JP2017076023A - 加熱装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、加熱効率が良く、加熱装置の短寿命化を防ぐことを可能とする加熱装置を提供することを目的としている。
【解決手段】 抵抗発熱体11bと、抵抗発熱体11bの加熱対象物側の面に設けられた保護層11cと、抵抗発熱体11bの保護層11cが設けられた面とは逆側の面に設けられ、保護層11cと同一の線膨張係数で、保護層11cよりも高い空孔率を有する支持部材11aと、を有することを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、加熱装置に関し、特に、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に設けられる定着装置に装備される加熱装置に関する。
従来から種々の加熱装置が提案されている。例えば、特許文献1には、ヒータ発熱面の均熱化を目的とした小型セラミックヒータが記載されている。
小型セラミックヒータは、セラミック製の支持部材上に設けられた抵抗発熱体と、該抵抗発熱体を覆うようにセラミック製の被覆層を備えている。被覆層は、同一材料からなる複数の層が積層されている。複数の層には高密度層と高密度層に対してセラミック製の支持部材から遠い側に位置する低密度層とが少なくとも一組設けられている。
セラミックヒータは、被覆層側を加熱面として、該被覆層を低密度層と高密度層とを積層して構成する。これにより低密度層と高密度層との境界面で被覆層の厚み方向への熱拡散よりも被覆層の厚み方向と垂直な方向への熱拡散を重視させ、被加熱体の加熱面に対して加熱面内の均熱化を実現している。
また、特許文献2には、加熱対象物に対するヒータの加熱効率の向上を目的としたジャケットヒータが記載されている。
上述したジャケットヒータは、発熱体を包んで収容する外装材を含み、その外装材が、加熱対象側に設けられた保護層としての第一の成形体と第二の成形体とから構成されている。上述した第二の成形体は、多孔質構造を有する樹脂製の成形体である。
第二の成形体が熱低効率の高い多孔質を有する成形体であることにより、第二の成形体方向への熱の移動を抑え、第一の成形体方向へ熱が移動し易くなる。このような構成にすることにより加熱対象物への加熱効率の向上を実現している。
特開2012−119120号公報 特開2015−069931号公報
しかしながら、特許文献1のようなセラミックヒータでは、加熱層(セラミック製の被覆層)の厚み方向への熱拡散が小さくなる。加熱層の厚み方向への熱拡散が小さくなることで、発熱体で発生した熱量のうち加熱層表面への熱量が少なくなり、加熱層表面を所定温度にまで上げるまでに時間を費やすことになる。また、時間を費やす分だけ発熱体で発生する熱量を大きくする必要がある。
画像形成装置に設けられる定着装置に装備される加熱装置では、厚み方向への熱拡散を重視している。その理由は、発熱体で発生する熱量を効率良く使用し、加熱面の温度上昇を速くする必要があるからである。加熱部材及び加圧部材を低温(室温)から高温(トナー画像の定着性を満足する温度)まで温度を上げるときの時間が重要である。また、記録材が加熱部材及び加圧部材の温度を奪ったときに、速く温度復帰させ、加熱部材及び加圧部材の温度を維持する必要がある。それができないと画像の定着性を損なう恐れがある。
また、特許文献2のようなジャケットヒータでは、発熱体が極端に高温になった場合に上述した第一の成形体と第二の成形体が異なる線膨張係数を有する材料で構成されていると、各成形体間で熱膨張量の差が生じ、第一の成形体と第二の成形体との境界で剥離が生じ、加熱装置の短寿命化を招く可能性がある。
本発明はこれらの課題を解決するものであり、その目的とするところは、加熱効率が良く、加熱装置の短寿命化を防ぐことを可能とする加熱装置を提供するものである。
前記目的を達成するための本発明に係る加熱装置の代表的な構成は、発熱体と、前記発熱体の加熱対象物側の面に設けられた第一の部材と、前記発熱体の前記第一の部材が設けられた面とは逆側の面に設けられ、前記第一の部材と同一の線膨張係数で、前記第一の部材よりも高い空孔率を有する第二の部材と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、加熱効率が良く、加熱装置の短寿命化を防ぐことができる。
本発明に係る加熱装置を定着装置に備えた画像形成装置の構成を示す断面説明図である。 本発明に係る加熱装置を備えた定着装置の構成を示す断面説明図である。 本発明に係る加熱装置を備えた定着装置の構成を示す断面説明図である。 (a)は本発明に係る加熱装置を備えた定着装置の定着ユニットの構成を示す断面説明図である。(b)は本発明に係る加熱装置を備えた定着装置の定着ユニットの他の構成を示す断面説明図である。 (a)は本発明に係る加熱装置の構成を示す断面説明図である。(b)は本発明に係る加熱装置を構成する発熱体、支持部材及び被覆層のそれぞれの材質、熱伝導率、厚さの一例を示す図である。 (a),(b)は本発明に係る加熱装置の熱量分布を説明する断面説明図である。 (a),(b)は本発明に係る加熱装置を備えた定着装置と、比較例の定着装置とで効果を比較した図である。 (a),(b)は比較例の加熱装置の熱量分布を説明する断面説明図である。
図により本発明に係る加熱装置、定着装置及び画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。尚、以下の実施形態に記載されている構成や数値等はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<画像形成装置>
先ず、図1を用いて本発明に係る加熱装置を定着装置に設けた画像形成装置の構成について説明する。図1に示す画像形成装置100は、給送カセット1内に収容された記録材Pが給送ローラ2により繰り出され、図示しない分離手段との協働により一枚ずつ給送される。その後、一旦停止したレジストローラ3のニップ部に記録材Pの先端部が当接し、該記録材Pの腰の力により斜行が補正される。
その後、記録材Pは、所定のタイミングでレジストローラ3により挟持搬送されて像担持体となる感光ドラム101と、転写手段となる転写ローラ105との転写ニップ部Ntに搬送される。
記録材Pにトナー画像を形成する画像形成手段となる画像形成部4には、図1の反時計回り方向に回転する感光ドラム101が設けられている。該感光ドラム101の周囲には、該感光ドラム101の表面を一様に帯電する帯電手段となる帯電ローラ102が設けられている。更に、帯電ローラ102により一様に帯電された感光ドラム101の表面に画像情報に応じてレーザ光103aを照射する像露光手段となるレーザスキャナ103が設けられている。
レーザスキャナ103から出射されたレーザ光103aにより露光された感光ドラム101の表面には画像情報に応じた静電潜像が形成される。感光ドラム101の表面に形成された静電潜像に対して現像手段となる現像装置104により現像剤(トナー)が供給されて静電潜像がトナー像として現像される。
感光ドラム101の表面に形成されたトナー像が転写ニップ部Ntに到達するタイミングに合わせてレジストローラ3により挟持搬送される記録材Pの先端部が転写ニップ部Ntに到達する。
感光ドラム101の表面に形成されたトナー像は、転写ローラ105により転写ニップ部Ntを通過する記録材Pに転写される。その後、分離手段となる分離針106に電圧が印加されると、該分離針106から放電電流が流れて記録材Pが感光ドラム101の表面から分離される。
転写後に感光ドラム101の表面に残留した残トナーは、クリーニング手段となるクリーニング装置107に設けられたクリーニングブレードにより掻き取られて回収される。
図2に示すように、未定着のトナー画像tが形成された記録材Pは、定着装置108に搬送される。そして、該定着装置108に設けられた定着ユニット5の定着ベルトとなる定着フィルム10と、加圧部材となる加圧ローラ20との定着ニップ部Nに搬送される。そして、加熱及び加圧されることにより記録材P上(記録材上)に形成された未定着のトナー画像tが加熱定着される。トナー画像が加熱定着された記録材Pは、図示しない排出ローラ等により画像形成装置100の外に排出される。
<定着装置>
次に、図2及び図3を用いて本発明に係る加熱装置を備えた定着装置の構成について説明する。図2及び図3は、本発明に係る加熱装置を備えた定着装置108の構成を示す断面説明図である。以下の説明において、定着装置108を構成している各部材に関し、長手方向とは、図2の矢印a方向で示す記録材Pの搬送方向に対して直交する方向(図2の紙面手前から奥側方向)である。また、短手方向とは、図2の矢印a方向で示す記録材Pの搬送方向と同一方向である。
本実施形態の定着装置108は、定着ユニット5と、加圧ローラ20とを有して構成される。定着ユニット5は、加熱装置となる加熱ヒータ11と、該加熱ヒータ11と摺動しつつ回転する定着ベルトとなる可撓性を有する定着フィルム10とを有する。定着フィルム10を介した加熱ヒータ11からの熱により記録材P上に形成された未定着のトナー画像tが加熱定着される。
<加熱装置>
加熱装置となる加熱ヒータ11は、図2〜図5に示すように、断熱性を有する支持部材11a(第二の部材)と、該支持部材11a上に設けられた抵抗発熱体11b(発熱体)を有する。更に、該支持部材11a上に設けられた抵抗発熱体11bを被覆する第一の部材となる保護層11cとを積層して構成される。図2に示すように、保護層11c(第一の部材)は、定着フィルム10を介して抵抗発熱体11b(発熱体)の加熱対象物となる記録材P上に形成された未定着のトナー画像t側(加熱対象物側)の面に設けられている。支持部材11a(第二の部材)は、抵抗発熱体11b(発熱体)の保護層11c(第一の部材)が設けられた面とは逆側の面に設けられている。
支持部材11aは、多孔質部材により構成される。これにより図2〜図5に示すように、支持部材11aの内部には、それぞれ独立した空気からなる気泡Hが複数含有されている。図5(b)に示すように、本実施形態の支持部材11aと保護層11cとは、同一材料のポリイミドからなる。
支持部材11aの内部には、気泡Hが含有されているため該支持部材11aの熱伝導率(0.044W/m・K;ワット毎メートル毎ケルビン)は、被覆層となる保護層11cの熱伝導率(0.27W/m・K)よりも小さい。保護層11c(第一の部材)と、支持部材11a(第二の部材)とは、同一の熱膨張係数で、支持部材11a(第二の部材)は、保護層11c(第一の部材)よりも高い空孔率を有して構成される。
図2〜図4に示すように、定着ユニット5は、加熱ヒータ11と、可撓性部材としての定着フィルム10と、ガイド部材12と、ステイ13とを有する。ステイ13と、定着フィルム10と、加熱ヒータ11と、加圧ローラ20とは、何れも長手方向に細長い部材として構成される。
ステイ13は、耐熱性及び剛性を有する所定の材料を用いて縦断面が桶型形状で形成されており、ステイ13によりガイド部材12を介して加熱ヒータ11を保持している。定着フィルム10は耐熱性を有し、円筒状(無端状)に形成されている。定着フィルム10は、ガイド部材12及びステイ13に外嵌されている。定着フィルム10の内周長と、ステイ13の外周長では、定着フィルム10の内周長が大きくなるように設定されている。従って、定着フィルム10は、内周長に余裕を持ってステイ13に外嵌されている。
<定着ベルト>
定着ベルトとなる定着フィルム10は、耐熱性を有する円筒形状で構成され、加熱ヒータ11を保持するガイド部材12に外嵌されている。定着フィルム10は、耐熱性の他に離型性、強度、耐久性、可撓性を有する単層、或いは、複合層からなるフィルム材が使用できる。例えば、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;Polytetrafluoroethylene)が使用できる。
更に、FEP(テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体)等の単層フィルムが使用できる。或いは、アルミニウムやニッケル等の金属フィルムが使用できる。或いは、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK;Polyetheretherketone)、ポリエーテルサルホン(PES;Poly Ether Sulfone)等のフィルム材が使用できる。
更に、ポリフェニレンサルファイド(PPS;Polyphenylene sulfide)等の樹脂フィルムの外周表面に以下の離型層をコーティングした複合層フィルム等が適用可能である。離型層としては、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)が使用できる。更に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;Polytetrafluoroethylene)、FEP(テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体)等の離型層が使用できる。
本実施形態の定着フィルム10は、ポリイミドやポリアミドイミド系のイミド樹脂を基層として形成される。基層の外周表面に記録材Pの分離性を確保するために以下の離型層を形成している。離型層としては、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素系樹脂が使用できる。
更に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;Polytetrafluoroethylene)等のフッ素系樹脂が使用できる。或いは、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱性樹脂を混合するか、若しくは、単独で被覆して、離型層を形成することが出来る。特に、基層のイミド樹脂は、耐熱性、潤滑性、耐摩耗性に優れた材料で、イミド樹脂自身の削れも軽微であり、優れた摺動性を有する。
定着フィルム10の総厚は、定着装置108のクイックスタートを可能にするために100μm以下としている。また、長寿命の定着装置108を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れた定着フィルム10として、総厚として30μm以上の厚みが必要である。よって、定着フィルム10の総厚として30μm〜100μmが最適である。
図5(b)に示すように、本実施形態の支持部材11aの厚さ(2mm=2000μm)は以下の通りである。被覆層となる保護層11cの厚さ(1mm)と、定着ベルトとなる定着フィルム10の厚さ(30μm〜100μm)との和(1030μm〜1100μm)よりも大きい。
<加圧部材>
加圧部材となる加圧ローラ20は、画像形成装置100の図示しない側板間に回転可能に支持される。定着フィルム10を介して加熱ヒータ11に対して圧接し、定着ニップ部Nを形成する。加圧ローラ20は、図示しない駆動手段により回転駆動される。定着フィルム10は、加圧ローラ20の回転に従動して、加熱ヒータ11と、ガイド部材12とステイ13の外周面に摺動しながら回転する。
加圧ローラ20は、アルミニウム、銅等の熱伝導性の高い金属製の芯金20aの外周にシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムにより形成された弾性層20bが被覆された弾性ローラとして構成される。更に、弾性層20bの外周には耐熱離型層20cが形成されている。耐熱離型層20cは、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素樹脂が使用できる。更に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;Polytetrafluoroethylene)等のフッ素樹脂が使用できる。或いは、フッ素ゴム、フッ素樹脂混合ラテックス (latex) 等が使用できる。
<温度検知装置>
加熱ヒータ11を構成する断熱性を有する支持部材11a内には、加熱ヒータ11の温度を検知する温度検知手段となる図示しないサーミスタが取り付けられている。サーミスタにより検知した加熱ヒータ11の温度に基づいて該加熱ヒータ11の温度を図示しない制御手段となる制御部により制御する。サーミスタは、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)等の遷移金属の酸化物を主成分とする半導体からなるサーミスタ材と、電極とを積層し、更に、防湿層としてガラスを被覆してチップ状に形成したものである。
温度検知素子となるサーミスタチップをエポキシ、ポリイミド、シリコーン等の耐熱性樹脂に以下の接着剤により支持部材11a内に接着してある。接着剤は、銀(Ag)、金(Au)、銀パラジウム(Ag/Pd)、銀白金(Ag/Pt)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、或いは、カーボン等の導電性微粉を混合した導電性樹脂からなる接着剤である。
<加熱装置>
次に、図5及び図6を用いて加熱装置となる加熱ヒータ11の構成について説明する。図5(a)は定着装置108の定着ユニット5に設けられる可撓性を有する加熱ヒータ11の構成を示す断面説明図である。
図5(a)に示す加熱ヒータ11は、ポリイミド等の耐熱性樹脂で成形された支持部材11aの表面上に抵抗発熱体11bが形成される。更に、支持部材11aと同一材料からなるポリイミドで成形された絶縁性を有する被覆層となる保護層11cを順次に積層して構成されている。
加熱ヒータ11は、保護層11c側の面を加熱面及び摺動面とし、保護層11cを定着フィルム10の内周面と接触させて該定着フィルム10を加熱する。加熱ヒータ11の支持部材11aをガイド部材12に直接接着して固定する。或いは、図4(b)に示すように、ステイ13から延長された加圧バネ14に加熱ヒータ11の支持部材11aを接着して固定する。加熱ヒータ11は、図2の矢印b方向で示す定着フィルム10の回転方向(記録材Pの搬送方向)に対して直交する方向を長手方向として細長い板状で構成される。
<支持部材>
本実施形態では、加熱ヒータ11を構成する支持部材11aは、ポリイミド等の耐熱性樹脂内に気泡H(空気)を含んだ多孔質の耐熱性樹脂により形成されている。支持部材11a内の単位体積当たりの気泡Hの割合(空孔率)は、該支持部材11aの断熱性を考慮して50%以上が好ましい。
また、支持部材11aの短手方向(図5(a)の左右方向)の幅は、9mm〜10mmである。また、支持部材11aの厚さ(図5(a)の上下方向の寸法)は、保護層11cの厚さ(図5(a)の上下方向の寸法)よりも2倍以上厚くすることが好ましい。
本実施形態では、支持部材11aの材料は、多孔質の耐熱性樹脂としてポリイミドを使用し、支持部材11a内の単位体積当たりの気泡Hの割合(空孔率)を80%、支持部材11aの厚さ(図5(a)の上下方向の寸法)を2mmとした。
<発熱体>
抵抗発熱体11b(発熱体)は、支持部材11aの表面上に銀パラジウム(Ag/Pd)等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等によって該支持部材11aの長手方向に沿って塗工して形成したものである。本実施形態では、抵抗発熱体11bの厚さ(図5(a)の上下方向の寸法)は、約0.5mm、抵抗発熱体11bの短手方向(図5(a)の左右方向)の幅は、2mm〜5mmの線状もしくは細帯状とした。
<被覆層>
被覆層となる保護層11cは、支持部材11aと同一材料のポリイミド等の耐熱性樹脂を支持部材11aの表面上と、該支持部材11aの表面上に塗工された抵抗発熱体11bの表面上とに亘って被覆して形成されている。
保護層11cの短手方向(図5(a)の左右方向)の幅は、支持部材11aの短手方向(図5(a)の左右方向)の幅と同等とした。保護層11cの厚さ(図5(a)の上下方向の寸法)は、該保護層11cの絶縁性を考慮すると、0.6mm以上が必要である。一方、保護層11cの熱伝導性を考慮すると、1.0mm以下が望ましい。
これにより保護層11cの厚さ(図5(a)の上下方向の寸法)は、0.6mm〜1.0mmの範囲が最適である。保護層11cは定着フィルム10の内周面と摺動する。このため被覆層となる保護層11cの表面の摩擦係数は、定着ベルトとなる定着フィルム10の内周面の摩擦係数よりも小さくなるように設定されている。本実施形態では、図5(b)に示すように、保護層11cの材料としてポリイミド樹脂を使用し、厚みを1mmに設定した。定着フィルム10の保護層11cの表面と接する内周面は耐熱性樹脂で形成されている。
次に、図7(a),(b)を用いて図6(a),(b)に示す本実施形態の加熱ヒータ11と、図8(a),(b)に示す比較例の加熱ヒータ51とをそれぞれ備えた定着装置108の効果について説明する。図8(a),(b)に示す比較例の加熱ヒータ51は、アルミナ製の基板52上に抵抗発熱体11bが設けられる。更に、基板52の表面上と抵抗発熱体11bの表面上をアルミナ製の高密度層53により被覆する。更に、高密度層53の表面上にアルミナ製の低密度層54を積層して構成される。
<熱効率>
先ず、熱効率の比較について説明する。ここで熱効率とは、抵抗発熱体11bに交流(AC)電流を流すことで発生する全熱量Q0[ジュール(J)]に対する保護層11cの表面側で使用される熱量Q1[ジュール(J)]の割合(Q1/Q0)である。
図6(a),(b)に示す本実施形態の加熱ヒータ11は、支持部材11a及び保護層11cが耐熱性樹脂となるポリイミドを成形したものである。このため該加熱ヒータ11における熱分布は、図6(b)に示す通りである。抵抗発熱体11bに交流(AC)電流を流すことで発生する全熱量Q0[ジュール(J)]が保護層11cの表面側で使用される熱量Q1[ジュール(J)]と、支持部材11a側に伝達される熱量Q2[ジュール(J)]とに分かれる。
一方、図8(a),(b)に示す比較例の加熱ヒータ51は、高密度層53及び低密度層54(保護層)及び基板52(支持部材)が熱伝導性を有するアルミナにより構成される。このため該加熱ヒータ51における熱分布は、図8(b)に示す通りである。
抵抗発熱体11bに交流(AC)電流を流すことで発生する全熱量Q0[ジュール(J)]が以下の通り分散する。高密度層53及び低密度層54(保護層)側で使用される熱量Q1[ジュール(J)]に分散する。更に、基板52(支持部材)側に伝達される熱量Q2[ジュール(J)]と、高密度層53の幅方向(図8(b)の左右方向)に伝達される熱量Q3a,Q3b[ジュール(J)]とに分かれる。
図6(b)に示す加熱ヒータ11における熱分布における保護層11cの表面側で使用される熱量Q1[ジュール(J)]と、支持部材11a側に伝達される熱量Q2[ジュール(J)]との関係は以下の通りである。保護層11cの熱抵抗値θ1と、支持部材11aの熱抵抗値θ2との関係と反比例する。
これにより熱効率(Q1/Q0)は、支持部材11aの熱抵抗値θ2と、保護層11c及び支持部材11aの総熱抵抗値θとを用いて以下の数1式により求められる。
[数1]
Q1/Q0=(θ2/θ)
図8(a),(b)に示す比較例の加熱ヒータ51の構成では、高密度層53及び低密度層54(保護層)及び基板52(支持部材)の総熱抵抗値θは、74[m・℃/W]である。基板52(支持部材)の熱抵抗値θ2は、63[m・℃/W]である。そして、前記数1式を用いて熱効率(Q1/Q0)は、図7(a)に示すように、0.85となる。
一方、図6(a),(b)に示す本実施形態の加熱ヒータ11の構成では、保護層11c及び支持部材11aの総熱抵抗値θは、4.9×10[m・℃/W]である。支持部材11aの熱抵抗値θ2は、4.5×10[m・℃/W]である。そして、前記数1式を用いて熱効率(Q1/Q0)は、図7(a)に示すように、0.92となる。
例えば、抵抗発熱体11bに発生する全熱量Q0が1000[ジュール(J)]の場合、本実施形態の加熱ヒータ11の構成では、保護層11cの表面側に使用される熱量Q1は、920[ジュール(J)](=1000×0.92)となる。一方、比較例の加熱ヒータ51の構成では、保護層(低密度層54)の表面側に使用される熱量Q1は、850[ジュール(J)](=1000×0.85)となる。
これにより本実施形態の加熱ヒータ11の構成では、比較例の加熱ヒータ51の構成よりも保護層11cの表面側に使用される熱量Q1が70[ジュール(J)](=920−850)分だけ効率良く熱量を使用することができる。
<立ち上がり時間>
次に、定着装置108が未定着トナーを記録材Pに熱定着する定着温度に立ち上がるまでの立ち上がり時間について説明する。ここで、立ち上がり時間とは、抵抗発熱体11bに所定の電力の供給を開始してから加熱ヒータ11及び加圧ローラ20の温度が記録材P上の未定着トナーを該記録材Pに熱定着させる定着温度に到達するまでに該定着装置108を温める時間のことである。
本実施形態では、定着装置108が未定着トナーを記録材Pに熱定着する定着温度に立ち上がるまでの立ち上がり時間を、定着フィルム10の表面温度と、加圧ローラ20の表面温度とを以下のように設定して測定した。
定着フィルム10の表面温度は、室温(23℃)から高温(180℃以上)まで温めたときの立ち上がり時間を採用し、加圧ローラ20の表面温度は、室温(23℃)から高温(110℃以上)まで温めたときの立ち上がり時間を採用した。そして、何れかの立ち上がり時間が長い方を定着装置108が定着温度に立ち上がるまでの立ち上がり時間とした。
図8(a),(b)に示す比較例の加熱ヒータ51を備えた定着装置108では、抵抗発熱体11bに平均電力で1000[W]を供給したとき、図7(a)に示すように、該定着装置108が定着温度に立ち上がるまでの立ち上がり時間が7.9秒であった。
一方、図6(a),(b)に示す本実施形態の加熱ヒータ11を備えた定着装置108では以下の通りである。抵抗発熱体11bに平均電力で1000[W]を供給したとき、図7(a)に示すように、該定着装置108が定着温度に立ち上がるまでの立ち上がり時間が7.3秒であった。
これにより本実施形態の加熱ヒータ11を備えた定着装置108が定着温度に立ち上がるまでの立ち上がり時間が、比較例の加熱ヒータ51を備えた定着装置108が定着温度に立ち上がるまでの立ち上がり時間よりも短いことが判明した。
<保護層剥がれ>
次に保護層剥がれについて説明する。加熱ヒータ11は、抵抗発熱体11bが極端に高温(例えば、250℃)になった場合、支持部材11aと保護層11cとが線膨張係数の異なる材質で形成されていた時に熱膨張量の差が生じる。この差によって支持部材11aと保護層11cとの境界で剥離が発生する。その結果、加熱ヒータ11(加熱装置)の寿命を短くする要因となる。
本実施形態においては、支持部材11aと保護層11cとを同じ線膨張係数をもつ同一材料からなるポリイミド樹脂を使用することで上述した保護層剥がれを防止することができる。
<消費電力量>
また、定着装置108が未定着トナーを記録材Pに熱定着する定着温度に立ち上がるまでに要する消費電力量[W・s](=熱量[ジュール(J)])は以下の通りである。図8(a),(b)に示す比較例の加熱ヒータ51を備えた定着装置108では、加熱ヒータ51に平均電力1000[W]を供給した場合に7.9秒かかるので、7900[W・s]である。これに対して、図6(a),(b)に示す本実施形態の加熱ヒータ11を備えた定着装置108では、加熱ヒータ51に日平均電力1000[W]を供給した場合に7.3秒かかるので、7300[W・s]であった。
これにより本実施形態の加熱ヒータ11を備えた定着装置108では、比較例の加熱ヒータ51を備えた定着装置108よりも消費電力量が600[W・s](=7300−7900=−600)だけ減少していることが分かる。
次に、加熱ヒータ11の温度を維持するために要する平均電力について説明する。定着フィルム10及び加圧ローラ20は、記録材Pに接触することで熱量を奪われる。このため抵抗発熱体11bに電力を供給して加熱ヒータ11の温度を維持しなければならない。加熱ヒータ11の温度を維持する電力供給について説明する。
図8(a),(b)に示す比較例の加熱ヒータ51を備えた定着装置108において、図7(a)に示すように、該加熱ヒータ11を高温(200℃)で維持するために要する平均電力を749[W]とした。そのとき、図6(a),(b)に示す本実施形態の加熱ヒータ11を備えた定着装置108では、図7(a)に示すように、平均電力が692[W]で加熱ヒータ11を高温(200℃)に維持することが可能となる。
<定着フィルムの摺動性>
次に、図7(b)を用いて定着フィルム10の摺動性について説明する。定着フィルム10の摺動性については、該定着フィルム10の温度を180℃に保ちつつ30万枚の記録材Pが定着ニップ部Nを通過したときの該定着フィルム10の内周面の削れ量により比較した。
図6(a),(b)に示す本実施形態の加熱ヒータ11は、耐熱性樹脂となるポリイミドを成形した多孔質の支持部材11aの表面上に抵抗発熱体11bを形成する。そして、該支持部材11aと同じくポリイミドを成形した保護層11cを順次積層して構成される加熱ヒータ11と、同じくポリイミド製の定着フィルム10を用いた。
一方、図8(a),(b)に示す比較例の加熱ヒータ51は、アルミナ製の低密度層54からなる保護層と、ポリイミド製の定着フィルム10を用いた。アルミナ製の低密度層54からなる保護層の表面と、ポリイミド製の定着フィルム10の内周面との間には潤滑油を介在させた。
図7(b)に示すように、本実施形態の加熱ヒータ11を備えた定着装置108では、ポリイミド製の定着フィルム10の内周面の削れ量は1μmであった。一方、比較例の加熱ヒータ51を備えた定着装置108では、ポリイミド製の定着フィルム10の内周面の削れ量は5μmであった。
これにより本実施形態の加熱ヒータ11を備えた定着装置108の方が、比較例の加熱ヒータ51を備えた定着装置108よりも定着フィルム10の耐摩耗性に優れていることが分かる。また、本実施形態の加熱ヒータ11を備えた定着装置108では以下の通りである。
ポリイミド製の保護層11cの表面と、ポリイミド製の定着フィルム10の内周面との間には潤滑油を介在させない。その状態でも比較例の加熱ヒータ51を備えた定着装置108よりも定着フィルム10の内周面の削れ量が少ないことも分かっており潤滑性にも優れている。
これにより本実施形態の加熱ヒータ11を備えた定着装置108では、温度上昇が速く、且つ、短寿命化を防ぐことを可能とする加熱装置を提供することができる。
本実施形態では、支持部材11aと保護層11cとを同じポリイミド樹脂を使用する構成としたが、これに限らず、支持部材11aと保護層11cとが同一の線膨張係数を有する材料であれば他の材料を用いても良い。
11…加熱ヒータ(加熱装置)
11a…支持部材(第二の部材)
11b…抵抗発熱体(発熱体)
11c…保護層(第一の部材)

Claims (8)

  1. 発熱体と、
    前記発熱体の加熱対象物側の面に設けられた第一の部材と、
    前記発熱体の前記第一の部材が設けられた面とは逆側の面に設けられ、前記第一の部材と同一の線膨張係数で、前記第一の部材よりも高い空孔率を有する第二の部材と、
    を有することを特徴とする加熱装置。
  2. 前記第一の部材と前記第二の部材とが同一材料からなることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記第二の部材の熱伝導率は、前記第一の部材の熱伝導率よりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱装置と、
    前記加熱装置と摺動しつつ回転する定着ベルトと、
    を有し、
    前記定着ベルトを介した前記加熱装置からの熱により記録材上に形成された未定着のトナーを加熱定着することを特徴とする定着装置。
  5. 前記第二の部材の厚さは、前記第一の部材の厚さと、前記定着ベルトの厚さとの和よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記第一の部材の表面の摩擦係数は、前記定着ベルトの内周面の摩擦係数よりも小さいことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記定着ベルトは、前記第一の部材の表面と接する内周面が耐熱性樹脂で形成されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    請求項4〜7のいずれか1項に記載の定着装置と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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