JP2017067163A - トルク変動低減装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸に発生するトルク変動が2つのモードを有する場合においても、トルク変動を有効に低減することができるトルク変動低減装置を提供する。【解決手段】トルクを伝達する回転軸1と一体的に回転するウエイト支持部材11と、回転軸1の周方向に等間隔に配置され、ウエイト支持部材11に回転可能に支持される支軸21から偏心した重心位置を有する複数のウエイト部材20と、回転軸1に連結されると共に支軸21に連結され、回転軸1と支軸21とが所定の回転比となるように回転軸1と支軸21とを連動可能に構成された遊星歯車機構30とを備えたトルク変動低減装置10は、遊星歯車機構30を用いて回転軸1と支軸21とを連動させる第1状態と、回転軸1と支軸21とを非連動とする第2状態とを切り換える切換手段40を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、トルク変動低減装置に関し、特にエンジンの出力軸などの回転軸に発生するトルク変動を低減するトルク変動低減装置に関する。
自動車等の車両では、エンジンの各気筒における間欠的な爆発に起因してエンジンの出力軸にトルク変動が発生し、例えば直列4気筒4サイクルエンジンではエンジンの出力軸が1回転する間に2回のトルク変動が発生してエンジンの出力トルクに対して回転2次のトルク変動が生じ、このトルク変動が変速機などの駆動系へ伝達されて振動や騒音を引き起こし得る。
これに対し、例えば特許文献1には、エンジンの出力軸に発生するトルク変動を低減するトルク変動低減装置が開示されている。このトルク変動低減装置では、エンジンの出力軸に取り付けられたフライホイールに周方向に複数の円形凹部を形成し、これら円形凹部内にそれぞれベアリングを介して重心位置が円形凹部の中心線から偏奇したダンパウエイトを揺動自在に取り付けることで、エンジンの出力軸に発生するトルク変動をダンパウエイトの揺動運動によって低減するようになっている。
特開平11−2294号公報
ところで、自動車等の車両では、エンジンの燃費性能の向上を図るため、複数の気筒の全てを作動させる全筒運転と複数の気筒のうち一部の気筒のみを作動させる減筒運転とを切換可能に構成されたエンジンを備えたものが知られている。
例えば直列4気筒4サイクルエンジンが4気筒を作動させる全筒運転と2気筒のみを作動させる減筒運転とを切換可能に構成されている場合、全筒運転時にはエンジンの出力軸が1回転する間に2回のトルク変動が発生し、減筒運転時にはエンジンの出力軸が1回転する間に1回のトルク変動が発生し、全筒運転時と減筒運転時とでエンジンの出力軸に発生するトルク変動のモードが変化することとなる。
前記特許文献1に記載されるトルク変動低減装置において、全筒運転時にエンジンの出力軸に発生するトルク変動を有効に低減するように円形凹部の中心線やダンパウエイトの重心位置などが設定された場合、減筒運転時にエンジンの出力軸に発生するトルク変動を有効に低減することができないおそれがある。
したがって、エンジンの出力軸などの回転軸に発生するトルク変動が2つのモードを有する場合においても、回転軸に発生するトルク変動を有効に低減することが望まれる。
そこで、本発明は、回転軸に発生するトルク変動が2つのモードを有する場合においても、回転軸に発生するトルク変動を有効に低減することができるトルク変動低減装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、トルクを伝達する回転軸と、前記回転軸と一体的に回転するウエイト支持部材と、前記ウエイト支持部材にそれぞれ回転可能に支持されると共に前記回転軸の周方向に等間隔に配置された複数のウエイト部材であって、前記ウエイト部材がそれぞれ前記回転軸に平行に設けられると共に前記ウエイト支持部材に回転可能に支持される支軸から偏心した重心位置を有する複数のウエイト部材と、前記回転軸に連結されると共に前記支軸に連結され、前記回転軸と前記支軸とが所定の回転比となるように前記回転軸と前記支軸とを連動可能に構成された遊星歯車機構とを備えたトルク変動低減装置であって、前記遊星歯車機構を用いて前記回転軸と前記支軸とを連動させる第1状態と、前記回転軸と前記支軸とを非連動とする第2状態とを切り換える切換手段を備えていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のトルク変動低減装置において、前記切換手段は、前記遊星歯車機構の所定の回転要素をケースに固定する又はケースから解放するブレーキによって構成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載のトルク変動低減装置において、全筒運転と減筒運転とを切換可能に構成されたエンジンを備え、前記回転軸は、前記エンジンの出力軸であり、前記切換手段は、前記エンジンの減筒運転時に前記第1状態に切り換えることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載のトルク変動低減装置において、全筒運転と減筒運転とを切換可能に構成されたエンジンを備え、前記回転軸は、前記エンジンの出力軸であり、前記切換手段は、前記エンジンの全筒運転時に前記第2状態に切り換えることを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明によれば、トルク変動低減装置は、トルクを伝達する回転軸と一体的に回転するウエイト支持部材と、回転軸の周方向に等間隔に配置され、ウエイト支持部材に回転可能に支持される支軸から偏心した重心位置を有する複数のウエイト部材と、回転軸と支軸とが所定の回転比となるように回転軸と支軸とを連動可能に構成された遊星歯車機構とを備えると共に、遊星歯車機構を用いて回転軸と支軸とを連動させる第1状態と、回転軸と支軸とを非連動とする第2状態とを切り換える切換手段を備えている。
これにより、回転軸に発生するトルク変動の1つのモードと逆位相の変動トルクを発生させる所定の回転比となるように回転軸と支軸とを連動可能に構成された遊星歯車機構を用いることで、遊星歯車機構を用いて回転軸と支軸とを連動させる第1状態では、回転軸に発生する1つのモードのトルク変動を確実に低減することができる。
また、回転軸と支軸とを非連動とする第2状態では、回転軸と一体的に回転するウエイト支持部材に回転可能に支持されたウエイト部材の揺動運動によって、回転軸に発生する前記モードとは別のモードのトルク変動を有効に低減することができる。
したがって、回転軸に発生するトルク変動が2つのモードを有する場合においても、回転軸に発生するトルク変動を有効に低減することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、切換手段は、遊星歯車機構の所定の回転要素をケースに固定する又はケースから解放するブレーキによって構成されることにより、ブレーキとして油圧室への油圧供給時に複数の摩擦板を締結する油圧式ブレーキを用いる場合、油圧室をケースに固定させることができるので、油圧室が回転する油圧式クラッチを用いる場合に比べて、第1状態と第2状態との切換制御を応答性良く行うことができ、回転軸に発生するトルク変動を有効に低減することができる。また、油圧室が回転する油圧式クラッチを用いる場合のように、油圧室内の作動油に作用する遠心力をキャンセルするための遠心バランス室を設ける必要がなく、比較的簡単な構成によってトルク変動を有効に低減することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、切換手段は、全筒運転と減筒運転とを切換可能に構成されたエンジンの減筒運転時に第1状態に切り換えることにより、エンジンの減筒運転時にエンジンの出力軸に発生するトルク変動と逆位相の変動トルクを発生させる所定の回転比となるように回転軸と支軸とを連動可能に構成された遊星歯車機構を用いることで、エンジンの減筒運転時にエンジンの出力軸に発生するトルク変動を確実に低減することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、切換手段は、全筒運転と減筒運転とを切換可能に構成されたエンジンの全筒運転時に第2状態に切り換えることにより、回転軸と一体的に回転するウエイト支持部材に回転可能に支持されたウエイト部材の揺動運動によって、エンジンの全筒運転時にエンジンの出力軸に発生するトルク変動を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係るトルク変動低減装置の断面図である。 図1におけるY2−Y2線に沿ったトルク変動低減装置の断面図である。 トルク変動低減装置の斜視図である。 トルク変動低減装置の別の斜視図である。 減筒運転時におけるトルク変動低減装置による変動トルクを示すグラフである。 減筒運転時に回転軸の回転角度が0度及び45度であるときのトルク変動低減装置による変動トルクを説明するための説明図である。 減筒運転時に回転軸の回転角度が90度及び135度であるときのトルク変動低減装置による変動トルクを説明するための説明図である。 本発明の第2実施形態に係るトルク変動低減装置の断面図である。 本発明の第3実施形態に係るトルク変動低減装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るトルク変動低減装置の断面図であり、図2は、図1におけるY2−Y2線に沿ったトルク変動低減装置の断面図、図3は、トルク変動低減装置の斜視図、図4は、トルク変動低減装置の別の斜視図である。なお、図3及び図4では、トルク変動低減装置を構成する遊星歯車機構のキャリヤ及びキャリヤとケースとの間に設けられるブレーキを省略して示している。
本発明の第1実施形態に係るトルク変動低減装置は、自動車等の車両に搭載される車両用エンジンに適用されてエンジンの出力軸であるクランクシャフトなどのトルクを伝達する回転軸に発生するトルク変動を低減するように構成されている。
本実施形態では、4気筒の全てを作動させる全筒運転と4気筒のうち2気筒のみを作動させる減筒運転とを切換可能に構成された直列4気筒4サイクルエンジンに適用される場合におけるトルク変動低減装置について説明する。
前記直列4気筒4サイクルエンジンでは、全筒運転時にはクランクシャフトが1回転する間に2回のトルク変動が発生し、減筒運転時にはクランクシャフトが1回転する間に1回のトルク変動が発生し、全筒運転時と減筒運転時とでトルク変動のモードが変化する。前記エンジンのクランクシャフトに発生するトルク変動はまた、作動させる気筒数が少ないほど大きくなることから、減筒運転時には全筒運転時に比べてトルク変動が大きくなる。
本実施形態に係るトルク変動低減装置は、減筒運転時にクランクシャフトに発生する1つのモードのトルク変動を確実に低減すると共に、全筒運転時にクランクシャフトに発生する前記モードとは別のモードのトルク変動を有効に低減するように構成されている。
図1から図4に示すように、第1実施形態に係るトルク変動低減装置10は、トルクを伝達する回転軸1として直列4気筒4サイクルエンジンの出力軸であるクランクシャフト1を備えると共に、回転軸1と一体的に回転するウエイト支持部材11と、ウエイト支持部材11にそれぞれ回転可能に支持される4つのウエイト部材20とを備えている。
ウエイト支持部材11は、回転軸1の軸方向に離間して2つ設けられている。2つのウエイト支持部材11は、同一形状を有し、回転軸1の軸方向に離間して同様に配置されている。ウエイト支持部材11は、回転軸1の軸方向に所定の厚さを有すると共に回転軸1の軸方向から見て略十字形状に形成されている。ウエイト支持部材11は、中心に形成された略円形状の開口部11aの内周面が回転軸1にスプライン嵌合されて回転軸1と一体的に回転するようになっている。
ウエイト支持部材11はまた、図2に示すように、回転軸1の軸心C1から半径r1に中心を有する円形状の4つの開口部11bを有している。4つの開口部11bは、同一形状を有して回転軸1の周方向に90度ごとに等間隔に設けられている。ウエイト部材20は、ウエイト支持部材11の開口部11bを介してウエイト支持部材11に回転可能に支持されている。
ウエイト部材20は、回転軸1と平行に設けられた支軸21と、支軸21に固定されたウエイト22とを有し、支軸21は、ウエイト22の両側に設けられている。支軸21は、円柱状に形成され、回転軸1の軸心C1と平行に設けられた軸心C2を有してウエイト支持部材11に回転可能に支持されている。ウエイト22は、図2に示すように、支軸21の軸心C2の軸方向から見て軸心C2から径方向外側に向かって中心角が、これに限定されるものではないが、120度で拡がる略扇形状に形成されている。
ウエイト部材20では、支軸21とウエイト22とが一体的に形成されている。ウエイト部材20は、図2に示すように、支軸21の軸心C2から距離r2偏心した重心位置C3を有し、支軸21の軸心C2と重心位置C3とを結ぶ平面に対して対称に形成されている。4つのウエイト部材20は、同一形状を有して回転軸1の周方向に90度ごとに等間隔に配置されている。本実施形態では、ウエイト22は、略扇形状に形成されているが、ウエイト部材20が支軸21の軸心C2から偏心した重心位置を有する他の形状に形成することも可能である。
トルク変動低減装置10はまた、ウエイト部材20の支軸21に設けられた支軸被駆動ギヤ25と、支軸被駆動ギヤ25に噛み合いウエイト部材20の支軸21を駆動させる支軸駆動ギヤ26と、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動可能に構成された遊星歯車機構30とを備えている。
ウエイト部材20の支軸21は、回転軸1の軸方向一方側に配置されたウエイト支持部材11に支持される部分が該ウエイト支持部材11よりも軸方向一方側に延びる延設部21aを備え、該延設部21aに支軸被駆動ギヤ25が固定して結合されている。支軸駆動ギヤ26は、ウエイト支持部材11の軸方向一方側において支軸被駆動ギヤ25に噛み合い、回転軸1に軸受5を介して回転可能に支持されている。
遊星歯車機構30は、支持被駆動ギヤ25及び支軸駆動ギヤ26の回転軸1の軸方向一方側に配置されている。遊星歯車機構30は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構であり、サンギヤ31と、サンギヤ31に噛み合う3つの内側ピニオン33と、内側ピニオン33にそれぞれ噛み合う3つの外側ピニオン34と、内側ピニオン33及び外側ピニオン34を回転可能に支持するキャリヤ35と、外側ピニオン34に噛み合うリングギヤ32とで構成されている。
リングギヤ32の軸方向一方側には動力伝達部材32aが一体的に形成されている。動力伝達部材32aは、リングギヤ32から回転軸1の径方向内方に延び、その内周側が回転軸1にスプライン嵌合されている。これにより、遊星歯車機構30のリングギヤ32が回転軸1に連結されている。
キャリヤ35は、内側ピニオン33を回転可能に支持する内側ピニオンシャフト35aと、外側ピニオン34を回転可能に支持する図示しない外側ピニオンシャフトと、内側ピニオンシャフト35a及び前記外側ピニオンシャフトの両端部を固定して支持するキャリヤ本体35bとを有している。
キャリヤ本体35bは、内側ピニオンシャフト35a及び前記外側ピニオンシャフトにおける回転軸1の軸方向一方側及び軸方向他方側の端部をそれぞれ支持する一方側プレート部35c及び他方側プレート部35dと、一方側プレート部35cと他方側プレート部35dとを連結する図示しない連結部とで構成されている。
本実施形態では、キャリヤ本体35bの他方側プレート部35dが、回転軸1の径方向外方に延び、その外周側が回転軸1の外周側に配置されるケース3に固定される又はケース3から解放され、遊星歯車機構30のキャリヤ35がケース3に固定される又はケース3から解放されるようになっている。
サンギヤ31は、回転軸1に軸受5を介して回転可能に支持されている。本実施形態では、サンギヤ31に、該サンギヤ31の回転軸1の軸方向他方側に配置される支軸駆動ギヤ26が一体的に形成されている。
トルク変動低減装置10はまた、遊星歯車機構30を用いて回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる第1状態と、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを非連動とする第2状態とを切り換える切換手段40を備え、切換手段40は、これに限定されるものではないが、遊星歯車機構30のキャリヤ35をケース3に固定する又はケース3から解放するブレーキ40によって構成されている。
ブレーキ40は、図1に示すように、内周部が遊星歯車機構30のキャリヤ35の他方側プレート部35dの外周面に形成されたスプライン35eに係合された複数枚の回転側摩擦板41と、外周部がケース3の内周面に形成されたスプライン3aに係合された複数枚の固定側摩擦板42とを備え、固定側摩擦板41と回転側摩擦板42とが交互に配置されている。
回転側摩擦板41及び固定側摩擦板42の軸方向一方側には、ケース3に一体的に設けられたシリンダ43と、シリンダ43内に収容されて回転側摩擦板41と固定側摩擦板42とを締結するためのピストン44が設けられ、ピストン44とシリンダ43とによって油圧室45が形成されている。
回転側摩擦板41及び固定側摩擦板42の軸方向他方側には、ケース3に固定されたリテーニングプレート46が設けられ、回転側摩擦板41及び固定側摩擦板42が軸方向他方側に抜けることが防止されている。
また、油圧室45への油圧供給制御を行うための制御ユニット(図示せず)が備えられ、前記制御ユニットによって、油圧室45へ油圧を供給する制御が行われると回転側摩擦板41及び固定側摩擦板42が相対回転不能となってケース3にキャリヤ35が固定され、油圧室45から油圧を排出する制御が行われると回転側摩擦板41及び固定側摩擦板42が相対回転可能となってケース3からキャリヤ35が解放される。
このように、ブレーキ40は、遊星歯車機構30のキャリヤ35をケース3に固定する又はケース3から解放し、キャリヤ35をケース3に固定して遊星歯車機構30を用いて回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる第1状態と、キャリヤ35をケース3から解放して回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを非連動とする第2状態とを切り換えるようになっている。
本実施形態では、ブレーキ40は、減筒運転時にキャリヤ35をケース3に固定して遊星歯車機構30を用いて回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる第1状態に切り換えられ、全筒運転時にキャリヤ35をケース3から解放して回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを非連動とする第2状態に切り換えられる。
このようにして構成されるトルク変動低減装置10では、減筒運転時にキャリヤ35がケース3に固定され、図1及び図2に示すように、回転軸1が軸心C1周りにR1方向に回転されると、回転軸1の回転が動力伝達部材32aを介して遊星歯車機構30のリングギヤ32に入力され、外側ピニオン34及び内側ピニオン33を介してサンギヤ31が回転軸1の軸心C1周りにR1方向に回転される。
サンギヤ31が回転軸1の軸心C1周りにR1方向に回転されるとき、サンギヤ31に一体的に形成された支軸駆動ギヤ26も回転軸1の軸心C1周りにR1方向に回転され、支持被駆動ギヤ25がウエイト部材20の支軸21の軸心C2周りにR1方向と反対方向であるR2方向に回転され、ウエイト部材20は支軸21の軸心C2周りにR2方向に回転される。ウエイト部材20はまた、回転軸1と一体的に回転されるウエイト支持部材11に支持されており、回転軸1が軸心C1周りにR1方向に回転されるとき回転軸1と共に回転軸1の軸心C1周りにR1方向に回転される。
このように、遊星歯車機構30は、減筒運転時に回転軸1に連結されると共に支軸駆動ギヤ26及び支軸被駆動ギヤ25を介してウエイト部材20の支軸21に連結され、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる。トルク変動低減装置10では、遊星歯車機構30は、減筒運転時に回転軸1とウエイト部材20の支軸21とが回転軸1に発生するトルク変動と逆位相の変動トルクを発生させる所定の回転比となるように回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる。
本実施形態では、支軸被駆動ギヤ25及び支軸駆動ギヤ26の歯数がともに40枚に設定され、遊星歯車機構30を構成するサンギヤ31及びリングギヤ32の歯数がそれぞれ50枚及び100枚に設定されている。なお、支軸被駆動ギヤ25、支軸駆動ギヤ26、並びに遊星歯車機構30を構成するサンギヤ31及びリングギヤ32の歯数は、これに限定されるものでなく、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とが回転軸1に発生するトルク変動と逆位相の変動トルクを発生させる所定の回転比となるように適宜設定することが可能である。
図5は、減筒運転時におけるトルク変動低減装置による変動トルクを示すグラフである。図5では、回転軸1の角度位置である回転角度を横軸にとって表し、トルク変動低減装置10によって回転軸1に発生させる変動トルクを縦軸にとり、変動トルクは、回転軸1の回転方向である場合を上向きに、回転軸1の回転方向と反対方向である場合を下向きにとって表示している。
図5ではまた、直列4気筒4サイクルエンジンの減筒運転時における回転軸1に発生するトルク変動を破線L2で示しているが、トルク変動低減装置10は、図5の実線L1で示すように、回転軸1に発生するトルク変動L2と逆位相の変動トルクL1を発生させる。
本実施形態では、回転軸1は、4気筒のうち両端側の2気筒と中央側の2気筒とが180度の位相差で配置された直列4気筒4サイクルエンジンのクランクシャフトであり、減筒運転時にはクランクシャフトが1回転する間に1回のトルク変動が発生し、遊星歯車機構30は、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とが減筒運転時に回転軸1に発生するトルク変動と逆位相の変動トルクを発生させる所定の回転比となるように構成されている。
図6は、減筒運転時に回転軸の回転角度が0度及び45度であるときのトルク変動低減装置による変動トルクを説明するための説明図であり、図6(a)及び図6(b)はそれぞれ、回転軸1の回転位置が0度及び45度であるときの状態を示している。図7は、減筒運転時に回転軸の回転角度が90度及び135度であるときのトルク変動低減装置による変動トルクを説明するための説明図であり、図7(a)及び図7(b)はそれぞれ、回転軸1の回転角度が90度及び135度であるときの状態を示している。
図6及び図7では、トルク変動低減装置10のウエイト部材20、支軸被駆動ギヤ25及び支軸駆動ギヤ26を模式的に示し、ウエイト部材20に作用する遠心力F1をそれぞれ、ウエイト部材20の軸心C2にとって表示している。
図6(a)に示すように、減筒運転時に、例えば直列4気筒4サイクルエンジンの第1気筒のピストンが上死点にあるときなど、回転軸1の回転角度が0度であるときに、4つのウエイト部材20はそれぞれ支軸21の軸心C2と重心位置C3とを結ぶラインが回転軸1の軸心C1を通るように位置付けられる。
そして、回転軸1が軸心C1周りにR1方向に1回転されるとき、支軸駆動ギヤ26が回転軸1の軸心C1周りにR1方向に2回転され、支軸被駆動ギヤ26がウエイト部材20の軸心C2周りにR2方向に2回転されると共に回転軸1の軸心C1周りにR1方向に1回転され、ウエイト部材20は、ウエイト部材20の軸心C2周りにR2方向に2回転されると共に回転軸1の軸心C1周りにR1方向に1回転される。
本実施形態では、回転軸1が軸心C1周りにR1方向に1回転されるときに、ウエイト部材20は、ウエイト部材20の軸心C2周りにR1方向と反対方向に2回転されると共に回転軸1の軸心C1周りにR1方向に1回転され、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とは回転方向が逆方向に回転され、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とは1:−1の回転比となるように連動されている。なお、回転方向が反対方向である場合にはマイナス(−)として表している。
回転軸1が軸心C1周りに回転されるとき、ウエイト部材20にはそれぞれ、支軸21の軸心C2と重心位置C3とを結ぶ方向に遠心力F1が作用し、ウエイト部材20に作用する遠心力F1がそれぞれウエイト部材20の支軸21からウエイト支持部材11に伝達される。
図6(a)に示すように、回転軸1の回転角度が0度であるとき、ウエイト部材20にはそれぞれ支軸21の軸心C2と重心位置C3とを結ぶ方向に遠心力F1が作用し、この遠心力F1は、回転軸1の径方向外方に向かう力F1のみを有し、回転軸1の周方向の力がゼロとなる。
そして、ウエイト支持部材11に伝達される4つのウエイト部材20にそれぞれ作用する遠心力F1は、回転軸1の径方向外方に向かう力F1がそれぞれ打ち消し合って回転軸1に作用する遠心力F1による径方向の力がゼロとなると共に、回転軸1に作用する遠心力F1による回転軸1の周方向の力がゼロとなり、図5のS1で示すトルク変動低減装置10による変動トルクを発生させる。
回転軸1が軸心C1周りに回転され、図6(b)に示すように、回転軸1の回転角度が45度であるとき、ウエイト部材20にはそれぞれ支軸21の軸心C2と重心位置C3とを結ぶ方向に遠心力F1が作用し、この遠心力F1は、回転軸1の径方向外方に向かう力F2と回転軸1の回転方向と反対方向の周方向の力F3とに分解される。
回転軸1の回転角度が45度であるとき、ウエイト支持部材11に伝達される4つのウエイト部材20にそれぞれ作用する遠心力F1は、回転軸1の径方向外方に向かう力F2がそれぞれ打ち消し合って回転軸1に作用する遠心力F1による径方向の力がゼロとなる一方、回転軸1に作用する遠心力F1による周方向の力は回転軸1の回転方向と反対方向の周方向の力F3がそれぞれ作用し、図5のS2で示すトルク変動低減装置10による変動トルクを発生させる。
回転軸1が軸心C1周りにさらに回転され、図7(a)に示すように、回転軸1の回転角度が90度であるとき、ウエイト部材20にはそれぞれ支軸21の軸心C2と重心位置C3とを結ぶ方向に遠心力F1が作用し、この遠心力F1は、回転軸1の回転方向と反対方向の周方向の力F1のみを有し、回転軸1の径方向の力がゼロとなる。
回転軸1の回転角度が90度であるとき、ウエイト支持部材11に伝達される4つのウエイト部材20にそれぞれ作用する遠心力F1は、回転軸1に作用する遠心力F1による回転軸1の径方向の力がゼロとなる一方、回転軸1に作用する遠心力F1による周方向の力は回転軸1の回転方向と反対方向の周方向の力F1がそれぞれ作用し、図5のS3で示すトルク変動低減装置10による変動トルクを発生させる。
回転軸1が軸心C1周りにさらに回転され、図7(b)に示すように、回転軸1の回転角度が135度であるとき、ウエイト部材20にはそれぞれ支軸21の軸心C2と重心位置C3とを結ぶ方向に遠心力F1が作用し、この遠心力F1は、回転軸1の径方向内方に向かう力F2と回転軸1の回転方向と反対方向の周方向の力F3とに分解される。
回転軸1の回転角度が135度であるとき、ウエイト支持部材11に伝達される4つのウエイト部材20にそれぞれ作用する遠心力F1は、回転軸1の径方向内方に向かう力F2はそれぞれ打ち消し合って回転軸1に作用する遠心力F1による径方向の力がゼロとなる一方、回転軸1に作用する遠心力F1による周方向の力は回転軸1の回転方向と反対方向の周方向の力F3がそれぞれ作用し、図5のS4で示すトルク変動低減装置10による変動トルクを発生させる。
このように、回転軸1が軸心C1周りにR1方向に1回転されるとき、ウエイト部材20は、ウエイト部材20の軸心C2周りにR2方向に2回転されると共に回転軸1の軸心C1周りにR1方向に1回転され、ウエイト部材20に作用する遠心力F1がそれぞれウエイト部材20の支軸21を介してウエイト支持部材11に伝達され、図5の実線L1で示すように、トルク変動低減装置10は、減筒運転時に回転軸1に発生するトルク変動L2と逆位相の変動トルクを発生させる。
これにより、エンジンの減筒運転時にエンジンの出力軸である回転軸1に発生するトルク変動と逆位相の変動トルクを発生させる所定の回転比となるように回転軸1とウエイト部材20の支軸21とが連動可能に構成された遊星歯車機構30を用いて、エンジンの減筒運転時にエンジンの出力軸に発生するトルク変動を確実に低減することができる。
一方、トルク変動低減装置10では、エンジンの全筒運転時にはキャリヤ35がケース3から解放され、遊星歯車機構30の回転要素のいずれも固定されないことから回転軸1とウエイト部材20の支軸21とが非連動とされ、ウエイト部材20はそれぞれ、回転軸1に一体的に回転するウエイト支持部材11に回転可能に支持されている。
ウエイト部材20と該ウエイト部材20を回転可能に支持するウエイト支持部材11は、振り子ダンパとして機能し、エンジンの全筒運転時にウエイト部材20の揺動運動によって回転軸1に発生するトルク変動を低減するようになっている。
本実施形態では、回転軸1の軸心C1とウエイト部材20の軸心C2との距離r1及びウエイト部材20の軸心C2とウエイト部材20の重心位置C3の距離r2は、エンジンの全筒運転時に回転軸1に発生するトルク変動を有効に低減するように設定されている。
これにより、エンジンの全筒運転時に回転軸1と一体的に回転するウエイト支持部材11に支持されたウエイト部材20の揺動運動によって、エンジンの全筒運転時にエンジンの出力軸に発生するトルク変動を有効に低減することができる。
本実施形態では、トルク変動低減装置10は、直列4気筒4サイクルエンジンにおいて減筒運転時に発生する1つのモードのトルク変動を確実に低減すると共に、全筒運転時に発生する前記モードとは別のモードのトルク変動を有効に低減するようになっているが、例えば全筒運転と減筒運転とを切換可能に構成された直列6気筒4サイクルエンジンなどにも適用することができる。
例えば全筒運転と減筒運転とを切換可能に構成された直列6気筒4サイクルエンジンに適用する場合、直列6気筒4サイクルエンジンにおける減筒運転時に発生するトルク変動に対してその逆位相の変動トルクを発生させるようにトルク変動低減装置10の遊星歯車機構30を構成する回転要素31、32の歯数や支軸被駆動ギヤ25及び支軸駆動ギヤ26の歯数が適宜設定されると共に減筒運転時に回転軸1に発生するトルク変動とトルク変動低減装置10によって発生させる変動トルクとの位相合せが適宜調整される。
また、直列6気筒4サイクルエンジンにおける全筒運転時に発生するトルク変動を有効に低減するように、回転軸1の軸心C1とウエイト部材20の軸心C2との距離r1及びウエイト部材20の軸心C2とウエイト部材20の重心位置C3の距離r2が設定される。
このように、本実施形態に係るトルク変動低減装置10では、トルクを伝達する回転軸1と一体的に回転するウエイト支持部材11と、回転軸1の周方向に等間隔に配置され、ウエイト支持部材11に回転可能に支持される支軸21から偏心した重心位置C3を有する複数のウエイト部材20と、回転軸1と支軸21とが所定の回転比となるように回転軸1と支軸21とを連動可能に構成された遊星歯車機構30とを備えると共に、遊星歯車機構30を用いて回転軸1と支軸21とを連動させる第1状態と、回転軸1と支軸21とを非連動とする第2状態とを切り換える切換手段40を備えている。
これにより、回転軸1に発生するトルク変動の1つのモードと逆位相の変動トルクを発生させる所定の回転比となるように回転軸1と支軸21とを連動可能に構成された遊星歯車機構30を用いることで、遊星歯車機構30を用いて回転軸1と支軸21とを連動させる第1状態では、回転軸1に発生する1つのモードのトルク変動を確実に低減することができる。
また、回転軸1と支軸21とを非連動とする第2状態では、回転軸1と一体的に回転するウエイト支持部材11に回転可能に支持されたウエイト部材20の揺動運動によって、回転軸1に発生する前記モードとは別のモードのトルク変動を有効に低減することができる。
したがって、回転軸1に発生するトルク変動が2つのモードを有する場合においても、回転軸1に発生するトルク変動を有効に低減することができる。
また、切換手段40は、遊星歯車機構30の所定の回転要素35をケース3に固定する又はケース3から解放するブレーキ40によって構成されることにより、ブレーキ40として油圧室45への油圧供給時に複数の摩擦板41、42を締結する油圧式ブレーキを用いる場合、油圧室45をケース3に固定させることができるので、油圧室が回転する油圧式クラッチを用いる場合に比べて、第1状態と第2状態との切換制御を応答性良く行うことができ、回転軸1に発生するトルク変動を有効に低減することができる。また、油圧室が回転する油圧式クラッチを用いる場合のように、油圧室内の作動油に作用する遠心力をキャンセルするための遠心バランス室を設ける必要がなく、比較的簡単な構成によって回転軸1に発生するトルク変動を有効に低減することができる。
第1実施形態に係るトルク変動低減装置10は、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とが回転軸1に発生するトルク変動と逆位相の変動トルクを発生させる所定の回転比となるように回転軸1と支軸21とを連動させる遊星歯車機構30が、ダブルピニオン型の遊星歯車機構を用いているが、シングルピニオン型の遊星歯車機構を用いることも可能である。
図8は、本発明の第2実施形態に係るトルク変動低減装置の断面図である。第2実施形態に係るトルク変動低減装置50は、第1実施形態に係るトルク変動低減装置10と、遊星歯車機構としてシングルピニオン型の遊星歯車機構を用いること以外は同様であるので、同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係るトルク変動低減装置50についても、図8に示すように、回転軸1と一体的に回転するウエイト支持部材11と、ウエイト支持部材11にそれぞれ回転可能に支持されると共に回転軸1の周方向に等間隔に配置され、支軸21から偏心した重心位置C3を有する複数のウエイト部材20と、回転軸1と支軸21とが所定の回転比となるように回転軸1と支軸21とを連動可能に構成された遊星歯車機構60とを備えている。
遊星歯車機構60は、シングルピニオン型の遊星歯車機構であり、サンギヤ61と、サンギヤ61に噛み合う3つのピニオン63と、ピニオン63を回転可能に支持するキャリヤ65と、ピニオン63に噛み合うリングギヤ62とで構成されている。
リングギヤ62は、リングギヤ62に一体的に形成された動力伝達部材32aを介して回転軸1に連結されている。キャリヤ65は、ピニオン63を回転可能に支持するピニオンシャフト65aとピニオンシャフト65aの両端部を固定して支持するキャリヤ本体65bとを有し、回転軸1の外周側に配置されるケース3に固定される又はケース3から解放されるようになっている。サンギヤ61には、支軸駆動ギヤ26が一体的に形成されている。
トルク変動低減装置50はまた、遊星歯車機構60を用いて回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる第1状態と、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを非連動とする第2状態とを切り換える切換手段としてのブレーキ40を備えている。
ブレーキ40は、遊星歯車機構60のキャリヤ65に係合された複数枚の回転側摩擦板41、ケース3に係合された複数枚の固定側摩擦板42、ケース3に一体的に設けられたシリンダ43、ピストン44、油圧室45、及びリテーニングプレート46を備え、キャリヤ65をケース3に固定して遊星歯車機構60を用いて回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる第1状態と、キャリヤ65をケース3から解放して回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを非連動とする第2状態とを切り換えるようになっている。
本実施形態においても、ブレーキ40は、減筒運転時にキャリヤ65をケース3に固定して遊星歯車機構60を用いて回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる第1状態に切り換えられ、全筒運転時にキャリヤ65をケース3から解放して回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを非連動とする第2状態に切り換えられる。
そして、エンジンの減筒運転時に回転軸1が軸心C1周りにR1方向に回転されるときに、ウエイト部材20は、支軸21の軸心C2周りにR1方向と同一方向に回転されると共に回転軸1の軸心C1周りにR1方向に回転され、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とは回転方向が同方向に回転される。
トルク変動低減装置50についても、遊星歯車機構60は、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とがエンジンの減筒運転時に回転軸1に発生するトルク変動と逆位相の変動トルクを発生させる所定の回転比となるように回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる。
本実施形態では、直列4気筒4サイクルエンジンの減筒運転時に回転軸1に発生するトルク変動を低減するように、遊星歯車機構60を用いて回転軸1とウエイト部材20の支軸21とは1:1の回転比となるように連動される。
トルク変動低減装置50の遊星歯車機構60を構成する回転要素61、62の歯数や支軸駆動ギヤ25及び支軸被駆動ギヤ26の歯数が適宜設定されると共に、減筒運転時に回転軸1に発生するトルク変動とトルク変動低減装置50によって発生させる変動トルクとの位相合せが適宜調整される。
本実施形態に係るトルク変動低減装置50においても、回転軸1に発生するトルク変動の1つのモードと逆位相の変動トルクを発生させる所定の回転比となるように回転軸1と支軸21とを連動可能に構成された遊星歯車機構60を用いることで、遊星歯車機構60を用いて回転軸1と支軸21とを連動させる第1状態では、回転軸1に発生する1つのモードのトルク変動を確実に低減することができる。
また、回転軸1と支軸21とを非連動とする第2状態では、回転軸1と一体的に回転するウエイト支持部材11に回転可能に支持されたウエイト部材20の揺動運動によって、回転軸1に発生する前記モードとは別のモードのトルク変動を有効に低減することができる。
したがって、回転軸1に発生するトルク変動が2つのモードを有する場合においても、回転軸1に発生するトルク変動を有効に低減することができる。
第2実施形態に係るトルク変動低減装置50は、遊星歯車機構60としてシングルピニオン型の遊星歯車機構を用い、リングギヤ62が回転軸1に連結され、キャリヤ65がケース3に固定される又はケース3から解放されるようになっているが、キャリヤを回転軸1に連結し、リングギヤをケース3に固定する又はケース3から解放するようにすることも可能である。
図9は、本発明の第3実施形態に係るトルク変動低減装置の断面図である。第3実施形態に係るトルク変動低減装置70は、第2実施形態に係るトルク変動低減装置50と、遊星歯車機構を構成するキャリヤが回転軸1に連結されると共にリングギヤがケース3に固定される又はケース3から解放されるようになっていること以外は同様であるので、同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係るトルク変動低減装置70についても、図9に示すように、回転軸1と一体的に回転するウエイト支持部材11と、ウエイト支持部材11にそれぞれ回転可能に支持されると共に回転軸1の周方向に等間隔に配置され、支軸21から偏心した重心位置C3を有する複数のウエイト部材20と、回転軸1と支軸21とが所定の回転比となるように回転軸1と支軸21とを連動可能に構成された遊星歯車機構80とを備えている。
遊星歯車機構80は、シングルピニオン型の遊星歯車機構であり、サンギヤ81と、サンギヤ81に噛み合う3つのピニオン83と、ピニオン83を回転可能に支持するキャリヤ85と、ピニオン83に噛み合うリングギヤ82とで構成されている。
リングギヤ82は、回転軸1の外周側に配置されるケース3に固定される又は解放されるようになっている。キャリヤ85は、ピニオン83を回転可能に支持するピニオンシャフト85aとピニオンシャフト85aの両端部を固定して支持するキャリヤ本体85bとを有し、キャリヤ本体85bに一体的に形成された動力伝達部材85cを介して回転軸1に連結されている。サンギヤ81には、支軸駆動ギヤ26が一体的に形成されている。
トルク変動低減装置70はまた、遊星歯車機構80を用いて回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる第1状態と、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを非連動とする第2状態とを切り換える切換手段としてのブレーキ40を備えている。
ブレーキ40は、遊星歯車機構80のリングギヤ82に係合された複数枚の回転側摩擦板41、ケース3に係合された複数枚の固定側摩擦板42、ケース3に一体的に設けられたシリンダ43、ピストン44、油圧室45、及びリテーニングプレート46を備え、リングギヤ82をケース3に固定して遊星歯車機構80を用いて回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる第1状態と、リングギヤ82をケース3から解放して回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを非連動とする第2状態とを切り換えるようになっている。
本実施形態においても、ブレーキ40は、減筒運転時にリングギヤ82をケース3に固定して遊星歯車機構80を用いて回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる第1状態に切り換えられ、全筒運転時にリングギヤ82をケース3から解放して回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを非連動とする第2状態に切り換えられる。
そして、エンジンの減筒運転時に回転軸1が軸心C1周りにR1方向に回転されるときに、ウエイト部材20は、支軸21の軸心C2周りにR1方向と反対方向のR2方向に回転されると共に回転軸1の軸心C1周りにR1方向に回転され、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とは回転方向が逆方向に回転される。
トルク変動低減装置70についても、遊星歯車機構80は、回転軸1とウエイト部材20の支軸21とがエンジンの減筒運転時に回転軸1に発生するトルク変動と逆位相の変動トルクを発生させる所定の回転比となるように回転軸1とウエイト部材20の支軸21とを連動させる。
本実施形態では、直列4気筒4サイクルエンジンの減筒運転時に回転軸1に発生するトルク変動を低減するように、遊星歯車機構80を用いて回転軸1とウエイト部材20の支軸21とは1:−1の回転比となるように連動される。
トルク変動低減装置70の遊星歯車機構80を構成する回転要素81、82の歯数や支軸駆動ギヤ25及び支軸被駆動ギヤ26の歯数が適宜設定されると共に、減筒運転時に回転軸1に発生するトルク変動とトルク変動低減装置70によって発生させる変動トルクとの位相合せが適宜調整される。
本実施形態に係るトルク変動低減装置70においても、回転軸1に発生するトルク変動の1つのモードと逆位相の変動トルクを発生させる所定の回転比となるように回転軸1と支軸21とを連動可能に構成された遊星歯車機構80を用いることで、遊星歯車機構80を用いて回転軸1と支軸21とを連動させる第1状態では、回転軸1に発生する1つのモードのトルク変動を確実に低減することができる。
また、回転軸1と支軸21とを非連動とする第2状態では、回転軸1と一体的に回転するウエイト支持部材11に回転可能に支持されたウエイト部材20の揺動運動によって、回転軸1に発生する前記モードとは別のモードのトルク変動を有効に低減することができる。
したがって、回転軸1に発生するトルク変動が2つのモードを有する場合においても、回転軸1に発生するトルク変動を有効に低減することができる。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
以上のように、本発明によれば、回転軸に発生するトルク変動が2つのモードを有する場合においても、トルク変動を有効に低減することができることが可能となるから、例えば車両に搭載されるエンジンの出力軸に発生するトルク変動が2つのモードを有する場合など、車両の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 回転軸
3 ケース
10、50、70 トルク変動低減装置
11 ウエイト支持部材
20 ウエイト部材
21 支軸
25 支軸被駆動ギヤ
26 支軸駆動ギヤ
30、60、80 遊星歯車機構
31、61、81 サンギヤ
32、62、82 リングギヤ
33、34、63、83 ピニオン
35、65、85 キャリヤ
40 ブレーキ

Claims (4)

  1. トルクを伝達する回転軸と、前記回転軸と一体的に回転するウエイト支持部材と、前記ウエイト支持部材にそれぞれ回転可能に支持されると共に前記回転軸の周方向に等間隔に配置された複数のウエイト部材であって、前記ウエイト部材がそれぞれ前記回転軸に平行に設けられると共に前記ウエイト支持部材に回転可能に支持される支軸から偏心した重心位置を有する複数のウエイト部材と、前記回転軸に連結されると共に前記支軸に連結され、前記回転軸と前記支軸とが所定の回転比となるように前記回転軸と前記支軸とを連動可能に構成された遊星歯車機構とを備えたトルク変動低減装置であって、
    前記遊星歯車機構を用いて前記回転軸と前記支軸とを連動させる第1状態と、前記回転軸と前記支軸とを非連動とする第2状態とを切り換える切換手段を備えている、
    ことを特徴とするトルク変動低減装置。
  2. 前記切換手段は、前記遊星歯車機構の所定の回転要素をケースに固定する又はケースから解放するブレーキによって構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のトルク変動低減装置。
  3. 全筒運転と減筒運転とを切換可能に構成されたエンジンを備え、
    前記回転軸は、前記エンジンの出力軸であり、
    前記切換手段は、前記エンジンの減筒運転時に前記第1状態に切り換える、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトルク変動低減装置。
  4. 全筒運転と減筒運転とを切換可能に構成されたエンジンを備え、
    前記回転軸は、前記エンジンの出力軸であり、
    前記切換手段は、前記エンジンの全筒運転時に前記第2状態に切り換える、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトルク変動低減装置。
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