JP2017075080A - 遮熱ガラス - Google Patents

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啓明 岩岡
Keimei Iwaoka
啓明 岩岡
雄志 松井
Takeshi Matsui
雄志 松井
歩久斗 門倉
Hokuto KADOKURA
歩久斗 門倉
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Abstract

【課題】外観性能の低下を抑制しつつ遮熱性能の高い遮熱ガラスを提供する。
【解決手段】第1および第2の主面を有し、5mmの板厚換算で可視光透過率が85%以上であるガラス板と、前記ガラス板の第1の主面上に設けられた導電性酸化スズ含有層を含む遮熱層とを備え、前記ガラス板の第2の主面側から、ISO9050:2003に準拠して測定された可視光透過率をTv(%)、日射熱取得率をg値とした場合に、SC=g値/0.88で表される遮蔽係数SCが、SC<0.55を満たし、Se=(Tv×100)/g値で表されるセレクティビティSeが、Se≧1.05を満たす遮熱ガラス。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、遮熱層を有する遮熱ガラスに関する。
近年の省エネルギー意識の高まりから、建物の窓ガラスおよび車両のガラス部材等に、遮熱性を有する遮熱ガラスを適用する例が増えている。そのような遮熱ガラスは、例えば、ガラス板の一方の表面に遮熱コーティング膜をコートすることにより構成される。近年、遮熱ガラスによる遮熱効果に対する要求は、益々高くなってきている。このため、さらなる遮熱性能を有する遮熱層に対する研究、開発が進められている。
一般に、遮熱層の遮熱性能を高めるためには、遮熱コーティング膜の膜厚を厚くすることが効果的である。一方で、膜厚を厚くすることによって外観性能が悪くなったりしてしまったりするという問題があった。
特表2011−520755号公報
本実施形態の遮熱ガラスは外観性能の低下を抑制しつつ遮熱性能の高い遮熱ガラスを提供することが出来る。
本発明の一態様に係る遮熱ガラスは、第1および第2の主面を有し、5mmの板厚換算で可視光透過率が85%以上であるガラス板と、前記ガラス板の第1の主面上に設けられた導電性酸化スズ含有層を含む遮熱層とを備え、前記ガラス板の第2の主面側から、ISO9050:2003に準拠して測定された可視光透過率をTv(%)、日射熱取得率をg値とした場合に、SC=g値/0.88で表される遮蔽係数SCが、SC<0.55を満たし、Se=(Tv×100)/g値で表されるセレクティビティSeが、Se≧1.05を満たす。
本実施形態の遮熱ガラスは外観性能の低下を抑制しつつ遮熱性能の高い遮熱ガラスを提供することが出来る。
本発明の実施形態に係る遮熱ガラスを模式的に示した断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態を模式的に示した断面図である。図1に示すように、第1の主面101及び第2の主面102を有するガラス板1の、第1の主面上にアンダーコート2が設けられ、アンダーコート2上に遮熱層3が設けられている。ガラス板1は5mmの板厚換算で可視光透過率が85%以上のものを使用する。5mmの板厚換算で可視光透過率が85%以上であるガラス板1を使用することにより、透過光の着色を抑制し、外観に優れた遮熱ガラスとすることが出来る。
ガラス板1は、5mmの板厚換算で可視光透過率が85%以上であれば種々のガラスを使用することができ、例えば、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、アルミノシリケートガラス等が使用出来る。ガラス板1の厚さは、特に限られないが、例えば、0.7mm〜12mmのものを使用することが出来る。ガラス板1は、強化されたガラス、特に化学強化されたガラスであればさらに板厚が薄くできるため好ましい。板厚を薄くすることで重量も軽くなるため、周囲に遮蔽物の少ないビルの高層階等で特に好適に使用することが出来る。
アンダーコート2は、ガラス板1と遮熱層3との間で、所定の元素が相互に拡散することを抑制する役割を有する。また、アンダーコート2を設けることで、アンダーコート2を設けない場合と比較してアンダーコート2と遮熱層3との界面での入射光反射を低下させることが可能になるため好ましい。これにより遮熱層3の膜厚分布が引き起こす反射色の面内分布を抑制することができる。アンダーコート2は、例えば、シリコン酸化物や炭素ドープしたシリコン酸化物等のシリカを主成分とする材料、または酸化スズを主成分とする材料で構成することが出来る。ここで、「材料Aを主成分とする(層)」とは、対象とする層内に、材料Aが50質量%以上含まれることを意味する。なお、アンダーコート2は単層であってもこれらの層を2層以上とした構成であっても構わない。アンダーコート2の厚さは、例えば、10nm〜100nmとすることが出来る。
遮熱層3は、導電性酸化スズ含有層を含む層であり、導電性酸化スズ含有層単層で構成されていても良いし、その他の有する複数層から構成されていても構わない。ここで、「導電性酸化スズ含有層」とは、酸化スズを50wt%以上含む導電層を意味する。導電性酸化スズ含有層は、アンチモンまたはフッ素がドープされた酸化スズ層であっても構わない。
導電性酸化スズ含有層がアンチモンまたはフッ素がドープされた層であることによって遮熱機能を効果的に高めることが出来る。アンチモンまたはフッ素をドープする場合のドープ量は、例えば、XRF(蛍光X線分析)により測定される膜中のアンチモンとスズの重量比Sb/Snが0.0〜0.1の範囲が好ましく、0.02〜0.06の範囲がより好ましく、0.03〜0.05の範囲がさらに好ましい。
遮熱層3の厚さは、350nm〜500nmの範囲が好ましく、400nm〜480nmの範囲がより好ましい。遮熱層3の厚さを前記の範囲とすることで、遮熱性能の高い遮熱ガラスを提供することが出来る。遮熱層3が単層の場合は外観性能の調整がし易くなるため好ましい。遮熱層3が複数層から構成されている場合は、例えば下層にアンチモンがドープされた導電性酸化スズ含有層、上層にフッ素がドープされた導電性酸化スズ含有層としたり、2層ともにアンチモンがドープされた導電性酸化スズ含有層とし、下層と上層とのドープ量を変えたりするような構成とすることが出来る。
(遮熱ガラスの遮熱性能について)
一般に、遮熱ガラスの遮熱性能は、以下の(1)式で表すことができる:

SC=g値/0.88 (1)式

ここで、g値は日射熱取得率であり、遮熱ガラスの一方の側(第1の側)から入射される全太陽熱に対する、他方の側(第2の側)まで直接透過される熱(透過熱)と、遮熱ガラスの内部で吸収され、その後第2の側に放出される熱との総和の割合で表される。また、SCは遮蔽係数である。g値は、ISO9050:2003に準拠して測定することができる。
本実施形態の遮熱ガラスは、遮蔽係数SC<0.55を満たすものであり、SC<0.5であることがより好ましく、特に、SC<0.45であることが好ましい。
(遮熱ガラスの性能について)
遮熱ガラスの性能を表す際に、しばしば、(Tv×100)/g値で表されるセレクティビティSeと言う指標が使用される。ここで、Tv(%)は、膜積層体の可視光透過率(%)である。膜積層体において、可視光透過率Tv(%)が高く、g値が低いほど、すなわちセレクティビティSeが大きいほど、その遮熱ガラスは、透明性が高く遮熱性能が優れた高性能な遮熱ガラスであると言える。
本実施形態の遮熱ガラスは、セレクティビティSe≧1.05を満たすものであり、Se≧1.1であることがより好ましい。また、本実施形態の遮熱ガラスは、ヘイズが0.8%未満であることが好ましい。ヘイズを低減するためには、導電性酸化スズ層の表面の平坦性を高めることが重要であると考えられる。導電性酸化スズ層の表面の平坦性を高める方法の一例としては、導電性酸化スズ層の成膜温度をできるだけ低く維持して、導電性酸化スズの結晶粒の肥大化を抑制し、均一で細かい粒で構成されるようにすることが考えられる。
また、成膜時に、原料ガスの分解を担うHOの導入量も表面の平坦性を左右する要因である。HO量が多い場合、モノブチル塩化スズ(MBTC)の分解・結晶成長を促進することになり、結果として結晶粒を肥大させる要因となる。さらに、アンチモンドープ酸化スズの場合、HO導入量が多いとSbClの分解を急激に促進し、気相反応により酸化アンチモンのダストを生成することになる。このダストが膜中に取り込まれた場合にも平坦性が悪化し、ヘイズ率を高める要因となる。ただし、HOが少なくなりすぎるとMBTCが全く分解されず、着膜しなくなる。
一方で、SbCl導入量が多くなると酸化アンチモンのダスト化の確率が高くなるので、SbCl導入量の最適化も重要である。これらの観点から温度、HO量、アンチモン量を最適に制御することが低ヘイズ化には重要な要素であることが本発明者らの検討により明らかになった。
ここで、本実施形態では、遮熱ガラスからの反射色に含まれる色の赤みおよび黄色みを定量的に評価するため、以下の指標を採用する。
(反射色に含まれる色の赤み)
遮熱ガラスからの反射色に含まれる色の赤みは、一般的な分光測定装置を用いて、遮熱ガラスの反射色を測定することにより評価することができる。より具体的には、積分球ディテクタを有する測定装置によって測定される分光スペクトルをもとにCIE 1976 L:a:b表色系を計算することにより評価することができる。測定方法としては、前述の測定装置に、遮熱ガラスの遮熱層が積分球ディテクタの側となるようにして、遮熱ガラスを設置し、反射スペクトルを測定する。あるいは前記測定装置に、遮熱ガラスのガラス面が積分球ディテクタの側となるようにして、遮熱ガラスを設置し、反射スペクトルを測定する。
測定された反射スペクトルをもとに、CIE 1976 L:a:b表色系を計算する。この表色系において、反射色の色座標がa≧0である場合、遮熱ガラスからの反射色は赤みがあると判断され、色座標がa<0である場合、遮熱ガラスからの反射色は赤みがないと判断される。
(反射色に含まれる色の黄色み)
遮熱ガラスからの反射色に含まれる色の黄色みは、JIS Z7701:1990に準拠した色度からASTM E131規格に準拠してイエローネスインデックスYI E313として評価することができる。評価は、遮熱ガラスの遮熱層の側から得られる反射色(「反射色C」と称する)、および遮熱ガラスのガラス板の側から得られる反射色(「反射色C」と称する)のそれぞれに対して、イエローネスインデックスYI E313が算定される。
その結果、いずれのC、Cにおいても、イエローネスインデックスYI E313が0未満である場合、遮熱ガラスからの反射色は黄色みがないと判断される。また、少なくとも一つのC、Cにおいて、イエローネスインデックスYI E313が0以上の場合、遮熱ガラスからの反射色は黄色みがあると判断される。
本実施形態の遮熱ガラスでは、反射色に含まれる色の赤みおよび黄色みが抑制されているため外観に優れた遮熱ガラスとすることが出来る。
アンダーコート2や遮熱層3の成膜方法は、特に限られない。例えば、物理的蒸着法(例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、およびスパッタリング法等)、化学的蒸着法(例えば熱CVD法、プラズマCVD法、および光CVD法等)、ならびにイオンビームスパッタリング法等から選定された方法により、各層を順次成膜しても良いし、オンラインのCVD法により、形成されても良い。
ここで、「オンライン(の成膜法)」とは、ガラスの製造過程中に、ガラスの表面に膜を成膜する方法を意味する。より具体的には、ガラスの製造の際には、ガラスリボンが溶融スズ浴の上を移動した後、徐冷されることで、連続的にガラスが製造されるが、「オンライン(の成膜法)」では、このガラスリボンの移動中に、ガラスリボンの上面に、膜が成膜される。すなわち、「オンライン(の成膜法)」では、ガラスの製造工程と膜の成膜工程が連続的に実施される。
アンダーコート2や遮熱層3をオンラインのCVD法により形成した場合、製造コストを抑制することが可能になるため好ましい。
一般的に遮熱性能を上げるためには遮熱層の厚さを厚くしたり、遮熱効果を持つ元素のドープ量を増やしたりした方が良いが、一方で可視光透過率の低下によるSeの低下やヘイズの値の増加が問題となってくる。ヘイズの値の増加を抑えるための製造方法の工夫としては、遮熱層の成膜時にHOガスの比率を下げる、成膜温度を下げる、ドープするアンチモン量を下げる等が考えられる。これらの条件を各種組み合わせて調整することにより、外観性能の低下を抑制しつつ遮熱性能の高い遮熱ガラスを提供することが出来る。
(実施例)
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の記載において、例1〜例6は実施例であり、例7〜例17は比較例である。以下の表1には各例1〜19に係る遮熱ガラスの構成をまとめて示し、表2には各例1〜19に係る遮熱ガラスの評価特性についてまとめて示した。
Figure 2017075080
Figure 2017075080
(例1)
以下の方法で、遮熱ガラスを製造した。
まず、常圧のCVD法により、無色透明のガラス板(厚さ5mm)の表面に、アンダーコート及び遮熱層を形成した。アンダーコートはSiOC層(目標厚さ55m)とし、遮熱層はアンチモンドープされた酸化スズ層(目標厚さ470nm)とした。
SiOC層の成膜の際のガラス板の温度は約760℃とした。また、アンチモンドープされた酸化スズ層は、モノブチル塩化スズ(MBTC)、水、三塩化アンチモン(SbCl)の原料を気化した混合ガスを空気により希釈したものを原料ガスとして使用し、約600℃で成膜した。遮熱膜に含まれるアンチモン量を測定したところ、114mg/mであった。前記したヘイズの値の増加を抑えるための条件設定としては、HO/MBTC<5が好ましく、HO/MBTC<1とすることがさらに好ましい。
遮熱層の成膜後に、ガラス板を冷却、切断することにより、縦300mm×横300mm×厚さ5mmの寸法を有するガラス板(透明色)を含む遮熱ガラス(以下、例1に係る遮熱ガラスと称する)を製造した。
(例2〜例6)
例1と同様の方法を用い、各種製造条件を変更させて遮熱ガラス(以下、「例2〜例6に係る遮熱ガラス」と称する)を製造した。ガラス板には無色透明のガラス板(厚さ5mm)を使用した。例2〜例6の遮熱層に含まれるアンチモン量を測定したところ、全て169mg/m未満であり、膜厚は400nm以上であった。
(例7〜例10)
例1と同様の方法を用い、各種製造条件を変更させて遮熱ガラス(以下、「例7〜例10に係る遮熱ガラス」と称する)を製造した。ガラス板には無色透明のガラス板(厚さ5mm)を使用した。例7〜例10の遮熱層に含まれるアンチモン量を測定したところ、全て169mg/m以上であり、膜厚は400nm以上であった。例7〜例10に係る遮熱ガラスは遮熱層に含有するアンチモン量が多く、Tvが低くなってしまったため、SCが低くてもSeが好ましい値とはならなかった。また、例1〜例6と比較してヘイズの値も大きい傾向が見られた。
(例11〜例13)
例1と同様の方法を用い、各種製造条件を変更させて遮熱ガラス(以下、「例11〜例13に係る遮熱ガラス」と称する)を製造した。ガラス板には無色透明のガラス板(厚さ5mm)を使用した。例11〜例13の遮熱層に含まれるアンチモン量を測定したところ、いずれも151mg/m未満であったが、膜厚は400nm未満であった。例11に係る遮熱ガラスはSeが所望の値にはならなかった。また、ガラス板の側からの反射色の色座標がa≧0となり、赤みがあるものであった。例12及び例13に係る遮熱ガラスはSCが所望の値にはならなかった。
上記した例11及び例12の結果より、膜厚をSC及びSeの両方を所望の特性とするためには遮熱層の膜厚を厚くする、好ましくは400nm以上とすることが好ましいことが分かる。また、上記した例7〜例10の結果より、遮熱層を400nm以上とした上で、遮熱層に含まれるアンチモン量も適切に調整する必要があることが分かる。前記したヘイズの値の増加を抑えるための条件設定としては、アンチモン量を169mg/m未満とすることが好ましく、151mg/m未満とすることがさらに好ましい。
(例14〜例17)
例14〜例17では、アンダーコートをSnO層とSiOの2層とし、遮熱層をアンチモンドープされた酸化スズ層とフッ素ドープされた酸化スズ層の2層とした。ガラス板には無色透明のガラス板(厚さ5mm)を使用した。例14〜例17では、各層の成膜温度を630℃以上とした。フッ素ドープされた酸化スズ層は遮熱特性への影響が少ないため、アンチモンドープされた酸化スズ層とフッ素ドープされた酸化スズ層の2層の合計厚さで400nm以上であっても、SCが所望の値にはならなかった。このことより、アンチモンドープされた酸化スズ層のような遮熱性能に優れた層を一定以上の厚さで備えていることが好ましい。また、例14〜例17では、各層の成膜温度を630℃以上としたため、ヘイズの値が大きくなる傾向が見られた。前記したヘイズの値の増加を抑えるための条件設定としては、630℃未満が好ましく、600℃以下することがさらに好ましい。
(例18〜例19)
例18では、アンダーコートをSiOC層とし、遮熱層をフッ素ドープされた酸化スズ層とした。膜厚は400nm以上であったが、SCが所望の値にはならなかった。また、例19では、アンダーコートをSiOC層とし、遮熱層をアンチモンドープされた酸化スズ層と酸化チタン層との積層構成とした。ガラス板には無色透明のガラス板(厚さ5mm)を使用した。酸化チタン層はテトラチタンイソプロポキシド(TTIP)、MBTCの原料を気化した混合ガスを窒素により希釈したものを原料として使用し、約570℃で成膜した。遮熱層の合計厚さは400nm未満であり、Seが所望の値にはならなかった。
(評価)
以下の評価を行って各例の特性評価を行った。
(遮熱性能の評価)
各遮熱ガラスについて、Perkin Elmer製分光光度計Lambda950を用いて分光測定し、ISO9050:2003に準拠した方法で、遮蔽係数SCを算出した。また、XRFの測定にはリガク製XRF(RIX3000)を用いた。
なお、この測定は、各遮熱ガラスのガラス板の側(すなわち遮熱層の反対側)から光を照射して実施した。表2の「SC」の欄には、各遮熱ガラスにおいて得られた遮蔽係数SCを示している。
この結果から、例1〜例6に係る遮熱ガラスでは、SCが0.55未満となっており、良好な遮熱性能を有することがわかった。また、Se≧1.05となっているため、遮熱性能が高くても良好な可視光透過性を有することが分かった。
(反射色の赤みの評価)
各遮熱ガラスについて、該遮熱ガラスからの反射色CおよびCに含まれる色の赤みを、前述の方法で評価した。
前述の表2の「反射色の色座標」の欄には、各遮熱ガラスにおいて測定された、反射色CおよびCのCIE 1976 L:a:b表色系の色座標のa値を示す。
この結果から、例1〜例6に係る遮熱ガラスでは、いずれもa<0となっており、反射色CおよびCに赤みがほとんど含まれないことがわかった。
(反射色の黄色みの評価)
各遮熱ガラスについて、該遮熱ガラスからの反射色CおよびCに含まれる色の黄色みを、前述の方法で評価した。
前述の表2の「YI E313」の欄には、各遮熱ガラスにおいて測定された、反射色CおよびCのYI E313の値を示す。
この結果から、例1〜例6に係る遮熱ガラスでは、CおよびCがYI E313<−5となっており、反射色に黄色みがほとんど含まれないことがわかった。
1 ガラス板
2 アンダーコート
3 遮熱層
101 第1の主面
102 第2の主面

Claims (6)

  1. 第1および第2の主面を有し、5mmの板厚換算で可視光透過率が85%以上であるガラス板と、
    前記ガラス板の第1の主面上に設けられた導電性酸化スズ含有層を含む遮熱層とを備え、
    前記ガラス板の第2の主面側から、ISO9050:2003に準拠して測定された可視光透過率をTv(%)、日射熱取得率をg値とした場合に、
    SC=g値/0.88で表される遮蔽係数SCが、SC<0.55を満たし、
    Se=(Tv×100)/g値で表されるセレクティビティSeが、Se≧1.05を満たす遮熱ガラス。
  2. ヘイズが0.8%未満である請求項1に記載の遮熱ガラス。
  3. 前記第1の主面側からの反射色Cおよび前記第2の主面側からの反射色CのイエローネスインデックスYI E313が、いずれも0未満であり、
    CIE 1976 L:a:b表色系で表される、前記第1の主面側からの反射色Cおよび、前記第2の主面側からの反射色Cの色座標が、いずれもa<0であることを特徴とする請求項1に記載の遮熱ガラス。
  4. 前記導電性酸化スズ含有層はアンチモンがドープされた層であることを特徴とする請求項1に記載の遮熱ガラス。
  5. 前記導電性酸化スズ含有層の厚さは400nm超であることを特徴とする請求項4に記載の遮熱ガラス。
  6. 前記遮熱層が前記導電性酸化スズ含有層1層のみからなることを特徴とする請求項4に記載の遮熱ガラス。
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