JP2017080119A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】前立腺の診断において好適な装置を提供する。【解決手段】断層画像形成部20は、前立腺を含む超音波の断層画像を形成する。輪郭設定部52は、前立腺の形状を模擬した輪郭設定パーツを断層画像内に設定する。マスク設定部54は、断層画像内にマスキングパーツを設定する。マスク設定部54は、マスキングパーツとして、例えば、前立腺内の移行域の形状を模擬した移行域パーツを設定する。弾性画像形成部44は、輪郭設定パーツに囲まれた前立腺領域からマスキングパーツに囲まれたマスク領域を取り除くことにより得られる対象領域内の弾性情報に基づいて弾性画像を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、超音波診断装置に関し、特に、組織の弾性に係る診断情報を得る技術に関する。
超音波診断装置において、組織の弾性に係る診断情報を得る技術が知られている。例えば、被検体の体表から被検体内の組織を圧迫し、その圧迫により生じる組織のひずみを超音波で計測することにより、組織の弾性に係る診断情報を得るエラストグラフィが知られている。
例えば、特許文献1には、弾性情報と断層画像の輝度情報を用いて、弾性画像のエラーを評価してエラー領域を指定し、弾性画像にエラー情報を表示させ、又は、エラー領域に関する弾性画像を削除する超音波診断装置が記載されている。また、特許文献2には、フリーズ画像の表示状態において、ROI(関心領域)の位置とサイズを変更する超音波診断装置が記載されている。
特許第4817374号公報 特許第5465671号公報
近年になり、前立腺の診断や治療にも超音波診断装置が積極的に利用されている。例えば前立腺がんの早期発見と治療において、超音波診断装置のエラストグラフィは極めて重要な診断情報となる。
前立腺の内部構造は、組織学的にみて主に移行域(TZ)と辺縁領域(PZ)と中心領域(CZ)に分類される。これらのうち、特に辺縁領域(PZ)におけるがんの発生頻度が比較的高いといわれている。そのため、エラストグラフィにより、例えば辺縁領域(PZ)内における硬さの分布などを的確に診断できることが望ましい。つまり、硬さの分布から癌などの病変を確認できることが望ましい。
本発明は、上述した背景技術に鑑みて成されたものであり、その目的は、前立腺の診断において好適な装置を提供することにある。
上記目的にかなう好適な超音波診断装置は、超音波を送受するプローブと、前記プローブを制御することにより、前立腺を含む断面内から超音波の受信信号を得る送受信部と、前記受信信号に基づいて前立腺を含む超音波の断層画像を形成する断層画像形成部と、前立腺の形状を模擬した輪郭パーツを前記断層画像内に設定する輪郭設定部と、前記断層画像内にマスキングパーツを設定するマスク設定部と、前記輪郭パーツに囲まれた前立腺領域から前記マスキングパーツに囲まれたマスク領域を取り除くことにより得られる対象領域内の弾性情報に基づいて弾性画像を形成する弾性画像形成部と、を有することを特徴とする。
前立腺の内部構造は、組織学的にみて主に移行域(TZ)と辺縁領域(PZ)と中心領域(CZ)に分類される。これらのうち、特に辺縁領域におけるがんの発生頻度が比較的高い。そのため、例えば辺縁領域内における硬さの分布などを的確に診断できることが望ましい。例えば、硬さの分布から、癌などの病変の早期発見が期待される。ところが、前立腺の移行域と辺縁領域と中心領域は、互いに組織性状が異なるため硬さも異なる。特に辺縁領域に比べて移行域は肥大等の影響により硬さが変化するとされる。そのため、例えば、辺縁領域内における硬さの分布を確認したいにも関わらず移行域の硬さの情報が混在してしまうと、辺縁領域の硬さの分布が移行域の硬さの影響を受けてしまう。
上記超音波診断装置では、輪郭パーツに囲まれた前立腺領域からマスキングパーツに囲まれたマスク領域を取り除くことにより得られる対象領域内の弾性情報に基づいて弾性画像が形成される。したがって、例えば、辺縁領域の硬さの分布を弾性画像で診断したい場合に、辺縁領域とは組織性状が異なる移行域などの部位をマスキングパーツで取り除くことにより、移行域などの影響が低減された、望ましくは、移行域などの影響が除去された状態で、辺縁領域に関する弾性画像を得ることができる。これにより、例えば、辺縁領域の硬さの分布などの診断の精度が高められる。
望ましい具体例において、前記マスク設定部は、前記マスキングパーツとして、前立腺内の移行域の形状を模擬した移行域パーツを前記断層画像内に設定する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記マスク設定部は、前立腺容量に対する移行域容量の比率である容量比と、前記断層画像内に前立腺の輪郭に合わせて設定された前記輪郭パーツの大きさと、に基づいて、前記移行域パーツの大きさを決定する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記マスク設定部は、前記マスキングパーツとして、ユーザにより位置と大きさを指定された任意パーツを前記断層画像内に設定する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記弾性画像形成部は、前記対象領域内の弾性情報に基づいて、前記マスク領域が取り除かれた前記前立腺領域内における組織の硬さの分布を視覚的に示した前記弾性画像を形成する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記超音波診断装置は、前立腺を含む前記断面内を前記輪郭パーツと前記移行域パーツにより複数の測定領域に分割し、各測定領域ごとにせん断波を送波する動的な弾性測定により複数の測定領域から動的な弾性測定結果を得る、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記超音波診断装置は、前立腺を含む前記断面内を、前記移行域パーツ内の左側の領域Aと、前記移行域パーツ内の右側の領域Bと、前記移行域パーツの外側で前記輪郭パーツ内の左側の領域Cと、前記移行域パーツの外側で前記輪郭パーツ内の右側の領域Dの4領域に分割し、それら4領域で測定される動的な弾性測定結果を表示する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記超音波診断装置は、前立腺領域からマスク領域を取り除いた前記対象領域内を複数の微小領域に分割し、前記弾性情報に基づく組織の硬さが注目範囲内にある1又は複数の注目微小領域を特定し、注目微小領域における組織の硬さを視覚的に示した表示画像を形成する、ことを特徴とする。
本発明により、前立腺の診断において好適な装置が提供される。例えば、本発明の好適な態様によれば、前立腺の辺縁領域の硬さの分布を弾性画像で診断したい場合に、辺縁領域とは組織性状が異なる移行域などの部位をマスキングパーツで取り除くことにより、移行域などの影響が低減された、望ましくは、移行域などの影響が除去された状態で、辺縁領域に関する弾性画像を得ることができる。
本発明の実施において好適な超音波診断装置の全体構成を示す図である。 経直プローブの具体例を示す図である。 前立腺の診断における表示画像の具体例を示す図である。 領域設定部による対象領域の設定例を説明するための図である。 動的エラストを併用する診断における対象領域の具体例を示す図である。 動的エラストを併用する診断における表示画像の具体例を示す図である。 各微小領域ごとの評価を説明するための図である。 特定微小領域の硬さの表示例1を示す図である。 特定微小領域の硬さの表示例2を示す図である。
図1は、本発明の実施において好適な超音波診断装置の全体構成を示す図である。プローブ10は、例えば生体などの被検体に対して超音波を送受する超音波探触子である。プローブ10は、各々が超音波を送受または送波する複数の振動素子を備えており、複数の振動素子が送信部12により送信制御されて送信ビームが形成される。
また、プローブ10が備える複数の振動素子が、被検体内から超音波を受波し、これにより得られた受波信号が受信部14へ出力され、受信部14が受波信号に基づいて受信ビームを形成し、受信ビームに沿って受信データ(例えばRF信号データ)が収集される。
プローブ10は、被検体内の断面からフレームデータを得るための超音波(通常パルス)を送受する機能と、被検体内においてせん断波を発生させる超音波(プッシュパルス)を送波する機能と、せん断波を計測する超音波(トラッキングパルス)を送受する機能を備えている。
フレームデータを得る場合、送信部12は、通常パルスの送信信号をプローブ10が備える複数の振動素子へ出力し、通常パルスの送信ビームを形成して送信ビームを走査するようにプローブ10を送信制御する。また、受信部14は、プローブ10が通常パルスの超音波を送受することにより複数の振動素子から得られる受波信号に対して、整相加算処理等を施すことにより、通常パルスの送信ビームに対応した受信ビームを形成し、受信ビームに沿って受信データ(例えばRF信号データ)を得る。通常パルスの超音波ビーム(送信ビームと受信ビーム)は、被検体の断面内において走査され、その断面内から収集される受信データによりフレームデータが形成される。こうして、複数時相に亘って各時相ごとに次々にフレームデータが得られる。
せん断波を発生させる場合、送信部12は、プッシュパルスの送信信号をプローブ10が備える複数の振動素子へ出力し、プッシュパルスの送信ビームを形成するようにプローブ10を送信制御する。また、せん断波を計測する場合、送信部12は、トラッキングパルスの送信信号をプローブ10が備える複数の振動素子へ出力し、トラッキングパルスの送信ビームを形成するようにプローブ10を送信制御する。そして、受信部14は、プローブ10がトラッキングパルスを送受することにより複数の振動素子から得られる受波信号に対して、整相加算処理等を施すことにより、トラッキングパルスの受信ビームを形成し、受信ビームに沿って受信データ(例えばRF信号データ)を得る。
断層画像形成部20は、受信部14から得られる複数時相のフレームデータに基づいて超音波の断層画像データを形成する。断層画像形成部20は、受信データで構成されるフレームデータに対し、必要に応じて、ゲイン補正、ログ圧縮、検波、輪郭強調、フィルタ処理等の信号処理を行うことにより、断層画像データとして、例えば被検体内の断面におけるBモード画像の画像データを形成する。なお、断層画像形成部20は、複数時相(複数フレーム)の断層画像データを記憶するフレームメモリを備えていることが望ましい。
データ選択部16は、受信部14から得られるデータ(受信データまたは受信データで構成されるフレームデータ)を記憶し、記憶されたデータ群から少なくとも2つ(一組)のデータを選択する。例えば、データ選択部16は、受信部14から時系列順に、すなわち画像のフレームレートに応じて順次生成される複数時相のフレームデータ(例えばアキシャル断面から得られるフレームデータ)を次々に記憶し、記憶されたN時相目のフレームデータ(N)を第1のデータとして選択すると共に、時間的に過去に記憶されたフレームデータ群(N−1,N−2,N−3,・・・,N−M)の中から1つのフレームデータ(X)を選択する。なお、N、M、Xは、フレームデータに付されたインデックス番号(フレーム番号)であり、自然数とする。データ選択部16は、複数時相に亘って各時相ごとに一組のデータを選択する。
変位計測部30は、複数時相に亘って各時相ごとに選択される一組のデータ、つまり互いに異なる時相に対応した2つのデータ(受信データまたは受信データで構成されるフレームデータ)に基づいて、被検体内における組織の変位を計測する。
具体例を説明すると、変位計測部30は、データ選択部16において選択されたフレームデータ(N)とフレームデータ(X)に対して、1次元または2次元の相関演算処理を行うことにより、フレームデータ内つまり断層画像内の各計測点ごとに、その計測点における組織の変位を示す変位ベクトル、すなわち変位の方向と大きさに関する1次元または2次元の変位ベクトルを導出し、これにより、断層画像内の複数の計測点における変位ベクトルの分布を得る。変位ベクトルを導出するにあたっては、例えば、ブロックマッチング法や位相勾配法などが利用される。
ブロックマッチング法においては、フレームデータ内つまり断層画像内が、縦方向に数画素かつ横方向に数画素からなる各ブロックにより、複数のブロックに分けられ、各ブロックごとに、一方のフレームデータ内のブロックに最も類似するブロックが他方のフレームデータ内で探索される。これにより、フレームデータ内の各計測点(各ブロック)ごとに時相間における変位が算出され、例えば2次元の変位ベクトルが得られる。なお、複数のブロックの探索結果を参照して、予測符号化すなわち差分により標本値を決定する処理等を行って、各計測点の変位ベクトルを得るようにしてもよい。
また、位相勾配法においては、フレームデータを構成する受信データから受信信号の波の位相情報を得て、時相間における位相情報の変化から受信信号の波の移動量を算出してフレームデータ内の各計測点の変位を導出することにより、例えば受信ビーム方向の1次元の又はフレームデータ内における二次元の変位ベクトルを得るようにしてもよい。
弾性情報演算部42は、変位計測部30において計測された変位に基づいて、被検体内における組織の歪み又は弾性率を導出する。弾性情報演算部42は、例えば、互いに異なる時相に対応した2つのフレームデータ間で計測された各計測点における変位ベクトルに基づいて、複数の計測点について各計測点ごとに組織の歪みや弾性率を算出する。また、弾性情報演算部42は、複数時相に亘って各時相(各フレーム)ごとに、そのフレーム内の複数の計測点における組織の歪みや弾性率を算出する。
弾性情報演算部42において組織の歪みや弾性率を得る場合には、例えば、プローブ10が被検体に押し当てられ、被検体の体表から被検体内の組織が圧迫され、その圧迫による組織の変位が計測される。つまり、静的な弾性測定が行われる。その際に、例えば、図示省略した圧力センサがプローブ10の送受波面と被検体の体表との間の圧力を検出し、図示省略した応力計測部が、圧力センサにより検出された圧力に基づいて、被検体内部の各計測点における応力を計測してもよい。
弾性情報演算部42は、応力計測部において計測される応力を参照して、各計測点における組織の弾性率を算出する。歪みのデータは、組織の移動量、例えば変位を空間微分することによって算出される。また、弾性率のデータは、応力の変化を歪みの変化で除することによって算出される。
例えば、フレームデータ内つまり断層画像内の位置xについて、変位計測部30により計測された変位をL(x)、応力計測部により計測された応力をP(x)とすると、歪みΔS(x)は、L(x)を空間微分することによって算出することができるから、例えば「ΔS(x)=ΔL(x)/Δx」という式を用いて歪みを算出することができる。また弾性率データのヤング率Ym(x)は「Ym(x)=ΔP(x)/ΔS(x)」という式によって導出することができる。例えば、このヤング率Ymから、フレームデータ内つまり断層画像内の各計測点に相当する組織の弾性率が得られる。なお、ヤング率とは、物体に加えられた単純引張り応力と、引張りに平行に生じる歪みに対する比である。
弾性画像形成部44は、弾性情報演算部42から得られる組織の弾性に係る診断情報、つまり、フレームデータ内における各計測点の弾性情報(組織の歪みや弾性率)を示した弾性フレームデータに基づいて、つまり静的な弾性測定(静的エラスト)により得られる弾性フレームデータに基づいて、被検体の断面内における弾性情報を視覚的に示すための弾性画像(静的弾性画像)を形成する。弾性画像形成部44は、例えば、フレームメモリと画像処理機能とを備えており、弾性情報演算部42から複数の時相に亘って各時相ごとに得られる弾性フレームデータをフレームメモリに記憶し、記憶された弾性フレームデータに基づいて画像処理を行う。
例えば、弾性画像形成部44は、弾性フレームデータの各計測点に対して、その計測点における弾性情報に応じた色相情報を付与する機能を有しており、弾性フレームデータに基づいて、各計測点に対して光の3原色である赤(R)、緑(G)、青(B)を付した弾性画像データを形成する。弾性画像形成部44は、例えば、歪みが大きい弾性データを赤色コードに変換し、歪みが小さい弾性データを青色コードに変換する。こうして、弾性画像形成部44は、複数時相に亘って各時相(各フレーム)ごとに弾性画像データを形成する。
弾性画像形成部44は、断層画像内に設定される輪郭設定パーツとマスキングパーツにより定められる対象領域内から静的な弾性測定により得られる弾性情報に基づいて弾性画像(静的弾性画像データ)を形成する。輪郭設定パーツとマスキングパーツは、領域設定部50により設定される。
領域設定部50は、輪郭設定パーツを設定する輪郭設定部52と、マスキングパーツを設定するマスク設定部54を備えており、弾性画像の対象領域を決定する。領域設定部50による具体的な処理については後に詳述する。
表示画像形成部60は、フレームメモリと画像処理機能と画像選択機能を備えており、例えば、αブレンディングに代表されるような手法により、断層画像と弾性画像の合成画像、断層画像と時間ばらつき画像の合成画像等を形成する。表示画像形成部60は、断層画像形成部20から得られる断層画像データと、弾性画像形成部44から得られる弾性画像データを、フレームメモリに記憶する。
また、表示画像形成部60は、フレームメモリに記憶された断層画像データと弾性画像データとを、必要に応じて合成割合を変更するなどして合成して、合成画像を生成する機能を備えている。合成画像の各画素の輝度情報と色相情報は、それぞれ、合成される画像の各情報を合成割合で加算したものとなる。例えば、断層画像データの輝度情報と弾性画像データの色相情報を、合成割合に応じて重みづけ加算することにより、合成画像の輝度情報と色相情報が得られる。
さらに、表示画像形成部60は、フレームメモリ内の断層画像データと弾性画像データとこれらを合成した合成画像データのうちから表示画像を選択する。こうして選択された表示画像が表示部62に表示される。なお、表示画像形成部60は、制御部80による制御に応じて、例えば、操作デバイス70を介してユーザから入力される画像表示条件等に基づいて、表示画像に対して表示処理を施す機能も備えている。
せん断波速度演算部46は、プローブ10から送波されるプッシュパルスにより被検体内に発生するせん断波の速度情報を導出する。なお、せん断波を利用した弾性測定、つまり動的な弾性測定(動的エラスト)には公知の技術が利用される。せん断波速度演算部46は、せん断波の伝搬速度に基づいて、せん断波が計測された組織の弾性値などを算出してもよい。
表示画像形成部60は、せん断波速度演算部46において得られたせん断波の伝搬速度や組織の弾性値等を表示する表示画像を形成する。その表示画像は、表示部62に表示される。
制御部80は、図1に示す超音波診断装置内を全体的に制御する。その全体的な制御には、操作デバイス70を介して医師や検査技師などのユーザから受け付けた操作も反映される。
図1に示す各構成(符号を付した各部)のうち、送信部12,受信部14,データ選択部16,断層画像形成部20,変位計測部30,弾性情報演算部42,弾性画像形成部44,せん断波速度演算部46,領域設定部50,表示画像形成部60は、それぞれ、例えば電気電子回路やプロセッサ等のハードウェアを利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用される。
表示部62の好適な具体例は液晶ディスプレイ等であり、操作デバイス70は、例えばマウス、キーボード、トラックボール、タッチペン、ジョイスティック等のデバイスで構成される。制御部80は、例えば、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現することができる。
図1の超音波診断装置の全体構成は以上のとおりである。次に、図1の超音波診断装置により実現される機能の具体例について詳述する。なお、図1に示した構成(符号を付された各部)については、以下の説明において図1の符号を利用する。
図1の超音波診断装置は、様々な組織などを診断対象とするが特に前立腺の診断に好適である。前立腺の診断においては、プローブ10として、図2の経直プローブ10Tを利用することが望ましい。
図2は、経直プローブ10Tの具体例を示す図である。図2には、経直プローブ10Tの側面図<A>と、経直プローブ10Tをその先端側から見た正面図<B1>,<B2>が示されている。
経直プローブ10Tは、全体として長細く棒状に形成され、先端部分にコンベックス振動子Cを備えている。コンベックス振動子Cは、円弧状に配列された複数の振動素子で構成され、それら複数の振動素子が送信部12と受信部14により制御されることにより、コンベックス走査面11Cが形成される。
また、経直プローブ10Tはリニア振動子Lも備えている。リニア振動子Lは、経直プローブ10Tの長手方向に沿って直線状に配列された複数の振動素子で構成され、それら複数の振動素子が送信部12と受信部14により制御されることにより、リニア走査面11Lが形成される。
図2に示す具体例において、コンベックス走査面11Cとリニア走査面11Lは、互いに直交関係にあり、例えば、操作デバイス70を介して入力されるユーザからの操作に応じて適宜に切り換えられる。なお、例えばユーザからの操作に応じてコンベックス走査面11Cとリニア走査面11Lのそれぞれの角度を調整できる構成が実現されてもよい。
図3は、前立腺の診断における表示画像の具体例を示す図である。例えば、図3に示す表示画像が表示画像形成部60において形成されて表示部62に表示される。前立腺の診断においては、経直プローブ10T(図2)が先端側から被検者の直腸に挿入される。
図3の表示画面内における断層画像と弾性画像は、コンベックス走査面11C(図2)から得られるフレームデータに基づいて形成される。断層画像形成部20は、コンベックス走査面11C(図2)から得られるフレームデータに基づいて、コンベックス走査面11Cに対応したアキシャル断面の断層画像を形成する。
なお、断層画像形成部20は、リニア走査面11L(図2)から得られるフレームデータに基づいて、リニア走査面11Lに対応したサジタル断面の画像(図3の断層画像とは直交関係にある画像)を形成してもよい。
また、弾性画像形成部44は、コンベックス走査面11C(図2)から得られる弾性情報に基づいて、コンベックス走査面11Cに対応したアキシャル断面の弾性画像を形成する。なお、前立腺が診断対象である場合には、経直プローブ10T(図2)が先端側から被検者の直腸に挿入され、経直プローブ10Tにより直腸側から前立腺が圧迫されて、静的な弾性測定(静的エラスト)により弾性画像(静的弾性画像)が形成される。なお、被検者体内からの圧迫(拍動など)による静的エラストで前立腺の静的弾性画像が形成されてもよい。
弾性画像内には、静的エラストの各計測点ごとに、つまり前立腺内の微小部位ごとに、弾性情報に応じた色相が付与される(配色される)。図1を利用して詳述したように、弾性画像形成部44は、弾性フレームデータの各計測点に対して、その計測点における弾性情報に応じた色相情報を付与する機能を有しており、弾性フレームデータに基づいて、各計測点に対して光の3原色である赤(R)、緑(G)、青(B)を付した弾性画像データを形成する。弾性画像形成部44は、例えば、歪みが大きい弾性データを赤色コードに変換し、歪みが小さい弾性データを青色コードに変換する。
つまり、弾性画像内において、歪みが大きく比較的軟らかい(Soft)部位が赤色を基調とする色で表現され、歪みが小さく比較的硬い(Hard)部位が青色を基調とする色で表現される。図3の表示画像内には、SoftからHardまでの色調を示すカラーバー(CB)が表示されている。
弾性画像形成部44は、弾性画像に設定される関心領域(ROI)内の全域に亘る弾性情報に基づいて弾性画像を形成する機能を備えている。さらに、弾性画像形成部44は、例えば前立腺の診断において、対象領域内の弾性情報に基づいて弾性画像を形成する。つまり、弾性画像形成部44は、断層画像内に設定される輪郭設定パーツとマスキングパーツにより定められる対象領域内の弾性情報に基づいて弾性画像を形成する。
輪郭設定パーツとマスキングパーツは、領域設定部50により設定される。領域設定部50は、輪郭設定パーツを設定する輪郭設定部52と、マスキングパーツを設定するマスク設定部54を備えている。領域設定部50による対象領域の設定例については図4を利用して詳述する。
図3に示す表示画像内には、容量比の測定結果が例えば数値で表示される。図3の具体例における容量比は、前立腺と移行域(移行帯)の容量の比であり、例えば次式で算出することができる。
(式1)容量比=移行域の容量/前立腺全体の容量
なお、前立腺全体の容量と移行域の容量は、例えば、従来から知られている以下に説明する超音波計測により推定することができる。
・前立腺全体の容量
前立腺の正中縦断面に対応した超音波画像内で前立腺の頭尾径(D1)と前後径(D2)が測定され、前立腺の正中横断面に対応した超音波画像内で前立腺の横径(D3)が測定される。そして、前立腺全体の立体形状を楕円体と仮定した以下の推定式により、前立腺全体の容量が算出される。
(式2)前立腺全体の容量=D1×D2×D3×π/6
・移行域の容量
移行域の正中縦断面に対応した超音波画像内で移行域の頭尾径(DB)と上下方向の径(DA)が測定され、移行域の正中横断面に対応した超音波画像内で移行域の左右方向の径(D3)が測定される。そして、移行域の立体形状を楕円体と仮定した以下の推定式により、移行帯の容量が算出される。
(式3)移行帯の容量=DA×DB×DC×π/6
図3に示す容量比は、例えば、前立腺の弾性診断に先だって実施される超音波計測により式2と式3で算出される前立腺全体の容量と移行帯の容量から式1により算出される。次に、弾性診断において設定される対象領域について詳述する。
図4は、領域設定部50による対象領域の設定例を説明するための図である。図4(S1)には、前立腺の断層画像の具体例が図示されている。図4(S1)の断層画像は、コンベックス走査面11C(図2)に対応したアキシャル断面の断層画像であり、前立腺全体の断面と前立腺内の移行域(TZ)の断面を映し出している。医師や検査技師などのユーザは、例えば、図4(S1)に示す断層画像が得られるように、つまり前立腺全体と移行域が中央付近に映し出されるように、プローブ10を操作してコンベックス走査面11Cの位置や角度を適宜に調整する。
そして、領域設定部50が備える輪郭設定部52により、断層画像内に、輪郭設定パーツが設定される(S2)。輪郭設定パーツは、前立腺全体の断面形状を模擬したパーツであり、図4の具体例では、楕円形状の輪郭設定パーツが利用される。もちろん、輪郭設定パーツの形状は楕円形状に限定されず、他の形状であってもよい。
輪郭設定部52はユーザ操作に従って輪郭設定パーツを設定する。ユーザは、例えば、操作デバイス70を利用して、表示画像内に表示される複数の輪郭設定パーツB1,B2(図3)の中から、診断に適した輪郭設定パーツを選択する。例えば、静的エラストのみの弾性診断においては楕円形状の輪郭設定パーツB1が利用され、せん断波による動的エラストを併用する診断においては楕円形状に中心線が設けられた輪郭設定パーツB2が利用される。
さらに、ユーザは、操作デバイス70を利用して、前立腺全体の境界に合うように、選択した輪郭設定パーツの位置と大きさを調整する。その調整後にユーザからの確定操作が成されると、輪郭設定部52は、輪郭設定パーツの位置と大きさを確定する。
断層画像内に輪郭設定パーツが設定されると、領域設定部50が備えるマスク設定部54により、断層画像内にマスキングパーツが設定される。図4に示す具体例では、輪郭設定パーツの基準点P(S3)を通るように、移行域用のマスキングパーツである移行域パーツが設定される(S4)。
移行域パーツは、移行域の断面形状を模擬したパーツであり、図4の具体例では、表示画像内に表示される複数のマスキングパーツM1〜M3(図3)の中から、楕円形状のマスキングパーツM3が移行域パーツとして利用される。もちろん、移行域パーツとして他の形状のマスキングパーツが利用されてもよい。
マスク設定部54は、既に設定されている輪郭設定パーツの基準点Pを通るように移行域パーツを初期設定する。基準点Pは、輪郭設定パーツに基づいて決定される代表点であり、例えば、輪郭設定パーツが楕円形状であれば、輪郭設定パーツの短軸の上側端点が基準点Pとされる。
また、移行域パーツの大きさは、例えば、既に設定されている輪郭設定パーツの大きさと容量比に基づいて、マスク設定部54により初期設定される。例えば、輪郭設定パーツの面積がSであり、前述の式1により算出される容量比がrであれば、移行域パーツの面積がS×r^(2/3)とされる。もちろん、他の具体的な演算により移行域パーツの面積が算出されてもよい。
マスク設定部54により移行域パーツが初期設定されると、ユーザは、操作デバイス70を利用して、断層画像内において移行域の境界に合うように、移行域パーツの位置と大きさを調整する。その調整後にユーザからの確定操作が成されると、マスク設定部54は移行域パーツの位置と大きさを確定する。もちろん、マスク設定部54により初期設定された位置と大きさで移行域パーツが確定されてもよい。
こうして、例えば、図4(S4)に示すように、前立腺全体の輪郭に合うように輪郭設定パーツが設定され、移行域の輪郭に合うように移行域パーツが設定されると、領域設定部50は、輪郭設定パーツに囲まれた前立腺の領域から、移行域パーツに囲まれた移行域の領域を取り除いた領域を対象領域とする。
なお、移行域パーツに加えて又は移行域パーツに代えて、任意パーツが利用されてもよい。例えば、断層画像内に組織の石灰化などの比較的硬い領域が確認できる場合に、その領域に任意パーツが設定される。例えば、表示画像内に表示される複数のマスキングパーツM1〜M3(図3)の中から、ユーザが所望のマスキングパーツを選択し、そのマスキングパーツの位置と大きさを断層画像内において指定することにより、任意パーツが設定される。
領域設定部50は、輪郭設定パーツと移行域パーツと任意パーツが設定されている場合には、輪郭設定パーツに囲まれた前立腺の領域から、移行域パーツに囲まれた移行域の領域と任意パーツに囲まれた領域を取り除いた領域を対象領域とする。また、輪郭設定パーツと任意パーツのみが設定されている場合には、領域設定部50は、輪郭設定パーツに囲まれた前立腺の領域から任意パーツに囲まれた領域を取り除いた領域を対象領域とする。
なお、輪郭設定パーツと移行域パーツが設定されず、任意パーツのみが設定されている場合に、領域設定部50は、関心領域(図3のROI)全体のうち、任意パーツに囲まれた領域を取り除いた残りの領域を対象領域とする。これにより、例えば、石灰化などの比較的硬い領域を対象として任意パーツが設定されていれば、その比較的硬い領域を取り除いた対象領域を設定することができる。
弾性画像形成部44は、断層画像内に設定される輪郭設定パーツとマスキングパーツにより定められる対象領域内の弾性情報に基づいて弾性画像(静的弾性画像)を形成する。弾性画像形成部44は、対象領域内における相対的な組織の硬さの分布を視覚的に示した弾性画像を形成する。
例えば、対象領域内における複数の計測点のみが演算対象とされ、各計測点ごとに対象領域内における相対的な硬さに応じた色相(色コード)が付与される。これにより、例えば、対象領域内における平均的な硬さを中心として、対象領域内で最も硬い(Hard)部位から最も軟らかい(Soft)部位までの硬さの分布を得ることができる。
輪郭設定パーツと移行域パーツを利用して前立腺の領域から移行域の領域が取り除かれた対象領域が設定されていれば、(肥大等の影響により)硬さが変化するとされる移行域の影響が軽減された状態で、望ましくは、移行域の影響を受けずに、前立腺の例えば辺縁領域(PZ)内における硬さの分布を診断することが可能になる。さらに、例えば、石灰化した領域などが任意パーツにより取り除かれていれば、石灰化した領域などによる影響も軽減または除去することができる。
図5は、動的エラストを併用する弾性診断における対象領域の具体例を示す図である。動的エラスト、つまり、せん断波計測を併用する場合にも、領域設定部50が備える輪郭設定部52は、ユーザ操作に従って断層画像内に輪郭設定パーツを設定する。
せん断波計測を併用する場合に、ユーザは、例えば、操作デバイス70を利用して、表示画像内に表示される複数の輪郭設定パーツB1,B2(図3)の中から、楕円形状に中心線が設けられた輪郭設定パーツB2を選択する。さらに、ユーザは、操作デバイス70を利用して、前立腺全体の境界に合うように輪郭設定パーツの位置と大きさを調整する。その調整後にユーザからの確定操作が成されると、輪郭設定部52は輪郭設定パーツの位置と大きさを確定する。
断層画像内に輪郭設定パーツが設定されると、領域設定部50が備えるマスク設定部54により、断層画像内にマスキングパーツが設定される。例えば、図4の具体例と同様に図5の具体例においても、輪郭設定パーツの基準点を通るように、移行域用のマスキングパーツである移行域パーツが設定される。また、移行域パーツの大きさは、既に設定されている輪郭設定パーツの大きさと容量比に基づいて初期設定することができる。移行域パーツが初期設定されると、ユーザは、操作デバイス70を利用して、断層画像内において移行域の境界に合うように、移行域パーツの位置と大きさを調整する。その調整後にユーザからの確定操作が成されると、マスク設定部54は移行域パーツの位置と大きさを確定する。もちろん、マスク設定部54により初期設定された位置と大きさで移行域パーツが確定されてもよい。
これにより、前立腺を含む断面内が領域A〜Dに分割される。つまり、移行域パーツ内の左側の領域Aと、移行域パーツ内の右側の領域Bと、移行域パーツの外側で輪郭設定パーツ内の左側の領域Cと、移行域パーツの外側で輪郭設定パーツ内の右側の領域Dの4領域が得られる。
輪郭設定パーツと移行域パーツが設定されると、操作デバイス70を利用して入力されるユーザからの指示に応じて、動的エラスト、つまり、せん断波計測が開始される。せん断波計測は領域A〜Dの各領域ごとに実行される。つまり、領域A〜Dの各領域ごとに、プローブ10からプッシュパルスを送波してせん断波を発生させ、せん断波速度演算部46によりせん断波の速度情報が導出される。さらに、せん断波速度演算部46は、領域A〜Dの各領域ごとに、せん断波の伝搬速度に基づいて例えばヤング率などの組織の硬さに係る情報を得ることが望ましい。
図6は、動的エラストを併用する弾性診断における表示画像の具体例を示す図である。例えば、図6に示す表示画像が表示画像形成部60において形成されて表示部62に表示される。なお、図6における断層画像と弾性画像は図3の具体例と同じであり、さらに、図3の具体例と同様に、図6の表示画像内にも、カラーバー(CB)と容量比と複数の輪郭設定パーツB1,B2が表示されている。
図6の具体例において、断層画像内には、楕円形状に中心線が設けられた輪郭設定パーツが設定されており、その輪郭設定パーツと移行域パーツにより、前立腺を含む断面内が領域A〜Dに分割されている。そして、領域A〜Dの各領域ごとに、せん断波速度演算部46により導出される弾性情報、例えばヤング率などの組織の硬さに係る測定値が、例えばkpa(キロパスカル)を単位とする数値で表示される。
医師や検査技師等のユーザは、動的な弾性測定により得られた領域A〜Dの硬さに係る測定値を比較して、静的な弾性測定により得られる弾性画像(静的弾性画像)の表示パターンを決定することができる。図6の具体例において、ユーザは、表示画像内に設けられる表示パターンの選択ボタンを利用して、静的弾性画像の表示パターンを選択する。
図6の具体例では「ROI全体」と「前立腺全体」と「移行域」と「前立腺−移行域」の4つの表示パターンに対応した選択ボタンが用意されている。
「ROI全体」が選択されると、弾性画像内に設定された関心領域(ROI)内の全域から得られる弾性情報に基づく静的弾性画像が表示される。ユーザは、例えば、動的な弾性測定で得られた領域A〜Dにおける組織の硬さに殆ど差がない場合に、静的な弾性測定においてROI全体の硬さの分布を確認する。これにより、例えばROI全体の中で最も硬い領域などを確認することができる。
「前立腺全体」が選択されると、断層画像内に設定された輪郭設定パーツに囲まれた前立腺領域の全体から得られる弾性情報に基づく静的弾性画像が表示される。ユーザは、例えば、移行域を含む前立腺全体の硬さの分布を確認したい場合に、静的な弾性測定において前立腺全体の硬さの分布を確認する。
「移行域」が選択されると、断層画像内に設定された移行域パーツに囲まれた移行域から得られる弾性情報に基づく静的弾性画像が表示される。ユーザは、例えば、動的な弾性測定で得られた領域Aと領域Bの硬さの差が比較的大きい場合に、静的な弾性測定において移行域内の硬さの分布を確認する。これにより、例えば移行域内における硬さの左右差などを確認することができる。
「前立腺−移行域」が選択されると、断層画像内に設定された輪郭設定パーツに囲まれた前立腺領域から移行域パーツに囲まれた移行域を取り除いた対象領域の弾性情報に基づく静的弾性画像が表示される。ユーザは、例えば、動的な弾性測定で得られた領域Cと領域Dの硬さの差が比較的大きい場合や、領域C,Dよりも領域A,Bの硬さが大きい場合に、静的な弾性測定において前立腺全体から移行域を取り除いた対象領域の硬さの分布を確認する。これにより、例えば、対象領域全体の硬さの分布や対象領域内における硬さの左右差などを確認することができる。
さらに、図1の超音波診断装置は、輪郭設定パーツと移行域パーツに基づいて決定される対象領域内における各微小領域ごとの弾性情報を評価する機能を備えている。
図7は、各微小領域ごとの評価を説明するための図である。輪郭設定パーツと移行域パーツを利用して前立腺の領域から移行域の領域が取り除かれた対象領域が設定されると、図1の超音波診断装置は、対象領域を複数の微小領域に分割する。
図7(A)に示す具体例では、輪郭設定パーツの内側で移行域パーツ内を取り除いた対象領域が、複数の微小な矩形領域(微小領域)で区切られている。なお、輪郭設定パーツとしては、図3に示した楕円形状で中心線のない輪郭設定パーツB1、または、楕円形状に中心線が設けられた輪郭設定パーツB2が利用される。
図7(B)には、静的な弾性測定により関心領域(ROI)全体から得られる硬さ分布の具体例が図示されている。図7(B)には、横軸を硬さの測定値とし、関心領域内における各測定値の頻度を縦軸に示した分布、つまり、関心領域内で最も硬い(Hard)部位から最も軟らかい(Soft)部位までの硬さの分布が図示されている。注目範囲は、医師や検査技師などのユーザが診断において注目する硬さの範囲であり、例えばユーザからの操作に応じて決定される。
図1の超音波診断装置は、図7(A)に示す複数の微小領域(矩形領域)のうち、各微小領域内における組織の硬さ、例えば各微小領域内の硬さの代表値または平均値が注目範囲内にある特定微小領域(1又は複数)を選択し、特定微小領域の硬さを表示する。
図8は、特定微小領域の硬さの表示例1を示す図である。図8(A)には、複数の微小な矩形領域(図7(A)参照)のうち、3つの矩形領域αβγにおける硬さが注目範囲内(図7(B)参照)となる具体例が示されている。つまり、3つの矩形領域αβγが特定微小領域となる。これらの特定微小領域における硬さが断層画像内に表示される。
図8(B)には、断層画像内に3つの矩形領域αβγの硬さを表示する具体例が図示されている。図1の超音波診断装置は、例えば、関心領域(ROI)全体を対象とした静的な弾性画像における配色(第1配色)とは異なる配色(第2配色)で、断層画像内に3つの矩形領域αβγの硬さを表示する。
これにより、医師や検査技師などのユーザは、関心領域全体の中で注目すべき硬さ(注目範囲内の硬さ)となる部位を容易に確認することができる。
図9は、特定微小領域の硬さの表示例2を示す図である。図9の具体例では、中心線が設けられた輪郭設定パーツが利用される。図9(A)には、複数の微小な矩形領域(図7(A)参照)のうち、輪郭設定パーツの中心線に対して左右対称に配置された2つの矩形領域βγにおける硬さが注目範囲内(図7(B)参照)となる具体例が示されている。つまり、2つの矩形領域βγが特定微小領域となる。図9の具体例では、これらの特定微小領域のうち、つまり左右対称な微小領域のペアのうち、より硬い方が断層画像内に表示される。
図9(B)には、左右対称な微小領域のペア(特定微小領域の組)である2つの矩形領域βγのうち、矩形領域γの方が硬い場合の表示例が図示されている。この場合には、断層画像内に矩形領域γの硬さが表示される。図1の超音波診断装置は、例えば、関心領域(ROI)全体を対象とした静的な弾性画像における配色(第1配色)とは異なる配色(第2配色または第2配色とは異なる第3配色)で、断層画像内に矩形領域γの硬さを表示する。
これにより、医師や検査技師などのユーザは、関心領域全体の中で注目すべき硬さ(注目範囲内の硬さ)の左右差(左右のバランス)を確認することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
10 プローブ、12 送信部、14 受信部、20 断層画像形成部、30 変位計測部、42 弾性情報演算部、44 弾性画像形成部、46 せん断波速度演算部、50 領域設定部、52 輪郭設定部、54 マスク設定部、60 表示画像形成部。

Claims (8)

  1. 超音波を送受するプローブと、
    前記プローブを制御することにより、前立腺を含む断面内から超音波の受信信号を得る送受信部と、
    前記受信信号に基づいて前立腺を含む超音波の断層画像を形成する断層画像形成部と、
    前立腺の形状を模擬した輪郭パーツを前記断層画像内に設定する輪郭設定部と、
    前記断層画像内にマスキングパーツを設定するマスク設定部と、
    前記輪郭パーツに囲まれた前立腺領域から前記マスキングパーツに囲まれたマスク領域を取り除くことにより得られる対象領域内の弾性情報に基づいて弾性画像を形成する弾性画像形成部と、
    を有する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1に記載の超音波診断装置において、
    前記マスク設定部は、前記マスキングパーツとして、前立腺内の移行域の形状を模擬した移行域パーツを前記断層画像内に設定する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項2に記載の超音波診断装置において、
    前記マスク設定部は、前立腺容量に対する移行域容量の比率である容量比と、前記断層画像内に前立腺の輪郭に合わせて設定された前記輪郭パーツの大きさと、に基づいて、前記移行域パーツの大きさを決定する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    前記マスク設定部は、前記マスキングパーツとして、ユーザにより位置と大きさを指定された任意パーツを前記断層画像内に設定する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    前記弾性画像形成部は、前記対象領域内の弾性情報に基づいて、前記マスク領域が取り除かれた前記前立腺領域内における組織の硬さの分布を視覚的に示した前記弾性画像を形成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項2から5のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    前立腺を含む前記断面内を前記輪郭パーツと前記移行域パーツにより複数の測定領域に分割し、各測定領域ごとにせん断波を送波する動的な弾性測定により複数の測定領域から動的な弾性測定結果を得る、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 請求項6に記載の超音波診断装置において、
    前立腺を含む前記断面内を、前記移行域パーツ内の左側の領域Aと、前記移行域パーツ内の右側の領域Bと、前記移行域パーツの外側で前記輪郭パーツ内の左側の領域Cと、前記移行域パーツの外側で前記輪郭パーツ内の右側の領域Dの4領域に分割し、それら4領域で測定される動的な弾性測定結果を表示する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    前立腺領域からマスク領域を取り除いた前記対象領域内を複数の微小領域に分割し、前記弾性情報に基づく組織の硬さが注目範囲内にある1又は複数の注目微小領域を特定し、注目微小領域における組織の硬さを視覚的に示した表示画像を形成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020113381A1 (zh) * 2018-12-03 2020-06-11 深圳先进技术研究院 一种超声成像方法及装置

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