JP2017074335A - 頚椎矯正用枕および頚椎矯正方法 - Google Patents

頚椎矯正用枕および頚椎矯正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】頚椎矯正対象者のそれぞれの症状に応じて、きめ細かく効果的な治療が受けられるように構成した頚椎矯正用枕と頚椎矯正方法を提供する。【解決手段】大略箱状に設けた枕体10の上面部15を傾斜状に形成するとともに、その上面部15のほぼ中央部に耳入れ穴16を設けて、高位上面部15aと低位上面部15bを形成した形状の頚椎矯正用枕と、その枕を用いて行う頚椎矯正方法であって、横臥状態の頚椎矯正対象者の一方の耳を耳入れ穴16に挿入するとともに、その頬骨部分を高位上面部15aまたは低位上面部15bに密着させ、且つ下側の肩を身体の中心部より前方または後方に位置させて矯正治療を行うようにするものである。【選択図】図1

Description

本発明は、頚椎あるいは頚椎から頭蓋骨に到る部位(以下、単に頚椎として説明する)の歪みやズレを矯正するための頚椎矯正用枕と、その頚椎矯正用枕を用いて行う頚椎矯正方法に関するものである。
従来から提供されている頚椎矯正用枕としては、使用者の後頭部を納めるための略半球状の穴を有する枕に、使用者が上向きで寝るようにした構造の頚椎矯正用枕がある(特許文献1参照)。また頚椎矯正用枕を大略箱状に形成し、横臥状に寝て治療するようにした頚椎矯正用の横寝枕を、本出願人が先に提案している(特許文献2参照)。
上記した特許文献1の頚椎矯正用枕は、構造が複雑で製造コストが高額になるという欠点があるとともに、必ずしも医学関係の知識や資格を有していない一般の使用者が、単に上向きに寝るという簡単な矯正動作を行うのみのため、各使用者の症状に応じた適切な矯正ができないという重大な欠点があった。
また本出願人が先に提案した特許文献2の頚椎矯正用の横寝枕は、枕体の前面部を後方に向けて傾斜させるとともに、枕体の上面部を前面部側から後面部側に向けて傾斜させた形状になっているので、横臥状態で矯正治療を受けている頚椎矯正対象者の体勢が不安定になり易く、安定的且つ効率的な治療効果が得られ難いという問題点があった。
なおまた、頚椎の歪みやズレを矯正するための物品としては、上記した枕以外の各種器具も提供されているが、現在のところ、体系的な頚椎矯正方法は確立されていないので、頚椎矯正対象者の症状に応じた適切な矯正方法の提案が待たれていた。
特開2011−167325号公報 実用新案登録第3182193号公報
本発明は、上記した特許文献1および特許文献2の発明考案で示された欠点や問題点を解決することを目的とするものである。すなわち本発明は、簡単な構造で安価に製造可能な枕を用いて行われるもので、矯正対象者のそれぞれの症状に応じて、きめ細かく安定した治療を受けられるように構成した頚椎矯正用枕および頚椎矯正方法を提供しようとするものである。
上記した課題を解決するために、本発明は以下のような手段を講ずるものである。
すなわち請求項1に記載の本発明は、その全体形状が大略方形の箱状に形成され、且つその左右の側面部の高さを異にして上面部を傾斜状に形成して成る枕体であって、その枕体の上面部のほぼ中央部に、上面部を縦断する割り溝状の耳入れ穴を形成し、その耳入れ穴によって、前記上面部を高位上面部と低位上面部に分割して形成した構成の頚椎矯正用枕である。
また請求項2に記載の本発明は、その全体形状が大略方形の箱状に形成され、且つその左右の側面部の高さを異にして上面部を傾斜状に設けるとともに、その上面部のほぼ中央部に、上面部を縦断する割り溝状の耳入れ穴を形成し、その耳入れ穴によって、前記上面部を高位上面部と低位上面部に分割した形状の頚椎矯正用枕を用いて行う頚椎矯正方法であって、その症状に応じて、横臥状態の頚椎矯正対象者のいずれか一方の耳を耳入れ穴に挿入するとともに、その頬骨部分を高位上面部または低位上面部のいずれかに密着させ、且つ下側の肩が身体の中心線より前方または後方に位置した姿勢を所定時間持続させるようにしたことを特徴とする頚椎矯正方法である。
また請求項3に記載の本発明は、上記した横臥状態の頚椎矯正対象者の頚椎1番を、大略鉛筆状に形成した押圧具を用いて軽く押圧することを特徴とする頚椎矯正方法である。
本発明に成る頚椎矯正用枕は、構造が簡単で安価に大量生産することが可能であり、また構造が簡単なために取り扱いが容易で、病院等の治療担当者あるいは整体師等の施術者が熟練した技術を必要としないという大きな利点がある。
また本発明に成る頚椎矯正方法を採用すれば、頚椎の矯正を必要とする患者の症状に応じて的確に対応することができるので、効率的な矯正効果を得ることができるとともに、耳入れ穴に一方の耳を挿入して横臥するのみの簡単な方法で、安全且つ簡易に頚椎の矯正を行うことができるという特筆すべき効果を奏するものである。
したがって、本発明の方法を用いて頚椎の矯正を行うことにより、歪んだりズレたりしている頚椎を真っ直ぐに矯正することができるので、頚椎から頭蓋骨に至る間に付着した筋肉の前後左右のバランスが回復され、且つ血液やリンパ液の流れを良好にすることができるので、結果的に、首や肩のこり、頭痛、不眠症の改善、顔の歪みやむくみおよび顎の下のむくみやたるみの改善、背骨の歪み、斜頸その他の様々な症状の改善に大きく寄与することができるという極めて顕著な効果を得ることができる。
本発明の頚椎矯正用枕の斜視図である。 図1の枕の断面図である。 本発明の頚椎矯正方法の一例を示す一部切欠説明図である。 頚椎矯正状態における全体像を示す平面図である。 本発明の他の例を示す説明図である 図5の場合に使用される枕の配置方向を示す正面図である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、まず、図1、図2を参照して本発明で使用される頚椎矯正用枕の構造を説明する。
本発明において提供される枕体10は、前面部11と後面部14および左右の側面部がそれぞれ相対向する垂直状に立設された大略長方形の箱状に形成されたものであるが、この場合の側面部は、図における左側がやや高い長尺状側面部12、図における右側がやや低い短尺状側面部13となっているので、必然的に、上面部15は右方向に向けて低くなる傾斜状に設けられたものである。
また上記した上面部15のほぼ中央部には、前後方向に縦断する形状の割り溝状の耳入れ穴16が設けられている。したがって該上面部15は、この耳入れ穴16を間に存して左右に分割された形状になっているもので、図における左側が高位上面部15a,右側が低位上面部15bとなっている。なお、上記した耳入れ穴16の幅や深さは、さまざまな頚椎矯正対象者(以下、対象者と称する)の耳を容易に挿入できる程度の大きさに形成されるものとする。
なおまた上述した形状の枕体10は、図2に示すように、硬質ウレタンその他の適宜な素材を用いて製造された芯部材17の外周を、肌触りの良い被覆部材18によって覆ったのみの簡単な形状に設けられたものである。
続いて、図3〜図5を参照して、本発明の頚椎矯正方法について具体的に説明する。
病院等の治療担当者あるいは整体師等の施術者(以下、施術者で説明する)は、まず対象者の前方と後方の両方から目視にて観察し、頚椎の歪みやズレの有無、歪みやズレの状態等を判定する。
その結果、図3(イ)に示すように、左側の耳の位置が高く且つ右側の耳の位置が後ろにきていると判定した場合は、次のような手順で矯正治療されるものである。
まず図4に示すように、対象者21を、身体の左側が上になるように横臥状に寝させるとともに、図3(ロ)に示すように、枕体10の耳入れ穴16に対象者21の右耳22を挿入させるのであるが、この場合の枕体10は、図1および図2と同様な配置がなされており、高位上面部15aが対象者21の前方で、低位上面部15bが後方となるように設定されるものである。そして対象者21の頚椎1番に対して後方へ移動する力が加わるように、対象者21の右肩を身体の中心線より少し前に出して膝を曲げ、所定時間そのままの状態を維持するようにするものである。
なお、対象者21の耳22を耳入れ穴16に挿入する場合は、乳様突起23の下端が枕体の上面部15の前縁に位置するように挿入するとともに、対象者21の右側の頬骨やその周囲部分を高位上面部15aに密着させるようにするものとする。さらに対象者21が前屈できない場合は顎を引いて矯正し、後屈できない場合は顎を上げて矯正するようにするとよい。
上記のような状態で矯正治療する場合において、横臥状態をそのまま維持する所定時間としては、標準的には約10分間であるが、施術者の判断により、時間を短縮したり延長したりすることも可能である。
以上のような矯正方法を用いることにより、簡易且つ安全確実に頚椎の矯正を行うことができるが、さらに矯正効果を高める場合は、以下のような操作を続いて行うようにするものである。
すなわち、上述のような状態における対象者21の頚椎1番の横突起に、略鉛筆状の押圧具を用いて軽く押圧力を加えるようにするのである。この押圧具としては、本発明者が先に提案した人体各部の押圧具(実用新案登録第3152151号)を用いるようにすると好適である。
上記のような頚椎1番に押圧力を加える際に、押圧力が強いと硬膜と筋肉が緊張して動かなくなるので、ソフトでゆっくりと押圧力を加えるようにし、また終了する際も、押圧具をゆっくりと離すようにするものとする。なおこの場合の矯正ポイントは、対象者21の乳線突起23から約2.1cm程度の部位とする。
次に、上記のような方法で頚椎の矯正を行った後に、対象者21に左旋回および右旋回してもらって治療効果を確認するのであるが、頚椎1番が正常位置に戻っていれば右旋回を容易に行うことができるので、治療効果を確認することができる。
続いて、図5、図6を参照して本発明の頚椎矯正方法の他の例について説明する。
対象者21を目視で観察した場合に、図5のように、左側の耳の位置が高く且つ左側の耳が後ろに位置している場合には、図6に示すように、低位上面部15bが前方で高位上面部15aが後方に位置するように枕体10を設定し、図3(ロ)および図4で示した場合と同様な形態で対象者21を横臥状に寝させるようにする。
この場合には、頚椎1番に対して前方へ移動する力が加わるように、前例とは逆に右肩を身体の中心線より少し後ろに引くようにするのであるが、その他の手順は前例と全く同様である。
なお、前述した二例においては、左側の耳が高く右側の耳が低い位置にある場合の頚椎矯正方法を示したが、耳の位置が前述した例と逆の場合等のように、対象者の症状は様々であるので、その症状に応じて、耳入れ穴に挿入する耳の選択、枕体の設定方向、横臥状態における肩の位置等を適宜に設定するものとする。
以上に詳述したように、本発明で用いる頚椎矯正用枕は、上面が傾斜状に設けられた大略長方形の箱状に形成され、且つその上面部のほぼ中央部に割り溝状の耳入れ穴を形成して成るものである。
また本発明の頚椎矯正方法は、それぞれの症状に合わせて、上記した頚椎矯正用枕の耳入れ穴に横臥状態の対象者の一方の耳を挿入するとともに、対象者の頬骨部分を高位上面部または低位上面部のいずれかに密着させ、且つ下側の肩を身体の中心部より前方または後方に位置させ、そのままの姿勢を10分程度維持するようにするものである。
さらに上記した方法に加えて、略鉛筆状の押圧具を用いて対象者の頸椎1番に軽い押圧力を加えるようにすれば、さらに大きな矯正効果を得られるものである。
10 枕体
11 前面部
12 長尺状側面部
13 短尺状側面部
14 後面部
15 上面部
15a 高位上面部
15b 低位上面部
16 耳入れ穴
21 頚椎矯正対象者
22 耳

Claims (3)

  1. その全体形状が大略方形の箱状に形成され、且つその左右の側面部の高さを異にして上面部を傾斜状に形成して成る枕体であって、その枕体の上面部のほぼ中央部に、上面部を縦断する割り溝状の耳入れ穴を形成し、その耳入れ穴によって、前記上面部を高位上面部と低位上面部に分割して形成したことを特徴とする頚椎矯正用枕。
  2. その全体形状が大略方形の箱状に形成され、且つその左右の側面部の高さを異にして上面部を傾斜状に設けるとともに、その上面部のほぼ中央部に、上面部を縦断する割り溝状の耳入れ穴を形成し、その耳入れ穴によって、前記上面部を高位上面部と低位上面部に分割した形状の頚椎矯正用枕を用いて行う頚椎矯正方法であって、横臥状態の頚椎矯正対象者のいずれか一方の耳を耳入れ穴に挿入するとともに、その頬骨部分を高位上面部または低位上面部に密着させ、且つ下側の肩が身体の中心部より前方または後方に位置した姿勢を所定時間持続させるようにしたことを特徴とする頚椎矯正方法。
  3. 上記した横臥状態の頚椎矯正対象者の頚椎1番を、大略鉛筆状に形成した押圧具を用いて軽く押圧することを特徴とする請求項2に記載の頚椎矯正方法。
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