JP2017063828A - ステントデリバリーシステム、およびカテーテル組立体 - Google Patents

ステントデリバリーシステム、およびカテーテル組立体 Download PDF

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左興 深澤
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Abstract

【課題】拡張部の通過性を低下させることなく、かつ、ステント留置後の処置において必要となるガイドワイヤの導入作業に要する手間を大幅に省くことにより、迅速な手技を実現可能にしたステントデリバリーシステムを提供する。【解決手段】拡張部120は、拡張部が収縮された状態で、シャフト110の軸方向に対して直交する断面において、ステント200側に突出した第1凸部121aと、第1凸部に隣接する第2凸部121bと、を備える。第1凸部と、第2凸部との間には凹部122aが形成されている。第1凸部と第2凸部との間には、拡張部の軸方向の一部において、第1凸部と第2凸部とを切り離し可能に固定する固定部140が形成されている。固定部と凹部との間には、第1凸部と第2凸部とが固定部により固定された状態で、ガイドワイヤ300が挿通可能なガイドワイヤ挿通ルーメン123が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ステントデリバリーシステム、およびカテーテル組立体に関する。
従来から血管等の生体管腔に形成された病変部(狭窄部)の治療方法として、ステントを留置するステント留置術が行われている。ステントを病変部に留置する際は、デリバリー用のデバイスとして、バルーンカテーテルが一般的に使用されている(例えば、下記特許文献1を参照)。
バルーンカテーテルは、長尺状のシャフトと、シャフトの先端側に設けられて拡張収縮可能な拡張部と、を備えている。ステントは、収縮された状態でシャフトの外周に折り畳まれた拡張部を覆うように配置される。ステントを保持した拡張部は、拡張部の送達に先だって生体管腔に導入されているガイドワイヤに導かれて病変部までデリバリーされる。ステントは、拡張部が病変部において拡張されるのに伴って拡張する。ステントを拡張させた後、拡張部を収縮させて抜去することによって、ステントを病変部に留置し、ステントにより病変部を押し広げた状態を維持する。
この際、留置されたステントが生体管腔の分岐部の入口を塞ぐように配置されていると、分岐部における血液等の流れが阻害される虞がある。留置されたステントが分岐部の入口を塞がないようにする技術として、留置されたステントの一部を2つのバルーンカテーテルにより押し広げて、分岐部入口の形状に沿うようにステントを変形させる、いわゆるKBT(Kissing Ballon Technique)が知られている。
KBTでは、例えば、留置されたステントの内腔を挿通するように第1のバルーンカテーテルの拡張部を配置し、ステントの外周における間隙から生体管腔の分岐部に突出するように第2のバルーンカテーテルの拡張部を配置し、各バルーンカテーテルの拡張部を同時に拡張させる。分岐部側に挿入された第2バルーンカテーテルの拡張部は、ステントの一部を押し広げて、分岐部入口の形状に沿うように変形させる。
一般的に、第1のバルーンカテーテルは、ステントを病変部にデリバリーする際に使用されたガイドワイヤに導かれてステントの内腔の所望の位置まで送達される。一方、第2のバルーンカテーテルの拡張部を分岐部まで送達するためのガイドワイヤは、KBTの実施に際して、生体管腔に別途導入される。このように、KBTを行う場合には、ステントの留置後に、ステントの留置位置の周辺までガイドワイヤを新たに導入する作業を行うことが必要になる。
例えば、下記特許文献1には、第2のバルーンを送達するためのガイドワイヤの導入に要する手間を省くために、ステントデリバリー用のバルーンカテーテルの拡張部の外表面に中空状のチューブを設け、このチューブにガイドワイヤを予め挿通させておくことにより、ステントとともにガイドワイヤを病変部へデリバリーすることを可能にしたステントデリバリーシステムが開示されている。
特表2005−500126
しかしながら、上記ステントデリバリーシステムのように、拡張部の外表面にチューブを設けると、チューブの外径分だけ拡張部のプロファイルが大きくなるため、狭窄部等に対する拡張部の通過性の低下が招かれるという課題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、拡張部の通過性を低下させることなく、かつ、ステント留置後の処置において必要となるガイドワイヤの導入作業に要する手間を大幅に省くことにより、迅速な手技を実現可能にしたステントデリバリーシステムおよびカテーテル組立体を提供する事である。
本発明に係るステントデリバリーシステムは、長尺状のシャフトおよび前記シャフトの先端側に設けられて拡張収縮可能な拡張部を備えるバルーンカテーテルと、前記拡張部が収縮された状態で、前記拡張部の外表面に配置されるステントと、を有する。前記拡張部は、前記拡張部が収縮された状態で、前記シャフトの軸方向に対して直交する断面において、前記ステント側に突出した複数の凸部を備える。前記複数の凸部は、第1凸部と、前記第1凸部に隣接する第2凸部と、を少なくとも備える。前記第1凸部と、前記第2凸部との間には凹部が形成されている。前記第1凸部と前記第2凸部との間には、前記拡張部の軸方向の一部において、前記第1凸部と前記第2凸部とを切り離し可能に固定する固定部が形成されている。前記固定部と前記凹部との間には、前記第1凸部と前記第2凸部が前記固定部により固定された状態で、ガイドワイヤが挿通可能なガイドワイヤ挿通ルーメンが形成されている。
本発明に係るカテーテル組立体は、長尺状のシャフトおよび前記シャフトの先端側に設けられて拡張収縮可能な拡張部を備えるバルーンカテーテルと、前記拡張部が収縮された状態で、前記拡張部の外表面に配置されるステントと、前記拡張部が収縮された状態で、前記拡張部において保持されるガイドワイヤと、を有する。前記拡張部は、前記拡張部が収縮された状態で、前記シャフトの軸方向に対して直交する断面において、前記ステント側に突出した複数の凸部を備える。前記ステントは、複数の間隙を備える。前記ガイドワイヤは、前記拡張部が収縮された状態で、前記拡張部の外表面上で前記凸部に覆われた基部と、前記基部の先端側に連なるとともに前記基部に対して湾曲し、前記ステントの前記間隙から突出する先端部と、を備える。
本発明に係るステントデリバリーシステムによれば、収縮された状態の拡張部と固定部との間に形成されたガイドワイヤ挿通ルーメンにガイドワイヤを挿通することが可能である。このため、拡張部の外表面にガイドワイヤを挿通するためのチューブ等の部材を設けた場合と比較して、拡張部のプロファイルを小さく保つことができ、狭窄部等に対する拡張部の通過性を好適に保つことができる。また、ガイドワイヤをガイドワイヤ挿通ルーメンにおいて保持して、ステントとともにガイドワイヤを病変部までデリバリーすることが可能であるため、ステント留置後の処置において必要となるガイドワイヤの配置作業に要する時間を短縮することができ、迅速な手技を実現することが可能となる。
本発明に係るカテーテル組立体によれば、収縮された状態の拡張部の外表面の間にガイドワイヤを保持することが可能である。このため、拡張部の外表面にガイドワイヤを挿通するためのチューブ等の部材を設けた場合と比較して、拡張部のプロファイルを小さく保つことができ、狭窄部等に対する拡張部の通過性を好適に保つことができる。また、拡張部は外表面の間においてガイドワイヤを保持し、ステントとともにガイドワイヤを病変部までデリバリーすることが可能であるため、ステント留置後の処置において必要となるガイドワイヤの配置作業に要する時間を短縮することができ、迅速な手技を実現することが可能となる。
実施形態に係るカテーテル組立体の各部を示す図であって、(A)は、全体構成を簡略化して示す図、(B)は、収縮した状態の拡張部およびステントを拡大して示す図、(C)は、図1(B)の1C−1C線に沿う拡大断面図である。 ガイドワイヤの先端部がステントの間隙から突出している様子を示す斜視図である。 実施形態に係るカテーテル組立体の包装状態の説明に供する概略図であって、(A)は、実施形態に係るカテーテル組立体を包装容器に収納した状態を示す図、(B)は、包装容器からカテーテル組立体を取り出した際の状態を示す図である。 実施形態に係るカテーテル組立体の使用例を示す概略図であって、(A)は、ステントおよびガイドワイヤをデリバリーしている様子を示す図、(B)は、拡張部およびステントを拡張させた状態を示す図、(C)は、バルーンカテーテルを抜去し、ガイドワイヤを分岐部に押し込んだ状態を示す図、(D)は、2つのバルーンカテーテルにより留置後のステントの一部を押し広げている状態を示す図、(E)は、2つのバルーンカテーテルを抜去した状態を示す図である。 実施形態の変形例に係るカテーテル組立体の先端部分を示す斜視図である。 図5の6−6線に沿う断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1〜図4を参照して本実施形態に係るカテーテル組立体10について説明する。図1、図2は、実施形態に係るカテーテル組立体10の各部を示す図である。図3は、実施形態に係るカテーテル組立体10の包装状態の説明に供する図である。図4は、実施形態に係るカテーテル組立体10の使用例を示す概略図である。なお、図1(A)、図3(B)、図4(A)は、収縮した状態の拡張部120の形状を簡易的に示す図であり、実際には、図1(B)、図2に示すように拡張部120は、シャフト110の内管112の外周に対して折り畳まれている。
カテーテル組立体10は、血管、胆管、気管、食道、尿道、またはその他の生体管腔に生じた狭窄部等の病変部に、バルーンカテーテル100を用いてステント200およびガイドワイヤ300をデリバリーするために用いられる。
図1(A)に示すように、カテーテル組立体10は、バルーンカテーテル100およびステント200を備えるステントデリバリーシステム11と、ガイドワイヤ300と、を有する。なお、本明細書では、生体内に挿入する側を「先端」若しくは「先端側」、手元側を「基端」若しくは「基端側」と称することとする。以下、カテーテル組立体10の各部の構成について詳述する。
バルーンカテーテル100は、長尺状のシャフト110と、シャフト110の先端側に設けられ拡張収縮可能な拡張部120と、シャフト110の基端に固着されたハブ130と、を有している。
シャフト110は、図1(B)に示すように、先端および基端が開口した管状体である外管111と、外管111の内腔に配置される内管112と、を備えている。
外管111と内管112との間には、拡張部120を拡張するための拡張用流体が流通する拡張用ルーメンが形成されている。内管112の内部には、拡張部120を病変部に導く導入用ガイドワイヤWが挿通されるガイドワイヤ用ルーメンが形成されている。拡張用流体は、気体でも液体でもよく、例えば、ヘリウムガス、COガス、Oガス等の気体や、生理食塩水、造影剤等の液体が挙げられる。
本実施形態に係るバルーンカテーテル100は、図1(A)に示すように、シャフト110の先端側と基端側との間の途上に形成されたガイドワイヤ用開口部113を介して内管112内へ導入用ガイドワイヤWが導入される、いわゆるラピッドエクスチェンジ型のカテーテルとして構成している。ただし、バルーンカテーテル100は、いわゆるオーバーザワイヤ型のカテーテルとして構成してもよい。
内管112の先端部は、図1(B)に示すように、拡張部120の内部を貫通して拡張部120よりも先端側で開口している。内管112には、拡張部120の筒状部124と先端側テーパー部125aとの境界となる部分、および、拡張部120の筒状部124と基端側テーパー部125bとの境界となる部分に、造影マーカー114a、114bを設置している。
外管111および内管112は、ある程度の可撓性を有する材料により形成されるのが好ましく、そのような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が挙げられる。
拡張部120は、ステント200を押し広げて拡張させるものである。拡張部120の基端部は、外管111の先端部に固定され、拡張部120の先端部は、内管112の先端部に固定されている。また、拡張部120は、収縮された状態では、図1(C)に示すように、内管112の外周に巻きつくように折り畳まれている。
本実施形態では、拡張部120は、収縮された状態で、シャフト110の軸方向に対して直交する断面において、拡張部120の内表面同士が隣接又は密着してステント200側(放射方向外方側)に突出した3つの凸部121a、121b、121cを備えている。以下、説明の便宜上、各凸部は、第1凸部121a、第2凸部121b、第3凸部121cと称することにする。各凸部121a、121b、121cは、同一方向(図1(C)中では反時計回り方向)に折り曲げられている。
隣り合う第1凸部121aと第2凸部121bとの間には、第1凹部122aが形成されている。隣り合う第2凸部121bと第3凸部121cとの間には、第2凹部122bが形成されている。隣り合う第3凸部121cと第1凸部121aとの間には、第3凹部122cが形成されている。
なお、収縮された状態における拡張部120の形状は、少なくとも隣り合う一対の凸部を備え、一対の凸部の間を固定して、後述するガイドワイヤ挿通ルーメン123を形成可能である限り特に限定されない。例えば、本実施形態では、各凸部121a、121b、121cにおいて内管112側に位置する(放射方向内側)根本部126a、126b、126cからステント200側に突出する頂部127a、127b、127cへの長さ(以下「凸部の長さ」と称する)が略同一となるように構成されているが、各凸部の長さは異なっていてよい。また、例えば、各凸部121a、121b、121cの内面同士の間、および拡張部120の内面と内管112の外周面との間には隙間があってもよい。
収縮された状態で折り畳まれた拡張部120は、図1(B)に示すように、拡張部120の延在方向(図中の左右方向)に略一定の外径を備える筒状部124と、筒状部124の先端側に形成され、先端側へ向けて外径が漸減する先端側テーパー部125aと、筒状部124の基端側に形成され、基端側へ向けて外径が漸減する基端側テーパー部125bと、を備えている。
拡張部120は、ある程度の可撓性を有する材料により形成されていることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等を用いることができる。
図1(C)に示すように、第1凸部121aと第2凸部121bとの間には、第1凸部121aと第2凸部121bとを切り離し可能に固定する固定部140が形成されている。固定部140と第1凹部122aとの間には、第1凸部121aと第2凸部121bが固定部140により固定された状態で、ガイドワイヤ300が挿通可能なガイドワイヤ挿通ルーメン123が形成されている。
本実施形態では、固定部140は、第1凸部121aの根本部126aと、第2凸部121bの頂部127bとを接着した接着部141により構成している。接着部141は、図1(B)に示すように、拡張部120の基端側において拡張部120の軸方向の一部に設けられている。接着部141は、第1凸部121aと第2凸部121bとを切り離し可能に接着する限り特に限定されず、接着剤、両面に粘着性を備えるテープ等により構成することができる。
なお、第1凸部121aと第2凸部121bとを固定する位置および範囲は、固定部140と第1凹部122aとの間にガイドワイヤ300が挿通可能なガイドワイヤ挿通ルーメン123を形成可能であって、ガイドワイヤ300の先端部302をステント200のいずれかの間隙203から突出させることが可能である限り、特に限定されない。
接着部141は、拡張部120が拡張された状態で、第1凸部121aと第2凸部121bとの間の固定を解除する。具体的には、接着部141は、拡張部120の拡張に伴って第1凸部121aと第2凸部121bとの間の固定を解除して、第1凸部121aと第2凸部121bとを切り離す。第1凸部121aと第2凸部121bとが切離されたとき、接着部141は、第1凸部121a、第2凸部121bまたは第1凸部121aのいずれか一方に残っていてもよいし、第1凸部121aおよび第2凸部121bの両方の位置に残っていてもよい。接着部141が第1凸部121aと第2凸部121bとの間の固定を解除する際の拡張部120の拡張圧は、特に限定されないが、例えば、拡張部120の推奨拡張圧(NP)以下に設定することができる。これにより、拡張部120を拡張させて、ステント200を拡張させる際に、第1凸部121aと第2凸部121bとの間の固定を解除して、第1凸部121aと第2凸部121bとの間を切り離すことができる。
なお、本実施形態では、固定部140は接着部141により構成しているが、第1凸部121aと第2凸部121bとを切り離し可能に固定することが可能であれば特に限定されず、例えば、第1凸部121aと第2凸部121bとを融着する融着部により構成してもよい。これにより、拡張部120に固定部140を簡単に設けることができる。
ハブ130は、図1(A)に示すように、拡張用流体を流出入させるポートとして機能する基端開口部131を備えている。この基端開口部131は、外管111内に形成された拡張用ルーメンと連通している。
ハブ130の構成材料は、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
ステント200は、拡張部120の拡張力により拡張変形(塑性変形)する、いわゆるバルーン拡張型ステントである。
図2に示すように、本実施形態に係るステント200は、波状の環状部材201を複数配列し、隣り合う環状部材201を複数の接合部202により接合することによって、全体が網目状の筒状体で形成されている。隣り合う環状部材201の間には、複数の間隙203が形成されている。
ステント200は、隣り合う環状部材201の隣接部201aのうちの一部が接合部202により接合された、いわゆるオープンセルタイプのステントである。ただし、ステント200は、バルーン拡張型ステントであって、外周において間隙を備えていれば特に限定されず、例えば、隣り合う環状部材201の隣接部201aの全てが接合された、いわゆるクローズドセルタイプのステントであってもよい。
図1(B)に示すように、ステント200は、収縮した状態で内管112の外周に巻きつくように折り畳まれた拡張部120の筒状部124を覆うように配置される。ステント200は、拡張部120を覆うようにして配置された状態で圧力をかけられることによって、拡張部120の外周に保持される。
ステント200を構成する材料としては、生体適合性を有する金属が好ましく、例えば、ステンレス鋼等の鉄ベース合金、タンタル(タンタル合金)、プラチナ(プラチナ合金)、金(金合金)、コバルトクロム合金等のコバルトベース合金、チタン合金、ニオブ合金等が挙げられる。また、ステント200は、例えば、ポリマーなどを主材料として構成された生分解性のステントであってもよく、バルーン拡張型ステントとして公知のものであれば、その材質は特に限定されない。
ガイドワイヤ300は、図1(C)に示すように、ガイドワイヤ挿通ルーメン123において保持される。ガイドワイヤ300は、図2に示すように、ガイドワイヤ挿通ルーメン123に挿通される基部301と、基部301の先端側に連なるとともに基部301に対して湾曲し、ステント200の間隙203から突出する先端部302と、を備えている。
ガイドワイヤ300の先端側は、収縮された状態で折り畳まれた拡張部120の外表面に覆われており、ステント200と直接接触しない。このため、比較的硬質な部材により形成されているガイドワイヤ300とステント200とがデリバリー中に擦れて、ガイドワイヤ300またはステント200に傷がつくのを防止することができる。
なお、本実施形態では、ステント200は、拡張部120の軸方向に沿って複数の間隙203を備えているが、先端部302が突出する間隙203は、固定部140よりも先端側であれば特に限定されない。このため、先端部302が突出する間隙203を選択することにより、ステント200の軸方向における先端部302の位置を適宜設定することが可能である。したがって、例えば、ステント200の軸方向において先端部302の位置が異なる複数のカテーテル組立体10を製品として準備しておけば、生体管腔の病変部と分岐部との位置関係に応じて適切なカテーテル組立体10を選択することができる。
また、ガイドワイヤ300は、線状の芯材(図示せず)と、芯材の外周面を被覆するように配置された被覆層(図示せず)と、ガイドワイヤ300の先端部302において心材と被覆層との間に設けられたX線造影部材(図示せず)から形成される。
芯材の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、バネ鋼、チタン、タングステン、タンタル、ニッケル・チタン合金等の超弾性合金などの金属及びポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、グラスファイバ等の硬質プラスチック及びこれらの複合体が好ましく用いられる。
被覆層の構成材料としては、例えば、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマ、ポリエステルエラストマー、ポリエチレン、フッ素樹脂等が好ましく用いられる。
X線造影部材としては、例えば、タングステン、金、白金等の金属製のコイルを用いる事ができる。このため、X線透視下において、ガイドワイヤ300の位置を確認することができる。なお、先端部302が生体管腔の分岐部に挿入されたことを確認できるように、ガイドワイヤ300の先端部302にX線造影性が備えられていることが好ましいが、ガイドワイヤ300においてX線造影性が備えられる位置および範囲は、ガイドワイヤ300の位置をX線透視下で確認することができる限り特に限定されない。
なお、ガイドワイヤ300に、X線造影部材を設けず、被覆層にX線造影性を有する粉末等を混合することで、X線造影性が備えられていてもよい。また、例えば、芯材をX線造影性を備える材料により形成することによって、ガイドワイヤ300の全体にX線造影性が備えられていてもよい。
カテーテル組立体10は、図3(A)に示すように、使用前は、包装容器20に収納された状態で保管することができる。
カテーテル組立体10と、カテーテル組立体10を包装可能な包装容器20は、カテーテルセット1を構成する。カテーテルセット1には、カテーテル組立体10が包装容器20に収容された包装状態において、ガイドワイヤ300の基端側をバルーンカテーテル100の基端側に固定する固定具30が備えられている。
包装容器20は、ハブ130を除くカテーテル組立体10の先端側を収容可能なホルダチューブ21と、ホルダチューブ21に収納されたカテーテル組立体10を収容可能な包装袋22と、を備えている。なお、包装容器20は、カテーテル組立体10を収納可能であれば特に限定されず、例えば、カテーテル組立体10を収納可能なボックスケース等により構成されていてもよい。
ホルダチューブ21は、カテーテル組立体10の先端側の部分(バルーンカテーテル100の拡張部120、シャフト110の先端部、ステント200、ガイドワイヤ300の先端側)を収容することにより、運搬等する際に、外部設備等との擦れによりカテーテル組立体10に傷が付くのを防止する。
ホルダチューブ21は、手作業により巻回すことが可能な程度の可撓性を備える中空の長尺状の部材により構成している。ホルダチューブ21は、巻回中心Pの周りを巻き回されることにより、略円形の外形を形成している。ホルダチューブ21は、巻きまわされた形状を保つように、複数の固定部材23によって固定されている。ホルダチューブ21の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料が挙げられる。
包装袋22としては、例えば、医療器具等の包装に一般的に用いられるピール袋を使用することができる。
固定具30は、ハブ130上に取り付けた粘着性を備えるテープにより構成している。固定具30は、ガイドワイヤ300の基端側を挟み込んで、ガイドワイヤ300を保持する。このため、図3(B)に示すように、包装容器20からカテーテル組立体10を取り出した際に、ガイドワイヤ300の基端側がばたついたり、ガイドワイヤ300がガイドワイヤ挿通ルーメン123から抜けてしまったりするのを防止することが可能となる。また、カテーテルセット1を移動させる際、ガイドワイヤ300の基端側が包装容器20と接触し、包装容器20が破損するリスクを抑制することができる。なお、カテーテル組立体10を使用する際は、固定具30を取り外すことによって、ガイドワイヤ300とバルーンカテーテル100との間の固定を解除することができる。なお、固定具30の構成は、ガイドワイヤ300をバルーンカテーテル100に着脱可能に固定可能であれば、特に限定されることはなく、例えば、クリップ、ゴムバンド、面ファスナー等により構成されていてもよい。
次に、図4を参照して、狭窄部Nが形成された血管V1に対するステント200の留置と、ステント200の留置後に、ステント200の一部を血管V1の分岐部V2に押し広げる処置とを、カテーテル組立体10を使用して行う手順例を説明する。
まず、図4(A)に示すように、バルーンカテーテル100の導入に先立って血管V1に配置した導入用ガイドワイヤWに這わせて、ステント200およびガイドワイヤ300を保持した状態の拡張部120を狭窄部Nに送達する。この際、ガイドワイヤ300は、拡張部120内に区画されたガイドワイヤ挿通ルーメン123において保持されているため、ガイドワイヤ300を挿通させるためのチューブ等の部材を別途設ける場合と比較して、拡張部120のプロファイルが小さくなる。
次に、図4(B)に示すように、拡張部120を狭窄部Nに配置した後、拡張部120を拡張させる。拡張部120の拡張に伴い、ステント200は狭窄部Nに向かって広がるように拡張し、狭窄部Nに対して圧着される。また、拡張部120の拡張に伴い、固定部140の第1凸部121aと第2凸部121bとの間の固定が解除される(図1(C)を参照)。
ガイドワイヤ300の先端部302は、図2に示すように、ステント200の網目に引っ掛かるように、かつ、図4(A)に示すように、分岐部V2に向かって突出するように、基部301に対して湾曲した形状を備えている。このため、バルーンカテーテル100の拡張部120を拡張させると、図4(B)に示すように、ガイドワイヤ300の先端部302は、ステント200の間隙203に引っ掛かった状態で、拡張部120に押されて、分岐部V2に挿入される。このため、術者は、ステント200を留置した後に、ガイドワイヤ300の先端部302をステント200の間隙203から分岐部V2に突出するように配置する作業を行う必要がない。このため、ガイドワイヤ300を分岐部V2に容易かつ円滑に挿入することができ、ガイドワイヤ300の導入作業に要する時間を大幅に短縮することが可能になる。
次に、図4(C)に示すように、拡張部120を収縮させ、バルーンカテーテル100を生体外へ抜去して、拡張した状態のステント200を狭窄部Nに留置する。これにより、狭窄部Nの拡張状態を維持することができる。
次に、2つのバルーンカテーテルB1、B2を用いて、狭窄部Nに留置されたステント200の一部を変形させることにより、分岐部V2の入口の形状に沿うように広げる処置を行う。
まず、ガイドワイヤ300を分岐部V2内へ押し込んで、ガイドワイヤ300の先端部302を分岐部V2の所定の位置に配置する。前述したように、ステント200を拡張させた時点で、ガイドワイヤ300の先端部302は、分岐部V2に挿入されているため、ガイドワイヤ300を先端側へ押し込むだけの簡単な作業で先端部302を所望の位置に配置することができる。
次に、図4(D)に示すように、導入用ガイドワイヤWを利用し、ステント200を再度拡張させるための第1のバルーンカテーテルB1の拡張部を、ステント200に位置決めするように配置する。また、ガイドワイヤ300を利用して、第2のバルーンカテーテルB2の拡張部を、ステント200の間隙203を挿通させて分岐部V2に突出するように配置する。
次に、第1のバルーンカテーテルB1の拡張部および第2のバルーンカテーテルB2の拡張部を同時に拡張させる。第1のバルーンカテーテルB1の拡張部は、血管V1において第2のバルーンカテーテルB2の拡張部の基端側を支持する機能、および、ステント200が狭窄部Nにより一層密着するようにステント200を拡張させる機能を備えている。第2のバルーンカテーテルB2の拡張部の拡張により、ガイドワイヤ300が挿通されている間隙203を起点としてステント200の一部が押し広げられ、分岐部V2の入口付近の形状に沿うように変形される。
次に、第1のバルーンカテーテルB1の拡張部および第2のバルーンカテーテルB2の拡張部を収縮させた後、第1のバルーンカテーテルB1および第2のバルーンカテーテルB2を抜去する。これによって、分岐部V2の閉塞が解消され、分岐部V2における血液の流れを確保することができる。
なお、例えば、図4に示す場合よりも、血管V1の走行方向において分岐部V2が導入方向の先端側(図中の左側)に位置する場合は、ガイドワイヤ300の先端部302がより先端側の間隙203から突出したカテーテル組立体10を適宜選択して、同様の処置を行えばよい。
以上、本実施形態に係るステントデリバリーシステム11によれば、拡張部120は拡張部120が収縮された状態で、シャフト110の軸方向に対して直交する断面において、ステント200側に突出した第1凸部121aと、第1凸部121aに隣接する第2凸部121bと、を少なくとも備える。第1凸部121aと、第2凸部121bとの間には、第1凹部122aが形成されている。第1凸部121aと第2凸部121bとの間には、第1凸部121aと第2凸部121bとを、拡張部120の軸方向の一部において、切り離し可能に固定する固定部140が形成されている。固定部140と第1凹部122aとの間には、第1凸部121aと第2凸部121bが固定部140により固定された状態で、ガイドワイヤ300が挿通可能なガイドワイヤ挿通ルーメン123が形成されている。
上記構成によれば、収縮した拡張部120のガイドワイヤ挿通ルーメン123にガイドワイヤ300を挿通することが可能である。このため、拡張部120にガイドワイヤ300を挿通するためのチューブ等の部材を設けた場合と比較して、拡張部120のプロファイルを小さく保つことができ、狭窄部等に対する拡張部120の通過性を好適に保つことができる。また、ガイドワイヤ300をガイドワイヤ挿通ルーメン123において保持して、ステント200とともにガイドワイヤ300を病変部までデリバリーすることが可能であるため、例えば、ステント200の留置後の処置において必要となるガイドワイヤ300の配置作業に要する時間を短縮することができ、迅速な手技を実現することが可能となる。
また、固定部140は、拡張部120が拡張された状態で、第1凸部121aと第2凸部121bとの間の固定を解除する。具体的には、固定部140は、拡張部120の拡張に伴って第1凸部121aと第2凸部121bとの間の固定を解除して、第1凸部121aと第2凸部121bとを切り離す。このため、拡張部120を拡張させる操作を行うことにより、ガイドワイヤ300が拡張部120に保持された状態を容易に解除することができる。
また、カテーテル組立体10は、ステントデリバリーシステム11と、ガイドワイヤ挿通ルーメン123において保持されるガイドワイヤ300と、を有し、ステント200は、複数の間隙203を備え、ガイドワイヤ300は、ガイドワイヤ挿通ルーメン123に挿通される基部301と、基部301の先端側に連なるとともに基部301に対して湾曲し、ステント200の間隙203から突出する先端部302と、を備える。このため、生体管腔の病変部の近傍に分岐部が位置する場合、拡張部120を拡張させれば、ステント200の拡張に伴って、ガイドワイヤ300の先端部302が分岐部に押し込まれる。その結果、ステント200留置後の処置において必要となるガイドワイヤ300の導入作業に要する時間を、より一層短縮することが可能となる。
また、ガイドワイヤ300の一部には、X線造影性が備えられている。このため、ガイドワイヤ300の位置をX線透視下で確認することができる。
また、カテーテルセット1は、カテーテル組立体10と、カテーテル組立体10を収容可能な包装容器20と、カテーテル組立体10が包装容器20に収容された包装状態において、ガイドワイヤ300の基端側をバルーンカテーテル100の基端側に固定する固定具30と、を有する。このため、包装容器20からカテーテル組立体10を取り出した際に、ガイドワイヤ300の基端側がばたついたり、ガイドワイヤ300がガイドワイヤ挿通ルーメン123から抜けてしまったりするのを防止することができ、使い勝手の良いものとなる。また、カテーテルセット1を移動させる際、ガイドワイヤ300の基端側が包装容器20と接触し、包装容器20が破損するリスクを抑制することができる。
(変形例)
図5は、前述した実施形態の変形例に係るカテーテル組立体10を示す斜視図である。図6は、図5の6−6線に沿う断面図である。なお、前述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
変形例に係るカテーテル組立体10は、固定部140を備えず、内管112の外周において収縮された状態で折り畳まれた拡張部120の第1凸部121aと第2凸部121bとの間にガイドワイヤ300を保持してデリバリーする点において前述した実施形態と相違する。以下、変形例に係るカテーテル組立体10について詳述する。なお、使用方法についても、拡張部120の拡張に伴って固定部140の固定が解除される点以外は同一であるため、説明を省略する。
図5に示すように、ガイドワイヤ300は、拡張部の外表面上で第2凸部121bに覆われた基部303と、基部303の先端側に連なるとともに基部303に対して湾曲し、ステント200の間隙203から突出する先端部304と、を備える。具体的には、ガイドワイヤ300は、第1凸部121aと第2凸部121bとの間に挟まれる基部303と、基部303の先端側に連なるとともに基部303に対して湾曲し、ステント200の間隙203から突出する先端部304と、を備える。
ステント200は、内管112の外周に収縮された状態でガイドワイヤ300を覆うように折り畳まれ拡張部120の外周において、圧力をかけられ、拡張部120の外周上で縮径される。このため、ガイドワイヤ300は、縮径されたステント200および折り畳まれた拡張部120によって、好適に保持される。固定部140を設けなくても、拡張部120においてガイドワイヤ300を保持することができるため、前述した実施形態と比較して、カテーテル組立体10の製造コストを押さえることができる。
なお、変形例に係るカテーテル組立体10を備えるカテーテルセット1は、前述した実施形態と同様に、包装状態でガイドワイヤ300の基端側をバルーンカテーテル100の基端側に固定する固定具30を備えている(図3(A)、(B)参照)。
以上、変形例に係るカテーテル組立体10によれば、拡張部120は、拡張部120が収縮された状態で、シャフト110の軸方向に対して直交する断面において、ステント200側に突出した第1凸部121aと、第1凸部に隣接する第2凸部121bと、を備える。ステント200は、複数の間隙203を備える。ガイドワイヤ300は、拡張部120の外表面上で第2凸部121bに覆われた基部303と、基部303の先端側に連なるとともに基部303に対して湾曲し、ステント200の間隙203から突出する先端部304と、を備える。
このため、収縮した拡張部120の外表面の間においてガイドワイヤ300を保持することが可能である。このため、拡張部120の外表面にガイドワイヤ300を挿通するためのチューブ等の部材を設けた場合と比較して、拡張部120のプロファイルを小さく保つことができ、狭窄部等に対する拡張部120の通過性を好適に保つことができる。また、拡張部120の外表面の間においてガイドワイヤ300を保持し、ステント200とともにガイドワイヤ300を生体管腔の病変部までデリバリーすることが可能であるため、ステント200の留置後の処置において必要となるガイドワイヤ300の配置作業に要する時間を短縮することができ、迅速な手技を実現することが可能となる。また、病変部の近傍に分岐部が位置する場合、拡張部120を拡張させれば、ステント200の拡張に伴って、ガイドワイヤ300の先端部302が分岐部に押し込まれる。その結果、ステント200留置後の処置において必要となるガイドワイヤ300の導入作業に要する時間を、より一層短くすることが可能となる。また、固定部140を設けなくても、拡張部120においてガイドワイヤ300を保持することができるため、前述した実施形態と比較して、製造コストを押さえることができる。
また、ガイドワイヤ300の少なくとも一部には、X線造影性が備えられている。このため、ガイドワイヤ300の位置をX線透視下で確認することができる。特に、ガイドワイヤ300は、ガイドワイヤ300の先端部302にX線造影性を有することが好ましい。このように構成することで、血管の分岐部とガイドワイヤの先端部の位置関係を調整しやすい。
また、変形例に係るカテーテルセット1は、カテーテル組立体10が包装容器20に収容された包装状態において、ガイドワイヤ300の基端側をバルーンカテーテル100の基端側に固定する固定具30をさらに有する。このため、包装容器20からカテーテル組立体10を取り出した際に、ガイドワイヤ300の基端側がばたついたり、ガイドワイヤ300がガイドワイヤ挿通ルーメン123から抜けてしまったりするのを防止することができ、使い勝手の良いものとなる。また、カテーテルセット1を移動させる際、ガイドワイヤ300の基端側が包装容器20と接触し、包装容器20が破損するリスクを抑制することができる。
以上、実施形態および変形例を通じて本発明に係るステントデリバリーシステムを説明したが、本発明は説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、前述した実施形態では、拡張部120に形成されている固定部140が単一である場合を説明したが、固定部は複数形成されていてもよい。例えば、固定部が、第2凸部121bと第3凸部121cとの間、および第3凸部121cと第1凸部121aとの間に形成されていてもよい。また、例えば、第1凸部121aと第2凸部121bとの間において、拡張部120の軸方向に沿って、複数の固定部が形成されていてもよい。
また、前述した実施形態では、第1凸部121aと第2凸部121bとを固定して、ガイドワイヤ挿通ルーメン123を区画形成する場合を説明したが、例えば、第2凸部121bを第1凹部122aに固定することによってガイドワイヤ挿通ルーメンを区画形成してもよい。
1 カテーテルセット
10 カテーテル組立体
11 ステントデリバリーシステム、
20 包装容器、
30 固定具、
100 バルーンカテーテル、
110 シャフト、
120 バルーン、
121a、121b、121c 凸部、
122a、122b、122c 凹部、
123 ガイドワイヤ挿通ルーメン、
130 ハブ、
140 固定部、
200 ステント、
203 間隙、
300 ガイドワイヤ、
301、303 基部、
302、304 先端部、
N 狭窄部、
V1 血管、
V2 分岐部。

Claims (8)

  1. 長尺状のシャフトおよび前記シャフトの先端側に設けられて拡張収縮可能な拡張部を備えるバルーンカテーテルと、
    前記拡張部が収縮された状態で、前記拡張部の外表面に配置されるステントと、を有するステントデリバリーシステムであって、
    前記拡張部は、前記拡張部が収縮された状態で、前記シャフトの軸方向に対して直交する断面において、前記ステント側に突出した複数の凸部を備え、
    前記複数の凸部は、第1凸部と、前記第1凸部に隣接する第2凸部と、を少なくとも備え、
    前記第1凸部と、前記第2凸部との間には凹部が形成されており、
    前記第1凸部と前記第2凸部との間には、前記拡張部の軸方向の一部において、前記第1凸部と前記第2凸部とを切り離し可能に固定する固定部が形成されており、
    前記固定部と前記凹部との間には、前記第1凸部と前記第2凸部とが前記固定部により固定された状態で、ガイドワイヤが挿通可能なガイドワイヤ挿通ルーメンが形成されていることを特徴とするステントデリバリーシステム。
  2. 前記固定部は、前記拡張部が拡張された状態で、前記第1凸部と前記第2凸部との間の固定を解除することを特徴とする請求項1に記載のステントデリバリーシステム。
  3. 請求項1または請求項2に記載のステントデリバリーシステムと、
    前記ガイドワイヤ挿通ルーメンにおいて保持されたガイドワイヤと、を有するカテーテル組立体であって、
    前記ステントは、複数の間隙を備え、
    前記ガイドワイヤは、前記ガイドワイヤ挿通ルーメンに挿通された基部と、前記基部の先端側に連なるとともに前記基部に対して湾曲し、前記ステントの前記間隙から突出する先端部と、を備えることを特徴とするカテーテル組立体。
  4. 前記ガイドワイヤの少なくとも一部には、X線造影性が備えられていることを特徴とする請求項3に記載のカテーテル組立体。
  5. 請求項3または請求項4に記載のカテーテル組立体と、
    前記カテーテル組立体を収容可能な包装容器と、を有するカテーテルセットであって、
    前記カテーテル組立体が前記包装容器に収容された包装状態において、前記ガイドワイヤの基端側を前記バルーンカテーテルの基端側に固定する固定具をさらに有する、ことを特徴とするカテーテルセット。
  6. 長尺状のシャフトおよび前記シャフトの先端側に設けられて拡張収縮可能な拡張部を備えるバルーンカテーテルと、
    前記拡張部が収縮された状態で、前記拡張部の外表面に配置されるステントと、
    前記拡張部が収縮された状態で、前記拡張部において保持されるガイドワイヤと、を有するカテーテル組立体であって、
    前記拡張部は、前記拡張部が収縮された状態で、前記シャフトの軸方向に対して直交する断面において、前記ステント側に突出した複数の凸部を備え、
    前記ステントは、複数の間隙を備え、
    前記ガイドワイヤは、前記拡張部が収縮された状態で、前記拡張部の外表面上で前記凸部に覆われた基部と、前記基部の先端側に連なるとともに前記基部に対して湾曲し、前記ステントの前記間隙から突出する先端部と、を備えることを特徴とするカテーテル組立体。
  7. 前記ガイドワイヤの少なくとも一部には、X線造影性が備えられている、ことを特徴とする請求項6に記載のカテーテル組立体。
  8. 請求項6または請求項7に記載のカテーテル組立体と、前記カテーテル組立体を収容可能な包装容器と、を有するカテーテルセットであって、
    前記カテーテル組立体が前記包装容器に収容された包装状態において、前記ガイドワイヤの基端側を前記バルーンカテーテルの基端側に固定する固定具をさらに有する、ことを特徴とするカテーテルセット。
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