以下、図面を参照しながら、実施形態に係る超音波プローブ及び超音波診断装置を説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。
(実施形態)
まず、実施形態に係る超音波プローブを有する超音波診断装置の構成の一例について説明する。図1は、実施形態に係る超音波診断装置100の構成の一例を説明するための図である。図1に示すように、実施形態に係る超音波診断装置100は、超音波プローブ1と、ディスプレイ91と、入力装置92と、装置本体10とを有する。
超音波プローブ1は、超音波トランスデューサを有する。超音波トランスデューサは、超音波を送信するとともにエコー(反射波)を受信する複数の振動素子を有する。複数の振動素子は、2次元的に配置されている。各振動素子は、後述する電子回路22から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。そして、各振動素子は、被検体Pからのエコーを受信し、受信したエコーを電気信号であるエコー信号に変換する。超音波トランスデューサは、振動素子に設けられる音響整合層と、振動素子から後方への超音波の伝播を抑制する背面負荷材(バッキング材)等も有する。超音波プローブ1は、後述するコネクタ7を介して、装置本体10と着脱自在に接続される。
例えば、超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、エコーとして超音波プローブ1が有する複数の振動素子にて受信される。エコーは、当該エコーを受信した振動素子でエコー信号に変換される。エコー信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合のエコー信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
ディスプレイ91は、超音波診断装置100の操作者が入力装置92を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された超音波画像等を表示したりする。例えば、ディスプレイ91は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。ディスプレイ91は、後述する制御回路17に接続されており、制御回路17から送られる各種情報及び各種画像のデータを表示用の電気信号に変換して出力する。
入力装置92は、操作者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。例えば、入力装置92は、トラックボール、スイッチ、ダイヤル、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、ジョイスティック等によって実現される。入力装置92は、超音波診断装置100の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体10に対して、受け付けた各種設定要求を転送する。例えば、入力装置92は、超音波プローブ1を制御するための各種設定要求を受け付けて、後述する制御回路17に転送する。
装置本体10は、超音波プローブ1による超音波の送受信を制御して、超音波プローブ1が受信したエコーに基づくエコー信号に基づいて、超音波画像を生成する装置である。装置本体10は、図1に示すように、送受信回路11と、Bモード処理回路12と、ドプラ処理回路13と、画像生成回路14と、画像記憶回路15と、内部記憶回路16と、制御回路17とを有する。
送受信回路11は、制御回路17の制御に応じて、振動素子を駆動させる制御を後述の電子回路22に行わせるための制御信号を超音波プローブ1に送信する。また、送受信回路11は、超音波プローブ1からエコーデータを受信すると、受信したエコーデータをBモード処理回路12及びドプラ処理回路13に送信する。
Bモード処理回路12は、送受信回路11から出力されたエコーデータを受信し、受信したエコーデータに対して対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。Bモード処理回路12は、例えば、プロセッサにより実現される。
ドプラ処理回路13は、送受信回路11から出力されたエコーデータを受信し、受信したエコーデータから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。ドプラ処理回路13は、例えば、プロセッサにより実現される。
画像生成回路14は、Bモード処理回路12及びドプラ処理回路13が生成したデータから超音波画像を生成する。すなわち、画像生成回路14は、Bモード処理回路12が生成したBモードデータからエコーの強度を輝度にて表したBモード画像を生成する。また、画像生成回路14は、ドプラ処理回路13が生成したドプラデータから移動体情報を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラードプラ画像を生成する。すなわち、画像生成回路14は、超音波プローブ1からの出力に基づいて超音波画像を生成する。画像生成回路14は、画像生成部の1例である。
画像記憶回路15は、画像生成回路14が生成した超音波画像を記憶する。また、画像記憶回路15は、Bモード処理回路12やドプラ処理回路13が生成したデータを記憶することも可能である。例えば、画像記憶回路15は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子やハードディスク、光ディスク等によって実現される。
内部記憶回路16は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、内部記憶回路16は、必要に応じて、画像記憶回路15が記憶する画像の保管等にも使用される。例えば、内部記憶回路16は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子やハードディスク、光ディスク等によって実現される。
制御回路17は、情報処理装置(計算機)としての機能を実現する。制御回路17は、超音波診断装置100の処理全体を制御する。例えば、制御回路17は、入力装置92を介して操作者から入力された各種設定要求や、内部記憶回路16から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信回路11、Bモード処理回路12、ドプラ処理回路13及び画像生成回路14の処理を制御する。例えば、制御回路17は、制御信号を生成し、生成した制御信号を超音波プローブ1に送信するように、送受信回路11を制御する。また、制御回路17は、画像記憶回路15が記憶する超音波画像や、内部記憶回路16が記憶する各種画像、又は、画像生成回路14による処理を行なうためのGUI、画像生成回路14の処理結果等をディスプレイ91にて表示するように制御する。制御回路17は、例えば、プロセッサにより実現される。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。なお、内部記憶回路16にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
以上、実施形態に係る超音波診断装置100の全体構成について説明した。
次に、本実施形態に係る超音波プローブ1について説明する。図2は、実施形態に係る超音波プローブ1の外観の一例を示す図である。なお、以下、超音波プローブ1が、二次元経食道プローブである場合を例に挙げて説明するが、超音波プローブ1は、これに限定されない。
図2の例に示すように、超音波プローブ1は、先端部2と、屈曲部3と、導中部4と、操作部5と、ケーブル6と、コネクタ7とを備える。
先端部2は、先端外装部材2aを備える。先端外装部材2aは、例えば、生体適合性を有する樹脂により形成される。先端外装部材2aは、後述するフレーム21、後述する電子回路22、及び、後述する超音波トランスデューサ24等を収納する。
屈曲部3は、外装部材3aを備える。外装部材3aは、後述する屈曲機構31、及び、後述するケーブル8等を収納する筒状の部材である。外装部材3aは、屈曲性を有する。外装部材3aは、例えば、可撓性を有するゴムや樹脂により形成される。外装部材3aの一端は、先端外装部材2aに接続されている。また、外装部材3aの他端は、後述する外装部材4aに接続されている。
導中部4は、被検体Pの超音波画像を撮影する際に、先端部2及び屈曲部3とともに、被検体Pの体腔内に挿入される。導中部4は、外装部材4aを備える。外装部材4aは、後述するフレキシブルチューブ41、及び、後述するケーブル8等を収納する筒状の部材である。外装部材4aは、後述する外装部材51に接続されている。
操作部5は、操作者からの操作を受け付ける。操作部5は、外装部材51と、第1ノブ521と、第1ノブロックレバー522と、第2ノブ531と、第2ノブロックレバー532と、第1回転スイッチ541と、第2回転スイッチ542と、窓55と、懸架リング56とを備える。
外装部材51は、第1ノブ521、第1ノブロックレバー522、第2ノブ531、第2ノブロックレバー532、第1回転スイッチ541、第2回転スイッチ542、窓55、懸架リング56等が取り付けられた筒状の部材である。
第1ノブ521、第1ノブロックレバー522、第2ノブ531及び第2ノブロックレバー532は、後述する屈曲機構31を屈曲させる際に操作者により操作される。第1ノブロックレバー522は、第1ノブ521に取り付けられている。第2ノブロックレバー532は、第2ノブ531に取り付けられている。第1ノブ521、第1ノブロックレバー522、第2ノブ531及び第2ノブロックレバー532については、後述する。
第1回転スイッチ541及び第2回転スイッチ542は、診断を行う際、撮影された超音波画像を回転させるためのスイッチである。操作者は、第1回転スイッチ541及び第2回転スイッチ542を操作することにより、超音波画像を診断に適した角度から観察することができる。
窓55は、屈曲部3の屈曲状態を確認するための窓である。懸架リング56は、図2に示すように、外装部材51に設けられた環状の部材である。懸架リング56は、超音波画像の撮影を行わない場合、装置本体10に設けられたフック等に超音波プローブ1を懸架するために使用される。
ケーブル6は、装置本体10と先端部2の後述するケーブル8とを電気的に接続する。ケーブル6は、一端がコネクタ7に電気的に接続されており、他端が後述するケーブル8に電気的に接続されている。
コネクタ7は、装置本体10に接続されることで、超音波プローブ1と装置本体10とを電気的に接続する。コネクタ7には、装置本体10と先端部2との間でやり取りされる信号を伝達するための信号線の一端が接続されている。また、コネクタ7は、これらの信号線と装置本体10とを電気的に接続するための端子を有する。
以上、実施形態に係る超音波プローブ1の外観の一例について説明した。
ここで、超音波プローブ1が超音波を送受信している際には、超音波トランスデューサ24が備える振動素子が駆動されることによる電力消費に加え、電子回路22の消費電力により、振動素子及び電子回路22が熱を発生する熱源となり、先端部2が発熱する。先端部2は患者Pと接触する部分であるため、先端部2の温度を安全な範囲内に抑える必要がある。また、後述する屈曲部3におけるアングルコマ31aは、熱伝導性が低いステンレス等の合金により形成されている。このため、熱源により発生された熱が屈曲部3で停滞し、熱が屈曲部3から導中部4へと伝わりにくい。そこで、以下に説明するように、本実施形態に係る超音波プローブ1は、超音波の送受信時における先端部2の温度上昇を抑制することができるように構成されている。
実施形態に係る超音波プローブ1の構成の一例について説明する。図3は、実施形態に係る超音波プローブ1の構成の一例を示す図である。なお、図3の例では、先端外装部材2a、外装部材3a及び外装部材4aの図示が省略されている。
図3の例に示すように、超音波プローブ1の先端部2は、フレーム21と、電子回路22と、超音波トランスデューサ24とを備える。
フレーム21には、電子回路22及び超音波トランスデューサ24等が設けられている。フレーム21は、電子回路22及び超音波トランスデューサ24等を保持する部材である。フレーム21は、熱伝導性を有する材料で形成されている。熱伝導性を有する材料として、例えば、金属が用いられる。また、フレーム21は、先端部2の剛性を確保するための骨組みとしての機能も有している。
超音波トランスデューサ24は、複数の振動素子24aを備える。振動素子24aは、超音波を送受信する。振動素子24aは、2次元的に配置されている。各振動素子24aは、電子回路22から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、各振動素子24aは、被検体Pからのエコーを受信し、受信したエコーを電気信号であるエコー信号に変換する。そして、各振動素子24aは、エコー信号を出力する。このようにして、振動素子24aは、超音波を送受信する際に、熱を発生する。また、超音波トランスデューサ24は、振動素子24aに設けられる音響整合層と、振動素子24aから後方への超音波の伝播を抑制する背面負荷材等も有する。
電子回路22は、振動素子24aに電気的に接続されており、振動素子24aによって送受信される超音波に関するデータ処理を行う。電子回路22は、駆動信号発生回路、遅延回路、加算回路、送受信チャネル制御回路を含む。
駆動信号発生回路は、所定のレート周波数(PRF:Pulse Repetition Frequency)で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生し、発生したレートパルスを、振動素子24aを駆動するための駆動信号として遅延回路に出力する。
遅延回路は、駆動信号発生回路から出力された駆動信号に対して所定の遅延処理を実行し、所定の遅延処理が実行された駆動信号を振動素子24aに供給する機能を有する。本実施形態では、例えば、1つの振動素子24aに対して1つのチャネルが割り当てられ、チャネルごとに遅延回路が設けられている。例えば、遅延回路は、振動素子24aから発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な振動素子24aごとの遅延量を、駆動信号発生回路から供給された駆動信号に対して与える遅延処理を実行する。
また、遅延回路は、上述した機能に加えて、振動素子24aから出力されたエコー信号を受信すると、受信したエコー信号に対して、受信指向性を決定するのに必要な遅延量を与える遅延処理を実行し、遅延処理が実行されたエコー信号を加算回路に出力する機能を有する。
加算回路は、サブアレイ(グループ)を構成する振動素子24a群に対して、1つ設けられている。加算回路は、当該加算回路に対応するサブアレイを構成する振動素子24aに対応する遅延回路から出力されたエコー信号を加算する加算処理を実行する。そして、加算回路は、加算処理が実行されたエコー信号をデジタルデータに変換し整相加算処理を行ってエコーデータを生成し、生成したエコーデータを装置本体10に出力する。
送受信チャネル制御回路は、送受信の対象となるチャネルを選択して、選択したチャネルの送受信が行われるように、上述の各回路を制御する。なお、電子回路22は、上述した駆動信号発生回路、遅延回路、加算回路及び送受信チャネル制御回路の全ての回路を含まなくてもよく、一部の回路については上述した送受信回路11が備えてもよい。例えば、電子回路22は、駆動信号発生回路、遅延回路、加算回路、及び、送受信チャネル制御回路のうち少なくとも1つを含んでいればよい。
フレーム21の面21bとは反対側の面には、高い熱伝導性を有する1つのシート状の部材(熱伝導性シート、熱伝導性部材)で構成された高熱伝導部材9が接着されている。なお、高熱伝導部材9は、少なくとも1つの高い熱伝導性を有する部材(熱伝導性シート、熱伝導性部材)で構成されればよい。高熱伝導部材9は、熱伝導部の一例である。以下の説明では、電子回路22及び超音波トランスデューサ24が設けられたフレーム21の面21bをフレーム21の「正面」とし、正面21bの反対側の面をフレーム21の「背面」とする。すなわち、電子回路22及び超音波トランスデューサ24の振動素子24aは、フレーム21の正面21b側に位置する。ここで、図4を参照して、先端部2のフレーム21の背面に接着された高熱伝導部材9について説明する。図4は、実施形態に係る高熱伝導部材9の一例について説明するための図である。なお、図4の例では、屈曲部3及び導中部4を構成する部材等については図示が省略されている。
図4に示すように、先端部2には、ケーブル8の一端が電気的に接続されている。より具体的には、ケーブル8の一端は、先端部2の後述するFPC(Flexible Printed Circuits)30と電気的に接続されている。また、ケーブル8の他端は、上述したケーブル6と電気的に接続されている。
高熱伝導部材9は、先端部2において発生した熱を放散させるための部材である。
高熱伝導部材9は、ケーブル8を覆うように、ケーブル8に被せられて張り付けられる。これにより、高熱伝導部材9は、ケーブル8に接触する。なお、高熱伝導部材9は、ケーブル8に接触しなくてもよい。例えば、高熱伝導部材9は、他の部材を介してケーブル8の周囲に設けられていてもよい。すなわち、高熱伝導部材9は、ケーブル8に隣接していればよい。
また、高熱伝導部材9の一端は、上述したように、先端部2のフレーム21の背面に接着され、他端は、先の図3に示すように、導中部4におけるケーブル8に張り付けられる。すなわち、図3及び図4の例では、高熱伝導部材9は、先端部2から導中部4まで延在している。高熱伝導部材9の延伸方向は、ケーブル8の中軸と同じ方向である。
なお、高熱伝導部材9の他端は、屈曲部3におけるケーブル8に張り付けられてもよい。すなわち、高熱伝導部材9は、先端部2から、少なくとも屈曲部3まで延在してもよい。この場合においても、高熱伝導部材9は、ケーブル8に接触しなくてもよい。例えば、高熱伝導部材9は、ケーブル8に隣接していればよい。
高熱伝導部材9は、例えば、カーボングラファイトにプラスチックフィルムをラミネートした単一の部材(単一部材)である熱伝導性シートで構成されている。すなわち、高熱伝導部材9が有する単一部材である熱伝導性シートは、カーボングラファイトを含む部材で形成されている。カーボングラファイトは、熱の伝わり方に異方性があり、厚み方向と面方向とで熱の伝わり方が異なる。例えば、カーボングラファイトは、厚み方向の熱伝導率が1W/m・k以上であり、面方向の熱伝導率が300W/m・k以上である。なお、面方向とは、例えば、厚み方向に直交する面に沿った方向である。このように、高熱伝導部材9は、面方向の熱伝導率が高いため、効率良く、超音波の送受信時における先端部2において発生した熱を導中部4又は屈曲部3にまで面方向に伝達させることができる。すなわち、高熱伝導部材9は、効率良く、先端部2において発生した熱を放散させることができる。したがって、実施形態に係る超音波プローブ1は、超音波の送受信時における先端部2の温度上昇を抑制することができる。
なお、高熱伝導部材9は、例えば、高い熱伝導性を有するカーボンナノチューブを含む部材で形成されてもよい。
以上のことから、高熱伝導部材9は、先端部2から少なくとも屈曲部3まで延在した単一部材(熱伝導性シート)を有し、先端部2においてフレーム21に接触し、屈曲部3においてケーブル8に隣接する。
また、図4の例に示すように、高熱伝導部材9は、メッシュ状に加工されている。形状がメッシュ状となることで、屈曲部3の屈曲に伴い、高熱伝導部材9が屈曲した場合であっても、屈曲部3の屈曲に追従するように高熱伝導部材9が屈曲するため、高熱伝導部材9は破損しにくくなる。また、図3の例に示すように、高熱伝導部材9は、後述するアングルコマ31aよりも内側に設けられている。このため、後述するアングルコマ31aよりも外側に高熱伝導部材9が設けられた場合に比べて、屈曲部3が屈曲する際における、高熱伝導部材9の曲率の変動幅が小さくなる。曲率とは、屈曲した部材の曲率半径の逆数である。高熱伝導部材9の曲率の変動幅が小さくなると、高熱伝導部材9が伸縮する度合いが小さくなる。このため、高熱伝導部材9に機械的な疲労が蓄積することを低減することができる。したがって、超音波プローブ1は、高熱伝導部材9の熱伝導性及び屈曲性を長期間維持することができる。
ここで、メッシュ状に加工された高熱伝導部材9に対して、何万回(例えば、9万回程度)も屈曲を繰り返した後に熱伝導効率を測定する実験を行った結果、何万回も高熱伝導部材9を屈曲しても、高熱伝導部材9の熱伝導効率は、ほぼ変化しなかった。この実験結果からも、超音波プローブ1は、高熱伝導部材9の熱伝導性及び屈曲性を長期間維持することができることが分かる。
図3の説明に戻り、屈曲部3は、屈曲機構31を有する。屈曲機構31は、図2に示す操作部5に対する操作に応じて屈曲することにより先端部2の向きを変更する。屈曲機構31は、複数のアングルコマ31aを有する。アングルコマ31aは、図2に示す操作部5に対する操作に応じて変形する。これにより、屈曲機構31は、屈曲する。そして、屈曲機構31が屈曲することにより、先端部2の向きが変更される。すなわち、屈曲機構31は、操作部5に対する操作に応じて屈曲することにより、先端部2の向きを変更する。
例えば、屈曲機構31は、複数のワイヤを有する。ワイヤの一端はアングルコマ31aに接続され、他端は図2に示す第1ノブ521と連動する部材に接続されている。また、他のワイヤの一端は、アングルコマ31aに接続され、他端は図2に示す第2ノブ531と連動する部材に接続されている。
第1ノブ521は、屈曲部3を、所定の平面内で屈曲させる際、操作者により操作される。操作者が第1ノブ521を操作すると、第1ノブ521と連動する部材に接続されたワイヤと接続されたアングルコマ31aが引っ張られて、このアングルコマ31aが変形する。アングルコマ31aが変形することにより、所定の平面内で屈曲機構31が屈曲し、所定の平面において先端部2の向きが変更される。
第1ノブロックレバー522は、所定の平面における先端部2の向きを固定する際、操作者により操作される。
第2ノブ531は、屈曲部3を、所定の平面と直交する平面内で屈曲させる際、操作者により操作される。操作者が第2ノブ531を操作すると、第2ノブ531と連動する部材に接続されたワイヤと接続されたアングルコマ31aが引っ張られて、このアングルコマ31aが変形する。アングルコマ31aが変形することにより、所定の平面と直交する平面内で屈曲機構31が屈曲し、所定の平面と直交する平面において先端部2の向きが変更される。
第2ノブロックレバー532は、所定の平面と直交する平面における先端部2の向きを固定する際、操作者により操作される。
したがって、超音波プローブ1は、第1ノブ521及び第2ノブ531の操作により、振動素子24aを超音波画像の撮影に適した方向に向けることができる。
図3の説明に戻り、導中部4は、フレキシブルチューブ41を有する。フレキシブルチューブ41は、高熱伝導部材9及びケーブル8を保護するために、高熱伝導部材9及びケーブル8に被せられている。
次に、本実施形態に係る高熱伝導部材9の取り付け方法の一例について説明する。図5は、高熱伝導部材9の取り付け方法の一例を説明するための図である。図5の例に示すように、まず、工程1では、高熱伝導部材9をフレーム21の背面21aに接合する。すなわち、高熱伝導部材9は、先端部2においてフレーム21の背面21aに接触する。
図6は、図5のA−A線断面図である。図6に示すように、フレーム21の背面21aには、高熱伝導部材9が接合されている。また、フレーム21の正面21bには、電子回路22が、熱伝導性を有する樹脂により接着されている。また、電子回路22のフレーム21が位置する側とは反対側の面には、再配線層23が設けられている。電子回路22は、再配線層23を介して、FPC30と電気的に接続されている。
FPC30は、電子回路22とケーブル8の電気的な接続を仲介する。FPC30は、ケーブル8と電気的に接続されている。このケーブル8は、ケーブル6と電気的に接続されているため、電子回路22は、装置本体10からの制御信号を受信することができる。また、電子回路22は、装置本体10へエコーデータを送信することができる。なお、図6に示すように、電子回路22は、再配線層23を介して、振動素子24aからのエコー信号を受信する。
図5の例に示すように、工程2では、図6中左側に示すFPC30を、フレーム21の背面21a側を通るように、折り返す。図7は、図5のB−B線断面図である。図7に示すように、FPC30は、フレーム21の形状に沿って、背面21a側を通るように折り返されている。
図5の例に示すように、工程3では、折り線71,72に沿って、高熱伝導部材9を内側に折り返す。図8は、図5のC−C線断面図である。図8に示すように、高熱伝導部材9が折り返されることによって、高熱伝導部材9により、背面21a側を通るFPC30が挟み込まれている。すなわち、高熱伝導部材9は、折り畳まれたシート状の部材(熱伝導性シート)を有する。
図5の例に示すように、工程4では、工程3において折り返された高熱伝導部材9と同じ形状の高熱伝導部材61を、高熱伝導部材9と貼り合わせる。図9は、図5のD−D線断面図である。図9に示すように、発熱する部材である振動素子24a及び電子回路22がフレーム21の正面21bに設けられ、フレーム21の背面21aには、FPC30の周囲を覆う高熱伝導部材9が設けられている。そして、高熱伝導部材9には、高熱伝導部材61が貼り合わされている。
ここで、FPC30を、フレーム21に直接設けて、FPC30を介して、高熱伝導部材9がフレーム21に接触するような場合も考えられる。しかしながら、このような場合には、FPC30は、熱伝導性が悪いため、FPC30から高熱伝導部材9への熱が伝わりにくくなる。そのため、効率良く、先端部2において発生した熱を放散させることができない。
一方、本実施形態では、図9に示すように、フレーム21には、FPC30が直接設けられていない。本実施形態では、図9に示すように、振動素子24a及び電子回路22からの熱が、フレーム21を介して、高熱伝導部材9に伝わると、高熱伝導部材9の面方向に効率良く熱が伝搬され、高熱伝導部材61に効率良く熱を伝えることができる。このように、FPC30は、フレーム21と高熱伝導部材9との熱的接触を妨げないように設けられている。
また、本実施形態では、高熱伝導部材9に高熱伝導部材61を貼り合わせている。そのため、高熱伝導部材全体での断面積が大きくなる。高熱伝導部材において、断面積が大きくなると、伝搬する熱の総量は増加する。したがって、本実施形態では、伝搬する熱の総量が大きいため、効率良く熱を放散させることができる。なお、2つの高熱伝導部材9と高熱伝導部材61とを貼り合わせた場合について説明したが、3つ以上の高熱伝導部材を貼り合わせてもよいし、高熱伝導部材が1つであってもよい。
図5の例に示すように、工程5では、折り線73に沿って、高熱伝導部材61が貼り合わされた高熱伝導部材9を、先端部2側からケーブル8側に折り返す。そして、工程6では、高熱伝導部材61が貼り合わされた高熱伝導部材9をケーブル8に巻き付ける。これにより、例えば、高熱伝導部材9は、屈曲部3においてケーブル8に巻き付けられる。
図10は、工程6において、高熱伝導部材9が巻き付けられたケーブル8の断面図である。図10の例に示すように、本実施形態では、高熱伝導部材9の幅が、ケーブル8の周長以上であるため、高熱伝導部材9がケーブル8の周を全て覆っている。すなわち、高熱伝導部材9の放熱面積が十分に大きいため、熱源の熱を効率よく放散させることができる。
以上、実施形態に係る超音波プローブ1及び超音波診断装置100について説明した。実施形態に係る超音波プローブ1及び超音波診断装置100によれば、上述したように、超音波の送受信時における先端部2の温度上昇を抑制することができる。
(実施形態に係る第1の変形例)
ここで、上述した実施形態では、高熱伝導部材9の幅が、ケーブル8の周長以上である場合について説明した。しかしながら、高熱伝導部材9の幅が、ケーブル8の周長より短くてもよい。そこで、このような実施形態を実施形態に係る第1の変形例として説明する。
図11は、第1の変形例に係る高熱伝導部材9が巻き付けられたケーブル8の断面図である。図11の例に示すように、高熱伝導部材9の幅が、ケーブル8の周長より短い。そのため、高熱伝導部材9がケーブル8の周の一部を覆っている。このように、第1の変形例では、高熱伝導部材9として、サイズが小さい高熱伝導部材を用いる。サイズが小さくなると、価格などのコストを低く抑えることができる。したがって、第1の変形例によれば、サイズが小さい高熱伝導部材9を用いて、コストを低く抑えつつ、超音波の送受信時における先端部2の温度上昇を抑制することができる。
(実施形態に係る第2の変形例)
また、上述した実施形態では、高熱伝導部材9の形状がメッシュ状である場合について説明した。しかしながら、高熱伝導部材9の形状は、これに限られない。そこで、実施形態に係る第2の変形例及び第3の変形例として、高熱伝導部材9の他の形状について説明する。
まず、第2の変形例について説明する。図12は、第2の変形例に係る高熱伝導部材の一例を説明するための図である。図12の例に示すように、第2の変形例に係る高熱伝導部材9aの形状は、幅の細いリボン状である。高熱伝導部材9aは、先端部2において発生した熱を放散させるために十分な大きさの放熱面積を有する。高熱伝導部材9aは、図12の例に示すように、所定のピッチで、螺旋状に、ケーブル8に巻き付けられている。例えば、高熱伝導部材9aは、屈曲部3において、螺旋状に、ケーブル8に巻き付けられている。また、上述した実施形態と同様に、高熱伝導部材9aの一端は、フレーム21の背面21aに接続され、他端は、屈曲部3又は導中部4におけるケーブル8に接続されている。高熱伝導部材9aがケーブル8に巻き付けられていることで、屈曲部3の屈曲に伴い、高熱伝導部材9aが屈曲した場合であっても、屈曲部3の屈曲に追従するように高熱伝導部材9aが屈曲するため、高熱伝導部材9aは破損しにくくなる。したがって、第2の変形例に係る超音波プローブは、高熱伝導部材9aの熱伝導性及び屈曲性を長期間維持することができる。
また、上述した実施形態と同様に、第2の変形例においても、超音波の送受信時における先端部2の温度上昇を抑制することができる。
(実施形態に係る第3の変形例)
次に、第3の変形例について説明する。図13は、第3の変形例に係る高熱伝導部材の一例を説明するための図である。図13の例に示すように、第3の変形例に係る高熱伝導部材は、延在する方向に沿って、複数の高熱伝導部材9bに分割されている。複数の高熱伝導部材9bは、先端部2において発生した熱を放散させるために十分な大きさの放熱面積を有する。また、上述した実施形態と同様に、高熱伝導部材9bの一端は、フレーム21の背面21aに接続され、他端は、屈曲部3又は導中部4におけるケーブル8に接続されている。複数の高熱伝導部材9bに分割されていることで、屈曲部3の屈曲に伴い、高熱伝導部材9bが屈曲した場合であっても、屈曲部3の屈曲に追従するように高熱伝導部材9bが屈曲するため、高熱伝導部材9bは破損しにくくなる。したがって、第3の変形例に係る超音波プローブは、高熱伝導部材9bの熱伝導性及び屈曲性を長期間維持することができる。
また、上述した実施形態と同様に、第3の変形例においても、超音波の送受信時における先端部2の温度上昇を抑制することができる。
(実施形態に係る第4の変形例)
また、実施形態に係る第4の変形例及び第5の変形例として、更に、高熱伝導部材9の他の形状について説明する。
図14は、第4の変形例に係る高熱伝導部材の一例を説明するための図である。図14の例に示すように、第4の変形例に係る高熱伝導部材9cの第1高熱伝導部材9d、及び、高熱伝導部材9hの第3高熱伝導部材9fは、屈曲部3において、螺旋状に、交差するようにケーブル8に巻き付けられている。図14の例に示すように、第1高熱伝導部材9d及び第3高熱伝導部材9fは、螺旋状に交差している。
第1高熱伝導部材9d及び第3高熱伝導部材9fは、先端部2において発生した熱を放散させるために十分な大きさの放熱面積を有する。また、上述した実施形態と同様に、第1高熱伝導部材9d及び第3高熱伝導部材9fの一端は、屈曲部3又は導中部4におけるケーブル8に接続されている。第1高熱伝導部材9d及び第3高熱伝導部材9fがケーブル8に巻き付けられていることで、屈曲部3の屈曲に伴い、第1高熱伝導部材9d及び第3高熱伝導部材9fが屈曲した場合であっても、屈曲部3の屈曲に追従するように第1高熱伝導部材9d及び第3高熱伝導部材9fが屈曲するため、第1高熱伝導部材9d及び第3高熱伝導部材9fは破損しにくくなる。したがって、第4の変形例に係る超音波プローブは、第1高熱伝導部材9d及び第3高熱伝導部材9fの熱伝導性及び屈曲性を長期間維持することができる。
また、上述した実施形態と同様に、第4の変形例においても、超音波の送受信時における先端部2の温度上昇を抑制することができる。
ここで、図15を参照して、第4の変形例に係る高熱伝導部材の取り付け方法の一例について説明する。図15は、第4の変形例に係る高熱伝導部材の取り付け方法の一例について説明するための図である。
図15に示すように、第4の変形例に係る高熱伝導部材は、3つの高熱伝導部材9c、9h、9mに分かれている。
高熱伝導部材9cは、第1高熱伝導部材9dと、第2高熱伝導部材9eとを有する。第1高熱伝導部材9dと、第2高熱伝導部材9eとは、一体成形されている。第1高熱伝導部材9dは、上面視で略平行四辺形の形状である。第2高熱伝導部材9eは、上面視で矩形状である。
高熱伝導部材9hは、第3高熱伝導部材9fと、第4高熱伝導部材9gとを有する。第3高熱伝導部材9fと、第4高熱伝導部材9gとは、一体成形されている。第3高熱伝導部材9fは、上面視で略平行四辺形の形状である。第4高熱伝導部材9gは、上面視で矩形状である。
高熱伝導部材9cの形状と高熱伝導部材9hの形状とは、上面視で異なる。
高熱伝導部材9mは、第5高熱伝導部材9iと、第6高熱伝導部材9jと、第7高熱伝導部材9kとを有する。第5高熱伝導部材9iと、第6高熱伝導部材9jと、第7高熱伝導部材9kとは、一体成形されている。
第4の変形例に係る高熱伝導部材の取り付け方法の一例について説明すると、まず、図14に示すように、高熱伝導部材9mの第5高熱伝導部材9iをフレーム21の側面21cに接合し、高熱伝導部材9mの第6高熱伝導部材9jをフレーム21の側面21dに接合する。また、高熱伝導部材9mの第7高熱伝導部材9kをフレーム21の背面21aに接合する。
そして、図14に示すように、高熱伝導部材9hの第4高熱伝導部材9gを第5高熱伝導部材9iに貼り付ける。そして、図14に示すように、高熱伝導部材9hの第3高熱伝導部材9fを、ケーブル8に螺旋状に巻き付ける。
そして、図14に示すように、高熱伝導部材9cの第2高熱伝導部材9eを第6高熱伝導部材9jに貼り付ける。そして、図14に示すように、高熱伝導部材9cの第1高熱伝導部材9dを、第3高熱伝導部材9fと交差するように、ケーブル8に螺旋状に巻き付ける。
このようにして、第4の変形例では、螺旋状に交差する高熱伝導部材がケーブル8に巻き付けられる。
(実施形態に係る第5の変形例)
次に、第5の変形例に係る高熱伝導部材の一例を説明する。図16は、第5の変形例に係る高熱伝導部材の一例を説明するための図である。図16の例に示すように、第5の変形例に係る高熱伝導部材9cの第1高熱伝導部材9d、及び、高熱伝導部材9nの第8高熱伝導部材9oは、屈曲部3において、螺旋状に、同じ方向に、ケーブル8に巻き付けられている。図16の例に示すように、第1高熱伝導部材9d及び第8高熱伝導部材9oは、二重螺旋となっている。なお、第1高熱伝導部材9d及び第8高熱伝導部材9oは重なってもよい。
第1高熱伝導部材9d及び第8高熱伝導部材9oは、先端部2において発生した熱を放散させるために十分な大きさの放熱面積を有する。また、上述した実施形態と同様に、第1高熱伝導部材9d及び第8高熱伝導部材9oの一端は、屈曲部3又は導中部4におけるケーブル8に接続されている。第1高熱伝導部材9d及び第8高熱伝導部材9oがケーブル8に巻き付けられていることで、屈曲部3の屈曲に伴い、第1高熱伝導部材9d及び第8高熱伝導部材9oが屈曲した場合であっても、屈曲部3の屈曲に追従するように第1高熱伝導部材9d及び第8高熱伝導部材9oが屈曲するため、第1高熱伝導部材9d及び第8高熱伝導部材9oは破損しにくくなる。したがって、第5の変形例に係る超音波プローブは、第1高熱伝導部材9d及び第8高熱伝導部材9oの熱伝導性及び屈曲性を長期間維持することができる。
また、上述した実施形態と同様に、第5の変形例においても、超音波の送受信時における先端部2の温度上昇を抑制することができる。
ここで、図17を参照して、第5の変形例に係る高熱伝導部材の取り付け方法の一例について説明する。図17は、第5の変形例に係る高熱伝導部材の取り付け方法の一例について説明するための図である。
図17に示すように、第5の変形例に係る高熱伝導部材は、3つの高熱伝導部材9c、9n、9mに分かれている。第5の変形例に係る高熱伝導部材9c、9mについては、第4の変形例に係る高熱伝導部材9c、9mと同様の構成であるため、説明を省略する。
高熱伝導部材9nは、第8高熱伝導部材9oと、第9高熱伝導部材9pとを有する。第8高熱伝導部材9oと、第9高熱伝導部材9pとは、一体成形されている。第8高熱伝導部材9oは、上面視で略平行四辺形の形状である。第9高熱伝導部材9pは、上面視で矩形状である。
高熱伝導部材9cの形状と高熱伝導部材9nの形状とは、上面視で略同一である。
第5の変形例に係る高熱伝導部材の取り付け方法の一例について説明すると、まず、図16に示すように、第4の変形例と同様に、高熱伝導部材9mの第5高熱伝導部材9iをフレーム21の側面21cに接合し、高熱伝導部材9mの第6高熱伝導部材9jをフレーム21の側面21dに接合する。また、高熱伝導部材9mの第7高熱伝導部材9kをフレーム21の背面21aに接合する。
そして、図16に示すように、高熱伝導部材9nの第9高熱伝導部材9pを第5高熱伝導部材9iに貼り付ける。そして、図16に示すように、高熱伝導部材9nの第8高熱伝導部材9oを、ケーブル8に螺旋状に巻き付ける。
そして、図16に示すように、高熱伝導部材9cの第2高熱伝導部材9eを第6高熱伝導部材9jに貼り付ける。そして、図14に示すように、高熱伝導部材9cの第1高熱伝導部材9dを、ケーブル8に螺旋状に巻き付ける。
このようにして、第5の変形例では、2重螺旋となる高熱伝導部材がケーブル8に巻き付けられる。
なお、上述した第4の変形例では、高熱伝導部材が、3つの高熱伝導部材9c、9h、9mに分かれている場合について例示したが、3つの高熱伝導部材9c、9h、9mが一体成形されてもよい。同様に、第5の変形例では、高熱伝導部材が、3つの高熱伝導部材9c、9n、9mに分かれている場合について例示したが、3つの高熱伝導部材9c、9n、9mが一体成形されてもよい。
以上述べた少なくとも1つの実施形態又は変形例に係る超音波プローブ及び超音波診断装置によれば、超音波の送受信時における先端部2の温度上昇を抑制することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。