JP2017079454A - 基地局装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自装置及び他の基地局装置の内、いずれの基地局装置の通信タイミングに誤差が生じているのかを判定することができる通信装置を提供する。
【解決手段】 第1基地局装置1aは、複数のアンテナシステム10aと、複数のアンテナシステム10aが受信した複数の他の下り信号それぞれから、第2基地局装置1b及び第3基地局装置1cの通信タイミングを検出する検出部41と、第2基地局装置1b及び第3基地局装置1cの通信タイミングと自装置1aの通信タイミングとのタイミング差Δtを、複数のアンテナシステム10aが受信した複数の他の下り信号それぞれについて取得し、複数のタイミング差Δtに基づいて、自装置1a又は基地局装置1b、1cの同期状態を判定する判定部13とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、無線通信システムに用いられる基地局装置に関する。
時分割複信方式(TDD:Time Divisional Duplex)を採用する無線通信システムにおいては、同じシステムの基地局装置間で、無線フレームを同期させる必要がある。
このような無線通信システムでは、基地局装置に、当該基地局装置と異なる他の基地局装置が送信する下り信号を受信させる。基地局装置は、受信した下り信号に含まれている同期信号に基づいて無線フレームのタイミング(通信タイミング)を検出する。基地局装置は、検出した通信タイミングに基づいて、自装置以外の他の基地局装置との間で無線フレームを同期させる処理を行う(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−212594号公報
ところで、無線通信システムでは、複数の通信事業者が同じエリアに対して重複してサービスを提供することがある。この場合、各通信事業者同士で干渉することがないように、各通信事業者には、使用周波数帯域として、互いに異なる周波数帯域が割り当てられる。各通信事業者は、自らのシステムについて、割り当てられた周波数帯域を用いて通信を行う。
ここで、各通信事業者には、互いに異なる周波数帯域が割り当てられるが、各通信事業者にTDD方式で通信するための使用周波数帯域として、互いに隣接する周波数帯域が割り当てられた場合、互いの下り信号の漏洩電力が相互に干渉を与える可能性が生じる。
図8(a)は、周波数帯域が互いに隣接して割り当てられた2つの通信事業者の内、一方の通信事業者が運用する基地局装置Aと、他方の通信事業者が運用する基地局装置Bの無線フレームを示した図である。図8(a)中、縦軸は周波数を示しており、基地局装置Aと基地局装置Bの周波数帯域は隣接している。
図8(a)中、無線フレームは、基地局装置が下り信号を送信する期間であるダウンリンクフレームDと、端末装置が上り信号を送信する期間であるアップリンクフレームUとを含んで構成されている。
図8(a)では、基地局装置Aの無線フレームのタイミングと、基地局装置Bの無線フレームのタイミングとが一致していない状態を示している。
図8(a)に示す場合、互いのダウンリンクフレームDとアップリンクフレームUとが互いに同じ時間で重複しているので、例えば、図8(a)中、期間K1のように、基地局装置AがダウンリンクフレームDにて下り信号を送信しているときに基地局装置Bに接続する端末装置が上り信号を送信することがある。
この場合、互いに使用する周波数帯域は異なるが、基地局装置Aによる下り信号の電力は、基地局装置Bに接続する端末装置による上り信号と比較して非常に大きく、基地局装置Aが下り信号を送信することで生じる漏洩電力が、端末装置の上り信号に対して干渉を及ぼす場合がある。
そこで、互いの使用周波数帯域が隣接している場合、例えば、図8(b)に示すように、基地局装置A、B同士で無線フレームを同期させることが考えられる。
このようにすることで、互いのアップリンクフレームUがダウンリンクフレームDに重複しないので、干渉の発生を抑制することができる。
つまり、上記のように、各通信事業者にTDD方式で通信するための使用周波数帯域として互いに隣接した周波数帯域が割り当てられた場合、干渉の発生を抑制するために、各通信事業者の基地局装置は、互いの無線フレームが同期した状態を維持する必要がある。
ここで、上記従来の基地局装置は、自装置に割り当てられた周波数帯域と同じ周波数帯域を使用する他の基地局装置との間で無線フレームの同期を行うために、他の基地局装置の下り信号に含まれる同期信号を受信し、他の基地局装置の通信タイミングを検出するように構成されている。つまり、上記従来の基地局装置は、同一の通信事業者が運用する(同じシステム内の)基地局装置間では、互いの通信タイミングを検出することができる。
しかし、従来の基地局装置は、運用する通信事業者が異なる基地局装置については、使用周波数帯域が異なるためにその下り信号を受信することができず、通信タイミングを検出することができない。
このため、他の通信事業者が運用する基地局装置との間で、同期が維持されているか否かを判断することができず、自基地局装置は、いずれの基地局装置の通信タイミングに進み遅れ等の誤差が生じているのかを判定することは困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、自装置及び他の基地局装置の内、いずれの基地局装置の通信タイミングに誤差が生じているのかを判定することができる通信装置を提供することを目的とする。
一実施形態である基地局装置は、時分割複信方式によって送受信を切り替えて端末装置との間で通信する基地局装置であって、前記端末装置に下り信号を送信するとともに、自装置に割り当てられている無線周波数と異なる無線周波数が割り当てられている他の基地局装置から送信される他の下り信号を受信する複数の送受信部と、前記複数の送受信部が受信した複数の前記他の下り信号それぞれから、前記他の基地局装置の通信タイミングを検出する検出部と、前記他の基地局装置の通信タイミングと自装置の通信タイミングとのタイミング差を、前記複数の送受信部が受信した複数の前記他の下り信号それぞれについて取得し、複数の前記タイミング差に基づいて、自装置又は前記他の基地局装置の同期状態を判定する判定部と、を備えている。
上記一実施形態である基地局装置が行う特徴的な処理は、基地局装置として実現することができるだけでなく、各部による処理をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現することもできる。
本発明の基地局装置によれば、自装置及び他の基地局装置の内、いずれの通信タイミングに誤差が生じているのかを判定することができる。
一実施形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 本システムの無線フレームの構成を示す図である。 第1基地局装置の構成の一部を示す図である。 アンテナシステムが、他の基地局装置の通信タイミングを検出する際の処理の一例を示す図であり、各基地局装置の無線フレームの関係を示している。 判定部が行う、各基地局装置の同期状態を判定するための判定処理を示すフローチャートである。 判定部が行う、第2基地局装置に関する判定処理を示すフローチャートである。 自装置が非同期となる要因を判定するための処理を示すフローチャートである。 (a)は、周波数帯域が互いに隣接して割り当てられた2つの通信事業者の内、一方の通信事業者が運用する基地局装置と、他方の通信事業者が運用する基地局装置の無線フレームを示した図、(b)は、両基地局装置同士で無線フレームを同期させたときの図である。
[実施形態の説明]
最初に実施形態の内容を列記して説明する。
(1)一実施形態である基地局装置は、時分割複信方式によって送受信を切り替えて端末装置との間で通信する基地局装置であって、前記端末装置に下り信号を送信するとともに、自装置に割り当てられている無線周波数と異なる無線周波数が割り当てられている他の基地局装置から送信される他の下り信号を受信する複数の送受信部と、前記複数の送受信部が受信した複数の前記他の下り信号それぞれから、前記他の基地局装置の通信タイミングを検出する検出部と、前記他の基地局装置の通信タイミングと自装置の通信タイミングとのタイミング差を、前記複数の送受信部が受信した複数の前記他の下り信号それぞれについて取得し、複数の前記タイミング差に基づいて、自装置又は前記他の基地局装置の同期状態を判定する判定部と、を備えている。
上記のように構成された基地局装置によれば、自装置又は前記他の基地局装置の同期状態を判定することができるので、例えば、自装置及び前記他の基地局装置の内、いずれか一の基地局装置のみが非同期状態であると判定されれば、その一の基地局装置の通信タイミングには誤差が生じていると判定することができる。
このように、本基地局装置によれば、自装置及び前記他の基地局装置の内、いずれの基地局装置の通信タイミングに誤差が生じているのかを特定することができる。
(2)上記基地局装置において、前記他の基地局装置は複数であり、複数の前記他の基地局装置は、割り当てられている無線周波数が互いに異なっているものを含んでいることがある。
この場合、自装置及び複数の他の基地局装置との間における同期状態を判定することができる。
(3)また、上記基地局装置において、同時期に多数の基地局装置の動作に異常等が生じ、多数の基地局装置の通信タイミングに誤差が生じる確率は低い。
よって、前記判定部は、前記タイミング差に基づいて、前記無線周波数が互いに異なる基地局装置同士の前記通信タイミングが互いに同期しているか否かを判定し、前記無線周波数が互いに異なる基地局装置同士で前記通信タイミングが互いに同期しているものが存在すると、これら基地局装置を同期状態と判定し、それ以外の基地局装置を非同期状態と判定してもよい。
(4)上記基地局装置において、前記判定部は、自装置が非同期状態と判定する場合、予め設定された複数の誤差要因の内、いずれの誤差要因によって誤差を生じさせているのかを判定するように構成してもよい。
[実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔通信システムの構成について〕
図1は、一実施形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
この無線通信システムは、第1基地局装置1aと、この第1基地局装置1aとの間で無線通信を行う機能を有している複数の端末装置2aとを備えている。
第1基地局装置1aは、複数のアンテナシステム10a(図例では3つ)と、ベースバンドユニット(BBU)11aとを備えている。
アンテナシステム10aは、端末装置2aに向けて下り信号を送信する機能を有するとともに、端末装置2aから送信される上り信号を受信する機能を有している。
各アンテナシステム10aは、第1基地局装置1aが端末装置2aとの間で無線通信を行うための通信エリアであるセルC1を形成する。
各アンテナシステム10aは、セルC1が形成されるように、予め設定された所定の位置に配置されている。
BBU11aは、各アンテナシステム10aに接続されており、各アンテナシステム10aとの間で無線通信に関する信号の授受を行う。
また、BBU11aは、上位ネットワークに接続されており、各アンテナシステム10aによる無線通信を介して端末装置2aが送受信する送受信データを上位ネットワークとの間で中継する。
本実施形態の無線通信システムは、例えば、LTE(Long Term Evolution)が適用される携帯電話用のシステムである。よって、端末装置2aは、携帯電話等の移動端末により構成されている。
また、本実施形態では、時分割複信方式(TDD:Time Divisional Duplex)が採用されている。よって、本システムには、所定の周波数帯域が使用周波数帯域として予め割り当てられている。
図2は、本システムの無線フレームの構成を示す図である。
図2中、無線フレームは、複数のダウンリンク期間DLと、複数のアップリンク期間ULとをそれぞれ並べて構成されている。
ダウンリンク期間DLは、第1基地局装置1aが下り信号を送信する期間である。ダウンリンク期間DLは、1又は複数のサブフレームを含んで構成されている。各ダウンリンク期間DLは、互いに同じ期間となるように設けられている。
アップリンク期間ULは、端末装置2aが上り信号を送信する期間である。つまり、アップリンク期間ULは、第1基地局装置1aが端末装置2aからの上り信号を受信する期間である。アップリンク期間ULも、1又は複数のサブフレームを含んで構成されている。各アップリンク期間ULは、互いに同じ期間となるように設けられている。
これらダウンリンク期間DL及びアップリンク期間ULは、時間軸方向に交互に並べて配置されている。よって、ダウンリンク期間DL及びアップリンク期間ULは、それぞれ一定の周期で切り替わるように配置されている。
第1基地局装置1aは、使用周波数帯域として割り当てられている周波数帯域を用い、この無線フレームに従った無線通信を行う。これによって、第1基地局装置1aは、TDD方式によって送受信を切り替えて端末装置2aとの間で通信する。
各ダウンリンク期間DLの後方部分(紙面右側部分)には、同期信号Sが配置されている。同期信号Sは、既知の信号からなり、ダウンリンク期間DLからアップリンク期間ULに切り替わる境界に近接した位置に配置されている。
同期信号Sは、例えば、ダウンリンク期間DLの開始タイミングから一定の位置に配置されるように設定されている。
よって、同期信号Sのタイミングは、無線フレームのタイミング(通信タイミング)を示している。この同期信号Sを参照することによって、端末装置2aは、第1基地局装置1aの通信タイミングを取得し、無線フレームにおけるダウンリンク期間DL及びアップリンク期間ULを特定することができる。
また、各ダウンリンク期間DLにおいて、同期信号S以外の他の領域には、ユーザデータを格納する領域や、端末装置2aとの通信に必要な制御情報を格納する領域が確保されている。
上記制御情報として、上述の同期信号Sの他、品質測定用の参照信号や、報知情報、ページング情報等がダウンリンク期間DLに格納される。
図1に戻って、無線通信システムでは、複数の通信事業者が同じエリアに対して重複してサービスを提供することがある。この場合、各通信事業者同士で干渉することがないように、各通信事業者には、使用周波数帯域として、互いに異なる周波数帯域が割り当てられる。各通信事業者は、自らのシステムについて、割り当てられた周波数帯域を用いて通信を行う。
図1では、第1基地局装置1aを運用する通信事業者である第1事業者とは異なる通信事業者(第2事業者)が運用する第2基地局装置1b、及び第1事業者及び第2事業者とは異なる通信事業者である第3事業者が運用する第3基地局装置1cが存在している場合を示している。
第2基地局装置1bは、第1基地局装置1aと同様、複数のアンテナシステム10bと、ベースバンドユニット(BBU)11bとを備えている。第2基地局装置1bは、複数のアンテナシステム10bを用いて、第2事業者からサービスを受ける端末装置2bとの間で無線通信を行う通信エリアであるセルC2を形成する。
第3基地局装置1cも、第1基地局装置1aと同様、複数のアンテナシステム10cと、ベースバンドユニット(BBU)11cとを備えている。第3基地局装置1cは、複数のアンテナシステム10cを用いて、第3事業者からサービスを受ける端末装置2cとの間で無線通信を行う通信エリアであるセルC3を形成する。
図中、第2基地局装置1bのセルC2、及び第3基地局装置1cのセルC3は、第1基地局装置1aのセルC1と重複している。
なお、図1では、セルC1には、一つの第2基地局装置1bによる一つのセルC2が重複している場合を示しているが、複数の第2基地局装置1bによる複数のセルC2が重複することもある。
同様に、セルC1には、一つの第3基地局装置1cによる一つのセルC3が重複している場合を示しているが、複数の第3基地局装置1cによる複数のセルC3が重複することもある。
これら第2基地局装置1b及び第3基地局装置1cは、第1基地局装置1aと同様の構成の無線フレームを用いたTDD方式で無線通信するように構成されている。
また、第2基地局装置1bを運用する第2事業者には、第1基地局装置1aの使用周波数帯域の低周波数側にガードバンドなしで隣接する周波数帯域が使用周波数帯域として割り当てられている。
さらに、第3基地局装置1cを運用する第3事業者には、第1基地局装置1aの使用周波数帯域の高周波数側にガードバンドなしで隣接する周波数帯域が使用周波数帯域として割り当てられている。
つまり、第1基地局装置1aの使用周波数帯域は、第2基地局装置1bの使用周波数帯域と第3基地局装置1cの使用周波数帯域との間に挟まれている。
この場合、第1基地局装置1aと、第2基地局装置1bとの間、及び第1基地局装置1aと、第3基地局装置1cとの間においては、一方のダウンリンク期間DLと、他方のアップリンク期間ULとが同じ時間で重複すると、一方の下り信号が他方の上り信号に対して干渉を及ぼす場合がある。
そこで、第1基地局装置1aと、第2基地局装置1bとの間、及び第1基地局装置1aと、第3基地局装置1cとの間において無線フレームを同期させれば、一方のダウンリンク期間DLと、他方のアップリンク期間ULとが同じ時間で重複するのを防止することができ、干渉の発生を抑制することができる。
このため、本実施形態の第1基地局装置1a、第2基地局装置1b、及び第3基地局装置1cは、互いの無線フレームが同期するように自装置の無線フレームのタイミングを設定する。
本実施形態の第1基地局装置1aは、第2基地局装置1bとの間、及び第3基地局装置1cとの間で、無線フレームの同期が維持されているか否かを判断するための情報として、第2基地局装置1bの通信タイミング、及び第3基地局装置1cの通信タイミングを検出する機能を備えている。
また、本実施形態の第1基地局装置1aは、他の事業者の基地局装置1b、1cの通信タイミングに基づいて自装置1aの通信タイミングを調整する機能も有している。
さらに、本実施形態の第1基地局装置1aは、自装置1a又は他の事業者の基地局装置1b、1cの同期状態を判定する機能を有している。
〔基地局装置の構成について〕
図3は、第1基地局装置1aの構成の一部を示す図である。
図中、第1基地局装置1aは、上述したように、複数のアンテナシステム10aと、BBU11aとを備えている。
BBU11aは、当該BBU11aから延びる信号伝送路(光伝送路又は電気伝送路)12によってアンテナシステム10aに接続されている。
BBU11aは、上位ネットワークから与えられる送信データに対してデジタル変調処理を行いデジタル信号である送信ベースバンド信号を生成する機能を有している。
BBU11aは、送信データを変調して得た送信ベースバンド信号(I/Q信号)を信号伝送路12を介してアンテナシステム10aに与える。
またBBU11aは、アンテナシステム10aから信号伝送路12を介して与えられるデジタル信号である受信ベースバンド信号(I/Q信号)を取得し、この受信ベースバンド信号に対してデジタル復調処理を行い受信データを生成する機能を有している。
BBU11aは、受信ベースバンド信号を復調して得た受信データを上位ネットワークに与える。
このように、BBU11aは、無線通信によって送受信されるデータ及びベースバンド信号に対してデジタル変復調処理等の処理を行う機能を有している。
また、BBU11aは、自装置1a及び他の事業者の基地局装置1b、1cが、各基地局装置の間で同期状態であるか非同期状態であるかを判定する判定部13を備えている。なお、この判定部13が行う処理については、後に詳述する。
アンテナシステム10aは、デジタル処理部20と、送信部21と、受信部22と、アンテナ素子23と、サーキュレータ24とを備えている。
デジタル処理部20は、CPUや、記憶部等を含んでいるコンピュータによって構成されており、記憶部に記憶されたプログラム等を読み出して以下に説明する各種処理を実行する機能を有している。
デジタル処理部20は、BBU11aから与えられる送信ベースバンド信号に対して所定のデジタル処理を行った後、デジタル信号であるその送信ベースバンド信号を送信部21に与える。
送信部21は、デジタル信号である送信ベースバンド信号をアナログ信号である無線周波数の信号に変換し、アンテナ素子23から送信する機能を有している。
送信部21は、デジタル処理部20から与えられる送信ベースバンド信号をアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換器(DAC:Digital to Analog Converter)30と、アナログ信号に変換された送信ベースバンド信号を無線周波数の信号に変換するアップコンバータ31と、アップコンバータ31が変換した無線周波数の信号の電力を増幅する電力増幅器32とを備えている。
アップコンバータ31は、発振器31aが生成するローカル信号を乗算器31bに与え、アナログ信号に変換された送信ベースバンド信号にローカル信号を乗算し、送信ベースバンド信号を無線周波数の信号に変換(アップコンバート)する機能を有している。ここで、発振器31aが生成するローカル信号は、第1基地局装置1aの使用周波数に設定されており、送信ベースバンド信号は、第1基地局装置1aの使用周波数帯域の信号となるようにアップコンバートされる。
アップコンバータ31によりアップコンバートされた無線周波数信号は、電力増幅器32によって増幅され、サーキュレータ24に与えられる。
サーキュレータ24には、送信部21、受信部22及びアンテナ素子23が接続されている。サーキュレータ24は、電力増幅器32から与えられる無線周波数信号をアンテナ素子23に与えるとともに、アンテナ素子23から与えられる当該アンテナ素子23が受信した受信信号を受信部22に与える。
サーキュレータ24からアンテナ素子23に与えられた無線周波数信号は、アンテナ素子23から空間に放射され、下り信号(送信信号)として送信される。
受信部22は、アンテナ素子23が受信した無線周波数のアナログ信号である受信信号をデジタル信号のベースバンド信号に変換し、デジタル処理部20に与える。
受信部22は、サーキュレータ24からの受信信号が与えられるバンドパスフィルタ(BPF)33と、BPF33を通過した受信信号を増幅する低雑音増幅器34と、低雑音増幅器34が増幅した受信信号をベースバンド信号(受信ベースバンド信号)に変換するダウンコンバータ35と、ダウンコンバータ35が変換した受信ベースバンド信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器36とを備えている。
BPF33の通過帯域は、第1基地局装置1aの使用周波数帯域の他、第2基地局装置1bの使用周波数帯域、及び第3基地局装置1cの使用周波数帯域を含む範囲を含む周波数帯域に設定されている。これにより、BPF33は、自装置である第1基地局装置1aの使用周波数帯域の信号の他、第2基地局装置1bの使用周波数帯域の信号と、第3基地局装置1cの使用周波数帯域の信号も通過を許容する。
ダウンコンバータ35は、発振器35aが生成するローカル信号を乗算器35bに与え、低雑音増幅器34により増幅された無線周波数の受信信号にローカル信号を乗算し、受信ベースバンド信号に変換(ダウンコンバート)する機能を有している。
発振器35aは、発信するローカル信号の周波数が調整可能となっている。ローカル信号の周波数の調整は、デジタル処理部20によって行われる。
発振器35aは、デジタル処理部20が有する後述の制御部42の制御に基づいて、ローカル信号の周波数を、自装置である第1基地局装置1aの使用周波数帯域、第2基地局装置1bの使用周波数帯域、及び第3基地局装置1cの使用周波数帯域のいずれかに調整する。
これによって、受信部22は、自装置である第1基地局装置1aの周波数帯域の信号だけでなく、第2基地局装置1bの周波数帯域の信号及び第3基地局装置1cの使用周波数帯域の信号についてもダウンコンバートし、受信ベースバンド信号を得ることができる。
つまり、受信部22は、受信周波数帯域を、自装置1aに割り当てられた周波数帯域(第1周波数)、第2基地局装置1bに割り当てられた周波数帯域(第2周波数又は第3周波数)、及び第3基地局装置1cに割り当てられた周波数帯域(第2周波数又は第3周波数)のいずれかに切り替えて受信することができる。
これにより、自装置1aに割り当てられている周波数帯域と異なる周波数帯域の信号を受信するための機能部を新たに設ける必要がない。
ダウンコンバータ35は、変換した受信ベースバンド信号をアナログデジタル変換器36に与える。
アナログデジタル変換器36は、受信ベースバンド信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号に変換した受信ベースバンド信号をデジタル処理部20に与える。
デジタル処理部20は、受信部22から与えられる受信ベースバンド信号に対して所定のデジタル処理を行った後、この受信ベースバンド信号をBBU11aに与える。
以上のようにして、アンテナシステム10aは、BBU11aから与えられる信号を送信するとともに、信号を受信しBBU11aに与えることができる。
また、デジタル処理部20は、第2基地局装置1bの通信タイミング、及び第3基地局装置1cの通信タイミングを検出するための機能部として、検出部41、制御部42を有している。また、デジタル処理部20は、アンテナシステム10aの通信タイミングを調整するための機能部として、補正部43を有している。
制御部42は、ダウンコンバータ35の発振器35aを制御し、ローカル信号の周波数を調整する機能を有している。
制御部42は、ローカル信号の周波数を調整して、自装置1aに接続する端末装置2aから送信される上り信号の他、第2基地局装置1bが送信する下り信号及び第3基地局装置1cが送信する下り信号をダウンコンバータ35にダウンコンバートさせる。これにより、制御部42は、第2基地局装置1bの下り信号及び第3基地局装置1cの下り信号を受信ベースバンド信号として、デジタル処理部20に取得させることができる。
このように、制御部42は、ダウンコンバータ35の発振器35aを制御する機能部であり、BPF33や、低雑音増幅器34、ダウンコンバータ35、アナログデジタル変換器36とともに受信部22の一部としての機能も有する。
検出部41は、受信ベースバンド信号として取得した、第2基地局装置1bが送信する下り信号及び第3基地局装置1cが送信する下り信号に基づいて、第2基地局装置1bの通信タイミング及び第3基地局装置1cの通信タイミングを検出する機能を有している。
検出部41は、第2基地局装置1bが送信する下り信号及び第3基地局装置1cが送信する下り信号に含まれる同期信号Sを検出し、この同期信号Sに基づいて第2基地局装置1bの通信タイミング及び第3基地局装置1cの通信タイミングを検出する。
検出部41は、検出した同期信号Sのタイミングを通信タイミング(無線フレームのタイミング)として検出する。
検出部41は、さらに、検出した第2基地局装置1bの通信タイミング及び第3基地局装置1cの通信タイミングに基づいて、自装置1aの同期信号Sのタイミングを基準としたときの、両基地局装置1b、1cの同期信号Sのタイミングとの間のタイミング差Δtを求める。
検出部41は、タイミング差Δtを求めると、このタイミング差Δtを示す情報を生成し、BBU11aに与える機能を有している。
補正部43は、BBU11aからの指示に基づいて、アンテナシステム10aの無線フレームのタイミングを調整し、通信タイミングを調整する。
デジタル処理部20は、自己が送信する送信信号の通信タイミングについては、基準信号に基づいて設定する。デジタル処理部20は、例えば、各アンテナシステム10aがGPS受信機を備えている場合には、このGPS受信機が受信する1PPS信号を基準信号として用いる。また、BBU11aがGPS受信機を備えることにより、各アンテナシステム10aに1PPS信号を供給するように構成される場合もある。さらに、BBU11aが外部から与えられる信号に基づいて基準信号を生成し、各アンテナシステム10aに供給する場合もある。
補正部43は、BBU11aから指示が与えられると、前記基準信号に基づいて通信タイミングを調整する。
なお、第1基地局装置1aが備えている複数のアンテナシステム10aは、それぞれほぼ同じ構成である。
よって、各アンテナシステム10aは、それぞれが両基地局装置1b、1cの同期信号Sのタイミングとの間のタイミング差Δtを求め、そのタイミング差Δtを示す情報をBBU11aに与える。
以上のように、アンテナシステム10aは、端末装置2aに下り信号を送信するとともに、自装置1aに割り当てられている無線周波数と異なる無線周波数が割り当てられている他の基地局装置1b、1cから送信される下り信号(他の下り信号)を受信する送受信部を構成している。
BBU11aには、各アンテナシステム10aそれぞれからタイミング差Δtを示す情報が与えられる。つまり、BBU11aは、複数のアンテナシステム10aからタイミング差Δtを取得する。
BBU11aの判定部13は、複数のアンテナシステム10aから与えられるタイミング差Δtを示す情報に基づいて、自装置1a及び他の事業者の基地局装置1b、1cが各基地局装置の間で同期状態であるか非同期状態であるかを判定する。
〔他の基地局装置の通信タイミングの検出について〕
図4は、アンテナシステム10aが、他の基地局装置1b、1cの通信タイミングを検出する際の処理の一例を示す図であり、各基地局装置1a、1b、1cの無線フレームの関係を示している。
この図4では、第1基地局装置1aが有する複数のアンテナシステム10aの内の一つに着目し、着目する一のアンテナシステム10aが、第2基地局装置1b(のアンテナシステム10b)からの下り信号及び第3基地局装置1c(のアンテナシステム10c)からの下り信号を受信可能な環境にある場合を示している。
図4中、縦軸は周波数を示している。また横軸は時間を示している。
図4では、各基地局装置1a、1b、1cが、TDD方式を採用し、同じ構造の無線フレームを用いている場合を示している。
図4中、第1基地局装置1aには、使用周波数帯域として周波数帯域fが割り当てられている。第2基地局装置1bには、使用周波数帯域として周波数帯域fが割り当てられている。第3基地局装置1cには、使用周波数帯域として周波数帯域fが割り当てられている。
よって、図4において示されている3つの無線フレームの内、上段の無線フレームは第3基地局装置1cの無線フレーム、中段の無線フレームは、第1基地局装置1aの無線フレーム、下段の無線フレームは第2基地局装置1bの無線フレームを示している。
周波数帯域fと周波数帯域fとは、ガードバンドなしで隣接している。また、周波数帯域fと周波数帯域fとについても、ガードバンドなしで隣接している。
また、図4(a)では、第1基地局装置1aの無線フレームより他の無線フレームが進んでいる場合を示している。
第1基地局装置1aは、他の事業者の基地局装置1b、1cの通信タイミングを検出し、タイミング差Δtを取得することを決定すると、自装置1aのダウンリンク期間DLに対応する期間Tにおいて、アンテナシステム10a(の受信部22)に第2基地局装置1bの下り信号を受信させる。
アンテナシステム10aの制御部42は、期間Tにおいてダウンコンバータ35の発振器35aが発振するローカル信号の周波数を第2基地局装置1bの使用周波数帯域である周波数帯域fに対応する周波数に設定する。
これによって、アンテナシステム10aは、自装置1aのダウンリンク期間DLである期間Tにおいて、自装置1aの下り信号を送信しつつ、第2基地局装置1bが当該第2基地局装置1bに接続する端末装置に向けて送信した下り信号を受信することができる。
受信部22が受信した第2基地局装置1bの下り信号は、デジタル処理部20の受信ベースバンド信号に変換され、デジタル処理部20に与えられる。
第2基地局装置1bの下り信号が受信部22から与えられると、デジタル処理部20の検出部41は、この下り信号を取得する。デジタル処理部20は、取得した下り信号の中から同期信号Sを検出し、検出した同期信号Sのタイミング(通信タイミング)を検出する。
次いで、検出部41は、検出した第2基地局装置1bの同期信号Sのタイミングと、自装置1aの同期信号Sのタイミングとを比較し、そのタイミング差であるタイミング差Δt1を求める。
なお、検出部41が求めるタイミング差Δt1には、自装置1aに対してタイミングが進む方向に誤差が生じているのか又は遅れる方向に誤差が生じているのかを示す情報も含まれている。
タイミング差Δt1を求めると、検出部41は、タイミング差Δtを示すタイミング情報を生成し、このタイミング情報をBBU11aに与える。
次いで、制御部42は、期間Tの次に並ぶ期間である、自装置1aのアップリンク期間ULに対応する期間Tにおいて、受信部22に自装置1aに接続する端末装置2aからの上り信号を受信させるために、発振器35aによるローカル信号の周波数を自装置1aの使用周波数帯域である周波数帯域fに対応する周波数に設定する。
これにより、受信部22は、受信周波数が第2基地局装置1bの下り信号に対応する周波数帯域fから、自装置1aに接続する端末装置2aからの上り信号に対応する周波数帯域fに切り替えられる。受信部22は、自装置1aのアップリンク期間ULにおいて、自装置1aに接続する端末装置2aからの上り信号を受信する。
第1基地局装置1aは、期間Tの次に並ぶ期間である、自装置1aのダウンリンク期間DLに対応する期間Tにて、受信部22に第3基地局装置1cの下り信号を受信させる。
制御部42は、期間Tにおいて発振器35aによるローカル信号の周波数を第3基地局装置1cの使用周波数帯域である周波数帯域fに対応する周波数に設定する。
これにより、受信部22は、受信周波数が自装置1aに接続する端末装置2aからの上り信号に対応する周波数帯域fから、第3基地局装置1cの下り信号対応する周波数帯域fに切り替えられる。
アンテナシステム10aは、自装置1aのダウンリンク期間DLである期間Tにおいて、自装置1aの下り信号を送信しつつ、第3基地局装置1cが当該第3基地局装置1cに接続する端末装置に向けて送信した下り信号を受信することができる。
受信部22が受信した第3基地局装置1cの下り信号は、デジタル処理部20の受信ベースバンド信号に変換され、デジタル処理部20に与えられる。
デジタル処理部20は、第2基地局装置1bの下り信号と同様に、第3基地局装置1cの下り信号に含まれる同期信号Sを検出し、そのタイミング(通信タイミング)を検出する。
さらに、デジタル処理部20は、検出した第3基地局装置1cの下り信号の同期信号Sのタイミングと、自装置1aの同期信号Sのタイミングとの間のタイミング差Δt2を求め、このタイミング差Δt2を示すタイミング情報をBBU11aに与える。
次いで、制御部42は、期間T3の次に並ぶ期間である、自装置1aのアップリンク期間ULに対応する期間Tにおいて、自装置1aに接続する端末装置2aからの上り信号を受信するように設定を変更する。
以上のようにして、第1基地局装置1aのアンテナシステム10aは、他の事業者の基地局装置1b、1cからの下り信号を受信し、自装置1aの通信タイミングと第2基地局装置1bの通信タイミングとの差であるタイミング差Δt1と、自装置1aの通信タイミングと第3基地局装置1cの通信タイミングとの差であるタイミング差Δt2とを求めて、BBU11aに与える。
なお、アンテナシステム10aは、例えば、一方の他の事業者の基地局装置の下り信号が受信でき、他方の他の事業者の基地局装置の下り信号が受信できない場合、一方の他の事業者の基地局装置との間のタイミング差Δtだけを求めてBBU11aに与える。また、アンテナシステム10aは、他の事業者の基地局装置の下り信号を全く受信できなかった場合、タイミング差Δtを求めることができず、タイミング差ΔtをBBU11aに与えることもない。
以上のようにして、アンテナシステム10aは、他の基地局装置1b、1cの通信タイミングを検出し、自装置1aの通信タイミングと第2基地局装置1bの通信タイミングとの差であるタイミング差Δt1、及び自装置1aの通信タイミングと第3基地局装置1cの通信タイミングとの差であるタイミング差Δt2を求めて、BBU11aに与える。
〔同期状態の判定について〕
BBU11aの判定部13は、各アンテナシステム10aから与えられるタイミング差Δt1、及びタイミング差Δt2に基づいて、自装置1a及び他の事業者の基地局装置1b、1cが各基地局装置の間で同期状態であるか非同期状態であるかを判定する。
図5は、判定部13が行う、各基地局装置の同期状態を判定するための判定処理を示すフローチャートである。
なおここで、判定部13が行う判定処理では、3つの事業者の基地局装置の内、2つの事業者の基地局装置に同時に異常が生じることはなく、2つの事業者の基地局装置の通信タイミングにずれが生じ、2つの事業者の基地局装置が同時期に非同期状態にはならないと仮定する。
また、第1基地局装置1aは、当該第1基地局装置1aのアンテナシステム10aのいずれかで必ず第2基地局装置1bの下り信号を検出するものとし、当該第1基地局装置1aのアンテナシステム10aのいずれかで必ず第3基地局装置1cの下り信号を検出するものとする。また、複数のアンテナシステム10aは同時に全部非同期とはならないものとする。
また、第1基地局装置1aは、複数のアンテナシステム10aそれぞれで同一事業者に属する異なる基地局装置からの下り信号を検出する場合があり、さらにこの場合、同一事業者に属する複数の基地局装置の通信タイミングが同時期に全てずれて非同期になることはないと仮定する。
まず、BBU11aの判定部13は、判定処理を実行することを決定すると、まず、各アンテナシステム10aにタイミング差Δt1、及びタイミング差Δt2を求めさせ、タイミング差Δt1、及びタイミング差Δt2を取得する(ステップS101)。
ここで、本実施形態の第1基地局装置1aが備えている3つのアンテナシステム10aには、どのアンテナシステム10aであるかを特定するための番号「1」、「2」、「3」が付与されているとする。
以下の説明では、番号「1」のアンテナシステム10aからBBU11aに与えられるタイミング差Δt1を、タイミング差Δt11と表す。また、番号「2」のアンテナシステム10aからBBU11aに与えられるタイミング差Δt1をタイミング差Δt12と表し、番号「3」のアンテナシステム10aからBBU11aに与えられるタイミング差Δt1をタイミング差Δt13と表す。
また、番号「1」のアンテナシステム10aからBBU11aに与えられるタイミング差Δt2を、タイミング差Δt21と表す。また、番号「2」のアンテナシステム10aからBBU11aに与えられるタイミング差Δt2をタイミング差Δt22と表し、番号「3」のアンテナシステム10aからBBU11aに与えられるタイミング差Δt2をタイミング差Δt23と表す。
図5中、ステップS101に示すように、判定部13は、各アンテナシステム10aからタイミング差Δt11,Δt12,Δt13,Δt21,Δt22,Δt23を取得する。なお、各アンテナシステム10aが他の事業者の基地局装置の下り信号を受信できなかった場合、各アンテナシステム10aは、上述のように、受信できなかった下り信号に相当するタイミング差Δtを求めることができない。この場合は、判定部13は、受信できなかった下り信号に対応するタイミング差Δtについては取得することはない。
次に判定部13は、ステップS102に進み、取得した上記タイミング差の中から、下記式(1)及び式(2)を満たす集合k1、及び集合k2を求める。
集合k1 = find(|Δt1n|>4μs) ・・・(1)
集合k2 = find(|Δt2n|>4μs) ・・・(2)
なお、上記式(1)、(2)中、nは、第1基地局装置1aが備えているアンテナシステム10aを特定するための番号であり、本実施形態では1から3までの数となる。
また、上記式(1)、(2)中、「find」は、当該「find」の後に続く括弧内の条件を満たす要素を、各アンテナシステム10aから取得したタイミング差から特定することを示している。
判定部13は、取得した第2事業者の第2基地局装置1bに関するタイミング差Δt1(Δt11,Δt12,Δt13)の内、これらの絶対値が4μsより大きいものがあるか否かを判定し、絶対値が4μsより大きいタイミング差Δt1を特定する。判定部13は、絶対値が4μsより大きいタイミング差Δt1を集合k1の要素として含める。
また、判定部13は、取得した第3事業者の第3基地局装置1cに関するタイミング差Δt2(Δt21,Δt22,Δt23)の内、これらの絶対値が4μsより大きいものがあるか否かを判定し、絶対値が4μsより大きいタイミング差Δt2を特定する。判定部13は、絶対値が4μsより大きいタイミング差Δt2を集合k2の要素として含める。
なお、各タイミング差の閾値として用いた上記4μsは、2つの基地局装置間において同期ずれが生じていると判定しうる基準値の下限である。
よって、集合k1及び集合k2に含まれる要素は、同期ずれが生じていることを示す要素である。
次に、判定部13は、上記集合k1、k2の要素数をそれぞれ求め、これらの和が0であるか否かを判定する(ステップS103)。なお、図5中、「length」は、当該「length」の後に続く括弧内の集合の要素数を示している。
ステップS103において、集合k1、k2の要素数の和が0であると判定した場合、判定部13は、ステップS104に進む。この場合、自装置1a、及び他の事業者の基地局装置1b、1cそれぞれの間で同期ずれが認められないことを示している。よって、判定部13は、自装置1a、及び他の事業者の基地局装置1b、1cの全てが同期状態であると判定する(ステップS104)。
一方、ステップS103において、集合k1、k2の要素数の和が0でないと判定した場合、判定部13は、ステップS105に進む。
ステップS105において、判定部13は、集合k1の要素数と、集合k2の要素数との積が0であるか否かを判定する(ステップS105)。
ステップS105において、集合k1の要素数と、集合k2の要素数との積が0でないと判定した場合、判定部13は、ステップS106に進む。
この場合、集合k1の要素数及び集合k2の要素数は共に0ではないため、第2基地局装置1bに関するタイミング差Δt1、及び第3基地局装置1cに関するタイミング差Δt2の中に、4μsより大きい値のものが存在している。よって、自装置1aは、第2基地局装置1b、及び第3基地局装置1cそれぞれの間で同期ずれが生じていることを示している。また、自装置1aが、両基地局装置1b、1cに対して同期ずれを生じているならば、両基地局装置1b、1cの間は、互いに同期していると判定することができる。
よってこの場合、判定部13は、第2基地局装置1bと、第3基地局装置1cとが同期状態であると判定し、自装置1aは、第2基地局装置1b及び第3基地局装置1cに対して同期ずれが生じていると判定し、自装置1aが非同期状態であると判定する(ステップS106)。
一方、ステップS105において、集合k1の要素数と、集合k2の要素数との積が0である場合、ステップS107に進む。
この場合、集合k1の要素数と、集合k2の要素数のいずれか一方が0であるので、判定部13は、ステップS107において、集合k1の要素数が0であるか否かを判定する(ステップS107)。
ステップS107において、集合k1の要素数が0でないと判定した場合、判定部13は、ステップS108に進む。この場合、集合k2の要素数が0であるため、自装置1aと、第3基地局装置1cとの間は、原則的には同期状態であると判定できる。また、集合k1の要素数が0ではないため、第2基地局装置1bに関するタイミング差Δt1の中に、4μsより大きい値のものが存在し、自装置1aと第2基地局装置1bとの間で同期ずれが生じている可能性があることを示している。
このため、判定部13は、ステップS108において、第2基地局装置1bに関する判定処理を行い(ステップS108)、第2基地局装置1bの同期状態を判定する。
図6は、判定部13が行う、第2基地局装置1bに関する判定処理を示すフローチャートである。
まず、判定部13は、ステップS120に進み、取得したタイミング差の中から、下記式(3)を満たす集合p1を求める(ステップS120)。
集合p1 = find(Δt1n) ・・・(3)
上記式(3)では、各アンテナシステム10aから与えられた第2事業者の第2基地局装置1bに関するタイミング差Δt1のすべてを特定する。
判定部13は、各アンテナシステム10aが求めた第2事業者の第2基地局装置1bに関するタイミング差Δt1のすべてを集合p1の要素として含める。
例えば、ステップS101において、判定部13が、第2基地局装置1bに関するタイミング差Δt1として、Δt11,Δt12,Δt13を取得した場合、判定部13は、これらの値が4μsよりも大きいか否かに関わらず、集合p1の要素として含める。
また、ステップS101において、判定部13が、第2基地局装置1bに関するタイミング差Δt1として、Δt11のみを取得した場合、判定部13は、Δt11のみを集合p1の要素として含める。
次に、判定部13は、集合k1の要素数と、集合p1の要素数とが同じであるか否かを判定する(ステップS121)。
ステップS121において、集合k1の要素数と、集合p1の要素数とが同じであると判定した場合、判定部13は、ステップS122に進む。
ステップS122に進む場合、BBU11aに与えられたタイミング差Δt1が、全て同期ずれを生じていることを示している。この場合、自装置1aに接続されている複数のアンテナシステム10aは、上述したように故障等により同時に全部非同期とはならない。よってこの場合、判定部13は、BBU11a側に非同期の原因があると判定する(ステップS122)。つまりこの場合、判定部13は、自装置1aが非同期状態と判定する。
この第2基地局装置1bに関する判定処理では、原則的には第2基地局装置1bについての処理を行うが、ステップS122においては例外的に第1基地局装置1aについての判定を行う。
一方、ステップS121において、集合k1の要素数と、集合p1の要素数とが同じでないと判定した場合、判定部13は、ステップS123に進み、集合k1の要素数が1であるか否かを判定する(ステップS123)。
ステップS123において、集合k1の要素数が1でないと判定される場合、集合p1に含まれる要素の内の多数の要素が同期ずれの発生を示している。よって、この場合、判定部13は、ステップS124に進み、自装置1aと、第2基地局装置1bとの間が、非同期状態と判定する。
この結果、判定部13は、自装置1aと、第3基地局装置1cとが同期状態、第2基地局装置1bが非同期状態と判定する(ステップS124)。
ステップS123において、集合k1の要素数が1であると判定される場合、集合p1に含まれる要素の内の1つの要素だけが同期ずれの発生を示している。この場合、この要素に対応する自装置1aのアンテナシステム10aに異常が生じている場合と、第2基地局装置1bの一部に異常が生じている場合の2通りが考えられる。
そこで、判定部13は、集合k1の要素数が1であると判定される場合、ステップS125に進み、自装置1aのアンテナシステム10aの通信タイミングの補正を行う(ステップS125)。判定部13は、各アンテナシステム10aの補正部43に通信タイミングを調整させる。補正部43は、予め設定された所定の基準タイミング、又は第3基地局装置1cの通信タイミングに同期するように通信タイミングを調整する。
各アンテナシステム10aの通信タイミングの補正を終えると、判定部13は、各アンテナシステム10aにタイミング差Δt1、及びタイミング差Δt2を求めさせ、タイミング差Δt1、及びタイミング差Δt2を取得し、同期状態を確認する(ステップS126)。ステップS126では、判定部13は、図5中、ステップS101からS104の処理を実行する。
次いで、判定部13は、ステップS127に進み、ステップS126による同期状態の確認を行った結果、自装置1a及び他の事業者の基地局装置1b、1cの全てが同期状態であると判定されたか否かについての判定を行う(ステップS127)。
ステップS127において、各基地局装置1a、1b、1cの全てが同期状態である旨の判定であると判定した場合、判定部13は、ステップS128に進む。この場合、各基地局装置1a、1b、1cの全てが同期状態である。つまり、この場合、ステップS123において、集合p1に含まれる要素の内で1つの要素だけが同期ずれの発生を示している原因が、この要素に対応する自装置1aのアンテナシステム10aの同期ずれに起因していたことが判る。
一方、ステップS127において、各基地局装置1a、1b、1cの全てが同期状態である旨の判定でないと判定した場合、判定部13は、ステップS129に進む。
ステップS129に進む場合、ステップS123において、集合p1に含まれる要素の内で1つの要素だけが同期ずれの発生を示している原因が自装置1aにはないと判断できる。よって、判定部13は、ステップS122に進む場合、第2基地局装置1bの一部が非同期状態であると判定する。
この結果、判定部13は、自装置1aと、第3基地局装置1cとが同期状態、第2基地局装置1bの一部が非同期状態と判定する(ステップS129)。
なおここで、第2基地局装置1bの一部とは、第2基地局装置1bが備える複数のアンテナシステム10bの内の一部である場合の他、第2基地局装置1bが複数存在する場合において、複数の第2基地局装置1bの内の一部の第2基地局装置1bである場合も含む。
図5に戻って、ステップS107において、集合k1の要素数が0であると判定した場合、判定部13は、ステップS109に進む。この場合、集合k2の要素数が0ではないため、第3基地局装置1cに関するタイミング差Δt2の中に、4μsより大きい値のものが存在し、自装置1aと第3基地局装置1cとの間で同期ずれが生じている可能性があることを示している。
このため、判定部13は、ステップS109において、第3基地局装置1cに関する判定処理を行い(ステップS109)、第3基地局装置1cの同期状態を判定する。
なお、ステップS109に示す判定処理は、図6で示した第2基地局装置1bに関する判定処理と同様なので説明を省略する。
以上のようにして、判定部13は、各アンテナシステム10aから与えられるタイミング差Δt1、及びタイミング差Δt2に基づいて、自装置1a及び他の事業者の基地局装置1b、1cが、各基地局装置の間で同期状態であるか非同期状態であるかを判定する。
上記構成の第1基地局装置1aは、端末装置2aに下り信号を送信するとともに、自装置1aに割り当てられている無線周波数と異なる無線周波数が割り当てられている他の基地局装置である第2基地局装置1b及び第3基地局装置1cから送信される他の下り信号を受信する複数のアンテナシステム10a(複数の送受信部)と、複数のアンテナシステム10aが受信した複数の他の下り信号それぞれから、第2基地局装置1b及び第3基地局装置1cの通信タイミングを検出する検出部41と、第2基地局装置1b及び第3基地局装置1cの通信タイミングと自装置1aの通信タイミングとのタイミング差Δtを、複数のアンテナシステム10aが受信した複数の他の下り信号それぞれについて取得し、複数のタイミング差Δtに基づいて、自装置1a又は基地局装置1b、1cの同期状態を判定する判定部13とを備えている。
上記構成の第1基地局装置1aによれば、自装置1a又は他の基地局装置1b、1cの同期状態を判定することができるので、例えば、自装置1a及び他の基地局装置1b、1cの内、いずれか一の基地局装置のみが非同期状態であると判定されれば、その一の基地局装置の通信タイミングには誤差が生じていると判定することができる。
つまり、本実施形態の第1基地局装置1aによれば、自装置1a及び他の基地局装置1b、1cの内、いずれの基地局装置の通信タイミングに誤差が生じているのかを特定することができる。
この結果、各基地局装置の間で同期状態が維持できない場合に、その原因となっている基地局装置を特定することができ、各基地局装置の間で同期状態を維持するための処理を容易にすることができる。
また、図5中、ステップS105において、判定部13は、集合k1の要素数と、集合k2の要素数との積が0であるか否かを判定する。この判定により、集合k1の要素数と、集合k2の要素数との積が0でないと判定した場合、判定部13は、ステップS106において、第2基地局装置1bと、第3基地局装置1cとが同期状態であると判定し、残りの自装置1aが非同期と判定する(ステップS106)。
また、ステップS107において、判定部13は、集合k1の要素数が0であるか否かを判定する。この判定で、集合k1の要素数が0でないと判定した場合、判定部13は、ステップS108において、自装置1aと、第3基地局装置1cとが同期状態であると判定し、残りの第2基地局装置1bが非同期状態の可能性があると判定する(ステップS108)。
また、ステップS107において、集合k1の要素数が0であると判定した場合も同様であり、判定部13は、ステップS109において、自装置1aと、第2基地局装置1bとが同期状態であると判定し、残りの第3基地局装置1cが非同期状態の可能性があると判定する(ステップS109)。
このように、本実施形態の判定部13は、各アンテナシステム10aから与えられるタイミング差Δt1、及びタイミング差Δt2に基づいて、無線周波数が異なる2つの基地局装置が互いに同期状態にあるか否かを判定し、無線周波数が異なる2つの基地局装置同士で通信タイミングが互いに同期しているものが存在すると、これら基地局装置を同期状態と判定し、それ以外の残りの基地局装置を非同期状態と判定する。
つまり、同期状態にある基地局装置が多数存在していれば、同期状態にある基地局装置よりも少数の基地局装置には、通信タイミングに誤差が生じている可能性があると考えることができる。このため、上記のように、互いに同期状態にあると判定することができる2以上の基地局装置が存在すると判定すると、これら基地局装置を同期状態と判定し、それ以外の基地局装置を非同期状態と判定することができる。
なお、本実施形態では、第1基地局装置1a、第2基地局装置1b、及び第3基地局装置1cといった、互いに割り当てられている無線周波数が異なる3つの基地局装置同士の間で判定した場合を例示したが、互いに割り当てられている無線周波数が異なる2つの基地局装置同士の間で判定する場合であっても同様の構成で各基地局装置の同期状態を判定することができる。
また、互いに割り当てられている無線周波数が異なる基地局装置がより多数になったとしても同様の構成で行う同士各基地局装置の同期状態を判定することができる。
〔自装置の誤差要因の判定〕
第1基地局装置1aの判定部13は、自装置1aが非同期であると判断された場合、さらに、自装置1aが非同期となる要因を判定する機能を有している。
図7は、自装置1aが非同期となる要因を判定するための処理を示すフローチャートである。
判定部13は、図5中のステップS106において、自装置1aが非同期であると判定すると、まず、各アンテナシステム10aから与えられるタイミング差Δt1、及びタイミング差Δt2の絶対値の平均Δt_avgを求めるとともに、タイミング差Δt1、及びタイミング差Δt2の絶対値の標準偏差Δt_sdを求める(ステップS140)。
次いで、判定部13は、標準偏差Δt_sdが3μsより大きいか否かについて判定する(ステップS141)。
ステップS141において、標準偏差Δt_sdが3μsより大きいと判定する場合、判定部13は、自装置1aが非同期となる要因として、BBU11aと、アンテナシステム10aとの間の遅延校正エラーが生じていると判定する(ステップS142)。なお、遅延校正エラーとは、BBU11aとアンテナシステム10aとの間における通信処理において生じるエラーを指す。
ステップS141において判定される標準偏差Δt_sdには、BBU11aと、各アンテナシステム10aとの間の通信処理のばらつきが表れる。
BBU11aと、各アンテナシステム10aとの間の通信処理は、遅延等によって互いの通信処理にばらつきが生じないように、予め所定の精度で校正がなされるが、何らかの原因でばらつきが生じることが考えられる。
このようなばらつきが生じると、自装置1aの各アンテナシステム10aの間で、通信タイミングがずれてしまい、例えば、BBU11aから各アンテナシステム10aに向けて同時に信号を送信したとしても、各アンテナシステム10aに到達するときは、ばらばらのタイミングで到達するといったことが生じる。この結果、各アンテナシステム10aから与えられるタイミング差Δt1、及びタイミング差Δt2に、自装置1aに起因するばらつきが含まれてしまい、判定部13が自装置1aを非同期と判定する。
このため、判定部13は、ステップS141において、標準偏差Δt_sdが3μsより大きいと判定する場合、BBU11aと、アンテナシステム10aとの間の遅延校正エラーが生じていると判定する。
なお、ステップS141における標準偏差Δt_sdに対する閾値を構成する3μsは、BBU11aと各アンテナシステム10aとの間の許容同期誤差である。
一方、ステップS141において、標準偏差Δt_sdが3μsより大きくないと判定すると、判定部13は、平均Δt_avgが、過去の平均Δt_avgと比較して大きくなっているか否かを判定する(ステップS143)。
ステップS143において、平均Δt_avgが、過去の平均Δt_avgと比較して大きくなっていると判定すると、判定部13は、自装置1aの通信タイミング等を決定するために用いる基準信号に問題が生じていると判定する(ステップS144)。
第1基地局装置1aは、通信タイミングを設定するために例えば、GPS受信機によって取得した1PPS信号や、外部から与えられる信号等を基準信号として用いている。
この基準信号に誤差や狂いが生じている場合、タイミング差Δt1、及びタイミング差Δt2が全体として偏りなく増加するため、平均Δt_avgが過去の平均Δt_avgよりも大きくなる。
このため、判定部13は、ステップS143において、平均Δt_avgが、過去の平均Δt_avgと比較して大きくなっていると判定する場合、基準信号に問題が生じていると判定する。
一方、ステップS143において、平均Δt_avgが、過去の平均Δt_avgと比較して大きくなっていないと判定すると、判定部13は、各アンテナシステム10aによる通信タイミングの設定に問題が生じていると判定する(ステップS145)。
第1基地局装置1aの通信タイミングは、各アンテナシステム10aのデジタル処理部20が基準信号に基づいて設定するので、基準信号に問題がないと考えられる場合、各アンテナシステム10aのデジタル処理部20における通信タイミングの設定に問題が生じていると考えることができる。
このため、判定部13は、ステップS143において、平均Δt_avgが、過去の平均Δt_avgと比較して大きくなっていないと判定すると、判定部13は、各アンテナシステム10aによる通信タイミングの設定に問題が生じていると判定する。
判定部13は、自装置1aに、上述のエラーや問題が生じていると判定すると、判定部13は、各エラーや問題の内容を示すための通知情報を自装置1aのモニタやプリンタ等から出力させる。これにより、自装置1aにエラーが生じており、自装置1aが非同期となる原因を生じさせていることを、自装置1aのオペレータ等に周知させることができる。
〔むすび〕
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1a 第1基地局装置
1b 第2基地局装置
1c 第3基地局装置
2a、2b、2c 端末装置
10a、10b、10c アンテナシステム
11a、11b、11c ベースバンドユニット(BBU)
12 信号伝送路
13 判定部
20 デジタル処理部
21 送信部
22 受信部
23 アンテナ素子
24 サーキュレータ
31 アップコンバータ
31a 発振器
31b 乗算器
32 電力増幅器
34 低雑音増幅器
35 ダウンコンバータ
35a 発振器
35b 乗算器
36 アナログデジタル変換器
41 検出部
42 制御部
43 補正部
C1、C2、C3 セル

Claims (4)

  1. 時分割複信方式によって送受信を切り替えて端末装置との間で通信する基地局装置であって、
    前記端末装置に下り信号を送信するとともに、自装置に割り当てられている無線周波数と異なる無線周波数が割り当てられている他の基地局装置から送信される他の下り信号を受信する複数の送受信部と、
    前記複数の送受信部が受信した複数の前記他の下り信号それぞれから、前記他の基地局装置の通信タイミングを検出する検出部と、
    前記他の基地局装置の通信タイミングと自装置の通信タイミングとのタイミング差を、前記複数の送受信部が受信した複数の前記他の下り信号それぞれについて取得し、複数の前記タイミング差に基づいて、自装置又は前記他の基地局装置の同期状態を判定する判定部と、
    を備えている基地局装置。
  2. 前記他の基地局装置は複数であり、
    複数の前記他の基地局装置は、割り当てられている無線周波数が互いに異なっているものを含む請求項1に記載の基地局装置。
  3. 前記判定部は、前記タイミング差に基づいて、前記無線周波数が互いに異なる基地局装置同士の前記通信タイミングが互いに同期しているか否かを判定し、前記無線周波数が互いに異なる基地局装置同士で前記通信タイミングが互いに同期しているものが存在すると、これら基地局装置を同期状態と判定し、それ以外の基地局装置を非同期状態と判定する請求項2に記載の基地局装置。
  4. 前記判定部は、自装置が非同期状態と判定する場合、予め設定された複数の誤差要因の内、いずれの誤差要因によって誤差を生じさせているのかを判定する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の基地局装置。
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