JP2017078499A - 配管における熱伝導防止継手機構 - Google Patents

配管における熱伝導防止継手機構 Download PDF

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柄崎英夫
Hideo Tsukazaki
横田滋
Shigeru Yokota
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Takanashi Milk Products Co Ltd
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Abstract

【課題】高温配管と低温配管とを含む接続系における接続配管において熱伝導による悪影響を防止する構造を提供する。【解決手段】金属製フェルール3の外周に熱伝導率の小さい材料よりなるフェルールカバー1を設けこれを介して一対の金属製フェルールを締結する。【選択図】図2

Description

本発明は配管接続部の熱伝導防止継手機構に関する。
食品、飲料、医薬品、化粧品、ファインケミカル等の製造設備においては、設備の効率的利用を図るため同一設備で複数の製品を製造することも少なくない。しかし、これらの製品においては、異物の混入や原料・製品の変性を厳密に防止する必要がある。
これらの製造設備においては、例えば、複数の原料を一つの反応系に添加したり、生成物を複数のタンクに分配したり、あるいは、一つの配管系を洗浄しつつ他の配管系を利用するような場合に配管を接続する構造がしばしば利用される。
このような場合、一般配管のネジ込み継手やフランジ継手等では配管の内面に段差や溝ができてしまい、汚れや残液が溜まり、製品品質が低下するおそれがある。そこで、上記のような製品の製造設備ではサニタリー継手が用いられている。
従来のサニタリー継手は、図3に示すように、一般的にステンレス鋼より成る一対のフェルール13、ステンレス鋼より成るクランプバンド12、ゴムあるいはフッ素樹脂等より成るガスケット15によって構成され、フェルール13をガスケット15を挟んで正対させ、クランプバンド12で固定するものである。サニタリー継手によれば、接続部内面が平滑な連続面となり、また、クランプバンドを外せば分解洗浄も容易であるため清浄性の維持に有効である。
しかし、図4に示すように配管Aと配管Bとで流れる流体の温度が異なる場合、例えば、配管Aには蒸気や熱水等の高温流体を流し配管Bには水等の低温流体を流す場合、フェルール間は熱伝導率の低いガスケットを介しており直接伝熱はないものの、熱伝導率の高いクランプバンドを経由して伝熱する。このため、図4中の矢印の方向で熱が伝わり、低温配管側においても温度上昇が免れない。この結果、低温流体がタンパク質等の熱変性を起こしやすい物質を含む場合や衛生上の理由(例えば、微生物の繁殖防止)で低温を維持すべき場合、従来の接続構造には問題があった。同様の問題は、配管Aには常温流体を流し配管Bには冷却した原料・製品等の低温流体を流す場合にも生じる。
そこで、高温配管と低温配管とを含む接続系における接続配管において熱伝導による悪影響を防止する熱伝導防止継手機構が求められている。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、以下の構成により、熱伝導防止継手機構を提供する。
[1]一対の金属製フェルール、金属製クランプバンドおよびガスケットを含む配管接続構造において、金属製フェルールの外周に熱伝導率の小さい材料よりなるフェルールカバーを設けこれを介して前記一対の金属製フェルールを締結することを特徴とする継手機構。
[2]前記フェルールカバーは、ゴム、樹脂またはセラミックス材料からなる前記[1]に記載の継手機構。
[3]前記フェルールカバーは、2つ以上に分割されたフェルールカバー部材からなる前記[1]または[2]に記載の継手機構。
[4]前記フェルールカバー部材は、それ自体の応力、止め輪またはネジ止めにより金属フェルール上に固定される前記[3]に記載の継手機構。
本発明の熱伝導防止継手機構によれば、配管接続部の熱伝導が最小限に抑えられ、かつ、製品や原料の移送後、必要に応じて分解洗浄できるので、食品、飲料、医薬品、化粧品、ファインケミカル等の製造施設の効率的利用と製品品質の維持を両立させるものであり、これらの製造設備において極めて有用である。また、金属フェルールの溶接後に断熱フェルールを設置できる。
本発明における接続配管の概要を示す模式的断面図である。 本発明におけるフェルールカバーの概要を示す模式断面図である。 従来のサニタリー継手の構造の概要を示す模式断面図である。 従来のサニタリー継手構造における熱伝導の概要を示す模式断面図である。 本発明におけるフェルール一体型フェルールカバーの概要を示す模式斜視図である。 本発明におけるクランプ一体型フェルールカバーの概要を示す模式斜視図である。 本発明における独立型フェルールカバーの各種態様の概要を示す模式斜視図である。
本発明の継手機構は、第一の流路を形成する第一の配管、第二の流路を形成する第二の配管及び第一の配管と第二の配管との間を接続する接続配管を有し、第一の流路の供給側から前記接続配管を通り第二の流路の排出側に続く第三の流路を形成することが可能な流路切り替え機構において一般に有効であるが、特に接続配管が短い場合、典型的にはヘッダー配管機構の一部である場合に有効性が高い。以下の説明ではヘッダー配管における2ラインの切り替えを目的とし2台のヘッダー主弁によりなされるミックスプルーフバルブ機構を例として説明するが、配管の機能はヘッダー配管でなくてもよいしミックスプルーフバルブ以外の切り替え機構でも本発明は適用可能である。
既に述べたように、一般にこのようなヘッダー配管における2ラインの切り替えでは、図3に示すようにサニタリー継手が用いられている。これは図3に示すように、一般的にステンレス鋼製のフェルールを金属配管の端部に溶接するか、初めからフェルールの設けられたフェルール付金属配管をフェルールが正対するように配置し、その間にゴムあるいは四フッ化エチレン等のフッ素樹脂より成るガスケットを挟みステンレス鋼より成るクランプバンドによって挟み込んで固定するものである。ガスケットにはOリングや十字パッキンが用いられる。
本発明では、図2に示すように、こうした従来の機構における金属製フェルール3の外周に伝熱性の低いフェルールカバー1を設け、これを介してクランプバンド2により前記一対の金属製フェルール3を締結することにより、隣接する配管4の間の熱伝導を防止する。なお、フェルール3間の正対端面間には熱伝導率の低いガスケット5を挟んで熱伝導を防止する。
フェルールカバーは金属製フェルールの接続部外周(クランプバンド2に接触する部分)を覆い得るものであればよく、例えば、図2に示すように、装着時、概ね円環状の形態を有する。
このようなフェルールカバーは
(1)予め一対の金属製フェルールのそれぞれの外周に設けてもよいし、
(2)金属製フェルールの正対時に、対となるフェルールの両者をカバーして覆うクランプバンドの内面に設けたものでもよいし、
(3)一対の金属製フェルールの接続部を受け入れる凹部を有する弾性体を円環状部材として形成し、金属製フェルールの接続部外周に嵌合してもよいし、
(4)金属製フェルールのそれぞれに対応する一対の円環状カバーであって、かつ、円環状部材を弧状に複数に分割した部材として形成し、金属製フェルールの接続部外周に対となる部材を付設して止め輪またはネジ止めにより金属フェルール上に固定してもよい。
(1)の場合、フェルールカバーは金属製フェルールと一体のものとして製造するか、あるいは金属製フェルールの製造後にその外周に被せる。その概略斜視図を図5に示す。この図に示すように、フェルールカバーは金属製フェルールの接続部外周をそれぞれ覆っており、接続時は、この一対のカバー付き金属製フェルールを、ガスケットを挟んで正対当接した後、金属製クランプバンドで全体を締結する。金属製クランプバンドは金属製フェルールに直接には接しないため、金属製クランプバンドを介した熱伝導は生じないか最小に抑えられる。
(2)の場合、フェルールカバーは金属製クランプバンドと一体のものとして製造するか、あるいは金属製クランプバンドの製造後にその内周に被せる。その概略斜視図を図6に示す。この図に示すように、フェルールカバーは金属製フェルールの接続部外周に対応する位置でクランプバンド内面を覆っており、接続時は、フェルールをガスケットを挟んで正対当接した後、この一対のカバー付き金属製クランプバンドで全体を締結する。金属製クランプバンドは金属製フェルールに直接には接しないため、金属製クランプバンドを介した熱伝導は生じないか最小に抑えられる。
上記(3)の場合、フェルールカバーの概略斜視図を図7(A)に示すように弾性体を円環状部材として形成したものである。接続時は、この一対のフェルールカバーを(必要に応じてその円環を拡げるようにして)金属製フェルールに被せ、金属製フェルールを、ガスケットを挟んで正対当接した後、金属製クランプバンドで全体を締結する。金属製クランプバンドは金属製フェルールに直接には接しないため、金属製クランプバンドを介した熱伝導は生じないか最小に抑えられる。
図7(A)ではフェルールカバーは対となる2つの部材からなるが、これを一体化してもよい。この場合、接続時は、このフェルールカバーを、いずれ一方の配管側に仮設しておき、金属製フェルールをガスケットを挟んで正対当接した後、その接続部に(必要に応じてその円環を拡げるようにして)に被せ、金属製クランプバンドで全体を締結する。
上記(4)の場合、フェルールカバーは円環の一部を周の複数個所で分割したものである。典型的には2カ所で分割して半円弧状のものとする(図7(B)または(C))。上記(3)の場合と同様、これはそれぞれのフェルールに対応するように分割してもよいし(図7(C))、一体化してもよい(図7(B))。
図7(B)の場合、接続時は、一対の金属製フェルールをガスケットを挟んで正対当接した後、その金属製フェルールの接続部外周にフェルールカバーの凹部が嵌り込むように各円弧状のフェルールカバーを順次被せて金属製フェルール上に仮固定し、金属製フェルールの接合部の外周全体を覆った後に金属製クランプバンドで金属製フェルールごと締結する。
図7(C)の場合、接続時は、一対の金属製フェルールをガスケットを挟んで正対当接した後、その金属製フェルールの接続部外周を、対となるフェルールカバーが覆うように各円弧状のフェルールカバーを順次被せて止め輪またはネジ止めで固定し、金属製フェルールの接合部の外周全体を覆った後に金属製クランプバンドで金属製フェルールごと締結する。なお、これらの固定手段は本発明の他の態様でも必要に応じて用い得る。
なお、金属製クランプバンドはその名称のいかんを問わず、従来の金属製フェルールの接続に用いられているものと同種のものを用いることができる。一般的にはステンレス製である。ガスケットも、従来の金属製フェルールの接続に用いられているものと同種のものを用いることができる。但し、本発明の特徴から、金属製フェルール間の接触を完全に遮断する構造のものに限る。金属製フェルールも上記(1)でフェルールと一体にカバーを設ける場合を除いて従来と同様でよい。
フェルールカバーを形成する材料は、金属製クランプバンドでの締結に耐え得る強度・剛性を有し、低熱伝導率を有する材料であれば限定されない。ここで低熱伝導率とは目的に応じて決められるが、金属製クランプバンドの構成金属に比べて有意に低い熱伝導率であればよく、好ましくは金属に比べて50分の1以下、より好ましくは100分の1以下の材料である。例えば、ガラスまたはカーボン繊維強化ポリアミド、PTFE(フッ素樹脂)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、液晶ポリマー等の樹脂や各種のセラミックが挙げられる。但し、上記(3)の場合は、十分な弾性も必要であり、そのような材料としてはエチレン・プロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、
ブチルゴム(IIR)、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴム、エラストマー類も含まれる。
加工食品製造ライン向け液配管において、本発明の実施例及び比較例による確認を試みた。配管および金属製フェルールサイズは1.5Sとし、フェルールカバー締結用金属製クランプバンドのサイズは2.0Sとした。この差に対応するように上記の各態様のフェルールカバーをPEEKで製造し、装着した。比較例ではフェルールカバー締結用金属製クランプバンドのサイズを金属製フェルールサイズと同等とし従来通り、金属製フェルールと金属製クランプバンドを密着させて用いた。
ちなみにPEEKの熱伝導率は0.24 W/m・K、ステンレスの熱伝導率は16.7〜20.9 W/m・K程度である。
操業条件下、一方の配管には沸騰水を、他方の配管には冷水を通す実験を繰り返したところ、本発明では、冷水の温度上昇はほぼ4℃以下、最大でも13℃未満に抑えられたのに対し、比較例では30℃以上の上昇も見られ、本発明では製品品質への影響がほぼ抑えられ得ることが確認できた。
本発明は、従来の配管接続における熱伝導の問題点を解消するものであり、殺菌やガス置換等のために配管を蒸気や温水・熱水、加熱空気や加熱ガスによって加熱する必要のある配管設備、製品や原料に冷却の必要があるため冷却状態で配管内を移送する必要のある配管設備、温度により変質のおそれがあるため温度管理(例えば、運用温度域:2〜150℃)を厳しく行いつつ製品や原料を移送する必要のある配管設備において有用であり、例えば、食品、飲料、医薬品、化粧品、ファインケミカル等の製造設備において有用である。



Claims (4)

  1. 一対の金属製フェルール、金属製クランプバンドおよびガスケットを含む配管接続構造において、金属製フェルールの外周に熱伝導率の小さい材料よりなるフェルールカバーを設けこれを介して前記一対の金属製フェルールを締結することを特徴とする継手機構。
  2. 前記フェルールカバーは、ゴム、樹脂またはセラミックス材料からなる請求項1に記載の継手機構。
  3. 前記フェルールカバーは、2つ以上に分割されたフェルールカバー部材からなる請求項1または2に記載の継手機構。
  4. 前記フェルールカバー部材は、それ自体の応力、止め輪またはネジ止めにより金属フェルール上に固定される請求項3に記載の継手機構。

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019035345A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 株式会社豊田自動織機 内燃機関の排気管
JP2020204367A (ja) * 2019-06-18 2020-12-24 株式会社Nsc サニタリー配管
KR102291976B1 (ko) * 2021-04-29 2021-08-23 대한강관 주식회사 이중수밀구조 연결장치 및 이를 구비한 일체형 내부평활 파형강관

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