する方向の凹部又は凸部の線長をZとするとき、
下記の式(1)及び式(2)の関係を前記金属プレートが満たすように金型で原板を成形する、金属プレートの製造方法である。
0.75≦(Ln−1×Nn−1/L×N)≦1.3 式(1)
0.75≦Zn−1/Z≦1.3 式(2)
上記式(1)における「Ln−1×Nn−1/L×N」は、n回後の一方向における複数の凹部及び凸部の線長の合計であるL×Nに対する、n−1回後の一方向における凹部及び凸部の線長の合計であるLn−1×Nn−1の比であり、X方向から断面視した場合の金属プレート10の複数の短辺部の成形段階における線長の増減を示している。
また、上記式(2)における「Zn−1/Z」は、n回後の一方向に直交する方向の凹部又は凸部の線長Zに対する、n−1回後の直交する方向の凹部又は凸部の線長Zn−1の比であり、Y方向から断面視した場合の金属プレート10の長辺部の成形段階における線長の増減を示している。
本発明の製造方法においては、「Ln−1×Nn−1/L×N」が0.75以上1.3以下であり、かつ、「Zn−1/Z」が0.75以上1.3以下となるように、金型で成形することによって、金属プレートの凸部の頂部先端及び凹部の底部先端での板厚減少を少なく抑え、加工高さh/Wが高く、ネッキングや割れ、肉余りが生じにくい金属プレートを製造することができる。
「Ln−1×Nn−1/L×N」は、主に長辺部の板厚減少やネッキングや割れ、肉余りを抑制する指標である観点から、0.80以上が好ましく、0.85以上がより好ましく、0.90以上がさらに好ましい。また、1.24以下が好ましく、1.20以下がより好ましく、1.15以下がさらに好ましい。
「Zn−1/Z」は、主に短辺部の板厚減少やネッキングや割れ、肉余りを抑制する指標である観点から、0.82以上が好ましく、0.85以上がより好ましく、0.90以上がさらに好ましい。また、1.22以下が好ましく、1.20以下がより好ましく、1.15以下がさらに好ましい。
本発明の金属プレートの製造方法においては、原板を複数回に分けてプレス成形して凹凸状に形成する。例えば図4に示すように、予備プレス及び本プレスを含む複数工程のプレス成形により、原板10’、10’’に凹部及び凸部からなる凹凸加工部が形成され、当該凹凸加工部に繰り返してプレス加工が施される。このようなプレス加工では、当該凹凸加工部を断面視したときの水平方向における全体の線長を維持しながら、凹部及び凸部の個数を増加させて成形することができる。ここで、上記の「線長」は、金属プレートの凹凸形状に沿った長さ(周長)を意味する。
例えば、図4に示すように、予備プレスと本プレスの2回に分けて、原板10’を2工程でプレス成形する場合は、本プレス成形によりプレス成形体の凹凸の個数が増加する。1回目(第1工程)の予備プレス工程で形成されるプレス成形体の第1凸部12’(12a’、12b’、・・・)及び第1凹部11’(11a’、11b’、・・・)の個数の総計をNとし、第1凸部12’及び第1凹部11’の1個当たりの長さ(線長)をLとし、2回目(第2工程)の本プレス工程で形成されるプレス成形体の第2凸部12’’(12a’’、12b’’、・・・)及び第2凹部11’’(11a’’、11b’’、・・・)の個数の総計をNとし、第2凸部12’’及び第2凹部11’’の1個あたりの長さ(線長)をLとするとき、L×N=L×Nになるようにプレス成形することが特に好ましい。凸部及び凹部は、ほぼ同じ形状と大きさとなるように形成すると、1個当たりの線長L、又はLは、凹凸加工部の全長に亘って略均等な長さになるので特に好ましい。また、凹部又は凸部の1個当たりの長さである線長が個々に異なる場合は、各凹部又は凸部の線長の平均である平均線長を算出することによって、線長の合計を得ることができる。
図4は、L×7=L×21となるように成形した例である。すなわち、予備プレス工程の第1凸部12a’は、本プレス工程のプレス成形により、12a’’、11a’’、12b’’の3個の凹凸とおおよそなるように形成されたので、第1凸部12a’の長さLは、本プレス工程の第2凸部の長さLの3個分の長さにおおよそ相当する。予備プレス工程における凸部及び凹部の個数の総計(N)が7個であり、凸部及び凹部の1個当たり長さがLである。本プレス工程における凸部及び凹部の個数の総計(N)が21個であり、1個当たり長さがLである。これらの関係は、L×7=3L×7=L×21と示される。
さらに、原板をn回に分けてプレス成形する場合は、n回目(第n工程)のプレス成形により形成されるプレス成形体の第n凸部及び第n凹部(図示は省略する)の個数の総計をNとし、第n凸部の1個あたりの長さをLとするとき、上記の2工程によるプレス成形と同様に、L×N=L×N=L×Nになるように、原板をプレス成形することが特に好ましい。例えば、凹凸数の多い形状、凹凸部の曲率半径の大きい形状などを有するプレス成形体を製造する場合は、プレス成形を複数回で行うことができる。プレス成形品に皺や割れが生じないように、原板の板厚や板材の種類に応じて、2回や3回以上の複数回にわたってプレス成形を行い、原板を段階的に変形させることが好ましい。
上記のL×N=L×N=L×Nの成形条件は、プレス成形体の凹凸加工部の水平方向における全体の線長の範囲内で、複数回のプレス成形を繰り返すことにより実現できる。第1工程のプレス成形による全体の線長、第2工程のプレス成形による全体の線長、第n工程のプレス成形による全体の線長が、互いにほぼ等しい状態で、プレス成形が繰り返されて、その都度、プレス成形体における凸部及び凹部の個数が増加し、加工高さhが小さくなることが好ましい。そのため、凹凸の高さhが順次小さくなるように成形すればよい。プレス成形体における凹凸の高さhは、図4に示すように、凹凸が形成されていない水平な端部を基準とした高さであってもよい。
また、プレス成形体において、第1凸部12’の頂部(または第1凹部11’の底部)の曲率半径をRL1とし、第2凸部12’’の頂部(または第2凹部11’’の底部)の曲率半径をRL2とし、第n凸部の頂部の曲率半径をRLnとするとき、RL1>RL2>RLnになるように原板をプレス成形することが好ましい。金属プレートの表面積を大きくするために凹凸部の曲率半径をできるだけ小さくすることが好ましい。しかしながら、1回目のプレス成形で目標とする曲率半径に合わせようとすると、プレス条件によっては、凸部12または凹部11の一部において板厚の減少が大きい領域が生じ得る。そのため、原板の平均板厚が薄い場合には、凸部12または凹部11での割れを防止するため、プレス成形を複数回に分けて、凸部12または凹部11の曲率半径を段階的に縮減することが好ましい。
本発明の金属プレートの製造方法には、複数の凸型部と凹型部が所定間隔で配置された構造を有する金型を使用することが好ましい。例えば、図4に示すように、プレス成形体に形成される凹部11、凸部12の形状に合わせて、複数の凸型部が突設して並んでおり、隣接する凸型部の間には凹型部が並んでいる。このような形状の2つの金型を、例えば予備プレスにおいては上型16aと下型16b、本プレスにおいては上型17aと下型17bとして組み合わせて、両方の金型の間に被プレス加工品を配置した後、プレス成形が行われることが好ましい。金型の凸型部が凹型部に入り込むことで、原板が凹凸状に成形され、所定形状のプレス成形体が得られる。凸型部の高さは、プレス成形体の凹凸加工部の高さに応じて設定されるが、凹部及び凸部の高さよりも2倍以上の高さが好ましい。また、凸型部と凹型部に入り込む際に、原板の厚さ程度のクリアランスを必要とするから、凸型部の幅は、凹型部の幅よりも小さいことが好ましい。図4は、下型の凸型部が上型の凸型部より1個多い態様を示しているが、上型の凸型部が1個多い態様も可能である。
原板の配置は、特に限定されるものでないが、凸部12の頂部及び凹部11の底部での板厚減少量を少なくするため、原板がステンレス鋼板である場合は、凸部12及び凹部11の長手方向(例えば中心線13)と原板の圧延方向とが直角になるように原板を配置することが好ましい。
また、図3に示すように、凹部11又は凸部12は、一方向に凹凸が連続した曲面を呈している。これらの凹部11又は凸部12を当該一方向と直交する方向で断面視したときは、凹部11又は凸部12の端部には、半径Rの曲線形状が形成されている。図3に示すように、当該Rを有する端部の断面は、短辺部の断面にも相当するから、当該Rを、以下、「短辺部半径」ということもある。Rが3.0mm以上であると、十分な張出し加工性を得られるため、好ましい。
また、凹部11又は凸部12を前記一方向で断面視したとき、凹部11又は凸部12における頂部すなわち波先端部には、半径Rの曲線形状が形成されている。図4に示すように、当該Rを有する波先端部の断面は、長辺部の断面に相当するから、当該Rを、以下、「長辺部半径」ということもある。
図5及び図6は、凹凸形状の線長計算方法を示す説明図である。図5に示すとおり、凹凸部の線長は、凹部の1/2形状と凸部の1/2形状とを足した形状を基準として算出することができる。図5において凹凸部の線長Lは、原板の厚み方向における中心を繋ぐ中立軸であり、L、L、Lの合計として求められる。αは波角度である。また、肩半径R、Rが大きくなるとその弧の長さL、Lも長くなり、線長Lの直線部Lの長さが短くなり、直線部Lはなくなる場合がある。
、L、Lの個々の算出式は以下の式(3)〜(5)のとおり表される。
=(R+0.5t)α 式(3)
=(R+0.5t)α 式(4)
線長Lは、L、L、Lの合計であることから、以下の式(6)で表される。
図6は、プレス工程の第1工程又は第2工程の際の、一方向に延びる複数の凹部及び凸部の線長と、当該一方向に直交する方向の凸部の線長の求め方を示す。一方向に延びる複数の凹部及び凸部の線長LT1、LT2は以下の式(7)、(8)で表される。なお、凹凸形状は対称形状である。
また、直交する方向の凸部の線長ZT1、ZT2は以下の式(9)、(10)で表される。なお、凹凸形状は対称形状である。
潤滑油の粘度は、特に限定されるものでないが、凹部11の底部及び凸部12の頂部での板厚減少量を少なくするため、潤滑油の40℃における動粘性係数は、50mm/s以上であることが好ましく、100mm/s以上であることが好ましく、500mm/s以上であることが特に好ましい。潤滑油の動粘性係数が低すぎると、プレス成形の際、凸部12の頂部及び凹部11の底部における板厚が大きく減少してしまう可能性がある。
また、動粘性係数の上限は、特に限定されないが、プレス成形の作業性を考慮すると、動粘性係数は、750mm/s以下であることが好ましく、600mm/s以下であることがより好ましい。
プレスモーションは特に限定されるものでない。図7は、プレスモーションの一例を示す。プレスモーションとして、リンクモーション、ソフトタッチモーション、バンピングモーションが挙げられる。リンクモーションとは、加工開始位置から下死点までにスライド速度が1/2程度まで減速するプレス成形をいい、一般的なメカプレスのモーションよりも歪速度や慣性力が低減されることが特徴である。ソフトタッチモーションとは、加工開始位置から下死点までにスライドが等速度かつ低速であるプレス成形をいい、リンクモーションよりも歪速度や慣性力が低減されることが特徴である。バンピングモーションとは、加工開始位置からスライドが複数回の上下動しながら降下していくプレス成形をいい、潤滑油の再導入効果や歪分散効果に優れることが特徴である。本発明では、凸部の頂部及び凹部の底部での板厚減少を最小限に抑えられ得る点で、プレスモーションとしてバンピングモーションを採用することが好ましい。
バンピングモーションにおいて、加工開始位置からスライドが上方向(プレス成形体から離れる方向)に動く回数C及び下方向(プレス成形体を押圧する方向)に動く回数Cがいずれも4以上の偶数であることが好ましい。図7に示すように、バンピングモーションの上下動しながら降下する過程においても、プレス機のスライドは、上死点から動作を開始し、下死点を介して上死点に戻るというサイクル動作を続ける。C及びCの合計回数が奇数回であるときは、スライドが「下死点で止まる」または「下死点から始まる」ことを意味するから、プレス成形体の配置及び移送を行うことが困難となる傾向にある。そのため、C及びCの合計回数が偶数回であることが好ましい。また、C及びCが少なすぎると、プレス加工の工程数を十分に確保できないため、金属プレート10の凸部12の頂部及び凹部11の底部における板厚減少の程度を小さくすることが困難となる傾向にある。
<プレート式熱交換器>
図8は、本発明に係るプレート式熱交換器1の一例を示す模式図である。プレート式熱交換器1は、複数の金属プレート10が積層された構造である。金属プレート10は、固定フレーム2と可動フレーム3との間に挟まれ、ガイドバー4及び上部キャリングバー(図示省略)で支持される。そして、全体を支柱(図示省略)に取り付け、締付けボルト(図示省略)で締め付けている。
固定フレーム2には、高温側流体を循環させる配管が差し込まれる接続口8a,8b、及び低温側流体を循環させる配管が差し込まれる接続口9a,9bが形成されている。金属プレート10にも高温側流体及び低温側流体が通過する開口部が設けられている。金属プレート10には波形や半球状の凹凸が成形されており、図8(b)に示すように、重ね合わせた金属プレート10の相互間隙を一枚おきに高温側流体及び低温側流体が交互に流れるような流路が形成される。これにより、個々の金属プレート10を介して高温側流体と低温側流体との間で熱交換される。
図8では、隣り合う金属プレート10がボルト締結により接合されている場合について説明したが、接合の態様はこれに限られるものではない。例えば、隣り合う金属プレート10は、溶接、拡散接合、ろう付け、かしめ等によって接合されていてもよい。中でも、耐圧性や耐リーク性に優れる点で、隣り合う金属プレート10は、接合部の欠陥や強度面からろう付けによって接合されることが好ましい。
また、ステンレス鋼には、耐食性及び加工性の低下原因となるフリーC、Nをトラップする目的で、Ti、Nbを添加して、耐食性及び加工性を向上させた鋼種が使用されている。Tiは、ろう付け性の阻害要因になることから、Nbを添加したSUS430J1Lは、Ti添加やTi+Nb複合添加した他のフェライト系ステンレス鋼と比べて、ろう付け性に優れており、ろう付け接合する鋼種として好ましい。
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(原板)
原板は、以下の表1に示す成分組成、表2に示す機械的性質を有するフェライト系ステンレス鋼板(日新製鋼株式会社製)を使用した。表1の単位は質量%である。
[1回目のプレス成形(予備プレス)]
上記原板について、下記の条件で1回目のプレス成形(予備プレス)を行い、図9に示すように、凸部4個及び凹部3個の総計7個を短辺部として有する予備プレス成形体10aを得た。また、本プレス成形体の凹凸高さ2.5mmを目標値として、予備プレス成形体10aの凹凸高さは7mmとなるようにプレス成形した。予備プレス成形体や本プレス成形体の凹凸高さや線長は、接触式輪郭形状測定器(ミツトヨ社製、型番:CONTRACER CV−2000)で成形体の外形状を検出し、検出したデータを同装置の解析ソフトを用いることによって、測定した。
(予備プレス条件)
供試材の圧延方向:D方向(長辺長手方向と原板の圧延方向とが45°)
装置:80tonサーボプレス
加工速度:10(spm)
潤滑条件:プレス油G−755BM(40℃での粘度:564mm/s、日本工作油社製)
プレスモーション:リンクモーション
凹凸の波幅W:21mm
凹凸の高さh:7mm(目標値)
h/W:0.33
板押さえ寸法:180mm×180mm(四角ビード付き)
ブランク寸法:□120mm
板押え力:6.3ton
[2回目のプレス成形(本プレス)]
上記1回目のプレス成形(予備プレス)で得られた予備プレス成形体10aを、下記の条件にてプレス成形を行い、図10に示す本プレス成形体10b(凸部11個及び凹部10個の総計21個)を得た。
(本プレス条件)
供試材の圧延方向:D方向(長辺長手方向と原板の圧延方向とが45°)
装置:80tonサーボプレス
加工速度:10(spm)
潤滑条件:プレス油G−755BM(40℃での粘度:564mm/s、日本工作油社製)
プレスモーション:リンクモーション
凹凸の波幅W:7mm
凹凸の高さh:2.5mm(目標値)
h/W:0.36
板押さえ寸法:180mm×180mm(四角ビード付き)
ブランク寸法:□120mm
板押え力:6.3ton
図9の予備プレス成形体10a及び図10の本プレス成形体10bの短辺部のX方向からの断面及び長辺部のY方向からの断面を図11に示す。図11に示すとおり、予備プレスから本プレスにおいてプレス成形体の高さは7mmから2.5mmになったが、短辺部の線長及び長辺部の線長はいずれも84mmと変わらなかったことを示している。
形状パラメータを変化させた種々の金型を用いて、予備プレス及び本プレスを繰り返し行い、所定の形状及び寸法を有する複数の予備プレス成形体及び本プレス成形体を作製し、当該成形体における短辺部の線長の比である「L×N/L×N」、長辺部の線長の比である「Z/Z」を測定した。
(評価指標)
成形された本プレス成形体の成形状態について、以下の基準で評価を行った。評価指標が「△」、「○」、「□」であれば金属プレートとして使用できること、「×」、「黒塗り△」、「黒塗□」であれば金属プレートとして使用できないことを示す(図12、13参照)。
×:割れがある
黒塗り△:ネッキング(外観の変形)がある
△:板厚減少率が25%以上30%未満である
○:良好(板厚減少率は25%未満である)
□:肉余りがあるが、少ない
黒塗り□:肉余りが多い
−:該当する成形体がない
図12は、プレス成形体における割れやネッキングなどの状態を示す図である。図12の(a)は、短辺部の端部が板厚減少率の増大などによって割れが生じたことを示す「×」の例である。図12の(e)は、長辺部に割れが生じたことを示す「×」の例である。図12の(b)は、短辺部の端部が変形し、ネッキングが生じたことを示す「黒塗り△」の例である。ネッキングが生じた場合、板厚減少率は30%〜40%程度になっていると考えられる。図12の(f)は、長辺部にネッキングが生じたことを示す「黒塗り△」の例である。図12の(c)は、短辺部の端部の板厚減少率が25%以上30%未満であることを示す「△」の例である。図12の(g)は、長辺部の板厚減少率が25%以上30%未満であることを示す「△」の例である。図12の(d)は、短辺部の端部に割れやネッキングなどが生じていない良好な状態を示す「○」の例である。図12の(h)は、長辺部に割れやネッキングなどが生じていない良好な状態を示す「○」の例である。
板厚減少率は、測定部近傍をワイヤー加工により切断し、断面部分を撮影後、測長計で測定することができる。
図13は、プレス成形体における肉余りの状態を示す図である。図13の(a)は、短辺部の端部で肉余りが生じていない良好な状態を示す「○」の例である。図13の(d)は、長辺部で肉余りが生じていない良好な状態を示す「○」の例である。図13の(b)は、短辺部の端部で肉余りが生じたことを示す「□」の例である。また、図13の(e)は、長辺部の端部で肉余りが生じたことを示す「□」の例である。図13における(b)、(e)のように、肉余りが生じても、さらにプレス加工を行えば肉余り部分を矯正できる場合は、「肉余りが少ない」と判定した。
一方、図13の(c)は、短辺部の端部で過剰に肉余りが生じたことを示す「黒塗り□」の例である。また、図13の(f)は、長辺部の端部で過剰に肉余りが生じたことを示す「黒塗り□」の例である。図13の(c)のように、例えば、端部が畳まれた状態になる例や、図13の(f)のように、座屈や皺が生じる例など、再度プレス加工しても矯正が困難である場合は、「肉余りが多い」と判定した。
測定結果及び評価結果を以下の表3に示す。なお、各評価指標の右隅に「L」が記載されている場合は、短辺部の評価であることを示す。また、各評価指標の右隅に「Z」が付されている場合は、長辺部の評価であることを示す。
表3に示すように、予備プレス成形体及び本プレス成形体の短辺部の線長の合計の比である「L×N/L×N」が0.75以上1.3以下であり、かつ、長辺部の線長の比である「Z/Z」が0.75以上1.3以下である場合には、「△」、「□」、「○」のいずれかの評価となり、加工高さh/Wが高くても、板厚減少が少なく抑えられ、ネッキングや割れ、肉余りが生じにくい金属プレートを製造できることが確認した。特に、「L×N/L×N」が、0.91〜1.13の範囲にあり、「Z/Z」が0.91〜1.12の範囲にある場合には、短辺部及び長辺部の評価がいずれも良好となる金属プレートが得られたことを示した。
一方、表3に示すように、短辺部の線長の合計の比である「L×N/L×N」が0.62と低い場合には、「Z/Z」が0.61〜1.52の範囲において、長辺部で割れが生じた。また、「L×N/L×N」が0.71であっても、長辺部では全てネッキングが生じる結果となった。また、「L×N/L×N」が1.31以上になると、長辺部では全て肉余りが多くなるという結果になった。
また、表3に示すように、長辺部の線長の比である「Z/Z」が0.61と低い場合には、短辺部で全て割れが生じるという結果になった。また、「Z/Z」が1.32以上になると、短辺部では全て肉余りが多くなる結果となった。
上記実施例は2回プレス成形を行った場合の試験例であるが、3回以上プレス成形を行った場合でも同様の効果が得られることを確認した。
1 プレート式熱交換器
2 固定フレーム
3 可動フレーム
4 ガイドバー
5 上部キャリングバー
6 支柱
7 締付けボルト
8a,8b 高温側流体用配管接続口
9a,9b 低温側流体用配管接続口
10 金属プレート
11 短辺部の凹部
12 短辺部の凸部
13 中心線
14 長辺部の凸部
16a、16b 金型Aの上部、下部
17a、17b 金型Bの上部、下部

Claims (7)

  1. 金属プレートを製造する方法であって、
    金型を用いて前記金属プレートの原板をn回プレス加工する工程を備え(nは2以上の整数を表す)、
    前記金属プレートは、一方向に延びる複数の凹部及び凸部と、前記一方向と直交する方向に凹部又は凸部を有し、
    n回プレス加工後の前記一方向に延びる複数の凹部及び凸部の線長の合計をL×N(Lは前記複数の凹部及び凸部の1個当たりの線長を表し、Nは前記複数の凹部及び凸部の総数を表す)、前記直交する方向の凹部又は凸部の線長をZとするとき、
    下記の式(1)及び式(2)の関係を前記金属プレートが満たすように前記金型で前記原板を成形する、金属プレートの製造方法。
    0.75≦(Ln−1×Nn−1/L×N)≦1.3 式(1)
    0.75n−1/Z≦1.3 式(2)
  2. 前記一方向に延びる複数の凹部及び凸部からなる凹凸の高さをhとし、前記複数の凹部及び凸部における凸部とそれに隣接する凸部との間の波幅又は凹部とそれに隣接する凹部との間の波幅をWとするとき、h/Wが0.1以上0.4以下となる、請求項1に記載の金属プレートの製造方法。
  3. 前記プレス加工は、加工開始位置からスライドが複数回上下動しながら降下するバンピングモーションによって行われる、請求項1又は2に記載の金属プレートの製造方法。
  4. 前記加工開始位置から前記スライドが上方向に動く回数C、及び前記スライドが下方向に動く回数Cが、いずれも4以上の偶数である、請求項3に記載の金属プレートの製造方法。
  5. 前記原板は、鋼、チタン、アルミニウム又はこれらの合金から選択される金属からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属プレートの製造方法。
  6. 前記原板は、フェライト系ステンレス鋼板である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属プレートの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法により製造された金属プレートを積層してなる積層プレート部品の、プレート式熱交換器への使用。
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