JP2017067130A - アイドルプーリのベルト張力調整構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトの張力を容易に調整できるアイドルプーリのベルト張力調整構造を提供する。【解決手段】エンジン10の駆動力をベルト16を介して高駆動力の補機に伝達すると共にそのベルト16の張力を調整するアイドルプーリ15の位置を調整して、ベルト16の張力を規定値に調整するにおいて、エンジン10に設けられ、アイドルプーリ15を支持するためのアイドルプーリブラケット18と、アイドルプーリ15を支持すると共にアイドルプーリブラケット18に移動自在に設けられる移動ブロック19と、アイドルプーリブラケット18に頭部20hが支持されると共に先端20eを移動ブロック19にねじ込んで移動ブロック19の位置を調整してベルト16の張力を調整するベルト調整用牽引ボルト20と、アイドルプーリブラケット18とベルト調整用牽引ボルト20の頭20hの間に介在される張力調整用スプリング21とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンのクランク軸で冷凍機等の高駆動力の補機をベルトで駆動する際にアイドルプーリの位置を調整してベルトの張力を調整するためのアイドルプーリのベルト張力調整構造に関するものである。
冷蔵冷凍車に架装される冷凍ユニットは、車両のエンジン動力を利用して冷凍機(圧縮機)を稼働する直結方式が採用されている。
冷凍機は、エンジンにブラケットなどで取り付けられ、冷凍機用プーリが、クランクプーリとベルトで連結されて駆動される。このベルトの張力を調整するために、エンジンにアイドルプーリブラケットを介してアイドルプーリを設けると共に、アイドルプーリブラケットに対してアイドルプーリを移動可能設け、そのアイドルプーリの位置を調整することでベルトの張力が調整される。
この張力調整用牽引ボルトを規定のトルクで締め付けた後は、アイドルプーリ固定ボルトナットを締め付けてアイドルプーリブラケットにアイドルプーリを固定し、その後、エンジンを少し回してベルトの張力が均等になるようにしてから、超音波張力計にてベルトの張力が適正であることを確認して、張力の調整を終了する。
実開平05−067855号公報 実開平05−071513号公報 特開平08−285020号公報
このようにアイドルプーリの位置調整をした後は、アイドルプーリブラケットに固定されたままの自動張力調整機構のない安価なアイドルプーリの固定方法である。
しかし、エンジンで駆動される冷凍機の動力は、1〜10kWであり、高駆動力のため、ベルトの張力は弛んでしまい、ベルトがスリップ音を発して運行が困難となる問題がある。
このためベルトの張力調整は、頻繁(例えば1週間〜1ヶ月に1度)に張力を調整しているが、ベルトの張力調整作業は上述のように、ベルト張力調整用牽引ボルトを規定のトルクで締め付けた後、エンジンを回し、その後、超音波張力計で規定の張力になっているかを確認する必要があり、作業が繁雑なため、張力調整時には、張力を高くして、ベルトが設定よりも張り過ぎて調整してしまう傾向にある。
このように、ベルトを張り過ぎて調整することで、規定の張力以上に調整することができ、作業としては1回ですみ、しかもベルトを張り過ぎることで、次の調整期間まで、ベルトが鳴くことは少なくなるが、ベルトの張力が高いことによって、ベルトの寿命が短くなることや、各部の強度が厳しくなり、アイドルプーリブラケットが亀裂を起こすなどの不具合を起こしやすくなる問題が発生する。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、ベルトの張力を容易に調整できるアイドルプーリのベルト張力調整構造を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、エンジンの駆動力をベルトを介して高駆動力の補機に伝達すると共にそのベルトの張力を調整するアイドルプーリの位置を調整して、ベルトの張力を規定値に調整するアイドルプーリのベルト張力調整構造において、前記エンジンに設けられ、前記アイドルプーリを支持するためのアイドルプーリブラケットと、前記アイドルプーリを支持すると共に前記アイドルプーリブラケットに移動自在に設けられる移動ブロックと、前記アイドルプーリブラケットに頭部が支持されると共に先端を前記移動ブロックにねじ込んで移動ブロック位置を調整してベルトの張力を調整するベルト調整用牽引ボルトと、前記アイドルプーリブラケットと前記ベルト調整用牽引ボルトの頭の間に介在される張力調整用スプリングとを備えたことを特徴とするアイドルプーリのベルト張力調整構造である。
前記アイドルプーリブラケットには、前記アイドルプーリを支持した移動ブロックを移動自在にガイドするスリットが形成され、前記ベルト調整用牽引ボルトは、前記張力調整用スプリングを通して前記アイドルプーリブラケットの支持座に設けたボルト穴に挿通され、先端が前記移動ブロックのネジ穴にねじ込まれ、前記ベルト調整用牽引ボルトを締め付けることで、前記アイドルプーリの位置を調整することが好ましい。
前記張力調整用スプリングは、圧縮コイルバネからなり、前記ベルト調整用牽引ボルトを締め付けで圧縮コイルバネが最大にたわんで全縮したときに前記ベルトの張力が規定値となるように、圧縮コイルバネの定数と最大たわみ量とが設定されるのが好ましい。
前記移動ブロックは、前記ベルト調整用牽引ボルトが螺合するネジ穴ブロックと、ネジ穴ブロックに設けられ、前記アイドルプーリブラケットに設けたスリットを挿通するアイドルプーリ固定ボルトと、該アイドルプーリ固定ボルトに挿通されると共に前記アイドルプーリブラケットを挟んで前記ネジ穴ブロックと対向して設けられ、かつ前記アイドルプーリを回転自在に支持するアイドルプーリ支持ブロックとからなり、前記アイドルプーリ支持ブロックから突出したアイドルプーリ固定ボルトにアイドルプーリ固定ナットをねじ込んで、前記移動ブロックが前記アイドルプーリブラケットに固定されるのが好ましい。
本発明は、ベルト調整用牽引ボルトを締め付けてアイドルプーリの位置を調整する際に張力調整用スプリングを介在させて締め付けることで、ベルトの張力を簡単に規定値に調整することができるという優れた効果を発揮する。
本発明のアイドルプーリのベルト張力調整構造をエンジンで駆動される冷凍機に適用した例を示す概略図である。 本発明のアイドルプーリのベルト張力調整構造におけるアイドルプーリとアイドルプーリブラケットを示し、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 図2(b)の要部拡大図を示し、(a)はベルト調整用牽引ボルトでの締め付け前の状態を、(b)は締め付け後の状態を示す図である。 本発明のアイドルプーリのベルト張力調整構造において、ベルト調整用牽引ボルトでの締め付け変位とボルト軸力及びベルト張力の関係を示す図である。 従来のベルト調整用牽引ボルトでの締め付けたときの状態を示す図である。 従来のベルト調整用牽引ボルトでの締め付け変位とボルト軸力及びベルト張力の関係を示す図である。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1によりエンジン10の動力を利用して稼働される高駆動力の補機としての冷凍機(圧縮機)11は、エンジン10に冷凍機用ブラケット12を介して取り付けられる。
エンジン10にはクランクプーリ13が設けられ、冷凍機11には冷凍機用プーリ14が設けられる。クランクプーリ13と冷凍機用プーリ14とアイドルプーリ15には、ベルト16が巻き掛けられ、アイドルプーリ15の位置をベルト張力調整装置17で調整することによりベルト16の張力が調整される。
図2(a)、図2(b)に示すように、ベルト張力調整装置17は、エンジン10に設けられ、アイドルプーリ15を支持するためのアイドルプーリブラケット18と、アイドルプーリ15を支持すると共にアイドルプーリブラケット18に移動自在に設けられる移動ブロック19と、アイドルプーリブラケット18に頭部20hが支持され、先端20eが移動ブロック19にねじ込まれてベルト16の張力を調整するベルト調整用牽引ボルト20と、アイドルプーリブラケット18とベルト調整用牽引ボルト20の頭20hの間に介在される張力調整用スプリング21とを備えて構成される。
アイドルプーリブラケット18には、エンジン10にボルト止めするためのボルト穴22が設けられると共に、アイドルプーリ15を支持した移動ブロック19を移動自在にガイドするスリット23が形成される。
ベルト調整用牽引ボルト20は、座金32と張力調整用スプリング21が挿通されると共にアイドルプーリブラケット18の支持座18sに設けたボルト穴24に挿通され、先端20eが移動ブロック19にねじ込まれる。
移動ブロック19は、ベルト調整用牽引ボルト20が螺合するネジ穴25が設けられたネジ穴ブロック26と、ネジ穴ブロック26に設けられ、アイドルプーリブラケット18に設けたスリット23を挿通するアイドルプーリ固定ボルト27と、アイドルプーリ固定ボルト27に挿通されると共にアイドルプーリブラケット18を挟んでネジ穴ブロック26と対向して設けられたアイドルプーリ支持ブロック28とからなる。
アイドルプーリ支持ブロック28には、軸受30にてアイドルプーリ15が回転自在に設けられる。アイドルプーリ固定ボルト27は、アイドルプーリ支持ブロック28から突出する長さに形成され、そのアイドルプーリ固定ボルト27に、座金33を介してアイドルプーリ固定ナット29をねじ込んで締め付けることで、アイドルプーリ支持ブロック28とネジ穴ブロック26とが、アイドルプーリブラケット18を挟み、移動ブロック19がアイドルプーリブラケット18に固定される。
ベルト調整用牽引ボルト20は、先端20eから、アイドルプーリブラケット18のスリット23の長さに対応した長さのネジ部20sが形成される。ベルト調整用牽引ボルト20に張力調整用スプリング21を挿入した状態で、ベルト調整用牽引ボルト20を、アイドルプーリブラケット18の支持座18sのボルト穴24に通し、その先端20eをネジ穴ブロック26のネジ穴25にねじ込むことで、移動ブロック19とその移動ブロック19に支持されたアイドルプーリ15がスリット23の長さ分移動でき、これによりアイドルプーリ15の位置が調整できる。
張力調整用スプリング21は、圧縮コイルバネからなり、ベルト調整用牽引ボルト20を締め付けで圧縮コイルバネが最大にたわんで全縮したときにベルト16の張力が規定値となるように、圧縮コイルバネのバネ定数と最大たわみ量とが設定される。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
先ず、ベルト16の張力を調整するには、アイドルプーリ固定ボルト27に螺合しているアイドルプーリ固定ナット29をやや緩めた状態とする。これにより、アイドルプーリブラケット18を挟持しているネジ穴ブロック26とアイドルプーリ支持ブロック28との間隔が緩まり、移動ブロック19とアイドルプーリ15を移動できる状態となる。
この状態で、ベルト調整用牽引ボルト20を、張力調整用スプリング21が全縮する位置まで締め付けることで、ベルト張力が規定値に調整される。
ベルト張力の調整後は、アイドルプーリ固定ナット29を締め付けて、アイドルプーリ15を移動ブロック19を介してアイドルプーリブラケット18に固定する。
この張力調整用スプリング21によるベルト張力調整を以下に説明する。
ベルト16に張力がない状態のとき、張力調整用スプリング21は、図3(a)に示したように自由長l0の状態にあり、図3(b)に示すように張力調整用スプリング21の最大たわみ量までベルト調整用牽引ボルト20を締め付けると、張力調整用スプリング21は最小長さlxとなり、それ以上縮むことがなくなるため、ベルト調整用牽引ボルト20を更に締め付けると、ベルト調整用牽引ボルト20のネジ力による締め付けとなるため、これが抵抗となり、張力調整用スプリング21が最小長さlxとなったことを認識できる。
このベルト調整用牽引ボルト20が、最小長さlxとなったとき、ベルト16の張力は適正となるように、張力調整用スプリング21のバネ定数と最大たわみ量(l0−lx)とが設定される。
図4は、ベルト調整用牽引ボルト20での締め付け変位とボルト軸力及びベルト張力の関係を示したものである。
この図4において、ベルト張力(ボルト軸力)が適正張力範囲に対して、張力調整用スプリング21のバネ定数と最大たわみ量を点Aに設定し、その点Aまで締め付けると、ベルト張力が急激に上昇するため、ベルト調整用牽引ボルト20の締め付け位置を、超音波張力計で計測しなくても適正なベルト張力に設定することが可能となる。
これに対して、図5に示すように張力調整用スプリング21を用いずに締め付ける場合には、図6に示すようにベルト調整用牽引ボルト20の締め付け力で、ベルト張力が変化するため、超音波張力計で計測してベルト張力を確認する必要がある。
上述のように冷凍機の動力が、1〜10kWの範囲とした場合、ベルト16の張力は、新品時には、張力740±60N、たわみ量11±0.5mmであり、超音波張力計にてベルトの張力が適正であるときのベルトの振動数は96±3Hzであり、また張り直し時には、ベルトが初期の状態からなじみ、新品時の初期張力では張り過ぎとなるため、張力450±50N、たわみ量16±1mm、ベルトの振動数75±4Hzになるように調整する。
よって、新品時には、張力調整用スプリング21が張力740±60N、たわみ量11±0.5mmとなるような圧縮バネを用い、張り直し時には張力450±50N、たわみ量16±1mmとなる圧縮バネを用いるとよい。
このベルト16の寿命は、冷蔵冷凍車の走行距離10〜20万kmであり、冷凍機搭載など厳しい条件で使われるベルトにおいては、6ヶ月或いは2.5万km程度が正常使用状態であり、その間にベルトの張力を頻繁に調整する必要があり、張力調整用スプリング21を、設定のベルト張力に調整できるものを種々そろえておくことで適正なベルト張力調整が簡単に行える。
10 エンジン
15 アイドルプーリ
16 ベルト
18 アイドルプーリブラケット
19 移動ブロック
20 ベルト調整用牽引ボルト
20h 頭
20e 先端
21 張力調整用スプリング

Claims (4)

  1. エンジンの駆動力をベルトを介して高駆動力の補機に伝達すると共にそのベルトの張力を調整するアイドルプーリの位置を調整して、ベルトの張力を規定値に調整するアイドルプーリのベルト張力調整構造において、前記エンジンに設けられ、前記アイドルプーリを支持するためのアイドルプーリブラケットと、前記アイドルプーリを支持すると共に前記アイドルプーリブラケットに移動自在に設けられる移動ブロックと、前記アイドルプーリブラケットに頭部が支持されると共に先端を前記移動ブロックにねじ込んで移動ブロック位置を調整してベルトの張力を調整するベルト調整用牽引ボルトと、前記アイドルプーリブラケットと前記ベルト調整用牽引ボルトの頭の間に介在される張力調整用スプリングとを備えたことを特徴とするアイドルプーリのベルト張力調整構造。
  2. 前記アイドルプーリブラケットには、前記アイドルプーリを支持した移動ブロックを移動自在にガイドするスリットが形成され、前記ベルト調整用牽引ボルトは、前記張力調整用スプリングを通して前記アイドルプーリブラケットの支持座に設けたボルト穴に挿通され、先端が前記移動ブロックのネジ穴にねじ込まれ、前記ベルト調整用牽引ボルトを締め付けることで、前記アイドルプーリの位置を調整する請求項1記載のアイドルプーリのベルト張力調整構造。
  3. 前記張力調整用スプリングは、圧縮コイルバネからなり、前記ベルト調整用牽引ボルトを締め付けで圧縮コイルバネが最大にたわんで全縮したときに前記ベルトの張力が規定値となるように、圧縮コイルバネの定数と最大たわみ量とが設定される請求項1又は2記載のアイドルプーリのベルト張力調整構造。
  4. 前記移動ブロックは、前記ベルト調整用牽引ボルトが螺合するネジ穴ブロックと、ネジ穴ブロックに設けられ、前記アイドルプーリブラケットに設けたスリットを挿通するアイドルプーリ固定ボルトと、該アイドルプーリ固定ボルトに挿通されると共に前記アイドルプーリブラケットを挟んで前記ネジ穴ブロックと対向して設けられ、かつ前記アイドルプーリを回転自在に支持するアイドルプーリ支持ブロックとからなり、前記アイドルプーリ支持ブロックから突出したアイドルプーリ固定ボルトにアイドルプーリ固定ナットをねじ込んで、前記移動ブロックが前記アイドルプーリブラケットに固定される請求項1又は2記載のアイドルプーリのベルト張力調整構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107351388A (zh) * 2017-07-19 2017-11-17 广西数仿科技有限公司 一种3d打印机同步带张紧系统
JP2019044651A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 いすゞ自動車株式会社 補機支持ブラケット
JP2019152270A (ja) * 2018-03-02 2019-09-12 株式会社クボタ ベルトテンション調整装置、及びそれを備える作業機

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