JP2017078747A - 光学バリアフィルム及び色変換フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】マット層が有するブロッキング防止、他の部材への傷付け防止、光拡散性を損なうことなく、表面反射率を低減した光学バリアフィルム及び色変換フィルムを提供する。【解決手段】フィルム基材1、フィルム基材1上に形成されたマット層2、マット層2上に形成された低屈折率層3、及び、フィルム基材1のマット層2と反対側に配置されたバリア層4を備え、低屈折率層3の屈折率が1.10以上1.45以下である光学バリアフィルムである。【選択図】図1
Description
本発明は光学バリアフィルム及び色変換フィルムに関する。
従来、液晶ディスプレイの色再現領域向上及び消費電力低減等のために、カラーフィルタの明度及びコントラスト比の向上、並びに、発光ダイオードを用いたバックライトの使用が試みられている(例えば、特許文献1)。
発光ダイオードを用いたバックライトユニットによる白色光の発生方法には、赤色、緑色及び青色の3色の発光ダイオードを用いて白色光を合成する方法と、青色発光ダイオードを用いて得られる青色光を、色変換材料に通すことで、白色光へ変換する方法がある。
青色光を白色光へ変換するには、例えばGaN系の青色発光ダイオードチップを使用した場合、上記色変換材料としてYAG蛍光体が用いられる(例えば、特許文献2)。
しかし、YAG蛍光体を用いて変換された白色光は、幅広い発光スペクトルを持ち、液晶カラーフィルタとのマッチングが悪いため、色再現領域が狭く、消費電力も少なくはない。
最近、これらの蛍光体に対して、上記色変換材料としてコア・シェル発光ナノ結晶を用いることにより、色再現領域の向上と消費電力低減が図られている(例えば、特許文献3)。
コア・シェル発光ナノ結晶は、バインダー樹脂と混合され、混合物を透明基材上に塗布することで、色変換フィルムとしてバックライトユニットに組み込むことができる。
しかし、コア・シェル発光ナノ結晶からなる色変換材料は、空気及び水分により酸化的損傷を受け、その結果色変換性能が劣化する。
そのため、コア・シェル発光ナノ結晶を用いた色変換フィルムには、空気及び水分からコア・シェル発光ナノ結晶を保護するための保護層が必要となる。
また、バックライトユニットにおいて、このような色変換フィルムは導光板とプリズムシートとの間に設置されることが多い。また、通常、導光板とプリズムシートとの間には光拡散フィルムが設置されことから、色変換フィルムにも光拡散フィルムと同様の性能が求められる。光拡散フィルムに求められる性能としては、接触する他の部材とのブロッキング(貼り付き)防止、他の部材への傷付け防止性、光拡散性が挙げられる(例えば、特許文献4〜6を参照)。このため、色変換フィルムの最表面にはしばしば光拡散性を有するマット層が設けられる。
さらに、色変換フィルムには、消費電力低減の観点から、表面反射率の低減が求められている。表面反射率を低減させる方法としては、マット層に使用する樹脂バインダー及び粒子の種類、これらの含有量を変更する方法が挙げられる。例えば、特許文献7には、多孔質ポリアミドを用いることで、輝度向上が可能な光拡散シートを提供できることが開示されている。
しかしながら、上述のようにマット層に使用する樹脂バインダー及び粒子の種類、これらの含有量を変更すると、ブロッキング防止、他の部材への傷付け防止、光拡散性が低下することがあった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、マット層が有するブロッキング防止、他の部材への傷付け防止、光拡散性を損なうことなく、表面反射率を低減した光学バリアフィルム及び色変換フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、フィルム基材、該フィルム基材上に形成されたマット層、該マット層上に形成された低屈折率層、及び、上記フィルム基材の上記マット層と反対側に配置されたバリア層を備える光学バリアフィルムを提供する。上記光学バリアフィルムにおいて、低屈折率層の屈折率は1.10以上1.45以下である。上記光学バリアフィルムによれば、ブロッキング防止、他の部材への傷付け防止、光拡散性を損なうことなく、表面反射率を低減することができる。低屈折率層の屈折率は1.28以上1.45以下であることが好ましい。
上記光学バリアフィルムにおいて、低屈折率層が中空又は多孔質シリカ粒子を含むことが好ましい。光学バリアフィルムが上記構成を備えることにより、低屈折率層の屈折率を低減し、好適な範囲に制御しやすくなる傾向がある。
上記光学バリアフィルムにおいて、低屈折率層の平均厚さが60nm以上140nm以下であることが好ましい。光学バリアフィルムが上記構成を備えることにより、表面反射率を一層低減することができる傾向がある。
上記光学バリアフィルムにおいて、マット層がポリオール樹脂とイソシアネート硬化剤との反応物を含むことが好ましく、微粒子をさらに含むことがより好ましい。光学バリアフィルムが上記構成を備えることにより、より良好な光拡散性を得ることができる傾向がある。
上記光学バリアフィルムにおいて、バリア層が蒸着膜層を含み、蒸着膜層が金属酸化物を含有することが好ましく、上記金属酸化物が酸化ケイ素であることが好ましい。
本発明はまた、色変換層と、該色変換層の両面上に形成された一対の保護フィルムとを備える色変換フィルムを提供する。上記色変換フィルムにおいて、保護フィルムの少なくとも一方が上記光学バリアフィルムである。
本発明によれば、マット層が有するブロッキング防止、他の部材への傷付け防止、光拡散性を損なうことなく、表面反射率を低減した光学バリアフィルム及び色変換フィルムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一又は同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
[光学バリアフィルム]
図1は本発明の一実施形態に係る光学バリアフィルムの概略断面図である。図1において、光学バリアフィルム10は、フィルム基材1と、該フィルム基材1上に形成されたマット層2、該マット層2上に形成された低屈折率層3、及び、フィルム基材1のマット層2と反対側の面上に形成されたバリア層4とを備える。図1において、バリア層4はフィルム基材1のマット層2と反対側に配置されていればよく、フィルム基材1上に直接形成されていなくてもよい。
図1は本発明の一実施形態に係る光学バリアフィルムの概略断面図である。図1において、光学バリアフィルム10は、フィルム基材1と、該フィルム基材1上に形成されたマット層2、該マット層2上に形成された低屈折率層3、及び、フィルム基材1のマット層2と反対側の面上に形成されたバリア層4とを備える。図1において、バリア層4はフィルム基材1のマット層2と反対側に配置されていればよく、フィルム基材1上に直接形成されていなくてもよい。
光学バリアフィルム10がマット層2を備えることにより、ブロッキング防止、他の部材への傷付け防止及び光拡散性等を得ることができる。さらに、光学バリアフィルム10が、マット層2上に低屈折率層3を備えることにより、マット層2によって得られる上記効果を損なうことなく、表面反射率を抑え、良好な光学特性を得ることができる。
本実施形態に係る光学バリアフィルム10は、フィルム基材1の一方の面上にバリア層を形成し、フィルム基材1のバリア層4が形成されていない面上にマット層2を形成し、マット層2上に低屈折率層3を形成することにより製造することができる。言い換えると、本実施形態の光学バリアフィルム10の製造方法は、フィルム基材1の一方の面上にバリア層4を形成する工程と、フィルム基材1のバリア層4と反対側の面上に後述のマット層組成物を塗布する工程と、塗布後の上記マット層組成物を加熱してマット層2を形成する工程と、マット層2のフィルム基材1と反対側の面上に後述の低屈折率層組成物を塗布する工程と、塗布後の上記低屈折率層を硬化して低屈折率層3を形成する工程とを備える。
(低屈折率層)
低屈折率層3はマット層2上に形成され、光学バリアフィルム10の最表面に配置される。低屈折率層3の屈折率は1.10以上1.45以下であり、1.28以上1.45以下であることが好ましく、1.30以上1.40以下であることがより好ましい。低屈折率層3の屈折率が1.45以下であることにより、光学バリアフィルム10の表面反射率を低減することができる。一方、低屈折率層3の屈折率が1.10以上であることにより、通常の取り扱いでフィルムが傷付きにくい硬度を得ることができる。
低屈折率層3はマット層2上に形成され、光学バリアフィルム10の最表面に配置される。低屈折率層3の屈折率は1.10以上1.45以下であり、1.28以上1.45以下であることが好ましく、1.30以上1.40以下であることがより好ましい。低屈折率層3の屈折率が1.45以下であることにより、光学バリアフィルム10の表面反射率を低減することができる。一方、低屈折率層3の屈折率が1.10以上であることにより、通常の取り扱いでフィルムが傷付きにくい硬度を得ることができる。
低屈折率層3の平均厚さt3(図1参照)は60〜140nmであることが好ましく、80〜120nmであることがより好ましい。低屈折率層3の平均厚さt3が140nm以下であることにより、低屈折率層3とマット層2の光干渉の周期が長くなり、分光反射率曲線の可視光領域に反射率の極大と極小が現れることを抑制し、反射率を一層低減できる傾向がある。一方、低屈折率層3の平均厚さt3が60nm以上であることにより、低屈折率層3とマット層2の光干渉の周期が短くなり、可視光領域に反射率の極大が現れることを抑制し、反射率を一層低減できる傾向がある。平均厚さは、例えば、F20膜厚測定システム(フィルメトリクス株式会社製)等を用いて、層の表面、及び層と層との界面からの反射光を分光解析することにより、測定される。
低屈折率層3は中空又は多孔質シリカ粒子を含むことが好ましい。中空シリカ粒子は内部に閉じ込められた空隙(閉孔)を有し、多孔質シリカ粒子は外部と通じた空隙(開孔)を有し、低屈折率層3の屈折率を低減することができる。上記空隙にはバインダマトリックスが浸入しにくく、残った空気が低屈折率層3の屈折率を低減していると考えられる。よって、低屈折率層3は中空又は多孔質シリカ粒子を含むことにより、低屈折率層3の屈折率を好適な範囲に制御しやすくなる傾向がある。中空又は多孔質シリカ粒子の屈折率は特に限定されるものではないが、例えば、1.20〜1.44であってもよく、1.34〜1.44であってもよい。中空又は多孔質シリカ粒子は通常のシリカ(屈折率=1.46)と比較して低い屈折率を有する。シリカ粒子の屈折率は、シリカ粒子を透過型電子顕微鏡による観察等で、シリカ部分と空隙部分の体積比を計算することにより、算出することができる。なお、中空シリカ粒子は、例えば、多孔質シリカ粒子の表面を有機ケイ素化合物等で被覆し、その細孔入口を閉塞して作製される。
中空又は多孔質シリカ粒子のかさ密度は0.33〜2.22g/cm3であることが好ましく、0.50〜2.08g/cm3であることがより好ましい。中空又は多孔質シリカ粒子のかさ密度が2.22g/cm3以下であると、低屈折率層3の屈折率が低下しやすくなる傾向がある。中空又は多孔質シリカ粒子のかさ密度が0.33g/cm3以上であると、低屈折率層の硬度の低下を抑制し、通常の取り扱いで傷付きにくくなる傾向がある。なお、本明細書において、中空又は多孔質シリカ粒子のかさ密度とは開孔と閉孔を含めた全体積に基づいて算出した密度である。かさ密度は、例えば、タップ装置を用いて、JIS R 1628:1997に準拠して、測定される。
中空又は多孔質シリカ粒子の平均粒子径は0.5nm以上200nm以下であることが好ましく、10nm以上150nm以下であることがより好ましく、20nm以上100nm以下であることがさらに好ましい。中空又は多孔質シリカ粒子の平均粒子径が200nm以下であると、低屈折率層3の表面においてレイリー散乱によって光が散乱され、低屈折率層3が白っぽく見え、透明性が低下することを抑制できる傾向がある。また、中空又は多孔質シリカ粒子の平均粒子径が0.5nm以上であると、中空又は多孔質シリカ粒子の凝集を抑制できる傾向がある。
中空又は多孔質シリカ粒子の含有量は、低屈折率層3の全質量を基準として、例えば、50〜99質量%であり、80〜98質量%であってもよい。中空又は多孔質シリカ粒子の含有量が50質量%以上であると、低屈折率層3の屈折率が低下しやすくなる傾向がある。中空又は多孔質シリカ粒子の含有量が99質量%以下であると、低屈折率層3とマット層2との密着性を保ちやすくなる傾向がある。
低屈折率層3はさらにバインダマトリックスを含むことが好ましい。バインダマトリックスはバインダマトリックス形成材料の硬化物であり、例えば、ケイ素アルコキシドの縮合反応物又は放射線硬化性材料の硬化物等であることができる。
バインダマトリックスがケイ素アルコキシドの縮合反応物である場合、例えば、ケイ素アルコキシドの加水分解物と中空又は多孔質シリカ粒子とを含む組成物(低屈折率層組成物)を、マット層2上に塗布し、塗膜を形成し、該塗膜を乾燥・加熱し、ケイ素アルコキシドの脱水縮合反応を行うことにより低屈折率層3を形成することができる。
ケイ素アルコキシドとしては、下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物が挙げられる。ケイ素アルコキシドは下記式(1)で表される化合物と下記式(2)で表される化合物とを有することが好ましい。ケイ素アルコキシドは下記式(1)で表される化合物と下記式(2)で表される化合物とを有すると、光学バリアフィルム10の表面に防汚性を付与することができ、さらに、低屈折率層3の屈折率をさらに低下することができる傾向がある。ケイ素アルコキシドの加水分解物は、例えば、下記式(1)又は(2)で表されるケイ素アルコキシドを原料として得られるものであればよく、例えば塩酸にて加水分解することで得られるものである。
R1 aHbSi(OR2)4−a―b ・・・(1)
上記式(1)中、R1及びR2は、互いに独立に、アルキル基を示し、a及びbは0≦a+b≦3を満たす整数である。
上記式(1)中、R1及びR2は、互いに独立に、アルキル基を示し、a及びbは0≦a+b≦3を満たす整数である。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、及びヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
R3 cSi(OR4)4−c・・・(2)
上記式(2)中、R3はアルキル基、フルオロアルキル基又はフルオロアルキレンオキサイド基を有する非反応性官能基を示し、R4はアルキル基を示し、cは1≦c≦3を満たす整数である。
上記式(2)中、R3はアルキル基、フルオロアルキル基又はフルオロアルキレンオキサイド基を有する非反応性官能基を示し、R4はアルキル基を示し、cは1≦c≦3を満たす整数である。
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、オクタデシルトリメトキシシラン、及び1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
バインダマトリックスが放射線硬化性材料の硬化物である場合、例えば、放射線硬化性材料と中空又は多孔質シリカ粒子と放射線重合開始剤を含む組成物(低屈折率層組成物)を、マット層2上に塗布し、塗膜を形成し、該塗膜を必要に応じて乾燥し、その後、塗膜に紫外線及び電子線等の放射線を照射し、放射線硬化性材料の硬化反応を行うことにより、低屈折率層3を形成することができる。
放射線硬化性材料としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能モノマーが挙げられる。1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ−(メタ)アクリロイルオキシプロピネート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2,3−ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル[2.2.1]ヘプタン、ポリ1,2−ブタジエンジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルヘキサン、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカンエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、10−デカンジオール(メタ)アクリレート、3,8−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.10]デカン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールBジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールBジアクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールBジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールEジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールEジアクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールEジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールFジアクリレート、及びプロポキシ化エトキシ化ビスフェノールFジアクリレート等が挙げられる。放射線硬化性材料は、上記の中から、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上の混合物を用いてもよい。また、必要であれば多官能モノマー同士又は多官能モノマーと単官能モノマーとを併用して共重合させたものを用いてもよい。バインダマトリックス形成材料が低屈折率のフッ素系放射線硬化性材料である場合には、低屈折率層3は必ずしも中空又は多孔質シリカ粒子を含んでいなくてもよい。
放射線重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類及びチオキサントン類等が挙げられる。
また、低屈折率層組成物は、必要に応じて、溶媒及び各種添加剤を含んでいてもよい。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン及びシクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール等のエーテル類;メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノン等のケトン類;蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル及びγ−ブチロラクトン等のエステル類;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ及びセロソルブアセテート等のセロソルブ類;メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等のアルコール類;並びに、水等が挙げられる。溶媒は、塗工適性等を考慮して、上記の中から適宜選択して使用することができる。
添加剤としては、防汚剤、表面調整剤、レベリング剤、屈折率調整剤、密着性向上剤及び光増感剤等が挙げられる。
低屈折率層3の他の形成方法として、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法及び電気めっき法等を採用してもよい。低屈折率層3は、例えば、上記以外の低屈折率層組成物の塗膜の硬化物、膜厚100nm程度のMgF2等の極薄膜、金属蒸着膜、又はSiOx及びMgF2等の蒸着膜であってもよい。
(マット層)
マット層2は表面に凹凸を有し、光源からの光を散乱させることができる。光学バリアフィルム10がマット層2を備えることにより、良好な光拡散性を得ることができる。また、マット層2を備える光学バリアフィルム10をバックライトユニットの部材として用いたときに、光学バリアフィルム10と対向する部材とのブロッキングを防止することができる。マット層2は(A)ポリオール樹脂と(B)イソシアネート硬化剤との反応物であることが好ましい。
マット層2は表面に凹凸を有し、光源からの光を散乱させることができる。光学バリアフィルム10がマット層2を備えることにより、良好な光拡散性を得ることができる。また、マット層2を備える光学バリアフィルム10をバックライトユニットの部材として用いたときに、光学バリアフィルム10と対向する部材とのブロッキングを防止することができる。マット層2は(A)ポリオール樹脂と(B)イソシアネート硬化剤との反応物であることが好ましい。
(A)ポリオール樹脂
ポリオール樹脂は複数の水酸基を有する樹脂である。上記ポリオール樹脂としては、例えば、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、及びシリコーン系樹脂等を用いることができる。これらの中でも、光学的透明性に優れていることから、アクリル系樹脂が好適に使用される。
ポリオール樹脂は複数の水酸基を有する樹脂である。上記ポリオール樹脂としては、例えば、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、及びシリコーン系樹脂等を用いることができる。これらの中でも、光学的透明性に優れていることから、アクリル系樹脂が好適に使用される。
アクリル系ポリオール樹脂は、水酸基を有するアクリルモノマーを少なくとも1種類含むモノマー成分の共重合体であることが好ましい。水酸基を有するアクリルモノマーとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、及びヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。また、上記モノマー成分は、さらに、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルアクリレート、及びグリシジルメタクリレート等のアクリルモノマー、スチレン、並びにアクリロニトリル等を含んでいてもよい。
(B)イソシアネート硬化剤
イソシアネート硬化剤は、ポリオール樹脂が有する水酸基と反応することが可能なイソシアネート基を有し、上記ポリオール樹脂を硬化させることができる。イソシアネート硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物等の脂肪族イソシアネート及びその誘導体、キシリレンジイソシアネート系化合物等の芳香脂肪族イソシアネート及びその誘導体、並びに、トルエンジイソシアネート系化合物及びジフェニルメタンジイソシアネート系化合物等の芳香族イソシアネート及びその誘導体が好適に使用される。イソシアネート硬化剤は、イソシアネート基を2つ以上有していることが好ましい。イソシアネート硬化剤がイソシアネート基を2つ以上有していることにより、ポリオール樹脂同士がイソシアネート硬化剤を介して結合し、密着性、機械強度に優れたマット層2を得ることができる。
イソシアネート硬化剤は、ポリオール樹脂が有する水酸基と反応することが可能なイソシアネート基を有し、上記ポリオール樹脂を硬化させることができる。イソシアネート硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物等の脂肪族イソシアネート及びその誘導体、キシリレンジイソシアネート系化合物等の芳香脂肪族イソシアネート及びその誘導体、並びに、トルエンジイソシアネート系化合物及びジフェニルメタンジイソシアネート系化合物等の芳香族イソシアネート及びその誘導体が好適に使用される。イソシアネート硬化剤は、イソシアネート基を2つ以上有していることが好ましい。イソシアネート硬化剤がイソシアネート基を2つ以上有していることにより、ポリオール樹脂同士がイソシアネート硬化剤を介して結合し、密着性、機械強度に優れたマット層2を得ることができる。
(C)微粒子
マット層2はさらに微粒子を含むことが好ましい。マット層2が微粒子を含むと、マット層2の表面に凹凸が形成されやすくなり、より良好な光拡散性を得ることができる傾向がある。上記微粒子としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、合成ゼオライト、アルミナ、及びスメクタイト等の無機微粒子、並びに、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、及びアクリル樹脂等の有機微粒子を用いることができる。これらのうち、球状粒子を得やすく、マット層2の表面の凹凸形状を制御しやすい観点から、有機微粒子を用いることが好ましい。微粒子は、1種のみ使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。上記微粒子の平均粒子径は0.5〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。平均粒子径が上記範囲内にあることにより、マット層2の表面に、光の散乱に十分であり、他部材とブロッキングを抑制でき、且つ、他部材を傷付けないように制御された凹凸を付与することができる傾向がある。
マット層2はさらに微粒子を含むことが好ましい。マット層2が微粒子を含むと、マット層2の表面に凹凸が形成されやすくなり、より良好な光拡散性を得ることができる傾向がある。上記微粒子としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、合成ゼオライト、アルミナ、及びスメクタイト等の無機微粒子、並びに、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、及びアクリル樹脂等の有機微粒子を用いることができる。これらのうち、球状粒子を得やすく、マット層2の表面の凹凸形状を制御しやすい観点から、有機微粒子を用いることが好ましい。微粒子は、1種のみ使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。上記微粒子の平均粒子径は0.5〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。平均粒子径が上記範囲内にあることにより、マット層2の表面に、光の散乱に十分であり、他部材とブロッキングを抑制でき、且つ、他部材を傷付けないように制御された凹凸を付与することができる傾向がある。
(D)導電性材料
マット層2はさらに導電性材料を含んでいてもよい。マット層2が導電性材料を含むと、マット層2の表面抵抗値が低下する傾向がある。マット層2の表面抵抗値が1.0×1013Ω/□以下になると、帯電防止性能が好適に発現するので、マット層2への塵埃等の混入が減少し、バックライトユニット等の製造工程において、光学バリアフィルム10の表面に生じる傷付きが減少する傾向がある。導電性材料としては、例えば、四級アンモニウム塩、金属酸化物粒子、及び導電性高分子等が挙げられる。
マット層2はさらに導電性材料を含んでいてもよい。マット層2が導電性材料を含むと、マット層2の表面抵抗値が低下する傾向がある。マット層2の表面抵抗値が1.0×1013Ω/□以下になると、帯電防止性能が好適に発現するので、マット層2への塵埃等の混入が減少し、バックライトユニット等の製造工程において、光学バリアフィルム10の表面に生じる傷付きが減少する傾向がある。導電性材料としては、例えば、四級アンモニウム塩、金属酸化物粒子、及び導電性高分子等が挙げられる。
四級アンモニウム塩は、四級アンモニウムカチオン(R4−dR’dN+)とアニオン(X−)とからなる。四級アンモニウム塩のアニオン(X−)は、例えば、Cl−、Br−、I−、F−、HSO4 −、SO4 2−、NO3 −、PO4 3−、HPO4 2−、H2PO4 −、SO3 −、及びOH−等であることができる。四級アンモニウムカチオン中のR及びR’はそれぞれ置換基を示す。Rは、例えば、炭素数1〜20程度のアルキル基を示す。R’は高分子化合物基であり、上記高分子化合物基は水酸基を有していることが好ましい。上記高分子化合物基としては、例えば、ポリオキシアルキレン系高分子化合物基、ポリエーテル系高分子化合物基及びアルキル系高分子化合物基等が挙げられる。dは1〜4の整数を示す。
四級アンモニウム塩は、四級アンモニウム塩を官能基として分子内に含むアクリル系材料として好適に提供される。上記アクリル系材料としては、例えば、多価アルコールの水酸基の一部をアクリル酸又はメタクリル酸によりエステル化して得られる化合物(多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル)のような単官能又は多官能の(メタ)アクリレート化合物、又は、多価アルコール及び(メタ)アクリル酸のヒドロキシエステル等とジイソシアネートから合成される多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物等であることができる。
金属酸化物粒子は、例えば、酸化ジルコニウム、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、リン含有酸化スズ(PTO)、スズ含有酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、アルミニウム含有酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモン含有酸化亜鉛及びインジウム含有酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物を主成分とする粒子であることができる。
導電性高分子は、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンサルファイド、ポリ(1,6−ヘプタジイン)、ポリビフェニレン(ポリパラフェニレン)、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリフェニルアセチレン、ポリ(2,5−チエニレン)、及びこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であることができる。
マット層2は、例えば、樹脂組成物(マット層組成物)を、フィルム基材1上に塗工し、塗膜を乾燥し、加熱することにより形成される。マット層組成物は、上述した(A)〜(D)成分の他、溶媒、レベリング剤及び滑剤等の添加剤、(A)成分とは異なる樹脂等を含んでもよい。
マット層組成物は、(A)成分100質量部に対して、(B)成分を1〜100質量部含有することが好ましく、3〜50質量部含有することがより好ましい。(B)成分を1質量部以上含有することにより、(A)成分と十分な反応をし、密着性及び機械強度に優れたマット層2を得ることができる傾向がある。また、(B)成分を100質量部以下含有することにより、過剰な反応速度の上昇による塗膜の早すぎる硬化、(B)成分と空気中の水分の反応による発泡を抑制できる傾向がある。マット層組成物が(C)成分を含有する場合、マット層組成物は、(A)成分100質量部に対して、(C)成分を2〜200質量部含有することが好ましく、5〜50質量部含有することがより好ましい。(C)成分を2質量部以上含有することにより、マット層2に凹凸を得やすくなる傾向がある。(C)成分を200質量部以下含有することにより、光学バリアフィルム10のマット層2側と接する他の部材を傷付けることを抑制できる傾向がある。さらに、マット層組成物が(D)成分を含有する場合、マット層組成物は、(A)成分100質量部に対して、(D)成分を0.5〜50質量部含有することが好ましく、1〜30質量部含有することがより好ましい。(D)成分を0.5質量部以上含有することにより、十分な帯電防止性が得やすくなる傾向がある。(D)成分を50質量部以下含有することにより、導電性材料の過剰なブリードアウトを抑制できる傾向がある。
マット層組成物をフィルム基材1上に塗工する方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、及びディップコーター等を採用することができる。
マット層組成物をフィルム基材1上に塗工した後、塗膜を乾燥することにより、塗膜中の溶媒を除去する。このとき乾燥手段としては、加熱、送風、及び熱風等を用いることができる。乾燥させた塗膜をさらに加熱することにより、フィルム基材1上にマット層2が形成される。
マット層2の厚さt2(凸部を除いた厚さ(図1参照))は、0.1〜20μmであることが好ましく、0.3〜10μmであることがより好ましい。マット層2の厚さt2が0.1μm以上であることにより、均一な膜が得られやすく、光学的機能を十分に得やすくなる傾向がある。一方、マット層2の厚さt2が20μm以下であることにより、マット層2に微粒子を用いた場合、マット層2の表面へ微粒子が露出して、凹凸付与効果が得られやすくなる傾向がある。
(バリア層)
バリア層4は空気及び水分が光学バリアフィルム10を透過することを抑制できる層である。バリア層4は蒸着膜層を含むことが好ましく、さらにガスバリア性被覆層を含むことがより好ましい。バリア層4が蒸着膜層及びガスバリア性被覆層を含む場合、蒸着膜層はバリア層4のフィルム基材1側に配置され、ガスバリア性被覆層はバリア層4のフィルム基材1と反対側に配置されていることが好ましい。また、バリア層4は、蒸着膜層とガスバリア性被覆層とが交互に積層された積層体であってもよい。バリア層4は、フィルム基材1のマット層2と反対側に配置されていればよく、フィルム基材1の面上に直接形成されていなくてもよい。
バリア層4は空気及び水分が光学バリアフィルム10を透過することを抑制できる層である。バリア層4は蒸着膜層を含むことが好ましく、さらにガスバリア性被覆層を含むことがより好ましい。バリア層4が蒸着膜層及びガスバリア性被覆層を含む場合、蒸着膜層はバリア層4のフィルム基材1側に配置され、ガスバリア性被覆層はバリア層4のフィルム基材1と反対側に配置されていることが好ましい。また、バリア層4は、蒸着膜層とガスバリア性被覆層とが交互に積層された積層体であってもよい。バリア層4は、フィルム基材1のマット層2と反対側に配置されていればよく、フィルム基材1の面上に直接形成されていなくてもよい。
蒸着膜層は金属酸化物を含有することが好ましい。上記金属酸化物としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、イットリウム、タンタル、ケイ素、及びマグネシウム等の金属の酸化物が挙げられる。金属酸化物は、安価でバリア性能に優れることから、酸化ケイ素(SiOx、xは1.0〜2.0)であることが好ましい。xが1.0以上であると、良好なバリア性が得られやすい傾向がある。蒸着膜層の厚さは、例えば、10〜500nmである。
ガスバリア性被覆層は下記式(3)で表わされる金属アルコキシド及びその加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物から形成されることが好ましい。
M(OR5)e(R6)f−e ・・・(3)
M(OR5)e(R6)f−e ・・・(3)
上記式(3)中、R5及びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜8の1価の有機基であり、メチル基、エチル基等のアルキル基であることが好ましい。MはSi、Ti、Al、Zr等のf価の金属原子を示す。eは1≦e≦fを満たす整数である。金属アルコキシドとしては、例えば、テトラエトキシシラン[Si(OC2H5)4]、トリイソプロポキシアルミニウム[Al(O−iso−C3H7)3]等が挙げられる。金属アルコキシドは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であることから、テトラエトキシシラン又はトリイソプロポキシアルミニウムであることが好ましい。金属アルコキシドの加水分解物としては、例えば、テトラエトキシシランの加水分解物であるケイ酸(Si(OH)4)、及び、トリプロポキシアルミニウムの加水分解物である水酸化アルミニウム(Al(OH)3)等が挙げられる。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。上記組成物における金属アルコキシド及びその加水分解物の含有量は、例えば、50〜99質量%である。
上記組成物はさらに水酸基含有高分子化合物を含んでいてもよい。水酸基含有高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びデンプン等の水溶性高分子が挙げられる。水酸基含有高分子化合物はバリア性の観点からポリビニルアルコールであることが好ましい。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。上記組成物における水酸基含有高分子化合物の含有量は、例えば、1〜50質量%である。
ガスバリア性被覆層の厚さは、50〜1000nmであることが好ましく、100〜500nmであることが好ましい。ガスバリア性被覆層の厚さが50nm以上であると、より十分なガスバリア性を得ることができる傾向があり、1000nm以下であると、十分な柔軟性を保持できる傾向がある。
(フィルム基材)
フィルム基材1としては、種々の有機高分子からなるフィルムを用いることができる。フィルム基材1は、例えば、ディスプレイ等の光学部材に通常使用される透明フィルム基材であってもよく、透明性及び屈折率等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性及び耐久性等の諸物性を考慮して、種々の有機高分子からなる基材を用いることができる。有機高分子としては、例えば、ポリオレフィン系、ポリエステル系、セルロース系、ポリアミド系、アクリル系、及びその他の高分子化合物が挙げられる。ポリオレフィン系高分子化合物としては、ポリエチレン及びポリプロピレン等が挙げられる。ポリエステル系高分子化合物としては、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。セルロース系高分子化合物としては、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース及びセロファン等が挙げられる。ポリアミド系高分子化合物としては、6−ナイロン及び6,6−ナイロン等が挙げられる。アクリル系高分子化合物としては、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。その他の高分子化合物としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、及びエチレンビニルアルコール等が挙げられる。
フィルム基材1としては、種々の有機高分子からなるフィルムを用いることができる。フィルム基材1は、例えば、ディスプレイ等の光学部材に通常使用される透明フィルム基材であってもよく、透明性及び屈折率等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性及び耐久性等の諸物性を考慮して、種々の有機高分子からなる基材を用いることができる。有機高分子としては、例えば、ポリオレフィン系、ポリエステル系、セルロース系、ポリアミド系、アクリル系、及びその他の高分子化合物が挙げられる。ポリオレフィン系高分子化合物としては、ポリエチレン及びポリプロピレン等が挙げられる。ポリエステル系高分子化合物としては、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。セルロース系高分子化合物としては、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース及びセロファン等が挙げられる。ポリアミド系高分子化合物としては、6−ナイロン及び6,6−ナイロン等が挙げられる。アクリル系高分子化合物としては、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。その他の高分子化合物としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、及びエチレンビニルアルコール等が挙げられる。
フィルム基材1の厚さは5〜300μmであることが好ましい。フィルム基材の厚みが5μm以上であることにより、フィルム基材1の強度を得ることができ、バックライト組立工程での取り扱いが容易となる傾向がある。一方、フィルム基材1の厚さが300μm以下であることにより、ロールtoロールにて樹脂組成物を塗布してマット層2を形成した場合の扱いが容易となる。
図2は本発明の別の実施形態に係る光学バリアフィルムの概略断面図である。図2において、光学バリアフィルム10は、フィルム基材1’と、フィルム基材1’の一方の面上に形成されたバリア層4と、バリア層4上に粘着層又は接着層5を介して貼り付けられたフィルム基材1と、フィルム基材1上に形成されたマット層2と、マット層2上に形成された低屈折率層3とを備える。図2において、フィルム基材1’と当該フィルム基材1’上に形成されたバリア層4とを併せてバリアフィルム基材6という。図2において、フィルム基材1’はマット層2が形成されない点でフィルム基材1と異なるが、フィルム基材1’にはフィルム基材1と同種の材料が選択され、同じであってもよく、異なっていてもよい。
本実施形態の光学バリアフィルム10を製造する際には、まず、バリアフィルム基材6のバリア層4側の面上に粘着剤又は接着剤が塗布される。さらに、塗布面上に別のフィルム基材1が貼り合わされ、必要に応じてエージングすることにより、塗布層が粘着層又は接着層5となる。粘着層又は接着層5の厚さは1μm以上20μm以下であることが好ましい。粘着剤又は接着剤としては、高分子フィルム用の粘着剤又は接着剤として一般的なものを使用することができる。粘着剤又は接着剤としては、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系、フェノール系、及びウレタン系等の粘着剤又は接着剤が挙げられる。マット層2、低屈折率層3及びバリア層4の形成方法は上記と同様である。
言い換えると、本実施形態の光学バリアフィルム10の製造方法は、バリアフィルム基材6の、バリア層4側の面上に粘着剤又は接着剤を塗布する工程と、塗布後の上記粘着剤又は接着剤を介してバリアフィルム基材6上にフィルム基材1を貼り合わせてエージングする工程と、フィルム基材1のバリアフィルム基材6と反対側の面上に上記マット層組成物を塗布する工程と、塗布後の上記マット層組成物を加熱してマット層2を形成する工程と、マット層2のフィルム基材1と反対側の面上に上記低屈折率層組成物を塗布する工程と、塗布後の上記低屈折率層を硬化して低屈折率層3を形成する工程とを備える。
図3は本発明の別の実施形態に係る光学バリアフィルムの概略断面図である。図3において、光学バリアフィルム10は、フィルム基材1’と、フィルム基材1’の一方の面上に形成されたバリア層4と、上記フィルム基材1’の他方の面上に粘着層又は接着層5を介して貼り付けられたフィルム基材1と、フィルム基材1上に形成されたマット層2と、マット層2上に形成された低屈折率層3とを備える。図3において、フィルム基材1’と当該フィルム基材1’上に形成されたバリア層4とを併せてバリアフィルム基材6という。本実施形態において、フィルム基材1及びフィルム基材1’は同じであってもよく、異なっていてもよい。マット層2、低屈折率層3及びバリア層4の形成方法、並びに、フィルム基材1のバリアフィルム基材6への貼り付け方法は上記と同様である。
言い換えると、本実施形態の光学バリアフィルム10の製造方法は、バリアフィルム基材6の、バリア層4と反対側の面上に上記粘着剤又は接着剤を塗布する工程と、塗布後の上記粘着剤又は接着剤を介してバリアフィルム基材6上にフィルム基材1を貼り合わせてエージングする工程と、フィルム基材1のバリアフィルム基材6と反対側の面上に上記マット層組成物を塗布する工程と、塗布後の上記マット層組成物を加熱してマット層2を形成する工程と、マット層2のフィルム基材1と反対側の面上に上記低屈折率層組成物を塗布する工程と、塗布後の上記低屈折率層を硬化して低屈折率層3を形成する工程とを備える。
[色変換フィルム]
図4は本発明の一実施形態に係る色変換フィルムの概略断面図である。図4において、色変換フィルム20は、色変換層7と、当該色変換層7の両面上に形成された一対の保護フィルムとを備える。図4では、両方の保護フィルムに上記光学バリアフィルム10を用いているが、一方にのみ上記光学バリアフィルム10を用いてもよい。
図4は本発明の一実施形態に係る色変換フィルムの概略断面図である。図4において、色変換フィルム20は、色変換層7と、当該色変換層7の両面上に形成された一対の保護フィルムとを備える。図4では、両方の保護フィルムに上記光学バリアフィルム10を用いているが、一方にのみ上記光学バリアフィルム10を用いてもよい。
色変換層7は樹脂及び蛍光体を含む。色変換層7の厚さは数十〜数百μmである。上記樹脂としては、例えば、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用することができる。蛍光体としては、特に発光効率の良いコア・シェル発光ナノ結晶(コア・シェル型量子ドット)が好適に用いられる。コア・シェル型量子ドットは、発光部としての半導体結晶コアが保護膜としてのシェルにより被覆されたものである。例えば、コアにはセレン化カドミウム(CdSe)、シェルには硫化亜鉛(ZnS)が使用可能である。
樹脂に蛍光体を分散させて調製した蛍光体分散液を一方の光学バリアフィルム10のマット層2と反対側の面上に塗布した後、塗布面に他方の光学バリアフィルム10を貼り合わせ、塗布層を硬化させることにより色変換層7が形成される。
本実施形態の色変換フィルム20は、青色LED(発光ダイオード)を光源としたバックライトユニットに好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[光学バリアフィルムの作製]
(実施例1)
以下に示す材料を混合し、マット層組成物を調製した。
・アクリル系ポリオール樹脂(DIC社製、商品名:アクリディックA−814)100質量部
・イソシアネート硬化剤(DIC社製、商品名:バーノックDN−980)8.5質量部
・導電性材料(四級アンモニウム塩、第一工業製薬社製、商品名:レジスタットPU−101)10質量部
・微粒子(ポリウレタン、平均粒子径2μm)2質量部
・溶媒(酢酸エチル)70質量部
(実施例1)
以下に示す材料を混合し、マット層組成物を調製した。
・アクリル系ポリオール樹脂(DIC社製、商品名:アクリディックA−814)100質量部
・イソシアネート硬化剤(DIC社製、商品名:バーノックDN−980)8.5質量部
・導電性材料(四級アンモニウム塩、第一工業製薬社製、商品名:レジスタットPU−101)10質量部
・微粒子(ポリウレタン、平均粒子径2μm)2質量部
・溶媒(酢酸エチル)70質量部
次に、以下に示す材料を混合し、低屈折率層組成物を調製した。
・多孔質シリカ微粒子分散液(固形分20%、溶媒:メチルイソブチルケトン、平均粒子径75nm、かさ密度1.1g/cm3)14.94質量部
・EO(エチレンオキサイド)変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、商品名:DPEA−12)1.99質量部
・放射線重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア184)0.07質量部
・添加剤(GE東芝シリコーン社製、商品名:TSF4460)0.51質量部
・溶媒(メチルイソブチルケトン)82質量部
・多孔質シリカ微粒子分散液(固形分20%、溶媒:メチルイソブチルケトン、平均粒子径75nm、かさ密度1.1g/cm3)14.94質量部
・EO(エチレンオキサイド)変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、商品名:DPEA−12)1.99質量部
・放射線重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア184)0.07質量部
・添加剤(GE東芝シリコーン社製、商品名:TSF4460)0.51質量部
・溶媒(メチルイソブチルケトン)82質量部
透明フィルム基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:25μm、帝人デュポンフィルム社製、商品名:テイジンテトロンフィルムHPE)上にワイヤーバーコーターにより上記マット層組成物を塗布し、塗膜を80℃30秒間乾燥した。続いて、50℃72時間エージングすることにより、透明フィルム基材上に厚さ3μmのマット層を形成した。得られたマット層の屈折率は1.52であった。
上記で作製したマット層上にワイヤーバーコーターにより上記低屈折率組成物を塗布し、塗膜を60℃40秒乾燥した。乾燥後、コンベア式紫外線硬化装置を用いて、窒素雰囲気下、露光量240mJ/cm2で、紫外線照射を行うことにより、平均厚さ100nmの低屈折率層を形成し、光学フィルムを作製した。得られた低屈折率層の屈折率は1.34であった。
別の透明フィルム基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:25μm、帝人デュポンフィルム社製、商品名:テイジンテトロンフィルムHPE)の一方の面に真空蒸着法により厚さ250Åの酸化ケイ素からなる蒸着膜層を形成した。さらに、テトラエトキシシランとポリビニルアルコールとを含む塗液をウエットコーティング法により蒸着膜層上に塗工し、厚さ0.3μmのガスバリア性被覆層を形成した。これにより、透明フィルム基材の一方の面上に無機蒸着膜層及びガスバリア性被覆層からなるバリア層が設けられたバリアフィルム基材を得た。
光学フィルムのマット層及び低屈折率層とは反対側(透明フィルム基材側)とバリアフィルム基材のガスバリア性被覆層側とを、アクリル樹脂接着剤を用いて貼り合わせることにより、実施例1の光学バリアフィルムを作製した。
(実施例2)
マット層組成物の調製において、微粒子の量を2質量部から4質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の光学バリアフィルムを作製した。
マット層組成物の調製において、微粒子の量を2質量部から4質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の光学バリアフィルムを作製した。
(実施例3)
マット層組成物の調製において、微粒子の量を2質量部から6質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の光学バリアフィルムを作製した。
マット層組成物の調製において、微粒子の量を2質量部から6質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の光学バリアフィルムを作製した。
(実施例4)
低屈折率層組成物の調製において、多孔質シリカ微粒子分散液の量を14.94質量部から13.37質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の光学バリアフィルムを作製した。
低屈折率層組成物の調製において、多孔質シリカ微粒子分散液の量を14.94質量部から13.37質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の光学バリアフィルムを作製した。
(比較例1)
低屈折率層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の光学バリアフィルムを作製した。
低屈折率層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の光学バリアフィルムを作製した。
(比較例2)
低屈折率層を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、比較例2の光学バリアフィルムを作製した。
低屈折率層を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、比較例2の光学バリアフィルムを作製した。
(比較例3)
低屈折率層を形成しなかったこと以外は、実施例3と同様にして、比較例3の光学バリアフィルムを作製した。
低屈折率層を形成しなかったこと以外は、実施例3と同様にして、比較例3の光学バリアフィルムを作製した。
(比較例4)
低屈折率層組成物の調製において、多孔質シリカ微粒子分散液の量を14.94質量部から10.58質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の光学バリアフィルムを作製した。
低屈折率層組成物の調製において、多孔質シリカ微粒子分散液の量を14.94質量部から10.58質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の光学バリアフィルムを作製した。
[光学バリアフィルムの評価方法]
(平均反射率及び屈折率)
実施例及び比較例で得られた光学バリアフィルムのマット層及び低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布し、反射防止の処置を行った。光学バリアフィルムの低屈折率層(又はマット層)表面について、自動分光光度計(日立製作所社製、U−4100)を用い、分光反射率を測定した。得られた分光反射率曲線より400nmから800nmの平均反射率を計算し求めた。また、分光反射率測定範囲内の極小反射率を用いて、低屈折率層の屈折率を計算した。各光学バリアフィルムの平均反射率及び低屈折率層の屈折率の値を表1に示す。なお、マット層の屈折率は、低屈折率層を備えない光学バリアフィルムを作製し、作製した光学バリアフィルムに対して同様の反射防止処置を行い、分光反射率を測定し、計算を行うことにより、求めた。
(平均反射率及び屈折率)
実施例及び比較例で得られた光学バリアフィルムのマット層及び低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布し、反射防止の処置を行った。光学バリアフィルムの低屈折率層(又はマット層)表面について、自動分光光度計(日立製作所社製、U−4100)を用い、分光反射率を測定した。得られた分光反射率曲線より400nmから800nmの平均反射率を計算し求めた。また、分光反射率測定範囲内の極小反射率を用いて、低屈折率層の屈折率を計算した。各光学バリアフィルムの平均反射率及び低屈折率層の屈折率の値を表1に示す。なお、マット層の屈折率は、低屈折率層を備えない光学バリアフィルムを作製し、作製した光学バリアフィルムに対して同様の反射防止処置を行い、分光反射率を測定し、計算を行うことにより、求めた。
(ヘーズ)
ヘーズメーター(日本電色工業社製、ヘーズメーター NDH2000)を用いて、JIS−K7136に準拠して、実施例及び比較例で得られた各光学バリアフィルムのヘーズを測定した。測定結果を表1に示す。ヘーズの測定値が10%以上であると、光学バリアフィルムを色変換フィルムに適用したときに、実用上問題のない光拡散性が得られると判断した。
ヘーズメーター(日本電色工業社製、ヘーズメーター NDH2000)を用いて、JIS−K7136に準拠して、実施例及び比較例で得られた各光学バリアフィルムのヘーズを測定した。測定結果を表1に示す。ヘーズの測定値が10%以上であると、光学バリアフィルムを色変換フィルムに適用したときに、実用上問題のない光拡散性が得られると判断した。
(傷付き及び傷付け防止性)
実施例及び比較例で得られた光学バリアフィルムと厚さ188μmのポリカーボネートフィルムとを、低屈折率層(又はマット層)とポリカーボネートフィルムとが互いに接するように重ねた状態で、25kgf/cm2の荷重下に30秒間放置した。その後、光学バリアフィルムとポリカーボネートフィルムとを目視及び顕微鏡によって観察した。ポリカーボネートフィルムは、バックライトユニットの導光板を模して用意した。光学バリアフィルムの傷付き及び傷付け防止性を以下の基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
A:光学バリアフィルムの低屈折率層(又はマット層)及びポリカーボネートフィルムに傷が認められない。
B:光学バリアフィルムの低屈折率層(又はマット層)及びポリカーボネートフィルムに傷が認められる。
C:光学バリアフィルムの低屈折率層(又はマット層)及びポリカーボネートフィルムに傷が顕著に認められる。
実施例及び比較例で得られた光学バリアフィルムと厚さ188μmのポリカーボネートフィルムとを、低屈折率層(又はマット層)とポリカーボネートフィルムとが互いに接するように重ねた状態で、25kgf/cm2の荷重下に30秒間放置した。その後、光学バリアフィルムとポリカーボネートフィルムとを目視及び顕微鏡によって観察した。ポリカーボネートフィルムは、バックライトユニットの導光板を模して用意した。光学バリアフィルムの傷付き及び傷付け防止性を以下の基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
A:光学バリアフィルムの低屈折率層(又はマット層)及びポリカーボネートフィルムに傷が認められない。
B:光学バリアフィルムの低屈折率層(又はマット層)及びポリカーボネートフィルムに傷が認められる。
C:光学バリアフィルムの低屈折率層(又はマット層)及びポリカーボネートフィルムに傷が顕著に認められる。
(アンチブロッキング性)
実施例及び比較例で得られた光学バリアフィルムと厚さ188μmのポリカーボネートフィルムとを、低屈折率層(又はマット層)とポリカーボネートフィルムとが互いに接するように重ねた状態で、50kgf/cm2の荷重下、且つ60℃の環境下に2時間放置した。その後、光学バリアフィルムとポリカーボネートフィルムとを目視によって観察した。ポリカーボネートフィルムは、バックライトユニットの導光板を模して用意した。光学バリアフィルムのアンチブロッキング性を以下の基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
A:ブロッキング(貼り付き)が認められない。
B:ブロッキングが認められる。
C:ブロッキングが顕著に認められる。
実施例及び比較例で得られた光学バリアフィルムと厚さ188μmのポリカーボネートフィルムとを、低屈折率層(又はマット層)とポリカーボネートフィルムとが互いに接するように重ねた状態で、50kgf/cm2の荷重下、且つ60℃の環境下に2時間放置した。その後、光学バリアフィルムとポリカーボネートフィルムとを目視によって観察した。ポリカーボネートフィルムは、バックライトユニットの導光板を模して用意した。光学バリアフィルムのアンチブロッキング性を以下の基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
A:ブロッキング(貼り付き)が認められない。
B:ブロッキングが認められる。
C:ブロッキングが顕著に認められる。
マット層上に屈折率1.45以下の低屈折率層を設けた実施例1〜4では、平均反射率の低く、傷付き及び傷付け防止性、並びにアンチブロッキング性に優れた光学バリアフィルムが得られた。このような光学バリアフィルムは、色変換フィルムの材料としても好適に使用できる。
本発明の光学バリアフィルム及び色変換フィルムは、青色LEDからなる光源を用いたバックライトユニットを構成する部材として利用できる。
1…フィルム基材、2…マット層、3…低屈折率層、4…バリア層、5…粘着層又は接着層、6…バリアフィルム基材、7…色変換層、10…光学バリアフィルム、20…色変換フィルム。
Claims (9)
- フィルム基材、該フィルム基材上に形成されたマット層、該マット層上に形成された低屈折率層、及び、前記フィルム基材の前記マット層と反対側に配置されたバリア層を備え、
前記低屈折率層の屈折率が1.10以上1.45以下である、光学バリアフィルム。 - 前記低屈折率層が中空又は多孔質シリカ粒子を含む、請求項1に記載の光学バリアフィルム。
- 前記低屈折率層の平均厚さが60nm以上140nm以下である、請求項1又は2に記載の光学バリアフィルム。
- 前記低屈折率層の屈折率が1.28以上1.45以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学バリアフィルム。
- 前記マット層がポリオール樹脂とイソシアネート硬化剤との反応物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学バリアフィルム。
- 前記マット層が微粒子をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学バリアフィルム。
- 前記バリア層が蒸着膜層を含み、前記蒸着膜層が金属酸化物を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学バリアフィルム。
- 前記金属酸化物が酸化ケイ素である、請求項7に記載の光学バリアフィルム。
- 色変換層と、該色変換層の両面上に形成された一対の保護フィルムとを備え、前記保護フィルムの少なくとも一方が請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学バリアフィルムである、色変換フィルム。
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JP2020049917A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | リンテック株式会社 | 書き味向上シート |
EP3605162A3 (en) * | 2018-07-31 | 2020-05-13 | Samsung Display Co., Ltd. | Low refractive layer and electronic device including the same |
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2015
- 2015-10-19 JP JP2015205554A patent/JP2017078747A/ja active Pending
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US11650363B2 (en) | 2018-07-31 | 2023-05-16 | Samsung Display Co., Ltd. | Low refractive layer and electronic device including the same |
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