[0022] 本発明の実施の形態は、全体として、ゴルファのスイングの相違に関係なく、パットの正確さ及び均一さを改良し得るように、パターフェイスの異なる領域内に配置された溝を含む、パターヘッドを提供する。当該出願人は、パターフェイスと関係した切欠き、亀裂、凹部、へこみ部、樋状部又はその他の空所を広く含むよう、本明細書にて、「溝」という語句を使用する。好ましい実施の形態において、これらの溝は、互いに実質的に平行であり、かつパターフェイスの上にてヒールからトウの方向に向けて全体として水平に配置されている。
[0023] パターヘッドの一例としての実施の形態が図示されており、図1−11に関してこの実施の形態について以下に説明する。これらの図面の各々にて、パターヘッドは、3つの溝領域を備える状態にて示されているが、パターヘッドは、2つ、3つ又はより多数の溝領域を含むようにしてもよい。これらの溝は、現在既知であるか又は将来、開発されるかどうかを問わずに、任意の型式のパターヘッド又はシャフトと共に使用可能である。
[0024] 図1を参照すると、本発明の一部の実施の形態に従って形成されたパターヘッドの一例としての実施の形態の等角正面図が示されている。図1に示したパターヘッド100は、上面102と、底面又はソール104と、ヒール106と、トウ108と、ホーゼル110とを含む。ゴルファがボルフボールにアドレスするとき、上面102は、全体として空の方向を向き、底面104は、全体として、地面の方を向いている。ゴルファがゴルフボールにアドレスするとき、ヒール106は、全体として、ゴルファの方を向いており、また、トウ108は、全体として、当然、ゴルファから離れる方向を向いている。ホーゼル110は、全体として、典型的に、ヒール106の基端側にて、上面102から上方に伸びており、シャフトが装着される、パターヘッド100の部分である。それぞれの上面102、底面104、ヒール106、トウ108及びホーゼル110は、色々な形状及び寸法にて形成することができる。
[0025] 図1を続けて参照すると、パターヘッド100は、ゴルファがゴルフボールにアドレスするとき、全体として、ゴルフボールに向けられるフェイス112を含む。パターフェイス112は、全体として、上面102と、底面104と、ヒール106と、トウ108との間を伸びている。図2に図示したように、パターフェイス112は、実質的に平坦でかつ平面状とすることができる。図2に更に図示したように、パターフェイス112は、ボールが着座する僅かなへこみからグリーン表面の上までボールを持ち上げ得るようにロフトを付けることができる。パターフェイス112のロフト角度(全体として、静止ロフトと称する)が大きくなると、ボールに付与される揚力はより大きくなる。パターフェイス112は、かなりの角度の静止ロフトを有することができる。例えば、パターフェイス112のロフト角度は、約1°から約5°の範囲とすることができる。一部の実施の形態において、該パターフェイス112は、約3°のロフト角度を有している。図2を続けて参照すると、パターヘッド100の下方の前縁114は、丸味を付けて、グリーン表面の周縁部にて使用されたとき、パターフェイス112が背の高い草を通って一層良く滑り、かつプレーコース中、パターフェイス112がグリーン表面に引っ掛かったり又は該グリーン表面を掴んだりする可能性を少なくすることができる。
[0026] 図1を再度、参照すると、パターフェイス112は、溝パターン116を含む。該溝パターン116は、切込み、エッチング、成形又はその他の方法にてパターフェイス112に形成することができる。該溝パターン116は、パターヘッド100の表面に直接、形成する(例えば、パターヘッドにフライス加工する)ことができ、又は、図1及び図3から図11に図示したように、該溝パターン116は、パターヘッド100に装着したパターフェイスの挿入体118に形成してもよい。図8に図示したように、パターヘッド100は、パターヘッド100の底面104にて開口し、挿入体118を受け入れるキャビティ119を規定することができる。挿入体118を底面104の開口内に挿入することにより、挿入体118がパターヘッド100の本体よりも柔軟な材料にて出来ている実施の形態において、パターフェイス112の下側でボールを打ったとき、該挿入体118は、柔らかい感触を提供することができる。該挿入体118は、パッティングする間、ゴルファの集中力を失わせるであろう、パターヘッド100の上面102を見えなくするようなことはない。図示しないが、キャビティ119は、パターヘッド100の上面102にて開口し、又は上面102又は底面104のいずれにても開口しないようにしてもよい。該挿入体118は、図1、図3、図8に図示した台形の形状、又は、円錐形の形状、矩形の形状、又は任意のその他の形状にて形成することができる。
[0027] 図1を続けて参照すると、溝パターン116は、全体として、パターヘッド100のフェイス112に沿ってヒールからトウの方向に伸びている。該溝パターン116は、全体として、ボールと接触するパターフェイスの112の表面積を小さくし、これにより、ボールと接触したとき、パターヘッド100に柔軟な感触を与えることにより、一般に、ドエル時間と称する、ボールがパターフェイス112と接触している時間を長くする。該溝パターン116は、図1に示したように、台形の周縁にて形成し、又は、円錐形の周縁、矩形の周縁又は任意のその他の形状の周縁にて形成してもよい。該溝パターン116は、例えば、図1に図示するように、パターフェイス112を部分的に横断して伸び、又は、ヒール106からトウ108迄、パターフェイス112の全体を横断して伸びるようにしてもよい。
[0028] 図3及び図4を参照すると、該溝パターン116は、パターヘッド100のヒールからトウ方向119に伸び、かつパターフェイス112の垂直方向121に向けて互いに隔てられた多数の組、領域又は帯域の異なる溝を含む。該溝パターン116は、パターヘッド100とゴルフボールとの間の打撃角度の点にて比較的大きい誤差の余裕をゴルファに提供する形態とされており、このため、ボールは、ゴルファの一回のパットから別のパットまでのそのスイングの相違にかかわらず、ボールは、望む距離にてより真っ直ぐに進む。該溝パターン116は、全体として、パターフェイス112にてボールを上方及び下方に偏心状態にて打ったとき、ゴルフボールの前方への転がり又は回転を改良する。図3及び図4にて、パターフェイス112は、3組の溝を規定する。しかし、パターフェイス112は、2組み、3組み又はより多数の組の溝を含むことができることが理解されよう。
[0029] 図3及び図4を続けて参照すると、パターフェイス112は、第一の組、領域又は帯域の溝120(以下に、限定することを意図せずに、便宜上、「第一の組の溝」と称する)と、第二の組、領域又は帯域の溝122(以下に、限定することを意図せずに、便宜上、「第二の組の溝」と称する)とを含む。これらの第一及び第二の組の溝120、122は、パターヘッド100のヒールからトウ方向に伸びており、かつパターフェイス112の垂直方向121に向けて互いから隔てられている。パターフェイス112の垂直方向121は、パターヘッド100のヒールからトウ方向119に対して全体として垂直に、かつパターフェイス112に対して全体として平行に向き決めされている。図3及び図4に示したように、該パターフェイス112は、パターヘッド100のヒールからトウ方向に向けて伸びる第三の組、領域、帯域の溝126((以下に、限定することを意図せずに、便宜上、「第三の組の溝」と称する)を含むことができる。該第三の組の溝126は、垂直方向121に向けて第一及び第二の組の溝120、122から隔てることができる。
[0030] 図3及び図4を更に参照すると、第二の組の溝122は、第一の組の溝120と第三の組の溝126との間にて垂直方向に配置することができる。第一の組の溝120、第二の組の溝122及び第三の組の溝126は、パターフェイス112に沿って互いに平行に伸びることができる。第一の組の溝120は、パターヘッド100の重心の全体として下方にてパターフェイス112の下方領域130内に配置することができる。第三の組の溝126は、パターヘッド100の重心の全体として上方にてパターフェイス112の上方領域134内に配置することができる。第二の組の溝122は、パターヘッド100の重心の全体として正面側にてパターフェイス112の中間領域132内に配置することができる。下方領域130は、パターフェイス112の下方の3分の1部分内にてパターヘッド100の底面104の近くに配置し、上方領域134は、パターフェイス112の上方の3分の1部分内にてパターヘッド100の上面102の近くに配置し、中間領域132は、パターフェイス112の中間の3分の1部分内にて下方領域130と上方領域134との間に配置することができる。
[0031] 図5を参照すると、パターフェイス112の中間領域132の拡大断面図が示されている。該中間領域132は、図5に示したように、第二の組の溝122を含むことができる。第二の組の溝122は、パターヘッド100がパターフェイス112の垂直方向中心及び/又はパターヘッド100の重心の近くにてボールを打つとき、全体として、ゴルフボールと接触する。図5において、第二の組の溝122は、パターフェイス112に形成された5つの溝を含む。該第二の組の溝122は、5つより多く又は少ない数の溝を含むことができることが理解されよう。例えば、一部の実施の形態において、第二の組の溝122は、単一の溝を含む。一部の実施の形態において、第二の組の溝122は、2つ又はより多くの溝を含む。
[0032] 図5を更に参照すると、第二の組の溝122の溝138の各々は、対称の断面形態又は形状を有することができる。図5において、一例としての実施の形態の溝138の各々は、上方すなわち第一の壁面140と、下方すなわち第二の壁面142とを含み、これらの壁面の各々は、パターヘッド100内に内方に伸び、かつ溝138の底部に配置された実質的に平坦な面144により互いに接続されている、実質的に四角形の断面形態を有している。上方壁面140及び下方壁面142は、パターフェイス112及び実質的に平坦な面144に対して実質的に垂直に(例えば、90°の角度にて)伸びることができる。一部の実施の形態において、上方壁面140及び下方壁面142は、パターヘッド100内まで内方に伸びるとき、互いに向けて伸びることができる。一部の実施の形態において、上方壁面140及び下方壁面142は、約10°のドラフト角度を有し、また、それぞれの溝138の各々の深さは、約0.338mm(0.015インチ)である。図5に示した溝138は、実質的に四角形の断面形態を有するが、一部の実施の形態において、該溝138は、上方壁面140及び下方壁面142がそれぞれの溝138の底部にて交差するV字形の断面形態又は平行四辺形の形態のような、その他の対称の断面形態を有することができる。
[0023] 図5を続けて参照すると、第二の組の溝122の隣接する溝138は、パターフェイス112の中間面146により互いに分離させることができる。該中間面146は、平坦でかつパターフェイス112と面一とすることができる。上方壁面140とそれぞれの上方の隣接する中間面146が交差することは、上方すなわち第一の溝端縁148aを形成し、下方壁面140とそれぞれの下方の隣接する中間面146が交差することは、溝138の各々に対する下方すなわち第二の溝端縁148bを形成する。上方及び下方溝端縁148a、148bは、全体として同一の角度又は鋭さを有する。上方壁面140、下方壁面142及び中間面146が交差することにより規定された、実質的に直角度(例えば、約75から105°)により、上方及び下方溝端縁148a、148bを形成することができる。上方端縁148a及び下方端縁148bは、パターフェイス112と面一とすることができる。上方端縁148a及び下方端縁148bの間の距離は、全体として、溝138の各々の開口又は入口を規定し、該開口又は入口の寸法は、パターフェイス112の垂直方向119に向けたそれぞれの中間面146よりも大きい。
[0034] 図9を参照すると、パターフェイス112の垂直方向中心及び/又はパターヘッド100の重心近くにてゴルフボール149を打ったとき、中間面146は、全体として、溝端縁148a、148bにより発進角度をほとんど又は全く調節することを必要とせずに、ボール149の後側を打ち、それは、パターフェイス112の静止ロフト角度は、ボールに対して望む発進角度を付与し、ボール149が望む経路内にて前方に転がるようにし、パターフェイス112の静止ロフト角度は、ボール149を該ボールが安着するへこみから外に僅かに持ち上げるからである。パターヘッド100の中間領域132にてボールを打つが、パターフェイス112は望む静止ロフト角度の前方又は後方にて角度が付けられる程度にて、上方及び下方溝端縁148a、148bの1つ又はより多くは、ボール149の外面と係合し、これによりボール149の発進角度を変更し、ボール149に対するパターフェイス112の整合外れに反作用し、その結果、パッティングパフォーマンが改良されることになる。発進角度は、ゴルフボールがパターフェイス112と接触した後、空中に投げ出されるときの角度であり、全体として、ゴルフボールの飛行経路と水平面又は地面の平面との間にて測定される。動的ロフト角度及び静止ロフト角度の双方は、発進角度に影響を与える。動的ロフト角度は、全体として、静止ロフト角度と、シャフトの傾きと、ゴルファがスイングし、かつボールにアドレスするときのクラブヘッドの経路との組合わせである。静止ロフト角度は、全体として、パターフェイスが位置する平面により規定される。その他の多数のファクタもまた、発進角度に影響を与える。
[0035] 図6を参照すると、パターフェイスヘッド112の下方領域130の拡大断面図が示されている。該下方領域130は、図6に示したように、第一の組の溝120を含むことができる。該第一の組の溝122は、全体として、パターヘッド100がパターフェイス112の垂直方向中心及び/又はパターヘッド100の重心の下方にてボールを打つとき、ゴルフボールと接触する。図6において、第一の組の溝120は、パターフェイス112に形成された4つの溝を含む。第一の組の溝120は、4つより多くの又は少ない数の溝を含むことができることを理解すべきである。例えば、一部の実施形態において、第一の組の溝120は、単一の溝を含む。一部の形態において、第一の組の溝120は、2つ又はより多数の溝を含む。
[0036] 図5及び図6を参照すると、第一の組の溝120及び第二の組の溝122は、異なる断面形態を有している。特に、図6を参照すると、第一の組の溝120の溝150の各々は、非対称の断面形態又は形状を有している。図6において、一例としての実施の形態の溝150の各々は、パターヘッド100内まで上方に伸びている。溝150の各々は、下方すなわち第一の壁面152と、上方すなわち第二の壁面154とにより規定することができる。該下方壁面152は、パターフェイス112に対する第一の角度α1にて上方にかつパターヘッド100内に内方に伸びることができ、また、上方壁面154は、第一の角度α1よりも大きい、パターフェイス112に対する第二の角度α2にてパターヘッド100内に内方に伸びることができる。該上方壁面154は、第二の角度α2にてパターヘッド100内に下方に伸びることができる。一部の実施の形態において、第一の角度α1は、約20°であり、第二の角度α2は、約80°であるが、その他の角度とすることも考えられる。下方及び上方壁面152、154は、パターヘッド100内に内方に伸びるとき、互いに向けて伸びることができ、また、それぞれの溝150の底部155にて交差することができる。
[0037] 図6を続けて参照すると、第一の組の溝120の隣接する溝150は、中間面156により互いに分離させることができる。該中間面156は、平坦としかつパターフェイス112と面一とすることができる。上方壁面154とそれぞれの上方の隣接する中間面156との交差は、上方すなわち第一の溝端縁158aを形成することができ、また、下方壁面152とそれぞれの下方の隣接する中間面156との交差は、溝150の各々に対する下方すなわち第二の溝端縁158bを形成することができる。該上方溝端縁158aは、上方壁面154及び下方壁面152のそれぞれの異なる角度α2、α1に基づいて下方溝端縁158bよりも鋭い(例えば、鋭角な角度を有する)。上方溝端縁158aは、上方壁面154と中間面156との交差により規定された、実質的に直角の角度(例えば、約75°から105°の角度)により形成することができる一方、下方溝端縁158bは、下方壁面152と中間面156との交差より規定された実質的に鈍角な角度(すなわち、90°以上の角度)により形成することができる。上方及び下方端縁158a、158bは、パターフェイス112と面一とすることができる。上方端縁158aと下方端縁158bとの間の距離は、全体として、溝150の各々の開口又は入口を規定し、該開口又は入口の寸法は、パターフェイス112の垂直方向119に向けたそれぞれの中間面156よりも大きい。
[0038] 一般に、パターフェイスの垂直方向中心及び/又はパターヘッドの重心の下方にてゴルフボールを打ったとき、シャフト及びパターフェイスは、典型的に、後方に傾き、より大きいロフトが打撃点に作用するようにする。この増大したロフトのため、典型的に、ボールは、望むよりも高く発進され、距離及び正確さが低下することになる。図6及び図10を参照すると、第一の組の溝120は、この望まないロフト角度を調節して、パターのパフォーマンスを改良する。パターフェイス112が後方に傾き、パターフェイス112の下方領域120がゴルフボール149を打ったとき、上方及び下方溝端縁158a、158bの1つ又はより多くはボール149の外面と係合する。下方溝端縁158bに対する上方溝端縁158aのより鋭角な角度は、ボール149の発進角度を小さくし、これによりボールを空中に発進することなく、ボールをグリーン表面の上部まで持ち上げ、その結果、跳ね上げ及びパックスピンが減少し、かつパッティングパファーマンが改良される。
[0039] 図7を参照すると、パターフェイス112の上方領域134の拡大断面図が示されている。図7に示したように、上方領域134は、第三の組の溝126を含むことができる。該第三の組の溝126は、パターヘッド100がパターフェイス112の垂直方向中心及び/又はパターヘッド100の重心の上方にてボールを打ったとき、全体として、ゴルフボールと接触する。図7において、第三の組の溝126は、パターフェイス112に形成された4つの溝を含む。第三の組の溝126は、より多く又は少ない数の溝を含むことができることを理解すべきである。例えば、一部の実施の形態において、該第三の組の溝126は、単一の溝を含む。一部の形態において、第三の組の溝126は、2つ又はより多くの溝を含む。
[0040] 図5及び図7を参照すると、第二及び第三の組の溝122、126は、異なる断面形態を有する。図4−7を参照すると、第一及び第三の組の溝120、126は、パターヘッド100のソール104に対して平行に向き決めされた平面の周りにて対称であり、該平面は、ヒールからトウ方向119に伸びて、かつ第二の組の溝122を二等分する。図7を特に参照すると、第三の組の溝126の溝160の各々は、非対称の断面形態又は形状を有している。図7において、一例としての実施の形態の溝160の各々は、パターヘッド100内まで下方に伸びている。溝160の各々は、上方すなわち第一の壁面162と、下方すなわち第二の壁面164とにより規定することができる。該上方壁面162は、パターフェイス112に対して第一の角度α3にて下方にかつ内方にパターヘッド100内に伸び、また、下方壁面164は、第一の角度α3よりも大きい、パターフェイス112に対する第二の角度α4にてパターヘッド100内に内方に伸びることができる。該下方壁面164は、第二の角度α4にてパターヘッド100内に上方に伸びることができる。一部の実施の形態において、第一の角度α3は、約20°であり、第二の角度α4は、約80°であるが、その他の角度とすることが考えられる。上方壁面及び下方壁面162、164は、パターヘッド100内に内方に伸びるとき、互いに向けて伸びることができ、また、それぞれの溝160の底部165にて交差することができる。
[0041] 図7を続けて参照すると、第三の組の溝126の隣接する溝160は、中間面166により互いに分離させることができる。該中間面166は、平坦でかつパターフェイス166と面一であるようにすることができる。上方壁面162とそれぞれの上方に隣接する中間面166とが交差することは、上方すなわち第一の溝端縁168aを形成し、下方壁面164とそれぞれの下方に隣接する中間面166とが交差することは、溝166の各々に対して下方すなわち第二の溝端縁168bを形成することができる。下方溝端縁168bは、下方及び上方壁面164、162のそれぞれの異なる角度α4、α3に基づいて、上方溝端縁168aよりも鋭い(例えば、より鋭角な角度を有する)。上方溝端縁168aは、上方壁面162と中間面166とが交差することにより規定された実質的に鈍角な角度(例えば、90°より大きい)により形成することができる一方、下方溝端縁168bは、下方壁面164と中間面166とが交差することにより規定された実質的に直角の角度(例えば、約75°から105°)により形成することができる。上方端縁及び下方端縁168a、168bは、パターフェイス112と面一とすることができる。上方端縁及び下方端縁168a、168bの間の距離は、全体として、パターフェイス112の垂直方向に向けたそれぞれの中間面166の寸法よりも大きくすることのできる、溝160の各々の開口又は入口を全体として規定する。
[0042] 一般に、パターフェイスの垂直方向中心及び/又はパターヘッドの重心の上方にてゴルフボールを打ったとき、シャフト及びパターフェイスは、典型的に、前方に傾き、ボールの打撃点にて減少したロフトが作用するようにする。この減少したロフトのため、典型的に、ボールは地面内に発進され、その結果、距離及び正確さが低下する。図7及び図11を参照すると、第三の組の溝126は、この望ましくないロフト角度を調節し、パターパファーマンスを改良する。パターフェイス112が前方に傾き、パターフェイス112の上方領域126がゴルフボール149を打撃したとき、上方及び下方溝領域156a、156bの1つ又はより多くは、ボール149の外面と係合する。上方溝端縁168aに対する下方溝端縁168aの鋭角な角度は、ボール149の発進角度を大きくし、これによりボールを地面内に押し込むのではなく、ボールをグリーン表面の上部まで持ち上げ、その結果、パターパフォーマンスは改良される。
[0043] 図1−図12を参照すると、パターヘッド100は、金属材料、非金属材料又は両者の組合わせを含む、各種の材料にて形成することができる。一部の実施の形態において、パターヘッド100は、鍛造鋼である、303及び/又は304ステンレス鋼のようなステンレス鋼材料にて形成されており、該ステンレス鋼材料は、材料の密度のため、打撃点にてより柔らかい感触を提供する。図1及び図3−11を参照すると、パターヘッド100がパターフェイス挿入体118を含む場合、該挿入体118は、例えば、ポリマーにて形成することができる。ゴルファは、全体として、より柔らかい感触のパターを好み、ポリマー挿入体は、鋼製のフェイス挿入体よりもはるかに柔軟なデュロメータ硬さの測定値を有する。ポリマー挿入体のより柔軟なデュロメータ硬さの測定値は、ボールのドエル時間を長くし、ボールとパターフェイス112との間の摩擦を増加させ、これにより、ボールがいかに迅速にかつ均一に前方への回転を開始するかにより測定されるボールの転がり及び発進状態を改良することになる。一部の実施の形態において、挿入体118は、製造が容易なポリウレタンにて形成することができ、該ポリウレタンは、パターの感触に影響を与える、挿入体118の異なる硬さファクタを製造メーカが選ぶことを許容する。
[0044] 一部の溝パターンの形態において、第一及び第三の組の溝120、126は、第二の組の溝122内に徐々に遷移することができる。例えば、第一及び第三の組の溝120、126の非対称の断面形態は、1つ又はより多くの実質的に四角形の溝を含むことのできる、第二の組の溝122の対称な断面形態に徐々に遷移することができる。換言すれば、第一及び第三の組の溝120、126の断面形態は、これらの溝が第二の組の溝122にアプローチするとき、徐々により対称的となり、このため、第一及び第三の組の溝120、126は、第二の組の溝122内に徐々に遷移する。第一及び第三の組の溝120、126が第二の組の溝122内に徐々に遷移することにより、溝パターン116は、パターフェイス112の垂直方向119に沿って連続的に変化する発進角度の調節を行う。
[0045] それぞれ図12及び図13に示した溝パターン216、316を除いて、図12及び図13に示したパターヘッド200、300は、図1−図11に示したパターヘッド100と同一の特徴及び機能を備えている。従って、パターヘッド100の特徴及び機能に関する上記の説明は、図12及び図13に示したパターヘッド200、300にも等しく当て嵌まるが、溝パターン216、316に関して以下に説明する点は除く。
[0046] 図12を参照すると、溝パターン216は、第一の組、領域又は帯域の溝220(以下にて、限定することを意図することなく、便宜上、「第一の組の溝」と称する)と、第二の組、領域又は帯域の溝222(以下にて、限定することを意図することなく、便宜上、「第二の組の溝」と称する)と、第三の組、領域又は帯域の溝226(以下にて、限定することを意図することなく、便宜上、「第三の組の溝」と称する)とを含む。図12において、第一の組の溝220は、パターフェイス212に形成された7つの溝を含み、第二の組の溝222は、パターフェイス212に形成された単一の溝を含み、第三の組の溝226は、パターフェイス212に形成された7つの溝を含む。第一の組の溝220、第二の組の溝222及び第三の組の溝226は、図12に示した溝よりも多くの又は少ない数の溝を含むことが可能であることを理解すべきである。第一の組の溝220は、パターフェイス212からパターヘッド200内に傾斜を付けて伸び、第三の組の溝226は、パターフェイス212からパターヘッド200内に下方傾斜を付けて伸びることができる。該溝パターン216は、パターフェイス212の垂直方向外形部に沿って第一の組の溝220及び第三の組の溝226内にて溝角度のピッチが徐々に変化するようにしてもよい。第一の組の溝220及び第三の組の溝226内の溝の各々は、独自のピッチを有することができる。パターフェイス212の垂直外形部に沿った第一の組の溝220及び第三の組の溝226内にて隣接する溝のピッチは、約5°のようなΔ量だけ相違するようにしてもよい。該Δ量は、パターに依存して、変更可能である。
[0047] 図12を更に参照すると、第一の組の溝220の溝250の各々は、非対称の断面形態又は形状を有することができる。図12において、溝250の各々は、パターヘッド200内に上方に伸びることができる。溝250の各々は、下方すなわち第一の壁面252と、上方すなわち第二の壁面254とにより規定することができ、該壁面は、互いに交差してそれぞれの溝250の底部又は頂部255を規定する。下方壁面252は、パターフェイス212からパター200内に傾斜角度又はピッチにて伸びることができ、また、上方壁面254は、パターフェイス212に対して実質的に垂直に、パターヘッド200内に伸びることができる。第一の組の溝220は、パターフェイス212の垂直方向外形部に沿って下方壁面252の傾斜角度及びピッチの点にて徐々に変化する一方、上方壁面254の角度又はピッチは、実質的に同一とすることができる。換言すれば、下方壁面252の各々は、隣接する下方壁面252からΔ量だけ相違する独自のピッチを有することができる。一部の配置において、隣接する下方壁面252のピッチは、約5°のΔ量だけ相違するようにしてもよい。該Δ量は、パターに依存して、変更可能である。図12において、第一の組の溝250aの最下方溝250aは、第一の傾斜ピッチを有する下方壁面252aを含み、第一の組の溝220の最上方溝250bは、第一の傾斜ピッチよりも小さい第二の傾斜ピッチを有する下方壁面252bを含み、最下方溝250aと最上方溝250bとの間に配置された溝250の下方壁面252は、パターフェイス212の垂直方向外形部に沿って最下方溝250aから最上方溝250bまでその傾斜したピッチが徐々に減少する。
[0048] 図12を更に参照すると、第三の組の溝226の溝260の各々は、非対称の断面形態又は形状を有することができる。図12において、第三の組の溝226の溝260の各々は、パターヘッド200内に下方に伸びることができる。溝200の各々は、上方すなわち第一の壁面262と、下方すなわち第二の壁面264とにより規定することができ、これらの壁面は、互いに交差して、それぞれの溝260の底部又は頂部265を規定することができる。該上方壁面262は、パターフェイス212からパターヘッド200内に下降角度又はピッチにて伸びることができ、また、下方壁面264は、パターフェイス212に対して実質的な垂直にパターヘッド200内に伸びることができる。第三の組の溝226は、パターフェイス212の垂直方向外形部に沿って上方壁面262の下降角度又はピッチが徐々に変化する一方、下方壁面264の角度又はピッチは、実質的に同一とすることができる。換言すれば、上方壁面262の各々は、隣接する上方壁面262からΔ量だけ相違する独自のピッチを有することができる。一部の配置において、隣接する上方壁面262のピッチは、約5°のΔ量だけ相違するようにしてもよい。該Δ量は、パターに依存して変更可能である。図12において、第三の組の溝226の最下方溝260aは、第一の下降ピッチを有する上方壁面262aを含み、最上方溝260bは、第一の下降ピッチよりも大きい第二の下方ピッチを有する上方壁面262bを含み、最下方溝260aと最上方溝260bとの間に配置された溝260の上方壁面262は、パターフェイス212の垂直方向外形部に沿って最下方溝260aから最上方溝260bまでその下降ピッチが徐々に増加する。
[0049] 図12を続けて参照すると、第二の組の溝222は、全体として、パターヘッド200の垂直方向重心(質量中心)の近くにてパターフェイス212の中心に配置されており、この位置において、ボールを打つ状態は理想的である。図12において、第二の組の溝222内に単一の溝238が含まれているが、第二の組の溝内に1つ又はより多くの数の溝を含めることができる。第二の組の溝222の1つ又はより多くの溝は、パターフェイス212の中心の近くに配置し、また、図12に示したように、パターフェイス212に対して実質的に垂直に向き決めした上方及び下方壁面を含むことができる。該上方及び下方壁面は、図12に示したように、それぞれの溝の底部に配置され、かつパターフェイス212に対して実質的に平行に向き決めした実質的に平坦な面により互いに接続することができる。
[0050] 図13を参照すると、溝パターン316は、第一の組、領域又は帯域の溝320(以下にて、限定することを意図することなく、便宜上、「第一の組の溝」と称する)と、第二の組、領域又は帯域の溝322(以下にて、限定することを意図することなく、便宜上、「第二の組の溝」と称する)と、第三の組、領域又は帯域の溝326(以下にて、限定することを意図することなく、便宜上、「第三の組の溝」と称する)とを含む。図13において、第一の組の溝320は、パターフェイス312に形成された7つの溝を含み、第二の組の溝322は、パターフェイス312に形成された単一の溝を含み、第三の組の溝326は、パターフェイス312に形成された7つの溝を含む。第一の組の溝320、第二の組の溝322及び第三の組の溝326は、図12に示した溝よりも多くの又は少ない数の溝を含むことが可能であることを理解すべきである。第一の組の溝320は、パターフェイス312からパターヘッド300内に傾斜を付けて伸び、第三の組の溝326は、パターフェイス312からパターヘッド300内に下方傾斜を付けて伸びることができる。該溝パターン316は、パターフェイス312の垂直方向外形部に沿って第一の組の溝320及び第三の組の溝326内にて溝角度のピッチが徐々に変化するようにすることができる。第一の組の溝320及び第三の組の溝326内の溝の各々は、独自のピッチを有するようにしてもよい。パターフェイス312の垂直方向外形部に沿った第一の組の溝320及び第三の組の溝326内の隣接する溝のピッチは、約5°のΔ量だけ相違するようにしてもよい。該Δ量は、パターに依存して、変更可能である。
[0051] 図13を更に参照すると、第一の組の溝320の溝350の各々は、非対称の断面形態又は形状を有することができる。図13において、溝350の各々は、パターヘッド300内に上方に伸びることができる。溝350の各々は、下方すなわち第一の壁面362と、上方すなわち第二の壁面364とにより規定し、これらの壁面は、互いに交差してそれぞれの溝360の底部又は頂部を規定することができる。下方壁面352は、パター面312からパターヘッド300内まで傾斜角度又はピッチにて伸び、また、上方壁面354は、パターフェイス312に対して実質的に垂直にパターヘッド300内に伸びることができる。第一の組の溝320は、パターフェイス312の垂直方向外形部に沿って下方壁面352の傾斜角度又はピッチが徐々に変化する一方、上方壁面354の角度又はピッチは、実質的に同一であるようにすることができる。換言すれば、下方壁面352の各々は、隣接する下方壁面352からΔ量だけ相違する独自のピッチを有するようにしてもよい。一部の配置において、隣接する下方壁面352のピッチは、約5°Δ量だけ相違するようにしてもよい。該Δ量は、パターに依存して、変更可能である。図13において、第一の組の溝320の最下方溝350bは、第一の傾斜ピッチを有する下方壁面352aを含み、第一の組の溝320の最上方溝350aは、第一の傾斜ピッチよりも大きい第二の傾斜ピッチを有する下方壁面352bを含み、最下方溝350aと最上方溝350bとの間に配置された溝350の下方壁面352は、パターフェイス312の垂直方向外形部に沿って最下方溝350aから最上方溝350bまでその傾斜したピッチが徐々に増加する。
[0052] 図13を続けて参照すると、第三の組の溝326の溝360の各々は、非対称の断面形態又は形状を有することができる。図13において、第三の組の溝326の溝360の各々は、パターヘッド300内に下方に伸びることができる。溝360の各々は、上方すなわち第一の壁面362と、下方すなわち第二の壁面364とにより規定し、これらの壁面は、互いに交差してそれぞれの溝360の底部又は頂部を規定することができる。上方壁面362は、パター面312からパターヘッド300内まで下降角度又はピッチにて伸び、また、下方壁面364は、パターフェイス312に対して実質的に垂直にパターヘッド300内に伸びることができる。第三の組の溝326は、パターフェイス312の垂直方向外形部に沿って上方壁面362の下降角度又はピッチが徐々に変化する一方、下方壁面364の角度又はピッチは、実質的に同一であるようにしてもよい。換言すれば、上方壁面362の各々は、隣接する上方壁面362からΔ量だけ相違する独自のピッチを有するようにしてもよい。一部の配置において、隣接する上方壁面362のピッチは、約5°Δ量だけ相違するようにすることができる。該Δ量は、パターに依存して、変更可能である。図13において、第三の組の溝326の最下方溝360aは、第一の下降ピッチを有する上方壁面362aを含み、最上方溝360bは、第一の下降ピッチよりも小さい第二の下降ピッチを有する上方壁面362bを含み、最下方溝360aと最上方溝360bとの間に配置された溝360の上方壁面362は、パターフェイス312の垂直方向外形部に沿って最下方溝360aから最上方溝360bまでその下降ピッチが徐々に減少する。
[0053] 図13を続けて参照すると、第二の組の溝322は、全体として、パターヘッド300の垂直方向重心(質量中心)の近くにてパターフェイス312の中心に配置されており、この位置において、ボールを打つ状態は理想的である。図13において、第二の組の溝322内に単一の溝338が含まれているが、第二の組の溝322内に1つ又はより多くの数の溝を含めることができる。第二の組の溝322の1つ又はより多くの溝は、パターフェイス312の中心の近くに配置し、また、図13に示したように、パターフェイス312に対して実質的に垂直に向き決めした上方及び下方壁面を含むことができる。該上方及び下方壁面は、図13に示したように、それぞれの溝の底部に配置され、かつパターフェイス312に対して実質的に平行に向き決めした実質的に平坦な面により互いに接続することができる。
[0054] 図12及び図13を参照すると、それぞれの溝のピッチ又はピッチ角度がパターフェイス212、312の垂直方向外形に沿って変化するため、第一の組の溝220、320及び第三の組の溝226、326内の溝の深さは、パターフェイス212、312の垂直方向外形に沿って変化することができる。図12の溝パターン216は、第二の組の溝222に隣接かるパターフェイス212の中心近くにて第一の組の溝220及び第三の組の溝226内にてより深い溝を含む。これに反して、図13の溝パターン316は、第二の組の溝322の末端側にてパターフェイス312の上部及び底部近くにて第一の組の溝320及び第三の組の溝326内のより深い溝を含む。
[0055] 図12及び図13を続けて参照すると、パターフェイス212、312の垂直方向外形に沿って溝パターン216、316のピッチがそれぞれ徐々に変化することは、溝の端縁がボールの表面と相互作用する程度に影響を与える。ボールの転がり性能に影響を与えるために必要とされる相互作用の程度は、ボールを打つ位置がパターヘッドの質量中心に近ければ近いほど低下し、それは、上述したように、ボールを打つ位置がパターヘッドの質量中心の近くであるとき、ボールは、全体として、パターフェイスの静止ロフトに基づいて効率的な仕方にて前方への転がりを実現するからである。該溝パターン216、316は、全体として、ボールを打つ位置がパターヘッド200、300のフェイス212、312に沿っていかに偏奇しているかに依存して、調節された溝効果を作り出す。ボールを打つ位置がパターヘッド200、300のフェイス212、312に沿って垂直方向に偏奇していればいるほど、溝パターン216、316がボールに与える影響は増して、ボールの質量中心がパターの質量中心と非整合状態となる程度を補償し得るようにする。
[0056] 上記の説明は、広く妥当するものである。本明細書にて開示した着想は、本明細書にて記載し且つ図示したパターに加えて、多数の異なる様式及び型式のパターに適用可能である。任意の実施の形態の説明は、単に一例であり、請求の範囲を含んで、本発明の範囲をこれらの実施の形態に限定することを意図するものではない。換言すれば、本発明の一例としての実施の形態は、本明細書にて詳細に説明したが、本発明の着想は、その他の各種の形態にて実施し、かつ採用することができ、添付した請求の範囲は、先行技術により限定される場合を除いて、かかる変更例を包含するものであることを理解すべきである。
[0057] 上記の記述は、説明の目的のためにのみ記載したものであり、本発明を本明細にて開示した形態に限定することを意図するものではない。例えば、上記の説明は、第一、第二及び第三の組の溝に言及している。第一、第二及び第三という識別語は、便宜の目的のため、上記の説明にて1つの組の溝を別の組のものと識別するために使用したものである。以下の請求の範囲において、第一、第二及び第三という識別語は、上記に説明した組みの溝の任意の1つを特定するために使用するものである。別の例として、本開示を簡略化するため、本発明の各種の特徴を1つ又はより多くの局面、実施の形態又は形態の点にてグループ化した。しかし、本発明の特定の局面、実施の形態又は形態の各種の特徴は、代替的な局面、実施の形態又は形態にて組み合わせることが可能であることを理解すべきである。更に、以下の請求の範囲は、その内容の全体を参考として引用し、本明細書に含めてあり、請求項の各々は、本発明の別個の実施の形態としてそれ自体、独立するものである。
[0058] 本明細書にて使用した、「少なくとも1つ」、「1つ又はより多くの」及び「及び/又は」という語句は、接続詞及び離接的接続詞の双方の意味の開放的な表現である。本明細書にて使用した単数の物の語句は、その物の1つ又はより多くを意味するものである。従って、「単数」、「1つ又はより多くの」及び「少なくとも1つ」という語句は、互換可能に使用することができる。全ての方向の表現(例えば、基端側、末端側、上方、下方、上側、下側、左側、右側、横方向、長手方向、前側、後側、上部、底部、上、下、水平方向、半径方向、軸方向、時計回り、反時計回り)は、本発明の理解を促進する識別の目的のためにのみ使用したものであり、特に、本発明の位置、向き又は用途に関して限定を付するものではない。接続の言及(例えば、装着した、結合した、接続した、接合した)は、広義に解釈されるべきであり、要素の一つの集合体の間の中間的部材及び別段の記載がない限り、要素間の相対的な動きを含むものである。従って、接続の言及は、必ずしも、2つの要素が直接的に接続されたこと、及び互いに固定された状態にあることを意味するものではない。識別の言及(例えば、主要な、二次的な、第一の、第二の、第三の、第四の等)は、重要性又は優先順位を意味するものではなく、1つの特徴を別のものから識別するために使用したものである。図面は図示する目的のためにのみ掲げたものであり、添付した図面における寸法、位置、順序及び相対的な寸法は変更が可能である。