JP2017077539A - 脱水促進剤及び汚泥の脱水方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】汚泥の脱水率を向上させることができる脱水促進剤及び汚泥の脱水方法を提供すること。【解決手段】本発明においては、D−アミノ酸又はその塩を有効成分として含む、脱水促進剤、及び、汚泥とD−アミノ酸又はその塩とを接触させる工程と、前記D−アミノ酸又はその塩を接触させた汚泥を脱水する工程と、を備える、汚泥の脱水方法が提供される。【選択図】なし
Description
本発明は、脱水促進剤及び汚泥の脱水方法に関する。
排水処理の方法として活性汚泥法が知られている。活性汚泥法における有機性排水処理によって発生する余剰汚泥は、大量の水を含んでいるため、通常は脱水処理を経て焼却される。汚泥の脱水は、遠心脱水機、ベルトプレス、フィルタープレス等の機械的作用で汚泥を圧搾、濃縮する方法が知られており、当該方法による脱水効率を向上させるため、汚泥を凝集させる高分子凝集剤を用いることも行われている。
また、脱水効率を向上させるための方法として、例えば特許文献1では、陽極と陰極との間で余剰汚泥を挟み、圧搾しながら両極間に通電して脱水する電気浸透脱水方法が開示されている。
余剰汚泥を焼却処理する場合、汚泥に水分が含まれると、当該水分の蒸発潜熱分の燃料を消費することとなり、焼却処理に多量のエネルギーを要することが問題となる。一方、上述した機械的作用で汚泥を圧搾、濃縮する方法では、汚泥の含水率を十分に低減することはできない。さらに、特許文献1に開示された方法によっても、汚泥の含水率を十分に低減することは困難であり、逆に通電によるエネルギー消費が多くなるというデメリットがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、汚泥の脱水率を向上させることができる脱水促進剤及び汚泥の脱水方法を提供することを目的とする。
本発明は、D−アミノ酸又はその塩を有効成分として含む、脱水促進剤を提供する。このような脱水促進剤を用いることにより、汚泥の脱水率を向上させることができる。
本発明はまた、汚泥とD−アミノ酸又はその塩とを接触させる工程と、上記D−アミノ酸又はその塩を接触させた汚泥を脱水する工程と、を備える、汚泥の脱水方法を提供する。このような汚泥の脱水方法によれば、上記脱水促進剤と同様の作用・効果を得ることができる。
本発明によれば、汚泥の脱水率を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための形態についてより詳細に説明する。しかし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[脱水促進剤]
本実施形態に係る脱水促進剤は、D−アミノ酸又はその塩を有効成分として含む。本発明において脱水促進剤は、例えば、汚泥に含まれる水分の脱水率を向上させるための脱水促進剤である。
本実施形態に係る脱水促進剤は、D−アミノ酸又はその塩を有効成分として含む。本発明において脱水促進剤は、例えば、汚泥に含まれる水分の脱水率を向上させるための脱水促進剤である。
D−アミノ酸は、アミノ酸のD型の光学異性体であり、例えば、D−アラニン、D−アルギニン、D−アスパラギン、D−アスパラギン酸、D−システイン、D−グルタミン、D−グルタミン酸、D−ヒスチジン、D−イソロイシン、D−ロイシン、D−リシン、D−メチオニン、D−フェニルアラニン、D−プロリン、D−セリン、D−トレオニン、D−トリプトファン、D−チロシン及びD−バリンが挙げられる。これらの中でも、優れた脱水率が得られる観点から、D−ロイシン、D−フェニルアラニン、D−プロリン、D−トリプトファン、D−チロシンを用いることが好ましい。また、汚泥の状態に依存することなく安定的に十分な脱水率を確保できる観点から、D−ロイシン、D−トリプトファン、D−チロシンを用いることが好ましく、安価に入手できる観点から、D−アラニン、D−アスパラギン、D−アスパラギン酸、D−グルタミン酸、D−ロイシン、D−フェニルアラニン、D−トレオニン、D−バリンを用いることが好ましく、溶解性が高く高濃度で調製でき操作性に優れる観点から、D−ロイシンを用いることが好ましい。
D−アミノ酸の塩としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩等の金属塩、アンモニア塩、有機アミンとの塩等の塩基類との塩、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の酸との付加塩、及びこれらの組み合わせなどを挙げることができる。
これらのD−アミノ酸又はその塩は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。D−アミノ酸又はその塩は、例えば、微生物を用いたアミノ酸発酵、不斉合成、光学分割等の化学合成など、常法に従い入手することができる。また、D−アミノ酸又はその塩として市販されているものを購入してもよい。D−アミノ酸を分泌する微生物としては、例えば、バチルス属細菌、ラクトバチルス属細菌、ピロコッカス属細菌等が挙げられる。
汚泥に接触させるD−アミノ酸の濃度としては、特に制限されるものではないが、例えば、1pM〜100mMの範囲であってよく、10pM〜100μMの範囲が好ましく、100pM〜100nMの範囲がより好ましい。D−アミノ酸の濃度が上記範囲であれば、汚泥の脱水率をより効果的に確保しつつ、コストの増加も抑制でき経済的である。
本実施形態に係る脱水促進剤は、上述したD−アミノ酸のみからなっていてもよく、D−アミノ酸以外の成分を含んでいてもよい。D−アミノ酸以外の成分としては、例えば、水、アルコール等の担体、界面活性剤、キレート剤、リポソーム、DMSO、pH調整剤、無機塩類などを挙げることができる。
本実施形態に係る脱水促進剤は、固体(例えば、粉末、顆粒、錠剤)、液体(例えば、水溶液、懸濁液)、ペースト等のいずれの形状であってもよい。
[汚泥の脱水方法]
本実施形態に係る汚泥の脱水方法は、汚泥とD−アミノ酸又はその塩とを接触させる工程(接触工程)と、D−アミノ酸又はその塩を接触させた汚泥を脱水する工程(脱水工程)と、を備える。
本実施形態に係る汚泥の脱水方法は、汚泥とD−アミノ酸又はその塩とを接触させる工程(接触工程)と、D−アミノ酸又はその塩を接触させた汚泥を脱水する工程(脱水工程)と、を備える。
(接触工程)
接触工程は、汚泥とD−アミノ酸又はその塩とを接触させる工程である。本工程におけるD−アミノ酸又はその塩の具体的態様等は、上記脱水促進剤について説明した態様等と同様であり、ここでは重複する説明を省略する。
接触工程は、汚泥とD−アミノ酸又はその塩とを接触させる工程である。本工程におけるD−アミノ酸又はその塩の具体的態様等は、上記脱水促進剤について説明した態様等と同様であり、ここでは重複する説明を省略する。
汚泥とD−アミノ酸又はその塩とを接触させる方法は、特に制限されず、例えば、D−アミノ酸又はその塩を薬剤(例えば、上述した脱水促進剤)として汚泥に添加する方法、D−アミノ酸又はその塩を合成、分泌する微生物の培養ブロスを汚泥に添加する方法、汚泥と当該微生物とを混合して培養する方法等が挙げられる。また、汚泥とD−アミノ酸又はその塩とを接触させる時間(接触時間)及び温度(接触温度)は、上記汚泥とD−アミノ酸又はその塩とを接触させる方法に応じて適宜設定することができ、特に制限されることはないが、例えば、接触時間については30分〜3日の範囲、接触温度については10〜40℃の範囲で適宜設定することができる。
(脱水工程)
脱水工程は、上記接触工程でD−アミノ酸又はその塩を接触させた汚泥を脱水する工程である。脱水工程は特に制限されず、当技術分野において公知の汚泥の脱水方法を適宜採用することができる。例えば、遠心脱水機、ベルトプレス、フィルタープレス等の機械的作用で汚泥を圧搾、濃縮する方法などが挙げられる。
脱水工程は、上記接触工程でD−アミノ酸又はその塩を接触させた汚泥を脱水する工程である。脱水工程は特に制限されず、当技術分野において公知の汚泥の脱水方法を適宜採用することができる。例えば、遠心脱水機、ベルトプレス、フィルタープレス等の機械的作用で汚泥を圧搾、濃縮する方法などが挙げられる。
本実施形態に係る汚泥の脱水方法は、上述した接触工程及び脱水工程以外にも、例えば、接触工程の前に、生成した汚泥を回収して保管する工程(保管工程)を備えていてもよく、接触工程の前又は後に、汚泥に高分子凝集剤や無機凝集剤を接触させる工程(凝集工程)を備えていてもよく、脱水工程の後に、汚泥を焼却する工程(焼却工程)を備えていてもよい。上記凝集工程を備えることにより、汚泥のフロックを高分子凝集剤により凝集させることができるため、後の脱水工程における汚泥の脱水効率をより一層向上させることができる。
なお、上記「工程」との用語は、各工程の所期の目的が達成されれば、当該各工程が必ずしも独立した別個の工程でなくともよい。例えば、保管工程及び接触工程が同時に行われてもよいし、さらに接触工程及び凝集工程が同時に行われてもよい。
従来、汚泥の脱水方法としては、汚泥の脱水は、遠心脱水機、ベルトプレス、フィルタープレス等の機械的作用で汚泥を圧搾、濃縮する方法が知られており、当該方法による脱水効率を向上させるため、汚泥を凝集させる高分子凝集剤や無機凝集剤を用いることも知られていたが、こうした脱水方法を用いたとしても、汚泥の含水率をせいぜい70%〜80%程度にすることが限界であった。一方で、汚泥の含水率を数%(例えば1%)低減することができれば、汚泥焼却時のエネルギーコストを大幅に軽減することができる。
本発明に係る脱水促進剤及び汚泥の脱水方法は、エネルギー消費量を増加させることなく、また低コストで汚泥の脱水率を従来よりも向上させることにより、汚泥処理時のエネルギーコストを大幅に低減することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5)
D−ロイシン(実施例1)、D−プロリン(実施例2)、D−アスパラギン酸(実施例3)、D−チロシン(実施例4)及びD−トリプトファン(実施例5)をそれぞれ、最終濃度が20nMとなるように汚泥(100ml)に添加し、37℃、100rpmで1時間混合した。得られた混合液をろ紙(ADVANTEC社製、No.5C)を用いて5分間ろ過し、ろ液量を測定した。
D−ロイシン(実施例1)、D−プロリン(実施例2)、D−アスパラギン酸(実施例3)、D−チロシン(実施例4)及びD−トリプトファン(実施例5)をそれぞれ、最終濃度が20nMとなるように汚泥(100ml)に添加し、37℃、100rpmで1時間混合した。得られた混合液をろ紙(ADVANTEC社製、No.5C)を用いて5分間ろ過し、ろ液量を測定した。
(比較例)
D−アミノ酸を添加しなかった以外は実施例1〜5と同様にしてろ液量を測定した。
D−アミノ酸を添加しなかった以外は実施例1〜5と同様にしてろ液量を測定した。
比較例で得られたろ液量を1としたときの実施例1〜5のろ液量を算出した値(脱水性比率)を図1に示す。
Claims (2)
- D−アミノ酸又はその塩を有効成分として含む、脱水促進剤。
- 汚泥とD−アミノ酸又はその塩とを接触させる工程と、
前記D−アミノ酸又はその塩を接触させた汚泥を脱水する工程と、を備える、汚泥の脱水方法。
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JP2015207369A JP2017077539A (ja) | 2015-10-21 | 2015-10-21 | 脱水促進剤及び汚泥の脱水方法 |
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JP (1) | JP2017077539A (ja) |
Cited By (3)
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CN111423095A (zh) * | 2020-03-05 | 2020-07-17 | 厦门大学 | 一种处理剩余活性污泥的方法 |
CN111847815A (zh) * | 2020-07-21 | 2020-10-30 | 北京林业大学 | 一种污泥d型氨基酸-无机酸联合循环-射流的调理方法 |
CN116121739A (zh) * | 2023-02-22 | 2023-05-16 | 江苏科利恩净水科技有限公司 | 一种弱酸水质用含锌无磷铁系预膜剂及其制备方法 |
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2015
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